JP2016085095A - 線条体画像解析装置、プログラムおよび線条体画像解析システム - Google Patents

線条体画像解析装置、プログラムおよび線条体画像解析システム Download PDF

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Abstract

【課題】三次元核医学画像を用いて線条体神経変性疾患の被験者ごとの症例の傾向を診断するための客観的かつ定量的な結果を得ることが可能な装置、プログラムおよびシステムを提供する。
【解決手段】線条体画像解析装置100は、画像取得部20、基準点特定部30、軸設定部40および解析部50を有している。画像取得部20は、被験者の線条体を含む頭部の三次元核医学画像を取得する。基準点特定部30は、左右少なくとも一方の線条体に対応する線条体領域の内部で三次元核医学画像の画素強度に基づいて基準点を特定する。軸設定部40は、基準点を通り線条体領域の長手方向に延在する基準軸を設定する。解析部50は、線条体領域の内部における画素強度の分布特性52を基準軸に沿って解析する。
【選択図】図1

Description

本発明は、線条体を含む頭部の三次元核医学画像を解析する線条体画像解析装置、プログラムおよび線条体画像解析システムに関する。
線条体は新線条体や背側線条体とも呼ばれ、被殻と尾状核とで構成されている。パーキンソン症候群やレビー小体型認知症疾患は、中脳の黒質緻密部から線条体にドーパミンを投射するドーパミン神経(黒質線条体ドパミン神経)の神経細胞が変性する進行性の運動失調疾患である。これらの疾患では、ドーパミン神経の終末部に存在するドーパミントランスポーター(以下、「DAT」と略記する場合がある)の密度が低下することが知られている。123I−イオフルパンは線条体のドーパミン神経のシナプスにおけるDATに高い親和性を有する放射性医薬品であり、ダットスキャン(登録商標)とも呼ばれる。かかる放射性医薬品は、被験者の血中に投与されると主として線条体のDATに集積して放射線を放出する。このため、単一光子放射断層撮影(SPECT)による検査診断によって脳内におけるDATの分布密度を画像化(イメージング)することが可能になる。
パーキンソン症候群は、パーキンソン病およびパーキンソン病症状を呈する疾患の総称であり、多系統萎縮症や進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症などが含まれる。以下、パーキンソン症候群とレビー小体型認知症疾患とを合わせて、線条体神経変性疾患と呼称する。この種の線条体神経変性疾患の進行はドーパミン神経の変性や脱落として現れるものであり、線条体の外形的な特徴には現れないため、核磁気共鳴画像法(MRI)検査やコンピュータ断層撮影(CT)検査では異常を発見することが困難である。
従来、パーキンソン症候群やレビー小体型認知症疾患の進行度合いの診断は、被験者の症状を診察して診断基準に基づいて判断することが中心であった。そして近年では、上述したダットスキャン(登録商標)を投与して行うSPECT検査により取得された線条体の画像パターン(SPECT画像)から上記の症例の進行度合いを判断することが試みられている。
非特許文献1には、かかるSPECT画像により健常例とパーキンソン病症例の線条体を対比することが記載されている。具体的には、体軸断面(Axial)画像で線条体を定性的に対比評価したところ、健常例では両側の線条体が勾玉状に描出されることが報告されている。これに対し、パーキンソン病症例では被殻および尾状核を中心に、放射性薬剤に由来する放射能の集積の低下が認められ、尾状核頭部が小円状に描出されることが報告されている。非特許文献2および非特許文献3に関しては後述する。
特許文献1には、放射性薬剤を投与して陽電子放射断層撮影(PET)やSPECTにより線条体における放射能の集積度合いを画像化し、また放射能の時間経過を表す放射能曲線を用いて、健常例とパーキンソン病症例とを定性的に対比することが記載されている。
特表2011−516866号公報
"Reproducibility of dopamine transporter density measured with 123I-FPCIT SPECT in normal control and Parkinson's disease patients", Tatsuro TSUCHIDA et al.著, Annals of Nuclear Medicine Vol. 18, No. 7, P.609-616, 2004年 "Quantification of [123I]FP-CIT SPECT brain images: an accurate technique for measurement of the specific binding ratio", Livia Tossici-Bolt et al.著, European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging Vol. 33, No. 12, P.1491-1499, 2006年 "Linear intensity normalization of FP-CIT SPECT brain images usingthe α-stable distribution", Diego Salas-Gonzalez et al.著, NeuroImage Vol. 65, P.449-455, 2013年
SPECT画像などの三次元核医学画像を用いてドーパミン神経の変性や脱落の進行度合いを精度よく評価するにあたっては、線条体部分の関心領域(VOI)を適切に設定して左右の線条体で放射能の集積度合いを比較することが求められる。これにより、被験者の線条体におけるDATの密度(以下、「線条体集積」という場合がある)が定量化され、パーキンソン症候群やレビー小体型認知症疾患の早期診断に有効な情報を得ることが期待される。
しかしながら従来は、SPECT画像から線条体集積をあくまで定性評価をするに留まるものであるか、または定量評価する場合でも評価者の主観による誤差が大きかった。たとえば、非特許文献1ではSPECT画像で現れる左右の線条体の形状を定性的に比較するに留まっている。特許文献1では、左右の尾状核、前部被殻、後部被殻などから任意のボクセルを抽出して放射線の計数値を求めている。このため、計数値を求めるボクセルの抽出には評価者の恣意的な判断が入ることとなり、健常例とパーキンソン病症例との結果を対比した場合の誤差を多く含む。また、評価者や評価機関が異なる場合にはボクセルの抽出基準が異なるため、診断結果同士を対比しても必ずしも有意な情報が得られるとは限らない。非特許文献2では、関心領域として左右の線条体をそれぞれ包含する略直方体状の領域を広く設定し、かかる関心領域の全体における計数値を用いて左右の線条体の集積度合いを評価している。
一方、本発明者らの検討によれば、線条体の集積度合いは被験者ごとに様々な傾向を示すことが明らかとなっている。たとえば、症例が進行した場合に、被験者によっては線条体の集積度合いが全体的に低下したり、またはモザイク状に局所的に低下したりするといった異なる傾向を示すことがある。
このため、非特許文献1のような定性評価では被験者ごとの症例の傾向まで含めて線条体の集積度合いを評価することはできない。また、特許文献1のように線条体の尾状核や被殻から評価者がボクセルを選択して計数値を求める手法では、このボクセルの選択によって評価結果が大きく変動する。たとえば左右一方の線条体の集積度合いが他方よりも低かったとしても、これが全体的に低下しているのか局所的に低いボクセルを選択したことに起因しているのかを弁別することはできない。言い換えると被験者ごとの症例の傾向までを考慮した評価をすることはできない。非特許文献2の手法では、線条体の周囲の大脳基底核の計数値の影響を無視することができず正確な定量評価をすることはできない。すなわち、ダットスキャン(登録商標)などDATに高い親和性を有する放射性医薬品は中脳にも集積するため、非特許文献2のように広域の関心領域を設定した場合は線条体の周囲の大脳基底核における計数値の影響が大きくなる。このため、左右の線条体の集積度合いの差異を定量的に評価することが困難となる。
以上説明したように、SPECT画像などの三次元核医学画像を用いた従来の手法では、パーキンソン症候群やレビー小体型認知症疾患の進行度合いを実用的な精度で定量評価することは困難であり改良の余地が多く残されていた。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、三次元核医学画像を用いて線条体神経変性疾患の被験者ごとの症例の傾向を診断するための客観的かつ定量的な結果を得ることが可能な装置、プログラムおよびシステムを提供するものである。
本発明によれば、被験者の線条体を含む頭部の三次元核医学画像を取得する画像取得手段と、左右少なくとも一方の前記線条体に対応する線条体領域の内部で前記三次元核医学画像の画素強度に基づいて基準点を特定する基準点特定手段と、前記基準点を通り前記線条体領域の長手方向に延在する基準軸を設定する軸設定手段と、前記線条体領域の内部における前記画素強度の分布特性を前記基準軸に沿って解析する解析手段と、を有する線条体画像解析装置が提供される。
また、本発明によれば、被験者の線条体を含む頭部の三次元核医学画像を解析処理する線条体画像解析装置のコンピュータによって実行されるプログラムであって、左右少なくとも一方の前記線条体に対応する線条体領域の内部で前記三次元核医学画像の画素強度に基づいて基準点を特定する基準点特定処理と、前記基準点を通り前記線条体領域の長手方向に延在する基準軸を設定する軸設定処理と、前記線条体領域の内部における前記画素強度の分布特性を前記基準軸に沿って解析する解析処理と、を前記コンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
本発明によれば、複数の情報端末がネットワークを介して通信可能に接続されたネットワークシステムであって、被験者の線条体を含む頭部の三次元核医学画像を蓄積する画像蓄積手段と、左右少なくとも一方の前記線条体に対応する線条体領域の内部で前記三次元核医学画像の画素強度に基づいて基準点を特定する基準点特定手段と、前記基準点を通り前記線条体領域の長手方向に延在する基準軸を設定する軸設定手段と、前記線条体領域の内部における前記画素強度の分布特性を前記基準軸に沿って解析する解析手段と、解析された前記分布特性を出力する出力手段と、を有する線条体画像解析システムが提供される。
上記発明によれば、三次元核医学画像の画素強度に基づいて基準点および基準軸が客観的に特定され、かかる基準軸に沿って線条体領域の内部における画素強度の分布特性が解析される。このため、評価者の恣意性を排除したうえで線条体集積の傾向を被験者ごとに正確に定量評価することが可能である。
本発明の線条体画像解析装置、プログラムおよび線条体画像解析システムによれば、三次元核医学画像を用いて線条体神経変性疾患の被験者ごとの症例の傾向を診断するための客観的かつ定量的な結果を得ることができる。
本発明の実施形態にかかる線条体画像解析装置および周辺装置を示す機能構成図である。 被験者の頭部を示す側面図である。 線条体領域を包含する関心領域を示す三次元核医学画像である。 線条体領域を含む三次元核医学画像である。 基準点および基準軸を示す説明図である。 線条体画像解析装置によって行われる全体処理のフローチャートである。 関心領域の設定処理の詳細を示すフローチャートである。 基準点特定部が行う基準点特定処理を示す模式図である。 分布特性の第一例である線条体集積比の二次元マップであり、図9(a)は右側線条体の結果を示し、図9(b)は左側線条体の結果を示す。 分布特性の第二例である計数値の二次元グラフである。 線条体ファントムのSPECT画像を用いた第一の解析結果を示す二次元グラフであり、図11(a)は分布特性の第三例である尾状核領域の立ち上がりを示し、図11(b)は分布特性の第四例である尾状核−被殻領域間の傾きを示す。 線条体ファントムのSPECT画像を用いた第二の解析結果を示す二次元グラフであり、図12(a)は分布特性の第三例である尾状核領域の立ち上がりを示し、図12(b)は分布特性の第四例である尾状核−被殻領域間の傾きを示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
図1は本発明の実施形態にかかる線条体画像解析装置100および周辺装置を示す機能構成図である。周辺機器として、撮像装置110、操作受付部120および表示装置130を例示するが、これに限られない。図2は被験者Sの頭部Hを示す側面図である。図3は線条体領域11を包含する関心領域14(14a・14b)を示す三次元核医学画像(画像10)である。
はじめに、本実施形態の概要について説明する。
本実施形態の線条体画像解析装置100は、画像取得部20、基準点特定部30、軸設定部40および解析部50を有している。画像取得部20は、被験者Sの線条体STを含む頭部Hの三次元核医学画像(画像10)を取得する。基準点特定部30は、左右少なくとも一方の線条体STに対応する線条体領域11の内部で三次元核医学画像(画像10)の画素強度に基づいて基準点12を特定する。軸設定部40は、基準点12を通り線条体領域11の長手方向に延在する基準軸13を設定する。解析部50は、線条体領域11の内部における画素強度の分布特性52を基準軸13に沿って解析する。
図2に示すように、被験者S(ヒト)の線条体STは、尾状核CNおよび被殻PUで構成され、中脳MBの上部に位置している。被殻PUは楕円球状をなし、尾状核CNは被殻PUを取り囲む湾曲形状をなしている。左右一対の線条体STが頭部Hの略中心に配置されている。図3に示す画像10は、被験者Sの頭部Hの三次元核医学画像のうち、線条体STの略中心を通り前交連−後交連線APLに平行な平面APPの一例である。平面APPは、大脳の前交連と後交連とを結ぶ前交連−後交連線APL(AC−PCライン)と平行な平面である。図3に示す頭部領域19は頭部Hに対応している。
図2および図3に示すように、頭部Hの前方を+Y方向、頭頂方向を+Z方向、頭部Hの左方から右方に向かう方向を+X方向とする。
次に、本実施形態の線条体画像解析装置100について詳細に説明する。線条体画像解析装置100が頭部Hの三次元核医学画像(画像10)を取得し、この画像10を画像解析して線条体領域11の内部における画素強度の分布特性52を解析する。
画像10の画素とは、二次元画像におけるピクセルまたは三次元画像におけるボクセルである。画像10の画素強度とは、二次元画像におけるピクセル値または三次元画像におけるボクセル値である。具体的には、線条体STに集積した放射性薬剤(マーカー)から四方八方に放射されるガンマ線などの頭部放射線R(図2参照)の計数値、またはかかる計数値より換算可能な数値である。
より具体的には、画像10の画素強度は、被験者Sに投与されて線条体ドーパミントランスポーターと結合する放射性薬剤から放射される放射線の計数値を示す。本実施形態に用いられる放射性薬剤としては、123Iで標識されたイオフルパン(123I−FP−CIT)を挙げることができる。
線条体画像解析装置100は、いわゆるコンピュータ端末であってCPUとメモリとを有する。CPUは、線条体画像解析装置100に組み込まれたコンピュータプログラムの実行処理を行うハードウェアである。メモリは、CPUが処理すべきデータを一定期間保持するハードウェアである。なお、ここでメモリは、メインメモリやキャッシュメモリ等の記憶装置を含むハードウェアの総称として扱う。線条体画像解析装置100は、メモリで保持されたデータやプログラムをCPUで実行することにより、種々の機能をソフトウェア処理によって実現することができる。または、線条体画像解析装置100は、専用の論理回路を用いたハードウェア処理、およびソフトウェア処理およびハードウェア処理の組み合わせによっても実現可能である。
線条体画像解析装置100とともに用いられる撮像装置110は、上記の放射性薬剤が投与された被験者Sの頭部Hの三次元核医学画像(画像10)を撮影する。具体的には、撮像装置110はSPECT装置である。三次元核医学画像は、被験者Sの頭部Hを任意の方向から撮影して取得することができる。一例として、撮像装置110の検出器(図示せず)を、図2に示す前交連−後交連線APLまたは眼窩耳孔線OMLに正対させて撮影することができる。眼窩耳孔線OMLとは、眼窩中心OBまたは外眼角(目尻点)Cと外耳孔Mとを結ぶ線であり、OMライン(orbitomeatal base line)と呼称される場合がある。このほか、左右の外耳道上縁と一方の眼窩下点の合計3点を通る平面であるフランクフルト平面と平行に撮影してもよい。このうち、本実施形態の三次元核医学画像は眼窩耳孔線OMLに正対して検出器を配置して撮影することが好ましい。これにより、図2に示すように尾状核CNおよび被殻PUからそれぞれ放射される頭部放射線Rが撮像装置110の検出器に良好に入射して計数されるため、図3に例示する体軸断面画像の精度が向上する。
画像取得部20は、撮像装置110で撮像された三次元核医学画像(画像10)を取得して画像蓄積部22に格納する。画像取得部20が画像10を取得するとは、撮像装置110で新たに撮像されたSPECT画像を撮像装置110から取り込むことのほか、予め撮像されて記憶手段(図示せず)に記憶された画像10を当該記憶手段から受け取ることを含む。また、画像取得部20が取得する画像10は、撮像装置110または他のコンピュータにより予め三次元再構成された画像でもよく、または三次元未構成の二次元画像を画像取得部20で取得して三次元再構成してもよい。
なお、画像蓄積部22や後述する症例蓄積部80がデータを格納または蓄積するとは、これらの装置がデータを記憶する機能を有することを意味する。すなわち、線条体画像解析装置100の使用開始時点またはそれ以前に、これらの装置にデータが記憶されていることを必ずしも要しない。
操作受付部120は、線条体画像解析装置100の使用者による操作を受け付ける手段であり、具体的には、操作ボタン、キーボード、マウス等である。線条体画像解析装置100は、操作受付部120から受け付けた電気信号に応じて各種制御を実行する。
画像取得部20、基準点特定部30、軸設定部40、解析部50および領域設定部60が行う具体的な処理については後述する。
描画生成部54(図1参照)は、解析部50が解析した分布特性52に基づいて、表示装置130で表示可能なグラフや数値、画像などの描画データを生成する。描画生成部54は、画像蓄積部22に蓄積されている画像10や症例蓄積部80に蓄積されている症例データ82を取得して、分布特性52を示す描画データと並列的にまたは重ねあわせて出力してもよい。
線条体画像解析装置100は、解析部50で解析して得られた分布特性52を出力する出力部70を有している。出力部70は、描画データを描画生成部54から受け取って、たとえば表示装置130で表示出力する。このほか、紙媒体にプリンタ(図示せず)で印刷出力してもよく、または記憶装置(図示せず)にデータ出力してもよい。
表示装置130は、撮像装置110で撮像された画像10や、解析部50で解析された分布特性52(詳細は後述)、症例蓄積部80から読み出された症例データ82などを使用者または被験者S等に視認可能に表示出力する装置である。図1においては表示装置130と操作受付部120とを別々の構成要素として図示しているが、これは一例である。タッチパネル式の表示デバイスなど表示出力および操作入力が可能な装置を用いることにより、表示装置130と操作受付部120とを一体的に実現することも可能である。
画像取得部20、基準点特定部30、軸設定部40および解析部50が実行する具体的な処理については後述する。線条体画像解析装置100は、基準軸13を中心軸とし線条体領域11を包含する柱状の関心領域14を設定する領域設定部60を更に有している。
線条体画像解析装置100は、いわゆるスタンドアローン式の独立した機器として実現してもよく、または複数の情報端末がネットワークを介して通信可能に接続されたネットワークシステムとして実現してもよい。すなわち、本発明により実現される線条体画像解析システムは、画像蓄積部22、基準点特定部30、軸設定部40、解析部50および出力部70を有する。画像蓄積部22は、被験者の線条体STを含む頭部Hの三次元核医学画像(画像10)を蓄積する。基準点特定部30は、左右少なくとも一方の線条体STに対応する線条体領域11の内部で三次元核医学画像(画像10)の画素強度に基づいて基準点12を特定する。軸設定部40は、基準点12を通り線条体領域11の長手方向に延在する基準軸13を設定する。解析部50は、線条体領域11の内部における画素強度の分布特性52を基準軸13に沿って解析する。そして、出力部70は、解析された分布特性52を出力する。
画像蓄積部22、基準点特定部30、軸設定部40、解析部50、領域設定部60および出力部70にそれぞれ相当する機能は、複数の情報端末に分散して設けられていてもよい。
ここでネットワークとは、インターネットやLAN(Local Area Network)等の種々のコンピュータネットワークまたはその組合せで構成することができる。このようなネットワークシステムは、例えば、撮像装置110で撮像された画像10を、画像蓄積部22にあたるネットワーク上のサーバーに蓄積し、当該ネットワークにアクセス可能な別のコンピュータ端末で基準点特定部30、軸設定部40および解析部50の処理を行ってもよい。これにより、クラウドコンピューティングによる線条体画像解析システムが実現される。
本発明は、記憶媒体から読み出されて線条体画像解析装置100のコンピュータによって実行されるプログラムとしても実現される。記憶媒体とは、磁気ディスクや光学ディスク、フラッシュメモリ等のデータを記憶する装置や部品をいう。すなわち、本発明により実現されるプログラムは、被験者の線条体STを含む頭部Hの三次元核医学画像(画像10)を解析処理する線条体画像解析装置100のコンピュータによって実行される。そして、本実施形態のプログラムは、基準点特定処理と軸設定処理と解析処理と、を当該コンピュータに実行させる。基準点特定処理は、基準点特定部30により実行され、左右少なくとも一方の線条体STに対応する線条体領域11の内部で三次元核医学画像(画像10)の画素強度に基づいて基準点12を特定する処理である。軸設定処理は、軸設定部40により実行され、基準点12を通り線条体領域11の長手方向に延在する基準軸13を設定する処理である。解析処理は、解析部50により実行され、線条体領域11の内部における画素強度の分布特性52を基準軸13に沿って解析する処理である。
<関心領域の設定について>
図4は線条体領域11を含む三次元核医学画像(画像10)である。図5は基準点12および基準軸13を示す説明図である。図4に示す画像10は、頭部領域19の体軸断面画像の一例である。左右一対の線条体領域11a・11bは、それぞれ尾状核領域11cと被殻領域11dとで構成されている。かかる画像10に基づいて図3に示した基準軸13および関心領域14を設定し、さらに図1に示す線条体画像解析装置100の解析部50により分布特性52を解析する方法(以下、本方法という場合がある)について説明する。
図6は線条体画像解析装置100によって行われる本方法の全体処理のフローチャートである。図7は本方法における解析領域設定ステップS120の詳細を示すフローチャートである。
図6に示すように、本方法は、画像取得ステップS100、基準点特定ステップS110、解析領域設定ステップS120、正規化ステップS130、出力設定ステップS140、解析ステップS150および結果出力ステップS160で構成されている。
画像取得ステップS100では、画像取得部20は撮像装置110より画像10を取得し、画像蓄積部22に格納する。画像蓄積部22に格納される画像10はSPECT画像であり、少なくとも左右一対の線条体領域11(11a、11b)の全体を含む頭部領域19についてSPECT画像を三次元再構成した三次元画像データである。頭部領域19は、三次元的に配置された多数のボクセルで構成されている。ボクセルサイズは、たとえば1mm以上10mm以下などとすることができる。各ボクセルの画素強度は、頭部H(図2参照)における対応位置から放射された頭部放射線Rの計数値を表しており、言い換えると頭部Hの内部における線条体集積の度合いを表している。
基準点特定ステップS110では、基準点特定部30は画像蓄積部22から画像10を読み出して、左右の線条体領域11a・11bから画素強度の最大値をそれぞれ求める。具体的には、基準点特定部30は、眼窩耳孔線OMLと平行にスライスされた複数枚の体軸断面画像(Axial画像:二次元画像)を画像蓄積部22より取得する。かかる体軸断面画像は、画像取得部20が撮像装置110から取得したものでもよく、または三次元再構成された三次元核医学画像を眼窩耳孔線OMLと平行にスライスして生成したものでもよい。体軸断面画像は、線条体領域11a・11bを包含する範囲で取得すればよく、具体的には眼窩耳孔線OMLを基準として、頭尾方向(Z方向)に+50mmから−40mmの範囲などで取得するとよい。体軸断面画像は、かかる範囲の中で、所定のスライス間隔(たとえば3mm間隔など)で取得するとよい。
基準点特定部30は、かかる複数枚の体軸断面画像(二次元画像)から、線条体領域11a・11bの内部における画素強度が最大値をとるピクセル(最大強度点)を抽出する。最大値の特定は、閾値法などの常法により行うことができる。基準点特定部30は、閾値法により体軸断面画像を個別に評価してもよい。または、隣接して重なり合う複数枚の体軸断面画像における画素強度を対応するピクセルごとに加算して生成された加算画像(SUM Axial画像)を、閾値法により評価して画素強度が最大値となるピクセルの位置を体軸断面内で特定してもよい。
本方法で用いられる画像10の画素強度は、線条体ドーパミントランスポーターと結合する放射性薬剤から放射される放射線の計数値に対応しているため、画素強度の最大値は線条体領域11aまたは11bの内部より抽出される。したがって、体軸断面画像を大きく左右に二分割し、左右各領域における画素強度の最大値を抽出すればよい。これにより、左右の線条体領域11a・11bから画素強度の最大値がそれぞれ求められる。
なお、上記方法に代えて、基準点特定部30は三次元核医学画像(画像10)のボクセル値に基づいて、線条体領域11a・11bにおける画素強度の最大値を示すボクセルを閾値法などにより抽出して最大強度点を特定してもよい。
本発明者らの検討によれば、臨床情報から、左右両側の線条体STで、正常または異常を問わず、多くの症例で最大集積点は安定して同じ位置に出現することが明らかとなっている。この最大集積点は一般に被殻PU(図2参照)の前部である。
基準点特定部30は、上記方法により抽出された、線条体領域11a・11bの内部における画素強度の最大値を示すピクセルまたはボクセル(最大強度点)を、そのまま基準点12a・12bとして特定してもよい。ただし本方法では、基準点12a・12bが確実に線条体領域11a・11bの内部から選択されるよう基準点特定部30は以下の処理を行う。
図8は基準点特定部30が行う基準点特定処理を示す模式図である。図8は、図4に示す画像10をX方向に切断し、縦軸に画素強度(カウント値)をとったものである。線条体領域11aにおける画素強度の最大値を示すピクセルを最大強度点Paとし、線条体領域11bにおける画素強度の最大値を示すピクセルを最大強度点Pbとする。
基準点特定部30は、線条体領域11a・11bの輪郭をおおまかに抽出し、左右の線条体ST(図2参照)が尖鋭に切り出されていることを視覚的に確認可能とする。基準点特定部30は、最大強度点Pa・Pbを閾値THに設定し、かかる閾値THを画素強度として有するピクセル数(第一ピクセル数)を計数する。つぎに、閾値THを所定の刻み幅で減少させ、かかる閾値TH以上の画素強度を有するピクセル数(第二ピクセル数)を計数する。そして、第二ピクセル数と第一ピクセル数との差分値(ΔS)を求める。図8に示すように、差分値(ΔS)は、線条体領域11a・11bのグラフと二本の平行線とで囲まれる面積にあたる。基準点特定部30は、閾値THを順次低減させて、この差分値(ΔS)を求めていく。閾値TH1まで低減させていく間、線条体領域11a・11bの裾野部分のピクセル数が計数されることとなり、差分値(ΔS)は徐々に増大していく。そして、閾値TH2以上の画素強度を有する第一ピクセル数と、閾値TH3以上の画素強度を有する第二ピクセル数との差分値(ΔS)は急激に増大する。このことから、閾値TH3は線条体領域11a・11bの内部の画素強度ではなく、線条体領域11a・11bの周辺における脳皮質の画素強度であると判断できる。基準点特定部30は、差分値(ΔS)の大きさ、または前回の差分値(ΔS)に対する次回の差分値(ΔS)の増大比率が、予め定められた所定値に達したことに基づいて、この直前の閾値TH2を線条体領域11a・11bの画素強度の下限値と定める。そして、閾値TH2以上の画素強度を有する領域を線条体領域11a・11bとして特定する。
基準点特定部30は、上記の閾値処理を、線条体領域11a・11bを含む複数の体軸断面画像に対して行い、線条体領域11a・11bをそれぞれ三次元的に区画する。基準点特定部30は、上記の閾値処理により区画された三次元領域のうち、1番目および2番目に体積の大きい領域を、線条体領域11a・11bとして特定する。
なお、基準点特定部30は、線条体領域11aおよび線条体領域11bのそれぞれについて、個別に上記の閾値処理を行ってもよく、または共通の閾値THを用いて線条体領域11aおよび線条体領域11bを同時に特定してもよい。線条体神経変性疾患の被験者Sの場合、症例によっては、線条体領域11a・11bのうちの一方における画素強度が顕著に低くなることがある。かかる場合には、異なる閾値THを設定して線条体領域11a・11bを個別に閾値処理するとよい。これにより、線条体領域11a・11bのうち、画素強度が高い一方のみならず、画素強度が低い他方についても、周囲の脳皮質と弁別して三次元的に区画することができる。
ここで、本方法で用いられる放射性薬剤は線条体ドーパミントランスポーターと結合するため、中脳MB(図2参照)の黒質緻密部にも集積することが知られている。このため、体軸断面画像のZ方向の高さ位置によっては、線条体領域11a・11bの間の中脳領域15における画素強度(カウント値)が線条体領域11a・11bの外周の脳皮質に比べて高くなっている場合がある。ただし、中脳領域15における画素強度は、脳皮質に比べれば高いものの、線条体領域11a・11bよりも有意に低くなることが本発明者らの検討により明らかとなっている。かかる場合、中脳領域15および線条体領域11a・11bの3つの領域が連結されて一連の三次元領域として特定されるおそれがある。この場合は、上記の閾値処理に代えて他の方法を用いてもよい。たとえば、画像10をX方向に走査して画素強度が高い上位2つの領域を特定することで中脳領域15を排除することができる。そして、かかる走査をY方向にずらしながら繰り返し、特定された領域をそれぞれ連結していくことで、線条体領域11a・11bのみを三次元的に区画することができる。
基準点特定部30は、三次元的に区画された線条体領域11a・11bを構成するボクセルを対象として、ボクセル値(画素強度)の最大値をそれぞれ抽出し、これらを基準点12a・12bとして特定する。これにより、上述した最大強度点が線条体領域11a・11bの外部に発生した計数誤差に起因する場合でも、基準点特定部30は、左右一対の線条体領域11の内部で基準点12a・12bをそれぞれ特定することができる。
つぎに、本方法では解析領域設定ステップS120を行う。解析領域設定ステップS120では、基準軸13を設定し関心領域14(14a・14b)を決定する。具体的には、図7に示すように、解析領域設定ステップS120は、軸設定ステップS121、対称面決定工程S122および関心領域決定ステップS123を含む。
本方法において軸設定部40は、基準軸13a・13bを被験者の前交連−後交連線APL(図2参照)を含む平面APPと平行な面内に設定する。図3はその例である。平面APPは解剖学的に定められる平面であるため、平面APP上で線条体STの中心軸を定義することで、この中心軸の延在方向は線条体STの長手方向と略一致する。これにより、後述する領域設定部60は、線条体領域11bを包含するように関心領域14a・14bを定義することができる。
軸設定ステップS121では、軸設定部40は、基準点12a・12bを通るとともに、輪郭抽出された線条体領域11a・11bの長手方向に延在するように、基準軸13(13a・13b)を設定する(図3参照)。
具体的には、まず軸設定部40は、図5に示すように、基準点12a・12bを結ぶ線分17aと、この線分17aの垂直二等分線17bを平面APPと平行な面内で設定する。つぎに軸設定部40は、線分17aの延在方向にX軸に設定し、垂直二等分線17bの延在方向にY軸に設定する。軸設定部40は、X軸の正方向は頭部H(図2参照)の右側、負方向が左側とし、Y軸の正方向が前頭葉、負方向が後頭葉LC(図2参照)となるように座標系を設定する。
軸設定部40は、2つの基準点12a・12bから、Y軸正方向に10度以上30度以下の所定角度の仰角で2本の直線を設定する。言い換えると、軸設定部40はY軸上の1点(基点32)から2つの基準点12a・12bに対して60度以上80度以下の俯角でそれぞれ半直線を設定する。軸設定部40は、これらの直線(半直線)を基準軸13a・13bとして設定する。ここで、一般的な東洋人の被験者Sの場合は上記の仰角を30度程度に設定し、一般的な西洋人の被験者Sの場合は上記の仰角を10度程度に設定するとよい。これにより、基準軸13a・13bは線条体領域11a・11bの長手方向にそれぞれ延在することとなる。基準軸13a・13bの延在方向にそれぞれ局所座標系を設定する。図3に示すように、基点32から基準軸13aに沿って半直線が延在する方向をXST_leftとし、基点32から基準軸13bに沿って半直線が延在する方向をXST_rightとする。
なお、基準軸13a・13bの設定方法は上記に限られない。たとえば、基準点特定部30が三次元的に区画して特定した線条体領域11a・11bに対して、基準点12a・12bを通り線条体領域11a・11bの慣性モーメントが最小となる方向に基準軸13a・13bを設定してもよい。
対称面決定工程S122では、軸設定部40は、左右一対の基準点12a・12bを結ぶ線分17aの垂直二等分線17bを含む鉛直面18を決定する。鉛直面18は、平面APPに対して鉛直な面である。
領域設定部60(図1参照)は、線条体領域11a・11bをそれぞれ包含する関心領域14a・14bを設定する。領域設定部60は、左右一対の基準点12a・12bを結ぶ線分17aの垂直二等分線17bを含む鉛直面18に関して、左右対称に一対の関心領域14a・14bを設定する。
関心領域決定ステップS123で、領域設定部60は、基準軸13a・13bを中心軸とし線条体領域11a・11bをそれぞれ包含する柱状の関心領域14a・14bを設定する。
基準軸13a・13bの長さは、左右一対の線条体領域11a・11bに対して、互いに等しい長さで設定してもよく、または異なる長さとしてもよい。たとえば、線条体集積が線条体STの略全体に及ぶ健常例の場合、線条体領域11を包含する関心領域14の基準軸13は線条体領域11の長手方向の全長と同等またはそれ以上で比較的長い。一方、線条体集積が低下して線条体STの一部の画素強度が低くなる線条体神経変性疾患の症例の場合、線条体領域11として切り出される三次元領域が小さくなる。かかる場合、線条体領域11を包含する関心領域14も小さくて足りるため、健常例の場合に比べて基準軸13を短く設定することができる。
図3に示すように、線条体領域11aと線条体領域11bとは互いに重複しない位置および範囲に区画されている。一方、関心領域14aと関心領域14bとは、互いに一部同士が重複していてもよい。
領域設定部60は、関心領域14a・14bに関して、中心軸の位置および長さ、ならびに断面サイズを決定する。領域設定部60は、線条体領域11a・11bがそれぞれ関心領域14a・14bに完全に包含されるように、中心軸の長さおよび直径を決定する。
領域設定部60が決定する関心領域14a・14bは、円柱状でもよく、または角柱状でもよい。このほか、楕円柱状や、X方向寸法がZ方向寸法よりも小さい矩形柱状としてもよい。関心領域14a・14bが円柱状である場合、領域設定部60は中心軸の位置および長さ、ならびに直径(半径)を決定する。関心領域14a・14bが角柱状である場合、領域設定部60は中心軸の位置および長さ、ならびに横断面の縦横の辺長を決定する。
関心領域14a・14bを矩形柱状とする場合、横断面の縦横の辺長は特に限定されないが、10mm以上50mm以下、より具体的には30mm以上40mm以下とすることができる。そして、縦横の辺長を等しくし、関心領域14a・14bを正方柱状とするとよい。
領域設定部60が決定する関心領域14a・14bの形状は、操作受付部120を通じて使用者が設定することができる(図1参照)。
領域設定部60は、決定された関心領域14a・14bと重複する線条体領域11a・11bの体積(重複体積)を算出し、この重複体積が、基準点特定部30が三次元的に区画して特定された線条体領域11a・11bの領域体積と等しいことを確認する。重複体積が領域体積よりも小さい場合は、線条体領域11a・11bの少なくとも一部が関心領域14a・14bに包含されておらず外部に突出していると判断する(図7:ステップS124=NO)。そして、領域設定部60は関心領域14a・14bの中心軸の位置および長さ、および/または直径や横断面の縦横の辺長を拡大する。そして、重複体積が領域体積と等しい場合は線条体領域11a・11bが関心領域14a・14bに包含されていると判断し(図7:ステップS124=YES)、線条体画像解析装置100は解析領域設定ステップS120を終了する。
軸設定部40は、図3に示すように、基準軸13a・13bを頭部Hの前方(+Y側)から後方(−Y側)に向かって外向き(±X側)に設定する。領域設定部60は、中脳MBに対応する中脳領域15の外部に関心領域14a・14bを設定する。これにより、中脳領域15における比較的大きな画素強度の影響を受けずに、線条体領域11a・11bに関して後述する解析処理を行うことができる。
図1に示すように、軸設定部40は、決定した関心領域14a・14bを、出力部70を通じて表示装置130に表示出力させる。これにより、線条体画像解析装置100の使用者は関心領域14a・14bが線条体領域11a・11bをそれぞれ完全に包含していることを目視的に確認することができる。
図6に戻り、正規化ステップS130では、関心領域14a・14bにおける画素強度を参照領域16の画素強度に基づいて正規化する。
領域設定部60は、脳内に参照領域16(図4参照)を設定する。参照領域16は、頭部領域19の全領域に設定してもよく、または頭部領域19の内部のうち中脳領域15および線条体領域11a・11bを含まない一部領域に設定してもよい。本実施形態では、後者の例として頭部領域19のうち後頭葉LC(図2参照)に対応する一部領域に参照領域16を設定する場合を例示する。解析部50は、関心領域14における画素強度と参照領域16における画素強度との比率に基づいて分布特性52を解析する。具体的には、解析部50は、たとえば下式(1)または(2)に従って、関心領域14a・14bを構成するボクセル値(画素強度)を正規化する。
後頭葉LCに対応する参照領域16は、図4に示すように矩形(矩形柱状)に設定してもよく、または楕円形(楕円球状)や円形(球状)に設定してもよい。
(数1)
BRVOI=(CVOI−CNSB)/CNSB (1)
ただし、CVOIは関心領域14a・14bにおけるボクセル値(画素強度)であり、CNSBは参照領域16における平均のボクセル値(画素強度)である。
(数2)
DVR=CVOI/CNSB (2)
解析部50は、上述したように参照領域16として頭部領域19の全領域を設定してもよい。すなわち解析部50は、頭部領域19の全領域のボクセル値(画素強度)を平均して全平均値を算出し、上記の式(1)または(2)に従って、関心領域14a・14bを構成するボクセル値(画素強度)を正規化してもよい。または、非特許文献3に基づき、頭部領域19の全領域に関するボクセル値(画素強度)のヒストグラムを求め、最尤推定法などの統計的推定法を用いて関心領域14a・14bを構成するボクセル値(画素強度)を正規化してもよい。なお、参照領域16として、頭部領域19の全領域ではなく、図4に示すように中脳領域15および線条体領域11a・11bを含まない一部領域を設定することで、線条体集積により比較的高い画素強度を採り得る中脳領域15や線条体領域11a・11bの影響を排除することができる。
以下、ボクセル値または画素強度とは、正規化された各値を意味する場合がある。
出力設定ステップS140では、線条体画像解析装置100は、操作受付部120からの使用者の操作入力を受け付けて、解析部50が解析して求める画素強度の分布特性52の内容および表示装置130で二次元的に出力する態様を決定する。
具体的には、出力設定ステップS140では、解析される対象領域(線条体領域11aまたは11bの一方または両方)や、分布特性52として解析される下記の指標値、または出力態様(左右の線条体領域11a・11bの個別出力、左右の線条体領域11a・11b同士の対比、症例データ82との対比等)などを決定する。
表示装置130で出力する出力態様としては、二次元のマップまたはグラフを例示す。マップとは指標値の大小を主として色彩や濃淡、輝度等で可視化した図表であり、グラフとは指標値の大小を主として線や点などの幾何学的な形状や配置で可視化した図表である。二次元マップおよび二次元グラフの一方の軸(縦軸または横軸)は、基準軸13a・13bを設定するとよい。これにより、各種の指標値を線条体領域11a・11bの長手方向に亘って可視化することができる。
<解析処理について>
解析ステップS150では、解析部50は、基準軸13a・13bに沿って線条体領域11a・11bの内部における画素強度の分布特性52を解析して求める。これにより、線条体領域11a・11bにおける線条体集積の度合いの単純な平均値の情報を超えて、線条体領域11a・11bの内部における線条体集積の傾向の情報を得ることができる。
解析部50は、解析する分布特性52として、種々の指標値を選択することができる。たとえば解析部50は、分布特性52として、放射性薬剤の集積量、尾状核CNに対応する尾状核領域11cもしくは被殻PUに対応する被殻領域11d(図4参照)における集積量の変化率、尾状核領域11cと被殻領域11dとの中間領域における集積量の変化率、または集積量の尖度もしくは歪度、の少なくとも一つを解析する。
放射性薬剤の集積量とは、DATと放射性薬剤との特異的結合の程度を表す指標であり、たとえば基準軸13a・13bが通過するボクセルに関する正規化されたボクセル値(画素強度)である。ボクセル値(画素強度)は計数値でもよく、または正規化された値でもよい。
放射性薬剤の集積量を解析するにあたっては、解析部50は、関心領域14a・14bにおける画素強度を、中心軸(基準軸13a・13b)の交差方向に演算処理して分布特性52を解析してもよい。
かかる演算処理としては、最大値の抽出、平均化、加算など種々を挙げることができる。すなわち解析部50は、基準軸13a・13bの直交方向に線条体領域11a・11bのボクセル値(画素強度)を走査して、当該直交方向に並ぶ複数のボクセルより画素強度の最大値を抽出し、または当該複数のボクセルの画素強度の平均値もしくは加算値を算出する。解析部50は、かかる抽出値や算出値を基準軸13a・13bに沿って求めることにより分布特性52を解析する。
より具体的には、解析部50は放射性薬剤の集積量として、線条体領域11a・11bのボクセル値(画素強度)を基準軸13a・13bの各直交方向に投影して、投影経路中の画素強度の最大値を基準軸13a・13bに沿って一次元的または二次元的に求めてもよい。言い換えると、解析部50は基準軸13a・13bに沿って最大値投影法(MIP:maximum intensity projection)により、線条体領域11a・11bのボクセル値(画素強度)の最大値を抽出してもよい。かかる投影は、基準軸13a・13bに直交する任意の一方向に線条体領域11a・11bのボクセル値(画素強度)を走査する平行投影法、または基準軸13a・13bを中心として放射方向にボクセル値(画素強度)を走査する透視投影法により行うことができる。平行投影法を用いる場合の投影方向は、基準軸13a・13bに対してそれぞれ直交する方向であれば特に限定されないが、平面APPの面内方向、具体的には頭部領域19の左右外向きまたは内向きとすることができる。
結果出力ステップS160では、解析ステップS150の解析結果を表示装置130などで出力する。
出力される分布特性52の第一例として、図9各図に線条体集積比の二次元マップを示す。図9(a)は右側線条体(線条体領域11b)の結果を示し、図9(b)は左側線条体(線条体領域11a)の結果を示す。図9(a)は、横軸に局所座標系(XST_right)上における任意のボクセルから基点32までの距離をとり、縦軸に当該ボクセルから基準軸13bまでのXY平面(平面APP)上の距離をとり、そして線条体領域11bをZ方向に走査した場合の複数のボクセルにおける画素強度の最大値をマップ上に濃色で示したものである。図9(a)のグラフの上方は基準軸13bよりも+X方向(外側)に位置するボクセルを対象とする画素強度の最大値を示し、下方は基準軸13bよりも−X方向(内側)に位置するボクセルを対象とする画素強度の最大値を示す。図9(b)も同様であり、横軸に局所座標系(XST_left)上における任意のボクセルから基点32までの距離をとり、縦軸に当該ボクセルから基準軸13aまでのXY平面(平面APP)上の距離をとっている。そして図9(b)は、線条体領域11aをZ方向に走査した場合の複数のボクセルにおける画素強度の最大値をマップ上に濃色で示す。図9(b)のグラフの上方は基準軸13aよりも−X方向(外側)に位置するボクセルを対象とする画素強度の最大値を示し、下方は基準軸13aよりも+X方向(内側)に位置するボクセルを対象とする画素強度の最大値を示す。
上記した分布特性52の第一例では、図9(a)に示す右側線条体(線条体領域11b)において、中心軸(局所座標系XST_right)に沿って長く、また中心軸から離間した領域まで幅広く、線条体集積の高い領域が分布していることが分かる。逆に、図9(b)に示す左側線条体(線条体領域11a)においては、線条体集積が全体に低いという点のみならず、集積している領域が基準点12aの近傍に偏っていることが分かる。これにより、図9(a)に示す右側線条体は健常例であり、図9(b)に示す左側線条体は線条体神経変性疾患の症例であると判断することができる。更に、線条体の内部における画素強度(線条体集積の度合い)の分布特性52の傾向に関する情報も得ることができる。
図10は、分布特性52の第二例である計数値の二次元グラフである。同図は、局所座標系XST_right、XST_leftの軸上に沿って、左右の線条体領域11a・11bにおける画素強度の最大値のプロファイルカーブを表している。すなわち、図10の横軸は局所座標系XST_right、XST_leftの軸上の位置を表し、縦軸は図9(a)または図9(b)における横軸上のマップ濃度(画素強度)である。図10において、図9(a)に示した健常例に対応するプロファイルカーブをPC1、図9(b)に示した症例に対応するプロファイルカーブをPC2としている。これらのプロファイルカーブは、線条体の内部の長手方向に関する、DATと放射性薬剤との特異的結合の傾向の定量的な指標を示す。
図10のプロファイルカーブPC1とPC2とは、左右一対の基準点12a・12bが位置合わせした状態で描画されている。すなわち、図1に示す出力部70は、一対の関心領域14に関してそれぞれ解析された分布特性52を、左右一対の基準点12a・12bを位置合わせした状態で対比して表示装置130にて出力する。基準点12a・12bは、線条体領域11a・11bにおいて画素強度が最大のボクセルにそれぞれ対応している。そして上述したように、左右両側の線条体ST(図2参照)で、正常または異常を問わず、多くの症例で最大集積点は安定して同じ位置に出現する傾向にある。このため、基準点12a・12bでプロファイルカーブPC1とPC2を位置合わせすることで、症例(本例ではプロファイルカーブPC2)の進行度合いを健常例と対比して容易に把握することができる。
解析部50は、得られたプロファイルカーブPC1・PC2を横軸に沿って複数のエリアに区分し、各エリアにおける画素強度(計数値)の比率やプロファイルカーブPC1・PC2の変化率を求めてもよい。また、病態が進行した複数の症例について同様にプロファイルカーブPC2を求め、これらの経時変化を求めてもよい。
図11各図は、線条体ファントム(図示せず)のSPECT画像を用いた第一の解析結果を示す二次元グラフである。この線条体ファントムは、被殻PUと尾状核CNに対応する貯液部が隔離して形成された線条体分離型ファントムである。各貯液部に同濃度の放射性薬剤を充填してSPECT装置で三次元核医学画像を撮影した。すなわち、第一の解析は被殻PUと尾状核CNとに亘ってDATと放射性薬剤との特異的結合が強く見られる健常例を模したものである。この三次元核医学画像に基づいて、上述したように線条体領域11、基準点12、基準軸13および関心領域14(図3参照)を設定し、基準軸13に沿って最大値投影法を適用してプロファイルカーブPC3を求めた。
図11(a)の横軸は、線条体ファントムに対応する線条体領域11の基準軸13に沿って並ぶボクセルの番号を示している。ボクセル番号56から64が尾状核領域11cにあたり、ボクセル番号64から72が被殻領域11dにあたる。図11(a)の縦軸は、最大値投影法により求められた画素強度の最大値を示す。縦軸の値は、後頭葉LC(図2参照)に対応する参照領域16の画素強度により正規化されている。同図には、分布特性52の第三例である尾状核領域11c(図4参照)の立ち上がりを示す直線L1を合わせて表示している。
図11(b)は、同様のプロファイルカーブPC3に、分布特性52の第四例である尾状核領域11c−被殻領域11d間の傾きを示す直線L2を合わせて表示したものである。
図12各図は、線条体ファントム(図示せず)のSPECT画像を用いた第二の解析結果を示す二次元グラフである。本例は、被殻PUに対応する貯液部に充填した放射性薬剤の濃度を半分に希釈した点を除き、図11各図に結果を示した第一の解析と共通する。すなわち、第二の解析は、線条体神経変性疾患の症例を模したものであり、具体的には被殻PUにおけるDATと放射性薬剤との特異的結合が低下した状態を表している。
図12(a)には、第二の解析で求められたプロファイルカーブPC4に、分布特性52の第三例である尾状核領域11cの立ち上がりを示す直線L3を合わせて表示している。
図12(b)には、同様のプロファイルカーブPC4に、分布特性52の第四例である尾状核領域11c−被殻領域11d間の傾きを示す直線L4を合わせて表示している。
図11(a)に示す直線L1の傾きは約0.25であり、図12(a)に示す直線L3の傾きは約0.16であった。これらの結果を対比すると、図12(a)にあたる症例では尾状核領域11cの立ち上がりが緩やかになっていることが正しく確認された。また、図11(b)に示す直線L2の傾きは約−0.01であり、図12(b)に示す直線L4の傾きは約−0.11であった。これらの結果を対比すると、図12(a)が摸擬する症例では被殻領域11dの画素強度が低下したため、尾状核領域11c−被殻領域11d間の傾きが大きな負の値になっていることが正しく確認された。
また、図11各図に示すプロファイルカーブPC3の最大値は約1.37であったのに対し、図12各図に示すプロファイルカーブPC4の最大値は約1.31と、ほぼ近接する結果となった。このことから、第一および第二の解析とも、同濃度の放射性薬剤が充填された尾状核領域11cにおいて画素強度の最大値が正しく求められていることが確認された。
更に、図11各図に示すプロファイルカーブPC3の面積(AUC:aria under curve)を算出し、図12各図に示すプロファイルカーブPC4の面積と対比した。具体的には、プロファイルカーブPC3のAUCは約18.4であったのに対し、プロファイルカーブPC4のAUCは約12.7と小さな値となった。これにより、図12各図が摸擬する症例では線条体の全体の傾向としてDATと放射性薬剤との特異的結合が低下していることが正しく確認された。
解析ステップS150においては、線条体領域11における放射性薬剤の集積量の尖度または歪度を解析してもよい。
尖度とは、画素強度の二次元グラフ(プロファイルカーブ)の尖りの鋭さを表す指標である。正規分布と比べて尖度が大きいプロファイルカーブは、鋭いピークと長く裾(尾)をもった分布となり、尖度が小さいプロファイルカーブは、丸みがかったピークと短い裾(尾)をもった分布となる。
歪度とは、プロファイルカーブの非対称性の度合いを表す指標であり、線条体領域11の長手方向の中央近傍に関する両側の非対称度を表す。
尖度および歪度は公知の統計関数により算出することができる。
線条体画像解析装置100は、線条体STの疾患症例に関する分布特性を示す症例データ82を蓄積しておく症例蓄積部80を有している。出力部70は、解析された被験者の分布特性52と症例データ82とを対比して出力する。
症例データ82としては、たとえば同一の被験者の過去のSPECT画像に基づいて生成された上記の指標値やプロファイルカーブPC1〜PC4(図10から図12参照)を挙げることができる。このほか、年齢や性別ごとに分類された健常例に関する上記の指標値やプロファイルカーブPC1〜PC4を、症例データ82として症例蓄積部80に蓄積してもよい。これにより、本方法による解析結果に基づいて、被験者の線条体神経変性疾患の度合いの経時変化や健常例との対比結果を容易に知得することができ、かかる疾患の定量的な診断に有用な情報を得ることができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
たとえば、上記した本方法では、基準軸13を中心軸とする柱状の関心領域14を設定し、この関心領域14を基準軸13の交差方向に走査して画素強度の最大値を特定することを説明したが、本発明はこれに限られない。基準軸13が通過するボクセルのボクセル値(画素強度)を基準軸13の延在方向に抽出することによって、線条体領域11の内部における画素強度の分布特性52を解析してもよい。
本発明の線条体画像解析装置100の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が単一の構成要素として構成されていること、一つの構成要素が複数の構成要素に分割されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。また、上述した各種の構成要素の一部は、必ずしも必須の構成要素ではなく、本発明の効果を阻害しない程度に省いてもよく、同等に機能または作用する他の構成要素に代えてもよい。
また、上記実施形態において示した本方法の処理フローは一例であり、上記手順に必ずしも限られない。上記フローチャートに図示した一のステップが複数に分離されて実行されてもよく、複数のステップが一のステップとして実行され、または複数のステップが並行して実行されてもよい。
上記した実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)被験者の線条体を含む頭部の三次元核医学画像を取得する画像取得手段と、左右少なくとも一方の前記線条体に対応する線条体領域の内部で前記三次元核医学画像の画素強度に基づいて基準点を特定する基準点特定手段と、前記基準点を通り前記線条体領域の長手方向に延在する基準軸を設定する軸設定手段と、前記線条体領域の内部における前記画素強度の分布特性を前記基準軸に沿って解析する解析手段と、を有する線条体画像解析装置。
(2)前記基準軸を中心軸とし前記線条体領域を包含する柱状の関心領域を設定する領域設定手段を更に有する上記(1)に記載の線条体画像解析装置。
(3)前記軸設定手段が、前記基準軸を前記頭部の前方から後方に向かって外向きに設定し、前記領域設定手段が、中脳に対応する中脳領域の外部に前記関心領域を設定する上記(2)に記載の線条体画像解析装置。
(4)前記軸設定手段が、前記基準軸を前記被験者の前交連−後交連線を含む平面と平行な面内に設定する上記(2)または(3)に記載の線条体画像解析装置。
(5)前記解析手段が、前記関心領域における前記画素強度を前記中心軸の交差方向に演算処理して前記分布特性を解析する上記(2)から(4)のいずれか一項に記載の線条体画像解析装置。
(6)前記領域設定手段が、脳内に参照領域を設定し、前記解析手段が、前記関心領域における前記画素強度と前記参照領域における前記画素強度との比率に基づいて前記分布特性を解析する上記(2)から(5)のいずれか一項に記載の線条体画像解析装置。
(7)前記基準点特定手段が、左右一対の前記線条体領域の内部で前記基準点をそれぞれ特定し、前記領域設定手段が、左右一対の前記基準点を結ぶ線分の垂直二等分線を含む鉛直面に関して左右対称に一対の前記関心領域を設定する上記(2)から(6)のいずれか一項に記載の線条体画像解析装置。
(8)一対の前記関心領域に関してそれぞれ解析された前記分布特性を、左右一対の前記基準点を位置合わせした状態で対比して出力する出力手段を更に有する上記(7)に記載の線条体画像解析装置。
(9)線条体の疾患症例に関する前記分布特性を示す症例データを蓄積しておく症例蓄積手段を更に有し、前記出力手段が、解析された前記被験者の前記分布特性と前記症例データとを対比して出力する上記(8)に記載の線条体画像解析装置。
(10)前記画素強度が、前記被験者に投与されて線条体ドーパミントランスポーターと結合する放射性薬剤から放射される放射線の計数値を示す上記(1)から(9)のいずれか一項に記載の線条体画像解析装置。
(11)前記解析手段が前記分布特性として、前記放射性薬剤の集積量、尾状核に対応する尾状核領域もしくは被殻に対応する被殻領域における前記集積量の変化率、前記尾状核領域と前記被殻領域との中間領域における前記集積量の変化率、または前記集積量の尖度もしくは歪度、の少なくとも一つを解析する上記(10)に記載の線条体画像解析装置。
(12)被験者の線条体を含む頭部の三次元核医学画像を解析処理する線条体画像解析装置のコンピュータによって実行されるプログラムであって、左右少なくとも一方の前記線条体に対応する線条体領域の内部で前記三次元核医学画像の画素強度に基づいて基準点を特定する基準点特定処理と、前記基準点を通り前記線条体領域の長手方向に延在する基準軸を設定する軸設定処理と、前記線条体領域の内部における前記画素強度の分布特性を前記基準軸に沿って解析する解析処理と、を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
(13)複数の情報端末がネットワークを介して通信可能に接続されたネットワークシステムであって、被験者の線条体を含む頭部の三次元核医学画像を蓄積する画像蓄積手段と、左右少なくとも一方の前記線条体に対応する線条体領域の内部で前記三次元核医学画像の画素強度に基づいて基準点を特定する基準点特定手段と、前記基準点を通り前記線条体領域の長手方向に延在する基準軸を設定する軸設定手段と、前記線条体領域の内部における前記画素強度の分布特性を前記基準軸に沿って解析する解析手段と、解析された前記分布特性を出力する出力手段と、を有する線条体画像解析システム。
10 画像
11、11a、11b 線条体領域
11c 尾状核領域
11d 被殻領域
12、12a、12b 基準点
13、13a、13b 基準軸
14、14a、14b 関心領域
15 中脳領域
16 参照領域
17a 線分
17b 垂直二等分線
18 鉛直面
19 頭部領域
20 画像取得部
22 画像蓄積部
30 基準点特定部
32 基点
40 軸設定部
50 解析部
52 分布特性
54 描画生成部
60 領域設定部
70 出力部
80 症例蓄積部
82 症例データ
100 線条体画像解析装置
110 撮像装置
120 操作受付部
130 表示装置
APL 前交連−後交連線
APP 平面
CN 尾状核
H 頭部
L1〜L4 直線
LC 後頭葉
M 外耳孔
MB 中脳
OB 眼窩中心
OML 眼窩耳孔線
PU 被殻
Pa、Pb 強度点
R 頭部放射線
S 被験者
ST 線条体
TH、TH1〜TH3 閾値
PC1〜PC4 プロファイルカーブ

Claims (13)

  1. 被験者の線条体を含む頭部の三次元核医学画像を取得する画像取得手段と、
    左右少なくとも一方の前記線条体に対応する線条体領域の内部で前記三次元核医学画像の画素強度に基づいて基準点を特定する基準点特定手段と、
    前記基準点を通り前記線条体領域の長手方向に延在する基準軸を設定する軸設定手段と、
    前記線条体領域の内部における前記画素強度の分布特性を前記基準軸に沿って解析する解析手段と、を有する線条体画像解析装置。
  2. 前記基準軸を中心軸とし前記線条体領域を包含する柱状の関心領域を設定する領域設定手段を更に有する請求項1に記載の線条体画像解析装置。
  3. 前記軸設定手段が、前記基準軸を前記頭部の前方から後方に向かって外向きに設定し、
    前記領域設定手段が、中脳に対応する中脳領域の外部に前記関心領域を設定する請求項2に記載の線条体画像解析装置。
  4. 前記軸設定手段が、前記基準軸を前記被験者の前交連−後交連線を含む平面と平行な面内に設定する請求項2または3に記載の線条体画像解析装置。
  5. 前記解析手段が、前記関心領域における前記画素強度を前記中心軸の交差方向に演算処理して前記分布特性を解析する請求項2から4のいずれか一項に記載の線条体画像解析装置。
  6. 前記領域設定手段が、脳内に参照領域を設定し、
    前記解析手段が、前記関心領域における前記画素強度と前記参照領域における前記画素強度との比率に基づいて前記分布特性を解析する請求項2から5のいずれか一項に記載の線条体画像解析装置。
  7. 前記基準点特定手段が、左右一対の前記線条体領域の内部で前記基準点をそれぞれ特定し、
    前記領域設定手段が、左右一対の前記基準点を結ぶ線分の垂直二等分線を含む鉛直面に関して左右対称に一対の前記関心領域を設定する請求項2から6のいずれか一項に記載の線条体画像解析装置。
  8. 一対の前記関心領域に関してそれぞれ解析された前記分布特性を、左右一対の前記基準点を位置合わせした状態で対比して出力する出力手段を更に有する請求項7に記載の線条体画像解析装置。
  9. 線条体の疾患症例に関する前記分布特性を示す症例データを蓄積しておく症例蓄積手段を更に有し、
    前記出力手段が、解析された前記被験者の前記分布特性と前記症例データとを対比して出力する請求項8に記載の線条体画像解析装置。
  10. 前記画素強度が、前記被験者に投与されて線条体ドーパミントランスポーターと結合する放射性薬剤から放射される放射線の計数値を示す請求項1から9のいずれか一項に記載の線条体画像解析装置。
  11. 前記解析手段が前記分布特性として、前記放射性薬剤の集積量、尾状核に対応する尾状核領域もしくは被殻に対応する被殻領域における前記集積量の変化率、前記尾状核領域と前記被殻領域との中間領域における前記集積量の変化率、または前記集積量の尖度もしくは歪度、の少なくとも一つを解析する請求項10に記載の線条体画像解析装置。
  12. 被験者の線条体を含む頭部の三次元核医学画像を解析処理する線条体画像解析装置のコンピュータによって実行されるプログラムであって、
    左右少なくとも一方の前記線条体に対応する線条体領域の内部で前記三次元核医学画像の画素強度に基づいて基準点を特定する基準点特定処理と、
    前記基準点を通り前記線条体領域の長手方向に延在する基準軸を設定する軸設定処理と、
    前記線条体領域の内部における前記画素強度の分布特性を前記基準軸に沿って解析する解析処理と、
    を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
  13. 複数の情報端末がネットワークを介して通信可能に接続されたネットワークシステムであって、
    被験者の線条体を含む頭部の三次元核医学画像を蓄積する画像蓄積手段と、
    左右少なくとも一方の前記線条体に対応する線条体領域の内部で前記三次元核医学画像の画素強度に基づいて基準点を特定する基準点特定手段と、
    前記基準点を通り前記線条体領域の長手方向に延在する基準軸を設定する軸設定手段と、
    前記線条体領域の内部における前記画素強度の分布特性を前記基準軸に沿って解析する解析手段と、
    解析された前記分布特性を出力する出力手段と、を有する線条体画像解析システム。
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