JP2016076826A - タッチセンサ - Google Patents

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達男 辻田
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Abstract

【課題】電極を取り囲む環境が変化しても、誤動作することなく操作体の近接を検出するタッチセンサを提供する。
【解決手段】操作体が近接する電極2a、操作体から隔てられた電極3b、及び電極2a,3bの静電容量を検出し、電極3bの静電容量の検出結果が正常な場合に電極2aの静電容量の検出結果より操作体の近接を検出する検出部20からタッチセンサ1が構成される。操作体から隔てられた電極3bの静電容量の検出結果が正常な場合に、電極2aの静電容量の検出結果より操作体の近接を検出することで、誤動作することなく操作体の近接(タッチ入力)を検出することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、操作体の近接を検出するタッチセンサに関する。
パネル状の基板に電極を設け、その電極に浮遊する静電容量(浮遊容量)の変化を検出することで手指等の操作体の近接又は接触(タッチ入力と総称する)を検知する静電容量式のタッチセンサが知られている。静電容量式のタッチセンサは、可動機構がないため耐久性に優れ、また意匠の創作性にも優れることから、近年、様々な電子機器のスイッチ装置として採用されている。しかし、静電容量式のタッチセンサでは、電極を取り囲む環境、例えば温度、湿度等の空気の状態の変化、他の電子機器が発生する又は環境中を伝搬する電磁波(環境電磁波とも呼ぶ)の影響等により、電極の浮遊容量が変化して誤動作することがある。
今日では、例えば無線通信等において、周波数300kHz〜30GHzの電磁波が使用されている。ここで、周波数〜1GHzの電磁波の波長は10cm程度である。タッチセンサにおいて、電極のサイズは例えば数cmであり、また電極を電気的にシールドすることはできないため、電極は常に電磁波に晒され、その影響を受ける。特に、電極のサイズが電磁波の波長の4分の1(及びその奇数倍)の場合、共振が生じるため、微弱な電磁波であってもタッチセンサの誤動作を生ずるおそれがある。
そこで、例えば特許文献1及び2では、タッチ入力を検知するセンサ用電極と独立にノイズ検出用の電極を設け、そのノイズ検出用の電極の電位又は浮遊容量を測定し、その結果に応じてセンサ用電極によりタッチ入力を検知するための基準電位、検出時間等を変更するタッチセンサが開示されている。しかし、上述の通り、特に電磁波の共振(これも含め、電磁波に由来するノイズを電磁ノイズと呼ぶ)による誤動作を回避するには必ずしも十分ではない。
特開2006−173699号公報 特開2008−311144号公報
本発明は、電極を取り囲む環境が変化しても、誤動作することなく操作体の近接を検出するタッチセンサを提供することを課題とする。
本発明は、操作体の近接を検出するタッチセンサであって、操作体が近接する第1電極と、操作体から隔てられた第2電極と、第1及び第2電極の静電容量を検出し、第2電極の静電容量の検出結果が正常な場合に第1電極の静電容量の検出結果より操作体の近接を検出する検出部と、を備えるタッチセンサである。ここで、「近接」とは、近接に限らず接触等、タッチセンサへの入力に要する操作体によるタッチ操作を意味する。これによれば、操作体から隔てられた第2電極の静電容量の検出結果が正常な場合に、第1電極の静電容量の検出結果より操作体の近接を検出することで、誤動作することなく操作体の近接を検出することができる。
本発明のタッチセンサは、第2電極は、第1電極と同じ形状及び同じ大きさを有することを特徴とする。ここで、「同じ形状」及び「同じ大きさ」とは、第1電極を取り囲む環境電磁波の波長に対して十分良い近似で形状が等しいこと及び大きさが等しいことを意味する。これによれば、第2電極が第1電極と同じ形状及び大きさを有することで、第1電極を取り囲み得る環境電磁波によるノイズを検出することができる。
本発明のタッチセンサは、第1電極は、基板の表面に形成され、第2電極は、基板の裏面の第1電極と同じ位置に形成されることを特徴とする。ここで、「同じ位置」とは、第1電極を取り囲む環境電磁波の波長に対して十分良い近似で位置が等しいことを意味する。これによれば、第2電極が、第1電極が表面に形成された基板の裏面の第1電極と同じ位置に形成されることで、第2電極の静電容量を検出して第1電極を取り囲む環境の変化によるノイズを検出することができる。
本発明のタッチセンサは、第1電極は、基板上に形成され、第2電極は、基板と平行に配される別の基板上の平行な方向に関して第1電極と同じ位置に形成されることを特徴とする。ここで、「同じ位置」とは、先と同様に、第1電極を取り囲む環境電磁波の波長に対して十分良い近似で位置が等しいことを意味する。これによれば、第2電極が、第1電極が形成される基板と平行に配された別の基板上の第1電極と同じ位置に形成されることで、第2電極の静電容量を検出して第1電極を取り囲む環境の変化によるノイズを検出することができる。
本発明のタッチセンサは、第2電極は、操作体から第1電極を挟んで隔てられ、検出部は、第1及び第2電極の一方の静電容量を検出する際に、他方を固定電位に接続することを特徴とする。これによれば、第1及び第2電極の一方の静電容量を検出する際に他方を固定電位に接続することで、その他方の電極がシールド電極の役割を果たし、一方の電極の静電容量を正確に検出することができる。
本発明のタッチセンサは、検出部は、第2電極の静電容量を検出し、その検出結果が正常な場合に第1電極の静電容量の検出し、その検出結果より操作体の近接を検出することを特徴とする。これによれば、第2電極の静電容量の検出結果が正常な場合に、第1電極の静電容量の検出結果より操作体の近接を検出することで、誤動作することなく操作体の近接を検出することができる。
本発明のタッチセンサは、第1電極を複数備え、第2電極を複数の第1電極のそれぞれに対応して複数備え、検出部は、複数の第1及び第2電極の静電容量を検出し、複数の第2電極のうちの少なくとも1つの第2電極の静電容量の検出結果が正常な場合に複数の第1電極のうちの対応する第1電極の静電容量の検出結果より操作体の近接を検出することを特徴とする。これによれば、操作体から隔てられた第2電極の静電容量の検出結果が正常な場合に、対応する第1電極の静電容量の検出結果より操作体の近接を検出することで、誤動作することなく操作体の近接を検出することができる。
本発明のタッチセンサは、複数の第2電極は、操作体から複数の第1電極を挟んで隔てられ、検出部は、複数の第1及び第2電極のうちの1つ電極の静電容量を検出する際に、複数の第1及び第2電極のうちの少なくとも1つの電極に対応する電極を固定電位に接続することを特徴とする。これによれば、複数の第1及び第2電極のうちの1つの電極の静電容量を検出する際に対応する電極を固定電位に接続することで、その対応する電極がシールド電極の役割を果たし、1つの電極の静電容量を正確に検出することができる。
本発明のタッチセンサは、検出部は、複数の第2電極の静電容量の検出結果が正常な場合に複数の第1電極の静電容量の検出結果より操作体の近接を検出することを特徴とする。これによれば、複数の第2電極の静電容量の検出結果のすべてが正常な場合に、複数の第1電極の静電容量の検出結果より操作体の近接を検出することで、誤動作することなく操作体の近接を検出することができる。
本発明のタッチセンサは、第1電極を少なくとも2つ備え、第2電極を2つの第1電極のそれぞれに対応して少なくとも2つ備え、検出部は、2つの第1電極の間の静電容量及び2つの第2電極の間の静電容量を検出し、2つの第2電極の間の静電容量の検出結果が正常な場合に2つの第1電極の間の静電容量の検出結果より操作体の近接を検出することを特徴とする。これによれば、操作体から隔てられた2つの第2電極の間の静電容量(すなわち相互容量)の検出結果が正常な場合に、2つの第1電極の間の静電容量(すなわち相互容量)の検出結果より操作体の近接を検出することで、誤動作することなく操作体の近接を検出することができる。
本発明のタッチセンサは、2つの第2電極は、操作体から2つの第1電極を挟んで隔てられ、検出部は、各2つの第1及び第2電極のうちの一方の2つの電極の間の静電容量を検出する際に、他方の2つの電極を固定電位に接続することを特徴とする。これによれば、各2つの第1及び第2電極のうちの一方の2つの電極の間の静電容量を検出する際に、他方の2つの電極を固定電位に接続することで、他方の2つの電極がシールド電極の役割を果たし、一方の2つの電極の間の静電容量を正確に検出することができる。
本発明のタッチセンサは、検出部は、さらに、2つの第1電極のうちの一方の第1電極及びその第1電極に対応する2つの第2電極のうちの一方の第2電極の静電容量を検出し、第2電極の静電容量の検出結果が正常な場合に第1電極の静電容量の検出結果より操作体の近接を検出することを特徴とする。これによれば、2つの第1電極の間の静電容量(すなわち相互容量)の検出結果より操作体の近接を検出することができるとともに、2つの第1電極の静電容量(すなわち自己容量)の検出結果より操作体の近接を検出することができる。
本発明のタッチセンサによれば、電極を取り囲む環境が変化しても、誤動作することなく操作体の近接を検出するタッチセンサを提供することが可能となる。
図1は、第1の実施形態に係るタッチセンサの概略構成を示す図である。 図2は、図1のタッチセンサによるタッチ入力を検出する手順を示すフローチャートである。 図3は、第2の実施形態に係るタッチセンサの構成を示す図である。 図4は、図3のタッチセンサによるタッチ入力を検出する手順を示すフローチャートである。 図5は、図3のタッチセンサによるタッチ入力を検出する別の手順を示すフローチャートである。 図6は、第3の実施形態に係るタッチセンサの構成を示す図である。 図7は、図6のタッチセンサによるタッチ入力を検出する手順を示すフローチャートである。 図8は、第3の実施形態に係るタッチセンサの変形構成を示す図である。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1に、第1の実施形態に係るタッチセンサ1の概略構成を示す。タッチセンサ1は、基板に設けられたスイッチ用の電極を用いて、手指等の操作体の近接(タッチ入力)による浮遊容量(静電容量)の変化を検出することでタッチ入力を検出する静電容量式のタッチセンサである。タッチセンサ1は、本体部1a及び検出部20から構成される。
本体部1aは、積層された絶縁パネル2,3とカバー4とを有する。ただし、図1では、説明の都合上、これらを積層せず、分解して斜視図により示している。絶縁パネル2、3とカバー4とは、例えば、縦4cm及び横6cmの矩形状を有し、PETフィルム等の絶縁フィルムを用いて形成されている。
絶縁パネル2の表面には、横方向を長手とする矩形状の電極パターン(単に電極と呼ぶ)2aが設けられている。電極2aは、ITO等の導電材を用いて形成される。電極2aは、配線を介して検出部20(後述する切換器21の入力端)に接続されている。なお、操作体がタッチセンサ1に近接した際に、操作体と後述する電極3bとの間で発生する浮遊容量の容量が無視できる程度に(絶縁パネル2の裏面側に配される電極3bの浮遊容量の変化が無視できるように)、その誘電率に応じて絶縁パネル2の厚みを定めることとする。
絶縁パネル3の表面には、電極2aと同じ形状及び同じ大きさを有する電極3bが、電極2aの絶縁パネル2上の位置と同じ位置に設けられている。ただし、「同じ形状」、「同じ大きさ」、及び「同じ位置」とは、電極2a(タッチセンサ1)を取り囲み得る環境電磁波の波長に対して十分良い近似で形状が等しいこと、大きさが等しいこと、及び位置が等しいことを意味する。電極3bは、電極2aと同じ素材、すなわちITO等の導電材を用いて形成される。電極3bは、配線を介して検出部20(後述する切換器21の入力端)に接続されている。
絶縁パネル3上の電極3bの上に絶縁パネル2上の電極2aを位置決めして、絶縁パネル3の表面に絶縁パネル2の裏面が粘着剤等を用いて接着されている。それにより、同じ形状及び同じ大きさの2つの電極2a,3bが、平行に、且つ絶縁パネル2を介してその表裏に(絶縁パネル2,3が広がる2次元面に平行な方向に関して)同じ位置に設けられる。ここで、「平行」とは、電極2a(タッチセンサ1)を取り囲み得る環境電磁波の波長に対して十分良い近似で平行であることを意味する。それにより、後述するように、電極3bを用いて、電極2aを取り囲む環境の変化、特に環境電磁波によるノイズ(電磁ノイズ)を検出することが可能となる。
さらに、絶縁パネル2の表面にカバー4の裏面が粘着剤等を用いて接着される。それにより、カバー4の表面が、手指等の操作体により操作(タッチ入力)される操作面4aを形成する。なお、操作体がタッチセンサ1に近接した際に、操作体と電極2aとの間に生ずる浮遊容量が検出できる程度に(電極2aに浮遊する浮遊容量の操作体の近接による変化が検出できるように)、その誘電率に応じてカバー4の厚みを定めることとする。
検出部20は、切換器21、容量検出器22、及び信号処理器23から構成される。ここで、電極2a,3bが配線を介して切換器21の2つの入力端にそれぞれ接続され、切換器21の出力端が容量検出器22の入力端に接続され、そして容量検出器22の出力端が信号処理器23の入力端に接続されている。
切換器21は、入力φ,φ’に従って、電極2a,3bの一方を容量検出器22に、他方をグランド電位に接続する。入力φ,φ’は、パルス生成器(不図示)により、例えば200μsecの一定周期でON信号とOFF信号を繰り返すパルス信号として生成される。ここで、入力φ,φ’の一方がON信号の場合、必ず他方はOFF信号となる。なお、パルス信号の生成周期は一定に限らず、電磁ノイズ、その他、一定の周期に由来するノイズの影響を回避するために、例えばランダムでもよい。切換器21は、例えばマルチプレクサ、すなわち多数の入力のうちのいずれかを1つの出力に切換接続する多チャンネルスイッチを用いて実装することができる。
切換器21により、電極2a,3bが容量検出器22に接続されることでそれらに浮遊する浮遊容量(静電容量)が検出可能となり、電極2a,3bがグランド電位に接続されることでそれらの静電容量に貯えられた電荷が放出される。また、電極2a(3b)は、グランド電位に接続されることで、電極3b(2a)の静電容量を検出する際のシールド電極の役割を果たす。
容量検出器22は、電極2a,3bに浮遊する浮遊容量(静電容量)を検出する。容量検出器22は、切換器21により電極2a,3bが切換え接続されると、例えば、その接続された電極を駆動する、すなわちプルアップ抵抗を介して定電圧Vdを印加し、駆動から一定時間(Tdelay)経過後の電極の電位VOUTを検出する。ここで、電極の電位Vは、駆動からの経過時間tに対して指数関数的な振る舞い、すなわち、
V(t)=Vd(1−exp(−t/τ)) …(1)
を示す。時定数τは、近似的に、電極の浮遊容量(例えばシールド電極(不図示)とカップリングすることで発生し、〜10pF程度の容量を有する)とプルアップ抵抗の抵抗(電極2a,3bの抵抗に対して十分に大きいとする)との積により与えられる。従って、容量検出器22により、各電極の電位
OUT=Vd(1−exp(−Tdelay/τ)) …(2)
が検出される。その検出結果は、デジタル変換されて、信号処理器23に向けて出力される。
信号処理器23は、容量検出器22の出力、すなわち各電極の電位の検出結果VOUTを解析処理して、操作体の近接、すなわちタッチ入力を検出する。浮遊容量(ここでは時定数τを用いて表すこととする)は、検出結果VOUTから、
τ=−Tdelay/ln(1−VOUT/Vd) …(3)
と求められる。信号処理器23は、求められた電極2aの浮遊容量τ2aがタッチ入力のないときのそれに対して有意に異なる場合(電極2aと操作体との間に静電容量が生じるため、有意に大きい場合)、タッチ入力を検出する。また、信号処理器23は、求められた電極3bの浮遊容量τ3bが正常時(例えばノイズレベルが安定しているとき)におけるそれに対して有意に異なる場合、ノイズを検出する。なお、タッチ入力の検出手順の詳細は後述する。
タッチセンサ1を用いて操作体の近接(タッチ入力)を検出する手順について説明する。
図2に、タッチ入力の検出手順100を示すフローチャートを与える。タッチセンサ1の電源が投入されることにより、検出手順100が開始する。
ステップS102では、電極3bの浮遊容量を検出する。ただし、これに先立って、電極3bはグランド電位に接続され、その浮遊容量に貯えられた電荷は十分に放出されているものとする。切換器21により、電極3bが容量検出器22に接続され、これと同時に電極2aがグランド電位に接続される。電極3bが容量検出器22に接続されると、容量検出器22により駆動から一定時間Tdelay経過後の電極3bの電位VOUT,3bが検出される。その検出結果は信号処理器23に送信され、信号処理器23により式(3)から電極3bの浮遊容量τ3bが求められる。
なお、電極2aがグランド電位に接続されると、電極2aの浮遊容量に貯えられた電荷が放出される。それにより、次のステップS104において、電極2aの電位VOUT,2a、すなわち浮遊容量τ2aを正確に検出することが可能となる。また、グランド電位に接続された電極2aが電極3bに対するシールド電極の役割を果たすため、上で検出される電極3bの浮遊容量τ3bはタッチ入力の影響を受けない。従って、浮遊容量τ3bの検出結果は電極2aを取り囲む環境の変化によるノイズ(環境ノイズ)を反映することとなる。
ステップS104では、電極2aの浮遊容量を検出する。これに先立って、ステップS102において、電極2aはグランド電位に接続され、その浮遊容量に貯えられた電荷は十分に放出されているものとする。切換器21により、電極2aが容量検出器22に接続され、これと同時に電極3bがグランド電位に接続される。電極2aが容量検出器22に接続されると、容量検出器22により駆動から一定時間Tdelay経過後の電極2aの電位VOUT,2aが検出される。その検出結果は信号処理器23に送信され、信号処理器23により式(3)から電極2aの浮遊容量τ2aが求められる。
なお、電極3bがグランド電位に接続されると、電極3bの浮遊容量に貯えられた電荷が放出される。それにより、次のサイクルにおけるステップS102において、電極3bの電位VOUT,3b、すなわち浮遊容量τ3bを正確に検出することが可能となる。また、グランド電位に接続された電極3bが電極2aに対するシールド電極の役割を果たし、本体部1aの裏面が遮蔽される、すなわち、例えば検出部20を構成する電子素子、タッチセンサ1が設けられる電子機器等からの電磁ノイズが遮断されるため、タッチ入力による電極2aの浮遊容量τ2aの変化を精度良く検出することが可能となる。
ステップS106では、ステップS102において求められた電極3bの浮遊容量τ3bが正常か否かを判断する。電極3bは、先述のとおり、操作面4aに操作体が近接しても(タッチ入力があっても)、操作体との間で浮遊容量を発生しない(発生する浮遊容量の容量は無視できる程度に小さい)。従って、浮遊容量τ3bは電極3bのみに浮遊する容量に由来し、その検出結果はタッチセンサ1(すなわち電極2a)が置かれた環境の変化を反映する。そこで、浮遊容量τ3bについて予めその容量が正常であると判断する範囲を定め、信号処理器23はその範囲内に浮遊容量τ3bの検出結果が含まれるか否かを判断する。浮遊容量τ3bの検出結果が範囲内に含まれればタッチセンサ1(電極2a)を取り囲む環境は正常と判断され(判断が肯定され)、ステップS108に進む。範囲内に含まれない場合、環境は異常と判断され(判断が否定され)、ステップS110に進む。
ステップS108では、ステップS104において得られた電極2aの浮遊容量τ2aの検出結果を基にタッチ入力の有無を判断し、その結果を出力する。電極2aは、操作面4aに操作体が近接することで(タッチ入力により)、操作体との間で浮遊容量を発生する。従って、浮遊容量τ2aは、タッチ入力がないときの容量に対して有意に大きな容量を与える。そこで、浮遊容量τ2aについて、予め、タッチ入力がないときの容量の上限(リファレンス)を定め、浮遊容量τ2aの検出結果がリファレンスより大きいか否かを判断する。信号処理器23は、浮遊容量τ2aの検出結果がリファレンスより大きければ、タッチ入力有りと判断してスイッチ出力する。小さければ、タッチ入力無しと判断してタッチ出力しない。
ステップS110では、スイッチ出力を抑制する。先のステップS106においてタッチセンサ1(電極2a)を取り囲む環境は異常であると判断されているため、電極2aの浮遊容量τ2aの検出結果を基にタッチ入力有と判断される状況であっても(検出結果がリファレンスより大きくても)、タッチ出力しない。それにより、タッチセンサ1の誤動作が回避される。
ステップS108又はステップS110が終了すると、ステップS102に戻る。タッチセンサ1の電源が落とされるまで上述の手順を繰り返す。
以上詳細に説明したように、第1の実施形態に係るタッチセンサ1によると、操作体が近接する電極2a、操作体から隔てられた電極3b、及び電極2a,3bの浮遊容量(静電容量)を検出し、電極3bの静電容量の検出結果が正常な場合に電極2aの静電容量の検出結果より操作体の近接を検出する検出部20を備える。操作体から隔てられた電極3bの静電容量の検出結果が正常な場合に、電極2aの静電容量の検出結果より操作体の近接を検出することで、誤動作することなく操作体の近接(タッチ入力)を検出することができる。
また、第1の実施形態に係るタッチセンサ1によると、電極2aが設けられた絶縁パネル2の裏面側に、電極2aと同じ形状及び同じ大きさを有する電極3bが、絶縁パネル2と平行に配設された絶縁パネル3上の電極2aと同じ位置に設けられる。それにより、タッチセンサ1(電極2a)が置かれた環境の変化によるノイズ、特に環境電磁波による電磁ノイズを検出することが可能となる。電極3bを用いてノイズを検出することで、電極2aを用いて、誤動作することなく操作体の近接(タッチ入力)を検出することが可能となる。
また、電極2a,3bがそれぞれ設けられた絶縁パネル2,3を積層することで、電極2a,3bが絶縁パネル2の表裏に設けられる。それにより、電極3bを用いて、電極2a又はこれが設けられた絶縁パネル2に加えられる機械振動等の外力、或いは熱によるノイズも検出することができる。
また、電極3b及びこれが設けられた絶縁パネル3の構成は電極2a及びこれが設けられた絶縁パネル2の構成と同じであるため、ノイズ検出用の電極等、特殊な部品を必要とせず、タッチセンサ1を少しの種類の部品から構成することが可能となる。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3に、第2の実施形態に係るタッチセンサ1の概略構成を示す。タッチセンサ1は、第1の実施形態に係るタッチセンサ1と同様の静電容量式のタッチセンサである。ただし、タッチ入力を検出するスイッチ用の電極が複数(N)設けられている。なお、第2の実施形態に係るタッチセンサ1の主要構成は先述の第1の実施形態におけるそれとほぼ同様のため、以下では、相違点を中心に説明する。また、第1の実施形態と同一又は同等の部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。タッチセンサ1は、本体部1a及び検出部20から構成される。
本体部1aは、積層された絶縁パネル2,3とカバー4とを有する。ただし、図3では、説明の都合上、これらを積層せず、分解して斜視図により示している。
絶縁パネル2の表面には、縦方向を長手とする矩形状のNの電極2a1〜Nが横方向に等間隔に配設されている。ただし、図3では、図示の都合上、一部の電極が省略されている。電極2a1〜Nは、配線を介して検出部20(後述する切換器21の入力端)に接続されている。
絶縁パネル3の表面には、絶縁パネル2上のNの電極2a1〜Nに対応して、Nの電極3b1〜Nが配設されている。ただし、図3では、図示の都合上、一部の電極が省略されている。ここで、電極3b(k=1〜N)は、対応する電極2aと同じ形状及び同じ大きさを有し、電極2aの絶縁パネル2上の位置と同じ絶縁パネル3上の位置に設けられている。ただし、「同じ形状」、「同じ大きさ」、及び「同じ位置」とは、電極2a(タッチセンサ1)のそれぞれを取り囲み得る環境電磁波の波長に対して十分良い近似で形状が等しいこと、大きさが等しいこと、及び位置が等しいことを意味する。電極3b1〜Nは、配線を介して検出部20(後述する切換器21の入力端)に接続されている。
絶縁パネル3上の電極3b1〜Nの上にそれぞれ絶縁パネル2上の電極2a1〜Nを位置決めして、絶縁パネル3の表面に絶縁パネル2の裏面が粘着剤等を用いて接着されている。それにより、同じ形状及び同じ大きさのN対の電極2a,3b(k=1〜N)が、それぞれ平行に、且つ絶縁パネル2を介してその表裏に(絶縁パネル2,3が広がる2次元面に平行な方向に関して)同じ位置に設けられる。ここで、「平行」とは、電極2a1〜N(タッチセンサ1)のそれぞれを取り囲み得る環境電磁波の波長に対して十分良い近似で平行であることを意味する。それにより、後述するように、電極3b(k=1〜N)を用いて、対応する電極2aを取り囲む環境の変化、特に環境電磁波によるノイズ(電磁ノイズ)を検出することが可能となる。
さらに、絶縁パネル2の表面にカバー4の裏面が粘着剤等を用いて接着される。それにより、カバー4の表面が、手指等の操作体により操作(タッチ入力)される操作面4aを形成する。
検出部20は、切換器21、容量検出器22、及び信号処理器23から構成される。ここで、電極2a1〜N,3b1〜Nが配線を介して切換器21の2Nの入力端にそれぞれ接続され、切換器21の出力端が容量検出器22の入力端に接続され、そして容量検出器22の出力端が信号処理器23の入力端に接続されている。
切換器21は、入力φ1〜N,φ’1〜Nに従って、電極2a1〜N,3b1〜Nの1つを容量検出器22に、それ以外をグランド電位に接続する。入力φ1〜N,φ’1〜Nは、パルス生成器(不図示)により、例えば200μsecの一定周期でφ,φ’,φ,φ’,…,φ,φ’の順にON信号を繰り返すパルス信号として生成される。入力φ1〜N,φ’1〜Nの1つがON信号、その他がOFF信号となる。
切換器21により、電極2a1〜N,3b1〜Nが容量検出器22に接続されることでそれらに浮遊する浮遊容量(静電容量)が検出可能となり、電極2a1〜N,3b1〜Nがグランド電位に接続されることでそれらの静電容量に貯えられた電荷が放出される。また、電極2a(3b(k=1〜N))は、グランド電位に接続されることで、電極3b(2a)の静電容量を検出する際のシールド電極の役割を果たす。
容量検出器22は、電極2a1〜N,3b1〜Nに浮遊する浮遊容量(静電容量)を検出する。その詳細は第1の実施形態と同様である。
信号処理器23は、容量検出器22の出力、すなわち各電極の電位の検出結果VOUTを解析処理して、操作体の近接、すなわちタッチ入力を検出する。その詳細は第1の実施形態と同様である。
タッチセンサ1を用いて操作体の近接(タッチ入力)を検出する手順について説明する。
図4に、タッチ入力の検出手順200を示すフローチャートを与える。タッチセンサ1の電源が投入されることにより、検出手順200が開始する。なお、予め、浮遊容量τ3bk(k=1〜N)についてその容量の正常範囲が定められているものとする。また、タッチ入力の有無を判断するための基準(リファレンス)、すなわちタッチ入力がないと判断する浮遊容量τ2ak(k=1〜N)の上限が定められているものとする。
ステップS202では、インデックスkを初期化する。すなわち、インデックスkに1が代入される。
ステップS204では、電極3b(ここでは電極3b)の浮遊容量を検出する。ただし、これに先立って、電極3bはグランド電位に接続され、その浮遊容量に貯えられた電荷は十分に放出されているものとする。切換器21により、電極3bが容量検出器22に接続され、これと同時にその他の電極がグランド電位に接続される。電極3bが容量検出器22に接続されると、容量検出器22により駆動から一定時間Tdelay経過後の電極3bの電位VOUT,3bkが検出される。その検出結果は信号処理器23に送信され、信号処理器23により式(3)から電極3bの浮遊容量τ3bkが求められる。
なお、電極3bが容量検出器22に接続さると同時に、少なくともこれに対応する電極2aがグランド電位に接続されることとする。グランド電位に接続された電極2aが電極3bに対するシールド電極の役割を果たすため、上で検出される電極3bの浮遊容量τ3bkはタッチ入力の影響を受けない。従って、浮遊容量τ3bkの検出結果は電極2aを取り囲む環境の変化によるノイズ(環境ノイズ)を反映することとなる。
ステップS206では、電極2a(ここでは電極2a)の浮遊容量を検出する。ただし、これに先立って、電極2aはグランド電位に接続され、その浮遊容量に貯えられた電荷は十分に放出されているものとする。切換器21により、電極2aが容量検出器22に接続され、これと同時にその他の電極がグランド電位に接続される。電極2aが容量検出器22に接続されると、容量検出器22により駆動から一定時間Tdelay経過後の電極2aの電位VOUT,2akが検出される。その検出結果は信号処理器23に送信され、信号処理器23により式(3)から電極2aの浮遊容量τ2akが求められる。
なお、電極2aが容量検出器22に接続されると同時に、少なくともこれに対応する電極3bがグランド電位に接続されることとする。グランド電位に接続された電極3bが電極2aに対するシールド電極の役割を果たし、本体部1aの裏面が遮蔽される、すなわち、例えば検出部20を構成する電子素子、タッチセンサ1が設けられる電子機器等からの電磁ノイズが遮断されるため、タッチ入力による電極2aの浮遊容量τ2akの変化を精度良く検出することが可能となる。
ステップS208では、ステップS204において求められた電極3b(ここでは電極3b)の浮遊容量τ3bk(ここでは浮遊容量τ3b1)が正常か否かを判断する。信号処理器23は、浮遊容量τ3bkの検出結果が予め定められた正常範囲内に含まれるか否かを判断する。浮遊容量τ3bkの検出結果が範囲内に含まれればタッチセンサ1(電極2a)を取り囲む環境は正常と判断され(判断が肯定され)、ステップS210に進む。範囲内に含まれない場合、環境は異常と判断され(判断が否定され)、ステップS212に進む。
ステップS210では、ステップS206において得られた電極2a(ここでは電極2a)の浮遊容量τ2ak(ここでは浮遊容量τ2a1)の検出結果を基にタッチ入力の有無を判断し、その結果を出力する。信号処理器23は、浮遊容量τ2akの検出結果がリファレンスより大きければ、電極2aについてタッチ入力有りと判断してスイッチ出力する。小さければ、タッチ入力無しと判断してタッチ出力しない。
ステップS212では、スイッチ出力を抑制する。先のステップS208においてタッチセンサ1(電極2a)を取り囲む環境は異常であると判断されているため、電極2aの浮遊容量τ2akの検出結果を基にタッチ入力有と判断される状況であっても(検出結果がリファレンスより大きくても)、タッチ出力しない。それにより、タッチセンサ1の誤動作が回避される。
ステップS210又はステップS212が終了すると、ステップS214に進む。ステップS214では、インデックスkがNに等しいか否か判断する。すなわち、すべての電極2a1〜Nについてのタッチ入力の検出が終了したか否かを判断する。ここでは、インデックスk=1であるため判断は否定され、ステップS216に進む。
ステップS216では、インデックスkを1インクリメントする。ここでは、インデックスkに2が代入される。ステップS216が終了すると、ステップS204に戻る。
以下、ステップS214の判断が肯定されるまで(インデックスkがインクリメントされてその値がNになるまで)、ステップS204〜S212が繰り返される。すなわち、電極2a2〜Nについて順にタッチ入力が検出される。
全ての電極2a1〜Nについてタッチ入力の検出が終了すると(インデックスkの値がNになると)、ステップS214の判断が肯定され、ステップS202に戻る。タッチセンサ1の電源が落とされるまで上述の手順を繰り返す。
以上詳細に説明したように、第2の実施形態に係るタッチセンサ1によると、操作体が近接する複数の電極2a1〜N、操作体から隔てられ、複数の電極2a1〜Nのそれぞれに対応する複数の電極3b1〜N、及び複数の電極2a1〜N,3b1〜Nの浮遊容量(静電容量)を検出し、電極3b(k=1〜N)の静電容量の検出結果が正常な場合に複数の電極2a1〜Nのうちの対応する電極2aの静電容量の検出結果より操作体の近接を検出する検出部20を備える。操作体から隔てられた電極3bの静電容量の検出結果が正常な場合に、対応する電極2aの静電容量の検出結果より操作体の近接を検出することで、誤動作することなく操作体の近接(タッチ入力)を検出することができる。
また、第2の実施形態に係るタッチセンサ1によると、電極2a1〜Nが設けられた絶縁パネル2の裏面側に、電極2a1〜Nと同じ形状及び同じ大きさを有する電極3b1〜Nが、絶縁パネル2と平行に配設された絶縁パネル3上の電極2a1〜Nと同じ位置にそれぞれ設けられる。それにより、タッチセンサ1(電極2a1〜N)が置かれた環境の変化によるノイズ、特に環境電磁波による電磁ノイズを検出することが可能となる。電極3b(k=1〜N)を用いてノイズを検出することで、電極2aを用いて、誤動作することなく操作体の近接(タッチ入力)を検出することが可能となる。
また、電極2a1〜N,3b1〜Nがそれぞれ設けられた絶縁パネル2,3を積層することで、電極2a1〜N,3b1〜Nが絶縁パネル2の表裏に設けられる。それにより、電極3b1〜Nを用いて、電極2a1〜N又はこれが設けられた絶縁パネル2に加えられる機械振動等の外力、或いは熱によるノイズ、電源等の配線を伝わってくるノイズも検出することができる。
また、電極3b1〜N及びこれらが設けられた絶縁パネル3の構成は電極2a1〜N及びこれらが設けられた絶縁パネル2の構成と同じであるため、ノイズ検出用の電極等、特殊な部品を必要とせず、タッチセンサ1を少しの種類の部品から構成することが可能となる。
なお、第2の実施形態に係るタッチセンサ1では、電極2a1〜Nのそれぞれの形状を同じとしたが、電磁ノイズによる誤動作を避ける目的より、互いに異なる形状にしてもよい。同様に、電極3b1〜Nの形状も互いに異なる形状にしてよい。ただし、対応する電極2a,3b(k=1〜N)の形状は互いに等しいとする。また、電極2a(k=1〜N)毎にタッチ入力の有無を判断するためのリファレンスを、電極3b(k=1〜N)毎にその容量の正常範囲を定めてもよい。
図5に、タッチ入力の別の検出手順220を示すフローチャートを与える。
タッチセンサ1の電源が投入されることにより、検出手順220が開始する。なお、予め、浮遊容量τ3bk(k=1〜N)についてその容量の正常範囲が定められているものとする。また、タッチ入力の有無を判断するための基準(リファレンス)、すなわちタッチ入力がないと判断する浮遊容量τ2ak(k=1〜N)の上限が定められているものとする。
ステップS222では、インデックスkを初期化する。すなわち、インデックスkに1が代入される。
ステップS224では、電極3b(ここでは電極3b)の浮遊容量を検出する。ただし、これに先立って、電極3bはグランド電位に接続され、その浮遊容量に貯えられた電荷は十分に放出されているものとする。切換器21により、電極3bが容量検出器22に接続され、これと同時にその他の電極がグランド電位に接続される。電極3bが容量検出器22に接続されると、容量検出器22により駆動から一定時間Tdelay経過後の電極3bの電位VOUT,3bkが検出される。その検出結果は信号処理器23に送信され、信号処理器23により式(3)から電極3bの浮遊容量τ3bkが求められる。
なお、電極3bが容量検出器22に接続さると同時に、少なくともこれに対応する電極2aがグランド電位に接続されることとする。グランド電位に接続された電極2aが電極3bに対するシールド電極の役割を果たすため、上で検出される電極3bの浮遊容量τ3bkはタッチ入力の影響を受けない。従って、浮遊容量τ3bkの検出結果は電極2aを取り囲む環境の変化によるノイズ(環境ノイズ)を反映することとなる。
ステップS226では、電極2a(ここでは電極2a)の浮遊容量を検出する。ただし、これに先立って、電極2aはグランド電位に接続され、その浮遊容量に貯えられた電荷は十分に放出されているものとする。切換器21により、電極2aが容量検出器22に接続され、これと同時にその他の電極がグランド電位に接続される。電極2aが容量検出器22に接続されると、容量検出器22により駆動から一定時間Tdelay経過後の電極2aの電位VOUT,2akが検出される。その検出結果は信号処理器23に送信され、信号処理器23により式(3)から電極2aの浮遊容量τ2akが求められる。
なお、電極2aが容量検出器22に接続されると同時に、少なくともこれに対応する電極3bがグランド電位に接続されることとする。グランド電位に接続された電極3bが電極2aに対するシールド電極の役割を果たし、本体部1aの裏面が遮蔽される、すなわち、例えば検出部20を構成する電子素子、タッチセンサ1が設けられる電子機器等からの電磁ノイズが遮断されるため、タッチ入力による電極2aの浮遊容量τ2akの変化を精度良く検出することが可能となる。
ステップS228では、インデックスkがNに等しいか否か判断する。すなわち、すべての電極2a1〜N,3b1〜Nについて浮遊容量の検出が終了したか否かを判断する。ここでは、インデックスk=1であるため判断は否定され、ステップS230に進む。
ステップS230では、インデックスkを1インクリメントする。ここでは、インデックスkに2が代入される。ステップS230が終了すると、ステップS224に戻る。
以下、ステップS228の判断が肯定されるまで(インデックスkがインクリメントされてその値がNになるまで)、ステップS224〜S226が繰り返され、すべての電極2a2〜N,3b2〜Nの浮遊容量が検出される。
すべての電極2a2〜N,3b2〜Nの浮遊容量が検出されると(インデックスkの値がNになると)、ステップS228の判断が肯定され、ステップS232に進む。
ステップS232では、ステップS224において求められた電極3b1−Nの浮遊容量τ3b1−Nが正常か否かを判断する。信号処理器23は、浮遊容量τ3b1−Nの検出結果のそれぞれが予め定められた正常範囲内に含まれるか否かを判断する。浮遊容量τ3b1−Nの検出結果のすべてが範囲内に含まれればタッチセンサ1(電極2a1−N)を取り囲む環境は正常と判断され(判断が肯定され)、ステップS234に進む。1つでも範囲内に含まれない場合、環境は異常と判断され(判断が否定され)、ステップS236に進む。
ステップS234では、ステップS226において得られた電極2a1−Nの浮遊容量τ2a1−Nの検出結果を基にタッチ入力の有無を判断し、その結果を出力する。信号処理器23は、浮遊容量τ2akの検出結果がリファレンスより大きければ、電極2aについてタッチ入力有りと判断してスイッチ出力する。小さければ、タッチ入力無しと判断してタッチ出力しない。すべての電極2a(k=1〜N)の検出結果について検証する。
ステップS236では、スイッチ出力を抑制する。先のステップS232においてタッチセンサ1(電極2a1−N)を取り囲む環境は異常であると判断されているため、電極2a1−Nの浮遊容量τ2a1−Nの検出結果を基にタッチ入力有と判断される状況であっても(検出結果がリファレンスより大きくても)、タッチ出力しない。それにより、タッチセンサ1の誤動作が回避される。
ステップS234又はステップS236が終了すると、ステップS222に戻る。タッチセンサ1の電源が落とされるまで上述の手順を繰り返す。
複数の電極3b1−Nのうちのいずれか(電極3b)の静電容量の検出結果が異常の場合、対応する電極2aだけでなくその他の電極も電磁ノイズの影響下にあると考えられる。そこで、検出手順220では、複数の電極3b1−Nの静電容量の検出結果のすべてが正常の場合に複数の電極2a1−Nの静電容量の検出結果のそれぞれより操作体の近接を検出し、複数の電極3b1−Nの静電容量の検出結果のうちの1でも異常の場合にスイッチ出力を抑制することで、誤動作することなく操作体の近接を検出することができる。
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図6に、第3の実施形態に係るタッチセンサ1の概略構成を示す。タッチセンサ1は、第1及び第2の実施形態に係るタッチセンサ1と同様の静電容量式のタッチセンサである。ただし、タッチ入力を検出するスイッチ用の電極が偶数(一例として2)設けられている。また、第1及び第2の実施形態では個々の電極に浮遊する自己容量が検出されるのに対し、本実施形態では複数(ここでは2つ)の電極間に寄生する相互容量が検出される。なお、第3の実施形態に係るタッチセンサ1の主要構成は先述の第1及び第2の実施形態におけるそれとほぼ同様のため、以下では、相違点を中心に説明する。また、第1及び第2の実施形態と同一又は同等の部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。タッチセンサ1は、本体部1a及び検出部20から構成される。
本体部1aは、積層された絶縁パネル2,3とカバー4とを有する。ただし、図6では、説明の都合上、これらを積層せず、分解して斜視図により示している。
絶縁パネル2の表面には、横方向を長手とする矩形状の2の電極2a,2aが配設されている。電極2a,2aは、配線を介して検出部20(後述する切換器21の入力端)に接続されている。
絶縁パネル3の表面には、絶縁パネル2上の2つの電極2a,2aに対応して、2つの電極3b,3bが配設されている。ここで、電極3b(3b)は、対応する電極2a(2a)と同じ形状及び同じ大きさを有し、電極2a(2a)の絶縁パネル2上の位置と同じ絶縁パネル3上の位置に設けられている。ただし、「同じ形状」、「同じ大きさ」、及び「同じ位置」とは、電極2a,2a(タッチセンサ1)のそれぞれを取り囲み得る環境電磁波の波長に対して十分良い近似で形状が等しいこと、大きさが等しいこと、及び位置が等しいことを意味する。電極3b,3bは、配線を介して検出部20(後述する切換器21の入力端)に接続されている。
絶縁パネル3上の電極3b,3bの上にそれぞれ絶縁パネル2上の電極2a,2aを位置決めして、絶縁パネル3の表面に絶縁パネル2の裏面が粘着剤等を用いて接着されている。それにより、同じ形状及び同じ大きさの2対の電極2a,3b及び電極2a,3bが、それぞれ平行に、且つ絶縁パネル2を介してその表裏に(絶縁パネル2,3が広がる2次元面に平行な方向に関して)同じ位置に設けられる。ここで、「平行」とは、電極2a,2a(タッチセンサ1)のそれぞれを取り囲み得る環境電磁波の波長に対して十分良い近似で平行であることを意味する。それにより、後述するように、電極3b,3bを用いて、対応する電極2a,2aを取り囲む環境の変化、特に環境電磁波によるノイズ(電磁ノイズ)を検出することが可能となる。
さらに、絶縁パネル2の表面にカバー4の裏面が粘着剤等を用いて接着される。それにより、カバー4の表面が、手指等の操作体により操作(タッチ入力)される操作面4aを形成する。
検出部20は、切換器21、相互容量検出器22a、及び信号処理器23aから構成される。ここで、電極2a,2a,3b,3bが配線を介して切換器21の4つの入力端にそれぞれ接続され、切換器21の出力端が容量検出器22aの入力端に接続され、そして容量検出器22aの出力端が信号処理器23aの入力端に接続されている。
切換器21は、入力φ,φ’に従って、電極2a,2a又は電極3b,3bの一方を相互容量検出器22aに、他方をグランド電位に接続する。入力φ,φ’は、パルス生成器(不図示)により、例えば200μsecの一定周期でON信号とOFF信号を繰り返すパルス信号として生成される。ここで、入力φ,φ’の一方がON信号の場合、必ず他方はOFF信号となる。
切換器21により、電極2a,2a又は電極3b,3bが相互容量検出器22aに接続されることでそれらの電極間に寄生する相互容量が検出可能となり、電極2a,2a又は電極3b,3bがグランド電位に接続されることでそれら間の相互容量(とともにそれぞれに浮遊する浮遊容量)に貯えられた電荷が放出される。また、電極2a,2a(3b,3b)は、グランド電位に接続されることで、電極3b,3b(2a,2a)の相互容量を検出する際のシールド電極の役割を果たす。
相互容量検出器22aは、電極2a,2a又は電極3b,3bの間に寄生する相互容量を検出する。容量検出器22aは、切換器21により電極2a,2a(3b,3b)が接続されると、一方の電極を駆動して相互容量に電荷を蓄積し、他方の電極を用いて相互容量に蓄積された電荷量を検出する。電荷量の検出結果は、デジタル変換されて、信号処理器23aに向けて出力される。
信号処理器23aは、容量検出器22aの出力、電極2a,2a及び電極3b,3bの電荷量の検出結果を解析処理して、操作体の近接、すなわちタッチ入力を検出する。信号処理器23aは、電極2a,2aの電荷量の検出結果からそれらの電極間に寄生する相互容量を求め、その相互容量τがタッチ入力のないときのそれに対して有意に異なる場合(電極と操作体との間に静電容量が生じるため、有意に大きい場合)、電極2a,2aへのタッチ入力を検出する。また、信号処理器23aは、求められた電極3b,3b間の相互容量τが正常時(例えばノイズレベルが安定しているとき)におけるそれに対して有意に異なる場合、ノイズを検出する。なお、タッチ入力の検出手順の詳細は後述する。
タッチセンサ1を用いて操作体の近接(タッチ入力)を検出する手順について説明する。
図7に、タッチ入力の検出手順300を示すフローチャートを与える。タッチセンサ1の電源が投入されることにより、検出手順300が開始する。なお、予め、相互容量τについてその容量の正常範囲が定められているものとする。また、タッチ入力の有無を判断するための基準(リファレンス)、すなわちタッチ入力がないと判断する相互容量τの上限が定められているものとする。
ステップS302では、電極3b,3bの相互容量を検出する。ただし、これに先立って、電極3b,3bはグランド電位に接続され、その相互容量に貯えられた電荷は十分に放出されているものとする。切換器21により、電極3b,3bが容量検出器22aに接続され、これと同時に電極2a,2aがグランド電位に接続される。電極3b,3bが容量検出器22aに接続されると、容量検出器22aにより一方の電極が駆動され、他方の電極を用いて電極3b,3b間の相互容量に蓄積された電荷量が検出される。その検出結果は信号処理器23aに送信され、信号処理器23aにより電極3b,3b間の相互容量τが求められる。
なお、グランド電位に接続された電極2a,2aが電極3b,3bに対するシールド電極の役割を果たすため、上で検出される電極3b,3bの相互容量τはタッチ入力の影響を受けない。従って、相互容量τの検出結果は電極2a,2aを取り囲む環境の変化によるノイズ(環境ノイズ)を反映することとなる。
ステップS304では、電極2a,2aの相互容量を検出する。ただし、これに先立って、電極2a,2aはグランド電位に接続され、その相互容量に貯えられた電荷は十分に放出されているものとする。切換器21により、電極2a,2aが容量検出器22aに接続され、これと同時に電極3b,3bがグランド電位に接続される。電極2a,2aが容量検出器22aに接続されると、容量検出器22aにより一方の電極が駆動され、他方の電極を用いて電極2a,2a間の相互容量に蓄積された電荷量が検出される。その検出結果は信号処理器23aに送信され、信号処理器23aにより電極2a,2aの相互容量τが求められる。
なお、グランド電位に接続された電極3b,3bが電極2a,2aに対するシールド電極の役割を果たし、本体部1aの裏面が遮蔽される、すなわち、例えば検出部20を構成する電子素子、タッチセンサ1が設けられる電子機器等からの電磁ノイズが遮断されるため、タッチ入力による電極2a,2aの相互容量τの変化を精度良く検出することが可能となる。
ステップS306では、ステップS302において求められた電極3b,3bの相互容量τが正常か否かを判断する。信号処理器23aは、相互容量τの検出結果が予め定められた正常範囲内に含まれるか否かを判断する。相互容量τの検出結果が範囲内に含まれればタッチセンサ1(電極2a,2a)を取り囲む環境は正常と判断され(判断が肯定され)、ステップS308に進む。範囲内に含まれない場合、環境は異常と判断され(判断が否定され)、ステップS310に進む。
ステップS308では、ステップS304において得られた電極2a,2aの相互容量τの検出結果を基にタッチ入力の有無を判断し、その結果を出力する。信号処理器23aは、相互容量τの検出結果がリファレンスより大きければ、電極2a,2aついてタッチ入力有りと判断してスイッチ出力する。小さければ、タッチ入力無しと判断してタッチ出力しない。
ステップS310では、スイッチ出力を抑制する。先のステップS306においてタッチセンサ1(電極2a,2a)を取り囲む環境は異常であると判断されているため、電極2a,2aの相互容量τの検出結果を基にタッチ入力有と判断される状況であっても(検出結果がリファレンスより大きくても)、タッチ出力しない。それにより、タッチセンサ1の誤動作が回避される。
ステップS308又はステップS310が終了すると、ステップS302に戻る。タッチセンサ1の電源が落とされるまで上述の手順を繰り返す。
以上詳細に説明したように、第3の実施形態に係るタッチセンサ1によると、操作体が近接する電極2a,2a、操作体から隔てられ、電極2a,2aのそれぞれに対応する電極3b,3b、及び電極2a,2a又は電極3b,3bの相互容量を検出し、電極3b,3bの相互容量の検出結果が正常な場合に電極2a,2aの相互容量の検出結果より操作体の近接を検出する検出部20を備える。操作体から隔てられた電極3b,3bの相互容量の検出結果が正常な場合に、電極2a,2aの相互容量の検出結果より操作体の近接を検出することで、誤動作することなく操作体の近接(タッチ入力)を検出することができる。
また、第3の実施形態に係るタッチセンサ1によると、電極2a,2aが設けられた絶縁パネル2の裏面側に、電極2a,2aと同じ形状及び同じ大きさを有する電極3b,3bが、絶縁パネル2と平行に配設された絶縁パネル3上の電極2a,2aと同じ位置にそれぞれ設けられる。それにより、タッチセンサ1(電極2a,2a)が置かれた環境の変化によるノイズ、特に環境電磁波による電磁ノイズを検出することが可能となる。電極3b,3bを用いてノイズを検出することで、電極2a,2aを用いて、誤動作することなく操作体の近接(タッチ入力)を検出することが可能となる。
また、電極2a,2a及び電極3b,3bがそれぞれ設けられた絶縁パネル2,3を積層することで、電極2a,2a及び電極3b,3bが絶縁パネル2の表裏に設けられる。それにより、電極3b,3bを用いて、電極2a,2a又はこれが設けられた絶縁パネル2に加えられる機械振動等の外力、或いは熱によるノイズ、電源等の配線を伝わってくるノイズも検出することができる。
また、電極3b,3b及びこれらが設けられた絶縁パネル3の構成は電極2a,2a及びこれらが設けられた絶縁パネル2の構成と同じであるため、ノイズ検出用の電極等、特殊な部品を必要とせず、タッチセンサ1を少しの種類の部品から構成することが可能となる。
なお、第3の実施形態に係るタッチセンサ1では、電極2a,2aのそれぞれの形状を同じとしたが、電磁ノイズによる誤動作を避ける目的より、互いに異なる形状にしてもよい。同様に、電極3b,3bの形状も互いに異なる形状にしてよい。ただし、対応する電極2a,3b及び2a,3bの形状は互いに等しいとする。
また、第3の実施形態に係るタッチセンサ1では、タッチ入力を検出するスイッチ用の電極として2つの電極2a,2aを設けたが、2に限らず任意の偶数(2N)設けることとしてもよい。これに応じて、ノイズ検出用の電極も同数設けることとする。このとき、スイッチ用のNの電極を絶縁パネル2の縦方向を長手としてその上に横方向に配設し、残りのNの電極を絶縁パネル2の横方向を長手としてその上に縦方向に配設し、2Nの電極を格子状に配設してもよい。ノイズ検出用の2Nの電極も、同様に絶縁パネル3上に配設する。それにより、タッチセンサ1(操作面4a)上の操作体のタッチ位置が検出可能となる。
また、第3の実施形態に係るタッチセンサ1では、2つの電極2a,2aの間に寄生す相互容量を検出することでタッチ入力を検出することとしたが、これとともに、第1及び第2の実施形態と同様に2つの電極2a,2aのそれぞれに浮遊する浮遊容量を検出してもよい。図8に、タッチセンサ1の変形構成を示す。切換器21は、入力φ,φ,φ’,φ’に従って、2つの電極2a,2aの間に寄生する相互容量を検出する場合、それらを相互容量検出器22aに接続し、残りの電極をグランド電位に接続する。2つの電極3b,3bの間に寄生する相互容量を検出する場合、それらを相互容量検出器22aに接続し、残りの電極をグランド電位に接続する。切換器21は、入力φ,φ,φ’,φ’に従って、電極2a,2a,3b,3bのそれぞれに浮遊する浮遊容量を検出する場合、その電極を自己容量検出器(第1及び第2の実施形態における容量検出器)22に接続し、残りの電極をグランド電位に接続する。電極3b,3bの間の相互容量だけでなくそれぞれの自己容量(静電容量)をもノイズ検出のために使用することで、より確実にノイズ(特に電磁ノイズ)を検出することが可能となる。
なお、第1〜第3の実施形態に係るタッチセンサ1では、電極2a,3b、電極2a1〜N,3b1〜N、又は電極2a,2a及び3b,3bがそれぞれ設けられた絶縁パネル2,3を積層することで、電極2a,3b、電極2a1〜N,3b1〜N、又は電極2a,2a及び3b,3bを絶縁パネル2を挟んでその表裏に設けることとしたが、これに限らず、電極2a,3b、電極2a,3b(k=1〜N)、又は電極2a,3b及び2a,3bを平行且つその平行な方向に関して同じ位置に配設するのであれば、例えば、電極2a,3b、電極2a1〜N,3b1〜N、又は電極2a,2a及び3b,3bがそれぞれ設けられた絶縁パネル2,3を間隙を挟んで平行に配設してもよい。また、電極3b、電極3b、又は電極3b,3bを、絶縁パネル2の裏面の電極2a、電極2a、又は電極2a,2aと同じ位置に設けても良い。電極3b、電極3b1〜N、又は電極3b,3bは、電極2a、電極2a1〜N、又は電極2a,2aを挟んで操作体から隔てられる。それにより、電極3b、電極3b、又は電極3b,3bの電位又は電荷量を検出して電極2a、電極2a、又は電極2a,2aを取り囲む環境の変化、特に環境電磁波によるノイズ(電磁ノイズ)を検出することができる。
また、第1〜第3の実施形態に係るタッチセンサ1では、2つの電極2a,3b、電極2a,3b(k=1〜N)、電極2a,3b及び電極2a,3bは互いに同じ形状及び同じ大きさを有し、互いに平行に、その平行な方向に関して同じ位置に設けることとした。ここで、「同じ形状」、「同じ大きさ」、及び「同じ位置」とは、電極2a,2a1〜N,2a,2a(タッチセンサ1)を取り囲み得る環境電磁波の波長に対して十分良い近似で形状が等しいこと、大きさが等しいこと、及び位置が等しいことを意味するものとしたが、電極2a,3b,2a1〜N,3b1〜N,2a,2a,3b,3bの製造誤差の範囲内で形状が等しいこと、大きさが等しいこと、及び位置が等しいことを含め、実質的に等しいことも意味するものとする。例えば、矩形状の電極2aに対してその4つの角部を丸めた略矩形状の電極3bは、環境電磁波が電極2aに共振すれば電極3bにもほぼ同様に共振するため、実質的に「同じ形状」、「同じ大きさ」、及び「同じ位置」に設けられているに等しい。
また、「環境電磁波の波長に対して十分良い近似」とは、今日において使用可能な電磁波の波長に対して十分良い近似を意味するものとし、例えば無線通信等において周波数300kHz〜30GHzの電磁波が使用されていることから、一例として〜1GHzの電磁波について、その波長(約10cm)に対して、望ましくは共振を生ずるその波長の4分の1(約2.5cm)に対して、安全係数10分の1程度の約1cm、望ましくは約0.25cmのオーダで近似することを意味するものとする。また、安全係数もタッチセンサ1が使用される条件等により適切に定めることとする。
また、第1〜第3の実施形態に係るタッチセンサ1では、すべての電極2a,3b、電極2a1〜N,3b1〜N、又は電極2a,2a及び3b,3bについて1組の容量検出器22及び信号処理器23を設けたが、それらの数は任意であり、例えば、第1実施形態に係るタッチセンサ1においては電極2a及び電極3bについて各1組設ける、第2実施形態に係るタッチセンサ1においては電極2a1〜N及び電極3b1〜Nについて各1組設ける、第3実施形態に係るタッチセンサ1においては電極2a,2a及び電極3b,3bについて各1組設けることとしてもよい。
また、第1〜第3の実施形態に係るタッチセンサ1では、電極2a,3b、電極2a1〜N,3b1〜N、又は電極2a,2a及び3b,3bの電位又は電荷量の検出結果からそれらの浮遊容量又は相互容量を求め、その結果をリファレンス等と比較することでタッチ入力又はノイズを検出したが、これに限らず、電位又は電荷量の検出結果をリファレンス等と比較することでタッチ入力又はノイズを検出することとしてもよい。係る場合、予め、電位又は電荷量に対するリファレンス或いは正常範囲を定めることとする。
また、第1〜第3の実施形態に係るタッチセンサ1では、検出部20(容量検出器22又は相互容量検出器22a)により電極2a,3b,2a1〜N,3b1〜N、又は電極2a,2a及び3b,3bの電位又は電荷量を検出することによりそれらの浮遊容量を検出することとしたが、浮遊容量を検出することができれば電位及び電荷量に限らず、浮遊容量に関係するその他の量を検出することとしてもよい。例えば、各電極を駆動後、その電位が定められた基準レベルに達するのに要する経過時間等、電位の時間応答特性を検出することとしてもよい。その他、発振回路を構成し、これを用いて発振周波数の変化を検出してもよいし、自己容量を検出する場合においても電極に帯電した(浮遊容量に蓄積された)電荷の量を検出してもよい。
また、第1〜第3の実施形態に係るタッチセンサ1では、検出部20は電極2a,3b、電極2a,3b(k=1〜N)、又は電極2a,2a及び3b,3bの両方の浮遊容量(自己容量又は相互容量)を検出し、その結果を用いてタッチセンサ1(すなわち電極2a、電極2a、又は電極2a,2a)を取り囲む環境が正常であるか判断するとともに、操作体の近接(タッチ入力)を検出することとしたが、それに限らず、検出部20は、まず、電極3b、電極3b、又は電極3b,3bの浮遊容量を検出し、その検出結果が正常な場合に電極2a、電極2a、又は電極2a,2aの浮遊容量を検出し、その検出結果よりタッチ入力を検出することとしてもよい。それにより、誤動作することなく操作体の近接を検出することができるとともに、電極3b、電極3b、又は電極3b,3bの浮遊容量の検出結果が異常な場合には電極2a、電極2a、又は電極2a,2aの浮遊容量の検出を省くことができる。
また、第1〜第3の実施形態に係るタッチセンサ1では、電極2a,3b、電極2a,3b(k=1〜N)、又は電極2a,2a及び3b,3bの一方を容量検出器22に接続すると同時に、他方をグランド電位に接続することとしたが、グランド電位に限らず、シールド電位等の固定された電位(固定電位)に接続することとしてもよい。なお、電極2a,3b、電極2a,3b(k=1〜N)、又は電極2a,2a及び3b,3bは、例えば、その裏面側等、電位の変動要因から遮蔽するために導体を設けることでシールドされる。電極は、その導体にクランプすることで、シールド電位に接続することができる。それにより、グランド電位に接続する場合と同様に、電極の静電容量に貯えられた電荷が放出される。また、他方の電極の静電容量を検出する際のシールド電極の役割を果たす。
また、第1〜第3の実施形態に係るタッチセンサ1において、電極2a,3b、電極2a,3b(k=1〜N)、又は電極2a,2a及び3b,3bの間に1つ以上の別の電極を設けてもよい。例えば、絶縁パネル2,3の間に別の絶縁パネルを設け、その絶縁パネルの表面に1つ以上の別の電極を設けてもよい。
本発明のタッチセンサは、電極を取り囲む環境が変化しても、誤動作することなく操作体の近接を検出するのに好適である。
1…タッチセンサ、1a…本体部、2,3…絶縁パネル、2a,2a1〜N,2a,2a,3b,3b1〜N,3b,3b…電極、4…カバー、4a…操作面、20…検出部、21…切換器、22(22a)…容量検出器(相互容量検出器)、23,23a…信号処理器、100,200,220,300…検出手順。

Claims (12)

  1. 操作体の近接を検出するタッチセンサであって、
    操作体が近接する第1電極と、
    前記操作体から隔てられた第2電極と、
    前記第1及び第2電極の静電容量を検出し、前記第2電極の静電容量の検出結果が正常な場合に前記第1電極の静電容量の検出結果より前記操作体の近接を検出する検出部と、
    を備えるタッチセンサ。
  2. 前記第2電極は、前記第1電極と同じ形状及び同じ大きさを有することを特徴とする、請求項1に記載のタッチセンサ。
  3. 前記第1電極は、基板の表面に形成され、
    前記第2電極は、前記基板の裏面の前記第1電極と同じ位置に形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のタッチセンサ。
  4. 前記第1電極は、基板上に形成され、
    前記第2電極は、前記基板と平行に配される別の基板上の前記平行な方向に関して前記第1電極と同じ位置に形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のタッチセンサ。
  5. 前記第2電極は、前記操作体から前記第1電極を挟んで隔てられ、
    前記検出部は、前記第1及び第2電極の一方の静電容量を検出する際に、他方を固定電位に接続することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のタッチセンサ。
  6. 前記検出部は、前記第2電極の静電容量を検出し、該検出結果が正常な場合に前記第1電極の静電容量の検出し、該検出結果より前記操作体の近接を検出することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のタッチセンサ。
  7. 前記第1電極を複数備え、
    前記第2電極を前記複数の第1電極のそれぞれに対応して複数備え、
    前記検出部は、前記複数の第1及び第2電極の静電容量を検出し、前記複数の第2電極のうちの少なくとも1つの第2電極の静電容量の検出結果が正常な場合に前記複数の第1電極のうちの対応する第1電極の静電容量の検出結果より前記操作体の近接を検出することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のタッチセンサ。
  8. 前記複数の第2電極は、前記操作体から前記複数の第1電極を挟んで隔てられ、
    前記検出部は、前記複数の第1及び第2電極のうちの1つ電極の静電容量を検出する際に、前記複数の第1及び第2電極のうちの少なくとも前記1つの電極に対応する電極を固定電位に接続することを特徴とする、請求項7に記載のタッチセンサ。
  9. 前記検出部は、前記複数の第2電極の静電容量の検出結果が正常な場合に前記複数の第1電極の静電容量の検出結果より前記操作体の近接を検出することを特徴とする、請求項7又は8に記載のタッチセンサ。
  10. 前記第1電極を少なくとも2つ備え、
    前記第2電極を前記2つの第1電極のそれぞれに対応して少なくとも2つ備え、
    前記検出部は、前記2つの第1電極の間の静電容量及び前記2つの第2電極の間の静電容量を検出し、前記2つの第2電極の間の静電容量の検出結果が正常な場合に前記2つの第1電極の間の静電容量の検出結果より前記操作体の近接を検出することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のタッチセンサ。
  11. 前記2つの第2電極は、前記操作体から前記2つの第1電極を挟んで隔てられ、
    前記検出部は、前記各2つの第1及び第2電極のうちの一方の2つの電極の間の静電容量を検出する際に、他方の2つの電極を固定電位に接続することを特徴とする、請求項10に記載のタッチセンサ。
  12. 前記検出部は、さらに、前記2つの第1電極のうちの一方の第1電極及び該第1電極に対応する前記2つの第2電極のうちの一方の第2電極の静電容量を検出し、前記第2電極の静電容量の検出結果が正常な場合に前記第1電極の静電容量の検出結果より前記操作体の近接を検出することを特徴とする、請求項10又は11に記載のタッチセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018037155A (ja) * 2016-08-29 2018-03-08 アルプス電気株式会社 配線接続構造及び静電容量式入力装置
JP2018173715A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 株式会社デンソーウェーブ 情報読取装置

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