JP2016079844A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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典保 天野
亜紀 宮脇
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亜紀 宮脇
宏石 杉山
Koseki Sugiyama
宏石 杉山
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Abstract

【課題】グロープラグ一体型筒内圧センサの検出値の補正を正確に行うことができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の温度を検出する装置と、内燃機関の燃焼室に設けられるグロープラグ一体型筒内圧センサと、を備える内燃機関の制御装置において、所定の運転条件における基準筒内圧と前記所定の運転条件における実際の筒内圧との圧力比を算出する圧力比算出手段と、圧力比算出手段によって算出された圧力比が高いほど、内燃機関の運転時におけるグロープラグ一体型筒内圧センサの検出値に乗算する補正係数を大きな値に設定し、所定の運転条件において検出される内燃機関の温度が低いほど補正係数を小さな値に設定することを特徴とする。
【選択図】図5

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、ディーゼルエンジンにおいて、グロープラグと筒内圧センサとが一体となったセンサ(以下、グロープラグ一体型筒内圧センサという。)が知られている。特許文献1では、グロープラグ一体型筒内圧センサに堆積したデポジット量を推定して、推定されたデポジット量に基づいてグロープラグ一体型筒内圧センサの検出値を補正する手法が開示されている。
特開2010−071197号公報 特開2009−203938号公報 特開2009−222031号公報
ところで、デポジットの硬度は、グロープラグ一体型筒内圧センサの検出感度に影響を与える。このため、グロープラグ一体型筒内圧センサの検出値の補正を正確に行うためには、デポジット量だけでなく硬度も反映させる必要がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、グロープラグ一体型筒内圧センサの検出値の補正を正確に行うことができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、
内燃機関の温度を検出する装置と、
前記内燃機関の燃焼室に設けられるグロープラグ一体型筒内圧センサと、を備える内燃機関の制御装置において、
所定の運転条件における基準筒内圧と前記所定の運転条件における実際の筒内圧との圧力比を算出する圧力比算出手段と、
前記圧力比算出手段によって算出された圧力比が高いほど、前記内燃機関の運転時における前記グロープラグ一体型筒内圧センサの検出値に乗算する補正係数を大きな値に設定し、前記所定の運転条件において検出される前記内燃機関の温度が低いほど前記補正係数を小さな値に設定することを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関の温度が低いほどデポジットが冷えて硬化する特性を利用して、補正係数の設定にデポジットの硬度の影響を反映させることができる。この結果、エンジンの燃焼時における筒内圧センサの検出値を精度よく補正することができる。
実施の形態1のシステムの構成を説明するための概略構成図である。 グロープラグ一体型筒内圧センサについて表した図である。 グロープラグ一体型筒内圧センサにデポジットが堆積する様子を表した図である。 デポジットの硬度がセンサの感度に及ぼす影響について説明するための図である。 実施の形態1のECUで実行される補正係数算出ルーチンを表した図である。 実施の形態1の補正係数算出ルーチンの変形例について表した図である。 実施の形態2の補正係数算出ルーチンについて表した図である。 実施の形態2の補正係数算出ルーチンの変形例について表した図である。 実施の形態3の補正係数算出ルーチンについて表した図である。 実施の形態3の補正係数算出ルーチンの変形例について表した図である。
実施の形態1.
[システムの構成]
図1は、実施の形態1のシステムの構成を説明するための概略構成図である。図1に示すシステムは、エンジン10を備える。エンジン10は、ディーゼルエンジンである。
エンジン10の燃焼室7には、グロープラグ一体型筒内圧センサ1と燃料噴射弁11が設けられている。また、エンジン10には、冷却水温度を検出する冷却水温センサ12が設けられている。
グロープラグ一体型筒内圧センサ1は、燃料の自己着火を補助する熱源として機能するグロープラグ及び燃焼室7内の圧力(以下、筒内圧という。)を検出する筒内圧センサが一体となっている。以下、図2を参照して、グロープラグ一体型筒内圧センサ1についてより詳細に説明する。
図2は、グロープラグ一体型筒内圧センサ1について表した図である。グロープラグ一体型筒内圧センサ1において、中空状のハウジング2の軸孔には、ヒータロッド3aを兼ねる伝達部材3が挿通されている。燃焼室7内の圧力が変化すると、伝達部材3を介して荷重検出部4に伝達される荷重の大きさが変化する。そして、その荷重の変化を荷重検出部4で検出することで、筒内圧を検出することができる。また、グロープラグ一体型筒内圧センサ1にはハウジング2と伝達部材3の間を密閉状に接続するシール部材5が設置されている。これにより、燃焼室7内のガスが外部に漏れ出ることを防止している。
また、図1に示すように、実施の形態1のシステムの構成にはECU100が設けられている。ECU100の入力側には、グロープラグ一体型筒内圧センサ1、冷却水温センサ12などの各種センサが接続されている。ECU100は、グロープラグ一体型筒内圧センサ1の出力から筒内圧を検出する。ECU100は、冷却水温センサ12の出力から冷却水温度を検出する。また、ECU100の出力側には、燃料噴射弁11などのアクチュエータが接続されている。
ところで、エンジン10の運転により発生したススなどの燃焼生成物や、燃料及びオイルの化合物などのデポジットが、グロープラグ一体型筒内圧センサ1に堆積することが知られている。これについて、図3を参照して説明する。
図3は、グロープラグ一体型筒内圧センサ1にデポジットが堆積する様子を表した図である。図3に示すように、伝達部材3とエンジンヘッド6との間の空間8にデポジットが堆積する。この結果、伝達部材3とエンジンヘッド6とがデポジットにより固着される。そして、燃焼室7内の圧力を受けたときの伝達部材3の作動が阻害され、荷重検出部4で検出する圧力の感度が低下する。感度が低下すると、筒内圧の検出値が低下して、実際の筒内圧と誤差が生じる。
上記の誤差を解消するため、実施の形態1では、筒内圧の検出値の補正を行う。具体的には、まず、モータリングなどの燃料噴射が行われていない所定の運転条件においてデポジットが堆積していない状態で検出される基準筒内圧P0と、この運転条件において検出された実際の筒内圧Pとの圧力比(P0/P)が算出される。この圧力比が高いほど、デポジットが多量に堆積していると推定される。このため、この圧力比が高いほど、燃焼時に検出される筒内圧に大きな補正係数αを乗算する。
しかしながら、グロープラグ一体型筒内圧センサ1の感度には、デポジットの量だけでなく、デポジットの硬度も影響を与える。このため、デポジットの硬度についても補正係数αに反映させる必要がある。以下、デポジットの硬度がセンサの感度に及ぼす影響について、図4を参照して説明する。
図4は、デポジットの硬度がセンサの感度に及ぼす影響について説明するための図である。図4(A)は、冷却水温度とグロープラグ一体型筒内圧センサ1の感度との関係を示した図である。図4(A)に示すように、冷却水温度が低下するほどセンサの感度が低下する。これは、冷却水温度が低下するほど、グロープラグ一体型筒内圧センサ1に堆積しているデポジットが冷却水の温度低下によって冷えて硬化して、伝達部材3とエンジンヘッド6との固着度合いが強まるからである。
このように、冷却水の温度が低いほど筒内圧センサの感度が低下する。このため、圧力比を算出する所定の運転条件において冷却水温度が燃焼時より低いほど、補正係数αを低くする必要がある。
実施の形態1では、冷却水温度に応じて温度補正係数βという値が算出される。図4(B)は、冷却水温度と温度補正係数βとの関係を示した図である。図4(B)に示すように、冷却水温度が低くなるほど、温度補正係数βの値も低くなる。
算出された温度補正係数βは、圧力比(P0/P)に乗算される。そして、温度補正係数βと圧力比とが乗算された値が補正係数αとなる。この補正係数αをエンジン10の燃焼時における筒内圧センサの検出値に乗算することにより、エンジン10の燃焼時における筒内圧センサの検出値を精度よく補正することができる。
以下、実施の形態1のECU100で行われる具体的な処理について図5を参照して説明する。
[補正係数算出ルーチン]
図5は、実施の形態1のECU100で実行される補正係数算出ルーチンを表した図である。ECU100は、本ルーチンを記憶するためのメモリーを有している。ECU100は、記憶した本ルーチンを実行するためのプロセッサを有している。
まず、ECU100は、エンジン10が所定の運転条件であるか否かを判定する(S100)。ここで、所定の運転条件とは、例えばモータリングなどの燃料噴射をせずにエンジン10が運転する条件である。エンジン10が所定の運転条件ではないと判定された場合、本ルーチンは始点にもどる。
一方、ECU100は、エンジン10が所定の運転条件であると判定した場合、所定のクランク角における筒内圧Pを検出する(S102)。
次に、ECU100は、所定のクランク角における基準筒内圧P0を読み込む(S104)。そして、ECU100は、S102で検出した筒内圧Pと基準筒内圧P0とから圧力比(P0/P)を算出する。ここで、基準筒内圧とは、グロープラグ一体型筒内圧センサ1の初期値または、エンジン10の圧縮比から求められる理論的な圧力であり、予めECU100に記憶されている。
次に、ECU100は、冷却水温度Twを検出する(S106)。ECU100は、図4で説明した冷却水温度Twと温度補正係数βとの関係についてのマップを記憶している。ECU100は、このマップに基づいて、検出した冷却水温度Twから温度補正係数βを算出する。
次に、ECU100は、補正係数αを算出する(S108)。その後、本ルーチンは終了する。ここで、補正係数αは、圧力比(P/P0)に温度補正係数βを乗算した数値である。
実施の形態1の補正係数算出ルーチンを実行することで、デポジットの硬度が筒内圧センサの検出値に与える影響を温度補正係数βとして数値化して補正係数αに反映させることができる。この結果、グロープラグ一体型筒内圧センサ1について、正確な補正を行うことができる。
図6は、実施の形態1の補正係数算出ルーチンの変形例について表した図である。なお、S200、S202、S204、S208は、図5のS100、S102、S104、S108と同様の制御内容であるため、説明を省略する。
図6に示すように、ECU100は、潤滑油温度Toを検出する(S206)。このように、冷却水温度の代わりに潤滑油温度を検出して、この潤滑油温度から温度補正係数βを算出してもよい。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1のシステムの構成と同様の構成であり、冷却水温度が所定値より高くなるまで補正係数αの算出を行わない点で実施の形態1と相違する。以下、実施の形態2の補正係数算出ルーチンについて図7を参照して説明する。
図7は、実施の形態2の補正係数算出ルーチンについて表した図である。まず、ECU100は、エンジン10が所定の運転条件であるか否かを判定する(S300)。エンジン10が所定の運転条件ではないと判定された場合、本ルーチンは始点にもどる。
一方、ECU100は、エンジン10が所定の運転条件であると判定した場合、冷却水温度が所定値より高いか否かを判定する(S302)。ここで、所定の運転条件とは、例えばモータリングなどの燃料噴射をせずにエンジン10が運転する条件である。さらに、所定値とは、エンジン10の燃焼時における冷却水温度と同等の温度に設定される値であり、予めECU100に記憶されている。冷却水温度が所定値より高くなる所定の運転条件として、運転時に燃料カットが行われた際などが挙げられる。冷却水温度が所定値以下であると判定された場合、本ルーチンは始点にもどる。
一方、ECU100は、冷却水温度が所定値より高いと判定した場合、所定のクランク角における筒内圧Pを検出する(S304)。
次に、ECU100は、所定のクランク角における基準筒内圧P0を読み込む(S306)。そして、ECU100は、S304で検出した筒内圧Pと基準筒内圧P0とから圧力比(P0/P)を算出する。
次に、ECU100は、補正係数αを算出する(S308)。補正係数αには、S306で算出した圧力比が用いられる。その後、本ルーチンは終了する。
実施の形態2の補正係数算出ルーチンでは、補正係数αを求めたときの温度は燃焼時と同等である。このため、デポジットの硬度は燃焼時と同等の状態であり、算出される補正係数αも燃焼時の筒内圧の検出値に合わせることができる。この結果、グロープラグ一体型筒内圧センサ1の補正を正確に行うことができる。
図8は、実施の形態2の補正係数算出ルーチンの変形例について表した図である。なお、S400、S404、S406、S408は、図7のS300、S304、S306、S308と同様の制御内容であるため、説明を省略する。
図8に示すように、ECU100は、潤滑油温度Toが所定値より高いか否かを判定する(S402)。このように、冷却水温度の代わりに潤滑油温度を所定値と比較してもよい。
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1のシステムの構成と同様の構成であり、グロープラグに通電してデポジットを加熱してから補正係数を算出する点が相違する。以下、図9を参照して説明する。
図9は、実施の形態3の補正係数算出ルーチンについて表した図である。まず、ECU100は、エンジン10が所定の運転条件であるか否かを判定する(S500)。ここで、所定の運転条件とは、例えばモータリングなどの燃料噴射をせずにエンジン10が運転する条件である。エンジン10が所定の運転条件ではないと判定された場合、本ルーチンは始点にもどる。
一方、ECU100は、エンジン10が所定の運転条件であると判定した場合、グロープラグに通電を行う(S502)。グロープラグへの通電は、堆積しているデポジットを加熱して燃焼時の柔らかい状態にすることを目的としている。
次に、ECU100は、グロープラグに通電してから所定時間が経過したか否かを判定する(S504)。ここで、所定時間とは、グロープラグの温度が燃焼時と同等以上の温度になるまでにかかる時間のことである。ECU100は、所定時間が経過していないと判定した場合、S504に戻る。
一方、ECU100は、グロープラグに通電してから所定時間が経過したと判定した場合、所定のクランク角における筒内圧Pを検出する(S506)。
次に、ECU100は、所定のクランク角における基準筒内圧P0を読み込む(S508)。そして、ECU100は、S504で検出した筒内圧Pと基準筒内圧P0とから圧力比(P0/P)を算出する。
次に、ECU100は、補正係数αを算出する(S510)。補正係数αには、S508で算出した圧力比が用いられる。その後、本ルーチンは終了する。
実施の形態3の補正係数算出ルーチンを実行すると、デポジットの硬度を燃焼時と同等の状態にすることができる。このため、算出される補正係数αも燃焼時の筒内圧の検出値に合わせることができる。この結果、グロープラグ一体型筒内圧センサ1の筒内圧を精度よく補正することができる。
図10は、実施の形態3の補正係数算出ルーチンの変形例について表した図である。なお、S600、S602、S606、S608、S610は、図9のS500、S502、S506、S508、S510と同様の制御内容であるため、説明を省略する。
図10に示すように、ECU100は、グロープラグの温度Tgが所定温度T1より高いか否かを判定する(S604)。このように、グロープラグに通電してから所定時間が経過するか否かを判定する代わりに、グロープラグに温度を検出する装置を設け、グロープラグの温度Tgが所定温度T1より高いか否かを判定してもよい。ここで、所定温度T1とは、燃焼時のグロープラグの温度と同等の温度である。
1 グロープラグ一体型筒内圧センサ
7 燃焼室
10 エンジン
12 冷却水温センサ
100 ECU

Claims (1)

  1. 内燃機関の温度を検出する装置と、
    前記内燃機関の燃焼室に設けられるグロープラグ一体型筒内圧センサと、を備える内燃機関の制御装置において、
    所定の運転条件における基準筒内圧と前記所定の運転条件における実際の筒内圧との圧力比を算出する圧力比算出手段と、
    前記圧力比算出手段によって算出された圧力比が高いほど、前記内燃機関の運転時における前記グロープラグ一体型筒内圧センサの検出値に乗算する補正係数を大きな値に設定し、前記所定の運転条件において検出される前記内燃機関の温度が低いほど前記補正係数を小さな値に設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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