JP2016075513A - 光計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】OCTは生体計測に利用されるため、生体が動かないうちに安定した3次元画像を取得する必要があり高速な計測が求められる。被測定物の3次元形状を取得するには、一点における高速波長掃引光源HSLのスキャン時間に被測定物内での位置分解点の数を乗じた時間が掛かる。測定感度やダイナミックレンジを改善するには、測定を複数回行うのが好ましい。従来技術の機械的な駆動機構を含むSS−OCT装置では、広い範囲の生体観測を優れた測定感度およびダイナミックレンジで行うことに限界があった。【解決手段】本発明の光計測装置は、光スキャニング部において回折格子を利用する。回折格子を利用することで、波長掃引光源の信号光を波長(周波数)掃引するだけで、機械的なスキャン駆動機構を備える必要なしに、高速化した計測による断層イメージを得ることができる。光スキャニング部に2つの回折格子を備え、各波長分散方向が直交するように配置することで、3次元の断層イメージを高速に得ることもできる。【選択図】図1

Description

本発明は、光計測装置に関する。より詳細には、光コヒーレンストモグラフィ装置に関する。
光学機器を使ったイメージング技術は、カメラやプリンタ、ファクシミリなどの民生用の電子機器だけでなく、医療分野にも広がっている。医療現場では、生体表皮下の断層イメージ(プロファイル)をミクロンオーダーの分解能で生成することのできる新たな技術が望まれていた。光コヒーレンストモグラフィ(OCT: Optical Coherence Tomography)は1991年にMITのFujimotoのグループにより提案されて以来、近年では実用化にまで至っている。光コヒーレンストモグラフィの中でも、光源として周波数掃引光源を使うSwept−Source OCT (SS−OCT:光周波数掃引型OCT)は、測定感度が高くリファレンスアームの機械的なスキャンが不要といった利点があるため、有望な方式として知られている。
図12は、従来技術の典型的なSS−OCT装置の構成を示す図である。SS−OCT装置70は、被測定物76に対して、高速波長掃引した光を照射して、コンピュータ81等の制御の下で以下のように動作する。高速波長掃引光源(HSL)71より出力された光波は、光ファイバを介して90:10光カプラ72により分岐される、90%に分岐された一方の光波は信号光として利用され、10%に分岐された他方の光波は参照光として利用される。信号光は、サーキュレータ80を経由した後に2Dガルバノミラー74によって空間的に位置をスキャンされる。スキャンされた信号光は、レンズ75を介して被測定対象物(Sample)76により散乱される。散乱光が、再び2Dガルバノミラー74およびサーキュレータ80を経由して光ファイバへと戻る。戻った光波は、50:50の合波側光カプラ77の一方の端子へと伝搬する。
光源71からの分岐された参照光は、サーキュレータ73を介してミラー78により反射された後、再びサーキュレータ73を介して50:50の合波側光カプラ77のもう一方の端子へと伝搬する。参照光および信号光は、50:50カプラ77で干渉して、干渉光が差動レシーバBR79にて光検出される。
上述の装置70の構成において、高速波長掃引光源HSL71からの光波の波長を掃引することで、参照光および信号光の干渉光の波長依存性、すなわち干渉縞の繰り返しピーク周波数間隔を計測することができる。装置70の光学系の長さを、信号光の光路長と参照光の光路長とがほぼ等しくなるように設定しておくと、被測定対象物76での散乱位置とミラー73の位置の差によって干渉縞の自由スペクトルレンジ(FSR:Free Spectral Range, Hz)が決まる。このため、この干渉縞を解析することで被測定対象物76での散乱位置の特定が可能になる。さらに、2Dガルバノミラー74によって被測定対象物76での光の進行方向に対して垂直な2次元の面内で信号光の位置をスキャンすることができるため、被測定対象物76の3次元構造を計測することが可能となる。
Yoshiaki Yasuno, Violeta Dimitrova Madjarova, Shuichi Makita, Masahiro Akiba, Atsushi Morosawa, Changho Chong, Toru Sakai, Kin-Pui Chan, Masahide Itoh, and Toyohiko Yatagai, 「Three-dimensional and high-speed swept-source optical coherence tomography for in vivo investigation of human anterior eye segments」Optics Express, Vol. 13, Issue 26, pp. 10652-10664 (2005年)http://dx.doi.org/10.1364/OPEX.13.010652 計測自動制御学会50年記念サイト、オンラインハンドブック、ヘテロダイン干渉計の頁http://www.sice.jp/handbook/%E3%83%98%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%B3%E5%B9%B2%E6%B8%89%E8%A8%88
一般に、OCTは生体計測に利用されるため高速な計測が求められる。これは、生体が動かないうちに、安定した3次元画像を取得する必要があるためである。しかしながら、図12で説明したSS−OCT装置においては、3次元形状を計測するためにガルバノミラーによって信号光をスキャンする必要がある。被測定対象物内の全範囲の各点において、高速波長掃引光源HSLの波長スキャンを少なくとも一回は行う必要があり、被測定対象物内の位置分解点の数の回数分のスキャン計測を実施する必要がある。したがって、被測定対象物の3次元形状を取得するには、最短でも、位置分解点の1つにおける高速波長掃引光源HSLのスキャン時間(光源の波長掃引時間)に被測定対象物内での位置分解点の数を乗じた時間が掛かることになる。例えば、ガルバノミラーによる2次元内の位置分解点の数を1000×1000とすると、1つの3次元画像を取得するにあたり、光源の掃引回数は100万回も必要になる。さらに測定感度やダイナミックレンジを改善するには、各位置分解点において上述の波長スキャンを伴う測定を複数回行うのが好ましい。
したがって、従来技術のガルバノミラーのような機械的な駆動機構を含むSS−OCT装置では、広い範囲の生体観測をすぐれた測定感度およびダイナミックレンジで行うことには限界があった。機械的な駆動機構を持つ装置は、その取り扱いに注意が必要であり、小型化も難しく、故障の発生頻度も多い。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ガルバノミラー等による機械的な駆動機構を省き、計測の高速化を実現したOCT装置およびOCT測定方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、周波数の掃引幅ΔFを有する掃引された信号光を供給する波長可変光源と、前記波長掃引された信号光を入力する第1のポートと、前記波長掃引された信号光を分岐して参照光を出力する第2のポートおよび被測定物への信号光を出力する第3のポートを少なくとも有するカプラと、前記参照光が伝搬する伝搬路を有し、所定の第1の光路長を経て前記第2のポートに前記参照光を再入力する参照光処理部と、前記カプラからの信号光を、該信号光の進行方向に垂直な第1の方向にスキャンしながら空間に出力して前記被測定物に入射させる往路と、前記被測定物の表層または内部から反射または散乱された信号光が前記往路を逆方向に伝搬する復路とを有し、前記カプラの前記第3のポートに前記反射または散乱された信号光を入力するよう構成された光スキャンニング部と、前記カプラの第4のポートから、前記第2のポートに再入力された前記参照光、および、前記第3のポートに入力された前記反射または散乱された信号光の干渉光が入力され、前記干渉光の干渉縞の繰り返しピーク周波数間隔と、前記参照光処理部における前記所定の第1の光路長、並びに、前記光スキャンニング部における前記被測定物までの前記往路および前記復路で決定される第2の光路長の差分に基づいて、前記光進行方向における前記被測定物の反射または散乱点の位置を特定するよう構成された受光部とを備え、前記光スキャニング部は、前記第1の方向に波長分波作用を持つ回折格子を含むことを特徴とする光計測装置である。
参照光処理部は、参照光が伝搬する伝搬路の端部にミラーなどの参照光の反射手段を設置して構成することができる。回折素子としては、これらだけに限定されないがAWGやVIPAなどを利用することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の光計測装置であって、前記回折格子のFSRは、前記掃引幅ΔFよりも狭いことを特徴とする。ここでFSRは、自由スペクトルレンジを意味する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の光計測装置であって、前記光スキャニング部は、前記信号光の進行方向および前記第1の方向に直交する第2の方向に波長分波作用を持つ第2の回折格子をさらに含むことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3の光計測装置であって、前記回折格子は、アレイ導波路回折格子(AWG)であってその回折次数をmaとし、前記第2の回折格子の回折次数をmgとするとき、2≦mg<maの関係を満たすように各回折次数が設定されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3または4の光計測装置であって、前記掃引幅ΔFは、前記回折格子のFSR、および、前記第2の回折格子のFSRの、それぞれ整数倍の関係にあり、前記掃引された信号光の掃引開始周波数が、前記回折格子のFSRの開始周波数に一致していることを特徴とする。ここでFSRの開始周波数は、回折素子の回折次数が現在の次数から次の次数に切り替わるときの周波数を意味する。
請求項6に記載の発明は、請求項3または4の光計測装置であって、前記回折格子および前記第2の回折格子のうち、少なくとも1つは、その出力フィールドが矩形形状を持っていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6いずれかの光計測装置であって、前記受光部は、前記光スキャニング部に含まれた前記回折格子と同一のFSRを持ち、前記光スキャニング部からの前記干渉光が入力される第3の回折格子と、前記第3の回折格子の波長分波方向について、前記干渉光を収束させる集光レンズと、前記第3の回折格子の波長分波方向に平行に配列された複数のセンサ素子を含むセンサアレイであって、前記同一のFSRの開始周波数に対応するセンサ素子と、前記同一のFSRの終了周波数に対応するセンサ素子とが、前記配列された複数のセンサ素子の概ね両端に配置されたセンサアレイと、前記センサアレイの前記複数のセンサ素子の各々において、前記光スキャニング部における信号光の前記第1の方向のスキャンと同期して、前記干渉光から光電気変換された電気信号を、それぞれディジタル信号へ変換する複数のアナログディジタル変換器と、前記複数のアナログディジタル変換器の各々からのディジタル信号に基づいて、前記被測定物の反射または散乱点の位置の特定を行うよう構成されたディジタル信号処理装置とを含むことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、周波数の掃引幅ΔFを有する掃引された信号光を供給する波長可変光源と、前記波長掃引された信号光を入力する第1のポートと、前記波長掃引された信号光を分岐して参照光を出力する第2のポートおよび被測定物への信号光を出力する第3のポートを少なくとも有するカプラと、前記参照光が伝搬する伝搬路を有し、所定の第1の光路長を経て前記第2のポートに前記参照光を再入力する参照光処理部と、前記カプラからの信号光を、該信号光の進行方向に垂直な第1の方向にスキャンしながら空間に出力して前記被測定物に入射させる往路と、前記被測定物の表層または内部から反射または散乱された信号光が前記往路を逆方向に伝搬する復路とを有し、前記カプラの前記第3のポートに前記反射または散乱された信号光を入力するよう構成された光スキャンニング部と、前記カプラの第4のポートから、前記第2のポートに再入力された前記参照光、および、前記第3のポートに入力された前記反射または散乱された信号光の干渉光が入力され、前記干渉光の干渉縞の繰り返しピーク周波数間隔と、前記参照光処理部における前記所定の第1の光路長、並びに、前記光スキャンニング部における前記被測定物までの前記往路および前記復路で決定される第2の光路長の差分に基づいて、前記光進行方向における前記被測定物の反射または散乱点の位置を特定するよう構成された受光部とを備え、前記光スキャニング部は、前記掃引幅ΔFよりも狭いFSRを有し、前記第1の方向に波長分波作用を持し、その出力フィールドが矩形形状を持っている回折格子と、前記回折格子の波長分波方向について、前記掃引された信号光を収束させる集光レンズとを含み、前記受光部は、前記光スキャニング部に含まれた前記回折格子と同一のFSRを持ち、前記光スキャニング部からの前記干渉光が入力される第3の回折格子と、前記第3の回折格子の波長分波方向について、前記干渉光を収束させる集光レンズと、前記第3の回折格子の波長分波方向に平行に配列された複数のセンサ素子を含むセンサアレイであって、前記同一のFSRの開始周波数に対応するセンサ素子と、前記同一のFSRの終了周波数に対応するセンサ素子とが、前記配列された複数のセンサ素子の概ね両端に配置されたセンサアレイと、前記センサアレイの前記複数のセンサ素子の各々において、前記光スキャニング部における信号光の前記第1の方向のスキャンと同期して、前記干渉光から光電気変換された電気信号を、それぞれディジタル信号へ変換する複数のアナログディジタル変換器と、 前記複数のアナログディジタル変換器の各々からのディジタル信号に基づいて、前記被測定物の反射または散乱点の位置の特定を行うよう構成されたディジタル信号処理装置とを含むことを特徴とする光計測装置である。
以上説明したように、本発明によって、ガルバノミラー等による機械的な駆動機構を省き、計測の高速化および高精度化、広いダイナミックレンジを実現したOCT装置およびOCT測定方法を提供することができる。
図1は、本発明の光計測装置の概略の構成を示す図である。 図2は、本発明の光計測装置における光スキャニング部の構成を示す図である。 図3は、本発明の光計測装置における光ビームウェストのスキャンの様子を示す図である。 図4は、受光部において検出される干渉縞と、被測定物の特定の位置における反射散乱光に寄与する信号光の各周波数成分との関係を示す図である。 図5は、本発明の実施例2の光計測装置における光スキャニング部の構成を示す図である。 図6は、実施例2の光計測装置において被測定物のx´−y´−z´座標系での光ビームがスキャンされる様相を示す図である。 図7は、本発明の実施例3の光計測装置における受光部の構成を示した図である。 図8は、本発明の実施例4の光計測装置における受光部の構成を示した図である。 図9は、本発明の実施例6の光計測装置においてエイリアシングに起因するゴーストを低減する方法を説明する図である。 図10は、実施例6の光計測装置における被測定物上の信号光の電界分布を示す図である。 図11は、実施例6の光計測装置における信号光において、z軸上の電界分布をプロットした図である。 図12は、従来技術の典型的なSS−OCT装置の構成を示す図である。
本発明の光計測装置は、光スキャニング部において回折格子を利用する。回折格子を利用することで、波長掃引光源の信号光を波長(周波数)掃引するだけで、機械的な駆動機構を備える必要なしに、高速化した計測によるイメージを得ることができる。光スキャニング部に2つの回折格子を備え、各波長分散方向が直交するように配置することで、3次元の断層イメージを高速に得ることができる。参照光と被測定物からの反射・散乱光との干渉光の解析を高速に行い、広い範囲の生体イメージングをすぐれた測定感度およびダイナミックレンジで行う構成も開示する。回折格子としては、アレイ導波路格子(AWG)を利用することができる。以下、より詳細な実施例について説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1の光計測装置の概略の構成を示す図である。光計測装置100は、SS−OCT装置として動作し、光源1からの信号光によって被測定対象物(以下、被測定物とする)10の内部の内部イメージを取得することが可能である。測定の対象物は生体だけに限られず、信号光の反射散乱が得られる限り、本発明は非生体の工業製品などにも適用できる。
図1において、波長可変光源1から出力された信号光は光ファイバ2に入力され、さらに光カプラ3の入力ポート101を介して、出力ポート104への信号光および出力ポート103への参照光に分岐される。参照光ファイバ5を伝搬した参照光は、参照光ミラー6により反射され、再び光カプラ3のポート103へと伝搬し、その一部はポート102から受光ファイバ7を介して受光部8へ入力される。参照光ファイバ5および参照光ミラー6は、参照光処理部を構成する。
一方、信号光ファイバ4に分岐した信号光は、光スキャニング部9を介して被測定物10へと入射する(往路)。被測定物10によって反射・散乱された信号光は、再び光スキャニング部9および信号光ファイバ4を逆方向に伝搬し(復路)、参照光と同様に光カプラ3のポート104を介して、その一部がポート102から受光部8へと入力される。光カプラ3では、参照光および信号光が干渉して干渉光が生じる。この干渉光に基づいて、被測定物10からの反射・散乱に関する情報を抽出することが可能になる。
図2は、本発明の光計測装置における光スキャニング部の構成を示す図である。図1における光スキャニング部9は、高速波長掃引光源として機能する波長可変光源1から出力された波長掃引された信号光に基づいて、空間的にスキャンされた信号光を被測定物10に入射するよう構成されている。光スキャニング部9は、高い次数を持つ回折格子およびその周辺光学系から構成される。以下に述べる本発明の光計測装置の各実施例の光スキャニング部9においては、回折素子としてアレイ導波路格子(AWG:Arrayed-Waveguide Grating)11を用いた構成例を説明するが、後述するようにVIPA(Virtually Imaged Phased Array)による回折素子を用いても同様の効果を得ることができる。
図2において、信号光ファイバ4から伝搬した信号光は、AWG11に入力される。AWG11に入力した信号光は、その内部に形成されたアクセス導波路11aを介してスラブ導波路11b、アレイ導波路11cへと伝搬し、AWG11の端面から自由空間へ出射される。アレイ導波路11cは、複数の光導波路から構成され、隣り合う光導波路間に一定の光路長差dLが設定されている、さらに、アレイ導波路11cは、AWG11の出力端において、AWG基板の端面に垂直に交わるように構成されている。
AWG11から自由空間へと出力される信号光は、基板端面から出射した直後には、AWG基板面に平行な方向(図2のx軸方向)に太いビーム径を持ち、垂直方向(y軸方向)には細いビーム径を持っている。したがって、信号光はy軸方向には拡散し、x軸方向には平行光として空間を伝搬する。本実施例では、AWG基板の端面直近にy軸方向の拡散を抑制するシリンドリカルレンズ12が設置される。この結果、シリンドリカルレンズ12を経た信号光は、y軸方向にも平行光として自由空間を伝搬する。
信号光は、さらにx軸方向に光学パワー(すなわち曲率)を有するシリンドリカルレンズ13を経由して集光ビームに変換される。シリンドリカルレンズ13は、集光ビームが被測定物10の表層または内部にビームウェストPを持つように、その焦点距離fを設定するのが好ましい。AWG11およびシリンドリカルレンズ13の間の距離もfに設定される。被測定物10の表層または内部において反射・散乱された信号光は、その反射・散乱位置に応じた光位相を持って、上述の光路(往路)と同じ光路を今度は逆方向(復路)に伝搬し、AWG11の端面に入射して信号光ファイバ4へと入力される。図1において、光スキャニング部9および参照光ミラー6から波長可変光源1方向への戻り光を抑制するために、波長可変光源1と光カプラ3との間にアイソレータを配置しても良い。
ここで、本発明の光計測装置100において、波長可変光源1からの波長掃引光が、被測定物への信号光として空間的にスキャンされる動作を説明する。波長可変光源1から出力される信号光の波長(周波数)が掃引されて変化すると、AWG11の波長分散効果(波長分解作用)によってビームウェストPはx軸方向に移動する。AWG11の自由スペクトルレンジ(FSR:Free Spectral range)により決まるx軸方向におけるスキャン範囲を[xs,xe]とする。本発明の光計測装置においては、AWG11の回折次数m(=n・dL/λ)は十分大きく、AWGのFSR(=c/(dL・Nc))が、波長可変光源1の波長掃引範囲よりも十分に狭く設定される。ここで、cは光速、nはAWGの導波路コアの屈折率、λはλ回折次数mにおけるAWG11の中心波長、Ncはアレイ導波路11cの群屈折率をそれぞれ示す。上述のようにAWGの回折次数mおよびFSRを設定することで、波長可変光源1により掃引可能な最大掃引波長範囲を1回掃引するごとに、信号光が形成するビームウェストPは、被測定物10の表層または内部を複数回スキャンし、x軸上を繰り返し移動する。x軸上の1回のスキャンを経るごとに動作中のAWGの回折次数mは1つずつ増加する。
図3は、本発明の光計測装置における光ビームウェスト部のスキャンの様子を示す図である。図3では、波長掃引光源による最大掃引波長範囲の掃引中に、被測定物10をN=3回繰り返しスキャンする例を示している。尚、光ビームスキャンの繰り返しスキャン回数Nは、波長可変光源1の周波数掃引範囲をΔF[Hz]としたとき、次式によって決定される。
N=ΔF/FSR 式(1)
したがって、光ビームスキャンの往復回数Nは、AWG11の設計パラメータを適切に選択することによって任意に設定できる。式(1)からも、前記回折格子のFSRは、前記掃引幅ΔFよりも狭いことになる。
ここで、1回のx軸方向のスキャンすなわち1つのFSRに対応し、波長可変光源1の最大掃引波長範囲ΔF(波長可変範囲)をN個に分割した波長範囲において、第1(最初)のFSRに対応する回折次数を簡単のため1、第2(2番目)のFSRの回折次数を2、・・・、第N(N番目)のFSRの回折次数をNとする。各FSRにおける開始周波数および終了周波数をf1sおよびf1e、f2sおよびf2e、・・・、fNsおよびfNeとすると、x軸方向のある位置xpにおいては、信号光のうちのN波の信号光成分、f1p、f2p、・・・fNpが位置xpにおける反射・散乱光の発生に寄与する。各信号光成分、f1p、f2p、・・・fNpはアレイ導波路格子の特性から等周波数間隔である。図3では、x軸方向のスキャン範囲xsからxeにおいて、対応する開始波長λ1s、λ2s、・・λNsおよび終了波長λ1e、λ2e、・・λNeを示している。
図3に示したように、光ビームスキャンの繰り返し回数がN=3の場合には、波長可変光源1が周波数掃引範囲ΔFを掃引する間に、ビームウェストの位置は、x軸上でxsからxeまでのスキャンを3回繰り返す。図3では、3回の繰り返しスキャンを説明するために、スキャンの軌跡の位置をずらした3本の矢印の直線で示しているが、実際にはx軸上の同じ経路を繰り返しスキャンする。
被測定物10内における反射散乱光は、ビームウェストの近傍の被測定物の断層イメージを反映させながら図1の受光部8へと伝搬し、参照光と干渉縞を作る。横軸に周波数を取ったときの干渉光のレベル変動(周波数特性)を描いたとき、その干渉縞の隣り合うピーク同士の間隔は、被測定物の反射散乱点および光カプラ3間の距離と、参照光ミラー6および光カプラ3間の距離の差Δ、すなわち2つの光学系の経路差Δ(光路長差)に応じて変化する。干渉縞のピーク周波数間隔は、被測定物10の屈折率をnとして、次式によって表される。
干渉縞のピーク周波数間隔=c/(n・Δ) 式(2)
一般に、用語「干渉縞」は、例えば、2つのスリットから出た光が相互に干渉して、空間的に明暗のパターン(縞)を生じるように物理空間で観察されるものを言う。本発明では、時間的な変動(経過)により認識される干渉光のレベル変動をすなわち干渉縞として使用されている点に留意されたい。例えば、時間的な干渉光のレベル変動としての「干渉縞」については、非特許文献2を参照されたい。
被測定物の断層イメージがビームウェストの位置よりz軸方向に前後にずれていても、x軸方向およびy軸方向の反射散乱点位置の検出分解能が低下するだけで、同様の干渉縞のピーク周波数間隔(周期)の測定は可能である。上述のように、受光部8において観測され、被測定物の反射散乱位置の特定に使用される干渉縞のピーク周波数間隔は、被測定物からの反射散乱光が発生するz軸方向での位置に対応することに留意されたい。したがって、干渉縞のピーク周波数間隔を同定することで、対応する反射散乱光のz軸方向に置ける発生位置を特定することができる。また、干渉縞のレベルから反射量の特定も可能となる。
図4は、受光部において検出される干渉縞と、被測定物の特定の位置xにおける反射散乱光に寄与する信号光の各周波数成分との関係を示す図である。図4の横軸は、波長可変光源からの掃引された信号光の周波数f(または波長)を示している。図4の横軸において、信号光の周波数fは掃引時刻tと1対1に対応しているので、横軸は時間軸を表していることにも留意されたい。先にも説明したように、図4に示した干渉縞21では、横軸が掃引時刻tに対応しており、干渉縞21は、受光部における干渉光レベルの時間変動に対応する。図4では、ピーク周波数間隔c/(n・Δ)の振幅変動を持つ干渉縞が、f1p、f2p、・・・、fNpの各点においてサンプリングされ再現される状態を示している。信号光の波長(周波数)掃引に対応して、f1p、f2p、・・・fNpの各周波数成分における反射散乱された信号光を検出することで、干渉縞を再現することができる。干渉縞のピーク周波数間隔c/(ns・Δ)から経路差Δを求めることによって、反射散乱点(xp)のz軸方向の任意の位置(z、xp)を検出することができる。z軸方向の反射散乱点の位置を、スキャンを実行するx軸方向の位置分解点(分解能距離)ごとに求めることで、反射散乱点の位置情報を連ねてゆくことにより、被測定物10の断層プロフィールを求めることができる。
上述ように、本発明の光計測装置では、x軸方向の機械的な駆動機構を実装していなくても、波長可変光源1の波長を掃引することによって、x軸方向の光ビームスキャンが自動的に実行され、SS−OCT装置の簡便化および高信頼化を図ることができる。
また、x軸上のある位置xpにおける被測定物10からの反射散乱点は、zを任意の光軸方向(z軸)の任意の位置として、同一の光軸上(z、xp)に複数ある場合が一般的である。受光部8により検出される干渉縞は、複数の反射散乱点からの反射・散乱光が参照光とそれぞれ干渉して形成される干渉縞であり、被測定物の各反射散乱点の位置の特定は干渉縞のフーリエ解析を実施することによってなされる。
したがって、本発明は、周波数の掃引幅ΔFを有する掃引された信号光を供給する波長可変光源1と、前記波長掃引された信号光を入力する第1のポート101と、前記波長掃引された信号光を分岐して参照光を出力する第2のポート103および被測定物10への信号光を出力する第3のポート104を少なくとも有するカプラ3と、前記参照光が伝搬する伝搬路5を有し、所定の第1の光路長を経て前記第2のポートに前記参照光を再入力する参照光処理部と、前記カプラからの信号光を、該信号光の進行方向に垂直な第1の方向にスキャンしながら空間に出力して前記被測定物に入射させる往路と、前記被測定物の表層または内部から反射または散乱された信号光が前記往路を逆方向に伝搬する復路とを有し、前記カプラの前記第3のポートに前記反射または散乱された信号光を入力するよう構成された光スキャンニング部9と、前記カプラの第4のポート102から、前記第2のポートに再入力された前記参照光、および、前記第3のポートに入力された前記反射または散乱された信号光の干渉光が入力され、前記干渉光の干渉縞21の繰り返しピーク周波数間隔(式2)と、前記参照光処理部における前記所定の第1の光路長、並びに、前記光スキャンニング部における前記被測定物までの前記往路および前記復路で決定される第2の光路長の差分に基づいて、前記光進行方向における前記被測定物の反射または散乱点の位置を特定するよう構成された受光部8とを備え、前記光スキャニング部は、前記第1の方向に波長分波作用を持つ回折格子11を含むことを特徴とする光計測装置として実現できる。
本発明の光計測装置では、x軸上のある位置xpにおける反射散乱光に寄与する信号光の各周波数成分、すなわち、図4における各サンプリング周波数f1p、f2p、・・・、fNpは等周波数間隔である。このため、本発明では反射散乱位置を特定する演算処理の際のフーリエ変換時に、波長領域から周波数領域への変換をする必要がなく、信号処理が容易になるという利点も持っている。
一方、本発明の光計測装置では、干渉縞のピーク周波数間隔を求めるためのサンプリング周期が、AWG11のFSR[Hz]に対応する。すなわち、2FSR以下の短い周期で振動する干渉縞を検出することは、サンプリング定理から困難である。この制約は、従来技術のOCTにおける光源のコヒーレンス長による制限に相当する。
すなわち、被測定物10のz軸方向の深度、言い換えると測定可能なz軸方向の距離に制限を与える。たとえば、z軸上の位置を任意として位置xpにおける反射散乱点が同一の光軸上(z、xp)に複数あり、そのz軸方向の位置がc/(2FSR)[m]よりも外側、すなわちz軸方向の被測定物のより内部側にある場合は、その内部側の反射散乱点からの散乱光は干渉縞の信号周波数内にエイリアシング効果(雑音)として見える。したがって、本実施例の光計測装置は、被測定物10からの反射散乱光の発生位置が、次式における経路差Δの関係を満たす範囲であるときに好適である。
Δ<c/(2FSR) 式(3)
ここで、経路差Δは、先にも定義したように、図1における被測定物の反射散乱点および光カプラ3間の距離と、参照光ミラー6および光カプラ3間の距離の差Δである。すなわち本実施例の光計測装置は、被測定物10の光軸(z軸)方向の厚みが上記条件、c/(2FSR)以下であることを満たすことが分かっている場合に好適な構成例である。
本実施例では、波長可変光源1から出力される信号光の波長掃引によって、被測定物に対して単一の方向、すなわちx軸方向にのみビームスキャンするだけで、実質的にxz面内における断層イメージが得られる。3次元画像の取得には不十分であり、次の実施例では、より広い3次元範囲での断層イメージを取得可能な本発明の光測定装置の構成例を提示する。
(実施例2)
図5は、本発明の実施例2の光計測装置における光スキャニング部の構成を示す図である。本実施例では、光計測装置全体の構成は図1に示したものと同一であり、光スキャニング部9の構成だけが実施例1と異なっている。実施例2の光スキャニング部9は、アレイ導波路格子(AWG)11、AWG11から出力された信号光を平行光とするためのシリンドリカルレンズ12、回折格子31、および集光レンズ32から構成される。本実施例では、第2の波長分散素子として動作する回折格子31をさらに含んでいる点で実施例1の光スキャニング部と相違している。回折格子31の波長分散の方向は、第1の波長分散素子であるAWG11の分散方向(x軸方向)と直交する方向、すなわちy軸方向に設定される。回折格子31は、例えば、高次の回折次数をもつエシェル格子でとすることができる。さらに、回折格子31の回折次数をmg、AWG11の回折次数maとするとき、次式の関係を満たすように各回折次数が設定される。
2≦mg<ma 式(4)
したがって、本発明の光計測装置では、光スキャニング部9は、信号光の進行方向(z軸)および第1の方向(x軸)に直交する第2の方向(y軸)に波長分波作用を持つ第2の回折格子31をさらに含むことができる。また、第1の回折格子11は、アレイ導波路回折格子(AWG)であってその回折次数をmaとし、前記第2の回折格子31の回折次数をmgとするとき、2≦mg<maの関係を満たすように各回折次数が設定されることになる。
図5に示すように2つの波長分散素子を各波長分散の方向が直交するように配置することで、被測定物10上におけるビームウェストは、波長可変光源1からの信号光の波長(光周波数)を掃引することにより、2次元状にスキャンされる。被測定物10上では光の進行方向は、回折格子31を通過した後であるので、アレイ導波路格子11を出射した直後の座標系x−y−z座標系とは異なる。したがって、被測定物10における新たな座標系を図5に示すように、x´−y´−z´と定義する。ここでz´は光の進行方向すなわち光軸方向である。
図6は、実施例2の光計測装置において被測定物のx´−y´−z´座標系において光ビームがスキャンされる様相を示す図である。図6では、回折素子31および集光レンズ32を経た後で、光の進行方向(z´軸方向)に向かって被測定物10を見た図となっている。図6では、被測定物10の表層上において、実線、破線、一点鎖線の3本が一組となった矢印付き直線の5つの組が描かれている。1つの組の中の3本の直線は、3回のスキャンが行われることを説明するためにずらして描いたものであって、実際には同一の軌跡上を繰り返し辿ることに留意されたい。
信号光の掃引開始周波数(波長)において、被測定物10上の点Aに存在した光ビームは、同一のFSRの範囲内で周波数(波長)掃引されることによって、AWG11の波長分散動作により、実線の矢印で示されるように点Bまでスキャンされ移動する。点Aから点Bまでのスキャン範囲が、AWG11の第1のFSRにおける分波作用に対応する。信号光の周波数がさらに同一のFSRの範囲を越えて掃引されると、AWG11の次の回折次数の波長分散動作の状態に移動し、光ビームは、もし回折格子31がなければx´軸方向には点Aの位置に戻るが、本実施例ではy´軸方向に若干ずれた点Cに現れる。これは、第2の波長分散素子である回折格子31の波長分散作用によりy´軸方向にもビーム位置が移動するためである。点Cの光ビームは、AWG11の波長分散作用によって、点Aから点Bへの移動と同様に、点Dに移動する。
上述の第1の分波素子であるAWG11によるスキャン作用および第2の分波素子である回折素子31による波長分波動作を繰り返すことで、光ビームは点Eまで移動する。実線の経路で点Aから点Eに到達するまでに、AWG11のFSRの5倍に対応する範囲で周波数掃引が行われていることになる。点Eに到達すると同時に、第2の波長分散素子である回折格子31の回折次数が1つ変化するような関係にあれば、光ビームは再び点Aに戻る。回折格子31の同一のFSRの範囲にある間は、光ビームは点線の経路を通って、点Aから点Eまで移動する。再び回折格子31の回折次数が変化すると、光ビームは。点Eから点Aへと戻り、今度は一点鎖線の経路を通って再び点Eまで移動する。
上述ように、AWG11および回折格子31の2つの回折素子の波長分散方向を直交させて配置して、波長可変光源1から出力される信号光を波長掃引することによって、被測定物10上で2次元状(x´−y´)にビームをスキャンすることができる。すなわち、被測定物10上の表層または内部において光ビームの2次元スキャンを行いながら、反射散乱光によって光進行方向z´軸方向の深度方向の断層プロファールを求めることによって、機械的なスキャン駆動機構を備えることなしに被測定物の103次元イメージの取得が可能になる。
図6に示した実施例2の光スキャニング部によるビームスキャンの例では、波長可変光源1の周波数スキャン範囲内に、第1の回折素子のAWG11のFSRが15個、第2の回折素子の回折格子31のFSRが3個含まれる例を示した。すなわち、図6において、実線、破線、一点鎖線の3本が一組として示されているのは、周波数スキャン範囲における回折格子31のFSRの個数に対応する。また、3本×5組で合計15本の矢印線が示されているは、周波数スキャン範囲におけるAWG11のFSRの個数に対応する。波長可変光源1の周波数スキャン範囲の中で、AWG11および回折格子31の2つの回折素子の各FSRがいくつ含まれるかは、各波長分散素子の設計パラメータに依存する。したがって、当然に図6の構成だけに何ら限定されない。
また、図6では説明を簡単にするために、光源の掃引開始周波数が、アレイ導波路格子11および回折格子31の各FSRの開始周波数と一致し、かつ、回折格子31の第2のFSRがアレイ導波路格子11の第1のFSRのちょうど5倍となる例について説明した。すなわち、本発明の光計測装置では、好ましくは、波長可変光源1の前記掃引幅ΔFは、回折格子11のFSR、および、第2の回折格子31のFSRの、それぞれ整数倍の関係にあり、前記掃引された信号光の掃引開始周波数が、前記回折格子のFSRの開始周波数に一致している。
しかしながら、光スキャニング部の実装にあたってはこの例の限りではなく、波長可変光源の掃引開始周波数は2つの波長分散素子のFSRの端の周波数と一致しなくても良い。また、第1の波長分散素子(AWG11)の第1のFSRと、第2の波長分散素子(回折格子31)の第2のFSRとが、必ずしも、周波数スキャン範囲(掃引幅ΔF)に対してそれぞれ整数倍の関係にある必要もない。
(実施例3)
図7は、本発明の実施例3の光計測装置における受光部の構成を示した図である。本実施例の受光部8は、上述の図1の構成を持つ実施例1、実施例2の受光部にそれぞれ適用可能である。受光部8は、大別して、干渉光を解析する検出部と検出タイミングを生じさせるタイミング信号生成部47から構成される。受光ファイバ7を伝搬する、反射散乱光と参照光の干渉光は、フォトディテクタ41へ入力され、干渉光は電気信号に変換される。この電気信号はアナログ信号であり、アナログディジタル(A/D)変換器42によりディジタル信号へ変換される。A/D変換器2は、どのタイミングでどの周波数の光が検出されているかを知ることが必要である。波長可変光源1からの信号光の特定の光周波数におけるタイミング検出を実現するには、一例として、以下に述べるエタロンフィルタを利用した方法を用いることができる。
エタロンフィルタは、その透過域が、周波数軸上でFSR間隔に櫛型状に並んでいるフィルタとして知られている。周波数掃引した光をエタロンフィルタに入力すると、透過域ごとに光が透過するので、信号光の周波数の掃引とともに、エタロンフィルタ出力からあたかもパルス状に光が出る。波長可変光源1から出力された信号光は、タイミング信号生成部47へ入力される。信号光は光ファイバカプラ46などによりタップされて、エタロンフィルタ43へと入力する。前述のように、エタロンフィルタ43は入力された信号光の周波数が掃引され変化するのに伴って、パルス状の信号光を生成する。このパルス信号をフォトディテクタ44により電気信号へ変換し、トリガ信号としてA/D変換器42に与えられる。A/D変換器42は、このトリガ信号が入力されたタイミングで、前述のフォトディテクタ41からの電気信号をサンプリング(A/D変換処理)する。
波長掃引光源1の掃引周波数範囲とエタロンフィルタ43の透過域の特性を予め適切に設定することによって、図7の構成によって所望のタイミングでの干渉信号の検出・解析が可能になる。本実施例の光計測装置では、図2の光スキャニング部における被測定物10上のx軸方向の位置分解点の数に対応する頻度で、エタロンフィルタからトリガ信号を発生させる必要がある。より具体的には、本実施例では、エタロンフィルタのFSRは、図3に示したようなx軸方向のスキャンにおける所望の位置分解能(位置分解点の数)を実現するようなタイミングでパルスを発生するように設定するのが好ましい。
A/D変換器42から出力されたディジタル信号は、ディジタル信号処理装置45によりフーリエ変換処理等がなされ、被測定物10の表層または内部における反射散乱点のz軸方向の位置が特定される。
(実施例4)
SS−OCT装置などの光計測装置においては、生体などの被測定物の安定した断層イメージを取得するために、通常、光源の周波数スキャンをできるだけ高速に行うことが望ましい。しかしながら、実施例3のタイミング信号生成部47の構成では、エタロンフィルタ43のFSRが狭くなると、フォトディテクタ44から出力されるトリガ信号のパルス周波数(パルスの出力頻度)は非常に高速になる。このため、A/D変換器42に要求されるサンプリング周波数(変換時間)も同程度に高速である必要がある。また、一般に、高速なA/D変換器は変換分解能が良くないことも知られている。このように、A/D変換器のサンプリング速度の上限は、本発明の光測定装置の高速スキャン動作にも制限を与える。そこで以下においては、干渉光のより高速なサンプリングおよび解析が可能な光測定装置のいくつかの実施例について、詳細に説明する。
図8は、本発明の実施例4の光計測装置における受光部の各部の構成を示した図である。図8の(a)は、受光部8の主に干渉光を検出する光学系の構成を示している。図8の(b)は、タイミング信号生成部47を含み、(a)に示した干渉光を検出する光学系以外の干渉光を解析する部分を含む受光部8の概ね全体の構成を示している。
図8の(a)を参照すると、受光ファイバ7から伝搬した、反射散乱光および参照光の干渉光は、アレイ導波路格子(AWG)51により波長分解される。AWG51からの出射光は、さらに、第1のシリンドリカルレンズ52および第2のシリンドリカルレンズ53を経由して、受光センサのアレイであるリニアセンサ54へと入射する。AWG51および2つのシリンドリカルレンズ52、53は、図2で示した実施例1の光スキャニング部9における光学系と同一の構成とするのが好ましい。本実施例の干渉光を検出する光学系では、光スキャニング部9における被測定物10に代えて、同じ位置にリニアセンサ54を備える。
図8の(a)および(b)に示した受光部を持つ本実施例の光計測装置では、実施例3において1つのみであったA/D変換器42を複数のA/D変換器56−1〜56−Kに置き換えて並列構成とすることによって、1つ1つのA/D変換器に必要とされる変換速度を低減することができる。上述のように、図8の(a)に示した干渉光を波長分解する光学系は、図2に示した光スキャニング部9と同じ構成を持つ回折格子51および光学系(レンズ52、53)によって波長分解され、干渉光の光信号は、さらにリニアセンサ54により受光される。
本実施例のリニアセンサ54は、実施例3におけるフォトディテクタ41に対応する。すなわち、リニアセンサ54は、ピクセルを構成する複数のフォトディテクタ(センサ素子)が1つの方向(x軸方向)に配列されたものである。リニアセンサ54は、干渉光から変換された電気信号群55を出力する。すなわち、回折格子(AWG)51によるx軸方向の干渉光のスキャンに対応して、各々のフォトディテクタ(センサ素子)から順次、電気信号を出力される。したがって、リニアセンサ54上の各ピクセルは、図2の光スキャニング部9におけるx軸方向の被測定物10上のビームウェストの位置(たとえば、P)に対応させることができる。図2のスキャニング部9の光学系の構成と、図8の干渉光の波長分解をする光学系の構成が同一であれば、被測定物10上のx軸上の特定の位置xpにビームウェストがあるときに、受光リニアセンサ54の点xpに対応する特定位置のセンサ素子にもビームウェストがある。したがって、被測定物10上のビームウェストの位置と、受光リニアセンサ54のセンサ素子の位置とが1対1に対応することになる。このように、光スキャニング部9の回折格子11と、検出部9の回折格子51を同一構成のものとすることによって、スキャン中におけるx軸方向の光ビームの位置の可視化も容易になる。
図8の(b)に示したように、リニアセンサ54の各ピクセルのフォトディテクタ(センサ素子)により光電変換された電気信号は、それぞれ、A/D変換器56−1〜56−Kに供給される。A/D変換器56−1〜56−Kは、トリガ信号生成部47により生成されたトリガ信号のタイミングでアナログディジタル変換を行う。したがって、トリガ信号も光スキャニング部9におけるAWG11のスキャン、すなわちFSRと同じ周期で発生させれば良い。光ビームのスキャンとともに、リニアセンサ54の各フォトディテクタ(センサ素子)から順次電気信号が供給されるので、A/D変換器56−1〜56−Kが、ディジタル信号に変換を行うタイミングは、実際には個々のA/D変換器ごとに若干ずれている必要がある。
このA/D変換器の変換タイミングの調整は、一例として、個々のA/D変換器のアナログ信号側に適切な時定数をもつコンデンサを配置して、フォトディテクタ(センサ素子)からの電気信号を積分しても良い。すなわち、センサ素子出力と各A/D変換器との間に、図8の(b)に例示的に1つのみを示したサンプルホールド回路70を設けることができる。このようなサンプルホールド回路は、A/D変換器の機能として含まれている場合もある。また別の例として、個々のA/D変換器へのトリガ信号に遅延を付加して、変換タイミングを制御しても良い。
したがって、本実施例の複数のA/D変換器を持つ構成に適合したトリガ信号は、図8の(b)に示したトリガ信号生成部47によりさまざまな方法によって供給できる。すなわち、トリガ信号生成部47は、図8の(b)のように、波長可変光源1からの光信号に基づいて、既存のデジタルパルス回路または論理回路などによってトリガ信号を生成し、リニアセンサ54の各センサ素子からの電気信号に同期して、A/D変換処理を行うことができればどのような方法で生成しても良い。また、波長可変光源1からの光信号ではなく、光スキャニング部からの干渉光を基に、トリガ信号生成部47が動作しても良い。
一例を挙げれば、図8の(b)のように、トリガ信号生成部47で、波長可変光源1からの光信号に基づいて、実施例3の構成と同様にエタロンフィルタ58およびフォトディテクタ59を利用してトリガ信号を生成し、複数のA/D変換器へ供給できる。本実施例の場合、エタロンフィルタ58のFSRは、光スキャニング部のAWG11のFSRおよび受光部8のAWG51のFSRと同一で良い。実施例4のエタロンフィルタ58は、実施例3におけるエタロンフィルタのパルス出力と比べて、パルスの頻度が非常に少なくて済み、トリガ信号の帯域幅も実施例3と比べて狭いもの(遅いもの)で済む。
したがって、本発明の光計測装置において、受光部8は、光スキャニング部9に含まれた回折格子11と同一のFSRを持ち、前記光スキャニング部9からの干渉光が入力される第3の回折格子(AWG)51と、前記第3の回折格子の波長分波方向について、前記干渉光を収束させる集光レンズ53と、前記第3の回折格子の波長分波方向に平行に配列された複数のセンサ素子54−1、54−2・・・54−Kを含むセンサアレイ(リニアセンサ)であって、前記同一のFSRの開始周波数に対応するセンサ素子と、前記同一のFSRの終了周波数に対応するセンサ素子とが、前記配列された複数のセンサ素子の概ね両端に配置されたセンサアレイと、前記センサアレイの前記複数のセンサ素子の各々において、前記光スキャニング部における信号光の前記第1の方向(x軸方向)のスキャンと同期して、前記干渉光から光電気変換された電気信号を、それぞれディジタル信号へ変換する複数のアナログディジタル変換器56−1〜56−Kと、前記複数のアナログディジタル変換器の各々からのディジタル信号に基づいて、前記被測定物の反射または散乱点の位置の特定を行うよう構成されたディジタル信号処理装置57とを含むものとして実現できる。
上述のように本実施例の光測定装置では、リニアセンサ54を使用して、干渉光の検出および電気信号への変換をリニアセンサ54の個々のセンサ素子により分担している。光スキャニング部9における光ビームのx軸方向のスキャンと同期して、干渉光から変換した個々のセンサ素子からの電気信号を、複数のA/D変換器56−1〜56−Kへ順次供給している。いわば、複数のA/D変換器へ、干渉光から変換された電気信号を時分割で供給している。1つのA/D変換器当たりのサンプリング(A/D変換処理)の頻度を少なくすることで、A/D変換器の変換速度の問題を解決できる。
上述の実施例4では、AWGおよび複数のセンサ素子を持つリニアセンサ54を、光スキャニング部9からの干渉光の検出および変換のために使用していたが、実施例4の構成を変形して、トリガ信号の生成のためにAWGおよびリニアセンサ54を利用することもできる。実施例4の変形バージョンは、以下のように図8に示した実施例4の各部の構成を変更することによって得られる。
実施例4の変形バージョンでは、光スキャニング部9と同一の構成を持つ、図8の(a)の回折格子51を含む光学系およびリニアセンサ54は、複数のA/D変換器への複数のトリガ信号の発生のために利用される。したがって、 実施例4の変形バージョンでは、図8の(a)において、干渉光をAWG51に入力するのではなく、図7に示した実施例3のように波長可変光源1からの光信号の一部を分岐してAWG51に入力する。実施例4の変形バージョンでは、リニアセンサ54の各センサ素子からの変換された電気信号は、複数のA/D変換器56−1〜56−Kのアナログ入力端子ではなくて、A/D変換のタイミングを決めるトリガ端子に入力される。従って、実施例4の変形バージョンでは、図8の(b)におけるトリガ信号生成部47は不要となる。
複数のA/D変換器56−1〜56−Kのアナログ入力端子へは、図7で示した実施例3のように、光スキャニング部9からの干渉光を単一のフォトディテクタ41で電気信号に変換して、変換された電気信号を複数に分岐して供給すれば良い。したがって、実施例4の変形バージョンでは、干渉光を変換した電気信号は、複数に分岐された後で、複数のA/D変換器に、同時に常時供給される。先に述べた、光スキャニング部9と同一の回折格子を持つ光学系およびリニアセンサ54の各センサ素子からは、光スキャニング部9における光ビームのx軸方向のスキャンに同期して、順次、トリガ信号としての電気信号が出力されて、複数のA/D変換器56−1〜56−Kのトリガ信号端子へ供給される。
単一のフォトディテクタ41において干渉光から変換され、複数のA/D変換器に常時供給されている電気信号は、リニアセンサ54の各センサ素子からの独立したトリガ信号のタイミングによって、それぞれサンプリングされる。いわば、複数のA/D変換器へ、時分割されたトリガ信号を供給し、A/D変換を実行する。この実施例4の変形バージョンでも、1つのA/D変換器当たりの変換頻度を少なくすることで、A/D変換器の変換速度の問題を解決できる。また、この実施例4の変形バージョンでは、A/D変換器に対するタイミング生成のジッタ調整が簡単になるというメリットもある。
したがって、本発明の光計測装置の実施例4の変形バージョンは、受光部8は、光スキャニング部9に含まれた回折格子11と同一のFSRを持ち、波長可変光源1からの前記掃引された信号光の一部が入力される第3の回折格子54と、前記第3の回折格子の波長分波方向について、前記掃引された信号光を収束させる集光レンズ53と、前記第3の回折格子の波長分波方向に平行に配列された複数のセンサ素子54−1、54−2・・・54−Kを含むセンサアレイ54であって、前記同一のFSRの開始周波数に対応するセンサ素子と、前記同一のFSRの終了周波数に対応するセンサ素子とが、前記配列された複数のセンサ素子の概ね両端に配置されたセンサアレイ(リニアセンサ)と、前記センサアレイの複数のセンサ素子の各々から出力されるトリガ信号のタイミングによって、前記カプラ3の第4のポート102から入力された干渉光を光電気変換した電気信号を、ディジタル信号へ変換する複数のアナログディジタル変換器56−1〜56−Kと、前記複数のアナログディジタル変換器の各々からのディジタル信号に基づいて、被測定物10の反射または散乱点の位置の特定を行うよう構成されたディジタル信号処理装置57とを含むものとしても実現できる。
実施例4およびその変形バージョンのいずれにおいても、K個のA/D変換器から出力された各ディジタル信号は、ディジタル信号処理装置57によりフーリエ変換処理等がなされ、被測定物10の表層または内部における反射散乱点のz軸上の位置が特定される。AWG51のFSRの開始周波数および終了周波数は、それぞれ、リニアセンサ54の概ね両端にあるセンサ素子に対応していれば良い。したがって、センサ素子の数は、AWGの波長分散方向(x軸)方向における位置分解点の数だけあれば良い。位置分解点の数と一致している必要はない。
加えて、実施例4およびその変形バージョンを組み合わせて信号処理をすることも可能である。すなわち、実施例4の変形バージョンのAWGおよびリニアセンサを含む構成によってトリガ信号を生成する。同時に、図8に示した実施例4のAWG51およびリニアセンサ54を含む構成によって干渉光の検出および電気信号への変換を行い、上述の実施例4の変形バージョンによるトリガ信号を使用して、図8に示した実施例4のAD変換器56−1〜KでA/D変換を実行するように信号処理しても良い。したがって、この場合には、光スキャニング部のAWG11(第1のAWG)と、受光部8において、リニアセンサと組み合わせた干渉光の検出・電気信号への変換用のAWG51(第2のAWG)と、リニアセンサと組み合わせたトリガ信号生成用のAWG(第3のAWG)とを備える構成となる。
また、実施例4の別のさらなる変形として、図8の(b)におけるリニアセンサ54の各センサ素子によって変換された後であって、サンプルホールド回路70によるサンプルホールド処理の前の電気信号を、A/D変換器56−1〜56−Kの各トリガ信号端子に供給しても良い。この構成では、干渉光の電気信号への変換タイミングに同期して、この電気信号自体で各A/D変換器のトリガ信号を生成することになり、実施例4のトリガ信号生成回路47に代替することで、受光部8の構成をより簡略化できる。
実施例3の受光部の構成とは異なり、図8の本実施例の光計測装置によれば、受光リニアセンサ54上の個々のセンサ素子のその位置に干渉光が到達したタイミングは、光スキャニング部9において被測定物上の対応する位置xpにビームウェストが到達したタイミングを示すことになる。リニアセンサ54上の個々のセンサ素子では、AWG11、AWG51のFSRに対応する時間間隔ごとに変換電気信号を出力する。したがって、K個のA/D変換器の各々は、対応するセンサ素子からの変換電気信号のタイミングで動作すれば良い。
前述の実施例3の受光部では、x軸方向に所要の分解能を得るために、ビームウェスト位置xpが移動して、位置分解点(分解能距離)が1つだけ変化するたびにタイミング信号生成部47からトリガ信号が出力され、単一のA/D変換器42で連続的にサンプリング処理がされる必要があった。一方、本実施例のリニアセンサ54を含む構成によれば、リニアセンサの内の1つのセンサ素子が、変換された電気信号を複数のA/D変換器56−1〜56−Kへ出力するその速度(頻度)は、x軸方向の位置分解点数分の1に低減される。各A/D変換器におけるサンプリング(A/D変換)動作も、x軸方向の位置分解点数分の1の比較的遅い速度で実行されれば良い。
前述の実施例3の受光部では、干渉光を解析するために、単一の高速なA/D変換器を使用して新しい位置分解点ごとに高速で連続的な信号処理(A/D変換)が必要であった。本実施例では、リニアセンサ54を使用することによって、より低速なパラレル信号処理(A/D変換)とすることができる。処理のパラレル化は電気信号処理だけではなく、本実施例のようにリニアセンサ54を使用して光信号処理レベルで行う。A/D変換器56−1、56−2、・・56−Kの個々に要求される変換速度は、AWG11のFSRにより決まるタイミングで済むため、すなわちセンサ素子数(K)分の1の速度で良い。したがって、A/D変換の速度は程々で良いため、より高精度なA/D変換器を用いることも可能になり、光計測装置の測定ダイナミックレンジの向上につながる。
尚、本実施例では、センサ素子の数Kと、A/D変換器の数Kとが同じで、1対1に対応しているものとして説明してきたが、本実施例の要点は、A/D変換器に求められる高速な動作要件を緩和するために、信号処理のパラレル化を、電気信号処理だけではなくリニアセンサ(センサアレイ)54を使用して光信号処理レベルで行うところにある。A/D変換器の数は回路規模に比例するため、A/D変換器の数を光測定装置の位置分解点の数まで増やすことが難しい場合もあり得る。
このような場合、実施例4の変形バージョンでは、リニアセンサにおけるセンサ素子の数を、間引きした状態で位置分解点の数より少なくし、同様にA/D変換器の数も間引きして少なくした構成として、センサ素子からの複数のトリガ信号を、さらに別の論理回路と組み合わせて、間引きした数のA/D変換器を動作させることができる。実施例3のようにが、ビームウェストが隣り合う別個の位置分解点に到達するたびごとに、単一のA/D変換器を高速に連続的な信号処理で動作させることを回避できる。間引きした数の複数のA/D変換器が交互に利用されるようにして、個々のA/D変換器に求められる変換速度(変換頻度)を遅くして、A/D変換器の変換速度の制限を回避する構成をとることができる。複数のA/D変換器を交互に動作させるようなトリガ信号は、センサ素子からのトリガ信号と他の電気回路(論理回路、パルス回路、遅延回路など)を組み合わせて、様々な方法により生成される。
(実施例5)
上述の実施例4では、A/D変換器による干渉光の検出において、1次元のリニアセンサを使用していた。このセンサアレイを2次元配置のものとすることによって、さらに低速の電気回路によって、受光部を構成できる。本実施例では、センサアレイを2次元配置とすることで、実施例2の3次元スキャンが可能な光計測装置に対応した受光部を構成することができる。
すなわち、光受光部の回折格子を含む光学系の構成を、図5のAWG11および第2の回折素子31を含む光学系として、被測定物10の位置に、2次元のエリアセンサを設置した構成とすることで、実施例4における1次元リニアセンサを使用した場合と同様の効果を得ることが可能となる。2次元のエリアセンサの個々のセンサは、第2の波長分散素子である回折格子31のFSRがスキャンされるタイミングで信号検出をすれば良く、低速のエレクトロニクス回路を用いることで、干渉光の変換電気信号を順次、個々のA/D変換器へ供給する信号処理が可能になる。
尚、実施例2で、図6に示したように、光源の掃引開始周波数が、アレイ導波路格子11および回折格子31の各FSRの開始周波数と一致し、かつ、回折格子31の第2のFSRがアレイ導波路格子11の第1のFSRのちょうど5倍となる例について説明した。このような場合には、上述の2次元のエリアセンサの構成にする必要はなく、実施例4と同様に1次元のリニアセンサで済む。被測定物の位置分解点は、xy面上でズレなく整然と並び、y軸上の位置が異なっても、x軸上の各位置分解点の位置はそれぞれ同一であるからである。したがって、波長可変光源1の掃引幅ΔFは、回折格子11のFSR、および、第2の回折格子31のFSRの、それぞれ整数倍の関係にあり、前記掃引された信号光の掃引開始周波数が、前記回折格子11のFSRの開始周波数に一致している場合には、実施例2の光スキャニング部の構成と、実施例4のタイミング生成部における一次元のリニアセンサを組み合わせることもできることに留意されたい。また、実施例4の変形バージョンで説明したように、トリガ信号の生成のために、位置分解点の数よりも間引きした数のセンサ素子を持つエリアセンサを利用できることも同様である。
(実施例6)
前述のように、実施例1の光計測装置では、被測定物の反射散乱点が式(3)によって規定される位置よりも、z軸方向の被測定物のより内部側にある場合は、その内部側の反射散乱点からの散乱光は干渉縞の信号周波数内にエイリアシング効果として見えていた。本実施例の光計測装置では、上述のエイリアシングに起因するゴーストを低減する構成を説明する。
図9は、本発明の実施例6の光計測装置においてエイリアシングに起因するゴーストを低減する方法を説明する図である。図9の(a)では、図4に示したのと同様に、干渉縞61と被測定物の特定の位置における反射散乱光に寄与する信号光の各周波数成分との関係を示している。パルス信号に相当するサンプリング列は、sinc関数62状の形状を持つ。これにより、被測定物10上におけるコヒーレンス関数は、図9の(b)における実線で示したように矩形の窓関数が掛ることになり、ゴースト信号65、66をフィルタリングして除去できる。上述のsinc関数状のフィールドは、図2におけるAWG11の設計パラメータを調整することによって簡単に実現できる。すなわち、AWG11のアレイ導波路11cからの出力電界分布の形状を矩形にすれば良い。
図10は、実施例6の光計測装置における被測定物上における信号光の電界分布を示す図である。アレイ導波路11cの出射端の出力電界分布が矩形である場合は、シリンドリカルレンズ13のフーリエ変換作用によって、被測定物10内ではx軸方向にsinc形状になる。この電界分布は、x軸上の点を固定してx=xpなる位置においてz軸方向を見ても、sinc形状となっている。
図11は、実施例6の光計測装置における信号光の電界分布において、図10の線分A−Bに沿ってz軸上の電界分布をプロットした図である。sinc状の電界分布をz軸方向にも持つため、そのフーリエ変換は、すなわち矩形のフィルタを被測定物10内から生じる反射散乱光の信号光にz軸方向にも掛けることになる。従って、本発明の光測定装置では、好ましくは、回折格子11および前述の第2の回折格子31のうち、少なくとも1つは、その出力フィールドが矩形形状を持っているものとして実現することができる。
一方で、この本実施例のエイリアシングに起因するゴーストを低減する方法を使用する場合では、x軸方向の分解能やダイナミックレンジを犠牲にするので、断層プロファイルを取得しようとする被測定物10の性状に合わせて、実施例1の構成または実施例2の構成を選択するのが好ましい。
上述のすべての実施例において、第1の回折格子としては、AWGの例を示したが、VIPA(Virtually Imaged Phased Array)を利用することもできる。また、第2の回折格子については、エシェル格子として、第一の回折格子よりも次数を低く設定したAWGやVIPA、または次数の高い回折格子を利用できる。
以上詳細に説明をしてきたように、本発明によって、ガルバノミラー等による機械的な駆動機構を省き、計測の高速化および高精度化、広いダイナミックレンジを実現したOCT装置およびOCT測定方法を提供することができる。
本発明は、光計測装置に利用できる。特に、生体などのイメージを取得するSS−OCT装置に利用できる。
1、71 波長可変光源
2、5,7、4 光ファイバ
3、72、77 光カプラ
6、79 ミラー
8 光検出部
9 光スキャニング部
10、76 被測定物
11、51 AWG
12、13、32、52 シリンドリカルレンズ
31 回折格子
41、44 ディテクタ
42、56−1、56−2〜56−K A/D変換器
43、58 エタロンフィルタ
45、57 ディジタル信号処理装置
54 リニアセンサ(センサアレイ)
54−1、54−2〜54−K センサ素子
70、100 光計測装置
75 レンズ
101、102 入力ポート
103、104 出力ポート

Claims (8)

  1. 周波数の掃引幅ΔFを有する掃引された信号光を供給する波長可変光源と、
    前記波長掃引された信号光を入力する第1のポートと、前記波長掃引された信号光を分岐して参照光を出力する第2のポートおよび被測定物への信号光を出力する第3のポートを少なくとも有するカプラと、
    前記参照光が伝搬する伝搬路を有し、所定の第1の光路長を経て前記第2のポートに前記参照光を再入力する参照光処理部と、
    前記カプラからの信号光を、該信号光の進行方向に垂直な第1の方向にスキャンしながら空間に出力して前記被測定物に入射させる往路と、前記被測定物の表層または内部から反射または散乱された信号光が前記往路を逆方向に伝搬する復路とを有し、前記カプラの前記第3のポートに前記反射または散乱された信号光を入力するよう構成された光スキャンニング部と、
    前記カプラの第4のポートから、前記第2のポートに再入力された前記参照光、および、前記第3のポートに入力された前記反射または散乱された信号光の干渉光が入力され、前記干渉光の干渉縞の繰り返しピーク周波数間隔と、前記参照光処理部における前記所定の第1の光路長、並びに、前記光スキャンニング部における前記被測定物までの前記往路および前記復路で決定される第2の光路長の差分に基づいて、前記光進行方向における前記被測定物の反射または散乱点の位置を特定するよう構成された受光部と
    を備え、
    前記光スキャニング部は、前記第1の方向に波長分波作用を持つ回折格子を含むことを特徴とする光計測装置。
  2. 前記回折格子のFSRは、前記掃引幅ΔFよりも狭いことを特徴とする請求項1に記載の光計測装置。
  3. 前記光スキャニング部は、
    前記信号光の進行方向および前記第1の方向に直交する第2の方向に波長分波作用を持つ第2の回折格子をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光計測装置。
  4. 前記回折格子は、アレイ導波路回折格子(AWG)であってその回折次数をmaとし、前記第2の回折格子の回折次数をmgとするとき、2≦mg<maの関係を満たすように各回折次数が設定されることを特徴とする請求項3に記載の光計測装置。
  5. 前記掃引幅ΔFは、前記回折格子のFSR、および、前記第2の回折格子のFSRの、それぞれ整数倍の関係にあり、前記掃引された信号光の掃引開始周波数が、前記回折格子のFSRの開始周波数に一致していることを特徴とする請求項3または4に記載の光計測装置。
  6. 前記回折格子および前記第2の回折格子のうち、少なくとも1つは、その出力フィールドが矩形形状を持っていることを特徴とする請求項3または4に記載の光計測装置。
  7. 前記受光部は、
    前記光スキャニング部に含まれた前記回折格子と同一のFSRを持ち、前記光スキャニング部からの前記干渉光が入力される第3の回折格子と、
    前記第3の回折格子の波長分波方向について、前記干渉光を収束させる集光レンズと、
    前記第3の回折格子の波長分波方向に平行に配列された複数のセンサ素子を含むセンサアレイであって、前記同一のFSRの開始周波数に対応するセンサ素子と、前記同一のFSRの終了周波数に対応するセンサ素子とが、前記配列された複数のセンサ素子の概ね両端に配置されたセンサアレイと、
    前記センサアレイの前記複数のセンサ素子の各々において、前記光スキャニング部における信号光の前記第1の方向のスキャンと同期して、前記干渉光から光電気変換された電気信号を、それぞれディジタル信号へ変換する複数のアナログディジタル変換器と、
    前記複数のアナログディジタル変換器の各々からのディジタル信号に基づいて、前記被測定物の反射または散乱点の位置の特定を行うよう構成されたディジタル信号処理装置と
    を含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の光計測装置。
  8. 周波数の掃引幅ΔFを有する掃引された信号光を供給する波長可変光源と、
    前記波長掃引された信号光を入力する第1のポートと、前記波長掃引された信号光を分岐して参照光を出力する第2のポートおよび被測定物への信号光を出力する第3のポートを少なくとも有するカプラと、
    前記参照光が伝搬する伝搬路を有し、所定の第1の光路長を経て前記第2のポートに前記参照光を再入力する参照光処理部と、
    前記カプラからの信号光を、該信号光の進行方向に垂直な第1の方向にスキャンしながら空間に出力して前記被測定物に入射させる往路と、前記被測定物の表層または内部から反射または散乱された信号光が前記往路を逆方向に伝搬する復路とを有し、前記カプラの前記第3のポートに前記反射または散乱された信号光を入力するよう構成された光スキャンニング部と、
    前記カプラの第4のポートから、前記第2のポートに再入力された前記参照光、および、前記第3のポートに入力された前記反射または散乱された信号光の干渉光が入力され、前記干渉光の干渉縞の繰り返しピーク周波数間隔と、前記参照光処理部における前記所定の第1の光路長、並びに、前記光スキャンニング部における前記被測定物までの前記往路および前記復路で決定される第2の光路長の差分に基づいて、前記光進行方向における前記被測定物の反射または散乱点の位置を特定するよう構成された受光部と
    を備え、
    前記光スキャニング部は、
    前記掃引幅ΔFよりも狭いFSRを有し、前記第1の方向に波長分波作用を持し、その出力フィールドが矩形形状を持っている回折格子と、
    前記回折格子の波長分波方向について、前記掃引された信号光を収束させる集光レンズとを含み、
    前記受光部は、
    前記光スキャニング部に含まれた前記回折格子と同一のFSRを持ち、前記光スキャニング部からの前記干渉光が入力される第3の回折格子と、
    前記第3の回折格子の波長分波方向について、前記干渉光を収束させる集光レンズと、
    前記第3の回折格子の波長分波方向に平行に配列された複数のセンサ素子を含むセンサアレイであって、前記同一のFSRの開始周波数に対応するセンサ素子と、前記同一のFSRの終了周波数に対応するセンサ素子とが、前記配列された複数のセンサ素子の概ね両端に配置されたセンサアレイと、
    前記センサアレイの前記複数のセンサ素子の各々において、前記光スキャニング部における信号光の前記第1の方向のスキャンと同期して、前記干渉光から光電気変換された電気信号を、それぞれディジタル信号へ変換する複数のアナログディジタル変換器と、
    前記複数のアナログディジタル変換器の各々からのディジタル信号に基づいて、前記被測定物の反射または散乱点の位置の特定を行うよう構成されたディジタル信号処理装置とを含むこと
    を特徴とする光計測装置。
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