JP2016071908A - 磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ及び磁気記録再生装置 Download PDF

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朝彦 澁谷
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厚 味岡
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Sadaharu Yoneda
貞春 米田
淳史 積田
Atsushi Tsumita
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Abstract

【課題】
効率良くマイクロ波信号が伝搬される磁気ヘッドを提供する。
【解決手段】
本発明の磁気ヘッドは、記録信号磁界を発生する記録素子と、マイクロ波磁界を発生するマイクロ波磁界発生素子39と、端子電極35、36と、端子電極35、36とマイクロ波磁界発生素子39を接続する第1の伝送線路40とを有する磁気ヘッドスライダを有し、端子電極35、36には磁気ヘッドスライダ13の外部からマイクロ波信号を磁気ヘッドスライダに伝送するための第2の伝送線路が接続され、端子電極35、36とマイクロ波磁界発生素子39の間に第1の伝送線路40に接続されたコンデンサ44を有している。
【選択図】図7A

Description

本発明は、磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ及び磁気記録再生装置に関し、特にマイクロ波アシスト記録方式の磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ及び磁気記録再生装置に関する。
磁気ディスク装置に代表される磁気記録再生装置の高記録密度化に伴い、磁気ヘッド及び磁気記録媒体のさらなる性能及び特性の向上が要求されている。磁気ヘッドとしては、データ信号読み出し用の再生素子としての磁気抵抗(MR)効果素子と、データ信号書き込み用の記録素子としての電磁コイル素子とを積層した構造である複合型磁気ヘッドが広く用いられている。現在、このヘッドにおいて、両素子それぞれの、微細加工の適用による小型化及び新材料系の適用による特性の向上が図られている。
一方、磁気記録媒体の記録層は、磁性粒子の集合体となっている。ここで一般に、1つの記録ビットは複数の磁性粒子から構成されているが、記録ビットの境界の磁気的なゆらぎを減少させて記録密度を高めるために、磁性粒子の微細化が従来図られてきた。しかし、磁性粒子の微細化を進めると、体積減少に伴って磁性粒子内の磁化の熱揺らぎが大きくなり、磁化の熱安定性の低下が問題となる。
この問題への1つの対処として、面内磁気記録方式から垂直磁気記録方式への移行が検討され、実際、製品化も実現している。垂直磁気記録用の媒体においては、磁性粒子を微細化しても所定の記録層厚を確保すること等によって、長手磁気記録用の媒体と比較して熱揺らぎをより抑えることが容易となる。これにより面記録密度の大幅な向上が可能となる。
しかしながら、さらなる記録密度の向上を図るためには、垂直磁気記録用の磁気記録媒体の記録層を構成する磁性粒子のさらなる微細化とともに、熱揺らぎをより確実に抑制することが求められる。このために、磁性粒子の磁気異方性エネルギーKを大きくすることが考えられるが、この磁気異方性エネルギーKの増加は、記録層の保磁力の増加をもたらす。実際、熱揺らぎの抑制を図った記録層の保磁力は、例えば5kOe(400kA/m)以上の値となる。これに対して、磁気ヘッドによる書き込み磁界強度は、磁気ヘッド内の磁極を構成する軟磁性材料の飽和磁束密度でほぼ決定されてしまい、一般に保磁力の2倍程度の書き込み磁界が必要とされている飽和磁気記録を行うことが非常に困難な状況となる。
ここでさらなる対策として、保磁力の大きな(磁気異方性エネルギーKの大きな)記録層を用いる一方で、記録の際、記録層に補助的にエネルギーを与えて実効的な保磁力を低下させ、記録層への信号記録(磁性粒子の磁化反転)をアシストするエネルギーアシスト記録が提案されている。アシストするエネルギー源としてマイクロ波磁界を用いた記録方式は、マイクロ波アシスト磁気記録(Microwave Assisted Magnetic Recording : MAMR)と呼ばれている。
マイクロ波アシスト磁気記録においては、マイクロ波磁界を磁気ヘッドの記録素子近傍に配置されたマイクロ波発振子で発生させる方式(自励方式)と、薄膜磁気ヘッドとは独立したマイクロ波信号発生回路からマイクロ波励振電流を記録素子近傍に形成されたマイクロ波磁界発生素子に供給し、マイクロ波磁界を発生させる方式(他励方式)とが知られている。他励方式では、マイクロ波磁界発生素子にマイクロ波励振電流を供給するためのマイクロ波伝送線路をサスペンション上やヘッドスライダのマイクロ波磁界発生素子形成面に設ける必要がある。
特許文献1には、マイクロ波励振電流を効率よくマイクロ波発生素子(マイクロ波磁界発生素子)に供給するための、マイクロ波磁界発生素子に接続される磁気ヘッドスライダ上の配線の最適化により、限られた電力で所定のマイクロ波磁界強度を発生させることのできる薄膜磁気ヘッドが提案されている。これによると、マイクロ波磁界発生素子がほぼ短絡端状態であることを特徴とした薄膜磁気ヘッドにより、効率よくマイクロ波信号をマイクロ波磁界発生素子に供給することができ、マイクロ波磁界を発生させることができる。
また特許文献2に記載されているように、マイクロ波信号の伝送損失を改善するための、サスペンション上に設けるマイクロ波伝送線路が提案されている。これによると、マイクロ波伝送線路の上下に位置するシールドおよびこれらのシールドを接続する導体柱の位置関係により、マイクロ波伝送線路の特性インピーダンスを制御することで、マイクロ波信号を効率的に伝送することを可能としている。
特開2013−206476公報 特開2010−73297公報
有効なマイクロ波アシスト磁気記録のためには、所定のマイクロ波磁界強度が必要であり、所定のマイクロ波磁界を効率的に発生させるためには、マイクロ波励振電流を効率よくマイクロ波磁界発生素子に供給することが必要である。
特許文献1は、磁気ヘッドスライダに形成するマイクロ波励振電流の伝送線路の最適化、特許文献2は、サスペンション上に形成されるマイクロ波励振電流の伝送線路の特性改善についての提案であり、単に各々を組み合わせただけでは、サスペンション上の伝送線路の特性インピーダンスとマイクロ波磁界発生素子を含めた磁気ヘッドスライダ上の伝送線路の特性インピーダンスとの間のインピーダンス不整合による反射損失が発生し、マイクロ波励振電流を効率よくマイクロ波磁界発生素子に供給することができなかった。
磁気ヘッドスライダに形成されるマイクロ波磁界発生素子は、通常、微小な導体線路によって形成されるため、物理的な抵抗成分が極めて小さい。そのため、磁気ヘッドスライダの端子電極からマイクロ波磁界発生素子側を見込んだ特性インピーダンスと、端子電極からサスペンション上のマイクロ波伝送線路側を見込んだ特性インピーダンスとの間のインピーダンス不整合が生じやすい。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率良くマイクロ波信号が伝搬される磁気ヘッドを提供することである。また、本発明の他の目的は、かかる磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び磁気記録再生装置を提供することである。
上記目的は以下の手段によって達成される。
上記目的を達成するための本発明に係る磁気ヘッドは、記録信号磁界を発生する記録素子と、マイクロ波磁界を発生するマイクロ波磁界発生素子と、端子電極と、前記端子電極と前記マイクロ波磁界発生素子を接続する第1の伝送線路とを有する磁気ヘッドスライダを有し、前記端子電極には前記磁気ヘッドスライダの外部からマイクロ波信号を前記磁気ヘッドスライダに伝送するための第2の伝送線路が接続され、前記端子電極と前記マイクロ波磁界発生素子の間に前記第1の伝送線路に接続されたコンデンサを有していることを第1の特徴とする。
上記特徴の本発明によれば、端子電極とマイクロ波磁界発生素子の間に第1の伝送線路に接続されたコンデンサを含むことにより、磁気ヘッドスライダ内に整合回路が形成され、磁気ヘッドスライダの端子電極からマイクロ波磁界発生素子側を見込んだ特性インピーダンスと第2の伝送線路側を見込んだ特性インピーダンスとのインピーダンス整合を行うことが可能となる。
これにより、第2の伝送線路から入力されるマイクロ波信号が磁気ヘッドスライダの端子電極で反射することを抑制でき、効率よくマイクロ波信号をマイクロ波磁界発生素子に伝搬することが可能となる。
さらに本発明に係る磁気ヘッドは、前記第1の伝送線路および前記第2の伝送線路が、差動信号用伝送線路であることを第2の特徴とする。
上記特徴の本発明によれば、第1の伝送線路および第2の伝送線路の特性インピーダンスは、伝送線路外からの影響を受けにくくなる。
さらに本発明に係る磁気ヘッドは、前記コンデンサは、前記マイクロ波磁界発生素子と並列に前記第1の伝送線路に接続されていることを第3の特徴とする。
上記特徴の本発明によれば、マイクロ波磁界発生素子と並列に接続されたコンデンサは、第1の伝送線路のインダクタ成分をキャンセルさせるような容量成分を生じさせないため、マイクロ波磁界発生素子と並列に接続されたコンデンサをより小型化することが可能となる。
さらに本発明に係る磁気ヘッドは、前記第1の伝送線路はインダクタ成分をもつことを第4の特徴とする。
上記特徴の本発明によれば、他のインダクタ成分をもつ素子を整合回路内に追加する必要がないため、整合回路を小型化できるので、大きさの限られた磁気ヘッドスライダ内に整合回路を形成しやすくなる。
さらに本発明に係る磁気ヘッドは、前記第1の伝送線路は、前記磁気ヘッドスライダの素子形成面から積層方向に延びる2つのA線路を有し、前記コンデンサは、一方の前記A線路に接続されている第1の平板状の導体と他方の前記A線路に接続されている第2の平板状の導体とそれらの間に存在する誘電体とで形成されるコンデンサであることを第5の特徴とする。
上記特徴の本発明によれば、第1の平板状の導体と第2の平板状の導体との間で、大きさの限られている磁気ヘッドスライダ内にコンデンサを容易に形成することができる。
さらに本発明に係る磁気ヘッドは、前記第1の平板状の導体と前記第2の平板状の導体の少なくとも一方は前記A線路に直接接続されていることを第6の特徴とする。
容量成分を持つ素子を追加するためにA線路とは別の新たな伝送線路を設けると、容量成分をキャンセルさせるような寄生インダクタ成分が生じるため、大きな容量成分を持つ素子が必要となり、容量成分を持つ素子が大型化し、整合回路が大型化してしまう。しかしながら、上記特徴の本発明によれば、そのような新たな伝送線路を設けることなく整合回路が容量成分を持つことができる。
これにより、整合回路を小型化できるので、大きさの限られた磁気ヘッドスライダ内に整合回路を形成しやすくなる。
さらに本発明に係る磁気ヘッドは、前記コンデンサは、前記第1の平板状の導体と前記第2の平板状の導体とが複数積層されて形成されていることを第7の特徴とする。
上記特徴の本発明によれば、コンデンサを積層構造で形成されたものとしたため、端子電極とマイクロ波磁界発生素子の間に形成するコンデンサの容量値を増やすことができる。
これにより、低周波帯域でのマイクロ波信号に対してもインピーダンス整合が可能となる。
さらに本発明に係る磁気ヘッドは、前記端子電極と前記マイクロ波磁界発生素子との間に、前記マイクロ波磁界発生素子と並列に前記第1の伝送線路に接続されたインダクタ成分を有する伝送線路を有し、前記コンデンサは、前記インダクタ成分を有する伝送線路と前記マイクロ波磁界発生素子の間で前記マイクロ波磁界発生素子と直列に前記第1の伝送線路に接続されていることを第8の特徴とする。
上記特徴の本発明によれば、マイクロ波磁界発生素子と並列に第1の伝送線路に接続されたインダクタ成分を有する伝送線路とマイクロ波磁界発生素子と直列に接続されたコンデンサにより、磁気ヘッドスライダ内に整合回路が形成され、磁気ヘッドスライダの端子電極からマイクロ波磁界発生素子側を見込んだ特性インピーダンスと第2の伝送線路側を見込んだ特性インピーダンスとのインピーダンス整合を行うことが可能となる。
さらに本発明に係る磁気ヘッドは、前記第1の伝送線路は、前記磁気ヘッドスライダの素子形成面から積層方向に延びるA線路を有し、前記コンデンサは、前記A線路が積層方向に複数領域に分かれ、その間に誘電体があることで形成されることを第9の特徴とする。
上記特徴の本発明によれば、磁気ヘッドスライダの素子形成面から積層方向に延びるA線路を利用してコンデンサを形成することで、大きさの限られている磁気ヘッドスライダ内にコンデンサを容易に形成することができる。
さらに本発明に係る磁気ヘッドは、前記第1の伝送線路は、前記磁気ヘッドスライダの素子形成面に沿って延びるB線路を有し、前記コンデンサは、前記B線路が積層方向に複数領域に分かれ、その間に誘電体があることで形成されることを第10の特徴とする。
上記特徴の本発明によれば、磁気ヘッドスライダの素子形成面に沿って延びるB線路を利用してコンデンサを形成することで、大きさの限られている磁気ヘッドスライダ内にコンデンサを容易に形成することができる。
さらに本発明に係るヘッドジンバルアセンブリは、前記磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドスライダを支持するサスペンションとを有することを第11の特徴とする。
さらに本発明に係る磁気記録再生装置は、前記ヘッドジンバルアセンブリと、磁気記録媒体とを有することを第12の特徴とする。
本発明によれば、効率良くマイクロ波信号をマイクロ波磁界発生素子に伝搬することが可能な磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ及び磁気記録再生装置を提供することができる。
第1実施形態の磁気記録再生装置(磁気ディスク装置)の模式図 第1実施形態のヘッドジンバルアセンブリの平面図 第1実施形態のヘッドジンバルアセンブリの側面図 第1実施形態のヘッドジンバルアセンブリと磁気ヘッドスライダの構成を示す模式図 第1実施形態の磁気ヘッドスライダの概略斜視図 第1実施形態の磁気ヘッドスライダの断面図 第1実施形態の磁気ヘッドスライダ内の端子電極からマイクロ波磁界発生素子までのブロック図 第1実施形態の磁気ヘッドスライダ内の端子電極からマイクロ波磁界発生素子までの模式図 第1実施形態の磁気ヘッドスライダ内の端子電極からマイクロ波磁界発生素子までの断面図 第2実施形態の磁気ヘッドスライダ内の端子電極からマイクロ波磁界発生素子までのブロック図 第2実施形態の磁気ヘッドスライダ内の端子電極からマイクロ波磁界発生素子までの模式図 第3実施形態の磁気ヘッドスライダ内の端子電極からマイクロ波磁界発生素子までの模式図 第4実施形態の磁気ヘッドスライダ内の端子電極からマイクロ波磁界発生素子までのブロック図 第4実施形態の磁気ヘッドスライダ内の端子電極からマイクロ波磁界発生素子までの模式図 第4実施形態の他の例の磁気ヘッドスライダ内の端子電極からマイクロ波磁界発生素子までの模式図 第1実施形態の磁気ヘッドスライダ内の端子電極からマイクロ波磁界発生素子までの等価回路図 比較例の磁気ヘッドスライダ内の端子電極からマイクロ波磁界発生素子までの等価回路図
本発明を実施するための好適な形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
(第1の実施形態)
図1は第1実施形態の磁気記録装置(磁気ディスク装置)1の模式図を示す。磁気記録再生装置1は磁気ヘッド8を含むヘッドジンバルアセンブリ(HGA)12と磁気記録媒体(磁気ディスク)10とを有する。磁気記録媒体10およびヘッドアジンバルセンブリ12の数に制約はなく複数設けられてもよい。磁気ヘッド8は、磁気ヘッドスライダ13を有して構成されている。ヘッドアジンバルセンブリ12は、磁気ヘッドスライダ13と磁気ヘッドスライダ13を支持するサスペンション9とを有して構成されている。磁気記録媒体10は、スピンドルモータ11によって、その回転軸を中心に回転する。磁気ヘッドスライダ13は、磁気記録媒体10に対してデータ信号の書込み及び読出しを行う。サスペンション9は、ピボットベアリング軸15を中心に回動可能なアーム18に固定されている。サスペンション9は、ボイスコイルモータ(VCM)14によって、磁気記録媒体10上で磁気ヘッドスライダ13の位置決めを行う。信号制御回路19は磁気ヘッドスライダ13の書込み及び読出し動作を制御すると共に、強磁性共鳴用のマイクロ波信号(マイクロ波励振電流)を制御する。信号制御回路19は、後述する第2の伝送線路22cに接続されたマイクロ波信号発生回路19aと、制御部19bを備えている。マイクロ波信号発生回路19aや制御部19bは、例えばサスペンション9上に設置されていてもよく、設置場所は問わない。
図2A,2Bに、第1実施形態のヘッドジンバルアセンブリ12の平面図(磁気記録媒体側から見た下面図)及び側面図を示す。サスペンション9は、その一端側に磁気ヘッドスライダ13が取り付けられたフレクシャ21と、磁気ヘッドスライダ13を所定の圧力で磁気記録媒体10の表面に押し付けるロードビーム20と、を有している。フレクシャ21は弾性変形可能であり、磁気ヘッドスライダ13を磁気記録媒体10の表面の変動に追従させるジンバル機能を有している。フレクシャ21の表面には伝送線路22が形成されている。フレクシャ21はロードビーム20に連結され、ロードビーム20は磁気記録媒体上で磁気ヘッドスライダ13の位置決めを行う駆動アーム18に接続されている。
図3は、第1実施形態のヘッドジンバルアセンブリ12と磁気ヘッドスライダ13の構成を示す模式図である。同図は図2Bの方向Aから見た図である。フレクシャ21は、本体部21aと、磁気ヘッドスライダ13の支持部21cと、本体部21aと支持部21cとを連結する連結部21bがある。連結部21bは一対の腕部からなり、腕部は本体部21a及び支持部21cに比べて剛性が低くなっている。一例として伝送線路22は、磁気ヘッドスライダ13の記録素子への記録信号を伝送するための記録信号伝送線路22aと、磁気ヘッドスライダ13の再生素子から再生出力電圧を取り出すための再生信号伝送線路22bと、磁気ヘッドスライダ13の外部(マイクロ波信号発生回路19a)からマイクロ波信号を磁気ヘッドスライダ13に伝送するためのマイクロ波信号伝送線路である第2の伝送線路22cとを有する。伝送線路22は、各伝送線路22a〜22cの順番が変わっていてもよく、磁気ヘッドスライダ13の浮上量を調整するためのヒーター用伝送線路、浮上量を検出するセンサー用伝送線路(共に図示せず)を含んでいてもよい。第2の伝送線路22cは差動信号用伝送線路である。各伝送線路22a、22b、22cは、一般的には銅で形成されている。
図4は、第1実施形態の磁気ヘッドスライダ13の概略斜視図である。図5は、図4のV−V線に沿った第1実施形態の磁気ヘッドスライダ13の断面図である。磁気ヘッドスライダ13は、適切な浮上量を得るように加工されたABS(Air Bearing Surface)30aを有する磁気ヘッドスライダ基板30と、ABS30aと垂直な素子形成面30bに設けられたヘッド素子31と、ヘッド素子31を覆うように素子形成面30b上に設けられた保護部32と、保護部32の表面から露出している6つの端子電極33、34、35、36、37及び38を備えている。磁気ヘッドスライダ基板30は、アルティック(Al2O3−TiC)等の材料からなる。端子電極33、34、35、36、37及び38は、図4に示された位置に限定されるものではなく、この素子形成面30bのどの位置にどのような配列で設けてもよい。ヒーターやセンサー(図示せず)を備えている場合は、それらに電気的に接続される端子電極が設けられる。
ヘッド素子31は主に、磁気記録媒体10からデータ信号を読出すための磁気抵抗効果(MR)を用いた再生素子31aと、記録信号磁界を発生し磁気記録媒体10に記録信号磁界を印加してデータ信号を書込むための記録素子31bと、マイクロ波磁界を発生し磁気記録媒体10にマイクロ波磁界を印加するマイクロ波磁界発生素子39から構成されている。再生素子31a、記録素子31bおよびマイクロ波磁界発生素子39は、素子形成面30b上に各素子を構成する膜が積層されて形成されている。例えば、端子電極33,34は再生素子31aに電気的に接続されており、端子電極37,38は記録素子31bに電気的に接続されており、端子電極35,36は後述する第1の伝送線路40によってマイクロ波磁界発生素子39に電気的に接続されている。各々接続される端子の位置や配列などは問わない。
例えば、各伝送線路22a,22b,22cの磁気ヘッドスライダ13側の先端は、ボールボンディングによって、それぞれ端子電極37、38、端子電極33、34、端子電極35、36に接続されている。つまり、第2の伝送線路22cは端子電極35、36に接続され、マイクロ波信号は第2の伝送線路22cから端子電極35、36を介してマイクロ波磁界発生素子39に供給される。また、ボールボンディングの代わりにワイヤボンディングによって各伝送線路22a,22b,22cと各端子電極とを接続してもよく、接続方法は問わない。
図5を用いて、磁気ヘッドスライダ13内のマイクロ波磁界発生素子39の位置構成例を説明する。磁気ヘッドスライダ基板30の素子形成面30b上に、再生素子31aと、記録素子31bと、マイクロ波磁界発生素子39と、これらの素子を保護する保護部32とが主に形成されている。
再生素子31aは、MR積層体31a1と、この積層体を挟む位置に配置されている下部シールド層31a2及び上部シールド層31a3とを含んでいる。再生素子31aの端部がABS30a(より詳細には、ABS30aの磁気ヘッドスライダ端面30d)に位置している。MR積層体31a1は、磁気記録媒体10からの信号磁界を感受する。下部シールド層31a2及び上部シールド層31a3は、MR積層体31a1にとって雑音となる外部磁界の影響を受けることを防止する。
記録素子31bは垂直磁気記録用の構成を有している。具体的には、記録素子31bは、主磁極層31b1と、トレーリングギャップ層31b2と、主磁極層31b1と補助磁極層31b5との間を通過するように形成された書込みコイル31b3と、書込みコイル絶縁層31b4と、補助磁極層31b5と、補助シールド層31b6と、リーディングギャップ層31b7と、を備えている。主磁極層31b1は記録素子31bの主磁極であり、主磁極層31b1の端部がABS30a(より詳細には、ABS30aの磁気ヘッドスライダ端面30d)に位置しており、データ信号の書込み時に主磁極層31b1のABS30a側の端部から記録信号磁界を発生する。
主磁極層31b1は、書込みコイル31b3に書込み電流が印加されることによって発生した磁束を、書込みがなされる磁気記録媒体10の磁気記録層まで収束させながら導くための導磁路であり、主磁極ヨーク層31b11及び主磁極主要層31b12から構成されている。
補助磁極層31b5及び補助シールド層31b6は、それぞれ、主磁極層31b1のトレーリング側及びリーディング側に配置されている。補助磁極層31b5及び補助シールド層31b6のABS30a側の端部は、それぞれ、他の部分よりも層断面が広いトレーリングシールド部31b51及びリーディングシールド部31b61となっている。トレーリングシールド部31b51は、主磁極層31b1のABS30a側の端部とトレーリングギャップ層31b2を介して対向している。また、リーディングシールド部31b61は、主磁極層31b1の磁気ヘッドスライダ端面30d側の端部とリーディングギャップ層31b2を介して対向している。このようなトレーリングシールド部31b51及びリーディングシールド部31b61を設けることにより、磁束のシャント効果によって、トレーリングシールド部31b51と主磁極層31b1の端部との間、及びリーディングシールド部31b61の端部と主磁極層31b1の端部との間における記録信号磁界の磁界勾配がより急峻になる。
マイクロ波磁界発生素子39は、例えば、主磁極層31b1の主磁極主要層31b12と、補助磁極層31b5のトレーリングシールド部31b51との間に形成されている。マイクロ波磁界発生素子39はABS30aの近傍にある。マイクロ波磁界発生素子39は銅などの導体で構成されている。マイクロ波磁界発生素子39にマイクロ波信号が流れることによって、マイクロ波磁界発生素子39の周囲にマイクロ波磁界が発生する。ABS30aに面する各素子の端部及びその近傍には、保護のために極めて薄いダイヤモンドライクカーボン(DLC)等のコーティングが施されている。
次にマイクロ波アシスト記録を簡単に説明する。マイクロ波磁界発生素子39はABS30aの近傍にあり磁気記録媒体10に近接しているため、磁気記録媒体10内に、磁気記録媒体10の略面内方向を向くマイクロ波磁界が印加される。このマイクロ波磁界は、磁気記録媒体10の磁気記録層の強磁性共鳴周波数またはその近傍の周波数を有するマイクロ波帯域(例えば1GHz〜100GHz)のマイクロ波磁界である。
磁気記録媒体10の磁気記録層にマイクロ波磁界を印加することにより、磁気記録層の保磁力を低減させることができる。そこに記録素子31bの主磁極層31b1より記録信号磁界を重畳させることにより、磁気記録層の磁化を効率良く反転させることができる。その結果、書込みに必要となる垂直方向の記録磁界強度を大幅に低減することができる。マイクロ波磁界発生素子39から発生するマイクロ波磁界の強度を強めるには、マイクロ波磁界発生素子39のインピーダンスは概ね短絡状態にあることが望ましい。
図6は図4の磁気ヘッドスライダ13内の端子電極35、36からマイクロ波磁界発生素子39までの、整合回路41を含むブロック図である。整合回路41は、第1の伝送線路40と、マイクロ波磁界発生素子39と並列に第1の伝送線路40に接続されているコンデンサ44を有している。また端子電極35、36とマイクロ波磁界発生素子39は第1の伝送線路40で接続されている。
図7A、図7Bは磁気ヘッドスライダ13内の端子電極35、36からマイクロ波磁界発生素子39までの模式図及び断面図である。図7Aに示すように磁気ヘッドスライダ13は、端子電極35、36とマイクロ波磁界発生素子39を接続する第1の伝送線路40を有している。第1の伝送線路40は差動信号用伝送線路である。図7Bは図7AのB−B線に沿った断面図である。第1の伝送線路40は、磁気ヘッドスライダ13の素子形成面30bから素子形成面30bに形成される各素子の膜の積層方向に延びる2つのA線路46a、46bと、素子形成面30bに沿ってABS30a側に延びるB線路47を備えている。なお、図7Bにおいて、ABS30aおよび素子形成面30bに平行な方向から見たA線路46a、46bおよびB線路47を二点鎖線で囲った部分で示している。
磁気ヘッド8は、端子電極35、36とマイクロ波磁界発生素子39との間に第1の伝送線路40に接続されたコンデンサ44を有している。第1の伝送線路40と、一方のA線路46aに接続されている第1の平板状の導体42と他方のA線路46bに接続されている第2の平板状の導体43により形成されるコンデンサ44とで整合回路41が構成されている。第1の伝送線路40はインダクタ成分をもち、整合回路41のインダクタ成分は、第1の伝送線路40によるものである。また、第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43の間に誘電体51が存在することにより、第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43との間にコンデンサ44が形成される。整合回路41の容量成分は、このコンデンサ44によるものである。第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43は磁気ヘッドスライダ13の素子形成面30b上に積層されている。第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43は第1の伝送線路40に直接接続されている。また第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43とは複数積層されている。
なお、B線路47として素子形成面30bに沿ってABS30a側に延びる例を示しているが、A線路46a、46bがABS30aの近傍に形成されていれば、B線路47はABS30a側に延びていなくてもよい。また、A線路46a、46bにマイクロ波磁界発生素子39を直接接続して、B線路47を省略しても良い。
次に、磁気ヘッド8の作用について説明する。
磁気ヘッド8は、端子電極35、36とマイクロ波磁界発生素子39の間に第1の伝送線路40に接続されたコンデンサ44を有しているため、磁気ヘッドスライダ13内に整合回路41が形成され、磁気ヘッドスライダ13の端子電極35、36からマイクロ波磁界発生素子39側を見込んだ特性インピーダンスと第2の伝送線路22c側を見込んだ特性インピーダンスとのインピーダンス整合を行うことが可能となる。したがって、第2の伝送線路22cから入力されるマイクロ波信号が磁気ヘッドスライダ13の端子電極35、36で反射することを抑制でき、効率よくマイクロ波信号をマイクロ波磁界発生素子39に伝搬することが可能である。
さらに、磁気ヘッド8は、第1の伝送線路40および第2の伝送線路22cが、差動信号用伝送線路であるため、第1の伝送線路40および第2の伝送線路22cの特性インピーダンスは、伝送線路外からの影響を受けにくくなる。例えば、第1の伝送線路40が設置される磁気ヘッドスライダ13内および第2の伝送線路22cが設置されるサスペンション9上では、第1の伝送線路40および第2の伝送線路22cの下層にステンレスなどのグランドがある箇所とグランドが無い箇所が混在するため、第1の伝送線路40や第2の伝送線路22cがシングルエンド構造の伝送線路の場合には、グランドの有無により特性インピーダンスが大きく変化する。しかしながら、第1の伝送線路40および第2の伝送線路22cは差動信号用伝送線路であるため、グランドに対しての影響を受けにくくなる。これにより、差動の特性インピーダンス変化が少なくなるため、マイクロ波信号の伝送損失をより低減できる。
さらにマイクロ波磁界発生素子39と並列に接続されたコンデンサ44は、第1の伝送線路40のインダクタ成分をキャンセルさせるような容量成分を生じさせないため、コンデンサ44をより小型化することが可能となる。
さらに、磁気ヘッド8は、整合回路41のインダクタ成分が、第1の伝送線路40によるものであるため、他のインダクタ成分をもつ素子を整合回路41内に追加する必要がないため、整合回路41を小型化できるので、大きさの限られた磁気ヘッドスライダ13内に整合回路41を形成しやすくなる。
さらに磁気ヘッド8は、第1の伝送線路40が、磁気ヘッドスライダ13の素子形成面30bから積層方向に延びる2つのA線路46a、46bを有し、コンデンサ44は、一方のA線路46aに接続されている第1の平板状の導体42と他方のA線路46bに接続されている第2の平板状の導体43とそれらの間に存在する誘電体51とで形成されるので、第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43との間で、大きさの限られている磁気ヘッドスライダ13内にコンデンサ44を容易に形成することができる。
また、容量成分を持つ素子を追加するために第1の伝送線路40とは別の新たな伝送線路を設けると、容量成分をキャンセルさせるような寄生インダクタ成分が生じるため、大きな容量成分を持つ素子が必要となり、容量成分を持つ素子が大型化し、整合回路41が大型化してしまう。しかしながら、磁気ヘッド8は、第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43の少なくとも一方がA線路46a、46bの一方に直接接続されているので、そのような新たな伝送線路を設けることなく整合回路41が容量成分を持つことができ、整合回路41を小型化できるので、大きさの限られた磁気ヘッドスライダ13内に整合回路41を形成しやすくなる。
さらに、磁気ヘッド8は、第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43とが複数積層されて形成されているコンデンサ44を有するため、端子電極35とマイクロ波磁界発生素子39の間に形成するコンデンサ44の容量値を増やすことができ、低周波帯域でのマイクロ波信号に対してもインピーダンス整合が可能となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について、上記第1の実施形態とは構成が異なる部分についてのみ説明する。具体的には図8の磁気ヘッドスライダ13内の端子電極35、36からマイクロ波磁界発生素子39までのブロック図や、図9の磁気ヘッドスライダ13内の端子電極35、36からマイクロ波磁界発生素子39までの模式図に示すように、マイクロ波磁界発生素子39と並列に接続されている第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43とがインダクタ成分を持つ伝送線路45を介してA線路46a、46bにそれぞれ接続されて、第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43の間の誘電体51とともにコンデンサ44bを形成している。
第2の実施形態における磁気ヘッド8は、第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43がインダクタ成分を持つ伝送線路45を介して第1の伝送線路40と接続されていることにより、インダクタ成分を持つ伝送線路45とコンデンサ44bを含む構成の整合回路41bが形成されている。この場合、伝送線路45のインダクタ成分とコンデンサ44bの容量成分により図8に示すような直列共振回路が形成され、例えば高調波成分のような不必要な周波数成分をこの直列共振回路側に逃がすことが可能となる。そのため、所望の周波数のマイクロ波信号のみをマイクロ波磁界発生素子39側へ効率よく伝搬できる。
第2の実施形態では、第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43とが、インダクタ成分を持つ伝送線路45を介してA線路46a、46bにそれぞれ接続されているが、第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43の一方がA線路46a、46bの一方に直接接続され、他方がインダクタ成分を持つ伝送線路45を介してA線路46a、46bの他方に接続されていても良い。また、図9では第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43はそれぞれ1枚の例を示しているが、第1の平板状の導体42と第2の平板状の導体43はそれぞれ複数積層されていても良い。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について、上記第1の実施形態とは構成が異なる部分についてのみ説明する。具体的には図10の磁気ヘッドスライダ13内の端子電極35、36からマイクロ波磁界発生素子39までの模式図に示すように、マイクロ波磁界発生素子39と端子電極35、36を接続する第1の伝送線路40の長さが、第1の実施形態よりも長くなっている。このようにすることで、第1の伝送線路40のインダクタ成分を第1の実施形態よりも大きくすることができる。
このように、第1の伝送線路40の長さを変えることで整合回路41のインダクタ成分を調整し、特性インピーダンスを整合させることにより、第2の伝送線路22cから入力されるマイクロ波信号が磁気ヘッドスライダ13の端子電極35、36で反射することを抑制でき、効率よくマイクロ波信号をマイクロ波磁界発生素子39に伝搬させることが可能である。
(第4の実施形態)
第4の実施形態について、上記第1の実施形態とは構成が異なる部分についてのみ説明する。具体的には図11の磁気ヘッドスライダ13内の端子電極35、36からマイクロ波磁界発生素子39までのブロック図や図12、図13の磁気ヘッドスライダ13内の端子電極35、36からマイクロ波磁界発生素子39までの模式図に示すように、端子電極35、36とマイクロ波磁界発生素子39との間に、マイクロ波磁界発生素子39と並列に第1の伝送線路40に接続されたインダクタ成分を有する伝送線路49がある。また、コンデンサ48、54はインダクタ成分を有する伝送線路49とマイクロ波磁界発生素子39の間でマイクロ波磁界発生素子39と直列に第1の伝送線路40に接続されている。インダクタ成分を有する伝送線路49は、例えば図12のように、薄膜の導体パターンでインダクタ成分をもつようにメアンダラインのような形状にすることが好ましい。また、伝送線路49の形状は、スパイラルインダクタの形状でも良いし、必要なインダクタ成分が得られれば直線形状でも良い。
このようにすることで、マイクロ波磁界発生素子39と並列に第1の伝送線路40に接続されたインダクタ成分をもつ伝送線路49と、伝送線路49とマイクロ波磁界発生素子39の間でマイクロ波磁界発生素子39と直列に第1の伝送線路40に接続されているコンデンサ48、54とを含む構成の整合回路41cが形成され、第1の実施形態とは異なる構成の整合回路41cで端子電極35、36からマイクロ波磁界発生素子39側を見込んだ特性インピーダンスと第2の伝送線路22c側を見込んだ特性インピーダンスとのインピーダンス整合を行うことが可能となる。
図12や図13の模式図に示す形態は図11のブロック図上での回路構成は同じだが、図12の形態の場合は、第1の伝送線路40は、磁気ヘッドスライダ13の素子形成面30bに沿ってABS30a側に延びるB線路47と素子形成面30bから積層方向に延びるA線路50を有しており、コンデンサ48は、A線路50が積層方向に複数領域に分かれ、その間に誘電体53があることで形成されている構成になっている。素子形成面30bから積層方向に延びるA線路50を利用してコンデンサ48を形成することで、大きさの限られている磁気ヘッドスライダ13内にコンデンサを容易に形成することができる。
なお、A線路50がABS30aの近傍に形成されていれば、B線路47はABS30a側に延びていなくてもよい。また、A線路50にマイクロ波磁界発生素子39を直接接続して、B線路47を省略しても良い。
図13の形態の場合は、第1の伝送線路40は、磁気ヘッドスライダ13の素子形成面30bに沿ってABS30a側に延びるB線路52を有しており、コンデンサ54は、B線路52が積層方向に複数領域に分かれその間に誘電体55があることで形成されている構成になっている。素子形成面30bに沿って延びるB線路52を利用してコンデンサ54を形成することで、大きさの限られている磁気ヘッドスライダ13内にコンデンサ54を容易に形成することができる。
(実施例)
上記第1の実施形態に係る実施例の磁気ヘッド8をAgilent Technologies社の回路シミュレーションソフトであるADS(Advanced Design System)を用いて、第2の伝送線路22cから端子電極35,36までの反射損失(S11)の計算を行った。図14は第1の実施形態の等価回路図である。図15は比較例の等価回路図である。等価回路図上のP1、P2は端子電極35、36を示している。R5はマイクロ波磁界発生素子39を表している。L11〜L14は第1の伝送線路40を、C2はコンデンサ44を表している。また、実施例の磁気ヘッド8に対して、コンデンサ44が存在しない磁気ヘッドを比較例とする。比較例では図15に示すようにC2が無い。
表1では、マイクロ波信号の周波数が5GHz、10GHz、20GHz、30GHzのそれぞれの場合でインピーダンス整合を取った際のC2のキャパシタンスの値及びL11〜L14のインダクタンスの値を示している。表2は実施例と比較例の各周波数での反射損失(S11)の比較結果を示している。なお、比較例におけるL11〜L14のインダクタンスの値は、実施例におけるL11〜L14のインダクタンスの値と同じ値を用いた。
Figure 2016071908
Figure 2016071908
表1、表2の反射損失(S11)は、第2の伝送線路22cから端子電極35、36に入力されるマイクロ波信号の入力電力に対する反射電力の比をdB (デシベル)であらわしたものである。反射損失(S11)は、マイクロ波信号の端子電極35、36における反射による損失が小さい場合はマイナスの値が大きくなり、端子電極35、36における反射による損失が大きい場合は0に近くなる。
比較例ではインピーダンス整合が取れていないため、表2に示すとおり、S11の値がどの周波数においても0dBに近く、端子電極35、36に入力されたマイクロ波信号の電力の約90%以上が端子電極35、36部分で反射し、マイクロ波磁界発生素子39側に効率よくマイクロ波信号が供給されていない。
実施例においては、周波数に応じて第1の伝送線路40のインダクタ成分やコンデンサ44の容量成分を最適化してインピーダンス整合を取ることにより、どの周波数においてもS11が−10dB以下となり、効率よくマイクロ波磁界発生素子39側にマイクロ波信号を伝搬することができる。一般的にS11が−10dB以下となれば、端子電極35、36に入力されたマイクロ波信号の約90%以上がマイクロ波磁界発生素子39側に効率よく流れる。
1 磁気記録再生装置
8 磁気ヘッド
9 サスペンション
10 磁気記録媒体
11 スピンドルモータ
12 ヘッドジンバルアセンブリ
13 磁気ヘッドスライダ
14 ボイスコイルモータ
15 ピボットベアリング軸
18 駆動アーム
19 信号制御回路
19a マイクロ波信号発生回路
19b 制御回路
20 ロードビーム
21 フレクシャ
21a 本体部
21b 連結部
21c 支持部
22 伝送線路
22a 記録信号伝送線路
22b 再生信号伝送線路
22c 第2の伝送線路
30 磁気ヘッドスライダ基板
30a ABS
30b 素子形成面
30d 磁気ヘッドスライダ端面
31 ヘッド素子
31a 再生素子
31a1 MR積層体
31a2 下部シールド層
31a3 上部シールド層
31b 記録素子
31b1 主磁極層
31b11 主磁極ヨーク層
31b12 主磁極主要層
31b2 トレーリングギャップ層
31b3 書込みコイル
31b4 書込みコイル絶縁層
31b5 補助磁極層
31b51 トレーリングシールド部
31b6 補助シールド層
31b61 リーディングシールド部
31b7 リーディングギャップ層
32 保護部
33、34、35、36、37、38 端子電極
39 マイクロ波磁界発生素子
40 第1の伝送線路
41、41b、41c 整合回路
42 第1の平板状の導体
43 第2の平板状の導体
44、44b、48、54 コンデンサ
45、49 インダクタ成分を持つ伝送線路
46a、46b、50 A線路
47、52 B線路
51、53、55 誘電体

Claims (12)

  1. 記録信号磁界を発生する記録素子と、マイクロ波磁界を発生するマイクロ波磁界発生素子と、端子電極と、前記端子電極と前記マイクロ波磁界発生素子を接続する第1の伝送線路とを有する磁気ヘッドスライダを有し、前記端子電極には前記磁気ヘッドスライダの外部からマイクロ波信号を前記磁気ヘッドスライダに伝送するための第2の伝送線路が接続され、前記端子電極と前記マイクロ波磁界発生素子の間に前記第1の伝送線路に接続されたコンデンサを有していることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 前記第1の伝送線路および前記第2の伝送線路は、差動信号用伝送線路であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 前記コンデンサは、前記マイクロ波磁界発生素子と並列に前記第1の伝送線路に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ヘッド。
  4. 前記第1の伝送線路はインダクタ成分をもつことを特徴とする請求項1ないし3に記載の磁気ヘッド。
  5. 前記第1の伝送線路は、前記磁気ヘッドスライダの素子形成面から積層方向に延びる2つのA線路を有し、前記コンデンサは、一方の前記A線路に接続されている第1の平板状の導体と他方の前記A線路に接続されている第2の平板状の導体とそれらの間に存在する誘電体とで形成されるコンデンサであることを特徴とする請求項1ないし4に記載の磁気ヘッド。
  6. 前記第1の平板状の導体と前記第2の平板状の導体の少なくとも一方は前記A線路に直接接続されていることを特徴とする請求項5に記載の磁気ヘッド。
  7. 前記コンデンサは、前記第1の平板状の導体と前記第2の平板状の導体とが複数積層されて形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の磁気ヘッド。
  8. 前記端子電極と前記マイクロ波磁界発生素子との間に、前記マイクロ波磁界発生素子と並列に前記第1の伝送線路に接続されたインダクタ成分を有する伝送線路を有し、前記コンデンサは、前記インダクタ成分を有する伝送線路と前記マイクロ波磁界発生素子の間で前記マイクロ波磁界発生素子と直列に前記第1の伝送線路に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ヘッド。
  9. 前記第1の伝送線路は、前記磁気ヘッドスライダの素子形成面から積層方向に延びるA線路を有し、
    前記コンデンサは、前記A線路が積層方向に複数領域に分かれ、その間に誘電体があることで形成されることを特徴とする請求項8に記載の磁気ヘッド。
  10. 前記第1の伝送線路は、前記磁気ヘッドスライダの素子形成面に沿って延びるB線路を有し、
    前記コンデンサは、前記B線路が積層方向に複数領域に分かれ、その間に誘電体があることで形成されることを特徴とする請求項8に記載の磁気ヘッド。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドスライダを支持するサスペンションとを有するヘッドジンバルアセンブリ。
  12. 請求項11に記載のヘッドジンバルアセンブリと、磁気記録媒体とを有する磁気記録再生装置。
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