JP2016072383A - 基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】チャンバ内の雰囲気を基板処理装置内で除害でき、これにより、機外で排気処理する必要のない基板処理装置を提供すること。
【解決手段】基板処理装置1は、チャンバ2と、チャンバ2内で基板Wを保持するスピンチャック4と、スピンチャック4に保持されている基板Wに処理流体を供給する処理液供給ユニット5〜8と、チャンバ2の下部領域2Dで開口する排気口10を有し、排気口10と反対側から排気源17によって内部が排気される排気配管11と、下部領域2Dにおいて、排気口10が液中に没する液位に溜められたスクラバー液SLとを含む。排気配管11は、排気配管11内に進入したスクラバー液SLを堰き止めて排気配管11内に溜める液溜め壁73を有している。
【選択図】図1

Description

この発明は、チャンバ内で処理流体を用いた基板処理を施す基板処理装置に関する。基板処理装置による処理対象となる基板の例には、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
半導体装置や液晶表示装置の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板などの基板に対して、処理液や処理ガスなどの処理流体を用いた処理が行われる。このような処理のために、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置が用いられることがある。
枚葉式の基板処理装置は、隔壁により区画されたチャンバ内に、基板を保持して回転させる基板保持ユニットと、基板保持ユニットに保持されている基板の表面に処理流体を供給するためのノズルとを備えている。ノズルからの処理流体が基板の表面に供給されることにより、チャンバ内の雰囲気が処理流体を含むようになる。チャンバ内の雰囲気を排気するために、チャンバの下部領域には排気口が形成されている。
たとえば、下記特許文献1では、処理カップの底部に設けられた排気孔(排気口)に、排気配管としての集合管および個別排気管が接続されており、個別排気管の下流側に接続された排気源としての排気処理設備によって、排気孔が強制的に排気されて、処理カップ内の雰囲気が排気孔を介して排気される。処理カップ内の雰囲気は、排気管を通って排気処理設備へと導かれ、この排気処理設備で除害される。
また、下記特許文献1では、チャンバ内で3種類の処理流体を用いて基板を処理可能に構成されている。より具体的には、それぞれ互いに異なる排気処理設備に接続された3つの個別排気管を集合排気管の下流端に接続するとともに、集合排気管とこれら3つの個別排気管との間に、排気切換器を配置する構成が提案されている。排気切換器によって、集合排気管を流通する排気の流通先を、3つの個別排気管の間で切り換えることにより、それぞれの処理流体を含むチャンバからの排気を、当該処理流体の種類に応じた排気処理設備で除害できる。
特開2010−226043号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、排気処理設備や排気切換器を機外に設ける必要があり、その分だけコストアップにつながる。基板処理装置側でチャンバ内部の雰囲気を処理することができれば、コストダウンすることができ、望ましい。
そこで、この発明の目的は、チャンバ内の雰囲気を基板処理装置内で除害でき、これにより、機外で排気処理する必要のない基板処理装置を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、下部領域が液溜め可能な構成に設けられたチャンバと、前記チャンバの内部で基板を保持するための基板保持ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている基板に処理流体を供給する処理流体供給ユニットと、前記下部領域で横向きに開口する排気口を有し、前記排気口と反対側から排気源によって内部が排気される排気配管と、前記下部領域において、前記排気口の少なくとも一部が液中に没する液位に溜められたスクラバー液とを含み、前記排気配管は、当該排気配管内に進入したスクラバー液を堰き止めて当該排気配管内に溜める液溜め壁を有している、基板処理装置を提供する。
この構成によれば、基板に対する処理流体の供給により、チャンバ内の雰囲気に処理流体が含まれるようになる。
チャンバの下部領域には、スクラバー液が溜められている。排気源の駆動により、スクラバー液の液位が繰返し上下動し、排気口の全領域がスクラバー液中に没する状態と、排気口の上端縁がスクラバー液の液面上に僅かに露出する状態とが、繰り返し遷移するようになる。そして、上端縁が液面上に僅かに露出する状態のときに、処理流体を含むチャンバ内の雰囲気が排気口から排気配管内に取り込まれ、排気配管内に溜められたスクラバー液と大きな気液界面で気液接触しながら当該排気配管内を移動する。その移動過程において、雰囲気に含まれる処理流体がスクラバー液に溶け込み、これにより、当該雰囲気を除害できる。除害後の雰囲気が排気源に向けて導かれる。以上により、チャンバの内部に生じる処理流体雰囲気を基板処理装置内で除害でき、これにより、機外での排気処理の必要がない基板処理装置を提供できる。ゆえに、排気処理設備を別途設ける必要がないから、コストダウンを図ることができる。
また、前記処理流体供給ユニットは、複数種類の処理流体を、前記基板に選択的に供給するものであってもよい。この場合も、各処理流体を含む雰囲気を基板処理装置で除害できるから、排気切換器や処理流体の種別の数の排気処理設備を設ける必要がない。
請求項2に記載の発明は、前記排気配管の前記液溜め壁よりも下流側の分岐位置に分岐接続され、前記液溜め壁から溢れたスクラバー液を下方に導く分岐配管をさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、チャンバの下部領域のスクラバー液は、排気口を介して排気配管に進入する。排気配管内で液溜め壁から溢れたスクラバー液は、スクラバー液の自重を受けて、分岐配管を通って下方に導かれる。そのため、排気配管の下流側には、スクラバー液は導かれず、雰囲気のみが導かれる。すなわち、排気配管に取り込まれた雰囲気およびスクラバー液を、排気配管内で気液分離できる。したがって、排気配管の下流側に気液分離器を別途設ける必要がないから、より一層のコストダウンを図ることができる
なお、この明細書において、スクラバー液を「下方に導く」とは、鉛直下方に導く場合だけでなく、斜め下方に導く場合も含める趣旨である。
請求項3に記載の発明は、前記処理流体供給ユニットは、前記基板保持ユニットに保持されている基板に処理液を供給する処理液供給ユニットを含み、前記基板処理装置は、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板保持ユニットの周囲を取り囲み、前記基板の周囲に排出された処理液を前記処理チャンバの前記下部領域に案内する案内ガードをさらに含む、請求項1または2に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板から排出されて、案内ガードに受け止められた処理液は、下部領域へと導かれて、当該下部領域に溜められているスクラバー液に直接受け止められる。スクラバー液に受けられた処理液を、その後スクラバー液として機能させることが可能である。
案内ガードに受け止められた処理液が直接スクラバー液に導かれるので、案内ガードに対応して、当該案内ガードに受け止められた処理液を受け止めるためのカップを設ける必要がない。これにより、部品点数を減らしてコストダウンを図ることができる。
請求項4に記載のように、前記下部領域にスクラバー液を供給するスクラバー液供給ユニットをさらに含んでいてもよい。
請求項5に記載のように、前記スクラバー液供給ユニットは、前記下部領域に水を供給する水配管と、水配管を開閉する水バルブとを含んでいてもよい。この場合、スクラバー液のph値が所定範囲外になった場合やスクラバー液の液位が所定の下限液位より低くなった場合に水供給バルブを開くことにより、スクラバー液のph値やスクラバー液の液位を、短期間のうちに許容範囲内に戻すことができる。
また、請求項6に記載のように、前記スクラバー液供給ユニットは、前記基板処理装置内で使用済みの水を、前記下部領域に供給する使用済み水配管を含んでいてもよい。
スクラバー液として活用される「使用済みの水」として、たとえば、バクテリア発生防止のために、スローリークにより排出される水(以下、「スローリーク水」という。)を活用できる。スローリーク水は、通常そのまま廃棄されるが、このようなスローリーク水をスクラバー液として活用するので、スクラバー液のために新たな水を用いる場合と比較して、水の消費量を低減できる。
また、前記処理流体供給ユニットが、前記基板保持ユニットに保持されている基板にリンス液を供給するリンス液供給ユニットを含む場合には、請求項7に記載のように、前記リンス液供給ユニットが前記スクラバー液供給ユニットを兼用していてもよい。
請求項8に記載の発明は、前記下部領域には、当該下部領域に溜められているスクラバー液を排液するための排液配管と、前記排液配管を開閉する排液バルブとが設けられている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、排液バルブを閉成した状態としておき、下部領域にスクラバー液が供給されることにより、下部領域にスクラバー液が溜められる。一方、排液バルブの開成により、下部領域に溜められていたスクラバー液が、排液配管を通って機外に排液される。スクラバー液の液位が、排気口にスクラバー液が入り込まない液位に下がるまでスクラバー液を排液することにより、スクラバー液の除害機能を無効化することが可能である。
チャンバ内の雰囲気が除害の必要のない雰囲気である場合(たとえば、基板Wの処理に用いられている処理流体や、除害の必要のない処理流体である場合)には、スクラバー液の除害機能を無効化しても周囲環境への悪影響はない。この場合、排液バルブを開いて、スクラバー液の液位を、排気口にスクラバー液が入り込まない液位まで下げることにより、チャンバ内の排気流量を増大でき、これによりチャンバ内の雰囲気を良好に排気できる。
請求項9に記載の発明は、前記下部領域に溜められているスクラバー液のph値を計測するph計をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、スクラバー液のph値を監視することができる。この場合、スクラバー液のph値が所定範囲外になったときにスクラバー液を供給することにより、スクラバー液を略中性に保ち続けることができる。スクラバー液が強い酸性または強いアルカリ性を呈していると、スクラバー液による雰囲気の除害性能(スクラバー性能)が低下するおそれがあるが、スクラバー液のph値を所定範囲内に保つことにより、スクラバー液による雰囲気の除害性能を一定に保つことができる。
請求項10に記載の発明は、前記下部領域に溜められているスクラバー液の液位を検出する液位センサをさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、液位センサによって、スクラバー液の液位が検出される。仮に、下部領域に溜められているスクラバー液の液位が低すぎる場合には、排気配管内に進入するスクラバー液の量が少ない。そのため、排気配管内に取り込まれたチャンバ内の雰囲気が、排気配管内に進入しているスクラバー液とほとんど気液接触することなく当該排気配管内を移動するから、この場合、スクラバー液が雰囲気の除害機能をほとんど発揮できないおそれがある。
請求項10では、液位センサを用いることにより、スクラバー液の液位を監視することができる。この場合、スクラバー液の液位が所定の下限液位未満になるとスクラバー液を供給することにより、スクラバー液による、雰囲気の除害機能を、常時発揮させ続けることができる。
請求項11に記載の発明は、前記基板保持ユニットの周囲を取り囲む筒状壁をさらに含み、前記筒状壁に、前記排気口が開口している、請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、排気口が筒状壁に開口している。基板に対する処理流体の供給により、とくに筒状壁内の雰囲気に処理流体が多く含まれるが、排気口が筒状壁に開口しているので、処理流体を含む雰囲気を効率良く排気配管内に導き入れることができる。これにより、処理流体を含む、チャンバ内の雰囲気の除害効率を高めることができる。
請求項12に記載の発明は、前記排気配管内には、前記排気口から取り込まれる雰囲気を微小化するための充填物が配置されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、排気配管内に取り込まれた雰囲気は、充填物によって微小な気体に分割されながら、排気配管内を移動する。そのため、排気配管を移動している雰囲気の、スクラバー液との気液界面がより一層増大するので、雰囲気に含まれる処理流体をより一層効果的にスクラバー液に溶け込ませることができ、これにより、雰囲気の除害効率を向上させることができる。
この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置を水平方向に見た図である。 チャンバの内部の構成を模式的に示す平面図である。 筒状壁への排気配管の接続状態を示す斜視図である。 前記チャンバ内の排気について説明するための図である。 前記チャンバ内の排気について説明するための図である。 前記チャンバ内の排気について説明するための図である。 前記基板処理装置によって行われる薬液処理に先立って実行される前準備工程の工程図である。 前記薬液処理の一例の工程図である。 スクラバー液のph値調整を説明するための工程図である。 スクラバー液の液位調整を説明するための工程図である。 本発明の第2の実施形態に係る排気口を説明するための模式的な斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る構成を説明するための模式的な斜視図である。 第3の実施形態の一の例に係る阻害板を説明するための図である。 第3の実施形態の他の例に係る阻害板を説明するための図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置1を水平方向に見た図である。図2は、チャンバ2の内部の構成を模式的に示す平面図である。
基板処理装置1は、円形の半導体ウエハ等の基板Wのデバイス形成領域側の表面に対して、処理流体としての処理液(薬液およびリンス液)を用いた処理(洗浄処理やエッチング処理など)を施すための枚葉型の装置である。基板処理装置1は、内部空間を有する箱形のチャンバ2と、チャンバ2内の下部に、スクラバー液SLを供給するスクラバー液供給ユニット3と、チャンバ2内で一枚の基板Wを水平な姿勢で保持して、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック(基板保持ユニット)4と、スピンチャック4に保持されている基板Wに酸性薬液の一例のフッ酸(希フッ酸:DHF)を供給するための第1の酸性薬液供給ユニット(処理流体供給ユニット、処理液供給ユニット)5と、スピンチャック4に保持されている基板Wの表面に、アルカリ性薬液としてのSC1(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水)を供給するためのアルカリ性薬液供給ユニット(処理流体供給ユニット、処理液供給ユニット)6と、スピンチャック4に保持されている基板Wの表面に、基板Wに酸性薬液の一例のSC2(hydrochloric acid/hydrogen peroxide mixture:塩酸過酸化水素水)を供給するための第2の酸性薬液供給ユニット(処理流体供給ユニット、処理液供給ユニット)7と、スピンチャック4に保持されている基板Wの表面(上面)に、リンス液を供給するためのリンス液供給ユニット(処理流体供給ユニット、処理液供給ユニット)8と、スピンチャック4の周囲を取り囲む筒状の処理カップ9と、チャンバ2の下部領域2Dで開口する排気口10を有し、チャンバ2内の内部を排気するための排気配管11と、基板処理装置1に備えられた装置の動作やバルブの開閉を制御する制御装置100とを含む。
チャンバ2は、箱状の隔壁12と、隔壁12の上部から隔壁12内(チャンバ2内に相当)に清浄空気を送る送風ユニットとしてのFFU(ファン・フィルタ・ユニット)13とを含む。スピンチャック4、第1の酸性薬液供給ユニット5の第1の酸性薬液ノズル23、第2の酸性薬液供給ユニット7の第2の酸性薬液ノズル33、アルカリ性薬液供給ユニット6のアルカリ性薬液ノズル28およびリンス液供給ユニット8のリンス液ノズル101は、隔壁12内に収容配置されている。隔壁12は、それぞれ水平方向に沿って延びる天壁14および底壁15と、5つの側壁16とを含む。隔壁12の全周に亘って、各側壁16の下端縁が底壁15の周端縁と溶接により結合されている。そのため、下部領域2Dからの液漏れが防止されている。すなわち、下部領域2Dは、液溜め可能な構成に設けられている。
図1に示すように、下部領域2Dには、スクラバー液SLが溜められている。処理カップ9の筒状壁41の内側だけでなく、筒状壁41の外側でも、スクラバー液SLが溜められている。
FFU13は隔壁12の上方に配置されており、隔壁12の天井に取り付けられている。FFU13は、隔壁12の天井からチャンバ2内に清浄空気を送る。
排気配管11は、その上流端(排気口10)が処理カップ9の底部に接続されている。排気配管11の下流端側には、機外の排気源17が接続されている。排気源17の駆動により、排気配管11の内部を強制排気され、処理カップ9内(チャンバ2内)が排気される。排気配管11、排気源17およびFFU13により、チャンバ2内にダウンフロー(下降流)が形成される。
スピンチャック4として、基板Wを水平方向に挟んで基板Wを水平に保持する挟持式のチャックが採用されている。具体的には、スピンチャック4は、スピンモータ18と、このスピンモータ18の駆動軸と一体化されたスピン軸19と、スピン軸19の上端に略水平に取り付けられた円板状のスピンベース20と、スピンベース20を除くスピンチャック4の側面を構成する筒状のカバー部材21とを含む。
スピンベース20の上面には、図2に示すように、その周縁部に複数個(3個以上。たとえば6個)の挟持部材22が配置されている。複数個の挟持部材22は、スピンベース20の上面周縁部において、基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けて配置されている。また、図2では、スピンチャック4に基板Wが非保持の状態を示している。
スピンモータ18は、隔壁12の底壁15上に配置され、カバー部材21によって包囲されている。カバー部材21は、隔壁12の底壁15上に載置され、その上端が、スピンベース20の近傍にまで達している。カバー部材21の全周に亘って、カバー部材21の下端縁が底壁15と溶接により結合されている。そのため、下部領域2Dに溜められたスクラバー液SLの、カバー部材21の内部(スピンチャック4の内部)への侵入が阻止される。
また、スピンチャック4としては、挟持式のものに限らず、たとえば、基板Wの裏面を真空吸着することにより、基板Wを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な回転軸線まわりに回転することにより、スピンチャック4に保持された基板Wを回転させる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
図1に示すように、第1の酸性薬液供給ユニット5は、フッ酸(酸性薬液)を基板Wの表面に向けて吐出する第1の酸性薬液ノズル23と、第1の酸性薬液ノズル23が先端部に取り付けられた第1のノズルアーム24と、第1のノズルアーム24を移動させることにより、第1の酸性薬液ノズル23を移動させる第1のノズル移動ユニット25とを含む。
第1の酸性薬液ノズル23は、たとえば、連続流の状態でフッ酸を吐出するストレートノズルであり、たとえば基板Wの上面に垂直な方向にフッ酸を吐出する垂直姿勢で第1のノズルアーム24に取り付けられている。第1のノズルアーム24は水平方向に延びており、スピンチャック4の周囲で鉛直方向に延びる第1の揺動軸線(図示しない)まわりに旋回可能に設けられている。
第1の酸性薬液供給ユニット5は、第1の酸性薬液ノズル23にフッ酸を案内する第1の酸性薬液配管26と、第1の酸性薬液配管26を開閉する第1の酸性薬液バルブ27とを含む。第1の酸性薬液バルブ27が開かれると、フッ酸供給源からのフッ酸が、第1の酸性薬液配管26から第1の酸性薬液ノズル23に供給される。これにより、フッ酸が、第1の酸性薬液ノズル23から吐出される。
第1のノズル移動ユニット25は、第1の揺動軸線まわりに第1のノズルアーム24を旋回させることにより、平面視で基板Wの上面中央部を通る軌跡に沿って第1の酸性薬液ノズル23を水平に移動させる。第1のノズル移動ユニット25は、第1の酸性薬液ノズル23から吐出されたフッ酸が基板Wの上面に着液する処理位置と、第1の酸性薬液ノズル23が平面視でスピンチャック4の周囲に設定されたホーム位置との間で、第1の酸性薬液ノズル23を水平に移動させる。さらに、第1のノズル移動ユニット25は、第1の酸性薬液ノズル23から吐出されたフッ酸が基板Wの上面中央部に着液する中央位置と、第1の酸性薬液ノズル23から吐出されたフッ酸が基板Wの上面周縁部に着液する周縁位置との間で、第1の酸性薬液ノズル23を水平に移動させる。中央位置および周縁位置は、いずれも処理位置である。
なお、第1の酸性薬液ノズル23は、吐出口が基板Wの上面の所定位置(たとえば中央部)に向けて固定的に配置された固定ノズルであってもよい。
アルカリ性薬液供給ユニット6は、SC1(アルカリ性薬液)を基板Wの表面に向けて吐出するアルカリ性薬液ノズル28と、アルカリ性薬液ノズル28が先端部に取り付けられた第2のノズルアーム29と、第2のノズルアーム29を移動させることにより、アルカリ性薬液ノズル28を移動させる第2のノズル移動ユニット30とを含む。
アルカリ性薬液ノズル28は、たとえば、連続流の状態でSC1を吐出するストレートノズルであり、たとえば基板Wの上面に垂直な方向にSC1を吐出する垂直姿勢で第2のノズルアーム29に取り付けられている。第2のノズルアーム29は水平方向に延びており、スピンチャック4の周囲で鉛直方向に延びる第2の揺動軸線(図示しない)まわりに旋回可能に設けられている。
アルカリ性薬液供給ユニット6は、SC1をアルカリ性薬液ノズル28に案内するアルカリ性薬液配管31と、アルカリ性薬液配管31を開閉するアルカリ性薬液バルブ32とを含む。アルカリ性薬液バルブ32が開かれると、SC1供給源からのSC1が、アルカリ性薬液配管31からアルカリ性薬液ノズル28に供給される。これにより、SC1が、アルカリ性薬液ノズル28から吐出される。
第2のノズル移動ユニット30は、第2の揺動軸線まわりに第2のノズルアーム29を旋回させることにより、平面視で基板Wの上面中央部を通る軌跡に沿ってアルカリ性薬液ノズル28を水平に移動させる。第2のノズル移動ユニット30は、アルカリ性薬液ノズル28から吐出されたSC1が基板Wの上面に着液する処理位置と、アルカリ性薬液ノズル28が平面視でスピンチャック4の周囲に設定されたホーム位置との間で、アルカリ性薬液ノズル28を水平に移動させる。さらに、第2のノズル移動ユニット30は、アルカリ性薬液ノズル28から吐出されたSC1が基板Wの上面中央部に着液する中央位置と、アルカリ性薬液ノズル28から吐出されたSC1が基板Wの上面周縁部に着液する周縁位置との間で、アルカリ性薬液ノズル28を水平に移動させる。中央位置および周縁位置は、いずれも処理位置である。
なお、アルカリ性薬液ノズル28は、吐出口が基板Wの上面の所定位置(たとえば中央部)に向けて固定的に配置された固定ノズルであってもよい。
第2の酸性薬液供給ユニット7は、SC2(酸性薬液)を基板Wの表面に向けて吐出する第2の酸性薬液ノズル33と、第2の酸性薬液ノズル33が先端部に取り付けられた第3のノズルアーム34と、第3のノズルアーム34を移動させることにより、第2の酸性薬液ノズル33を移動させる第3のノズル移動ユニット35とを含む。
第2の酸性薬液ノズル33は、たとえば、連続流の状態でSC2を吐出するストレートノズルであり、たとえば基板Wの上面に垂直な方向にSC2を吐出する垂直姿勢で第3のノズルアーム34に取り付けられている。第3のノズルアーム34は水平方向に延びており、スピンチャック4の周囲で鉛直方向に延びる第3の揺動軸線(図示しない)まわりに旋回可能に設けられている。
第2の酸性薬液供給ユニット7は、第2の酸性薬液ノズル33にSC2を案内する第2の酸性薬液配管36と、第2の酸性薬液配管36を開閉する第2の酸性薬液バルブ37とを含む。第2の酸性薬液バルブ37が開かれると、SC2供給源からのSC2が、第2の酸性薬液配管36から第2の酸性薬液ノズル33に供給される。これにより、SC2が、第2の酸性薬液ノズル33から吐出される。
第3のノズル移動ユニット35は、第3の揺動軸線まわりに第3のノズルアーム34を旋回させることにより、平面視で基板Wの上面中央部を通る軌跡に沿って第2の酸性薬液ノズル33を水平に移動させる。第3のノズル移動ユニット35は、第2の酸性薬液ノズル33から吐出されたSC2が基板Wの上面に着液する処理位置と、第2の酸性薬液ノズル33が平面視でスピンチャック4の周囲に設定されたホーム位置との間で、第2の酸性薬液ノズル33を水平に移動させる。さらに、第3のノズル移動ユニット35は、第2の酸性薬液ノズル33から吐出されたSC2が基板Wの上面中央部に着液する中央位置と、第2の酸性薬液ノズル33から吐出されたSC2が基板Wの上面周縁部に着液する周縁位置との間で、第2の酸性薬液ノズル33を水平に移動させる。中央位置および周縁位置は、いずれも処理位置である。
なお、第2の酸性薬液ノズル33は、吐出口が基板Wの上面の所定位置(たとえば中央部)に向けて固定的に配置された固定ノズルであってもよい。
リンス液供給ユニット8は、リンス液を基板Wの表面に向けて吐出するリンス液ノズル101と、リンス液ノズル101が先端部に取り付けられた第4のノズルアーム102と、第4のノズルアーム102を移動させることにより、リンス液ノズル101を移動させる第4のノズル移動ユニット103とを含む。
リンス液ノズル101は、たとえば、連続流の状態でリンス液を吐出するストレートノズルであり、たとえば基板Wの上面に垂直な方向にリンス液を吐出する垂直姿勢で第4のノズルアーム102に取り付けられている。第4のノズルアーム102は水平方向に延びており、スピンチャック4の周囲で鉛直方向に延びる第4の揺動軸線(図示しない)まわりに旋回可能に設けられている。
リンス液供給ユニット8は、リンス液をリンス液ノズル101に案内するリンス液配管104と、リンス液配管104に介装されたリンス液バルブ105およびスローリークバルブ110とを含む。リンス液バルブ105およびスローリークバルブ110が開かれると、リンス液配管104からリンス液ノズル101にリンス液が供給される。また、リンス液バルブ105が閉じられると、リンス液配管104からリンス液ノズル101へのリンス液の供給が停止される。さらに、リンス液バルブ105が開かれ、スローリークバルブ110が閉じられると、リンス液バルブ105およびスローリークバルブ110が開かれているときよりも小さい微小流量で、リンス液配管104からリンス液ノズル101にリンスが供給される。リンス液ノズル101に供給されたリンス液は、リンス液ノズル101の吐出口から吐出される。
第4のノズル移動ユニット103は、第4の揺動軸線まわりに第4のノズルアーム102を旋回させることにより、平面視で基板Wの上面中央部を通る軌跡に沿ってリンス液ノズル101を水平に移動させる。第4のノズル移動ユニット103は、リンス液ノズル101から吐出されたリンス液が基板Wの上面中央部に着液する処理位置と、リンス液ノズル101が平面視でスピンチャック4の周囲に設定されたホーム位置との間で、リンス液ノズル101を水平に移動させる。
リンス液ノズル101が処理位置に配置された状態でリンス液バルブ105およびスローリークバルブ110が開かれると、リンス液配管104からリンス液ノズル101に供給されたリンス液が、リンス液ノズル101から基板Wの上面中央部に向けて吐出される。リンス液は、たとえば、純水(脱イオン水:Deionzied Water)である。リンス液は、純水に限らず、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水および希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。
チャンバ2内には、スピンチャック4の側方に待機ポッド106が配置されている。待機ポッド106は、有底容器状をなしており、その底部には、排出配管107が接続されている。リンス液ノズル101がホーム位置にある状態では、リンス液ノズル101の下端部が待機ポッド106内に差し込まれ、リンス液ノズル101の吐出口が、待機ポッド106内に配置される。この状態では、リンス液バルブ105が開かれかつスローリークバルブ110が閉じられた状態が維持される。したがって、リンス液ノズル101がホーム位置にある状態では、リンス液ノズル101から微小流量でリンス水(以下、バクテリア発生防止のためにスローリークにより排出されるリンス液を、「スローリーク水」という。)が吐出され、このスローリーク水が待機ポッド106内に排出される。これにより、リンス液ノズル101内やリンス液配管104内でのリンス液の滞留が抑制または防止され、リンス液ノズル101内やリンス液配管104内でのバクテリアの発生が抑制または防止される。
処理カップ9は、スピンチャック4を取り囲むたとえば円筒状の筒状壁41と、スピンチャック4と筒状壁41との間に配置された複数のカップ42,43,44(第1、第2および第3のカップ42,43,44)と、基板Wの周囲に飛散した処理液(薬液およびリンス液)を受け止めるための複数のガード46〜49(第1〜第4のガード46〜49)と、個々のガード46〜49を独立して昇降させるガード昇降ユニット(図示しない)とを含む。ガード昇降ユニットは、たとえはボールねじ機構を含む構成である。処理カップ9は折り畳み可能であり、ガード昇降ユニットが4つのガード46〜49のうちの少なくとも一つを昇降させることにより、処理カップ9の展開および折り畳みが行われる。図1において、説明の関係上、処理カップ9は、回転軸線A1の右側と左側とで異なる状態が示されている。
筒状壁41は、たとえば円筒状をなしている。筒状壁41の下端縁は底壁15に固定されている。筒状壁41には、排気配管11の上流端が接続されている。筒状壁41内の雰囲気は、排気配管11の内部を通って排気源17に排気される。排気源17は、基板処理装置1の稼働中において、常に作動状態にある。筒状壁41の下部分には、筒状壁41の内外の空間を連通するための連通穴51が、筒状壁41の周方向に沿って複数形成されている。下部領域2Dでは、スクラバー液SLが連通穴51を通して、下部領域2Dの筒状壁41の内外の空間を行き交う。図2では、連通穴51を複数(3つ)設けた場合を図示しているが、連通穴51は少なくとも1つ設けられていれば足りる。
各カップ42〜44は、円筒状であり、スピンチャック4と筒状壁41との間でスピンチャック4を取り囲んでいる。内側から2番目の第2のカップ43は、最も内側の第1のカップ42よりも外方に配置されており、内側から3番目の第3のカップ44は、第2のカップ43よりも外方に配置されている。各カップ42〜44は、上向きに開いた環状の溝を形成している。各カップ42〜44に導かれた処理液は、この溝の底部に接続された配管(図示しない)を通じて回収設備(図示しない)または排液設備(図示しない)に送られる。これにより、基板Wの処理に用いられた処理液が回収または排液処理される。
図1に示すように、各ガード46〜49は、円筒状であり、スピンチャック4と筒状壁41との間でスピンチャック4を取り囲んでいる。各ガード46〜49は、回転軸線A1に向かって斜め上方に延びる円筒状の傾斜部52と、傾斜部52の下端から下方に延びる円筒状の案内部53とを含む。各傾斜部52の上端部は、ガード46〜49の内周部を構成しており、基板Wおよびスピンベース20よりも大きな直径を有している。4つの傾斜部52は、上下に重ねられており、4つの案内部53は、同軸的に設けられている。なお、傾斜部52は、その断面形状が図1に示すように直線状であってもよいし、また、たとえば、滑らかな上に凸の円弧を描きつつ延びていてもよい。
内側の3つのガード46〜48の各案内部53は、それぞれ、3つのカップ42〜44内に出入り可能である。一方、第4のガード(案内ガード)49の案内部53の下方には、カップは設けられていない。つまり、第4のガード49には、第4のガード49に受け止められた処理液(薬液またはリンス液)を受け止めるためのカップが設けられていない。第4のガード49に対応してカップを設ける場合と比較して、部品点数が低減しコストダウンが図られている。
ガード昇降ユニット(図示しない)は、ガードの上端が基板Wより上方に位置する上位置(最も上方の位置)と、ガードの上端が基板Wより下方に位置する下位置(最も下方の位置)との間で、各ガード46〜49を昇降させる。ガード昇降ユニットは、上位置から下位置までの間の任意の位置で各ガード46〜49を保持可能である。基板Wへの処理液の供給や基板Wの乾燥は、いずれかのガード46〜49が、基板Wの周端面に対向している状態で行われる。
最も内側の第1のガード46を基板Wの周端面に対向させる場合には、全てのガード46〜49が上位置に配置される。また、内側から2番目の第2のガード47を基板Wの周端面に対向させる場合には、第1のガード46が下位置に配置され、第2のガード47、第3のガード48および第4のガード49が上位置に配置される。また、第3のガード48を基板Wの周端面に対向させる場合(図1の右側に示す状態)には、第3のガード48および第4のガード49が上位置に配置され、第1のガード46および第2のガード47が下位置に配置される。また、第4のガード49を基板Wの周端面に対向させる場合(図1の左側に示す状態)には、第4のガード49が上位置に配置され、第1のガード46、第2のガード47および第3のガード48が下位置に配置される。
スクラバー液供給ユニット3は、下部領域2Dに純水を供給する純水供給ユニット54と、下部領域2Dにスローリーク水を供給するスローリーク水供給ユニット55とを含む。純水供給ユニット54は、チャンバ2内に配置され底壁15に向けて純水を吐出する純水ノズル56と、純水供給源からの純水を純水ノズル56に供給する純水配管(水配管)57と、純水配管57から純水ノズル56への純水の供給および供給停止を切り替える純水バルブ(水バルブ)58とを含む。
純水ノズル56から吐出される水は、たとえば、純水(脱イオン水:Deionzied Water)である。但し、水は、純水に限らず、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水および希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。
スローリーク水供給ユニット55は、チャンバ2内で、底壁15に向く吐出口を有するスローリーク水ノズル59と、スローリーク水ノズル59に水を供給するスローリーク水配管(使用済み水配管)60とを含む。スローリーク水配管60の上流端は排出配管107に接続されており、待機ポッド106から排出配管107を通って排出されるスローリーク水が、スローリーク水配管60を介してスローリーク水ノズル59に供給される。リンス液ノズル101がホーム位置にある状態において、リンス液ノズル101から待機ポッド106内に常にスローリーク水が排出され、このスローリーク水がスローリーク水ノズル59から吐出される。このスローリーク水は下部領域2Dに溜められ、スクラバー液SLとして機能する。
図3は、筒状壁41への排気配管11の接続状態を示す斜視図である。図4A〜図4Cは、チャンバ2内の排気について説明するための図である。
図1〜図4Cに示すように、排気配管11には、下流端側が機外の排気源17に接続された外排気ライン62の上流端が接続されている。外排気ライン62には、外排気ライン62の開度を調整する調整バルブ83が介装されている。調整バルブ83による外排気ライン62の開度調整により、排気源17による排気配管11内の排気流量が調整される。
排気配管11は、流通方向に直交する断面形状が略矩形をなし、上下にクランク状に屈曲しながら、円筒状をなす筒状壁41の径方向に沿って延びている。排気配管11の上流端は、筒状壁41の下端部における周方向の所定箇所に接続され、筒状壁41に開口して内側に横向きの排気口10を形成している。具体的には、筒状壁41における周方向の所定箇所に、排気配管11の断面と形状および大きさが同じ切欠き41A(図3参照)が形成されており、排気配管11の上流端を切欠き41Aの周縁に接合することにより、矩形の排気口10が形成される。切欠き41Aの上端縁41B(図3参照)は水平に沿って延びており、そのため、排気口10の上端縁10も、水平に沿って延びる直線状に形成されている。なお、この実施形態では、排気配管11を断面矩形に設けているが、排気配管11の断面形状が円形など、矩形以外の形状をであってもよい。
具体的には、排気配管11は、上流端側(つまり排気口10側)から順に、水平に延びる第1の水平部63と、第1の水平部63の下流端から鉛直上方に向けて延びる上下流通部64と、上下流通部64の下流端から水平に延びる第2の水平部65とを含む。上下流通部64は、図3および図4A〜図4Cでは鉛直状をなしているが、鉛直方向に対し斜めに傾斜していてもよい。第1の水平部63の管壁は、それぞれ水平な上管壁66および下管壁67を含む。上下流通部64の管壁は、それぞれ鉛直な内壁68および外壁69を含む。第2の水平部65の管壁は、水平をなしている。第1の実施形態では、下管壁67は、底壁15とともにチャンバ2の底面を構成している。
外排気ライン62の上流端は、第2の水平部65の下流端に接続されている。外排気ライン62の上流部は水平方向に延びており、排気源17の駆動により、第2の水平部65において、その流通方向(水平方向)に沿って排気が流れる。
排気配管11において、第2の水平部65の分岐位置70Aには、鉛直下方に向けて延びる分岐配管70が分岐接続されている。分岐配管70の管壁は、それぞれ鉛直な内壁71および外壁72を含む。第1の実施形態では、分岐配管70の内壁71が、排気配管11の外壁69と一体化しており、当該一体化した管壁が、排気配管11内に進入したスクラバー液SLを堰き止めて当該排気配管11内に溜める液溜め壁73として機能する。
排気配管11内で液溜め壁73から溢れたスクラバー液SLは、スクラバー液SLの自重を受けて、分岐位置70Aから分岐配管70を通って鉛直下方に導かれる。そのため、排気配管11の下流側には、スクラバー液SLは導かれず、雰囲気のみが導かれる。すなわち、排気配管11に取り込まれた雰囲気およびスクラバー液SLが、排気配管11内で気液分離される。この実施形態では、外壁69と内壁71とが一体化した例を示しているが、外壁69と内壁71とがそれぞれ別体に設けられていてもよい。また、液溜め壁73が外壁69と一体化しておらず、第1分岐配管の管壁(外壁69等)は別の壁によって構成されていてもよい。また、分岐配管70を鉛直下方に向けて延びるものとして説明したが、分岐配管70が斜め下方に向けて延びていてもよい。
分岐配管70の下流端には、下管壁67に形成された下排液口74を介して、下排液ライン75の上流端が接続されている。下排液ライン75の下流端側には、機外の排液設備(図示しない)が接続されている。下排液ライン75の途中部には、スクラバー液SLが封入された液封トラップ76が形成されている。そのため、チャンバ2内の雰囲気と、排液設備とはトラップ封水(スクラバー液SL)によって遮断されている。
上下流通部64から溢れて、分岐配管70へと導かれたスクラバー液SLは、自重により分岐配管70内を落液し、下排液ライン75を介して機外の排液設備へと送られ、排液処理される。
図1に示すように、基板処理装置1は、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLのph値を計測するph計77と、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLの液位を検出する液位センサ78とをさらに含む。液位センサ78は、たとえばスクラバー液SLの液面を検出する液面センサである。
底壁15の最も低い箇所には、排液口79が開口しており、排液口79には、排液配管80の上流端が接続されている。排液配管80の下流端側には、排液設備(図示しない)が接続されている。排液配管80には、排液配管80を開閉する排液バルブ81が介装されている。排液バルブ81が開かれると、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLが、排液配管80を介して機外の排液設備へと送られ、排液処理される。排液配管80の途中部には、液封トラップ82が形成されている。そのため、チャンバ2内の雰囲気と、排液設備とはトラップ封水(スクラバー液SL)によって遮断されている。
下部領域2Dには、スクラバー液SLが溜められている。第1の実施形態では、スクラバー液SLとして純水を用いている。具体的には、純水ノズル56からの純水と、スローリーク水ノズル59からのスローリーク水(純水)との混合水(すなわち、純水)を、スクラバー液SLとして用いている。しかし、第1の実施形態では、純水だけでなく、薬液処理時に下部領域2Dに供給される処理液(薬液(フッ酸、SC1およびSC2)およびリンス液(薬液を含む))もスクラバー液SLとして活用している。そのため、スクラバー液SLは常に中性を呈するわけではなく、ときには酸性を呈し、また、ときにはアルカリ性を呈する。
スクラバー液SLが下部領域2Dに溜められた状態では、排気配管11の第1の水平部63の大部分がスクラバー液SL中に液没している。排気源17は、常時駆動されており、排気源17の駆動により排気配管11内が強制排気されることにより、チャンバ2内の雰囲気の排気、およびチャンバ2内のスクラバー液SLの排液が行われる。
具体的には、排気配管11内の排気により、スクラバー液SLの液位が繰返し上下動し、排気口10の全領域が液中にスクラバー液SL中に没する状態と、排気口10の上端縁10Aがスクラバー液SLの液面上に僅かに露出する状態とが繰り返し遷移するようになる。そして、上端縁10Aが液面上に僅かに露出したときに、チャンバ2内の雰囲気が排気配管11内に進入し、スクラバー液SLと大きな気液界面で気液接触しながら、排気配管11を移動する。
図4A〜図4Cを参照して、チャンバ2内の排気について、より具体的に説明する。
スクラバー液SLの液位が、排気口10の上端縁10Aと略一致する高さであるか、当該高さよりもやや高い高液位HP(この状態で、排気口10の略全領域がスクラバー液SLの液中に没する)である場合、下部領域2Dから排気口10を介して排気配管11に流入したスクラバー液SLは、液溜め壁73によって堰き止められて、第1の水平部63内に充満するとともに上下流通部64内にも進入する。排気源17の駆動によって、外排気ライン62および第2の水平部65内が強制排気(減圧)されるために、上下流通部64内のスクラバー液SLの液位が、下部領域2Dのスクラバー液SLの液位よりも高くなる。上下流通部64では、液溜め壁73の高さを液面の上限としてスクラバー液SLを溜めることができるので、液面高さが液溜め壁73の高さに達するまでは、スクラバー液SLは液溜め壁73に堰き止められ、それを超える量のスクラバー液SLは、液溜め壁73を超えて排気配管11へと導かれ排液される。
排気源17側の排気力が強く設定されている場合、図4Aにおいて、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLが排気配管11内に比較的大量に流入する結果、下部領域2Dのスクラバー液SLの液位が下がる。この場合、スクラバー液SLの液位の下降に伴って、スクラバー液SLの液面は波打っている。
スクラバー液SLの液位が低液位LP(排気口10の上端縁10Aがスクラバー液SLの液面上に僅かに露出するような液位)まで下がると、図4Bに示すように、チャンバ2内の雰囲気が、排気配管11の水平部63内に進入し、水平部63中のスクラバー液SLと気液接触しながら、水平部63内を上下流通部64の下端部まで移動する。スクラバー液SLの液面が波打っているため、水平部63内を移動する雰囲気は、上管壁66に打ち付けられて細かく分散され、これにより、雰囲気とスクラバー液SLとの気液界面を大きく保たれる。
また、水平部63内を上下流通部64の下端部まで移動した雰囲気は、上下流通部64のスクラバー液SL内を、細かい気泡Bを形成しながら上昇し、上下流通部64のスクラバー液SLの液面を介して、第2の水平部65に流入する。上下流通部64内に流入した雰囲気が気泡Bを形成しながら移動するため、雰囲気とスクラバー液SLとの気液界面を大きく保たれる。
チャンバ2内の雰囲気が第2の水平部65に流入する結果、第2の水平部65内の圧力が一時的に増大し、上下流通部64内のスクラバー液SLの液位が下がって、排気配管11に入り込んでいたスクラバー液SLの一部が下部領域2Dへと戻る。これにより、下部領域2Dのスクラバー液SLの液位が上昇して、高液位HPに復元し、図4Cに示すように、再び、排気口10の略全領域がスクラバー液SLの液中に没するようになる。
図4A〜図4Cに示す状態は、繰り返し実行される。すなわち、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLの液位が、高液位HPと低液位LPとの間で上下動を繰り返す。
図5は、基板処理装置1によって行われる基板Wの薬液処理に先立って実行される前準備工程の工程図である。図1および図5を参照しながら、前準備工程について説明する。
基板Wの薬液処理開始時に、下部領域2Dにスクラバー液SLが溜められていない場合には、基板Wの搬入に先立って、次に述べるような前準備工程が実行される。前準備工程では、排気源17が駆動している状態、すなわち、排気配管11内が強制排気されている状態で行われる。
前準備工程では、制御装置100は純水バルブ58を開いて純水ノズル56から純水を吐出させ、下部領域2Dの筒状壁41の外側の空間にスクラバー液SLが供給され、供給されたスクラバー液SLは、筒状壁41に設けられた連通穴51を通して、下部領域2Dの筒状壁41の内側の空間にも行き渡る。これにより、下部領域2Dの平面視の全域においてスクラバー液SLを溜めることができる。
純水ノズル56からの純水の吐出開始後、制御装置100は、液位センサ78の検出値を参照し、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLの液位を監視している。スクラバー液SLの液位が、高液位HPと同等か高液位HPよりもやや高い所定の充填後液位に達すると、制御装置100は、純水バルブ58を閉じて、純水ノズル56からの純水の吐出を停止させる。以上により、前準備工程が完了する。次に、図6に示す薬液処理が実行される。
また、薬液処理開始時に、下部領域2Dにスクラバー液SLが既に溜められている場合には、直ちに図6に示す薬液処理が実行される。
図6は、基板処理装置1によって行われる薬液処理の一例の工程図である。図1および図6を主に参照して、当該薬液処理について説明する。
薬液処理に際しては、搬送ロボット(図示しない)が制御されて、チャンバ2内に未処理の基板Wが搬入される(ステップS11)。基板Wは、その表面(デバイス形成面)を上方に向けた状態でスピンチャック4に受け渡される。なお、この基板Wの搬入前は、その搬入の妨げにならないように、第1〜第4ガード46〜49が下位置(最も下方位置)に下げられ、第1〜第4ガード46〜49の上端がいずれも、スピンチャック4による基板Wの保持位置よりも下方に配置されている。
スピンチャック4に基板が保持された後、制御装置100は、ガード昇降ユニット(図示しない)を制御して、第1〜第4のガード46〜49を上位置(最も上方の位置)に上昇させて、第1のガード46を基板Wの周端面に対向させる。
次いで、制御装置100は、スピンモータ18によって基板Wの回転を開始させる(ステップS12)。基板Wは予め定める液処理速度(たとえば約300rpm)まで上昇させられ、その液処理速度に維持される。
基板Wの回転速度が液処理速度に達すると、次いで、制御装置100は、フッ酸(酸性薬液)を基板Wに供給するフッ酸工程を行う(ステップS13)。フッ酸工程では、制御装置100は、第1のノズル移動ユニット25を制御することにより、第1の酸性薬液ノズル23をホーム位置から処理位置(すなわち基板Wの上方)に配置すると共に、第1の酸性薬液バルブ27を開いて、第1の酸性薬液ノズル23の吐出口からフッ酸を吐出する。第1の酸性薬液ノズル23から吐出されたフッ酸は、基板Wの上面に着液した後、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板Wの上面を外方に向けて流れる。また、制御装置100は、第1のノズル移動ユニット25を制御することにより、基板Wの上面に対するフッ酸(酸性薬液)の着液位置を中央部と周縁部との間で移動させて、フッ酸の着液位置を、基板Wの上面全域を走査させる。これにより、基板Wの上面全域がフッ酸によって均一に処理される。基板Wの上面に供給されたフッ酸は、基板Wの周縁部から基板Wの側方に向けて飛散する。なお、フッ酸工程(S13)においてフッ酸の着液位置を上面中央部で静止させる(走査させない)ようにしてもよい。
基板Wの周縁部から飛散するフッ酸は、第1のガード46の内壁に受け止められ、第1のカップ42に案内される。その後、フッ酸は、第1のカップ42に接続された配管(図示しない)を通じて回収または排液(たとえば回収)される。
基板Wに対するフッ酸の供給により、処理カップ9内でフッ酸のミスト(微小な液滴)が発生し、処理カップ9内の雰囲気にフッ酸が含まれるようになる。フッ酸を含む処理カップ9の雰囲気は、排気口10から排気配管11内に取り込まれ、スクラバー液SLと気液接触しながら排気配管11内を移動する。その移動過程で、雰囲気に含まれるフッ酸がスクラバー液SLに溶け込んで除害され、除害後の雰囲気が排気源17に導かれる。
フッ酸の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置100は、第1の酸性薬液バルブ27を閉じてフッ酸の吐出を停止する。また、第1のノズル移動ユニット25を制御することにより、第1の酸性薬液ノズル23を処理位置からホーム位置に移動させる。これにより、フッ酸工程(S13)が終了する。
次いで、制御装置100は、ガード昇降機構を制御して、第1のガード46が基板Wの周端面に対向している状態から第1〜第3のガード46〜48を下位置に下降させて、第4のガード49を基板Wの周端面に対向させる(図1の左側に示す状態)。この状態で、リンス液を基板Wに供給するリンス工程(ステップS14)が行われる。リンス工程(S14)では、制御装置100は、第4のノズル移動ユニット103を制御することにより、リンス液ノズル101をホーム位置から処理位置に配置すると共に、リンス液バルブ105およびスローリークバルブ110を開いて、リンス液ノズル101の吐出口から基板Wの上面中央部に向けてリンス液を吐出する。基板Wの上面中央部に着液したリンス液は、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板Wの上面上を基板Wの周縁部に向けて流れ、これにより、基板W上のフッ酸が基板Wの周囲に排出される。これにより、基板Wの上面の全域においてフッ酸が洗い流される。基板Wの上面に供給されたリンス液は、基板Wの周縁部から基板Wの側方に向けて飛散する。
基板Wの周縁部から飛散して第4のガード49の内壁に受け止められたリンス液は、第4のガード49の内壁を伝って流下し、第4のガード49の下端(案内部53の下端)から落液する。前述のように、第4のガード49に対応するカップが設けられていないので、第4のガード49の下端から落液したリンス液は下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLに、直接受け止められる。スクラバー液SLに受けられたリンス液は、その後は、スクラバー液SLとして機能する。すなわち、リンス液供給ユニット8が、スクラバー液供給ユニット3の一部を兼用している。
リンス液の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置100は、リンス液バルブ105およびスローリークバルブ110を閉じてリンス液の吐出を停止する。また、第4のノズル移動ユニット103を制御することにより、リンス液ノズル101を処理位置からホーム位置に移動させる。これにより、リンス工程(S14)が終了する。
次いで、制御装置100は、ガード昇降機構を制御して、第4のガード49が基板Wの周端面に対向している状態から第3のガード48を上位置に上昇させて、第3のガード48を基板Wの周端面に対向させる(図1の右側に示す状態)。この状態で、SC1を基板Wに供給するSC1工程(ステップS15)が行われる。SC1工程では、制御装置100は、第2のノズル移動ユニット30を制御することにより、アルカリ性薬液ノズル28をホーム位置から処理位置(すなわち基板Wの上方)に配置すると共に、アルカリ性薬液バルブ32を開いて、アルカリ性薬液ノズル28の吐出口からSC1を吐出する。アルカリ性薬液ノズル28から吐出されたSC1は、基板Wの上面に着液した後、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板Wの上面を外方に向けて流れる。また、制御装置100は、第2のノズル移動ユニット30を制御することにより、基板Wの上面に対するSC1(酸性薬液)の着液位置を中央部と周縁部との間で移動させて、SC1の着液位置を、基板Wの上面全域を走査させる。これにより、基板Wの上面全域がSC1によって均一に処理される。基板Wの上面に供給されたSC1は、基板Wの周縁部から基板Wの側方に向けて飛散する。なお、SC1工程(S15)においてSC1の着液位置を上面中央部で静止させる(走査させない)ようにしてもよい。
基板Wの周縁部から飛散するSC1は、第3のガード48の内壁に受け止められ、第3のカップ44に案内される。その後、SC1は、第3のカップ44に接続された配管(図示しない)を通じて回収または排液(たとえば排液)される。
基板Wに対するSC1の供給により、処理カップ9内でSC1のミスト(微小な液滴)が発生し、処理カップ9内の雰囲気にSC1が含まれるようになる。SC1を含む処理カップ9の雰囲気は、排気口10から排気配管11内に取り込まれ、スクラバー液SLと気液接触しながら排気配管11内を移動する。その移動過程で、雰囲気に含まれるSC1がスクラバー液SLに溶け込んで除害され、除害後の雰囲気が排気源17に導かれる。
SC1の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置100は、アルカリ性薬液バルブ32を閉じてSC1の吐出を停止する。また、第2のノズル移動ユニット30を制御することにより、アルカリ性薬液ノズル28を処理位置からホーム位置に移動させる。これにより、SC1工程(S15)が終了する。
次いで、制御装置100は、ガード昇降機構を制御して、第3のガード48が基板Wの周端面に対向している状態から第3のガード48を下位置に下降させて、第4のガード49を基板Wの周端面に対向させる。この状態で第4のガード49を基板Wの周端面に対向させた状態のまま、次いで、リンス液を基板Wに供給するリンス工程(ステップS16)が行われる。ステップS16のリンス工程は、ステップS14のリンス工程と同等の処理であり、これにより、基板Wの上面のSC1がリンス液によって洗い流される。基板Wの周縁部から飛散して第4のガード49の内壁に受け止められたリンス液は、第4のガード49の内壁を伝って流下し、第4のガード49の下端(案内部53の下端)から落液して、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLに直接受け止められる。スクラバー液SLに受けられたリンス液は、その後は、スクラバー液SLとして機能する。すなわち、リンス液供給ユニット8が、スクラバー液供給ユニット3を兼用している。
リンス液の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置100は、リンス液バルブ105およびスローリークバルブ110を閉じてリンス液の吐出を停止する。また、第4のノズル移動ユニット103を制御することにより、リンス液ノズル101を処理位置からホーム位置に移動させる。これにより、リンス工程(S16)が終了する。
次いで、制御装置100は、ガード昇降機構を制御して、第4のガード49が基板Wの周端面に対向している状態から第2および第3のガード47,48を上位置に上昇させて、第2のガード47を基板Wの周端面に対向させる。この状態で、SC2を基板Wに供給するSC2工程(ステップS17)が行われる。SC2工程では、制御装置100は、第3のノズル移動ユニット35を制御することにより、第2の酸性薬液ノズル33をホーム位置から処理位置(すなわち基板Wの上方)に配置すると共に、第2の酸性薬液バルブ37を開いて、第2の酸性薬液ノズル33の吐出口からSC2を吐出する。第2の酸性薬液ノズル33から吐出されたSC2は、基板Wの上面に着液した後、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板Wの上面を外方に向けて流れる。また、制御装置100は、第3のノズル移動ユニット35を制御することにより、基板Wの上面に対するSC2(酸性薬液)の着液位置を中央部と周縁部との間で移動させて、SC2の着液位置を、基板Wの上面全域を走査させる。これにより、基板Wの上面全域がSC2によって均一に処理される。基板Wの上面に供給されたSC2は、基板Wの周縁部から基板Wの側方に向けて飛散する。なお、SC2工程(S17)においてSC2の着液位置を上面中央部で静止させる(走査させない)ようにしてもよい。
基板Wの周縁部から飛散するSC2は、第2のガード47の内壁に受け止められ、第2のカップ43に案内される。その後、SC2は、第2のカップ43に接続された配管(図示しない)を通じて回収または排液(たとえば排液)される。
基板Wに対するSC2の供給により、処理カップ9内でSC2のミスト(微小な液滴)が発生し、処理カップ9内の雰囲気にSC2が含まれるようになる。SC2を含む処理カップ9の雰囲気は、排気口10から排気配管11内に取り込まれ、スクラバー液SLと気液接触しながら排気配管11内を移動する。その移動過程で、雰囲気に含まれるSC2がスクラバー液SLに溶け込んで除害され、除害後の雰囲気が排気源17に導かれる。
SC2の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置100は、第1の酸性薬液バルブ27を閉じてSC2の吐出を停止する。また、第3のノズル移動ユニット35を制御することにより、第2の酸性薬液ノズル33を処理位置からホーム位置に移動させる。これにより、SC2工程(S17)が終了する。
次いで、制御装置100は、ガード昇降機構を制御して、第2のガード47が基板Wの周端面に対向している状態から第2および第3のガード47,48を下位置に下降させて、第4のガード49を基板Wの周端面に対向させる。この状態で第4のガード49を基板Wの周端面に対向させ、次いで、リンス液を基板Wに供給するリンス工程(ステップS18)が行われる。ステップS18のリンス工程は、ステップS14のリンス工程と同等の処理であり、これにより、基板Wの上面のSC2がリンス液によって洗い流される。基板Wの周縁部から飛散して第4のガード49の内壁に受け止められたリンス液は、第4のガード49の内壁を伝って流下し、第4のガード49の下端(案内部53の下端)から落液して、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLに直接受け止められる。スクラバー液SLに受けられたリンス液は、その後は、スクラバー液SLとして機能する。すなわち、リンス液供給ユニット8が、スクラバー液供給ユニット3を兼用している。
リンス液の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置100は、リンス液バルブ105およびスローリークバルブ110を閉じてリンス液の吐出を停止する。また、第4のノズル移動ユニット103を制御することにより、リンス液ノズル101を処理位置からホーム位置に移動させる。これにより、リンス工程(S18)が終了する。
なお、図6に示す基板処理では、リンス工程(S14,S16,S18)を除いて、リンス液ノズル101がホーム位置にあり、この状態では、リンス液バルブ105が開かれかつスローリークバルブ110が閉じられた状態が維持され、リンス液ノズル101から微小流量でリンス液が吐出され、このリンス液が待機ポッド106内に排出される。待機ポッド106内に排出されたリンス液は、排出配管107およびスローリーク水配管60を介してスローリーク水ノズル59から吐出される。スローリーク水ノズル59から吐出されたリンス液は、スクラバー液SLに受けられ、その後は、スクラバー液SLとして機能する。
バクテリア発生防止のためにスローリークにより排出されるスローリーク水は、通常そのまま廃棄されるべき水であるが、このようなスローリーク水をスクラバー液SLとして活用するので、スクラバー液SLのために新たな純水を用いる場合と比較して、水の消費量を低減できる。
その後、制御装置100は、スピンモータ18を制御して基板Wを高回転速度(たとえば約1000rpm)まで加速させ、この高回転速度に維持する(S19:スピンドライ工程)。これにより、基板Wに付着しているリンス液が振り切られて基板Wが乾燥される。スピンドライ工程(S19)が予め定める期間に亘って行われると、制御装置100は、スピンモータ18を駆動して、スピンチャック4の回転(基板Wの回転)を停止させる(ステップS20)。これにより、1枚の基板Wに対する薬液処理が終了し、搬送ロボットによって、処理済みの基板Wがチャンバ2から搬出される(ステップS21)。
次いで、次の基板Wに対する薬液処理が行われる。
ところで、図6に示す薬液処理中においては、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLのph値および液位の監視および調整が常時行われている。
図7は、スクラバー液SLのph値調整を説明するための工程図である。
薬液処理中において、制御装置100は、ph計77の検出値を参照して、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLのph値を監視している(ステップS31)。検出ph値が、所定範囲外にあるとき(ステップS32でYES)、制御装置100は、純水バルブ58を開いて純水ノズル56から純水を吐出し、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLを純水で希釈する(ステップS33)。これにより、中性(スクラバー液SLのph値を7.0)に近づけることができる。純水の吐出により検出ph値が所定範囲内に戻った場合には、制御装置100は、純水バルブ58を閉じて、純水ノズル56からの純水の吐出を停止させる。これにより、スクラバー液SLを略中性に保ち続けることができる。スクラバー液SLが強い酸性または強いアルカリ性を呈していると、スクラバー液SLによる雰囲気の除害性能が低下するおそれがあるが、スクラバー液SLのph値を所定範囲内に保つことにより、スクラバー液SLによる雰囲気の除害性能を一定に保つことができる。
図8は、スクラバー液SLの液位調整を説明するための工程図である。
薬液処理中において、制御装置100は、液位センサ78の検出値を参照して、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLの液位の低下を監視している(ステップS41)。仮に、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLの液位が、低液位LP(図4B参照)よりも低くなると、排気配管11内に取り込まれたチャンバ2内の雰囲気が、排気配管11内に溜められたスクラバー液SLとほとんど気液接触することなく当該排気配管11内を移動し、スクラバー液SLが雰囲気の除害機能をほとんど発揮できないおそれがある。
検出液位が所定の下限液位未満であるとき(ステップS42でYES)、制御装置100は、純水バルブ58を開いて純水ノズル56から純水を吐出し、スクラバー液SLを補充する(ステップS43)。なお、純水の吐出によって、検出液位が所定の液位(たとえば前記の充填後液位)に達した場合には、制御装置100は、純水バルブ58を閉じて、純水ノズル56からの純水の吐出を停止させる。下限液位として、前記の低液位LP(図4B参照)を例示できる。
このように、液位センサ78を用いてスクラバー液SLの液位の低下を監視することにより、スクラバー液SLの液位を略一定に保つことができる。これにより、スクラバー液SLによる雰囲気の除害機能を、常時発揮させ続けることができる。
また、液位センサ78による液位低下の検出に基づいて純水バルブ58が開かれるので、低下したスクラバー液SLの液位を、短期間のうちに元の液位(たとえば高液位HP以上まで)まで戻すことができる。
図6に示す薬液処理後には、下部領域2Dにスクラバー液SLが溜められた状態のまま維持される。そして、次の基板Wに対する処理が引き続き行われる。基板処理装置1の運転停止後も、下部領域2Dにスクラバー液SLが溜められた状態のまま維持される。メンテナンスを行う際などには、制御装置100は、排液バルブ81を開く。下部領域2Dに溜められていたスクラバー液SLが、排液配管80を通って機外に排液され、これにより、スクラバー液SLが下部領域2Dから抜くことができる。
以上により、この実施形態によれば、基板Wに対する薬液(フッ酸、SC1またはSC2)の供給により、処理カップ9(すなわち、筒状壁41)内の雰囲気に薬液が含まれるようになる。
下部領域2Dには、スクラバー液SLが溜められている。この状態では、排気配管11の第1の水平部63の内部がスクラバー液SL中に没している。排気源17の駆動により、スクラバー液SLの液位が繰返し上下動し、スクラバー液SL中に排気口10の全領域が没する状態と、排気口10の上端縁10Aがスクラバー液SLの液面上に僅かに露出する状態とが、繰り返し遷移するようになる。そして、上端縁10Aが液面上に僅かに露出する状態のときに、薬液を含む処理カップ9の雰囲気が排気口10から排気配管11内に取り込まれ、排気配管11内に溜められたスクラバー液SLと大きな気液界面で気液接触しながら排気配管11内を移動する。その移動過程において、雰囲気に含まれる薬液がスクラバー液SLに溶け込み、これにより、当該雰囲気を除害できる。したがって、除害後の雰囲気を排気源17に導くことができる。以上により、チャンバ2の内部に生じる薬液雰囲気を基板処理装置1内で処理でき、これにより、機外での排気処理の必要がない基板処理装置1を提供できる。ゆえに、排気処理設備を排気源17側に別途設ける必要がないから、コストダウンを図ることができる。
また、排気配管11内で液溜め壁73から溢れたスクラバー液SLは、スクラバー液SLの自重を受けて、分岐配管70を通って鉛直下方に導かれるから、排気配管11の下流側には、スクラバー液SLは導かれず、雰囲気のみが導かれる。すなわち、排気配管11に取り込まれた雰囲気およびスクラバー液SLを、排気配管11内で気液分離できる。したがって、排気配管11の下流側に気液分離器を別途設ける必要がないから、より一層のコストダウンを図ることができる
また、排気口10が筒状壁41に開口しているので、薬液を含む雰囲気を、排気口10を介して排気配管11内に効率良く導き入れることができる。これにより、薬液を含む、チャンバ2内の雰囲気の除害効率を高めることができる。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る排気口210を説明するための模式的な斜視図である。
第2の実施形態において、前述の第1の実施形態に示された各部に対応する部分には、図1〜図8と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
第2の実施形態が、前述の第1の実施形態と相違する点は、排気配管11の排気口210の上端縁210Aが、直線状でなく、櫛歯状をなしている点である。
具体的には、筒状壁41の下端部には、切欠き41A(図3参照)に代えて切欠き241Aが形成されている。切欠き241Aの上端部には、その全域に櫛歯(充填物)241Bが形成されている。切欠き241Aの周縁に排気配管11の上流端を接合して、矩形の排気口210が形成されるために、排気口210の上端縁210Aは櫛歯状をなしている。
第2の実施形態においても、排気源17の駆動により、スクラバー液SLの液位が繰返し上下動し、スクラバー液SL中に排気口210の全領域が没する状態と、排気口210の上端縁210Aがスクラバー液SLの液面上に僅かに露出する状態とが、繰り返し遷移するようになる。そして、上端縁210Aが液面上に僅かに露出する状態のときに、薬液を含む処理カップ9の雰囲気が排気口210から排気配管11内に取り込まれる。排気口210の上端縁210Aが櫛歯状に形成されているので、微小な気体に分割された雰囲気が、排気配管11内に取り込まれ、スクラバー液SLと気液接触しながら排気配管11内を移動する。そのため、排気配管11を移動する雰囲気の、スクラバー液SLとの気液界面がより一層増大するので、雰囲気に含まれる薬液をより一層効果的にスクラバー液SLに溶け込ませることができ、これにより、雰囲気の除害効率を向上させることができる。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る構成を説明するための模式的な斜視図である。図11は、第3の実施形態の一例に係る阻害板(充填物)301を説明するための図である。図12は、第3の実施形態の他の例に係る阻害板(充填物)302を説明するための図である。
第3の実施形態において、前述の第1の実施形態に示された各部に対応する部分には、図1〜図8と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
第3の実施形態が、前述の第1の実施形態と相違する点は、排気配管11の途中部に、当該排気配管11を流通する排気の流れを阻害するための阻害板301,302が配置されている点である。阻害板301,302は、排気配管11の断面全領域をカバーする大きさおよび形状に構成されており、流通方向に交差(たとえば直交)する姿勢に配置されている。
阻害板301,302は、その内部を排気が透過可能な構成を有している。一例に係る阻害板301として、図11に示すようなメッシュ板301を例示することができる。メッシュ板301は、たとえば金属製の網目状の格子板により形成される。また、他の例に係る阻害板302として、図12に示すようなパンチング板302を例示することができる。パンチング板302は、たとえば金属製の板にたとえば円形または矩形(図12では、円形)のパンチング孔303を多数個形成して構成されている。
第3の実施形態においても、排気口10の上端縁10Aがスクラバー液SLの液面上に僅かに露出する状態のときに、薬液を含む処理カップ9の雰囲気が排気口10から排気配管11内に取り込まれる。排気配管11内に阻害板301,302が配置されているので、排気配管11内に取り込まれた雰囲気は、阻害板301,302によって微小な気体に分割されながら、排気配管11内を移動する。そのため、排気配管11を移動する雰囲気の、スクラバー液SLとの気液界面がより一層増大するので、雰囲気に含まれる薬液をより一層効果的にスクラバー液SLに溶け込ませることができ、これにより、雰囲気の除害効率を向上させることができる。
以上、この発明の3つの実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば、第3の実施形態において、阻害板301,302をそれぞれ1つだけなく、流通方向に間隔を隔てて複数枚配置するようにしてもよい。
また、たとえば、第2の実施形態と、第3の実施形態とが組み合わされてもよい。すなわち、排気口210(10)の上端縁210A(10A)が櫛歯状をなしていると共に、排気配管11の途中部に阻害板301,302が配置されていてもよい。
また、前述の各実施形態の処理例では、フッ酸工程(S13)、SC1工程(S15)およびSC2工程(S17)の各工程において、、対応するカップ42〜44を有する他のガード46〜48を基板Wの周端面に対向させながら当該工程を実行する場合を例に挙げて説明したが、これらの工程(S13,S15,S17)のうち、比較的薬液濃度の低い薬液(SC1,SC2)が用いられるSC1工程(S15)およびSC2工程(S17)の少なくとも一方では、カップに対応していない第4のガード49を基板Wの周端面に対向させながら当該工程を実行するようにしてもよい。この場合、基板Wの周縁部から飛散した薬液(SC1および/またはSC2)は、第4のガード49の内壁に受け止められ、第4のガード49の内壁を伝って流下する。第4のガード49の下端(案内部53の下端)から落液する薬液は、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLに直接受け止められ、スクラバー液SLと共に下部領域2Dに溜められる。薬液は、スクラバー液SLに含まれる純水によって希釈されて、スクラバー液SLとして機能する。
また、捕獲した薬液を回収せずに廃棄する場合であっても、当該薬液がスクラバー液SLとの接触により急激に反応する場合には、このような急激な反応を防止または抑制するため、対応するカップ42〜44を有する他のガード46〜48を基板Wの周端面に対向させることにより、当該薬液をガード46〜48によって捕獲することが望ましい。
また、前記の実施形態では、SC1工程(S15)中は、対応するカップを有しない第4のガード49を基板Wの周端面に対向させるとして説明したが、SC1の濃度によっては、第4のガード49によって下部領域2Dに案内されたSC1と、スクラバー液SLとが激しく反応する場合も考えられる。そのため、SC1の濃度によっては、SC1工程(S15)中は、第4のガード49を除くガード46〜48を基板Wの周端面に対向させることが望ましい。
また、薬液を用いた工程(S13,S15,S17)において、第4のガード49を除くガード46〜48を基板Wの周端面に対向させるようにしてもよい。この場合、基板Wから排出される薬液(フッ酸、SC1またはSC2)が、スクラバー液SLに供給されることもなく、これらの薬液がスクラバー液SLとして機能することもない。そのため、スクラバー液SLを中性に、または中性に近いph値に保つことができる。
また、前述の各実施形態の処理例では、スクラバー液SLを下部領域2Dに常時溜めておく場合を例に挙げて説明したが、たとえば、次の基板Wに対する薬液処理を引き続き行わない場合に、下部領域2Dからスクラバー液SLを抜いてもよい。 また、待機ポッド106に吐出されたスローリーク用のリンス液を、スローリーク水ノズル59に供給する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、リンス液ノズル101がホーム位置にある状態において、リンス液配管104を微小流量で流通するリンス液を、リンス液配管104の途中から分岐させて排出させることにより、リンス液配管104内でのバクテリアの発生を抑制または防止することも考えられる。この場合、図1に破線で示すように、リンス液配管104の途中部から排出用配管108が分岐し、かつ排出用配管108に排出用バルブ109が介装されている。排出用バルブ109が開かれた状態では、リンス液配管104を微小流量で流通するリンス液は、排出用配管108を通してリンス液配管104外に排出され、このリンス液(スローリーク水)が、スローリーク水配管60を介してスローリーク水ノズル59から吐出されるようになっていてもよい。
また、このような排出用配管108が設けられる場合において、排出用配管108に小流量の水が流れるように構成されている場合には、スローリークノズル110を省略することも可能である。 また、基板処理装置1に備えられた、他の水配管(図示しない)からのスローリーク水を、スローリーク水ノズル59に供給するようにしてもよい。また、スローリーク水以外の、基板処理装置1で使用された「使用済みの水」を、スローリーク水ノズル59に供給するようにしてもよい。
また、前述の各実施形態では、スクラバー液供給ユニット3は、純水供給ユニット54と、スローリーク水供給ユニット55とを含むとして説明した。また、リンス液供給ユニット8が、スクラバー液供給ユニット3の一部を兼用しているとして説明した。しかしながら、スクラバー液供給ユニット3は、これらのユニット54,55,8の少なくとも1つを備えていればよい。
また、スクラバー液供給ユニット3とは別のユニットを用いて(たとえばオペレータの手作業により)、スクラバー液SLを下部領域2Dに溜める構成が実現されていてもよい。
また、外排気ライン62の途中部に、下方(たとえば鉛直下方に向けて延びる)分岐ラインを分岐接続してもよい。この場合、外排気ライン62を流れる排気が、分岐部分においてさらに気液分離されるので、排気配管11および分岐配管70における気液分離が不十分な場合であっても、水を含む排気が排気源17に導かれるのを抑制または防止できる。
また、外排気ライン62の途中部に気液分離器を介装してもよい。この場合、排気配管11および分岐配管70における気液分離が不十分な場合であっても、水を含む排気が排気源17に導かれるのを抑制または防止できる。
また、前述の各実施形態では、排液用の分岐配管70を排気配管11に分岐接続させる構成を例に挙げて説明したが、排気配管11から分岐配管70を分岐させない構成とすることもできる。この場合、外排気ライン62の途中部に、気液分離器などを設ける必要がある。
また、前述の各実施形態では、下部領域2Dの全域にスクラバー液SLを溜める構成を例に挙げたが、排気口10,210が形成される筒状壁41の内部のみにスクラバー液SLを溜める構成を採用してもよい。このような構成は、筒状壁41に連通穴51を設けないようにすることにより実現できる。
また、各実施形態では筒状壁41に排気口10,210を形成する構成を例に挙げたが、排気口10,210を筒状壁41でなく、他の部位(たとえばチャンバ2の側壁16)に形成することもできる。
また、ph計77を用いたスクラバー液SLのph値の監視や、液位センサ78を用いた液位の監視は、薬液処理中のみに行うようにしてもよい。
また、基板Wの処理に用いる処理液の種類や濃度等によっては、スクラバー液SLが強酸性や強アルカリ性を明らかに呈さないこともあるが、このような場合には、スクラバー液SLのph値の監視を行わないようにすることもでき、この場合、ph計77を設けない構成を採用することもできる。
また、液位センサ78を用いてスクラバー液SLの液位を監視する例を挙げたが、スローリーク水供給ユニット55からの水(リンス液)の供給流量等が多い場合には、スクラバー液SLの液位が下限液位未満に低下し得ないとも考えられる。このような場合には、スクラバー液SLの液位の監視を行わないようにすることもでき、この場合、液位センサ78を設けない構成を採用することもできる。
また、前述の各実施形態において、第1および第2の酸性薬液供給ユニット5,7を設け、2種の酸性薬液を供給する構成としたが、酸性薬液供給ユニットは、1種類の酸性薬液を供給するものであってもよい。また、酸性薬液供給ユニットが供給する酸性薬液としてフッ酸やSC2を例示したが、酸性薬液供給ユニットが供給する酸性薬液は、これら以外にも、BHF(Bufferd HF)、硫酸、SPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水)、SPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水)、フッ硝酸(フッ酸と硝酸(HNO)との混合液)等を例示できる。
また、前述の各実施形態において、アルカリ性薬液供給ユニット6が供給するアルカリ性薬液としてSC1を例示したが、アルカリ性薬液供給ユニットが供給するアルカリ性薬液は、これ以外にも、アンモニア水や、フッ化アンモニウムなどを例示できる。
また、基板処理装置1が、酸性薬液供給ユニット5,7およびアルカリ性薬液供給ユニット6以外に、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol:IPA)等の有機溶剤を供給する有機溶剤供給ユニット(図示しない)を備えていてもよい。
この場合、リンス工程(S18。図6参照)の終了後、スピンドライ工程(S21)の開始に先立って、スピンチャンク4により保持されている基板Wの上面に有機溶剤が供給される。また、基板Wの回転は、零または低速度(10〜50rpm程度)まで減速させられる。これにより、基板Wの表面のリンス液がIPAで置換され、基板Wの上面全域を覆うIPAの液膜がパドル状に保持される。基板WにIPAの液膜が形成された後も、基板Wの上面へのIPAの供給は続行され、そのため、基板Wの周縁部からIPAが排出される。
基板Wの周縁部から排出されたIPAは、第4のガード49の内壁を伝って流下し、第4のガード49の下端(案内部53の下端)から落液し、下部領域2Dに溜められているスクラバー液SLに直接受け止められる。スクラバー液SLに受けられたIPAは、スクラバー液SLと共に下部領域2Dに溜められ、スクラバー液SLに含まれる純水によって希釈されて、スクラバー液SLとして機能する。
また、基板Wに対するIPAの供給により、処理カップ9内でIPAのミスト(微小な液滴)が発生し、処理カップ9内の雰囲気にIPAが含まれるようになる。IPAを含む処理カップ9の雰囲気は、排気口10から排気配管11内に取り込まれ、スクラバー液SLと気液接触しながら排気配管11内を移動する。その移動過程で、雰囲気に含まれるIPAがスクラバー液SLに溶け込んで除害され、除害後の雰囲気が排気源17に導かれる。
なお、このIPAの供給中には、第4のガード49を除くガード46〜48を基板Wの周端面に対向させてもよい。
有機溶剤は、IPA、メタノール、エタノール、HFE(ハイドロフロロエーテル)およびアセトンのうちの少なくとも1つを含む。また、有機溶剤としては、単体成分のみからなる場合だけでなく、他の成分と混合した液体であってもよい。たとえば、IPAとアセトンの混合液であってもよいし、IPAとメタノールとの混合液であってもよい。
また、前述の各実施形態では、処理流体として処理液を用いたが、処理液として処理ガスを用いることができるのは、いうまでもない。また、複数種の処理流体を用いて基板Wを処理する場合に限られず、単一種の処理流体を用いて基板Wを処理するようにしてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。
1 基板処理装置
2 チャンバ
2D 下部領域
3 スクラバー液供給ユニット
4 スピンチャック(基板保持ユニット)
5 第1の酸性薬液供給ユニット(処理流体供給ユニット、処理液供給ユニット)
6 アルカリ性薬液供給ユニット(処理流体供給ユニット、処理液供給ユニット)
7 第2の酸性薬液供給ユニット(処理流体供給ユニット、処理液供給ユニット)
8 リンス液供給ユニット(処理流体供給ユニット、処理液供給ユニット)
10 排気口
11 排気配管
41 筒状壁
49 第4のガード(案内ガード)
57 純水配管(水配管)
58 純水バルブ(水バルブ)
60 スローリーク水配管(使用済み水配管)
70 分岐配管
70A 分岐位置
73 液溜め壁
77 ph計
78 液位センサ
210 排気口
241B 櫛歯(充填物)
301 阻害板(充填物)
302 阻害板(充填物)
SL スクラバー液
W 基板

Claims (12)

  1. 下部領域が液溜め可能な構成に設けられたチャンバと、
    前記チャンバの内部で基板を保持するための基板保持ユニットと、
    前記基板保持ユニットに保持されている基板に処理流体を供給する処理流体供給ユニットと、
    前記下部領域で横向きに開口する排気口を有し、前記排気口と反対側から排気源によって内部が排気される排気配管と、
    前記下部領域において、前記排気口の少なくとも一部が液中に没する液位に溜められたスクラバー液とを含み、
    前記排気配管は、当該排気配管内に進入したスクラバー液を堰き止めて当該排気配管内に溜める液溜め壁を有している、基板処理装置。
  2. 前記排気配管の前記液溜め壁よりも下流側の位置に分岐接続され、前記液溜め壁から溢れたスクラバー液を下方に導く分岐配管をさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記処理流体供給ユニットは、前記基板保持ユニットに保持されている基板に処理液を供給する処理液供給ユニットを含み、
    前記基板処理装置は、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板保持ユニットの周囲を取り囲み、前記基板の周囲に排出された処理液を前記処理チャンバの前記下部領域に案内する案内ガードをさらに含む、請求項1または2に記載の基板処理装置。
    ずれか一項に記載の基板処理装置。
  4. 前記下部領域にスクラバー液を供給するスクラバー液供給ユニットをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  5. 前記スクラバー液供給ユニットは、前記下部領域に水を供給する水配管と、水配管を開閉する水バルブとを含む、請求項4に記載の基板処理装置。
  6. 前記スクラバー液供給ユニットは、前記基板処理装置内で使用済みの水を、前記下部領域に供給する使用済み水配管を含む、請求項4または5に記載の基板処理装置。
  7. 前記処理流体供給ユニットは、前記基板保持ユニットに保持されている基板にリンス液を供給するリンス液供給ユニットを含み、
    前記リンス液供給ユニットが前記スクラバー液供給ユニットを兼用している、請求項4〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 前記下部領域には、当該下部領域に溜められているスクラバー液を排液するための排液配管と、前記排液配管を開閉する排液バルブとが設けられている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  9. 前記下部領域に溜められているスクラバー液のph値を計測するph計をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  10. 前記下部領域に溜められているスクラバー液の液位を検出する液位センサをさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  11. 前記基板保持ユニットの周囲を取り囲む筒状壁をさらに含み、
    前記筒状壁に、前記排気口が開口している、請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  12. 前記排気配管内には、前記排気口から取り込まれる雰囲気を微小化するための充填物が配置されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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