JP2016072957A - アンテナ装置、送電装置および受電装置 - Google Patents

アンテナ装置、送電装置および受電装置 Download PDF

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光央 小森谷
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Abstract

【課題】アンテナ導体の抵抗を低減させることを目的とする。
【解決手段】受電装置20と、受電装置20に対して無線で電力を伝送する送電装置10とからなる無線電力伝送システム1におけるアンテナ部40であって、誘電体基板41と、誘電体基板41上で環状または渦巻状に形成されたアンテナ導体42と、を有し、アンテナ導体42は、上面、下面および側面の少なくとも何れかの一面にアンテナ導体42の延出する方向に溝51が形成され、溝51は、溝間隔が表皮深さの2倍よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力を無線で伝送する無線電力伝送システムに用いられるアンテナ装置、送電装置および受電装置に関するものである。
近年、送電装置と受電装置との間で電力を無線で伝送する無線電力伝送システムの実用化が進められている。無線電力伝送システムには主に、磁気共鳴方式、電磁誘導方式があり、何れの方式も渦巻状のアンテナ導体を有するアンテナ装置が用いられる。このようなアンテナ装置を電子機器に搭載する場合、他の電子回路パターンと共にプリント基板上に形成することでアンテナ装置を低コストで製造することができる。
特許文献1には絶縁体の基板上に渦巻状のアンテナが配設された、電力を無線で送受信するアンテナ装置が開示されている。特許文献1のようなアンテナ装置では伝送距離を長くしたり、伝送効率を向上させたりするためにアンテナ導体の抵抗を低減させることが求められる。アンテナ導体の抵抗を低減させるには、一般的にアンテナ導体の線幅を広くしたり、アンテナ導体の厚みを厚くしたりする方法がある。しかしながら、アンテナ導体の線幅を広くしたり、厚みを厚くしたりした場合、アンテナ装置が大型化してしまう。
特許文献2には、導電部の上面および/または下面に、凹凸が形成された半導体装置が開示されている。特許文献2のような半導体装置では導電部の表面積が大きく、表面電流が増大するために、ある程度、導電部の抵抗を低減させることができる。
特開2004−110854号公報 特開2006−319208号公報
特許文献2に開示された半導体装置は、導電部の基部の厚みを表皮深さδの2倍以下にすること、および、凸部の幅を表皮深さδの2倍以下にすることが好ましいことが開示されている。しかしながら、高周波電流を流す場合、表皮効果により導体の表面に電流が集中することから、導電部の基部の厚みや凸部の幅を表皮深さδの2倍以下にしてしまうと、逆に電流が流れ難くなってしまうという問題がある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、アンテナ装置を大型化することなくアンテナ導体の抵抗を低減することを目的とする。
本発明のアンテナ装置は、受電装置と、前記受電装置に対して無線で電力を伝送する送電装置とからなる無線電力伝送システムにおけるアンテナ装置であって、基材と、前記基材上で環状または渦巻状に形成されたアンテナ導体と、を有し、前記アンテナ導体は、上面、下面および側面の少なくとも何れかの一面に前記アンテナ導体の延出する方向に溝が形成され、前記溝は、溝間隔が表皮深さの2倍よりも大きいことを特徴とする。
本発明の送電装置は、上述したアンテナ装置を有することを特徴とする。
本発明の受電装置は、上述したアンテナ装置を有することを特徴とする。
本発明によれば、アンテナ導体の抵抗を低減できる。
図1は、アンテナ部40の一部断面図である。 図2は、無線電力伝送システム1の構成の一例を示す図である。 図3は、受電装置20の平面図である。 図4Aは、アンテナ部40の製造方法を説明するための図である。 図4Bは、アンテナ部40の製造方法を説明するための図である。 図4Cは、アンテナ部40の製造方法を説明するための図である。 図4Dは、アンテナ部40の製造方法を説明するための図である。 図4Eは、アンテナ部40の製造方法を説明するための図である。 図5Aは、アンテナ部60の平面図である。 図5Bは、アンテナ部60の断面図である。 図6Aは、アンテナ導体62の抵抗の変化を示す図である。 図6Bは、アンテナ導体62のインダクタンスの変化を示す図である。 図7Aは、アンテナ導体62の抵抗の変化を示す図である。 図7Bは、アンテナ導体62のインダクタンスの変化を示す図である。 図8は、アンテナ部70の断面図である。 図9Aは、アンテナ導体72の抵抗の変化を示す図である。 図9Bは、アンテナ導体72のインダクタンスの変化を示す図である。 図10は、アンテナ部80の一部断面図である。 図11は、アンテナ部80の変形例である。 図12は、アンテナ部90の一部断面図である。 図13は、アンテナ部90の変形例である。 図14は、アンテナ部100の一部断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図2は、無線電力伝送システム1の構成の一例を示す図である。
無線電力伝送システム1は、送電装置10と、受電装置20とを備えている。例えば、送電装置10側には充電器が適用され、受電装置20側には携帯端末やデジタルカメラのような電子機器が適用される。
送電装置10は、電源部11に接続され、受電装置20に対して電力を送電する。電源部11は、送電装置10全体に電力を供給する。送電装置10は、送電制御回路12、整合回路13、アンテナ装置として機能するアンテナ部30を有している。送電制御回路12は、電源部11から供給された電力を所望の周波数、例えば数百kHz〜数十MHzに変換して、送電を制御する。整合回路13は、例えばコンデンサとインダクタとからなる回路であって、送電装置10と受電装置20との間で効率的に電力を伝送できるようにインピーダンスを整合させる。アンテナ部30は、後述するように渦巻状に形成され、受電装置20のアンテナ部40により共鳴する磁場を発生させる。
受電装置20は、負荷部23に接続され、送電装置10から電力を受電する。負荷部23は、受電した電力を利用して動作する。負荷部23には、充電池や電子機器の機能を実現するための回路などが含まれる。受電装置20は、整合回路21、受電制御回路22、アンテナ装置として機能するアンテナ部40を有している。整合回路21は、例えばコンデンサとインダクタとからなる回路であって、送電装置10と受電装置20との間でインピーダンスを整合させる。受電制御回路22は、受電した電力を所望の直流または所望の周波数に変換する。アンテナ部40は、後述するように渦巻状に形成され、送電装置10のアンテナ部30により発生された磁場に共鳴することで電流が生じる。
(第1の実施形態)
次に、本実施形態のアンテナ部40の構成について図1および図3を参照して説明する。ここでは、受電装置20のアンテナ部40について説明するが、送電装置10のアンテナ部30も同様に構成することができる。
図3は、受電装置20の一部を示す平面図である。
受電装置20のアンテナ部40は、基材としての誘電体基板41と、誘電体基板41上に形成されたアンテナ導体42と、後述する保護層43とを有している。図3に示すように、アンテナ導体42は、渦巻状(コイル状)に形成される。ここで、渦巻状とは、平面視において徐々に一巻き分の大きさを変化させながら連続する一巻き以上の形状をいうものとする。ここでは、アンテナ導体42の外側の一端44から渦巻状に内側の他端45まで到っている。アンテナ導体42の他端45と、整合回路21から延びる導体の一端46とは、誘電体基板41の裏側に配線された配線パターンを介して導通される。
なお、図3に示すように、本実施形態の受電装置20は、整合回路21および受電制御回路22も、アンテナ導体42と同様に誘電体基板41上に配置される。
また、誘電体基板41の種類は問わず、例えばフレキシブル基板であってもよい。
図1は、図3に示すI−I線を切断した断面の一部を示す図、すなわちアンテナ導体42の延出する方向に対して直交する方向に切断した断面図である。
図1に示すように、アンテナ部40は、下側から誘電体基板41、アンテナ導体42、保護層43の順番に積層されている。
本実施形態のアンテナ導体42には、アンテナ導体42の延出方向に溝51が形成されている。具体的には、アンテナ導体42の上面に複数(ここでは5つ)の凹状、より詳しくは断面視で矩形状の溝51が等間隔で形成されている。各溝51は、アンテナ導体42の延出方向と平行にアンテナ導体42の外側の一端44から渦巻状に内側の他端45まで形成されている。
アンテナ導体42に溝51を形成することで、アンテナ導体42断面の外周の長さを増やすことができる。すなわち、アンテナ導体42の表面積を増やすことができる。ここで、アンテナ導体42に高周波電流を流す場合、表皮効果により導体の表面に電流が集中する。したがって、溝51を形成してアンテナ導体42の表面積を増やすことで電流がより流れ易くなり、アンテナ導体42の抵抗を低減することができる。このとき、アンテナ導体42に溝51を形成するだけでよく、アンテナ導体42の線幅を太くしたり、厚みを厚くしたりする必要がないために、アンテナ導体42の大型化を防止することができる。なお、後述するようにアンテナ導体42をコイルとして見たときのインダクタンスの値についてはほとんど変化しないため、伝送距離や伝送効率に影響を与えるほどではない。
次に、上述したアンテナ部40の製造方法の一例について図4A〜図4Eを参照して説明する。
図4Aに示すように、誘電体基板41上に銅箔54を熱プレスにより形成する。その後、銅箔上にドライフィルムレジスト55を塗布し、アンテナ導体パターンが描かれたマスクを用いてUV露光を行い、現像により銅箔上にレジストパターンを形成する。
次に、図4Bに示すように、ウェットエッチングにより、アンテナ導体パターンを形成する。更に、剥離液によってドライフィルムレジスト55を剥離する。
次に、図4Cに示すように、銅箔54の上面をドリル、ルーター等で加工することで溝51を形成する。また、銅箔54の不必要な部分をドリル、ルーター等で切削する。
したがって、図4Dに示すように、上面に溝51を形成されたアンテナ導体42を製造することができる。
次に、図4Eに示すように、アンテナ導体42を保護するために誘電体基板41上にソルダーレジストやカバーレイなどの保護層43を形成することでアンテナ部40を製造する。
なお、誘電体基板41上あるいは保護層43上に整合回路21および受電制御回路22を実装することで受電装置20を製造することができる。また、送電装置10も受電装置20と同様に製造することができる。
上述した製造方法では、切削することで溝51を形成する場合について説明したが、この場合に限られず、例えば平坦な導体の上に更に導体を等間隔で積層させることで溝を形成してもよい。
次に、溝51を形成したアンテナ部40の効果を電磁界シミュレータにより解析した。(第1の検証)
第1の検証では、溝の深さを変化させたときのアンテナ導体の抵抗およびインダクタンスについて検証した。検証対象のアンテナ部60の各種寸法などについて図5Aおよび図5Bを参照して説明する。図5Aは、検証対象のアンテナ部60の平面図である。図5Bは、図5Aに示すII−II線を切断した断面の一部を示す図である。
アンテナ部60の誘電体基板61は、厚みTd500μmのポリイミド樹脂を用いた。また、アンテナ部60のアンテナ導体62は、巻き数を5巻きとし、内側に位置する一巻き分の矩形のうち対向する辺同士の距離L1、距離L2をそれぞれ40mmとした。
また、アンテナ導体62は、厚みTa200μmの銅箔を用いた。また、アンテナ導体62の一巻き毎の間隔Sを300μmとした。また、アンテナ導体62の線幅WLを1000μmとし、上面には等間隔で5つの矩形状の溝52を形成した。
第1の検証では、各溝52の溝幅Rwを50μmとし、溝間隔Rsを125μmとして、溝深さDをそれぞれ0μm、25μm、50μm、75μm、100μm、130μm、150μm、175μm、190μmに変化させた。なお、溝深さDが0μmとは、溝52が形成されておらず、アンテナ導体62の上面が平坦の場合である。
なお、送電制御回路12、整合回路13,21、受電制御回路22をモデル化することが困難であるために、アンテナ導体62の一端と他端との間にポート63を設置した。また、図5Bでは、便宜上保護層の図示を省略している。
周波数13.56[MHz]とし、溝深さDを変化させたときの抵抗およびインダクタンスの変化について図6Aおよび図6Bを参照して説明する。
図6Aは、溝深さDを変化させたときのアンテナ導体62の抵抗の変化を示す図である。図6Aでは、縦軸を抵抗[Ω]とし、横軸を溝深さD[μm]としている。
図6Aに示すように、溝深さDを0μm、すなわち溝を形成しない場合、アンテナ導体62の抵抗が0.86[Ω]である。アンテナ導体62の抵抗は、溝深さDが深くなるにしたがって低くなり、溝深さDが190μmでは0.80[Ω]であった。すなわち、アンテナ導体に溝を形成することで、溝を形成しない場合に比べて抵抗が低減されることを検証できた。
一方、図6Bは、溝深さDを変化させたときのアンテナ導体62のインダクタンスの変化を示す図である。図6Bでは、縦軸をインダクタンス[μH]とし、横軸を溝深さD[μm]としている。
図6Bに示すように、何れの溝深さDであっても、インダクタンスはほとんど変化がなかった。すなわち、溝の有無および溝深さDの大きさがインダクタンスに影響を与えないことを検証できた。
(第2の検証)
第2の検証では、溝幅(溝間隔)を変化させたときのアンテナ導体の抵抗およびインダクタンスについて検証した。検証対象のアンテナ部の各種寸法などについては、第1の検証のアンテナ部60と同様であり、異なる寸法などについて説明する。
第2の検証では、第1の検証と同様にアンテナ導体62の上面に等間隔で5つの矩形状の溝51を形成し、溝深さDを150μmで一定にし、溝幅Rwの中心を同一位置にしたまま、溝幅Rwをそれぞれ0μm、20μm、40μm、60μm、80μm、90.9μm、100μm、110μm、120μm、140μm、160μmに変化させた。なお、溝52の数は5つで一定であるために、溝幅Rwが大きくなるにしたがって溝間隔Rsはそれぞれ小さくなる。具体的には、溝幅Rw/溝間隔Rsの関係で表すと、20μm/150μm、40μm/133.3μm、60μm/116.7μm、80μm/100μm、90.9μm/90.9μm、100μm/83.3μm、110μm/75μm、120μm/66.7μm、140μm/50μm、160μm/33.3μmとなる。また、溝幅Rwが0μmとは、溝52が形成されておらず、アンテナ導体62の上面が平坦の場合である。
周波数13.56[MHz]とし、溝幅Rwを変化させたときの抵抗およびインダクタンスの変化について図7Aおよび図7Bを参照して説明する。
図7Aは、溝幅Rwを変化させたときのアンテナ導体62の抵抗の変化を示す図である。図7Aでは、縦軸を抵抗[Ω]とし、横軸を溝幅Rw[μm]としている。
図7Aに示すように、溝幅Rwを0μm、すなわち溝を形成しない場合、アンテナ導体62の抵抗が0.86[Ω]である。アンテナ導体62の抵抗は、溝幅Rwが100μmで最も低くなり、溝幅Rwが100μmよりも広くなると徐々に高くなり、溝幅Rwが160μmでは溝を形成しない場合よりも高くなった。
ここで、アンテナ導体62の線幅WLが一定であるときに、線幅WLに対する溝幅Rwを広くすると、逆に線幅WLに対する溝間隔Rsが狭くなり電流の流れが妨げられるために抵抗が高くなったものである。具体的には、図7Aでは、溝間隔Rsが表皮深さ(13.56MHzでは表皮深さ17.9μm)の2倍よりも小さい場合(溝幅Rwでは157μmよりも大きい場合)、すなわち溝間隔Rs<表皮深さ×2の場合、抵抗が低減される効果がなくなっている。
したがって、溝を形成する場合には、溝間隔Rsを表皮深さの2倍よりも大きくすることで抵抗が低減されることを検証できた。なお、図7Aに示すように、溝幅Rw/溝間隔Rsが140μm/50μmの場合には、抵抗が低減されている。したがって、溝間隔Rs50μm÷表皮深さ17.9μm=2.79倍に基づいて、溝間隔Rsを表皮深さの2.79倍以上にすることが好ましい。
なお、表皮深さδは以下のようにして算出される。ここで、f:周波数[Hz]、μ:透磁率[H/m]、σ:導電率[S/m]である。
Figure 2016072957
一方、図7Bは、溝幅Rwを変化させたときのアンテナ導体62のインダクタンスの変化を示す図である。図7Bでは、縦軸をインダクタンス[μH]とし、横軸を溝幅Rw[μm]としている。
図7Bに示すように、何れの溝幅Rwであっても、インダクタンスはほとんど変化がなかった。すなわち、溝の有無および溝幅Rwの大きさがインダクタンスに影響を与えないことを検証できた。
このように、本実施形態によれば、アンテナ導体42にアンテナ導体42の延出する方向に溝51を形成することでアンテナ導体42の線幅を広げたり、厚みを厚くしたりすることなく、アンテナ導体42の抵抗を低減させることができる。したがって、上述したアンテナ部40を無線電力伝送システム1に用いた場合には伝送距離を長くしたり、伝送効率を向上させたりすることができる。
また、溝51を形成する場合に隣接する溝51の溝間隔を表皮深さの2倍よりも大きく、好ましくは2.79倍以上にすることでアンテナ導体42の抵抗を低減させることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、アンテナ導体42の上面に矩形状の溝51を形成する場合について説明したが、本実施形態ではアンテナ導体の上面から溝深さが深くなるにしたがって溝幅が狭くなる、逆三角形状の溝53を形成する場合について説明する。なお、溝の形状以外は、第1の実施形態と同様であり、その説明を省略する。
次に、逆三角形状の溝53を形成したアンテナ部40の効果を電磁界シミュレータにより解析した。
(第3の検証)
第3の検証では、逆三角形状の溝の深さを変化させたときのアンテナ導体の抵抗およびインダクタンスについて検証した。検証対象のアンテナ部70の各種寸法などについて図8を参照して説明する。図8は、図5Aに示すII−II線を切断した断面の一部を示す図である。アンテナ部70の誘電体基板71およびアンテナ導体72は、第1の検証のアンテナ部60の誘電体基板61およびアンテナ導体62と同一寸法であり、異なる寸法などについて説明する。
第3の検証では、各溝53の溝幅Rwを50μmとし、溝間隔Rsを125μmとして、溝深さDをそれぞれ0μm、25μm、50μm、75μm、100μm、130μm、150μm、175μm、190μmに変化させた。なお、溝幅Rwとは、アンテナ導体72の上面での溝幅である。また、溝深さDが0μmとは、溝53が形成されておらず、アンテナ導体72の上面が平坦の場合である。
周波数13.56[MHz]とし、溝深さDを変化させたときの抵抗およびインダクタンスの変化について図9Aおよび図9Bを参照して説明する。
図9Aは、溝深さDを変化させたときのアンテナ導体72の抵抗の変化を示す図である。図9Aでは、縦軸を抵抗[Ω]とし、横軸を溝深さD[μm]としている。
図9Aに示すように、溝深さDを0μm、すなわち溝を形成しない場合、アンテナ導体72の抵抗が0.86[Ω]である。アンテナ導体72の抵抗は、溝深さDが深くなるにしたがって徐々に低くなり、溝深さDが190μmでは0.83[Ω]であった。すなわち、アンテナ導体に逆三角形状の溝を形成することでも、溝を形成しない場合に比べて抵抗が低減されることを検証できた。ただし、逆三角形状の溝を形成したときのアンテナ導体の表面積は、矩形状の溝に比べて小さいことから、抵抗の低減効果は矩形状の溝に比べて小さかった。
一方、図9Bは、溝深さDを変化させたときのアンテナ導体72のインダクタンスの変化を示す図である。図9Bでは、縦軸をインダクタンス[μH]とし、横軸を溝深さD[μm]としている。
図9Bに示すように、何れの溝深さDであっても、インダクタンスはほとんど変化がなかった。すなわち、溝の有無および溝深さDの大きさがインダクタンスに影響を与えないことを検証できた。
このように、本実施形態によれば、アンテナ導体42に形成する溝51の形状は矩形状に限られず、逆三角形状であっても、アンテナ導体42の抵抗を低減させることができる。したがって、アンテナ部40に製造し易さに応じて溝51の形状を適宜、選択することができる。
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態ではアンテナ導体の上面に矩形状、逆三角形状の溝を形成する場合について説明したが、本実施形態ではアンテナ導体の下面、つまり誘電体基板側に溝を形成する場合について説明する。なお、溝の形成される位置、形状以外は第1の実施形態と同様であり、その説明を省略する。
本実施形態のアンテナ部80のアンテナ導体82の断面形状を説明する。図10は、図3のI−I線と同様な位置で切断した断面の一部を示す図である。アンテナ導体82の下面に複数(ここでは5つ)の凹状、より詳しくは矩形状の溝83が等間隔で形成されている。各溝83は、アンテナ導体82の延出方向と平行に形成されている。
なお、図11は、第3の実施形態の変形例を示す図である。図11では、アンテナ導体82の一部が誘電体基板81に埋もれた状態で、アンテナ導体82の下面に溝83が形成されている。なお、図10および図11では、溝83内には誘電体が充填されている場合について図示しているが、この場合に限られず、溝83内は空隙であってもよい。
アンテナ導体82の下面に溝83を形成することで、第1の実施形態と同様にアンテナ導体82断面の外周の長さを増やすことができ、アンテナ導体82の表面積を増やすことができる。したがって、第1の実施形態と同様に、溝83を形成してアンテナ導体82の表面積を増やすことで電流がより流れ易くなり、アンテナ導体82の抵抗を低減することができる。
なお、上述した第2の検証で説明したように、溝83を形成する場合に隣接する溝83の溝間隔Rsを表皮深さの2倍よりも大きく、好ましくは2.79倍以上にすることでアンテナ導体82の抵抗を低減させることができる。
(第4の実施形態)
本実施形態ではアンテナ導体の上面および下面に溝を形成する場合について説明する。なお、溝の形成される位置、形状以外は第1の実施形態と同様であり、その説明を省略する。
本実施形態のアンテナ部90のアンテナ導体92の断面形状を説明する。図12は、図3のI−I線と同様な位置で切断した断面の一部を示す図である。アンテナ導体92の上面および下面に複数(ここでは5つずつ)の凹状、より詳しくは矩形状の溝93が等間隔で形成されている。上面の溝93と下面の溝93は、上下で対向した位置に形成されている。また、各溝93は、アンテナ導体82の延出方向と平行に形成されている。
なお、図13は、第4の実施形態の変形例を示す図である。図13では、アンテナ導体92の一部が誘電体基板91に埋もれた状態で、アンテナ導体92の下面に溝93が形成されている。なお、図12および図13では、溝93内には誘電体が充填されている場合について図示しているが、この場合に限られず、溝93内は空隙であってもよい。
アンテナ導体92の上面および下面に溝93を形成することで、第1の実施形態と同様にアンテナ導体92断面の外周の長さを増やすことができ、アンテナ導体92の表面積を増やすことができる。したがって、第1の実施形態と同様に、溝93を形成してアンテナ導体92の表面積を増やすことで電流がより流れ易くなり、アンテナ導体92の抵抗を低減することができる。
なお、上述した第2の検証で説明したように、溝93を形成する場合に隣接する溝93の溝間隔Rsを表皮深さの2倍よりも大きく、好ましくは2.79倍以上にすることでアンテナ導体92の抵抗を低減させることができる。
(第5の実施形態)
本実施形態では第4の実施形態と同様に、アンテナ導体の上面および下面の両側に溝を形成する場合について説明する。
本実施形態のアンテナ部100のアンテナ導体102の断面形状を説明する。図14は、図3のI−I線と同様な位置で切断した断面の一部を示す図である。アンテナ導体102の上面および下面に複数(ここでは5つずつ)の凹状、より詳しくは矩形状の溝103が等間隔で形成されている。本実施形態では、隣接する上面の溝103間に下面の溝103が形成され、隣接する下面の溝103間に上面の溝103が形成されている。すなわち、上面の溝103の中心線と、下面の溝103の中心線とが一致せずにずれている。
アンテナ導体102の上面および下面に溝103を形成することで、第1の実施形態と同様にアンテナ導体102断面の外周の長さを増やすことができ、アンテナ導体102の表面積を増やすことができる。したがって、第1の実施形態と同様に、溝103を形成してアンテナ導体102の表面積を増やすことで電流がより流れ易くなり、アンテナ導体102の抵抗を低減することができる。
なお、上述した第2の検証で説明したように、溝103を形成する場合に隣接する溝103の溝間隔Rsを表皮深さの2倍よりも大きく、好ましくは2.79倍以上にすることでアンテナ導体102の抵抗を低減させることができる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能であり、上述した実施形態を適時組み合わせてもよい。
本実施形態では、アンテナ部30,40を無線電力伝送システム1の送電装置10、受電装置20に用いる場合についてについて説明したが、この場合に限られず、無線通信等、渦巻状にアンテナ導体を形成する装置に適用することができる。例えば、無線通信媒体としてのICカードと、無線通信装置としてのリーダライタ装置との間でデータを送受信する通信システムに用いることができる。この場合、上述したアンテナ部30,40をICカードおよび無線通信装置に適用することができる。すなわち、無線電力伝送システムに限られず、NFCシステム、RFIDシステムにも適用することができる。
また、本実施形態では、磁気共鳴方式を用いる場合について説明したが、この場合に限られず、電磁誘導方式にも適用することができる。
また、本実施形態では、アンテナ導体に複数の溝を形成する場合について説明したが、この場合に限られず、単数の溝を形成してもよい。
また、本実施形態では、アンテナ導体の上面および下面の少なくとも何れかの一面に溝を形成する場合について説明した。しかしながら、この場合に限られず、各断面図においてアンテナ導体の右側の側面および左側の側面の少なくとも何れかの一面に溝を形成してもよい。
また、本実施形態では、アンテナ導体を渦巻状に形成する場合について説明したが、この場合に限られず、略一巻きの環状であってもよい。
なお、溝間隔Rsは、表皮深さの2倍よりも大きく、好ましくは2.79倍以上である。一方、溝間隔Rsの大きさを大きくすると溝自体が形成されないために、溝間隔Rsの上限は溝自体が形成できる値となる。
1:無線電力伝送システム 10:送電装置 20:受電装置 30,40:アンテナ部(アンテナ装置) 41:誘電体基板(基材) 42:アンテナ導体 51:溝

Claims (5)

  1. 受電装置と、前記受電装置に対して無線で電力を伝送する送電装置とからなる無線電力伝送システムにおけるアンテナ装置であって、
    基材と、
    前記基材上で環状または渦巻状に形成されたアンテナ導体と、を有し、
    前記アンテナ導体は、上面、下面および側面の少なくとも何れかの一面に前記アンテナ導体の延出する方向に溝が形成され、
    前記溝は、溝間隔が表皮深さの2倍よりも大きいことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記溝は、複数形成されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記溝は、溝間隔が表皮深さの2.79倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1項に記載のアンテナ装置を有することを特徴とする送電装置。
  5. 請求項1ないし3の何れか1項に記載のアンテナ装置を有することを特徴とする受電装置。
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