JP2016076467A - 有機el表示装置の製造方法及びそれに用いる成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板に形成される薄膜の厚さの差を低減できる成膜装置、及び有機層を覆う封止膜における厚さの差が少ない有機EL表示装置の製造方法の提供。【解決手段】発光層を含む有機層を基板に形成する第1工程と、前記有機層を覆う封止膜を前記有機層が形成された前記基板に形成する第2工程とを含む、有機EL表示装置の製造方法において、前記封止膜を形成するための成膜装置は、前記封止膜の材料である材料ガスが供給される成膜室と、前記基板を設置するための基板設置領域を有しているステージと、前記基板設置領域の周囲に形成され、前記材料ガスを排出するための排気路と、前記基板設置領域の周囲に配置され、互いに別個に動かすことができる、前記排気路に向かう前記材料ガスの流れを調整するための複数の調整部材と、を有している有機EL表示装置の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL表示装置の製造方法及びそれに用いる成膜装置に関する。特に封止膜を備える有機EL表示装置の製造方法及びそれに用いる成膜装置に関する。
有機EL表示装置や液晶表示装置などの表示装置の製造過程では、下記特許文献1乃至3に開示されるように、基板が載せられるステージを有し、ステージを取り囲むように排気路が形成されている成膜装置が利用されている。薄膜の材料である材料ガスは、ステージの上方に設置されている供給口から成膜室に供給される。供給口から供給された材料ガスは基板の表面をその外周部に向かって流れた後に、排気路から排出される。
特開2001−110794号公報 特開2013−067844号公報 特開平9−260230号公報
材料ガスの密度や流速が基板上の位置によって相違し、そのことが原因で薄膜の厚さに差が生じる場合がある。例えば、基板の角に近い位置と、基板の角から遠い位置との間で膜厚に差が生じる場合があった。このような膜厚の差は、材料ガスと基板の表面との反応を利用して基板に薄膜を形成する成膜工程において、生じ易い。
本発明の目的は、基板に形成される薄膜の厚さの差を低減できる成膜装置、及び有機層を覆う封止膜における厚さの差が少ない有機EL表示装置の製造方法を提供することにある。
また、本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって明らかにする。
本発明の有機EL表示装置の製造方法の一態様は、発光層を含む有機層を基板に形成する第1工程と、前記有機層を覆う封止膜を前記有機層が形成された前記基板に形成する第2工程とを含む、有機EL表示装置の製造方法において、前記封止膜を形成するための成膜装置は、前記封止膜の材料である材料ガスが供給される成膜室と、前記基板を設置するための基板設置領域を有しているステージと、前記基板設置領域の周囲に形成され、前記材料ガスを排出するための排気路と、前記基板設置領域の周囲に配置され、互いに別個に動かすことができる、前記排気路に向かう前記材料ガスの流れを調整するための複数の調整部材と、を有していることを特徴とする。
また、本発明の成膜装置の一態様は、基板が配置され、前記基板に形成される膜の材料である材料ガスが供給される成膜室と、前記基板を載せるための基板設置領域を有しているステージと、前記基板設置領域の周囲に形成されている、前記材料ガスを排出するための排気路と、前記基板設置領域の周囲に配置され、互いに別個に動かすことができる、前記排気路に向かう前記材料ガスの流れを調整するための複数の調整部材と、を有していることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法において使用される成膜装置の、基板が置かれるステージ及びその近傍を示す平面図である。 図1の切断線II‐IIにおける断面を示す図である。 図1の破線IIIによって囲まれた領域を拡大して示す図である。 本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法において使用される他の成膜装置の、基板が置かれるステージ及びその近傍を示す平面図である。 図4の切断線V‐Vにおける断面を示す図である。 本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法にて製造された、有機EL表示装置の一例を示す斜視図である。 図6の切断線VII‐VIIにおける断面を示す図である。 本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法のフロー図である。 図8における有機EL表示装置の製造プロセスを示すサブフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法について説明する。
[成膜装置の態様]
はじめに、本実施形態の有機EL表示装置の製造方法において用いられる成膜装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法において使用される成膜装置の、基板が置かれるステージ及びその近傍を示す平面図である。図2は、図1の切断線II‐IIにおける断面を示す図である。図3は、図1の破線IIIによって囲まれた領域を拡大して示す図である。
成膜装置100は、基板110が配置され、前記基板110に形成される膜の材料である材料ガスが供給される成膜室と、前記基板110を載せるための基板設置領域を有しているステージ120と、前記基板設置領域の周囲に形成されている、前記材料ガスを排出するための排気路130と、前記基板設置領域の周囲に配置され、互いに別個に動かすことができる、前記排気路130に向かう前記材料ガスの流れを調整するための複数の調整部材140と、を有している。
ここで、成膜装置100によってその表面に膜が形成される基板110は、ガラス、樹脂等で形成された板状のものの他、樹脂等で形成されたフィルム等を含むものである。基板であることとしてもよい。
成膜装置100を用いて成膜するにあたり、基板110は図1、図2に示されるよう、ステージ120の基板設置領域内に配置され、気密が保たれた状態で成膜室150に備えられる。そして、基板110に形成される膜の材料である材料ガスが、材料供給口160より供給される。
なお、成膜装置100の成膜室150が気密に保たれた状態とは、1〜3000Pa程度の低真空度の状態を示すものである。すなわち、本成膜装置100において供給される材料ガスは粘性流を有するものであり、蒸着等の成膜に用いられる分子流を有する材料ガスとは異なるものである。
ここで、本実施形態の有機EL表示装置の製造方法において用いられる成膜装置100は、表面反応によって基板110の表面に膜を形成する装置である。
表面反応とは、材料ガスが気相中において実質的に反応せず、基板の表面に到達した状態で反応が開始されるものである。このような反応の例としては、ダングリボンド(ダングリングボンド(結合に関与しない電子(不対電子)で占められた結合手)ともいう)等の状態により、成膜される基板表面で起こる反応が挙げられる。
より具体的に、例えば、材料ガスとして気化したアクリルモノマー(あるいはアクリルモノマーと溶剤の混合物であるアクリルモノマーワニス)の表面反応について説明すると、気化したアクリルモノマーが材料ガスとして供給された場合、基板の表面上にアクリル樹脂が付着及び/又は凝集した後、例えば紫外線等が照射されることによって重合反応が基板の表面上で行われることとなる。
なお、上述の表面反応は、エネルギ(例えば熱、プラズマ・レーザ照射)を与えることで容器内に供給された材料ガスを気相中で化学反応(例えば分解等)させ、該化学反応後の材料ガスを基板の表面に堆積させる、いわゆる気相反応とは異なるものである。
以下、気化したアクリル樹脂と不活性ガスであるキャリアガスとを混合したものが、材料ガスとして用いられるものとして説明することとする。なお、キャリアガスとして用いられる不活性ガスとしては、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス等が挙げられるがこれらに限られるものではない。
成膜装置100の材料供給口160より、材料ガスとして供給されたアクリルモノマーは、図2に示される拡散部170を通ることにより、成膜室150全体に拡散し、基板110の表面上に成膜される。このとき、材料ガスが成膜室150に滞留している時間が長いほど、あるいは材料ガスが基板110の表面と接している時間が長いほど、成膜される膜の厚さは大きくなることとなる。
拡散部170は、図2に示されるように、材料ガスが流れる複数の供給路170bを有する、拡散プレート170であることとしてもよい。また、図2に示されるように複数の供給路170bのそれぞれは、所定間隔をあけて離間して備えられることとしてもよい。
また、拡散部170は、材料供給口160と基板110が配置されるステージ120との間に配置されることとしてもよい。また、拡散部170は、ステージ120に対向して備えられることとしてもよい。
通常、本成膜装置100における成膜は、所定の流量(Flow Rate)に保たれた材料ガスを、成膜室150内に流通させて行われる。図2中の矢印は、材料ガスの流通を模式的に示すものである。材料供給口160から供給された材料ガスの流通が基板110の表面において均一に行われることは、均一な厚さの膜を形成する上で重要である。
したがって、材料供給口160から供給された材料ガスの流通が偏りなく行われるために、排気路130は基板設置領域の外縁を取り囲むように備えられることが好ましい。また、排気路130は基板設置領域の外縁を取り囲んでいる複数の空孔130bによって実現されることとしてもよい。
また、図1に示されるように、基板設置領域が矩形である場合、排気路130は矩形である基板設置領域の4辺を取り囲むように備えられることとしてもよい。あるいは、基板設置領域が矩形である場合、排気路130は矩形である基板設置領域の対向する2辺に沿ってのみ備えられることとしてもよい。
また、排気路130の延伸方向は特に限定されない。図2に示されるようにステージ120をその厚さ方向に貫通していてもよいし、成膜室150を規定する壁を水平方向に貫通していてもよい。
また、本成膜装置100には、材料ガスの流通が基板110の表面において均一に行われるために、互いに別個に動かすことができ、排気路130に向かう材料ガスの流れを調整するための複数の調整部材140が備えられている。複数の調整部材140は、それぞれ独立して手動で動かすことができることとしてもよいし、あるいはアクチュエータ等を用いて互いに別個に動かすことができることとしてもよい。
また、調整部材140の一つを動かすと、その動きに連動して他の調整部材140が所定の動きをするようにすることとしてもよい。例えば図1に示されるステージ120のコーナー周辺に備えられた調整部材140は、互いに連動して動くこととしてもよい。
先に述べたように、成膜装置100にて均一な厚さの膜を形成するためには、材料ガスの流通が基板110の表面において均一に行われることが重要である。したがって、図2に示されるように、複数の調整部材140はステージ120と拡散部170(図2における拡散プレート170)との間に配置されていることとしてもよい。
ところで、ステージ120上に置かれる基板の形状・サイズは、他種多様である。例えば基板が図1に示されるような矩形の基板である場合、基板のコーナー部分(図1におけるC1〜C4部分)は、基板の他の部分と比較して材料ガスの流量が相対的に低くなりがちである。
このような場合は、基板110のコーナー部分の近傍に備えられた調整部材140を動かすことによって、基板110のコーナー部分に材料ガスが選択的に集まるように流路を調整する。例えば、基板設置領域が矩形である場合、調整部材140は矩形である基板設置領域の4辺を取り囲むように備えられることとしてもよい。あるいは、基板設置領域が矩形である場合、調整部材140は矩形である基板設置領域の対向する2辺に沿ってのみ備えられることとしてもよい。
また、複数の調整部材140の数は特に限定されないが、例えば2以上であることとしてもよい。また、成膜装置100は、基板設置領域が矩形である場合、該基板設置領域の4つのコーナーそれぞれと隣り合う位置に配置される少なくとも4つの調整部材140を有することとしてもよい。
また、図2には、複数の調節部材140がステージの平面視において排気路130と重なるように配置される例が示されているが、複数の調節部材140は排気路130よりも内側に配置されてもよい。すなわち、複数の調節部材140は、平面視において排気路130と基板110(あるいは基板設置領域の外縁)との間に配置されることとしてもよい。
また、調整部材140は、図1、図2に示されるように、プレート状であることとしてもよい。そして、プレート状の調整部材140の厚さは、平面視における排気路130の溝の幅よりも小さいこととしてもよい。すなわち、複数の調整部材140のそれぞれが、いずれかの位置に動かされた場合であっても、排気路130の全てを塞ぐことがないように備えられていることとしてもよい。
ここで、調整部材140の具体的な動作について説明する。複数の調節部材140のそれぞれは排気路130に対する相対的な位置と排気路130に対する相対的な角度のうち少なくとも一方を変えることができることとしてもよい。
調整部材140の具体的な動作について図3を参照してより具体的に説明すると、図3において実線で示される調整部材140aが矢印C方向に水平移動し、一点破線で示される位置に移動する様子、すなわち、排気路130に対する相対的な位置を変える様子が示されている。
このように、複数の調節部材140のそれぞれの位置は排気路130に沿った方向に動かすことができることとしてもよい。
また、図3において実線で示される調整部材140aが矢印A、B方向に回転移動し、一点破線で示される位置に移動する様子、すなわち、基板設置領域を平面視したときの排気路130に対する相対的な角度を変える様子が示されている。
[成膜装置の他の態様]
次に、本実施形態の有機EL表示装置の製造方法において用いられる成膜装置の他の態様について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法において使用される他の成膜装置の、基板が置かれるステージ及びその近傍を示す平面図である。また、図5は、図4の切断線V‐Vにおける断面を示す図である。
図4、5にて示される成膜装置200と図1、2にて示される成膜装置100とは、調整部材の形状と成膜装置において備えられる該調整部材の位置とが相違するものである。以下、図4、5にて示される成膜装置200の調整部材240について詳細に説明する。
なお、図4、5にて示される成膜装置200の調整部材240の、形状と位置とは、それぞれ同時に成膜装置に適用されることとしてもよいし、調整部材の形状、及び成膜装置において備えられる調整部材の位置のいずれか一方が、成膜装置に適用されることとしてもよい。
すなわち、図4、5にて示される成膜装置200の調整部材の形状のみ、あるいは図4、5にて示される成膜装置200において備えられる調整部材の位置のみを、上述した図1、2にて示される成膜装置に適用することとしてもよい。
図4に示される成膜装置200の複数の調整部材240は、形状の異なる複数種の調整部材で構成されるものである。本態様の成膜装置200には、平面板状の調整部材240aと、湾曲した表面を有する調整部材240bとが混在して備えられている。
また、図4に示されるように、基板110のコーナー部分の近傍に備えられた調整部材240bは、他の場所に備えられた調整部材240aと形状が異なることとしてもよい。
また、図5に示されるように、本態様の成膜装置200に備えられる調整部材240a、240bのそれぞれは、端部が拡散部170(図5における拡散プレート170)と接して備えられている。また、本態様の成膜装置200に備えられる調整部材240のそれぞれは、端部がステージ120と離間して備えられている。
このため、本態様の成膜装置200の調整部材240は、いずれかの位置に移動したとしても、排気路130の全てあるいは一部を塞ぐことがないように備えられていることとなる。
[本製造方法によって製造される有機EL表示装置]
次に、本製造方法によって製造される有機EL表示装置について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法にて製造された、有機EL表示装置一例を示す斜視図である。図7は、図6の切断線VII‐VIIにおける断面を示す図である。
図6に示すように、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法にて製造された有機EL表示装置500は、例えば、回路基板510を有する。回路基板510には、画像を表示するための素子を駆動するための集積回路チップ512が搭載されているものである。回路基板510には、外部との電気的接続のために、フレキシブル配線基板514が接続されている。図7に示すように、回路基板510は、ガラスなどからなる第1基板516及び回路層518からなる。回路層518は、配線や、図示しない薄膜トランジスタを構成するための電極及び絶縁膜などを含む。
図7に示すように、回路基板510には素子層520が設けられている。素子層520は、有機層である有機エレクトロルミネッセンス膜522を含む。有機エレクトロルミネッセンス膜522は、少なくとも発光層を含み、さらに、電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層及び正孔注入層のうち少なくとも一層を含むこととしてもよい。有機エレクトロルミネッセンス膜522を構成する少なくとも一層は有機材料からなる。図7に示す有機エレクトロルミネッセンス膜522が含む発光層は、一色(例えば白色)の光のみを発するように構成されているが、複数色の光を発するように構成してもよい。
素子層520は、陽極524及び陰極526を含む。陽極524及び陰極526は、それぞれ、回路層518に電気的に接続される。図7の例では、回路層518の上に複数の陽極524が形成されている。複数の陽極524は、複数の画素に対応して設けられる。そして、複数の陽極524の上に連続的に有機エレクトロルミネッセンス膜522が設けられている。また、有機エレクトロルミネッセンス膜522の上に連続的に陰極526が設けられている。
したがって、素子層520は、有機エレクトロルミネッセンス膜522を挟む陽極524及び陰極526を含む。陽極524及び陰極526に電圧をかけることにより各々から正孔と電子を有機エレクトロルミネッセンス膜522に注入し、注入された正孔と電子が発光層で結合して光を発する。
それぞれの陽極524の端部に載るように、樹脂などからなる絶縁体528が設けられている。絶縁体528が、陽極524の端部と有機エレクトロルミネッセンス膜522の間に介在することで、陽極524と陰極526のショートを防止している。絶縁体528は、画素を区画するようにバンクの形状になって盛り上がっている。これにより、素子層520は、回路基板510とは反対側の上面(陰極526の表面)に凹凸形状を有するようになる。
素子層520は、封止膜530によって封止されている。封止膜530は、第1無機封止膜532を含むこととしてもよい。第1無機封止膜532は、素子層520の上面を覆うように回路基板510に設けられている。第1無機封止膜532は、素子層520の上面の凹凸形状に対応して、複数の凸部534を表面に有する。第1無機封止膜532の表面は、凸部534の周囲の領域から凸部534に変わっていく反曲領域536を有する。詳しくは、第1無機封止膜532の表面は、隣同士の間隔をあけて複数の反曲領域536を有する。
封止膜530は、有機封止膜544を含む。有機封止膜544は、反曲領域536にその一部を有することとしてもよい。有機封止膜544は、隣同士の反曲領域536の間にある領域を避けて設けられている。有機封止膜544は、第1無機封止膜532の凸部534の上端部を避けて設けられている。
封止膜530は、有機封止膜544の上に配置された第2無機封止膜546を含むこととしてもよい。第2無機封止膜546は、第1無機封止膜532の表面を覆う。第1無機封止膜532及び第2無機封止膜546の間に有機封止膜544がある。封止膜530は、第1無機封止膜532及び第2無機封止膜546の間に有機封止膜544を有するのでバリア性能に優れている。
そして、図7に示される、第1無機封止膜532の表面に配置された有機封止膜544は、上述の成膜装置100(あるいは成膜装置200)によって形成された膜である。
図7に示すように、第1無機封止膜532の表面及び有機封止膜544を覆うように、第2無機封止膜546を形成する。
また、対向基板548は、回路基板510と間隔をあけて対向するように配置されている。対向基板548は、カラーフィルタ基板であって、第2基板550と、第2基板550の回路基板510側に設けられたブラックマトリクス552及び着色層554を含むこととしてもよい。また、変形例として、有機エレクトロルミネッセンス膜522が、異なる色(例えば、赤、緑及び青)を発する複数の発光層を含む場合、着色層554は不要である。
また、図7に示すように、封止膜530の上には充填剤558が設けられており、封止膜530と対向基板548との間のスペースを埋めるようになっていることとしてもよい。
[有機EL表示装置の製造方法]
本実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法は、発光層を含む有機層を基板に形成する第1工程と、前記有機層を覆う封止膜を前記有機層が形成された前記成膜対象物に形成する第2工程とを含む。
そして、封止膜を形成するための成膜装置は上記説明した成膜装置(成膜装置100,200)が用いられ、前記封止膜の材料である材料ガスが供給される成膜室と、前記基板を設置するための基板設置領域を有しているステージと、前記基板設置領域の周囲に形成され、前記材料ガスを排出するための排気路と、前記基板設置領域の周囲に配置され、互いに別個に動かすことができる、前記排気路に向かう前記材料ガスの流れを調整するための複数の調整部材とを有している。
また、封止膜は、有機材料によって形成される有機封止膜と、無機材料によって形成される無機封止膜とを含み、上記説明した成膜装置によって有機封止膜を形成し、無機封止膜を他の成膜装置によって形成することとしてもよい。
本実施形態の有機EL表示装置の製造方法において、有機封止膜が表面反応を利用して成膜されるのに対し、無機封止膜は表面反応とは異なる気相反応、例えばCVD法を利用して成膜される。
なお、無機封止膜を形成する、上記説明した成膜装置とは異なる他の成膜装置は、上述の調整部材を備えない成膜装置であることとしてもよい。
図8は、本実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法のフローチャートである。図8に示すように、本実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法は、有機EL表示装置製造工程S20の前に、製造される有機EL表示装置に備えられる封止膜の膜厚を調整する工程である調整工程S10を有することとしてもよい。
また、調整工程S10は、成膜装置の前記基板設置領域に、所定の試験部材を設置し、上記説明した成膜装置を利用して前記試験部材に前記封止膜を形成する工程と、前記試験部材に形成された前記封止膜の厚さを複数の位置で測定し、その測定結果に基づいて前記成膜装置の前記複数の調整部材の位置及び/又は数を決定する工程と、を含むこととしてもよい。
また、調整工程S10における上述の複数の調整部材の位置及び/又は数を決定する工程は、封止膜の厚さが均一なものとなるように、複数の調整部材の位置及び/又は数を決定することとしてもよい。
そして、調整工程S10において決定された複数の調整部材の位置及び/又は数の条件下で、上述の第2工程を行うこととなる。
すなわち、調整工程S10は、有機EL表示装置製造工程S20において、上述の第2工程の前であれば、どのようなタイミングで行われてもよい。例えば、有機EL表示装置製造工程における上述の第1工程と第2工程との間に行われてもよい。
また、試験部材は、例えば基板と同一のものであることとしてもよい。すなわち、後に説明するOLED形成工程によって得られた仕掛品(material in process)や、封止膜形成工程のうちの第1無機封止膜形成工程によって得られた仕掛品を、試験部材として用いることとしてもよい。
次に、有機EL表示装置の製造工程S20について具体的に説明する。なお、以下の説明においては、本製造方法にて図6、図7にて示される有機EL表示装置500が製造されることとして説明することとする。
図9は、図8における有機EL表示装置の製造プロセスを示すサブフローチャートである。本実施形態に係る有機EL表示装置の製造においては、はじめに回路基板(図7における510)を形成する(回路基板形成工程S21)。
回路基板は、ガラス等からなる基板上に、配線、薄膜トランジスタ等が形成された回路層が形成されたものである。回路基板形成工程は、既知の方法にて行うこととしてもよい。
また、回路基板形成工程S21の後、基板表面の凹凸の程度に応じて、該凹凸を平坦化するための平坦化膜を形成する工程(平坦化膜形成工程S22)を備えることとしてもよい。なお、図6、図7には、平坦化膜が省略された有機EL表示装置500が示されている。
次に、回路基板上(あるいは平坦化膜上)に電極(陽極)を形成した後、発光層を含む有機層を形成する(OLED形成工程S23)。OLED形成工程S23は、既知の方法にて行うこととしてもよい。
図6、図7にて示される有機EL表示装置500は、封止膜が有機材料によって形成される有機封止膜544と、無機材料によって形成される二つの無機封止膜532、546とを含むものである。この場合、封止膜形成工程S24においては、はじめに第1無機封止膜形成工程S24aを行い、次に有機封止膜形成工程S24bを行い、最後に第2無機封止膜形成工程S24cを行う。
第1無機封止膜532、及び第2無機封止膜546は、SiNからなり、例えば、プラズマCVD(Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition:PECVD)法によって成膜することができる。SiNの成膜は、SiH、NH、Nからなる混合ガス中にてプラズマを発生させて行う。SiNの膜厚は、500nm程度とすることができる。成膜処理において、回路基板60の温度は極力上げないことが好適であり、例えば100℃以下で成膜を行う。
あるいは、第1無機封止膜532、及び第2無機封止膜546は、スパッタリング、蒸着、昇華、CVD、電子サイクロトロン共鳴−プラズマ増強化学蒸着(Electron Cyclotron Resonance Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition:ECR−PECVD)法及びこれらの組合せなどの従来方式の真空プロセスを含む任意の適切なプロセスによって成膜することができる。
また、有機封止膜形成工程S24bは、上述の成膜装置(成膜装置100、200)を用いて行われる。ここでは、材料ガスとしてアクリルモノマーが供給されたこととして説明する。
上述の成膜装置によって供給される材料ガスは、表面形状が凹状に変化する領域に材料ガスが付着しやすい特性を有する。この特性から、材料ガスは、反曲領域536に付着しやすくなる。相対的に、材料ガスは、反曲領域536に隣接する隣接領域64に付着しにくくなる。その結果、有機封止膜544は、隣接領域64を避けて反曲領域536に設けられる。また、反曲領域536から離れている離間領域66にも有機封止膜544は形成される。
材料ガスは、反曲領域536に隣接する隣接領域64に付着しにくくなるのと同じ原理で、隣同士の反曲領域536の間にある領域にも付着しにくくなる。その結果、有機封止膜544は、隣同士の反曲領域536の間にある領域も避けるように形成される。さらに、有機封止膜544は、第1無機封止膜532の凸部534の上端部を避けて形成される。これは、材料ガスが、表面形状が凸状に変化する領域に付着しにくい特性による。
こうして、有機EL表示装置500には、第1無機封止膜532、有機封止膜544及び第2無機封止膜546を含む封止膜530が形成される。封止膜530は、第1無機封止膜532及び第2無機封止膜546の間に有機封止膜544を有するのでバリア性能に優れている。
この有機封止膜544は回路基板510の中央付近の反曲領域536に形成されたものの分量と、回路基板の角部付近の反曲領域536に形成されたものの分量とはあまり差がないようになる。それは上述した成膜装置100または成膜装置200を用いるので、有機封止膜544に関して、回路基板510の平面的な位置による分布の差が小さくなるからである。よって回路基板510の中央付近の画素からの出射光と、角部付近の画素からの出射光が均一となり、表示性能の均一性が上がる。これは有機封止膜544と第1および第2無機封止膜との間では材料の違いから屈折率が異なり、このことで有機封止膜544の分布が回路基板510内でばらつくと画素間の出射光がばらつき、表示性能の不均一性があがるからである。
封止膜形成工程S24後、次いで対向基板形成工程S25を行う。対向基板形成工程S25は、既知の方法にて行うこととしてもよい。
基板に形成される薄膜の厚さの差を低減できる成膜装置を用い、上記製造方法によって有機EL表示装置は、有機層を覆う封止膜における厚さの差が少ない有機EL表示装置である。
100,200 成膜装置、110 基板、120 ステージ、130 排気路、140,240 調整部材、150 成膜室、160 材料供給口、170 拡散部、170b 供給路170、500 有機EL表示装置、510 回路基板、512 集積回路チップ、514 フレキシブル配線基板、516 第1基板、518 回路層、520 素子層、522 有機エレクトロルミネッセンス膜、524 陽極、526 陰極、528 絶縁体、530 封止膜、532 第1無機封止膜、534 凸部、536 反曲領域、544 有機封止膜、546 第2無機封止膜、548 対向基板、522 ブラックマトリクス、554 着色層、558 充填材。

Claims (9)

  1. 発光層を含む有機層を基板に形成する第1工程と、前記有機層を覆う封止膜を前記有機層が形成された前記基板に形成する第2工程とを含む、有機EL表示装置の製造方法において、
    前記封止膜を形成するための成膜装置は、前記封止膜の材料である材料ガスが供給される成膜室と、前記基板を設置するための基板設置領域を有しているステージと、前記基板設置領域の周囲に形成され、前記材料ガスを排出するための排気路と、前記基板設置領域の周囲に配置され、互いに別個に動かすことができる、前記排気路に向かう前記材料ガスの流れを調整するための複数の調整部材と、を有している、
    ことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の有機EL表示装置の製造方法において、
    前記封止膜は、有機材料によって形成される有機封止膜と、無機材料によって形成される無機封止膜とを含み、
    前記成膜装置によって前記有機封止膜を形成し、
    前記無機封止膜を他の成膜装置によって形成する、
    ことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  3. 請求項1に記載の有機EL表示装置の製造方法において、
    前記封止膜の膜厚を調整する調整工程を更に含み、
    前記調整工程は、前記成膜装置の前記基板設置領域に、所定の試験部材を設置し、前記成膜装置を利用して前記試験部材に前記封止膜を形成する工程と、
    前記試験部材に形成された前記封止膜の厚さを複数の位置で測定し、その測定結果に基づいて前記成膜装置の前記複数の調整部材の位置及び/又は数を決定する工程と、を含み、
    前記調整工程において決定された前記複数の調整部材の位置及び/又は数の条件下で、前記第2工程を行う、
    ことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  4. 基板が配置され、前記基板に形成される膜の材料である材料ガスが供給される成膜室と、
    前記基板を載せるための基板設置領域を有しているステージと、
    前記基板設置領域の周囲に形成されている、前記材料ガスを排出するための排気路と、
    前記基板設置領域の周囲に配置され、互いに別個に動かすことができる、前記排気路に向かう前記材料ガスの流れを調整するための複数の調整部材と、を有している、
    ことを特徴とする成膜装置。
  5. 請求項4に記載の成膜装置において、
    前記ステージに対向し、前記基板に向けて前記材料ガスが流れる複数の供給路を有している拡散部を有し、
    前記複数の調整部材は前記ステージと前記拡散部との間に配置されている、
    ことを特徴とする成膜装置。
  6. 請求項4又は5に記載の成膜装置において、
    前記複数の調節部材のそれぞれは前記排気路に対する相対的な位置と前記排気路に対する相対的な角度のうち少なくとも一方を変えることができる、
    ことを特徴とする成膜装置。
  7. 請求項6に記載の成膜装置において、
    前記複数の調節部材のそれぞれは前記基板設置領域を平面視したときの前記排気路に対する相対的な角度を変えることができる、
    ことを特徴とする成膜装置。
  8. 請求項6又は7に記載の成膜装置において、
    前記複数の調節部材のそれぞれの位置は前記排気路に沿った方向に動かすことができる、
    ことを特徴とする成膜装置。
  9. 請求項4乃至8いずれか一項に記載の成膜装置において、
    前記調整部材は、形状の異なる複数種の調整部材で構成されるものである、
    ことを特徴とする成膜装置。
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