以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図5は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、遊技盤5等が上部側に、遊技盤5の前側の遊技領域16に向けて遊技球を発射する発射手段6等が下部側にそれぞれ配置され、また遊技盤5等の前側に対応してガラス扉7が、発射手段6等の前側に対応して前面板8がそれぞれヒンジ3と同じ側のヒンジ9により開閉自在に枢支されている。
前面板8の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段6に供給する上皿10が上部側に配置され、またその上皿10の下側には、例えば上皿10が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿11が左端側に、発射手段6を作動させるための発射ハンドル12が右端側に夫々設けられている。更に、例えば上皿10等を前側から覆う上皿カバー13上には演出用操作ボタン14等が設けられている。
遊技盤5の前面側には、発射手段6から発射された遊技球を案内するガイドレール15が環状に装着されると共に、そのガイドレール15の内側の遊技領域16に、センターケース17、普通図柄始動手段18、特別図柄始動手段19、大入賞手段20、普通入賞手段21等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース17は、例えば遊技領域16の略中央に配置されており、液晶表示手段(画像表示手段)22に対応する略矩形状の表示窓23を備え、その表示窓23を取り囲む装飾枠24上に、例えば普通図柄表示手段25、特別図柄表示手段26、普通保留個数表示手段27等の各種表示手段の他、ステージ28、可動演出手段29等が設けられている。液晶表示手段22は、演出図柄表示手段30、特別保留個数表示手段31等を構成している。
ステージ28は、液晶表示手段22の下部前側に左右方向に配置されており、センターケース17の側部、例えば左側に設けられたワープ入口32に流入した遊技球を自由に転動させた後、例えば左右方向中央の中央落下部又はその左右両側の側部落下部から前側に落下させるようになっている。
可動演出手段29は、可動体33と、この可動体33を上下方向に移動可能に支持する可動体案内手段34と、可動体33を駆動する可動体駆動手段35とを備えている。可動体33は、例えば任意の立体形状(ここでは人間の両手の形状)に形成された樹脂製の造形物で、後側(又は内部)に配置されたLEDが点灯することによって例えばその全体が発光するようになっている。
可動体案内手段34は、可動体33を液晶表示手段22の表示画面22aの前面側に沿って所定方向、例えば上下方向に移動可能な状態で支持するもので、液晶表示手段22の表示画面22aの左右両側に沿って上下方向に配置された一対の案内レール37と、左右方向に配置され且つその両端側が一対の案内レール37によって上下方向移動可能に支持された可動体支持部38とを備え、この可動体支持部38の前側に可動体33が配置されている。
可動体案内手段34は、例えば案内レール37が装飾枠24の後側に、可動体支持部38が装飾枠24及び可動体33の後側にそれぞれ配置されており、略全体が遊技機本体1の前側からは視認できないようになっている。また、可動体支持部38は、例えばその左右両端部の動作が図示しない連動機構によって同期されており、常に水平を保った状態での上下動が可能となっている。
また、可動体33の可動範囲(本実施形態では上限位置と下限位置との間の範囲)は、可動体33の少なくとも一部が液晶表示手段22の表示画面22aの前側に位置する「被覆範囲」と、それ以外の「非被覆範囲」とで構成されるが、本実施形態では、上限位置を含む僅かな範囲が「非被覆範囲」、それ以外、即ち下限位置を含む大部分が「被覆範囲」となっている。また、本実施形態では可動範囲の上限位置が可動体33の「待機位置」となっており、可動体33は、後述する可動体演出中以外はこの「待機位置」に保持されるものとする。
なお、「待機位置」は非被覆範囲に存在することが望ましいが、この「待機位置」は遊技者による液晶表示手段22の視認に支障がない位置であればよく、例えば液晶表示手段22の表示画面22aからその前方に十分に離れた位置で可動体33の一部が僅かに表示画面22aの前側にかかっている程度であれば、厳密には被覆範囲であってもこの位置を「待機位置」としてもよい。
可動体駆動手段35は、例えばステッピングモータで構成され、装飾枠24の後側に配置されており、図示しないベルト等を介して可動体支持部38及び可動体33を所定の動作パターンに従って上下方向に移動させることが可能となっている。
普通図柄表示手段25は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)によって構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段18が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段18による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段25の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段18が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段27がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段19は、特別図柄表示手段26による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口19a,19bと、下特別始動口19bを開閉する開閉手段39とを備え、例えばセンターケース17の下側に配置されている。上特別始動口19aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口19bは、開閉手段39により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段25の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段39が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段26は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段19が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口19a,19bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口19a,19bへの入賞時に取得された乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口19a,19bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等の乱数情報が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、例えば液晶表示手段22上に乱数情報の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
演出図柄表示手段30は、例えば特別図柄表示手段26による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄(図柄)を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に液晶表示手段22の表示画面22aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段19が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口19a,19bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字を含む図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様となるものとする。
また、大当たり態様には、偶数図柄等よりなる通常大当たり態様と、奇数図柄等よりなる確変大当たり態様とがあり、大当たり態様の種類が通常大当たり態様であるか確変大当たり態様であるかに応じて、特別利益状態の終了後に発生する特別遊技状態の種類(時短遊技状態/確変遊技状態)が決まるようになっている。なお、演出図柄表示手段30は、特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
特別保留個数表示手段31は、特別保留個数分の保留表示画像Xの表示個数により特別保留個数を表示するもので、表示画面22a上の所定部分、例えば下部側に特別保留個数分の保留表示画像Xを表示するようになっている。
大入賞手段20は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板40を備えた作動式入賞手段で、特別図柄表示手段26の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて発生する特別利益状態中に、開閉板40が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、41は主制御基板、42は演出制御基板、43は液晶制御基板で、これら各制御基板41〜43は、遊技盤5に装着されたセンターケース17、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤5を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。演出制御基板42は主制御基板41の下位に、また液晶制御基板43はその演出制御基板42の下位に夫々接続されており、制御コマンドは上位の基板から下位の基板への一方向通信により送信されるようになっている。なお、図2では演出制御基板42、液晶制御基板43以外のサブ制御基板、例えば払い出し制御基板等については省略している。
主制御基板41は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段51、普通始動口チェック処理手段52、普通乱数記憶手段53、普通図柄処理手段54、普通利益状態発生手段55、普通図柄表示制御手段56、特別乱数作成処理手段61、特別始動口チェック処理手段62、特別乱数記憶手段63、特別図柄処理手段64、特別利益状態発生手段65、特別図柄表示制御手段66、特別遊技状態発生手段67、コマンド送信手段68等を備えている。
普通乱数作成処理手段51は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段52は、普通図柄始動手段18による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段18が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段51で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段54は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段54a、普通停止図柄選択手段54b、変動時間選択手段54c等を備えている。当たり判定手段54aは、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段25が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段53に記憶されている当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
普通停止図柄選択手段54bは、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当たり態様と外れ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて、当たり判定の場合には「○」が、外れ判定の場合には「×」が画一的に選択される。変動時間選択手段54cは、普通図柄の変動時間を選択するものである。
普通利益状態発生手段55は、当たり判定手段54aによる判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段25の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、特別図柄始動手段19を構成する下特別始動口19bの開閉手段39を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
普通図柄表示制御手段56は、普通図柄処理手段54による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段25の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段25が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段25による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段54cで選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段54bで選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
特別乱数作成処理手段61は、大当たり/外れの判定に用いる大当たり判定乱数の他、大当たり判定の場合の停止図柄態様の選択に用いる大当たり図柄乱数、外れ判定の場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段62は、特別図柄始動手段19への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段19が遊技球を検出すること、即ち特別始動口19a,19bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段61で作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値、変動パターン乱数値等の乱数情報を取得し、その乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の特別乱数記憶手段63に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段64は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、大当たり判定手段64a、特別停止図柄選択手段64b、変動パターン選択手段64c等を備えている。大当たり判定手段64aは、乱数抽選により大当たり/外れの判定を行うもので、特別図柄表示手段26が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1以上の乱数情報が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段63に記憶されている乱数情報の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
特別停止図柄選択手段64bは、特別図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するもので、例えば大当たり判定手段64aによる判定結果が大当たりであった場合には、特別乱数記憶手段63に記憶されている乱数情報に含まれる大当たり図柄乱数値に基づいて例えば複数種類の大当たり態様の何れかを選択し、大当たり判定手段64aによる判定結果が外れであった場合には例えば複数種類の外れ態様の何れかを抽選等により選択するように構成されている。
変動パターン選択手段64cは、演出図柄の変動パターンを複数種類の中から選択するもので、例えば所定の変動パターン選択テーブルと、特別乱数記憶手段63に記憶されている乱数情報の待ち行列における先頭の変動パターン乱数値とに基づいて変動パターンを択一的に選択するようになっている。
演出図柄の各変動パターンは、図3に示すように、第1ステージから始まる所定複数段階の演出ステージ(演出態様)、例えば3つの演出図柄のうちの2つが停止するまでの通常変動演出(第1ステージ)、通常変動演出でリーチとなった後のノーマルリーチ演出(第2ステージ)、スーパーリーチ演出(第3ステージ)、スペシャルリーチ演出(第4ステージ)の4段階の演出ステージのうちの1又は複数段階の演出ステージで構成されている。
また、ノーマルリーチ演出後には、スーパーリーチ演出に発展するか否かに関するスーパーリーチ発展演出が行われる場合があり、スーパーリーチ演出後には、スペシャルリーチ演出に発展するか否かに関するスペシャルリーチ発展演出が行われる場合があり、更にスペシャルリーチ演出後には、通常大当たり態様で仮停止した演出図柄を再び変動させて通常大当たり態様か確変大当たり態様で停止させる昇格演出が行われる場合がある。
本実施形態では、図3に示すように、通常変動演出においてリーチなし外れ態様で停止する「通常変動パターン」、通常変動演出でリーチとなり、ノーマルリーチ演出を経て外れ態様又は大当たり態様で停止する「ノーマルリーチ変動パターン」、通常変動演出、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ発展演出、スーパーリーチ演出を経て外れ態様又は大当たり態様で停止する「スーパーリーチ変動パターン」、通常変動演出、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ発展演出、スーパーリーチ演出、スペシャルリーチ発展演出、スペシャルリーチ演出を経て外れ態様又は大当たり態様で停止する「スペシャルリーチ変動パターン」の4種類の変動パターンが用意されているものとする。
なお、「ノーマルリーチ変動パターン」については、最後にスーパーリーチ発展演出が行われる場合と行われない場合とがあり、「スーパーリーチ変動パターン」については、最後にスペシャルリーチ発展演出が行われる場合と行われない場合とがあり、「スペシャルリーチ変動パターン」については、最後に昇格演出が行われる場合と行われない場合とがあるものとする。
また、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチの各変動パターンの少なくとも一部では、スーパーリーチ発展演出、スペシャルリーチ発展演出、昇格演出において、液晶表示手段22への演出画像の表示と同期して可動演出手段29が作動する可動体演出が実行されるものとする。
特別利益状態発生手段65は、大入賞手段20を複数種類の開放パターンの何れかに従って開放する特別利益状態を発生させるためのもので、大当たり判定手段64aによる判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段26による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態を発生させるようになっている。本実施形態における大入賞手段20の開放パターンは、大入賞手段20の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段20を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
特別図柄表示制御手段66は、特別図柄表示手段26の表示制御を行うもので、特別図柄表示手段26が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1以上の乱数情報が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別図柄表示手段26による特別図柄の変動を開始させ、変動パターン選択手段64cにより選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特別停止図柄選択手段64bにより選択された停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段67は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特別乱数記憶手段63に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に基づいて決定される大当たり態様の種類に応じて、例えば通常大当たり態様の場合には時短遊技状態を、確変大当たり態様の場合には確変遊技状態を発生させるように構成されている。
時短遊技状態中は、例えば特別図柄に関して特別図柄表示手段26の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口19bの開閉手段39の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短遊技状態は例えばその開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
確変遊技状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば時短遊技状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。なお、確変遊技状態は例えば次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
コマンド送信手段68は、所定のコマンドを一方向通信により演出制御基板42等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、例えば演出制御基板42に対しては、特別保留個数の増加時に、増加後の特別保留個数等を指定する保留加算コマンドが送信され、また特別図柄の変動時には、まず変動開始時に、減少後の特別保留個数等を指定する保留減算コマンド、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、特別図柄の停止図柄を指定する図柄指定コマンドが例えばこの順序で送信され、変動終了時に、演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドが送信される等、所定のタイミングで各種コマンドが送信されるようになっている。
演出制御基板42は、液晶表示手段22、スピーカ71、LED72、可動演出手段29等の各種演出手段による演出を制御するもので、コマンド受信手段73、コマンド送信手段74、演出図柄制御手段75、演出制御手段76等を備えている。ここで、スピーカ71、LED72、可動演出手段29の可動体駆動手段35等についてはこの演出制御基板42によって直接制御されるが、液晶表示手段22については液晶制御基板43を介して間接的に制御される。なお、スピーカ71は例えば前枠4の上部に2個、下部に1個配置されており(図1)、LED72は可動演出手段29の可動体33を含むセンターケース17上(図1)の他、遊技盤5上及び前枠4上に多数配置されている。
コマンド受信手段73は、主制御基板41から送信される制御コマンドを受信してその後の処理のための初期処理を実行するためのもので、コマンド送信手段74は、所定の制御コマンドを一方向通信により液晶制御基板43等に送信して制御指令を与えるためのものである。
演出図柄制御手段75は、演出図柄の変動に関する制御を行うもので、例えば主制御基板41から変動パターンコマンドを受信し且つその後所定時間以内に図柄指定コマンドを受信することに基づいて図4に示す図柄指定コマンド受信時処理を実行し、演出図柄の変動開始後は、図柄指定コマンド受信時処理で選択された予告演出を含む演出図柄変動に関する実行制御を行うように構成されている。
図4に示す図柄指定コマンド受信時処理では、図柄指定コマンドに先立って受信した変動パターンコマンドで指定された変動パターンと、今回受信した図柄指定コマンドで指定された特別図柄の停止図柄との整合性がチェックされる(S1)。そして、両者が整合していないと判定された場合には(S2:No)、図柄不整合コマンドが液晶制御基板43に送信され(S3)、図柄指定コマンド受信時処理はここで終了する。
S2において変動パターンと停止図柄とが整合していると判定された場合には(S2:Yes)、主制御基板41から受信した保留減算コマンド、変動パターンコマンド及び図柄指定コマンドが例えばそのまま液晶制御基板43に送信される(S4〜S6)と共に予告演出抽選処理が実行され(S7)、その抽選結果に対応する予告演出コマンドが液晶制御基板43に送信され(S8)、図柄指定コマンド受信時処理は終了する。
なお、演出図柄制御手段75は、以上の図柄指定コマンド受信時処理(図4)が終了し、演出図柄の変動が開始された後、主制御基板41から変動停止コマンドを受信した場合にはその変動停止コマンドを液晶制御基板43に送信するようになっている。
演出制御手段76は、各種演出手段を制御するもので、スピーカ71からの音声出力を制御する音声制御手段76a、LED72等の発光を制御する発光制御手段76b、可動体駆動手段35の駆動を制御する可動体制御手段76c等を備えており、例えば演出図柄の変動中には、その変動パターン(予告演出を含む)に従ってスピーカ71から所定の音声を出力させ、LED72を発光させ、またスーパーリーチ発展演出、スペシャルリーチ発展演出、昇格演出等の一部では、可動体33を所定の動作パターンに従って作動させるようになっている。
液晶制御基板43は、液晶表示手段22の制御を行うもので、コマンド受信手段81、特別保留個数表示制御手段82、停止図柄抽選手段83、液晶制御手段84等を備えている。コマンド受信手段81は、演出制御基板42から送信される制御コマンドを受信してその後の処理のための初期処理を実行するためのものである。
特別保留個数表示制御手段82は、液晶制御手段84を介して特別保留個数表示手段31の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段19により新たに遊技球が検出され、主制御基板41から演出制御基板42を経て保留加算コマンドを受信したときに、その保留加算コマンドに基づいて、液晶表示手段22の表示画面22a上の所定位置に増加後の特別保留個数分の保留表示画像Xを表示し、例えば主制御基板41から演出制御基板42を経て保留減算コマンドを受信することに基づいて、表示中の保留表示画像Xの数を1個減少させて前側にシフトさせるように構成されている。
停止図柄抽選手段83は、演出図柄の変動後の停止図柄を選択するもので、例えば主制御基板41から演出制御基板42を経て変動パターンコマンド及び図柄指定コマンドを受信することに基づいて、変動パターンに整合する停止図柄を抽選により選択するようになっている。
液晶制御手段(図柄表示制御手段)84は、液晶表示手段22の表示制御を行うもので、例えば演出制御基板42から変動パターンコマンド、図柄指定コマンド、予告演出コマンド等を受信することに基づいて、その変動パターンコマンドで指定された変動パターンで演出図柄表示手段30による演出図柄の変動を開始させると共に、その図柄変動中には予告演出コマンドで指定された予告演出を出現させ、主制御基板41から演出制御基板42を経て変動停止コマンドを受信したときに、停止図柄抽選手段83により選択された停止図柄で演出図柄の変動を停止させるようになっている。
続いて、スペシャルリーチ変動パターンのうち、スペシャルリーチ演出後の昇格演出が可動体33の作動を伴う可動体演出である特定スペシャルリーチ変動パターン(特定変動パターン)が選択された場合の、昇格演出中及びその前後における各演出手段による演出の一例を図5を用いて説明する。
ここで、この特定スペシャルリーチ変動パターンの昇格演出における可動体33の動作パターンは、待機位置から所定の停止位置まで移動し(以下、第1動作という)、この停止位置で所定時間停止した後(以下、停止期間という)、その停止位置から待機位置まで移動する(以下、第2動作という)ように設定された特定動作パターンであるとする。なお、特定動作パターンにおける可動体33の停止位置は、被覆範囲内の所定位置、例えば液晶表示手段22の下部前側に対応する位置に設定されているものとする。
液晶表示手段22上の演出図柄表示手段30によって特定スペシャルリーチ変動パターンによる演出図柄変動が開始され、通常変動演出、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ発展演出、スーパーリーチ演出、スペシャルリーチ発展演出を順次経由してスペシャルリーチ演出に入り、ここで中図柄が仮停止して通常大当たり態様が成立すると(図5(a)→(b))、この時点でスペシャルリーチ演出が終了して昇格演出が開始される。
この昇格演出では、可動演出手段29の可動体33が待機位置から停止位置まで例えば高速で一気に降下する(第1動作)。またこのとき、通常大当たり態様で仮停止していた液晶表示手段22上の演出図柄は、可動体33の降下動作(第1動作)と同期して、例えば表示画面外に移動するフレームアウト表示によって液晶表示手段22上から退避する(図5(b)→(c)→(d))。
そして、所定の停止期間の後、可動体33は停止位置から例えば低速で上昇して待機位置に復帰する(第2動作)。このとき、液晶表示手段22上では、例えば背景画像が切り替えられ、液晶表示手段22の表示画面外に退避していた演出図柄は、その退避時と同じ通常大当たり態様(例えば「6・6・6」)又はそれとは異なる確変大当たり態様(例えば「7・7・7」)の状態で、可動体33の後を追うように表示画面の下側から徐々に表示画面内へ移動し(フレームイン表示)、その演出図柄全体が液晶表示手段22に表示された状態で画面上での移動を停止する(図5(e)→(f)→(g))。このフレームイン表示が、可動体33の第2動作と同期して演出図柄の表示位置を移動させる図柄移動表示の一例である。
本実施形態では、可動体33の第2動作の開始と略同時に演出図柄の移動表示が開始され、可動体33の第2動作の終了と略同時に演出図柄の移動表示も終了するようになっており、可動体33の第2動作と演出図柄の移動表示とが完全に同期している。
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機では、可動体33の第2動作、即ち停止位置から待機位置への復帰動作と同期して演出図柄の表示位置を移動させる図柄移動表示を行うように構成されているため、可動体33の待機位置への復帰動作中における演出効果を高めることができ、遊技者の遊技意欲をより喚起できる。
図6及び図7は本発明の第2,第3の実施形態を例示し、演出図柄の図柄移動表示の開始時期を、可動体33の第2動作の開始時期と異ならせた例を示している。
第2の実施形態では、図6に示すように、演出図柄の図柄移動表示を、可動体33の第1動作と第2動作との間の停止期間中に開始させるように構成されている。即ち、本実施形態では、可動体33の第1動作に伴う演出図柄のフレームアウト表示(図6(a)〜(d))については図5に示す第1の実施形態と同様であるが、演出図柄のフレームイン表示(図柄移動表示)については、可動体33の第2動作の開始よりも早く、可動体33の停止期間中に開始されるようになっている(図6(e))。そして、フレームイン表示の途中から可動体33の第2動作が開始され(図6(f))、その後は可動体33と演出図柄とが同期して移動し(図6(g))、例えば可動体33が待機位置に到達すると略同時に、演出図柄の表示画面22a上での移動も停止する(図6(h))。
また第3の実施形態では、図7に示すように、演出図柄の図柄移動表示を、可動体33の第1動作中に開始させるように構成されている。即ち、本実施形態では、演出図柄のフレームアウト表示は、可動体33の第1動作が開始された直後に短時間で行われ(図7(b)→(c))、その後、可動体33の第1動作が終了する前に、即ち可動体33が未だ停止位置に向かって降下している途中に、演出図柄のフレームイン動作が例えば低速で開始される(図7(d))。その後、フレームイン表示の途中で可動体33の第1動作が終了して停止期間が開始されるが(図7(e))、その停止期間中も演出図柄のフレームイン動作はゆっくりと継続される。そして、可動体33の第2動作が開始されると(図7(f))、その後は可動体33と演出図柄とが同期して移動し(図7(g))、例えば可動体33が待機位置に到達すると略同時に、演出図柄の表示画面22a上での移動も停止する(図7(h))。
以上の第2,第3実施形態のように、演出図柄の図柄移動表示の開始時期は、可動体33の第2動作の開始時期と略同時である必要はない。なお、第2,第3の実施形態では、演出図柄の図柄移動表示の開始時期を、可動体33の第2動作の開始時期よりも前に設定したが、演出図柄の図柄移動表示の開始時期を、可動体33の第2動作の開始時期よりも後に設定してもよい。
図8及び図9は本発明の第4,第5の実施形態を例示し、演出図柄の図柄移動表示の終了時期を、可動体33の第2動作の終了時期と異ならせた例を示している。
第4の実施形態では、図8に示すように、可動体33の第2動作中に、演出図柄の図柄移動表示を終了させるように構成されている。即ち、本実施形態では、可動体33の第1動作に伴う演出図柄のフレームアウト表示(図8(a)〜(d))、及びフレームイン表示の途中まで(図8(e)→(f))は図5に示す第1の実施形態と略同様であるが、可動体33が待機位置に達するよりも前に、演出図柄が表示画面22a上の所定位置に到達し、そこで移動を停止する(図8(g))ようになっている。可動体33は、演出図柄が停止した後も移動を続け、待機位置に達した時点で停止する(図8(h))。
また第5の実施形態では、図9に示すように、可動体33の第2動作の終了後に、演出図柄の図柄移動表示を終了させるように構成されている。即ち,本実施形態では、可動体33の第1動作に伴う演出図柄のフレームアウト表示(図9(a)〜(d))、及びフレームイン表示の途中まで(図9(e)→(f))は図5に示す第1の実施形態と略同様であるが、可動体33が待機位置に到達して停止した後も演出図柄の移動は継続され(図9(g))、その後に演出図柄が表示画面22a上の所定位置に到達した時点で演出図柄の移動は終了する(図9(h))ようになっている。
以上の第4,第5実施形態のように、演出図柄の図柄移動表示の終了時期についても、可動体33の第2動作の終了時期と略同時である必要はなく、第2動作の終了時期よりも前であっても後であってもよい。
図10及び図11は本発明の第6,第7の実施形態を例示し、液晶表示手段22の背景画像の変更タイミング等を第1の実施形態と異ならせた例を示している。
第6の実施形態では、図10に示すように、可動体33の第1動作が終了し、略同時に演出図柄のフレームアウト表示が終了した時点で、背景画像が切り替えられるようになっている。また第7の実施形態では、図11に示すように、第1の実施形態と同じく可動体33の第2動作及び演出図柄のフレームイン動作の開始と略同時に背景画像が切り替えられるが、その後、可動体33の第2動作及び演出図柄のフレームイン動作の終了と略同時に更に別の背景画像に切り替えられるようになっている。
このように、演出図柄以外の各種演出についても、可動体33の第2動作と同期させることが望ましい。なお、第2〜第5の実施形態のように、可動体33の第2動作の開始時期又は終了時期と演出図柄の図柄移動表示の開始時期又は終了時期とが一致しない場合には、背景図柄等の演出の切り替え時期等は、可動体33の第2動作及び演出図柄の図柄移動表示の何れか一方と同期させてもよいし両方と同期させてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、可動体33の第1動作は待機位置から所定の停止位置まで移動する動作であればどのような経路及び速度変化を辿ってもよく、同じく第2動作はその停止位置から待機位置まで移動する動作であればどのような経路及び速度変化を辿ってもよい。従って、例えば待機位置から出発して停止位置を通過し、その後に再び停止位置まで戻ってくる動作を第1動作としてもよいし、停止位置から高速、低速の速度変化を繰り返して待機位置に達する動作を第2動作としてもよい。
可動体33の待機位置を非被覆範囲に、停止位置を被覆範囲に設定することが望ましいが、例えば停止位置を非被覆範囲に設定することも可能である。
可動体33は、待機位置を含む可動範囲内で移動可能であればよく、例えば左右方向、前後方向への平行移動、所定の回転軸廻りの回転移動或いはそれらを組み合わせた動作を行うものであってもよい。また、停止位置から待機位置までの第2動作は、待機位置から停止位置までの第1動作の逆の経路を辿る必要はなく、例えば可動体33が所定軸廻りに回転移動するものである場合、待機位置から停止位置まで時計回りに移動し(第1動作)、更にそのまま時計回りで停止位置から待機位置まで移動する(第2動作)ようにしてもよい。
可動体33は、例えば待機位置から停止位置までは自由落下で移動させ、停止位置から待機位置までモータの駆動によって移動させるなど、第1動作と第2動作とで異なる駆動方法を用いてもよい。
可動体33の第1動作時には、演出図柄については必ずしもその第1動作と同期したフレームアウト表示を行う必要はなく、例えば第1動作の開始と略同時又はその後の所定のタイミングで演出図柄を表示画面22a上から消去し、或いは表示画面22a上で変形、縮小、移動等させるように構成してもよい。
可動体33の第2動作と同期して行われる演出図柄の図柄変化表示はフレームイン表示等の図柄移動表示に限られるものではなく、図柄の表示態様が変化(例えば変形、拡大等)するものであればよい。例えば、可動体33の第1動作に伴ってその可動体33に押し潰されるように演出図柄が変形し、可動体33の第2動作に伴ってその押し潰されていた演出図柄が逆に変形して変形前と同じ又は異なる図柄として復元するようにしてもよい。
可動体33の第2動作と同期した演出図柄の図柄移動表示は、スペシャルリーチ演出後の昇格演出以外の各種演出、例えばスーパーリーチ演出後の発展演出において実行するようにしてもよい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施することが可能である。