JP2016074027A - 電極チップの整形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極チップの寿命低下を抑制しながら、先端が平坦な電極チップを整形する。
【解決手段】本発明の電極チップの整形方法は、電極チップ20の中心軸Cを回転軸として、整形工具10と先端が平坦な電極チップ20とを相対回転させた状態で、整形工具10に電極チップ20を圧接する。整形工具10の電極チップ20を圧接する整形部12には、電極チップ20の直径よりも長い少なくとも1本の突条部14を設け、突条部14を回転軸と直交するように配置する。これにより、突条部14が、電極チップ20の先端面22全体をカバーして回転接触し、先端面22の最も低い位置に合わせて均すようにして塑性変形させ、先端面22を平坦に整形することができる。更に、切削整形と比較して、電極チップ20の寿命低下を抑制することができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の電極チップの整形方法は、電極チップ20の中心軸Cを回転軸として、整形工具10と先端が平坦な電極チップ20とを相対回転させた状態で、整形工具10に電極チップ20を圧接する。整形工具10の電極チップ20を圧接する整形部12には、電極チップ20の直径よりも長い少なくとも1本の突条部14を設け、突条部14を回転軸と直交するように配置する。これにより、突条部14が、電極チップ20の先端面22全体をカバーして回転接触し、先端面22の最も低い位置に合わせて均すようにして塑性変形させ、先端面22を平坦に整形することができる。更に、切削整形と比較して、電極チップ20の寿命低下を抑制することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、電極チップの整形方法に関するものである。
抵抗スポット溶接に用いられる溶接ガンの電極チップは、繰り返し溶接作業に使用されると、圧接による変形や摩耗によって先端形状が変わってしまう。特に、先端が平坦形状のフラット型電極チップは、繰り返し使用されると、先端面の中央近傍が凹む傾向にある。このように先端が変形したフラット型電極チップを引き続き使用して、抵抗スポット溶接を行うと、先端が変形していない電極チップを使用するときよりも大きな電流が必要になるだけではなく、溶接品質が悪くなってしまう。このため、電極チップの先端が変形した場合には、電極チップの先端を正規形状に復元するか、新しい電極チップに交換する必要がある。従来、電極チップの復元方法として、電極チップの先端を切削する方法(例えば、特許文献1参照)や、電極チップの先端を塑性変形させる方法(例えば、特許文献2参照)が行われていた。
しかしながら、上述した電極チップの先端を切削する方法は、切削する毎に電極チップの長さが短くなってしまうため、電極チップの寿命を縮めるものであった。又、電極チップの先端を塑性変形させる従来の方法は、電極チップの先端がドーム状等の場合には対応できるが、先端が平坦なフラット型電極チップを、元の平坦な形状に塑性変形させるのは困難であった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電極チップの寿命低下を抑制しながら、先端が平坦な電極チップを整形することにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。そのため、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。そのため、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)先端が平坦な抵抗溶接用の電極チップを、溶接作業に使用された状態から整形するための整形方法であって、前記電極チップの直径よりも長い少なくとも1本の突条部を設けた面を有する整形工具と、前記電極チップとを、前記電極チップの中心軸を回転軸として相対回転させた状態で、この際、前記突条部を前記回転軸と直交するように配置し、前記電極チップの先端面を前記整形工具の前記突条部を設けた面に圧接する電極チップの整形方法(請求項1)。
(2)上記(1)項において、前記整形工具に、前記電極チップの直径よりも長い突条部を含む複数の突条部を、平行かつ高さを等しく設ける電極チップの整形方法。
(3)上記(2)項において、前記整形工具に、前記複数の突条部として3本の突条部を設け、該3本の突条部のうちの両側の突条部を、前記電極チップの先端面の外周近傍に接触する位置で回転させる電極チップの整形方法。
(3)上記(2)項において、前記整形工具に、前記複数の突条部として3本の突条部を設け、該3本の突条部のうちの両側の突条部を、前記電極チップの先端面の外周近傍に接触する位置で回転させる電極チップの整形方法。
(4)上記(1)〜(3)項において、前記整形工具に、溶接ガンに具備された状態で前記電極チップと対向する電極チップを整形するための整形面を設け、前記電極チップと前記対向する電極チップとを同時に整形する電極チップの整形方法。
(5)先端が平坦な抵抗溶接用の電極チップを、溶接作業に使用された状態から整形するための整形工具であって、前記電極チップの直径よりも長い少なくとも1本の突条部が設けられた、前記電極チップの先端面が圧接される整形部を含み、前記突条部が、前記電極チップの中心軸と直交するように配置された状態で、前記電極チップの中心軸を回転軸として回転駆動される電極チップの整形工具。
(6)上記(5)項において、前記整形部に、前記電極チップの直径よりも長い突条部を含む複数の突条部が、平行かつ高さが等しく設けられた電極チップの整形工具。
(6)上記(5)項において、前記整形部に、前記電極チップの直径よりも長い突条部を含む複数の突条部が、平行かつ高さが等しく設けられた電極チップの整形工具。
本発明はこのように構成したので、電極チップの寿命低下を抑制しながら、先端が平坦な電極チップを整形することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、図面の全体にわたって、同一部分は同一符号で示している。又、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、詳しい説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電極チップの整形方法で用いる、電極チップの整形工具10を示している。電極チップの整形工具10は、大略には、溶接ガン64(図4参照)に具備されている一対の電極チップ20、30を整形するためのものであり、図1(a)には、一対の電極チップ20、30により挟み込んだ状態の整形工具10を示している。又、電極チップの整形工具10は、詳しくは後述するが、整形装置40(図3参照)に取り付けられた状態で、一対の電極チップ20、30の中心軸Cを回転軸として、図1中の矢印の如く整形装置40により回転されて使用されるものである。なお、図1(b)には、電極チップ20が整形工具10に接触する範囲を2点鎖線で示している。
図1は、本発明の実施の形態に係る電極チップの整形方法で用いる、電極チップの整形工具10を示している。電極チップの整形工具10は、大略には、溶接ガン64(図4参照)に具備されている一対の電極チップ20、30を整形するためのものであり、図1(a)には、一対の電極チップ20、30により挟み込んだ状態の整形工具10を示している。又、電極チップの整形工具10は、詳しくは後述するが、整形装置40(図3参照)に取り付けられた状態で、一対の電極チップ20、30の中心軸Cを回転軸として、図1中の矢印の如く整形装置40により回転されて使用されるものである。なお、図1(b)には、電極チップ20が整形工具10に接触する範囲を2点鎖線で示している。
図1に示すように、電極チップの整形工具10は、先端が平坦な電極チップ20を整形するための整形部12と、先端がドーム状の電極チップ30を整形するための整形面16が設けられた本体部11とを備えている。整形部12は、整形工具10の本体部11と一体的に回転するように、本体部11に固定されている。整形部12には、図1及び図2で確認できるように、少なくとも1本の突条部14が設けられており、図示の例では、突条部14として、3本の突条部14a〜14cが設けられている。これら3本の突条部14a〜14cは、平行で高さが等しく設けられていると共に、図1(b)で確認できるように、何れも図中上下方向の長さが、電極チップ20の直径dよりも大きく設けられている。又、3本の突条部14a〜14cは、整形部12に対して電極チップ20が圧接されたときに、中央の突条部14aが、整形工具10の回転軸、すなわち、電極チップ20の中心軸Cと直交する位置に配置されている。一方、両側の突条部14b、14cは、電極チップ20の先端面22の外周近傍に接触する位置に配置されている。
本体部11に設けられた整形面16は、上述したように、先端がドーム状の電極チップ30を整形するためのものであり、電極チップ30の先端部32を、元のドーム状に整形するような形状を有している。すなわち、図1の例では、整形面16は、ドーム状に凹んだ形状を有している。
なお、図1及び図2の例では、整形工具10の整形部12が、本体部11と別の部材で構成されているが、整形部12と本体部11とは、1つの部材として一体的に構成されていてもよい。又、本体部11及び整形部12は、電極チップ20、30の材料等に応じて、電極チップ20、30を塑性変形させることが可能な適切な材料で形成されている。
なお、図1及び図2の例では、整形工具10の整形部12が、本体部11と別の部材で構成されているが、整形部12と本体部11とは、1つの部材として一体的に構成されていてもよい。又、本体部11及び整形部12は、電極チップ20、30の材料等に応じて、電極チップ20、30を塑性変形させることが可能な適切な材料で形成されている。
次に、図3には、図1に示した電極チップの整形工具10が取り付けられる整形装置40を示している。図3に示すように、整形装置40は、整形工具10を回転可能に保持する整形ヘッド42と、整形ヘッド42を上下方向に移動可能に支持する支持手段44とを備えている。整形ヘッド42は、整形工具10を保持すると共に、一対の電極チップ20、30を整形工具10に圧接できるような2つの開口部50、52を備えた工具保持部46と、工具保持部46を回転させる回転駆動手段48とを有している。すなわち、図3には図示されていないが、電極チップの整形工具10は、図中上側に整形面16が配置され、図中下側に整形部12が配置される態様で、工具保持部46により保持されている。そして、工具保持部46には、電極チップ30を図3中上側から整形工具10の整形面16に接触させるための開口部50と、電極チップ20を図3中下側から整形工具10の整形部12に接触させるための開口部52とが設けられているものである。
続いて、図4は、溶接作業を行うための溶接ロボット60を、図3に示した整形装置40と共に示している。溶接ロボット60は、アーム62の先端に、溶接ガン64が取り付けられた構成である。そして、溶接ガン64には、図1に示した一対の電極チップ20、30が具備されている。又、溶接ロボット60の近くであって、溶接ロボット60の制御により、溶接ガン64に具備されている一対の電極チップ20、30が整形し得る姿勢で届く範囲に、支柱Tが立設されており、この支柱Tに整形装置40が支持されている。
なお、図4の例では、溶接ガン64として、所謂C型溶接ガンを示しているが、本発明の実施の形態に係る電極チップの整形方法は、これに限定されることはなく、所謂X型溶接ガン等に具備された電極チップにも適応することができる。
なお、図4の例では、溶接ガン64として、所謂C型溶接ガンを示しているが、本発明の実施の形態に係る電極チップの整形方法は、これに限定されることはなく、所謂X型溶接ガン等に具備された電極チップにも適応することができる。
次に、図1〜図4を参照して、本発明の実施の形態に係る電極チップの整形方法の手順を説明する。
溶接作業を繰り返すことによって、一対の電極チップ20、30を整形する必要が生じたときには、まず、整形装置40において、回転駆動手段48により、整形工具10を保持した状態の工具保持部46を回転させる。次に、溶接ロボット60のアーム62を駆動して、一対の電極チップ20、30の中心軸線Cが、回転されている整形工具10の回転軸と重なるように、溶接ガン64を移動させる。続いて、一対の電極チップ20、30を互いに近接移動させて、工具保持部46の開口部50、52から整形ヘッド42内に挿入する。そして、一対の電極チップ20、30により、工具保持部46に保持されている整形工具10を挟み込むようにして、回転駆動されている整形工具10に一対の電極チップ20、30を押し当て、加圧する。すなわち、整形工具10の整形部12に対して、先端が平坦な電極チップ20を圧接し、整形工具10の整形面16に対して、先端がドーム状の電極チップ30を圧接する。
溶接作業を繰り返すことによって、一対の電極チップ20、30を整形する必要が生じたときには、まず、整形装置40において、回転駆動手段48により、整形工具10を保持した状態の工具保持部46を回転させる。次に、溶接ロボット60のアーム62を駆動して、一対の電極チップ20、30の中心軸線Cが、回転されている整形工具10の回転軸と重なるように、溶接ガン64を移動させる。続いて、一対の電極チップ20、30を互いに近接移動させて、工具保持部46の開口部50、52から整形ヘッド42内に挿入する。そして、一対の電極チップ20、30により、工具保持部46に保持されている整形工具10を挟み込むようにして、回転駆動されている整形工具10に一対の電極チップ20、30を押し当て、加圧する。すなわち、整形工具10の整形部12に対して、先端が平坦な電極チップ20を圧接し、整形工具10の整形面16に対して、先端がドーム状の電極チップ30を圧接する。
上述の如く、整形工具10の整形部12に電極チップ20を圧接すると、電極チップ20の先端面22に対して、整形部12に設けられている3本の突条部14a〜14cの先端が接触する。そして、図5(a)に示すように、溶接作業に使用されて先端面22の中央近傍に凹み部22aが生じた電極チップ20が、回転駆動されている整形工具10の3本の突条部に作用されて、図5(b)に示すように、先端面22が平坦になるように塑性変形される。この際、凹み部22aの底部と略同じ高さになるまで、先端面22が塑性変形されるため、先端面22近傍の電極チップ20の周囲には、僅かな余肉24が生じる。
一方、電極チップ30は、回転駆動されている整形工具10の、ドーム状に凹んだ整形面16に圧接されることによって、先端部32がドーム状に塑性変形される。
一方、電極チップ30は、回転駆動されている整形工具10の、ドーム状に凹んだ整形面16に圧接されることによって、先端部32がドーム状に塑性変形される。
なお、図1及び図2に示した整形工具10は、3本の突条部14a〜14cの全てが、電極チップ20の直径dよりも長く設けられているが、本発明の実施の形態に係る電極チップの整形方法で用いる整形工具10は、これに限定されることはない。すなわち、少なくとも、整形工具10の回転軸と直交する位置に配置される中央の突条部14aが、電極チップ20の直径dよりも長く設けられていればよい。例えば、両側の突条部14b、14cは、図1(b)に2点鎖線で示している、電極チップ20の先端面22に接触する範囲をカバーするだけの長さであってもよい。
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係る電極チップの整形方法は、図1に示すような整形工具10を用いて、先端形状が平坦な電極チップ20を、溶接作業に使用されて先端が変形及び摩耗した状態から整形するための方法である。具体的には、整形工具10と、元の先端形状が平坦な電極チップ20とを、電極チップ20の中心軸Cを回転軸として相対回転させた状態で、電極チップ20の先端面22を整形工具10に圧接することで、電極チップ20の先端面22を塑性変形させて整形する。図1〜図4の例では、整形装置40の工具保持部46により整形工具10を保持して、工具保持部46を回転駆動手段48により回転させる。そして、溶接ロボット60の溶接ガン64により具備された状態の電極チップ20を、溶接ロボット60の操作によって、回転している整形工具10に圧接する。電極チップ20を圧接する整形工具10には、図1及び図2に示すように、整形部12の電極チップ20を圧接する面に、少なくとも1本の突条部14、本実施例では複数の突条部14a〜14cを、平行かつ高さを等しく設ける。これによって、電極チップ20の先端面22に対して、整形工具10に設けた複数の突条部14の先端のみが接触することとなり、電極チップ20を整形工具10に圧接する際の、圧力に対する反力を、複数の突条部14の先端に集約することができる。このため、電極チップ20の先端面22を効率よく塑性変形させることができる。
又、本発明の実施の形態に係る電極チップの整形方法は、整形工具10に設ける少なくとも1本の突条部14を、電極チップ20の直径dよりも長く設けるものである。図1の例では、複数の突条部14a〜14cの全てを、電極チップ20の直径dよりも長く設けている。そして、上述の如く電極チップ20を整形する際に、電極チップ20の直径dよりも長く設けた1本の突条部14aを、回転軸と直交するように、すなわち、電極チップ20の中心軸Cと直交するように配置する。これにより、整形工具10と電極チップ20とを相対回転させて、電極チップ20を整形工具10に圧接したときに、回転軸と直交するように配置した突条部14aが、電極チップ20の中心軸C近傍を含み、電極チップ20の先端面22全体を接触領域としてカバーする態様となる。このため、電極チップ20は、図5(a)に示すように先端面22に高低差が生じるように変形及び摩耗した状態であっても、電極チップ20の先端面22全体をカバーして回転接触する突条部14aによって、図5(b)に示すように塑性変形される。すなわち、先端面22の最も低い位置に合わせて均すようにして塑性変形され、平坦に整形される。このように、電極チップ20の先端面22を、切削ではなく塑性変形させて整形していることから、切削整形よりも電極チップ20の寿命低下を抑制することができ、更に、電極チップ20の先端面22を平坦に整形することが可能となる。
又、本発明の実施の形態に係る電極チップの整形方法は、整形工具10の整形部12に、少なくとも1本の突条部14として3本の突条部14a〜14cを設ける。そして、これら3本の突条部14a〜14cのうちの両側の突条部14b、14cを、電極チップ20の先端面22の外周近傍に接触する位置で回転させるものである。すなわち、図1(b)で確認できるように、3本の突条部14a〜14cのうちの中央の突条部14aを、回転軸(電極チップ20の中心軸C)と直交するように配置した状態で、整形工具10と電極チップ20とを相対回転させて、電極チップ20を整形工具10に圧接する。この際に、中央の突条部14aの両側に位置する突条部14b、14cを、電極チップ20の先端面22の外周近傍に接触させるものである。
ここで、元の先端形状が平坦な電極チップ20は、図5(a)に示すように、溶接作業に使用されるにつれて、先端面22の中央近傍が凹むように変形及び摩耗する傾向にある。このように先端面22の中央近傍が凹んだ電極チップ20に対して、上記の如く3本の突条部14a〜14cを回転接触させる。すると、電極チップ20の先端面22の、中央近傍の凹み部22aと比較して突出している外周近傍には、整形工具10の中央の突出部14aだけではなく、両側の突条部14b、14cも接触することとなる。これにより、中央の突条部14aのみが接触する、電極チップ20の先端面22の中央近傍と比較して、電極チップ20の先端面22の外周近傍に対して、より大きな力を与えることができる。このため、先端面22の中央近傍が凹んだ電極チップ20を、効率よく平坦に整形することが可能となる。
更に、本発明の実施の形態に係る電極チップの整形方法は、先端が平坦な電極チップ20と共に抵抗溶接を行う溶接ガン64(図4参照)により用いられ、先端が平坦な電極チップ20と対向する位置に具備される電極チップ30を整形するための整形面16を、整形工具10に設けるものである。一般的に、先端が平坦な電極チップ20はベースチップとして用いられるが、このベースチップと対向する電極チップ30には、先端がドーム状の電極チップやピンプルチップ等が用いられる。このため、先端がドーム状の電極チップやピンプルチップ等を、元の先端形状に整形するように塑性変形させるような、ドーム状に凹んだ整形面16を、整形工具10の少なくとも1本の突条部14を設けた面と反対側の面に設ける。そして、溶接ガン64に具備した状態の先端が平坦な電極チップ20及びそれに対向する電極チップ30と、整形工具10とを相対回転させ、対向する2つの電極チップ20、30により整形工具10を挟み込むようにして、2つの電極チップ20、30を整形工具10に圧接する。すなわち、先端が平坦な電極チップ20を整形工具10の少なくとも1本の突条部14を設けた整形部12に圧接し、先端がドーム状の電極チップ30を上述した整形面16に圧接して、これら2つの電極チップ20、30を同時に整形する。これにより、溶接ガン64に用いる一対の電極チップ20、30を、時間を短縮して効率よく整形することができる。
なお、本発明の実施の形態に係る電極チップの整形工具10は、上述した本発明の実施の形態に係る電極チップの整形方法に用いられることにより、本発明の実施の形態に係る電極チップの整形方法に対応する同等の作用効果を奏するものである。
10:電極チップの整形工具、14(14a〜14c):突条部、20:電極チップ、22:先端面、C:電極チップの中心軸、d:電極チップの直径
Claims (1)
- 先端が平坦な抵抗溶接用の電極チップを、溶接作業に使用された状態から整形するための整形方法であって、
前記電極チップの直径よりも長い少なくとも1本の突条部を設けた面を有する整形工具と、前記電極チップとを、前記電極チップの中心軸を回転軸として相対回転させた状態で、この際、前記突条部を前記回転軸と直交するように配置し、前記電極チップの先端面を前記整形工具の前記突条部を設けた面に圧接することを特徴とする電極チップの整形方法。
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---|---|---|---|---|
JP2019150838A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | 株式会社村田製作所 | 電極研磨装置、電極研磨装置を備えた溶接装置、および、電極研磨方法 |
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