JP2016076339A - 導電粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】平滑な電極を接続するための異方性導電接着剤に用いたときであっても、十分な導電性を得ることが可能な導電粒子を提供する。【解決手段】対峙する電極間に配置され、前記電極間の電気的接続を達成する導電粒子であって、前記導電粒子が、非導電性無機粒子と、前記非導電性無機粒子を覆う金属層とを備え、前記金属層が突起部を有しており、前記非導電性無機粒子が、前記金属層及び前記電極の最も厚い層を構成する材料よりも硬い導電粒子。前記非導電性無機粒子において、90質量%以上がSiO2である前記の導電粒子。【選択図】図1

Description

本発明は、異方性導電接着剤に好適に用いられる導電粒子に関する。
液晶やOLED(Organic Light-Emitting Diode)表示用ガラスパネルに駆動用ICを実装する方式は、COG(Chip−on−Glass)実装とCOF(Chip−on−Flex)実装の2種類に大別することができる。COG実装では、導電粒子を含む異方性導電接着剤を用いて駆動用ICを直接ガラスパネル上に接合する。一方、COF実装では、金属配線を有するフレキシブルテープに駆動用ICを接合し、導電粒子を含む異方性導電接着剤を用いてそれらをガラスパネルに接合する。ここでいう異方性とは、加圧方向には導通し、非加圧方向では絶縁性を保つという意味である。
これまでは、ガラスパネル上の配線はITO(Indium Tin Oxide)配線が主流であったが、生産性や平滑性を改善する目的でIZO(Indium Zinc Oxide)に置き換わりつつある。
さらに、近年、ガラスパネル上にCuやAlなどの金属層やTi層などを複数積層した電極やさらに表面にITOやIZOを形成した複合多層電極などが開発されている。IZO電極のような平滑性が高い電極では、通常の導電粒子では導電性の確保が困難になる傾向がある。また、CuやAl、Moなど酸化・腐食されやすい金属層の表面にTiやCrなどの層が形成されていた場合、TiやCrの表面が大気により酸化され、酸化層が形成されてしまい、これまでの導電粒子では、実装時にこの酸化層を突き破ることが出来ず、接続抵抗の低抵抗化に支障が生じていた。
ところで、ICに形成されたAu電極は、狭小化が進んでおり、隣接電極間の絶縁性を確実に確保することが求められている。異方性導電接着剤に使用される導電粒子としては、これまでにNi粒子などの金属粒子や、その表面に金層などを設けて導電性を高めた粒子が使用されてきた(例えば特許文献1〜2参照)。
Ni粒子は硬さがあることから、電極への食い込みが良く接触面積を稼ぐことができたが、比重が重いことから、異方性導電接着剤中での単分散性が低く、たとえばフィルム状に塗工する場合、乾燥工程の間にフィルムの下層方向に沈降し面方向での単分散性が低い課題があった。また、Ni粒子はその製造技術の限界から粒度分布が広いため、狭ピッチ電極ではショートが発生しやすい課題があった。
そこで、これらを解決する方法として、粒度分布が狭い樹脂性粒子の表面に金属導電層を設けた導電粒子が開発されてきた(例えば特許文献3〜4参照)。
金属粒子より比重が軽く、粒度分布が狭いため、狭ピッチ電極でもショート発生を抑制できる利点がある。さらに、表面に突起部を有する導電粒子が開発され、導電性の改善がなされてきた(例えば特許文献5〜10参照)。
特開平9−31419号公報 特許第4188278号 特許第4278374号 特許第4188278号 特許第5184612号 特許第3083535号 特許第4243279号 特許第4860163号 特許第4718926号 特許第4640531号
導電層の突起部分が導電層と電極の間に介在する樹脂の排除性を高め、また電極への接触面積を稼ぐことで抵抗を改善するとされている。
近年は、低コスト化や適用分野の拡大にともない、電極材料や構成が複雑・多様化しており、導電粒子の導電性の更なる改善も必要となっている。発明者が誠意検討した結果、これまでに開発された導電粒子では、導電層と電極間の樹脂が十分に排除されず、導電層が電極に十分めり込まないために、接続抵抗が十分向上しない場合があることがわかった。
そこで、本発明の目的は、平滑な電極を接続するための異方性導電接着剤に用いたときであっても、十分な導電性を得ることが可能な導電粒子を提供することである。
本発明は、対峙する電極間に配置され、前記電極間の電気的接続を達成する導電粒子であって、前記導電粒子が、非導電性無機粒子と、前記非導電性無機粒子を覆う金属層とを備え、前記金属層が突起部を有しており、前記非導電性無機粒子が、前記金属層及び前記電極の最も厚い層を構成する材料よりも硬い導電粒子に関する。
金属層は突起部を有しており、非導電性無機粒子は、金属層および電極の最も厚い層を構成する材料よりも硬い。
本発明に係る導電粒子は、上記特定の構成を備えたことにより、平滑な電極を接続するための異方性導電接着剤に用いられたときであっても、十分な導電性を得ることが可能となった。
また、本発明に係る導電粒子は、上記特定の特徴を備えたことにより、圧着により対峙する電極間を電気的に接続したときに、突起部分が電極に十分に押し込まれることにより、安定した導電性を得られる。
また、本発明に係る前記の導電粒子は、導電粒子を構成する前記非導電性無機粒子において、90質量%以上がSiOである。
SiOの比重は、2.2とNiの8.9と比べて1/4と軽く、フィルム中で高い分散性を維持することができ、隣接する電極間のショート不良を抑制することができる。
本発明に係る導電粒子は、上記特定の特徴を備えたことにより、圧着により対峙する電極間を電気的に接続したときに、突起部分が電極に十分に押し込まれることにより、安定した導電性を得られる。
また、本発明に係る前記の導電粒子は、金属層中に導電性芯材を有し、前記非導電性無機粒子は前記導電性芯材よりも硬い。導電性芯材を有することにより、金属層全体の導電性を損なうことなく、確実に突起部を形成できる。また、非導電性無機粒子は導電性芯材より硬いため、圧着により対峙する電極間を電気的に接続したときに、突起部分が電極に十分に押し込まれることにより、安定した導電性を得られる。
また、本発明に係る前記の導電粒子は、前記導電性芯材が、ニッケルを90質量%以上含んでいる。
また、本発明に係る前記の導電粒子は、金属層に、ニッケル、銅、錫、パラジウム及び金のいずれかを含む。これより、対峙する電極間の電気的接続を確実に低抵抗化できる。
これら、金属層は、無電解めっきで形成することから、安価で粒子間の厚みばらつきが少ないめっき層を形成することが出来る。すなわち、対峙する電極間を安定して接続できる。
また、本発明は、前記の導電粒子を含有してなる異方性導電接着剤に関する。本発明に係る異方性導電接着剤は、硬質で平滑な電極を接続するために有効である。
本発明によれば、硬質で平滑な電極を接続するための異方性導電接着剤に用いられたときであっても、十分な導電性を得ることが可能な導電粒子が提供される。
導電粒子の一実施形態を示す断面図である。 接続構造体の一実施形態を示す断面図である。 導電粒子の一実施形態を示す断面図である。 突起部の高さを示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、導電粒子の一実施形態を示す断面図である。図1に示される導電粒子1は、粒子状の非導電性無機粒子2と非導電性無機粒子2の表面を覆う金属層6と、を備える。
導電粒子1の粒径は接続される回路部材の電極の間隔の最小値よりも小さいことが必要である。また、接続される電極の高さばらつきがある場合、導電粒子1の粒径は高さばらつきよりも大きいことが好ましい。導電粒子1の粒径は1〜15μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。
具体的には、SEM(電子顕微鏡)を用いた観察で測定される。非導電性無機粒子2は、真球状に近いほど、各粒子と電極との接触バラツキが少なく、安定した接続抵抗が得られて好ましい。
非導電性無機粒子2を形成する材料は、金属層6および電極を構成する最も厚い層の構成材料よりも硬い。具体的には、非導電性無機粒子を形成する材料は、シリカ(二酸化ケイ素、モース硬度6〜7)、酸化チタン(モース硬度5.5〜6.5)、ジルコニア(モース硬度8〜9)、アルミナ(モース硬度9)及びダイヤモンド(モース硬度10)から選ばれることが好ましい。モース硬度の値は共立出版株式会社化学大辞典(1962)を参照した。非導電性無機粒子を形成する材料のモース硬度は、金属層を形成する金属のモース硬度よりも大きいことが好ましく、具体的には5以上が好ましい。非導電性無機粒子2はその表面に水酸基(−OH)を有することが望ましい。非導電性無機粒子を形成する材料のモース硬度と金属層を形成する金属のモース硬度の差は1.0以上であることが好ましい。金属層が複層の場合は、それらを構成する全ての金属よりも、非導電性無機粒子が硬いほうが優れた効果が発揮される。
非導電性無機粒子2としては、沈殿法やゾル−ゲル法などで作られたシリカ粒子が使用できる。代表的な方法としては、Stober法などが挙げられる。
また、粒子径のバラツキが小さい方が、対峙する電極に挟まれたとき、導電粒子と電極の接触にバラツキが少なく、安定した接続抵抗が得られて好ましい。具体的には、変動係数C.V.が、15%以下であることが好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましく、3%以下が特に好ましい。
非導電性無機粒子2は、非導電性の無機材料で構成されていることが好ましい。導電粒子1を作製するプロセスで、非導電性無機粒子2が破壊して、異物となった場合でも、非導電性材料であれば隣接する電極間の絶縁性を保つことが出来るため好ましい。
無機材料としては、シリカ(SiO)、ジルコニア、チタン、又はこれらの酸化物、炭化複合体が好適に用いられる。使用できる無機材料としては、アルミナ(Al)、酸化チタンTiOなどが挙げられる。非導電性無機粒子2に使用できるシリカ(SiO)粒子としては、具体的には、ハイプレシカ(宇部日東化成株式会社製、「ハイプレシカ」は登録商標)やファインスフィア(日本電気硝子株式会社製、「ファインスフィア」は登録商標)、SWシリーズ(日揮触媒化成株式会社製)などが好適に用いられる。
また、非導電性無機粒子2の材料としては、90質量%以上がシリカ(SiO)であることが、モース硬度の維持及びコストの点から好ましい。さらには、95質量%以上がシリカ(SiO)であることがより好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。
導電層や電極の腐食による接続抵抗の低下、絶縁信頼性の悪化を防ぐため、非導電性無機粒子2は、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンの溶出が少ない方が好ましい。具体的には、粒子0.5gと50gの超純水をフッ素密閉容器に入れ100℃で12h加熱抽出したのち、固液分離した抽出液を液体クロマトグラフィーで分析して得られた各種イオン量が、いずれも100ppm以下であることが好ましい。また、狭ピッチ電極の絶縁性を高めるためには、50ppm以下であることがより好ましく、25ppm以下であることがさらに好ましく、10ppm以下であることが特に好ましい。
非導電性無機粒子2のモース硬度は5以上であることが好ましい。モース硬度が6以上であると導電層を電極に確実に押し込むことができてより好ましい。
金属層6を形成する方法としては、無電解めっきの他、置換めっき、電気めっき、スパッタ等の方法がある。簡便性やコストの観点から無電解めっきが好ましい。
無電解めっきを行う場合、被めっき体である非導電性無機粒子の表面に、めっき触媒を付与する工程を有する。めっき触媒付与は、従来公知の方法で行えばよく、特に限定しない。例えば、2−アミノピリジンが配位したパラジウムイオン溶液に、非導電性無機粒子を浸漬し、次亜燐酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、ホルマリン等を加えてパラジウムイオンを金属に還元する方法がある。
また、酸性シーダを用いた触媒化処理方法としては、例えば、以下の方法がある。樹脂粒子を塩化第一錫溶液に分散させ、錫イオンを樹脂粒子表面に吸着させる感受性化処理を行なった後、水洗する。次に、塩化パラジウムを含んだ溶液に分散させ、パラジウムイオンを樹脂粒子表面に補足させる活性化処理を行った後、水洗する。さらに、次亜リン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、ホルマリン等の還元剤を含んだ溶液中に分散させて還元処理を行い、樹脂粒子表面に吸着したパラジウムイオンを金属のパラジウムに還元する。
これらのパラジウム触媒化処理方法では、パラジウムイオンを表面に吸着させた後に、水洗し、さらに還元剤を含んだ溶液に分散させることで、表面に吸着したパラジウムイオンを還元することで、原子レベルの大きさのパラジウム析出核を形成する。続いて、公知の方法で無電解ニッケルめっきを行う。無電解ニッケルめっきを行う方法としては、次亜燐酸ナトリウムを還元剤として構成される無電解ニッケルめっき液を所定の方法に従って建浴、加温しためっき浴によって、触媒付与され粒子を処理する方法がある。
金属層6としては、電気抵抗の低さやめっきの容易さの観点から、ニッケル、銅、パラジウム、金、錫又はこれらの組み合わせ、およびニッケル、銅、パラジウム、金を主成分とする合金から形成されることが好ましい。ニッケル、銅、パラジウム、錫及び金のモース硬度は、それぞれ3.8、3.0、4.5、1.5及び2.5である。
また、イオンマイグレーション防止の観点からは、ニッケル、パラジウム、金又はこれらの組み合わせから形成されることが好ましい。これらの組み合わせを採用する場合、めっきの作業性を鑑みて、ニッケルめっきを行った後にパラジウム又は金の置換めっきを行うのが好ましい。
また、金属層6は、第一の層および第二の層の複数の層を有していてもよい。第一の層としては、ニッケルおよびニッケル合金が利用できる。具体的には、ニッケル−リン、ニッケル-ホウ素、ニッケル−ホウ素−リン、ニッケル-タングステン、ニッケル-リン-タングステン、ニッケル-リン-ホウ素−タングステン、ニッケル-ホウ素−タングステンなどが挙げられる。第一の層としては、銅を含む層を用いることが可能で、97質量%以上の銅からなる層でもよいが、粒子同士の凝集を抑えてピンホールの発生を抑制できる点から、ニッケルの含有率と銅の含有率の合計が97質量%以上のニッケルと銅を含む層であることが好ましい。ニッケルと銅を含む第一の層は、非導電性無機粒子2の表面から遠ざかるにしたがってニッケルに対する銅の元素比率が高くなる部分を有する。この部分はニッケルと銅を含む第一の層の厚さ方向の一部であって非導電性無機粒子2のほぼ全体もしくは全体をカバーするように設けられた層であってもよい。
具体的には、非導電性無機粒子2に近い順に、97質量%以上のニッケルを含有する第一の部分と、ニッケル及び銅を主成分とする合金を含有する第二の部分と、銅を主成分とする第三の部分とが積層された構造からなることが好ましい。
第一の部分は、97質量%以上のニッケルを含有する。第一の部分のニッケルの含有率は、98.5質量%以上であることがより好ましく、99.5質量%以上であることがさらに好ましい。ニッケルが97質量%以上であることで、非導電性無機粒子とニッケルと銅を含む第一の層との接着性を良好に保つことで、導電粒子1を圧着接続する場合に、ニッケルと銅を含む第一の層と非導電性無機粒子の剥がれを抑制することができる。このニッケルの含有率の上限は100質量%である。
第三の部分の外側には、83質量%から99.5質量%のニッケルを含有する第四の部分を有していてもよい。第四の部分を有することで、第三の部分を形成する銅の酸化や溶出、変形を防ぐことが出来る。第四の部分を形成するニッケルとしては、前述第一の層で具体的に示したニッケル及びニッケル合金が利用できる。第一の層として、第一の部分、第二の部分、第三の部分、第四の部分を有することで、安定した導電性を有する導電粒子を提供できる。
第一の層の外側に第二の層を設けることも出来る。第二の層としては第一の層を形成するニッケルや銅の酸化や溶出を抑える効果があるパラジウムや金属層の導電性をより高め、低抵抗化が可能な金が利用できる。第二の層として第一の層の表面にパラジウム、パラジウムの表面に金を有する複数の層を有することも可能である。パラジウムと金を有する第二の層を形成することで、第一の層の酸化と溶出を抑えると同時に低抵抗化が可能とすることが出来て好ましい。
金属層6の厚みは10〜300nmであることが好ましい。膜厚が10nm未満であると、めっき膜が電極の表面凹凸形状に追従できずに導電性が低下する傾向がある。膜厚が300nmを超えると、導電層表面の突起(凹凸形状)が滑らかになり、電極表面の接着剤の排除性が悪化する可能性がある。
以上のようにして表面に20〜5000nmの突起を有する金属層を有する導電粒子を作製することが出来る。
図1に示すように、本実施形態の導電粒子1は、金属層6に突起部4を有している。導電粒子1を対峙する電極間に介在させ、対峙する電極間方向に圧着接続した場合、突起部4は電極にめり込み、金属層6と電極の接触面積を大きくし、安定した接続抵抗を維持できる。また、電極表面の酸化層を突起部4が突き破ることで、より安定した接続抵抗を維持できる。
絶縁性を向上させるためには、第一の層の表面に金めっきまたはパラジウムめっきを施すとよい。金めっき又はパラジウムめっきの厚みは10〜50nmの範囲であることが好ましい。
以上のようにして作製した表面に突起部4を有する導電粒子1は突起が存在するので、電極ピッチが狭い場合、ショート不良が発生することがある。そのため、絶縁性微粒子7を吸着させて金属層6表面を部分的に被覆することが望ましい。この絶縁性微粒子7は無機や樹脂などの材質からなる電気絶縁性を有する材料が好ましい。絶縁性微粒子7の吸着は、高分子電解質層を介した交互積層法を採用して行うとよい。具体的には、無機粒子としてシリカ(SiO)粒子であることが好ましい。絶縁性微粒子7は、金属層6に存在する突起の高さよりも大きいと絶縁性が高まり、より好ましい。
図2は、接続構造体の一実施形態を示す断面図である。図2に示す接続構造体は、ドライバーIC901及びドライバーIC901上に設けられたバンプ電極902を有する第一の回路部材90と、ガラス基板911及びガラス基板911上に設けられた電極912を有する第二の回路部材91とが異方性導電接着剤8を介して接続されたものである。なお、電極912は、電極913、914、915からなる。
異方性導電接着剤8は、フィルム状の絶縁性接着剤81と、絶縁性接着剤81内に分散した上述の導電粒子1と、を含有する。
絶縁性接着剤81は、熱硬化性樹脂及びその硬化剤を含有する。絶縁性接着剤81は、熱硬化性樹脂としてのラジカル反応性樹脂及び硬化剤としての有機過酸化物を含有していてもよいし、紫外線などのエネルギー線硬化性樹脂であってもよい。
絶縁性接着剤81を構成する熱硬化性樹脂は、好ましくはエポキシ樹脂であり、これとその潜在性硬化剤が好適に組み合わせられる。潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素-アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、エピクロルヒドリンとビスフェノールAやF、AD等から誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとフェノールノボラックやクレゾールノボラックから誘導されるエポキシノボラック樹脂やナフタレン環を含んだ骨格を有するナフタレン系エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエーテル、ビフェニル、脂環式等の1分子内に2個以上のグリシジル基を有する各種のエポキシ化合物等を単独にあるいは2種以上を混合して用いることが可能である。
これらのエポキシ樹脂は、不純物イオン(Na、Cl等)や、加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることがエレクトロマイグレーション防止のために好ましい。
絶縁性接着剤81は、接着後の応力を低減するため、あるいは接着性を向上するために、ブタジエンゴム、アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴム等のゴムを含有してもよい。
絶縁性接着剤81をフィルム状にするために、絶縁性接着剤81にフェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂をフィルム形成性高分子として配合することが効果的である。これらの熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂の硬化時の応力緩和の効果も有する。特に、接着性を向上させるために、フィルム形成性高分子が水酸基等の官能基を有することが好ましい。
フィルム状の異方性導電接着剤8は、例えば、絶縁性接着剤と、導電粒子と、これらを溶解又は分散する有機溶剤とを含有する液状組成物を剥離性基材に塗布する工程と、塗布された液状組成物から硬化剤の活性温度以下の温度で有機溶剤を除去する工程とを含む方法により得ることができる。このとき用いられる有機溶剤は、芳香族炭化水素系と含酸素系の混合溶剤が材料の溶解性を向上させるため好ましい。
フィルム状の異方性導電接着剤の接続前の厚みは、導電粒子1の粒径及び異方性導電接着剤8の特性を考慮して適宜決定されるが、好ましくは1〜100μmである。厚みが1μm未満であると接着性が低下する傾向があり、100μmを超えると導電性を得るために多量の導電粒子を必要とする傾向がある。同様の観点から、異方性導電接着剤の厚みはより好ましくは3〜50μmである。
異方性導電接着剤はフィルム状である必要は必ずしもなく、例えばペースト状であってもよい。
図2の接続構造体において、導電粒子1の各電極との接触部分では絶縁性微粒子が剥離するか電極に埋め込まれて、対向する電極同士(矢印Aの方向)は導通する。一方、同一基板上で隣り合う電極間(矢印Bの方向)は絶縁性微粒子が介在することで絶縁性が維持される。なお、図2では絶縁性微粒子は略されている。
電極を構成する材料は、ITO、IZOなどの無機酸化物や、金、銅、ニッケル、Ti、Cr、Mo、Nd、Al、Sn、などが用いられる。モース硬度は、Ti(4.0)、Cr(9.0)、Mo(5.5)、Nd(6.0)、Al(3.0)、Sn(1.5)である。電極は、前述の材料が単一で構成されていてもよく、複数の材料が積層されていてもよい。
図2は、接続構造体の導電粒子1と電極902又は電極912が接触している部分の模式図である。金属層6が電極にめり込み、金属層6と電極902又は電極912との接触面積を大きくし、安定した接続抵抗を維持できる。導電粒子1を構成する非導電無機粒子2は、これらの電極の最も厚い層を構成する材料よりも硬いことが好ましい。具体的には、図2の非導電無機粒子2は電極902よりも硬く、電極914よりも硬い。
すなわち、非導電無機粒子2は、対峙する2つの電極の各々の電極の最も厚い層を構成する材料よりも硬いことを意味する。図2の場合、電極902を構成する最も厚い層は電極902であり、電極912を構成する最も厚い層は電極914である。
電極は、製造プロセスの安定性やコストの面から、様々な層構成で作製されているが、ドライバIC側は、金の単層が多く、また、パネル側はガラスやプラスチックフィルムの表面に導電性を発現させる導電層、この導電層を覆う最外層を備える場合が多い。なおパネル側のガラスとプラスチックフィルムと導電層の間に接着性を発現させる層を備える場合もある。このような構成では、最外層は導電層の酸化を防ぐ目的や平滑性を保つ目的であるため、最外層は導電層よりも薄い場合が多い。
すなわち、最も厚い層を構成する材質の硬度が、電極の実質的な硬さとして代替することもできる。よって、非導電無機粒子は、これらの電極を構成する最も厚い材料の硬度よりも硬い。電極の総厚みは、電極の透明性、導電性を確保するために0.05〜2.0μmが好ましく、0.1〜1.5μmがより好ましく、0.2〜1.0μmが特に好ましい。
液晶用(LCD)用ガラスパネル上の電極の構成としては、表層側から、ITO、IZO、ITO/導電層、ITO/Ti/導電層、ITO/Ti/導電層/Ti、ITO/Cr/導電層、ITO/Cr/導電層/Cr等がある。また、FPC上の電極の構成としては、表層側から、ITO、IZO、ITO/Cu、IZO/Cu、ITO/Sn/Cu、IZO/Sn/Cu等がある。具体的には、表面側からITO/Ti/Al(0.05μm/0.02μm/0.15μm)、IZO/Cu(0.05μm/0.23μm)、IZO/Sn/Cu(0.04μm/0.08μm/0.16μm)等がある。
OLEDの場合は、透明電極材料であるITOやIZOが使用されない場合があり、総じて液晶(LCD)用の電極より総厚みが厚い傾向がある。例えば、表層側から、Ti/Al/Ti、Cr/Al/Cr、IZO/Mo/Al/Mo、Ti/導電層、Mo-Nd/Al-Nd/Mo-Nd、Al-Nd/導電層、Ni-Mo/Mo-Nd/Al/Mo-Nd、ITO/導電層等がある。具体的には、Ti/Al/Ti(0.09μm/0.5μm/0.09μm)、Ti/Cu(0.16μm/0.5μm)等がある。
電極の厚みは、用途や求める特性に応じて選ぶことが出来る。透明性を求めるためには、マイクロメートルオーダーの厚みが好ましい。いずれの電極も、CuやAl、Moなどの導電層が、ITO、Tiなどよりも厚い傾向がある。半導体(駆動用IC)チップ上に設けられた電極の材料としては、銅、金、ニッケル、銀、これらの合金、またはこれらを積層した多層構造があげられる。
図3は、導電粒子の一実施形態を示す断面図である。導電性芯材3は、金属層6とその全て又はその一部が接触している。導電性芯材3が存在することにより、突起部4が形成される。
導電性芯材3の形状は、矩形、多角形、球状、これらの凝集体など、特に限定されないが、絶縁性の観点から、最長辺と最短辺の3.0倍を超えないことが好ましい。非導電性無機粒子2の表面に対して垂直方向に最長辺が配置された場合、導電性芯材3によって形成される導電層の突起部分の高さばらつきが大きくなり、隣接電極間の絶縁性を悪化させる懸念がある。
突起高さバラツキを低く制御できると上記のような絶縁性を高める効果のほかに、突起部分が電極に対してバラツキなく、確実に押し込まれるため、安定した接続抵抗を得られる特徴がある。非導電性無機粒子2は導電性芯材3よりも硬いことが好ましい。
従って、導電性芯材3は、ニッケルを90質量%以上含むことが好ましく、95質量%以上含むことがより好ましく、99質量%以上含むことがさらに好ましい。
導電性芯材3を用いる理由は、高密度な突起部4を形成するためであり、安定した接続抵抗が得られる。また、導電性芯材3は金属層6中に大量に存在しても、金属層6全体の導電性を低下させないため、より安定した接続抵抗が得られる。
導電性芯材3の粒子径は、20〜5000nmであることが好ましく、50〜2000nmであることがより好ましい。これら粒子径はSEMやTEM(透過電子顕微鏡)、BET法(ガス吸着法)による比表面積換算法又はX線小角散乱法により測定される。導電性芯材3の粒子径が小さいと導電性向上効果が小さくなる傾向がある。導電性芯材3の粒子径が大きいと絶縁性が低下して、狭ピッチ回路間の接続には不利になる傾向がある。
具体的には、SEMを用いた観察において任意に選んだ100個の導電性芯材3の長辺と短辺をそれぞれ測長して平均値を算出した値を長辺c、短辺dとした場合、c/d<6が好ましく、c/d<5がより好ましく、c/d<4がさらに好ましく、c/d<3が特に好ましい。導電性芯材3は、真球状に近いほど、金属層の突起の高さにバラツキが少なく、突起部分が電極と安定して接触できるため、安定した接続抵抗が得られて好ましい。
導電性芯材3の粒子径の変動係数(C.V.)は10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。導電性芯材3は真球状であることが好ましい。導電粒子にした後も同様の方法で測定が可能であり、画像解析により測定される突起の大きさの変動係数は10%以下が好ましく、5%以下が更に好ましい。
発明者が鋭意検討した結果、対峙する電極間の安定した接続抵抗と、隣接する電極間の絶縁性を両立するためには、非導電無機粒子2と導電性芯材3の比率に制限があることを見出した。導電性芯材3は金属層の突起部分を形成させる芯材となり、対峙する電極間に配置された場合、金属層を電極にめり込ませ、電極と金属層間の樹脂を排除する役目があるため、導電性芯材3は非導電性無機粒子2よりも小さいことが求められる。すなわち金属層の突起部分は数が多いほど、電極と金属層を電気的に安定して接続することが出来る。
非導電性無機粒子2の長辺の平均値aと、導電性芯材3の長辺の平均値cは、a≧50cが好ましく、a≧25cがより好ましく、a≧10cがさらに好ましく、a≧5cが特に好ましい。
一方で、金属層と電極層の樹脂を十分に排除し、電極に突起をめり込ませた時に接続面積を稼ぐ必要があるため、導電性芯材3は、小さ過ぎると突起が小さく、突起高さが低くなるため、適切な大きさが必要である。具体的には、a≧100cが好ましく、a≧80cがより好ましく、a≧50cがさらに好ましく、a≧30cが特に好ましい。
非導電性無機粒子2及び導電性芯材3の表面には、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、アミノ基、グリシジル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる官能基が存在することが望ましい。これら官能基が存在することにより、非導電性無機粒子2と導電性芯材3を強固に固定することができる。例えば、非導電性無機粒子または、非導電性無機芯材をシランカップリング剤処理で、各種官能基を導入することができる。
非導電性無機粒子2と導電性芯材3との間に設けられた高分子電解質層を更に備えていてもよい。この場合、高分子電解質層を介した化学結合により非導電性無機粒子2の表面に導電性芯材3が配置される。例えば、非導電性無機粒子2、高分子電解質層及び導電性芯材3がそれぞれ官能基を有しており、高分子電解質層の官能基が、非導電性無機粒子及び非導電性無機粒子それぞれの官能基と化学結合していてもよい。化学結合には、共有結合、水素結合、イオン結合等が含まれる。
水酸基を有する非導電性無機粒子2と導電性芯材3の表面電位(ゼータ電位)はpHが中性領域であるとき、通常マイナスである。水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、グリシジル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる官能基を表面に有する粒子の表面電位も通常マイナスである。一方、表面電位がマイナスの粒子の表面を表面電位がマイナスの粒子で十分に被覆することは難しい場合が多いが、これらの間に高分子電解質層を設けることにより、効率的に非導電性無機粒子2の表面に導電性芯材3を配置させることができる。
高分子電解質層を形成する高分子電解質としては、水溶液中で電離し、荷電を有する官能基を主鎖または側鎖に持つ高分子を用いることができ、ポリカチオンが好ましい。ポリカチオンとしては、一般に、ポリアミン等のように正荷電を帯びることのできる官能基を有するもの、たとえば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジン、ポリアクリルアミドおよびそれらを少なくとも1種以上を含む共重合体を用いることができる。高分子電解質の中でもポリエチレンイミンは電荷密度が高く、結合力が強い。
高分子電解質層は、エレクトロマイグレーションや腐食を避けるために、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)イオン、及びアルカリ土類金属(Ca、Sr、Ba、Ra)イオン、ハロゲン化物イオン(フッ素イオン、クロライドイオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)を実質的に含まないことが好ましい。
上記高分子電解質は、水溶性及び水と有機溶媒との混合液に可溶である。高分子電解質の分子量は、用いる高分子電解質の種類により一概には定めることができないが、一般に、500〜200000程度が好ましい。
高分子電解質の種類や分子量を調整することにより、非導電性無機粒子2又は導電性芯材3に高分子電解質が吸着して、高分子電解質層を形成させることができる。高分子電解質層が設けられていることにより、主に静電的な引力によって吸着される。吸着が進行して電荷が中和されるとそれ以上の吸着が起こらなくなる。したがって、ある飽和点までに至れば、それ以上膜厚が増加することは実質的にない。
高分子電解質層が形成された非導電性無機粒子2又は導電性芯材3を高分子電解質溶液から取り出した後、リンスにより余剰の高分子電解質を除去することが好ましい。リンスは、例えば、水、アルコール、又はアセトンを用いて行われる。比抵抗値が18MΩ・cm以上のイオン交換水(いわゆる超純水)が好ましく用いられる。非導電性無機粒子2又は導電性芯材3に吸着した高分子電解質は、表面に化学結合により静電的に吸着しているために、このリンスの工程で剥離することはない。
上記高分子電解質溶液は、高分子電解質を水、水溶性の有機溶媒又は水と水溶性の有機溶媒との混合溶媒に溶解したものである。使用できる水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミド及びアセトニトリルが挙げられる。
上記高分子電解質溶液における高分子電解質の濃度は、一般に、0.01〜10質量%程度が好ましい。また、高分子電解質溶液のpHは、特に限定されない。高分子電解質を高濃度で用いた場合、導電性芯材3による非導電性無機粒子2の被覆率が高くなる傾向があり、高分子電解質を低濃度で用いた場合、導電性芯材3による非導電性無機粒子2の被覆率が低くなる傾向がある。
シリカ(SiO)粒子のような非導電性無機粒子は、粒子径をそろえると真球状になる傾向がある。真球状の非導電性無機粒子2と真球状の導電性芯材3の結合は、理論上点接触になる。点接触の場合結合力が不足するため、めっき中に導電性芯材3が剥離する可能性がある。言い換えると、導電性芯材3による被覆率のばらつき(C.V.)が例えば40%以上程度まで大きくなることがある。
高分子電解質を用いた交互積層により非導電性無機粒子を被覆する場合、導電性芯材3を高分子電解質が巻きつけることになるので、結合力は飛躍的に向上する。結合力の観点からは分子量1万以上の高分子電解質を用いるのが好ましい。結合力は分子量と共に向上するが、分子量が高すぎると粒子同士が凝集してしまいやすくなる傾向がある。導電性芯材3は一層のみ被覆されているのがよい。複層積層すると積層量のコントロールが困難になる。
導電性芯材3による非導電性無機粒子2の被覆率は10〜80%であることが好ましく、25〜60%であることがより好ましい。この場合の被覆率は粒子100枚のSEM写真の中心部を画像解析することで算出できる。80%は略最密充填した場合である。
導電性芯材3の吸着後、公知の方法により金属層6を形成することにより、表面に突起部4を有する金属層6を有する導電粒子1を作製することができる。
このようにして得られた導電粒子1の突起部4の被覆率は、10〜80%の範囲であることが好ましく、25〜60%の範囲であるのが更に好ましい。
金属層6は、単層であってもよく、複数の層から構成される積層構造を有していてもよい。積層構造の場合、耐食性や導電性の観点から、金属層6は、内側に設けられたニッケルめっきと、その外側に最外層として積層された金めっき層又はパラジウムめっき層とを有することが好ましい。
無電解めっきを行うに際し、導電性芯材3が非導電性無機粒子2に吸着した粒子を水に超音波で分散させる。導電性芯材3が非導電性無機粒子2に強固に結合しているため、超音波処理によって導電性芯材3が脱落することが少なく、有利である。共振周波数28〜38kHz、超音波出力100Wで15分間超音波照射したときの導電性芯材3の脱落率が10%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。
金属層6の表面に絶縁性微粒子7を備えると複数の導電粒子1が近接しても、絶縁性微粒子7により導電粒子1同士の絶縁性が保たれ好ましい。従って、絶縁性微粒子7は導電性芯材3の粒子径よりも大きいことが好ましい。絶縁性微粒子7の粒子径が導電性芯材3よりも小さいとショート不良が発生しやすくなる傾向がある。また、絶縁性微粒子7は金属層6に存在する突起の高さよりも大きいと絶縁性が高まりより好ましい。
突起部4の高さは金属層6の最外層を持って評価する。突起部4の高さは、導電粒子1の中心付近を通るようにウルトラミクロトーム法で導電粒子1の断面を切り出し、TEM装置を用いて25万倍の倍率で観察し、得られた画像に基づき求めた。10個の突起部4の高さを求め、それらの平均値を平均高さとした。
図4は、突起部4の高さを求める方法について説明するための図である。図4に示すように、突起部4の高さhは、突起の両側の谷と谷を結んだ直線から垂直方向における突起部4の頂点までの距離として計測した。
突起部4の平均高さは、非導電性無機粒子(コア粒子)2の直径の0.003倍以上0.3倍以下であると好ましく、0.004倍以上0.2倍以下であることがより好ましく、0.005倍以上0.1倍以下であることが最も好ましい。突起部4の平均高さが上記範囲であると、異方性導電接着剤に配合される導電粒子1として用いられたときに低い導通抵抗と高い絶縁信頼性とを両立することができる導電粒子1が得られやすくなる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(導電粒子の作製)
[前処理工程]
非導電性無機粒子として、シリカ粒子であるファインスフィア SK-30(商品名、日本電気硝子株式会社製)平均粒径3.0μmを4g準備した。この粒子の成分はSiOが99.9質量%以上であった。
分子量70000の30質量%ポリエチレンイミン水溶液(和光純薬工業株式会社製)を、超純水で0.3質量%まで希釈した。この0.3質量%ポリエチレンイミン水溶液300mLに上記非導電性無機粒子4gを加え、室温(25℃、以下同様)で15分攪拌した。直径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により非導電性無機粒子を取り出し、取り出された非導電性無機粒子を超純水300gに入れて室温で5分攪拌した。次いで直径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により非導電性無機粒子を取り出し、メンブレンフィルタ上の非導電性無機粒子を200gの超純水で2回洗浄し、吸着していないポリエチレンイミンを除去して、ポリエチレンイミンが吸着した非導電性無機粒子を得た。
[触媒処理工程]
上記非導電性無機粒子4gが分散した水溶液に、共振周波数28kHz、出力100Wの超音波を15分間照射した後、パラジウム触媒であるアトテックネオガント834(アトテックジャパン株式会社製:商品名、「ネオガント」は登録商標)を8質量%含有するパラジウム触媒化液100mLに添加して、超音波を照射しながら30℃で30分攪拌した。その後、直径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により非導電性無機粒子を取出し、取り出された非導電性無機粒子を水洗した。水洗後の非導電性無機粒子を、pH6.0に調整された0.5質量%ジメチルアミンボラン液に添加し、表面が活性化された非導電性無機粒子を得た。
[金属層の形成]
4.5g/Lの硫酸ニッケルと5.6g/Lの次亜燐酸ナトリウムと20g/L酒石酸ナトリウムを溶解した水溶液1Lを60℃に加温した後、上記非導電性無機粒子を投入し無電解めっきa工程を開始した。20分間攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認した。
その後、さらに224g/Lの硫酸ニッケル水溶液および220g/Lの次亜燐酸ナトリウムと75g/Lの水酸化ナトリウムの混合水溶液それぞれ300mLを3.5mL/分の添加速度で定量ポンプを通してそれぞれ添加し、無電解めっきB工程を開始した。めっき液の全量を添加後、水素の発泡が停止するまで60℃の温度を保持しながら攪拌を継続した。その後、めっき液を加えた分散液を濾過し、濾過物を水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥した。このようにして、表1に示す100nmの膜厚のニッケル−リン合金被膜からなる第一の層を形成した。なお、第一の層を形成することにより得た導電粒子1は6gであった。
得られた導電粒子1は、表面に突起を有していた。
(導電粒子の表面に形成された突起の評価)
得られた導電粒子1について、SEM装置により、3万倍で観察し、SEM画像をもとに、導電粒子表面の突起による被覆率を算出した。また、導電粒子1の直径の1/2の直径を有する同心円内における突起の個数と割合を、SEM装置により3万倍で観察し、SEM画像をもとに算出した。
突起の被覆率は、SEM装置により3万倍で観察し、SEM画像をもとに、導電粒子の直径の1/2の直径を有する同心円内において突起形成部と平坦部を画像解析により区別し、同心円内における突起形成部の割合を算出することで、突起の被覆率とした。
突起の外径は、導電粒子の正投影面において、導電粒子の直径の1/2の直径を有する同心円内に存在する突起について、突起の谷の輪郭の面積を測定し、その面積を円の面積とみなしたときに算出される直径の平均値を算出した。具体的には、SEM装置により、3万倍で導電粒子を観察し、得られるSEM画像をもとに、画像解析により突起の輪郭を割り出し、各突起の面積を算出して、その平均値から突起の外径を求めた。
[絶縁被覆導電粒子の作製]
分子量70000のポリエチレンイミンの30質量%水溶液(和光純薬工業株式会社製)を、超純水で0.3質量%まで希釈した。この0.3質量%ポリエチレンイミン水溶液300mLに上記と同様の方法で得た導電粒子1を200g加え、室温で15分間攪拌した。直径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により導電粒子を取出し、取り出された導電粒子1を超純水200gに入れて室温で5分間攪拌した。更に、直径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により導電粒子を取出し、メンブレンフィルタ上の導電粒子1を200gの超純水で2回洗浄して、吸着していないポリエチレンイミンを除去した。
次いで、絶縁性微粒子として直径150nmのコロイダルシリカ分散液を超純水で希釈して、0.1質量%シリカ粒子分散液を得た。そこに、上記のポリエチレンイミンによる処理済の導電粒子1を200g入れて室温で15分間攪拌した。直径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により導電粒子1を取出し、取り出された導電粒子1を超純水200gに入れて室温で5分間攪拌した。更に、直径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により導電粒子を取出し、メンブレンフィルタ上の導電粒子1を200gの超純水で2回洗浄して、吸着していないシリカ粒子を除去し、シリカ粒子が表面に吸着した絶縁被覆導電粒子1を得た。
得られた絶縁被覆導電粒子1の表面に、分子量3000のシリコーンオリゴマーであるSC6000(日立化成株式会社製、商品名)を付着させて、絶縁被覆導電粒子1の表面を疎水化した。疎水化後の絶縁被覆導電粒子1を80℃で30分間、120℃で1時間の順に、加熱により乾燥して、疎水化された絶縁被覆導電粒子1を得た。SEM画像を画像解析することで絶縁被覆微粒子であるシリカ粒子による導電粒子1の平均被覆率を測定したところ、約32%であった。
[異方性導電接着フィルム及び接続構造体の作製]
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名「PKHC」)100gと、アクリルゴム(ブチルアクリレート40質量部、エチルアクリレート30質量部、アクリロニトリル30質量部、グリシジルメタクリレート3質量部の共重合体、分子量:85万)75gとを、酢酸エチル400gに溶解し、溶液を得た。この溶液に、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(エポキシ当量185、旭化成イーマテリアルズ株式会社製、商品名「ノバキュアHX−3941」、「ノバキュア」は登録商標)300gを加え、撹拌して接着剤溶液を得た。
この接着剤溶液に、上記で得た絶縁被覆粒子1を、接着剤溶液の全量を基準として9体積%となるように分散させ、分散液を得た。得られた分散液を、セパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み40μm)にロールコータを用いて塗布し、90℃で10分間の加熱することにより乾燥して、厚み25μmの異方性導電接着フィルムをセパレータ上に作製した。
次に、作製した異方性導電接着フィルムを用いて、金バンプ(面積:30×90μm、スペース10μm、高さ:15μm、バンブ数362)付きチップ(1.7×1.7mm、厚み:0.5μm)と、Ti-Al-Ti電極が形成されたガラス基板(厚み:0.7mm)との接続を、以下に示すi)〜iii)の手順に従って行い、接続構造体を得た。i)異方性導電接着フィルム(2×19mm)をTi-Al-Ti電極回路付きガラス基板、およびCr-Cu-Cr-IZO電極回路付きガラス基板及びTi-Al-Ti電極回路付きガラス基板、及びAl/Ti/ITO電極回路付きガラス基板に、80℃、0.98MPa(10kgf/cm)で貼り付けた。ii)セパレータを剥離し、チップのバンプとTi-Al-Ti電極回路付きガラス基板の位置合わせを行った。iii)190℃、40gf/バンプ、10秒の条件でチップ上方から加熱及び加圧を行い、本接続を行った。なお、Ti-Al-Ti電極はガラス基板側からTi(70nm)、Al(200nm)、Ti(150nm)、Al-Ti-ITO電極はガラス基板側からAl(150nm)、Ti(20nm)、ITO(50nm)、Cr-Cu-Cr-IZO電極はガラス基板側からCr(50nm)、Cu(200nm)、Cr(50nm)、IZO(20nm)の積層構造となっている。
[接続構造体の評価]
得られた接続構造体の導通抵抗(接続抵抗)試験及び絶縁抵抗試験を以下のように行った。
(導通抵抗試験)
チップ電極(バンプ)/各電極間の導通抵抗に関しては、導通抵抗の初期値と吸湿耐熱試験(温度85℃、湿度85%の条件で100、500、1000時間放置)後の値を、20サンプルについて測定し、それらの平均値を算出した。得られた平均値から下記基準に従って導通抵抗を評価した。結果を表2に示す。なお、吸湿耐熱試験500時間後に、下記A又はBの基準を満たす場合は導通抵抗が良好といえる。
A:導通抵抗の平均値が4Ω未満
B:導通抵抗の平均値が4Ω以上7Ω未満
C:導通抵抗の平均値が7Ω以上12Ω未満
D:導通抵抗の平均値が12Ω以上20Ω未満
E:導通抵抗の平均値が20Ω以上
(絶縁抵抗試験)
チップ電極間の絶縁抵抗に関しては、絶縁抵抗の初期値とマイグレーション試験(温度60℃、相対湿度90%、20V印加の条件で100、500、1000時間放置)後の値を、20サンプルについて測定し、全20サンプル中、絶縁抵抗値が10Ω以上となるサンプルの割合を算出した。得られた割合から下記基準に従って絶縁抵抗を評価した。結果を表2に示す。なお、吸湿耐熱試験500時間後に、下記A又はBの基準を満たした場合は絶縁抵抗が良好といえる。
A:絶縁抵抗値10Ω以上の割合が100%
B:絶縁抵抗値10Ω以上の割合が90%以上100%未満
C:絶縁抵抗値10Ω以上の割合が80%以上90%未満
D:絶縁抵抗値10Ω以上の割合が50%以上80%未満
E:絶縁抵抗値10Ω以上の割合が50%未満
(実施例2)
実施例1の[触媒処理工程](工程a)を実施した非導電性無機粒子4gを用意した。
[金属層の形成]
第1の層の形成
(工程b)
上記で得た非導電性無機粒子分散液を80℃で加温した水1000mLで希釈し、めっき安定剤として1g/Lの硝酸ビスマス水溶液を1mL添加し、粒子を2g含んだ分散液に、下記組成の第1の層形成用無電解ニッケルめっき液80mLを、5mL/分の滴下速度で滴下した。滴下終了後、10分間経過した後に、めっき液を加えた分散液を濾過し、濾過物を水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥した。このようにして、表1に示す100nmの膜厚のニッケル−リン合金被膜からなる第1の層を形成した。なお、第1の層を形成することにより得た粒子は6gであった。
(第1の層形成用無電解ニッケルめっき液)
硫酸ニッケル・・・・・・・・・・・・・・・400g/L
次亜リン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・150g/L
クエン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・120g/L
硝酸ビスマス水溶液(1g/L)・・・・・・・1mL/L
(工程c)パラジウムを含む粒子の形成
次に、下記組成の無電解パラジウムめっき液1Lに上記第1の層を形成した粒子4gを浸漬し、該粒子の表面上にパラジウムを含む粒子を形成した。なお、反応時間は10分間、温度は60℃にて処理を行なった。
(無電解パラジウムめっき液)
塩化パラジウム・・・・・・・・・・・・・・・0.07g/L
エチレンジアミン・・・・・・・・・・・・・・0.05g/L
ギ酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・0.2g/L
酒石酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.11g/L
pH・・・・・・・・・・・・7
(工程d)
工程cで得た粒子4.05gを、水洗及び濾過した後、70℃に加温した水1000mLに分散させた。この分散液に、めっき安定剤として1g/Lの硝酸ビスマス水溶液を1mL添加し、次いで、下記組成の第2の層形成用無電解ニッケルめっき液50mLを、5mL/分の滴下速度で滴下した。滴下終了後、10分間経過した後に、めっき液を加えた分散液を濾過し、濾過物を水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥した。このようにして、80nmの膜厚のニッケル−リン合金被膜からなる第2の層を形成した。なお、第2の層を形成することにより得た粒子は6gであった。
(第2の層形成用無電解ニッケルめっき液)
硫酸ニッケル・・・・・・・・・・・・・・・400g/L
次亜リン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・150g/L
酒石酸ナトリウム・2水和物・・・・・・・・120g/L
硝酸ビスマス水溶液(1g/L)・・・・・・・1mL/L
以上の工程a〜dによって導電粒子2を得た。
得られた導電粒子2を用いて、実施例1と同様の手順で絶縁被覆導電粒子2を得た。得られた絶縁被覆導電粒子2を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例3)
実施例1の[触媒処理工程]を実施した非導電性無機粒子4gを用意した。
[芯材付与工程]
導電性芯材として、平均粒子径100nmのニッケル粒子を超純水で希釈して、ニッケル粒子分散液を得た。そこにポリエチレンイミンが吸着した上記非導電性無機粒子を入れ、室温で15分攪拌した。その後直径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により非導電性無機粒子を取り出した。ニッケル粒子が吸着した非導電性無機粒子を超純水200gに入れて室温で5分攪拌した。その後、直径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により非導電性無機粒子を取り出し、メンブレンフィルタ上の非導電性無機粒子を200gの超純水で2回洗浄し、表面にニッケル粒子が吸着した非導電性無機粒子を得た。
[金属層の形成]
表面にニッケル粒子が吸着した非導電性無機粒子4.0gを、70℃に加温した水1000mLに分散させた。この分散液に、めっき安定剤として1g/Lの硝酸ビスマス水溶液を1mL添加し、次いで、下記組成の第一の層形成用無電解ニッケルめっき液100mLを、5mL/分の滴下速度で滴下した。滴下終了後、10分間経過した後に、めっき液を加えた分散液を濾過し、濾過物を水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥した。このようにして、表1に示す100nmの膜厚のニッケル−リン合金被膜からなる第一の層を形成した。なお、第一の層を形成することにより得た導電粒子3は6gであった。
(第一の層形成用無電解ニッケルめっき液)
硫酸ニッケル・・・・・・・・・・・・・・・400g/L
次亜リン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・150g/L
酒石酸ナトリウム・2水和物・・・・・・・・120g/L
硝酸ビスマス水溶液(1g/L)・・・・・・・1mL/L
得られた導電粒子3は、表面に突起を有していた。
得られた導電粒子3を用いて、実施例1と同様の手順で絶縁被覆導電粒子3を得た。得られた絶縁被覆導電粒子3を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例4)
150nmのニッケル粒子を用いたこと以外は、実施例3と同様にして表面にニッケル粒子が吸着した非導電性無機粒子の作製、及びこれの表面にニッケル膜を形成させた導電粒子4の作製を行った。さらに、得られた導電粒子4を用いて、絶縁性微粒子として、直径200nmのコロイダルシリカ分散液を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で絶縁被覆導電粒子4を得た。得られた絶縁被覆導電粒子4を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例5)
200nmのニッケル粒子を用いたこと以外は、実施例3と同様にして表面にニッケル粒子が吸着した非導電性無機粒子の作製、及びこれの表面にニッケル膜を形成させた導電粒子5の作製を行った。さらに、得られた導電粒子5を用いて、絶縁性微粒子として、直径200nmのコロイダルシリカ分散液を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で絶縁被覆導電粒子5を得た。得られた絶縁被覆導電粒子5を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(比較例1)
平均粒子径100nmのニッケル粒子を用いなかったこと以外は、実施例3と同様の手順で非導電性無機粒子の表面にニッケル膜を形成させた比較導電粒子1を作製した。さらに、実施例1と同様の手順で比較絶縁被覆導電粒子1を作製し、異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(比較例2)
非導電性無機粒子の代わりに、平均粒子径3.0μmのアクリル粒子を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で、アクリル粒子の表面に突起を有するニッケル膜を形成させた比較導電粒子2の作製をおこなった。さらに、実施例1と同様の手順で比較絶縁被覆導電粒子2を作製し、異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(比較例3)
非導電性無機粒子の代わりに、平均粒子径3.0μmのアクリル粒子を用いたこと以外は実施例4と同様の手順で、表面にニッケル粒子が吸着したアクリル粒子の作製、およびこの表面に突起を有するニッケル膜を形成させた比較導電粒子2の作製をおこなった。さらに、実施例1と同様の手順で比較絶縁被覆導電粒子2を作製し、異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(比較例4)
非導電性無機粒子の代わりに、平均粒子径3.0μmのNi粒子を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で、表面に突起を有するニッケル膜を形成させた比較導電粒子4の作製を行った。さらに、実施例1と同様の手順で比較絶縁被覆導電粒子4を作製し、異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(比較例5)
非導電性無機粒子の代わりに、平均粒子径3.0μmのNi粒子を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で、表面に突起を有するニッケル膜を形成させた比較導電粒子5の作製を行った。さらに、実施例1と同様の手順で比較絶縁被覆導電粒子4を作製し、異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(導電粒子の表面に形成された突起の評価)
得られた導電粒子について、SEM装置により、8千倍、1.5万倍、3万倍で観察し、SEM画像をもとに、導電粒子の直径の1/2の直径を有する同心円内における突起の個数を、算出した。表1に、結果を示した。
(被覆率と被覆ばらつきの評価)
表面にニッケル粒子の芯材が吸着した粒子のSEM画像を100枚準備し、母粒子の中心部分の画像解析によりニッケルナノ粒子による被覆率と被覆ばらつきを測定した。画像解析には、非導電性無機粒子の直径の1/2の円の範囲を用いた。非導電性無機粒子の直径が3.0μmの場合は直径1.5μmの円、5.0μmの場合は直径2.5μmの円、10.0μmの場合は直径5.0μmの円を用いた。被覆ばらつき(C.V.)は被覆率の標準偏差/平均被覆率により算出した。その結果を各導電粒子の構成とともに表1に示す。
(絶縁抵抗試験及び導通抵抗試験)
実施例1と同様に、実施例2〜5及び比較例1〜5で作製したサンプルの絶縁抵抗試験及び導通抵抗(接続抵抗)試験を行った。測定結果を表2に示す。
Figure 2016076339
Figure 2016076339
測定結果を表2に示した。いずれの実施例も、比較例と比較して低い初期導通抵抗(接続抵抗)を達成した。これは、金属層(めっき層)に形成された突起が、圧着時に電極と導電粒子間に介在する樹脂を排除するため、金属層と電極がより安定して接触することができることに起因する。さらに、硬質なシリカ粒子が突起形状を有する金属層(めっき層)をTi-Al-Ti電極、Al-Ti-ITO電極、Cr-Cu-Cr-IZO電極に押し付けることにより、硬質なTi層やCr層に突起が突き刺さることで、導通性が増したためと考えられる。特に、Ti層はその表面が酸化され硬質な酸化膜(TiO:モース硬度6.5)を有しており、安定した接続抵抗を得ることが難しいが、本実施例では硬質なシリカ粒子が表面の突起部分を、Tiの酸化層に押し負けることなく、金属層をめり込ませたと考えられる。電極の構成材料にシリカよりも硬いまたは同等レベルの硬質な材料が使用されていても、本実施例ではシリカよりも柔らかいAl(モース硬度:3.0)、Cu(モース硬度:3.0)が電極の構成材料の内、最も厚い材料であるため、突起が電極にめり込むことができ、安定した接続抵抗を得られた。実施例2は、突起サイズの分布が100nm〜200nmに偏在化しており、突起が電極に均一に押し当てられるため、安定した接続抵抗を得られた。さらに、実施例2は200nm以上の突起が実施例1、3、4、5より少ないため、絶縁性にも優れた。比較例1、5では、突起形状がないため、めっき層と電極間の樹脂排除性が悪く、さらに電極にめっき層が十分に食い込まないために接触面積が少なく、接続抵抗が悪かったためと考えられる。比較例2と3は、軟質なアクリル粒子の表面に突起を形成させているため、電極と導電粒子間の樹脂排除性はあるものの、安定した抵抗は得られにくかった。比較例4、5は、粒度分布が広く(C.V.が悪い)ため、絶縁信頼性が著しく劣っていた。
次に、めっき層の異なる場合について実施例を持って効果を説明する。
(実施例6)
テトラクロロパラジウム9g、エチレンジアミン10g、アミノピリジン5g、次亜リン酸ナトリウム18g、ポリエチレングリコール20gを1Lの超純水に加えためっき液を準備した。このめっき液を用いて、実施例1で作製した導電粒子1に対して、引き続き、pH7.5、液温60℃の条件で厚さが平均20nmとなるまでパラジウムめっき処理を行った。濾過後、100mLの純水を用いて60秒洗浄し、ニッケル膜の外側に形成された厚さ20nmのパラジウムめっき膜を有する導電粒子12を作製した。さらに、得られた導電粒子6を用いて、実施例3と同様の手順で絶縁被覆導電粒子6を得た。得られた絶縁被覆導電粒子6を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例7)
0.03mol/Lのエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、0.04mol/Lのクエン酸三ナトリウム及び0.01mol/Lのシアン化金カリウムを含み、水酸化ナトリウムでpH6に調整されためっき液を準備した。このめっき液を用いて、実施例1で作製した導電粒子1に対して、引き続き、液温60℃の条件で厚さが平均20nmとなるまで金めっき処理を行った。濾過後、100mLの純水を用いて60秒洗浄し、ニッケル膜の外側に形成された厚さ20nmの金膜を有する導電粒子7を作製した。さらに、得られた導電粒子7を用いて、実施例3と同様の手順で絶縁被覆導電粒子7を得た。得られた絶縁被覆導電粒子7を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例8)
0.03mol/Lのエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、0.04mol/Lのクエン酸三ナトリウム及び0.01mol/Lのシアン化金カリウムを含み、水酸化ナトリウムでpH6に調整されためっき液を準備した。このめっき液を用いて、実施例6で作製した導電粒子6に対して、引き続き、液温60℃の条件で厚さが平均20nmとなるまで金めっき処理を行った。濾過後、100mLの純水を用いて60秒洗浄し、パラジウム膜の外側に形成された厚さ20nmの金膜を有する導電粒子8を作製した。さらに、得られた導電粒子8を用いて、実施例3と同様の手順で絶縁被覆導電粒子8を得た。得られた絶縁被覆導電粒子8を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例9)
テトラクロロパラジウム9g、エチレンジアミン10g、アミノピリジン5g、次亜リン酸ナトリウム18g、ポリエチレングリコール20gを1Lの超純水に加えためっき液を準備した。このめっき液を用いて、実施例2で作製した導電粒子2に対して、引き続き、pH7.5、液温60℃の条件で厚さが平均20nmとなるまでパラジウムめっき処理を行った。濾過後、100mLの純水を用いて60秒洗浄し、ニッケル膜の外側に形成された厚さ20nmのパラジウムめっき膜を有する導電粒子9を作製した。さらに、得られた導電粒子9を用いて、実施例3と同様の手順で絶縁被覆導電粒子9を得た。得られた絶縁被覆導電粒子9を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例10)
0.03mol/Lのエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、0.04mol/Lのクエン酸三ナトリウム及び0.01mol/Lのシアン化金カリウムを含み、水酸化ナトリウムでpH6に調整されためっき液を準備した。このめっき液を用いて、実施例2で作製した導電粒子2に対して、引き続き、液温60℃の条件で厚さが平均20nmとなるまで金めっき処理を行った。濾過後、100mLの純水を用いて60秒洗浄し、ニッケル膜の外側に形成された厚さ20nmの金膜を有する導電粒子10を作製した。さらに、得られた導電粒子10を用いて、実施例1と同様の手順で絶縁被覆導電粒子10を得た。得られた絶縁被覆導電粒子10を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例11)
0.03mol/Lのエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、0.04mol/Lのクエン酸三ナトリウム及び0.01mol/Lのシアン化金カリウムを含み、水酸化ナトリウムでpH6に調整されためっき液を準備した。このめっき液を用いて、実施例9で作製した導電粒子11に対して、引き続き、液温60℃の条件で厚さが平均20nmとなるまで金めっき処理を行った。濾過後、100mLの純水を用いて60秒洗浄し、パラジウム膜の外側に形成された厚さ20nmの金膜を有する導電粒子11を作製した。さらに、得られた導電粒子11を用いて、実施例1と同様の手順で絶縁被覆導電粒子11を得た。得られた絶縁被覆導電粒子11を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例12)
テトラクロロパラジウム9g、エチレンジアミン10g、アミノピリジン5g、次亜リン酸ナトリウム18g、ポリエチレングリコール20gを1Lの超純水に加えためっき液を準備した。このめっき液を用いて、実施例3で作製した導電粒子3に対して、引き続き、pH7.5、液温60℃の条件で厚さが平均20nmとなるまでパラジウムめっき処理を行った。濾過後、100mLの純水を用いて60秒洗浄し、ニッケル膜の外側に形成された厚さ20nmのパラジウムめっき膜を有する導電粒子12を作製した。さらに、得られた導電粒子12を用いて、実施例3と同様の手順で絶縁被覆導電粒子12を得た。得られた絶縁被覆導電粒子12を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例13)
0.03mol/Lのエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、0.04mol/Lのクエン酸三ナトリウム及び0.01mol/Lのシアン化金カリウムを含み、水酸化ナトリウムでpH6に調整されためっき液を準備した。このめっき液を用いて、実施例3で作製した導電粒子3に対して、引き続き、液温60℃の条件で厚さが平均20nmとなるまで金めっき処理を行った。濾過後、100mLの純水を用いて60秒洗浄し、ニッケル膜の外側に形成された厚さ20nmの金膜を有する導電粒子13を作製した。さらに、得られた導電粒子13を用いて、実施例1と同様の手順で絶縁被覆導電粒子13を得た。得られた絶縁被覆導電粒子13を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例14)
0.03mol/Lのエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、0.04mol/Lのクエン酸三ナトリウム及び0.01mol/Lのシアン化金カリウムを含み、水酸化ナトリウムでpH6に調整されためっき液を準備した。このめっき液を用いて、実施例12で作製した導電粒子12に対して、引き続き、液温60℃の条件で厚さが平均20nmとなるまで金めっき処理を行った。濾過後、100mLの純水を用いて60秒洗浄し、パラジウム膜の外側に形成された厚さ20nmの金膜を有する導電粒子14を作製した。さらに、得られた導電粒子14を用いて、実施例1と同様の手順で絶縁被覆導電粒子14を得た。得られた絶縁被覆導電粒子14を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
実施例1と同様に行った、実施例6〜14の評価結果を表3〜4に示す。
Figure 2016076339
Figure 2016076339
表3〜4に示すように、ニッケル層の外側に金めっき層を設けた場合は、ニッケル層だけよりも接続抵抗が低抵抗化し、ニッケル層の外側にパラジウムめっき層を設けた場合は、ニッケル層だけよりも絶縁性が向上した。さらに、ニッケル層の外側にパラジウムめっき層、パラジウムめっき層の外側に金めっき層を設けた場合は、接続抵抗の低抵抗化と絶縁性の向上が確認された。
(実施例15)
実施例1の[前処理工程]と[触媒処理工程]を実施した非導電性無機粒子4gを用意した。
40℃に加温した下記の組成を有する2Lの建浴液に、触媒処理済みの非導電性無機粒子を加えて、97質量%以上のニッケルを含有する第一の部分、及び、ニッケル及び銅を主成分とする合金を含有する第二の部分を形成した。さらに、添加法により下記組成のニッケルを含有しない補充液A及び補充液Bをそれぞれ930mL準備し、20mL/minの速度で連続的に滴下し、銅を主成分とする第三の部分を形成した。
(建浴液)
CuSO・5HO:0.03mol/L
NiSO・6HO:0.005mol/L
HCHO(ホルムアルデヒド):0.2mol/L
NaCN:0.0001mol/L
EDTA・4Na:0.2mol/L
NaOH:0.3mol/L
pH:12.7
(補充液 A)
CuSO・5HO:0.8mol/L
HCHO:1mol/L
NaCN:0.001mol/L
(補充液 B)
EDTA・4Na:1mol/L
NaOH:1mol/L
続いて、パラジウム触媒であるアトテックネオガント834(アトテックジャパン株式会社製、商品名)を8質量%含有するパラジウム触媒化液100mLに添加し、30℃で30分間攪拌した後、直径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア株式会社製)で濾過し、水洗を行った。その後、粒子をpH6.0に調整された0.5質量%ジメチルアミンボラン液に添加し、粒子の表面を活性化させた。
4.5g/Lの硫酸ニッケルと5.6g/Lの次亜燐酸ナトリウムと20g/L酒石酸ナトリウムを溶解した水溶液1Lを60℃に加温した後、上記非導電性無機粒子を投入し無電解めっきa工程を開始した。20分間攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認した。
その後さらに224g/Lの硫酸ニッケル水溶液及び220g/Lの次亜燐酸ナトリウムと75g/Lの水酸化ナトリウムの混合水溶液それぞれ300mLを3.5mL/分の添加速度で定量ポンプを通してそれぞれ添加し、無電解めっきB工程を開始した。めっき液の全量を添加後、水素の発泡が停止するまで60℃の温度を保持しながら攪拌を継続した。その後、めっき液を加えた分散液を濾過し、濾過物を水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥した。このようにして、表5に示すニッケル-リン、銅、ニッケル−リン合金被膜からなる第一の層を形成した。なお、得られた導電粒子15は、表面に突起を有していた。
(実施例16)
実施例1の[前処理工程]と[触媒処理工程]を実施した非導電性無機粒子4gを用意した。実施例15と同様にして、非導電性無機粒子の表面に、第一の部分、第二の部分、第三の部分を形成した。
続いて、パラジウム触媒であるアトテックネオガント834(アトテックジャパン株式会社製、商品名)を8質量%含有するパラジウム触媒化液100mLに添加し、30℃で30分間攪拌した後、直径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア株式会社製)で濾過し、水洗を行った。その後、粒子をpH6.0に調整された0.5質量%ジメチルアミンボラン液に添加し、粒子の表面を活性化させた。その後、20mLの蒸留水に、表面が活性化された粒子を浸漬し、超音波分散することで、粒子分散液を得た。
続いて、70℃に加温した水1000mLに分散させた。この分散液に、めっき安定剤として1g/Lの硝酸ビスマス水溶液を1mL添加し、次いで、下記組成の第四の部分形成用無電解ニッケルめっき液50mLを、5mL/分の滴下速度で滴下した。滴下終了後、10分間経過した後に、めっき液を加えた分散液を濾過し、濾過物を水で洗浄した。
[第四の部分形成用無電解ニッケルめっき液]
硫酸ニッケル・・・・・・・・・・・・・・・400g/L
次亜リン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・150g/L
酒石酸ナトリウム・2水和物・・・・・・・・120g/L
硝酸ビスマス水溶液(1g/L)・・・・・・・1mL/L
続いて、実施例2に記載の(工程c)パラジウムを含む粒の形成を行った。
下記組成の無電解パラジウムめっき液1Lに上記第四の部分を形成した粒子4gを浸漬し、該粒子の表面上にパラジウムを含む粒を形成した。なお、反応時間は10分間、温度は60℃にて処理を行なった。
(無電解パラジウムめっき液)
塩化パラジウム・・・・・・・・・・・・・・・0.07g/L
エチレンジアミン・・・・・・・・・・・・・・0.05g/L
ギ酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・0.2g/L
酒石酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.11g/L
pH・・・・・・・・・・・・7
(工程d)
工程cで得た粒子4.05gを、水洗及び濾過した後、70℃に加温した水1000mLに分散させた。この分散液に、めっき安定剤として1g/Lの硝酸ビスマス水溶液を1mL添加し、次いで、下記組成の第2の層形成用無電解ニッケルめっき液50mLを、5mL/分の滴下速度で滴下した。滴下終了後、10分間経過した後に、めっき液を加えた分散液を濾過し、濾過物を水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥した。このようにして、表1に示す80nmの膜厚のニッケル−リン合金被膜からなる第2の層を形成した。なお、第2の層を形成することにより得た粒子は6gであった。
(第2の層形成用無電解ニッケルめっき液)
硫酸ニッケル・・・・・・・・・・・・・・・400g/L
次亜リン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・150g/L
酒石酸ナトリウム・2水和物・・・・・・・・120g/L
硝酸ビスマス水溶液(1g/L)・・・・・・・1mL/L
以上の工程a〜dによって導電粒子16を得た。
得られた導電粒子2を用いて、実施例1と同様の手順で絶縁被覆導電粒子16を得た。得られた絶縁被覆導電粒子16を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
以降は、実施例1と同様にして、絶縁被覆粒子の作製、異方性導電接着フィルム及び接続構造体の作製、接続構造体の評価を実施した。
(実施例17)
実施例1の[触媒処理工程]を実施した非導電性無機粒子4gを用意した。さらに、実施例3の[芯材付与工程]を実施し、表面にニッケル粒子が吸着した非導電無機粒子を得た。続いて、実施例15と同様にして、第一の部分、第二の部分、第三の部分、第四の部分を形成し、表5に示す表面に突起を有した導電粒子17を得た。
(実施例18〜20)
実施例15で作製した導電粒子15を使用したこと以外は、実施例6〜8と同様にして、導電粒子15の表面に、パラジウム層を備えた導電粒子18、金層を備えた導電粒子19、パラジウム層とパラジウム層の表面に金層を備えた導電粒子20を作製し、実施例1と同様にして絶縁被覆を行った後、異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例21〜23)
実施例16で作製した導電粒子16を使用したこと以外は、実施例6〜8と同様にして、導電粒子16の表面に、パラジウム層を備えた導電粒子21、金層を備えた導電粒子22、パラジウム層とパラジウム層の表面に金層を備えた導電粒子23を作製し、実施例1と同様にして絶縁被覆を行った後、異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例24〜26)
実施例17で作製した導電粒子17を使用したこと以外は、実施例6〜8と同様にして、導電粒子17の表面に、パラジウム層を備えた導電粒子24、金層を備えた導電粒子25、パラジウム層とパラジウム層の表面に金層を備えた導電粒子26を作製し、実施例1と同様にして絶縁被覆を行った後、異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(比較例6〜8)
シリカ粒子の代わりに直径3.0μmのアクリル粒子を使用したこと以外は、実施例15、16、17同様にして、第一の部分、第二の部分、第三の部分、第四の部分を有した比較導電粒子6、7、8を得た。比較導電粒子は表面に突起を有していた。続いて、実施例1と同様にして絶縁被覆を行った後、異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
実施例1と同様に行った、実施例15〜26及び比較例6〜8の評価結果を表5〜6に示す。
Figure 2016076339
Figure 2016076339
表5〜6に示すように、ニッケル及び銅を主成分とする層の場合も、シリカ粒子を用いたことにより、安定した接続抵抗が得られた。比較例6〜7はアクリル粒子であるため、電極に十分に突起をめり込ませることができず、抵抗が高めに推移したと考えられる。ニッケル及び銅を主成分とする層の外側に金めっき層を設けた場合は、ニッケル及び銅を主成分とする層のみよりも接続抵抗が低抵抗化し、ニッケルおよび銅を主成分とする層の外側にパラジウムめっき層を設けた場合は、ニッケル及び銅を主成分とする層のみよりも絶縁性が向上した。さらに、ニッケル及び銅を主成分とする層の外側にパラジウムめっき層、パラジウムめっき層の外側に金めっき層を設けた場合は、接続抵抗の低抵抗化と絶縁性の向上が確認された。
1…導電粒子、2…非導電性無機粒子(コア粒子)、3…導電性芯材、4…突起部、6…金属層、7…絶縁性微粒子、8…異方性導電接着剤、81…絶縁性接着剤、90…第一の回路部材、901…ドライバーIC、902…ドライバーIC上のバンプ電極(電極)、91…第二の回路部材、911…ガラス基板、912,913,914,915…ガラス基板上の電極、h…突起部の高さ。

Claims (6)

  1. 対峙する電極間に配置され、前記電極間の電気的接続を達成する導電粒子であって、前記導電粒子が、非導電性無機粒子と、前記非導電性無機粒子を覆う金属層とを備え、前記金属層が突起部を有しており、前記非導電性無機粒子が、前記金属層及び前記電極の最も厚い層を構成する材料よりも硬い導電粒子。
  2. 前記非導電性無機粒子において、90質量%以上がSiOである請求項1に記載の導電粒子。
  3. 前記金属層中に導電性芯材を有し、前記非導電性無機粒子が、前記導電性芯材よりも硬い請求項1又は2に記載の導電粒子。
  4. 前記導電性芯材が、ニッケルを90質量%以上含む請求項3に記載の導電粒子。
  5. 前記金属層が、ニッケル、銅、錫、パラジウム及び金のいずれかを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電粒子を含有してなる異方性導電接着剤。
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