JP2016071749A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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卓也 澤田
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Abstract

【課題】エッジ強調処理の前処理として、ノイズを効果的に抑制することが可能な画像処理装置を得る。
【解決手段】エッジ検出部14は、画像内のエッジを検出し、エッジ強度算出部13は、エッジ検出部14による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する。また、周波数解析部19は、エッジ検出部14による検出結果に基づいて、エッジの画面周波数を解析し、範囲設定部18は、周波数解析部19による解析結果に基づいて、二次元ローパスフィルタ11のフィルタ強度の許容設定範囲を画像毎に設定する。そして、フィルタ強度設定部12は、エッジ強度算出部13によって算出されたエッジ強度に基づいて、二次元ローパスフィルタ11のフィルタ強度を、範囲設定部18によって設定された許容設定範囲内で画素毎に設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関する。
下記特許文献1には、入力画像の画素毎にエッジ量を検出し、当該エッジ量に応じて複数の強調フィルタを切り替えて適用する画像処理装置が開示されている。また当該特許文献1には、画像を予め平滑化してからエッジ量の検出を行うことにより、ノイズの影響が少ない安定したエッジ量の検出が可能となることが開示されている。
特開2009−25862号公報
上記特許文献1に開示された画像処理装置によると、エッジの強調処理に先立つ平滑化処理の効果が過剰な場合には、エッジも平滑化されるため、強調処理後の画像においてエッジが曖昧となる。一方、エッジの強調処理に先立つ平滑化処理の効果が不十分な場合には、ノイズが完全には除去されないため、強調処理によってノイズも強調されてしまう。このように上記特許文献1に開示された画像処理装置によると、画像を予め平滑化してからエッジ量の検出を行ったとしても、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが困難であるという問題がある。
本発明はかかる問題を解決するために成されたものであり、エッジ強調処理の前処理として、ノイズを効果的に抑制することが可能な画像処理装置及び画像処理方法を得ることを目的とするものである。
本発明の第1の態様に係る画像処理装置は、画像内のノイズを除去するローパスフィルタと、画像内のエッジを検出するエッジ検出部と、前記エッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出するエッジ強度算出部と、前記エッジ検出部による検出結果に基づいて、エッジの画面周波数を解析する周波数解析部と、前記周波数解析部による解析結果に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲を画像毎に設定する範囲設定部と、前記エッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度を、前記範囲設定部によって設定された許容設定範囲内で画素毎に設定するフィルタ強度設定部と、を備えることを特徴とするものである。
第1の態様に係る画像処理装置によれば、エッジ検出部は、画像内のエッジを検出し、エッジ強度算出部は、エッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する。また、周波数解析部は、エッジ検出部による検出結果に基づいて、エッジの画面周波数を解析し、範囲設定部は、周波数解析部による解析結果に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲を画像毎に設定する。そして、フィルタ強度設定部は、エッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度を、範囲設定部によって設定された許容設定範囲内で画素毎に設定する。これにより、ローパスフィルタのフィルタ強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的高いフィルタ強度を設定することにより、ノイズを効果的に除去することができ、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的低いフィルタ強度を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。従って、ノイズが効果的に除去された画像に対してエッジ強調処理を行うことにより、エッジ強調処理の際にノイズが強調されることを回避できる。その結果、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。また、ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲を、エッジの画面周波数に応じて画像毎に適応的に切り替えることができる。その結果、フィルタ強度の許容設定範囲をエッジの画面周波数に応じて最適な範囲に設定することが可能となる。
本発明の第2の態様に係る画像処理装置は、第1の態様に係る画像処理装置において特に、前記フィルタ強度設定部は、エッジ強度が第1のしきい値未満であり画像の平坦部分に属する画素に関しては、第1のフィルタ強度を設定し、エッジ強度が第1のしきい値以上であり画像のエッジ部分に属する画素に関しては、第1のフィルタ強度よりも低い第2のフィルタ強度を設定することを特徴とするものである。
第2の態様に係る画像処理装置によれば、画像の平坦部分に属する画素に関しては、比較的高い第1のフィルタ強度を設定することにより、平坦部分のノイズを効果的に除去することができる。また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては、比較的低い第2のフィルタ強度を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。その結果、ノイズ除去処理において、エッジが平滑化されることを回避しつつ、平坦部分のノイズを効果的に除去することが可能となる。
本発明の第3の態様に係る画像処理装置は、第2の態様に係る画像処理装置において特に、前記フィルタ強度設定部は、エッジ強度が第2のしきい値以上であり画像の特異部分に属する画素に関しては、第2のフィルタ強度よりも低い第3のフィルタ強度を設定することを特徴とするものである。
第3の態様に係る画像処理装置によれば、光源の反射部分等の画像の特異部分に属する画素に関しては、第2のフィルタ強度よりも低い第3のフィルタ強度を設定することにより、特異部分が平滑化されることを回避できる。その結果、特異部分が不鮮明な不自然な画像となることを、予め回避することが可能となる。
本発明の第4の態様に係る画像処理装置は、第2又は第3の態様に係る画像処理装置において特に、前記フィルタ強度設定部は、エッジ部分に属する画素に関しては、エッジ強度が高いほどフィルタ強度が低くなるように、エッジ強度に応じて第2のフィルタ強度を設定することを特徴とするものである。
第4の態様に係る画像処理装置によれば、フィルタ強度設定部は、エッジ部分に属する画素に関しては、エッジ強度が高いほどフィルタ強度が低くなるように、エッジ強度に応じて第2のフィルタ強度を設定する。このように、エッジ強度に応じて第2のフィルタ強度を細かく制御することにより、エッジ部分全体に均一なフィルタ強度を設定する場合と比較して、ローパスフィルタのフィルタ強度を滑らかに切り替えることができる。その結果、画像が不自然になることを回避することが可能となる。
本発明の第5の態様に係る画像処理装置は、第1〜第4のいずれか一つの態様に係る画像処理装置において特に、前記範囲設定部は、エッジの画面周波数が比較的低い周波数領域に集中する画像に関しては、フィルタ強度が比較的高い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定し、エッジの画面周波数が比較的高い周波数領域に集中する画像に関しては、フィルタ強度が比較的低い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定することを特徴とするものである。
第5の態様に係る画像処理装置によれば、エッジの画面周波数が比較的低い周波数領域に集中する画像(平坦部分を多く含む画像)に関しては、フィルタ強度が比較的高い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定することにより、平坦部分のノイズを効果的に除去することができる。また、エッジの画面周波数が比較的高い周波数領域に集中する画像(中〜高周波のエッジを多く含む画像)に関しては、フィルタ強度が比較的低い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。その結果、ノイズ除去処理において、エッジが平滑化されることを回避しつつ、平坦部分のノイズを効果的に除去することが可能となる。
本発明の第6の態様に係る画像処理方法は、(A)ローパスフィルタによって画像内のノイズを除去するステップと、(B)画像内のエッジを検出するステップと、(C)前記ステップ(B)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出するステップと、(D)前記ステップ(B)による検出結果に基づいて、エッジの画面周波数を解析するステップと、(E)前記ステップ(D)による解析結果に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲を画像毎に設定するステップと、(F)前記ステップ(C)によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度を、前記ステップ(E)によって設定された許容設定範囲内で画素毎に設定するステップと、を備えることを特徴とするものである。
第6の態様に係る画像処理方法によれば、ステップ(B)では、画像内のエッジが検出され、ステップ(C)では、ステップ(B)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度が算出される。また、ステップ(D)では、ステップ(B)による検出結果に基づいて、エッジの画面周波数が解析され、ステップ(E)では、ステップ(D)による解析結果に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲が画像毎に設定される。そして、ステップ(F)では、ステップ(C)によって算出されたエッジ強度に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度が、ステップ(E)によって設定された許容設定範囲内で画素毎に設定される。これにより、ローパスフィルタのフィルタ強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的高いフィルタ強度を設定することにより、ノイズを効果的に除去することができ、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的低いフィルタ強度を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。従って、ノイズが効果的に除去された画像に対してエッジ強調処理を行うことにより、エッジ強調処理の際にノイズが強調されることを回避できる。その結果、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。また、ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲を、エッジの画面周波数に応じて画像毎に適応的に切り替えることができる。その結果、フィルタ強度の許容設定範囲をエッジの画面周波数に応じて最適な範囲に設定することが可能となる。
本発明によれば、エッジ強調処理の前処理として、ノイズを効果的に抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示す図である。 ノイズ除去処理部の構成を示す図である。 エッジ強調処理部の構成を示す図である。 フィルタ強度設定部によるフィルタ強度の設定例を示す図である。 強調強度設定部による強調強度の設定例を示す図である。 強調強度設定部による強調強度の他の設定例を示す図である。 第1の変形例に係るエッジ強調処理部の構成を示す図である。 第2の変形例に係るエッジ強調処理部の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置1の構成を示す図である。図1に示すように画像処理装置1は、ノイズ除去処理部2と、ノイズ除去処理部2の後段に接続された色空間変換部3と、色空間変換部3の後段に接続されたエッジ強調処理部4とを備えて構成されている。画像処理装置1は、外部のビデオカメラ等から入力される動画像の画像データに対して、ノイズ除去処理、色空間変換処理、及びエッジ強調処理をこの順に行う。
ノイズ除去処理部2には、色データで構成される画像データ(本実施の形態の例ではBayer配列のRGrGbB色空間の画像データ)が入力される。ノイズ除去処理部2は、入力された画像に対してノイズ除去処理を行う。
色空間変換部3は、ノイズ除去処理部2から入力されたRGrGbB空間の画像データを、輝度データ及び色差データで構成される画像データ(本実施の形態の例ではYUV色空間の画像データ)に変換する。
エッジ強調処理部4は、色空間変換部3から入力されたYUV色空間の画像データに対してエッジ強調処理を行う。
図2は、ノイズ除去処理部2の構成を示す図である。図2の接続関係で示すようにノイズ除去処理部2は、いずれもハードウェアとして構成された、二次元ローパスフィルタ11、フィルタ強度設定部12、エッジ強度算出部13、エッジ検出部14、及びバッファ15,16を備えている。また、ノイズ除去処理部2はCPU17を備えており、CPU17は範囲設定部18及び周波数解析部19として機能する。なお、範囲設定部18及び周波数解析部19をハードウェアとして構成しても良い。
二次元ローパスフィルタ11としては、例えば、13tapのプログラマブルフィルタ(FIRフィルタ)が使用される。エッジ検出部14としては、例えば、5tapのSobelフィルタが使用される。
図3は、エッジ強調処理部4の構成を示す図である。図3の接続関係で示すようにエッジ強調処理部4は、いずれもハードウェアとして構成された、エッジ強調フィルタ20、強調強度設定部21、エッジ強度算出部22、エッジ検出部23、変動量算出部24、加算部25、及び三次元ノイズリダクションフィルタ26を備えている。
エッジ強調フィルタ20としては、例えば、13tapのプログラマブルフィルタが使用される。エッジ検出部23としては、例えば、5tapのSobelフィルタが使用される。三次元ノイズリダクションフィルタ26としては、例えば、動き補償型よりも回路規模が小さい動き適応型のフィルタが使用される。
以下、図1〜3を参照して、本実施の形態に係る画像処理装置1の動作について説明する。
図2を参照して、ノイズ除去処理部2の処理対象である画像データは、二次元ローパスフィルタ11及びエッジ検出部14に入力される。
エッジ検出部14は、画像の1フレームに含まれる各画素に関して、8方向(上下左右の4方向及び斜め4方向)のエッジを検出する。なお、エッジ検出部14によるエッジ検出処理は、RGrGbB色空間の1成分(例えばGr成分)のみを対象として行われる。但し、2成分以上(例えばGr成分及びGb成分)を対象とすることにより、より高精度なエッジ検出が可能となる。
エッジ強度算出部13は、エッジ検出部14によるエッジの検出結果に基づいて、各画素のエッジ強度を算出する。例えば、各画素に関して8方向のエッジ強度を加算し、その加算値の平方根として、各画素のエッジ強度を算出する。
周波数解析部19は、エッジ検出部14によるエッジの検出結果に基づいて、画像内におけるエッジの画面周波数を解析する。周波数解析には、二次元フーリエ変換等の一般的な解析手法を使用することができる。周波数解析部19によって解析された各画像のエッジの画面周波数に関する情報は、範囲設定部18及びバッファ16に入力される。なお、1フレーム全体の画面周波数を解析する必要があるため、現フレームに関する周波数解析部19の解析結果は、次フレームに関する設定処理に利用され、現フレームに関する設定処理には、前フレームに関する解析結果が利用される。また、周波数解析部19による解析対象の画像は、エッジ検出後の画像に限らず、エッジ検出前の入力画像であっても良い。なお、1フレーム全体の画面周波数を解析するのではなく、画像の特徴部分を含む一部領域(例えばフレームを9分割した中の一つの領域)を対象として画面周波数の解析を行っても良く、これによって回路規模を削減することができる。
範囲設定部18は、周波数解析部19による解析結果に基づいて、後述する画像の平坦部分及びエッジ部分に関する二次元ローパスフィルタ11のフィルタ強度の許容設定範囲(許容上限値及び許容下限値)を、画像毎に設定する。例えば、カットオフ周波数(Fc)によって二次元ローパスフィルタ11のフィルタ強度を設定する場合には、エッジの画面周波数が集中している周波数領域に応じて、カットオフ周波数の許容上限値及び許容下限値を画像毎に設定する。
本実施の形態の例において、範囲設定部18は、エッジの画面周波数が低〜中周波数の領域に集中している場合には、カットオフ周波数をサンプリング周波数(Fs)の0.2倍〜0.3倍の範囲に設定する。また、エッジの画面周波数が中〜高周波数の領域に集中している場合には、カットオフ周波数をサンプリング周波数の0.3倍〜0.4倍の範囲に設定する。また、エッジの画面周波数が低周波数の領域に集中している場合には、カットオフ周波数をサンプリング周波数の0.1倍〜0.2倍の範囲に設定する。つまり、範囲設定部18は、エッジの画面周波数が比較的低い周波数領域に集中する画像に関しては、フィルタ強度が比較的高い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定し、エッジの画面周波数が比較的高い周波数領域に集中する画像に関しては、フィルタ強度が比較的低い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定する。また、範囲設定部18は、エッジの画面周波数が低〜高周波数の広い領域に分散している場合には、カットオフ周波数をサンプリング周波数の0.1倍〜0.4倍の範囲に設定する。つまり、範囲設定部18は、エッジの画面周波数が広い周波数領域に分散する画像に関しては、フィルタ強度が広い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定する。
フィルタ強度設定部12は、エッジ強度算出部13によって算出された各画素のエッジ強度に基づいて、二次元ローパスフィルタ11のフィルタ強度を、範囲設定部18によって設定された許容設定範囲内で画素毎に設定する。
図4は、フィルタ強度設定部12によるフィルタ強度の設定例を示す図である。フィルタ強度設定部12は、エッジ強度が第1のしきい値A1未満である画素(画像の平坦部分に属する画素)に関しては、許容上限値に相当するフィルタ強度B1を設定する。また、フィルタ強度設定部12は、エッジ強度がしきい値A1以上かつ第2のしきい値A2未満である画素(画像のエッジ部分に属する画素)に関しては、フィルタ強度B1より低くかつ許容下限値以上であるフィルタ強度B2を設定する。また、フィルタ強度設定部12は、エッジ強度がしきい値A2以上である画素(光源の反射部分等の画像の特異部分に属する画素)に関しては、許容下限値よりも低いフィルタ強度B3(図4の例ではゼロ)を設定する。また、図4に示すように、フィルタ強度設定部12は、エッジ部分に属する画素に関しては、エッジ強度が高いほどフィルタ強度が低くなるように、エッジ強度に応じてフィルタ強度B2を段階的(図4の例では6段階)に設定する。
二次元ローパスフィルタ11は、フィルタ強度設定部12によって画素毎に設定されたフィルタ強度で、入力画像の各画素をR,Gr,Gb,Bの成分毎に処理する。複数のフィルタ強度に応じた複数のフィルタ係数テーブルを予め用意しておき、フィルタ強度設定部12によって設定されたフィルタ強度に対応するフィルタ係数を選択して二次元ローパスフィルタ11に適用することにより、所望の強度のローパスフィルタ処理を実現することができる。
二次元ローパスフィルタ11によってノイズ除去処理が行われた画像データは、バッファ15に入力される。
図1を参照して、色空間変換部3は、バッファ15から入力されたBayer空間の画像データを、YUV色空間の画像データに変換する。
図3を参照して、エッジ強調処理部4の処理対象である画像データは、エッジ強調フィルタ20、エッジ検出部23、変動量算出部24、及び加算部25に入力される。
エッジ検出部23は、画像の1フレームに含まれる各画素に関して、8方向(上下左右の4方向及び斜め4方向)のエッジを検出する。なお、エッジ検出部23によるエッジ検出処理は、YUV色空間のY成分のみを対象として行われる。
エッジ強度算出部22は、エッジ検出部23によるエッジの検出結果に基づいて、各画素のエッジ強度を算出する。例えば、各画素に関して8方向のエッジ強度を加算し、その加算値の平方根として、各画素のエッジ強度を算出する。
変動量算出部24は、時系列で連続する複数の画像に基づいて、画像の変動量を算出する。例えば、現フレームと前フレームとを対象として全画素の画素値の差分絶対値和を求めることで、現フレームに関して前フレームからの変動量を算出する。なお、変動量算出部24による変動量算出処理は、YUV色空間のY成分のみを対象として行われる。また、所定画素数(例えば8×8画素)のブロック毎に画素値の差分絶対値和を求め、1フレーム内の全てのブロックに関して差分絶対値和の総和を求めることによって、画像の変動量を算出しても良い。さらに、1フレーム全体の画素値を使用する必要があるため、現フレームに関する変動量の算出結果は、次フレームに関する設定処理に利用され、現フレームに関する設定処理には、前フレームに関する変動量の算出結果が利用される。なお、1フレーム全体の画素値から画像の変動量を算出するのではなく、画像の特徴部分を含む一部領域(例えばフレームを9分割した中の一つの領域)の画素値に基づいて画像の変動量を算出しても良く、これによって回路規模を削減することができる。
強調強度設定部21は、エッジ強度算出部22によって算出されたエッジ強度と、変動量算出部24によって算出された変動量とに基づいて、エッジ強調フィルタ20のエッジ強調強度を画素毎に設定する。
図5は、強調強度設定部21による強調強度の設定例を示す図である。強調強度設定部21は、エッジ強度が第1のしきい値C1未満である画素(画像の平坦部分に属する画素)に関しては、強調強度D1(例えば0.5倍)を設定する。
また、強調強度設定部21は、エッジ強度がしきい値C1以上かつ第2のしきい値C2未満である画素(画像のエッジ部分に属する画素)に関しては、画像の変動量が所定値未満である場合には、強調強度D1よりも高い強調強度D2(例えば1.0倍)を設定し、画像の変動量が所定値以上である場合には、強調強度D2よりも高い強調強度D3(例えば1.2倍)を設定する。
また、強調強度設定部21は、エッジ強度がしきい値C2以上である画素(画像の特異部分に属する画素)に関しては、画像の変動量が所定値未満である場合には、強調強度D2よりも高い強調強度D4(例えば1.2倍)を設定し、画像の変動量が所定値以上である場合には、強調強度D4よりも高い強調強度D5(例えば1.44倍)を設定する。
なお、エッジ部分及び特異部分に関しては、画像の変動量が所定値以上であるか否かによって強調強度を異ならせたが、平坦部分に関しては、動きに伴う不鮮明化の影響が小さいため、画像の変動量に応じて強調強度を異ならせる必要はない。
図6は、強調強度設定部21による強調強度の他の設定例を示す図である。強調強度設定部21は、エッジ部分に近接する平坦部分に属する画素に関しては、エッジ強度が高いほど強調強度が線形的に高くなるように、エッジ強度に応じて強調強度を設定する。平坦部分とエッジ部分とが入り組むような複雑な画像では、両者の強調強度の差が大きいと、その境界部分において画像が不自然になる場合がある。そのような複雑な画像を処理する場合には図6に示した設定手法を採用することにより、平坦部分とエッジ部分との境界部分を滑らかに描写することができる。なお、エッジ部分と特異部分との境界部分に関しては、エッジ強度の変化が本来的に大きく、平坦部分とエッジ部分との境界部分ほど細かな変化を伴わないため、このような処理は不要である。
エッジ強調フィルタ20は、強調強度設定部21によって画素毎に設定された強調強度で、入力画像の各画素のY成分に対して強調処理を行う。
加算部25は、YUV色空間の入力画像と、エッジ強調フィルタ20から入力されたY成分のエッジ強調画像とを加算することにより、エッジが強調されたYUV色空間の画像データを出力する。
三次元ノイズリダクションフィルタ26は、加算器25から入力された画像データに対して、動き適応型のノイズリダクション処理を行う。これにより、ノイズ除去処理部2で除去できなかった残存ノイズがエッジ強調処理部4の処理で不要に強調された場合であっても、三次元ノイズリダクションフィルタ26によって当該ノイズを除去することができる。
<第1の変形例>
図7は、第1の変形例に係るエッジ強調処理部4の構成を示す図である。図3に示した構成に対して、二次元ハイパスフィルタ27及びフィルタ強度設定部28が追加されている。二次元ハイパスフィルタ27としては、例えば、17tapのプログラマブルフィルタが使用される。二次元ハイパスフィルタ27の出力は、エッジ強調フィルタ20の入力及びエッジ検出部23の入力に接続されている。但し、エッジ検出部23の入力には、二次元ハイパスフィルタ27の入力を接続しても良い。
フィルタ強度設定部28には、周波数解析部19によって解析されたエッジの画面周波数に関する情報が、バッファ16を介して入力される。フィルタ強度設定部28は、一例として、二次元ローパスフィルタ11に設定されている強度の許容上限値に相当するカットオフ周波数の1/2の周波数を、二次元ハイパスフィルタ27のカットオフ周波数として設定する。本変形例において、フィルタ強度設定部28は、エッジの画面周波数が低〜中周波数の領域に集中している場合には、カットオフ周波数をサンプリング周波数の0.1倍に設定する。また、エッジの画面周波数が中〜高周波数の領域に集中している場合には、カットオフ周波数をサンプリング周波数の0.15倍に設定する。また、エッジの画面周波数が低周波数の領域に集中している場合には、カットオフ周波数をサンプリング周波数の0.05倍に設定する。つまり、フィルタ強度設定部28は、エッジの画面周波数が比較的低い周波数領域に集中する画像に関しては、カットオフ周波数が比較的低くなるようにフィルタ強度を設定し、エッジの画面周波数が比較的高い周波数領域に集中する画像に関しては、カットオフ周波数が比較的高くなるようにフィルタ強度を設定する。
なお、二次元ハイパスフィルタ27にはプログラマブルフィルタが使用されているため、ノイズ成分が存在している周波数領域を遮断するように、ローパスフィルタ又はバンドパスフィルタとして機能させることも可能である。例えば、ノイズ成分が高周波領域に存在している場合には、プログラマブルフィルタをローパスフィルタとして機能させることにより、高周波領域のノイズを遮断することができる。
<第2の変形例>
図8は、第2の変形例に係るエッジ強調処理部4の構成を示す図である。図3に示した構成に対して、乗算部29及び強調強度設定部30が追加されている。
強調強度設定部21は、エッジ強度算出部22によって算出されたエッジ強度に基づいて、エッジ強調フィルタ20のエッジ強調強度を画素毎に設定する。
強調強度設定部30は、変動量算出部24によって算出された画像の変動量に基づいて、乗算部29の乗算係数を画像毎に設定する。例えば、画像の変動量がゼロである場合に1.0倍の乗算係数を設定し、画像の変動量が大きくなるほど大きい乗算係数を設定する。
エッジ強調フィルタ20は、強調強度設定部21によってエッジ強度に基づいて画素毎に設定された強調強度で、入力画像の各画素のY成分に対して強調処理を行う。
乗算部29は、エッジ強調フィルタ20から入力されたY成分のエッジ強調画像と、強調強度設定部30によって変動量に基づいて画像毎に設定された乗算係数とを乗算することにより、エッジをさらに強調する。
加算部25は、YUV色空間の入力画像と、乗算部29から入力されたY成分のエッジ強調画像とを加算することにより、エッジが強調されたYUV色空間の画像データを出力する。
<まとめ>
上記実施の形態に係る画像処理装置1によれば、エッジ検出部14は、画像内のエッジを検出し、エッジ強度算出部13は、エッジ検出部14による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する。また、周波数解析部19は、エッジ検出部14による検出結果に基づいて、エッジの画面周波数を解析し、範囲設定部18は、周波数解析部18による解析結果に基づいて、二次元ローパスフィルタ11のフィルタ強度の許容設定範囲を画像毎に設定する。そして、フィルタ強度設定部12は、エッジ強度算出部13によって算出されたエッジ強度に基づいて、二次元ローパスフィルタ11のフィルタ強度を、範囲設定部18によって設定された許容設定範囲内で画素毎に設定する。これにより、二次元ローパスフィルタ11のフィルタ強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的高いフィルタ強度を設定することにより、ノイズを効果的に除去することができ、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的低いフィルタ強度を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。従って、ノイズが効果的に除去された画像に対してエッジ強調処理を行うことにより、エッジ強調処理の際にノイズが強調されることを回避できる。その結果、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。また、二次元ローパスフィルタ11のフィルタ強度の許容設定範囲を、エッジの画面周波数に応じて画像毎に適応的に切り替えることができる。その結果、フィルタ強度の許容設定範囲をエッジの画面周波数に応じて最適な範囲に設定することが可能となる。
また、上記実施の形態に係る画像処理装置1によれば、図4に示したように、画像の平坦部分に属する画素に関しては、比較的高い第1のフィルタ強度B1を設定することにより、平坦部分のノイズを効果的に除去することができる。また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては、比較的低い第2のフィルタ強度B2を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。その結果、ノイズ除去処理において、エッジが平滑化されることを回避しつつ、平坦部分のノイズを効果的に除去することが可能となる。
また、上記実施の形態に係る画像処理装置1によれば、図4に示したように、光源の反射部分等の画像の特異部分に属する画素に関しては、第2のフィルタ強度B2よりも低い第3のフィルタ強度B3を設定することにより、特異部分が平滑化されることを回避できる。その結果、特異部分が不鮮明な不自然な画像となることを、予め回避することが可能となる。
また、上記実施の形態に係る画像処理装置1によれば、図4に示したように、フィルタ強度設定部12は、エッジ部分に属する画素に関しては、エッジ強度が高いほどフィルタ強度が低くなるように、エッジ強度に応じて第2のフィルタ強度B2を設定する。このように、エッジ強度に応じて第2のフィルタ強度B2を細かく制御することにより、エッジ部分全体に均一なフィルタ強度を設定する場合と比較して、二次元ローパスフィルタ11のフィルタ強度を滑らかに切り替えることができる。その結果、画像が不自然になることを回避することが可能となる。
また、上記実施の形態に係る画像処理装置1によれば、エッジの画面周波数が比較的低い周波数領域に集中する画像(平坦部分を多く含む画像)に関しては、フィルタ強度が比較的高い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定することにより、平坦部分のノイズを効果的に除去することができる。また、エッジの画面周波数が比較的高い周波数領域に集中する画像(中〜高周波のエッジを多く含む画像)に関しては、フィルタ強度が比較的低い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。その結果、ノイズ除去処理において、エッジが平滑化されることを回避しつつ、平坦部分のノイズを効果的に除去することが可能となる。
1 画像処理装置
2 ノイズ除去処理部
3 色空間変換部
4 エッジ強調処理部
11 二次元ローパスフィルタ
12 フィルタ強度設定部
13 エッジ強度算出部
14 エッジ検出部
18 範囲設定部
19 周波数解析部
20 エッジ強調フィルタ
21 強調強度設定部
22 エッジ強度算出部
23 エッジ検出部
24 変動量算出部

Claims (6)

  1. 画像内のノイズを除去するローパスフィルタと、
    画像内のエッジを検出するエッジ検出部と、
    前記エッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出するエッジ強度算出部と、
    前記エッジ検出部による検出結果に基づいて、エッジの画面周波数を解析する周波数解析部と、
    前記周波数解析部による解析結果に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲を画像毎に設定する範囲設定部と、
    前記エッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度を、前記範囲設定部によって設定された許容設定範囲内で画素毎に設定するフィルタ強度設定部と、
    を備える、画像処理装置。
  2. 前記フィルタ強度設定部は、
    エッジ強度が第1のしきい値未満であり画像の平坦部分に属する画素に関しては、第1のフィルタ強度を設定し、
    エッジ強度が第1のしきい値以上であり画像のエッジ部分に属する画素に関しては、第1のフィルタ強度よりも低い第2のフィルタ強度を設定する、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記フィルタ強度設定部は、
    エッジ強度が第2のしきい値以上であり画像の特異部分に属する画素に関しては、第2のフィルタ強度よりも低い第3のフィルタ強度を設定する、請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記フィルタ強度設定部は、エッジ部分に属する画素に関しては、エッジ強度が高いほどフィルタ強度が低くなるように、エッジ強度に応じて第2のフィルタ強度を設定する、請求項2又は3に記載の画像処理装置。
  5. 前記範囲設定部は、
    エッジの画面周波数が比較的低い周波数領域に集中する画像に関しては、フィルタ強度が比較的高い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定し、
    エッジの画面周波数が比較的高い周波数領域に集中する画像に関しては、フィルタ強度が比較的低い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  6. (A)ローパスフィルタによって画像内のノイズを除去するステップと、
    (B)画像内のエッジを検出するステップと、
    (C)前記ステップ(B)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出するステップと、
    (D)前記ステップ(B)による検出結果に基づいて、エッジの画面周波数を解析するステップと、
    (E)前記ステップ(D)による解析結果に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲を画像毎に設定するステップと、
    (F)前記ステップ(C)によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度を、前記ステップ(E)によって設定された許容設定範囲内で画素毎に設定するステップと、
    を備える、画像処理方法。
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