JP2016081104A - プロセス診断支援装置 - Google Patents

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慶 松岡
野口 学
Manabu Noguchi
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Abstract

【課題】プロセス性能を維持または改善するために点検、交換、修理または調節されるべき少なくとも1つ以上の構成要素を容易に特定することができるプロセス診断支援装置を提供する。【解決手段】本発明に係るプロセス診断支援装置10は、データ取得部11と、性能評価指標演算部12と、動作状態評価指標演算部13と、モデル記憶部14と、診断部15と、を有する。データ取得部11は、プロセスの性能の良否に関わる観測データと構成要素の動作状態に関わる観測データとを取得する。性能評価指標演算部12は、一以上の性能評価指標を演算する。動作状態評価指標演算部13は、二以上の動作状態評価指標を演算する。モデル記憶部14は、複数の評価指標間の相関関係を表す相関関係モデルを記憶する。診断部15は、二以上の構成要素のうちのいずれの構成要素を点検、交換、修理または調節すべきかを診断する。【選択図】図1

Description

本発明は、プロセス診断支援装置に関する。
発電プラント、石油化学プラント、水処理プラント、廃棄物処理プラントなどの大規模装置は、多数の機器、計測器、操作器、制御器等の構成要素の組合せにより構成されている。このため、これらの大規模装置の操業中に、プロセスの性能が悪化し、または何らかのプロセスの異常が発生した場合においては、いずれの構成要素の動作状態の不良により当該プロセス性能の悪化または異常が発生したのかを特定することが一般に困難である。
このような大規模装置における異常原因の特定方法として、特許文献1において、警報に対応する異常原因の発生確率に関する統計モデルを用いることで異常原因を推論する異常原因特定システムが提案されている。
特開2014−92799公報 特許第5380528号公報
ここで、特許文献1に開示された異常原因特定システムは、複数の警報が連鎖的に発生した場合において、警報を発した異常原因のうちいずれが真の異常原因であるかを推論することを目的としている。このため、上記異常原因特定システムは、所定時間幅における複数の警報の発生有無の情報を蓄積し、それら蓄積された警報情報を、警報に対応する異常原因の発生確率に関する統計モデルに照らし合わせることで、真の異常原因を推論するように構成されている。
上記異常原因特定システムでは、例えばプロセスの性能の良否に対応する単一の性能評価指標の値が、複数の異なる構成要素の性能不良又は異常によって影響を受けるようなプロセスにおいては、プロセス性能の不良や異常発生の真の原因を推論することが困難であるという問題があった。
また、そもそも警報を発生させるためには、プロセスにおける多数の状態量に対して、あらかじめ警報を発生させるための閾値を設定する必要がある。この閾値の設定が不適切である場合には、異常原因を精度よく推論するための統計モデルを構築する上で必要十分な警報情報が得られず、ひいては異常原因を精度よく推論できないという問題があった。
また、操業条件が広範囲にわたって変更されうるプロセスや、外乱が大きいプロセスの場合は、プロセスの操業条件又は外乱の状況に応じて、プロセスにおける各種の状態量がとるべき値が変化することがある。その場合は、操業条件又は外乱の状況に応じて変化する状態量について、ある特定の閾値を一義的に設定し警報を発生させることはそもそも困難であるという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プロセスにおける多数の状態量に対してあらかじめ警報を発生させるための閾値を設定することなく、プロセス性能を維持または改善するために点検、交換、修理または調節されるべき少なくとも1つ以
上の構成要素を容易に特定することができるプロセス診断支援装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るプロセス診断支援装置は、二以上の構成要素により構成された装置で実施されるプロセスにおいて、前記プロセスの性能を維持または改善するために、点検、交換、修理または調節されるべき一以上の前記構成要素を特定するプロセス診断支援装置であって、前記プロセスの性能の良否に関わる観測データと、前記構成要素の動作状態に関わる観測データと、を取得するデータ取得部と、前記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて一以上の性能評価指標を演算する性能評価指標演算部と、前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて二以上の動作状態評価指標を演算する動作状態評価指標演算部と、予め取得されている前記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて演算された前記性能評価指標と、予め取得されている前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記動作状態評価指標とで構成される複数の評価指標間の相関関係を表す相関関係モデルを記憶するモデル記憶部と、新たに取得された前記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて演算された前記性能評価指標および/または新たに取得された前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記動作状態評価指標の、前記モデル記憶部に記憶された相関関係モデルに対する適合度の変化を分析することにより、前記プロセスの性能を維持または改善するために、前記二以上の構成要素のうちのいずれの構成要素を点検、交換、修理または調節すべきかを診断する診断部と、を有する。
本発明によれば、プロセスの性能の良否を判定する性能評価指標と、該性能の良否に特に影響を及ぼす複数のプロセス構成要素の動作状態の良否を判定する動作状態評価指標と、それらの相関関係モデルに基づいて、前記プロセス性能を維持または改善するために、いずれの構成要素を点検、交換、修理または調節すべきかを、プロセスにおける多数の状態量に対してあらかじめ警報発報に係る閾値を設定することなく、精度よく診断することが可能となる。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るプロセス診断支援装置においては、前記相関関係モデルは、新たに取得された前記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて演算された前記性能評価指標および/または新たに取得された前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記動作状態評価指標に基づいて逐次更新される。
本発明によれば、実際の観測データに基づいて相関関係モデルを構築することができるため、時間の経過とともに相関関係モデルの精度が高まる効果が期待できる。また、操業条件が広範囲にわたって変更されたり、あるいはプロセスの外乱が大きい場合であっても、実際の観測データに基づいて、操業条件の変化幅や外乱の大きさを考慮した相関関係モデルを構築することができるため、本発明におけるプロセス診断支援装置の作用効果が特に有効となる。
上記目的を達成するため、本発明の他の一形態に係るプロセス診断支援装置においては、前記相関関係モデルは、予め取得されている前記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて演算された前記性能評価指標および/または予め取得されている前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記動作状態評価指標により構成される複数の評価指標の相互間に存在する複数の不変量に関する不変量ネットワークであり、前記診断部は、新たに取得された前記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて演算された前記性能評価指標および/または新たに取得された前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記動作状態評価指標の、前記不変量ネ
ットワークに対する適合度の変化を分析することにより、診断を行う。
上記目的を達成するため、本発明の他の一形態に係るプロセス診断支援装置においては、前記不変量は、前記性能評価指標および/または前記動作状態評価指標のうち少なくとも2つの評価指標の関係性について回帰モデルを生成することにより抽出される。
本発明によれば、プロセス性能に影響を及ぼしている構成要素の性能変化または異常発生について、プロセスにおける多数の状態量に対してあらかじめ警報発報に係る閾値を設定することなく、精度よく検知することができるため、きわめて効率よく診断を行うことが可能となる。
上記目的を達成するため、本発明の他の一形態に係るプロセス診断支援装置は、二以上の構成要素により構成された装置で実施されるプロセスにおいて、前記構成要素の動作状態を診断するプロセス診断支援装置であって、前記構成要素の動作状態に関わる観測データを取得するデータ取得部と、前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて二以上の動作状態評価指標を演算する動作状態評価指標演算部と、予め取得されている前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記二以上の動作状態評価指標により構成される複数の評価指標間の相関関係を表す相関関係モデルを記憶するモデル記憶部と、新たに取得された前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記動作状態評価指標の、前記モデル記憶部に記憶された相関関係モデルに対する適合度の変化を分析することにより、前記構成要素の動作状態を診断する診断部と、を有する。
本発明によれば、プロセスの性能を構成する複数のプロセス構成要素の動作状態の良否を判定する動作状態評価指標と、それらの相関関係モデルに基づいて、いずれの構成要素を点検、交換、修理または調節すべきかを、プロセスにおける多数の状態量に対してあらかじめ警報発報に係る閾値を設定することなく、精度よく診断することが可能となる。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るプロセス診断支援装置においては、前記相関関係モデルは、新たに取得された前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された二以上の前記動作状態評価指標に基づいて逐次更新される。
本発明によれば、実際の観測データに基づいて相関関係モデルを構築することができるため、時間の経過とともに相関関係モデルの精度が高まる効果が期待できる。また、操業条件が広範囲にわたって変更されたり、あるいはプロセスの外乱が大きい場合であっても、実際の観測データに基づいて、操業条件の変化幅や外乱の大きさを考慮した相関関係モデルを構築することができるため、本発明におけるプロセス診断支援装置の作用効果が特に有効となる。
上記目的を達成するため、本発明の他の一形態に係るプロセス診断支援装置においては、前記相関関係モデルは、予め取得されている前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された二以上の前記動作状態評価指標により構成される複数の評価指標の相互間に存在する複数の不変量に関する不変量ネットワークであり、前記診断部は、新たに取得された前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された二以上の前記動作状態評価指標の、前記不変量ネットワークに対する適合度の変化を分析することにより、診断を行う。
上記目的を達成するため、本発明の他の一形態に係るプロセス診断支援装置においては、前記不変量は、二以上の前記動作状態評価指標のうち少なくとも2つの評価指標の関係性について回帰モデルを生成することにより抽出される。
本発明によれば、プロセスを構成する多数のプロセス構成要素の性能変化または異常発生について、プロセスにおける多数の状態量に対してあらかじめ警報発報に係る閾値を設定することなく、精度よく検知することができるため、きわめて効率よく診断を行うことが可能となる。
上記目的を達成するため、本発明の他の一形態に係るプロセス診断支援装置においては、前記回帰モデルは、外部入力付自己回帰モデルである。
上記目的を達成するため、本発明の他の一形態に係るプロセス診断支援装置においては、前記プロセスは、廃棄物、バイオマスまたは石炭等の固体燃料の燃焼装置またはガス化装置である。
一般的に、廃棄物、バイオマスまたは石炭等の固体燃料の燃焼装置またはガス化装置は、非常に多数の機器、計測器、操作器、制御器等の構成要素の組合せにより構成されている。さらに、燃焼あるいはガス化反応の対象となる廃棄物、バイオマスまたは石炭等の性状が時間とともにあるいは季節に応じて大きく変動することがある。したがって、操業中にプロセスの性能が劣化した場合や、または何らかの異常が発生した場合において、その状況を改善するためにいずれの構成要素の動作状態を調整すればよいのかを特定することが特に困難であるため、本発明におけるプロセス診断支援装置の作用効果が特に有効となる。
本発明によれば、プロセスにおける多数の状態量に対してあらかじめ警報を発生させるための閾値を設定することなく、プロセス性能を維持または改善するために点検、交換、修理または調節されるべき少なくとも1つ以上の構成要素を容易に特定することができるプロセス診断支援装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るプロセス診断支援装置の機能ブロック図を示す。 本発明の一実施形態に係るプロセス診断支援装置が適用される廃棄物の燃焼装置の構成を示したプロセスフロー図である。 本実施例に係る燃焼装置に適用されるプロセス診断支援装置で用いられる性能評価指標と動作状態評価指標との関係を示す概略図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るプロセス診断支援装置の機能ブロック図を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るプロセス診断支援装置10は、プロセスにおける性能の良否に関わる観測データと上記プロセスを実施する装置が備える構成要素の動作状態に関わる観測データとを取得するデータ取得部11と、取得したプロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて一以上の性能評価指標を演算する性能評価指標演算部12と、取得した構成要素の動作状態に関わるデータに基づいて二以上の動作状態評価指標を演算する動作状態評価指標演算部13と、予め取得されている上記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて演算された性能評価指標と予め取得されている上記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された動作状態評価指標とで構成される複数の評価指標間の相関関係を記憶するモデル記憶部14と、新たに取得された上記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて演算された性能評価指標および新たに取得された上記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された動作状態評価指標の、モデル記憶部に記憶された相関関係モデルに対する適合度の変化を分析する
ことにより、プロセスの性能を維持または改善するために、二以上の構成要素のうちのいずれの構成要素を点検、交換、修理または調節すべきかを診断する診断部15と、診断結果を出力するデータ出力部16と、診断結果を表示する表示部17とを備える。
ここで、プロセス診断支援装置10は、物理的には、各種の演算を行うCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるRAM(Random
Access Memory)およびROM(Read Only Memory)、補助記憶装置であるHDD(Hard Disc Drive)またはSSD(Solid State Drive)、およびその他の入出力デバイス等のハードウェアを備えており、これらが本装置の機能を適切に発揮するように予め作成されたコンピュータプログラムに従って動作することによって、上記の各ブロックの機能が発揮される。
具体的には、例えば、データ取得部11は、プロセスの観測データを取得する入力デバイス等からなる。同様に、例えば、性能評価指標演算部12、動作状態評価指標演算部13、及び診断部15は、CPU等からなる。モデル記憶部14は、RAM、ROM、HDD、及び/又はSSDからなる。表示部17は、ディスプレイ等の出力デバイス等からなり、データ出力部は、表示部17にデータ出力する出力デバイス等からなる。
なお、これらのハードウェアは、図1に示したプロセス診断支援装置10の各機能ブロックを構成することを目的とした専用のハードウェアとして構成されてもよいし、対象プロセスの運転監視制御装置、例えばDCS(Distributed Control System)に用いられるハードウェアを利用して構成されてもよい。
データ取得部11は、対象プロセスを実施する装置に設置される各種の計測器から直接的に、または当該プロセスの運転監視制御装置を経由して間接的に、本プロセス診断支援装置の機能を達成する上で必要となる複数の観測データを逐次取得するように構成される。なお、ここでいう観測データとしては、前記計測器において計測される温度、圧力、流量、濃度などの物理量のデータに加え、プロセスの運転監視制御装置に組み込まれた各種の制御器の入出力データや制御パラメータなどのデータも含まれる。
性能評価指標演算部12は、データ取得部11によって取得された、プロセス性能の良否に関わる各種の観測データ(プロセスを観測することにより得られるデータ)に対して、予め定められた定義に従って演算処理を行い、1つ以上の性能評価指標を演算する。ここで、性能評価指標とは、実施されるプロセスの性能を定量的に示す値である。言い換えれば、性能評価指標とは、目的とするプロセスが実施された結果として生じる、プロセスを実施する装置の出力の観測データに基づいて演算される値である。具体的には、例えば、実施されるプロセスが廃棄物の燃焼プロセスである場合は、廃棄物燃焼プロセスが実施された結果として生じる、廃棄物燃焼プロセスを実施する廃棄物処理装置の火炎の位置、排ガスの温度、排ガスの酸素濃度、排ガスの一酸化炭素濃度、ボイラ蒸気流量等(出力)のプロセス性能の良否に関わる計測値(観測データ)に対して、必要に応じてフィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等の処理を行った値が性能評価指標となる。
なお、例えば前記火炎の位置や排ガスの酸素濃度は、その値の絶対値よりも、目標値(=適切な火炎の位置あるいは適切な酸素濃度)に対する差分値または比率値を用いて性能を評価することが好ましい場合もある。その場合は、フィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等の処理を行った計測値と、その目標値との差分または比率をとることで演算される差分値または比率値を性能評価指標として採用することが好ましい。もちろん、計測値のほかに差分値または比率値を加えた2つを性能評価指標として採用することもできる。
異なる例として、実施されるプロセスが発電プロセスである場合には、発電プロセスが実施された結果として生じる、発電出力や送電出力の計測値(プロセス性能の良否に関わる観測データ)に対して、必要に応じてフィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等の処理を行った値を性能評価指標として採用することができる。あるいはさらに異なる例として、実施されるプロセスが化学製品の製造を目的とした化学プロセスである場合には、化学プロセスが実施された結果として生じる、製品物質の密度や純度などの物性値の計測値(プロセス性能の良否に関わる観測データ)に対して、必要に応じてフィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等の処理を行った値を性能評価指標として採用することができる。これらの場合、発電出力や送電出力、あるいは製品物質の密度や純度などの物性値の計測値そのものに加えて、ある時間幅における発電出力や送電出力、あるいは製品物質の密度や純度などの物性値の変動幅の大小についても、プロセスとしての性能を評価する指標となりうる。このような場合、必要に応じて前記フィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等の処理を行った計測値について、一定時間幅における分散あるいは標準偏差を算出し、それを性能評価指標として採用することもできる。
動作状態評価指標演算部13は、同様にデータ取得部11によって取得された上記構成要素の動作状態に関わる各種の観測データ(プロセスを実施する構成要素の動作状態を示すデータ)に対して、予め定められた定義に従って演算処理を行い、2つ以上の動作状態評価指標を演算する。ここで、動作状態評価指標とは、プロセスを実施する装置の構成要素の動作状態を定量的に示す値である。言い換えれば、動作状態評価指標とは、目的とするプロセスを実施する装置が有する構成要素の動作を制御する制御器の入出力データおよび設定パラメータ、またはその制御器からの出力データに基づいて動作が行われた機器あるいは装置の動作状態を反映して直接的に変化する物理量の観測データ(構成要素の動作状態を示すデータ)に対して、必要に応じてフィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等を含む演算処理を行うことによって得られる値である。
具体的には、例えば、実施されるプロセスが廃棄物の燃焼プロセスである場合は、廃棄物燃焼プロセスを実施する廃棄物処理装置が有する構成要素の動作を制御するごみ供給装置制御器、ごみ送り装置制御器、及び燃焼空気量制御器の入出力データおよび設定パラメータ、またそれらの制御器からの出力データに基づいて動作が行われる、ごみ供給装置のストロークの計測値、ごみ送り装置のストロークの計測値、燃焼空気供給ブロワの回転数の計測値、燃焼空気流量の計測値等(構成要素の動作状態に関わる観測データ)に対して、必要に応じてフィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等の処理を行った値が動作状態評価指標となる。
また異なる例として、例えば実施されるプロセスが汽力発電プラントである場合には、発電装置の構成要素の動作を制御する燃料供給量制御器、空気供給量制御器、給水量制御器、蒸気タービン制御器等の制御器の入出力データ及び設定パラメータ、またそれらの制御器からの出力データに基づいて動作が行われる、燃料供給弁の開度の計測値、空気供給弁の開度の計測値、給水弁の開度の計測値、主蒸気調節弁の開度の計測値、蒸気タービンの回転速度の計測値等(構成要素の動作状態に関わる観測データ)に対して、必要に応じてフィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等の処理を行った値が動作状態評価指標となる。
さらに異なる例として、例えば実施されるプロセスが化学製品の製造を目的とした化学プロセスである場合には、化学プロセス装置の構成要素の動作を制御する原料供給量制御器、反応温度制御器、反応圧力制御器等の制御器の入出力データ及び設定パラメータ、またそれらの制御器からの出力データに基づいて動作が行われる、原料供給弁の開度の計測値、反応温度の計測値、反応圧力の計測値等(構成要素の動作状態に関わる観測データ)に対して、必要に応じてフィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等の処理を行った値
が動作状態評価指標となる。
モデル記憶部14には、予め取得されている上記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて演算された性能評価指標と、予め取得されている上記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された動作状態評価指標とで構成される複数の評価指標の相関関係を示す相関関係モデルが予め格納されている。相関関係モデル(不変量ネットワーク)の詳細については後述する。
診断部15は、性能評価指標演算部12において演算された性能評価指標の直近のデータと、動作状態評価指標演算部13において演算された動作状態評価指標の直近のデータと、モデル記憶部14に格納されている相関関係モデルとに基づいて、プロセスの性能を維持または改善するために、プロセスを構成するいずれの構成要素を点検、交換、修理または調節すべきかを診断する。言い換えれば、診断部15は、新たに取得された観測データに基づいて演算された性能評価指標および新たに取得された動作状態を示す観測データに基づいて演算された動作状態評価指標の、記憶部14に記憶されている相関関係モデルに対する適合度の変化を分析する。また、診断部15は、この分析結果に基づいて、プロセス性能を維持または改善するために、プロセス構成要素のうちのいずれの構成要素を点検、交換、修理または調節すべきかを診断する。
また、本実施形態における診断部15は、性能評価指標演算部12において演算された性能評価指標の直近のデータ(新たに取得された観測データに基づいて演算された性能評価指標のデータ)と、動作状態評価指標演算部13において演算された動作状態評価指標の直近のデータ(新たに取得された観測データに基づいて演算された動作状態評価指標のデータ)に基づいて、それらの相関関係に関する相関関係モデルを逐次更新し、得られた更新後のモデルをモデル記憶部14に逐次保存するように構成されている。
また、本実施形態における診断部15では、相関関係モデルとして、性能評価指標と動作状態評価指標とで構成される複数の評価指標の相互間に存在する不変的な関係を示す複数の不変量同士を関連させた不変量ネットワークが用いられている。
プロセスにおける多数の性能評価指標と動作状態評価指標とで構成される複数の評価指標の相互の間には、プロセスおよびその構成要素がその機能を適切に発揮している限り、経時的に変化することのない不変的な関係性が存在することが多い。例えば、ある動作状態評価指標(x)とある性能評価指標(y)とが、経時的に変化しない強い相関関係(例えば動作状態評価指標xが増加すれば性能評価指標yも増加するような関係)を有する場合、これら2つの評価指標xとyの相関関係を、数式(例えばy=f1(x))として近似的に表すことができる。本明細書では、xやyの値が経時的に変化しても、上記のような近似式によりそれらの相関関係が表現できる関係性にあることを「不変的な関係性が存在する」といい、また前記の数式表現を「不変量」または「不変性」という。
対象プロセスの性質にもよるが、こうした不変量または不変性が多数存在している場合、それら多数の不変量または不変性の間の関係性は、各々の評価指標(ノード)と、上記近似式の適合度の数値の大小に基づいて表される関係性の強いノード(指標)間の関係(ノード間の不変性;エッジ)とを用いて構築される、いわゆる不変量ネットワークとして表現することができる。
こうした不変量または不変性(インバリアント)、および不変量ネットワーク(インバリアントネットワーク)に着目した分析システムの異常診断の手法については、たとえば特許第5380528号公報(特許文献2)において詳細に説明されている。
特許文献2の発明においては、コンピュータ装置および/またはネットワークについて、複数の警報の優先順位を設定するために、コンピュータ装置および/またはネットワークにおける多数の監視データについて、特に「流れの強さの計測値」に着目して、複数の「流れの強さの計測値」の関係性について作成された不変量ネットワークが用いられている。
一方で、本実施形態における診断部15は、性能評価指標および動作状態評価指標の関係性(不変量)について不変量ネットワークを作成し、これを診断に用いるように構成されている。ここで、不変量ネットワークを作成する対象となる観測データとしては、対象プロセスにおいて計測することができる全ての観測データを対象とすることもできる。しかしながら、本発明の主な適用対象である発電プラント、石油化学プラント、水処理プラント、廃棄物処理プラントなどの大規模装置では、一般に非常に多数の計測器、操作器または制御器が設置されており、それらから逐次的に得られる膨大な観測データの全てを対象として不変量ネットワークを作成しようとすると、その作成のために必要となる計算機の能力および計算時間が過大となり、迅速な診断が困難となることがある。
そのため、本実施形態における診断部15は、対象プロセスにおいて得られる全ての観測データを必ずしも対象とするのではなく、対象プロセスの性能の良否を判定する指標として定義される、少なくとも1つ以上の性能評価指標と、プロセス構成要素のうち少なくとも2つ以上の要素について、それらの各々の動作状態の良否を判定する指標として定義される、少なくとも2つ以上の動作状態評価指標を対象とする。性能評価指標と動作状態評価指標との間の関係性(不変量)について不変量ネットワークを作成することで、計算機の能力および許容される計算時間が限られている場合においても、効果的に不変量ネットワークを作成できるように構成されている。もちろん、計算機の能力および許容される計算時間に十分な余裕がある場合は、対象プロセスにおいて計測されている全ての観測データを対象として不変量ネットワークを作成してもよい。
本実施形態における診断部15では、まず全ての性能評価指標および全ての動作状態評価指標のうちから任意の2つの評価指標(以下評価指標xおよび評価指標yとする)を選び、それらxおよびyに対して外部入力付自己回帰モデル(ARXモデル)を適用する。
外部入力付自己回帰モデルは、ある時刻における評価指標yのデータを、ある第1の一定時間幅にわたる評価指標xの過去のデータと、ある第2の一定時間幅にわたる評価指標yの過去のデータの線形結合として表現するモデルである。その詳細についての説明はここでは省略するが、対象プロセスが有する特性並びに評価指標xおよび評価指標yの選び方によっては、評価指標xと評価指標yの間に外部入力付自己回帰モデルで説明できるような強い関係性がある場合もあるし、または評価指標xと評価指標yの間にはそのような強い関係性がない場合もある。なお、xおよびyの関係性により、第1の一定時間幅と、第2の一定時間幅は同一時間帯であることが望ましい場合もあるし、異なっていた方が望ましい場合もある。たとえば、yがxに対して時間遅れを有するような関係にある場合には、第1の時間幅は、第2の時間幅よりも少し前の時間幅が選択されることが好ましい。
評価指標xと評価指標yの間にそのような強い関係性があるか否かについては、以下の方法により評価することができる。まず、第1の時間幅にわたる評価指標xの過去のデータと、第2の時間幅にわたる評価指標yの過去のデータに基づいて作成された外部入力付自己回帰モデルを適用して、第3の時間幅についての評価指標yの経時変化を予測する。つぎに、この予測値を第3の時間幅について実際に観測された評価指標yの値と比較することで、モデルの適合度を評価する。
モデルの適合度の算出手法は様々なものが考えられる。例えば特許文献2においては、
第3の時間幅にわたっての、モデルによる評価指標yの予測値と、実際に観測された評価指標yの値との差分の平方和に基づいて適合度を算出する手法が提案されている。しかしながら、外部入力付自己回帰モデルの特性として、評価指標yの自己回帰性がきわめて強い場合には、評価指標xと評価指標yの関係性が非常に弱い場合であっても、特許文献2の算出手法による適合度が高い値を示してしまう場合がある。この問題を回避するためには、自己回帰モデル(ARモデル)による評価指標yの予測値の適合度と、外部入力付自己回帰モデル(ARXモデル)による評価指標yの予測値の適合度をそれぞれ算出し、後者による適合度が前者による適合度を大きく上回った場合についてのみ、評価指標xと評価指標yの間に外部入力付自己回帰モデルで説明できる強い関係性があるものと判断するように構成することが好ましい。
以上の作業を、全ての性能評価指標および全ての動作状態評価指標から得られる任意の2つの評価指標の全ての組み合わせについて行うことにより、いま対象としている第1乃至第3の時間幅において、特に強い関係性を有する評価指標の組み合わせ、すなわちある対象時間幅における対象プロセスの不変量または不変性を複数抽出することができる。
ここで抽出された対象プロセスの不変量または不変性は、いま対象としている第1乃至第3の時間幅において成り立つことだけが検証されたものである。したがって、このような不変量あるいは不変性が、時間の経過に対しても成り立つかどうかについては、同様の抽出作業を第4の時間幅、第5の時間幅、第6の時間幅と続く時間幅について、逐次的に繰り返していくことにより判定することができる。そして、多数の時間幅、あるいは長い時間幅にわたって常に成立している不変量または不変性こそが、対象プロセスおよびその構成要素がその機能を適切に発揮している限り成立する、そのプロセスの特有の不変量あるいは不変性であると定義される。
いま、上述した手順により、過去の十分長い第1から第nまでの期間における評価指標のデータに基づいて、その期間にわたって安定に存在し、対象プロセスの特有の不変性を表現するものと判定される不変量ネットワークが得られているとする。ここで、引き続く第(n+1)の期間において、対象プロセスの構成要素のいずれかに異常や故障が発生したとする。すると、その構成要素の動作状態に直接にかかわる1つまたは複数の動作状態評価指標の値、またはその構成要素の動作状態と強い関係性のある1つまたは複数の他の動作状態評価指標あるいは性能評価指標の値に変化が生じる。すると、第(n+1)の期間における評価指標のデータの相関関係は、第1から第nまでの期間における評価指標のデータに基づいて作成された不変量ネットワークにはうまく適合しないことになる。
すなわち、本実施形態における診断部15では、第(n+1)の期間における評価指標のデータの、第1から第nまでの期間における評価指標のデータに基づいて作成された不変量ネットワークに対する適合度を数値的に算出することにより、第(n+1)の期間において、いずれかのプロセス構成要素に異常や故障が発生したことを診断することができる。
さらに、不変量ネットワークのうち、どのエッジに対応する適合度が低下したかを特定する(適合度の変化を分析する)ことにより、どのプロセス構成要素に異常や故障が発生したかを特定することができる。具体的には、どのエッジで表される適合度に差異が生じたかを数値的に確認し、差異が認められたエッジと関係性のあるノードを追っていくことにより、原因となったノードすなわち動作状態評価指標を特定することができる。そして、原因となった動作状態評価指標が特定されると、その動作状態評価指標と直接的に対応するプロセス構成要素に異常や故障が発生したものと結論付けることができる。ここで、原因となりうるノード(動作状態評価指標)が複数存在する場合は、各々のノード(動作状態評価指標)に接続されている全てのエッジにおける適合度の差異の平均値または総和
をノード間で比較することで、どのノード(動作状態評価指標)に対応するプロセス構成要素において異常や故障が発生している可能性が高いかを評価することができる。具体的には、適合度の差異が大きいノード(動作状態評価指標)ほど、対応するプロセス構成要素に異常や故障が発生している確率が高い、と評価することができる。
本実施形態の診断部15は、以上で説明した診断手法に基づき、プロセス性能について何らかの変化が発生していないかを診断するとともに、プロセス性能を維持または改善するために、プロセス構成要素のうちのいずれの構成要素を点検、交換、修理または調節すべきかを診断する。
なお、診断部15では、動作状態評価指標同士のみからなる複数の評価指標の相互間に存在する不変量同士を関連させた相関関係モデル(不変量ネットワーク)に基づいて、以上で説明した診断手法に沿って診断を行うことにより、プロセス要素のうちのいずれの構成要素を点検、交換、修理又は調節すべきかを判断することができる。即ち、診断部15は、プロセス全体の性能の悪化の有無にかかわらず、特定の構成要素の動作状態の異常を診断することもできる。ごみ焼却プロセスなどの大規模装置では、ある特定の構成要素の動作状態に異常が生じていたとしても、他の構成要素の機能によってその異常が補完され、結果的にプロセス全体としては性能が悪化しない場合がある。この場合、プロセス全体の性能は維持されているので、必ずしもその構成要素の点検、交換、修理または調節を行う必要はないが、その状態を長期的に継続した場合、たとえば補完を担っている他の構成要素に異常が生じるなどの悪影響が生じ、結果的にプロセス全体の性能にいずれ影響が生じる可能性もある。そのような前提のもと、プロセス全体の性能の良否にかかわらず、構成要素の状態の良否を診断できることは、大規模処理装置のプロセスにおいて有利である(この場合、性能評価指標を定義する必要は無く、2つ以上の動作状態評価指標の相関関係に基づいて診断が行われる)。
診断部15で診断された結果は、データ出力部16を介して、表示部17に表示される。表示部17には、診断部15における診断結果に基づき、プロセス性能を維持または改善するために、プロセス構成要素のうちのいずれの構成要素を点検、交換、修理または調節すべきかの情報が表示される。この際、いずれの構成要素を点検、交換、修理または調節すべきかの情報に加えて、どのような点検、交換、修理または調節の手法をとることが推奨されるかの情報、および複数の構成要素が点検、交換、修理または調節の対象となる場合には、それらの優先順位の情報を、前述した適合度の差異の総和または平均値の比較結果に基づいて表示するように構成してもよい。
以下、図2および図3を参照して、廃棄物の燃焼装置を対象とした本発明の実施例について説明する。図2は、本実施例において本発明のプロセス診断支援装置が適用される廃棄物の燃焼装置20の構成を示したプロセスフロー図である。本実施例において、廃棄物の燃焼装置20は、ストーカ式焼却炉21を中心として構成されている。
ごみクレーン22の作用によりごみホッパ23に投入された廃棄物aは、ごみ供給装置24の作用によりストーカ式焼却炉21の内部に送りこまれる。ここで、ごみ供給装置24による廃棄物aの供給速度は、ごみ供給装置制御器51により調節することができる。
ストーカ式焼却炉21の内部に送り込まれた廃棄物aは、ごみ送り装置25a,25b,25cの作用により、乾燥帯21a、燃焼帯21b、後燃焼帯21cへと順次移送され、その過程で一次燃焼空気ba,bb,bcと反応することで焼却される。また、乾燥帯21a、燃焼帯21b、後燃焼帯21cから発生した可燃ガス成分は、それらの上部空間において二次燃焼空気bdと反応して完全燃焼される。廃棄物aの燃え残りは主灰cとして排出される。ここで、ごみ送り装置25a,25b,25cによる廃棄物aの移送速度
は、ごみ送り装置制御器52により調節することができる。
一次燃焼空気ba,bb,bcは、燃焼空気ブロワ26により所定の圧力まで昇圧された上で、一次燃焼空気調節ダンパ27a,27b,27cを経て、乾燥帯21a、燃焼帯21b、後燃焼帯21cの各々の下部からストーカ式焼却炉21の内部に供給される。また、二次燃焼空気bdは、二次燃焼空気調節ダンパ27dを経て、ストーカ式焼却炉21の内部に供給される。ここで、供給される一次燃焼空気ba,bb,bcおよび二次燃焼空気bdの流量は、燃焼空気量制御器53の作用により、燃焼空気ブロワ26の回転速度、並びに一次燃焼空気調節ダンパ27a,27b,27cおよび二次燃焼空気調節ダンパ27dの開度を変化させることで調節することができる。
ストーカ式焼却炉21の内部での廃棄物aの燃焼により発生した燃焼排ガスは、ストーカ式焼却炉21の出口から排出され、廃熱ボイラ28を経由して冷却される。その後、燃焼排ガスは、薬剤噴霧設備、バグフィルタ、脱硝触媒塔などから構成される排ガス浄化装置29を経由して有害物質や飛灰が除去された上で、煙突30から大気に排出される。また、廃熱ボイラ28では、燃焼排ガスとの熱交換により蒸気が発生し、この蒸気は蒸気タービン発電機31に導かれて発電利用される。
本実施例における廃棄物の燃焼装置20には、装置各部の操業状態が適切であるか否かを検知する目的で、温度計、圧力計、流量計、排ガス濃度計等の多数の計測器が設置されている。これらの計測器のうち、本実施例の説明において特に必要となる計測器、具体的にはその測定値が性能評価指標の算出に用いられる計測器として、火炎位置検出装置41、焼却炉出口排ガス温度計42、ボイラ出口排ガス酸素濃度計43、煙突排ガス一酸化炭素ガス濃度計44、蒸気流量計45が図2において図示されている。
火炎位置検出装置41は、ストーカ式焼却炉21内部の状況に関する得られた画像情報に対して所定の画像処理を行うことで、ストーカ式焼却炉21の内部における火炎の位置を効果的に検出する装置として構成されている。
焼却炉出口排ガス温度計42は、ストーカ式焼却炉21の出口での燃焼排ガスの温度を効果的に測定できるように構成されている。
ボイラ出口排ガス酸素濃度計43は、廃熱ボイラ28出口での燃焼排ガスの酸素濃度を効果的に測定できるように構成されている。
煙突排ガス一酸化炭素ガス濃度計44は、煙突30での燃焼排ガスの一酸化炭素濃度を効果的に測定できるように構成されている。
蒸気流量計45は、廃熱ボイラ28における蒸気発生量を効果的に測定できるように構成されている。
これらの計測器から得られた信号は、それぞれ火炎位置制御器54、炉出口燃焼排ガス温度制御器55、ボイラ出口排ガス酸素濃度制御器56、蒸気流量制御器57に伝送される。これらの制御器の作用により、前述のごみ供給装置制御器51、ごみ送り装置制御器52、燃焼空気量制御器53を介して、ごみ供給装置24およびごみ送り装置25a,25b,25cの動作状況、および燃焼空気ba,bb,bc,bdの供給量が逐次調節されることで、焼却炉内のごみの燃焼状態が適切に保たれ、かつ所望の蒸気流量が得られるように焼却炉の運転制御が行われる。
また、煙突排ガス一酸化炭素濃度計44から得られた信号は、煙突排ガス一酸化炭素濃
度監視器58に伝送される。煙突排ガス一酸化炭素濃度監視器58は、煙突排ガス一酸化炭素濃度の値が所定の範囲内にあるか否かを連続的に監視し、その値が所定の範囲を上回ることが予想される場合、または所定の範囲を上回った場合には警報を発生することで、必要な運転調整作業をオペレータが行うように促す。
本実施形態に係るプロセス診断支援装置10は、図2に示したごみ供給装置制御器51、ごみ送り装置制御器52、燃焼空気量制御器53、火炎位置制御器54、炉出口燃焼排ガス温度制御器55、ボイラ出口排ガス酸素濃度制御器56、蒸気流量制御器57、煙突排ガス一酸化炭素濃度監視器58と通信可能に接続される。プロセス診断支援装置10のデータ取得部11は、それぞれの制御器に伝達される上記複数の計測器から得られた計測データ(観測データ)を取得する。
以下では、図3を参照して、本実施例における本発明のプロセス診断支援装置10の機能について説明する。図3は、図2に示した実施例に係る燃焼装置20に適用されるプロセス診断支援装置10で用いられる性能評価指標と動作状態評価指標との関係を示す概略図である。本実施例において本発明のプロセス診断支援装置10が適用される廃棄物の燃焼装置20の性能が良好に保たれている状態とは、焼却処理されるごみの性状や外乱の状況に係りなく、焼却炉内のごみの燃焼状態が適切に保たれ、かつ所望の蒸気流量が得られている状態であると定義される。本実施例におけるプロセス診断支援装置の機能における性能評価指標としては、以下の5つの性能評価指標が用いられている。
第1の性能評価指標は、火炎位置評価指標61である。火炎位置評価指標61は、火炎位置検出装置41により計測された計測値に対して、必要に応じてフィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等の処理を行うことで得られる値である。即ち、火炎位置評価指標61は、ストーカ式焼却炉21内の火炎の位置を定量的に示す値である。
第2の性能評価指標は、焼却炉出口排ガス温度評価指標62である。焼却炉出口排ガス温度評価指標62は、焼却炉出口排ガス温度計42により計測された計測値に対して、必要に応じてフィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等の処理を行うことで得られる値である。即ち、焼却炉出口排ガス温度評価指標62は、ストーカ式焼却炉21内の出口付近の排ガス温度を定量的に示す値である。
第3の性能評価指標は、ボイラ出口排ガス酸素濃度評価指標63である。ボイラ出口排ガス酸素濃度評価指標63は、ボイラ出口排ガス酸素濃度計43により計測された計測値に対して、必要に応じてフィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等の処理を行うことで得られる値である。即ち、ボイラ出口排ガス酸素濃度評価指標63は、ストーカ式焼却炉21から排出された排ガスに含まれる酸素濃度を定量的に示す値である。
第4の性能評価指標は、煙突排ガス一酸化炭素濃度評価指標64である。煙突排ガス一酸化炭素濃度評価指標64は、煙突排ガス一酸化炭素ガス濃度計44により計測された計測値に対して、必要に応じてフィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等の処理を行うことで得られる値である。即ち、煙突排ガス一酸化炭素濃度評価指標64は、ストーカ式焼却炉21から排出された排ガスに含まれる一酸化炭素濃度を定量的に示す値である。
第5の性能評価指標は、蒸気流量評価指標65である。蒸気流量評価指標65は、蒸気流量計45により計測された計測値に対して、必要に応じてフィルタ操作、時間平均操作、異常値の除去等の処理を行うことで得られる値である。即ち、蒸気流量評価指標65は、廃熱ボイラ28における蒸気発生量を定量的に示す値である。
一方、図2に示した本実施例における廃棄物の燃焼装置20の構成に適用される本実施
例におけるプロセス診断支援装置10の機能における動作状態評価指標としては、以下に述べる複数の動作状態評価指標が組み合わせて用いられている。
まず、ごみ供給装置動作状態評価指標群71として、ごみ供給装置制御器51における各種制御パラメータの設定値、またはごみ供給装置制御器51の入出力データ、またはごみ供給装置24の動作状態を表す計測器において得られた計測値(例えばごみ供給装置24が油圧プッシャ式である場合には、そのストローク位置あるいは動作速度等)について、必要に応じてフィルタ操作や時間平均操作を含む演算処理を行うことによって得られる1つ以上の動作状態評価指標が用いられる。ここで、ごみ供給装置制御器51の入力データは、他の制御器の出力データとして与えられるごみ供給速度の指令値(目標値)であり、ごみ供給装置制御器51の出力データは、前進時間、後退時間、前進速度、後退速度などのごみ供給装置24に対する1つ以上の動作指令値である。また、ごみ供給装置制御器51における各種制御パラメータの設定値は、上記入力データから出力データを演算する上で用いられる各種パラメータの設定値である。
つぎに、ごみ送り装置動作状態評価指標群72として、ごみ送り装置制御器52における各種制御パラメータの設定値、またはごみ送り装置制御器52の入出力データ、またはごみ送り装置25a,25b,25cの動作状態を表す計測器において得られた計測値(例えばごみ送り装置25a,25b,25cが油圧プッシャ式である場合には、そのストローク位置あるいは動作速度等)について、必要に応じてフィルタ操作や時間平均操作を含む演算処理を行うことによって得られる1つ以上の動作状態評価指標が用いられる。ここで、ごみ送り装置制御器52の入力データは、他の制御器の出力データとして与えられるごみ送り速度の指令値(目標値)であり、ごみ送り装置制御器52の出力データは、前進時間、後退時間、前進速度、後退速度などのごみ送り装置25a,25b,25cに対する1つ以上の動作指令値である。また、ごみ送り装置制御器52における各種制御パラメータの設定値は、前記の入力データから出力データを演算する上で用いられる各種パラメータの設定値である。
つぎに、燃焼空気供給装置動作状態評価指標群73として、燃焼空気量制御器53における各種制御パラメータの設定値、または燃焼空気量制御器53の入出力データ、または燃焼空気供給装置の動作状態について不図示の計測器により測定された物理量(観測データ)について、必要に応じてフィルタ操作や時間平均操作を含む演算処理を行うことによって得られる1つ以上の動作状態評価指標が用いられる。ここで、燃焼空気量制御器53の入力データは、他の制御器の出力データとして与えられる燃焼空気供給量の指令値(目標値)であり、燃焼空気量制御器53の出力値は、燃焼空気ブロワ26に対する回転数指令値、及び一次燃焼空気調節ダンパ27a,27b,27cの開度指令値である。また、燃焼空気量制御器53における各種制御パラメータの設定値は、前記の入力データから出力データを演算する上で用いられる各種パラメータの設定値である。さらに、不図示の計測器により測定された物理量は、燃焼空気ブロワ26の回転数、電流値、吐出圧力等の計測値、一次燃焼空気調節ダンパ27a,27b,27cの開度の計測値、ならびに燃焼空気ba,bb,bcの流量の計測値である。
本実施例においては、以上で説明した多数の動作状態評価指標が用いられているが、図3においては便宜上、それら複数の動作状態評価指標が、動作状態判定の対象となるプロセス構成要素(ごみ供給装置24、ごみ送り装置25a,25b,25c、並びに燃焼空気ブロワ26及び一次燃焼空気調節ダンパ27a,27b,27cからなる燃焼空気供給装置)ごとに分類されて、ごみ供給装置動作状態評価指標群71、ごみ送り装置動作状態評価指標群72、および燃焼空気供給装置動作状態評価指標群73として図示されている。
ここで、本発明のプロセス診断支援装置10で用いられる性能評価指標および動作状態評価指標の種類および個数は、プロセスが達成すべき性能の良否に強く関連する指標、およびプロセスの構成要素の動作状態の良否に強く関連する指標を網羅できるように、任意に選択することができる。性能評価指標および動作状態評価指標の種類および個数を増やすほど、プロセスにおけるより小さな変化を検出できる可能性がある。むやみに種類および個数を増やすと、計測値の取得、評価指標の演算、相関関係モデルの作成、診断等の処理に要する計算時間が長くなるため、本装置として用いられるハードウェアの能力を考慮しつつ、最も経済的かつ高速に診断効果が得られるよう、性能評価指標および動作状態評価指標の種類および個数を決定することが望ましい。
本実施例では、以上で例示した性能評価指標61,62,63,64,65と、動作状態評価指標群71,72,73に含まれる複数の動作状態評価指標との各々の評価指標の関係性(不変性)についての不変量ネットワーク(相関関係モデル)が、プロセス診断支援装置10のモデル記憶部14に予め格納される。図中の矢印は各々の評価指標間に不変性が存在することを示している。本発明のプロセス診断支援装置10の診断部15が、モデル記憶部14に格納されている各々の評価指標の関係性(不変量)についての不変量ネットワーク(相関関係モデル)に対する、図3に例示された各々の評価指標の直近のデータの適合度を算出することで、点検、交換、修理または調節されるべき構成要素の診断が行われ、データ出力部16を介して表示部17に診断結果が表示される。なお、性能評価指標61,62,63,64,65のうちのいずれかと動作状態評価指標群71,72,73に含まれる複数の動作状態評価指標のうちのいずれかとの間の不変量についての不変量ネットワークに対して適合度が算出される場合もあるし、動作状態評価指標群71,72,73に含まれる二つの動作状態評価指標間の不変量についての不変量ネットワークに対して適合度が算出される場合もある。
従来、ごみ焼却施設の運転員は、1日あたりのごみ焼却量を所定の範囲に維持するために、図2に示した蒸気流量制御器57における蒸気流量の目標値を随時操作していた。例えば、ある日の累積のごみ焼却量の実績値が、その日の途中段階(例えば正午)において計画値よりも少なく、このままの運転負荷で運転すると1日あたりのごみ焼却量が不足することが予想される場合、蒸気流量の目標値を上げるように設定し直していた。逆に、ある日の累積のごみ焼却量の実績値が、その日の途中段階(例えば正午)において計画値よりも多く、このままの運転負荷で運転すると1日あたりのごみ焼却量が過剰となることが予測される場合、蒸気流量の目標値を下げるように設定し直していた。
ここで、蒸気流量の目標値の変更前後の値の差異が小さい場合、蒸気流量の目標値の変更操作がプロセス性能に与える影響は少ない。一方で、蒸気流量の目標値を大きく変更する場合、プロセス性能に与える影響が大きいため、最適な燃焼状態を維持するために、プロセスを構成するいくつかの制御器について、その制御パラメータを調整する必要が生じていた。
しかし、こうした制御器における制御パラメータの調整は、一般の運転員では困難であり、燃焼プロセスと計装制御の専門知識を有する熟練した専門技術者による作業を必要とした。これは前述したとおり、廃棄物の焼却装置が非常に多数の機器、計測器、操作器、制御器等の構成要素の組合せにより構成されており、且つ焼却処理の対象となる廃棄物の性状が時間とともにあるいは季節に応じて大きく変動することがあるので、最適な燃焼状態を維持するためには、いずれの制御器における制御パラメータを調整すべきかを特定することが特に困難だからである。
さらに近年では、こうした調整作業を実施することができる専門技術者が不足していることから、蒸気流量の目標値の変更に対して、最適な制御パラメータを設定することがで
きず、ひいては最適な燃焼状態が維持できない状況があった。
本実施例におけるプロセス診断支援装置10において、上記の理由により廃棄物の燃焼装置20における蒸気流量の目標値が変更された場合の作用について以下で説明する。
まず、蒸気流量の目標値が変更されたという事実は、蒸気流量評価指標65の変化として、プロセス診断支援装置10の診断部15において認識される。ここで、ごみ供給装置制御器51、ごみ送り装置制御器52、および燃焼空気量制御器53における各種制御パラメータの設定値が、蒸気流量の目標値の変更後に不適切となった場合、それらの制御パラメータの設定値が不適切であるがゆえに、ごみ供給装置制御器51、ごみ送り装置制御器52、および燃焼空気量制御器53の入出力の関係性に変化が生じる。
この関係性の変化は、蒸気流量の目標値の変更後の、ごみ供給装置制御器51、ごみ送り装置制御器52、および燃焼空気量制御器53に係る動作状態評価指標間の関係性の変化として診断部15により認識される。すなわち、診断部15においては、蒸気流量の変更後の蒸気流量評価指標65の直近のデータとごみ供給装置制御器51、ごみ送り装置制御器52、および燃焼空気量制御器53に係る動作状態評価指標の直近のデータとの不変量の、予めモデル記憶部14に格納されている不変量ネットワークに対する適合度が低下していることが認識される。その結果、現在の蒸気流量の目標値の条件下において、制御パラメータを調節すべきと判断される制御器を容易に特定することができる。
さらには、ごみ供給装置制御器51、ごみ送り装置制御器52、および燃焼空気量制御器53の制御パラメータの設定値をも時系列的に変化する動作状態評価指標の一つとして取り込むことで、現在の蒸気流量の目標値の条件下における制御パラメータの望ましい設定値を、不変量ネットワークの性質に基づいて決定することもできる。具体的には、蒸気流量の目標値が設定された場合、不変量ネットワークに示される蒸気流量と制御パラメータとの不変の関係に基づいて、その蒸気流量の目標値に対応する制御パラメータの設定値が決定される。ただし、各制御器の制御パラメータは本質的にはプロセスの操業状態あるいは各構成要素の動作状態に依存して変化する物理量ではないため、このような機能を実現するためには、たとえば対象プロセスの試運転過程において、代表的な制御パラメータを意図的に変化させた運転を実施することで、制御パラメータを変化させた場合のプロセスの応答に関わる不変量ネットワークを予め構築し、本プロセス診断装置における記憶部に予め記憶しておくことが望ましい。
なお、本プロセス診断支援装置10の診断部15における診断の結果、調節すべきと判断された各種制御パラメータ、およびその望ましい設定値については、本プロセス診断支援装置10の表示部17に表示するように構成することが好ましいが、本プロセス診断支援装置と、プロセスの運転監視制御装置との間でデータ転送を行うことにより、自動的にその設定値を変更するように構成してもよい。
さらに、診断の結果と、それに基づいて調整あるいは変更が行われた制御パラメータの情報を装置内部に履歴として記憶し、その後のプロセスの運転管理に役立てるように構成するのが好ましい。
次に、本実施例におけるプロセス診断支援装置10の他の機能例として、プロセスにおける各種の計測器の異常診断例について以下で説明する。本実施例における廃棄物の燃焼装置20における焼却炉出口排ガス温度計42については、その表面への灰やスラグ等の付着、または付着した物質の自重や保護管材質の熱的性質に基づく保護管の変形などの理由により、温度計測値に異常が生じることがある。
この場合、燃焼プロセスの変化に対して温度計の応答性が鈍くなる。このため、単純にその温度計測値のみを利用して燃焼プロセスの運転制御を行う場合、温度計測値の応答性が変化していることに気づかず運転制御が行われてしまうので、プロセス性能が悪化する可能性がある。
また、こうした温度計の応答性の変化については、処理対象物である廃棄物の性状の変化に代表される、プロセスの外乱によっても生じる可能性があるため、単に温度計による計測値のみを解析し、または何らかの閾値を設定することにより異常診断を行うことは困難であった。
本発明のプロセス診断支援装置では、こうした温度計の計測値についても、他の動作状態評価指標や性能評価指標との相関関係モデルに基づいて、異常が生じていることを容易に診断することができる。具体的には、燃焼プロセスの状態を示す代表的な参照信号である、焼却炉下部やボイラ出口など他の場所に設置された不図示の排ガス温度計の計測値、ボイラ出口排ガス酸素濃度計43の計測値等との相関関係モデルに基づいて、焼却炉出口排ガス温度計42に異常が発生していることを診断することができる。
以上に記した実施例は、本発明の好適かつ代表的な態様の1つを例示したものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更または修正を行って実施することが可能である。
10…プロセス診断支援装置
11…データ取得部
12…性能評価指標演算部
13…動作状態評価指標演算部
14…モデル記憶部
15…診断部
16…データ出力部
17…表示部
20…燃焼装置
21…ストーカ式焼却炉
21a…乾燥帯
21b…燃焼帯
21c…後燃焼帯
22…ごみクレーン
23…ごみホッパ
24…ごみ供給装置
25a,25b,25c…ごみ送り装置
26…燃焼空気ブロワ
27a,27b,27c…一次燃焼空気調節ダンパ
27d…二次燃焼空気調節ダンパ
28…廃熱ボイラ
29…排ガス浄化装置
30…煙突
31…蒸気タービン発電機
41…火炎位置検出装置
42…焼却炉出口排ガス温度計
43…ボイラ出口排ガス酸素濃度計
44…煙突排ガス一酸化炭素ガス濃度計
45…蒸気流量計
51…ごみ供給装置制御器
52…ごみ送り装置制御器
53…燃焼空気量制御器
54…火炎位置制御器
55…炉出口燃焼排ガス温度制御器
56…ボイラ出口排ガス酸素濃度制御器
57…蒸気流量制御器
58…煙突排ガス一酸化炭素濃度監視器
61…火炎位置評価指標
62…焼却炉出口排ガス酸素濃度評価指標
63…ボイラ出口排ガス酸素濃度評価指標
64…煙突排ガス一酸化炭素濃度評価指標
65…蒸気流量評価指標
71…ごみ供給装置動作状態評価指標群
72…ごみ送り装置動作状態評価指標群
73…燃焼空気供給装置動作状態評価指標群
a…廃棄物
ba,bb,bc…一次燃焼空気
bd…二次燃焼空気
c…主灰

Claims (10)

  1. 二以上の構成要素により構成された装置で実施されるプロセスにおいて、前記プロセスの性能を維持または改善するために、点検、交換、修理または調節されるべき一以上の前記構成要素を特定するプロセス診断支援装置であって、
    前記プロセスの性能の良否に関わる観測データと、前記構成要素の動作状態に関わる観測データと、を取得するデータ取得部と、
    前記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて一以上の性能評価指標を演算する性能評価指標演算部と、
    前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて二以上の動作状態評価指標を演算する動作状態評価指標演算部と、
    予め取得されている前記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて演算された前記性能評価指標と、予め取得されている前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記動作状態評価指標とで構成される複数の評価指標間の相関関係を表す相関関係モデルを記憶するモデル記憶部と、
    新たに取得された前記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて演算された前記性能評価指標および/または新たに取得された前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記動作状態評価指標の、前記モデル記憶部に記憶された相関関係モデルに対する適合度の変化を分析することにより、前記プロセスの性能を維持または改善するために、前記二以上の構成要素のうちのいずれの構成要素を点検、交換、修理または調節すべきかを診断する診断部と、を有する、プロセス診断支援装置。
  2. 前記相関関係モデルは、新たに取得された前記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて演算された前記性能評価指標および/または新たに取得された前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記動作状態評価指標に基づいて逐次更新されることを特徴とする請求項1に記載のプロセス診断支援装置。
  3. 前記相関関係モデルは、予め取得されている前記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて演算された前記性能評価指標および/または予め取得されている前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記動作状態評価指標により構成される複数の評価指標の相互間に存在する複数の不変量に関する不変量ネットワークであり、
    前記診断部は、新たに取得された前記プロセスの性能の良否に関わる観測データに基づいて演算された前記性能評価指標および/または新たに取得された前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記動作状態評価指標の、前記不変量ネットワークに対する適合度の変化を分析することにより、診断を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のプロセス診断支援装置。
  4. 前記不変量は、前記性能評価指標および/または前記動作状態評価指標のうち少なくとも2つの評価指標の関係性について回帰モデルを生成することにより抽出されることを特徴とする請求項3に記載のプロセス診断支援装置。
  5. 二以上の構成要素により構成された装置で実施されるプロセスにおいて、前記構成要素の動作状態を診断するプロセス診断支援装置であって、
    前記構成要素の動作状態に関わる観測データを取得するデータ取得部と、
    前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて二以上の動作状態評価指標を演算する動作状態評価指標演算部と、
    予め取得されている前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記二以上の動作状態評価指標により構成される複数の評価指標間の相関関係を表す相関関係モデルを記憶するモデル記憶部と、
    新たに取得された前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された前記動作状態評価指標の、前記モデル記憶部に記憶された相関関係モデルに対する適合度の変化を分析することにより、前記構成要素の動作状態を診断する診断部と、を有する、プロセス診断支援装置。
  6. 前記相関関係モデルは、新たに取得された前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された二以上の前記動作状態評価指標に基づいて逐次更新されることを特徴とする請求項5に記載のプロセス診断支援装置。
  7. 前記相関関係モデルは、予め取得されている前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された二以上の前記動作状態評価指標により構成される複数の評価指標の相互間に存在する複数の不変量に関する不変量ネットワークであり、
    前記診断部は、新たに取得された前記構成要素の動作状態に関わる観測データに基づいて演算された二以上の前記動作状態評価指標の、前記不変量ネットワークに対する適合度の変化を分析することにより、診断を行うことを特徴とする請求項5又は6に記載のプロセス診断支援装置。
  8. 前記不変量は、二以上の前記動作状態評価指標のうち少なくとも2つの評価指標の関係性について回帰モデルを生成することにより抽出されることを特徴とする請求項7に記載のプロセス診断支援装置。
  9. 前記回帰モデルは、外部入力付自己回帰モデルであることを特徴とする請求項4又は8に記載のプロセス診断支援装置。
  10. 前記プロセスは、廃棄物、バイオマスまたは石炭等の固体燃料の燃焼装置またはガス化装置であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のプロセス診断支援装置。
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