JP2016075477A - 光プローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】測定環境の変化をより小さくすることが可能な光プローブを提供する。
【解決手段】光プローブ20では、測定時、すなわち第1光ファイバ21から測定光を照射している間は、カバー27を閉じて測定部25が外部から隔離された状態とすることができるため、測定環境の変化、具体的には測定中の測定対象物の移動、特に測定部25内と外側との間での移動を規制することができる。したがって、測定対象物の組成の変化を抑制することができるため、測定精度の向上が可能となる。
【選択図】図2
【解決手段】光プローブ20では、測定時、すなわち第1光ファイバ21から測定光を照射している間は、カバー27を閉じて測定部25が外部から隔離された状態とすることができるため、測定環境の変化、具体的には測定中の測定対象物の移動、特に測定部25内と外側との間での移動を規制することができる。したがって、測定対象物の組成の変化を抑制することができるため、測定精度の向上が可能となる。
【選択図】図2
Description
本発明は、光プローブに関する。
液体試料に対して測定光を照射して、測定対象物の測定光の反射率及び透過率を測定するための光プローブを備えた測定装置が知られている(例えば、特許文献1〜3等)。
ここで、測定環境に応じて測定結果が大きく変わる可能性がある液体試料が測定の対象となる場合がある。この場合、測定環境が変化すると測定精度が低下する可能性がある。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、測定環境の変化をより小さくすることが可能な光プローブを提供することを目的とする。
本願発明は、
(1)測定対象物が収容可能な測定部と、
光源からの近赤外光を前記測定部の前記測定対象物に対して照射する照射部と、
前記測定対象物から出射される透過光又は散乱光を入射して分析器まで導波する入射部と、
前記照射部及び前記入射部の端部が内部に収容された筺体部と、を備える光プローブであって、
前記測定対象物に対して前記照射部より前記近赤外光を照射している間、前記測定部内の前記測定対象物の温度又は濃度を一定に保持する保持手段を更に備える光プローブ、
である。
(1)測定対象物が収容可能な測定部と、
光源からの近赤外光を前記測定部の前記測定対象物に対して照射する照射部と、
前記測定対象物から出射される透過光又は散乱光を入射して分析器まで導波する入射部と、
前記照射部及び前記入射部の端部が内部に収容された筺体部と、を備える光プローブであって、
前記測定対象物に対して前記照射部より前記近赤外光を照射している間、前記測定部内の前記測定対象物の温度又は濃度を一定に保持する保持手段を更に備える光プローブ、
である。
本発明によれば、測定環境の変化をより小さくすることが可能な光プローブが提供される。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。
本願の光プローブは、
(1)測定対象物が収容可能な測定部と、光源からの近赤外光を前記測定部の前記測定対象物に対して照射する照射部と、前記測定対象物から出射される透過光又は散乱光を入射して分析器まで導波する入射部と、前記照射部及び前記入射部の端部が内部に収容された筺体部と、を備える光プローブであって、前記測定対象物に対して前記照射部より前記近赤外光を照射している間、前記測定部内の前記測定対象物の温度又は濃度を一定に保持する保持手段を更に備えることを特徴とする。
(1)測定対象物が収容可能な測定部と、光源からの近赤外光を前記測定部の前記測定対象物に対して照射する照射部と、前記測定対象物から出射される透過光又は散乱光を入射して分析器まで導波する入射部と、前記照射部及び前記入射部の端部が内部に収容された筺体部と、を備える光プローブであって、前記測定対象物に対して前記照射部より前記近赤外光を照射している間、前記測定部内の前記測定対象物の温度又は濃度を一定に保持する保持手段を更に備えることを特徴とする。
光プローブが、保持手段を備える構成とすることで、測定中の測定環境、具体的には測定中の測定対象物の温度又は濃度を一定に保つことができるため、測定精度の向上が可能となる。
(2)また、(1)の光プローブにおいて、前記近赤外光は、1650nm〜1750nmの波長帯域に含まれる光を含んでいる態様とすることができる。
1650nm〜1750nmの波長帯域に含まれる光を含んだ近赤外光を測定光として用いる構成とした場合、一般的に液体の計測において支配的な水の吸収帯である1400nm付近及び1900nm付近の波長帯域を回避した計測ができるため、良好な計測精度の維持が可能となる。
(3)また、(1)又は(2)の光プローブにおいて、前記測定部は、開閉可能な開閉機構を有し、前記測定対象物に対して前記照射部より前記近赤外光を照射している間、前記開閉機構が閉じている態様とすることができる。
開閉機構によって測定部内の測定対象物を外部から遮蔽した状態で測定を行うことにより、測定中の測定環境の変化をより小さくすることが可能となる。
(4)また、(1)〜(3)のいずれかの光プローブにおいて、前記測定部は、前記測定対象物の温度を計測する温度計測手段を更に備える態様とすることができる。
温度計測手段により温度を計測する構成とすることで、温度の制御や測定条件の管理をより好適に行うことができる。
(5)また、(1)〜(4)のいずれかの光プローブにおいて、前記測定部と外部との間にフィルタが設けられている態様とすることができる。
フィルタを設けることで、測定対象物内に粒子等を除去した状態で測定部内に測定対象物を導入できるため、測定精度が向上する。また、測定対象物において、溶液と粒子との間で温度が異なる場合、温度の安定化が実現される。
(6)また、(1)〜(5)のいずれかの光プローブにおいて、前記測定対象物に対して前記照射部より前記近赤外光を照射している間、前記測定対象物の温度又は濃度の変動量が、その平均値に対して±5%以内である態様とすることができる。
このように、測定対象物Oの温度又は濃度の変動量が、平均値に対して±5%以内とした場合、測定精度が特に向上する。
[本願発明の実施形態の詳細]
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明に係る光プローブの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る測定装置の概略構成と主な使用方法を説明する図である。
図1に示すように、測定装置1は、光源10と、光プローブ20と、分析器30と、を含んで構成される。測定装置1による測定対象物Oは液体であり、特に経時的に性状等が変化する可能性がある混合溶液に用いることができる。このような混合溶液としては、例えば、発酵工程が行われた後の発酵液等が挙げられる。このような混合溶液が測定対象物Oである場合には、測定対象物Oを収容する容器の底部等に攪拌手段が設けられていてもよい。ただし、混合溶液は、測定対象物Oが撹拌手段により撹拌されていても、濃度(ここでは、溶液の各成分の濃度、固形物が浮遊する場合にはその分布密度等を指す)及び温度が均一になることが難しいと考えられる。これに対して、本実施形態に係る測定装置1の光プローブ20では、測定対象物Oの測定条件をできるだけ一定に保った状態で測定を行うことを実現する。
図1は、第1実施形態に係る測定装置の概略構成と主な使用方法を説明する図である。
図1に示すように、測定装置1は、光源10と、光プローブ20と、分析器30と、を含んで構成される。測定装置1による測定対象物Oは液体であり、特に経時的に性状等が変化する可能性がある混合溶液に用いることができる。このような混合溶液としては、例えば、発酵工程が行われた後の発酵液等が挙げられる。このような混合溶液が測定対象物Oである場合には、測定対象物Oを収容する容器の底部等に攪拌手段が設けられていてもよい。ただし、混合溶液は、測定対象物Oが撹拌手段により撹拌されていても、濃度(ここでは、溶液の各成分の濃度、固形物が浮遊する場合にはその分布密度等を指す)及び温度が均一になることが難しいと考えられる。これに対して、本実施形態に係る測定装置1の光プローブ20では、測定対象物Oの測定条件をできるだけ一定に保った状態で測定を行うことを実現する。
光源10は、液体の測定対象物Oに対して照射する測定光として近赤外光を出射する。本実施形態に係る測定装置1で用いられる近赤外光とは、700nm〜2500nmの波長帯域の光を指す。また、1650nm〜1750nmの波長帯域に含まれる光を含んだ近赤外光を測定光として用いる構成とした場合、一般的に液体の計測において支配的な水の吸収帯である1400nm付近及び1900nm付近の波長帯域を回避した計測ができるため、良好な計測精度の維持が可能となる。
光源10は、近赤外光を出射可能であれば特に限定されず、例えば、ハロゲンランプ等を用いることができる。また、光源10は、パルス光を出射するような構成であってもよい。さらに、光源10としてスーパーコンティニューム(Supercontinuum)光源を用いることもできる。この場合、広帯域の近赤外光を効率よくプローブに結合できるため、エネルギーのロスは小さくなる。その他、LED光源やSLD光源を用いることも可能である。この場合、波長帯域が重なるLEDやSLDを複数個組み合わせて出射光の強度を大きくした構成でもよいし、波長帯域の異なるLEDやSLDを組み合わせて出射光の帯域を広げた構成でもよい。これらの場合、光源の低消費電力化や長寿命化が期待できる。このほか、波長可変光源や波長掃引光源なども適用可能である。これらの光源を用いた場合。後述する分光部が不要になり簡素な構成が実現可能である。
光プローブ20は、コネクタ等により光源10に対して接続され、光源10からの近赤外光を導波して測定対象物の液体に対して近赤外光を出射する。また、光プローブ20は、近赤外光を照射した測定対象物からの透過光又は散乱光を入射して分析器30に導波する機能を有する。図1に示すように、測定対象物O内に光プローブ20の先端を導入することで、測定が行われる。光プローブ20内では、光ファイバによって光が導波されるが、その具体的な構成については後述する。
分析器30は、光プローブ20からの光を受光して測定を行う機能を有する。分析器30は、光プローブ20の光ファイバを導波した透過光又は散乱光を波長に応じて分光する分光部と、2次元配列された複数の受光センサから構成され、分光部により分光された光を受光するセンサ部と、を含んで構成される。なお、分光部は光源10側に設けられていてもよい。
分析器30においては、受光センサとして、MCT、InSb、InGaAs、InGaAs/GaAsSbの量子井戸型などを用いることが出来る。分析器30が分光部とセンサ部とからなる構成を採用した場合、従来のポイントセンサを用いる場合に比べて、短時間での測定が可能となる。また、受光センサとしてInGaAs/GaAsSbの量子井戸型のセンサを用いることにより、比較的安価で高精度の計測性能を実現することができる。
次に、測定装置1のうち、特に光プローブ20について、図2も参照しながら説明する。図2(A)は、測定装置1のうち光プローブ20の正面図であり、図2(B)は、光プローブ20の先端部の構成を説明する斜視図である。
光プローブ20は、光源10に対してその一方の端部21aが接続する(図1参照)第1光ファイバ21(照射部)と、分析器30に対してその一方の端部22aが接続する(図1参照)第2光ファイバ22(入射部)と、第1光ファイバ21の光源10側とは逆側の端部21b及び第2光ファイバ22の分析器30側とは逆側の端部22bが収容される筺体部23を含んで構成される。第1光ファイバ21及び第2光ファイバ22は、筺体部23側の端部では、略同一の方向に延び、筺体部23は、2つの光ファイバの光軸方向に沿って延びる略円筒形状をなしている。
第1光ファイバ21及び第2光ファイバ22は、石英ガラス光ファイバを含んだ構成とすることができる。この場合、光源10から出射される近赤外光を導波させることによる損失を低減することができる。特に、分析器30と接続された第2光ファイバ22は、石英ガラスファイバであることが望ましい。この場合には、近赤外光の長波長側となる波長2500nmまでの光を低損失で伝送することが可能となる。また、第1光ファイバ21及び第2光ファイバ22は、所謂OHフリーファイバであることが好ましい。OHフリーファイバは、1400nm前後及び1900nm前後にあるOH由来の大きな吸収を回避出来ることから、スペクトル解析において近赤外の波長帯を広く有効に活用できる。
第1光ファイバ21の端部21b及び第2光ファイバ22の端部22bは、測定対象物Oが流入可能な開口として形成された測定部25と対向している。
光プローブ20の測定部25は、略円筒形状の筺体部23の一部を切り欠いて形成されるものである。測定部25の壁面25aには、第1光ファイバ21の端部21b及び第2光ファイバ22の端部22bが設けられる。なお、第1光ファイバ21の端部21bと測定部25の壁面25aとの間の光路上、及び、第2光ファイバ22の端部22bと測定部25の壁面25aとの間の光路上には、それぞれレンズ等の光学部品が設けられていてもよい。
また、測定部25には、開閉可能な機構として、カバー27が取り付けられる。カバー27の形状は、筺体部23の外周形状に沿った形状とすることができるが、第1光ファイバ21及び第2光ファイバ22による測定に影響しない形状であれば特に限定されない。カバー27は、カバー27の開閉は手動で行う構成としてもよいし、測定対象物Oの測定開始指示と連動して駆動手段等によって自動的に開閉する構成としてもよい。カバー27は、測定部25内の測定対象物Oの組成を一定に保持する保持手段として機能する。
このような測定装置1では、光源10からの近赤外光は、光プローブ20の第1光ファイバ21内に端部21aから導入され、第1光ファイバ21内を伝搬した後、端部21bから測定部25内に出射される。測定部25内には、光プローブ20の測定対象物Oが導入するため、光源10からの近赤外光は、測定部25内の測定対象物Oに対して照射される。
近赤外光の照射によって、測定部25内の測定対象物O(液体部分A)から出射される散乱光は、第2光ファイバ22の端部22bに入射する。散乱光は、第2光ファイバ22内を伝搬して、第2光ファイバ22の端部から分析器30に入射する。その後、分析器30において、波長に応じて互いに分光された後に、受光センサによって受光される。その後、波長毎の光の強度に基づいたスペクトル情報を取得することができる。
ここで、本実施形態に係る光プローブ20では、測定対象物Oの測定を行う前は、カバー27を開けて測定部25内に測定対象物Oを導入した後、カバー27を閉じた状態として測定部25が外部から隔離された状態で測定を行う。光プローブ20の測定部25内の測定対象物Oが外部との間で移動可能である場合、測定部25における測定対象物Oの濃度(溶液の各成分の濃度及び浮遊する固形物の密度等)は揺らいでいて、経時的に変化する。これは、測定対象物O内の少なくとも一部の成分が溶解していない場合には当然に起きる現象である。
このように、測定対象物Oの濃度が一様ではない場合、測定部25において測定を行っている間にも測定対象物Oの濃度が変化することが考えられる。具体的には、上記の分光分析を行う場合、スペクトルを取得するまでの所要時間は数秒〜十数秒程度であるが、この間にも濃度が変化する可能性はある。測定中に測定対象物Oの濃度が変化した場合、測定誤差が生じる。このように、測定対象物Oの移動等に由来して測定環境が変わると測定精度が低下する可能性がある。
これに対して、本実施形態に係る光プローブ20では、測定時、すなわち第1光ファイバ21から測定光として近赤外光を照射している間は、カバー27を閉じて測定部25が外部から隔離された状態とすることができるため、測定環境の変化、具体的には測定中の測定対象物Oの移動、特に測定部25内と外側との間での移動を規制することができる。したがって、測定対象物Oの濃度の変化を抑制することができるため、測定精度の向上が可能となる。測定対象物Oの組成(ここでは濃度)の変動量が、平均値に対して±5%以内とした場合、測定精度が特に向上する。
なお、上記実施形態では、光プローブ20において、測定対象物Oの移動を規制することにより測定対象物Oの濃度の変化を抑制する構成について説明したが、測定対象物Oの測定結果に影響を与える測定環境として、温度も挙げられる。したがって測定部25内の温度の変化を抑制して一定に保持するための保持手段として、測定部25内に熱電対等の温度センサ(温度計測手段)と、電熱線等の温度調整装置を配置して、測定中の測定部25内の温度変化を抑制する構成とすることもできる。この場合、特に温度変化によって特性が変化しやすい溶液が測定対象物Oを測定する際の測定精度の向上が可能となる。測定対象物Oの温度の変動量が、平均値に対して±5%以内とした場合、測定精度が特に向上する。
また、筺体部23やカバー27の材質を熱伝導性の低いものとした場合、計測中の測定対象の温度変化の影響を小さくすることが出来る。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る光プローブについて、図3を参照しながら説明する。図3(A)は、第2実施形態に係る光プローブ20Aの上面図であり、図3(B)は、光プローブ20Aの先端部の構成を説明する斜視図である。この光プローブ20Aは、光プローブ20と同様に測定装置1において使用可能である。
次に、第2実施形態に係る光プローブについて、図3を参照しながら説明する。図3(A)は、第2実施形態に係る光プローブ20Aの上面図であり、図3(B)は、光プローブ20Aの先端部の構成を説明する斜視図である。この光プローブ20Aは、光プローブ20と同様に測定装置1において使用可能である。
第2実施形態に係る光プローブ20Aが第1実施形態に係る光プローブ20と異なる点は、測定部の構造である。具体的には、光プローブ20Aでは、測定部として機能する石英セル29が取り付けられる点が、光プローブ20と相違する。
光プローブ20Aの石英セル29は、測定光である近赤外光を透過することが可能である。また、石英セル29は、第1実施形態の光プローブ20において測定部25が形成されていた筺体部23の切欠き部分に取り付けられる。第1光ファイバ21の端部21b及び第2光ファイバ22の端部22bは、石英セル29の外周面と対向するように配置される。これにより、第1光ファイバ21を伝搬した光を石英セル29内に照射可能となると共に石英セル29内の測定対象物Oからの光を第2光ファイバ22に対して入射させることができる。
石英セル29は、断面が四角系の中空の筒状とされていて、端部29a,29bが開口となっている。これにより、内部に測定対象物Oが移動可能となる。また、石英セル29の端部29a,29bは、開閉可能な開閉機構としてのカバー(図示せず)が設けられていて、測定対象物Oの測定を行う前は、カバーを開けて石英セル29内に測定対象物Oを導入した後、カバーを閉じた状態として石英セル29が外部から隔離された状態で測定を行う。
このように、本実施形態に係る光プローブ20Aでは、石英セル29の形状を変更した場合にも、測定時にはカバーを閉じて石英セル29が外部から隔離された状態とすることができるため、測定環境の変化、具体的には測定中の測定対象物Oの移動、特に石英セル29内と外側との間での移動を規制することができる。したがって、測定対象物Oの組成の変化を抑制することができるため、測定精度の向上が可能となる。
なお、石英セル29の端部29a、29bに測定対象物Oに含まれる固体が石英セル29内に入ることを防ぐために、所定の粒径以上の粒子が通過できないフィルタを設ける構成としてもよい。この場合、石英セル29内には測定対象物Oのうちの液体成分のみを導入することができるため、液体成分の測定を精度よく行うことができる。また、測定対象物Oにおいて、液体成分と粒子との間で温度が異なる場合、温度の安定化が実現される。
また、測定中に石英セル29内外の測定対象物Oの移動を規制する手段は、端部29aに設けられるカバーに限定されず、他の方法を適用することもできる。例えば、小型モータ等により駆動し、外部の液体を導入又は排出可能な機構を石英セル29に設けて、測定前に外部の測定対象物Oを石英セル29内に導入する構成としてもよい。
また、上記実施形態では石英セル29が測定光を透過可能な石英セルによって構成されている場合について説明したが、金属セルに変更してもよい。ただし、この場合、測定対象物Oの測定を行うためには、第1光ファイバ21の端部21b及び第2光ファイバ22の端部22bと対向する領域は、光透過性を有する必要がある。したがって、例えば図4に示すような第1光ファイバ21の端部21b及び第2光ファイバ22の端部22bと対向する領域に開口40aを設けたセル40を測定部として使用する構成としてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る光プローブについて、図5を参照しながら説明する。図5は、第3実施形態に係る光プローブ20Bの先端部の構成を説明する斜視図である。この光プローブ20Bは、光プローブ20と同様に測定装置1において使用可能である。
次に、第3実施形態に係る光プローブについて、図5を参照しながら説明する。図5は、第3実施形態に係る光プローブ20Bの先端部の構成を説明する斜視図である。この光プローブ20Bは、光プローブ20と同様に測定装置1において使用可能である。
第3実施形態に係る光プローブ20Bが第1実施形態に係る光プローブ20と異なる点は、光源10と接続されて、測定部25の測定対象物Oに対して照射する光の導波路及び測定対象物Oから出射される光を入射させて分析器30まで伝搬させる光導波路の構造である。また、光プローブ20Bは、測定部25において、温度を制御する手段のみを備えていて、開閉式のカバーを備えていない点も相違する。
光プローブ20Bの測定部25自体は、光プローブ20の測定部と同様である。一方、測定部25の壁面25aには、光源10からの光を測定対象物Oに対して照射する照射部として機能する第1光導波路31の端部31bの周囲を覆うように、測定対象物Oからの光を入射して分析器30まで伝搬させる第2光導波路32の端部32bが形成されている。なお、第1光導波路31は光学的に光源10に接続される一方で、第2光導波路32は光学的に分析器30に接続されるため、壁面25aにおいて第2光導波路32に周囲が囲われている第1光導波路31は、壁面25aよりも上流側(光源10及び分析器30側)において第2光導波路32とはその光路が分けられる。その構成については特に限定されず、例えば、光学素子等を用いて光路を分離させる構成としてもよい。この場合、照射部及び入射部は複数の光導波路又は光ファイバを組み合わせて構成されていてもよい。このように、第1光導波路(照射部)及び第2光導波路(入射部)の構成は適宜変更することができる。
光プローブ20Bの測定部25には、温度制御のための手段として、温度計測手段としての温度センサ33(熱電対)及びヒーターや電熱線等の温度調整装置(図示せず)が配置される。具体的には、温度センサ33により測定された温度に基づいて温度調整装置により加温温度等を変更することにより、測定対象物Oの測定環境の変化、具体的には測定中の測定対象物Oの温度を制御することができる。したがって、温度変化に由来する測定対象物Oの組成の変化を抑制することができるため、測定精度の向上が可能となる。なお、少なくとも温度調整装置が設けられていれば、温度を一定の温度に保つことは可能であると考えられることから、温度調整装置のみを備えていてもよいが、温度センサ33を備えている場合、温度管理をより好適に行うことができる。
なお、光プローブ20Bは、光プローブ20のように測定中に測定部25の周囲を覆う開閉式のカバーは設けられていないが、カバーを設ける構成としてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る光プローブについて、図6を参照しながら説明する。図6(A)は、第4実施形態に係る光プローブ20Cの上面図であり、図6(B)は、光プローブ20Cの先端部の構成を説明する斜視図である。この光プローブ20Cは、光プローブ20と同様に測定装置1において使用可能である。
第4実施形態に係る光プローブについて、図6を参照しながら説明する。図6(A)は、第4実施形態に係る光プローブ20Cの上面図であり、図6(B)は、光プローブ20Cの先端部の構成を説明する斜視図である。この光プローブ20Cは、光プローブ20と同様に測定装置1において使用可能である。
第4実施形態に係る光プローブ20Cは、第2実施形態に係る光プローブ20Aと同様に、測定部にセルが設けられている。ただし、第2実施形態に係る光プローブ20Aと異なる点は、測定部に石英セルではなく金属セル34が設けられている点、及び、金属セル34によって、反射する光の測定も可能とされている点である。
金属セル34は、断面が四角形の中空の筒状とされていて、端部34a,34bが開口となっている。端部34a,34bは、開閉可能な開閉機構としてのカバーがあるとよい。また、所定の粒径以上の粒子が通過できないフィルタを設ける構成としてもよい。この他、小型モータ駆動等の機構によって、外部の測定対象物Oを導入又は排出可能な構成としてもよい。
さらに、金属セル34は、第1光ファイバ21の端部21b及び第2光ファイバ22の端部22bが金属セル34内に露出するように開口34cが設けられるため、第1光ファイバ21からの光が金属セル34内の測定対象物Oに対して照射されると共に、金属セル34内の測定対象物Oからの光が第2光ファイバ22へ入射する。ここで、金属セル34は、内面34dが反射面として機能することから(図6(A)参照)、測定対象物O内を透過した透過光も第2光ファイバ22へ到達することが可能となる。
なお、内面34dに対して第1光ファイバ21の端部21bから斜めに入射して、内面34dにおける反射光を第2光ファイバ22の端部22bに入射させるために、第1光ファイバ21及び第2光ファイバ22をわずかに曲げて斜めの角度で固定する構成とすることも有効である。また、各ファイバを直線状態で固定し、第1光ファイバ21の端部21b及び第2光ファイバ22の端部22bと開口34cとの間にレンズ等の光学部品を配置し、端部21bと端部22bとの間の光線軸を調整する構成としてもよい。
なお、光プローブ20Cは、カバー又は温度制御手段の少なくとも一方が設けられている。これにより、他の実施形態で示した光プローブと同様に、測定対象物Oの測定環境の変化を制御することができる。
そして、本実施形態に係る光プローブ20Cに示すように、測定部の形状は適宜変更することができる。特に光プローブ20Cの構成の場合、測定対象物O内を透過した透過光も検出することができるため、測定対象物Oの組成の変化を抑制することができるだけではなく、測定精度の向上が可能となる。
以上、本発明の実施形態に係る光プローブ、測定装置及び測定方法について説明したが、本発明に係る光プローブ及び測定装置は上記実施形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。
1…測定装置、10…光源、20,20A,20B,20C…光プローブ、30…分析器、21…第1光ファイバ、22…第2光ファイバ、23…筺体部、25…測定部、31…第1光導波路、32…第2光導波路。
Claims (6)
- 測定対象物が収容可能な測定部と、
光源からの近赤外光を前記測定部の前記測定対象物に対して照射する照射部と、
前記測定対象物から出射される透過光又は散乱光を入射して分析器まで導波する入射部と、
前記照射部及び前記入射部の端部が内部に収容された筺体部と、を備える光プローブであって、
前記測定対象物に対して前記照射部より前記近赤外光を照射している間、前記測定部内の前記測定対象物の温度又は濃度を一定に保持する保持手段を更に備える光プローブ。 - 前記近赤外光は、1650nm〜1750nmの波長帯域に含まれる光を含んでいる請求項1記載の光プローブ。
- 前記測定部は、開閉可能な開閉機構を有し、前記測定対象物に対して前記照射部より前記近赤外光を照射している間、前記開閉機構が閉じている請求項1又は2記載の光プローブ。
- 前記測定部は、前記測定対象物の温度を計測する温度計測手段を更に備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の光プローブ。
- 前記測定部と外部との間にフィルタが設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の光プローブ。
- 前記測定対象物に対して前記照射部より前記近赤外光を照射している間、前記測定対象物の温度又は濃度の変動量が、その平均値に対して±5%以内である請求項1〜5のいずれか一項に記載の光プローブ。
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