JP2016079825A - 制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスセンサの起電力特性をシフトさせる際における燃料噴射量の制御を適正に実施する。
【解決手段】O2センサ16は、固体電解質層32と、固体電解質層32を挟む位置に設けられる一対の電極33,34とを含むセンサ素子31を有し、エンジンの排気を検出対象として該排気の空燃比に応じた起電力の信号を出力する。マイコン41は、センサ素子31に印加される印加電流の要求値に基づいて定電流回路43による電流印加を実施し、センサ素子31の起電力特性をシフトさせる特性制御手段と、定電流回路43による電流印加を開始する際に、その電流印加の態様に応じて燃料噴射量を一時的に増量側又は減量側に補正する噴射量補正手段と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】O2センサ16は、固体電解質層32と、固体電解質層32を挟む位置に設けられる一対の電極33,34とを含むセンサ素子31を有し、エンジンの排気を検出対象として該排気の空燃比に応じた起電力の信号を出力する。マイコン41は、センサ素子31に印加される印加電流の要求値に基づいて定電流回路43による電流印加を実施し、センサ素子31の起電力特性をシフトさせる特性制御手段と、定電流回路43による電流印加を開始する際に、その電流印加の態様に応じて燃料噴射量を一時的に増量側又は減量側に補正する噴射量補正手段と、を備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ガスセンサの検出信号により燃料噴射量の制御を実施する制御装置に関するものである。
例えば車両用エンジンでは、同エンジンから排出される排気を検出対象として酸素濃度を検出する起電力出力型のガスセンサ(いわゆるO2センサ)が一般に用いられている。このガスセンサは、排気の空燃比がリッチかリーンかで異なる起電力信号を出力する起電力セルを有するものであり、具体的には、空燃比がリッチであれば約0.9Vの起電力信号を出力し、空燃比がリーンであれば約0Vの起電力信号を出力する。
また、こうしたガスセンサにおいて、固体電解質層を挟む位置に設けられる一対の電極間に電流を流し、それにより当該ガスセンサの起電力特性(出力特性)をリーン側又はリッチ側にシフトさせるようにした技術が提案されている。例えば特許文献1のガスセンサ制御装置では、ガスセンサの起電力特性を変更する変更要求が有ると判定された場合に、その変更要求に基づいて、一対の電極間に印加する定電流の向きを決定するとともに、該決定した向きで定電流が流れるように定電流回路を制御するようにしている。そして、その定電流の供給により、ガスセンサの起電力特性を好適に制御するようにしている。
しかしながら、ガスセンサの一対の電極間に電流を印加して起電力特性をシフトさせる場合、電流印加から実際に特性変化するまでには時間を要する。そのため、例えばストイキフィードバック制御からリーンフィードバック制御に切り替える場合等、起電力セルの特性シフトにより空燃比の目標値を変更する場合に、起電力特性の変化の遅れに起因する制御性の低下が生じることが懸念される。かかる場合、意図するよりも燃料噴射量が少なくなったり、多くなったりする等の不都合の発生が懸念される。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ガスセンサの起電力特性をシフトさせる際における燃料噴射量の制御を適正に実施することができる制御装置を提供することにある。
本発明の制御装置は、固体電解質体(32)と、該固体電解質体を挟む位置に設けられる一対の電極(33,34)とを含む起電力セル(31)を有し、内燃機関(10)の排気を検出対象として該排気の空燃比に応じた起電力の信号を出力するガスセンサ(16)に適用され、前記ガスセンサの検出信号に基づいて燃料噴射量の制御を実施するものである。また、前記起電力セルの前記一対の電極間に対しては通電手段(43)による所定電流の印加が可能になっている。そして、制御装置は、前記起電力セルに印加される印加電流の要求値に基づいて前記通電手段による電流印加を実施し、前記起電力セルの起電力特性をシフトさせる特性制御手段と、前記通電手段による電流印加を開始する際に、その電流印加の態様に応じて燃料噴射量を一時的に増量側又は減量側に補正する噴射量補正手段と、を備えることを特徴とする。
起電力セルに電流を印加して起電力特性(λ変曲点)をシフトさせる場合、起電力特性の変化の遅れに起因する制御性の低下が生じ、ガスセンサの検出信号に基づき実施される燃料噴射量制御において燃料噴射量が過少又は過多になることが懸念される。この点、上記構成では、通電手段による電流印加を開始する際に、その電流印加の態様に応じて燃料噴射量を一時的に増量側又は減量側に補正するようにしたため、起電力特性をシフトさせる際の応答遅れに起因する燃料噴射量のズレ分を、一時的な燃料噴射量補正により是正できる。その結果、ガスセンサの起電力特性をシフトさせる際における燃料噴射量の制御を適正に実施できる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、車載エンジン(内燃機関)の排気管に設けられたガスセンサを用い、そのガスセンサの出力に基づいてエンジンの各種制御等を実施するエンジン制御システムについて説明する。当該制御システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施する。図1は、本システムの全体概要を示す構成図である。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、車載エンジン(内燃機関)の排気管に設けられたガスセンサを用い、そのガスセンサの出力に基づいてエンジンの各種制御等を実施するエンジン制御システムについて説明する。当該制御システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施する。図1は、本システムの全体概要を示す構成図である。
図1において、エンジン10は、例えばガソリンエンジンであり、電子制御式のスロットルバルブ11や、燃料噴射弁12、点火装置13等を備えている。エンジン10の排気管14(排気部)には排気浄化装置としての触媒15a,15bが設けられている。触媒15a,15bは、例えばいずれも三元触媒よりなり、そのうち触媒15aが上流側触媒としての第1触媒、触媒15bが下流側触媒としての第2触媒である。三元触媒は、周知のとおり排気の有害三成分であるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(NO等の窒素酸化物)を浄化するものであり、ハニカム状、格子状等をなすセラミックス製の担体に白金、パラジウム、ロジウム等の金属を担持させることで構成されている。この場合、三元触媒ではリッチ成分であるCO、HCが酸化作用により浄化され、リーン成分であるNOxが還元作用により浄化される。
第1触媒15aの上流側と、触媒15a,15bの間(第1触媒15aの下流側でかつ第2触媒15bの上流側)とにはそれぞれO2センサ16,17が設けられている。O2センサ16,17は、排気の空燃比がリッチかリーンかに応じて異なる起電力信号を出力する。
その他、本システムには、スロットルバルブ11の開度を検出するスロットル開度センサ21や、エンジンの所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角センサ22、エンジン10の吸入空気量を検出する空気量センサ23、エンジン冷却水の温度を検出する冷却水温センサ24等の各種センサが設けられている。
ECU25は、周知のCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータ(マイコン)を主体として構成されており、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を実施する。すなわち、ECU25は、上記各種センサ等から各々信号を入力し、それらの各種信号に基づいて燃料噴射量や点火時期を演算して燃料噴射弁12や点火装置13の駆動を制御する。
特に燃料噴射量制御に関して、ECU25は、第1触媒上流側及び下流側のO2センサ16,17の検出信号に基づいて空燃比フィードバック制御を実施することとしている。この場合、ECU25は、上流側O2センサ16により検出されたフロント空燃比が目標空燃比(例えば理論空燃比)になるようにメインフィードバック制御を実施するとともに、フロント空燃比がリッチ又はリーンに変化してから実際にリッチ判定又はリーン判定がなされるまでの遅延時間を、下流側O2センサ17により検出されたリア空燃比に基づいて可変に設定するサブフィードバック制御を実施する。このメインフィードバック制御及びサブフィードバック制御を以下に簡単に説明する。
ECU25は、上流側O2センサ16の出力値V1(フロント空燃比に相当)が基準値(例えば0.45V)よりもリッチになってからリッチ遅延時間が経過した時点で、空燃比がリッチになったとのリッチ判定を行い、V1が基準値よりもリーンになってからリーン遅延時間が経過した時点で、空燃比がリーンになったとのリーン判定を行う。そして、ECU25は、リッチ/リーンの判定結果に基づいて、スキップ及び積分によりフィードバック補正値(噴射補正値)を増減させ、そのフィードバック補正値により燃料噴射量を補正する。かかる制御がメインフィードバック制御に該当する。また、ECU25は、サブフィードバック制御として、下流側O2センサ17の出力値V2(リア空燃比に相当)がリッチかリーンかに応じてリッチ遅延時間及びリーン遅延時間を可変に制御する。この場合、出力値V2が基準値よりも大きければ(リア空燃比がリッチであれば)、リッチ遅延時間の短縮、及びリーン遅延時間の延長のうち少なくともいずれかを実施する。また、出力値V2が基準値よりも小さければ(リア空燃比がリーンであれば)、リッチ遅延時間の延長及びリーン遅延時間の短縮の少なくともいずれかを実施する。
また、空燃比フィードバック制御の実施に際しては空燃比学習を実施することとしており、フィードバック補正値に基づいて空燃比学習値を算出し、その空燃比学習値をEEPROM等、バックアップ用のメモリに記憶する。この場合、エンジン回転速度やエンジン負荷により区分した複数の運転領域が定められており、その運転領域ごとに空燃比学習値の算出及び記憶が実施されるようになっている。空燃比学習においては、噴射装置の個体差や経年変化等に起因する定常的なフィードバック補正値のズレが算出され、それが空燃比補正値として記憶される。
次に、O2センサ16,17についてその構成を説明する。O2センサ16,17はいずれも同様の基本構成を有するものであるが、ここでは特にO2センサ16について説明する。O2センサ16はコップ型構造のセンサ素子31を有しており、図2にはセンサ素子31の断面構成を示す。実際には当該センサ素子31は素子全体がハウジングや素子カバー内に収容される構成となっており、エンジン排気管内に配設されている。センサ素子31が起電力セルに相当する。
センサ素子31において、固体電解質層32は断面コップ状に形成されており、その外表面には排気側電極33が設けられ、内表面には大気側電極34が設けられている。これら各電極33,34は固体電解質層32の表面に層状に設けられている。固体電解質層32は、ZrO2、HfO2、ThO2、Bi2O3等にCaO、MgO、Y2O3、Yb2O3等を安定剤として固溶させた酸素イオン伝導性酸化物焼結体からなる。また、各電極33,34は共に白金等の触媒活性の高い貴金属からなり、その表面には多孔質の化学メッキ等が施されている。各電極33,34が一対の対向電極(センサ電極)となっている。固体電解質層32にて囲まれる内部空間は、基準ガスである大気が導入される大気室35(基準室)となっており、その大気室35内にはヒータ36が収容されている。ヒータ36は、センサ素子31を活性化するに十分な発熱容量を有しており、その発熱エネルギによりセンサ素子全体が加熱される。O2センサ16の活性温度は、例えば500〜650℃程度である。なお、大気室35は、基準ガスとしての大気が導入されることでその内部が所定酸素濃度に保持されている。
上記センサ素子31では、固体電解質層32の外側(電極33側)が排気雰囲気、同内側(電極34側)が大気雰囲気となっており、これら双方の酸素濃度の差(酸素分圧の差)に応じて電極33,34間で起電力が発生する。つまり、空燃比がリッチかリーンかで異なる起電力が発生する。この場合、基準側電極である大気側電極34からすれば、排気側電極33の側は酸素が低濃度であり、センサ素子31において大気側電極34を正側、排気側電極33を負側として起電力が発生する。これにより、O2センサ16は、排気の酸素濃度(すなわち空燃比)に応じた起電力信号を出力する。
図3は、排気の空燃比とセンサ素子31の起電力との関係を示す起電力特性図である。図3において、横軸は空気過剰率λであり、λ=1がストイキ(理論空燃比)である。センサ素子31は、空燃比がリッチかリーンかで異なる起電力を発生し、ストイキ付近で起電力が急変する特性を有する。具体的には、リッチ時のセンサ起電力は約0.9Vであり、リーン時のセンサ起電力は約0Vである。
また、本実施形態のO2センサ16においては、一般的なO2センサに対して構成の一部を変更しており、図2に示すセンサ素子31では、固体電解質層32の排気側及び大気側のうち排気側に、排気の拡散を制限するガス拡散抵抗層37が設けられている。ガス拡散抵抗層37は、アルミナ、スピネル、ジルコニア等の多孔質体よりなり、排気側電極33を覆うようにしてセンサ素子31の外表面に設けられている。これにより、排気は、所定の透過率でガス拡散抵抗層37を通過して排気側電極33に到達するものとなっている。
上記構成のセンサ素子31は、基本的には起電力出力を行う起電力セルであるものの、一対の電極33,34間に電圧を印加することで酸素濃度に応じた限界電流を出力する限界電流特性を有するものとなっている。そして詳しくは、ガス拡散抵抗層37の形態(例えば層厚さやピンホール径)に応じて、限界電流出力が可能なA/F域(酸素濃度域)が変わり、例えばガス拡散抵抗層37の厚さが大きくなるほど、限界電流出力が可能なA/Fがリーン側に拡張されるようになっている。具体的には、図4(a)に示すように、ガス拡散抵抗層37の厚さが100μmの場合には、A/F=15をリーン側の最大値として限界電流の出力が可能となる。図4(b)に示すように、ガス拡散抵抗層37の厚さが200μmの場合には、A/F=16をリーン側の最大値として限界電流の出力が可能となる。また、図4(c)に示すように、ガス拡散抵抗層37の厚さが300μmの場合には、A/F=18をリーン側の最大値として限界電流の出力が可能となる。
また、図2に示すように、センサ素子31(O2センサ16)にはセンサ制御部40が接続されており、排気の空燃比(酸素濃度)に応じてセンサ素子31にて起電力が発生すると、その起電力に相当するセンサ検出信号(起電力信号)がセンサ制御部40内のマイコン41に対して出力される。マイコン41は、センサ素子31から出力される起電力信号をA/D変換器等を介して取り込み、その起電力信号に基づいて排気の空燃比(特に触媒下流の空燃比)を算出する。センサ制御部40は、図1に示すECU25内に設けられている。なお、ECU25においては、エンジン制御機能とセンサ制御機能とを有する演算手段としてマイコン41が設けられている。この場合、マイコン41は、上述した各種センサの検出結果に基づいて、エンジン回転速度や吸入空気量を算出する。ただし、ECU25において、エンジン制御用のマイコンとセンサ制御用のマイコンとが別々に設けられる構成であってもよい。
また、マイコン41は、センサ素子31の活性状態の判定を行うとともに、その判定結果に基づき、ヒータ駆動回路42を通じてヒータ36の駆動を制御する。
また本実施形態では、O2センサ16の出力特性(起電力特性)を変更すべく、センサ素子31において一対の電極33,34の間に所定の定電流を供給する構成(酸素ポンピングを実施する構成)としており、その出力特性の変更により空燃比フィードバック制御における制御性の向上を図るようにしている。排気側→大気側の向きに定電流を流した場合においてセンサ出力特性が変更される原理は以下のとおりである。
図5に示すように、O2センサ16の排気側電極33の付近には、CO、HC、NOx、O2がそれぞれ存在しており、その状況下で、固体電解質層32を通じて大気側電極34から排気側電極33に酸素イオンが移動するように、センサ素子31に電流を流す。すなわち、センサ素子31において酸素ポンピングを実施する。この場合、排気側電極33では、固体電解質層32を通じて排気側電極33の側に移動した酸素がCO、HCと反応し、CO2やH2Oが生成される。これにより、排気側電極33の付近におけるCO、HCが除去され、O2センサ16の排気側電極付近におけるガス反応の平衡点がリッチ側にシフトする。つまり、空気過剰率λと起電力との関係を示すセンサ起電力特性が全体的にリッチ側にシフトし、それに伴い、起電力がストイキ値(0.45V)となるλ点、すなわちリッチ/リーン変曲点がリッチ側にシフトする。
図2に示すように、センサ制御部40においては、センサ素子31の大気側電極34とマイコン41とを電気的に接続する電気経路の途中に通電手段としての定電流回路43が接続されている。定電流回路43は、センサ素子31において固体電解質層32を通じて排気側電極33から大気側電極34の向き、及び大気側電極34から排気側電極33の向きの少なくともいずれかで定電流を流すことを可能とするものである。また、定電流回路43は、PWM駆動部を有し、PWM制御(デューティ制御)による電流調整が可能となる構成であってもよい。この場合、定電流回路43によれば、センサ素子31において固体電解質層32を通じて排気側→大気側の向き、又は大気側→排気側の向きのいずれかで電流が流れることになり、それに伴い固体電解質層32において酸素イオンが移動する。本実施形態では、マイコン41の指令に基づいて定電流回路43が定電流の供給を行うようにしている。
ここで、上記のとおりガス拡散抵抗層37を有するセンサ素子31では、定電流を供給することによる起電力特性のシフト量の拡張が可能となっている。つまり、起電力特性のリーンシフト量及びリッチシフト量の拡張が可能となっている。これを図4で説明した事項と照らし合わせると、以下のとおりである。
図4(a)のようにガス拡散抵抗層37の厚さを100μmにして、A/F=15までの限界電流出力を可能とした場合には、センサ素子31に定電流を流すことによって、リッチ/リーンの変曲点がA/F=15になるように起電力特性をリーンシフトさせることが可能となる。図4(b)のようにガス拡散抵抗層37の厚さを200μmにして、A/F=16までの限界電流出力を可能とした場合には、センサ素子31に定電流を流すことによって、リッチ/リーンの変曲点がA/F=16になるように起電力特性をリーンシフトさせることが可能となる。また、図4(c)のようにガス拡散抵抗層37の厚さを300μmにして、A/F=18までの限界電流出力を可能とした場合には、センサ素子31に定電流を流すことによって、リッチ/リーンの変曲点がA/F=18になるように起電力特性をリーンシフトさせることが可能となる。
また、センサ素子31では、ガス拡散抵抗層37の厚さを大きくすることで、シフト量を大きくできることに加え、印加電流を大きくすることで、シフト量を大きくできることが確認されている。図6には、センサ素子31の印加電流と、起電力特性をシフトさせた状態での特性変曲点のA/Fとの関係を示す。なお、図6では、ガス拡散抵抗層37の厚さを100μm、200μm、300μmとする場合について印加電流と特性変曲点のA/Fとの関係を示している。
図6によれば、リッチ/リーンの変曲点がA/F=15となるようにリーンシフトさせる場合において、ガス拡散抵抗層37の厚さが300μmであれば印加電流を2.5mA程度とし、ガス拡散抵抗層37の厚さが200μmであれば印加電流を3.4mA程度とし、ガス拡散抵抗層37の厚さが100μmであれば印加電流を5.8mA程度とすればよいことが分かる。
触媒上流側に設けられたO2センサ16では、触媒下流側のO2センサ17に比べて、起電力特性のリッチシフト又はリーンシフトとして要求されるシフト量が大きくなる。また一方で、起電力出力を可能とし、かつ固体電解質層32の排気側にガス拡散抵抗層37を有するセンサ素子31では、所定の電圧印加状態下での限界電流出力が可能となっており、こうした構成を採用することで、起電力特性のシフト量を拡張することが可能となる。かかる場合、ガス拡散抵抗層37を有するセンサ素子31を用いることで、起電力特性のリッチシフト又はリーンシフトの要求量が大きくなっても好適なる対処が可能となっている。
センサ素子31に定電流を供給する場合には、起電力特性の電圧レベルを詳細に示すと、図7のように起電力特性がシフトすると考えられる。つまり、センサ素子31の一対の電極33,34の間において排気側→大気側の向きに定電流を流すと(負の電流を印加すると)、センサ素子31の起電力特性がリッチ側にシフトし、逆に、一対の電極33,34の間において大気側→排気側の向きに定電流を流すと(正の電流を印加すると)、センサ素子31の起電力特性がリーン側にシフトする。この場合、上述のとおりガス拡散抵抗層37を有するセンサ素子31では、起電力特性(λ)をリッチ側及びリーン側に最大20%ほど(例えば3〜10%ほど)シフトさせることが可能となる。
ところで、センサ素子31に電流を印加して起電力特性(λ変曲点)をシフトさせる場合、起電力特性の変化の遅れに起因する制御性の低下が生じ、O2センサ16の検出信号に基づき実施される燃料噴射量制御において燃料噴射量が過少又は過多になることが懸念される。
そこで本実施形態は、センサ素子31に対する電流印加を開始する際に、その電流印加の態様に応じて燃料噴射量を一時的に増量又は減量することとしている。具体的には、センサ素子31への電流印加が起電力特性をリーンシフトさせるものである場合に燃料噴射量を一時的に減量し、センサ素子31への電流印加が起電力特性をリッチシフトさせるものである場合に燃料噴射量を一時的に増量する。要するに、起電力特性をシフトさせる際の応答遅れに起因する燃料噴射量のズレ分を、一時的な燃料噴射量補正により是正するようにしている。
次に、マイコン41により実施される特性シフト処理について詳しく説明する。図8は、特性シフトの処理手順を示すフローチャートであり、本処理は、マイコン41により所定周期で繰り返し実施される。
図8において、ステップS11では、センサ素子31について起電力特性(λ変曲点)をシフトする要求の有無を判定し、要求有りの場合に後続のステップS12に進む。本実施形態では、起電力特性をリーンシフトさせる場合とリッチシフトさせる場合とをそれぞれ想定しており、都度のエンジン運転状態に基づいて、リーンシフト及びリッチシフトのいずれかの要求が生じているか否かを判定する。例えば、エンジン10の冷間始動時や、燃費向上を図るべく低燃費走行を実施する際には、リーンシフトの要求が生じていると判定され、高負荷時において触媒等の保護のための高負荷増量を実施する際には、リッチシフトの要求が生じていると判定される。また、リーンシフト又はリッチシフトさせた状態から元の状態にシフトさせる場合にも、ステップS11が肯定される。なお、要求無しの場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS12では、今回の特性シフトにおける要求シフト量を設定する。このとき、今現在のエンジン運転状態に基づいてリーンシフト側又はリッチシフト側のλシフト量を要求シフト量として設定する。続くステップS13では、要求シフト量に基づいて印加電流の値を決定する。ここで、図9に示すように、起電力特性の要求シフト量と印加電流との相関はあらかじめ定められており、その相関に基づいて印加電流の値が求められる。
その後、ステップS14では、定電流回路43に対して電流印加の指令信号を出力し、ステップS13で決定した印加電流を、定電流として定電流回路43から供給させるようにする。
その後、ステップS15では、今現在が、センサ素子31への電流印加を開始した直後であって、燃料噴射量の増減補正が実施される補正期間内であるか否かを判定する。そして、補正期間内であれば後続のステップS16に進み、補正期間内でなければ本処理を終了する。ステップS16では、空燃比フィードバック制御を停止させる。
その後、ステップS17では、今回の特性シフトがリーン側へのシフトであるか否かを判定する。リーン側へのシフトであればステップS18に進み、燃料噴射量を減量補正する処理を実施する。また、リッチ側へのシフトであればステップS19に進み、燃料噴射量を増量補正する処理を実施する。
本実施形態では、起電力特性の要求シフト量(すなわち印加電流の変化幅)に基づいて、燃料噴射量を増減補正する燃料補正値を可変に設定することとしており、具体的には、図10の関係を用いて燃料補正値を設定する。図10では、リーン側へのシフト量が大きくなるほど減量側の燃料補正値を大きくする一方、リッチ側へのシフト量が大きくなるほど増量側の燃料補正値を大きくするような関係が定められている。
また特に、電流印加の開始後には、補正期間内において時間の経過に伴い燃料補正値を初期値から徐々に減少させるようにしている。したがって、ステップS15がYESとなる期間内では、ステップS18の都度、減量側の燃料補正値の徐減演算が繰り返し実施される一方、ステップS19の都度、増量側の燃料補正値の徐減演算が繰り返し実施される。なお本実施形態では、燃料補正値が徐々に減算されて0になるまでの期間を補正期間としている。
図11は、空燃比制御をストイキ制御からリーン制御に切り替える際の動作を具体的に示すタイムチャートである。
図11において、タイミングt1以前はストイキフィードバック制御が実施されており、印加電流は0である。そして、タイミングt1になると、リーンシフト要求に基づいて所定の印加電流がセンサ素子31に印加される。このとき、印加電流の変化幅をΔIとすると、その変化幅ΔIに基づいて燃料補正値が算出されるとともに、燃料補正値によって燃料噴射量の補正が実施される。ここでは、リーンシフトを想定しているため、減量側の燃料補正値が算出されている。
そして、タイミングt1〜t2の補正期間においては、徐々に減じられる燃料補正値を用いて燃料噴射量の補正が実施され、燃料補正値が0になるタイミングt2で補正が終了される。なお、補正期間をあらかじめ定めた所定期間とし、その所定期間が経過した時点で噴射量補正を終了する構成であってもよい。
空燃比フィードバック制御は、タイミングt1〜t2の期間で停止され、タイミングt2で再開される。
また、タイミングt3では、空燃比制御をリーン制御からストイキ制御に戻す要求が生じ、これは、起電力特性をリッチ側にシフトさせる要求が生じていることに相当する。この場合、タイミングt3では、印加電流を0とし(負側への変化に相当)、その際の変化幅ΔIに基づいて燃料噴射量の補正が実施される。ここでは、増量側の燃料補正値が算出されている。
そして、タイミングt3〜t4の補正期間においては、徐々に減じられる燃料補正値を用いての噴射量補正が実施され、燃料補正値が0になるタイミングt4で補正が終了される。空燃比フィードバック制御は、タイミングt3〜t4の期間で停止され、タイミングt4で再開される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
センサ素子31に電流を印加して起電力特性(λ変曲点)をシフトさせる場合、起電力特性の変化の遅れに起因する制御性の低下が生じ、O2センサ16の検出信号に基づき実施される燃料噴射量制御において燃料噴射量が過少又は過多になることが懸念される。この点、上記構成では、センサ素子31への電流印加を開始する際に、その電流印加の態様に応じて燃料噴射量を一時的に増量側又は減量側に補正するようにしたため、起電力特性をシフトさせる際の応答遅れに起因する燃料噴射量のズレ分を、一時的な燃料噴射量補正により是正できる。その結果、O2センサ16(センサ素子31)の起電力特性をシフトさせる際における燃料噴射量の制御を適正に実施できる。
センサ素子31の起電力特性をリーン側にシフトさせる場合には、シフト要求が生じているにも関わらず、特性シフトの応答遅れに起因して、フィードバック補正値の減量側への変化が遅れることが考えられる。また、センサ素子31の起電力特性をリッチ側にシフトさせる場合には、シフト要求が生じているにも関わらず、特性シフトの応答遅れに起因して、フィードバック補正値の増量側への変化が遅れることが考えられる。この点、リーン側へのシフト時には燃料噴射量を一時的に減量し、リッチ側へのシフト時には燃料噴射量を一時的に増量する構成にしたため、特性シフトの応答遅れに起因するフィードバック補正値のずれ分を好適に是正できる。
印加電流の変化幅(要求シフト量)が大きいほど、所望の起電力特性にシフトするまでの遅れ時間が大きくなると考えられる。この点、印加電流の変化幅(要求シフト量)に基づいて、燃料噴射量の増量値又は減量値を可変に設定する構成としたため、都度の必要状況に応じて、燃料噴射量の増減補正を適正に実施できる。
センサ素子31に対する電流印加を実施して起電力特性をシフトさせる場合、起電力特性は応答の遅れを伴いつつも徐々に所望の特性にシフトする。この場合、電流印加の開始後における燃料補正値を、補正期間内において徐々に減少させるようにしたため、実際の起電力特性のシフトの状況に対応させつつ噴射量補正を実施できる。これにより、適正なる噴射量補正を実施できる。
センサ素子31に対して電流印加した状態で燃料噴射量を増量又は減量する場合、空燃比フィードバック制御が実施されると噴射量の増減補正分が戻し側に作用することが懸念される。この点、電流印加状態(特性シフト状態)では空燃比フィードバック制御を停止させるようにしたため、所望の噴射量補正を適正に実施できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態では、マイコン41が、センサ素子31への電流印加をしていない時の第1特性と、同電流印加をしている時の第2特性との一方から他方へのシフトを実施する「第1処理」と、第2特性においてリーンシフトの特性とリッチシフトの特性との一方から他方へのシフトを実施する「第2処理」とをそれぞれ実施する。つまり、マイコン41は、ストイキ制御の実施中にリーンシフトの要求又はリッチシフトの要求が生じた場合に、その要求に応じた電流をセンサ素子31に印加して起電力特性をシフトさせる処理(第1処理に相当)を実施する。また、マイコン41は、起電力特性のリーンシフト時にリッチシフトの要求が生じた場合、又は、起電力特性のリッチシフト時にリーンシフトの要求が生じた場合に、その要求に応じた電流をセンサ素子31に印加して起電力特性をシフトさせる処理(第2処理に相当)を実施する。
次に、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態では、マイコン41が、センサ素子31への電流印加をしていない時の第1特性と、同電流印加をしている時の第2特性との一方から他方へのシフトを実施する「第1処理」と、第2特性においてリーンシフトの特性とリッチシフトの特性との一方から他方へのシフトを実施する「第2処理」とをそれぞれ実施する。つまり、マイコン41は、ストイキ制御の実施中にリーンシフトの要求又はリッチシフトの要求が生じた場合に、その要求に応じた電流をセンサ素子31に印加して起電力特性をシフトさせる処理(第1処理に相当)を実施する。また、マイコン41は、起電力特性のリーンシフト時にリッチシフトの要求が生じた場合、又は、起電力特性のリッチシフト時にリーンシフトの要求が生じた場合に、その要求に応じた電流をセンサ素子31に印加して起電力特性をシフトさせる処理(第2処理に相当)を実施する。
第2処理により起電力特性がシフトされる場合には、λ変曲点がストイキを跨いでリーン側からリッチ側、又はその逆向きに変更される。ここで、λ変曲点がストイキを跨ぐ場合(第2処理)には、λ変曲点がストイキを跨がない場合(第1処理)に比べて、要求シフト量が同じであっても特性シフトの遅れが大きくなると考えられる。そこで本実施形態では、第1処理及び第2処理のいずれが実施されるかに応じて、起電力特性の要求シフト量に対する燃料噴射量の増減補正の程度を変更するようにしている。
図12は、空燃比制御をストイキ制御からリーン制御に切り替え、さらにその後、リッチ制御に切り替える際の動作を具体的に示すタイムチャートである。
図12において、タイミングt11以前はストイキフィードバック制御が実施されており、印加電流は0である。そして、タイミングt11になると、リーンシフト要求に基づいて所定の印加電流がセンサ素子31に印加される。このとき、印加電流の変化幅ΔI1に基づいて燃料補正値が算出されるとともに、燃料補正値によって燃料噴射量の減量補正が実施される。燃料補正値は、図13において第1処理用の相関L1に基づいて算出されているとよい。
そして、タイミングt11〜t12の補正期間においては、燃料補正値を用いて燃料噴射量の補正が実施され、燃料補正値が0になるタイミングt12で補正が終了される。
また、タイミングt13では、空燃比制御をリーン制御からリッチ制御に変更する要求(ストイキを跨いでのリッチシフト要求)が生じている。この場合、タイミングt13では、印加電流の変化幅ΔI2に基づいて燃料噴射量の増量補正が実施される。燃料補正値は、図13において第2処理用の相関L2に基づいて算出されているとよい。図13において、相関L2は、相関L1に比べて起電力特性の要求シフト量(印加電流の変化幅)に対する増減補正の程度が大きいものとなっている。
そして、タイミングt13〜t14の補正期間においては、徐々に減じられる燃料補正値を用いて燃料噴射量の補正が実施され、燃料補正値が0になるタイミングt14で補正が終了される。
以上第2実施形態によれば、ストイキ⇔リッチ・リーンで起電力特性をシフトさせる第1処理と、リーン⇔リッチで起電力特性をシフトさせる第2処理とを実施可能としたため、都度の状況がストイキ制御、リーン制御、リッチ制御のいずれが実施されている状況であっても、所望とする任意の起電力特性へのシフトが可能となっている。
また、第1処理及び第2処理のいずれが実施されるかに応じて、起電力特性の要求シフト量に対する燃料噴射量の増減補正の程度を変更するようにしたため、一層適正な処置を実現できる。
なお、上記とは異なり、λ変曲点がストイキを跨がない場合(第1処理)と、λ変曲点がストイキを跨ぐ場合(第2処理)とで、起電力特性の要求シフト量に対する燃料噴射量の増減補正の程度を同じにしてもよい。また、λ変曲点がストイキを跨がない場合(第1処理)に、λ変曲点がストイキを跨ぐ場合(第2処理)に比べて、起電力特性の要求シフト量に対する燃料噴射量の増減補正の程度を大きくしてもよい。
(他の実施形態)
上記実施形態を例えば次のように変更してもよい。
上記実施形態を例えば次のように変更してもよい。
・印加電流の変化幅(要求シフト量)が大きいほど、所望の起電力特性にシフトするまでの遅れ時間が大きくなると考えられる。そこでこの点を考慮し、印加電流の変化幅(要求シフト量)に基づいて、燃料噴射量を増減する補正期間を可変に設定する構成にしてもよい。具体的には、図8のステップS15において、図14の関係を用いて補正期間の長さを設定する。図14では、リーン側又はリッチ側へのシフト量が大きくなるほど補正期間の長さを大きくするような関係が定められている。これにより、都度の必要状況に応じて、燃料噴射量の増減補正を適正に実施できる。
なお、印加電流の変化幅(要求シフト量)に基づいて燃料補正値を可変に設定する処理と、印加電流の変化幅(要求シフト量)に基づいて補正期間を可変に設定する処理とを共に実施する構成であってもよい。
・センサ素子31への電流印加の開始時に燃料噴射量を一時的に増量側又は減量側に補正する場合、補正期間を通じて一定量の燃料補正値を用いる構成(初期値を継続して用いる構成)としてもよい。また、燃料補正値を、都度の印加電流の変化幅又は起電力特性の要求シフト量に基づいて可変に設定することに代えて、あらかじめ定めた所定の燃料補正値を用いる構成であってもよい。
・ガス拡散抵抗部を有するO2センサとして、所定厚さのガス拡散抵抗層を有する構成に代えて、所定径のピンホールを有する構成であってもよい。
・ガスセンサは、上記構成のO2センサ以外に、起電力セルとポンプセルとを備える、いわゆる2セル構造のガスセンサであってもよい。この場合、2セル式ガスセンサの起電力セルについても起電力特性を好適に変更できるとともに、適正なる空燃比検出を実現できるものとなる。また、起電力セル(センサ素子)として、コップ型構造のもの以外に、積層型構造のものを用いることも可能である。
10…エンジン(内燃機関)、16…O2センサ(ガスセンサ)、31…センサ素子(起電力セル)、32…固体電解質層、33…排気側電極、34…大気側電極、41…マイコン(特性制御手段、噴射量補正手段)、43…定電流回路(通電手段)。
Claims (8)
- 固体電解質体(32)と、該固体電解質体を挟む位置に設けられる一対の電極(33,34)とを含む起電力セル(31)を有し、内燃機関(10)の排気を検出対象として該排気の空燃比に応じた起電力の信号を出力するガスセンサ(16)に適用され、前記ガスセンサの検出信号に基づいて燃料噴射量の制御を実施する制御装置(41)であって、
前記起電力セルの前記一対の電極間に対して通電手段(43)による所定電流の印加が可能になっており、
前記起電力セルに印加される印加電流の要求値に基づいて前記通電手段による電流印加を実施し、前記起電力セルの起電力特性をシフトさせる特性制御手段と、
前記通電手段による電流印加を開始する際に、その電流印加の態様に応じて燃料噴射量を一時的に増量側又は減量側に補正する噴射量補正手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。 - 前記噴射量補正手段は、前記通電手段による電流印加が前記起電力特性をリーン側にシフトさせるものである場合に燃料噴射量を一時的に減量し、前記通電手段による電流印加が前記起電力特性をリッチ側にシフトさせるものである場合に燃料噴射量を一時的に増量する請求項1に記載の制御装置。
- 前記印加電流の変化幅又は前記起電力特性の要求シフト量に基づいて、前記噴射量補正手段により燃料噴射量を増減する補正値を設定する補正値設定手段を備える請求項1又は2に記載の制御装置。
- 前記印加電流の変化幅又は前記起電力特性の要求シフト量に基づいて、前記噴射量補正手段により燃料噴射量を補正する補正期間の長さを設定する期間設定手段を備える請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
- 前記噴射量補正手段は、前記通電手段による電流印加の開始時に、前記燃料噴射量を増減する補正値の初期値を設定し、その後、補正期間内において前記補正値を徐々に減少させる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の制御装置。
- 前記ガスセンサの検出信号に基づいて空燃比を目標値に一致させる空燃比フィードバック制御を実施する制御装置であって、
前記噴射量補正手段による燃料噴射量の補正時に、前記空燃比フィードバック制御を停止する手段を備える請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制御装置。 - 前記特性制御手段は、前記通電手段による電流印加をしていない時の第1特性と、同電流印加をしている時の第2特性との一方から他方へのシフトを実施する第1処理と、前記第2特性においてリーンシフトの特性とリッチシフトの特性との一方から他方へのシフトを実施する第2処理とをそれぞれ実施可能である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の制御装置。
- 前記噴射量補正手段は、前記特性制御手段により前記第1処理及び前記第2処理のいずれが実施されるかに応じて、前記起電力特性の要求シフト量に対する前記燃料噴射量の増減補正の程度を変更する請求項7に記載の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014209208A JP2016079825A (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | 制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014209208A Pending JP2016079825A (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | 制御装置 |
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2014
- 2014-10-10 JP JP2014209208A patent/JP2016079825A/ja active Pending
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