1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2(図2参照)とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
図2に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図7参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(符号省略)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(表示手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図5参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一例)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図5参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10の上部には、盤可動体15が格納状態にて配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図6参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときのみ遊技球が入球可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域3におけるセンター装飾体10の左方には、遊技球が通過可能な第1ゲート(第1通過領域)28が設けられ、遊技領域3における第1始動口20の右上方には、遊技球が通過可能な第2ゲート(第2通過領域)29が設けられている。第1ゲート28及び第2ゲート29への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また、遊技領域3におけるゲート28の下方には、第1大入賞口(特別入賞口に相当、第1特別入賞口ともいう)30を備えた第1大入賞装置(特別入賞手段に相当、第1特別可変入賞装置、第1特別入賞手段ともいう)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材(第1開閉部材ともいう)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図6参照)により駆動される。つまり、第1大入賞口ソレノイド33は開閉部材32の駆動源である。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、第2特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(第2開閉部材、羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図6参照)により駆動される。第2大入賞口ソレノイド38は開閉部材37の駆動源である。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図3(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な本特定領域(本V領域、第2特定領域ともいう)39および本非特定領域(本非V領域、第2非特定領域ともいう)70が形成されている。以下では簡単のため、本特定領域39を単に「特定領域39」といい、本非特定領域70を単に「非特定領域70」という。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ(第2特別入賞口検知手段)35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ(第2特定領域検知手段)39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ(第2非特定領域検知手段)70aが配されている。
また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける本振分部材(第2振分部材)71と、本振分部材71を駆動する本振分部材ソレノイド73とを備えている。以下では簡単のため、本振分部材71を単に「振分部材71」といい、本振分部材ソレノイド73を単に「振分部材ソレノイド73」という。振分部材ソレノイド73は、振分部材71の駆動源である。なお、振分部材71は、遊技盤2に対して左右方向に移動するものであり、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける退状態(第1の状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける進状態(第2の状態)をとる。なお振分部材71は、言い換えれば、特定領域39を開閉するシャッター部材(第2シャッター部材)である。
図3(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図3(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1の状態にある。振分部材71が第1の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図3(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図3(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2の状態にある。振分部材71が第2の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口は設けられていない。
但し本形態の第1大入賞装置31には、図4(A)に示すように、疑似特定領域(特定領域に相当、疑似V領域、第1特定領域ともいう)34と、疑似非特定領域(疑似非V領域、第1非特定領域ともいう)75とが設けられている。
より詳細には、図4(A)に示すように、第1大入賞装置31の内部には、第1大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な疑似特定領域34および疑似非特定領域75が形成されている。なお、第1大入賞装置31において、疑似特定領域34および疑似非特定領域75の上流には、第1大入賞口30への遊技球の入賞を検知する第1大入賞口センサ(特別入賞口検知手段に相当、第1特別入賞口検知手段ともいう)30aが配されている。また、疑似特定領域34には、疑似特定領域34への遊技球の通過を検知する疑似特定領域センサ(特定領域検知手段に相当、第1特定領域検知手段ともいう)34aが配されている。また、疑似非特定領域75には、疑似非特定領域75への遊技球の通過を検知する疑似非特定領域センサ(非特定領域検知手段、第1非特定領域検知手段ともいう)75aが配されている。
また、第1大入賞装置31は、第1大入賞口30を通過した遊技球を疑似特定領域34または疑似非特定領域75のいずれかに振り分ける疑似振分部材(振分部材に相当、第1振分部材ともいう)76と、疑似振分部材76を駆動する疑似振分部材ソレノイド78とを備えている。疑似振分部材ソレノイド78は、疑似振分部材76の駆動源である。なお、疑似振分部材76は、遊技盤2に対して左右方向に移動するものであり、疑似振分部材ソレノイド78の通電時には、遊技球を疑似特定領域34に振り分ける退状態(第1の状態)をとり、疑似振分部材ソレノイド78の非通電時には、遊技球を疑似非特定領域75に振り分ける進状態(第2の状態)をとる。なお疑似振分部材76は、言い換えれば、疑似特定領域34を開閉する疑似シャッター部材(第1シャッター部材)である。
図4(A)は、疑似振分部材ソレノイド78の通電時を示している。図4(A)に示すように、疑似振分部材ソレノイド78の通電時には、疑似振分部材76は疑似特定領域34への遊技球の通過を許容する第1の状態にある。疑似振分部材76が第1の状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと疑似特定領域34を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図4(B)は、疑似振分部材ソレノイド78の非通電時を示している。図4(B)に示すように、疑似振分部材ソレノイド78の非通電時には、疑似振分部材76は疑似特定領域34への遊技球の通過を妨げる第2の状態にある。疑似振分部材76が第2の状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと疑似振分部材76の上面を転動して疑似非特定領域75を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
本形態の疑似特定領域34は、いわゆる大当たり当選の契機としての特定領域(V領域)に似せたものである。しかし疑似特定領域34への通過に基づいて大当たりに当選するわけではなく、疑似特定領域34は、後述するサブ制御基板90による演出の実行契機となる通過領域に過ぎない。後に詳しく説明するが、本形態では、あたかも疑似特定領域34への通過に基づいて大当たりに当選したかのような演出を行こととしている。これにより、疑似的にいわゆる2種遊技にて大当たりに当選したかのようなゲーム性を実現することとしている。勿論この疑似特定領域34は、本形態の特定領域39のような確変作動口として機能するものではない。
図2に戻り、遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1ゲート28への通過、第1始動口20、及び第2始動口21への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにて第2ゲート29への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
また図2に示すように、遊技盤2の右側中央には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄又は小当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たりに当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図6参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図6参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図6参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(普通当たり図柄すなわち長開放図柄又は短開放図柄)である場合には、停止表示された特定普通図柄の種類および現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が長開放図柄での当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した長開放図柄(普通当たり図柄の一つ)を表示する。また抽選結果が短開放図柄での当たりである場合には、「○●」というように左のLEDのみが点灯した短開放図柄(普通当たり図柄の一つ)を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図6参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図6及び図7に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図6及び図7に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
図6に示すように、主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ(第1入球口検知手段)20a、第2始動口センサ(第2入球口検知手段)21a、第1ゲートセンサ28a、第2ゲートセンサ29a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。第1ゲートセンサ28aは、第1ゲート28内に設けられて第1ゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第2ゲートセンサ29aは、第2ゲート29内に設けられて第2ゲート29を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため貸球センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
図7に示すようにサブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像、ストーリーの映像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して、遊技機枠50に設けられている枠ランプ66、および遊技盤2に設けられている盤ランプ5の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に接続された盤可動体15(図2参照)を動作させる。盤可動体15は、センター装飾体10の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。盤可動体15は、表示画面7aの周辺部(本形態では上部)でコンパクトに折り畳まれて格納されている格納状態(図2参照)から、その折り畳みを解除されて表示画面7aの中央部を含む略全域の前方で露出している露出状態(図示省略)に変位可能なものである。
詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や盤可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
さらにサブ制御基板90には、疑似特定領域センサ34a、疑似非特定領域センサ75a、および疑似振分部材ソレノイド78が接続されている。疑似特定領域センサ34aは、第1大入賞口30内の疑似特定領域34に設けられて疑似特定領域34を通過した遊技球を検出するものである。疑似非特定領域センサ75aは、第1大入賞口30内の疑似非特定領域75に設けられて疑似非特定領域75を通過した遊技球を検出するものである。疑似振分部材ソレノイド78は、第1大入賞装置31の疑似振分部材76を駆動するものである。このように、疑似特定領域センサ34a、疑似非特定領域センサ75a、及び疑似振分部材ソレノイド78は、サブ制御基板90によって制御されるものである。これに対して、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、及び振分部材ソレノイド73は、主制御基板80によって制御されるものである。勿論、第1大入賞口センサ30a、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口センサ35a、及び第2大入賞口ソレノイド38も、主制御基板80によって制御されるものである。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「小当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たり又は小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「特別遊技」が実行される。大当たりに当選して実行される特別遊技を大当たり遊技といい、小当たりに当選して実行される特別遊技を小当たり遊技という。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第1大入賞口30を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニングと、小当たり開放遊技が終了した後のエンディングとを含んでいる。小当たり開放遊技では、第1大入賞口30を1.6秒にわたって1回開放する(図9参照)。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図8及び図9に示す通りである。図8及び図9に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
さらに、「Vロング大当たり」には、「通常Vロング大当たり」と「特殊Vロング大当たり」とがある。どちらのVロング大当たりも、総ラウンド数は16Rである。両大当たりは、2R以降の開放態様は同じであるが、1R目の開放態様が異なっている。
より具体的には図9に示すように、「通常Vロング大当たり」は、1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって1回開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって1回開放する。この14R及び16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
これに対して、「特殊Vロング大当たり」は、1R目においてまず第1大入賞口30を1.6秒にわたって開放し、続いて17秒にわたって閉鎖し、その後最大27.9秒にわたって開放する。つまり、1R目の初回の開放として1.6秒の短開放をまず行い、その後17秒のインターバル(閉鎖期間)を経て、1R目の2回目の開放として最大27.9秒の長開放を行う。このような開放態様にしているのは、初回の開放が終了してから数秒が経過するまでは上述の小当たりと見た目上の区別がつかないようにするためである。
ここで、特殊Vロング大当たりとしての大当たり遊技は、短開放遊技を経て長開放遊技を行う特殊大当たり遊技に相当する。短開放遊技には、1.6秒にわたる1R目の初回の開放とその後の17秒にわたるインターバルが含まれる。長開放遊技には、最大で27.9秒にわたる1R目の2回目の開放からEDの開始までが含まれる。1.6秒にわたる1R目の初回の開放は、短開放パターンでの開放に相当する。短開放パターンでの開放の開放時間を、短開放時間という。最大で27.9秒にわたる1R目の2回目の開放や最大で29.5秒にわたる2R目以降の開放は、長開放パターンでの開放に相当する。長開放パターンでの開放の開放時間を、長開放時間という。なお、短開放パターンを言い換えれば、1,2球程度のわずかな入賞しか見込めない開放パターンであり、長開放パターンを言い換えれば、短開放パターンよりも多くの入賞が見込める開放パターンである。但し、長開放パターンは、1R当たりの入賞上限数に至る程度の入賞が見込める開放パターンであることが望ましい。
また、通常Vロング大当たりとしての大当たり遊技は、短開放遊技を経ないで長開放遊技を行う通常大当たり遊技に相当する。また、上述の小当たり遊技では1.6秒にわたって第1大入賞口30を開放するが、この開放は、上記の短開放パターンと同等の開放パターンに相当する。なお、小当たり遊技における開放時間は、特殊大当たり遊技の短開放遊技の開放時間と完全に一致していなくてもよい。例えば、1.4秒や1.8秒等若干の時間差があっても、短開放パターンと同等の開放パターンに相当するものとする。
一方、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14R及び16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2の状態(図3(B)参照)から第1の状態(図3(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図8に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たり(但しそのうちの20%は特殊Vロング大当たり)となっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。なお本形態では、特図1の抽選にて特殊Vロング大当たりに当選することはない。また、特図1の抽選では小当たりに当選することもない(図12(A)参照)。つまり、特殊Vロング大当たり及び小当たりへの当選の可能性があるのは特図2の抽選だけとなっている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否か及び小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図11(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図11(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図12(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図13参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図12(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄(長開放図柄または短開放図柄)となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図12(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図14参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図14参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技の実行中の状態を「特別遊技状態」と称することとし、特に、大当たり遊技の実行中の状態を「大当たり遊技状態」と称し、小当たり遊技の実行中の状態を「小当たり遊技状態」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特定遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となる第2ゲート29へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図16〜図35に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図16に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図11に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図17に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図6参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。また、入力処理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図16の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図11に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、および特定領域センサ検出処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。また、後述の普図保留球数に基づいて普図保留表示器44をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検出処理]図18に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、第1ゲート28又は第2ゲート29に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28a又は第2ゲートセンサ29aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。第1ゲート28又は第2ゲート29を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球が第1ゲート28又は第2ゲート29を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図11(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、図15の始動入賞コマンド特定テーブルに示す数値範囲指定に従って第2始動入賞コマンド(入賞情報に相当)を特定(生成)する。具体的には、現在の特図2保留球数が「4」且つ現在の遊技状態が時短状態であり、大当たり乱数が「1」、大当たり種別乱数が「8」、リーチ乱数が「1」、変動パターン乱数が「1」であれば、図15の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口且つ時短状態の箇所の数値範囲指定に従って、第2始動入賞コマンドとして「F2H46H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばF2H)と1バイトの下位コマンド(例えば46H))からなっている。
図15に示すテーブルにおける各乱数の区分けは、それぞれの乱数の判定テーブル(図12(A)の大当たり判定テーブル、図8の大当たり種別判定テーブル、図12(B)のリーチ判定テーブル、図13の変動パターン判定テーブル)における区分けと対応している。従って、特定された第2始動入賞コマンドには、大当たりの当否、当たりの種類(通常Vロング大当たり、特殊Vロング大当たり、Vショート大当たり、又は小当たりの別)、リーチの有無、および後述のSPリーチを行うか否かの情報が含まれている。
なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、遊技状態(時短状態か非時短状態か)を指定する情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドのうち、上の桁の値は、保留球数を指定する情報である(図15の欄外の備考参照)。また、下位コマンドのうち下の桁の値は、大当たりの当否、当たりの種類、リーチの有無、及びSPリーチを行うか否かを指定する情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S208)。
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図11(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、図15の始動入賞コマンド特定テーブルに示す数値範囲指定に従って第1始動入賞コマンド(入賞情報に相当)を特定(生成)する。具体的には、現在の特図1保留球数が「4」且つ現在の遊技状態が非時短状態であり、大当たり乱数が「1」、大当たり種別乱数が「1」、リーチ乱数が「1」、変動パターン乱数が「1」であれば、図15の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口且つ非時短状態の箇所の数値範囲指定に従って、第1始動入賞コマンドとして「E1H41H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、大当たりの当否、当たりの種類、リーチの有無、および後述のSPリーチを行うか否かを指定する情報が含まれている。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。
[ゲート通過処理]図19に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図11(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S104)に次いで、図20に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普通動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S601でYES)、普通図柄待機処理(S602)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S601でNO、S603でYES)、普通図柄変動中処理(S604)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S601,S603で共にNO、S605でYES)、普通図柄確定処理(S606)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には(S601,S603,S605の全てがNO)、普通電動役物処理(S607)を行う。なお普通動作ステータスは、初期設定では「1」である。
普通図柄待機処理(S602)では、普通図柄の保留球数が「0」でなければ、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出して、遊技状態に応じた普通図柄当たり判定テーブル(図12(C))に基づいて普通図柄の当否判定を行う。そしてこの当否判定に続いて、遊技状態に応じた普通図柄変動パターン選択テーブル(図12(D))を参照して、普通図柄の変動時間を含む普通図柄変動パターンを選択する。続いて、普通図柄保留球数を1ディクリメントするとともに、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトする。その後、選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。
普通図柄変動中処理(S604)では、普通図柄の変動時間が経過していれば、普通図柄の変動表示を普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄(長開放図柄若しくは短開放図柄)又は普通ハズレ図柄)で停止させるとともに、普通動作ステータスを「3」にセットする。
普通図柄確定処理(S606)では、普通図柄乱数の判定結果が当たりでなければ普通動作ステータスを「1」に戻すが、普通図柄乱数の判定結果が当たりであれば、遊技状態および普通当たり図柄の種類(長開放図柄若しくは短開放図柄の別)に応じた電チュー22の開放パターン(図14参照)をセットするとともに、普通動作ステータスを「4」にセットする。
普通電動役物処理(S607)では、セットした電チューの開放パターンに従って第2始動口21を開放させる。そして、セットした回数の電チュー22の開放動作が終了したあと、普通動作ステータスを「1」に戻す。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、普通動作処理(図20)として再び普通図柄待機処理(S602)が実行されることになる。
なお本形態では、非時短状態中の長開放図柄の当選時には、図14に示す長開放TBL1に基づいて電チュー22が開放される。つまり、まず0.2秒という短い時間だけ電チュー22が開放され、その後4.0秒のインターバル時間(閉鎖時間)を経て4.0秒にわたって電チュー22が開放される。この2回目の電チュー22の開放時間は4.0秒と十分にある。そのため本形態では、非時短状態中であっても長開放図柄に当選した場合には、第2特図保留の上限個数に達する程度の始動入賞が可能となっている。
[特別動作処理]図17に示すように遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、図21に示すように、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4、5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305で共にNO、S1307でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S1308)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1301,S1303,S1305,S1307の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S1309)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図22に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、そうであれば(S1413でYES)処理を終え、そうでなければ(S1413でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする(S1414)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図8参照)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図23に基づいてまとめて説明する。図23に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図12(A))のアドレスをセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「164」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「649」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定(S1506)した後は、大当たりフラグをONするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1512)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1508,S1510)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が、小当たり判定値である「65000」〜「65535」の何れかと一致するか否か判定する(図12(A)参照)。そして、小当たりであれば(S1508でYES又はS1510でYES)、小当たりフラグをONするとともに(S1509,S1511)、小当たり図柄に応じた特図停止図柄データ(23H)をセットして(S1512)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく(S1504でNO又はS1505でNO)、小当たりでもなければ(S1508でNO又はS1510でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1512)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理]図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)ではまず、小当たり遊技の実行後の4変動以内の変動か否かを判定する(S1601)。小当たり遊技の実行後の4変動以内かの判定は、そのような状態であることを示す遊技状態フラグを小当たり遊技の実行終了時にセットするようにして、これに基づいて行うようにすればよい。ステップS1601の判定結果がNOであればステップS1603に進むが、YESであれば、特殊変動パターン判定テーブルを参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1602)。この特殊変動パターン判定テーブルを参照して選択した変動パターンでは、変動時間は3000msと短い時間に設定される。このようにしているのは、後述するように、小当たり遊技の実行開始時に通常Vロング大当たりに当選予定の第2特図保留がある場合には、小当たり遊技の終了の際に大当たり当選を報知するためである。本形態では、この大当たり当選の報知中に、短い時間で第2特図保留が消化されるようにしている。なお、特殊変動パターン判定テーブルを参照して選択される変動パターンを、特殊短縮変動パターンと称する。
ステップS1603では、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1603)。そして、時短状態でなければ(S1603でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1604)。ONであれば(S1604でYES)、さらに当選した大当たりの種別が特殊Vロング大当たりであるか否かを、セットされている特図停止図柄データ(図8参照)に基づいて判定する(S1605)。特殊Vロング大当たりでなければ(S1605でNO)、通常Vロング大当たりに当選しているので、非時短状態中通常Vロング大当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ通常Vロング大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。具体的には、変動パターンP21が選択されることとなる。
ここで図13に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチとなるのかも決まる。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
図24のステップS1605において、特殊Vロング大当たりである場合には(S1605でYES)、非時短状態中特殊Vロング大当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ特殊Vロング大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1607)。具体的には、変動パターンP22が選択されることとなる。
またステップS1604において、大当たりフラグがONでなければ(S1604でNO)、続いて小当たりフラグがONか否かを判定する(S1608)。ONであれば(S1608でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1609)。具体的には、変動パターンP23が選択されることとなる。
これに対して、小当たりフラグがONでなければ(S1608でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1610)。なお、図12(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」〜「13」であり、時短状態であれば「0」〜「5」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1610でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。具体的には、変動パターンP24(SPリーチハズレ)又はP25(ノーマルリーチハズレ)が選択されることとなる。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1610でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1612)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。具体的には、変動パターンP26又はP27が選択されることとなる。
またステップS1603において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1603でYES)には、図25に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1604〜S1612と同様の流れで処理(S1613〜S1621)を行う。すなわち、通常Vロング大当たりであれば図13の時短状態中且つ通常Vロング大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1615)。具体的には、変動パターンP31が選択されることとなる。
また特殊Vロング大当たりであれば、図13の時短状態中且つ特殊Vロング大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1616)。具体的には、変動パターンP32が選択されることとなる。また小当たりであれば、図13の時短状態中且つ小当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1618)。具体的には、変動パターンP33が選択されることとなる。
またリーチ有りハズレであれば、図13の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1620)。具体的には、変動パターンP34(SPリーチハズレ)が選択されることとなる。またリーチ無しハズレであれば、図13の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1621)。具体的には、変動パターンP35又はP36が選択されることとなる。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。すなわち、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1622)、本処理を終える。セットした変動パターンの情報は特図2変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図1変動パターン選択処理]図26及び図27に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1701)。そして、時短状態でなければ(S1701でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1702)。ONであれば(S1702でYES)、さらに当選した大当たりの種別がVロング大当たりであるか否かを、セットされている特図停止図柄データに基づいて判定する(S1703)。Vロング大当たりである場合には(S1703でYES)、非時短状態中Vロング大当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVロング大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。具体的には、変動パターンP1が選択されることとなる。
図26のステップS1703において、Vロング大当たりでなければ(S1703でNO)、Vショート大当たりに当選しているので、非時短状態中Vショート大当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVショート大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1705)。具体的には、変動パターンP2が選択されることとなる。
またステップS1702において、大当たりフラグがONでなければ(S1702でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1706)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1706でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1707)。具体的には、変動パターンP3(SPリーチハズレ)又はP4(ノーマルリーチハズレ)が選択されることとなる。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1706でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1708)。具体的には、P5又はP6が選択されることとなる。
またステップS1701において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1701でYES)には、図27に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1702〜S1708と同様の流れで処理(S1709〜S1715)を行う。すなわち、Vロング大当たりであれば図13の時短状態中且つVロング大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1711)。具体的には、変動パターンP11が選択されることとなる。
またVショート大当たりであれば、図13の時短状態中且つVショート大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1712)。具体的には、変動パターンP12が選択されることとなる。またリーチ有りハズレであれば、図13の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。具体的には、変動パターンP13(SPリーチハズレ)が選択されることとなる。またリーチ無しハズレであれば、図13の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1715)。具体的には、変動パターンP14又はP15が選択されることとなる。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図26に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1716)、本処理を終える。セットした変動パターンの情報は特図1変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図28に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図13参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図29に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、後述の遊技状態管理処理(S1901)を行う。次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1902)。大当たりフラグがONであれば(S1902でYES)、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8及び図9を参照)をセットする(S1903)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1903に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1904)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1905)、大当たり遊技のオープニングを開始し(S1906)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1907)。
一方、ステップS1902において大当たりフラグがONでなければ(S1902でNO)、続いて小当たりフラグがONか否かを判定する(S1908)。小当たりフラグがONであれば(S1908でYES)、小当たり用の開放パターン(詳しくは図9を参照)をセットする(S1910)。なおこのときに、小当たり遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする小当たり用開放カウンタの値を、小当たり遊技における開放回数に応じた値(本形態では「1」)にセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1911)、小当たり遊技のオープニングを開始し(S1912)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1913)。
また、ステップS1908において小当たりフラグがONでなければ(S1908でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1914)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図30に示すように、遊技状態管理処理(S1901)ではまず、確変フラグがONか否か判定し(S2001)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2003)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「160」にセットされるようになっている。この点については後述する。
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2005)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S2007)、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2008)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2009に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には低確高ベース状態であれば時短カウンタの値が「100」にセットされ、高確高ベース状態であれば時短カウンタの値が「160」にセットされるようになっている。この点については後述する。
その後、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2009)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図31に示すように、遊技状態リセット処理(S1904)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]図32に示すように、特別電動役物処理1(S1308)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たり(通常Vロング大当たり又は特殊Vロング大当たり)としての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。そして、Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、第2大入賞口35を開放させる第14ラウンド若しくは第16ラウンドを開始するタイミングであるか否か、すなわちラウンドカウンタの値が「3」若しくは「1」であるか否かを判定する(S2205)。第14ラウンド若しくは第16ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第14ラウンド若しくは第16ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの第14ラウンド及び第16ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図35)を参照)ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図33)を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図8及び図9参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、大当たり遊技(又はラウンド遊技)の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞することがほぼできないように開閉部材37が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材37の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、特殊Vロング大当たりの1R目において2回の大入賞口の開放がなされる。
特別電動役物処理1(図32)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図9参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2209でYES)には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そして、ステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了するか否かを判定する(S2211)。終了しない場合には(S2211でNO)、次の開放を開始するためそのまま処理を終える。終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2213でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2221)を行って本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図33に示すように、遊技状態設定処理(S2221)ではまず、VフラグがONか否かを判定する(S2301)。VフラグがONでなければ(S2301でNO)、時短フラグをONするとともに(S2302)、時短カウンタに「100」をセットして(S2303)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS2301においてVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S2304)、確変カウンタに「160」をセットする(S2305)。その後、VフラグをOFFする(S2306)。続いて、時短フラグをONするとともに(S2307)、時短カウンタに「160」をセットして(S2308)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が160回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、遊技状態設定処理を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]図34に示すように、特別電動役物処理2(S1309)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2501)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2501でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2502)。開放中でなければ(S2502でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち小当たりのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2503)。
ステップS2503の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2503の判定結果がYESであれば、小当たり開放パターン(図9参照)に従って第1大入賞口30を開放させ(S2504-1)、ラウンド指定コマンドをセットする(S2504-2)。なお正確には、小当たり遊技における大入賞口の開放中をラウンドとは言わないが、小当たり遊技における第1大入賞口30の開放をサブ制御基板90に通知するためのコマンドの名称は、大当たり遊技の際に送信する「ラウンド指定コマンド」と合わせるため、同様の名称を用いることとする。
ステップS2502において第1大入賞口30の開放中であれば(S2502でYES)、第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2505)。規定入賞個数に達していなければ(S2505でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図9参照)が経過したか否か)を判定する(S2506)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2506でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2505でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過している場合(S2506でYES)には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2507)。そして、小当たり用開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2508)、小当たり用開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2509)。
ステップS2509において「0」でなければ(S2509でNO)本処理を終えるが、「0」であれば(S2509でYES)、小当たり遊技を終了させる小当たり終了処理として、小当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2510)、小当たりのエンディングを開始する(S2511)。そして、小当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2512)。なお小当たり用開放カウンタは、大入賞口の開放が1回なされると「0」になる。
ステップS2501において小当たり終了フラグがONであれば(S2501でYES)、小当たりとしての開放が終了しているので、小当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2513)、エンディング時間が経過していなければ(S2513でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2513でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2514)、小当たりフラグをOFFし(S2515)、さらに特別動作ステータスを「1」にセットして処理を終える(S2516)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。
なお、小当たり遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当たり遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2221、図33)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当たり遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。
[特定領域センサ検出処理]図17に示すように遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで特定領域センサ検出処理(S107)を行う。特定領域センサ検出処理(S107)では図35に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2701)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が第1の状態(図3(A))に制御されているときのみなされる。ステップS2701にて検知がなければ(S2701でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2701でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2702)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理1(図32)におけるV有効期間設定処理(S2206)にて設定される期間である。V有効期間は、Vロング大当たりの第14ラウンド及び第16ラウンド中の期間として設定される。
ステップS2702でV有効期間中であると判定した場合には(S2702でYES)、VフラグをONするとともに(S2703)、V通過コマンドをセットして(S2704)、本処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図36〜図49に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図36に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、盤可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図37に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図38に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるランプ処理(S4305)や他の処理で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体15を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体15を所定の動作態様で駆動させる。また、後述するステップS6005における可動片の開放設定に従って、疑似振分部材76を作動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図39に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301,図40)、可動片制御処理(S4302,図47)を順次行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4303)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4304)を行う。
その後、ランプ処理(S4305)を行う。ランプ処理(S4305)では、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の発光を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4306)を行う。音声制御処理(S4306)では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。
そして、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4307)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図40に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する先読み演出判定処理(S4402)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4404)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出終了処理(S4406)を行う。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理(S4408)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述するラウンド演出選択処理(S4410)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理(S4412)を行う。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4414)を行う。V通過報知演出開始処理(S4414)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて高確率状態への制御を行う本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行報知としての意味ももつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4415)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、遊技状態の把握ために遊技状態指定コマンドに基づき現在の遊技状態を示す遊技状態ステータスの値を設定する処理等)を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[先読み演出判定処理]図41に示すように、先読み演出判定処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、RAM94の受信バッファに格納されている始動入賞コマンドを、RAM94の入賞情報記憶部に格納する(S4601)。入賞情報記憶部は、第1入賞情報記憶部と第2入賞情報記憶部とを含んでいる。詳細にはステップS4601では、始動入賞コマンドに係る始動口の種類を確認して、第1始動口20への入賞に基づいて生成された第1始動入賞コマンドであれば、その第1始動入賞コマンドをRAM94の第1入賞情報記憶部に格納する。また、第2始動口21への入賞に基づいて生成された第2始動入賞コマンドであれば、その第2始動入賞コマンドをRAM94の第2入賞情報記憶部に格納する。なお、始動入賞コマンドは、各入賞情報記憶部において第1〜第4まである記憶領域のうち当該コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に格納される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で始動入賞コマンドが格納されていくこととなる。また、特図保留の消化時には、始動入賞コマンドは記憶順の古い側の記憶領域にシフトされる。
続いて演出制御用マイコン91は、ステップS4601で格納した始動入賞コマンドに基づいて、その始動入賞コマンドに係る数値情報(その始動入賞コマンドの特定に利用した各種乱数値の情報)が特殊Vロング大当たり又は小当たりと判定される特定の数値情報であるか否かを判定する(S4602)。なお、特殊Vロング大当たり及び小当たりは特定当たりに相当する。
既に述べたように、始動入賞コマンドには、図15のテーブルのコマンド解析内容の欄に示した情報や保留個数の情報などが含まれている。従って、始動入賞コマンドを解析すれば、演出制御用マイコン91は、その始動入賞コマンドに係る数値情報が特定当たりと判定される特定の数値情報であるか否かや、通常Vロング大当たりと判定される特別の数値情報であるか否かがわかる。具体的には図15に示すように、始動入賞コマンドは、その下位コマンドの下の桁が「6」であれば特殊Vロング大当たりと判定されることを示し、「7」であれば小当たりと判定されることを示し、「1」であれば通常Vロング大当たりと判定されることを示している。そのため、ここでは始動入賞コマンドの下位コマンドの下の桁に基づいて特定当たりか否かを判定する。
ステップS4602の判定結果がNOであれば本処理を終了する。これに対して、判定結果がYESであれば、後述のアナウンス予告を行うことを示すアナウンスフラグをONにして、本処理を終える(S4603)。
[変動演出開始処理]図42に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、Vチャンス演出の実行状況を示すVチャンスフラグが、小当たり遊技の実行開始時に保留連があるケースでVチャンス演出を行うことを示す値「3」であるか否かを判定する(S5001)。ここで本形態では、小当たり遊技と特殊大当たり遊技の実行に伴ってVチャンス演出を行うこととしている。Vチャンス演出とは、疑似特定領域(疑似V領域)34を狙って遊技すべき旨を報知する演出である。具体的には、図51(b)に示すような演出画像を表示画面7aに表示する演出である。図51(b)に示す演出画像は、「VCHANCEを狙え!」の文字画像と、疑似特定領域34に遊技球が通過している様子を示す遊技説明画像とを含んでいる。「VCHANCE」は疑似特定領域34の呼称である。つまり、図51(b)に示す演出画像は、疑似特定領域34への遊技球の通過を狙うべき旨を報知する画像となっている。
Vチャンスフラグは、図42の表に示すように、「0」〜「4」までの値をとる。Vチャンスフラグが「0」であれば、Vチャンス演出をしないことを示している。Vチャンスフラグが「1」であれば、特殊Vロング大当たりに当選してVチャンス演出を行うことを示している。Vチャンスフラグが「2」であれば、小当たり遊技の実行開始時に保留連がないケースでVチャンス演出を行うことを示している。Vチャンスフラグが「3」であれば、小当たり遊技の実行開始時に保留連があるケースでVチャンス演出を行うことを示している。Vチャンスフラグが「4」であれば、Vチャンス演出が終了したことを示している。
ステップS5001でNOであれば、続いてアナウンスフラグがONか否かを判定する(S5002)。アナウンスフラグがONでなければステップS5004に進むが、ONであれば、アナウンス予告の実行のための設定を行う(S5003)。アナウンス予告とは、特殊大当たり遊技や小当たり遊技を行う特定当たりに当選している保留記憶(特定保留記憶という)がある場合に、その特定保留記憶よりも前に記憶された最も古い保留記憶に基づく特別図柄変動から、特定保留記憶に基づく特別図柄変動にわたって、継続して所定のアナウンス画像を表示する予告演出のことである。例えば、第2特図保留の3個目として特定保留記憶が生じれば、第2特図保留の1個目に係る特別図柄変動から第2特図保留の3個目に係る特別図柄変動にわたって所定のアナウンス画像が表示され続けることとなる。
アナウンス予告は、具体的には、図50に示すような演出画像(アナウンス画像の一例)を表示画面7aに表示する演出である。つまり、「Vチャンス」や「右下に注目!」といった文字画像と、疑似特定領域34を遊技球が通過する様子を示す遊技説明画像とを含む演出画像を表示画面7aに表示する演出である。本形態では、このような演出画像の表示により、疑似特定領域34に遊技者の注意を向けさせる(遊技者の意識を誘導する)ようにしている。言い換えれば、「右下に注目!」の文字画像と疑似特定領域34の画像によって、遊技者にこれから狙うこととなる領域を示すとともに、疑似特定領域34を遊技球が通過する様子を示す遊技説明画像によって、これから行うVチャンスというゲームの遊技説明を行うようにしている。なお、このような演出画像の表示は、特定告知表示に相当する。
なお、特定告知表示は、特定保留記憶よりも前に記憶された最も古い保留記憶に基づく特別図柄変動からその特定保留記憶に基づく特別図柄変動にわたって継続して行われる演出でなくてもよい。例えば、特定保留記憶よりも前に記憶された保留記憶に基づく特別図柄変動から特定保留記憶に基づく特別図柄変動の間に、一度だけ行われる演出でもよい。つまり、特定告知表示は、小当たり遊技や特殊大当たり遊技の実行開始前に遊技者に疑似特定領域34を意識させることができれば、本形態のように複数の特別図柄変動にわたって継続して行われるものでなくてもよい。また、特定告知表示として表示画面7aに表示される演出画像は、疑似特定領域34に遊技者の注意を向けさせ得る演出画像であれば、図50に示す演出画像でなくてもよく、適宜変更可能である。
続いて演出制御用マイコン91は、アナウンス予告以外の他の予告演出の抽選を行う(S5004)。他の予告演出としては、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などがある。予告演出の抽選では、予告演出決定用乱数を取得し、これを所定の予告演出決定用テーブルに基づいて判定することにより、実行すべき予告演出を決定する。次いで演出制御用マイコン91は、ステップS5003及びS5004で設定した予告演出を行うための予告コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5005)。
そして演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドに基づいて装飾図柄変動演出の変動演出パターンを選択し、選択した変動演出パターンで装飾図柄変動演出を行うための変動演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5006)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得して、これを、変動開始コマンドの解析結果に基づいて特定した変動演出パターン決定用テーブルに基づいて判定する。
ここで本形態では、特殊Vロング大当たり又は小当たりに当選した場合の変動演出として、図51(a)に示すように、3つの装飾図柄のうち真ん中の装飾図柄として特殊図柄Xを停止表示させる変動演出が実行される。これによりVチャンスというゲームが開始されることを遊技者に報知している。
なお、変動開始コマンドには、変動パターン選択処理(図24,図26)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、特図1の変動開始であるか特図2の変動開始であるかの情報や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(図13参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
一方、ステップS5001でYESであれば、保留連がある小当たり遊技後の特別図柄変動の開始時であるため、継続待機演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5007)。継続待機演出は、後述の可動片成功演出として表示する画像(図52(e)の「V」の画像)又は後述の可動片復活演出として表示する画像(図52(d)の主人公キャラの画像)を継続して表示画面7aに表示するためのコマンドである。この継続待機演出中に、上述の特殊変動パターン判定テーブル(ステップS1602参照)に基づいて変動パターンを決定された特別図柄変動が順次実行されていくこととなる。つまり、保留連としての大当たり遊技が開始されるまで、短い変動時間で第2特図保留が消化されていくこととなる。
続いて、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドに基づいて装飾図柄変動演出の変動演出パターンを選択し、選択した変動演出パターンで装飾図柄変動演出を行うための変動演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5008)。継続待機演出中の装飾図柄変動演出は、表示画面7aの右隅に小さく表示される。上記したステップS5007及びS5008の処理により、遊技者に対して、小当たり遊技と大当たり遊技との間の第2特図保留の消化をあまり意識させることなく、Vチャンスというゲームの結果、大当たり遊技が開始されたとの印象を与えることが可能となっている。
[オープニング演出選択処理]図43に示すように、オープニング演出選択処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、Vチャンスフラグに演出なしを示す値「0」(図42の表参照)を設定する(S5101)。次いで、疑似振分部材76の動作状況を示す可動片動作フラグに、疑似振分部材76が動作中でないことを示す値「0」を設定する(S5102)。なお本明細書中では、「可動片」は「疑似振分部材76」のことを指す。可動片動作フラグは、図43の表に示すように、「0」〜「2」までの値をとる。可動片動作フラグが「0」であれば、疑似振分部材76は動作中でないことを示している。可動片動作フラグが「1」であれば、疑似振分部材76の動作を開始させることを示している。可動片動作フラグが「2」であれば、疑似振分部材76の動作中であることを示している。
続いて演出制御用マイコン91は、疑似特定領域34の通過の成否の判定タイミングを管理する可動片動作タイマをゼロクリアするとともに(S5103)、Vチャンス演出を含む一連の演出の演出実行時間を管理するVチャンス演出タイマをゼロクリアする(S5104)。
次いで演出制御用マイコン91は、実行中の特別遊技が高確率状態又は時短状態での当選に基づくものか否かを判定する(S5105)。この遊技状態に関する情報は、変動開始コマンドの受信によって得た遊技状態情報を参照することで取得してもよいし、遊技状態ステータスを参照することで取得してもよいし、オープニングコマンドに含まれるようにしてもよい。
ステップS5105でNOであれば、以下に説明するステップS5106〜S5122に示す処理を行う。すなわち、オープニングコマンドに基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」であると判定した場合には(S5106でYES)、主人公キャラが敵キャラに敗北する1stバトル演出の演出データをRAM94の所定の記憶領域にセットする(S5107)。そして、初当たりとしての通常のオープニング演出(初回通常オープニング演出)を行うための初回通常オープニング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5108)。
また、オープニングコマンドに基づいて、当選した当たりが「通常Vロング大当たり」であると判定した場合には(S5109でYES)、主人公キャラが敵キャラに勝利する1stバトル演出の演出データをRAM94の所定の記憶領域にセットする(S5110)。そして、初回通常オープニング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5111)。
また、オープニングコマンドに基づいて、当選した当たりが「特殊Vロング大当たり」であると判定した場合には(S5112でYES)、特殊Vロング大当たり当選時のVチャンス演出の演出データをRAM94の所定の記憶領域にセットする(S5113)。そして、そのVチャンス演出(図51(b)参照)を開始するためのVチャンス演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5114)。その後、Vチャンスフラグに、特殊Vロング大当たりに当選してVチャンス演出を行うことを示す値「1」(図42の表参照)を設定する(S5115)。
ステップS5112で特殊Vロング大当たりでなければ(S5112でNO)、当選した当たりは「小当たり」である。この場合には、第2特図保留の中に「通常Vロング大当たり」に当選する予定の特図保留があるか否かを判定する(S5116)。つまり、保留連(ここでは小当たり遊技中の特図保留の中に通常Vロング大当たりに当選する特図保留があること)の有無を判定する。この判定は、RAM94の第2入賞情報記憶部に記憶されている第2始動入賞コマンドに基づいて行う。上述したように、始動入賞コマンドを解析すれば、その始動入賞コマンドに係る数値情報が通常Vロング大当たりと判定される特別の数値情報であるか否かがわかる(図15参照)。
ステップS5116でNOであれば、つまり保留連なしであれば、演出制御用マイコン91は、保留連なしの小当たり当選時のVチャンス演出の演出データをRAM94の所定の記憶領域にセットする(S5117)。そして、そのVチャンス演出(図51(b)参照)を開始するためのVチャンス演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5118)。その後、Vチャンスフラグに、小当たり遊技の実行開始時に保留連がないケースでVチャンス演出を行うことを示す値「2」(図42の表参照)を設定する(S5119)。
これに対してステップS5116でYESであれば、つまり保留連ありであれば、演出制御用マイコン91は、保留連ありの小当たり当選時のVチャンス演出の演出データをRAM94の所定の記憶領域にセットする(S5120)。そして、そのVチャンス演出(図51(b)参照)を開始するためのVチャンス演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5121)。その後、Vチャンスフラグに、小当たり遊技の実行開始時に保留連があるケースでVチャンス演出を行うことを示す値「3」(図42の表参照)を設定する(S5122)。
本オープニング演出選択処理のステップS5105でYESであれば、図44に示すステップS5130〜S5146に示す処理を行う。すなわち、オープニングコマンドに基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」であると判定した場合(S5130でYES)又は「通常Vロング大当たり」であると判定した場合(S5133でYES)には、所定の楽曲演出(特別遊技中に再生する楽曲を遊技者により選択可能とした演出)の演出データをRAM94の所定の記憶領域にセットする(S5131又はS5134)。そして、初当たりではない通常のオープニング演出(継続通常オープニング演出)を行うための継続通常オープニング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5132又はS5135)。
また、オープニングコマンドに基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」でもなく「通常Vロング大当たり」でもないと判定した場合には(S5130でNO且つS5133でNO)、上述の図43に示すステップS5112〜S5122と同様の処理(S5136〜S5146)を行う。ステップS5136〜S5146については説明を省略する。
[ラウンド演出選択処理]図45に示すように、ラウンド演出選択処理(S4410)ではまず、演出制御用マイコン91は、実行中の特別遊技が高確率状態又は時短状態での当選に基づくものか否かを判定する(S5201)。この遊技状態に関する情報は、変動開始コマンドの受信によって得た遊技状態情報を参照することで取得してもよいし、遊技状態ステータスを参照することで取得してもよいし、ラウンドコマンドに含まれるようにしてもよい。
ステップS5201でNOであれば、以下に説明するステップS5202〜S5206に示す処理を行う。すなわち、ラウンド指定コマンドに基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」であると判定した場合には(S5202でYES)、主人公キャラが敵キャラに敗北する1stバトル演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5203)。
また、ラウンド指定コマンドに基づいて、当選した当たりが「通常Vロング大当たり」であると判定した場合には(S5204でYES)、主人公キャラが敵キャラに勝利する1stバトル演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5205)。
また、ラウンド指定コマンドに基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」でもなく「通常Vロング大当たり」でもないと判定した場合には(S5202でNO且つS5204でNO)、「特殊Vロング大当たり」又は「小当たり」に当選しているため、後述するVチャンス設定処理(S5206)を行う。
一方、ステップS5201でYESであれば、以下に説明するステップS5207〜S5211に示す処理を行う。すなわち、ラウンド指定コマンドに基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」であると判定した場合(S5207でYES)又は「通常Vロング大当たり」であると判定した場合(S5209でYES)には、所定の楽曲演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5208又はS5210)。
また、オープニングコマンドに基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」でもなく「通常Vロング大当たり」でもないと判定した場合には(S5207でNO且つS5209でNO)、「特殊Vロング大当たり」又は「小当たり」に当選しているため、後述するVチャンス設定処理(S5211)を行う。
[Vチャンス設定処理]図46に示すように、Vチャンス設定処理(S5206及びS5211)ではまず、演出制御用マイコン91は、Vチャンスフラグの値がVチャンス演出が終了したことを示す値「4」(図42の表参照)であるか否かを判定する。判定結果がYESであれば、特殊大当たり遊技における2R目以降であるので、所定の楽曲演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5302)。
一方、Vチャンスフラグの値が「4」でなければ(S5301でNO)、以下に説明するステップS5303〜S5309の処理を行う。すなわち、Vチャンスフラグの値が、特殊Vロング大当たりに当選してVチャンス演出を行うことを示す値「1」である場合(S5303でYES)、又は、小当たり遊技の実行開始時に保留連があるケースでVチャンス演出を行うことを示す値「3」である場合(S5307でYES)には、疑似振分部材76の作動パターンとして可動片パターン1(第1作動パターンに相当)を設定して(S5304)、ステップS5308に進む。
可動片パターン1は、図10の疑似振分部材作動TBL1に示す作動パターンである。具体的な疑似振分部材76の作動態様としては、第1大入賞口30の開放開始からまず200msにわたって、疑似特定領域34への通過を妨げる第2の状態(図4(B)参照)に制御され、次いで200msにわたって、疑似特定領域34への通過を許容する第1の状態(図4(A)参照)に制御される。その後600msにわたって第2の状態に制御され、次いで1600msにわたって第1の状態に制御される。その後は第2の状態に制御され続ける。
第1大入賞口30の開放タイミングとの関係は、図52(a),(b)および図53(a),(b)に示す通りである。図52は小当たり遊技におけるタイミングを示し、図53は特殊大当たり遊技におけるタイミングを示している。図52(b)では二点鎖線が、保留連ありの小当たり遊技における疑似振分部材76の作動パターン(可動片パターン1)を示している。図52及び図53に示すように、疑似振分部材76の初回の200msにわたる第1の状態への制御中に遊技球が疑似特定領域34を通過することはまずない。第1大入賞口30の開放開始と同時に第1大入賞口30に入賞した遊技球であっても、疑似特定領域34に到達するまでに1秒程度はかかるからである。遊技球が疑似特定領域34を通過するとすれば、疑似振分部材76の2回目の1600msにわたる第1の状態への制御中である。
図46に戻り、Vチャンスフラグの値が、小当たり遊技の実行開始時に保留連がないケースでVチャンス演出を行うことを示す値「2」である場合には(S5305でYES)、疑似振分部材76の作動パターンとして可動片パターン2(第2作動パターンに相当)を設定して(S5306)、ステップS5308に進む。可動片パターン2は、図10の疑似振分部材作動TBL2に示す作動パターンである。具体的な疑似振分部材76の作動態様としては、第1大入賞口30の開放開始からまず200msにわたって第2の状態(図4(B)参照)に制御され、次いで200msにわたって第1の状態(図4(A)参照)に制御される。その後は第2の状態に制御され続ける。可動片パターン1との違いとしては、1600msにわたる第1の状態への制御が無いことである。
第1大入賞口30の開放タイミングとの関係は、図52(a),(b)に示す通りである。図52(b)では実線が、保留連なしの小当たり遊技における疑似振分部材76の作動パターン(可動片パターン2)を示している。図52に示すように、この可動片パターン2における200msにわたる第1の状態への制御中に遊技球が疑似特定領域34を通過することはまずない。上記した通り、第1大入賞口30の開放開始と同時に第1大入賞口30に入賞した遊技球であっても、疑似特定領域34に到達するまでに1秒程度はかかるからである。
なお、可動片パターン1が疑似特定領域34に通過可能な疑似振分部材76の作動パターンであり、可動片パターン2が疑似特定領域34に通過不可能又は困難な疑似振分部材76の作動パターンであれば、例えば両可動片パターンにおける始めの200msにわたる第2の状態への制御をなくすなど、疑似振分部材76の作動タイミングを適宜変更してもよい。
図46に戻り、ステップS5308では可動片動作フラグに、疑似振分部材76の動作を開始させることを示す値「1」(図43の表参照)を設定する(S5308)。そして、Vチャンス演出タイマの値を設定して(S5309)、本処理を終える。具体的には、小当たり遊技における第1大入賞口30の開放時間(1600ms)とエンディング時間(5500ms、図52参照)の合計時間である7100msを、Vチャンス演出タイマにセットする。
[可動片制御処理]図47に示すように、可動片制御処理(S4302)ではまず、演出制御用マイコン91は、Vチャンス演出タイマが「0」であるか否かを判定する(S6001)。「0」であれば(S6001でYES)、処理を終える。一方、「0」でなければ(S6001でNO)、Vチャンス演出タイマを減算するとともに(S6002)、可動片動作フラグの値が、疑似振分部材76の動作中でないことを示す値「0」(図43の表参照)であるか否かを判定する(S6003)。なお、Vチャンス演出タイマが「0」でなければ、特殊大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中である。
ステップS6003において可動片動作フラグが「0」でなければ(S6003でNO)、続いて、可動片動作フラグが、疑似振分部材76の動作を開始させることを示す値「1」(図43の表参照)であるか否かを判定する(S6004)。この判定結果がYESであれば、疑似振分部材76を、上述のステップS5304又はS5306で設定した可動片パターン(可動片パターン1又は可動片パターン2)で作動させるための開放設定を行う(S6005)。なお、このステップS6005における開放設定に従った疑似振分部材76の作動は、上述した1msタイマ割り込み処理(図38)の駆動制御処理(S4203)においてなされる。続いて演出制御用マイコン91は、可動片動作タイマの値を設定する(S6006)。具体的には、特殊大当たり遊技又は小当たり遊技における第1大入賞口30の開放開始から疑似特定領域34への通過の成否を判定するまでの時間3100ms(1600ms+1500ms(図52及び図53参照))を、可動片動作タイマにセットする。
次いで演出制御用マイコン91は、可動片動作フラグに、疑似振分部材76の動作中であることを示す値「2」(図43の表参照)を設定する(S6007)。そして、疑似特定領域34への遊技球の通過があったことを示すための疑似V領域入賞フラグをクリアして(S6008)、本処理を終える。
上述したステップS6007で可動片動作フラグに「2」が設定されると、10msタイマ割り込み処理(図39)内の可動片制御処理(図47)におけるステップS6004の判定結果はNOとなり、続くステップS6009の判定結果はYESとなる。この場合には、演出制御用マイコン91は、可動片動作タイマの値が「0」か否かを判定する(S6010)。そして、「0」でなければ(S6010でNO)後述する可動片動作中処理(S6011)を行い、「0」であれば(S6010でYES)後述する可動片停止処理(S6012)を行う。なお、可動片動作タイマの値が「0」であれば、可動片パターン1が設定されていても可動片パターン2が設定されていても、疑似振分部材76の第1の状態(図4(A)参照)への制御は終了している(図52及び図53参照)。もちろん、第1大入賞口30も閉鎖されている。
また、本可動片制御処理(図47)のステップS6003で、可動片動作フラグが疑似振分部材76の動作中でないことを示す値「0」(図43の表参照)であれば(S6003でYES)、アナウンスフラグをクリアする(S6013)。そして、Vチャンスフラグが、特殊Vロング大当たりに当選してVチャンス演出を行うことを示す値「1」(図42の表参照)であるか否かを判定する(S6014)。この判定結果がNOであればそのまま本処理を終えるが、この判定結果がYESであれば、Vチャンスフラグに、Vチャンス演出が終了したことを示す値「4」(図42の表参照)を設定してから(S6015)本処理を終える。
ステップS6015でVチャンスフラグの値が「4」に設定されると、上述のVチャンス設定処理(図46)のステップS5301でYESとなり、楽曲演出を行うための演出開始コマンドがセットされることとなる(S5301)。つまり、特殊大当たり遊技の2R目以降では楽曲演出が実行されることとなる。
[可動片動作中処理]図48に示すように、可動片動作中処理(S6011)ではまず、演出制御用マイコン91は、可動片動作タイマを減算するとともに(S6101)、疑似V領域入賞フラグがONか否かを判定する(S6102)。疑似V領域入賞フラグがONであれば(S6102でYES)、すでに後述の可動片成功処理又は可動片失敗処理が実行されているため、本処理を終える。これに対して、疑似V領域入賞フラグがONでなければ(S6102でNO)、続いて、疑似特定領域センサ34aの検知信号に基づいて疑似特定領域34への遊技球の通過の有無を判定する(S6103)。疑似特定領域34への通過が無ければ(S6103でNO)、本処理を終える。これに対して、疑似特定領域34への通過があれば(S6103でYES)、疑似V領域入賞フラグをONする(S6104)。そして、可動片パターン1が設定されているか否かを判定する(S6105)。可動片パターン1が設定されていれば、特殊大当たり遊技の実行中又は保留連がある小当たり遊技の実行中であるため、可動片成功演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S6106)。
可動片成功演出とは、本パチンコ遊技機1のモチーフにおける主人公キャラクタの画像を表示画面7aに表示したあと、「V」の文字画像を表示画面7aに大きく表示する演出である(図53(d)又は図52(e)参照)。この演出により、遊技者は特殊大当たり遊技を行う大当たりに当選していたこと(図53(d)に示すケース)、又は小当たりであっても保留連がありすぐに大当たり遊技が実行されること(図52(e)に示すケース)を知ることとなる。つまり、この可動片成功演出は、大当たりへの当選を報知する当選報知演出に相当する。さらに言えば、ここでの「V」の文字画像の表示は、大当たり当選報知としての意味をもつ。なお、特殊大当たり遊技が実行されている場合の可動片成功演出には、1R目における2回目の第1大入賞口30の開放以降の演出も含まれるようにするとよい。勿論、1R目における2回目の第1大入賞口30の開放以降の演出は、別途、楽曲演出等の演出が設定されるようにしてもよい。
図48に戻り、ステップS6105において可動片パターン1が設定されていなければ(S6105でNO)、つまり可動片パターン2が設定されていれば、保留連のない小当たり遊技の実行中であるため、可動片失敗演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S6107)。可動片失敗演出については後述する。
なお、可動片パターン2が設定されている場合には、疑似特定領域34への遊技球の通過はほぼ起こり得ない。そのため、このステップS6107の処理が行われることはほぼない。万が一、保留連のない小当たり遊技中に疑似特定領域34への通過がなされてしまった場合に備えて、可動片失敗演出を実行できるようにしたものである。これによれば、大当たりに当選していないのに可動片成功演出が実行されて、遊技者に大当たりに当選しているとの誤解を与えてしまうのを防ぐことが可能となる。
[可動片停止処理]図49に示すように、可動片停止処理(S6012)ではまず、演出制御用マイコン91は、設定された可動片パターン(可動片パターン1又は可動片パターン2)での疑似振分部材76の作動を終了させるための閉鎖設定を行う(S6201)。次いで演出制御用マイコン91は、可動片動作フラグに、疑似振分部材76の動作中でないことを示す値「0」を設定する(S6202)。これにより、上述の可動片制御処理(図47)では、ステップS6003においてYESと判定され、ステップS6013〜S6015の処理が実行されるようになる。
その後、演出制御用マイコン91は、疑似V領域入賞フラグがONか否かを判定する(S6203)。ONであれば(S6203でYES)、既に可動片成功演出(S6106)又は可動片失敗演出(S6107)が行われているため、そのまま本処理を終える。これに対して、疑似V領域入賞フラグがONでなければ(S6203でNO)、続いて可動片パターン1が設定されているか否かを判定する(S6204)。そして、可動片パターン1が設定されていれば(S6204でYES)、特殊大当たり遊技の実行中又は保留連がある小当たり遊技の実行中であるため、可動片復活演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S6205)。
可動片復活演出とは、まず「失敗」の文字画像を表示画面7aに大きく表示した後、上記の可動片成功演出と同様、本パチンコ遊技機1のモチーフにおける主人公キャラクタの画像を表示画面7aに表示し、次いで「V」の文字画像を表示画面7aに大きく表示する演出である(図53(c)又は図52(d)参照)。この演出により、一旦は遊技者に大当たりに当選していないと思わせた後、実は、特殊大当たり遊技を行う大当たりに当選していたこと(図53(c)に示すケース)、又は保留連がありすぐに大当たり遊技が実行されること(図52(d)に示すケース)を報知している。
つまり、この可動片復活演出は、大当たりへの非当選を報知する非当選報知演出(「失敗」の文字画像の表示)を経て、大当たりへの当選を報知する当選報知演出(主人公キャラクタの画像の表示や「V」の文字画像の表示)を行う演出である。なお、可動片復活演出は、非当選報知演出を経ないで当選報知演出を行うものでもよい。また、保留連のある小当たり遊技において、主人公キャラクタの画像や「V」の文字画像を表示するタイミングは、どちらもEDの終了までに表示されるようにしてもよいし、主人公キャラクタの画像のみがEDの終了までに表示され、「V」の文字画像はEDの終了後に表示されるようにしてもよいし、どちらもEDの終了後に表示されるようにしてもよい。ED終了後の表示は、ステップS5007の継続待機演出の演出開始コマンドに基づいて行うようにすればよい。本形態においては、少なくとも主人公キャラクタの画像はEDの終了までに表示されるようにしている。
なお、本形態において可動片復活演出を行うようにしているのは、第1大入賞口30の開放が1.6秒と短いため、遊技球の打込を行っていても第1大入賞口30に1球も入賞しないことが考えられるからである。
図49に戻り、ステップS6204において可動片パターン1が設定されていなければ(S6204でNO)、つまり可動片パターン2が設定されていれば、保留連のない小当たり遊技の実行中であるため、可動片失敗演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S6206)。
可動片失敗演出とは、「失敗」の文字画像を表示画面7aに大きく表示する演出である(図52(c)参照)。この演出により、遊技者は小当たり遊技が実行されているのであり大当たりには当選していないことを知ることとなる。つまり、この可動片失敗演出は、大当たりへの非当選を報知する非当選報知演出に相当する。なお、上述の可動片成功演出、可動片失敗演出、及び可動片復活演出としてどのような画像を表示するかは適宜変更可能である。
7.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1では、特殊大当たり遊技の短開放遊技(1.6秒にわたる第1大入賞口30の初回の開放とその後の17秒にわたるインターバル)において疑似特定領域34への通過に成功した場合には、大当たりへの当選を示す当選報知演出(可動片成功演出)が行われる(図53(d)参照)。よって、あたかも疑似特定領域34への通過により大当たりが発生したかのようなゲーム性を提供することが可能となる。つまり、所謂2種遊技を実行可能な遊技機ではないのに2種遊技を疑似的に遊技させることが可能となる。なお、遊技者は、特殊大当たり遊技における1R目の2回目の開放から、大当たり遊技が実行されていると認識して遊技することとなる。この特殊大当たり遊技では、1R目の2回目の開放が27.9秒と十分に長い開放時間であるため、遊技者が獲得可能な賞球数は通常Vロング大当たりと変わらない。
また本形態のパチンコ遊技機1では、特殊大当たり遊技の短開放遊技と見た目上区別ができない(つまり第1大入賞口30の開閉部材32の開放パターンをみても区別ができない)小当たり遊技が実行され得る。そして、この小当たり遊技においては疑似振分部材76を疑似特定領域34への通過が困難な可動片パターン2(第2作動パターン)で作動させ、大当たり当選は報知されない(図52(c)参照)。よって、疑似特定領域34への通過を狙うVチャンスというゲームでは、小当たり遊技ではなく特殊大当たり遊技が実行されていることに期待して遊技することとなり、疑似的な2種遊技による遊技興趣を一層高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機1では、小当たり遊技における第1大入賞口30の閉鎖後には、大当たりへの非当選を示す非当選報知演出(可動片失敗演出)が行われる(図52(c)参照)。よって、特殊Vロング大当たりに当選していないことを遊技者にわかりやすく示すことが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機1では、特殊大当たり遊技の短開放遊技において疑似特定領域34への通過に失敗した場合でも、可動片復活演出によって、長開放遊技(最大で27.9秒にわたる第1大入賞口30の2回目の開放以降の遊技)の開始までに大当たりへの当選が報知される(図53(c)参照)。よって、疑似特定領域34への通過に失敗して落胆している遊技者に驚きを与え、遊技興趣を高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が受ける利益に直接関係がなく演出にのみ関係する疑似特定領域センサ34aと、疑似振分部材ソレノイド78とは、演出を制御するサブ制御基板90に接続されている。よって、疑似特定領域センサ34aや疑似振分部材ソレノイド78を用いた演出を、主制御基板80に関係なくサブ制御基板90によって自由に実行することが可能である。よって、演出の円滑な実行を実現することが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機1では、小当たり遊技が実行された場合であっても、小当たり遊技の実行時の数値情報(大当たり乱数等の乱数値)の記憶(特図保留、保留記憶ともいう)に大当たり当選(本形態では通常Vロング大当たりへの当選)の保留記憶があれば、疑似振分部材ソレノイド78を疑似特定領域34への通過が可能な可動片パターン1(第1作動パターン)で作動させ、疑似特定領域34への通過に基づいて大当たりへの当選を報知する(図52(e)参照)。一方、小当たり遊技の実行時の保留記憶に大当たり当選の保留記憶が無ければ、疑似振分部材76を疑似特定領域34への通過が困難な可動片パターン2(第2作動パターン)で作動させ、大当たりへの当選を報知しない(図52(c)参照)。よって、小当たり当選時にも、大当たり当選が報知されることがあるため、遊技者に驚きを与えることが可能であり、遊技の興趣を向上可能である。より詳細には、特別図柄の停止態様により小当たりであると遊技者が認識していても、大当たり当選が報知されることがあるため、特別図柄に着目している遊技者に特に驚きを与えることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり当選の保留記憶がある状態での小当たり遊技において疑似特定領域34への通過に成功すると、大当たり当選が報知されるため、この場合も、あたかも疑似特定領域34への通過により大当たりが発生したかのような印象を遊技者に与えることが可能である。つまり、2種遊技を疑似的に遊技させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1では、可動片パターン1で疑似振分部材76が作動される小当たり遊技において疑似特定領域34への通過に失敗した場合でも、可動片復活演出によって、大当たりへの当選が報知される(図52(d)参照)。よって、疑似特定領域34への通過に失敗して落胆している遊技者に驚きを与え、遊技興趣を高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機1では、疑似特定領域34への通過を狙うゲームがなされること(つまりは特殊大当たり遊技又は小当たり遊技が実行されること)を、事前判定(ステップS4602)の判定結果に基づいて、そのゲームの発生契機となる特別図柄の変動表示よりも前の特別図柄の変動表示から告知する(図50参照)。仮に、特殊大当たり遊技や小当たり遊技が開始されてから第1大入賞口30が開放されるまでの間に疑似特定領域34への通過を狙うゲームの実行を告知することとすると、告知時間を十分にとる必要性があることから、遊技が間延びするおそれがある。しかし本形態によれば、特殊大当たり遊技や小当たり遊技の開始前からこのようなゲームの実行を十分に告知しているため、特殊大当たり遊技や小当たり遊技のオープニング時間をとりわけ長くとる必要がなく、スムーズな遊技をキープすることが可能となる。
また本形態では、低確低ベース状態においても電チュー22がロング開放し得る(図14の長開放TBL1参照)。そのため、遊技者が左打ちにて遊技をしている場合であっても、特図2の抽選の結果次第では疑似特定領域34を狙うVチャンスというゲームが発生し得る。この場合には、遊技者は右打ちに打方を変更しなければならないため、本形態のようにアナウンス予告を行うことで、遊技者に第1大入賞口30への入賞機会を逃すことなく右打ちさせることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機1では、疑似特定領域(第1特定領域)34を有する第1大入賞装置(第1特別入賞手段)31と、本特定領域(第2特定領域)39を有する第2大入賞装置(第2特別入賞手段)36とを備えている。特殊大当たり遊技の短開放遊技において疑似特定領域34への通過があれば大当たり当選が報知される(図53(d)参照)。また、特殊大当たり遊技の短開放遊技中の開放以外の開放として第2大入賞口35が開放され、その際に本特定領域39への通過があれば高確率状態に制御される(ステップS2301でYESならS2304を実行)。従って、役割の異なる2つの特定領域通過が一つの大当たり遊技中(特殊大当たり遊技中)に発生し得る新たなゲーム性を提供することが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機1では、疑似特定領域34への通過を可能とするか否かは疑似振分部材76の作動パターン(可動片パターン1又は可動片パターン2)によって決められているのに対して、本特定領域39への通過を可能とするか否かは第2大入賞口35の開閉部材37の開放パターン(Vショート開放パターン又はVロング開放パターン)によって決められている。そのため、これらの可動物(疑似振分部材76と第2大入賞口35の開閉部材37)の動作態様の違いによって、疑似特定領域34と本特定領域39の役割の違い(疑似特定領域34は単なる演出契機用で本特定領域39は確変作動用)を明確に示すことが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機1では、小当たり遊技の実行後の第2特別図柄の4変動(第2特図保留の上限数の変動)は、本パチンコ遊技機1において選択され得る変動パターンの中でも比較的変動時間の短い変動パターンだけが選択される特殊変動パターン判定テーブルに基づいて、変動パターンが選択されることとなる(ステップS1602参照)。よって、保留連ありの小当たり遊技後にはスムーズに大当たり遊技が実行されることとなる。なお、小当たり遊技の実行開始時に保留連があると判定した場合(ステップS5116又はS5140でYESと判定した場合)だけ、小当たり遊技後の実行後の特別図柄変動の変動パターンを特殊変動パターン判定テーブルに基づいて選択するようにしてもよい。
8.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、特殊大当たり遊技は、1R目の途中まで短開放遊技であり、長開放遊技がその1R目の途中から開始されるよう構成した。これに対して、1R目の全てが短開放遊技であり、長開放遊技が2R目から開始されるよう構成してもよい。また、特殊大当たり遊技における短開放遊技が、複数ラウンドにわたって実行されるよう構成してもよい。短開放遊技として第1大入賞口30を複数回開放させる場合には、それに合わせて小当たり遊技における第1大入賞口30の開放回数を複数回に設定する。
また、特殊大当たり遊技は、長開放遊技の後でさらに短開放遊技を行うものであってもよく、また、長開放遊技の後でさらに短開放遊技と長開放遊技とを行うものであってもよい。前者の例としては、本形態のVショート大当たりのように、全16R中14R以降を短開放パターンでの開放とするものが挙げられる。また後者の例としては、全16中6R〜10Rを短開放パターンでの開放とし11R以降を再び長開放パターンでの開放とするものや、全16R中の6Rの最初を短開放パターンでの開放とし6Rの途中から長開放パターンでの開放とするものが挙げられる。
また上記形態では、小当たり遊技の実行開始時の保留連の有無の判定(ステップS5116又はS5140)では、第2特図保留に通常Vロング大当たりと判定された数値情報の記憶があるか否かを対象としたが、どのような種類の大当たりがあれば保留連ありと判定するかは、遊技機における大当たりの種類に応じて適宜変更可能である。つまり、保留連の有無の判定対象は通常Vロング大当たりに限られるものではない。但し第2特図保留に特殊Vロング大当たりと判定された数値情報の記憶があっても、保留連ありと判定しない方がよい。この場合は再びVチャンス演出を行えばよいからである。
また上記形態では、特定領域センサ39aを第2大入賞口センサ35aとは別に設けたが、第2大入賞口センサ35aが特定領域センサ39aを兼ねる構成としてもよい。言い換えれば、第2大入賞口35が特定領域39を兼ねる構成としてもよい。この場合、振分部材71や非特定領域センサ70a(つまりは非特定領域70)は必要ない。またこの場合には、Vショート開放パターン(第2開放パターン)を、第2大入賞口35にほぼ入賞不可能な開放態様とし、Vロング開放パターン(第1開放パターン)を第2大入賞口35に入賞容易な開放態様とすればよい。また、第2大入賞口35の開放期間のうちの一部の開放期間を特定領域として機能させ、他の開放期間を非特定領域として機能させるようにしてもよい。この場合にも、振分部材71は必要ない。
また上記形態では、特定領域39への通過に基づいて高確率状態に制御される遊技機(いわゆるV確機)として構成したが、特定領域39への通過に関係なく、当選した大当たりの種類(特別図柄の種類)に基づいて高確率状態に制御される遊技機としてもよい。
また上記形態では、特殊大当たり遊技が実行され得る遊技機として構成したが、特殊大当たり遊技が実行されることがない遊技機として構成してもよい。つまり特殊Vロング大当たりのない遊技機としてもよい。
また上記形態では、疑似特定領域34に遊技者の注意を向けさせ得る特定告知表示として、図50に示す演出画像を表示画面7aに表示した。これに対して、疑似特定領域34の位置に発光部(例えばLED)を設け、この発光部を発光させることを、特定告知表示としてもよい。発光部の発光により、疑似特定領域34に遊技者の注意を向けさせ得ることは十分に可能である。勿論、この発光部の発光と、上記した図50に示す演出画像の表示とを共に行うように構成してもよい。このようにすれば、一層遊技者の注意を疑似特定領域34に向け易くすることが可能となる。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また、始動入賞コマンドの生成に関するルール(図15参照)は、適宜変更してもよい。例えば、始動入賞コマンドに特図保留の数の情報や遊技状態の情報を含めないようにしてもよい。少なくとも大当たり及び小当たりの当否と当たり種別に関する情報が含まれていればよい。
また、遊技制御用マイコン81が、始動入賞時に、その入賞により取得した各種乱数値のコピー(事前判定用乱数という)を作成し、その事前判定用乱数に基づいて大当たり又は小当たりか否か、当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を、事前に判定して(その入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行前に判定して)、その判定結果を反映させた始動入賞コマンドを生成するようにしてもよい。このようにしても、始動入賞コマンドを受信した演出制御用マイコン91は、その始動入賞コマンドを解析することにより、大当たり及び小当たりの当否や当たり種別を判断することができる。また、遊技制御用マイコン81が、始動入賞に基づき取得した各種乱数値の情報をそのまま演出制御用マイコン91に送信し、これを受信した演出制御用マイコン91が、大当たり又は小当たりか否か、当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を事前に判定してもよい。この場合には、演出制御用マイコン91のROM93に各種乱数値の判定テーブルを格納しておく。このようにしても、演出制御用マイコン91は大当たり及び小当たりの当否や当たり種別を判断することが可能となる。
なお、本明細書にいう「所定の判定条件」とは、上記形態では特別図柄の変動表示及び特別遊技の実行中でなく、特図保留記憶部85に大当たり乱数等の乱数値の記憶があることである。
なお、この[発明を実施するための形態]における上記までの記載内容には、以下の手段1〜7の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記までの記載内容における対応する構成名や表現、図面に使用した符号等を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
手段1に係る発明は、
遊技領域(3)に設けられた入球口(第1始動口20又は第2始動口21)への遊技球の入球を検知する入球口検知手段(第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21a)と、
前記遊技領域に設けられた特別入賞口(第1大入賞口30)への入賞を検知する特別入賞口検知手段(第1大入賞口センサ30a)と、前記特別入賞口を開閉する開閉部材(32)と、前記特別入賞口検知手段の下流に配された特定領域(疑似特定領域34)への遊技球の通過を検知する特定領域検知手段(疑似特定領域センサ34a)と、前記特別入賞口検知手段による検知後の遊技球が前記特定領域を通過するか否かを振り分ける振分部材(疑似振分部材76)と、を有する特別入賞手段(第1大入賞装置31)と、
前記入球口検知手段による入球検知に基づき数値情報(大当たり乱数等の乱数値)を取得する数値情報取得手段(ステップS206又はS212を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記数値情報取得手段により取得された数値情報を所定の上限数まで記憶可能な記憶手段(特図保留記憶部85)と、
所定の判定条件の成立時に、前記記憶手段に記憶された数値情報に基づいて大当たり及び小当たりの当否判定を行う当否判定手段(ステップS1402又はS1408を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記当否判定手段による判定結果に基づいて、前記開閉部材を開放する特別遊技を行う特別遊技実行手段(ステップS1308又はS1309を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記特別遊技実行手段は、前記小当たりへの当選に基づく特別遊技として、前記特別入賞口への入賞が容易な長開放時間よりも短い短開放時間にわたって前記特別入賞口を開放させる小当たり遊技を実行可能である遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記振分部材の作動を制御する振分部材制御手段(ステップS6005等を行う演出制御用マイコン91)と、
前記大当たりへの当選を示す当選報知演出を行う当選報知手段(ステップS6106を行う演出制御用マイコン91)と、
前記記憶手段に記憶された前記数値情報に基づいて、その数値情報が前記当否判定手段により前記大当たりと判定される特別の数値情報であるか否かの情報を含む入賞情報(始動入賞コマンド)を、その数値情報の記憶の際に生成する入賞情報生成手段(ステップS207又はS213を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記小当たり遊技の実行時に、前記入賞情報生成手段により生成された前記入賞情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている数値情報の中に前記特別の数値情報があるか否かを判定する小当たり実行時判定手段(ステップS5116又はS5140を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記振分部材制御手段は、
前記小当たり遊技の実行時に前記小当たり実行時判定手段により前記特別の数値情報があると判定されると、その小当たり遊技では前記特定領域への通過が可能な第1作動パターン(可動片パターン1)で前記振分部材を作動させる(ステップS5116又はS5140でYESならS5304を行う)一方、
前記小当たり遊技の実行時に前記小当たり実行時判定手段により前記特別の数値情報がないと判定されると、その小当たり遊技では前記第1作動パターンよりも前記特定領域への通過が困難な第2作動パターン(可動片パターン2)で前記振分部材を作動させる(ステップS5116又はS5140でNOならS5306を行う)ものであり、
前記当選報知手段は、
前記第1作動パターンで前記振分部材が作動される小当たり遊技において前記特定領域検知手段による通過検知がなされると、前記当選報知演出を行う(ステップS6105でYESならS6106を行う)一方、
前記第2作動パターンで前記振分部材が作動される小当たり遊技においては、前記当選報知演出を行わない(ステップS6105でNOならS6106を行わない)ものであることを特徴とする遊技機である。
手段1に係る発明によれば、小当たり遊技が実行された場合であっても、小当たり遊技の実行時の数値情報の記憶(保留記憶)に大当たり当選の保留記憶があれば、振分部材を特定領域への通過が可能な第1作動パターンで作動させ、特定領域への通過に基づいて大当たりへの当選を報知する。一方、小当たり遊技の実行時の保留記憶に大当たり当選の保留記憶が無ければ、振分部材を特定領域への通過が困難な第2作動パターンで作動させ、大当たりへの当選を報知しない。よって、小当たり当選時にも大当たり当選が報知されることがあるため遊技者に驚きを与えることが可能であり、小当たり当選時の遊技興趣を向上可能である。
特に本発明では、大当たり当選の保留記憶がある状態での小当たり遊技において特定領域への通過に成功すると、大当たり当選が報知される。よって、あたかも特定領域への通過により大当たりが発生したかのようなゲーム性を提供することが可能となる。つまり、所謂2種遊技を実行可能な遊技機ではないのに2種遊技を疑似的に遊技させることが可能となる。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機であって、
前記当選報知手段は、前記第1作動パターンで前記振分部材が作動される小当たり遊技において前記特定領域検知手段による通過検知がなされなかった場合には、その小当たり遊技における前記開閉部材の閉鎖後に、前記当選報知演出を行う(ステップS6203でNO且つS6204でYESならS6205を行う)ものであることを特徴とする遊技機である。
手段2に係る発明によれば、第1作動パターンで振分部材が作動される小当たり遊技において特定領域への通過に失敗した場合でも、大当たりへの当選が報知される。よって、特定領域への通過に失敗して落胆している遊技者に驚きを与え、遊技興趣を高めることが可能となる。
手段3に係る発明は、
手段1又は手段2に記載の遊技機であって、
前記大当たりへの非当選を示す非当選報知演出を行う非当選報知手段(ステップS6206を行う演出制御用マイコン91)を備え、
前記非当選報知手段は、少なくとも前記第2作動パターンで前記振分部材が作動される小当たり遊技において、前記小当たり遊技における前記開閉部材の閉鎖後に前記非当選報知演出を行うものであることを特徴とする遊技機である。
手段3に係る発明によれば、小当たり遊技における開閉部材の閉鎖後には、大当たりへの非当選を示す非当選報知演出が行われる。よって、特殊大当たり遊技を行う大当たりに当選していないことを遊技者にわかりやすく示すことが可能となる。
手段4に係る発明は、
手段1から手段3までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記特別遊技実行手段は、前記大当たりへの当選に基づく特別遊技として、前記短開放時間にわたって前記開閉部材を開放する短開放遊技を経て、前記長開放時間にわたって前記開閉部材を開放する長開放遊技を行う特殊大当たり遊技(特殊Vロング大当たりの大当たり遊技)を実行可能であり、
前記振分部材制御手段は、前記特殊大当たり遊技の短開放遊技では前記第1作動パターン(可動片パターン1)で前記振分部材を作動させるものであり、
前記当選報知手段は、前記特殊大当たり遊技の短開放遊技において前記特定領域検知手段による通過検知がなされると前記当選報知演出を行う(ステップS6105でYESならS6106を行う)ものであることを特徴とする遊技機である。
手段4に係る発明によれば、大当たり当選の保留記憶がある状態での小当たり遊技の実行時以外にも、特殊大当たり遊技の実行時には、その特殊大当たり遊技の短開放遊技において特定領域への通過に成功すれば、大当たりへの当選を示す当選報知演出が行われる。よって、この場合にも、2種遊技を疑似的に遊技させることが可能となる。
手段5に係る発明は、
手段4に記載の遊技機であって、
前記当選報知手段は、前記特殊大当たり遊技の短開放遊技において前記特定領域検知手段による通過検知がなされなかった場合でも、前記長開放遊技の開始までには、前記当選報知演出を行う(ステップS6203でNO且つS6204でYESならS6205を行う)ものであることを特徴とする遊技機である。
手段5に係る発明によれば、特殊大当たり遊技の短開放遊技において特定領域への通過に失敗した場合でも、長開放遊技の開始までに大当たりへの当選が報知される。よって、特定領域への通過に失敗して落胆している遊技者に驚きを与え、遊技興趣を高めることが可能となる。
手段6に係る発明は、
手段1から手段5までのいずれかに記載の遊技機であって、
遊技の進行を制御するメイン制御部(主制御基板80)と、
遊技の進行に伴って行われる演出を制御するサブ制御部(サブ制御基板90)と、を備え、
前記特別入賞口検知手段(第1大入賞口センサ30a)、及び前記開閉部材の駆動源(第1大入賞口ソレノイド33)は、前記メイン制御部に接続されており、
前記特定領域検知手段(疑似特定領域センサ34a)、及び前記振分部材の駆動源(疑似振分部材ソレノイド78)は、前記サブ制御部に接続されていることを特徴とする遊技機である。
手段6に係る発明によれば、遊技者が受ける利益に直接関係がなく演出にのみ関係する特定領域検知手段と、振分部材の駆動源とは、演出を制御するサブ制御部に接続されている。よって、特定領域検知手段や振分部材を用いた演出を、メイン制御部に関係なくサブ制御部によって自由に実行することが可能である。よって、演出の円滑な実行を実現することが可能となる。
手段7に係る発明は、
手段4又は手段5に記載の遊技機であって、
前記当否判定手段による判定結果を示す図柄を変動表示を経て停止表示する図柄表示手段(ステップS1304等を実行する遊技制御用マイコン81)を備え、
前記特別遊技実行手段は、前記図柄表示手段による図柄の停止表示後に前記特別遊技を実行するものであり、
前記入賞情報生成手段は、前記特別の数値情報であるか否かの情報に加えて、前記記憶手段に記憶された前記数値情報が前記当否判定手段により前記特殊大当たり遊技又は前記小当たり遊技を行う特定当たりと判定される特定の数値情報であるか否かの情報を含む入賞情報(始動入賞コマンド)を生成するものであり、
前記入賞情報生成手段により生成された前記入賞情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている数値情報の中に前記特定の数値情報があるか否かを、前記当否判定手段による前記当否判定の前に判定する事前判定手段(ステップS4602を行う演出制御用マイコン91)と、
前記事前判定手段により前記特定の数値情報があると判定された場合に、前記特定の数値情報よりも前に記憶された数値情報に基づく図柄の変動表示から、前記特定の数値情報に基づく図柄の変動表示の間に、前記特定領域に注意を向けさせ得る特定告知表示(図50参照)を行う特定告知表示手段(ステップS5003等を行う演出制御用マイコン91)と、をさらに備えていることを特徴とする遊技機である。
手段7に係る発明によれば、特定領域への通過を狙うゲームがなされること(つまりは特殊大当たり遊技又は小当たり遊技が実行されること)を、事前判定手段による判定結果に基づいて、そのゲームの発生契機となる図柄の変動表示よりも前の図柄の変動表示から告知する。仮に、特殊大当たり遊技や小当たり遊技が開始されてから特別入賞口が開放されるまでの間に特定領域への通過を狙うゲームの実行を告知することとすると、遊技が間延びするおそれがある。しかし本発明によれば、特殊大当たり遊技や小当たり遊技の開始前からこのようなゲームの実行を十分に告知可能であるため、スムーズな遊技をキープすることが可能となる。