以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図38を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、遊技者によって操作可能に設けられ、例えば、遊技盤13の略中央に設けられた第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを遊技者に変更させたり、演出中に枠ボタン22の操作を遊技者に促して、その枠ボタン22の操作状況に応じて実行する演出の内容を変更したりする場合などに使用される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことであり、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。例えば、町中をモチーフにした「町中ステージ」、海をモチーフにした「海ステージ」、山をモチーフにした「山ステージ」等が、ステージとして用意される。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われる。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯又は点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等は小窓35を通してパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。
球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51a及び打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車及びレール61,62、一般入賞口63、第1入球口(始動口)64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図5参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。LED37aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変状態,確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態は、後述する第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップして、第1入球口64に付随する電動役物が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易くなる遊技の状態を含む。
一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄(普通図柄)の当たり確率のみがアップして、第1入球口64に付随する電動役物が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易くなる遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間や、第2図柄における1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。例えば、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間が、その他の遊技状態と比して長くなる状態であってもよい。また、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第2図柄における1回の当たりで電動役物の開放する回数が、その他の遊技状態と比して多くなる状態であってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図5,10参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81は、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が第3図柄表示装置81にて行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」、「確変図柄」)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」、「通常図柄」)が揃う変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタ及び保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順又は降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、更に左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2及びDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出したりする等して、予告演出が行われる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って第3図柄表示装置81にて行われる変動演出の一態様として、一の変動表示の中で第3図柄の擬似変動が複数回連続して行われる、いわゆる「擬似連」が行われ得るように構成されている。「擬似連」は、その擬似連が実行される変動表示の結果として大当たりとなる期待度を示唆する予告演出の一種であり、一の変動表示中に、第3図柄の擬似停止と再変動(擬似変動)とが1回以上行われる態様によって変動演出が行われる。
「擬似連」では、この一の変動表示中に行われる擬似停止及び再変動の繰り返し回数(即ち、擬似変動が連続して行われる回数)が多くなる程、その変動表示後に大当たりが付与される期待感が高まるように、その繰り返し回数が決定される。これにより、一の変動表示中に擬似変動が繰り返し行われれば行われる程、遊技者は大当たりとなる可能性が高まっていく感覚を覚えることができる。よって、「擬似連」による変動演出を行うことにより、遊技者に対し遊技への興趣を高めることができる。
第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80、遊技盤13、又は前面枠12等に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2入球口67は、遊技領域を流下する球が入球した場合に球を通過させて遊技領域に排出するスルーゲートであり、可変表示装置ユニット80の右方と左方とに1つずつ設けられている。第2入球口67には、第2入球口67を通過した球を検出するための第2入球口スイッチ(図示せず)が設けられている。
第2図柄表示装置83は、第2入球口スイッチにより球が第2入球口67を通過したことを検出する毎に、表示図柄(「第2図柄」、「普通図柄」ともいう)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64に設けられた電動役物が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うもののほか、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2入球口67の通過の保留球数を、第2図柄保留ランプ84の点灯に代えて、第3図柄表示装置81の一部で報知するようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口(始動入賞口)64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して、主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、また、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81における変動表示が開始(始動)される。そして、所定の変動時間経過後に、変動表示が停止され、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示されると共に、その抽選結果に応じた第3図柄が第3図柄表示装置81の有効ラインL1上に停止表示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64には、球の入り口を塞ぐように電動役物が付随されている。通常時、この電動役物は非作動状態にあり、第1入球口64の入り口が閉鎖された閉鎖状態(縮小状態)にされる。電動役物が閉鎖状態(縮小状態)にある場合、第1入球口64には球が入球不可能な状態となるか、または、球が入球しづらい状態となる。よって、この場合、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81における変動表示(変動演出)が生じないか、生じにくい状態にある。
第2入球口67への球の通過に伴って実行された第2図柄表示装置83における第2図柄(普通図柄)の変動表示の結果、「○」の図柄で停止表示されると、第1入球口64に付随された電動役物は作動状態となって、第1入球口64の入り口が開放された開放状態(拡大状態)となる。電動役物が開放状態(拡大状態)にある場合、第1入球口64に球が入球可能な状態となるか、または、電動役物が閉鎖状態(縮小状態)にある場合と比して球が入球しやすい状態となる。よって、この場合、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81における変動表示(変動演出)が生じやすい状態となる。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移し、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとにわたって封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201は、8ビットマイコンで構成され、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。ROM202は、これらの処理を制御するために用いられる固定値データとして、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、大当たり用変動パターンテーブル202c及び外れ用変動パターンテーブル202dが少なくとも格納されている。また、RAM203には、パチンコ機10の主要な処理(大当たり抽選や第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選等)を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図6及び図7を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる各種カウンタと、ROM202内に格納された各種テーブル202a〜202dについて説明する。まず、図6は、各種カウンタの概要を示す図である。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図14参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔、又は、メイン処理(図20参照)において4ミリ秒間隔で更新される。更に、一部のカウンタは、メイン処理(図20参照)の中で不定期に更新される。各カウンタの更新値は、RAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203bに適宜格納される。カウンタ用バッファ203bは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファ203bに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア203cが設けられている。保留エリアは、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファ203bから読み出された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を一時的に格納(保留)するためのエリアである。また、実行エリアは、変動の開始タイミングで大当たり抽選や変動演出の変動パターン及び停止種別の決定を行うために用いる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1を格納するためのエリアである。
MPU201は、第1入球口64への入球(始動入賞)を検出すると、そのときのカウンタ用バッファ203bの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を、保留第1〜第4エリアの1つのエリアに格納する。このとき、保留エリアに保留が全くなく、保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、保留第1エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が1つのみで、保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が2つで、保留第1〜第2エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が3つで、保留第1〜第3エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。
これにより、始動入賞の順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファ203bから取得した各カウンタの値を、保留第1エリア、保留第2エリア、保留第3エリア、保留第4エリアに格納することができる。なお、保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、本実施形態では、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
また、MPU201は、変動演出の開始タイミングになると、保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を実行エリアに移し、その実行エリアに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターン及び停止図柄の種別の決定が行われる。
また、保留第1エリアの各カウンタの値が実行エリアに移された後、保留第2エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第1エリアにシフトされ、保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第2エリアにシフトされ、保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第3エリアにシフトされる。これにより、保留球格納エリア203cに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、1つ分だけ保留が減り、保留エリアの1エリアが開放される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、上述した通り、大当たりの抽選に使用するためのカウンタであり、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。第1当たり乱数カウンタC1の更新は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算し、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻すことによって行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値を新たな初期値として、当該第1当たり乱数カウンタC1に設定し、その初期値から更新を行う。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の初期値に使用されるもので、その第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタで構成される。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図14参照)の実行毎に1回更新されるだけでなく、メイン処理(図20参照)の残余時間内でも繰り返し更新される。
カウンタ用バッファ203bに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値は、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203cに格納される。そして、変動開始時に、その保留球格納エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値。当たり値ともいう。)か否かを判定して、大当たり抽選を行う。大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、保留球格納エリア203c(正確には、保留球格納エリア203cの実行エリア)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たり乱数値と一致する場合に大当たりと判定する。
ここで、図7(a)を参照して大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図7(a)は、大当たり乱数テーブル202aを模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)を示したものである。この大当たり乱数テーブル202aは、遊技状態が低確率状態(即ち、確変中ではない期間)に参照される大当たり乱数値と、遊技状態が高確率状態(即ち、確変中)に参照される大当たり乱数値とに分かれて構成されており、それぞれに含まれる大当たり乱数値の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態において、第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。また、低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は3個で、その値「7,307,582」が、「低確率状態」に対応付けられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。一方、高確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は30個で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「高確率状態」に対応付けられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
MPU201は、大当たりの判定を行う場合に、その時の遊技状態に合った大当たり乱数値を大当たり乱数テーブル202aから読み出す。そして、MPU201は、大当たりの判定に用いる第1当たり乱数カウンタC1(保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1)の値が、大当たり乱数テーブル202aから読み出した大当たり乱数値の一つと一致するか否かを判定し、一致する場合に大当たりと判定する。
つまり、遊技状態が低確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,307,582」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。第1当たり乱数カウンタC1は0〜899の範囲で更新されるので、低確率状態の場合の大当たり確率は、1/300となる。また、遊技状態が高確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。従って、高確率状態の場合の大当たり確率は、1/30となる。
なお、本実施形態では、低確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値と、高確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。ここで、大当たり乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなる恐れがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図6に戻り、RAM203に設けられた各種カウンタの説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1当たり乱数カウンタC1と共に、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターン及び停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。
ここで、図7(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図7(b)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図7(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行すると共に、100変動回数の間は時短状態となる「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する「2R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図7(b)の例では、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「40〜79」が対応付けられ、2R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で15R確変大当たりが選択され、40%の確率で15R通常大当たりが選択され、20%の確率で2R確変大当たりが選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
図6に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、外れとなった場合の停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)を決定するものであり、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択される。本実施形態において選択される停止種別としては、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンがある。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1当たり乱数カウンタC1及び第1当たり種別カウンタC2と共に、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。ここで、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における停止種別は、外れ時のものとなる。この場合、その外れ時の停止種別は、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて決定される。
本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99、「前後外れ以外リーチ」が90〜97と、「前後外れリーチ」及び「前後外れ以外リーチ」に対応した乱数値の範囲が狭く、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンの決定に用いるためのループカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図20参照)の中で4ミリ秒毎に1回更新され、更に、メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
カウンタ用バッファ203bの変動種別カウンタCS1は、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3と共に、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。そして、変動開始時に、保留球格納エリア203cの保留第1エリアから実行エリアに移された変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブルとを参照し、変動演出で実行すべき変動パターンを決定する。ここで決定される変動パターンは、図柄変動の変動時間である。
即ち、主制御装置110では、変動パターンとして図柄変動の変動時間のみを決定する。具体的な変動態様は、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114によって設定される。音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114が、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、その変動時間で変動表示が可能な変動態様の中から、第3図柄表示装置81で表示させる第3図柄の変動態様の詳細を決定する。そして、決定した変動態様に従って、表示制御装置114は第3図柄表示装置81に第3図柄を変動表示させ、また、音声ランプ制御装置113は、その変動表示に合わせて音声出力装置226から音声を出力させると共に、ランプ表示装置227(電飾部29〜33)のランプを点灯・点滅表示させる。
このように、主制御装置110では、変動パターンを決定する処理として、変動時間のみを決定し、その変動時間に応じた変動態様の詳細については、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて決定する。主制御装置110のMPU201は8ビットマイコンで構成されており、複雑な処理を行うことはできないが、変動パターンを決定する場合に主制御装置110では変動時間のみを決定するように構成することで、主制御装置110にて変動態様の詳細まで決定する場合と比して、主制御装置110の変動パターンの決定処理を簡単に行うことができる。
また、主制御装置110にて変動態様の詳細を決定した場合、その決定した変動態様の詳細情報を音声ランプ制御装置113等に通知しなければならず、その通知に必要となるコマンドを例えば3バイト以上で構成しなければならなくなる恐れが生じ、コマンドの送信や受信が複雑となるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、主制御装置110で変動時間のみを決定するように構成されているので、音声ランプ制御装置113等に対して、その決定した変動時間に関する情報のみを通知すればよく、その通知に係るコマンドの構成を簡易にすることができる。よって、コマンドの送受信が複雑になることを抑制できる。また、主制御装置110において図柄変動の変動時間のみを決定しても、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114によって、多くの変動態様の中から指定された変動時間に応じた変動態様を決定し、その決定された変動態様で第3図柄表示装置81にて変動表示を行うように構成されているので、多彩な変動演出を遊技者に付与することができ、遊技者の興趣向上を図ることができる。
さて、本実施形態では、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動パターンテーブルとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202cと、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202dとが用意されている。また、外れ用変動パターンテーブル202dとして、遊技状態が時短状態又は高確率状態であるか、若しくは、低確率状態(ただし時短状態を除く)かに応じて、外れ(確変)用変動パターンテーブル202d2及び外れ(通常)用変動パターンテーブル202d1が用意されている。
ここで、図7(c)〜(e)を参照して、各種変動パターンの詳細について説明する。まず、図7(c)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202cの一例を模式的に示した図である。図7(c)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202cは、大当たり種別に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、大当たり種別が15R確変大当たり又は15R通常大当たりである場合に参照される15R大当たり共通と、2R確変大当たりである場合に参照される2R確変大当たり専用とに区分けされている。そして、区分けされた各グループに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
変動開始時において、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値であった場合に、その実行エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動テーブル202cから決定される。
15R大当たり共通には、変動パターンとして、変動時間が30秒の変動Aと、変動時間が60秒の変動Bと、変動時間が90秒の変動Cとがある。これら変動A〜Cと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動Aが0〜10、変動Bが11〜99、変動Cが100〜198となっている。
変動パターンとして変動A(30秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、ノーマルリーチ等の態様で第3図柄表示装置81において変動演出が行われる。変動パターンとして変動B(60秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、スーパーリーチ等の態様で第3図柄表示装置81において変動演出が行われる。また、変動パターンとして変動C(90秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、スペシャルリーチ等の態様で第3図柄表示装置81において変動演出が行われる。
ノーマルリーチは、変動演出開始後、全図柄列Z1〜Z3(図4参照)での高速変動(第3図柄が視認困難な図柄変動)を経て、有効ラインL1上に左図柄列Z1、右図柄列Z3にて同一の第3図柄が停止することでリーチが成立し、その後短時間で中図柄列Z2が停止して確定表示する変動パターンである。
スーパーリーチは、リーチが成立した後、ノーマルリーチより長い時間を経て、中図柄列Z2が停止して確定表示する変動パターンである。本実施形態におけるスーパーリーチは、リーチ成立後に一旦ノーマルリーチ状態(ノーマルリーチと同様の変動演出が行われる状態)となり、そのノーマルリーチ状態からスーパーリーチへ発展する。ノーマルリーチ状態からスーパーリーチへ発展することにより、遊技者に対して大当たりとなる期待度が高くなった印象を与えることができる。
スペシャルリーチは、リーチが成立した後、スーパーリーチより長い時間を経て、中図柄列Z2が停止して確定表示する変動パターンである。本実施形態におけるスペシャルリーチでは、リーチ成立後に一旦ノーマルリーチ状態となり、そのノーマルリーチ状態からスーパーリーチ状態(スーパーリーチと同様の変動演出が行われる状態)へ発展し、更に、スーパーリーチ状態からスペシャルリーチへ発展する。ノーマルリーチ状態からスーパーリーチ状態へと発展し、更にスペシャルリーチへと発展することにより、遊技者に対して大当たりとなる期待度が段階的に向上していく印象を与えることができ、遊技者の興趣を更に高めることができる。また、本実施形態におけるスペシャルリーチでは、ノーマルリーチ状態となった後、スーパーリーチ状態へは発展せずに、そのままスペシャルリーチへと発展する態様も用意されている。この態様により、ノーマルリーチ状態からスペシャルリーチへといきなり発展したことに対する驚きと、大当たりとなる期待度が飛躍的に高まる印象とを遊技者に与えることができ、遊技への興趣を更に高めることができる。
15R大当たり共通のテーブルは、15R確変大当たり又は15R通常大当たりの場合に選択されるテーブルであるので、遊技者に期待感を持たせるために、スペシャルリーチ各種が選択され易くなっている。ただし、ノーマルリーチ及びスーパーリーチも選択されるように構成することで、どのリーチからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
なお、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により実行されるノーマルリーチ、スーパーリーチ及びスペシャルリーチは、同じ変動時間であっても演出内容が異なるものが多数用意されている。例えば、何らキャラクタが表示されない通常のリーチに加え、リーチ状態となったときやその他のタイミングで、所定のキャラクタが表示されるリーチが用意されている。また、この場合に表示されるキャラクタも様々なものが用意されている。更に、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、アニメやドラマ、ミュージックビデオ等の特典映像を表示するリーチ、変動開始前に予告演出が付加されるリーチ、再変動で大当たりとなる演出が付加されるリーチなど、演出内容が異なる複数のリーチが用意されている。これにより、多彩な変動演出を実行でき、遊技者の興趣を高めることができる。
また、本実施形態では、変動パターンとして変動B又は変動Cが決定された場合に、リーチだけでなく、擬似連による変動演出が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって実行され得るようになっている。擬似連とは、1回の変動演出中に1以上の擬似的な第3図柄の停止表示(全図柄列Z1〜Z3が擬似的に一旦停止される表示。擬似停止)がなされ、擬似停止後に、再び第3図柄の変動表示が行われる変動演出の態様である。つまり、1回の変動演出中に複数回の擬似的な変動演出(擬似変動)が行われることになる。擬似連において、擬似停止が行われる度に、例えば、有効ラインL1上に、左図柄列Z1,中図柄列Z2,右図柄列Z3の順に「3」「4」「1」の第3図柄を表示させたり、同一或いは関連するキャラクタを第3図柄表示装置81に表示させたり、登場するキャラクタや第3図柄の一部又は全部を大当たりとなる期待度を示す色で表示させたり、同一或いは関連する音を発音させたり、役物を動作させたりして、または、擬似変動が行われる度に、その擬似変動中に同一或いは関連するキャラクタを第3図柄表示装置81に表示させたり、役物を動作させたりすることで、遊技者に対し、擬似停止又は擬似変動が行われる毎に、大当たりとなる期待度を高めることができる。よって、遊技への興趣を高めることができる。
2R確変大当たり専用で選択される変動パターンは、変動時間が59秒の2R変動のみで、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは0〜198となっている。即ち、大当たり種別が2R確変大当たりである場合は、変動種別カウンタCS1の値に関係なく、2R変動(59秒)が変動パターンとして決定される。
変動パターンとして、2R変動(59秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、複数用意された2R確変大当たり専用の変動態様の中から1の態様が選択され、その選択された態様で変動演出が行われる。2R確変大当たり専用の変動態様としては、例えば、「ニワトリ」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様や、通常では出現しない「女の子」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様などが含まれる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1を使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、変動時間を±数秒程度で微調整するための他の変動種別カウンタを設けてもよいし、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かを、他の変動種別カウンタにより決定するようにしてもよい。
図7(d)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1の一例を模式的に示した図である。図7(d)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1は、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
変動開始時に、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が低確率状態(ただし時短状態を除く)にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1から決定される。
完全外れ専用には、変動パターンとして、7秒と短時間で変動が終了してリーチも成立しない変動Dと、10秒と変動Dより長い変動時間となるがリーチが成立しない変動Eと、変動時間が55秒と長く、一の変動の中で擬似連による擬似変動が複数回行われ、最終的にリーチが成立することなく完全外れとなる変動Fとがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜98、変動E(10秒)が99〜148、変動F(55秒)が149〜198となっている。また、リーチ共通には、変動パターンとして、上述した変動A(30秒)、変動B(60秒)及び変動C(90秒)があり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が0〜98、変動B(60秒)が99〜190、変動C(90秒)が191〜198となっている。
図7(e)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。図7(e)に示すように、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用と、外れ時の停止種別として前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通とに区分けされている。
そして、区分けされた各グループ毎に、それぞれのグループで選択される変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。なお、完全外れ専用が参照される場合に選択される変動パターンに変動F(55秒)は含まれず、変動D(7秒)及び変動E(10秒)のみが選択される。また、リーチ共通が参照される場合に選択される変動パターンには、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、変動A(30秒)、変動B(60秒)及び変動C(90秒)がある。
実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとならない値、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態又は高確率状態(確変状態)にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2から決定される。
この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2において、完全外れ専用における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜190、変動E(10秒)が191〜198となっている。また、リーチ共通における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が0〜98、変動Bが99〜190、外れスペシャルリーチ各種が191〜198となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、遊技状態が時短状態又は高確率状態にあるときに参照されるテーブルであるので、第1入球口64に球が入球可能な状態、または、入球し易い状態となる。よって、時短状態又は高確率状態にあるときに、完全外れであるにも関わらず変動時間が55秒もある変動Fが行われたり、変動時間の比較的長い変動Eが多く行われたりすると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまって不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、完全外れの場合において、遊技状態が時短状態又は確変時の高確率状態にあるときは、変動Fが選択されず、また、遊技状態が時短状態を除く通常状態にあるときよりも、変動Eより変動時間の短い変動Dが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、遊技状態が時短状態又は高確率状態にあって完全外れとなる場合であっても変動F(55秒)が選択されるように外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2を構成してもよい。ただし、この場合も、変動Dが選択される確率が最も高く、変動Fが選択される確率が最も低くなるように、外れ(確変)変動パターンテーブル202d2における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けを規定してもよい。また、遊技状態が時短状態又は高確率状態にあって完全外れとなる場合に、変動Eが選択されず(変動Eに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられていない)、変動Dのみ、または、変動D及び変動Fが選択されるように、外れ(確変)変動パターンテーブル202d2を構成してもよい。変動D及び変動Fが選択されるように外れ(確変)変動パターンテーブル202d2を構成した場合であっても、変動Dの選択される確率が変動Fの選択される確率よりも高くするのがよい。
また、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1を使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ時においてリーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2とに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2を参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した通常用又は確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
更に、図7(d)及び図7(e)に示す各外れ用の変動パターンテーブルで、変動D及び変動Eをまとめて単に1つの変動種別「外れ」とし、その外れが選択された場合に、他のテーブルを参照して、変動Dと変動Eとを所定の確率で選択するように構成しても良い。この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
再び、図6に戻って各種カウンタの説明を行う。第2当たり乱数カウンタC4は、上述した通り、第2図柄表示装置83の抽選に用いられるもので、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図14参照)毎に更新され、球が左右いずれかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。
当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放(拡大)される。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図14参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図20参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
以上の通り、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図6に図示した各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203b及び保留球格納エリア203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、全てバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図20参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図19参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行される。
RAM203は、更に、保留球数カウンタ203aを少なくとも有している。保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203aは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図17のS1403参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づく変動表示が実行される毎に、1減算される(図15のS1205参照)。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図17のS1406参照)。保留球数コマンドは、第1入球口64へ入球されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数カウンタ203aが1加算される毎に主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、全てバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイド及び電磁石を備えており、その発射ソレノイド及び電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯及び消灯の出力、及び、第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。
この音声ランプ制御装置113は、音声ランプ制御装置113の全体を制御する演算装置であるMPU221と、再生する音信号を生成し、生成した音信号に基づいて音声出力装置226を駆動して音を出力する音出力LSI301と、種々の音声データが格納されたメモリである音声データROM306とを有している。音声データROM306は、音出力LSI301に接続され、音出力LSI301は、信号線228を介してMPU221と接続されている。
音出力LSI301は、MPU221からの指示に基づいて、再生すべき音を生成し、音声出力装置226から生成した音を出力するDSP(Digital Signal Processor)である。音出力LSI301は、MPU221より再生開始指令が設定されると、その再生開始指令によって指示された再生を開始すべき音を特定し、その特定した音に対応する音声データを音声データROM306から読み出し、再生すべき音を生成する。そして、音出力LSI301は、生成した音を音声出力装置226から出力する。また、音出力LSI301は、MPU221より再生終了命令が設定されると、その再生終了命令により指示された再生を終了すべき音を特定し、その特定した音の再生を終了する。
音出力LSI301は、16チャンネル分の再生チャンネルを有しており、最大16の音を同時に生成し、合成(ミキシング)した上で、音声出力装置226から出力する。また、音出力LSI301は、MPU221からの設定に従って、チャンネル毎(又は、再生中の音の種別毎、若しくは、再生中の音データ毎)に再生中の音の出力をミュートし、また、そのミュートを解除できる。ミュートが設定されたチャンネル、音、又は、音データは、音出力LSI301にて該当する音データを読み出して再生すべき音を生成するものの、他のチャンネルの音とミキシングする場合は、ミュート対象の音のレベルを0にするか、ミュート対象の音をミキシング回路に非入力とすることによって、ミュート対象の音をミキシングしないようにしている。これにより、ミュート対象の音が音声出力装置226から出力されない。
ここで、図8を参照して音声データROM306に記憶される音声データの一例を示す。図8は、音声データROM306に記憶される音声データの一例を模式的に示した模式図である。音声データROM306には、例えば、リーチ用BGMデータ306aと、通常BGMデータ306bとが、その他の音声データ306cとあわせて格納されている。
リーチ用BGMデータ306aは、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出において、リーチ状態となっている場合に、そのリーチ時の背景音楽として音声出力装置226より出力される音(以下「リーチ用BGM」と称す)を再生するための音声データである。本実施形態のリーチ用BGMは、リズムと基本的なメロディライン(旋律)で構成される基本パートと、基本パートに被せて上物楽器による装飾的な演奏が行われる上物楽器パートと、基本パート及び上物楽器パートに被せて人の声による歌が入った歌パートとによって構成されている。リーチ用BGMデータ306aは、基本パートに対応する音声データとして基本パートデータ306a1、上物楽器パートに対応する音声データとして上物楽器パートデータ306a2、歌パートに対応する音声データとして歌パートデータ306a3を含んでいる。
基本パートデータ306a1、上物楽器パートデータ306a2、歌パートデータ306a3は、いずれも同じテンポで再生され、これら3つのパートデータ306a1〜a3を用いて3つのパートが同時に再生開始されると、基本パートに上物楽器パート及び歌パートが被さって同時に進行し、1つの音楽として音声出力装置226より出力されることとなる。また、これらの3つのパートデータ306a1〜a3は、最後まで再生されると再び先頭に戻ってループ再生される。ここで、3つのパートデータ306a1〜a3は、同じタイミングで1ループ分の再生を終了し、そして同じタイミングで先頭に戻って再び再生を開始する。
MPU221は、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出においてリーチ(ノーマルリーチ)が成立した場合に、音出力LSI301に対し、リーチ用BGMとして、基本パート、上物楽器パート、歌パートの全パートの再生を指示すると共に、上物楽器パート及び歌パートについてはミュートを設定する。
音出力LSI301は、このMPU221からの設定により、音声データROM306から基本パートデータ306a1、上物楽器パートデータ306a2、歌パートデータ306a3の各データを読み出し、1つのデータに対して1チャンネルを使って再生すべき音を生成する。つまり、音出力LSI301の3チャンネルを使用して、リーチ用BGMの基本パート、上物楽器パート及び歌パートの全パートに対して再生すべき音が生成される。一方、上物楽器パート及び歌パートについてはミュートが設定されているので、これらのパートに対して生成された音はミキシングされず、音声出力装置226から出力されない。よって、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出においてリーチ(ノーマルリーチ)が成立した場合、音声出力装置226からは基本パートに対応する音だけが再生されることになる。
一方、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出においてノーマルリーチからスーパーリーチへ発展すると、MPU221は、音出力LSI301に対し、上物楽器パートのミュート解除を設定する。音出力LSI301は、このMPU221からの設定により、上物楽器パートのミュートを解除し、基本パートだけでなく上物楽器パートに対して生成される音もミキシングして、音声出力装置226から出力する。これにより、それまで基本パートのみ音声出力装置206から出力されていたリーチ用BGMが、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展したタイミングで、基本パートに上物楽器パートが被さってリーチ用BGMが音声出力装置206から出力される。
更に、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出においてスーパーリーチからスペシャルリーチへ発展すると、MPU221は、音出力LSI301に対し、歌パートのミュート解除を設定する。音出力LSI301は、このMPU221からの設定により、歌パートのミュートを解除し、基本パート及び上物楽器パートだけでなく歌パートに対して生成される音もミキシングして、音声出力装置226から出力する。これにより、それまで基本パートと上物楽器パートとが音声出力装置206から出力されていたリーチ用BGMが、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展したタイミングで、基本パートと上物楽器パートとに対して歌パートが被さってリーチ用BGMが音声出力装置206から出力される。
このように、本パチンコ機10では、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度に、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMが、基本パートのみから、基本パート+上物楽器パート、基本パート+上物楽器パート+歌パートと、段々と派手になっていく。これにより、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示される変動演出のリーチが発展していく場合に、その第3図柄表示装置81にて表示される画像からだけではなく、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMによって、大当たりとなる期待感を向上させていくことができる。
ここで、従来のパチンコ機では、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度にそのBGMを派手にしていく場合、ノーマルリーチ時に再生するノーマルリーチ用の音声データと、スーパーリーチ時に再生するスーパーリーチ用の音声データと、スペシャルリーチ時に再生するスペシャルリーチ用の音声データとを別々に用意していた。そして、リーチ(ノーマルリーチ)が成立したときにはノーマルリーチ用の音声データを使用して再生・出力し、スーパーリーチへ発展した時にはノーマルリーチ用の音声データから切り替えて(再生を停止して)スーパーリーチ用の音声データを使用して再生・出力し、スペシャルリーチへ発展した時にはスーパーリーチ用の音声データから切り替えて(再生を停止して)スペシャルリーチ用の音声で板を使用して再生・出力していた。しかしながら、このように構成すると、スーパーリーチやスペシャルリーチへ発展したときに、スーパーリーチ用の音声データやスペシャルリーチ用の音声データの再生・出力を開始するので、それぞれのタイミングでBGMの頭出しが行われてしまうため、BGMの連続性が途切れてしまい、大当たりとなる期待感の向上に水を差す結果となっていた。
これに対し、音出力LSI301は、リーチが成立した時点で、リーチ用BGMを構成する基本パート、上物楽器パート、歌パートの全てのパートの再生を開始する一方、ノーマルリーチの間は上物楽器パート及び歌パートをミュートしておき、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展した場合に上物楽器パートのミュートを解除し、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展した場合に歌楽器パートのミュートを解除する。即ち、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パートがそのまま継続して再生・出力されつつ、その基本パートに被さる形で上物楽器パートが再生・出力される。また、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パート及び上物楽器パートがそのまま継続して再生・出力されつつ、その基本パート及び上物楽器パートに被さる形で歌パートが再生・出力される。これにより、スーパーリーチやスペシャルリーチへ発展したときに、リーチ用BGMの連続性が途切れることなく、そのBGMを派手にしていくことができる。よって、従来のパチンコ機のように、BGMによって大当たりとなる期待感の向上に水を差すことなく、第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて音楽の面からも遊技者の期待感を高めることができる。従って、音楽を利用して遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、本パチンコ機10では、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出においてノーマルリーチからスペシャルリーチへ一気に発展する態様も含まれる。このようにノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展する場合、MPU221は、音出力LSI301に対し、上物楽器パートと歌パートとのミュート解除を設定する。音出力LSI301は、このMPU221からの設定により、上物楽器パート及び歌パートのミュートを解除し、基本パートだけでなく上物楽器パート及び歌パートに対して生成される音もミキシングして、音声出力装置226から出力する。これにより、それまで基本パートのみ音声出力装置206から出力されていたリーチ用BGMが、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展したタイミングで、基本パートに対して上物楽器パートと歌パートが被さってリーチ用BGMが音声出力装置206から出力される。よって、本パチンコ機10では、ノーマルリーチからスペシャルリーチへと一気に発展した場合に、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMが、基本パートのみから、基本パート+上物楽器パート+歌パートと、いきなり派手になる。これにより、遊技者は、第3図柄表示装置81にて表示される画像からだけではなく、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMによって、大当たりとなる期待感を一気に向上させることができる。
そして、この場合も、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パートがそのまま継続して再生・出力されつつ、その基本パートに被さる形で上物楽器パート及び歌パートが再生・出力される。これにより、ノーマルリーチからスペシャルリーチへと一気に発展したときに、リーチ用BGMの連続性が途切れることなく、そのBGMを派手にしていくことができる。よって、従来のパチンコ機のように、BGMによって大当たりとなる期待感の向上に水を差すことなく、第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて音楽の面からも遊技者の期待感を高めることができる。従って、音楽を利用して遊技の興趣向上を図ることができる。
通常BGMデータ306bは、遊技者が遊技を行っている間、通常時に背景音楽として音声出力装置226より出力される音(以下「通常BGM」と称す)を再生するための音声データである。ここで、第3図柄表示装置81にて変動演出も大当たり演出も行われていない状態で第1入球口64への入球が所定期間(例えば、2分間)ない場合、遊技者が遊技を行っていないものとして第3図柄表示装置81にはデモ演出が表示される。デモ演出が表示されている間は、音声出力装置226より背景音楽(BGM)は出力されない。一方、第1入球口64への入球があった場合、第3図柄表示装置81には変動演出が開始され、背景音楽として通常BGMが音声出力装置226より出力される。
通常BGMは、第3図柄表示装置64に再びデモ演出が表示されるまで、リーチ状態や大当たり演出(オープニング演出、エンディング演出を含む)等の遊技者に対して遊技への興趣を高める演出が実行されていない通常時に、音声出力装置226から出力される。なお、リーチ状態や大当たり演出等の遊技者に対して遊技への興趣を高める演出が行われる間は、非通常時としてそれぞれの演出に応じた背景音楽(例えば、リーチ状態におけるリーチ用BGM、大当たり演出時における大当たり用BGM等)が音声出力装置226より出力されることとなる。
通常BGMは4小節(第1小節〜第4小節)からなり、この4小節の通常BGMが音声出力装置226からループ再生される。即ち、通常BGMは、第1小節から第4小節まで再生されると、再び第1小節に戻り、第1小節〜第4小節が繰り返し再生される。なお、本実施形態では通常BGMが4小節で構成される場合について説明するが、通常BGMを構成する小節の数は任意の数であってよい。即ち、通常BGMが5小節で構成されてもよいし、3小節で構成されてもよい。
図8に示す通り、通常BGMデータ306bは、各小節(第1〜第4小節)毎に音声データを有しており、各々の小節は、更に、リズム、メロディ、バッキング(伴奏)等が異なる10パターンの音声データを有している。即ち、通常BGMの第1小節の音声データとして、第1小節第1パターンデータ306b10,第1小節第2パターンデータ306b11,・・・,第1小節第10パターンデータ306b19と10パターンの音声データが音声データROM306に用意され、第2小節の音声データとして、第2小節第1パターンデータ306b20,第2小節第2パターンデータ306b21,・・・,第2小節第10パターンデータ306b29と10パターンの音声データが音声データROM306に用意され、第3小節の音声データとして、第3小節第1パターンデータ306b30,第3小節第2パターンデータ306b31,・・・,第3小節第10パターンデータ306b39と10パターンの音声データが音声データROM306に用意され、第4小節の音声データとして、第4小節第1パターンデータ306b40,第4小節第2パターンデータ306b41,・・・,第4小節第10パターンデータ306b49と10パターンの音声データが音声データROM306に用意されている。
各小節毎に用意されるパターンにおいて、同一のパターンは統一されたリズム、バッキングで演奏される。即ち、第1小節から第4小節まで全て第1パターンのみで演奏されれば、第1パターンで統一されたリズムとバッキングで通常BGMが再生されることとなる。また、第1小節から第4小節まで全て第10パターンのみで演奏されれば、第10パターンで統一されたリズムとバッキングで通常BGMが再生されることとなる。
また、本実施形態では、第1パターンのリズムとバッキングに対し、第2パターン及び第10パターンのリズムとバッキングが聴覚的に最も近く、次いで、第3パターン及び第9パターンのリズムとバッキングが聴覚的に近いものとなっている。また、第2パターンのリズムとバッキングに対し、第1パターン及び第3パターンのリズムとバッキングが聴覚的に最も近く、次いで、第4パターン及び第10パターンのリズムとバッキングが聴覚的に近いものとなっている。第3パターンのリズムとバッキングに対しては、第2パターン及び第4パターンのリズムとバッキングが聴覚的に最も近く、次いで、第1パターン及び第5パターンのリズムとバッキングが聴覚的に近いものとなっている。第4パターンのリズムとバッキングに対しては、第3パターン及び第5パターンのリズムとバッキングが聴覚的に最も近く、次いで、第2パターン及び第6パターンのリズムとバッキングが聴覚的に近いものとなっている。第5パターンのリズムとバッキングに対しては、第4パターン及び第6パターンのリズムとバッキングが聴覚的に最も近く、次いで、第3パターン及び第7パターンのリズムとバッキングが聴覚的に近いものとなっている。
第6パターンのリズムとバッキングに対しては、第5パターン及び第7パターンのリズムとバッキングが聴覚的に最も近く、次いで、第4パターン及び第8パターンのリズムとバッキングが聴覚的に近いものとなっている。第7パターンのリズムとバッキングに対しては、第6パターン及び第8パターンのリズムとバッキングが聴覚的に最も近く、次いで、第5パターン及び第9パターンのリズムとバッキングが聴覚的に近いものとなっている。第8パターンのリズムとバッキングに対しては、第7パターン及び第9パターンのリズムとバッキングが聴覚的に最も近く、次いで、第6パターン及び第10パターンのリズムとバッキングが聴覚的に近いものとなっている。第9パターンのリズムとバッキングに対しては、第8パターン及び第10パターンのリズムとバッキングが聴覚的に最も近く、次いで、第7パターン及び第1パターンのリズムとバッキングが聴覚的に近いものとなっている。そして、第10パターンのリズムとバッキングに対しては、第1パターン及び第9パターンのリズムとバッキングが聴覚的に最も近く、次いで、第2パターン及び第8パターンのリズムとバッキングが聴覚的に近いものとなっている。
MPU221は、通常BGMを音声出力装置226から出力させる場合に、再生すべき小節の出力開始タイミング毎に、その小節の再生開始を音出力LSI301に設定する。このとき、MPU221は、その小節の再生に使用するパターンを10パターンの中から予め決定し、音出力LSI301への小節の再生開始の設定において、決定したパターンを特定するための情報を含める。なお、本実施形態では、MPU221が音出力LSI301へ小節の再生開始を設定する場合に、決定したパターンを特定するための情報を含める場合について説明するが、音出力LSI301への小節の再生開始の設定とは別個に、その設定とあわせて(その設定の前後に)決定したパターンを特定するための情報をMPU221が設定するように構成してもよい。
音出力LSI301は、MPU221から再生開始が設定された場合に、どの小節のどのパターンの再生開始かを判断し、対応する音声データを通常BGMデータ306bから読み出す。そして、音出力LSI301は、その読み出した音声データに従って通常BGMを生成し、他の生成した音とミキシングした上で、音声出力装置226より、生成した通常BGMを出力する。
このように、通常BGMが再生される場合、各小節を再生する毎にその小節で再生すべきパターンが10パターンの中から決定されるので、1ループ(4小節)で再生されるパターンは、10×10×10×10=10000通りのパターンとなる。これにより、1ループ分の通常BGMが再生される度に、遊技者に異なるパターンを聴かせることができるので、通常BGMがループされる感覚を無くし、長時間何度聴いても飽きがなく、常に新しさを遊技者に感じさせることができる。
なお、小節の再生に使用するパターンの決定方法については、後述するROM222の通常BGMパターンテーブル222bの説明とあわせて図9を参照しながら説明する。
ここで、本実施形態では、通常BGMの各小節毎に、リズム、メロディ、バッキング(伴奏)等が異なる10パターンの音声データが用意される場合について説明するが、各小節で用意される音声データのパターンの数は任意であってもよい。即ち、5パターンであってもよいし、20パターンであってもよい。また、本実施形態では、各小節毎に用意されるパターンの数が、どの小節においても同じ10パターンである場合について説明するが、各小節毎に用意されるパターンの数は、小節毎に異なってもよい。
また、1の小節に対して用意される各パターンは、基本的な旋律(主題)に対して、変奏されたものであってもよい。これにより、各小節で再生するパターンを選択しても、それぞれの小節で再生される音楽は、基本的な旋律を想起させるものであるので、一連のメロディとして楽しめることができる。
また、1の小節に対して用意される各パターンは、基本となる旋律は統一され、その旋律をそれぞれ編曲したものであってもよい。これにより、各小節で再生するパターンを選択しても、それぞれの小節で再生される音楽は基本的な旋律が統一されているので、1ループで再生される通常BGMは常に同じ旋律を再生することができる。よって、この場合、遊技者にとって1ループで再生される通常BGMの変化が小さく感じることになるが、各小節でどのパターンが選択されたとしてもおかしなメロディとなることを容易に抑制できるので、各パターンの作曲・編曲を容易に行うことができる。
その他の音声データ306cとしては、第3図柄表示装置81にて大当たり演出のオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出が行われる場合に、各々の演出に対して出力される音声や、第3図柄表示装置81の小領域Ds2に表示されるキャラクタが特別な動作をした場合に出力される音声、小領域Ds2に別のキャラクタが現出した場合に出力される音声、小領域Ds3に動画が表示された場合に出力される音声、その他、第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて出力される音声といった各種音声を音声出力装置226より出力させるための音声データが格納される。
なお、音声データROM306に格納される音声データのデータ形式は、任意のものであってよい。例えば、音の波形をリニアパルス符号変動方式によってサンプリングしたデータ形式であってもよいし、MP3(MPEG Audio Layer−3)やAAC(Advanced Audio Coding)等の各種音声圧縮方式によってデータ圧縮されたものであってもよい。
或いは、各種の音声を発音させるためのMIDI(Musical Instrulment Digital Interface)規格に準拠したMIDIファイルが、音声データとして音声データROM306に格納されてもよい。この場合、音出力LSI301は、MIDI音源を備え、MPU221から再生開始を指示された種別の音を再生するためのMIDIファイルを音声データROM306より読み出し、読み出したMIDIファイルに従って、MIDI音源を発音させることで、その音の再生を実行する。
図5に戻り、説明を続ける。音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
主制御装置110からは、遊技の状況に応じて各種コマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド、保留球数コマンド等)が音声ランプ制御装置113に対して一方向に送信される。表示制御装置114からは、第3図柄表示装置81においてこれから表示される表示内容(表示種別)を通知する表示種別コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。また、枠ボタン22からは遊技者により操作された場合にオン信号が音声ランプ制御装置113に対して出力される。MPU221は、主制御装置110から送信される各種コマンドと、枠ボタン22に対する遊技者の操作状況とに基づいて、変動演出を含む第3図柄表示装置81に表示させる演出の態様(表示態様)を決定し、その決定した演出の態様を通知するコマンドを表示制御装置114に対して送信する。
また、MPU221は、表示制御装置114から送信される表示種別コマンドにより通知された表示種別に基づいて、ランプ表示装置227の点灯及び消灯を制御し、また、音声出力装置226における音の出力を音出力LSIに対して実行させる。これにより、第3図柄表示装置81に表示された画像にあわせて、ランプ表示装置227を点灯・点滅させたり、音声出力装置226から音を出力させたりすることができる。
MPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したプログラムROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。プログラムROM222は、固有値データとして少なくとも詳細変動パターン決定テーブル222aと、通常BGMパターンテーブル222bとを格納している。RAM223は、保留球数カウンタ223a、表示種別フラグ223b、再生時間カウンタ223c、通常BGMパターンカウンタ223d、詳細変動パターン決定カウンタ223eを少なくとも有している。
詳細変動パターン決定テーブル222aは、主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知された変動パターン(変動時間)に基づき、これから開始する変動演出の変動態様(詳細な変動パターン)を決定するためのテーブルであり、RAM223の詳細変動パターン決定カウンタ223eとあわせて用いられるものである。ここでは、詳細変動パターン決定テーブル222aとあわせて、詳細変動パターン決定カウンタ223eの説明も行う。
本実施形態では、主制御装置110から変動パターンコマンドによって変動A(変動時間30秒)が指示された場合に決定される詳細な変動パターンとして、30秒の変動時間の間に何らキャラクタが表示されない通常のノーマルリーチに加え、所定のキャラクタが変動中に表示されるノーマルリーチが複数用意されている。
変動B(変動時間60秒)が指示された場合に決定される詳細なパターンとしては、リーチ成立後に通常のノーマルリーチと同様の態様(ノーマルリーチ状態)で変動演出が行われ、その後、スーパーリーチ特有のキャラクタや動画が表示されたり、背面画像が速く変化して表示されたり等してスーパーリーチに発展するものが複数用意されている他、60秒の変動時間の間に擬似変動が複数回実行される擬似連が複数用意されている。
変動C(変動時間90秒)が指示された場合に決定される詳細なパターンとしては、リーチ成立後に通常のノーマルリーチと同様の態様(ノーマルリーチ状態)で変動演出が行われてスーパーリーチと同様の態様(スーパーリーチ状態)に発展し、その後、スペシャルリーチ特有のキャラクタや動画が表示されたり、スーパーリーチ状態時よりも背面画像が更に速く変化して表示されたり等してスペシャルリーチに発展するものや、リーチ成立後に通常のノーマルリーチと同様の態様(ノーマルリーチ状態)で変動演出が行われ、その後、スーパーリーチ状態へ発展せずに、スペシャルリーチ特有のキャラクタや動画が表示されたり、背面画像がスーパーリーチ状態時よりも更に速く変化して表示されたり等してスペシャルリーチに発展するものが複数用意されている他、90秒の変動時間の間に擬似変動が複数回実行される擬似連が複数用意されている。
2R変動(変動時間59秒)が指示された場合に決定される詳細な変動パターンとしては、変動時間が59秒の2R確変大当たり専用の変動態様が複数用意されている。変動F(変動時間55秒)が指示された場合は、55秒の変動時間の中で擬似連による擬似変動が複数回行われ、最終的にリーチが成立することなく完全外れとなる詳細な変動パターンが複数用意されている。
また、各変動パターン(変動A〜変動C、2R変動)に対し、パチンコ機10の遊技状態が通常状態か、時短又は確変状態かに応じて選択され得る詳細な変動パターンも用意されている。なお、変動Fが指示されるのは、上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が通常状態(時短状態を除く)の場合のみであり、変動Fに対して用意された詳細な変動パターンはパチンコ機10の遊技状態が時短状態を除いた通常状態の場合にのみ選択されるものである。もっとも、遊技状態が時短及び確変状態であっても、変動パターンとして変動Fが指示されてもよく、この場合は、変動Fに対しても、パチンコ機10の遊技状態が通常状態か、時短又は確変状態かに応じて選択され得る詳細な変動パターンが用意されてよい。
詳細変動パターン決定テーブル222a及び詳細変動パターン決定カウンタ223eは、主制御装置110から変動パターンコマンドと停止種別コマンドとを受信した場合に、その変動パターンコマンドによって通知された変動パターンに対して用意された複数の詳細な変動パターンの中から、その変動パターンコマンドに対してこれから実行する変動演出の詳細な変動パターンを1つ決定するために用いられる。
詳細変動パターン決定カウンタ223eはループカウンタにて構成され、その更新は、定期的に(本実施形態ではメイン処理(図22参照)の中で1ms毎に実行されるS1910のカウンタ更新処理にて)行われる。詳細変動パターン決定カウンタ223eの更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。また、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図21参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「0」が設定される。
詳細変動パターン決定テーブル222aには、主制御装置110より通知される変動パターン(変動A,変動B,変動C,2R変動,変動F)毎に、それぞれの変動パターンに対して用意されている各種の詳細な変動パターンに対応付けて、詳細変動パターン決定カウンタ223eの値が割り当てられている。また、主制御装置110より通知される変動パターンが変動A〜C,2R変動のいずれかである場合における詳細な変動パターンと、詳細変動パターン決定カウンタ223eの値との対応付けは、変動演出が行われるパチンコ機10の遊技状態(通常状態、確変状態、時短状態のいずれであるか)によって、更に、その変動演出において確定表示される図柄が「大当たり」か「外れ」かによって、変動パターン(変動A〜C,2R変動)毎に別々に対応付けされている。
MPU221は、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信すると、そのときの詳細変動パターン決定カウンタ223eの値をRAM223から読み出す。そして、例えば、パチンコ機10の遊技状態が通常状態であり、受信した停止種別コマンドにより通知された変動種別から大当たりと判別される場合は、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンに対し、遊技状態が「通常状態」で且つ停止種別が「大当たり」である場合において、RAM223より読み出した詳細変動パターン決定カウンタ223eの値に対応付けられた詳細な変動パターンを、詳細変動パターン決定テーブル222aから特定する。また、パチンコ機10の遊技状態が時短状態であり、受信した停止種別コマンドにより通知された変動種別から外れと判別される場合は、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンに対し、遊技状態が「時短状態」で且つ停止種別が「外れ」である場合において、RAM223より読み出した詳細変動パターン決定カウンタ223eの値に対応付けられた詳細な変動パターンを、詳細変動パターン決定テーブル222aから特定する。
ただし、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが変動Fの場合、その時の遊技状態は「通常状態」であり停止種別は「完全外れ」であるので、RAM223より読み出した詳細変動パターン決定カウンタ223eの値に対応付けられた詳細な変動パターンを、遊技状態・停止種別によらずに詳細変動パターン決定テーブル222aから特定する。なお、遊技状態が「時短状態」又は「確変状態」においても変動パターンとして変動Fが選択されるパチンコ機の場合は、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが変動Fであれば、RAM223より読み出した詳細変動パターン決定カウンタ223eの値に対応付けられた詳細な変動パターンを、停止種別によらず且つ遊技状態に応じて詳細変動パターン決定テーブル222aから特定すればよい。
なお、遊技状態が「通常状態」であり停止種別が「完全外れ」である場合に変動パターンとして変動Fが選択され得るパチンコ機において、または、遊技状態によらず変動種別が「完全外れ」である場合に変動パターンとして変動Fが選択され得るパチンコ機において、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが変動Fであったとしても、変動演出が行われるパチンコ機10の遊技状態と、その変動演出において確定表示される図柄が「大当たり」か「外れ」かとに応じて、RAM223より読み出した詳細変動パターン決定カウンタ223eの値に対応付けられた詳細な変動パターンを、詳細変動パターン決定テーブル222aから特定してもよい。
変動Fは遊技状態が「通常状態」の場合に選択されるパチンコ機の場合、遊技状態が「時短状態」又は「確変状態」において受信した変動パターンコマンドにより示される変動パターンが変動Fであれば、その変動パターンが誤っている可能性がある。また、停止種別が「大当たり」、「前後外れリーチ」又は「前後外れ以外リーチ」であるにも関わらず、受信した変動パターンコマンドにより示される変動パターンが変動Fである場合も、その変動パターンが誤っている可能性がある。このように、変動パターンが誤っている可能性がある場合は、例えば、変動演出中ずっと全図柄列Z1〜Z3を高速変動させたり、遊技者に第3図柄が視認不能な状態とさせたりするような特殊な変動演出態様を詳細な変動パターンとして選択するようにしてもよい。このような特殊な変動演出を詳細な変動パターンとして選択したとしても、変動時間経過後に主制御装置110より送信される確定コマンドに基づいて、全図柄列Z1〜Z3を停止させ、確定表示させることができる。よって、変動パターンが誤っていたとしても、遊技者に違和感なく変動演出を見せることができる。
MPU221は、決定した詳細な変動パターンを表示用変動パターンコマンドにより表示制御装置114に対して通知する。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドにより通知された詳細な変動パターンに基づいて、第3図柄表示装置81の変動表示を制御する。これにより、第3図柄表示装置81によって、その決定された詳細な変動パターンによる変動演出が行われる。また、表示制御装置114は、決定された詳細な変動パターンに基づき第3図柄表示装置81にてこれから表示される表示内容(高速変動、左図柄列Z1停止、右図柄列Z1停止、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、確定表示…等)を表示種別コマンドにて音声ランプ制御装置113へ通知する。音声ランプ制御装置113は、表示種別コマンドにより示される表示種別に基づいて、ランプ表示装置227の点灯・消灯を制御し、また、音声出力装置226における音の出力を音出力LSIに対して実行させる。これにより、第3図柄表示装置81に表示される変動演出にあわせて、ランプ表示装置227を点灯・点滅させたり、音声出力装置226から音を出力させたりすることができる。
なお、主制御装置110から変動パターンコマンドにより指示される変動パターンの1つである変動D(変動時間7秒)に対しては、5.5秒の全図柄列Z1〜Z3での高速変動の後、1.5秒かけて左図柄列Z1の停止と、右図柄列Z3の停止と、中図柄列Z2の停止とが行われて、完全外れとなる態様の詳細な変動パターンが、パチンコ機10の遊技状態毎に1つずつ用意されている。即ち、変動Dに対して、遊技状態が通常状態用の詳細な変動パターン1つと、遊技状態が時短又は確変状態用の詳細な変動パターン1つとが用意されている。変動Dに対するこれら2つの詳細な変動パターンは、小領域Ds2に表示される少年の動き(表情)が相違し、主表示領域Dmに表示される第3図柄の変動表示そのものは同一である。
また、変動E(変動時間10秒)に対しては、8.5秒の全図柄列Z1〜Z3での高速変動の後、1.5秒かけて左図柄列Z1の停止と、右図柄列Z3の停止と、中図柄列Z2の停止とが行われて、完全外れとなる態様の詳細な変動パターンが、パチンコ機10の遊技状態毎に1つずつ用意されている。即ち、変動Eに対して、遊技状態が通常状態用の詳細な変動パターン1つと、遊技状態が時短又は確変状態用の詳細な変動パターン1つとが用意されている。変動Eに対するこれら2つの詳細な変動パターンにおいても、変動Dの場合と同様に、小領域Ds2に表示される少年の動き(表情)が相違し、主表示領域Dmに表示される第3図柄の変動表示そのものは同一である。
主制御装置110から変動D,Eのいずれかが指示された場合は、MPU221は、詳細変動パターン決定カウンタ223eの値に関わらず、パチンコ機10の遊技状態に従って、それぞれに対応して用意された詳細な変動パターンを決定し、その詳細な変動パターンを表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114へ通知する。
なお、変動D及び変動Eの少なくともいずれかにおいて、同一の遊技状態に対して、小領域Ds3等に所定のキャラクタが表示される等の複数の詳細な変動パターンが用意されてもよい。この場合、同一の遊技状態に対して複数の詳細な変動パターンが用意された変動D又は変動Eが、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドによって通知されたときには、変動A〜C,2R変動,変動Fが通知されたときと同様の方法によって、詳細変動パターン決定テーブル222aと詳細変動パターン決定カウンタ223eとに基づいて、詳細な変動パターンを決定すればよい。
ここで、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の遊技状態は、それまでに受信した停止種別コマンドによって示される停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)と、変動回数とに基づいて判断される。
例えば、ある変動演出に対応する停止種別コマンドにおいて、停止種別として15R確変大当たり又は2R確変大当たりが示された場合、その変動演出後の大当たり演出後から、次に大当たりとなるまで、パチンコ機10の遊技状態が確変状態であると判断する。また、ある変動演出に対応する停止種別コマンドにおいて、停止種別として15R通常大当たりが示された場合、その変動演出後の大当たり演出後から、100回の変動演出が行われるまで、又は、次に大当たりとなるまで、パチンコ機10の遊技状態が時短状態と判断される。そして、100回の変動演出後は、次に大当たりとなるまでパチンコ機10の遊技状態が通常状態と判断される。
通常BGMパターンテーブル222bは、通常BGMを音声出力装置226から出力させる場合に、これから再生する小節で使用(再生)させるパターンを決定するためのテーブルであり、RAM223の通常BGMパターンカウンタ223dとあわせて用いられる。上述した通り、通常BGMの再生に用いる通常BGMデータ306bには、各小節(第1〜第4小節)毎に、リズム、メロディ、バッキング(伴奏)等が異なる10パターンの音声データが用意されている(図8参照)。MPU221は、通常BGMを再生するときに、小節毎に、その小節に対して用意された10パターンの音声データの中から、その小節の再生に使用するパターンを、その時の通常BGMパターンカウンタ223dの値に基づいて、通常BGMパターンテーブル222bから決定する。
通常BGMパターンカウンタ223dはループカウンタにて構成され、その更新は、メイン処理(図22参照)の中で繰り返し実行されるS1914の処理にて行われる。通常BGMパターンカウンタ223dの更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。また、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図21参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「0」が設定される。
ここで、図9を参照して、通常BGMパターンテーブル222bの詳細について説明する。図9は、通常BGMパターンテーブル222bを模式的に示した模式図である。通常BGMパターンテーブル222bには、第1パターン〜第10パターンのそれぞれに対して1つずつの通常BGMパターンテーブルが用意されている。具体的には、通常BGMパターンテーブル222bは、第1パターンに対応する第1パターン用通常BGMパターンテーブル222b0から、第10パターンに対応する第10パターン用通常BGMパターンテーブル222b9の10種類の通常BGMパターンテーブルを有している。図9(a)は、その第1パターン用通常BGMパターンテーブル222b0を模式的に示した模式図であり、図9(b)は、第5パターン用通常BGMパターンテーブル222b4を模式的に示した模式図であり、図9(c)は、第10パターン用通常BGMパターンテーブル222b6を模式的に示した模式図である。
MPU221は、これから再生する小節で使用されるパターンを決定する場合に、その決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンに対応する通常BGMパターンテーブルを第1パターン用通常BGMパターンテーブル222b0〜第10パターン用通常BGMパターンテーブル222b9の中から選択する。例えば、決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンが第1パターンであれば、第1パターン用通常BGMパターンテーブル222b0が選択される。決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンが第5パターンであれば、第5パターン用通常BGMパターンテーブル222b4が選択される。決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンが第10パターンであれば、第10パターン用通常BGMパターンテーブル222b9が選択される。
各通常BGMパターンテーブル222b0〜222b9はそれぞれ、通常BGMパターンカウンタ223dが取り得る値に対して、決定すべきパターンの番号(決定すべきパターンが第1パターンであれば「1」、第2パターンであれば「2」、・・・、第10パターンであれば「10」)が割り当てられている。MPU221は、これから再生する小節で使用されるパターンを決定する場合に、上述の方法によって通常BGMパターンテーブルを第1パターン用通常BGMパターンテーブル222b0〜第10パターン用通常BGMパターンテーブル222b9の中から選択すると、その選択した通常BGMパターンテーブルにおいて、そのときの通常BGMパターンカウンタ223dの値に対して割り当てられたパターンの番号から、これから再生する小節で使用されるパターンを決定する。例えば、割り当てられたパターンの番号が「1」であれば、これから再生する小節で使用されるパターンを第1パターンに決定し、割り当てられたパターンの番号が「10」であれば、これから再生する小節で使用されるパターンを第10パターンに決定する。
ここで、第1パターン用通常BGMパターンテーブル222b0では、図9(a)に示す通り、通常BGMパターンカウンタ223dの値「0」〜「3」に対して第1パターンを示す「1」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「4」〜「23」に対して第2パターンを示す「2」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「24」〜「39」に対して第10パターンを示す「10」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「40」〜「53」に対して第3パターンを示す「3」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「54」〜「65」に対して第9パターンを示す「9」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「66」〜「75」に対して第4パターンを示す「4」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「76」〜「83」に対して第8パターンを示す「8」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「84」〜「91」に対して第5パターンを示す「5」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「92」〜「95」に対して第7パターンを示す「7」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「96」〜「99」に対して第6パターンを示す「6」が割り当てられている。
即ち、決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンが第1パターンである場合、決定対象の小節で使用するパターンとして、20/100の確率で第2パターンが選択され、16/100の確率で第10パターンが選択され、14/100の確率で第3パターンが選択され、12/100の確率で第9パターンが選択され、10/100の確率で第4パターンが選択され、8/100の確率で第8パターンが選択され、8/100の確率で第5パターンが選択され、4/100の確率で第7パターンが選択され、4/100の確率で第6パターンが選択され、4/100の確率で第1パターンが選択される。
また、第5パターン用通常BGMパターンテーブル222b4では、図9(b)に示す通り、通常BGMパターンカウンタ223dの値「0」〜「3」に対して「5」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「4」〜「23」に対して「6」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「24」〜「39」に対して「4」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「40」〜「53」に対して「7」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「54」〜「65」に対して「3」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「66」〜「75」に対して「8」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「76」〜「83」に対して「2」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「84」〜「91」に対して「9」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「92」〜「95」に対して「1」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「96」〜「99」に対して「10」が割り当てられている。
即ち、決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンが第5パターンである場合、決定対象の小節で使用するパターンとして、20/100の確率で第6パターンが選択され、16/100の確率で第4パターンが選択され、14/100の確率で第7パターンが選択され、12/100の確率で第3パターンが選択され、10/100の確率で第8パターンが選択され、8/100の確率で第2パターンが選択され、8/100の確率で第9パターンが選択され、4/100の確率で第1パターンが選択され、4/100の確率で第10パターンが選択され、4/100の確率で第5パターンが選択される。
また、第10パターン用通常BGMパターンテーブル222b4では、図9(c)に示す通り、通常BGMパターンカウンタ223dの値「0」〜「3」に対して「10」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「4」〜「23」に対して「1」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「24」〜「39」に対して「9」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「40」〜「53」に対して「2」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「54」〜「65」に対して「8」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「66」〜「75」に対して「3」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「76」〜「83」に対して「7」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「84」〜「91」に対して「4」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「92」〜「95」に対して「6」が割り当てられ、通常BGMパターンカウンタ223dの値「96」〜「99」に対して「5」が割り当てられている。
即ち、決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンが第10パターンである場合、決定対象の小節で使用するパターンとして、20/100の確率で第1パターンが選択され、16/100の確率で第9パターンが選択され、14/100の確率で第2パターンが選択され、12/100の確率で第8パターンが選択され、10/100の確率で第3パターンが選択され、8/100の確率で第7パターンが選択され、8/100の確率で第4パターンが選択され、4/100の確率で第6パターンが選択され、4/100の確率で第5パターンが選択され、4/100の確率で第10パターンが選択される。
このように、第1パターン用通常BGMパターンテーブル222b0,第5パターン用通常BGMパターンテーブル222b4,第10パターン用通常BGMパターンテーブル222b9によって、決定対象となる小節の1つ前の小節が第1パターン、第5パターン、第10パターンのいずれかであった場合、その1つ前の小節で使用されているパターンのリズムやバッキングに対して、使用されるリズムやバッキングが聴覚的に近いパターンほど、決定対象の小節で使用されるパターンとして確率的に決定されやすくなっている。また、その他のパターンに対応する通常BGMパターンテーブルにおいても、決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンのリズムやバッキングに対して、使用されるリズムやバッキングが聴覚的に近いパターンほど、決定対象の小節で使用されるパターンとして確率的に決定されやすいように、通常BGMパターンカウンタ223dの取り得る値に対してパターンの番号が割り当てられている。
決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンのリズムやバッキングに対して、使用されるリズムやバッキングが聴覚的に近いパターンほど、決定対象の小節で使用されるパターンとして確率的に決定されやすくすることで、小節にまたがってリズムやバッキングが大きく異なることが頻発することを抑制できる。よって、通常BGMを再生する場合に、小節毎にリズムやバッキング等が異なるパターンが選択されるように構成したとしても、通常BGMを一連のメロディとして聴かせることができる。
一方で、第1パターン用通常BGMパターンテーブル222b0〜第10パターン用通常BGMパターンテーブル222b9のそれぞれは、第1パターン〜第10パターンの10種類のパターンを決定可能に構成されており、決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンのリズムやバッキングに対して、使用されるリズムやバッキングが聴覚的に遠いパターンであっても、決定対象となる小節のパターンとして決定される。これにより、通常BGMの再生中にリズムやバッキング等が大きく変化するポイントを形成することができ、通常BGMがループ再生されても、長時間何度聴いても飽きのこないBGMを遊技者に聴かせることができる。また、リズムやバッキング等が大きく変化するポイントを形成することで、遊技者に通常BGMへ気持ちを向けやすくすることができる。
また、第1パターン用通常BGMパターンテーブル222b0〜第10パターン用通常BGMパターンテーブル222b9のそれぞれは、決定対象となる小節で使用されるパターンとして、その決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンと同一のパターンが選択される確率が、最も低くなるように構成されている。これにより、通常BGMが再生される場合に、複数の小節で連続してリズムやバッキングが同じパターンが再生される頻度が低くなり、小節毎に異なるリズムやバッキングで再生される可能性が高くなるので、より多彩なメロディを遊技者に聴かせることができる。
なお、各通常BGMパターンテーブルにおける上記した各々のパターンが選択される確率そのものは一例であり、決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンのリズムやバッキングに対して、使用されるリズムやバッキングが聴覚的に近いパターンほど、決定対象の小節で使用されるパターンとして確率的に決定されやすいように、通常BGMパターンテーブルが構成されていれば、各々のパターンが決定される確率は任意の値となってもよい。
また、本実施形態では、各通常BGMパターンテーブルにおいて、決定対象となる小節で使用されるパターンとして、その決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンと同一のパターンが選択される確率が、最も低くなるように構成したが、必ずしもこれに限られることはなく、決定対象となる小節で使用されるパターンとして、その決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンと同一のパターンが選択される確率が、他のパターンのうち一部のパターンが選択される確率よりも低くなるように、各通常BGMパターンテーブルが構成されてもよい。これによっても、通常BGMが再生される場合に、複数の小節で連続してリズムやバッキングが同じパターンが再生される頻度は低いため、小節毎に異なるリズムやバッキングで再生される可能性が高くなり、より多彩なメロディを遊技者に聴かせることができる。
また、本実施形態では、決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンのリズムやバッキングに対して、使用されるリズムやバッキングが聴覚的に近いパターンほど、決定対象の小節で使用されるパターンとして確率的に決定されやすいように、通常BGMパターンテーブルが構成される場合について説明するが、決定対象の小節で使用されるパターンとして決定される各パターンの確率は、任意に設定されてもよい。この場合、小節にまたがってリズムやバッキングが大きく異なることが頻発することも生じ得るが、1ループ分の通常BGMが再生される度に、遊技者に異なるパターンを聴かせることができるので、通常BGMがループされる感覚を無くし、長時間何度聴いても飽きがなく、常に新しさを遊技者に感じさせることができる。
また、本実施形態では、各小節で共通して用意した第1パターンから第10パターンのそれぞれに対応する通常BGMパターンテーブルを用意する場合について説明するが、これに代えて、第1〜第4小節それぞれについて、第1パターンから第10パターンそれぞれに対応する通常BGMパターンテーブルを用意してもよい。即ち、第1小節用の第1〜第10パターン用通常BGMパターンテーブルと、第2小節用の第1〜第10パターン用通常BGMパターンテーブルと、第3小節用の第1〜第10パターン用通常BGMパターンテーブルと、第4小節用の第1〜第10パターン用通常BGMパターンテーブルとを用意してもよい。この場合、決定対象となる小節の1つ前の小節(例えば、決定対象となる小節が第1小節の場合、1つ前の小節は第4小節)に対応する第1〜第10パターン用通常BGMパターンテーブルの中から、その1つ前の小節で使用されているパターンに対応する通常BGMパターンテーブルを選択し、そのときの通常BGMパターンカウンタ223dの値に対応付けられた番号から、決定対象となる小節で使用するパターンを決定する。このように、第1〜第4小節それぞれについて、第1パターンから第10パターンそれぞれに対応する通常BGMパターンテーブルを用意することにより、各々の小節で各パターンが決定される確率を設定することができる。よって、各小節間でリズムやバッキングが変わることによる聴覚的な変更が大きくなる頻度を調整することができるので、通常BGMを再生する場合に、小節毎にリズムやバッキング等が異なるパターンが選択されるように構成したとしても、遊技者に対して通常BGMを違和感なく一連のメロディとして聴かせることができる。
なお、本実施形態に代えて、各小節毎に用意されるパターンの数が小節毎に異なってもよいことは上述したが、この場合、第1〜第4小節それぞれについて、その小節に用意されたパターンのそれぞれに対応する通常BGMパターンテーブルを用意してもよい。即ち、第1小節に第1パターン〜第5パターンの5パターン、第2小節に第1パターンから第10パターンの10パターン、第3小節に第1パターンから第8パターンの8パターン、第4小節に第1パターンから第12パターンの12パターンある場合は、第1小節用の第1〜第5パターン用通常BGMパターンテーブルと、第2小節用の第1〜第10パターン用通常BGMパターンテーブルと、第3小節用の第1〜第8パターン用通常BGMパターンテーブルと、第4小節用の第1〜第12パターン用通常BGMパターンテーブルとを用意してもよい。
この場合、各通常BGMパターンテーブルを以下のように構成してもよい。即ち、第1小節用の第1〜第5パターン用通常BGMパターンテーブルのそれぞれは、第2小節で使用するパターンを決定するために、第1〜第10パターンを示す1〜10の番号が通常BGMパターンカウンタ223dの取り得る値に割り当てられる。第2小節用の第1〜第10パターン用通常BGMパターンテーブルのそれぞれは、第3小節で使用するパターンを決定するために、第1〜第8パターンを示す1〜8の番号が通常BGMパターンカウンタ223dの取り得る値に割り当てられる。第3小節用の第1〜第8パターン用通常BGMパターンテーブルのそれぞれは、第4小節で使用するパターンを決定するために、第1〜第12パターンを示す1〜12の番号が通常BGMパターンカウンタ223dの取り得る値に割り当てられる。第4小節用の第1〜第12パターン用通常BGMパターンテーブルのそれぞれは、第1小節で使用するパターンを決定するために、第1〜第5パターンを示す1〜5の番号が通常BGMパターンカウンタ223dの取り得る値に割り当てられる。
このように構成した各通常BGMパターンテーブルを用い、決定対象となる小節の1つ前の小節に用意された各パターンに対応する通常BGMパターンテーブルの中から、その1つ前の小節で使用されているパターンに対応する通常BGMパターンテーブルを選択し、そのときの通常BGMパターンカウンタ223dの値に対応付けられた番号から、決定対象となる小節で使用するパターンを決定することで、各小節毎に用意されるパターンの数が小節毎に異なっている場合においても、各小節毎に使用するパターンを変更しながら通常BGMを再生することができる。
さて、本実施形態では、通常BGMを再生する場合、次の小節の再生を開始する直前にその小節において使用するパターンを決定し、その決定したパターンを示す情報を含めて、音出力LSIにその小節の再生開始を設定する。つまり、これから再生する小節で使用されるパターンの決定は、その小節の再生開始直前に行われる。よって、パターンの決定対象となる小節(即ち、次の小節)の1つ前の小節は現在再生中の小節であり、そのパターンの決定に用いる通常BGMパターンテーブルの選択は、現在再生中の小節で使用されているパターンに対応する通常BGMパターンテーブルを選択することになる。
ただし、これから再生する小節で使用されるパターンの決定は、その小節の再生開始前であればどのタイミングでもよい。パターンの決定のタイミングが、決定対象となる小節の一つ前の小節が再生されている期間内に行われる場合は、そのパターンの決定に用いる通常BGMパターンテーブルの選択は、現在再生中の小節で使用されているパターンに対応する通常BGMパターンテーブルを選択すればよい。また、パターンの決定のタイミングが、決定対象となる小節の二つ前の小節が再生されている期間内に行われる場合は、そのパターンの決定に用いる通常BGMパターンテーブルの選択は、現在再生中の小節の次の小節に対して決定されたパターンに対応する通常BGMパターンテーブルを選択すればよい。
なお、通常BGMそのものの再生を開始する場合において最初に再生する第1小節で使用するパターンを決定するときには、1つ前の小節が再生されていない。そこで、本実施形態では、第1パターン用通常BGMパターンテーブル222b0を選択する。ただし、任意のパターンに対応する通常BGMパターンテーブルを固定的に選択してもよいし、第1パターン〜第10パターンのいずれかに対応する通常BGMパターンテーブルをその時々で選択してもよい。その時々で使用する通常BGMパターンテーブルを選択すれば、選択されるパターンの偏りが抑制されるので、通常BGMの再生開始からいろんなパターンの通常BGMを遊技者に聴かせることができる。
なお、第1〜第4小節それぞれについて、第1パターンから第10パターンそれぞれに対応する通常BGMパターンテーブルが用意されている場合において、通常BGM再生開始時の最初に再生する第1小節で使用するパターンを決定するときは、第4小節の第1パターン〜第10パターンのそれぞれに対応する通常BGMパターンテーブルの中から1の通常BGMパターンテーブルを固定的に選択してもよいし、第4小節の第1パターン〜第10パターンのいずれかに対応する通常BGMパターンテーブルをその時々で選択してもよい。
また、通常BGMそのものの再生を開始する場合において最初に再生する第1小節で使用するパターンを決定するときは、通常BGMパターンテーブルを使用せずに、第1パターン〜第10パターンのうちの任意のパターンを固定的に決定してもよいし、第1パターン〜第10パターンの中からその時々で選択して決定してもよい。
図5に戻り、説明を続ける。保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数をカウントし、保留球数カウンタ223aにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への入球によって変動演出の保留球数が追加され、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を保留球数カウンタ223aに格納する(図23のS2007参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動表示の態様を設定すると、保留球数カウンタ223aの値を1減算する(図24のS2107参照)。このように、主制御装置110より送信されるコマンドに従って、保留球数カウンタ223aの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、その値を更新することができる。
保留球数カウンタ223aの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数を保留球数カウンタ223aに格納したり、変動パターンコマンド等の受信に応じて保留球数カウンタ223aの値を更新したりするタイミングで、格納後もしくは更新後の保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する(図36のS2951参照)。上述したように、保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
表示種別フラグ223bは、第3図柄表示装置81にて表示される画像の表示種別を示すフラグである。上述した通り、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114より、表示種別コマンドを受信する。表示種別コマンドは、第3図柄表示装置81においてこれから表示される表示内容(表示種別)を音声ランプ制御装置113に対して通知するコマンドである。通常時、表示種別フラグ223bには「オフ」が設定される。一方、表示制御装置114より表示種別コマンドが受信されると、表示種別フラグ223bには、その表示種別コマンドにて示される表示種別が設定される(図25)。なお、表示種別フラグ223bは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図21参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値として「オフ」が設定される。
MPU221は、表示種別フラグ223bに表示種別が設定されると、メイン処理で1ミリ秒毎に実行される音編集処理(図22のS1907)において、その表示種別フラグ223bに設定された表示種別に対応する音声を出力するように、音出力LSI301を制御する処理を実行する(図26,27参照)。また、メイン処理にて、音編集処理の前に実行されるランプ編集処理(図22のS1906)においても、その表示種別フラグ223bに設定された表示種別に対応してランプ表示装置227(電飾部29〜33)のランプを点灯・点滅表示させる制御を実行する。これにより、第3図柄表示装置81に表示された画像にあわせて、ランプ表示装置227を点灯・点滅させたり、音声出力装置226から音を出力させたりすることができる。
表示種別フラグ223bは、音編集処理にて、設定された表示種別に対応する音声の出力制御がなされると、「オフ」に設定される。
再生時間カウンタ223cは、通常BGMの再生時間を計数し、1小節分の再生が行われたか否かを判断するためのカウンタである。通常BGMの再生開始が設定されると、再生時間カウンタ223cは「0」の初期化される(図27のS2314)。そして、メイン処理(図22)の中で1ミリ秒毎に実行されるカウンタ更新処理(S1910)において、再生時間カウンタ223cが1加算される。つまり、再生時間カウンタ223cは、1ミリ秒毎に1ずつカウントアップされる。
そして、再生時間カウンタ223cの値に基づき、通常BGMの再生が1小節分進んだか否かが判断され(図27のS2315)、1小節分進んだと判断された場合に、次に再生する小節で使用するパターンを決定し、決定したパターンの再生開始を音出力LSI301に設定する(S2316〜S2318)。そして、再び再生時間カウンタ223cは「0」に初期化され(S2319)、1ミリ秒毎に1ずつカウントアップされて、通常BGMの1小節分の再生時間を計数する。
なお、再生時間カウンタ223cは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図21参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値として「0」が設定される。ただし、再生時間カウンタ223cは、通常BGMの再生開始が行われる時点で「0」に初期化されるので、初期値設定処理(S1810)では再生時間カウンタ223cを任意の値に設定してもよいし、または、初期値設定処理における再生時間カウンタ223cの初期化を省略してもよい。
また、本実施形態では、再生時間カウンタ223cを「0」に初期化して1ミリ秒毎に1ずつカウントアップしてく場合について説明するが、カウントアップする時間間隔は1ミリ秒毎でなくてもよく、任意の時間間隔であってよい。また、カウントアップする数(幅)は任意のものであってよい。また、カウントアップするのではなく、再生時間カウンタ223cに1小節分の再生時間に対応する値を設定し、1ずつ、または、所定数ずつ、所定時間間隔毎にカウントダウンしてもよい。そして、再生時間カウンタ223cが「0」または所定数に達した時点で、通常BGMが1小節分進んだと判断してもよい。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、表示制御装置114より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶する表示コマンド記憶領域(図示せず)、変動表示を開始すべきか否かを示す変動開始フラグ(図示せず)などを有している。
なお、コマンド記憶領域及び表示コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図23参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。また、音声ランプ制御装置113の表示コマンド判定処理(図25参照)が実行されると、表示コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、表示コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
変動開始フラグは、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図23のS2004参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図24のS2102参照)。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄の変動表示(変動演出)等、第3図柄表示装置81の表示を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図10を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図18参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図10を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図10は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、プログラムROM232と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入出力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを少なくとも有している。
入出力ポート238には音声ランプ制御装置113が接続されており、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113によって決定された第3図柄表示装置81の演出の態様(表示態様)を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信すると共に、表示制御装置114の制御によって実際に第3図柄表示装置81に表示する表示内容を通知する表示種別コマンド等を音声ランプ制御装置113へ送信する。
入出力ポート238には、また、バスライン240を介して、MPU231、プログラムROM232、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237が接続されている。画像コントローラ237には、ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から入力されたコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。プログラムROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。また、プログラムROM232は、表示データテーブル格納エリア232aと、追加データテーブル格納エリア232bとを少なくとも有している。
表示データテーブル格納エリア232aは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる演出毎に用意された表示データテーブルが格納される領域である。表示データテーブルは、その表示データテーブルに対応した演出において、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載したものである。MPU231は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに従って第3図柄表示装置81に表示させる演出を特定し、その演出に対応する表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出す。そして、その読み出した表示データテーブルに従って、第3図柄表示装置81の表示を制御する。
ここで、表示データテーブルの詳細について説明する。表示データテーブルは、音声ランプ制御装置113からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、デモ演出、確定表示演出、再始動演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
なお、デモ演出は、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
確定表示演出は、変動演出後に音声ランプ制御装置113を介して、主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することによって停止図柄を確定表示する場合に第3図柄表示装置81に表示される演出である。例えば、停止図柄が外れ図柄である場合は、外れを強調する演出が行われ、停止図柄が15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれかである場合は、それぞれの大当たりが強調される演出が行われる。遊技者は、この確定表示演出を視認することで、停止図柄の内容によって付与される遊技価値を容易に判断することができる。
再始動演出は、変動パターンコマンドにより示された変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから主制御装置110から送信される確定コマンドが受信されるまでの間に、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
表示データテーブル格納エリア232aには、デモ演出及び再始動演出に対応する表示データテーブルがそれぞれ1つずつ格納される。変動演出用の表示データテーブルである変動用表示データテーブルは、設定される変動演出パターンに応じて、1テーブルずつ用意される。また、確定表示演出に対応する表示データテーブルとしては、停止図柄として外れ図柄を確定表示させるものと、確変大当たり(15R確変大当たり又は2R確変大当たり)を確定表示させるものと、通常大当たり(15R通常大当たり)を確定表示させるものとが、それぞれ用意されている。
ここで、図11を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図11は、表示データテーブルのうち、変動用表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、人物や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報及びフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者が枠ボタン22を操作することによって選択されているステージ(「町中ステージ」、「海ステージ」、「山ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応して、どの状態の背面画像を表示すべきかを示す表示状態情報とを規定するようにしてもよい。背面画像は、時間の経過と共に表示範囲や、明るさ、色合いなどが変化して表示される。この表示状態情報は、例えば、初期状態の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像を、表示状態情報により示される初期状態の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、表示状態情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、この表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像を、表示データテーブルに基づき画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の状態と、表示状態情報により示される該画像の描画(もしくは、該画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、表示状態情報は、背面種別に応じて、初期状態に対応する背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報及び表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別及び表示状態情報と共に、その表示状態情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、表示状態情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、第3図柄に割り当てられた固有の識別番号が記載されている。本実施形態では、第3図柄の一つ一つに、それぞれを識別するための固有の識別番号を付している。例えば、「0」の主図柄には識別番号として「0」が付され、「1」の主図柄には識別番号として「1」が付され、「2」の主図柄には識別番号として「2」が付されている。
また、変動が開始されてから所定時間が経過するまでの第3図柄の図柄種別情報としては、第3図柄の識別情報を直接規定するのではなく、1つ前に行われた変動演出の停止図柄の識別番号とのオフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に対して付された識別番号の差分を表す情報である。
変動が開始されてから所定時間が経過するまでの第3図柄の図柄種別情報として、オフセット情報を規定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためである。変動が開始されてから所定時間経過するまでは、各アドレスにおける図柄種別情報として、そのアドレスに対応する時間に表示すべき第3図柄の識別情報と1つ前に行われた変動演出の停止図柄の識別情報との差分(オフセット情報)を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出を開始することができる。
また、変動が開始されてから所定時間が経過した後の第3図柄の図柄種別情報としては、今回行われている変動演出の停止図柄の識別番号とのオフセット情報が記載される。変動演出の停止図柄は、表示制御装置114において音声ランプ制御装置113より表示用停止種別コマンドを受信することにより、その表示用停止種別コマンドで示される停止種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に基づいて決定される。変動が開始されてから所定時間が経過した後の第3図柄の図柄種別情報として、今回行われている変動演出の停止図柄の識別番号とのオフセット情報が記載されることにより、表示制御装置114にて表示用停止種別コマンドに基づき都度設定された停止図柄で第3図柄が停止表示(確定表示)されるように、変動演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、図柄種別情報として、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報から、実際に表示する第3図柄の識別番号そのものに切り換えられる前記所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルでは、描画内容のほかに、一部のアドレスにおいて、これから第3図柄表示装置81に表示させる画像の表示内容を規定している。例えば、高速変動を表示させる場合は、表示内容として「高速変動表示」と規定し、女の子のキャラクタ画像を表示させる場合には、表示内容として「女の子キャラクタ表示」と規定し、発光エフェクト画像を表示させる場合は、表示内容として「発光エフェクト表示」と規定する。ノーマルリーチを表示させる場合は、表示内容として、そのノーマルリーチの種別とあわせて「ノーマルリーチ」を規定する。スーパーリーチを表示させる場合は、表示内容として、そのスーパーリーチの種別とあわせて「スーパーリーチ」を規定する。スペシャルリーチを表示させる場合は、表示内容として、そのスペシャルリーチの種別とあわせて「スペシャルリーチ」を規定する。
表示制御装置114は、この表示データテーブルに規定される表示内容に基づいて、第3図柄表示装置81に表示される表示内容(表示種別)を通知する表示種別コマンドを生成し、音声ランプ制御装置113に対して送信する。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図11の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定する。その選定した表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、ワークRAM233に設けられた後述の表示データテーブルバッファ233aに格納すると共に、ポインタ233cを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233cを1加算し、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図13参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対しその画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233cの更新に従って、表示データテーブルで規定されたアドレス順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
また、ポインタ233cが示すアドレスに表示内容が規定されている場合は、その表示内容に従って、その表示内容(表示種別)を表す表示種別コマンドを生成し、その表示種別コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81の表示内容(表示種別)が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示種別コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力する制御が行われる。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出を決定するためである。これに対し、パチンコ機などの遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
図10に戻り説明を続ける。追加データテーブル格納エリア232bは、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出に対し、追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出の表示内容を規定した追加データテーブルを格納する領域である。追加データテーブル格納エリア232bには、追加して表示される演出毎に追加データテーブルが用意され、格納されている。
ここで、「一の演出に対し、追加」するとは、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出の表示内容を変更することを意味し、例えば、一の演出において通常は表示されない画像を表示させて、その一の演出に別の演出を重ねて表示させたり、その一の演出における一部又は全部の色調を変化させたり、一の演出において表示される画像を変更したりする概念を含むものである。
即ち、追加データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に対して、通常は表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容や、その一の演出における一部又は全部の色調を変化させるために必要な描画内容、また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものである。
図12を参照して、追加データテーブルの詳細について説明する。図12は、追加データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。追加データテーブルでは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に追加表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)が詳細に規定されている。描画内容には、1フレーム分の画像に追加表示すべき表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
図12の例では、表示データテーブルにおいて規定されるアドレス「0097H」に対応付けて、1つのキャラクタ(キャラクタ1:可動役物の画像に相当)に対して、スプライト種別(キャラクタ種別:第1役物、第2役物・・・等)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスによって示される時間に、追加表示すべき表示物が存在しない場合は、追加データテーブルでは、そのアドレスに対応する追加すべき表示物が存在しないことを意味するNullデータが規定される(図12のアドレス「0001H」が該当)。
なお、追加データテーブルによって規定される表示内容としては、例えば、主制御装置110からの変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)に基づき選定された変動用表示データテーブルによって表示される変動演出に対して追加して表示される、予告演出画像を表示するための表示内容が追加データテーブルによって規定される。
また、追加データテーブルでは、表示データテーブルと同様に、上述した描画内容のほかに、一部のアドレスにおいて、これから第3図柄表示装置81に表示させる画像の表示内容を規定してもよい。例えば、「魚群」を使用した予告演出を追加して表示する場合は、表示内容として「魚群」を規定してもよい。
追加データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、追加データテーブルの最終アドレス(図12の例では、「00FDH」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その追加データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信し、先に表示が開始された演出に対してこの受信したコマンドにより追加して演出を表示することが決定されると、その追加する演出に対応した追加データテーブルを追加データテーブル格納エリア232bから読み出して、後述するワークRAM233の追加データテーブルバッファ233bに格納する。
そして、ポインタ233cの更新毎に、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容を特定し、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図13参照)を作成する。
例えば、図12の例では、ポインタ233gが「0097H」となった場合に、MPU231は、表示データテーブルのアドレス「0097H」に規定された各種スプライトに、追加データテーブルのアドレス「0097H」に規定されたキャラクタ1のスプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。一方、ポインタ233cが「0001H」である場合、追加データテーブルのアドレス「0001H」には、Nullデータが規定されているので、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルのアドレス「0001H」に規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。
また、追加データテーブルにおいてポインタ233cが示すアドレスで規定される情報が「End」情報であった場合、また、ポインタ233cが追加データテーブルに規定されていないアドレスを指示するものであった場合(例えば、図12の例では、ポインタ233cが「00FEH」以降のアドレスを示すような場合)にも、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルに規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。
そして、画像コントローラ237に生成した描画リストを送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233cの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されると共に、追加データテーブルで規定された描画内容が追加されるので、その表示データテーブルと追加データテーブルとで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
また、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルにおいて、ポインタ233cが示すアドレスに表示内容が規定されていた場合は、その表示内容(表示種別)を表す表示種別コマンドを生成し、その表示種別コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81に追加して表示される演出の表示内容(表示種別)が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示種別コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力する制御が行われる。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像(例えば、変動演出画像)に追加して、他の演出画像(例えば、第1役物を模した画像)を表示させる場合に、その追加して表示させる他の演出画像に対応する追加データデーブルを追加データテーブルバッファ233bに設定することで、容易にその演出画像をベースの演出画像に追加して表示させることができる。これにより、例えば、元の演出画像が32種類あり、追加して表示させる他の演出画像が2種類ある場合において、仮に、元の演出画像毎に他の演出画像を重ねた画像を規定した表示データテーブルを別途用意すれば、32×(1+2)=96種類の表示データテーブルを用意しなければならないところ、本パチンコ機10のように、他の演出画像に対応するデータテーブルを追加データテーブルとして別に規定することで、32+2=34種類の表示及び追加データテーブルを用意すればよく、ROM232の容量増大を抑制することができる。よって、ROM232に用意された容量の中で多種態様な演出態様に対応したデータテーブルを格納することもでき、演出画像の更なる多種多様化を容易に図ることができる。
また、本パチンコ機10のように、追加して表示させる他の演出画像を追加データテーブルとして規定することによって、元の演出画像に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定した後に、追加して表示させる他の演出画像の表示を決定した場合であっても、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルを変更することなく、他の演出画像に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233bに設定するだけで、その追加して表示させる他の演出画像が元の演出画像に追加して容易に表示させることができる。
また、追加データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有して構成されているので、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに設定された追加データテーブルとから、時間毎にポインタ233cを更新しながらそのポインタに示されるアドレスに規定された描画内容をそれぞれ容易に特定することができると共に、これらから1つのフレームに対応する1つの描画リストを容易に生成することができる。よって、主制御装置110からのコマンドに基づいて行われる演出に追加して、音声ランプ制御装置113などによってその他の演出の表示を決定した場合でもあっても、その追加して表示すべき演出の表示内容を追加データテーブルで規定することによって、少ないデータテーブルから多種多様な演出表示を容易に行うことができる。
図10に戻り、説明を続ける。ワークRAM233は、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。このワークRAM233は、表示データテーブルバッファ233a、追加データテーブルバッファ223b、ポインタ233c、描画リストエリア233d、計時カウンタ233eを少なくとも有している。
表示データテーブルバッファ233aは、主制御装置113からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定し、その演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア223aから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに格納する。
そして、MPU231は、ポインタ233cを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233cで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図13参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
また、ポインタ233cで示されるアドレスに表示内容が規定されている場合は、その表示内容(表示種別)を表す表示種別コマンドを生成し、その表示種別コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81の表示内容が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示種別コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力する制御が行われる。
追加データテーブルバッファ233bは、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出に対応する追加データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに表示データテーブルを格納するのに合わせて、一旦、追加データテーブルバッファ233bに追加して表示すべき表示物がないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
その後、MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づいて、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出の有無を判断し、追加して表示させる演出がある場合は、その演出態様に対応する追加データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233bに格納する。
そして、MPU231は、ポインタ233cを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233cで示されるアドレスに規定された描画内容と、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルにおいてそのポインタ233cで示されるアドレスに規定された描画内容とに基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図13参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出に、追加データテーブルに対応する演出が追加して表示される。
また、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルにおいて、ポインタ233cで示されるアドレスに表示内容が規定されている場合は、その表示内容(表示種別)を表す表示種別コマンドを生成し、その表示種別コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81に追加して表示される演出の表示内容(表示種別)が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示種別コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力する制御が行われる。
また、追加データテーブルバッファ233bに追加データテーブルが格納されなかった場合、追加データテーブルバッファ233bにはNullデータが格納されているので、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出がそのまま表示される。
ポインタ233cは、表示データテーブルバッファ233a、追加データテーブルバッファ233bの各バッファに格納された表示データテーブル及び追加データテーブルから、対応する描画内容を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233cを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理の中で、ポインタ更新処理が実行され(図34のS2905,図37参照)、ポインタ233cの値が1ずつ加算される(図37のS2981参照)。
MPU231は、このようなポインタ233cの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図13参照)を作成する。
これにより、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示されると共に、追加データテーブルバッファ233bに追加データテーブルが格納されている場合は、その追加データテーブルに対応する演出が、表示データテーブルに対応する演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、表示データテーブルバッファ233aに格納する表示データテーブルや、追加データテーブルバッファ233bに格納する追加データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。
また、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルとにおいて、ポインタ233cが示すアドレスに表示内容が規定されている場合は、その表示内容(表示種別)を表す表示種別コマンドを生成し、その表示種別コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81に表示される演出の表示内容(表示種別)が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示種別コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力する制御が行われる。
従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
描画リストエリア233dは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルとに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図13を参照して、描画リストの詳細について説明する。図13は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図13に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているアドレスが記述されており、画像コントローラ237は、キャラクタROM234に設けられた後述のキャラクタ記憶エリア234aのそのアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報及びフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、キャラクタROM234より読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、ビデオRAM236に展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブル及び追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルにおいて、ポインタ233cによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納アドレスは、表示データテーブル及び追加データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されるキャラクタ記憶エリア234aのエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されているアドレスを即座に特定し、その情報を、描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報及びフィルタ指定情報)について、表示データテーブル及び追加データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトを最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトを最も前面側に配置させることができるのである。
図10に戻って、説明を続ける。計時カウンタ233eは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図30(b)参照)の表示設定処理(S2603,図34参照)が実行される度に、計時カウンタ233eが1ずつ減算される(S2907)。その結果、計時カウンタ233eの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
キャラクタROM234は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)といった各スプライトの画像データが記憶されたキャラクタ記憶エリア234aを備えている。キャラクタ記憶エリア234aには、記憶するデータ量を少なくするために、上記の画像データが圧縮形式のデータで記憶されている。本実施形態では、圧縮前の画像データは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトの画像データが、約768Mバイトに圧縮されて、キャラクタ記憶エリア234aに記憶されている。
ビデオRAM236は、第3図柄表示装置81に表示される1フレーム分の画像を記憶するフレームバッファ領域を2フレーム分有するメモリである。
画像コントローラ236は、描画リストに従って、1フレーム分の画像データを生成して、ビデオRAM236の一方のフレームバッファ領域に書き込むと共に、ビデオRAM236の他方のフレームバッファ領域に書き込まれた1フレーム分の画像データを読み出して、読み出した画像データを、出力ポート239を介して第3図柄表示装置81へ出力することで、複数のフレーム画像を連続して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
画像コントローラ237は、描画リストに記述された順番に従って、その描画リストで規定されたスプライトの画像データ(圧縮形式の画像データ)をキャラクタ記憶エリア234aから読み出し、その画像データを解凍した上で、描画リストにて規定された描画情報に従って加工処理を行い、描画リストで指定された表示位置座標に、そのスプライトの画像データをビデオRAMの一方のフレームバッファ領域に書き込む。描画リストに規定された全てのスプライトについて、画像データの解凍・加工・書き込みを行うことで、1フレームで表示させる画像データが生成される。
この一方のフレームバッファ領域への1フレーム分の画像データの書き込みと、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しは、並行して行われ、いずれも20ミリ秒で完了する。そして、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しが完了すると、続いて、一方のフレームバッファ領域から先に書き込まれた1フレーム分の画像データの読み出しが行われ、その間、他方のフレームバッファ領域に対して、次の1フレーム分の画像データの書き込みが行われる。
このように、一方のフレームバッファ領域と他方のフレームバッファ領域とを、交互に、画像データの書き込みおよび画像データの読み出しを行うことによって、連続して複数のフレーム画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
次に、図14から図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図14は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S1101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S1102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203bに格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のカウンタ用バッファ203bに格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S1103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
次に、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S1104)、次いで、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S1105)。なお、変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、それぞれ図15および図17を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S1106)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S1107)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S1104)について説明する。図15は、この変動処理(S1104)を示すフローチャートである。この変動処理(S1104)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S1201)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S1201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S1201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S1202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S1202:No)、次いで、第1図柄表示装置37における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S1203)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S1203:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S1203の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S1203:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数N)が0よりも大きいか否かを判別し(S1204)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0であれば(S1204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1204の処理の結果、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0よりも大きければ(S1204:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算し(S1205)、保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフト処理する(S1206)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203cの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行し(S1207)、変動処理を終了する。なお、変動開始処理については、図16を参照して後述する。
S1202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S1202:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S1210)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S1210:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S1211)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが200に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S1210:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S1212)。停止図柄の設定は、図16を参照して後述する変動開始処理(S1207)によって予め行われる。即ち、S1206の処理により、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に15R確変大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、2R確変大当たり(最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、15R通常大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する大当たり)となる図柄かが決定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、2R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S1212の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定して(S1213)、本処理を終了する。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S1207)について説明する。図16は、変動開始処理(S1207)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S1207)は、タイマ割込処理(図14参照)の変動処理(図15参照)の中で実行され、変動処理のS1206の処理により保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定する。
変動開始処理では、まず、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する抽選(当否判定)処理を行う(S1301)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「低確率状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S1301の処理では、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S1301の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S1301:Yes)、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S1302)。この処理では、第1当たり種別カウンタC2と大当たり種別テーブル202bとによって設定される大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する15R確変大当たりか、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する2R確変大当たりか、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する15R通常大当たりか、に基づいて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、その大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で各種大当たりに対応した大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターン(変動時間)を決定する(S1303)。この変動パターンの決定は、S1302の処理で設定された大当たり種別と、変動種別カウンタCS1の値と、大当たり用変動パターンテーブル202cとに基づいて行われる。S1303の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定される。
S1301の処理で大当たりではないと判別された場合には(S1301:No)、外れ時の表示態様が設定される(S1304)。S1304の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S1305)。この変動パターンの決定は、パチンコ機10の遊技状態(高確率状態か、時短中か、もしくは時短中を除く低確率状態か)と、S1302の処理で設定された停止種別と、変動種別カウンタCS1の値と、外れ用変動パターンテーブル202dとに基づいて行われる。S1305の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定される。
S1303の処理またはS1305の処理が終わると、そのS1303又はS1305の処理で決定された変動パターン種別を音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S1306)。次いで、S1302又はS1304の処理で設定された停止種別を音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S1307)。そして、変動開始処理を終了する。
S1306及びS1307の処理によって設定された変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図20)のS1701の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図17のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S1105)を説明する。図17は、この始動入賞処理(S1105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S1105)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S1401:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1402)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S1401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても保留球数N<4でなければ(S1402:No)、タイマ割込処理へ戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S1401:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S1402:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1加算し(S1403)、更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1の各値をRAM203のカウンタ用バッファ203bから読み出し、保留球格納エリア203cの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S1404)。
次いで、S1403の処理によって更新された保留球数Nを含めた保留球数コマンドを作成し(S1405)、作成した保留球数コマンドを設定して(S1406)、始動入賞処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。この保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図20)のS1701の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドに含められた保留球数Nに基づいて、音声ランプ制御装置113の中で保留球数を管理する。
図18は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1501)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図19を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図19は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1604)、オンされていれば(S1604:Yes)、処理をS1611へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1605)、記憶されていなければ(S1605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も処理をS1611へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1605:Yes)、RAM判定値を算出し(S1606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1611へ移行する。なお、図20のS1712の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1611の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1611)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1612,S1613)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。RAMの初期化処理(S1612,S1613)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1612)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1613)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1608)。次に、払出制御装置111を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1609)、S1610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1610の処理では、割込みを許可する(S1610)。そして、後述するメイン処理に移行する。
次に、図20を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図20は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1701〜S1705の各処理が実行され、その残余時間でS1708,S1709のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図14参照)の中でRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701)。具体的には、タイマ割込処理(図14参照)におけるS1101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、始動入賞処理(図17参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1702)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203bに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1703)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S1704)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1705)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1706)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1706:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1707)、既に所定時間が経過していれば(S1707:Yes)、処理をS1701へ移行し、上述したS1701以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1707:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2並びに変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1708,S1709)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1708)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2をそれぞれ1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203bにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1702の処理と同一の方法によって実行する(S1709)。S1709の処理の後、S1706の処理に戻る。
ここで、S1701〜S1705の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1706の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1706:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図18のNMI割込処理が実行されたということなので、S1710以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1710)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1711)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1712)、RAM203のアクセスを禁止して(S1713)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1706の処理は、S1701〜S1705で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1708とS1709の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1701の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図21から図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図21を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図21は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1918の電源断処理(図22参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1802)。図22を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図22のS1915参照)、S1918の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1918の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1802:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1918の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1803)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1806の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1803:Yes)、S1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1803:No)、S1808へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1803:Yes)、S1804へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1918の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1803:No)、S1808へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1802:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1918の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1804の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1804)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1805:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定し(S1806)、S1808の処理へ移行する。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1805:No)、RAM223の異常を報知して(S1807)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1808の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1808)。電源断フラグはS1918の電源断処理の実行時にオンされる(図22のS1917参照)。つまり、電源断フラグは、S1918の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1918の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1808:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1809)、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1808:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1809をスキップして、処理をS1810へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。
なお、S1809のクリア処理をスキップするのは、S1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至った場合には、S1804の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図22を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図22は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、前回S1901の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1901)、1m秒以上経過していなければ(S1901:No)、S1902〜S1910の処理を行わずにS1911の処理へ移行する。
S1901の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1902〜S1910が表示やランプ、音声の設定(即ち、演出の設定)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないためである。一方、S1911の変動表示処理、S1912のコマンド判定処理は、短い周期で実行する方が好ましい。S1912の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1911の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
なお、立ち上げ処理後、メイン処理の実行が開始されて初めてS1901の処理が実行される場合、1ミリ秒以上経過したか否かを判定せずに、そのままS1902の処理へ移行する。或いは、立ち上げ処理後、メイン処理の実行が開始されて初めてS1901の処理が実行される場合、このS1901の処理において1ミリ秒以上経過したものとして、S1902の処理へ移行してもよい。
S1901の処理で1m秒以上経過していれば(S1901:Yes)、まず、S1903〜S1912の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1906の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう電飾部29〜33の出力を設定し(S1903)、その後電源投入報知処理を実行する(S1904)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227(電飾部29〜33、表示ランプ34など)により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1905の処理へ移行する。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1905)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。
また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1905の処理は省略される。
また、変動演出において枠ボタン22の操作を必要とする演出が行われている場合、その枠ボタン22が操作された回数を、枠ボタン操作回数カウンタ223fを用いて計数する処理も枠ボタン入力監視・演出処理にて行われる。これにより、枠ボタン操作回数223fによって、枠ボタン22の操作があったことがストックされる。ここでストックされた枠ボタン22の操作は、枠ボタン22の操作があったことを報知する操作音を、BGMの拍に合わせて出力するために用いられる。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1905)を終了すると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1906)、その後、音編集処理を実行する(S1907)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するように、表示制御装置113からの表示種別コマンドに従って電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するように、表示制御装置113からの表示種別コマンドに従って音声データを復号し、音声出力装置226から復号した音を出力するよう、音出力LSI301を制御する。また、警報音の出力が設定された場合は、この音編集処理によって、警報音が音声出力装置226から出力されるよう、音出力LSI301を制御してもよい。音編集処理の詳細については、図26,27を参照して後述する。
S1907の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1909)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1906のランプ編集処理が実行される。なお、S1907の音編集処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。S1909の処理後、カウンタ更新処理を実行し(S1910)、S1911の処理へ移行する。カウンタ更新処理では、再生時間カウンタ223cや詳細変動パターン決定カウンタ223e等、MPU221が使用する各種カウンタ(ただし、通常BGMパターンカウンタ223dを除く)を更新する。
例えば、詳細変動パターン決定カウンタ223eの更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。また、再生時間カウンタ223cの更新は1を加算することによって行われる。
S1911の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために一時保存する処理である変動表示処理を実行する。この変動表示処理の詳細については、図24を参照して後述する。そして、変動表示処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1912)。このコマンド判定処理の詳細については、図23を参照して後述する。
コマンド判定処理の後、次いで、表示制御装置114より受信したコマンドを判定し、そのコマンドに応じた処理を行う表示コマンド判定処理を行う(S1913)。この表示コマンド判定処理の詳細については、図25を参照して後述する。
表示コマンド判定処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1915)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1915の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1915:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1917)、電源断処理を実行する(S1918)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1919)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1915の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1915:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1916)、RAM223が破壊されていなければ(S1916:No)、S1901の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1916:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。また、音声出力装置226から出力される音声が変化せず、ランプ表示装置227のランプの点灯・点滅も変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図23を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1912)について説明する。図23は、このコマンド判定処理(S1912)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1912)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図22参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理は、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2001)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S2001:Yes)、変動パターンコマンドから変動パターン種別(変動A〜F、2R変動のいずれか)を抽出して(S2002)、メイン処理に戻る。
ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示処理(図24参照)において、この記憶された変動パターン種別に基づき、詳細な変動パターンが決定される。そして、ここで決定された詳細な変動パターンが、表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114に対して通知され、その通知された詳細な変動パターンに従って、第3図柄表示装置81にて変動演出が行われる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S2001:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2003)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S2003:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグをオンし(S2004)、更に、その停止種別コマンドで示される停止種別を抽出して、RAM223に記憶する(S2005)。
一方、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S2003:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S2006)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S2006:Yes)、保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aに格納する(S2007)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2008の処理によって、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
また、S2007の処理の後、S2007の処理によって更新された保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S2008)。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させる。S2008の処理の後、メイン処理に戻る。
S2006の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S2006:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2011)、メイン処理に移行する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。主制御装置110より受信したデモコマンドや確定コマンドは、このS2011の処理によって、表示用デモコマンドおよび表示用確定コマンドとして設定され、表示制御装置114に送信される。また、主制御装置110より電源断コマンドを受信していた場合は、電源断の発生情報をRAM223に記憶する。
次に、図24を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示処理(S1911)について説明する。図24は、この変動表示処理(S1911)を示したフローチャートである。
この変動表示処理(S1911)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図22参照)の中で実行され、上述したように、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、また、停止種別コマンドから抽出した停止種別を表示制御装置114へ送信するための表示用停止種別コマンドを生成する処理である。また、変動演出の表示に伴って保留球数カウンタ223aの値を更新して、更新後の保留球数を表示制御装置114に通知するために表示用保留球数コマンドを設定する。
変動表示処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S2101)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2101:No)、主制御装置110より変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理に戻る。
一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S2101:Yes)、変動開始フラグをオフし(S2102)、次いで、コマンド判定処理(図23参照)のS2002の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターン種別(変動A〜F、2R変動のいずれか)と、S2005の処理において停止種別コマンドより抽出された変動演出における停止種別とを、RAM223より取得する(S2103)。
そして、詳細変動パターン決定カウンタ223eの値を読み出し、その詳細変動パターン決定カウンタ223eの値と、S2103の処理より取得した変動パターン種別および停止種別と、現在のパチンコ機10の遊技状態(通常状態、確変状態、時短状態のいずれであるか)と、詳細変動パターン決定テーブル222aとに基づいて、詳細な変動パターンを決定する(S2104)。
主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知される変動パターン種別は、変動時間のみが規定されているが、このS2104によって、その変動時間に対して用意された各種の詳細な変動パターンの中から1つの変動パターンが選択され、その選択された変動パターンが、これから実行する変動演出の詳細な変動パターンとして決定される。
なお、パチンコ機10の遊技状態は、それまでに受信した停止種別コマンドによって示される停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)と、変動回数とに基づいて判断できる。
例えば、ある変動演出に対応する停止種別コマンドにおいて、停止種別として15R確変大当たり又は2R確変大当たりが示された場合、その変動演出後の大当たり演出後から、次に大当たりとなるまで、パチンコ機10の遊技状態が確変状態であると判断する。また、ある変動演出に対応する停止種別コマンドにおいて、停止種別として15R通常大当たりが示された場合、その変動演出後の大当たり演出後から、100回の変動演出が行われるまで、又は、次に大当たりとなるまで、パチンコ機10の遊技状態が時短状態と判断される。そして、100回の変動演出後は、次に大当たりとなるまでパチンコ機10の遊技状態が通常状態と判断される。
また、主制御装置110から大当たり終了時に送信されるエンディングコマンド(大当たりの終了を示す演出を行うためのコマンド)に、大当たり後のパチンコ機10の遊技状態(確変状態か、時短状態か)を含めておき、音声ランプ制御装置113は、このエンディングコマンドに含まれる遊技状態から、パチンコ機10の遊技状態を判断してもよい。このとき、エンディングコマンドに含まれる大当たり後のパチンコ機10の遊技状態が時短状態であった場合は、100回の変動演出が行われるまでの間を時短状態とし、その後、次の大当たりとなるまで通常状態と判断する。
S2104の処理で、詳細な変動パターンを決定すると、次いで、その決定した詳細な変動パターンを表示制御装置114へ通知するための、表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するためにRAM223へ一時的に保存(設定)する(S2105)。また、S2103の処理により取得した停止種別を表示制御装置114へ通知するための、表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するためにRAM223へ一時的に保存(設定)する(S2106)。ここでRAM223へ保存(設定)されたコマンドは、メイン処理(図22)のS1902によって、表示制御装置114へ送信される。
表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。また、表示制御装置114では、表示用停止種別コマンドを受信することによって、その停止種別に合った停止図柄を選定し、表示用変動パターンコマンドによって開始された変動演出を確定表示させるときに、その選定した停止図柄を表示する。
次いで、表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、保留球数カウンタ223aの値を1減らし(S2107)、更新後の保留球数カウンタ223aの値で示される保留球数を表示制御装置114に対して通知するための表示用保留球数コマンドをRAM223へ一時的に保存(設定)し(S2108)、メイン処理へ戻る。ここでRAM223へ保存(設定)されたコマンドは、メイン処理(図22)のS1902によって、表示制御装置114へ送信される。
表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドにより示される保留球数に応じた数の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。よって、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示された保留球数図柄の数をカウントすることによって、保留された球の数を認識することができる。
次に、図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される表示コマンド判定処理(S1913)について説明する。図25は、この表示コマンド判定処理(S1913)を示したフローチャートである。表示コマンド判定処理(S1913)は、上述した通り、表示制御装置114より受信したコマンドを判定し、受信したコマンドに対応する処理を行う。以下、表示コマンド判定処理の詳細を説明する。
表示コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられた表示制御コマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち表示制御装置114より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、表示制御装置110より表示種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2201)。そして、表示種別コマンドを受信したと判別された場合(S2201:Yes)、その受信した表示種別コマンドから第3図柄表示装置81においてこれから表示される表示内容(表示種別)を抽出し、抽出した表示種別を表示種別フラグ223bに設定する(S2202)。そして、メイン処理に戻る。
表示種別フラグ223bに設定される表示種別(即ち、表示種別コマンドにて示される表示種別)としては、例えば、高速変動、左図柄列Z1停止、右図柄列Z1停止、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、確定表示などがある。S2202の処理によって表示種別フラグ223bに表示種別が設定されると、図26,27を参照して後述する音編集処理(S1907)により、第3図柄表示装置81に表示される表示内容にあった音声を、音声出力装置226から出力する制御を実行する。
S2201の処理の結果、表示種別コマンドを受信していないと判別された場合(S2201:No)、次いで、表示制御装置114よりその他のコマンドを受信したか否かを判別する(S2203)。その結果、その他のコマンドを受信していれば(S2203:Yes)、受信したその他のコマンドに応じた処理を実行し(S2204)、メイン処理へ戻る。一方、S2203の処理の結果、その他のコマンドを受信していないと判別された場合(S2203:No)、表示制御装置114よりコマンドを受信していないため、そのままメイン処理へ戻る。
次いで、図26,図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される音編集処理(S1907)について説明する。図26,図27は、この音編集処理(S1907)を示したフローチャートである。音編集処理は、上述したとおり、音編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するように、表示制御装置113からの表示種別コマンドに従って音声データを復号し、音声出力装置226から復号した音を出力するよう、音出力LSI301を制御する処理を実行する。
音編集処理では、まず、表示種別フラグ223bを参照し、表示種別フラグ223bで示される表示種別(即ち、表示制御装置114より受信した表示種別コマンドにより示される表示種別)が新たにBGMを再生するものか否か、、即ち、第3図柄表示装置81に表示される画像に対して新たなBGMを再生すべきか否かを判断する(S2300)。例えば、表示種別フラグ223bが「高速変動」、「ノーマルリーチ」、「(大当たり演出の)オープニング演出」、「ラウンド演出」、「エンディング演出」などの場合に、新たなBGMを再生するものとして判断する。
そして、S2300の処理の結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が新たなBGMを再生するものであると判断されなければ(S2300:Yes)、S2303の処理へ移行する。なお、表示種別フラグ223bが「オフ」である場合、即ち、表示制御装置114より表示種別コマンドを受信していない場合も、表示種別フラグ223bで示される表示種別が新たなBGMを再生するものであると判断し、S2303の処理へ移行する。一方、表示種別フラグ223bで示される表示種別が新たなBGMを再生するものであると判断される場合は(S2300:Yes)、次いで、表示種別フラグ223bで示される表示種別において再生すべきBGMが既に再生されているか否かを判断する(S2301)。
その結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別において再生すべきBGMが既に再生されていれば(S2301:Yes)、S2303の処理へ移行する。一方、表示種別フラグ223bで示される表示種別において再生すべきBGMが既に再生されていなければ(S2302:No)、再生すべきBGMの再生を開始するために、現在再生中のBGMの再生停止を音出力LSI301に設定し(S2302)、S2303の処理へ移行する。S2302の処理により、現在再生中のBGMの再生が音出力LSI301によって停止される。
S2303の処理では、表示種別フラグ223bで示される表示種別(第3図柄表示装置81にこれから表示される表示種別)が、通常BGMを再生するものか否かを判断する(S2303)。例えば、表示種別フラグ223bが「高速変動」の場合、つまり、第3図柄表示装置81にて変動演出が開始される場合に、表示種別フラグ223bで示される表示種別が通常BGMを再生するものであると判断する。
S2303の処理の結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が通常BGMを再生するものであると判断される場合は(S2303:Yes)、S2312の処理へ移行する。S2312以降の処理については、図27を参照して後述する。また、S2303の処理の結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が通常BGMを再生するものではないと判断される場合(S2303:No)は、S2304の処理へ移行する。なお、表示種別フラグ223bが「オフ」である場合、即ち、表示制御装置114より表示種別コマンドを受信していない場合も、表示種別フラグ223bで示される表示種別が通常BGMを再生するものではないと判断し、S2304の処理へ移行する。
S2304の処理では、通常BGMが再生中か否かが判断され(S2304)、通常BGMが再生中であれば(S2304:Yes)、S2314の処理へ移行する。S2314以降の処理については、図27を参照して後述する。一方、S2304の処理の結果、通常BGMの再生中でなければ(S2304:No)、次いで、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「ノーマルリーチ」か否かを判断する(S2305)。
その結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「ノーマルリーチ」であれば(S2305:Yes)、リーチ用BGMの基本パート、上物楽器パート、歌パートの再生開始を音出力LSI301に設定し(S2306)、更に上物楽器パート、歌パートのミュートを音出力LSI301に設定して(S2307)、S2320の処理へ移行する。
一方、S2305の処理の結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「ノーマルリーチ」でなければ(S2305:No)、ついで、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スーパーリーチ」か否かを判断する(S2308)。その結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スーパーリーチ」であれば(S2308:Yes)、S2307の処理にてミュート設定されていた上物楽器パートのミュート解除を音出力LSI301に設定し(S2309)、S2320の処理へ移行する。
一方、S2308の処理の結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スーパーリーチ」でなければ(S2308:No)、ついで、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スペシャルリーチ」か否かを判断する(S2310)。その結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スペシャルリーチ」であれば(S2310:Yes)、S2307の処理にてミュート設定されていた上物楽器パートのミュートが解除されていなければ(即ち、ノーマルリーチからスーパーリーチを経ずにスペシャルリーチに発展した場合)、上物楽器パートのミュート解除を音出力LSI301に設定し、また、S2307の処理にてミュート設定されていた歌パートのミュート解除を音出力LSI301に設定して(S2311)、S2320の処理へ移行する。一方、S2310の処理の結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スペシャルリーチ」でなれば(S2310:No)、S2320の処理へ移行する。
ここで、図28を参照して、S2305〜S2311の処理が実行されることにより、第3図柄表示装置81にてリーチ演出が表示される場合のリーチ用BGMの出力タイミングについて説明する。図28は、第3図柄表示装置81にてノーマルリーチ、スーパーリーチを経てスペシャルリーチが実行される場合のリーチ用BGMの出力タイミングを示したタイミングチャートである。
第3図柄表示装置81にて変動演出が開始され高速変動が行われる間は、音出力LSI301から通常BGMが再生され出力される。通常BGMは、左図柄列Z1の図柄停止を経て、右図柄列Z3の図柄停止まで出力される。そして、左図柄列Z1及び右図柄列Z3において有効ラインL1(図4参照)に同一の第3図柄が停止表示されると、リーチが成立する。このとき、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して、表示種別「ノーマルリーチ」を示す表示種別コマンドが送信され、音声ランプ制御装置113はこの表示種別コマンドを受けて、表示コマンド判定処理(図25)により、表示種別フラグ223bを「ノーマルリーチ」に設定する。
すると、音編集処理(図26)では、S2306の処理が実行され、リーチ用BGMの基本パート、上物楽器パート、歌パートの再生開始が音出力LSI301に設定される。これにより、音出力LSI301は、音声データROM306よりリーチ用BGMデータ306aの基本パートデータ306a1,上物楽器パートデータ306a2,歌パートデータ306a3の3つのデータを読み出し、3チャンネルを使用して、図28に示す通り、リーチ用BGMの基本パート,上物楽器パート,歌パートの3つのパートの再生を開始する。
一方、音編集処理(図26)では、S2307の処理も実行され、上物楽器パート、歌パートのミュートが音出力LSI301に設定される。これにより、音出力LSI301では、上物楽器パート、歌パートのミュートがオンされるので、これらのパートが音声出力装置226から出力されず、リーチ用BGMは基本パートのみが音声出力装置226から出力されることとなる。
次に、第3図柄表示装置81にてスーパーリーチが成立すると、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して表示種別「スーパーリーチ」を示す表示種別コマンドが送信され、音声ランプ制御装置113はこの表示種別コマンドを受けて、表示コマンド判定処理(図25)により、表示種別フラグ223bを「スーパーリーチ」に設定する。すると、音編集処理(図26)では、S2309の処理が実行され、上物楽器パートのミュート解除が音出力LSI301に設定される。これにより、音出力LSI301では、オンされていた上物楽器パートのミュートがオフされる。よって、音声出力装置226からは、第3図柄表示装置81においてノーマルリーチからスーパーリーチへ発展したタイミングで、それまで基本パートのみ出力されていたリーチ用BGMに上物楽器パートが被さって出力される。
更に、第3図柄表示装置81にてスペシャルリーチが成立すると、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して表示種別「スペシャルリーチ」を示す表示種別コマンドが送信され、音声ランプ制御装置113はこの表示種別コマンドを受けて、表示コマンド判定処理(図25)により、表示種別フラグ223bを「スペシャルリーチ」に設定する。すると、音編集処理(図26)では、S2311の処理が実行され、歌パートのミュート解除が音出力LSI301に設定される。これにより、音出力LSI301では、オンされていた歌パートのミュートがオフされる。よって、音声出力装置226からは、第3図柄表示装置81においてスーパーリーチからスペシャルリーチへ発展したタイミングで、それまで歌パート及び上物楽器パートが出力されていたリーチ用BGMに歌パートが被さって出力される。
その後、第3図柄表示装置81において、第3図柄が確定表示されると、基本パート,上物楽器パート,歌パートの3つのパートの再生が停止され、リーチ用BGMの再生が終了する。
このように、本パチンコ機10では、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度に、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMが、基本パートのみから、基本パート+上物楽器パート、基本パート+上物楽器パート+歌パートと、段々と派手になっていく。これにより、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示される変動演出のリーチが発展していく場合に、その第3図柄表示装置81にて表示される画像からだけではなく、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMによって、大当たりとなる期待感を向上させていくことができる。
ここで、従来のパチンコ機では、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度にそのBGMを派手にしていく場合、ノーマルリーチ時に再生するノーマルリーチ用の音声データと、スーパーリーチ時に再生するスーパーリーチ用の音声データと、スペシャルリーチ時に再生するスペシャルリーチ用の音声データとを別々に用意していた。そして、リーチ(ノーマルリーチ)が成立したときにはノーマルリーチ用の音声データを使用して再生・出力し、スーパーリーチへ発展した時にはノーマルリーチ用の音声データから切り替えて(再生を停止して)スーパーリーチ用の音声データを使用して再生・出力し、スペシャルリーチへ発展した時にはスーパーリーチ用の音声データから切り替えて(再生を停止して)スペシャルリーチ用の音声で板を使用して再生・出力していた。しかしながら、このように構成すると、スーパーリーチやスペシャルリーチへ発展したときに、スーパーリーチ用の音声データやスペシャルリーチ用の音声データの再生・出力を開始するので、それぞれのタイミングでBGMの頭出しが行われてしまうため、BGMの連続性が途切れてしまい、大当たりとなる期待感の向上に水を差す結果となっていた。
これに対し、音出力LSI301は、リーチが成立した時点で、リーチ用BGMを構成する基本パート、上物楽器パート、歌パートの全てのパートの再生を開始する一方、ノーマルリーチの間は上物楽器パート及び歌パートをミュートしておき、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展した場合に上物楽器パートのミュートを解除し、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展した場合に歌楽器パートのミュートを解除する。即ち、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パートがそのまま継続して再生・出力されつつ、その基本パートに被さる形で上物楽器パートが再生・出力される。また、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パート及び上物楽器パートがそのまま継続して再生・出力されつつ、その基本パート及び上物楽器パートに被さる形で歌パートが再生・出力される。これにより、スーパーリーチやスペシャルリーチへ発展したときに、リーチ用BGMの連続性が途切れることなく、そのBGMを派手にしていくことができる。よって、従来のパチンコ機のように、BGMによって大当たりとなる期待感の向上に水を差すことなく、第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて音楽の面からも遊技者の期待感を高めることができる。従って、音楽を利用して遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、本パチンコ機10では、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出においてノーマルリーチからスペシャルリーチへ一気に発展する態様も含まれる。このようにノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展する場合、音編集処理(図26)のS2311の処理では、上物楽器パートと歌パートとのミュート解除を音出力LSI301に設定する。これにより、音出力LSI301は上物楽器パート及び歌パートのミュートを解除し、基本パートだけでなく上物楽器パート及び歌パートに対して生成される音もミキシングして、音声出力装置226から出力する。よって、それまで基本パートのみ音声出力装置206から出力されていたリーチ用BGMが、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展したタイミングで、基本パートに対して上物楽器パートと歌パートが被さってリーチ用BGMが音声出力装置206から出力される。従って、本パチンコ機10では、ノーマルリーチからスペシャルリーチへと一気に発展した場合に、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMが、基本パートのみから、基本パート+上物楽器パート+歌パートと、いきなり派手になる。その結果、遊技者は、第3図柄表示装置81にて表示される画像からだけではなく、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMによって、大当たりとなる期待感を一気に向上させることができる。
そして、この場合も、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パートがそのまま継続して再生・出力されつつ、その基本パートに被さる形で上物楽器パート及び歌パートが再生・出力される。これにより、ノーマルリーチからスペシャルリーチへと一気に発展したときに、リーチ用BGMの連続性が途切れることなく、そのBGMを派手にしていくことができる。よって、従来のパチンコ機のように、BGMによって大当たりとなる期待感の向上に水を差すことなく、第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて音楽の面からも遊技者の期待感を高めることができる。従って、音楽を利用して遊技の興趣向上を図ることができる。
次いで、図27を参照して、音編集処理(S1907)のS2312以降の処理を説明する。S2312の処理は、上述した通り、S2303(図26参照)の処理において、表示種別フラグ223bで示される表示種別が通常BGMを再生するものであると判断された場合に実行されるものである。S2312の処理では、既に通常BGMが再生されているか否かを判断する(S2312)。その結果、既に通常BGMが再生されている場合には(S2312:Yes)、S2315の処理へ移行する。
一方、通常BGMが再生されていなければ(S2312:No)、通常BGMそのものの再生を開始するために、最初の小節(第1小節)で再生するパターンを次の方法にて第1パターンから第10パターンの中から決定し、決定したパターンでの第1小節の再生開始を音出力LSI301に設定する(S2313)。即ち、通常BGMそのものの再生を開始する場合において最初に再生する第1小節で使用するパターンを決定するときには、第1パターン用通常BGMパターンテーブル222b0(図9参照)を選択し、その第1パターン用通常BGMパターンテーブル222b0において現在の通常BGMパターンカウンタ223dの値に対応付けられた番号(1〜10)から、その番号に対応するパターンを最初の小節(第1小節)で再生するパターンとして決定する。音出力LSI301では、設定されたパターンにて、通常BGMの最初の小節の再生を開始し、音声出力装置226より出力する。
なお、上述した通り、S2313の処理において、最初の小節(第1小節)で再生するパターンする場合、任意のパターンに対応する通常BGMパターンテーブルを固定的に選択してもよいし、第1パターン〜第10パターンのいずれかに対応する通常BGMパターンテーブルをその時々で選択してもよい。その時々で使用する通常BGMパターンテーブルを選択すれば、選択されるパターンの偏りが抑制されるので、通常BGMの再生開始からいろんなパターンの通常BGMを遊技者に聴かせることができる。また、S2313の処理において、最初の小節(第1小節)で再生するパターンする場合、通常BGMパターンテーブルを使用せずに、第1パターン〜第10パターンのうちの任意のパターンを固定的に決定してもよいし、第1パターン〜第10パターンの中からその時々で選択して決定してもよい。
S2313の処理の後、再生時間カウンタ223cを0に初期化し(S2314)、S2315の処理へ移行する。S2314の処理にて再生時間カウンタ223cを0に初期化し、その後1ミリ秒間隔で1ずつカウントアップしていくことで、通常BGMの再生が1小節分進んだか否かを、この再生時間カウンタ223cを用いて判断することができる。
S2315の処理では、再生時間カウンタ223cの値に基づき、通常BGMの再生が1小節分進んだか否かを判断する(S2315)。通常BGMの再生が1小節分進んだと判断されなければ(S2315:No)、S2320(図26)の処理へ移行する。一方、通常BGMの再生が1小節分進んだと判断される場合は(S2315:Yes)、次いで、次の小節で使用するパターンを決定するために使用する通常BGMパターンテーブルとして、現在再生している小節のパターン(第1〜第10パターンのいずれか)に対応する通常BGMパターンテーブル(図9参照)を第1パターン用通常BGMパターンテーブル202b0〜第10パターン用通常BGMパターンテーブル202b9の中から選択して設定する(S2316)。
次に、設定した通常パターンテーブルにおいて、現在の通常BGMパターンカウンタ223dの値に対応付けられた番号(1〜10)から、その番号に対応するパターンを次の小節で再生するパターンとして決定する(S2317)。そして、次の小節の再生開始を決定したパターンの情報を含めて音出力LSI301に設定する(S2318)。これにより、音出力LSI301では、設定されたパターンにて、通常BGMの次の小節の再生を開始し、音声出力装置226より出力する。
その後、再生時間カウンタ223cを0に初期化し(S2319)、S2320(図26)の処理へ移行する。これにより、再び、この再生時間カウンタ223cを用いて通常BGMの再生が1小節分進んだか否かを判断できるようにする。
上述した通り、本実施形態では、4小節の通常BGMをループ再生する場合、各小節毎にリズム、メロディ、バッキング(伴奏)等が異なる10パターン(第1パターンから第10パターン)の音声データを有している。そして、S2312〜S2319の処理により、再生すべき小節の出力開始タイミング毎に、その小節の再生に使用するパターンを10パターンの中から予め決定し、決定したパターンを特定するための情報を含めて、各小節毎に音出力LSI301へ小節の再生開始を設定する。
音出力LSI301は、この小説の再生開始が設定された場合に、どの小節のどのパターンの再生開始かを判断し、対応する音声データを通常BGMデータ306bから読み出す。そして、音出力LSI301は、その読み出した音声データに従って通常BGMを生成し、他の生成した音とミキシングした上で、音声出力装置226より、生成した通常BGMを出力する。
このように、通常BGMが再生される場合、各小節を再生する毎にその小節で再生すべきパターンが10パターンの中から決定されるので、1ループ(4小節)で再生されるパターンは、10×10×10×10=10000通りのパターンとなる。これにより、1ループ分の通常BGMが再生される度に、遊技者に異なるパターンを聴かせることができるので、通常BGMがループされる感覚を無くし、長時間何度聴いても飽きがなく、常に新しさを遊技者に感じさせることができる。
図26に戻り、音編集処理(S1907)のS2320以降の処理について説明する。S2320の処理では、表示種別フラグ223bにて示される表示種別に対応するその他の処理を実行する(S2320)。例えば、表示種別フラグ223bにて示される表示種別が「オープニング演出」であれば、大当たりのオープニング演出で使用するBGMの再生開始を音出力LSI301に設定する。また、表示種別フラグ223bにて示される表示種別が「ノーマルリーチ」である場合、S2306,S2307の処理以外に、「リーチ!」という声をリーチ用BGMとは別に出力するよう音出力LSI301に設定する。
その後、表示種別フラグ223bを「オフ」に設定し(S2321)、メイン処理へ戻る。
次いで、図29〜図38を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、V割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。V割込信号は、画像コントローラ237がMPU231に対して送信する信号で、画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理を完了する20ミリ秒毎にMPU231に対してV割込信号を送信する。
MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図29を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図29は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理では、初期設定処理を実行する(S2401)。具体的には、ワークRAM233、ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。また、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画及び表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始でるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
S2401の処理の後、割込許可を設定し(S2402)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2402の処理によって割込許可が設定されて以降、MPU231は、コマンドの受信及びV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理及びV割込処理を実行する。
次いで、図30(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図30(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2501)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理(S2602)によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図32(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図32(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図15参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理及び表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。V割込処理では、まず、コマンド判定処理(S2602)を実行し、次いで、表示設定処理(S2603)を実行する。コマンド判定処理(S2602)では、コマンドバッファ領域に格納されたコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。例えば、コマンドバッファ領域に表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、その表示用変動パターンコマンドで示される詳細な変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233aに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが20ミリ秒の間にコマンドバッファ領域に格納される可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出等の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図31〜図33を参照して後述する。
表示設定処理(S2603)では、コマンド判定処理(S2602)などによって表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブル及び追加データテーブルの内容に基づき、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容に従って、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。
また、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルや追加データテーブルバッファ233bに設定された追加データテーブルにおいて、そのポインタ233cが示すアドレスに、これから第3図柄表示装置81に表示させる表示内容(図12参照)が規定されている場合は、その表示内容を音声ランプ制御装置113へ通知する表示種別コマンドを生成し、生成した表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を行う。
更に、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図34〜図37を参照して後述する。
表示設定処理(S2603)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2604)。このタスク処理では、表示設定処理(S2603)によって特定された、第3表示装置281に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、描画処理を実行する(S2605)。この描画処理では、タスク処理(S2604)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータから、図13に示す描画リストを生成し、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。描画処理の詳細については、図38を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2606)。そして、V割込処理を終了する。S2606の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
次いで、図31〜図33を参照して、V割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2602)の詳細について説明する。まず、図31は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド割込処理は、表示制御装置114内のMPU231によって実行される。
このコマンド判定処理では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2701)、未処理の新規コマンドがなければ(S2701:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2701:Yes)、オン状態で新規コマンドが処理されたことを表示設定処理(S2603)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2702)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2703)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用保留球数コマンドがあるか否かを判定し(S2704)、表示用保留球数コマンドがあれば(S2704:Yes)、保留球数コマンド処理を実行して(S2705)、S2701の処理に戻る。
ここで、図32(a)を参照して、保留球数コマンド処理(S2705)の詳細について説明する。図32(a)は、保留球数コマンド処理を示すフローチャートである。この保留球数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用保留球数コマンドに対応する処理を実行するものである。
保留球数コマンド処理では、まず、新規保留球数コマンドフラグをオンする(S2801)。新規保留球数コマンドフラグは、オン状態で表示用保留球数コマンドを処理したことを表示設定処理(S2603)に通知するフラグである。次いで、表示用保留球数コマンドに含まれる保留球数情報を取得する(S2802)。
なお、S2802の処理において、2以上の表示用保留球数コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていれば、最後に格納された表示用保留球数コマンドから保留球数情報を取得する。これにより、最新の保留球数情報を取得することができる。
そして、保留球数毎に設けられた個数判別フラグのうち、S2802の処理で取得した保留球数に対応する個数判別フラグをオンすると共に、その他の保留球数に対応する個数判別フラグをオフにして(S2803)、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、新規保留球数コマンドフラグがオンである場合に、個数判別フラグを参照することで、オンが設定された個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄が小領域Ds1に表示されるように、保留画像データを展開する。
図31に戻り、S2704の処理において、表示用保留球数コマンドがないと判別されると(S2704:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用確定コマンドがあるか否かを判別し(S2706)、表示用確定コマンドがあれば(S2706:Yes)、確定コマンド処理を実行して(S2707)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図32(b)を参照して、確定コマンド処理(S2707)の詳細について説明する。図32(b)は、確定コマンド処理を示すフローチャートである。この確定コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用確定コマンドに対応する処理を実行するものである。
確定コマンド処理(S2707)では、確定コマンドフラグをオンに設定して(S2811)、本処理を終了する。確定コマンドフラグは、オン状態で表示用確定コマンドを受信したことを表示設定処理(S2603)に通知するフラグである。表示設定処理では、確定コマンドフラグの状態を監視し、そのフラグがオンとなった場合に、第3図柄表示装置81に確定表示演出の表示が開始されるように、表示の設定処理を実行する。また、変動演出の表示の設定を処理した後に、その変動演出に設定された演出時間を経過しても確定コマンドフラグがオンとならない場合は、再始動演出(第3図柄を上下に揺動させる演出)を第3図柄表示装置81に表示させるように、表示の設定処理を実行する。
図31に戻り、S2706の処理において、表示用確定コマンドがないと判別されると(S2706:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2708)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2708:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2709)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図33(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2709)の詳細について説明する。図33(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される音声ランプ制御装置113にて決定された詳細な変動パターンを抽出する(S2831)。次いで、抽出された詳細は変動パターンに対応した変動用表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233aに設定する(S2832)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈される恐れもあり得る。S2832の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合は、設定された変動用表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することとなり、変動中の第3図柄が突然停止表示されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせる恐れがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、再始動演出が表示されるように第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は再始動演出を変動演出の一環として視認し、第3図柄の停止表示が確定するまで違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次に、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込むことでその内容をクリアする(S2833)。次いで、S2832の処理によって表示データテーブルバッファ233aに設定された変動用表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233eに設定する(S2834)。そして、ポインタ233cを0に初期化し(S2835)、確定コマンドフラグ、デモ表示フラグ及び確定表示フラグをいずれもオフに設定する(S2836)。更に、表示設定処理で用いられる再始動タイマカウンタを0に初期化して(S2837)、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2835の処理によって初期化されたポインタ233cを更新しながら、S2832の処理によって表示データテーブルバッファ233aに設定された変動用表示データテーブルから、ポインタ233cに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。
また、表示設定処理では、S2834の処理によって変動時間データの設定された計時カウンタ233eを用いて、変動用表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動用表示データテーブルにおける変動演出が終了したと判断された場合、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信すれば確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示する。また、変動演出終了後所定時間内に確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信できなければ、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示するように、その表示の設定を制御する。
また、S2836の処理により、デモ表示フラグ及び確定表示フラグをオフに設定することによって、表示中のデモ演出や確定表示演出に代えて、第3図柄表示装置81に変動演出を表示させることができる。また、コマンド判定処理の実行開始時に、コマンドバッファ領域に確定コマンドと表示用変動パターンコマンドとがいずれも格納されている場合は、上述の確定コマンド処理(S2707)が先に実行され、確定コマンドフラグがオンに設定されるが、次いで、この変動パターンコマンド処理(S2711)が実行され、S2836の処理により確定コマンドフラグがオフされる。
ここで、表示用確定コマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用確定コマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、表示用確定コマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用確定コマンドに対応する処理である確定コマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2836の処理のように、表示用確定コマンドによって設定された確定コマンドフラグを上書きによってオフに設定することができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用確定コマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図31に戻り、S2708の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2708:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2710)、表示用停止種別コマンドがあれば(S2710:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2711)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図33(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2711)の詳細について説明する。図33(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、特殊停止図柄のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2841)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図30(b)参照)が実行される度に更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2842)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2842の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2843)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動用表示データテーブルでは、所定時間以後のアドレスに対応する描画内容において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2842の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2604)では、変動が開始されてから上記の所定時間が経過して以後、S2843によって設定された停止図柄判別フラグからS2842の処理によって設定された停止図柄を特定し、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたキャラクタ記憶エリア234aのアドレスを特定する。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈される恐れもあり得る。S2841の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2842の処理によって設定される。なお、このような場合において、停止種別を完全外れの中でも特殊停止図柄であると仮定して、停止種別テーブルを決定してもよい。
ここで、仮に、大当たりに対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、外れであった場合であっても、第3図柄表示装置81には大当たりの停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10の遊技状態が大当たりとなったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させる恐れがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、大当たりであれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10の遊技状態が大当たり状態に移行するので、遊技者を喜ばせることができる。
図31に戻り、S2710の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2710:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2712)、S2701の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2701の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2701:Yes)、再びS2702〜S2712の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2701〜S2712の処理が繰り返し実行され、S2701の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると(S2701:No)、このコマンド判定処理を終了する。
次いで、図34〜図47を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2603)の詳細について説明する。まず、図34及び図35は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図34に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2901)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S2901:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S2902〜S2904の処理をスキップし、S2905の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S2901:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S2902)、S2903,S2904の各処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S2903の処理では、新規保留球数コマンドフラグはオンであるか否かを判別し(S2903)、新規保留球数コマンドフラグがオンであれば(S2903:Yes)、先のコマンド判定処理において表示用保留球数コマンドが処理されたと判断して、保留画像設定処理を実行する(S2904)。
ここで、図36を参照して、保留画像設定処理の詳細について説明する。図36は、保留画像設定処理を示すフローチャートである。この保留画像設定処理は、表示用保留球数コマンドが処理されたことに合わせて、音声ランプ制御装置113より通知された保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させるために、その画像データを展開するための処理である。
保留画像設定処理では、まず、個数判別フラグを参照し、オンが設定された個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1(図4参照)に表示させる保留画像データを展開する(S2951)。タスク処理では、この展開された保留画像データを元に、その保留画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
保留画像設定処理では、S2951の処理の後、新規保留球数コマンドをオフに設定して(S2952)、表示設定処理に戻る。
図34に戻り、保留画像設定処理(S2904)の後、又は、S2903の処理において、新規保留球数コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S2903:No)、次いで、S2905の処理へ移行する。
S2905では、ポインタ更新処理を実行する(S2905)。ここで、図37を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図37は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル及び追加データテーブルから、対応する描画内容を取得すべきアドレスを指定するポインタ233cの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233cに1を加算する(S2981)。即ち、ポインタ233cは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233aに格納されるのに合わせてポインタ233cの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S2981の処理によって、ポインタ233cの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233cで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S2982)。その結果、End情報であれば(S2982:Yes)、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233cが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233aに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであるか否かを判別して(S2983)、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであれば(S2983:Yes)、ポインタ233cを1に設定し(S2984)、更に、表示データテーブルバッファ233aに設定されているデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定して(S2985)、S2987の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出又は再始動演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S2983の処理において、表示データテーブルバッファ233aに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでも、再始動表示データテーブルでもないと判別された場合は(S2983:No)、ポインタ233cの値を1だけ減算して(S2986)、S2987の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233aにデモ用表示データテーブル及び再始動表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動用表示データテーブルや確定表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。
S2982の処理の結果、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、S2981の処理による更新後のポインタ233cで示されるアドレスのデータがEnd情報ではないと判別される場合は(S2982:No)、S2983〜S2986の処理をスキップして、S2987の処理へ移行する。
S2987の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2987)、確定コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S2987:No)、そのままポインタ更新処理を終了して表示設定処理に戻る。一方、確定コマンドフラグがオンであれば(S2987:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、表示データテーブルバッファ233aに設定されている表示データバッファにおいてEnd情報が格納されているエンド位置アドレスから1だけ減算した値に、ポインタ233cの値を設定し(S2988)、更に、計時カウンタの値を1に設定して(S2989)、表示設定処理に戻る。これにより、確定コマンドを受信した場合は、表示設定処理では、設定された表示データテーブルの最後に規定された描画内容を展開すると共に、確定表示演出の開始を制御することができる。
図34に戻り、ポインタ更新処理(S2905)の後、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブル及び追加データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233cで示されるアドレスの描画内容を展開する(S2906)。タスク処理では、先に展開された保留画像と共に、S2906の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。なお、追加データテーブルにおいて、Nullデータが記載されている場合は、追加すべきスプライトが存在しないものとして以後の処理を実行する。追加データテーブルバッファ233bがNullデータでクリアされているときは、常にNullデータが追加データテーブルバッファ233bから展開されることになる。
S2906の処理では、また、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブル及び追加データテーブルにおいて、ポインタ233cが示すアドレスに、これから第3図柄表示装置81に表示させる表示内容(図12参照)が規定されている場合は、その表示内容(表示種別)を音声ランプ制御装置113へ通知する表示種別コマンドを生成し、生成した表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81の表示内容(表示種別)が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示種別コマンドによって通知される表示内容(表示種別)にあった音声を音声出力装置226より出力する制御が行われる。
また、S2906の処理では、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブル及び追加データテーブルにおいて、ポインタ233cが示すアドレスに音声ランプ制御装置113へ指示するための何らかの情報が記載されている場合は、その情報を含むコマンドを生成し、音声ランプ制御装置113へ送信する。例えば、遊技盤上に設けられた役物の動作を、音声ランプ制御装置113が制御する場合、その役物の動作内容が表示データテーブル又は追加データテーブルに記載されていれば、その役物の動作内容を含むコマンドを生成して音声ランプ制御装置113へ送信する。表示データテーブル及び追加データテーブルに、第3図柄表示装置81にて表示させる画像の内容に合うように役物の動作内容を規定しておくことで、音声ランプ制御装置113が、コマンドによって示される役物の動作内容に従って役物の動作を制御すれば、第3図柄表示装置81にて表示される画像の内容にあわせて役物を動作させることができる。
次いで、計時カウンタ233eの値を1だけ減算し(S2907)、減算後の計時カウンタ233eの値が0以下であるか否かを判別する(S2908)。そして、計時カウンタ233eの値が1以上である場合は(S2908:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233eの値が0以下である場合は(S2908:Yes)、表示データテーブルバッファ233aに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233aに変動用表示データテーブルが設定されている場合は、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)が送信されるはずであるので、続くS2909の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを確認する(S2909)。
その結果、確定コマンドフラグがオンであれば(S2909:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、まず、停止図柄判別フラグによって示される停止図柄に応じた確定表示演出の態様を決定し、その態様の確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込んで、その内容をクリアする(S2910)。次いで、確定表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定し(S2911)、更に、ポインタ233cの値を0に初期化する(S2912)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定し(S2913)、次いで、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定後(S2914)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S2915)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233aに変動用表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S2915の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄から開始されるため、変動用表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまで、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が規定されている。タスク処理(S2604)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S2915によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前の変動演出における停止図柄を特定する。そして、その特定した停止図柄に対して、上述の変動用表示データテーブルに規定された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S2909の処理において、確定コマンドフラグがオンではなくオフであれば(S2909:No)、図35に示すS2916の処理へ移行し、確定表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2916)。そして、確定表示フラグがオンであれば(S2916:Yes)、S2908の処理における判定の結果(S2908:Yes)は、確定表示演出が終了したことを意味するので、確定表示フラグをオフに設定した後(S2917)、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定し(S2918)、次いで、データ表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定する(S2919)。そして、ポインタ233cを0に初期化し(S2920)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S2921)、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了するまでに、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドや、デモ演出の開始を示す表示用デモ演出コマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
なお、S2916:Yesの分岐条件を満たすのは、確定表示演出が行われている場合であり、この場合、S2910の処理によって、追加データテーブルバッファ233bはその内容がクリアされている。よって、S2918の処理では、それらのデータテーブルバッファのクリア処理を省略している。これにより、MPU231における処理負荷の軽減を図ることができる。
S2916の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S2916:No)、次いで、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2922)。そして、デモ表示フラグがオンであれば(S2922:Yes)、S2908の処理における判定の結果(S2908:Yes)は、デモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
一方、S2922の処理において、デモ表示フラグがオンではなく、オフである場合は(S2922:No)、S2908の処理における判定の結果(S2908:Yes)は、変動演出が終了したことを意味する。そこで、変動演出が終了してから所定時間経過しても確定コマンドが受信されない場合は、再始動演出を開始するために、変動演出に対応する変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233aに設定されるのに合わせて0に初期化された再始動タイマカウンタに1を加算し(S2923)、加算後の再始動タイマカウンタの値が所定値になったか否かを判別する(S2924)。
そして、再始動タイマカウンタが所定値ではない場合(S2924:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。また、再始動タイマカウンタが所定値である場合は(S2924:Yes)、再始動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込んで、その内容をクリアする(S2925)。そして、再始動演出の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定し(S2926)、更に、ポインタ233cの値を0に初期化して(S2927)、V割込処理に戻る。
これにより、表示制御装置114では、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信される確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合には、再始動演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。ここで、再始動演出は、第3図柄を振動させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
なお、再始動表示データテーブルによって規定された最後の描画内容が展開された後は、上述のポインタ更新処理によって、再び再始動表示データテーブルの先頭から描画内容が展開される。従って、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信したり、新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、再始動演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。再始動演出は、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させる態様で第3図柄表示装置81に表示させるものであり、その再始動表示データテーブルでは、第3図柄を少なくとも1回揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを規定する。そして、この再始動表示データテーブルの先頭から繰り返し描画内容を展開することで、第3図柄表示装置81に第3図柄を繰り返し振動させた再始動演出が表示される。このように、再始動演出を、第3図柄表示装置81に第3図柄を振動させて表示させる演出とすることで、その再始動表示データテーブルを、少なくとも1回第3図柄を揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを記憶させておけばよいので、再始動表示データテーブルを記憶するために必要な容量を小さく抑えることができる。
また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信した場合は、図34に示すS2910の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233aには確定表示データテーブルが設定される。これにより、再始動演出中であっても表示用確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄判別フラグで示される停止図柄で第3図柄の停止表示がなされ、確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図33(a)のS2832の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233aには、変動用表示データテーブルが設定されて、第3図柄表示装置81に変動演出が表示される。再始動演出は、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、本来受信されるべき主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合に表示される演出であるため、ノイズや誤動作等の影響により、再始動演出が表示されている間も確定コマンドが受信されない可能性がある。これに対し、本実施形態では、再始動演出中に表示用変動パターンコマンドを受信すれば、そのコマンドに対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができるので、第3図柄表示装置81における各種演出をパチンコ機10の遊技状態に合わせて行わせることができる。
次いで、図38を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2605)の詳細について説明する。図38は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2604)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)から、図13に示す描画リストを生成する(S3001)。即ち、S3001の処理では、タスク処理(S2604)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されているキャラクタ記憶エリア234aのアドレスを特定し、その特定されたアドレスに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されているキャラクタ記憶エリア234aのアドレス及びそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ(図示せず)によって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3002)。ここでは、描画対象バッファフラグが0である場合は、描画対象バッファ情報としてビデオRAM236に設けられた第1フレームバッファに、描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。また、描画対象バッファフラグが1である場合は、描画対象バッファ情報としてビデオRAMに設けられた第2フレームバッファに、描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3002の処理の後、描画対象バッファフラグを更新する(S3003)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、ビデオRAM236の第1フレームバッファと第2フレームバッファとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理及び表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図30(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファが指定されて、画像の描画処理及び表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファが指定される。よって、先に第1フレームバッファに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファが指定される。よって、先に第2フレームバッファに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ及び第2フレームバッファをそれぞれ交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明した通り、本第1実施形態におけるパチンコ機10によれば、リーチ時に出力されるリーチ用BGMが、リズムと基本的なメロディラインで構成される基本パートと、基本パートに被せて上物楽器による装飾的な演奏が行われる上物楽器パートと、基本パート及び上物楽器パートに被せて人の声による歌が入った歌パートとによって構成されている。音声ランプ制御装置113のMPU221は、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出においてリーチ(ノーマルリーチ)が成立した場合に、音出力LSI301に対し、リーチ用BGMとして、基本パート、上物楽器パート、歌パートの全パートの再生を指示すると共に、上物楽器パート及び歌パートについてはミュートを設定する。そして、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出においてノーマルリーチからスーパーリーチへ発展すると、MPU221は、音出力LSI301に対し、上物楽器パートのミュート解除を設定する。更に、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出においてスーパーリーチからスペシャルリーチへ発展すると、MPU221は、音出力LSI301に対し、歌パートのミュート解除を設定する。
これにより、本パチンコ機10では、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度に、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMが、基本パートのみから、基本パート+上物楽器パート、基本パート+上物楽器パート+歌パートと、段々と派手になっていく。よって、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示される変動演出のリーチが発展していく場合に、その第3図柄表示装置81にて表示される画像からだけではなく、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMによって、大当たりとなる期待感を向上させていくことができる。
ここで、従来のパチンコ機では、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度にそのBGMを派手にしていく場合、ノーマルリーチ時に再生するノーマルリーチ用の音声データと、スーパーリーチ時に再生するスーパーリーチ用の音声データと、スペシャルリーチ時に再生するスペシャルリーチ用の音声データとを別々に用意していた。そして、リーチ(ノーマルリーチ)が成立したときにはノーマルリーチ用の音声データを使用して再生・出力し、スーパーリーチへ発展した時にはノーマルリーチ用の音声データから切り替えて(再生を停止して)スーパーリーチ用の音声データを使用して再生・出力し、スペシャルリーチへ発展した時にはスーパーリーチ用の音声データから切り替えて(再生を停止して)スペシャルリーチ用の音声で板を使用して再生・出力していた。しかしながら、このように構成すると、スーパーリーチやスペシャルリーチへ発展したときに、スーパーリーチ用の音声データやスペシャルリーチ用の音声データの再生・出力を開始するので、それぞれのタイミングでBGMの頭出しが行われてしまうため、BGMの連続性が途切れてしまい、大当たりとなる期待感の向上に水を差す結果となっていた。
これに対し、音出力LSI301は、リーチが成立した時点で、リーチ用BGMを構成する基本パート、上物楽器パート、歌パートの全てのパートの再生を開始する一方、ノーマルリーチの間は上物楽器パート及び歌パートをミュートしておき、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展した場合に上物楽器パートのミュートを解除し、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展した場合に歌楽器パートのミュートを解除する。即ち、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パートがそのまま継続して再生・出力されつつ、その基本パートに被さる形で上物楽器パートが再生・出力される。また、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パート及び上物楽器パートがそのまま継続して再生・出力されつつ、その基本パート及び上物楽器パートに被さる形で歌パートが再生・出力される。これにより、スーパーリーチやスペシャルリーチへ発展したときに、リーチ用BGMの連続性が途切れることなく、そのBGMを派手にしていくことができる。よって、従来のパチンコ機のように、BGMによって大当たりとなる期待感の向上に水を差すことなく、第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて音楽の面からも遊技者の期待感を高めることができる。従って、音楽を利用して遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本パチンコ機10によれば、通常時に再生される通常BGMが、4小節(第1小節〜第4小節)からなり、この4小節の通常BGMが音声出力装置226からループ再生される。MPU221は、通常BGMを音声出力装置226から出力させる場合に、再生すべき小節の出力開始タイミング毎に、その小節の再生開始を音出力LSI301に設定する。ここで、各小節は、リズム、メロディ、バッキング(伴奏)等が異なる10パターンの音声データを有しており、通常BGMが音声出力装置226から出力される場合は、再生すべき小節の出力開始タイミング毎に、その小節の再生に使用するパターンを10パターンの中から予め決定し、音出力LSI301への小節の再生開始の設定において、決定したパターンを特定するための情報を含める。これにより、通常BGMが再生される場合、各小節を再生する毎にその小節で再生すべきパターンが10パターンの中から決定されるので、1ループ(4小節)で再生されるパターンは、10×10×10×10=10000通りのパターンとなる。よって、1ループ分の通常BGMが再生される度に、遊技者に異なるパターンを聴かせることができるので、通常BGMがループされる感覚を無くし、長時間何度聴いても飽きがなく、常に新しさを遊技者に感じさせることができる。
次いで、図39〜図41を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図39は、第2実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113に設けられた音声データROM306に記憶される音声データの一例を模式的に示した模式図である。
上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、音声データROM306に記憶されるリーチ用BGMデータ306aとして、リズムと基本的なメロディラインで構成される基本パート用の基本パートデータ306a1と、基本パートに被せて上物楽器による装飾的な演奏が行われる上物楽器パート用の上物楽器パートデータ306a2と、基本パート及び上物楽器パートに被せて人の声による歌が入った歌パート用の歌パートデータ306a3とを用意し、リーチが成立した時点で全パートの再生を開始する一方、ノーマルリーチの間は上物楽器パート及び歌パートをミュートしておき、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展した場合に上物楽器パートのミュートを解除し、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展した場合に歌楽器パートのミュートを解除する場合について説明した。
これに対し、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、図39に示す通り、リーチ用BGMデータ306aは、基本パートのみを再生するための第1データ306a4と、基本パートと共に、装飾的な演奏によって構成される第2パートを再生するための第2データ306a5と、基本パートと共に、第2パートよりも派手目の装飾的な演奏によって構成される第3パートを再生するための第3データ306a6とを含んでいる。第3データ306a6によって再生される第3パートは、例えば、基本パートに加えて、第2パートに含まれる基本パート以外のパートの数(楽器や歌のパートの数)よりも多い数のパートで構成されることにより、第2パートよりも派手目の装飾的な演奏が行われる。
第1データ306a4、第2データ306a5、第3データ306a6は、いずれも同じテンポで再生され、これら3つのデータ306a4〜a6が同時に再生を開始すると、各データ306a4〜a6に含まれる基本パートは同時に進行する。また、これらの3つのデータ306a4〜a6は、最後まで再生されると再び先頭に戻ってループ再生される。ここで、3つのデータ306a4〜a6は、同じタイミングで1ループ分の再生を終了し、そして同じタイミングで先頭に戻って再び再生を開始する。よって、これら3つのデータ306a4〜a6の再生を同時に開始した状態で、ある1つのデータのみミュートを解除して残りのデータをミュートしておき、その後、ミュートが解除されていたデータをミュートすると共に別の1つのデータのミュートを解除すると、あたかも1つのメロディが継続しつつ、出力されるパートが変更されたように遊技者に聴かせることができるようになっている。
次いで、図40を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される音編集処理(S1907)について説明する。図40は、その音編集処理(S1907)の一部を示したフローチャートである。第2実施形態における音編集処理が、第1実施形態における音編集処理と相違する点は、まず、S2305の処理の結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「ノーマルリーチ」であると判別されると(S2305:Yes)、S2306,S2307の処理に代えて、S2331,S2332の処理を実行する点である。
即ち、S2305の処理において、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「ノーマルリーチ」であると判別されると(S2305:Yes)、第2実施形態では、まず、リーチ用BGMの第1データ306a4,第2データ306a5,第3データ306a6の3つのデータの再生開始を音出力LSI301に設定する(S2331)。更に、第2データ306a5及び第3データ306a6のミュートを音出力LSI301に設定して(S2332)、S2320の処理へ移行する。
第2実施形態における音編集処理が、第1実施形態における音編集処理と相違する点の2つ目は、S2308の処理の結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スーパーリーチ」であると判別されると(S2308:Yes)、S2309の処理に代えて、S2333,S2334の処理を実行する点である。即ち、S2308の処理において、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スーパーリーチ」であると判別されると(S2308:Yes)、第2実施形態では、まず、第1データ306a4のミュートを音出力LSI301に設定し(S2333)、次いで、第2データ306a5のミュート解除を音出力LSI301に設定して(S2334)、S2320の処理へ移行する。
第2実施形態における音編集処理が、第1実施形態における音編集処理と相違する点の3つ目は、S2310の処理の結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スペシャルリーチ」であると判別されると(S2310:Yes)、S2311の処理に代えて、S2335,S2336の処理を実行する点である。即ち、S2310の処理において、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スペシャルリーチ」であると判別されると(S2310:Yes)、第2実施形態では、まず、第1データ306a5のミュートが解除されている場合(即ち、ノーマルリーチからスーパーリーチを経ずにスペシャルリーチに発展した場合)には第1データ306a5のミュートを、第2データ306a5のミュートが解除されている場合(即ち、ノーマルリーチからスーパーリーチを経てスペシャルリーチに発展した場合)には第2データ306a5のミュートを音出力LSI301に設定し(S2335)、次いで、第3データ306a6のミュート解除を音出力LSI301に設定して(S2336)、S2320の処理へ移行する。
ここで、図41を参照して、S2305〜S2310,S2331〜S2336の各処理が実行されることにより、第3図柄表示装置81にてリーチ演出が表示される場合のリーチ用BGMの出力タイミングについて説明する。図41は、第2実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81にてノーマルリーチ、スーパーリーチを経てスペシャルリーチが実行される場合のリーチ用BGMの出力タイミングを示したタイミングチャートである。
第1実施形態と同様に、第3図柄表示装置81にて変動演出が開始され高速変動が行われる間は、音出力LSI301から通常BGMが再生され出力され、左図柄列Z1の図柄停止を経て、右図柄列Z3の図柄停止まで通常BGMが出力される。そして、左図柄列Z1及び右図柄列Z3において有効ラインL1(図4参照)に同一の第3図柄が停止表示される、リーチが成立すると、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して、表示種別「ノーマルリーチ」を示す表示種別コマンドが送信される。音声ランプ制御装置113はこの表示種別コマンドを受けて、表示コマンド判定処理(図25)により、表示種別フラグ223bを「ノーマルリーチ」に設定する。
すると、音編集処理(図40)では、S2331の処理が実行され、リーチ用BGMの第1データ306a4,第2データ306a5,第3データ306a6の3つのデータの再生開始が音出力LSI301に設定される。これにより、音出力LSI301は、音声データROM306よりリーチ用BGMデータ306aの第1データ306a4,第2データ306a5,第3データ306a6の3つのデータを読み出し、3チャンネルを使用して、図41に示す通り、これら3つのデータ全ての再生を開始する。
一方、音編集処理(図26)では、S2332の処理も実行され、第2データ306a5及び第3データ306a6のミュートが音出力LSI301に設定される。これにより、音出力LSI301では、第2データ306a5及び第3データ306a6のミュートがオンされるので、これらのデータから再生された音声が音声出力装置226から出力されず、リーチ用BGMは第1データ306a1によって再生される基本パートのみが音声出力装置226から出力されることとなる。
次に、第3図柄表示装置81にてスーパーリーチが成立すると、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して表示種別「スーパーリーチ」を示す表示種別コマンドが送信され、音声ランプ制御装置113はこの表示種別コマンドを受けて、表示コマンド判定処理(図25)により、表示種別フラグ223bを「スーパーリーチ」に設定する。すると、音編集処理(図40)では、S2333及びS2334の処理が実行され、第1データ306a4のミュートが音出力LSI301に設定され、更に、第2データ306a5のミュート解除が音出力LSI301に設定される。これにより、音出力LSI301では、第1データ306a4のミュートがオンされ、第2データ306a5のミュートがオフされるので、スーパーリーチが成立すると、リーチ用BGMは、第2データ306a5によって再生される基本パートと装飾的な演奏によって構成される第2パートとの2つのパートが音声出力装置226から出力される。
更に、第3図柄表示装置81にてスペシャルリーチが成立すると、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して表示種別「スペシャルリーチ」を示す表示種別コマンドが送信され、音声ランプ制御装置113はこの表示種別コマンドを受けて、表示コマンド判定処理(図25)により、表示種別フラグ223bを「スペシャルリーチ」に設定する。すると、音編集処理(図40)では、S2335及びS2336の処理が実行され、第2データ306a5のミュートが音出力LSI301に設定され、更に、第3データ306a6のミュート解除が音出力LSI301に設定される。これにより、音出力LSI301では、第2データ306a5のミュートがオンされ、第3データ306a6のミュートがオフされるので、スペシャルリーチが成立すると、リーチ用BGMは、第3データ306a5によって再生される基本パートと、第2パートよりも派手目の装飾的な演奏によって構成される第3パートとの2つのパートが音声出力装置226から出力される。
その後、第3図柄表示装置81において、第3図柄が確定表示されると、第1データ306a4,第2データ306a5,第3データ306a6の3つのデータの再生が停止され、リーチ用BGMの再生が終了する。
このように、本パチンコ機10では、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度に、リーチ用BGMの再生に使用する第1データ306a4,第2データ306a5,第3データ306a6の3つのデータのうち、ミュートがオフされるデータが、第1データ306a4→第2データ306a5→第3データ306a6の順に切り替えられ、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMが、基本パートのみから、基本パート+第2パート、基本パート+第3パートと、段々と派手になっていく。これにより、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示される変動演出のリーチが発展していく場合に、その第3図柄表示装置81にて表示される画像からだけではなく、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMによって、大当たりとなる期待感を向上させていくことができる。
ここで、従来のパチンコ機では、第1実施形態でも上述した通り、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度にそのBGMを派手にしていく場合、ノーマルリーチ時に再生するノーマルリーチ用の音声データと、スーパーリーチ時に再生するスーパーリーチ用の音声データと、スペシャルリーチ時に再生するスペシャルリーチ用の音声データとを別々に用意していた。そして、リーチ(ノーマルリーチ)が成立したときにはノーマルリーチ用の音声データを使用して再生・出力し、スーパーリーチへ発展した時にはノーマルリーチ用の音声データから切り替えて(再生を停止して)スーパーリーチ用の音声データを使用して再生・出力し、スペシャルリーチへ発展した時にはスーパーリーチ用の音声データから切り替えて(再生を停止して)スペシャルリーチ用の音声で板を使用して再生・出力していた。しかしながら、このように構成すると、スーパーリーチやスペシャルリーチへ発展したときに、スーパーリーチ用の音声データやスペシャルリーチ用の音声データの再生・出力を開始するので、それぞれのタイミングでBGMの頭出しが行われてしまうため、BGMの連続性が途切れてしまい、大当たりとなる期待感の向上に水を差す結果となっていた。
これに対し、音出力LSI301は、リーチが成立した時点で、リーチ用BGMを構成する第1データ306a4,第2データ306a5,第3データ306a6の3つのデータの全ての再生を開始する一方、ノーマルリーチの間は基本パートのみを再生する第1データ306a4を除いて第2データ306a5及び第3データ306a6をミュートし、スーパーリーチの間は基本パート及び第2パートの2つのパートを再生する第2データ306a5のミュートを解除して第1データ306a4及び第3データ306a6をミュートし、スペシャルリーチの間は基本パート及び第3パートの3つのパートを再生する第3データ306a5を解除して第1データ306a4及び第2データ306a5をミュートする。
上述した通り、第1データ306a4、第2データ306a5、第3データ306a6は、これら3つのデータ306a4〜a6の再生を同時に開始した状態である1つのデータのみミュートを解除して残りのデータをミュートしておき、その後、ミュートが解除されていたデータをミュートすると共に別の1つのデータのミュートを解除すると、あたかも1つのメロディが継続しつつ、出力されるパートが変更されたように遊技者に聴かせることができるようになっている。つまり、第2実施形態のパチンコ機10では、ノーマルリーチが成立した段階で、第1データ306a4、第2データ306a5、第3データ306a6の3つのデータが同時に再生が開始され、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度に、ミュートがオフされるデータが、第1データ306a4→第2データ306a5→第3データ306a6の順に切り替えられるので、あたかも1つのメロディが継続しつつ、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMが、基本パートのみから、基本パート+第2パート、基本パート+第3パートと、段々と派手になっていく。よって、従来のパチンコ機のように、BGMによって大当たりとなる期待感の向上に水を差すことなく、第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて音楽の面からも遊技者の期待感を高めることができる。従って、音楽を利用して遊技の興趣向上を図ることができる。
また、第1実施形態は、ミュートされるパートを解除していくことにより、リーチ用BGMとして出力されるパートを追加していくことで、リーチ用BGMを段々と派手にしていくが、第2実施形態では、基本パートに対して追加するパートを第2パートから第3パートに変更してリーチ用BGMを段々と派手にしていくことができる。よって、リーチ用BGMを派手にしていく方法として、第2実施形態では、使用する楽器を追加するのではなく変更するといった方法が使用でき、第1実施形態と比べてより多彩にリーチ用BGMを派手にしていくことができる。もっとも、第3パートが、第2パートに新たなパートを追加したものとして構成されてもよい。例えば、第2パートが上物楽器パートによって構成され、第3パートが上物楽器パートと歌パートとによって構成されるものであってもよい。
なお、第2実施形態におけるパチンコ機10でも、第1実施形態と同様に、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出においてノーマルリーチからスペシャルリーチへ一気に発展する態様も含まれる。このようにノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展する場合、音編集処理(図26)のS2335の処理では、第1データ306a4のミュートを音出力LSI301に設定し、S2336の処理によって、第3データ306a6のミュート解除が音出力LSI301に設定される。これにより、それまで基本パートのみ音声出力装置206から出力されていたリーチ用BGMが、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展したタイミングで、基本パートと第3パートとの2つのパートによって音声出力装置226から出力される。
よって、本パチンコ機10では、ノーマルリーチからスペシャルリーチへと一気に発展した場合に、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMが、基本パートのみから、基本パート+第3パートと、いきなり派手になる。その結果、遊技者は、第3図柄表示装置81にて表示される画像からだけではなく、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMによって、大当たりとなる期待感を一気に向上させることができる。
そして、この場合も、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展するときには、あたかも1つのメロディが継続しつつ、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMが、基本パートのみから基本パート+第3パートと派手になっていく。よって、従来のパチンコ機のように、BGMによって大当たりとなる期待感の向上に水を差すことなく、第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて音楽の面からも遊技者の期待感を高めることができる。従って、音楽を利用して遊技の興趣向上を図ることができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
ここで、本第2実施形態では、第3図柄の確定表示がなされるまで、第1データ306a4,第2データ306a5,第3データ306a6の3つのデータの再生が継続して行われるが、第1データ306a4については、スーパーリーチ(又は、スーパーリーチを経ずにスペシャルリーチ)へ発展した場合に再生を停止してもよく、第2データ306a5については、スペシャルリーチへ発展した場合に再生を停止してもよい。これにより、音出力LSI301において無駄にデータの再生が行われることを抑制でき、消費電力の低減につながる。また、再生に使用可能なチャンネルを開けることで別の音声の出力を可能にすることができるので、より多彩な音声出力を実現できる。なお、この場合、スーパーリーチ(又は、スーパーリーチを経ずにスペシャルリーチ)へ発展した場合に第1データ306a4の再生が停止されるため、第1データ306a4のミュートの設定は非実行としてもよく、また、スペシャルリーチへ発展した場合に第2データ306a5の再生が停止されるため、第2データ306a5のミュートの設定は非実行としてもよい。
また、第2実施形態において、第1データ306a4は基本パートのみを再生するためのデータとし、第2データ306a5は基本パートと共に装飾的な演奏によって構成される第2パートを再生するためのデータとし、第3データ306a6は基本パートと共に第2パートよりも派手目の装飾的な演奏によって構成される第3パートを再生するためのデータとする場合について説明したが、第1データ306a4〜第3データ306a6によって再生されるBGMの基本的なメロディラインが統一されつつ、第2データ306a5が第1データ306a4よりも派手目のBGMを演奏し、且つ、第3データ306a6が第2データ306a5よりも派手目のBGMを演奏するものであれば、第2データ306a5及び第3データ306a6に基本パートが含まれていなくてもよく、このような場合であっても、第2実施形態のパチンコ機10で奏する効果と同等の効果を得ることができる。なお、この場合、第2データ306a5は、例えば、第1データ306a4に含まれるパートの数(楽器や歌のパートの数)よりも多い数のパートが含まれることによって、第1データ306a4よりも派手目の装飾的な演奏が行われておよい。また、第3データ306a6は、第2データ306a5に含まれるパートの数(楽器や歌のパートの数)よりも多い数のパートが含まれることによって、第2データ306a5よりも派手目の装飾的な演奏が行われてもよい。
次いで、図42及び図43を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
第1実施形態におけるパチンコ機10では、上述した通り、リーチが成立した時点で基本パート、上物楽器パート、歌パートの全パートの再生を開始する一方、ノーマルリーチの間は上物楽器パート及び歌パートをミュートしておき、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展した場合に上物楽器パートのミュートを解除し、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展した場合に歌楽器パートのミュートを解除することで、リーチ用BGMの連続性を途切れさせることなく、そのBGMを派手していく場合について説明した。
これに対し、第3実施形態におけるパチンコ機10では、リーチが成立した時点で基本パートのみ再生を開始し、次いで、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展した場合に上物楽器パートの再生を先頭からではなく、リーチ用BGMの再生が開始されてからスーパーリーチへ発展するまでにリーチ用BGMが再生された時間だけ経過したところから開始する。また、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展した場合に、歌パートの再生を先頭からではなく、リーチ用BGMの再生が開始されてからスペシャルリーチへ発展するまでにリーチ用BGMが再生された時間だけ経過したところから開始する。
図42は、第3実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される音編集処理(S1907)の一部を示したフローチャートである。第3実施形態における音編集処理が、第1実施形態における音編集処理と相違する点は、まず、S2305の処理の結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「ノーマルリーチ」であると判別されると(S2305:Yes)、S2306,S2307の処理に代えて、S2341,S2342の処理を実行する点である。
即ち、S2305の処理において、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「ノーマルリーチ」であると判別されると(S2305:Yes)、第3実施形態では、まず、リーチ用BGMの基本パートの再生開始を音出力LSI301に設定する(S2341)。そして、再生時間カウンタ223cを0に初期化して(S2342)、S2320の処理へ移行する。
ここで、第1実施形態では、再生時間カウンタ223cを通常BGMの再生時間を計数し、1小節分の再生が行われたか否かを判断するために用いたが、第3実施形態では、通常BGMの再生時間の計数に加えて、リーチ用BGMの再生時間の計数にも使用する。即ち、リーチが成立し、リーチ用BGMの再生開始(つまり、リーチ用BGMの基本パートの再生開始)と共にS2342の処理によって再生時間カウンタ223cを0の初期化することで、その後、再生時間カウンタ223cは、メイン処理(図22)のS1910の処理によって1ミリ秒毎に1ずつカウントアップされる。
第3実施形態における音編集処理が、第1実施形態における音編集処理と相違する点の2つ目は、S2308の処理の結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スーパーリーチ」であると判別されると(S2308:Yes)、S2309の処理に代えて、S2343の処理を実行する点である。即ち、S2308の処理において、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スーパーリーチ」であると判別されると(S2308:Yes)、第3実施形態では、上物楽器パートの再生を、再生時間カウンタ223cで示される時間T1から開始するよう音出力LSI301に設定し(S2343)、S2320の処理へ移行する。
第3実施形態における音編集処理が、第1実施形態における音編集処理と相違する点の3つ目は、S2310の処理の結果、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スペシャルリーチ」であると判別されると(S2310:Yes)、S2311の処理に代えて、S2344の処理を実行する点である。即ち、S2310の処理において、表示種別フラグ223bで示される表示種別が、「スペシャルリーチ」であると判別されると(S2310:Yes)、第3実施形態では、上物楽器パートの再生が行われていなければ(即ち、ノーマルリーチからスーパーリーチを経ずにスペシャルリーチに発展した場合には)、上物楽器パート及び歌パートの再生を再生時間カウンタ223cで示される時間T2から開始するよう音出力LSI301に設定し、また、上物楽器パートの再生が行われていれば(即ち、ノーマルリーチからスーパーリーチを経てスペシャルリーチに発展した場合には)、歌パートの再生を再生時間カウンタ223cで示される時間T2から開始するよう音出力LSI301に設定して(S2344)、S2320の処理へ移行する。
ここで、図43を参照して、S2305〜S2310,S2341〜S2344の各処理が実行されることにより、第3図柄表示装置81にてリーチ演出が表示される場合のリーチ用BGMの出力タイミングについて説明する。図41は、第3実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81にてノーマルリーチ、スーパーリーチを経てスペシャルリーチが実行される場合のリーチ用BGMの出力タイミングを示したタイミングチャートである。
第1実施形態と同様に、第3図柄表示装置81にて変動演出が開始され高速変動が行われる間は、音出力LSI301から通常BGMが再生され出力され、左図柄列Z1の図柄停止を経て、右図柄列Z3の図柄停止まで通常BGMが出力される。そして、左図柄列Z1及び右図柄列Z3において有効ラインL1(図4参照)に同一の第3図柄が停止表示される、リーチが成立すると、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して、表示種別「ノーマルリーチ」を示す表示種別コマンドが送信される。音声ランプ制御装置113はこの表示種別コマンドを受けて、表示コマンド判定処理(図25)により、表示種別フラグ223bを「ノーマルリーチ」に設定する。
すると、音編集処理(図42)では、S2341の処理が実行され、リーチ用BGMの基本パートの再生開始が音出力LSI301に設定される。これにより、音出力LSI301は、音声データROM306よりリーチ用BGMデータ306aの基本パートデータ306a1のデータを読み出して、再生を開始する。このとき、第1実施形態とは異なり、第3実施形態では、上物楽器パート及び歌パートの再生は開始されず、基本パートのみ再生が開始され、リーチ用BGMとして基本パートのみが音声出力装置226から出力されることとなる。また、リーチが成立すると、S2342の処理によって再生時間カウンタ223cが0の初期化される。この再生時間カウンタ223cによって、リーチ用BGMの再生が開始されてからの時間(再生時間)が計数される。
次に、第3図柄表示装置81にてスーパーリーチが成立すると、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して表示種別「スーパーリーチ」を示す表示種別コマンドが送信され、音声ランプ制御装置113はこの表示種別コマンドを受けて、表示コマンド判定処理(図25)により、表示種別フラグ223bを「スーパーリーチ」に設定する。すると、音編集処理(図42)では、S2343の処理が実行され、上物楽器パートの再生が、再生時間カウンタ223cで示される時間T1、つまり、リーチ用BGMの再生が開始されてからの再生時間T1から開始されるよう音出力LSI301に設定される。これにより、音出力LSI301は、音声データROM306より上物楽器パートデータ306a2を時間T1の箇所から読み出して再生を開始し、再生時間T1だけ既に再生が完了した基本パートに被せる形で、その時間T1のところから基本パートと上物楽器パートとをミキシングし、これをリーチ用BGMとして音声出力装置226より出力する。
更に、第3図柄表示装置81にてスペシャルリーチが成立すると、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して表示種別「スペシャルリーチ」を示す表示種別コマンドが送信され、音声ランプ制御装置113はこの表示種別コマンドを受けて、表示コマンド判定処理(図25)により、表示種別フラグ223bを「スペシャルリーチ」に設定する。すると、音編集処理(図42)では、S2344の処理が実行され、歌パートの再生が、再生時間カウンタ223cで示される時間T2、つまり、リーチ用BGMの再生が開始されてからの再生時間T2から開始されるよう音出力LSI301に設定される。これにより、音出力LSI301は、音声データROM306より歌パートデータ306a3を時間T2の箇所から読み出して再生を開始し、再生時間T2だけ既に再生が完了した基本パート及び上物楽器パートに被せる形で、その時間T2のところから基本パートと上物楽器パートと歌パートとをミキシングし、これをリーチ用BGMとして音声出力装置226より出力する。
その後、第3図柄表示装置81において、第3図柄が確定表示されると、基本パート,上物楽器パート,歌パートの3つのパートの再生が停止され、リーチ用BGMの再生が終了する。
このように、本パチンコ機10では、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度に、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMが、基本パートのみから、基本パート+上物楽器パート、基本パート+上物楽器パート+歌パートと、段々と派手になっていく。よって、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示される変動演出のリーチが発展していく場合に、その第3図柄表示装置81にて表示される画像からだけではなく、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMによって、大当たりとなる期待感を向上させていくことができる。
ここで、従来のパチンコ機では、第1実施形態でも上述した通り、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度にそのBGMを派手にしていく場合、ノーマルリーチ時に再生するノーマルリーチ用の音声データと、スーパーリーチ時に再生するスーパーリーチ用の音声データと、スペシャルリーチ時に再生するスペシャルリーチ用の音声データとを別々に用意していた。そして、リーチ(ノーマルリーチ)が成立したときにはノーマルリーチ用の音声データを使用して再生・出力し、スーパーリーチへ発展した時にはノーマルリーチ用の音声データから切り替えて(再生を停止して)スーパーリーチ用の音声データを使用して再生・出力し、スペシャルリーチへ発展した時にはスーパーリーチ用の音声データから切り替えて(再生を停止して)スペシャルリーチ用の音声で板を使用して再生・出力していた。しかしながら、このように構成すると、スーパーリーチやスペシャルリーチへ発展したときに、スーパーリーチ用の音声データやスペシャルリーチ用の音声データの再生・出力を開始するので、それぞれのタイミングでBGMの頭出しが行われてしまうため、BGMの連続性が途切れてしまい、大当たりとなる期待感の向上に水を差す結果となっていた。
これに対し、音出力LSI301は、リーチが成立した時点で、リーチ用BGMを構成する基本パートの再生を開始すると共に、リーチ用BGMの再生時間を再生時間カウンタ223cを用いて計数し、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展した場合に、上物楽器パートの再生を、再生時間カウンタ223cで示されるリーチ用BGMの再生時間T1から開始する。即ち、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パートに被さる形で上物楽器パートが再生・出力される。また、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展した場合に、上物楽器パートの再生を、再生時間カウンタ223cで示されるリーチ用BGMの再生時間T2から開始する。即ち、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パート及び上物楽器パートに被さる形で歌パートが再生・出力される。これにより、スーパーリーチやスペシャルリーチへ発展したときに、リーチ用BGMの連続性が途切れることなく、そのBGMを派手にしていくことができる。よって、従来のパチンコ機のように、BGMによって大当たりとなる期待感の向上に水を差すことなく、第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて音楽の面からも遊技者の期待感を高めることができる。従って、音楽を利用して遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、第3実施形態におけるパチンコ機10でも、第1実施形態と同様に、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出においてノーマルリーチからスペシャルリーチへ一気に発展する態様も含まれる。このようにノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展する場合、音編集処理(図26)のS2344の処理では、上物楽器パートの再生と歌パートの再生とが、再生時間カウンタ223cで示される時間T2、つまり、リーチ用BGMの再生が開始されてからの再生時間T2から開始されるよう音出力LSI301に設定される。これにより、音出力LSI301は、音声データROM306より上物楽器パートデータ306a2を時間T2の箇所から読み出して再生を開始し、且つ、歌パートデータ306a3を時間T2の箇所から読み出して再生を開始して、再生時間T2だけ既に再生が完了した基本パートに被せる形で、その時間T2のところから基本パートと上物楽器パートと歌パートとをミキシングし、これをリーチ用BGMとして音声出力装置226より出力する。
よって、それまで基本パートのみ音声出力装置206から出力されていたリーチ用BGMが、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展したタイミングで、基本パートに対して上物楽器パートと歌パートが被さってリーチ用BGMが音声出力装置206から出力される。従って、本パチンコ機10では、ノーマルリーチからスペシャルリーチへと一気に発展した場合に、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMが、基本パートのみから、基本パート+上物楽器パート+歌パートと、いきなり派手になる。その結果、遊技者は、第3図柄表示装置81にて表示される画像からだけではなく、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMによって、大当たりとなる期待感を一気に向上させることができる。
そして、この場合も、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パートに被さる形で上物楽器パート及び歌パートが再生・出力される。これにより、ノーマルリーチからスペシャルリーチへと一気に発展したときに、リーチ用BGMの連続性が途切れることなく、そのBGMを派手にしていくことができる。よって、従来のパチンコ機のように、BGMによって大当たりとなる期待感の向上に水を差すことなく、第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて音楽の面からも遊技者の期待感を高めることができる。従って、音楽を利用して遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本第3実施形態では、リーチが成立した後スーパーリーチへ発展するまで、音出力LSI301において、リーチ用BGMの再生は基本パートのみが行われ、第1実施形態と異なり、上物楽器パート及び歌パートの再生は行わない。また、スーパーリーチへ発展してからスペシャルリーチへ発展するまで、音出力LSI301において、リーチ用BGMの再生は基本パートと上物楽器パートのみが行われ、歌パートの再生は行わない。また、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ一気に発展する場合も、音出力LSI301において、リーチ用BGMの再生は基本パートのみが行われ、第1実施形態と異なり、上物楽器パート及び歌パートの再生は行わない。これにより、第3実施形態では、音出力LSI301において無駄にデータの再生が行われることを抑制でき、消費電力の低減につながる。また、再生に使用可能なチャンネルを開けることで別の音声の出力を可能にすることができるので、より多彩な音声出力を実現できる。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部又は複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部又は複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。BGMの連続性を途切れさすことなくそのBGMを派手にしてく方法として、上記第1〜第3実施形態及び下記する変形例を組み合わせて構成してもよい。また、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記第2実施形態では、リーチ用BGMを再生するデータとして、基本パートのみを再生する第1データ306a4と、基本パートと共に装飾的な演奏によって構成される第2パートを再生する第2データ306a5と、基本パートと共に第2パートよりも派手目の装飾的な演奏によって構成される第3パートを再生する第3データ306a6とを用意し、リーチが成立した時点で、第1データ306a4〜第3データ306a5の全てのデータを開始する一方、ノーマルリーチの間は基本パートのみを再生する第1データ306a4を除いて第2データ306a5及び第3データ306a6をミュートし、スーパーリーチの間は基本パート及び第2パートの2つのパートを再生する第2データ306a5のミュートを解除して第1データ306a4及び第3データ306a6をミュートし、スペシャルリーチの間は基本パート及び第3パートの3つのパートを再生する第3データ306a5を解除して第1データ306a4及び第2データ306a5をミュートする場合について説明した。これに代えて、第1データ306a4は基本パートのみを再生するデータとし、第2データ306a5は基本パートを含まずに第2パートのみを再生するデータとし、第3データ306a6は基本パートを含まずに第3パートのみを再生するデータとして、リーチが成立した時点で、第1データ306a4〜第3データ306a5の全てのデータを開始する一方、ノーマルリーチの間は第1データ306a4を除いて第2データ306a5及び第3データ306a6をミュートし、スーパーリーチの間は、第1データ306a5のミュートをオフにしたまま第2データ306a5のミュートを解除して第3データ306a6のみをミュートし、スペシャルリーチの間は、第1データ306a5のミュートをオフにしたまま、第2データ306a5のミュートを設定し、第3データ306a6のミュートを解除してもよい。これにより、第2実施形態と同様に、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度に、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMが、基本パートのみから、基本パート+第2パート、基本パート+第3パートと、段々と派手にしていくことができる。また、ノーマルリーチからスーパーリーチを経ずにスペシャルリーチへ一気に発展する場合も、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMが、基本パートのみから、基本パート+第3パートへと一気に派手にすることができる。そして、第1データ306a4、第2データ306a5、第3データ306a6は、リーチが成立した時点で同時に再生が開始されるので、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチ、又は、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展する場合に、第2データ306a5及び第3データ306a6のミュートを解除したりミュートを設定したりしても、あたかも1つのメロディが継続しつつ、出力されるパートが変更されたように遊技者に聴かせることができるようになっている。しかも、この場合、第2実施形態とは異なり、第1データ306a4は、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチ、又は、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展しても、ミュートされることなく継続して音声出力装置226より出力され続けるので、第2データ306a5及び第3データ306a6のミュートの切り替えが行われても、BGMが瞬間的に途切れることもない。よって、従来のパチンコ機のように、BGMによって大当たりとなる期待感の向上に水を差すことなく、第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて音楽の面からも遊技者の期待感を高めることができる。従って、音楽を利用して遊技の興趣向上を図ることができる。
また、第1データ306a4は基本パートのみを再生するデータとし、第2データ306a5は基本パートを含まずに第2パートのみを再生するデータとし、第3データ306a6は基本パートを含まずに第3パートのみを再生するデータとして、リーチが成立した時点で、第1データ306a4のみ再生を開始すると共に、第3実施形態のように再生時間カウンタ223cを0の初期化してリーチ用BGMの再生時間の計数を開始し、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展すると、第1データ306a4の再生を継続しつつ、第2データ306a5の再生を再生時間カウンタ223cで示されるリーチ用BGMの再生時間T1から開始し、更に、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展すると、第1データ306a4の再生を継続しつつ、第2データ306a5の再生を停止し、又は、第2データ306a5の出力をミュートし、第3データ306a6の再生を再生時間カウンタ223cで示されるリーチ用BGMの再生時間T2から開始してもよい。また、ノーマルリーチからスーパーリーチを経ずにスペシャルリーチへ一気に発展する場合は、第1データ306a4の再生を継続しつつ、第3データ306a6の再生を再生時間カウンタ223cで示されるリーチ用BGMの再生時間T2から開始してもよい。この場合も、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度に、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMを、基本パートのみから、基本パート+第2パート、基本パート+第3パートと、段々と派手にしていくことができる。また、ノーマルリーチからスーパーリーチを経ずにスペシャルリーチへ一気に発展する場合も、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMを、基本パートのみから基本パート+第3パートへと一気に派手にすることができる。そして、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パートに被さる形で第2パートが再生・出力され、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パートに被さる形で第2パートに代えて第3パートが再生・出力される。また、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ一気に発展するときには、それまで再生・出力されていた基本パートに被さる形で第3パートが再生・出力される。これにより、スーパーリーチやスペシャルリーチへ発展したときに、リーチ用BGMの連続性が途切れることなく、そのBGMを派手にしていくことができる。よって、従来のパチンコ機のように、BGMによって大当たりとなる期待感の向上に水を差すことなく、第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて音楽の面からも遊技者の期待感を高めることができる。従って、音楽を利用して遊技の興趣向上を図ることができる。また、この場合、リーチが成立した後スーパーリーチ又はスペシャルリーチへ発展するまで、音出力LSI301において、リーチ用BGMの再生は第1データ306a4のみが行われ、スーパーリーチへ発展してからスペシャルリーチへ発展するまで、音出力LSI301において、リーチ用BGMの再生は第1データ306a4と第2データ306a5のみが行われる。また、スペシャルリーチへ発展するときに第2データ306a5の再生を停止する場合は、スペシャルリーチへ発展してからは、音出力LSI301において、リーチ用BGMの再生は第1データ306a4と第3データ306a6のみが行わる。これにより、第3実施形態では、音出力LSI301において無駄にデータの再生が行われることを抑制でき、消費電力の低減につながる。また、再生に使用可能なチャンネルを開けることで別の音声の出力を可能にすることができるので、より多彩な音声出力を実現できる。
また、リーチ用BGMを再生するデータとして用意される第1データ306a4〜第3データ306a6は、再生されるBGMの基本的なメロディラインが統一されつつ、第2データ306a5が第1データ306a4よりも派手目のBGMを演奏し、第3データ306a6が第2データ306a5よりも派手目のBGMを演奏するように構成し、リーチが成立した時点で、第1データ306a4のみ再生を開始すると共に、第3実施形態のように再生時間カウンタ223cを0の初期化してリーチ用BGMの再生時間の計数を開始し、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展すると、第1データ306a4の再生を停止し、又は、第1データ306a4の出力をミュートしつつ、第2データ306a5の再生を再生時間カウンタ223cで示されるリーチ用BGMの再生時間T1から開始し、更に、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展すると、第2データ306a4の再生を停止し、又は、第2データ306a4の出力をミュートしつつ、第3データ306a6の再生を再生時間カウンタ223cで示されるリーチ用BGMの再生時間T2から開始してもよい。また、ノーマルリーチからスーパーリーチを経ずにスペシャルリーチへ一気に発展する場合は、第1データ306a4の再生を停止し、又は、第1データ306a4の出力をミュートしつつ、第3データ306a6の再生を再生時間カウンタ223cで示されるリーチ用BGMの再生時間T2から開始してもよい。なお、第2データ306a5は、例えば、第1データ306a4に含まれるパートの数(楽器や歌のパートの数)よりも多い数のパートが含まれることによって、第1データ306a4よりも派手目の装飾的な演奏が行われておよい。また、第3データ306a6は、第2データ306a5に含まれるパートの数(楽器や歌のパートの数)よりも多い数のパートが含まれることによって、第2データ306a5よりも派手目の装飾的な演奏が行われてもよい。この場合も、ノーマルリーチからスーパーリーチ、スーパーリーチからスペシャルリーチへと発展する度に、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMを段々と派手にしていくことができる。また、ノーマルリーチからスーパーリーチを経ずにスペシャルリーチへ一気に発展する場合も、音声出力装置226から出力されるリーチ用BGMを一気に派手にすることができる。そして、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた第1データ306a4の基本的なメロディラインにつながる形で第2データ306a5が再生・出力され、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展するときには、それまで再生・出力されていた第2データ306a5の基本的なメロディラインにつながる形で第3データ306a6が再生・出力される。また、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ一気に発展するときには、それまで再生・出力されていた第1データ306a4の基本的なメロディラインにつながる形で第3データ306a6が再生・出力される。これにより、スーパーリーチやスペシャルリーチへ発展したときに、リーチ用BGMの連続性が途切れることなく、そのBGMを派手にしていくことができる。よって、従来のパチンコ機のように、BGMによって大当たりとなる期待感の向上に水を差すことなく、第3図柄表示装置81に表示される画像にあわせて音楽の面からも遊技者の期待感を高めることができる。従って、音楽を利用して遊技の興趣向上を図ることができる。また、スーパーリーチやスペシャルリーチへ発展するときにそれまで再生されていた第1データ306a4や第2データ306a5の再生を停止する場合には、リーチが成立した後スーパーリーチ又はスペシャルリーチへ発展するまで、音出力LSI301において、リーチ用BGMの再生は、第1データ306a4〜第3データ306a6のいずれか1つのみが行われる。これにより、第3実施形態では、音出力LSI301において無駄にデータの再生が行われることを抑制でき、消費電力の低減につながる。また、再生に使用可能なチャンネルを開けることで別の音声の出力を可能にすることができるので、より多彩な音声出力を実現できる。
上記第1実施形態では、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展した場合、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展した場合、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ一気に発展した場合において、基本パート再生の進行状況にかかわらず、上物楽器パートや歌パートのミュートを解除したが、上物楽器パートや歌パートのミュートの解除のタイミングを、再生中の基本パートの小節の切り替わり(小節の頭)で行うようにしてもよい。また、これらのミュートの解除のタイミングを、ループ再生中の基本パートのループの先頭で行うようにしてもよい。これにより、基本パートの対して、上物楽器パートや歌パートが追加されるタイミングを小節の切り替わりやループの頭にあわせることができるので、より自然な形でリーチ用BGMを段階的に派手にしていくことができる。
また、第2実施形態では、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展した場合、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展した場合、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ一気に発展した場合において、第1データ306a4等の再生の進行状況にかかわらず、第1データ306a4,第2データ306a5,第3データ306a6のミュート設定やミュート解除を行ったが、これらのミュート設定・ミュート解除のタイミングを、再生中の各データの小節の切り替わり(小節の頭)で行うようにしてもよい。また、これらのミュートの解除のタイミングを、ループ再生中の各データのループの先頭で行うようにしてもよい。これにより、基本パートの対して、第2パートや第3パートが追加されるタイミングを小節の切り替わりやループの頭にあわせることができるので、より自然な形でリーチ用BGMを段階的に派手にしていくことができる。
また、第3実施形態では、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展した場合、スーパーリーチからスペシャルリーチへ発展した場合、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ一気に発展した場合において、基本パート再生の進行状況にかかわらず上物楽器パートや歌パートの再生を開始する場合について説明したが、これらのパートの再生開始を、生中の基本パートの小節の切り替わり(小節の頭)で行うようにしてもよいし、ループ再生中の基本パートのループの先頭で行うようにしてもよい。これにより、基本パートに対して、上物楽器パートや歌パートが追加されるタイミングを小節の切り替わりやループの頭にあわせることができるので、より自然な形でリーチ用BGMを段階的に派手にしていくことができる。
上記各実施形態では、リーチ用BGMを段階的に派手にしていく場合を例にして説明したが、連続性を途切れさすことなくBGMを段階的に派手にしていく上記各実施形態で例示した今回の発明は、リーチ用BGM以外にも様々な場面で適用できる。
例えば、第3図柄表示装置81にて行われる複数の変動演出に対し、変動演出が開始される毎、変動演出が確定表示される毎、又は、各変動演出の途中で、再生されるBGMを派手にしていく場合に、本発明を適用できる。これにより、複数の変動演出にわたってBGMを途切れさすことなく連続して演奏されながら、段階的に派手にしていくことができるので、音楽の面から、変動演出が行われる度に大当たりに近づいていっているという遊技者の期待感を途切れさすことなく、徐々に高めることができる。
また、第3図柄表示装置81にて行われる1回の変動演出中に1以上の擬似的な第3図柄の停止表示(全図柄列Z1〜Z3が擬似的に一旦停止される表示。擬似停止)がなされ、擬似停止後に、再び第3図柄の変動表示が行われる擬似連において、擬似停止が行われる毎に再生されるBGMを派手にしていく場合に、本発明を適用できる。これにより、擬似停止が行われる度に、BGMを途切れさすことなく連続して演奏されながら、段階的に派手にしていくことができるので、音楽の面から、その変動演出において大当たりとなるという遊技者の期待感を途切れさすことなく、徐々に高めることができる。
また、第3図柄表示装置81にて行われる1回の変動演出の中で、リーチや擬似連の発生にかかわらず、BGMを段階的に派手にしていく場合にも本発明を適用できる。特に、BGMが段階的に派手になっていくことで大当たりとなる期待度(信頼度)が上がるようにパチンコ機10を構成してもよく、これにより、BGMが途切れることなく段階的に派手になっていくことで、音楽の面から、その変動演出において大当たりとなるという遊技者の期待感を途切れさすことなく、徐々に高めることができる。
また、変動演出中に、又は、変動演出の所定期間中に、枠ボタン22又はパチンコ機10の上皿17等に枠ボタン22とは別に設けられたボタンが遊技者によって操作されることによって、当該変動演出で大当たりとなる期待度を遊技者に示唆する場合に、その示唆される期待度として高い期待度を示唆したり、示唆される期待度が段階的に向上するのにあわせてBGMを派手にする場合に、本発明を適用してもよい。これにより、BGMが途切れることなく、遊技者のボタン操作に基づいて示唆される期待度が高くなるのとあわせてBGMが派手になっていくことで、音楽の面から、その変動演出において大当たりとなるという遊技者の期待感を途切れさすことなく高めることができる。また、期待度に関係なく、変動演出中に、又は、変動演出の所定期間中に、枠ボタン22又はパチンコ機10の上皿17等に枠ボタン22とは別に設けられたボタンが遊技者によって操作されることによって、その操作の度に、又は、操作が行われたことを契機として判定される所定の条件の成立の有無に基づいて、BGMを派手にする場合に、本発明を適用してもよい。仮にボタン操作に基づいてBGMが派手になる場合に、BGMの頭出しが行われると、遊技者にとって遊技の継続性が途切れてしまい、興醒めしてしまうおそれがあるが、遊技者のボタン操作に基づいて、BGMが途切れることなく派手になっていくことで、音楽の面から、遊技者に躊躇なくボタン操作させることができる。
また、パチンコ機10において、確変大当たりが成立した後に実行される変動演出において、最初の所定回転分(例えば、100回転分)の変動演出については、BGMとして基本的なパートのみ出力し、所定回転分の変動演出が終了後、又は、(所定回数+1)回転目(例えば、101回転目)の変動演出を開始する時点から、派手目のBGMとする場合に、本発明を適用してもよい。これにより、BGMによって、確変大当たり後、所定回転分の変動演出が行われている間は、遊技者に時短状態と思わせ、所定回転分の変動演出が終了した後、確変状態に昇格したように遊技者に思わせることができる。そして、この場合、BGMが途切れることなく派手目のBGMに変化するので、遊技者は前触れもなくいきなり確変状態に昇格した間隔を味わうことができ、その昇格への喜びを大きくさせることができる。
また、連続性を途切れさすことなくBGMを段階的に派手にしていく上記各実施形態で例示した今回の発明は、パチンコ機だけでなく、スロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。ここで、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
このようなスロットマシンにおいて、複数のゲームにわたり、投入されたコインがベットされて図柄有効ラインが決定されたタイミングで、操作レバーが操作されたタイミングで、または、一部もしくは全てのストップボタンが操作されたタイミング等で、BGMを派手にしていく場合に、本発明を適用できる。これにより、BGMが途切れることなく段階的に派手になっていくことで、音楽の面から、役の入賞への遊技者の期待感を途切れさすことなく、複数ゲームにわたり徐々に高めることができる。
また、スロットマシンにおいて、1つのゲームの中で、複数あるストップボタンが操作される度に、BGMを派手にしていく場合に、本発明を適用できる。これにより、BGMが途切れることなく段階的に派手になっていくことで、音楽の面から、そのゲームにおいて役が入賞することへの遊技者の期待感を途切れさすことなく、徐々に高めることができる。
また、スロットマシンには、複数あるストップボタンの押し順をゲーム毎等に決定し、その決定された押し順でストップボタンを操作した場合に限り、特定の識別情報の組合せが表示されるものがある。そして、その押し順を遊技者に示して、役の入賞をアシストするAT(アシストタイム)と呼ばれる期間や、リプレイ役の当選確率が大幅にアップし、且つ、複数あるストップボタンの押し順を示して遊技者に役の入賞をアシストするART(アシストリプレイタイム)と呼ばれる期間が付加されるものがある。また、ATやARTとなる期間(ゲーム数)が、抽選によって更に上乗せされるものもある。このようなスロットマシンにおいて、ゲーム数の上乗せ抽選が行われるゲーム数上乗せ演出が終了したタイミングで、BGMを派手にしていく場合に、本発明を適用できる。これにより、ゲーム数上乗せ演出終了後に、BGMが途切れることなく派手目の演出に切り替わるので、遊技者は、音楽の面から、気持ちを途切れさすことなく、ゲーム数上乗せ演出の余韻に浸ることができる。なお、この場合、ゲーム数の上乗せ抽選が行われるゲーム数上乗せ演出が終了し、ゲーム数の上乗せが行われた場合にのみ(即ち、ゲーム数上乗せ抽選に当選した場合にのみ)、そのタイミングで、BGMを派手にしていく場合に、本発明を適用してもよい。これにより、遊技者は、音楽の面から気持ちを途切れ指すことなく、ゲーム数上乗せ演出に当選した余韻に浸りながら、引き続きAT又はART期間を楽しむことができる。
上記各実施形態では、通常BGMを再生するときに、各小節毎に再生に使用するパターンを複数のパターンの中から選択する方法として、決定対象となる小節の1つ前の小節で使用されているパターンに応じて、決定対象となる小節で使用するパターンの選択確率を変える場合について説明した。これに代えて、決定対象となる小節で使用するパターンをランダムに選択してもよい。
また、そのときのパチンコ機10の遊技状態(確変状態、時短状態、通常状態等)に応じて、決定対象となる小節で使用するパターンの選択確率を変えてもよい。これにより、遊技状態にあったパターンを選択し易くでき、遊技状態に応じた通常BGMを再生することができる。よって、通常BGMからパチンコ機10の遊技状態を遊技者に感じさせることができる。
また、パチンコ機10が所謂潜伏確変状態(内部的には確変状態となっているが、遊技者には確変状態であるのか否かが分からない状態)を有する場合、潜伏確変か否かに応じて、決定対象となる小節で使用するパターンの選択確率を変えてもよい。これにより、通常BGMの再生に使用されるパターンの傾向が潜伏確変状態か否かによって異なってくるため、通常BGMによって現在確変状態にあるかもしれない、という期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、変動演出の種別(変動時間または詳細な変動パターン)毎に、決定対象となる小節で使用するパターンの選択確率を変えてもよい。これにより、各変動演出の種別にあったパターンを選択し易くでき、それぞれの変動演出の種別にあった通常BGMを再生することができる。また、1の変動演出の中では統一感のある通常BGMを再生させることができるので、遊技者に違和感なく通常BGMを聴かせることができる。
また、実行中の変動演出において大当たりとなるか否かに基づいて、決定対象となる小節で使用するパターンの選択確率を変えてもよい。これにより、大当たりとなる場合には、特定のパターンによって通常BGMが再生される確率を高くすることができるので、遊技者は、その特定パターンによる通常BGMの再生を聴くことにより、大当たりとなることへの期待感を高めることができる。この場合、実行中の変動演出において大当たりとなるときのその大当たり種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり等)に基づいて、決定対象となる小節で使用するパターンの選択確率を変えてもよい。これにより、通常BGMの再生で使用されるパターンに基づいて、遊技者が大当たり種別を予想できるので、遊技への興趣を高めることができる。
また、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があるか否かに応じて、決定対象となる小節で使用するパターンの選択確率を変えてもよい。これにより、保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出がある場合には、特定のパターンによって通常BGMが再生される確率を高くすることができるので、遊技者は、その特定パターンによる通常BGMの再生を聴くことにより、保留中の変動演出によって大当たりとなることへの期待感を高めることができる。また、この場合、大当たりとなるまでの変動演出の数に基づいて、決定対象となる小節で使用するパターンの選択確率を変えてもよい。これにより、通常BGMで使用されるパターンから、大当たりに近づいていく感覚を遊技者に与えることができる。
上記実施形態では、通常BGMを再生する場合に、各小節毎に使用するパターンを決定する場合について説明したが、複数小節毎(例えば、2小節毎)又は1ループ毎に使用するパターンを決定してもよい。これにより、パターンの変更タイミングが複数小節毎又はループ毎になるため、同一のパターンをある程度まとまった時間聴かせることができる。よって、通常BGMのリズムやバッキング等が短時間で変わることで、遊技者に違和感を持たせることを抑制できる。また、複数小節毎に使用するパターンを決定する場合は、その複数小節単位で異なるパターンに対応する再生用のデータを音声データROM306に用意してもよいし、ループ毎に使用するパターンを決定する場合は、そのループ単位で異なるパターンに対応する再生用のデータを音声データROM306に用意してもよい。
上記各実施形態において、球が入球した場合に大当たりの抽選が開始される第1入球口64が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置313へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
また、複数の第1入球口が設けられている場合、一部の第1入球口は、拡大・縮小動作(または、開閉動作)する羽根部材が設けられ、羽根部材が拡大状態(または開放状態)にある場合に球が入球し易くなり、羽根部材が縮小状態(または閉鎖状態)にある場合に球が入球し難い(または、入球できない)状態となるものであってもよい。このとき、この一部の第1入球口において、遊技状態が確変状態または時短状態にある場合に、遊技状態が通常状態にある場合よりも、羽根部材が拡大状態(または開放状態)になりやすく構成されてもよい。一方、他の第1入球口は、羽根部材がなく、常に球が入球し易い状態となるものであってもよい。また、一部の第1入球口への入球に伴って行われる大当たり抽選の結果大当たりとなる場合は、他の第1入球口への入球に伴って行われる大当たり抽選の結果大当たりとなる場合よりも、遊技者に有利な種別の大当たり(例えば、15R確変大当たり)が選択されやすくなるように構成してもよい。パチンコ機がこれらの構成を有している場合、遊技状態が通常状態の場合は、他の第1入球口へ球を入球させ、大当たり抽選が多く行われるように、遊技者に球を発射させ、遊技状態が確変状態または通常状態の場合は、羽根部材が拡大状態となりやすい一の第1入球口へ球を入球させ、遊技者に有利な種別の大当たりが得られるように、遊技者に球を発射させることができる。よって、遊技者における遊技の仕方にバリエーションを持たせることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、複数の第1入球口が設けられている場合、一部の第1入球口への入球に対応して保留されている変動演出が、他の第1入球口への入球に対応して保留されている変動演出よりも優先して実行されてもよい。特に、一部の第1入球口への入球に伴って行われる大当たり抽選の結果大当たりとなる場合は、遊技者に有利な種別の大当たり(例えば、15R確変大当たり)が選択されやすくなるように構成された場合は、その一部の第1入球口への入球に対応して保留されている変動演出が優先して実行されることにより、遊技者に対して、有利な種別の大当たりを付与されやすくすることができる。よって、遊技者の期待感を高めることができる。
上記各実施形態では、パチンコ機10の電源がオンされると、音声ランプ制御装置113内のMPU221において実行される立ち上げ処理の中で、RAM223に設けられた各種フラグやメモリ等に初期値が設定され(図21のS1810)、初期化される場合について説明した。つまり、上記各実施形態では、パチンコ機10の電源が一旦オフされ、再びオンされた場合に、音声ランプ制御装置113は必ず初期状態から動作が開始される場合について説明した。これに対し、パチンコ機10の電源がオンされた場合、主制御装置110は、その主制御装置110においてバックアップされていたパチンコ機10の遊技の状態(通常状態、確変状態、時短状態など)や、保留球数をコマンドによって音声ランプ制御装置113へ通知し、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信したコマンドに合わせて、RAM223に設けられた各種フラグやメモリ等に値を設定するようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、パチンコ機10の電源がオンされた直後から、主制御装置110にてバックアップされた状態を反映した音声出力、ランプ出力を行い、また、表示制御装置114に対して、主制御装置110にてバックアップされた状態を反映した画像を第3図柄表示装置81に表示させるよう指示することができる。よって、例えば瞬間的な停電が発生した場合に、停電直前の状態から音声出力、ランプ出力、及び、第3図柄表示装置81における画像表示が行われることになるので、遊技者は、安心して遊技を継続することができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン毎に表示データテーブルを用意する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変動演出を、例えば、「変動立ち上げ」、「高速変動」、「予告演出」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」といった各要素毎に表示データテーブルを用意し、表示用変動パターンコマンドに示される変動パターンに応じてその変動演出に必要な要素を特定した上で、その特定された変動演出に必要な要素に対応する表示データテーブルを1つにまとめて、その変動パターンに対応する最終定期な表示データテーブルを生成するようにしてもよい。「変動立ち上げ」、「高速変動」、「ノーマルリーチ」などは、それぞれの変動パターンに共通した表示が行われる場合が多い。よって、このように変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することで、データテーブルを効率的に持たせることができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記各実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記各実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記各実施形態において、表示データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、保留球数カウンタ223aの値を1減らす場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理において、変動開始処理(S1207)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値を主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、保留球数コマンドを設定し、その保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113では、より正確に主制御装置110に保留された保留球の数を把握することができる。
上記各実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドや、役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを、音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。このとき、表示制御装置が、主制御装置110から直接受信したコマンドに基づいて、詳細な変動パターンを決定し、その詳細な変動パターンに基づいて、表示制御装置から音声ランプ制御装置に対して、各音声の出力、ランプの点灯・点滅、可動役物の動作開始を指示するコマンドを送信してもよい。
更に、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、音声ランプ制御装置113で生成して表示制御装置114に通知するコマンドに代えてフラグを生成し、そのフラグに基づいて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定したり、保留画像データなどの各種画像データを生成したりしてもよい。また、表示制御装置114で生成して音声ランプ制御装置113に通知する表示種別コマンドに代えて、表示種別フラグを生成し、その表示種別フラグに基づいて、音声の出力、ランプの点灯・点滅、第1役物87の動作を制御してもよい。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞、及び、第2入球口67への球の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動演出の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動演出は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向或いはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
なお、上記実施形態に記載の「リーチ」が特許請求の範囲及び下記の各遊技機に記載の「所定の演出」に該当し、上記実施形態に記載の「リーチ用BGM」及び「通常BGM」が特許請求の範囲及び下記の各遊技機に記載の「所定の音楽」に該当し、上記実施形態に記載の「スーパーリーチ」が特許請求の範囲及び下記の各遊技機に記載の「第1状態」に該当し、上記実施形態に記載の「スペシャルリーチ」が特許請求の範囲及び下記の各遊技機に記載の「第2状態」に該当し、上記実施形態に記載の「大当たり」が特許請求の範囲及び下記の各遊技機に記載の「所定の遊技価値」に該当し、上記実施形態に記載の「第3図柄」が、特許請求の範囲及び下記の各遊技機に記載の「識別情報」に対応する。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技の主な制御を行う主制御手段と、その主制御手段から送信される信号に基づいて動作する副制御手段と、その副制御手段による制御に基づいて遊技の進行に基づいた演出を実行する演出実行手段と、前記副制御手段による制御に基づいて音声を出力する音声出力手段と、を備えた遊技機において、
前記副制御手段は、
前記音声出力手段からの音声の出力を制御する音声出力制御手段を備え、
その音声出力制御手段は、
前記演出実行手段により所定の演出が実行される場合に、所定の音楽を前記音声出力手段より出力するよう制御する第1手段を備え、
その第1手段は、
前記所定の演出が第1状態となった場合に、前記所定の音楽で奏される旋律を維持しつつ、その所定の音楽で奏される音のパートを増加させる制御を行うことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技の主な制御が主制御手段により実行される。その主制御手段から送信される信号に基づいて動作する副制御手段の制御によって、遊技の進行に基づいた演出が演出実行手段により実行される。また、副制御手段に設けられた音声出力制御手段の制御により、音声出力手段より音声が出力される。ここで、演出実行手段により所定の演出が実行される場合、音声出力制御手段の第1手段の制御により、所定の音楽が音声出力手段より出力される。そして、所定の演出が第1状態となった場合に、所定の音楽で奏される旋律が維持されつつ、その所定の音楽で奏される音のパートが増加するよう、第1手段による制御が行われる。これにより、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽を盛り上げることができるので、その所定の音楽によって、遊技者の気持ちを途切れさすことなく、所定の演出の盛り上がりを遊技者に感じさせることができる。よって、音楽を利用して遊技の興趣向上を図ることができるという効果がある。
遊技機A1において、
前記音声出力制御手段は、
前記音声出力手段より音声を出力するための音声データを記憶する記憶手段を備え、
その記憶手段に記憶される前記音声データは、
前記所定の音楽を前記音声出力手段より出力するための音声データとして、前記所定の音楽の第1パートを再生する第1のデータと、前記所定の音楽の第2パートを再生する第2のデータとを少なくとも含み、
前記第1手段は、
前記演出実行手段による前記所定の演出の実行が開始されることを契機として、少なくとも前記第1のデータと前記第2のデータとに基づいて前記所定の音楽の前記第1パート及び前記第2パートの再生を開始する再生開始手段と、
その再生開始手段により再生が開始された前記第2パートの出力をミュートするミュート手段と、
前記所定の演出が第1状態となったことを契機として、前記ミュート手段により出力がミュートされた前記第2パートのミュートを解除するミュート解除手段と、を備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音楽出力制御手段には、音声出力手段より音声を出力するための音声データが記憶される。この音声記憶手段には、所定の音楽を音声出力手段より出力するための音声データとして、所定の音楽の第1パートを再生する第1のデータと、所定の音楽の第2パートを再生する第2のデータとが少なくとも含まれる。そして、演出実行手段による所定の演出の実行が開始されると、そのことを契機として、少なくとも記憶手段に記憶される第1のデータと第2のデータとに基づいて、所定の音楽の第1パート及び第2パートの再生が再生開始手段により開始される。一方、その再生開始手段により再生が開始された第2パートの出力は、ミュート手段によりミュートされる。そして、所定の演出が第1状態となったことを契機として、第2パートのミュートがミュート解除手段によって解除される。このように、所定の演出が演出実行手段により実行されると、少なくとも第1のデータと第2のデータとに基づいて、所定の音楽の第1パートと第2パートとの再生が開始されるが、当初は第2パートの出力がミュートされ、第1パートが音声出力手段より出力される。そして、所定の演出が第1状態となると、第2パートのミュートが解除され、所定の音楽として第1パートと第2パートとが同時に出力される。これにより、所定の演出が第1状態となった場合に、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させることができるという効果がある。
なお、第1パートは1つのパートで構成されるものであってもよいし、複数のパートで構成されるものであってもよい。また、第2パートも同様に1つのパートで構成されるものであってもよいし、複数のパートで構成されるものであってもよい。
遊技機A2において、
前記記憶手段に記憶される前記音声データは、
前記所定の音楽を前記音声出力手段より出力するための音声データとして、前記第1のデータ及び前記第2のデータに加えて、前記所定の音楽の第3パートを再生する第3のデータを少なくとも含み、
前記再生開始手段は、前記演出実行手段による前記所定の演出の実行が開始されることを契機として、少なくとも前記第1のデータ、前記第2のデータ及び前記第3のデータに基づいて前記所定の音楽の前記第1パート、前記第2パート及び前記第3パートの再生を開始し、
前記ミュート手段は、前記再生開始手段により再生が開始された前記第2パート及び前記第3パートの出力をミュートし、
前記ミュート解除手段は、前記所定の演出が前記第1状態の後に第2状態となったことを契機として、前記ミュート手段により出力がミュートされた前記第3パートのミュートを解除することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声記憶手段には、所定の音楽を音声出力手段より出力するための音声データとして、所定の音楽の第1パートを再生する第1のデータと、所定の音楽の第2パートを再生する第2のデータとに加えて、所定の音楽の第3パートを再生する第3のデータが少なくとも含まれる。そして、演出実行手段による所定の演出の実行が開始されると、そのことを契機として、少なくとも記憶手段に記憶される第1のデータ、第2のデータ及び第3のデータに基づいて、所定の音楽の第1パート、第2パート及び第3パートの再生が再生開始手段により開始される。一方、その再生開始手段により再生が開始された第2パート及び第3パートの出力は、ミュート手段によりミュートされる。そして、所定の演出が第1状態となったことを契機として、第2パートのミュートがミュート解除手段によって解除され、所定の演出が第1状態の後に第2状態となったことを契機として、第3パートのミュートがミュート解除手段により解除される。このように、所定の演出が演出実行手段により実行されると、少なくとも第1のデータ、第2のデータ及び第3のデータに基づいて、所定の音楽の第1パート、第2パート及び第3パートの再生が開始されるが、当初は第2パート及び第3パートの出力がミュートされ、第1パートが音声出力手段より出力される。そして、所定の演出が第1状態となると、第2パートのミュートが解除され、所定の音楽として第1パートと第2パートとが同時に出力される。更に、所定の演出が第2状態となると、第3パートのミュートも解除され、所定の音楽として第1パート、第2パート及び第3パートが同時に出力される。これにより、所定の演出が第1状態、第2状態となるにつれて、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させることができるという効果がある。
なお、第3パートは、第1パート及び第2パートと同様に、1つのパートで構成されるものであってもよいし、複数のパートで構成されるものであってもよい。
遊技機A2において、
前記記憶手段に記憶される前記音声データは、
前記所定の音楽を前記音声出力手段より出力するための音声データとして、前記第1のデータ及び前記第2のデータに加えて、前記所定の音楽を構成するパートであって前記第2パートよりも含まれるパートの数が多い第4パートを再生する第4のデータを少なくとも含み、
前記再生開始手段は、前記演出実行手段による前記所定の演出の実行が開始されることを契機として、少なくとも前記第1のデータ、前記第2のデータ及び前記第4のデータに基づいて前記所定の音楽の前記第1パート、前記第2パート及び前記第4パートの再生を開始し、
前記ミュート手段は、前記再生開始手段により再生が開始された前記第2パート及び前記第3パートの出力をミュートし、
前記ミュート解除手段は、前記所定の演出が前記第1状態の後に第2状態となったことを契機として、前記ミュート手段により出力がミュートされた前記第4パートのミュートを解除し、
前記ミュート手段は、前記所定の演出が第2状態となったことを契機として、前記ミュート解除手段によりミュートが解除されていた前記第2パートの出力をミュートすることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声記憶手段には、所定の音楽を音声出力手段より出力するための音声データとして、所定の音楽の第1パートを再生する第1のデータと、所定の音楽の第2パートを再生する第2のデータとに加えて、所定の音楽を構成するパートであって第2パートよりも含まれるパターの数が多い第4パートを再生する第4のデータが少なくとも含まれる。そして、演出実行手段による所定の演出の実行が開始されると、そのことを契機として、少なくとも記憶手段に記憶される第1のデータ、第2のデータ及び第4のデータに基づいて、所定の音楽の第1パート、第2パート及び第4パートの再生が再生開始手段により開始される。一方、その再生開始手段により再生が開始された第2パート及び第4パートの出力は、ミュート手段によりミュートされる。そして、所定の演出が第1状態となったことを契機として、第2パートのミュートがミュート解除手段によって解除される。更に、所定の演出が第1状態の後に第2状態となったことを契機として、第4パートのミュートがミュート解除手段により解除され、一方、ミュートが解除されていた第2パートの出力がミュート手段によってミュートされる。このように、所定の演出が演出実行手段により実行されると、少なくとも第1のデータ、第2のデータ及び第4のデータに基づいて、所定の音楽の第1パート、第2パート及び第4パートの再生が開始されるが、当初は第2パート及び第4パートの出力がミュートされ、第1パートが音声出力手段より出力される。そして、所定の演出が第1状態となると、第2パートのミュートが解除され、所定の音楽として第1パートと第2パートとが同時に出力される。更に、所定の演出が第2状態となると、第2パートはミュートされるが、第2パートよりも含まれるパートの数が多い第4パートのミュートが解除され、所定の音楽として第1パート及び第4パートが同時に出力される。これにより、所定の演出が第1状態、第2状態となるにつれて、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させることができるという効果がある。
遊技機A1において、
前記音声出力制御手段は、
前記音声出力手段より音声を出力するための音声データを記憶する記憶手段を備え、
その記憶手段に記憶される前記音声データは、
前記所定の音楽を前記音声出力手段より出力するための音声データとして、前記所定の音楽の第1パートを再生する第1のデータと、前記所定の音楽を構成するパートであって前記第1パートよりも含まれるパートの数が多い第2パートを再生する第2のデータとを少なくとも含み、
前記第1手段は、
前記演出実行手段による前記所定の演出の実行が開始されることを契機として、少なくとも前記第1のデータと前記第2のデータとに基づいて前記所定の音楽の前記第1パート及び前記第2パートの再生を開始する再生開始手段と、
その再生開始手段により再生が開始された前記第2パートの出力をミュートするミュート手段と、
前記所定の演出が第1状態となったことを契機として、前記ミュート手段により出力がミュートされた前記第2パートのミュートを解除するミュート解除手段と、を備え、
前記ミュート手段は、前記前記所定の演出が第1状態となったことを契機として、前記第1パートの出力をミュートすることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音楽出力制御手段には、音声出力手段より音声を出力するための音声データが記憶される。この音声記憶手段には、所定の音楽を音声出力手段より出力するための音声データとして、所定の音楽の第1パートを再生する第1のデータと、所定の音楽を構成するパートであって第1パートよりも含まれるパートの数が多い第2パートを再生する第2のデータとが少なくとも含まれる。そして、演出実行手段による所定の演出の実行が開始されると、そのことを契機として、少なくとも記憶手段に記憶される第1のデータと第2のデータとに基づいて、所定の音楽の第1パート及び第2パートの再生が再生開始手段により開始される。一方、その再生開始手段により再生が開始された第2パートの出力は、ミュート手段によりミュートされる。そして、所定の演出が第1状態となったことを契機として、第2パートのミュートがミュート解除手段によって解除され、一方で、第1パートの出力がミュート手段によりミュートされる。このように、所定の演出が演出実行手段により実行されると、少なくとも第1のデータと第2のデータとに基づいて、所定の音楽の第1パートと第2パートとの再生が開始されるが、当初は第2パートの出力がミュートされ、第1パートが音声出力手段より出力される。そして、所定の演出が第1状態となると、第2パートのミュートが解除され、第1パートの出力がミュートされる。つまり、第1パートよりも含まれるパートの数が多い第2パートが音声出力手段より出力される。これにより、所定の演出が第1状態となった場合に、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させることができるという効果がある。
なお、第1パートは1つのパートで構成されるものであってもよいし、複数のパートで構成されるものであってもよい。
遊技機A5において、
前記記憶手段に記憶される前記音声データは、
前記所定の音楽を前記音声出力手段より出力するための音声データとして、前記第1のデータ及び前記第2のデータに加えて、前記所定の音楽を構成するパートであって前記第2パートよりも含まれるパートの数が多い第5パートを再生する第5のデータを少なくとも含み、
前記再生開始手段は、前記演出実行手段による前記所定の演出の実行が開始されることを契機として、少なくとも前記第1のデータ、前記第2のデータ及び前記第5のデータに基づいて前記所定の音楽の前記第1パート、前記第2パート及び前記第5パートの再生を開始し、
前記ミュート手段は、前記再生開始手段により再生が開始された前記第2パート及び前記第5パートの出力をミュートし、
前記ミュート解除手段は、前記所定の演出が前記第1状態の後に第2状態となったことを契機として、前記ミュート手段により出力がミュートされた前記第5パートのミュートを解除し、
前記ミュート手段は、前記所定の演出が第2状態となったことを契機として、前記ミュート解除手段によりミュートが解除されていた前記第2パートの出力をミュートすることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声記憶手段には、所定の音楽を音声出力手段より出力するための音声データとして、第1のデータ及び第2のデータに加えて、所定の音楽を構成するパートであって第2パートよりも含まれるパターの数が多い第5パートを再生する第5のデータが少なくとも含まれる。そして、演出実行手段による所定の演出の実行が開始されると、そのことを契機として、少なくとも記憶手段に記憶される第1のデータ、第2のデータ及び第5のデータに基づいて、所定の音楽の第1パート、第2パート及び第5パートの再生が再生開始手段により開始される。一方、その再生開始手段により再生が開始された第2パート及び第5パートの出力は、ミュート手段によりミュートされる。そして、所定の演出が第1状態となったことを契機として、第2パートのミュートがミュート解除手段によって解除され、また、第1パートの出力がミュート手段によりミュートされる。更に、所定の演出が第1状態の後に第2状態となったことを契機として、第5パートのミュートがミュート解除手段により解除され、ミュートが解除されていた第2パートの出力がミュート手段によってミュートされる。このように、所定の演出が演出実行手段により実行されると、少なくとも第1のデータ、第2のデータ及び第4のデータに基づいて、所定の音楽の第1パート、第2パート及び第5パートの再生が開始されるが、当初は第2パート及び第4パートの出力がミュートされ、第1パートが音声出力手段より出力される。そして、所定の演出が第1状態となると、第1パートの出力はミュートされるが、第1パートよりも含まれるパートの数が多い第2パートのミュートが解除されて、所定の音楽として第2パートが出力される。更に、所定の演出が第2状態となると、第2パートはミュートされるが、第2パートよりも含まれるパートの数が多い第5パートのミュートが解除され、所定の音楽として第5パートが出力される。これにより、所定の演出が第1状態、第2状態となるにつれて、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させることができるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、
前記ミュート解除手段は、前記所定の演出が前記第1状態又は前記第2状態となった後、前記所定の音楽の再生が小節の切り替わりとなったところでミュートを解除し、
前記ミュート手段は、前記所定の演出が前記第1状態又は前記第2状態となった後、前記所定の音楽の再生が小節の切り替わりとなったところでミュートを設定するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、ミュート解除手段によるミュートの解除とミュート手段によるミュートの設定とは、所定の演出が第1状態又は第2状態となった後、所定の音楽の再生が小節の切り替わりとなったところで行われる。これにより、所定の演出が第1状態、第2状態となるにつれて、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させる場合に、そのパートの増加が小節の切り替わりで行われるので、遊技者により自然な形で、そのパートの増加を聴かせることができるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、
前記音声出力制御手段は、前記第1のデータから前記第5のデータの少なくとも一部のデータを用いて前記所定の音楽を出力する場合に、前記一部のデータによって最後まで前記所定の音楽を再生すると、再び先頭から前記所定の音楽を再生するループ再生を行うものであり、
前記ミュート解除手段は、前記所定の演出が前記第1状態又は前記第2状態となった後、前記所定の音楽が前記先頭から再生されることとなったところでミュートを解除し、
前記ミュート手段は、前記所定の演出が前記第1状態又は前記第2状態となった後、前記所定の音楽が前記先頭から再生されることとなったところでミュートを設定するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1のデータから第5のデータの少なくとも一部のデータを用いて所定の音楽が出力される場合に、一部のデータによって最後まで前記所定の音楽が再生されると、再び先頭から所定の音楽が再生されるループ再生が、音声出力制御手段により行われる。そして、ミュート解除手段によるミュートの解除とミュート手段によるミュートの設定とは、所定の演出が第1状態又は第2状態となった後、所定の音楽が先頭から再生されることとなったところで行われる。これにより、所定の演出が第1状態、第2状態となるにつれて、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させる場合に、そのパートの増加がループの先頭で行われるので、遊技者により自然な形で、そのパートの増加を聴かせることができるという効果がある。
遊技機A1において、
前記音声出力制御手段は、
前記音声出力手段より音声を出力するための音声データを記憶する記憶手段を備え、
その記憶手段に記憶される前記音声データは、
前記所定の音楽を前記音声出力手段より出力するための音声データとして、前記所定の音楽の第1パートを再生する第1のデータと、前記所定の音楽の第2パートを再生する第2のデータとを少なくとも含み、
前記第1手段は、
前記演出実行手段による前記所定の演出の実行が開始されることを契機として、前記第1のデータに基づいて前記所定の音楽の前記第1パートの再生を開始する再生開始手段と、
その再生開始手段により前記第1パートの再生の開始に伴って前記所定の音楽の出力が開始されてからの経過時間を計数するための計数手段と、
前記所定の演出が第1状態となったことを契機として、前記第2のデータに基づいて前記計数手段により計数された前記経過時間に相当する箇所から前記第2パートの再生を開始する第2再生開始手段と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音楽出力制御手段には、音声出力手段より音声を出力するための音声データが記憶される。この音声記憶手段には、所定の音楽を音声出力手段より出力するための音声データとして、所定の音楽の第1パートを再生する第1のデータと、所定の音楽の第2パートを再生する第2のデータとが少なくとも含まれる。そして、演出実行手段による所定の演出の実行が開始されると、そのことを契機として、記憶手段に記憶される第1のデータに基づいて、所定の音楽の第1パートが再生開始手段により開始される。また、第1パートの再生の開始に伴って所定の音楽の出力が開始されてからの経過時間が計数手段により計数される。一方、所定の演出が第1状態となったことを契機として、第2のデータに基づいて、計数手段により計数された所定の音楽の出力が開始されていからの経過時間に相当する箇所から第2パートの再生が第2再生開始手段により開始される。これにより、所定の演出が演出実行手段により実行されると所定の音楽として第1パートが音声出力手段より出力され、所定の演出が第1状態となると、そのときの所定の音楽の出力が開始されてからの経過時間に基づいて、その経過時間に相当する箇所から第2パートが第1パートとあわせて出力される。よって、所定の演出が第1状態となった場合に、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させることができるという効果がある。
なお、第1パートは1つのパートで構成されるものであってもよいし、複数のパートで構成されるものであってもよい。また、第2パートも同様に1つのパートで構成されるものであってもよいし、複数のパートで構成されるものであってもよい。
遊技機B1において、
前記記憶手段に記憶される前記音声データは、
前記所定の音楽を前記音声出力手段より出力するための音声データとして、前記第1のデータ及び前記第2のデータに加えて、前記所定の音楽の第3パートを再生する第3のデータを少なくとも含み、
前記第1手段は、
前記所定の演出が前記第1状態の後に第2状態となったことを契機として、前記第3のデータに基づいて前記計数手段により計数された前記経過時間に相当する箇所から前記第3パートの再生を開始する第3再生開始手段と、を備えることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声記憶手段には、所定の音楽を音声出力手段より出力するための音声データとして、所定の音楽の第1パートを再生する第1のデータと、所定の音楽の第2パートを再生する第2のデータとに加えて、所定の音楽の第3パートを再生する第3のデータが少なくとも含まれる。そして、所定の演出が第2状態となると、そのことを契機として、第3のデータに基づいて、計数手段により計数された所定の音楽の出力が開始されていからの経過時間に相当する箇所から第3パートの再生が第3再生開始手段により開始される。これにより、所定の演出が演出実行手段により実行されると所定の音楽として第1パートが音声出力手段より出力され、所定の演出が第1状態となると、そのときの所定の音楽の出力が開始されてからの経過時間に基づいて、その経過時間に相当する箇所から第2パートが第1パートとあわせて出力される。更に、所定の演出が第2状態となると、そのときの所定の音楽の出力が開始されてからの経過時間に基づいて、その経過時間に相当する箇所から第3パートが第1パート及び第2パートとあわせて出力される。よって、所定の演出が第1状態、第2状態となるにつれて、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させることができるという効果がある。
なお、第3パートは、第1パート及び第2パートと同様に、1つのパートで構成されるものであってもよいし、複数のパートで構成されるものであってもよい。
遊技機B1において、
前記記憶手段に記憶される前記音声データは、
前記所定の音楽を前記音声出力手段より出力するための音声データとして、前記第1のデータ及び前記第2のデータに加えて、前記所定の音楽を構成するパートであって前記第2パートよりも含まれるパートの数が多い第4パートを再生する第4のデータを少なくとも含み、
前記第1手段は、
前記所定の演出が前記第1状態の後に第2状態となったことを契機として、前記第2のデータに基づく前記第2パートの出力を停止し、前記第4のデータに基づいて前記計数手段により計数された前記経過時間に相当する箇所から前記第4パートの再生を開始する第4再生開始手段と、を備えることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声記憶手段には、所定の音楽を音声出力手段より出力するための音声データとして、所定の音楽の第1パートを再生する第1のデータと、所定の音楽の第2パートを再生する第2のデータとに加えて、所定の音楽を構成するパートであって第2パートよりも含まれるパートの数が多い第4パートを再生する第4のデータが少なくとも含まれる。そして、所定の演出が第2状態となると、そのことを契機として、第2再生開始手段により再生が開始された第2のデータに基づく第2パートの出力が停止され、第4のデータに基づいて計数手段により計数された所定の音楽の出力が開始されていからの経過時間に相当する箇所から第4パートの再生が第4再生開始手段により開始される。これにより、所定の演出が演出実行手段により実行されると所定の音楽として第1パートが音声出力手段より出力され、所定の演出が第1状態となると、そのときの所定の音楽の出力が開始されてからの経過時間に基づいて、その経過時間に相当する箇所から第2パートが第1パートとあわせて出力される。更に、所定の演出が第2状態となると、第2パートの出力が停止され、そのときの所定の音楽の出力が開始されてからの経過時間に基づいて、その経過時間に相当する箇所から、第2パートよりも含まれるパートの数が多い第4パートが、第1パートとあわせて出力される。よって、所定の演出が第1状態、第2状態となるにつれて、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させることができるという効果がある。
遊技機A1において、
前記音声出力制御手段は、
前記音声出力手段より音声を出力するための音声データを記憶する記憶手段を備え、
その記憶手段に記憶される前記音声データは、
前記所定の音楽を前記音声出力手段より出力するための音声データとして、前記所定の音楽の第1パートを再生する第1のデータと、前記所定の音楽を構成するパートであって前記第1パートよりも含まれるパートの数が多い第5パートを再生する第5のデータとを少なくとも含み、
前記第1手段は、
前記演出実行手段による前記所定の演出の実行が開始されることを契機として、前記第1のデータに基づいて前記所定の音楽の前記第1パートの再生を開始する再生開始手段と、
その再生開始手段により前記第1パートの再生の開始に伴って前記所定の音楽の出力が開始されてからの経過時間を計数するための計数手段と、
前記所定の演出が第1状態となったことを契機として、前記第1のデータに基づく前記第1パートの出力を停止し、前記第5のデータに基づいて前記計数手段により計数された前記経過時間に相当する箇所から前記第5パートの再生を開始する第5再生開始手段と、を備えることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音楽出力制御手段には、音声出力手段より音声を出力するための音声データが記憶される。この音声記憶手段には、所定の音楽を音声出力手段より出力するための音声データとして、所定の音楽の第1パートを再生する第1のデータと、所定の音楽を構成するパートであって第1パートよりも含まれるパートの数が多い第5パートを再生する第5のデータとが少なくとも含まれる。そして、演出実行手段による所定の演出の実行が開始されると、そのことを契機として、記憶手段に記憶される第1のデータに基づいて、所定の音楽の第1パートが再生開始手段により開始される。また、第1パートの再生の開始に伴って所定の音楽の出力が開始されてからの経過時間が計数手段により計数される。一方、所定の演出が第1状態となったことを契機として、再生開始手段により再生が開始された第1のデータに基づく第1パートの出力が停止され、第5のデータに基づいて計数手段により計数された所定の音楽の出力が開始されていからの経過時間に相当する箇所から第5パートの再生が第5再生開始手段により開始される。これにより、所定の演出が演出実行手段により実行されると所定の音楽として第1パートが音声出力手段より出力され、所定の演出が第1状態となると、第1パートの出力が停止され、そのときの所定の音楽の出力が開始されてからの経過時間に基づいて、その経過時間に相当する箇所から、第1パートよりも含まれるパートの数が多い第5パートが出力される。よって、所定の演出が第1状態となった場合に、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させることができるという効果がある。
なお、第1パートは1つのパートで構成されるものであってもよいし、複数のパートで構成されるものであってもよい。
遊技機B4において、
前記記憶手段に記憶される前記音声データは、
前記所定の音楽を前記音声出力手段より出力するための音声データとして、前記第1のデータ及び前記第5のデータに加えて、前記所定の音楽を構成するパートであって前記第5パートよりも含まれるパートの数が多い第6パートを再生する第6のデータを少なくとも含み、
前記第1手段は、
前記所定の演出が前記第1状態の後に第2状態となったことを契機として、前記第5のデータに基づく前記第5パートの出力を停止し、前記第6のデータに基づいて前記計数手段により計数された前記経過時間に相当する箇所から前記第6パートの再生を開始する第6再生開始手段と、を備えることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声記憶手段には、所定の音楽を音声出力手段より出力するための音声データとして、所定の音楽の第1パートを再生する第1のデータと、所定の音楽の第5パートを再生する第5のデータとに加えて、所定の音楽を構成するパートであって第5パートよりも含まれるパートの数が多い第6パートを再生する第6のデータが少なくとも含まれる。そして、所定の演出が第2状態となると、そのことを契機として、第5再生開始手段により再生が開始された第5のデータに基づく第5パートの出力が停止され、第6のデータに基づいて計数手段により計数された所定の音楽の出力が開始されていからの経過時間に相当する箇所から第6パートの再生が第6再生開始手段により開始される。これにより、所定の演出が演出実行手段により実行されると所定の音楽として第1パートが音声出力手段より出力され、所定の演出が第1状態となると、第1パートの出力が停止されて、そのときの所定の音楽の出力が開始されてからの経過時間に基づいて、その経過時間に相当する箇所から、第1パートよりも含まれるパートの数が多い第5パートが出力される。更に、所定の演出が第2状態となると、第5パートの出力が停止され、そのときの所定の音楽の出力が開始されてからの経過時間に基づいて、その経過時間に相当する箇所から、第5パートよりも含まれるパートの数が多い第6パートが出力される。よって、所定の演出が第1状態、第2状態となるにつれて、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させることができるという効果がある。
遊技機B3からB5のいずれかにおいて、
前記第4再生開始手段から前記第6再生開始手段のいずれかは、前記第1パート、前記第2パート又は前記第5パートの出力の停止を、対応するパートの再生を停止することによって行うことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B3からB5のいずれかにおいて、第4再生開始手段から第6再生開始手段のいずれかは、第1パート、第2パート又は第5パートの出力の停止を、対応するパートの再生を停止することによって行うように構成されているので、無駄な再生が行われることを抑制できるという効果がある。
遊技機B3からB5のいずれかにおいて、
前記第4再生開始手段から前記第6再生開始手段のいずれかは、前記第1パート、前記第2パート又は前記第5パートの出力の停止を、対応するパートの出力をミュートすることによって行うことを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B3からB5のいずれかにおいて、第4再生開始手段から第6再生開始手段のいずれかは、第1パート、第2パート又は第5パートの出力の停止を、対応するパートの出力をミュートすることによって行うように構成されているので、出力の停止を瞬時に行ことができるという効果がある。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、
前記第2再生開始手段から前記第6再生開始手段のいずれかは、前記所定の演出が前記第1状態又は前記第2状態となった後、前記所定の音楽の再生が小節の切り替わりとなったところで、前記第2パートから前記第6パートのいずれかの再生を開始し、また、前記第1パート、前記第2パート又は前記第5パートの出力の停止することを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2再生開始手段から第6再生開始手段のいずれかは、所定の演出が第1状態又は第2状態となった後、所定の音楽の再生が小節の切り替わりとなったところで、第2パートから第6パートのいずれかの再生を開始し、また、第1パート、第2パート又は第5パートの出力の停止するように構成されている。これにより、所定の演出が第1状態、第2状態となるにつれて、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させる場合に、そのパートの増加が小節の切り替わりで行われるので、遊技者により自然な形で、そのパートの増加を聴かせることができるという効果がある。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、
前記音声出力制御手段は、前記第1のデータから前記第6のデータの少なくとも一部のデータを用いて前記所定の音楽を出力する場合に、前記一部のデータによって最後まで前記所定の音楽を再生すると、再び先頭から前記所定の音楽を再生するループ再生を行うものであり、
前記第2再生開始手段から前記第6再生開始手段のいずれかは、前記所定の演出が前記第1状態又は前記第2状態となった後、前記所定の音楽が前記先頭から再生されることとなったところで、前記第2パートから前記第6パートのいずれかの再生を開始し、また、前記第1パート、前記第2パート又は前記第5パートの出力の停止することを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1のデータから第6のデータの少なくとも一部のデータを用いて所定の音楽が出力される場合に、一部のデータによって最後まで前記所定の音楽が再生されると、再び先頭から所定の音楽が再生されるループ再生が、音声出力制御手段により行われる。そして、第2再生開始手段から第6再生開始手段のいずれかは、所定の演出が第1状態又は第2状態となった後、所定の音楽が先頭から再生されることとなったところで、第2パートから第6パートのいずれかの再生を開始し、また、第1パート、第2パート又は第5パートの出力の停止するように構成されている。これにより、所定の演出が第1状態、第2状態となるにつれて、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートを増加させる場合に、そのパートの増加がループの先頭で行われるので、遊技者により自然な形で、そのパートの増加を聴かせることができるという効果がある。
遊技機A1からA8、B1からB9のいずれかにおいて、
前記主制御手段は、
所定条件の成立に基づいて判定を行う判定手段を備え、
前記遊技機は、前記判定手段の判定結果に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与するものであって、
前記所定の演出は、遊技者に所定の遊技価値が付与される可能性があることを示唆する演出であり、
前記第1状態及び前記第2状態は、遊技者に所定の遊技価値が付与される期待度が向上したことを示唆する状態であることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機A1からA8、B1からB9のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、本遊技機は、所定条件の成立に基づいて主制御手段の判定手段によって行われる判定の結果に基づいて所定の遊技価値が付与されるものであって、所定の演出は、遊技者に所定の遊技価値が付与される可能性があることを示唆する演出である。そして、所定の演出の第1状態及び第2状態は、遊技者に所定の遊技価値が付与される期待度が向上したことを示唆する状態である。そのような第1状態及び第2状態において、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートが増加するので、遊技者は、気持ちを途切れさすことなく、所定の遊技価値が付与されることへの期待感を音楽の面からも向上させることができるという効果がある。
遊技機C1において、
前記演出実行手段は、
前記主制御手段の前記判定手段の判定結果に基づいて、識別情報を動的表示させる変動演出を実行する変動演出実行手段を含み、
前記遊技機は、前記変動演出実行手段により実行される前記変動演出において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与するものであって、
前記所定の演出は、前記変動演出であることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段として変動演出実行手段を含み、主制御手段の判定手段の判定結果に基づいて、識別情報を動的表示させる変動演出が、所定の演出として実行される。遊技機は、その変動演出において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する。これにより、変動演出中に第1状態及び第2状態が生じ、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートが増加するので、遊技者は、気持ちを途切れさすことなく、その変動演出において所定の遊技価値が付与されることへの期待感を音楽の面からも向上させることができるという効果がある。
遊技機C2において、
前記所定の演出は、前記変動演出の実行途中に識別情報の擬似的な停止表示が行われ、再び識別情報の動的表示が行われる変動演出であり、
前記第1状態及び前記第2状態とは、前記擬似的な停止であることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変動演出の実行途中に識別情報の擬似的な停止表示が行われ、再び識別情報の動的表示が行われる変動演出が所定の演出として実行され、その擬似的な停止表示が第1状態又は第2状態となる。よって、変動演出中に所定の音楽が出力されつつ、識別情報の擬似的な停止表示が行われる度に、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートが増加するので、その擬似的な停止表示と所定の音楽とが相まって、遊技者は、気持ちを途切れさすことなく、所定の遊技価値が付与されることへの期待感を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1において、
前記演出実行手段は、
前記主制御手段の前記判定手段の判定結果に基づいて、複数の識別情報を動的表示させる変動演出を実行する変動演出実行手段を含み、
前記遊技機は、前記変動演出実行手段により実行される前記変動演出において所定の識別情報の組合せが現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与するものであって、
前記所定の演出は、前記変動演出実行手段により実行される変動演出において、一部の識別情報が停止表示されて前記所定の識別情報の組合せの一部が現出された状態で、残りの識別情報の動的表示が行われる演出であることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段として変動演出実行手段を含み、主制御手段の判定手段の判定結果に基づいて、複数の識別情報を動的表示させる変動演出が実行される。遊技機は、その変動演出において所定の識別情報の組合せが現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する。そして、所定の演出として、変動演出実行手段により実行される変動演出において、一部の識別情報が停止表示されて所定の識別情報の組合せの一部が現出された状態で、残りの識別情報の動的表示が行われる演出が行われる。これにより、残りの識別情報の動的表示が停止表示された場合に、所定の識別情報の組合せが現出し、所定の遊技価値が付与されるかもしれない、という状況の中で第1状態及び第2状態が生じ、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートが増加するので、遊技者は、気持ちを途切れさすことなく、所定の遊技価値が付与されることへの期待感を、より強く音楽の面からも向上させることができるという効果がある。
遊技機C1において、
前記演出実行手段は、
前記主制御手段の前記判定手段の判定結果に基づいて、識別情報を動的表示させる変動演出を実行する変動演出実行手段を含み、
前記遊技機は、前記変動演出実行手段により実行される前記変動演出において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与するものであって、
前記所定の演出は、複数の前記変動演出にわたって行われ、
前記第1状態及び前記第2状態は、前記複数の変動演出を構成する各変動演出における識別情報の動的表示の開始、識別情報の動的表示の停止表示、又は、その変動演出の途中で生じるものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段として変動演出実行手段を含み、主制御手段の判定手段の判定結果に基づいて、識別情報を動的表示させる変動演出が実行される。遊技機は、その変動演出において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する。そして、複数の変動演出にわたって所定の演出が行われ、その所定の演出が行われる複数の変動演出において、各変動演出における識別情報の動的表示の開始、識別情報の動的表示の停止表示、又は、その変動演出の途中で、第1状態及び第2状態が生じる。これにより、複数の変動演出にわたって、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートが増加するので、遊技者は、気持ちを途切れさすことなく、複数の変動演出が行われた後に所定の遊技価値が付与されることへの期待感を、音楽の面から高めていくことができるという効果がある。
遊技機A1からA8、B1からB9のいずれかにおいて、
前記主制御手段は、
所定条件の成立に基づいて判定を行う判定手段を備え、
前記遊技機は、前記判定手段の判定結果に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与するものであって、
前記主制御手段は、遊技者に前記所定の遊技価値を付与した後、特定の条件が成立した場合に、前記判定手段の判定結果に基づいて遊技者に前記所定の遊技価値を付与する確率を高確率又は低確率に設定する手段を備え、
前記所定の演出は、遊技者に前記所定の遊技価値を付与した後、前記確率を高確率に設定した場合に実行される演出であり、
前記第1状態は、遊技者に前記所定の遊技価値を付与した後から所定期間が経過した後に生じるものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機A1からA8、B1からB9のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、本遊技機は、所定条件の成立に基づいて主制御手段の判定手段によって行われる判定の結果に基づいて所定の遊技価値が付与されるものであって、遊技者に所定の遊技価値が付与された後、特定の条件が成立した場合に、判定手段の判定結果に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与する確率が高確率又は低確率に設定される。そして、所定の演出は、遊技者に前記所定の遊技価値を付与した後、前記確率を高確率に設定した場合に実行される演出であり、第1状態は、遊技者に所定の遊技価値を付与した後から所定期間が経過した後に生じるように構成されている。これにより、所定の遊技価値が付与されてから所定期間経過した後に、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートが増加すれば、遊技者は、所定の遊技価値を付与する確率が高確率に設定されたことを前触れもなくいきなり知ることができるので、その確率が高確率に設定されたことによる喜びを大きくさせることができる。
遊技機A1からA8、B1からB9のいずれかにおいて、
複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置と、
遊技媒体の受入を検出したことに基づいて掛数を設定する掛数設定手段と、
その掛数設定手段により掛数が設定されたことを条件として、識別情報の変動表示を開始させるために遊技者により操作され得る始動用操作手段と、を備え、
停止用操作手段の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるものであり、
前記所定の演出は、複数の前記変動表示にわたって行われ、
前記第1状態及び前記第2状態は、前記複数の変動表示を構成する各変動演出の開始、停止、又は、その変動表示の途中で生じるものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機A1からA8、B1からB9のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置が設けられている。そして、遊技媒体の受入を検出したことに基づいて掛数設定手段により掛数が設定されたことを条件として、始動用操作手段が遊技者により操作されると、識別情報の変動表示が開始される。その後、停止用操作手段の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生される。ここで、所定の演出は、複数の変動表示にわたって行われ、第1状態及び第2状態は、複数の変動表示を構成する各変動演出の開始、停止、又は、その変動表示の途中で生じるように構成されている。これにより、複数の変動表示にわたって、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートが増加するので、遊技者は、気持ちを途切れさすことなく、変動表示を実行させる毎に、所定の遊技価値が付与されることへの期待感を、音楽の面から高めていくことができるという効果がある。
遊技機D1において、
前記第1状態及び前記第2状態は、遊技者による操作が行われたことを契機として生ずるものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の変動表示にわたって、遊技者による操作が行われたことを契機として第1状態及び第2状態が生ずるので、遊技者による操作が行わると、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートが増加する。よって、遊技者は、気持ちを途切れさすことなく、複数の変動表示にわたって遊技機を操作する毎に、所定の遊技価値が付与されることへの期待感を、音楽の面から高めていくことができるという効果がある。
遊技機D2において、
前記第1状態及び前記第2状態は、前記始動用操作手段の操作が行われたことを契機として生ずるものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の変動表示にわたって、遊技者により始動用操作手段の操作が行われたことを契機として第1状態及び第2状態が生ずるので、遊技者が変動表示を開始させるために始動用操作手段を操作する毎に、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートが増加する。よって、遊技者は、気持ちを途切れさすことなく、複数の変動表示にわたって始動用操作手段を操作する毎に、開始される変動表示にて所定の遊技価値が付与されることへの期待感を、音楽の面から高めていくことができるという効果がある。
遊技機D2又はD3において、
前記第1状態及び前記第2状態は、前記停止用操作手段の操作が行われたことを契機として生ずるものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2又はD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の変動表示にわたって、遊技者により停止用操作手段の操作が行われたことを契機として第1状態及び第2状態が生ずるので、遊技者が変動表示を確定表示させるために停止用操作手段を操作する毎に、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートが増加する。よって、遊技者は、気持ちを途切れさすことなく、複数の変動演出にわたって停止用操作手段を操作する毎に、今回確定表示される変動表示にて所定の遊技価値が付与されることへの期待感だったり、次に行われる変動表示において所定の遊技価値が付与されることへの期待感を、音楽の面から高めていくことができるという効果がある。
遊技機D2からD4のいずれかにおいて、
前記第1状態及び前記第2状態は、前記掛数設定手段により前記掛数を設定するための操作が遊技者により行われたことを契機として生ずるものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D2からD4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の変動表示にわたって、掛数設定手段により掛数を設定するための操作が遊技者により行われたことを契機として、第1状態及び第2状態が生ずるので、掛数を設定する毎に、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートが増加する。よって、遊技者は、気持ちを途切れさすことなく、複数の変動演出にわたって掛数を設定する毎に、これから行われる変動表示にて所定の遊技価値が付与されることへの期待感を、音楽の面から高めていくことができるという効果がある。
遊技機D1において、
前記停止用操作手段の操作手順を決定する手順決定手段と、
その手順決定手段により決定された前記操作手順に従って遊技者により前記停止用操作手段が操作された場合に、停止表示される識別情報の組合せが特定のものとなるように前記識別情報の変動表示を確定表示させる手段と、
第2条件が成立した場合に、特定期間にわたり、その手順決定手段により決定された前記操作手順を遊技者に報知する報知手段と、
前記特定期間を延長するか否かを判定する延長判定手段と、を備え、
前記所定の演出は、前記延長判定手段による判定が行われる場合に行われるもので、
前記第1状態及び前記第2状態は、前記延長判定手段による判定結果を遊技者に示す場合に生ずるものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、手順決定手段により、停止用操作手段の操作手順が決定され、その決定された操作手順に従って遊技者により停止用操作手段が操作された場合に、停止表示される識別情報の組合せが特定のものとなるように識別情報の変動表示が確定表示される。また、第2条件が成立した場合に、特定期間にわたって、その手順決定手段により決定された操作手順が報知手段によって遊技者に報知される。遊技者は、その報知手段により報知された操作手順に従って停止用操作手段を操作すれば、停止表示される識別情報の組合せを特定のものとすることができる。つまり、特定期間は、遊技者に有利な期間となる。更に、特定期間は、延長判定手段による判定に基づいて延長される。所定の演出は、この延長判定手段による判定が行われる場合に行われ、第1状態及び第2状態は、延長判定手段による判定結果を遊技者に示す場合に生ずる。これにより、特定期間にある場合に、延長判定手段による判定が行われると、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートが増加することで、遊技者は、気持ちを途切れさすことなく、特定期間の延長の有無が示されたことによる遊技への興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機D6において、
前記前記第1状態及び前記第2状態は、前記延長判定手段による判定結果として、特定期間が延長されることを遊技者に示す場合に生ずるものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の演出において、第1状態及び第2状態は、延長判定手段による判定結果として特定期間が延長されることを遊技者に示す場合に生ずる。これにより、特定期間にある場合に、延長判定手段による判定の結果、特定期間の延長が決定されると、所定の音楽の連続性が途切れることなく、所定の音楽で奏される音のパートが増加するので、遊技者は、気持ちを途切れさすことなく、特定期間が延長されたことによる遊技への興趣を高めることができるという効果がある。
遊技の主な制御を行う主制御手段と、その主制御手段から送信される信号に基づいて動作する副制御手段と、その副制御手段による制御に基づいて遊技の進行に基づいた演出を実行する演出実行手段と、前記副制御手段による制御に基づいて音声を出力する音声出力手段と、を備えた遊技機において、
前記副制御手段は、
前記音声出力手段からの音声の出力を制御する音声出力制御手段と、
その音声出力制御手段により参照され、前記音声出力手段より音声を出力するための音声データを記憶する記憶手段と、を備え、
前記記憶手段に記憶される音声データは、前記音声出力手段より所定の音楽を出力するための所定音楽データを含み、
その所定音楽データは、基本的な旋律が統一された複数のパターンに対応する複数のデータが用意され、
前記音声出力制御手段は、
前記音声出力手段より前記所定の音楽を出力する場合に、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、前記複数のパターンの中から1のパターンを選択する選択手段と、
前記所定音楽データの中から前記選択手段により選択されたパターンに対応するデータを前記記憶手段より参照する参照手段と、を備えることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技の主な制御が主制御手段により実行される。その主制御手段から送信される信号に基づいて動作する副制御手段の制御によって、遊技の進行に基づいた演出が演出実行手段により実行される。また、副制御手段に設けられた音声出力制御手段の制御により、音声出力手段より音声が出力される。その音声出力制御手段により参照され、音声出力手段により音声を出力するための音声データは記憶手段に記憶されており、その音声データには、音声出力手段より所定の音楽を出力するための所定音楽データが含まれる。そして、所定音楽データは、基本的な旋律が統一された複数のパターンに対応する複数のデータが用意されている。そして、音声出力手段より所定の音楽が出力される場合、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、複数のパターンの中から1のパターンが音声出力制御手段の選択手段によって選択され、その選択されたパターンに対応するデータが所定音楽データの中から参照手段によって記憶手段より参照される。これにより、所定の音楽が出力される場合、所定の区間毎に選択されるパターンが変更されるので、所定の音楽が長時間出力されても、遊技者を飽きさせることがなく、常に新しさを感じさせることができるという効果がある。
遊技機E1において、
前記選択手段は、前記音声出力手段より前記所定の音楽を出力する場合に、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、前記複数のパターンの中からランダムに1のパターンを選択することを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力手段より所定の音楽が出力される場合、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、複数のパターンの中から1のパターンがランダムに音声出力制御手段の選択手段によって選択される。これにより、所定の音楽が出力される場合、所定の区間毎に選択されるパターンがランダムに変更されるので、所定の音楽が長時間出力されても、常に所定の音楽が変化しているように遊技者に聴かせることができる。よって、遊技者を飽きさせることがなく、常に新しさを感じさせることができるという効果がある。
遊技機E1又はE2において、
前記選択手段は、前記音声出力手段より前記所定の音楽を出力する場合に、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、1つ前の区間で選択されたパターンに基づいて、次の区間のパターンを前記複数のパターンの中から選択することを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力手段より所定の音楽が出力される場合、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、1つ前の区間で選択されたパターンに基づいて、次の区間のパターンが複数のパターンの中から選択される。これにより、隣り合う区間でリズムやバッキング等が大きく異なるパターンが選択されにくくすることができるので、所定の音楽を遊技者に違和感なく聴かせることができるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、
前記主制御手段は、
所定条件の成立を契機として、遊技機に設定される遊技状態に基づき判定を行う判定手段を備え、
前記遊技機は、前記判定手段の判定結果に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与するものであって、
前記選択手段は、前記音声出力手段より前記所定の音楽を出力する場合に、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、前記遊技状態に基づいて、前記複数のパターンの中から1のパターンを選択することを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、本遊技機は、所定条件の成立を契機として、遊技機に設定された遊技状態に基づき主制御手段の判定手段によって判定が行われ、その判定の結果に基づいて所定の遊技価値が付与される。そして、音声出力手段より所定の音楽が出力される場合、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、遊技機に設定された遊技状態に基づいて、複数のパターンの中から1のパターンが音声出力制御手段の選択手段によって選択される。これにより、所定の音楽が出力される場合、所定の区間毎に、遊技状態に基づいてパターンが選択されるので、遊技状態に応じた所定の音楽を出力することができる。よって、所定の音楽から遊技機に設定された遊技状態を遊技者に感じさせることができるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、
前記主制御手段は、
所定条件の成立に基づき判定を行う判定手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記主制御手段の前記判定手段の判定結果に基づいて決定される変動態様で、識別情報を動的表示させる変動演出を実行する変動演出実行手段を含み、
前記遊技機は、前記変動演出実行手段により実行される前記変動演出において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与するものであって、
前記選択手段は、前記音声出力手段より前記所定の音楽を出力する場合に、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、前記変動演出実行手段により実行される前記変動演出の変動態様に基づいて、前記複数のパターンの中から1のパターンを選択することを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、本遊技機は、所定条件の成立基づき主制御手段の判定手段によって判定が行われ、その判定の結果に基づいて決定される変動態様で、識別情報を動的表示させる変動演出が変動演出実行手段により実行される。遊技機は、その変動演出において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する。そして、音声出力手段より所定の音楽が出力される場合、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、変動演出実行手段により実行される変動演出の変動態様に基づいて、複数のパターンの中から1のパターンが音声出力制御手段の選択手段によって選択される。これにより、所定の音楽が出力される場合、所定の区間毎に、実行される変動演出の変動態様に基づいてパターンが選択されるので、変動演出の変動態様にあった所定の音楽を出力することができる。よって、1の変動演出の中では統一感のある所定の音楽を出力できるので、遊技者に違和感なく所定の音楽を聴かせることができるという効果がある。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、
前記主制御手段は、
所定条件の成立に基づき判定を行う判定手段を備え、
前記遊技機は、前記判定手段の判定結果に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与するものであって、
前記選択手段は、前記音声出力手段より前記所定の音楽を出力する場合に、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記複数のパターンの中から1のパターンを選択することを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、本遊技機は、所定条件の成立に基づき主制御手段の判定手段によって判定が行われ、その判定の結果に基づいて所定の遊技価値が付与される。そして、音声出力手段より所定の音楽が出力される場合、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、判定手段の判定結果に基づいて、複数のパターンの中から1のパターンが音声出力制御手段の選択手段によって選択される。これにより、所定の音楽が出力される場合、所定の区間毎に、判定手段の判定結果に基づいてパターンが選択されるので、特定のパターンによって所定の音楽が出力される傾向にあれば、判定手段の判定結果に基づいて所定の遊技価値が付与されることへの期待感を高めることができるという効果がある。
遊技機E1からE6のいずれかにおいて、
前記主制御手段は、
所定条件の成立に基づき判定を行う判定手段を備え、
前記遊技機は、前記判定手段の判定結果に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与するものであって、
その所定の遊技価値は、前記判定手段の判定結果に基づいて複数種類用意され、
前記選択手段は、前記音声出力手段より前記所定の音楽を出力する場合に、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、遊技者に付与される所定の遊技価値の種類に基づいて、前記複数のパターンの中から1のパターンを選択することを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E1からE6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、本遊技機は、所定条件の成立に基づき主制御手段の判定手段によって判定が行われ、その判定の結果に基づいて所定の遊技価値が付与される。この所定の遊技価値には、判定手段の判定結果に基づいて複数種類用意されている。そして、音声出力手段より所定の音楽が出力される場合、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、遊技者に付与される所定の遊技価値の種類に基づいて、複数のパターンの中から1のパターンが音声出力制御手段の選択手段によって選択される。これにより、所定の音楽が出力される場合、所定の区間毎に、遊技者に付与される所定の遊技価値の種類に基づいてパターンが選択されるので、遊技者は所定の音楽で使用されるパターンから、付与される所定の遊技価値の種類を予想でき、遊技への興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機E1からE7のいずれかにおいて、
前記主制御手段は、
所定条件の成立に基づき判定を行う判定手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記主制御手段の前記判定手段の判定結果に基づいて決定される変動態様で、識別情報を動的表示させる変動演出を実行する変動演出実行手段を含み、
前記遊技機は、
前記変動演出実行手段により実行される前記変動演出において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与するものであって、
前記変動演出実行手段により実行される前記変動演出を所定回数まで待機可能に構成され、
前記選択手段は、前記音声出力手段より前記所定の音楽を出力する場合に、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、前記待機された前記変動演出の中に遊技者に所定の遊技価値を付与するものがあるか否かに基づいて、前記複数のパターンの中から1のパターンを選択することを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E1からE7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。本遊技機は、所定条件の成立基づき主制御手段の判定手段によって判定が行われ、その判定の結果に基づいて決定される変動態様で、識別情報を動的表示させる変動演出が変動演出実行手段により実行される。遊技機は、その変動演出において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する。また、変動演出実行手段により実行される変動演出は、所定回数まで待機可能に構成されている。そして、音声出力手段より所定の音楽が出力される場合、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、待機された変動演出の中に遊技者に所定の遊技価値を付与するものがあるか否かに基づいて、複数のパターンの中から1のパターンが音声出力制御手段の選択手段によって選択される。これにより、所定の音楽が出力される場合、所定の区間毎に特定のパターンがよく選択されていれば、待機された変動演出の中に遊技者に所定の遊技価値を付与するものがあることを遊技者に期待されることができるという効果がある。
遊技機E8において、
前記選択手段は、前記音声出力手段より前記所定の音楽を出力する場合に、前記待機された前記変動演出の中に遊技者に前記所定の遊技価値を付与するものがあれば、前記所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、前記所定の遊技価値が付与される前記変動演出までの待機回数に基づいて、前記複数のパターンの中から1のパターンを選択することを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力手段より所定の音楽が出力される場合、待機された変動演出の中に遊技者に所定の遊技価値を付与するものがあれば、その所定の音楽において所定の区間の出力が行われる毎に、所定の遊技価値が付与される変動演出までの待機回数に基づいて、複数のパターンの中から1のパターンが音声出力制御手段の選択手段によって選択される。これにより、所定の音楽が出力される場合、所定の区間毎に選択されるパターンに基づいて、所定の遊技価値が付与される変動演出の実行が近づいてくる間隔を遊技者に与えることができるという効果がある。
遊技機E1からE9のいずれかにおいて、
前記選択手段によりパターンが選択される前記所定の区間は、前記所定の音楽の1小節分であることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E1からE9のいずれかが奏する効果に加え、所定の音楽の1小節分毎に、選択手段によりパターンが選択されるので、細かくパターンを変更でき、所定の音楽を多彩に聴かせることができるという効果がある。
遊技機E1からE9のいずれかにおいて、
前記選択手段によりパターンが選択される前記所定の区間は、前記所定の音楽の複数小節分であることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E1からE9のいずれかが奏する効果に加え、所定の音楽の複数小節分毎に、選択手段によりパターンが選択されるので、同一パターンをある程度まとまった期間、遊技者に聴かせることができるという効果がある。
遊技機E1からE9のいずれかにおいて、
前記所定の音楽は、所定の小節のまとまりが繰り返し出力されるものであり、
前記選択手段によりパターンが選択される前記所定の区間は、前記所定の小節のまとまりであることを特徴とする遊技機E12。
遊技機E12によれば、遊技機E1からE9のいずれかが奏する効果に加え、所定の音楽として繰り返し出力される所定の小節のまとまり毎に、選択手段によりパターンが選択されるので、同一パターンをある程度まとまった期間、遊技者に聴かせることができるという効果がある。また、繰りかえし出力される所定の小節のまとまりの間は、パターンが変更されないので、遊技者により違和感なく所定の音楽を聴かせることができるという効果がある。
遊技機A1からA8,B1からB9,C1からC6、D1からD7、E1からE12のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機F1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA8,B1からB9,C1からC6、D1からD7、E1からE12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機F2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA8,B1からB9,C1からC6、D1からD7、E1からE12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機F3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。