本発明に係るスロットマシンを実施するための形態の一例を実施の形態に基づいて以下に説明する。
[スロットマシンの構成]
本実施の形態のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「白7a」(たとえば、左リール2Lの領域番号16の図柄)、「白7b」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「白7c」(たとえば、左リール2Lの領域番号3の図柄)、「スイカa」(たとえば、左リール2Lの領域番号15の図柄)、「スイカb」(たとえば、左リール2Lの領域番号1の図柄)、「チェリー」(たとえば、左リール2Lの領域番号2の図柄)、「ベルa」(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)、「ベルb」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「リプa」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「リプb」(たとえば、左リール2Lの領域番号8の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
「白7b」、「白7c」は、ともに、「白7a」の図柄をベースとする点で共通しており、「白7b」は左上隅に縦方向に線が追加されている点、および「白7c」は底辺に横方向に線が追加されている点で異なる。このため、「白7a」〜「白7c」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめて白7ともいう。「スイカb」は、「スイカa」の図柄をベースとする点で共通しており、上部に横方向に線が追加されている点で異なる。このため、「スイカa」および「スイカb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてスイカともいう。「ベルb」は、「ベルa」の図柄をベースとする点で共通しており、舌の球の部分の色が黒い点で異なる。このため、「ベルa」および「ベルb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてベルともいう。「リプb」は、「リプa」の図柄をベースとする点で共通しており、REPLAYの文字に下線が追加されている点で異なる。このため、「リプa」および「リプb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてリプともいう。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネルの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示される。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55とが設けられている。リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できる。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態においては、いずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、その停止を第3停止もしくは最終停止と称する。左リール2Lを第1停止することを左第1停止、左リール2Lを第2停止することを左第2停止、左リール2Lを第3停止することを左第3停止と称する。中リール2Cを第1停止することを中第1停止、中リール2Cを第2停止することを中第2停止、中リール2Cを第3停止することを中第3停止と称する。右リール2Rを第1停止することを右第1停止、右リール2Rを第2停止することを右第2停止、右リール2Rを第3停止することを右第3停止と称する。
本実施の形態では、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する手順(押し順、停止操作順とも称する)には、順押し、順挟み押し、中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しが含まれる。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。
前面扉1bには、遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、およびリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。リプレイゲームとは、賭数が自動設定された上で開始されたゲームをいう。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられている。ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、キー操作によりエラー状態および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず自動的に精算(返却)する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
投入メダルセンサ31は、メダルを検出可能なセンサを複数(たとえば3つ)備えており、これら複数のセンサが投入されたメダルを所定の順(上流側のセンサから順)に検出可能となるように構成されている。メイン制御部41は、これら複数のセンサによる検出結果が、メダル投入部4から投入されたメダルを所定の順で検出されたときの検出結果(適正な検出結果とも称する)となったことにより、投入メダルセンサ31により投入メダルが検出あるいは投入メダルの通過が検出されたと判定する。
さらに、前面扉1bの内側には、AT(Assist Time)の終了時に打止状態に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36aが設けられている。ATとは、所定の入賞を発生させるためにストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順が遊技者に報知されるナビ演出が実行される期間である。ATには、AT制御の権利となるナビストックを保有していることを条件に制御される。ATは、保有するナビストックの数に基づき所定ゲーム数(本実施の形態では1セット50ゲーム)に亘り制御される。このため、ナビストック数は、ATに制御される権利の数を示すことになり、このナビストック数を多く保有すればするほど、長い期間に亘りATに制御される。ナビストックは、サブ制御部91によって行われるAT抽選で当選したときに付与される。
筐体1a内部には、図2に示すように、リールユニット2、スロットマシン1の外部に設けられたデータ表示器などの外部装置に対して所定の信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。リールユニット2には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置を各々検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことが検出される。
電源ボックス100の前面には、図4に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
筐体1aの内部にある打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39は、キー操作により前面扉1bを開放しなければ操作できない。このため、筺体1aの内部にあるそれらのスイッチは、遊技場の店員のみが操作可能とされ、遊技者が操作することはできない。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として3枚が定められ、規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが小役や再遊技役などの図柄組合せであるかを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどとも称する。たとえば、再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されたときには、遊技者がメダルを用いて賭数を設定することなく次のゲームを行うことが可能なリプレイゲームが作動する。再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されることを再遊技入賞(リプレイ入賞)が発生するとも称する。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではない。入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(たとえば、ベルa−ベルa−ベルa)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも称する)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞が発生すると、その入賞に応じて定められた数のクレジットが加算される。クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルがメダル払出口9(図2参照)から払い出される。入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行する。
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2つ以上のリールを用いた構成においては、2つ以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置を構成してもよい。
本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給される。
電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40には、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。メイン制御部41は、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、およびI/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなる。遊技制御基板40には、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42と、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44と、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45と、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46と、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49と、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持される。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。メインCPU41aは、割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡する。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納され、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できる。
リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させる。リセット回路49は、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送信されることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力される。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図2参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動される。
本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われる。
本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これに限らず、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98などが搭載されている。サブ制御部91は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持される。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率(賭数設定に用いたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が変わる。詳しくは、内部抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
なお、「電源ON」+「設定キーON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。さらに、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キーがOFF操作)が成立するまで前面扉1bの開閉状態にかかわらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉1bが閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰する。
なお、「設定キーON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。さらに、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キーがOFF操作)が成立するまで前面扉1bの開閉状態にかかわらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉1bが閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[電断処理]
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させる。
サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化する。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化する。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。RAM41cの格納領域は、重要ワーク、特別ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
本実施の形態においてメイン制御部41は、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がonの状態での起動時、設定キースイッチ37がon、リセット/設定スイッチ38がoffの状態での起動時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がonの状態での起動時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの全ての領域が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がon、リセット/設定スイッチ38がoffの状態であり、設定変更状態へ移行する場合においてその前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち重要ワークおよび特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2では、RAM41cの格納領域のうち一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行ったりしてもよい。
[内部抽選]
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、大きく分けて、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、遊技者によりメダルが用いられることなく次のゲームを行うことが可能な賭数が設定される再遊技役とがある。小役および再遊技役をまとめて一般役とも称する。入賞となる役には、遊技状態の移行を伴う移行役が含まれる。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越される。
内部抽選は、各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前(実際には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。遊技状態(RTの種類)に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態(RTの種類)、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数とに応じて内部抽選が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態(現在のRTの種類)および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選する。
いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。
[リールの停止制御]
リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周する。リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられている。停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できる。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止する。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態(RTの種類)における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態(RTの種類)、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われる。
本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できる。1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御を優先し、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わない。
なお、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらずに、必ず再遊技役が揃って入賞する。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞する。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わない。
メイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。
本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止するため、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
メイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させるごとにその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時し、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間(本実施の形態では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していなければ、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間に到達するまで待機し、所定の規制時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
すなわちメイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制して、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する。
本実施の形態において、メイン制御部41は、停止操作に伴い、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン上に入賞に対応する役が揃ったか否かを判定し、いずれかの入賞に対応する役が揃っていると判定した場合には、入賞時の制御を行う。たとえば、小役が揃っている場合には、揃った小役に応じたメダルを付与する制御を行い、再遊技役が揃っている場合には、リプレイゲームを付与する制御などを行う。
[コマンド]
メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、および操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなる。サブ制御部91は、種類データに基づいてコマンドの種類を判別する。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドである。BETコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるため、サブ制御部91は、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドである。クレジットコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、フリーズの実行有無を特定可能なコマンドである。フリーズコマンドは、フリーズを実行すると決定されたときに送信されるとともに、フリーズの実行時においても送信される。フリーズとは、ゲームの進行を所定の遅延時間に亘って遅延させる制御のことである。本実施の形態においては、第1フリーズおよび第2フリーズの2種類のフリーズが行われる。第1フリーズは、所定の出目(後述の弱スイカ目、強スイカ目)が導出されたゲームの次のゲームの開始時に実行されるフリーズであり、第2フリーズは、所定の出目(後述の弱スイカ目、強スイカ目)が導出されたゲームから所定ゲーム数が経過した後のゲームの開始時に実行されるフリーズである。本実施の形態においては、第1フリーズおよび第2フリーズを総称するときや、いずれかのフリーズを指すときに、単にフリーズと称する場合がある。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドである。リール回転開始コマンドは、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドである。リール停止コマンドは、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。サブ制御部91は、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドである。入賞判定コマンドは、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドである。払出開始コマンドは、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが開始されたときに送信される。払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドである。払出終了コマンドは、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態およびRTの種類、RTの残りゲーム数を特定可能なコマンドである。遊技状態コマンドは、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドである。待機コマンドは、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドである。打止状態に制御される場合に打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドである。エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドである。復帰コマンドは、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドである。設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。サブ制御部91は、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドである。設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドである。ドアコマンドは、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのかonからoffに変化したのか、および他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドである。操作検出コマンドは、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理においてに生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において送信される。
操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、いずれかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(いずれかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納される。操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路に転送することで、サブ制御部91に送信される。
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
コマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できる。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行される。
サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行する。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行される。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定する。同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
[入賞役、特殊出目]
図5〜図7は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および、入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。図8は、所定の小役を取りこぼしたときにのみ有効ライン上に停止される特殊出目を説明するための図である。図9は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
先ず、図9(a)を参照しながら、本実施の形態におけるスロットマシン1が制御する遊技状態の遷移について説明する。本実施の形態においては、RT0(準備遊技状態)、RT1(通常遊技状態)、RT2(途中遊技状態)、およびRT3(有利遊技状態)のいずれかに制御されながら遊技が進行する。
RT0は、設定変更状態の後に移行制御される遊技状態であり、特殊出目が導出されることによりRT1に遊技状態が移行する。
RT1は、RT0から移行可能な遊技状態であり、通常、遊技者が最も多くの時間を費やす可能性がある遊技状態である。RT1では、リプ4に入賞することでRT2に遊技状態が移行する。RT1では、リプ6に入賞することでRT3に遊技状態が移行する。
RT2は、RT1から移行可能な遊技状態であり、RT1よりも再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態である。RT2では、リプ6に入賞することでRT3に遊技状態が移行する。このように、RT2は、RT1からRT3へ遊技状態を移行するために経由される途中の遊技状態でもある。RT2では、特殊出目の導出またはリプ5に入賞することでRT1に遊技状態が移行する。
RT3は、RT1またはRT2から移行可能な遊技状態であり、RT1およびRT2よりも再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態である。そのため、RT3は、遊技者にとって、最もメダルを消費することなく遊技できる点で有利な遊技状態となる。RT3では、特殊出目の導出またはリプ5に入賞することでRT1に遊技状態が移行する。
入賞役のうちの再遊技役には、図5および図6に示すリプ1〜6、および7リプ1,2といった8種類の再遊技役が含まれる。
本実施の形態における図柄組合せの説明における「/」は、“または”という意味を示し、「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。よって、たとえば、リプ1の組合せである「リプa/リプb−リプa/リプb−リプa/リプb/スイカa/スイカb」とは、図5に示すように、「リプa−リプa−リプa」、「リプa−リプa−リプb」、「リプa−リプa−スイカa」、「リプa−リプa−スイカb」、「リプa−リプb−リプa」、「リプa−リプb−リプb」、「リプa−リプb−スイカa」、「リプa−リプb−スイカb」、「リプb−リプa−リプa」、「リプb−リプa−リプb」、「リプb−リプa−スイカa」、「リプb−リプa−スイカb」、「リプb−リプb−リプa」、「リプb−リプb−リプb」、「リプb−リプb−スイカa」、および「リプb−リプb−スイカb」という、16種類の図柄の組合せを意味する。
図9に示されるように、RT1においてリプ4に入賞した後は、RT1よりも遊技者にとって有利なRT2に制御される。このため、リプ4を昇格リプともいう。
図9に示されるように、RT1よりも遊技者にとって有利なRT2やRT3においてリプ5に入賞した後は、RT1に制御される。このため、リプ5を転落リプともいう。なお、RT1でリプ5に入賞したときには、遊技状態がRT1で維持される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lについては、ベルaの1つ下の位置にリプaが配置され、右リール2Rについては、ベルaの1つ上の位置にリプaが配置されている。そのため、リプ4の図柄組合せが有効ラインに揃うと、「リプa−リプa−リプa」の組合せが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃う。一方、リプ5(転落リプ)が入賞した場合は、リプ4が入賞したときのようにいずれのラインにおいても同一形態の図柄が揃うことがない。
たとえば、図9(b)は、RT2からRT1への移行の契機となるリプ5(転落リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。
図9(b)では、左リール2Lの領域番号7〜9が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号7〜9が停止されている。その結果、有効ライン上には「リプa−リプa−ベルa」の転落リプの図柄組合せが停止されている。
これに対して、図9(c)は、RT1からRT2への移行の契機となるリプ4(昇格リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。図9(c)では、左リール2Lの領域番号8〜10が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号7〜9が停止されている。その結果、有効ライン上には「ベルa−リプa−ベルa」の昇格リプ入賞の図柄組合せが停止されている。昇格リプ入賞時には無効ラインLM4上において「リプa−リプa−リプa」の図柄組合せが揃って停止されている。これにより昇格リプ入賞を遊技者が認識し易い。昇格リプは、遊技者にとって有利なRT2への制御契機となる入賞役である。その結果、RT2へ制御されたことを遊技者が認識し易い。
図6に戻り、リプ6の図柄組合せが有効ラインに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃う。そのため、リプ6が入賞すると、右下がりに7揃いの出目が導出されるため、遊技者は容易に遊技状態がRT3に移行することを認識することができる。
7リプ1の図柄組合せが有効ラインに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃う。
7リプ2の図柄組合せが有効ラインに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが、有効ラインに揃う。
リプ1〜6、および7リプ1,2を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてリプ1〜6、および7リプ1,2のいずれかに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ(リプが複数当選しているときにはいずれかのリプ)を入賞させることができる役といえる。複数のリプに当選しているときには、操作手順に応じたリプが入賞するようにリール制御が行われる。
リプ1〜6、および7リプ1,2のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
次に、図7を参照して、入賞役のうちの小役について説明する。小役には、ベル1、2、押し順ベル1〜8、チェリー1〜3、スイカ1〜4、および1枚1、2が含まれる。
ベル1は、有効ラインにおいて「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、中段ベルともいう。
ベル2は、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、右下ベルともいう。
ベル1およびベル2を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてベル1またはベル2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているベル1またはベル2を入賞させることができる。
押し順ベル1〜8は、各々、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、上段ベルともいう。
押し順ベル1〜8各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選において押し順ベル1〜8のいずれかに当選していても、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している押し順ベルに入賞することはない。ベル1、ベル2、および押し順ベル1〜8のいずれかに入賞したときには、メダルが15枚払い出される。
チェリー1は、左リール2Lのチェリーが有効ライン上に位置することにより入賞するため、中段チェリーともいう。
チェリー2およびチェリー3は、各々、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、左リール2Lの「チェリー」が上段または下段に停止することにより入賞となるため、角チェリーともいう。
チェリー1〜3各々を構成する図柄のうち左リール2Lの図柄は、5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選においてチェリー1〜3のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、当選しているチェリーに入賞することはない。チェリー1〜3のいずれかに入賞したときには、メダルが2枚払い出される。
スイカ1は、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、上段スイカともいう。
スイカ2は、有効ライン上に「スイカ−スイカ−スイカ」が停止することによって入賞となるため、中段スイカともいう。
スイカ3は、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、右下がりスイカともいう。
スイカ4は、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM4において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、右上がりスイカともいう。
スイカ1(上段スイカ)の出目およびスイカ2(中段スイカ)の出目を強スイカ目、スイカ3(右下がりスイカ)の出目およびスイカ4(右上がりスイカ)の出目を弱スイカ目ともいう。また、弱スイカ目と強スイカ目を総称して単にスイカ目ともいう。なお、フリーズ中においても、弱スイカ目や強スイカ目が導出されることがあるが、この場合の弱スイカ目や強スイカ目は、入賞の発生の有無に関わることがなく、入賞が発生しない。
スイカ1〜4各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選においてスイカ1〜4のいずれかに当選していても、スイカ1〜4のうち当選しているスイカの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているスイカに入賞することはない。スイカ1〜4のいずれかに入賞したときには、メダルが6枚払い出される。
1枚1および1枚2各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選において1枚1または1枚2に当選していても、1枚1および1枚2のうち当選している1枚の入賞役に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している1枚の入賞役に入賞することはない。1枚1または1枚2に入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
次に、図8を用いて特殊出目を説明する。特殊出目は、小役のうちの押し順ベル1〜8に当選(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選)しているゲームにおいて、当選している入賞役のうちいずれをも発生させることができない場合(取りこぼす場合)において、有効ラインに停止する特定のハズレの図柄組合せである。
特殊出目は、右ベルこぼし目、中ベルこぼし目、および左ベルこぼし目を含む。右ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が右ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。中ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が中ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。左ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が左ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。
図9に示されるように、RT0、RT2、およびRT3において、いずれの入賞も発生することなく、特殊出目が停止した後は、RT1に制御される。
[抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図10、図11を参照して、内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3のいずれであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図10、図11においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
たとえば、内部抽選において、抽選対象役のうち共通ベルが読み出されたときには、共通ベルに対応する入賞役であるベル2についての当否抽選が行われ、左ベル1が読み出されたときには、左ベル1に対応する入賞役の組合せであるベル2、押し順ベル1、および押し順ベル4すべてについての当否抽選が行われる。以下、同様に、左ベル2〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3が内部抽選において読み出されたときには、当該読み出された抽選対象役に対応する入賞役の組合せ欄に示されている入賞役あるいは入賞役の組合せについて抽選される。
抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、無印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「256」が設定されている抽選対象役の当選確率は、256/65536となる。なお、内部抽選において、いずれの抽選対象役にも当選しなかったときには、ハズレとなる。
遊技状態がRT0であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、および通常リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT1であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT2であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT3であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。
RT0〜RT3のいずれの遊技状態においても、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、および強スイカについては、抽選対象役に定められており、遊技状態にかかわらず共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役に当選する当選確率は、遊技状態にかかわらず一定である。なお、内部抽選において小役に当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4の判定値数を比較すると、中ベル1〜4、右ベル1〜4よりも左ベル1〜4の方が小さく、当選確率が低い。
弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカの判定値数を比較すると、それぞれ、「弱」が付された抽選対象役(弱チェリー、弱一枚、弱スイカ)よりも「強」が付された抽選対象役(強チェリー、強一枚、強スイカ)の方が小さく、当選確率が低い。中段チェリーと、弱チェリーおよび強チェリーとの判定値数を比較すると、中段チェリーが最も小さく、当選確率が最も低い。
中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカに当選したときにAT抽選が行われ、「弱」が付された抽選対象役当選時よりも「強」が付された抽選対象役当選時の方が高い確率でAT当選し、「強」が付された抽選対象役当選時よりも中段チェリー当選時の方が高い確率でAT当選する。これにより、「弱」が付された抽選対象役よりも「強」が付された抽選対象役に当選すること、および、「強」が付された抽選対象役よりも中段チェリーに当選することに対し遊技者が抱く期待感を高めることができる。
次に、通常リプ、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3の判定値数を、遊技状態ごとに比較する。いずれかの再遊技役に当選する確率は、RT3が最も高く、続いて、RT2、RT1の順となっており、RT0が最も低くなるように、判定値数が設定されている。
RT1における昇転リプ1〜5の判定値数を比較すると、昇転リプ2〜5よりも昇転リプ1の方が小さく、当選確率が低い。このため、左リール2Lを第1停止させる限り、昇格リプであるリプ4に入賞し難い。RT1におけるチャンスリプ1〜6の判定値数を比較すると、チャンスリプ1およびチャンスリプ4がその他のチャンスリプよりも小さく、当選確率が低い。このため、左リール2Lを第1停止させる限り、AT確定を認識することができる7リプ1または7リプ2に入賞し難い。RT1における特別リプ1〜3の判定値数を比較すると、特別リプ1がその他の特別リプよりも小さく、当選確率が低い。このため、左リール2Lを第1停止させる限り、リプ6に入賞し難い。
RT2における維持転リプ1〜3の判定値数を比較すると、維持転リプ2、3よりも維持転リプ1の方が小さく、当選確率が低い。このため、左リール2Lを第1停止させる限り、転落リプであるリプ5の入賞を回避し難い。一方、RT2におけるチャンスリプ1〜6、特別リプ1〜3の判定値数は、各々同じ値であり、同じ当選確率となるように設定されている。
RT3における維持転リプ1〜3の判定値数を比較すると、維持転リプ2、3よりも維持転リプ1の方が小さく、当選確率が低い。このため、左リール2Lを第1停止させる限り、転落リプであるリプ5の入賞を回避し難い。一方、RT3におけるチャンスリプ1〜6、特別リプ1〜3の判定値数は、各々同じ値であり、同じ当選確率となるように設定されている。
ここで、RT1〜3において読み出されるそれぞれの再遊技役の判定値数を合算した結果を比較する。
RT1とRT2とで、合算判定値数を比較すると、RT2の方がRT1よりも大きく、高い確率で再遊技役に当選する。これは、図9に示すように、RT2は、RT1からRT3へ遊技状態が移行するために経由される途中の遊技状態でもあり、RT1からRT2に遊技状態が移行した遊技者に対して、その後、RT3に遊技状態が移行するまでのRT2での期間において極力メダルを消費させないようにするためである。
RT3の合算判定値数は、RT1およびRT2における合算判定値数よりも大きく、最も高い確率で再遊技役に当選する。これにより、RT3は、メダルの消費を最小限に抑えながら遊技できる点で、遊技者にとって最も有利な遊技状態となる。したがって、RT1、RT2に対するRT3の優位性を確保することができる。
本実施の形態においては、非AT中に左第1停止以外の停止操作をするとペナルティが課されるため、遊技者は非AT中に左第1停止をする傾向にあるが、左第1停止によってリプ4(昇格リプ)を入賞可能な昇転リプ1は、中第1停止や右第1停止によってリプ4(昇格リプ)を入賞可能な昇転リプ2〜5よりも判定値数が低く、当選し難い。そのため、非AT中に遊技者が左第1停止をする限りは、RT2に移行しにくい。
仮に運よくRT1からRT2に移行できたとしても、最も有利度合いが高いRT3へは、さらにRT2においてリプ6を入賞させなくてはならない。左第1停止によって、RT1からRT3へ直接移行するためには、特別リプ1といった当選確率の非常に低い役に当選する必要がある。いずれにしても、非AT中におけるRT1からRT3への移行は簡単ではない。そのため、RT1からRT3へ移行する際に経由するRT2においては、再遊技役の合算判定値数をRT1よりも高く設定して極力メダルを消費させないようにすることで、遊技者の負担を軽減し、遊技の興趣を低下させない。
RT2からRT3へは、RT2における特別リプ1〜3の当選確率をRT1よりも高く設定していることで、RT1からRT2への移行よりも、非AT中において移行しやすい。これにより、非AT中に運よくRT1からRT2へ移行した遊技者に対して、なかなかRT3へ移行しないことに対する不満を感じさせることを極力防止し、遊技の興趣を低下させない。
次に、図10、図11の右欄に記載されているリール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかに応じて、ベル1あるいはベル2を有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1が当選し、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル1が当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した小役のうち押し順ベル1または押し順ベル4を引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。押し順ベル1および押し順ベル4を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、押し順ベル1または押し順ベル4のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベル1または押し順ベル4に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル2〜4のいずれかが当選しているゲームにおいても同様に、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル2〜4のいずれかが当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。押し順ベルを構成する図柄は、いずれも、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、当選している押し順ベルに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベルに入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。
中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選しているときも同様である。すなわち、中ベル1〜4のいずれかに当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、中リール2C以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組合せを引込可能範囲で有効ラインに引き込み停止させる制御を行い、当選している押し順ベルの図柄組合せを有効ラインに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち中ベルこぼし目を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。
右ベル1〜4のいずれかが当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、右リール2R以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組合せを引込可能範囲で有効ラインに引き込み停止させる制御を行い、当選している押し順ベルの図柄組合せを有効ラインに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち右ベルこぼし目を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。
このように、左ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときに確実にベル2を入賞させるようにリール制御が行われ、左リール2L以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
中ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行われ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
右ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行われ、右リール2R以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
以上のように本実施の形態では、左ベルが当選したか、中ベルが当選したか、右ベルが当選したかによって、ベル1あるいは2を確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ特殊出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。
なお、中ベルや右ベルよりも、左ベルの当選確率が低い。さらに、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左リール2Lを第1停止させなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、特に中ベルや右ベルに当選したときに、ベルを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときに仮にRT2に制御された場合であっても、高い確率で特殊出目が停止されるため、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止しなくてもペナルティが科されないため、左ベル、中ベル、および右ベルに当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、ベルを確実に入賞させることができ、RT1に転落することを回避させることができる。
中段チェリーに当選しているゲームにおいては、入賞時に左リール2Lのチェリーが有効ライン上にしか停止されないようにリール制御が行われる。一方、弱チェリーあるいは強チェリーに当選しているゲームにおいては、入賞時に左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止されるようにリール制御が行われる。これにより、左リール2Lのチェリーが中段に停止してチェリー入賞が発生したときには中段チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができ、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止してチェリー入賞が発生したときには、中段チェリーではなく弱チェリーあるいは強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
強チェリーに当選しているゲームにおいてのみ、左リール2Lのチェリーが停止された無効ライン上において、中リール2Cおよび右リール2R各々のチェリーを停止させて、「チェリー−チェリー−チェリー」を停止させるリール制御が行われ得る。これにより、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止し、かつ当該チェリーが停止された無効ライン上に「チェリー−チェリー−チェリー」が停止されたときには、弱チェリーではなく強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
弱一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組合せのうち、特殊出目と異なる予め定められた弱チャンス目(たとえば、有効ラインに「白7b−スイカb−チェリー」など)を停止させるリール制御を行う。強一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組合せのうち、特殊出目とも弱チャンス目とも異なる予め定められた強チャンス目(たとえば、有効ラインに「白7b−スイカb−スイカb」など)を停止させるリール制御を行う。チャンス目は、弱一枚や強一枚を取りこぼしたときだけでなく、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカなどを取りこぼしたときにも停止し得るように、リール制御が行われる。
弱スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ1よりもスイカ3または4を優先して有効ラインに引き込み、弱スイカ目を停止させ、スイカ3およびスイカ4のいずれも引き込むことができない場合には、スイカ1も引き込むことができない場合であるため、弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行う。
強スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ3およびスイカ4よりもスイカ1または2を優先して有効ラインに引き込み、強スイカ目を停止させ、スイカ1または2を引き込むことができない場合にはスイカ3、4を引き込み、スイカ3およびスイカ4のいずれも引き込むことができない場合には、弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行う。
通常リプに当選しているゲームにおいては、操作手順にかかわらず、リプ1の図柄組合せを有効ラインに引き込み、中段にリプを停止させるリール制御を行う。
昇転リプ1〜5のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、昇格リプであるリプ4を入賞させる制御が行われる。
昇転リプ1に当選しているゲームにおいては、第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、転落リプであるリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ2に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後左リール2L、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合には、リプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ3に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後右リール2R、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ4に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後左リール2L、中リール2Cの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ5に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後、中リール2C、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
RT1において転落リプであるリプ5に入賞した場合には、RT1が維持されるため、遊技状態が移行されるか否かの観点においてはリプ1が入賞した場合と同じとなる。このように、昇転リプ1〜5のいずれに当選したかによって、昇格リプであるリプ4を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、昇転リプ2〜5よりも、昇転リプ1の当選確率は低い。一方、非AT中のときにおいて左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、昇転リプ1に当選したときにはRT2に制御され得るが、昇転リプ2〜5に当選したときには実質的に昇格リプを入賞させることができず、RT2へ制御させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止しなくてもペナルティが科されないため、昇転リプに当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、昇格リプを確実に入賞させることができ、確実にRT2へ制御させることができる。
維持転リプ1〜3のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、通常リプであるリプ1を入賞させる制御か、転落リプであるリプ5を入賞させる制御が行われる。
維持転リプ1が当選しているゲームにおける第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
維持転リプ2が当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、中リール2C以外の左リール2Lまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
維持転リプ3が当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、右リール2R以外の左リール2Lまたは中リール2Cであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
このように、維持転リプ1〜3のいずれに当選したかによって、通常リプであるリプ1および転落リプであるリプ5を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、RT2においては、維持転リプ2および維持転リプ3よりも、維持転リプ1の当選確率は低い。一方、非AT中のときにおいて左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、維持転リプ1に当選したときには転落リプ入賞を回避させ得るが、維持転リプ2または3に当選したときには実質的に転落リプ入賞を回避させることができず、非AT中においてRT2へ制御されていたとしても、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止しなくてもペナルティが科されないため、維持転リプに当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、転落リプ入賞を確実に回避させることができ、RT2への制御を維持させることができる。
チャンスリプ1〜6のうちいずれかに当選している場合には、当該チャンスリプ1〜6に対応した停止操作順に応じて、7リプ1または7リプ2を入賞させる制御か、遊技状態の移行を伴わないリプ1〜3のいずれかを入賞させる制御が行われる。
チャンスリプ1が当選しているゲームにおいて、左中右の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうち7リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
チャンスリプ2が当選しているゲームにおいて、中左右の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうち7リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
チャンスリプ3が当選しているゲームにおいて、右左中の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうち7リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
チャンスリプ4が当選しているゲームにおいて、左右中の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうち7リプ2の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
チャンスリプ5が当選しているゲームにおいて、中右左の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうち7リプ2の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
チャンスリプ6が当選しているゲームにおいて、右中左の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうち7リプ2の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
このように、チャンスリプ1〜6のいずれに当選したかによって、7リプ1,2を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
特別リプ1〜3のうちいずれかに当選している場合には、当該特別リプ1〜3に対応した停止操作順に応じて、特別リプであるリプ6を入賞させる制御か、遊技状態の移行を伴わないリプ1〜3のいずれかを入賞させる制御が行われる。
特別リプ1が当選しているゲームにおける第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ6の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
特別リプ2が当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ6の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、中リール2C以外の左リール2Lまたは右リール2Rであった場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
特別リプ3が当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ6の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、右リール2R以外の左リール2Lまたは中リール2Cであった場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
このように、特別リプ1〜3のいずれに当選したかによって、特別リプであるリプ6を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、非AT中のときにおいて左リール2Lを第1停止させるように設計されているため、非AT中のときには、特別リプ1に当選したときにはリプ6を入賞させ得るが、それ以外の特別リプに当選したときには実質的にリプ6を入賞させることができず、RT3に遊技状態を移行させることが難しくなる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止しなくてもペナルティが科されないため、特別リプ1〜3に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、リプ6を確実に入賞させることができ、RT3に遊技状態を移行させることができる。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて、リール制御を行い、表示結果にしたがってメダル払い出しや遊技状態移行を行う。
[ゲームの流れ]
ここで、図9を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。スロットマシン1では、図9に示されるように、設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0では、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときに、高い確率でベルおよび押し順ベルを取りこぼして、有効ラインに特殊出目が停止され、いつまでも特殊出目が停止されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。スロットマシン1では、RT0〜RT3において非AT中のときに、左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、非AT中のときには、左リール2Lを第1停止させるように停止操作を行う。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT1では、リプ4やリプ6に入賞することにより、RT2やRT3に移行される。リプ4やリプ6に入賞するためには、図11で示したように、昇転リプ1〜5のいずれかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作するか、あるいは特別リプ1〜3に当選しかつ特別リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、左リール2Lが第1停止されたときに昇格リプ入賞させる昇転リプ1の当選確率は、その他の昇転リプ2〜5の当選確率よりも低い。左リール2Lが第1停止されたときに特別リプ入賞させる特別リプ1の当選確率は、その他の特別リプ2、3の当選確率よりも低い。よって、左リール2Lを第1停止させる限り、RT2やRT3に移行される可能性は低い。
RT1において左リール2Lを第1停止させながら、運よくリプ4に入賞し、RT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、押し順ベルのうち、左リール2Lを第1停止させた場合にベル入賞となる左ベル1〜4の当選確率がその他の中ベル1〜4や右ベル1〜4の当選確率よりも極めて低くなるように設定されており高い確率で特殊出目が停止される。維持転リプ1〜3のうち、左リール2Lが第1停止されたときにリプ1を停止させる維持転リプ1の当選確率は、その他の維持転リプ2および3の当選確率よりも低くなるように設定されており高い確率でリプ1を入賞させることができず転落リプが入賞する。このため、本実施の形態のスロットマシン1において、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化される。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、昇転リプ1〜5、および特別リプ1〜3のいずれかに当選したときに、リプ4やリプ6を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ4入賞によりRT2に移行させ、リプ6入賞によりRT3に移行させることができる。
RT2では、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに、通常リプであるリプ1を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ1入賞によりRT2を維持させることができる。
さらに、RT2では、特別リプ1〜3のいずれかに当選したときに、リプ6を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ6入賞によりRT3に移行させることができる。
RT3では、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに、通常リプであるリプ1を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ1入賞によりRT3を維持させることができる。
少なくともRT1〜3では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のように、所定の操作手順で停止操作しなければ入賞させることができない抽選対象役に当選したときに、当該抽選対象役に応じて遊技者にとって有利となる操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、小役の取りこぼしを防止して、メダルを確実に獲得することができる。特殊出目が停止されることを回避して、現在制御されている遊技状態への制御を維持することができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化される。遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)という。
サブ制御部91では、非AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、左リール2Lが第1停止されているか否かを判定し、当該判定結果に応じて所定のペナルティを科す制御を行う。さらに、サブ制御部91では、AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、実行したナビ演出に従わない停止操作がされた場合にも、所定のペナルティを科す制御を行う。
なお、単なる操作ミスにより左リール2Lを第1停止させることができない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に左リール2L以外のリールを第1停止させていること、あるいは遊技者が意図的にナビ演出に従わない停止操作をしている蓋然性が高いことを推認できる所定のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行うようにしてもよい。
所定のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに左リール2L以外のリールが第1停止された回数やナビ演出に従わない停止操作をした回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、非AT中のゲームにおいて、受信した内部当選コマンド、入賞判定コマンド、および遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて左リール2Lを第1停止させている限り入賞しない入賞役に入賞したと判定されたときや、このように判定された回数が所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよい。なお、遊技状態に応じて左リール2Lを第1停止させている限り入賞しない入賞役とは、たとえば、RT1中においてはベル1や転落リプが該当し、RT2中においては、ベル1や、維持転リプ2または維持転リプ3に当選時のリプ1などが該当する。
[フリーズ抽選]
次に、第1フリーズおよび第2フリーズの実行有無を決定するフリーズ抽選と、フリーズが実行されたときの擬似遊技中に導出される出目を決定する第1フリーズ時出目抽選および第2フリーズ時出目抽選と、第2フリーズが発生するまでのゲーム数を決定する第2フリーズ時発生ゲーム数抽選とについて説明する。いずれの抽選も、メイン制御部41によって実行される。
第1フリーズは、入賞の発生の有無に関わる通常遊技において、スイカ3やスイカ4の入賞が発生する弱スイカ目が導出したとき、もしくはスイカ1やスイカ2の入賞が発生する強スイカ目が導出したときに実行される可能性がある。第1フリーズの実行が決定すると、次のゲームの開始時に第1フリーズが発生し、該第1フリーズ中において入賞の発生の有無に関わらない擬似遊技が開始される。擬似遊技においては、通常の遊技と同様に、スタートスイッチの操作でリールが回転し、ストップスイッチの操作で各リールが停止する。擬似遊技において全てのリールが停止したときには、弱スイカ目または強スイカ目が導出される。なお、第1フリーズはメイン制御部41によって制御される状態であるが、サブ制御部91によって制御されるいずれの演出状態(たとえば、後述する通常、CZ、およびAT)であっても、発生し得る。
通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときにはAT抽選が実行されるが、第1フリーズ時の擬似遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときにもAT抽選が実行される。このため、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出された後の擬似遊技で再度弱スイカ目や強スイカ目が導出されると、2回連続でAT抽選が実行されることになり、遊技者の有利度が向上する。よって、遊技者は通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときに、連続して第1フリーズ中の擬似遊技が行われることに対して期待することができる。さらに、AT抽選では、弱スイカ目が導出したときよりも強スイカ目が導出したときの方が、当選しやすい。このため、遊技者は、通常遊技および擬似遊技のいずれにおいても、弱スイカ目よりも強スイカ目が導出されることに対して期待することができる。
第2フリーズは、通常遊技において、スイカ3やスイカ4の入賞が発生する弱スイカ目が導出したとき、もしくはスイカ1やスイカ2の入賞が発生する強スイカ目が導出したときに実行される可能性がある。第2フリーズの実行が決定すると、所定ゲーム数(本実施の形態においては、10ゲーム、15ゲーム、および20ゲームのいずれか)の計数が開始され、液晶表示器51の画面上では所定ゲーム数をカウントダウンする演出が行われる。さらに、所定ゲーム数の経過後に、弱スイカ目および強スイカ目のうち、通常遊技で導出された出目と同じ出目が導出されることを示唆する演出が行われる。所定ゲーム数が経過した後のゲームの開始時においては、擬似遊技が開始される。擬似遊技において全てのリールが停止したときには、弱スイカ目または強スイカ目が導出される。
擬似遊技で導出される出目は、第2フリーズの決定時に示唆された出目が導出されるときもあるし、該出目とは異なる出目が導出されるときもある。たとえば、当初、弱スイカ目の導出が示唆されていた場合、擬似遊技で弱スイカ目が導出されるときもあれば、所定ゲーム数が経過するまでの間に強スイカ目が導出されることを示唆する示唆演出に変更されて擬似遊技で強スイカ目が導出されるときもある。つまり、当初、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときには、その後の擬似遊技で弱スイカ目を導出することを予約(たとえば、RAM41cの所定領域で弱スイカ目の導出することを特定するフラグを記憶)していても、その後、擬似遊技で弱スイカ目を導出することに予約が変更(たとえば、RAM41cの所定領域で強スイカ目の導出することを特定するフラグに書き換えて記憶)されることもある。なお、第2フリーズはメイン制御部41によって制御される状態であるが、サブ制御部91によって制御されるいずれの演出状態(たとえば、通常、CZ、およびAT)であっても、発生し得る。
通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときにはAT抽選が実行されるが、第2フリーズ時の擬似遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときにもAT抽選が実行される。このため、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出された後に、示唆された通り所定ゲーム数の経過後に擬似遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されると、2回のAT抽選が実行されることになり、遊技者の有利度が向上する。よって、遊技者は通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときに、擬似遊技の示唆が行われることに対して期待することができる。さらに、AT抽選では、弱スイカ目が導出したときよりも強スイカ目が導出したときの方が、当選しやすい。このため、遊技者は、通常遊技および擬似遊技のいずれにおいても、弱スイカ目よりも強スイカ目が導出されることに対して期待することができる。さらに、AT抽選では、演出状態に応じて当選確率が異なる。このため、遊技者は、弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときのタイミングに注目することができる。
図12(a)を参照しながら、フリーズ抽選について説明する。フリーズ抽選は、抽選条件Aまたは抽選条件Bが成立したときに実行される。抽選条件Aは、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときに成立し、抽選条件Bは、通常遊技で強スイカ目が導出されたときに成立する。
抽選条件Aが成立したときのフリーズ抽選においては、60%の当選確率でフリーズなしに決定され、20%の当選確率で第1フリーズに決定され、20%の当選確率で第2フリーズに決定される。抽選条件Bが成立したときのフリーズ抽選においては、40%の当選確率でフリーズなしに決定され、30%の当選確率で第1フリーズに決定され、30%の当選確率で第2フリーズに決定される。
このように、強スイカ目が導出されたときは、弱スイカ目が導出されたときよりも、いずれかのフリーズに決定される確率が高い。このため、遊技者は、弱スイカ目よりも強スイカ目が導出されることに対して期待することができる。
図12(b)を参照しながら、第1フリーズ時出目抽選について説明する。第1フリーズ時出目抽選は、フリーズ抽選で第1フリーズに決定されたときに実行される。フリーズ抽選において抽選条件Aで第1フリーズに決定されたときには、90%の当選確率で第1フリーズの擬似遊技中に弱スイカ目が導出されると決定され、10%の当選確率で第1フリーズの擬似遊技中に強スイカ目が導出されると決定される。フリーズ抽選において抽選条件Bで第1フリーズに決定されたときには、第1フリーズの擬似遊技中に弱スイカ目が導出されることはなく、100%の当選確率で第1フリーズの擬似遊技中に強スイカ目が導出されると決定される。
このように、通常遊技で弱スイカ目が導出された後の第1フリーズの擬似遊技では、強スイカ目よりも弱スイカ目が導出される確率が高いのに対して、通常遊技で強スイカ目が導出された後の第1フリーズの擬似遊技では、弱スイカ目よりも強スイカ目が導出される確率が高い。このため、遊技者は、弱スイカ目の導出によって第1フリーズが発生するよりも、強スイカ目の導出によって第1フリーズが発生する方を期待することができる。
ここで、強スイカ目の導出を契機に発生した第1フリーズの擬似遊技中に弱スイカ目が導出されない理由は、最初に期待度の高い強スイカ目が導出された後に期待度の低い弱スイカ目が導出されてしまうと、向上した遊技者の期待感を盛り下げてしまう虞があるためである。なお、強スイカ目の導出を契機に第1フリーズに決定されたときでも、極まれに擬似遊技で弱スイカ目が導出されるものであってもよいが、この場合でも、強スイカ目が導出される確率の方が高い方が好ましい。
図12(c)を参照しながら、第2フリーズ時出目抽選について説明する。第2フリーズ時出目抽選は、フリーズ抽選で第2フリーズに決定されたときに実行される。フリーズ抽選において抽選条件Aで第2フリーズに決定された後、第2フリーズを実行するまでの間の通常遊技で弱スイカ目が導出されたときには、50%の当選確率で第2フリーズの擬似遊技中に弱スイカ目が導出されると決定され、50%の当選確率で第2フリーズの擬似遊技中に強スイカ目が導出されると決定される。抽選条件Aで第2フリーズに決定された後、第2フリーズを実行するまでの間の通常遊技で強スイカ目が導出されたときには、第2フリーズの擬似遊技中に弱スイカ目が導出されることはなく、100%の当選確率で第2フリーズの擬似遊技中に強スイカ目が導出されると決定される。なお、フリーズ抽選において抽選条件Aで第2フリーズに決定されたときには、第2フリーズを実行するまでの間の通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されるか否かにかかわらず、100%の確率で第2フリーズの擬似遊技中に強スイカ目が導出される。
このように、通常遊技で弱スイカ目が導出されて、第2フリーズの擬似遊技中に弱スイカ目が導出されることを示唆する示唆演出が実行された場合でも、その後、第2フリーズが実行されるまでの間の通常遊技で弱スイカ目が導出されたときには、50%の確率で強スイカ目が導出されることを示唆する示唆演出に変更されて第2フリーズの擬似遊技中に強スイカ目が導出される。また、通常遊技で弱スイカ目が導出されて、第2フリーズの擬似遊技中に弱スイカ目が導出されることを示唆する示唆演出が実行された場合でも、その後、第2フリーズが実行されるまでの間の通常遊技で強スイカ目が導出されたときには、100%の確率で強スイカ目が導出されることを示唆する示唆演出に変更されて第2フリーズの擬似遊技中に強スイカ目が導出される。このため、遊技者は、当初、弱スイカ目の導出が示唆されていても、その後の所定ゲーム数の間に強スイカ目の導出に変更されることに対して期待することができる。さらに、当初、強スイカ目の導出が示唆された場合や、途中のゲームで強スイカ目が導出された場合は、擬似遊技において確実に強スイカ目が導出されるため、強スイカ目が導出された後の遊技において、遊技者の期待感を維持して、興趣を向上させることができる。
ここで、強スイカ目の導出を契機に発生した第2フリーズの擬似遊技中に弱スイカ目が導出されなかったり、弱スイカ目が導出した後の所定ゲーム数における通常遊技で強スイカ目が導出したときに、第2フリーズの擬似遊技中に弱スイカ目が導出されなかったりする理由は、最初に期待度の高い強スイカ目が導出された後に期待度の低い弱スイカ目が導出されてしまうと、向上した遊技者の期待感を盛り下げてしまう虞があるためである。なお、強スイカ目の導出を契機に発生した第2フリーズに決定されたときや、弱スイカ目が導出した後の所定ゲーム数における通常遊技で強スイカ目が導出したときでも、極まれに擬似遊技で弱スイカ目が導出されるものであってもよいが、この場合でも、強スイカ目が導出される確率の方が高い方が好ましい。
図12(d)を参照しながら、第2フリーズ時発生ゲーム数抽選について説明する。第2フリーズ時発生ゲーム数抽選は、フリーズ抽選で第2フリーズに決定されたときに実行される。フリーズ抽選において抽選条件Aで第2フリーズに決定されたときには、所定ゲーム数として、20%の当選確率で10ゲームに決定され、30%の当選確率で15ゲームに決定され、50%の当選確率で20ゲームに決定される。フリーズ抽選において抽選条件Bで第2フリーズに決定されたときには、所定ゲーム数として、50%の当選確率で10ゲームに決定され、30%の当選確率で15ゲームに決定され、20%の当選確率で20ゲームに決定される。
このように、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときには、強スイカ目が導出されたときよりも、第2フリーズが発生するまでの期間が長くなる確率が高い。第2フリーズが発生するまでの期間が長くなると、その間に弱スイカ目や強スイカ目が導出される可能性が高まるため、当初、弱スイカ目の導出が示唆されていても、その後の所定ゲーム数の間に強スイカ目の導出に変更されることに対して遊技者に期待させる期間が長くなり、遊技の興趣を向上する。
[CZ抽選]
次に、通常の演出状態からチャンスゾーン(CZ)への移行有無を決定するCZ抽選について説明する。CZ抽選は、サブ制御部91によって実行される。CZとは、サブ制御部91によって制御され、AT抽選において当選する確率が高まる演出状態である。CZ抽選に当選したときには、所定ゲーム数が経過したときにCZに移行する。なお、CZに移行する前には、CZに移行するか否かを示唆する演出が実行されるものであってもよい。
図13を参照しながら、CZ抽選について説明する。CZ抽選は、通常遊技で弱スイカ目および強スイカ目のいずれかが導出されたときに実行される。通常遊技で弱スイカ目が導出されたときには、50%の確率でCZに移行しないと決定され、20%の確率で5ゲームのCZに移行すると決定され、15%の確率で10ゲームのCZに移行すると決定され、10%の確率で15ゲームのCZに移行すると決定され、5%の確率で30ゲームのCZに移行すると決定される。なお、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときには、50ゲームのCZには移行しない。通常遊技で強スイカ目が導出されたときには、10%の確率でCZに移行しないと決定され、40%の確率で5ゲームのCZに移行すると決定され、20%の確率で10ゲームのCZに移行すると決定され、15%の確率で15ゲームのCZに移行すると決定され、10%の確率で30ゲームのCZに移行すると決定され、5%の確率で50ゲームのCZに移行すると決定される。
このように、通常遊技で強スイカ目が導出されたときには、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときよりも、CZに移行する確率が高く、さらに、より長くCZで遊技をすることができる。このため、遊技者は、弱スイカ目が導出されるよりも、強スイカ目が導出される方を期待することができる。
[AT抽選]
次に、サブ制御部91によって実行されるAT抽選について説明する。AT抽選は、通常中(通常の演出状態)、CZ中、およびAT中のいずれにおいても抽選条件が成立したときに実行される。通常中やCZ中におけるAT抽選では、ナビストックを付与するか否かを決定する。AT中におけるAT抽選では、現在制御中のATにおけるゲーム数に上乗せするか否かを決定する。
図14を参照しながら、AT抽選について説明する。AT抽選は、抽選条件a〜kのいずれかが成立したときに実行される。抽選条件aは、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときに成立し、抽選条件bは、通常遊技で強スイカ目が導出されたときに成立する。抽選条件cは、第1フリーズまたは第2フリーズにおける擬似遊技で弱スイカ目が導出されたときに成立し、抽選条件dは、第1フリーズまたは第2フリーズにおける擬似遊技で強スイカ目が導出されたときに成立する。抽選条件eは、通常遊技で弱チェリーに当選したときに成立し、抽選条件fは、通常遊技で強チェリーに当選したときに成立し、抽選条件gは、通常遊技で中段チェリーに当選したときに成立し、抽選条件hは、通常遊技で弱一枚に当選したときに成立し、抽選条件iは、通常遊技で強一枚に当選したときに成立する。抽選条件jは、通常遊技が1000ゲーム消化される毎に成立し、抽選条件kは、通常遊技が500ゲーム消化されるまでの間にAT抽選が実行されなかったときに成立する。
抽選条件aが成立したときのAT抽選においては、通常中であれば20%の当選確率でナビストックが1付与され、CZ中であれば30%の当選確率でナビストックが1付与され、AT中であれば30%の当選確率でATゲーム数が10ゲーム上乗せされる。
抽選条件bが成立したときのAT抽選においては、通常中であれば30%の当選確率でナビストックが2付与され、CZ中であれば40%の当選確率でナビストックが2付与され、AT中であれば40%の当選確率でATゲーム数が30ゲーム上乗せされる。
抽選条件cが成立したときのAT抽選においては、通常中であれば40%の当選確率でナビストックが3付与され、CZ中であれば60%の当選確率でナビストックが3付与され、AT中であれば60%の当選確率でATゲーム数が50ゲーム上乗せされる。
抽選条件dが成立したときのAT抽選においては、通常中であれば70%の当選確率でナビストックが5付与され、CZ中であれば90%の当選確率でナビストックが5付与され、AT中であれば90%の当選確率でATゲーム数が100ゲーム上乗せされる。
抽選条件eが成立したときのAT抽選においては、通常中であれば20%の当選確率でナビストックが1付与され、CZ中であれば30%の当選確率でナビストックが1付与され、AT中であれば30%の当選確率でATゲーム数が10ゲーム上乗せされる。
抽選条件fが成立したときのAT抽選においては、通常中であれば30%の当選確率でナビストックが2付与され、CZ中であれば40%の当選確率でナビストックが2付与され、AT中であれば40%の当選確率でATゲーム数が30ゲーム上乗せされる。
抽選条件gが成立したときのAT抽選においては、通常中であれば70%の当選確率でナビストックが5付与され、CZ中であれば90%の当選確率でナビストックが5付与され、AT中であれば90%の当選確率でATゲーム数が100ゲーム上乗せされる。
抽選条件hが成立したときのAT抽選においては、通常中であれば20%の当選確率でナビストックが1付与され、CZ中であれば30%の当選確率でナビストックが1付与され、AT中であれば30%の当選確率でATゲーム数が10ゲーム上乗せされる。
抽選条件iが成立したときのAT抽選においては、通常中であれば30%の当選確率でナビストックが2付与され、CZ中であれば40%の当選確率でナビストックが2付与され、AT中であれば40%の当選確率でATゲーム数が30ゲーム上乗せされる。
抽選条件jが成立したときのAT抽選においては、通常中であれば20%の当選確率でナビストックが1付与され、CZ中であれば30%の当選確率でナビストックが1付与され、AT中であれば30%の当選確率でATゲーム数が10ゲーム上乗せされる。
抽選条件kが成立したときのAT抽選においては、通常中であれば20%の当選確率でナビストックが1付与され、CZ中であれば30%の当選確率でナビストックが1付与され、AT中であれば30%の当選確率でATゲーム数が10ゲーム上乗せされる。
本実施の形態におけるAT抽選では、少なくとも以下のような特徴がある。
第1に、いずれの演出状態においても、フリーズ中の擬似遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたとき(抽選条件c,dの成立時)には、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたとき(抽選条件a,bの成立時)よりも、当選確率が高く、かつ付与ナビストック数や上乗せゲーム数が多い。
このため、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときにAT抽選を実行することにより遊技者の期待感を向上させ、その後、次のゲームの開始時に実行される第1フリーズ中の擬似遊技において弱スイカ目や強スイカ目が連続して導出されたときには、より有利度の高いAT抽選が実行されることによりさらに遊技者の期待感を向上させることができる。これにより、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときに、その後第1フリーズが実行されるか否かについて遊技者に期待させることに加えて、より有利度の高いAT抽選が実行されることによっても遊技者の期待感を向上させて遊技の興趣を向上させることができる。
また、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときにAT抽選を実行することにより遊技者の期待感を向上させ、その後、示唆されたゲーム数の消化後に実行される第2フリーズ中の擬似遊技において弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときには、より有利度の高いAT抽選が実行されることによりさらに遊技者の期待感を向上させることができる。これにより、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときに、その後第2フリーズが実行されるか否かについて遊技者に期待させることに加えて、より有利度の高いAT抽選が実行されることによっても遊技者の期待感を向上させて遊技の興趣を向上させることができる。
第2に、通常遊技および擬似遊技のいずれにおいても、強スイカ目が導出されたとき(抽選条件b,dの成立時)には、弱スイカ目が導出されたとき(抽選条件a,cの成立時)よりも、当選確率が高く、かつ付与ナビストック数や上乗せゲーム数が多い。
このため、通常遊技においては、弱スイカ目よりも強スイカ目が導出されることに対して遊技者を期待させることができる。さらに、第1フリーズや第2フリーズ中の擬似遊技においても、弱スイカ目よりも強スイカ目が導出されることに対して遊技者を期待させることができる。たとえば、通常遊技において強スイカ目が導出された後に、第1フリーズ中の擬似遊技で連続して強スイカ目が導出される場合もあり、この場合、有利度が非常に高まり、遊技者の期待感も大きくなる。また、通常遊技において強スイカ目が導出されたときには、第2フリーズ中の擬似遊技で再び強スイカ目が導出されることにより、有利度が非常に高まり、遊技者の期待感も大きくなる。さらに、通常遊技において弱スイカ目が導出されたときでも、その後、強スイカ目の導出に変更されて、第2フリーズ中の擬似遊技では強スイカ目が導出されることもあり、この場合、有利度が低い抽選から高い抽選へと変更することになるため、遊技者の期待感を向上させることができる。
第3に、いずれの抽選条件が成立したときでも、CZ中は、通常中よりも、当選確率が高く、かつ付与ナビストック数が多い。
このため、CZに移行したときには、通常中よりもAT抽選が実行されることに対して遊技者に期待させることができる。たとえば、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されて第2フリーズに決定されたときには、第2フリーズ時発生ゲーム数抽選において決定された所定ゲーム数の経過後に、第2フリーズ中の擬似遊技において再び弱スイカ目や強スイカ目が導出される。このため、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときが通常の演出であったとしても、第2フリーズが発生するときにはCZに移行している可能性がある。CZ中において、第2フリーズが発生して擬似遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されると、通常中よりも有利度の高いAT抽選が実行される。よって、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されて第2フリーズに決定されたときには、第2フリーズが発生するときのタイミングについて遊技者に注目させることができる。これにより、第2フリーズが発生するか否かについて遊技者に注目させることに加えて、第2フリーズが発生したときのタイミングについても注目させて遊技の興趣を向上させることができる。
第4に、いずれの抽選条件が成立したときでも、AT中は、通常中よりも、当選確率が高い。
このため、ATに移行したときには、通常中よりもAT抽選が実行されることに対して遊技者に期待させることができる。たとえば、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときが通常の演出であったとしても、第2フリーズが発生するときにはATに移行している可能性がある。AT中において、第2フリーズが発生して擬似遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されると、通常中よりも有利度の高いAT抽選が実行される。よって、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されて第2フリーズに決定されたときには、第2フリーズが発生するときのタイミングについて遊技者に注目させることができる。これにより、第2フリーズが発生するか否かについて遊技者に注目させることに加えて、第2フリーズが発生したときのタイミングについても注目させて遊技の興趣を向上させることができる。
[AT制御処理]
サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストックが決定されたときに、付与されたナビストック数に応じたATゲーム数をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのATゲーム数の有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。ATゲーム数が残っているときに、さらにAT抽選によってATゲーム数を獲得したときには、残っているATゲーム数に今回獲得したATゲーム数を上乗せ加算させる。
ATに制御されたきには、RT1においては、昇転リプ1〜5のいずれかに当選したときに昇格リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT2へ制御されやすくなる。
RT2においては、特別リプ1〜3のいずれかに当選したときにナビ演出が実行され、リプ6に入賞する可能性が高くなり、その結果、RT3へ制御されやすくなる。このとき、ナビ演出に従わずにストップスイッチを停止操作した遊技者に対してはペナルティが科される。そのため、遊技者にRT2からRT3へと遊技状態を移行制御させるため、ナビ演出に従った操作手順での操作を促すことができ、その結果、意図しない遊技の進行をさせないようにすることができる。RT2においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに特殊出目停止や転落リプ入賞を回避させ、その結果、RT2への制御を維持させやすくなる。
RT3に制御されたときには、所定回数(たとえば100)ゲームを消化する間、RT3かつATであるARTに制御可能となる。
サブ制御部91は、ARTに制御すると、ATに制御されることが確定しているATゲーム数を報知するとともに、ゲーム消化に応じてATゲーム数を更新させる。具体的に、たとえば、ARTに制御されたときに、液晶表示器51において「AT残り100ゲーム」といったメッセージを表示し、ゲーム消化に応じて残りゲーム数を更新表示する。これにより、少なくともATゲーム数に対応してATに制御される旨が報知される。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0に到達したときに、「AT終了!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、一連のATを終了させる。これにより、ナビ演出が実行されなくなるため、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のいずれかに当選したときに特殊出目が停止されやすく、かつ、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに転落リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT3からRT1へ制御される可能性が高まる。
一方、AT残りゲーム数が0に到達したときに、潜伏状態の残りのATゲーム数が1以上であれば、サブ制御部91は、たとえば「まだまだー!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ARTへの制御を継続させる。
以上のように、RT3であるときには、所定回数ゲームを消化する間ARTに制御される。ARTにおいて所定回数ゲームを消化してATが終了したときであっても、潜伏状態のATゲーム数が1以上であるときにはさらにATへの制御が継続される。これにより、AT抽選の結果に応じて獲得したATゲーム数に応じた回数だけ、ATに繰り返し制御可能となるといえる。
サブ制御部91は、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
[ナビ演出]
ここで、遊技状態に応じたナビ対象役について図10および図11を用いて説明する。まず、RT1に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、昇格リプを含む昇転リプ1〜5、転落リプを含む維持転リプ1〜3、およびリプ6を含む特別リプ1〜3が定められている。
RT2に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、転落リプを含む維持転リプ1〜3、およびリプ6を含む特別リプ1〜3が定められている。
RT3に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、転落リプを含む維持転リプ1〜3、およびリプ6を含む特別リプ1〜3が定められている。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてベル1または2を入賞させて特殊出目停止を回避させるための押し順が報知される。たとえば、左ベル1に当選したときのナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。中ベル2に当選したときのナビ演出としては、「中だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
昇転リプ1〜5のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを入賞させるための押し順が報知される。たとえば、昇転リプ3に当選したときのナビ演出としては、「中右左」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。昇転リプ5に当選したときのナビ演出としては、「右中左」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプ入賞を回避させるための押し順が報知される。たとえば、維持転リプ1に当選したときのナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。維持転リプ3に当選したときのナビ演出としては、「右だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
特別リプ1〜3のいずれかに当選したときには、リプ6を確実に入賞させるための押し順を報知するナビ演出が実行される。たとえば、特別リプ3に当選したときのナビ演出としては、「右だ!!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
AT中において、ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作した場合において、特殊出目停止や転落リプ入賞した場合には、RT1に制御されてしまう。このようにAT中でありながら、操作ミスによってRT1に制御されてしまった場合には、制裁措置としてその時点でATを終了させるようにしてもよく、これとは逆に、救済措置としてATを継続して再びRT3へ制御させるようにナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ナビ演出の態様は、上述したような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
[第1フリーズ時演出抽選]
次に、第1フリーズが発生した以降のゲームで実行される前兆演出を決定する第1フリーズ時演出抽選について説明する。第1フリーズ時演出抽選は、メイン制御部41によって第1フリーズを実行することに決定されたときに、サブ制御部91によって実行される。なお、前兆演出とは、AT抽選の当選有無を遊技者に期待させる演出であり、味方キャラクタと敵キャラクタとによる演出である。また、前兆演出は、通常中、CZ中、AT中のいずれに限らず実行され得る。
第1フリーズ時演出抽選においては、第1フリーズの決定時における通常遊技で導出された出目が弱スイカ目および強スイカ目のいずれであるかと、第1フリーズ中の擬似遊技で導出された出目が弱スイカ目および強スイカ目のいずれであるかと、弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときのAT抽選で当選したか否かとに基づき、前兆演出の実行有無および演出A〜Dのうちの実行する前兆演出の種類を決定している。
図15(b)に示すように、演出Aは、AT抽選においてハズレとなったときに選択され得る前兆演出である。演出Aでは、味方キャラクタと敵キャラクタが睨み合って終了する演出が2ゲームに亘って行われる。演出Bは、AT抽選において当選したときに選択され得る前兆演出である。演出Bでは、味方キャラクタと敵キャラクタが睨み合った後にAT抽選の当選報知(たとえば、「AT獲得!!」の文字画像の表示)をする演出が3ゲームに亘って行われる。演出Cは、AT抽選においてハズレとなったときに選択され得る前兆演出である。演出Cでは、味方キャラクタと敵キャラクタが睨み合った後にバトルに突入し、該バトルで味方キャラクタが敗れて終了する演出が8ゲームに亘って行われる。演出Dは、AT抽選において当選したときに選択され得る前兆演出である。演出Dでは、味方キャラクタと敵キャラクタが睨み合った後にバトルに突入し、該バトルで味方キャラクタが勝利してAT抽選の当選報知(たとえば、「AT獲得!!」の文字画像の表示)をする演出が10ゲームに亘って行われる。
図15(a)を参照しながら、第1フリーズ時演出抽選について説明する。通常遊技において弱スイカ目が導出した後に第1フリーズ中の擬似遊技で弱スイカ目が導出し、かついずれの導出時においてもAT抽選でハズレになったときには、40%の当選確率で演出を実行しないと決定され、50%の当選確率で演出Aを実行すると決定され、10%の当選確率で演出Cを実行すると決定される。なお、この場合、当選が報知される演出Bおよび演出Dには決定されない。
通常遊技において弱スイカ目が導出した後に第1フリーズ中の擬似遊技で弱スイカ目が導出し、かついずれかの導出時においてAT抽選で当選したときには、40%の当選確率で演出を実行しないと決定され、50%の当選確率で演出Bを実行すると決定され、10%の当選確率で演出Dを実行すると決定される。なお、この場合、当選が報知されない演出Aおよび演出Cには決定されない。
通常遊技および第1フリーズ中の擬似遊技のいずれかで強スイカ目が導出し、かついずれの導出時においてもAT抽選でハズレになったときには、20%の当選確率で演出を実行しないと決定され、10%の当選確率で演出Aを実行すると決定され、70%の当選確率で演出Cを実行すると決定される。なお、この場合、当選が報知される演出Bおよび演出Dには決定されない。
通常遊技および第1フリーズ中の擬似遊技のいずれかで強スイカ目が導出し、かついずれか導出時においてAT抽選で当選したときには、20%の当選確率で演出を実行しないと決定され、10%の当選確率で演出Bを実行すると決定され、70%の当選確率で演出Dを実行すると決定される。なお、この場合、当選が報知されない演出Aおよび演出Cには決定されない。
なお、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出された後に第2フリーズが発生したときには、第2フリーズ時の擬似遊技中に弱スイカ目や強スイカ目が導出された以降のゲームで前兆演出が実行される。この場合の前兆演出においては、第2フリーズの決定時における通常遊技で導出された出目が弱スイカ目および強スイカ目のいずれであるかと、第2フリーズ中の擬似遊技で導出された出目が弱スイカ目および強スイカ目のいずれであるかと、弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときのAT抽選で当選したか否かとに基づき、前兆演出の実行有無および前兆演出の種類が決定される。また、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出された後にいずれのフリーズも発生しないときには、当該弱スイカ目や強スイカ目が導出された以降のゲームで前兆演出が実行される。この場合の前兆演出においては、通常遊技で導出された出目が弱スイカ目および強スイカ目のいずれであるかと、弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときのAT抽選で当選したか否かとに基づき、前兆演出の実行有無および前兆演出の種類が決定される。
このように、通常遊技および第1フリーズ中や第2フリーズ中の擬似遊技のいずれかにおいて強スイカ目が導出されたときには、通常遊技および擬似遊技のいずれにおいても強スイカ目が導出されなかったときよりも、前兆演出が実行される確率が高い。このため、通常遊技および擬似遊技のいずれかにおいて強スイカ目が導出されたときには、その出目によってAT抽選における当選に対して遊技者を期待させるとともに、さらに、前兆演出が実行されることによってもAT抽選における当選に対して遊技者を期待させることができる。
また、通常遊技および第1フリーズ中や第2フリーズ中の擬似遊技のいずれかにおいて強スイカ目が導出されたときには、通常遊技および擬似遊技のいずれにおいても強スイカ目が導出されなかったときよりも、実行される前兆演出のゲーム数が長い。このため、通常遊技および擬似遊技のいずれかにおいて強スイカ目が導出されたときには、その出目によってAT抽選における当選に対して遊技者を期待させるとともに、さらに、ゲーム数の長い前兆演出が実行されることによってもAT抽選における当選に対して遊技者を期待させることができる。
たとえば、通常遊技において弱スイカ目が導出されたとしても、その後、第1フリーズが実行されたときの擬似遊技において強スイカ目が導出されることがあり、この場合、通常遊技において導出された弱スイカ目ではなく、擬似遊技において導出された強スイカ目に基づき高確率で前兆演出が決定されるとともに、ゲーム数の長い前兆演出に決定される。このように、通常遊技時に導出される出目よりもAT抽選における有利度が高い擬似遊技時に導出される出目に応じた前兆演出が実行されるため、AT抽選における当選についての遊技者の期待感を向上させて遊技の興趣を向上させることができる。
[第1フリーズの態様]
次に、図16を参照しながら、第1フリーズの態様を説明する。
まず、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときの第1フリーズの態様について説明する。図16(a)に示すように、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときには、抽選条件aが成立することによって図14に示すAT抽選が実行されるとともに、抽選条件Aが成立することによって図12(a)に示すフリーズ抽選が実行される。
フリーズ抽選によって第1フリーズの実行が決定されたときには、図16(c)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ7の操作によって第1フリーズが開始する。第1フリーズが開始すると、擬似遊技が開始され、リール2L、2C、2Rが擬似的に回転する。
フリーズ抽選によって第1フリーズの実行が決定されるとともに、図12(b)に示す第1フリーズ時出目抽選によって弱スイカ目の導出が決定されたときには、図16(e)に示すように、遊技者によるストップスイッチ8Lの操作によって左リール2Lが停止して下段にスイカ図柄が導出される。
その後、図16(g)に示すように、遊技者によるストップスイッチ8Cの操作によって中リール2Cが停止して中段にスイカ図柄が導出される。
さらに、図16(i)に示すように、遊技者によるストップスイッチ8Rの操作によって右リール2Rが停止して上段にスイカ図柄が導出される。これにより、第1フリーズ中の擬似遊技において弱スイカ目が導出される。擬似遊技で弱スイカ目が導出されたときには、抽選条件cが成立することによって、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときの抽選条件aや強スイカ目が導出されたときの抽選条件bよりも、有利度の高いAT抽選が実行される。
その後、遊技者によるスタートスイッチ7の操作によって、第1フリーズが終了し、全てのリールが回転して通常遊技のゲームが開始する。
一方、フリーズ抽選によって第1フリーズの実行が決定されるとともに、第1フリーズ時出目抽選によって強スイカ目の導出が決定されたときには、図16(f)に示すように、遊技者によるストップスイッチ8Lの操作によって左リール2Lが停止して中段にスイカ図柄が導出される。
その後、図16(h)に示すように、遊技者によるストップスイッチ8Cの操作によって中リール2Cが停止して中段にスイカ図柄が導出される。
さらに、図16(j)に示すように、遊技者によるストップスイッチ8Rの操作によって右リール2Rが停止して中段にスイカ図柄が導出される。これにより、第1フリーズ中の擬似遊技において強スイカ目が導出される。擬似遊技で強スイカ目が導出されたときには、抽選条件dが成立することによって、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときの抽選条件aや強スイカ目が導出されたときの抽選条件bよりも、有利度の高いAT抽選が実行される。
その後、遊技者によるスタートスイッチ7の操作によって、第1フリーズが終了し、全てのリールが回転して通常遊技のゲームが開始する。
次に、通常遊技で強スイカ目が導出されたときの第1フリーズの態様について説明する。図16(b)に示すように、通常遊技で強スイカ目が導出されたときには、抽選条件bが成立することによって図14に示すAT抽選が実行されるとともに、抽選条件Bが成立することによって図12(a)に示すフリーズ抽選が実行される。
フリーズ抽選によって第1フリーズの実行が決定されたときには、図16(d)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ7の操作によって第1フリーズが開始する。第1フリーズが開始すると、擬似遊技が開始され、リール2L、2C、2Rが擬似的に回転する。
フリーズ抽選によって第1フリーズの実行が決定されるとともに、図12(b)に示す第1フリーズ時出目抽選によって強スイカ目の導出が決定されると、図16(f)に示すように、遊技者によるストップスイッチ8Lの操作によって左リール2Lが停止して中段にスイカ図柄が導出される。
その後、図16(h)に示すように、遊技者によるストップスイッチ8Cの操作によって中リール2Cが停止して中段にスイカ図柄が導出される。
さらに、図16(j)に示すように、遊技者によるストップスイッチ8Rの操作によって右リール2Rが停止して中段にスイカ図柄が導出される。これにより、第1フリーズ中の擬似遊技において強スイカ目が導出される。擬似遊技で強スイカ目が導出されたときには、抽選条件dが成立することによって、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときの抽選条件aや強スイカ目が導出されたときの抽選条件bよりも、有利度の高いAT抽選が実行される。
その後、遊技者によるスタートスイッチ7の操作によって、第1フリーズが終了し、全てのリールが回転して通常遊技のゲームが開始する。
なお、図16(e)〜(j)に示すように、擬似遊技中においては、完全にリールが停止することなく、目標の停止位置を導出させた後、リールを上下に振動させる制御が一定時間に亘り行われる。さらに、第3停止に対応する図柄が導出されるときには、目標の停止位置よりも0.5コマ(半図柄分)ずれて図柄が停止する。
たとえば、図16(f)に示すように、第1停止としてストップスイッチ8Lが操作されたときには、リール2Lにおける入賞ラインLN上にスイカの図柄が導出されるとともに、リールが上下に振動する。図16(h)に示すように、第2停止としてストップスイッチ8Cが操作されたときには、リール2Cにおける入賞ラインLN上にスイカの図柄が導出されるとともに、リールが上下に振動する。図16(j)に示すように、第3停止としてストップスイッチ8Rが操作されたときには、リール2Rにおける入賞ラインLNよりも下方にスイカの図柄が導出されるとともに、リールが上下に振動する。さらに、第3停止されたときには、第1停止や第2停止時に導出される入賞ラインLN上の位置から0.5コマ(半図柄分)下方にずれた位置にスイカの図柄が導出される。
以上、図16を用いて説明した第1フリーズにおいては、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときには抽選条件aの成立によってAT抽選が実行され、通常遊技で強スイカ目が導出されたときには抽選条件bの成立によってAT抽選が実行される。このような第1段階目のAT抽選の実行によって、ナビストック数や上乗せゲーム数の付与について遊技者の期待感を向上させることができる。また、その後、第1フリーズ中の擬似遊技で弱スイカ目が導出されたときには抽選条件cの成立によってAT抽選が実行され、擬似遊技で強スイカ目が導出されたときには抽選条件dの成立によってAT抽選が実行される。このような、より有利度の高い第2段階目のAT抽選の実行によって、さらにナビストック数や上乗せゲーム数の付与について遊技者の期待感を向上させることができる。これにより、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときに、第1フリーズが発生するか否かについて遊技者に期待させることに加えて、第1フリーズ中の擬似遊技で導出される弱スイカ目や強スイカ目によって、ナビストック数や上乗せゲーム数の付与についての遊技者の期待感を向上させて遊技の興趣を向上させることができる。
第2段階目のAT抽選の実行契機となる第1フリーズ中の擬似遊技で導出される出目(弱スイカ目、強スイカ目)は、第1段階目のAT抽選の実行契機となる通常遊技で導出される出目(弱スイカ目、強スイカ目)と同一であり、両者とも同じスイカ目であるため、2回連続でAT抽選が実行されたことを遊技者に認識させ易くすることができる。特に、第1段階目のAT抽選の実行契機が弱スイカ目で、その後の第2段階目のAT抽選の実行契機も弱スイカ目であると、2回連続でAT抽選が実行されたことを遊技者に認識させ易い。あるいは、第1段階目のAT抽選の実行契機が強スイカ目で、その後の第2段階目のAT抽選の実行契機も強スイカ目であると、2回連続でAT抽選が実行されたことを遊技者に認識させ易い。
第2段階目のAT抽選の実行契機となる第1フリーズ中の擬似遊技で導出される強スイカ目は全てのリールにおいて中段にスイカ図柄が導出される出目であるのに対して、第1段階目のAT抽選の実行契機となる通常遊技で導出される弱スイカ目は中リール2Cのみにおいて中段にスイカ図柄が導出される出目である。このように、第2段階目のAT抽選の実行契機となる第1フリーズ中の擬似遊技で導出される強スイカ目は、第1段階目のAT抽選の実行契機となる通常遊技で導出される弱スイカ目と一部が異なる出目であるため、第2段階目のAT抽選は第1段階目のAT抽選よりも有利度が高いことを遊技者に認識させ易くすることができる。
第2段階目のAT抽選の実行契機となる第1フリーズ中の擬似遊技で導出される強スイカ目は、第1段階目のAT抽選の実行契機となる通常遊技で導出される弱スイカ目よりも有利度の高い通常遊技における強スイカ目と同一の出目である。このため、第2段階目のAT抽選は第1段階目のAT抽選よりも有利度が高いことを遊技者に認識させ易くすることができる。
第2段階目のAT抽選の実行契機は、通常遊技における1ゲームの結果として出目を導出するときのように、第1フリーズ中の擬似遊技においてストップスイッチ8L,8C,8Rの操作に応じて弱スイカ目や強スイカ目を導出したときに成立する。このため、擬似的な遊技を遊技者に行わせて弱スイカ目や強スイカ目を導出させることができるため、擬似遊技において、あたかも通常遊技の1ゲームを行っているかのような感覚にさせ、遊技の興趣を向上させることができる。
第1フリーズ中であるか否かにかかわらず通常遊技と共通のストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することによりスイカ目を導出できるため、第1フリーズ中の停止操作が分かりにくくなることを防止できる。さらに、擬似遊技においては、通常遊技において出目を導出させる位置(入賞ラインLN)とは異なる特定位置(下方に半図柄分ずれた位置)に出目を導出させることができるため、擬似遊技中に特定位置に導出された弱スイカ目や強スイカ目を、入賞判定の対象となる出目であると遊技者が誤認してしまうことを防止しつつ、導出対象が入賞判定の対象となる出目であるか否かを遊技者に認識させることができる。
一のリール(たとえば、右リール)以外のリールについては、第1フリーズ中の擬似遊技においても通常遊技と同じ入賞ラインLN上の所定位置に出目が導出される。このため、たとえば、通常遊技と擬似遊技とで、全てのリールについて出目が導出される位置が異なるなど、出目が導出される位置が大きく異なってしまうことを防止できる。
第1フリーズ中の擬似遊技においては、最終停止されるリールについてのみ、通常遊技と異なる位置に出目が導出される。このため、第1フリーズ中の擬似遊技における出目であることを遊技者に気付かせやすくすることができる。
図3に示すように、各リールの21図柄は、所定間隔で配列されていることを前提として、特定位置が所定位置から所定間隔の半分以下となる位置となるように設定されている。このように、特定位置は所定位置から所定間隔の半分以下となる位置であるため、第1フリーズ中の擬似遊技でないときと第1フリーズ中の擬似遊技であるときとで出目が導出される位置が大きく異なってしまうことを防止できる。
[第2フリーズの態様]
次に、図17および図18を参照しながら、第2フリーズの態様を説明する。
まず、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときの第2フリーズの態様について説明する。図17(a)に示すように、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときには、抽選条件aが成立することによって図14に示すAT抽選が実行されるとともに、抽選条件Aが成立することによって図12(a)に示すフリーズ抽選が実行される。図17(a)の例では、このときのフリーズ抽選において、第2フリーズの実行が決定される。また、図12(d)に示す第2フリーズ時発生ゲーム数抽選において、第2フリーズ発生までのゲーム数が10ゲームに決定される。
フリーズ抽選によって第2フリーズの実行が決定されたときには、図17(c)に示すように、次のゲームにおいて、通常遊技で導出された出目と同じ弱スイカ目が導出されることを示唆する示唆演出が実行される。示唆演出においては、液晶表示器51の画面上にスイカ図柄が表示されるとともに、弱スイカ目が導出されるまでのゲーム数(10ゲーム)のカウント結果を示す文字画像(「放出まで10G」)が表示される。これにより、通常遊技で導出された出目と同じ弱スイカ目が10ゲーム後に導出されることを遊技者に報知することができる。
その後、1ゲーム消化したときには、図17(e)に示すように、液晶表示器51の画面上において、スイカ図柄が表示されるとともに弱スイカ目が導出されるまでのゲーム数を1ゲーム減算したカウント結果を示す文字画像(「放出まで9G」)が表示される。これにより、弱スイカ目が9ゲーム後に導出されることを遊技者に報知することができる。
その後、さらに3ゲーム消化したときには、図17(g)に示すように、液晶表示器51の画面上において、スイカ図柄が表示されるとともに弱スイカ目が導出されるまでのゲーム数を3ゲーム減算したカウント結果を示す文字画像(「放出まで6G」)が表示される。これにより、弱スイカ目が6ゲーム後に導出されることを遊技者に報知することができる。
ここで、図17(g)に示すゲームにおいては、通常遊技において弱スイカ目が導出されている。このとき、図12(c)に示す第2フリーズ時出目抽選が実行される。
第2フリーズ時出目抽選において弱スイカ目の導出に決定されたとき(つまり、強スイカ目の導出に変更なしのとき)には、図17,18(h)に示すように、抽選条件aが成立することによってAT抽選が実行される。
次に、6ゲーム消化したときには、図18(j)に示すように、液晶表示器51の画面上において、スイカ図柄が表示されるとともに弱スイカ目が導出されるまでのゲーム数を6ゲーム減算したカウント結果を示す文字画像(「放出まで0G」)が表示される。これにより、弱スイカ目が次のゲームで導出されることを遊技者に報知することができる。
その後、図18(l)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ7の操作によって第2フリーズが開始する。第2フリーズが開始すると、擬似遊技が開始され、リール2L、2C、2Rが擬似的に回転する。
その後は、前述した図16(e),(g),(i)と同様に、遊技者によるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作によってリールが順番に停止して、図18(n)に示すように、示唆演出で示唆された通りに弱スイカ目が導出される。
その後、遊技者によるスタートスイッチ7の操作によって、第2フリーズが終了し、全てのリールが回転して通常遊技のゲームが開始する。
一方、図17(g)に示す通常遊技において弱スイカ目が導出されたときの第2フリーズ時出目抽選において、強スイカ目の導出に決定されたとき(つまり、弱スイカ目の導出が強スイカ目の導出に変更されたとき)には、図17,18(i)に示すように、液晶表示器51の画面上において、スイカ図柄の背景に星型の画像が加わって表示されるとともに強スイカ目が導出されるまでのゲーム数のカウント結果を示す文字画像(「放出まで6G」)が表示される。これにより、通常遊技で導出された出目から変更された強スイカ目が6ゲーム後に導出されることを遊技者に報知することができる。また、抽選条件bが成立することによってAT抽選が実行される。
次に、6ゲーム消化したときには、図18(k)に示すように、液晶表示器51の画面上において、星型の画像が加わったスイカ図柄が表示されるとともに強スイカ目が導出されるまでのゲーム数を6ゲーム減算したカウント結果を示す文字画像(「放出まで0G」)が表示される。これにより、強スイカ目が次のゲームで導出されることを遊技者に報知することができる。
その後、図18(m)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ7の操作によって第2フリーズが開始する。第2フリーズが開始すると、擬似遊技が開始され、リール2L、2C、2Rが擬似的に回転する。
その後は、前述した図16(f),(h),(i)と同様に、遊技者によるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作によってリールが順番に停止して、図18(о)に示すように、示唆演出で示唆された通りに強スイカ目が導出される。
その後、遊技者によるスタートスイッチ7の操作によって、第2フリーズが終了し、全てのリールが回転して通常遊技のゲームが開始する。
次に、通常遊技で強スイカ目が導出されたときの第2フリーズの態様について説明する。図17(b)に示すように、通常遊技で強スイカ目が導出されたときには、抽選条件bが成立することによって図14に示すAT抽選が実行されるとともに、抽選条件Bが成立することによって図12(a)に示すフリーズ抽選が実行される。図17(b)の例では、このときのフリーズ抽選において、第2フリーズの実行が決定される。また、図12(d)に示す第2フリーズ時発生ゲーム数抽選において、第2フリーズ発生までのゲーム数が10ゲームに決定される。
フリーズ抽選によって第2フリーズの実行が決定されたときには、図17(d)に示すように、次のゲームにおいて、通常遊技で導出された出目と同じ強スイカ目が導出されることを示唆する示唆演出が実行される。示唆演出においては、液晶表示器51の画面上に星型の画像が加わったスイカ図柄が表示されるとともに、強スイカ目が導出されるまでのゲーム数(10ゲーム)のカウント結果を示す文字画像(「放出まで10G」)が表示される。これにより、通常遊技で導出された出目と同じ強スイカ目が10ゲーム後に導出されることを遊技者に報知することができる。
その後、1ゲーム消化したときには、図17(f)に示すように、液晶表示器51の画面上において、星型の画像が加わったスイカ図柄が表示されるとともに強スイカ目が導出されるまでのゲーム数を1ゲーム減算したカウント結果を示す文字画像(「放出まで9G」)が表示される。これにより、強スイカ目が9ゲーム後に導出されることを遊技者に報知することができる。
その後、さらに3ゲーム消化したときには、図17,18(i)に示すように、液晶表示器51の画面上において、星型の画像が加わったスイカ図柄が表示されるとともに強スイカ目が導出されるまでのゲーム数を3ゲーム減算したカウント結果を示す文字画像(「放出まで6G」)が表示される。これにより、強スイカ目が6ゲーム後に導出されることを遊技者に報知することができる。なお、図17,18(i)に示すゲームにおいては、通常遊技において弱スイカ目が導出され、このとき、図12(c)に示す第2フリーズ時出目抽選が実行されるが、すでに強スイカ目の導出が示唆されているため、100%の確率で強スイカ目の導出に決定される(つまり、強スイカ目の導出から変更なし)。また、抽選条件bが成立することによってAT抽選が実行される。
次に、6ゲーム消化したときには、図18(k)に示すように、液晶表示器51の画面上において、星型の画像が加わったスイカ図柄が表示されるとともに強スイカ目が導出されるまでのゲーム数を6ゲーム減算したカウント結果を示す文字画像(「放出まで0G」)が表示される。これにより、強スイカ目が次のゲームで導出されることを遊技者に報知することができる。
その後、図18(m)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ7の操作によって第2フリーズが開始する。第2フリーズが開始すると、擬似遊技が開始され、リール2L、2C、2Rが擬似的に回転する。
その後は、前述した図16(f),(h),(i)と同様に、遊技者によるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作によってリールが順番に停止して、図18(о)に示すように、示唆演出で示唆された通りに強スイカ目が導出される。
その後、遊技者によるスタートスイッチ7の操作によって、第2フリーズが終了し、全てのリールが回転して通常遊技のゲームが開始する。
なお、図18(n),(о)に示すように、擬似遊技中においては、完全にリールが停止することなく、目標の停止位置を導出させた後、リールを上下に振動させる制御が一定時間に亘り行われる。さらに、第3停止に対応する図柄が導出されるときには、目標の停止位置よりも0.5コマ(半図柄分)ずれて図柄が停止する。
たとえば、図18(о)に示すように、第3停止としてストップスイッチ8Rが操作されたときには、リール2Rにおける入賞ラインLNよりも下方にスイカの図柄が導出されるとともに、全てのリールが上下に振動する。さらに、第3停止されたときには、第1停止や第2停止時に導出される入賞ラインLN上の位置から0.5コマ(半図柄分)下方にずれた位置にスイカの図柄が導出される。
以上、図17および図18を用いて説明した第2フリーズにおいては、第2フリーズ中の擬似遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときにはAT抽選が実行されるため、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出された後に、第2フリーズが発生するか否かについて遊技者に注目させることができる。また、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときに第2フリーズの実行が決定されたときには、第2フリーズ時発生ゲーム数抽選によって、複数種類のゲーム数(10ゲーム、15ゲーム、20ゲーム)のうちからいずれかのゲーム数が決定される。これにより、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたゲームから、第2フリーズが発生するまでのゲーム数が抽選に基づき毎回変化する。さらに、示唆演出によって、第2フリーズが発生するまでのゲーム数がカウントされる。このように、第2フリーズが発生するタイミングが毎回変化することに加えて、そのタイミングがカウント形式で報知されるため、より第2フリーズが発生するタイミングについて遊技者に注目させ、遊技の興趣を向上することができる。
さらに、サブ制御部91によって制御される演出状態として、通常、CZ、ATの3種類が設けられ、いずれかの状態においてスイカ目(通常遊技中のスイカ目、擬似遊技中のスイカ目)が導出され、スイカ目が導出された状態に応じて、AT抽選における有利度が異なるものであった。たとえば、演出状態がCZ中やAT中においては、通常中よりもAT抽選の当選確率が高いため、CZ中やAT中に第2フリーズが発生すれば、通常中に第2フリーズが発生するよりも、AT抽選の当選確率が高い。本実施の形態においては、通常遊技にスイカ目が導出されたときの演出状態が通常であっても、第2フリーズが発生するまでの間においてCZやATに移行する場合もある。そして、第2フリーズが発生したときには演出状態がCZやATになっていたり、あるいは、第2フリーズが発生するまでにはCZやATが終了していたりする場合がある。
このため、遊技者は、通常遊技にスイカ目が導出されるか、フリーズ抽選でフリーズの発生が決定されるか、第2フリーズ時発生ゲーム数抽選でフリーズが発生するゲーム数がいずれになるか、および第2フリーズが発生するときにCZやATに制御されているかといった複数の事象に対して注目することになる。これにより、第2フリーズが発生するか否かについて遊技者に注目させることに加えて、第2フリーズが発生したときのタイミングについても注目させて遊技の興趣を向上させることができる。このような多種多様なゲーム性を遊技者に享受することで、遊技の興趣を向上することができる。
第2フリーズ中の擬似遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出され、これらの出目が導出されたときにAT抽選が実行される。このため、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出された後に、第2フリーズ中の擬似遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されるか否かについて遊技者に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
第2フリーズが発生する契機は、通常遊技中に弱スイカ目や強スイカ目が導出されることである。このように、通常遊技中に弱スイカ目や強スイカ目が導出された後、所定のゲーム数が消化されたときに第2フリーズが実行されるため、第2フリーズの発生契機を遊技者に認識させ易くすることができる。
示唆演出においては、第2フリーズが発生するまでのゲーム数がカウントされるため、報知されたゲーム数を消化することにより第2フリーズが発生することを遊技者に認識させ易くすることができる。
通常遊技で弱スイカ目が導出されたときには、示唆演出によって所定ゲーム数の消化後に弱スイカ目が再び導出されることが示唆される。しかし、その後、所定ゲーム数を消化するまでの期間において弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときには、第2フリーズ時出目抽選の結果に基づき、強スイカ目が導出されることに変更される。このように、通常遊技で弱スイカ目が導出されたときに第2フリーズの発生時に弱スイカ目が導出されることが予定されていても、所定ゲーム数を消化するまでの期間において弱スイカ目よりも有利度の高い強スイカ目が導出される予定に変更されることがあるため、所定ゲーム数を消化するまでの期間においても遊技の興趣を向上させることができる。
第2フリーズが発生したときに実行されるAT抽選の実行契機は、通常遊技における1ゲームの結果として出目を導出するときのように、第2フリーズ中の擬似遊技においてストップスイッチ8L,8C,8Rの操作に応じて弱スイカ目や強スイカ目を導出したときに成立する。このため、擬似的な遊技を遊技者に行わせて弱スイカ目や強スイカ目を導出させることができるため、擬似遊技において、あたかも通常遊技の1ゲームを行っているかのような感覚にさせ、遊技の興趣を向上させることができる。
第2フリーズ中であるか否かにかかわらず通常遊技と共通のストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することによりスイカ目を導出できるため、第2フリーズ中の停止操作が分かりにくくなることを防止できる。さらに、擬似遊技においては、通常遊技において出目を導出させる位置(入賞ラインLN)とは異なる特定位置(下方に半図柄分ずれた位置)に出目を導出させることができるため、擬似遊技中に特定位置に導出された弱スイカ目や強スイカ目を、入賞判定の対象となる出目であると遊技者が誤認してしまうことを防止しつつ、導出対象が入賞判定の対象となる出目であるか否かを遊技者に認識させることができる。
一のリール(たとえば、右リール)以外のリールについては、第2フリーズ中の擬似遊技においても通常遊技と同じ入賞ラインLN上の所定位置に出目が導出される。このため、たとえば、通常遊技と擬似遊技とで、全てのリールについて出目が導出される位置が異なるなど、出目が導出される位置が大きく異なってしまうことを防止できる。
第2フリーズ中の擬似遊技においては、最終停止されるリールについてのみ、通常遊技と異なる位置に出目が導出される。このため、第2フリーズ中の擬似遊技における出目であることを遊技者に気付かせやすくすることができる。
図3に示すように、各リールの21図柄は、所定間隔で配列されていることを前提として、特定位置が所定位置から所定間隔の半分以下となる位置となるように設定されている。このように、特定位置は所定位置から所定間隔の半分以下となる位置であるため、第2フリーズ中の擬似遊技でないときと第2フリーズ中の擬似遊技であるときとで出目が導出される位置が大きく異なってしまうことを防止できる。
[変形例について]
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
[フリーズ中の擬似遊技における出目について]
本実施の形態においては、通常遊技において弱スイカ目や強スイカ目といったスイカ役の出目が導出された後、次のゲームの開始時に第1フリーズが発生し、当該第1フリーズ中の擬似遊技で再び弱スイカ目や強スイカ目といったスイカ役の出目が導出されるものであった。また、本実施の形態においては、通常遊技において弱スイカ目や強スイカ目といったスイカ役の出目が導出された後、所定ゲーム数が消化した後のゲームの開始時に第2フリーズが発生し、当該第2フリーズ中の擬似遊技で再び弱スイカ目や強スイカ目といったスイカ役の出目が導出されるものであった。しかし、フリーズの発生契機となる出目、および擬似遊技中に導出される出目は、このようなものに限らない。
たとえば、スイカ役の代わりに、チェリーやベルなどの他の小役、チャンスリプレイや昇格リプレイなどの再遊技役、ボーナスなどの特別役などの入賞役を適用してもよい。あるいは、入賞役の出目に限らず、右ベルこぼし目など、入賞は発生しないが遊技状態が移行する移行出目を適用してもよい。また、移行出目に限らず、単に入賞が発生しないハズレ出目を適用してもよい。さらには、通常遊技においては当選役の種類を区別するために用いられるのみで入賞が発生しない制御用の役を、擬似遊技中に導出させるものであってもよい。
通常遊技において導出される出目と、当該出目の導出を契機として発生するフリーズ中の擬似遊技において導出される出目とは、同じ出目であってもよいし、一部が異なる出目であってもよいし、全部が異なる出目であってもよい。
たとえば、本実施の形態のように、通常遊技で右下がりにスイカの図柄が揃うスイカ目が導出されて、擬似遊技で通常遊技時と全く同じ位置となる右下がりにスイカの図柄が揃うスイカ目が導出されるものであってもよい。また、通常遊技で右下がりにスイカの図柄が揃うスイカ目が導出されて、擬似遊技で通常遊技時と一部が異なる位置となる中段にスイカの図柄が揃うスイカ目が導出されるものであってもよい。あるいは、通常遊技で中段にスイカの図柄が揃うスイカ目が導出されて、擬似遊技で通常遊技時と全部が異なる位置となる上段にスイカの図柄が揃うスイカ目が導出されるものであってもよい。
また、通常遊技と擬似遊技とで、スイカの図柄が導出される位置が異なるものに限らず、導出されるスイカの図柄の数が異なるものであってもよい。たとえば、通常遊技では、いずれかのライン上にスイカの図柄が2つ導出されるのに対して、擬似遊技では、いずれかのライン上にスイカの図柄が3つ導出されるものであってもよい。
また、擬似遊技中においては、通常遊技中には導出されない特殊出目(たとえば、赤7揃いや青7揃いの出目)が導出されるものであってもよい。このようにすれば、特殊出目が導出されたときに、フリーズ中の擬似遊技であることを遊技者に気付かせやすくすることができる。
また、本実施の形態においては、通常遊技および擬似遊技ともに、リールの停止による出目の導出によって、AT抽選に対する期待を遊技者に抱かせるものであった。しかし、このようなメイン制御部41のリール制御によって導出される出目に限らず、サブ制御部91によって制御される演出を実行するものであってもよい。
たとえば、通常遊技では、期待度の低い弱チャンス演出(たとえば、液晶表示器51の画面上に「チャンス」と表示する演出)、および期待度の高い強チャンス演出(たとえば、液晶表示器51の画面上に「大チャンス!!」と表示する演出)のうちのいずれかの演出を実行し、擬似遊技においても、弱チャンス演出および強チャンス演出のうちのいずれかの演出を実行するものであってもよい。このようにしても、第1フリーズが発生したときには、通常遊技に続く擬似遊技においてチャンス演出が連続で実行されることによって、AT抽選が2回連続で実行されたことを遊技者に認識させ、AT抽選に対して期待させることができる。また、第2フリーズが発生したときには、通常遊技で実行されたチャンス演出が示唆演出によって示唆されるとともに、所定ゲーム数の消化後に再びチャンス演出が実行することになる。これにより、所定ゲーム数の消化後の第2フリーズ時にAT抽選が実行されたことを遊技者に認識させ、AT抽選に対して期待させることができる。さらに、通常遊技時では小チャンス演出が実行されても、その後の擬似遊技で強チャンス演出が実行されることもあるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、通常遊技では、期待度の低い遅延制御であるショートフリーズ(たとえば、遊技の進行を1秒間遅延させるフリーズ)、および期待度の高いロングフリーズ(たとえば、遊技の進行を10秒間遅延させるフリーズ)のうちのいずれかのフリーズを実行し、その後の第1フリーズや第2フリーズとして、ショートフリーズおよびロングフリーズのうちのいずれかのフリーズを実行するものであってもよい。このようにしても、第1フリーズが発生したときには、通常遊技に続いてフリーズが連続で実行されることによって、AT抽選が2回連続で実行されたことを遊技者に認識させ、AT抽選に対して期待させることができる。また、第2フリーズが発生したときには、通常遊技で実行されたフリーズの発生が示唆演出によって示唆されるとともに、所定ゲーム数の消化後に再びフリーズが発生することになる。これにより、所定ゲーム数の消化後の第2フリーズ時にAT抽選が実行されたことを遊技者に認識させ、AT抽選に対して期待させることができる。さらに、通常遊技時では小フリーズが実行されても、その後の擬似遊技でロングフリーズが実行されることもあるため、遊技の興趣を向上させることができる。
[フリーズの発生契機について]
本実施の形態においては、第1フリーズおよび第2フリーズともに、弱スイカ目や強スイカ目といった特定の出目が導出されたことを契機としてフリーズ抽選が実行されてフリーズが発生するものであった。しかし、フリーズの発生契機はこれに限らない。
たとえば、特定の役に当選したことを契機としてフリーズ抽選が実行されてフリーズが発生するものであってもよいし、特定の役に入賞したことを契機としてフリーズ抽選が実行されてフリーズが発生するものであってもよい。さらに、特定の役に当選したゲームにおいて特定の手順でストップスイッチが操作されたことを契機としてフリーズ抽選が実行されてフリーズが発生するものであってもよい。たとえば、昇転リプに当選したゲームにおいて、昇格リプを入賞させるための手順でストップスイッチが操作されたことを契機としてフリーズ抽選が実行されてフリーズが発生するものであってもよい。
また、所定ゲーム数(たとえば、1000ゲーム)を消化する毎にフリーズ抽選が実行されてフリーズが発生するものであってもよい。あるいは、チェリーやスイカ、またはボーナスなど、遊技者にとって有利度の高い役に当選した後、当該有利度の高い役に当選しないゲーム数が所定ゲーム数(たとえば、500ゲーム)となったことを契機としてフリーズ抽選が実行されてフリーズが発生するものであってもよい。
このように、第1フリーズおよび第2フリーズの発生契機は、遊技が進行することによって生じる事象、遊技者の操作によって生じる事象、遊技を制御する遊技制御手段の制御によって生じる事象、および演出を制御する演出制御手段の制御によって生じる事象などが発生したときであってもよいし、これらの事象の発生は、遊技者が認識可能なものであってもよい。
[通常遊技時と擬似遊技時とにおける有利度の違いについて]
本実施の形態においては、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときよりも、擬似遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときの方がAT抽選における当選確率が高く、かつ付与ナビストック数や付与ATゲーム数が多い点で遊技者にとって有利度が高いものであった。しかし、AT抽選に限らず、その他の点によって、通常遊技時よりも擬似遊技時の方が有利度が高いものであってもよい。
たとえば、遊技者にとって有利な有利状態(本実施の形態においては、AT)へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様が報知される権利、メダルが付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値など)など、通常遊技時よりも擬似遊技時の方が遊技者にとって直接的に有利となるものであってもよい。さらに、遊技者にとって直接的に有利ではないが、たとえば、インターネット上で特典を得るための条件となるなど、通常遊技時よりも擬似遊技時の方が遊技者にとって間接的に有利となるものであってもよい。
[第1フリーズの発生タイミングついて]
本実施の形態においては、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出された後、次のゲームの開始時に第1フリーズが発生したが、第1フリーズの発生タイミングはこれに限らない。
たとえば、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出された後、複数ゲーム(2ゲームや3ゲームなど)の消化後に第1フリーズが発生するものであってもよい。また、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出されたゲームにおいて第1フリーズが発生する(たとえば、第3停止後に第1フリーズが発生する)ものであってもよい。さらに、第1フリーズが発生するタイミングは、第2フリーズのように抽選で決定されるものであってもよい。なお、スイカ目が連続して導出されることによって、AT抽選が連続して実行されたことを遊技者に認識させるためには、通常遊技におけるスイカ目の導出タイミングと、擬似遊技におけるスイカ目の導出タイミングとはできる限り近い方が好ましい。
第1フリーズは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されるときに発生するものに限らず、ゲームが終了したときや、第1停止操作が行われたときなど、1ゲーム中におけるどのようなタイミングであってもよい。ゲームが終了したときにフリーズを発生させる場合には、賭数設定のためのBET操作や投入メダルセンサ31の有効化を遅延、あるいは、スタートスイッチ7の有効化を遅延させるようにしてもよい。また、第1停止操作したときにフリーズを発生させる場合には、第2停止のためのストップスイッチの有効化を遅延させるようにしてもよい。
[第2フリーズの発生タイミングついて]
本実施の形態においては、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出された後、第2フリーズ時発生ゲーム数抽選によって決定された所定ゲーム数が経過した後のゲームの開始時に第2フリーズが発生したが、第2フリーズの発生タイミングはこれに限らない。
たとえば、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出された後、固定のゲーム数(たとえば、10ゲーム固定など)の消化後に第2フリーズが発生するものであってもよい。また、通常遊技で弱スイカ目や強スイカ目が導出された後、入賞した回数が所定回数に到達したとき、所定役に当選した回数が所定回数に到達したとき、所定時間が経過したとき、あるいは演出スイッチ56の操作回数が特定回数に到達したときなど、所定条件が成立したときに第2フリーズが発生するものであってもよい。すなわち、遊技が進行することによって成立する条件、遊技者の操作によって成立する条件が成立したときに第2フリーズが発生するものであってもよい。また、遊技者が条件の成立に関与する条件が成立したときや、遊技者が条件の成立に関与しない条件が成立したときに第2フリーズが発生するものであってもよい。
第2フリーズは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されるときに発生するものに限らず、ゲームが終了したときや、第1停止操作が行われたときなど、1ゲーム中におけるどのようなタイミングであってもよい。ゲームが終了したときにフリーズを発生させる場合には、賭数設定のためのBET操作や投入メダルセンサ31の有効化を遅延、あるいは、スタートスイッチ7の有効化を遅延させるようにしてもよい。また、第1停止操作したときにフリーズを発生させる場合には、第2停止のためのストップスイッチの有効化を遅延させるようにしてもよい。
[第2フリーズにおけるスイカ目の変更について]
本実施の形態においては、通常遊技時に弱スイカ目が導出されても、その後、第2フリーズが発生するまでの間の通常遊技において弱スイカ目や強スイカ目が導出されたときには、第2フリーズ時出目抽選によって弱スイカ目の導出が強スイカ目の導出に変更されるものであった。しかし、このような態様に限らない。
たとえば、弱スイカ目や強スイカ目の導出に限らず、第2フリーズが発生するまでの間の通常遊技において、チェリーやボーナスなどのその他の特定の役が当選または入賞したときに第2フリーズ時出目抽選が実行されて強スイカ目の導出に変更されるものであってもよい。また、第2フリーズが発生するまでの間の通常遊技において、全ての役のうちのいずれかの役が当選または入賞したときに第2フリーズ時出目抽選が実行されて強スイカ目の導出に変更されるものであってもよい。さらに、演出状態がCZ中であれば、通常中よりも第2フリーズ時出目抽選の実行契機が多く設定されていてもよい。また、演出状態がCZ中であれば、通常中よりも第2フリーズ時出目抽選において強スイカ目の導出に変更される確率が高いものであってもよい。
本実施の形態においては、弱スイカ目から強スイカ目に変更するといった2段階の変更であったが、3段階や4段階などの2段階以上の複数段階に亘って変更されるものであってもよい。
本実施の形態においては、第2フリーズ中の擬似遊技において導出されるスイカ目の種類を、液晶表示器51の画面上におけるスイカ図柄に星形画像が付加されるか否かによって示唆するものであったが、これに限らない。
たとえば、液晶表示器51の画面上におけるスイカ図柄やカウント表示の色を、有利度が高まるごとに変更されるものであってもよい。また、演出中の背景画像やキャラクタ画像、アイテム画像などが変更されたり、それらの色が変更されたりするものであってもよい。
また、示唆演出においてはスイカ目が導出されることのみを示唆し、導出されるまでのゲーム数は示唆しないものであってもよい。このようにすれば、スイカ目が導出されるタイミングが遊技者が分からなくなり、突然スイカ目が導出されるため、遊技の興趣を向上することができる。
[演出状態について]
本実施の形態においては、サブ制御部91によって制御される演出状態として、通常、CZ、ATの3種類であったが、これに限らない。たとえば、AT中において、特定役に当選したときに実行される抽選で当選するなど、特定の条件が成立したときには、AT中よりも、ATゲーム数の上乗せ確率が高い特別ATに移行するものであってもよい。さらに、特別ATにおいても、スイカ目(通常遊技中のスイカ目、擬似遊技中のスイカ目)が導出されたときにAT抽選が実行され、AT中よりも高確率でATゲーム数が上乗せされるものであってもよい。
本実施の形態においては、メイン制御部41によってフリーズが制御され、サブ制御部91によって演出状態が制御される。さらに、サブ制御部91による演出状態の制御は、メイン制御部41によるフリーズの制御とは無関係に独立して行われる。このため、メイン制御部41によってフリーズが実行されるタイミングが、サブ制御部91によって制御される演出状態(通常、CZ、ATなど)のいずれになるかは、遊技者の運次第になるとも言える。このため、フリーズの発生タイミングについて遊技者に注目させて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、サブ制御部91によって制御される演出状態に応じて、AT抽選の有利度が異なるものに限らず、メイン制御部41によって制御される遊技状態(たとえば、RT、ボーナス、フリーズ発生高確率状態など)に応じて、AT抽選の有利度が異なるものであってもよい。つまり、フリーズの発生、およびそのときの状態のいずれもメイン制御部41によって管理されるものであってもよい。このようにすれば、メイン制御部41による一元管理で遊技者の有利度を決めることができ、遊技の設計がし易くなるとともに、より興趣を向上させるようなゲーム性を作り込むことができる。
[擬似遊技中のリール制御について]
本実施の形態においては、フリーズ中の擬似遊技においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させたときには、その後、スタートスイッチ7の操作によって、通常遊技のためのリールが回転開始するものであった。しかし、これに限らず、フリーズ中の擬似遊技においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させたときには、その後、スタートスイッチ7の操作を伴わずに再びリールの回転が開始し、定速回転となったときに停止操作が有効となるものであってもよい。このようにすれば、ストップスイッチの操作に伴いリールが停止したときに、通常遊技の結果として停止したのか、フリーズ中の擬似遊技の演出として停止したのかを遊技者に対してさらに明確に認識させることができる。
フリーズ中の擬似遊技において、前面扉1bを構成する操作パネルの前面、すなわちストップスイッチ8L,8C,8Rが設けられた面と同一面に設けられた1枚BETスイッチが操作されることでリールを停止させる制御が行われるものであってもよい。このようにすれば、ゲームの進行に関与する状態でストップスイッチを操作するとき、すなわち停止操作が有効な状態で停止操作を行うときに近い要領でフリーズ中の擬似遊技においてストップスイッチ以外の操作手段による操作を行ってリールを停止させることが可能となるので、遊技者に対して違和感なく当該操作を行わせることができる。
フリーズ中の擬似遊技においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合、すなわちストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときと類似する制御が行われる場合には、リールが停止しても上下に振動するように位相信号が出力され、再度リールが回転開始するまで位相信号が変化し続けるものであった。すなわち、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前には、必ず位相信号が変化するものであった。これに対して、フリーズ中の擬似遊技においてゲームの進行に関与しない操作手段(たとえば、1枚BETスイッチ、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10など)が1回操作されることで全リールを停止させる場合、すなわちストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときとは類似しない制御が行われる場合には、リールが停止した際に、500ms以上にわたり位相信号を変化させず、リールが停止した状態を維持するものであってもよい。
つまり、擬似遊技中においては、ストップスイッチが操作されてリールが停止されたときにはリールが上下に振動するのに対して、1枚BETスイッチが操作されてリールが停止されたときにはリールが上下に振動しないものであってもよい。このようにすれば、ストップスイッチの操作に伴いリールが停止したときには、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。さらに、1枚BETスイッチの操作を伴うことで、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのかが明確な状況においては、リールを500ms以上停止させることで、フリーズ中の演出として導出されたリールの停止位置を遊技者に対して認識させることができる。
フリーズ中の擬似遊技において、1枚BETスイッチが1回操作されることで、全リールを停止させる制御が行われるものに限らず、たとえば、1枚BETスイッチが複数回操作されることで、それぞれに対応するリールを停止させる制御が行われる構成としてもよい。
本実施の形態においては、フリーズ中の擬似遊技においてストップスイッチ8L,8C,8Rが各々操作されることで、各操作に対応するリールを停止させる制御が行われる構成を例示した。しかし、いずれか1つのストップスイッチの操作により複数のリールを停止させる制御が行われる構成としてもよい。さらに、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることでリールを停止させる場合、すなわちストップスイッチがゲームの進行に関与する状態で操作されたときと類似する制御が行われる場合には、リールの停止操作によりリールがゲームの結果として停止したときにリールモータの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前には必ず位相信号が変化する構成としてもよい。このように構成すれば、ストップスイッチの操作に伴いリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。
本実施の形態においては、フリーズ中の擬似遊技においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合には、リールが停止しても上下に振動する態様となるように位相信号を出力する制御を行う構成であるが、これに限らない。たとえば、フリーズ中の擬似遊技においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを完全停止させる場合に、リールが停止した後、リールモータの位相信号を変化させない状態とするが、リールの停止操作によりリールがゲームの結果として停止したときにリールモータの位相信号が変化しない最小期間である500msが経過する前に必ず位相信号を変化させる構成としてもよい。
たとえば、フリーズ中における最終停止操作が行われた後は、当該操作によるリール停止から500msが経過する前に全リールを再回転させるものであってもよい。これに加えて、フリーズ中における第1および第2停止操作が行われた後は、各リール停止から500msが経過する前に全リールを再回転させるものであってもよい。このような構成とした場合でも、ストップスイッチの操作に伴い対応するリールが停止したときに、ゲームの結果として停止したのか、フリーズ中の演出として停止したのかを遊技者に対して明確に認識させることができる。
さらに、フリーズ中の擬似遊技においてゲームの進行に関与しないストップスイッチが操作されることで対応するリールを停止させる場合に、リールが停止しても、上下にゆっくり揺れる態様となるように位相信号を出力する制御を行う構成としたり、じっくり見れば認識できるが一目見ただけでは認識できない程度の微少な動きとなるように位相信号を出力する制御を行う構成としたりしてもよい。
また、フリーズ中の擬似遊技において遊技者の操作により1つのリールのみ停止させる構成であってもよい。さらに、フリーズ状態においてゲームの進行に関与しないストップスイッチ8Lまたは1枚BETスイッチが操作されることで対応する左リールを停止させる場合、停止操作が有効な状態で左リールの停止操作がされたときに適用される停止制御テーブルを用いてリールを停止させる制御が行われるようにし、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行う通常遊技時に用いるデータをフリーズ中の擬似遊技におけるリールの停止制御を行うときにも利用することでプログラム容量を削減することができる。
停止操作が有効な状態で停止操作がされたときに、停止制御テーブルを用いて停止制御を行うとともに、フリーズ中の擬似遊技におけるリールの停止制御を行うときにも停止制御テーブルを利用する構成であってもよい。停止操作が有効な状態で停止操作がされたときに行う停止制御として、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としてもよい。このような構成にすれば、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータ(処理プログラム含む)をフリーズ状態におけるリールの停止制御を行うときにも利用することでプログラム容量を削減することができる。
さらに、フリーズ中の擬似遊技におけるリールの停止制御を行うときには、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータとは異なるデータを用いてリールの停止制御を行う構成としてもよい。このような構成にすれば、フリーズ中の擬似遊技においては、通常の停止制御とは異なる特殊な停止制御を行うことが可能となり、擬似遊技中のリールの停止態様による演出効果を高めることができる。さらに、フリーズ中の擬似遊技におけるリールの停止制御を行うときに、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータを利用する構成と、停止操作が有効な状態でリールの停止制御を行うときに用いるデータとは異なるデータを用いてリールの停止制御を行う構成との双方の構成を備えるようにしてもよい。このような構成にすれば、プログラム容量を削減しつつ、擬似遊技において通常の停止制御とは異なる特殊な停止制御を行うことが可能となる。
フリーズ制御は、遅延条件が成立したことに基づき所定のフリーズ期間を設定することによって、当該遅延期間を設定しないときよりも遊技の進行を遅延させるものであってもよい。たとえば、特定の当選状況となったときに遅延条件が成立し、当該成立に基づきスタート操作後にフリーズ期間を設定したときには、遅延条件が成立しないためにフリーズ期間を設定しないときよりも、フリーズ期間分だけ遊技の進行が遅延するものであってもよい。つまり、フリーズ制御は、通常は設定されていないフリーズ期間を、遅延条件が成立したときに設定することによって、遊技の進行を遅延させるものであってもよい。
さらに、フリーズ制御は、予め設けられていたウェイト期間を、遅延条件が成立したことに基づき所定期間だけ延長することによって、延長しないときよりも遊技の進行を遅延させるものであってもよい。たとえば、特定の当選状況となったときに遅延条件が成立し、当該成立に基づき予め設けられていたスタート操作後のウェイト期間(5秒間)を所定期間(3秒間)だけ延長したウェイト期間(8秒間)にすることによって、延長しないときのウェイト期間(5秒間)よりも所定期間(3秒間)だけ遊技の進行が遅延するものであってもよい。つまり、フリーズ制御は、通常から設定されているウェイト期間を、遅延条件が成立したときに所定期間だけ延長することによって、遊技の進行を遅延させるものであってもよい。
[所定位置と特定位置との関係について]
本実施の形態においては、所定位置として、リール2L、2C、2Rに配列された図柄を入賞ラインLN上の位置を例示し、特定位置として、入賞ラインLNよりも下方に半図柄分ずれた位置を例示した。しかし、所定位置と特定位置とは、異なる位置であればこれに限るものではない。
たとえば、入賞ラインが複数設けられているスロットマシンにおいては、所定位置が当該複数の各入賞ライン上となる複数の位置となるものであってもよく、この場合、特定位置は、これら複数の所定位置とは異なる位置であればよい。所定位置に対する特定位置は、下方にずれた位置に限らず、上方にずれた位置(滑りコマ数を減算させた位置)であってもよい。ずれ幅は、0.5コマ(1図柄に対応するステップ数が16ステップ数である場合には8ステップ数)に限らず、ずれていることを遊技者に認識させることができるものであればよく、0.5コマ以下であればよい。特定位置は、複数種類定められており、停止操作毎に、当該複数種類の特定位置から一の特定位置が決定されて、当該一の特定位置に図柄を導出するようにしてもよい。
本実施の形態においては、フリーズ中において、リール2L、2C、2Rのうち最終停止されたリールだけ特定位置に図柄を停止させる例について説明したが、これに限らず、停止順にかかわらず予め定められている一のリール(右リール2R)だけ特定位置に図柄を停止させるようにしてもよい。さらに、リール2L〜2Rのうち一部のリールに限らず全てのリール2L〜2Rについて特定位置に図柄を停止させるようにしてもよい。
本実施の形態においては、フリーズ中において所定の図柄が入賞ラインLNや無効ラインLM1、LM2などの水平ライン上に揃う(1リールについては半コマずれ)場合や、無効ラインLM3、LM4などの斜めライン上に揃う(1リールについては半コマずれ)場合について説明した。しかし、フリーズ中においては、所定の図柄を、斜めライン上のみに揃えて(1リールについては半コマずれ)停止させるようにしてもよい。これにより、水平ライン上に停止させる場合と比較して、1リールについて半コマずれた位置に所定の図柄が停止していることを気付き難くすることができる。さらに、これとは逆に、フリーズ中においては、所定の図柄を、水平ライン上のみに揃えて(1リールについては半コマずれ)停止させるようにしてもよい。これにより、斜めライン上に停止させる場合と比較して、1リールについて半コマずれた位置に所定の図柄が停止していることを気付かせやすくすることができる。
[フリーズ中のリール回転開始時の制御について]
本実施の形態においては、フリーズ中の擬似遊技も非フリーズ中の通常遊技と同じ回転方向および回転速度でリール制御を行うものであった。しかし、これに限らない。たとえば、フリーズ中の擬似遊技においては、回転方向および回転速度のうち少なくとも一方を、非フリーズ中の通常遊技と異ならせるようにしてもよい。このようにすることにより、擬似遊技と通常遊技との混同を防ぐことができる。
本実施の形態においては、1回のフリーズ中に、リールの回転開始および停止する擬似遊技を1回実行する例について説明したが、これに限らない。たとえば、1回のフリーズ中にリールの回転開始および停止を複数回行うことで、擬似遊技を複数回実行するようにしてもよい。これにより、フリーズ中における擬似遊技への介入度合いを高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[フリーズ中におけるリール制御の対象となるリールについて]
本実施の形態においては、フリーズ中の擬似遊技においては、リール2L,2C,2Rがリール制御の対象となる例について説明したが、複数のリールを制御するものに限らず、一部のリールのみをリール制御の対象となるようにしてもよい。たとえば、擬似遊技中においては、左リール2Lのみをリール制御の対象となるようにしてもよい。たとえば、擬似遊技中において、左リール2Lのみ回転開始させて、停止操作に応じて当該左リール2Lを一定時間にわたり停止した状態(上下振動)で維持し、その後フリーズ状態を終了してリール2L,2C,2Rの回転を開始させ、定速回転となったときに、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能とするようにしてもよい。あるいは、フリーズ開始前に、リール2L,2C,2Rの回転を開始させた後、フリーズ状態に移行させて、ストップスイッチ8Lと1枚BETスイッチ5への操作のみ有効とし、停止操作に応じて当該左リール2Lを一定時間にわたり停止した状態(上下振動)で維持し、その後フリーズ状態を終了し、その間、リール2C,2C,2Rは回転状態が維持されているため、左リール2Lのみ回転を開始させて定速回転となったときに、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能とするようにしてもよい。
[完全停止させる最小期間について]
本実施の形態においては、非フリーズ中の擬似遊技においてリールを完全停止させる最小期間として500msecを例示したが、これに限るものではない。最小期間は、非フリーズ中においてどのように操作したとしても、リール停止後から次ゲームにおけるリール回転が開始されるまでに要する時間より長くなる期間であればよく、たとえば、リプレイ入賞後から、当該入賞により賭数が自動設定された直後にスタートスイッチ7を操作してリール2L,2C,2Rの回転が実際開始されるまでに要する時間より長くなる期間であればよい。
[AT管理について]
本実施の形態においては、遊技者にとって有利な期間としてのATに関する決定および制御を、サブ制御部が実行する例について説明した。より具体的に、サブ制御部は、メイン制御部からのコマンドに基づいて、ATに制御するか否か、およびATの有利度合い(たとえば、ナビストック数やATゲーム数)を決定するAT抽選と、AT抽選の結果に基づいてATに制御するAT制御とを実行する例について説明した。
しかし、有利な期間としてのATに関する決定および制御については、メイン制御部のみにより実行するようにしてもよい。メイン制御部のみにより実行する例としては、たとえば、メイン制御部によりAT抽選を行い、その結果に基づいてATに制御するためのATフラグを設定し、ATフラグ設定中の内部抽選の結果に応じてナビ演出を実行させる場合に内部抽選の結果に応じた操作手順を特定可能なナビ演出を実行させるためのナビコマンドをサブ制御部に送信するようにしてもよい。これにより、サブ制御部は、ナビコマンドに基づいて操作手順を特定可能なナビ演出を実行するようにしてもよい。なお、メイン制御部は、ナビコマンドを送信するものに限らず、内部結果コマンドと、AT中であることを特定可能なAT中コマンドとをサブ制御部に送信し、サブ制御部は、受信したAT中コマンドからAT中であると判定しているゲームにおいて、ナビ演出を実行させる内部結果コマンドを受信したときに、対応する操作手順を特定可能なナビ演出を実行するようにしてもよい。
また、有利な期間としてのATに関する決定および制御をメイン制御部のみにより実行するようにした場合には、AT中であることを報知可能な報知手段(たとえば、各リールに対応する演出効果LEDなどの発光手段)をメイン制御部自身により制御するようにしてもよい。また、メイン制御部が直接管理するAT中であるか否かをメイン制御部自身が判定(ATフラグが設定されているか否か判定)し、その判定結果に応じて、メイン制御部は、AT中である旨を示すAT中信号を外部出力するようにしてもよい。
[その他の変形例]
上述した実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。