JP2016073229A - 雑草生長制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】雑草の生長を制御し、雑草の侵入を回避すべき空間に雑草が侵入するのを防止することができる雑草生長制御方法を提供する。
【解決手段】本雑草生長制御方法は、雑草の侵入を回避すべき空間である雑草侵入回避空間に対して紫外線を照射することで、雑草侵入回避空間外に生育する雑草の生長を制御し、雑草侵入回避空間への当該雑草の侵入を防止する。雑草侵入回避空間は、例えば、施設構造物が存在する空間であり、雑草の侵入により当該施設構造物の機能が損なわれる空間とする。
【選択図】 図4
【解決手段】本雑草生長制御方法は、雑草の侵入を回避すべき空間である雑草侵入回避空間に対して紫外線を照射することで、雑草侵入回避空間外に生育する雑草の生長を制御し、雑草侵入回避空間への当該雑草の侵入を防止する。雑草侵入回避空間は、例えば、施設構造物が存在する空間であり、雑草の侵入により当該施設構造物の機能が損なわれる空間とする。
【選択図】 図4
Description
本発明は、雑草の生長を制御する雑草生長制御方法に関する。
従来、雑草を枯殺したり雑草の生長を抑制したりする方法としては、作業者が機械的に雑草を刈り取ったり、除草剤を用いたりする方法が利用されている。
ところが、雑草の処理が求められる場所(雑草の侵入を回避すべき場所)は膨大であるため、作業者による機械的な刈り取りを行う場合、多数の作業員が必要となると共に、作業員の雑草処理工数が膨大となる。また、除草剤を用いる方法は、高い防草効果を発揮するが、散布時の風による飛散や散布後の降雨による水系への流れ込みによって、防草対象外の有用作物に薬害を生じさせるおそれがあると共に、魚類を始めとした野生生物に悪影響を及ぼすおそれもある。
ところが、雑草の処理が求められる場所(雑草の侵入を回避すべき場所)は膨大であるため、作業者による機械的な刈り取りを行う場合、多数の作業員が必要となると共に、作業員の雑草処理工数が膨大となる。また、除草剤を用いる方法は、高い防草効果を発揮するが、散布時の風による飛散や散布後の降雨による水系への流れ込みによって、防草対象外の有用作物に薬害を生じさせるおそれがあると共に、魚類を始めとした野生生物に悪影響を及ぼすおそれもある。
そこで、作業者による機械的な刈り取りや除草剤の散布を行うことなく雑草を枯殺したり生長を抑制したりする方法として、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、人工紫外線を雑草に照射して、当該雑草を枯殺又は生長抑制する方法である。具体的には、雑草に対して波長280nm〜315nmの近紫外光(UV−B)を照射することで、高い防草効果が得られることが開示されている。
水田、畑等の農地や、公園、緑地、河川敷等において繁茂する雑草については、作物の成長に悪影響を及ぼしたり、憩いの場としての快適性が阻害されたりすることから、枯殺又は生長抑制することが強く望まれる。一方で、雑草を枯殺又は生長抑制する必要はなく、最低限、特定の空間内に雑草が侵入してこなければよいケースもある。
このような場合には、上記特定の空間に雑草が侵入せず、当該空間以外で雑草が生長するように、雑草の生長を制御する必要がある。しかしながら、上記従来の防草方法は、雑草を枯殺又は生長抑制するものであって、雑草の生長制御はできない。
このような場合には、上記特定の空間に雑草が侵入せず、当該空間以外で雑草が生長するように、雑草の生長を制御する必要がある。しかしながら、上記従来の防草方法は、雑草を枯殺又は生長抑制するものであって、雑草の生長制御はできない。
また、雑草によっては、生長速度が速く、様々な物を伝って広範囲(例えば、数十m)に生育するものがある。そのため、上記従来の防草方法によりこのような雑草を枯殺又は生長抑制して、当該雑草が特定の空間に侵入するのを防止しようとした場合、広範囲に生育した雑草全体に紫外線を照射する必要がある。
例えば、紫外線照射源が紫外線ランプである場合、上記のような照射を実現するには、数十本のランプとそれらの電源とが必要になる。そのため、装置が大型化しコストが嵩む。また、そもそも雑草の根の部分がどこにあるのかを作業員が判別することは困難であり、実際には紫外線の照射領域を正確に特定することはできない。
そこで、本発明は、雑草の生長を制御し、雑草の侵入を回避すべき空間に雑草が侵入するのを防止することができる雑草生長制御方法を提供することを課題としている。
例えば、紫外線照射源が紫外線ランプである場合、上記のような照射を実現するには、数十本のランプとそれらの電源とが必要になる。そのため、装置が大型化しコストが嵩む。また、そもそも雑草の根の部分がどこにあるのかを作業員が判別することは困難であり、実際には紫外線の照射領域を正確に特定することはできない。
そこで、本発明は、雑草の生長を制御し、雑草の侵入を回避すべき空間に雑草が侵入するのを防止することができる雑草生長制御方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る雑草生長制御方法の一態様は、雑草の侵入を回避すべき空間である雑草侵入回避空間に対して紫外線を照射することで、前記雑草侵入回避空間外に生育する雑草の生長を制御し、前記雑草侵入回避空間への当該雑草の侵入を防止する。
このように、雑草を枯殺又は生長抑制するのではなく、特定の空間(雑草侵入回避空間)に雑草を侵入させず、当該空間以外で雑草を生長させるような生長制御を行う。したがって、最低限、雑草侵入回避空間内に雑草が侵入してこなければよい場合には、雑草そのものに紫外線を照射することなく雑草侵入回避空間外に生育する雑草の生長を制御し、雑草侵入回避空間への当該雑草の侵入を防止することができる。紫外線は雑草侵入回避空間のみに照射すればよいため、紫外光光源の数が少なくて済む。したがって、紫外線照射装置が大型化するのを防止し、その分のコストを削減することができる。
このように、雑草を枯殺又は生長抑制するのではなく、特定の空間(雑草侵入回避空間)に雑草を侵入させず、当該空間以外で雑草を生長させるような生長制御を行う。したがって、最低限、雑草侵入回避空間内に雑草が侵入してこなければよい場合には、雑草そのものに紫外線を照射することなく雑草侵入回避空間外に生育する雑草の生長を制御し、雑草侵入回避空間への当該雑草の侵入を防止することができる。紫外線は雑草侵入回避空間のみに照射すればよいため、紫外光光源の数が少なくて済む。したがって、紫外線照射装置が大型化するのを防止し、その分のコストを削減することができる。
また、上記の雑草生長制御方法において、前記雑草侵入回避空間は、施設構造物が存在する空間であり、雑草の侵入により当該施設構造物の機能が損なわれる空間であってもよい。
これにより、雑草の侵入により施設構造物の機能が損なわれるのを防止することができる。例えば、施設構造物である信号機が存在する空間を雑草侵入回避空間とすれば、雑草の繁茂による信号機の視認性の低下を防止することができる。また、例えば、施設構造物である太陽光パネルが存在する空間を雑草侵入回避空間として設定すれば、太陽光パネルへの日光照射量の低下による発電効率の低下を防止することができる。
これにより、雑草の侵入により施設構造物の機能が損なわれるのを防止することができる。例えば、施設構造物である信号機が存在する空間を雑草侵入回避空間とすれば、雑草の繁茂による信号機の視認性の低下を防止することができる。また、例えば、施設構造物である太陽光パネルが存在する空間を雑草侵入回避空間として設定すれば、太陽光パネルへの日光照射量の低下による発電効率の低下を防止することができる。
さらに、上記の雑草生長制御方法において、前記雑草侵入回避空間は、施設構造物の近傍の空間であり、雑草の侵入により当該施設構造物の操作に支障をきたす空間であってもよい。
これにより、雑草の侵入により施設構造物の操作に支障をきたすのを防止することができる。例えば、施設構造物である石油パイプラインの近傍の空間を雑草侵入回避空間として設定すれば、雑草の繁茂による石油パイプラインの点検・管理に支障をきたすといった問題を解消することができる。
これにより、雑草の侵入により施設構造物の操作に支障をきたすのを防止することができる。例えば、施設構造物である石油パイプラインの近傍の空間を雑草侵入回避空間として設定すれば、雑草の繁茂による石油パイプラインの点検・管理に支障をきたすといった問題を解消することができる。
さらにまた、上記の雑草生長制御方法において、前記雑草侵入回避空間に対して、雑草の侵入防止現象が得られる波長を有する紫外線を照射してもよい。
このように、雑草侵入回避空間に照射する紫外線の波長を調整することで、雑草が雑草侵入回避空間に侵入するのを効果的に防止することができる。したがって、例えば、侵入回避対象である雑草の種類に応じて紫外光光源の種類を選択すれば、より効果的に雑草の侵入防止現象を得ることができる。
また、上記の雑草生長制御方法において、前記雑草の侵入防止現象が得られる波長を有する紫外線として、波長が200nm以上280nm以下の紫外線を含む光を照射してもよい。このように、雑草侵入回避空間に対してUV−Cを含む紫外線を照射することで、効果的に雑草の侵入防止現象を得ることができる。
このように、雑草侵入回避空間に照射する紫外線の波長を調整することで、雑草が雑草侵入回避空間に侵入するのを効果的に防止することができる。したがって、例えば、侵入回避対象である雑草の種類に応じて紫外光光源の種類を選択すれば、より効果的に雑草の侵入防止現象を得ることができる。
また、上記の雑草生長制御方法において、前記雑草の侵入防止現象が得られる波長を有する紫外線として、波長が200nm以上280nm以下の紫外線を含む光を照射してもよい。このように、雑草侵入回避空間に対してUV−Cを含む紫外線を照射することで、効果的に雑草の侵入防止現象を得ることができる。
本発明の雑草生長制御方法では、雑草を枯殺又は生長抑制するのではなく、雑草の生長を制御し、雑草の侵入を回避すべき空間に雑草が侵入するのを防止することができる。雑草侵入回避空間のみに紫外線を照射すればよいため、紫外光光源の数を少なくすることができ、紫外線照射装置の小型化とコスト削減とを実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における雑草生長制御方法の一例を示す図である。
この図1に示すように、本実施形態では、雑草の侵入を回避すべき空間(雑草侵入回避空間)Sに、紫外線照射装置10から所定の波長の紫外線を照射する。
ここで、雑草は、「人間の意図にかかわらず自然に繁殖し、人間に直接または間接的に害を与える植物」と定義することができる。また、雑草侵入回避空間Sは、例えば、「雑草の侵入により施設構造物(工業施設、交通施設、公共施設等の構造物)の機能が損なわれたり、当該施設構造物の操作に支障をきたしたりし得る空間」とすることができる。
図1は、本実施形態における雑草生長制御方法の一例を示す図である。
この図1に示すように、本実施形態では、雑草の侵入を回避すべき空間(雑草侵入回避空間)Sに、紫外線照射装置10から所定の波長の紫外線を照射する。
ここで、雑草は、「人間の意図にかかわらず自然に繁殖し、人間に直接または間接的に害を与える植物」と定義することができる。また、雑草侵入回避空間Sは、例えば、「雑草の侵入により施設構造物(工業施設、交通施設、公共施設等の構造物)の機能が損なわれたり、当該施設構造物の操作に支障をきたしたりし得る空間」とすることができる。
工業施設としては、例えば、太陽光パネル等の発電施設や石油パイプライン、風速計等の気象用測定施設等がある。太陽光パネルについては、繁茂した雑草により太陽光が遮光されると、発電効率が低下する。また、石油パイプラインについては、雑草の繁茂により点検・管理に支障をきたすおそれがある。さらに、風速計については、繁茂した雑草により風杯の回転が妨げられると、風速の検出に支障をきたす。したがって、工業施設に対しては、太陽光パネルへの太陽光の照射空間や、石油パイプラインの点検作業空間、風速計の回転動作に必要な空間などが雑草侵入回避空間Sとなる。
また、交通施設としては、例えば、道路の交差点や信号機、交通標識等がある。道路の交差点において、ドライバーや歩行者の視界を妨げるほどの雑草の繁茂は、交通安全性を阻害する。また、道路のフェンスを越えて雑草が繁茂し、道路の標識や信号機の視認性が雑草により低下した場合にも、同様に交通安全性を阻害する。したがって、交通施設に対しては、信号機や交通標識が視認可能となるように、ドライバーや歩行者の視界を確保すべき空間が雑草侵入回避空間Sとなる。
さらに、公共施設としては、公園や緑地等の街灯等がある。街灯については、繁茂した雑草が撒きつくと照明機能が損なわれ、特に夜間の治安悪化が懸念される。したがって、公共施設に対しては、街灯の照明部が存在する空間が雑草侵入回避空間Sとなる。
このように、雑草侵入回避空間Sは、施設構造物が存在する空間や、施設構造物の近傍の空間に設定される。
さらに、公共施設としては、公園や緑地等の街灯等がある。街灯については、繁茂した雑草が撒きつくと照明機能が損なわれ、特に夜間の治安悪化が懸念される。したがって、公共施設に対しては、街灯の照明部が存在する空間が雑草侵入回避空間Sとなる。
このように、雑草侵入回避空間Sは、施設構造物が存在する空間や、施設構造物の近傍の空間に設定される。
紫外線照射装置10は、紫外光光源(ランプ)11と、コントローラ12とを備える。
ランプ11は、雑草の侵入防止現象が得られる波長の紫外線を放射する。ここで、ランプ11が放射する紫外線は、例えば、200nm〜280nmの波長を有する紫外線(UV−C)とする。
例えば、ランプ11としては、図2に示すように、発光強度が最大となる波長(ピーク波長)が230nmであり、波長200nm〜280nmの範囲に連続したスペクトルを有する希ガス蛍光ランプを用いることができる。図2において、横軸は波長λ[nm]、縦軸は発光強度I(任意単位)である。この図2に示すスペクトルを有する希ガス蛍光ランプは、石英ガラスからなり、内部にキセノンを含む放電ガスが封入された発光管と、該発光管の外部に配置された一対の電極と、発光管の内面に形成された蛍光体層とを備える蛍光ランプである。
ランプ11は、雑草の侵入防止現象が得られる波長の紫外線を放射する。ここで、ランプ11が放射する紫外線は、例えば、200nm〜280nmの波長を有する紫外線(UV−C)とする。
例えば、ランプ11としては、図2に示すように、発光強度が最大となる波長(ピーク波長)が230nmであり、波長200nm〜280nmの範囲に連続したスペクトルを有する希ガス蛍光ランプを用いることができる。図2において、横軸は波長λ[nm]、縦軸は発光強度I(任意単位)である。この図2に示すスペクトルを有する希ガス蛍光ランプは、石英ガラスからなり、内部にキセノンを含む放電ガスが封入された発光管と、該発光管の外部に配置された一対の電極と、発光管の内面に形成された蛍光体層とを備える蛍光ランプである。
希ガス蛍光ランプは、蛍光体の組成を適宜調整することにより、放射される光の波長を調整することができる。したがって、侵入回避対象の雑草の種類等に応じて、当該雑草の侵入防止現象を発現できる最適波長を実験等により予め求めておき、その最適波長の光を放射できるようにランプを調整することが好ましい。
コントローラ12は、ランプ11から雑草侵入回避空間Sに対して照射する紫外線の照射タイミング、照射時間[min]、照射強度[μW/cm2]、照射量[J/cm2]等の照射条件を制御する。
なお、紫外線の照射条件は、侵入回避対象の雑草の種類等に応じて適宜設定する。特に、UV−C照射は人体に対して悪影響を及ぼすおそれがあるため、コントローラ12は、雑草侵入回避空間S内に作業者等が立ち入らない時間帯にUV−C照射するようにランプ11を制御するものとする。
コントローラ12は、ランプ11から雑草侵入回避空間Sに対して照射する紫外線の照射タイミング、照射時間[min]、照射強度[μW/cm2]、照射量[J/cm2]等の照射条件を制御する。
なお、紫外線の照射条件は、侵入回避対象の雑草の種類等に応じて適宜設定する。特に、UV−C照射は人体に対して悪影響を及ぼすおそれがあるため、コントローラ12は、雑草侵入回避空間S内に作業者等が立ち入らない時間帯にUV−C照射するようにランプ11を制御するものとする。
雑草の中には、生長速度が速く、広範囲に生育するものがある。例えば、葛(クズ)の場合、数十mの長さまで生長する。そのため、このような雑草の場合、仮に雑草侵入回避空間S内の地下に根茎が存在しなくても、雑草侵入回避空間Sの周囲の地下に根茎があると、生育過程において蔓が雑草侵入回避空間S内に侵入してくるおそれがある。
本実施形態では、雑草侵入回避空間Sに対して雑草の侵入防止効果が得られる波長の紫外線(UV−C)を照射するので、雑草侵入回避空間S外に生育する雑草の生長を制御し、当該雑草侵入回避空間S外から雑草が侵入するのを防止することができる。
本実施形態では、雑草侵入回避空間Sに対して雑草の侵入防止効果が得られる波長の紫外線(UV−C)を照射するので、雑草侵入回避空間S外に生育する雑草の生長を制御し、当該雑草侵入回避空間S外から雑草が侵入するのを防止することができる。
雑草侵入回避空間Sに紫外線を照射したときの雑草侵入防止現象を確認するために、紫外線照射有無による雑草の生長状況の違いを観察した。
図3は、紫外線照射有りの場合の実験初日の状態である。図3に示すように、雑草侵入回避空間S外の地面に生育初期の雑草21(例えば、クズ)を植え、雑草侵入回避空間Sに予め設定した照射条件で紫外線(UV−C)を照射して、雑草21の生長状況を観察した。
ここで、照射条件は、照射強度を200μW/cm2(照射範囲Aの中心から600mmの位置における放射照度)、照射量を1日あたり0.7J/cm2とした。また、図1の地面における照射範囲Aは1m×1m以上、ランプ11から地面までの照射距離Dは450mmとした。
図3は、紫外線照射有りの場合の実験初日の状態である。図3に示すように、雑草侵入回避空間S外の地面に生育初期の雑草21(例えば、クズ)を植え、雑草侵入回避空間Sに予め設定した照射条件で紫外線(UV−C)を照射して、雑草21の生長状況を観察した。
ここで、照射条件は、照射強度を200μW/cm2(照射範囲Aの中心から600mmの位置における放射照度)、照射量を1日あたり0.7J/cm2とした。また、図1の地面における照射範囲Aは1m×1m以上、ランプ11から地面までの照射距離Dは450mmとした。
そして、図3に示す状態から、約2ヶ月半後の雑草21の生長状況を確認した。その結果を図4に示す。
図4に示すように、雑草21は、雑草侵入回避空間S外において、UV−Cを照射した空間を回避して生長し、UV−Cを照射した雑草侵入回避空間S内には侵入してこなかった。また、ここでは、雑草侵入回避空間S内に地表を含んでいるため、UV−Cが照射された地表からは雑草は現出しなかった。一方、UV−Cが照射されていない地表からは、実験初日に現出していなかった別の雑草22も現出している。
図4に示すように、雑草21は、雑草侵入回避空間S外において、UV−Cを照射した空間を回避して生長し、UV−Cを照射した雑草侵入回避空間S内には侵入してこなかった。また、ここでは、雑草侵入回避空間S内に地表を含んでいるため、UV−Cが照射された地表からは雑草は現出しなかった。一方、UV−Cが照射されていない地表からは、実験初日に現出していなかった別の雑草22も現出している。
また、比較例として、図3と同じ環境でUV−C照射を行わなかった場合の雑草21の生育状況を確認した。図5は、図3と同じ環境で、雑草侵入回避空間Sに対してUV−C照射しない場合の実験初日の状態である。
雑草侵入回避空間Sに対してUV−Cを一切照射しないまま、約2ヶ月半後の雑草21の生長状況を確認した。その結果を図6に示す。
図6に示すように、雑草21は、雑草侵入回避空間S外であらゆる方向に向けて生長し、雑草侵入回避空間S内に侵入した。このように、UV−C照射を行わない場合には、雑草侵入回避空間S内の地下に雑草21の根茎が存在しなくても、雑草侵入回避空間S外から雑草侵入回避空間S内に雑草21が侵入するといった現象が生じた。
また、雑草侵入回避空間S内では、実験初日に地表に現出していなかった雑草22も地表に現出している。
雑草侵入回避空間Sに対してUV−Cを一切照射しないまま、約2ヶ月半後の雑草21の生長状況を確認した。その結果を図6に示す。
図6に示すように、雑草21は、雑草侵入回避空間S外であらゆる方向に向けて生長し、雑草侵入回避空間S内に侵入した。このように、UV−C照射を行わない場合には、雑草侵入回避空間S内の地下に雑草21の根茎が存在しなくても、雑草侵入回避空間S外から雑草侵入回避空間S内に雑草21が侵入するといった現象が生じた。
また、雑草侵入回避空間S内では、実験初日に地表に現出していなかった雑草22も地表に現出している。
以上により、各種雑草はUV−C照射空間を回避して生長することが確認できた。すなわち、雑草侵入回避空間SにUV−Cを照射することで、雑草侵入回避空間S外に生育する雑草の生長を制御し、当該雑草が雑草侵入回避空間S内に侵入するのを防止することができるという、雑草侵入防止現象が得られることが確認できた。さらに、雑草侵入回避空間S内に地表を含めれば、UV−Cを照射した地表の下(地下)に存在する雑草の生長を制御し、当該雑草に対して雑草侵入防止現象を発現させることができることも確認できた。
雑草の繁茂は、人間の生活の安全性、快適性、利便性を阻害する要因となる。例えば、水田、畑等の農地では、雑草は病害虫の発生場所となったり、地中の養分が雑草により消費され、作物の成長に悪影響を及ぼしたりする。さらに、ゴルフ場の緑地においては、雑草の繁茂は芝への影響が大きく、プレーの阻害要因となる。また、公園、緑地、河川敷等の公共の場においても、雑草の繁茂は、花粉等のアレルギー物質の飛散や、憩いの場としての快適性が阻害される。そのため、上記の水田、畑等の農地や、公園、緑地、河川敷等の公共の場において繁茂する雑草に関しては、枯殺又は生長抑制することが強く望まれる。
一方、道路の交差点などの交通施設、太陽光パネルなどの発電施設、風速計などの気象用測定施設等においては、最低限、雑草の侵入により当該施設構造物の機能が損なわれたり、当該施設構造物のメンテナンスが困難となったりする空間、即ち「雑草の侵入を回避すべき空間」に、当該雑草が侵入しないようにすればよいといえる。
そこで、本実施形態では、上記のように雑草を枯殺又は生長抑制する必要はなく、雑草侵入回避空間に雑草が侵入しないようにすればよい場合には、雑草侵入回避空間に対して、雑草の侵入が防止されるという現象が発生する波長域の紫外線を照射する。これにより、雑草侵入回避空間外に生育している雑草は雑草侵入回避空間外のみで生長するように生長制御し、当該雑草が雑草侵入回避空間内に侵入しないようにする。
なお、このとき、雑草侵入回避空間内に雑草が存在しない状態で、当該雑草侵入回避空間に対して上記紫外線を照射することが好ましい。これにより、雑草侵入回避空間内に雑草が存在しない状態を維持することができる。
そこで、本実施形態では、上記のように雑草を枯殺又は生長抑制する必要はなく、雑草侵入回避空間に雑草が侵入しないようにすればよい場合には、雑草侵入回避空間に対して、雑草の侵入が防止されるという現象が発生する波長域の紫外線を照射する。これにより、雑草侵入回避空間外に生育している雑草は雑草侵入回避空間外のみで生長するように生長制御し、当該雑草が雑草侵入回避空間内に侵入しないようにする。
なお、このとき、雑草侵入回避空間内に雑草が存在しない状態で、当該雑草侵入回避空間に対して上記紫外線を照射することが好ましい。これにより、雑草侵入回避空間内に雑草が存在しない状態を維持することができる。
雑草侵入回避空間は、施設構造物が存在する空間や施設構造物の近傍の空間に設定する。雑草侵入回避空間を、施設構造物が存在する空間に設定すれば、雑草の侵入防止により当該施設構造物の機能が損なわれるのを防止することができる。例えば、信号機の視認困難、自動車のドライバーや歩行者の視界不良による安全性の阻害、太陽パネルへの日光照射量の低下による発電効率の低下といった問題を解消することができる。
また、雑草侵入回避空間を、施設構造物の近傍の空間に設定すれば、雑草の侵入防止により当該施設構造物の操作に支障をきたすのを防止することができる。例えば、石油パイプラインの点検・管理作業への支障といった問題を解消することができる。
さらに、本実施形態では、雑草の枯殺又は生長抑制は意図していないため、雑草そのものに紫外線を照射する必要がない。本実施形態では、雑草侵入回避空間といった特定の空間にのみ紫外線を照射すればよいため、紫外光光源の数が少なくて済む。そのため、紫外線照射装置の小型化とコストの削減とを実現することができる。
さらに、本実施形態では、雑草の枯殺又は生長抑制は意図していないため、雑草そのものに紫外線を照射する必要がない。本実施形態では、雑草侵入回避空間といった特定の空間にのみ紫外線を照射すればよいため、紫外光光源の数が少なくて済む。そのため、紫外線照射装置の小型化とコストの削減とを実現することができる。
仮に、雑草そのものに紫外線を照射して当該雑草を枯殺又は生長抑制し、雑草侵入回避空間への雑草の侵入を防止しようとした場合、雑草侵入回避空間の近傍に生育する雑草の根の部分がある場所を特定し、雑草全体に紫外線を照射しなければならない。しかしながら、例えば、数十mといった広範囲に生長する雑草の場合、根の部分がどこにあるのかを判別することは困難であり、紫外線照射領域を正確に特定することができない。
これに対して、本実施形態では、特定の雑草侵入回避空間のみに紫外線を照射すればよいため、上記のように紫外線照射領域を正確に特定できないといった問題がない。したがって、雑草の繁茂による施設構造物の機能低下等の被害を適切に防止することができる。
さらに、雑草侵入回避空間に対して照射する紫外線は、雑草の侵入防止現象が得られる波長を有する紫外線とする。このように、雑草侵入回避空間に照射する紫外線の波長を調整して雑草の侵入防止現象が得られるようにするので、例えば、侵入回避対象である雑草の種類に応じて紫外光光源の種類を選択するなどにより、効果的に雑草の侵入防止現象を得ることができる。
具体的には、雑草侵入回避空間に対して照射する紫外線は、波長200nm〜280nmのUV−Cとする。これにより、各種雑草に対して侵入防止現象を発現させることができ、雑草侵入回避空間に雑草が侵入するのを効果的に防止することができる。
さらに、雑草侵入回避空間に対して照射する紫外線は、雑草の侵入防止現象が得られる波長を有する紫外線とする。このように、雑草侵入回避空間に照射する紫外線の波長を調整して雑草の侵入防止現象が得られるようにするので、例えば、侵入回避対象である雑草の種類に応じて紫外光光源の種類を選択するなどにより、効果的に雑草の侵入防止現象を得ることができる。
具体的には、雑草侵入回避空間に対して照射する紫外線は、波長200nm〜280nmのUV−Cとする。これにより、各種雑草に対して侵入防止現象を発現させることができ、雑草侵入回避空間に雑草が侵入するのを効果的に防止することができる。
(変形例)
なお、上記実施形態においては、紫外光照射装置10の紫外光光源からUV−Cを放射する場合について説明したが、当該紫外光光源から放射する紫外線は、雑草の侵入防止現象が得られる波長を有する紫外線であればよい。例えば、雑草の侵入防止現象が得られる紫外線としては、波長200nm〜380nmの近紫外線を用いることができる。
すなわち、近紫外光のうち、波長280nm〜315nmのUV−Bを放射する光源を紫外光照射装置10の紫外光光源として適用してもよい。この場合にも、同様に雑草の侵入防止効果が得られる。また、UV−BとUV−Cの両方の波長域を含む紫外線を放射する光源を紫外光照射装置10の紫外光光源として適用することもできる。
なお、上記実施形態においては、紫外光照射装置10の紫外光光源からUV−Cを放射する場合について説明したが、当該紫外光光源から放射する紫外線は、雑草の侵入防止現象が得られる波長を有する紫外線であればよい。例えば、雑草の侵入防止現象が得られる紫外線としては、波長200nm〜380nmの近紫外線を用いることができる。
すなわち、近紫外光のうち、波長280nm〜315nmのUV−Bを放射する光源を紫外光照射装置10の紫外光光源として適用してもよい。この場合にも、同様に雑草の侵入防止効果が得られる。また、UV−BとUV−Cの両方の波長域を含む紫外線を放射する光源を紫外光照射装置10の紫外光光源として適用することもできる。
但し、近紫外光のうち、UV−C領域の紫外線を照射する方法は、最も効果的に雑草の侵入防止現象を発生させることができるため、紫外光光源から放射する紫外線は、当該UV−C領域の紫外線であることが好ましい。
また、上記実施形態においては、紫外光光源から雑草侵入回避空間に向けて上方から紫外線を照射する場合について説明したが、下方や側方から紫外線を照射してもよい。すなわち、必ずしも紫外光光源から地表に向けて紫外線を照射する必要はない。
また、上記実施形態においては、紫外光光源から雑草侵入回避空間に向けて上方から紫外線を照射する場合について説明したが、下方や側方から紫外線を照射してもよい。すなわち、必ずしも紫外光光源から地表に向けて紫外線を照射する必要はない。
さらに、上記実施形態においては、雑草侵入回避空間を、施設構造物が存在する空間もしくは施設構造物の近傍の空間とする場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、作物や果樹、花木などの有用雑草を囲む円筒空間を雑草侵入回避空間としてもよい。この場合、有用雑草の周囲で生育する雑草が有用雑草に絡まるのを防止し、当該有用雑草の生長を妨げる要因を排除することができる。
また、上記実施形態においては、紫外光光源として希ガス蛍光ランプを適用する場合について説明したが、雑草の侵入防止効果が得られる波長の紫外線を放射する光源であれば適宜適用可能である。例えば、紫外光光源としては、エキシマランプ、水銀ランプ、レーザダイオード、LED等の各種紫外光光源を使用することができる。
また、上記実施形態においては、紫外光光源として希ガス蛍光ランプを適用する場合について説明したが、雑草の侵入防止効果が得られる波長の紫外線を放射する光源であれば適宜適用可能である。例えば、紫外光光源としては、エキシマランプ、水銀ランプ、レーザダイオード、LED等の各種紫外光光源を使用することができる。
10…紫外線照射装置、11…ランプ、12…コントローラ、21,22…雑草、A…照射範囲、D…照射距離、S…雑草侵入回避空間
Claims (5)
- 雑草の侵入を回避すべき空間である雑草侵入回避空間に対して紫外線を照射することで、前記雑草侵入回避空間外に生育する雑草の生長を制御し、前記雑草侵入回避空間への当該雑草の侵入を防止することを特徴とする雑草生長制御方法。
- 前記雑草侵入回避空間は、
施設構造物が存在する空間であり、雑草の侵入により当該施設構造物の機能が損なわれる空間であることを特徴とする請求項1に記載の雑草生長制御方法。 - 前記雑草侵入回避空間は、
施設構造物の近傍の空間であり、雑草の侵入により当該施設構造物の操作に支障をきたす空間であることを特徴とする請求項1に記載の雑草生長制御方法。 - 前記雑草侵入回避空間に対して、雑草の侵入防止現象が得られる波長を有する紫外線を照射することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の雑草生長制御方法。
- 前記雑草の侵入防止現象が得られる波長を有する紫外線として、波長が200nm以上280nm以下の紫外線を含む光を照射することを特徴とする請求項4に記載の雑草生長制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014205980A JP2016073229A (ja) | 2014-10-06 | 2014-10-06 | 雑草生長制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014205980A JP2016073229A (ja) | 2014-10-06 | 2014-10-06 | 雑草生長制御方法 |
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Family Applications (1)
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JP2014205980A Pending JP2016073229A (ja) | 2014-10-06 | 2014-10-06 | 雑草生長制御方法 |
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-
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- 2014-10-06 JP JP2014205980A patent/JP2016073229A/ja active Pending
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