JP6704734B2 - 画像処理装置および画像処理プログラム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、画像処理装置および画像処理プログラムに関する。
従来、疾患の進行度合いの診断や将来の予測を行うために、医用画像を用いた解析が行われている。例えば、アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)の診断においては、疾患の進行に伴う脳の萎縮がMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像を用いた解析により評価される。具体的には、被検体の頭部が撮像されたMRI画像から脳の領域を検出し、検出された脳の体積を測定することで、脳の萎縮を評価する技術が存在する。また、例えば、被検体の脳の画像と標準的な脳(標準脳)の画像とを位置合わせすることで、萎縮の程度を評価する技術(Voxel Based Morphology)も存在する。しかしながら、これらの解析を正確に行うためには、脳の検出や位置合わせを厳密に行う必要があった。
特開2015−091432号公報 特表2014−526339号公報
Shannon L. Risacher and Andrew J. Saykin "Neuroimaging and Other Biomarkers for Alzheimer's Disease: The Changing Landscape of Early Detection" Annu Rev Clin Psychol. 2013; 9: 621-648.
本発明が解決しようとする課題は、疾患の進行に関する解析を容易にすることができる画像処理装置および画像処理プログラムを提供することである。
実施形態の画像処理装置は、取得部と、解析部と、表示制御部とを備える。取得部は、複数時点のそれぞれにおいて被検体の脳が撮像された複数の医用画像データに基づいて、当該脳に含まれる複数部位ごとに所定の疾患に関する指標の値を取得する。解析部は、前記複数時点における前記値の変化と、前記所定の疾患の進行における前記指標の変化を表す進行モデルとの関連を、前記複数部位ごとに解析する。表示制御部は、前記解析部によって解析された前記複数部位ごとの解析結果を表示させる。
図1は、第1の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。 図2Aは、第1の実施形態に係る生成機能の処理を説明するための図である。 図2Bは、第1の実施形態に係る生成機能の処理を説明するための図である。 図3Aは、第1の実施形態に係る取得機能の処理を説明するための図である。 図3Bは、第1の実施形態に係る取得機能の処理を説明するための図である。 図4Aは、第1の実施形態に係る取得機能の処理を説明するための図である。 図4Bは、第1の実施形態に係る取得機能の処理を説明するための図である。 図5Aは、第1の実施形態に係る解析機能の処理を説明するための図である。 図5Bは、第1の実施形態に係る解析機能の処理を説明するための図である。 図6Aは、第1の実施形態に係る解析機能の処理を説明するための図である。 図6Bは、第1の実施形態に係る解析機能の処理を説明するための図である。 図7は、第1の実施形態に係る表示制御機能の処理による表示例1について説明するための図である。 図8は、第1の実施形態に係る表示制御機能の処理による表示例2について説明するための図である。 図9は、第1の実施形態に係る表示制御機能の処理による表示例3について説明するための図である。 図10は、第1の実施形態に係る画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 図11は、第1の実施形態に係る画像処理装置の効果を説明するための図である。 図12Aは、第1の実施形態に係る画像処理装置の効果を説明するための図である。 図12Bは、第1の実施形態に係る画像処理装置の効果を説明するための図である。
以下、図面を参照して、実施形態に係る画像処理装置および画像処理プログラムを説明する。
本実施形態に係る画像処理装置100は、複数部位について時系列の指標値を取得し、取得した指標値の変化と進行モデルとの関連を表示することで、疾患の進行に関する解析を容易にすることを可能にする。ここで、進行モデルは、例えば、所定の疾患の進行における指標の変化を表す。
例えば、神経変性疾患の一つであるアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)においては、脳に部分的な神経変性が発生し、疾患の進行に伴って徐々に広がっていく。この神経変性は、例えば、MRI(Magnetic Resonance Imaging)検査、PET(Positron Emission computed Tomography)検査、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)検査等により撮像された画像上で、脳の萎縮(体積減少)や代謝能の悪化として観察される。そこで、本実施形態に係る画像処理装置100は、これらの画像から得られる脳の体積や代謝能を指標とし、それぞれの指標値の経時的な変化と進行モデルとの関連を解析して表示する。すなわち、本実施形態に係る画像処理装置100は、各指標の時間的・空間的(位置的)変化を進行モデルと比較することで、疾患の発症やステージ(進行度)の判断を容易にすることが可能となる。
なお、以下では、一例として、アルツハイマー病の進行に関する解析を行う場合について説明するが、実施形態はこれに限定されるものではなく、他の疾患の解析にも広く適用可能である。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る画像処理装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、例えば、第1の実施形態に係る画像処理装置100は、入力回路101と、ディスプレイ102と、記憶回路110と、処理回路120とを備える。入力回路101、ディスプレイ102、記憶回路110、及び処理回路120は、相互に通信可能に接続される。
入力回路101は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等を有し、本画像処理装置100の操作者からの各種の指示や設定要求を受け付ける。入力回路101は、受け付けた各種の指示や設定要求を処理回路120へ出力する。
ディスプレイ102は、医用画像診断装置により撮像された医用画像データを表示したり、利用者が入力回路101を用いて各種設定要求を入力するためのGUIを表示したりする。なお、医用画像診断装置は、例えば、被検体を撮像し、医用画像データを生成する装置である。医用画像診断装置としては、例えば、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI装置、SPECT装置、PET装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT−CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET−CT装置、PET装置とMRI装置とが一体化されたPET−MRI装置、又はこれらの装置群等が適用される。
記憶回路110は、医用画像データやGUIを表示するための各種のプログラムや、当該プログラムによって用いられる情報を記憶する。例えば、記憶回路110は、医用画像データ群111と、症例データ群112とを記憶する。なお、記憶回路110は、記憶部の一例である。
医用画像データ群111は、複数の医用画像データである。例えば、医用画像データ群111は、異なる検査日時において所定の医用画像診断装置によって撮像された複数の医用画像データである。例えば、医用画像データ群111は、検査ごとに、患者ID、検査ID、装置ID、シリーズID等と対応付けて記憶される。
一例としては、医用画像データ群111は、被検体の頭部(脳)がMRI装置によって撮像されたMRI画像データである。MRI画像データは、例えば、任意のMPR断面を表示可能な3次元の医用画像データ(ボリュームデータ)である。
なお、医用画像データ群111は、MRI画像データに限定されるものではなく、疾患の解析に利用可能なあらゆる画像データが適用可能である。アルツハイマー病の解析においては、例えば、アルツハイマー病の進行の診断に用いられる各種のバイオマーカーを用いて撮像された医用画像データであってもよい。具体例を挙げると、Aβ(Amyloid beta protein)の標識化合物(トレーサー)であるPiB(Pittsburgh Compound B)、タウタンパク質の標識化合物であるT807、THK−5117、PBB3、脳の糖代謝を観察するFDG(Fluorodeoxyglucose)等を用いてPET装置によって撮像された画像データであってもよい。また、脳の機能低下を観察可能なfMRI(functional Magnetic Resonance Imaging)によって撮像された画像データであってもよい。また、脳血流量(Cerebral Blood Flow:CBF)や脳血管体積の低下を観察するために、SPECT、CE(Contrast Enhanced) MRI、ASL(Arterial Spin Labeling:血管スピンラベリング法)によるMRI等によって撮像された画像データであってもよい。また、FA(Fractional Anisotropy)の低下やMD(Mean Diffusivity)/ADC(Apparent Diffusion Coefficient)の上昇を観察するDTI(Diffusion Tensor Image)画像データであってもよい。また、脳の電気的な活動によって生じる磁場がマッピングされたMEG(Magnetoencephalography)であってもよい。
症例データ群112は、所定の疾患に関する複数の症例データである。ここで、症例データは、例えば、解析対象である疾患に罹患した患者(被検体)ごとに、各種の指標の値が経時的に記録されたデータである。例えば、症例データは、疾患名、患者ID、検査ID、装置ID、シリーズID等と対応付けて記憶される。
処理回路120は、画像処理装置100の処理全体を制御する。例えば、図1に示すように、処理回路120は、設定機能121と、生成機能122と、取得機能123と、解析機能124と、表示制御機能125とを実行する。ここで、例えば、図1に示す処理回路120の構成要素である設定機能121、生成機能122、取得機能123、解析機能124、及び表示制御機能125が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路110に記録されている。処理回路120は、各プログラムを記憶回路110から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路120は、図1の処理回路120内に示された各機能を有することとなる。
なお、本実施形態においては、単一の処理回路120にて、以下に説明する各処理機能が実現されるものとして説明するが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路110にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
設定機能121は、被検体に関する条件を設定する。例えば、設定機能121は、症例データ群から被検体の条件に対応する症例データを抽出するために、被検体に関する条件を設定する。ここで、被検体に関する条件としては、例えば、認知スコア、遺伝子型、家族暦、治療の有無、健康状態など、各種の患者の状態に関する情報を含む。なお、設定機能121は、設定部の一例である。
例えば、操作者は、入力回路101を用いて、認知スコア、遺伝子型、家族暦、治療の有無、健康状態などの条件を入力する。操作者による条件の入力が行われると、設定機能121は、入力された条件を被検体に関する条件として設定する。そして、設定機能121は、設定した被検体に関する条件を生成機能122へ出力する。
なお、上述した設定機能121の処理は一例に過ぎない。例えば、設定機能121は、操作者による入力に限らず、例えば、電子カルテシステム等に登録された情報から被検体の条件に対応する情報を取得することで、被検体に関する条件を設定してもよい。
生成機能122は、記憶回路110に記憶された複数の症例データのうち、設定機能121によって設定された条件に対応する症例データに基づいて、進行モデルを生成する。ここで、進行モデルは、例えば、症例データ群112のうち、被検体に関する条件に対応する症例データにおける指標の推移を表す情報である。なお、生成機能122は、生成部の一例である。
例えば、生成機能122は、記憶回路110に記憶された症例データ群112から、設定機能121によって設定された条件に対応する複数の症例データを抽出する。例えば、生成機能122は、認知スコア、遺伝子型、家族暦、治療の有無、健康状態などの条件に対応する複数の症例データを抽出する。そして、生成機能122は、抽出した複数の症例データに含まれる指標の値の平均的な推移を進行モデルとして生成する。具体的には、生成機能122は、内側側頭葉(嗅内皮質、海馬、偏桃体)、マイネルト基底核、内側中隔核、外側側頭皮質、内側頭頂葉、外側頭頂葉、前頭葉等、脳に含まれる複数部位ごとに進行モデルを生成する。
図2A及び図2Bは、第1の実施形態に係る生成機能122の処理を説明するための図である。図2Aは、脳の部位の一つである海馬の体積の経時的な推移を表す進行モデルの一例である(Structural MRI)。図2Aにおいて、横軸は年数(時間)を表し、縦軸は海馬の体積を表す。また、図2Bは、海馬におけるPiBの取り込み量の経時的な推移を表す進行モデルの一例である(PiB PET)。図2Bにおいて、横軸は年数(時間)を表し、縦軸は海馬でのPiBの取り込み量を表す。なお、縦軸の値(指標値)は、被検体間の値を一定の基準で比較するために、規格化(正規化)を行う。これは、例えば、元々の脳体積が大きい被検体ほど体積変化が大きくなってしまう(絶対値が異なる)などの個人差を低減するためである。例えば、縦軸の値は、健常時若しくは発症時を100%とした割合(スコア)で表される。
図2Aに示すように、例えば、生成機能122は、抽出した複数の症例データに含まれる海馬の体積を、発症時を基準として経時的にプロットする。ここで、海馬の体積は、健常時の値を100%とした割合で示される。そして、生成機能122は、プロットしたデータを用いて近似曲線を算出することで、進行モデルを生成する。つまり、生成機能122は、年数tでの体積Vを表す関数V(t)を、進行モデルとして生成する。
また、図2Bに示すように、例えば、生成機能122は、抽出した複数の症例データに含まれるPiBの取り込み量を、発症時を基準として経時的にプロットする。ここで、PiBの取り込み量は、発症時の値を100%とした割合で示される。そして、生成機能122は、プロットしたデータを用いて近似曲線を算出することで、進行モデルを生成する。
このように、生成機能122は、被検体の条件に対応する症例データに基づいて、進行モデルを生成する。なお、上述した生成機能122の処理は一例に過ぎない。例えば、生成機能122は、解析の対象となる疾患に応じて、任意の部位、任意の指標について進行モデルを生成可能である。また、生成機能122により算出される近似曲線は、従来の如何なる技術によって算出されてもよい。また、進行モデルは、時間に対する指標値の関数であれば、必ずしも近似曲線でなくてもよい。
取得機能123は、複数時点のそれぞれにおいて被検体の脳が撮像された複数の医用画像データに基づいて、その脳に含まれる複数部位ごとに所定の疾患に関する指標の値を取得する。取得機能123は、複数種類の前記指標値を取得する。なお、取得機能123は、取得部の一例である。
例えば、取得機能123は、複数時点のそれぞれにおける複数の医用画像データを記憶回路110から取得する。そして、取得機能123は、取得した各医用画像データに対してセグメンテーションを行って、脳に含まれる複数部位のそれぞれを検出する。一例としては、取得機能123は、海馬、偏桃体、マイネルト基底核など、複数部位の特徴点が出現する確率情報を用いて、被検体の脳のボリュームデータから各部位を自動的に検出する(ラベリング)。そして、取得機能123は、検出した各部位について、各指標値を算出する。
図3A、図3B、図4A、及び図4Bは、第1の実施形態に係る取得機能123の処理を説明するための図である。図3Aには、健常者における脳のMRI画像を例示する。図3Bには、被検体(患者)における脳のMRI画像を例示する。図4Aには、健常者における脳のPiB PET画像を例示する。図4Bには、被検体(患者)における脳のPiB−PET画像を例示する。
図3A及び図3Bに示すように、取得機能123は、脳のMRI画像に対してセグメンテーションを行って、複数部位のそれぞれを検出する。そして、取得機能123は、検出した各部位の領域の大きさから、各部位の体積をそれぞれ算出する。例えば、取得機能123は、海馬、偏桃体、マイネルト基底核など、複数部位のそれぞれの体積を算出する。図3A及び図3Bに示す例では、海馬の体積が小さくなっていること(萎縮)を示す(図中丸印領域)。
図4A及び図4Bに示すように、取得機能123は、脳のPiB PET画像に対してセグメンテーションを行って、複数部位のそれぞれを検出する。ここで、PiB−PET画像では、PiBの取り込み量に応じた輝度値(画素値)が各画素に割り当てられる。取得機能123は、検出した各部位の領域に含まれる画素の輝度値に基づいて、PiBの取り込み量をそれぞれ算出する。例えば、取得機能123は、海馬、偏桃体、マイネルト基底核など、複数部位のそれぞれのPiBの取り込み量を算出する。
このように、取得機能123は、体積やPiBの取り込み量等、疾患に応じた指標値を、複数部位ごとに取得する。なお、上述した取得機能123の処理は一例に過ぎない。例えば、取得機能123は、解析の対象となる疾患に応じて、任意の部位ごとに、任意の指標値を算出可能である。また、取得機能123は、算出済みの指標値が存在する場合には、この指標値を直接的に取得してもよい。例えば、取得機能123は、過去の検査結果において指標値が算出済みであれば、この検査結果から指標値を取得することで、画像データから指標値を算出する処理を省略してもよい。また、取得機能123が複数部位を検出する処理は、セグメンテーションに限らず、例えば、セグメンテーションされた標準脳との位置合わせ(マッチング)によって実行してもよい。この場合、取得機能123は、各部位が予めラベリングされた標準脳の画像データと、被検体の脳の画像データとを位置合わせする。そして、標準脳の各部位の形状を被検体の脳の形状に合わせて変形させることにより、被検体の脳のセグメンテーションを行う。
解析機能124は、複数時点における値の変化と、所定の疾患の進行における指標の変化を表す進行モデルとの関連を、複数部位ごとに解析する。例えば、解析機能124は、指標値の変化に進行モデルを当てはめることで、進行モデルが変形した変形進行モデルを生成する。例えば、解析機能124は、生成機能122によって生成された進行モデルを用いて、複数時点における値の変化と、所定の疾患の進行における指標の変化を表す進行モデルとの関連を解析する。なお、解析機能124は、解析部の一例である。
図5A、図5B、図6A、及び図6Bは、第1の実施形態に係る解析機能124の処理を説明するための図である。図5Aには、Structural MRIにおいて、疾患の進行が早い場合の処理の一例を例示する。図5Bには、Structural MRIにおいて、疾患の進行が遅い場合の処理の一例を例示する。図6Aには、PiB PETにおいて、疾患の進行が早い場合の処理の一例を例示する。図6Bには、PiB PETにおいて、疾患の進行が遅い場合の処理の一例を例示する。なお、図5A及び図5Bにおいて、横軸は年数(時間)を表し、縦軸は海馬の体積を表す。また、図6A、及び図6Bにおいて、横軸は年数(時間)を表し、縦軸は海馬でのPiBの取り込み量を表す。また、丸印は、被検体の画像データから算出された指標値の値(測定点)を示す。直線は、進行モデルを示す。
図5A及び図5Bに示すように、例えば、解析機能124は、複数時点における被検体の海馬の体積のうち、最初の時点の体積を健常時の値として、この値に進行モデルの健常時の体積を一致させる。そして、解析機能124は、他の時点における体積が進行モデルに一致(近似)するように、進行モデルを時間方向に変形させる。例えば、被検体の疾患の進行が進行モデルよりも早い場合には、図5Aに示すように、解析機能124は、進行モデルを時間方向に縮小させることにより、進行モデルを縮小させた変形進行モデルを生成する。また、例えば、被検体の疾患の進行が進行モデルよりも遅い場合には、図5Bに示すように、解析機能124は、進行モデルを時間方向に拡大させることにより、進行モデルを拡大させた変形進行モデルを生成する。このように、解析機能124は、被検体の海馬の体積に対して進行モデルを当てはめる。
また、図6A及び図6Bに示すように、例えば、解析機能124は、複数時点における被検体の海馬のPiBの取り込み量のうち、最初の時点の取り込み量を健常時の値として、この値に進行モデルの健常時の取り込み量を一致させる。そして、解析機能124は、他の時点における取り込み量が進行モデルに一致するように、進行モデルを時間方向に変形させる。例えば、被検体の疾患の進行が進行モデルよりも早い場合には、図6Aに示すように、解析機能124は、進行モデルを時間方向に縮小させることにより、進行モデルを縮小させた変形進行モデルを生成する。また、例えば、被検体の疾患の進行が進行モデルよりも遅い場合には、図6Bに示すように、解析機能124は、進行モデルを時間方向に拡大させることにより、進行モデルを拡大させた変形進行モデルを生成する。このように、解析機能124は、被検体の海馬の体積に対して進行モデルを当てはめる。
このように、解析機能124は、複数種類の指標値それぞれの経時的な変化と、進行モデルとの関連を、複数部位ごとに解析する。なお、上述した解析機能124の処理は一例に過ぎない。例えば、解析機能124は、解析の対象となる疾患に応じて、任意の部位の指標値の変化と、任意の進行モデルとの関連を解析可能である。
また、上記の説明では、最初の時点を健常時の指標値として、進行モデルの健常時の指標値を一致させる処理を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、取得機能123は、操作者によって指定された年数及び指標値を、被検体の健常時の指標値として解析してもよい。また、例えば、取得機能123は、複数の測定点の近似曲線を算出し、この近似曲線と進行モデルとが一致するように、進行モデルを変形させてもよい。
表示制御機能125は、解析機能124によって解析された複数部位ごとの解析結果を表示する。例えば、表示制御機能125は、指標値の変化と進行モデルとを比較可能に表示する。以下、表示制御機能125の処理による表示例1〜3について、それぞれ説明する。
(表示例1)
図7は、第1の実施形態に係る表示制御機能125の処理による表示例1について説明するための図である。例えば、図7の上段には、複数部位のそれぞれにおけるPiBの取り込み量の解析結果の一例を示す。図7の上段において、横軸は年数(時間)を表し、縦軸は海馬でのPiBの取り込み量を表す。また、丸印は、被検体の画像データから算出された取り込み量(測定点)を示す。直線は、解析機能124によって被検体の指標値に当てはめられた変形進行モデルを示す。なお、MTCは内側側頭皮質を表し、LTCは外側側頭皮質を表し、MPCは内側頭頂皮質を表し、LPCは外側頭頂皮質を表し、FCは前頭皮質を表す。また、図7の下段には、現在の各部位の取り込み量のレーダーチャートを例示する。
図7の上段に示すように、例えば、表示制御機能125は、複数部位のそれぞれにおけるPiBの取り込み量(丸印)と、変形進行モデル(直線)とを比較可能に表示する。また、図7の下段に示すように、表示制御機能125は、現在の時点における取り込み量の値をレーダーチャート上に表示する。
このように、表示制御機能125は、複数部位のそれぞれにおける指標値と、変形進行モデルとを比較可能に表示する。つまり、表示制御機能125は、測定点と進行モデルとを同時に表示することで、測定点と進行モデルとの違いを明らかにすることができる。なお、上述した表示制御機能125の処理は一例に過ぎない。例えば、図7では、ある指標値の複数部位における変化を進行モデルと比較可能に表示する場合を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能125は、複数種類の指標値が算出される場合には、複数種類の指標値の変化を進行モデルと比較可能に表示してもよい。例えば、表示制御機能125は、海馬の体積とPiBの取り込み量について、各指標値の経時的な変化と進行モデルとを比較可能に表示してもよい。また、例えば、表示制御機能125は、図7の上段及び下段の両グラフを必ずしも同時に表示しなくてもよい。例えば、表示制御機能125は、図7の上段及び下段のうちいずれか一方のグラフを表示し、操作者からの指示に応じて両グラフの表示を切り替えてもよい。
(表示例2)
図8は、第1の実施形態に係る表示制御機能125の処理による表示例2について説明するための図である。例えば、図8の上段には、図7の上段と同様のグラフを例示する。また、図8の中段には、図8の上段の各時点(年数)における各部位の取り込み量のレーダーチャートを例示する。また、図8の下段には、図8の中段に示した各レーダーチャートを重ね合わせたものを例示する。
図8の中段及び下段に示すように、表示制御機能125は、各時点における取り込み量の値をレーダーチャート上に表示する。ここで、表示制御機能125は、2年後及び4年後のレーダーチャートの値については、変形進行モデル(図8の上段)の値(推定値/将来予測値)を表示する。なお、現在から過去のレーダーチャートについては、表示制御機能125は、被検体の測定値を表示する。
このように、表示制御機能125は、レーダーチャート上で複数時点における指標値と将来の推定値とを表示する。なお、上述した表示制御機能125の処理は一例に過ぎない。例えば、図8の下段では、現在から過去のレーダーチャートに被検体の測定値を表示する場合を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能125は、現在から過去のレーダーチャートについても、変形進行モデルの値を表示してもよい。これにより、例えば、測定値に誤差が含まれる場合に、変形進行モデルの値を表示することで誤差を低減(吸収)することができる。
(表示例3)
図9は、第1の実施形態に係る表示制御機能125の処理による表示例3について説明するための図である。例えば、図9の上段には、被検体の測定点を表示していない点を除いて、図7の上段と同様のグラフを例示する。また、図9の中段には、各時点(年数)における各部位の変形進行モデルの値を結ぶ直線の形状が正五角形になるように、レーダーチャートの各軸のスケールを調整する処理の一例を示す。また、図9の下段には、各時点における変形進行モデルの値を結ぶ直線の形状が正五角形になるように各軸のスケールが調整されたレーダーチャート上に、被検体の各指標値が表示される場合を例示する。
図9の中段に示すように、表示制御機能125は、進行モデルの同一時点での各部位の取り込み量を結ぶ線の形状が正五角形で表されるように、レーダーチャートの各軸のスケールを調整する。具体的には、表示制御機能125は、各時点において、変形進行モデルの取り込み量が正五角形となるように、レーダーチャートの各軸のスケールを調整する。ここで、表示制御機能125は、各時点の正五角形の大きさが、時間の経過に伴って大きくなるように調整する。例えば、図9の中段の左から1番目に示すように、表示制御機能125は、健常時における各部位の取り込み量を結ぶ線が小さな五角形となるように、各部位に対応するレーダーチャートの軸のスケールを調整する。また、例えば、図9の中段の左から2番目に示すように、表示制御機能125は、健常時から所定時間経過後における各部位の取り込み量を結ぶ線が、健常時の五角形よりも大きい五角形となるように、各部位に対応するレーダーチャートの軸のスケールを調整する。このように、表示制御機能125は、時間経過に伴って正五角形の大きさが大きくなるように、各部位に対応するレーダーチャートの軸のスケールを調整する。
そして、図9の下段に示すように、表示制御機能125は、変形進行モデルの取り込み量が正五角形となるように調整されたレーダーチャート上に、被検体の測定値を表示する(図中丸印)。これによれば、例えば、操作者は、正五角形と測定値とを比較することで、複数部位における指標の変化がそれぞれ進行モデルに沿っているかを容易に把握することができる。また、例えば、操作者は、被検体の測定値が歪んだ五角形である場合には、対象の疾患以外の疾患を疑うことに繋がるので、他の疾患を早期に発見することが可能となる。
このように、表示制御機能125は、進行モデルの同一時点での各部位の指標の値を結ぶ線の形状が正多角形で表されるレーダーチャート上に、値を表示する。なお、上述した表示制御機能125の処理は一例に過ぎない。例えば、図9では、進行モデルの指標値が正五角形となるように、レーダーチャートの各軸のスケールを調整する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、レーダーチャートの各軸のスケールは、進行モデルの指標値が正四角形や正六角形など、軸の数に応じた正多角形になるように調整されてよい。
上述したように、表示制御機能125は、表示例1〜3のうち任意の表示形態で、解析結果を表示する。なお、表示制御機能125は、表示例1〜3の表示形態を適宜組み合わせて表示してもよい。例えば、表示制御機能125は、表示例1〜3の表示形態を、操作者による指示に応じて適宜切り替えることも可能である。
また、例えば、図9の下段では、疾患の進行モデルにおける指標の変化が正多角形で表示される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、加齢に伴う指標の正常な変化を表す正常モデルがあれば、表示制御機能125は、この正常モデルにおける指標の変化が正多角形で表示されるようにしてもよい。すなわち、表示制御機能125は、加齢に伴う指標の正常な変化を表す正常モデルの同一時点での各部位の指標の値を結ぶ線の形状が正多角形で表されるレーダーチャート上に、値を表示する。
図10は、第1の実施形態に係る画像処理装置100の処理手順を示すフローチャートである。図10に示す処理手順は、例えば、疾患の進行に関する解析を開始する旨の指示を操作者から受け付けた場合に、開始される。
ステップS101において、処理回路120は、処理タイミングか否かの判定を行う。例えば、処理回路120は、疾患の進行に関する解析を開始する旨の指示を操作者から受け付けた場合に、処理タイミングであると判定し、ステップS102以降の処理へ移行する。なお、ステップS101が否定される場合には、ステップS102以降の処理は実行されず、設定機能121〜表示制御機能125の各処理機能は待機状態である。
ステップS101が肯定されると、ステップS102において、設定機能121は、進行モデルの条件を設定する。例えば、設定機能121は、症例データ群から被検体の条件に対応する症例データを抽出するために、被検体に関する条件を設定する。
ステップS103において、生成機能122は、条件に対応する症例データに基づいて、進行モデルを複数部位ごとに生成する。例えば、生成機能122は、記憶回路110に記憶された症例データ群112から、設定機能121によって設定された条件に対応する複数の症例データを抽出する。そして、生成機能122は、抽出した複数の症例データに含まれる指標の値の平均的な推移を進行モデルとして生成する。
ステップS104において、取得機能123は、複数時点における医用画像データを取得する。例えば、取得機能123は、複数時点のそれぞれにおける複数の医用画像データを記憶回路110から取得する。
ステップS105において、取得機能123は、各医用画像データに基づいて、複数部位ごとに指標値を算出する。例えば、取得機能123は、記憶回路110から取得した各医用画像データに対してセグメンテーションを行って、脳に含まれる複数部位のそれぞれを検出する。そして、取得機能123は、検出した各部位について、各指標値を算出する。
ステップS106において、解析機能124は、複数時点の指標値に進行モデルを当てはめる。例えば、解析機能124は、指標値の変化に進行モデルを当てはめることで、進行モデルが変形した変形進行モデルを生成する。
ステップS107において、表示制御機能125は、処理結果を表示する。例えば、表示制御機能125は、指標値の変化と進行モデルとを比較可能に表示する。具体的には、表示制御機能125は、表示例1〜3のうち任意の表示形態で、解析結果を表示する。
なお、図10の処理手順は一例に過ぎない。例えば、図10のステップS102,S103の処理は、必ずしも実行されなくてもよい。例えば、解析の対象となる疾患について代表的な指標の推移が既知、つまり、年数に応じた指標を表す関数が既知である場合には、この関数を進行モデルとして利用することができるため、進行モデルを生成する処理であるステップS102,S103の処理を実行しなくてもよい。また、この場合、記憶回路110は、症例データ群112を記憶していなくてもよい。
上述してきたように、第1の実施形態に係る画像処理装置100において、取得機能123は、複数時点のそれぞれにおいて被検体の脳が撮像された複数の医用画像データに基づいて、脳に含まれる複数部位ごとに所定の疾患に関する指標の値を取得する。そして、解析機能124は、複数時点における値の変化と、所定の疾患の進行における指標の変化を表す進行モデルとの関連を、複数部位ごとに解析する。表示制御機能125は、解析機能124によって解析された複数部位ごとの解析結果を表示させる。これによれば、画像処理装置100は、疾患の進行に関する解析を容易にすることを可能にする。
図11、図12A、及び図12Bは、第1の実施形態に係る画像処理装置100の効果を説明するための図である。図11には、アルツハイマー病の進行に応じたバイオマーカーの変化の偏りを例示する。図11において、横軸は疾患の進行度を表し、縦軸はバイオマーカー(指標)の変化を表す。図12A及び図12Bには、患者の条件の違いに応じたバイオマーカーの変化の偏りを例示する。図12A及び図12Bにおいて、横軸は患者の年齢を表し、縦軸はバイオマーカー(指標)の変化を表す。なお、図11、図12A、及び図12Bにおいて、A〜Eは、それぞれ異なるバイオマーカーを示す。また、MCI(Mild cognitive impairment)は、軽度の認知症を表す。
図11に示すように、アルツハイマー病においては、疾患の進行に伴ってそれを反映するバイオマーカーが変化していく。例えば、バイオマーカーAでは認知症の発症前から上昇が認められるのに対して、バイオマーカーEではMCIから上昇の開始が認められるものもある。このように、アルツハイマー病では、変化が認められるバイオマーカーが疾患の進行に応じて異なる。また、アルツハイマー病においては、萎縮が認められる部位も疾患の進行に応じて異なる。例えば、初期の段階では内側側頭葉(嗅内皮質、海馬、偏桃体)における萎縮が認められ、疾患の進行に伴って、マイネルト基底核、内側中隔核、外側側頭皮質、内側頭頂葉、外側頭頂葉、前頭葉・・・と萎縮部位が変化していく。また、疾患が進行しても、一次視覚野や体性感覚野のように、萎縮し難い部位もある。このように、アルツハイマー病においては、疾患の進行に伴ってそれを反映する指標や部位が変化する。
ここで、第1の実施形態に係る画像処理装置100は、複数部位について時系列の指標値を取得し、取得した指標値の変化と進行モデルとの関連を表示する。このため、画像処理装置100は、一時点での指標値のみならず、指標値の時間的変化、つまり変化の速度を評価するので、疾患の進行に関する解析を容易にすることができる。例えば、操作者は、解析結果を参照し、どの部位のどの指標が最も変化しているかを検討することで、容易に疾患の進行度合いを判断することが可能となる。
また、図12A及び図12Bに示すように、アルツハイマー病においては、患者の条件(状態)に応じてバイオマーカーの変化に偏りが生じる。例えば、アポリポ蛋白E(ApoE)の遺伝子型の違いによって、バイオマーカーの上昇時期が早い場合もあれば(図12A)、遅い場合もある(図12B)。
ここで、第1の実施形態に係る画像処理装置100において、記憶回路110は、アルツハイマー病に関する複数の症例データを記憶する。そして、設定機能121は、被検体に関する条件を設定する。そして、生成機能122は、記憶回路110に記憶された複数の症例データのうち、設定機能121によって設定された条件に対応する症例データに基づいて、進行モデルを生成する。解析機能124は、生成機能122によって生成された進行モデルを用いて、関連を解析する。このため、画像処理装置100は、被検体ごとに適切な進行モデルを生成するので、疾患の進行を正確に判断することが可能となる。
(その他の実施形態)
上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてもよい。
例えば、上記の実施形態では、複数の指標値について進行モデルとの関連を表示する場合を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、画像処理装置100は、一つの指標値における複数部位での時系列の変化と進行モデルとの関連を解析し、表示してもよい。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、第1の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、第1の実施形態で説明した画像処理方法は、予め用意された画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この画像処理方法は、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この画像処理方法は、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、疾患の進行に関する解析を容易にすることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100 画像処理装置
120 処理回路
123 取得機能
124 解析機能
125 表示制御機能

Claims (9)

  1. 複数時点のそれぞれにおいて被検体の脳が撮像された複数の医用画像データに基づいて、当該脳に含まれる複数部位ごとに所定の疾患に関する指標の値を取得する取得部と、
    前記複数時点における前記値の変化と、前記所定の疾患の進行における前記指標の変化を表す進行モデルとの関連を示す解析において、前記複数時点における前記値の変化に前記進行モデルを当てはめることで、前記進行モデルが変形した変形進行モデルを前記複数部位ごとに生成する解析部と、
    記複数部位ごとに、前記値と、前記変形進行モデルとをグラフ上に表示させる表示制御部と
    を備える、画像処理装置。
  2. 前記解析部は、前記複数時点における前記値の変化に近似するように、前記進行モデルを時間方向に変形することで、前記変形進行モデルを生成する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記表示制御部は、前記変形進行モデルの将来の時点における前記値をレーダーチャート上に表示させる、
    請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記表示制御部は、前記進行モデルの同一時点での各部位の指標の値を結ぶ線の形状が正多角形で表されるレーダーチャート上に、前記値を表示する、
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  5. 前記表示制御部は、加齢に伴う前記指標の正常な変化を表す正常モデルの同一時点での各部位の指標の値を結ぶ線の形状が正多角形で表されるレーダーチャート上に、前記値を表示する、
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  6. 前記表示制御部は、前記値を、各時点における前記変形進行モデルの値を結ぶ直線の形状が正五角形になるように各軸のスケールが調整されたレーダーチャート上に表示させる、
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  7. 前記取得部は、複数種類の前記指標の値を取得し、
    前記解析部は、前記複数種類の指標の値のそれぞれについて、前記関連を解析し、
    前記表示制御部は、前記複数種類の指標の値のそれぞれについて、前記値の変化と前記進行モデルとをグラフ上又はレーダーチャート上に表示する、
    請求項1〜のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  8. 前記所定の疾患に関する複数の症例データを記憶する記憶部と、
    前記被検体に関する条件を設定する設定部と、
    前記記憶部に記憶された複数の症例データのうち、前記設定部によって設定された前記条件に対応する症例データに基づいて、前記進行モデルを生成する生成部と
    を更に備え、
    前記解析部は、前記生成部によって生成された進行モデルを用いて、前記関連を解析する、
    請求項1〜のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  9. 複数時点のそれぞれにおいて被検体の脳が撮像された複数の医用画像データに基づいて、当該脳に含まれる複数部位ごとに所定の疾患に関する指標の値を取得し、
    前記複数時点における前記値の変化と、前記所定の疾患の進行における前記指標の変化を表す進行モデルとの関連を示す解析において、前記複数時点における前記値の変化に前記進行モデルを当てはめることで、前記進行モデルが変形した変形進行モデルを前記複数部位ごとに生成し、
    記複数部位ごとに、前記値と、前記変形進行モデルとをグラフ上に表示させる、
    各処理をコンピュータに実行させる、画像処理プログラム。
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