JP2016070941A - 採光具 - Google Patents

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谷口 幸夫
Yukio Taniguchi
幸夫 谷口
知之 出原
Tomoyuki Izuhara
知之 出原
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Abstract

【課題】照射領域中の虹ムラを抑制することができ、居室内にいる人に違和感を与えることがない採光具を提供する。【解決手段】本発明の採光具100は、光が入射する第1主面11と、前記第1主面11に対向し光が出射する第2主面12とを有し、前記第1主面11から入射した光を前記第2主面12に向けて偏向する光制御部材10と、2つの主面を有すると共に、一方の主面が平面71であり、他方の主面が凹凸構造73である分散抑制部材70と、からなることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、建物等の内部に日光などの外光を取り入れるために用いる採光具に関するものである。
窓ガラスにより、建物の内部に日光等の外光を取り入れて明るく快適な室内空間を形成することはよく知られている。しかし、一方で当該窓ガラスに入射した外光をそのまま室内に取り入れると、まぶしさを感じたり、光があたる場所が室内の一部のみに限定されたり、といった不具合が生じることがある。これに対して、直接日光を制御して、より快適な態様で室内側に光を採り入れる技術が提案されている。
例えば、特許文献1(特開2012−255951号公報)には、一方向に延在する凹状溝が繰り返し作製され、凹状溝への充填材の充填により、透明シート材への入射光を反射する一方向に延長した反射面が凹状溝の少なくとも一方の斜面に形成され、反射面による反射により、窓を透過した直射太陽光を屋内に導入する技術が開示されている。
特開2012−255951号公報
図7は従来の採光具100の効果を説明する図である。図7(A)は通常の窓部からの太陽光の採り入れを示しており、図7(B)は窓部に採光具100を取り付けて、太陽光の採り入れを行った場合を示している。採光具100を窓部に設けることにより、屋内全体を可能な限り均一に明るくする採光を実現する。
ここで、以下の説明において、各構成の方向及び位置関係などを明瞭にするための座標を定義する。窓部の水平な辺と平行な方向をx方向とし、鉛直上方方向をz方向とした右手系座標を定義し、以下の説明に用いることとする。本件明細書に添付する図面には、必要に応じて、このような右手系座標が参照のために記されている。
図8は従来の採光具100の断面構造を模式的に説明する図である。図8は採光具100をyz面で切ってみた断面図である。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更したり、誇張したりすることがある。また、図面の見やすさの観点から、周期的に繰り返す構成については、参照番号を付すことを省略している。
採光具100の説明をするに先立ち、光制御部材10について詳述する。図8に示すように、光制御部材10は、光が入射する第1主面11と、前記第1主面11に対向し光が出射する第2主面12とを有し、前記第1主面11と前記第2主面12との間に存在し、前記第1主面11から入射した光を前記第2主面12に向けて偏向する複数の低屈折率媒質部16と、を備える。
光制御部材10は、典型的には、x方向に延在し、z方向に周期的に設けられる複数の低屈折率媒質部16と、低屈折率媒質部16同士を離隔する高屈折率媒質部15とを備える。この場合、低屈折率媒質部16と高屈折率媒質部15との界面が反射面となる。低屈折率媒質部16は、高屈折率媒質部15の屈折率に比べて低い屈折率を有する媒質により構成される。例えば、高屈折率媒質部15が、樹脂である場合、低屈折率媒質部16は空気あるいは高屈折率媒質部15を構成する樹脂よりも低い屈折率を有する樹脂を用いるこ
とができる。
第1主面11に入射した光L1は、光制御部材10内に進み、反射面で反射し偏向する。その後、偏向した光L1は、第1主面11に対向する第2主面12から出射し、光制御部材10外に進む。
なお、第1主面11に入射した光L2のように、光制御部材10内に進み、低屈折率媒質部16と高屈折率媒質部15との界面で屈折することで偏向し、第2主面12から出射し、光制御部材10外に進む光も存在する。
採光具100は、光制御部材10と、前記光制御部材10の前記第1主面11側に配置された第1ガラス基材20と、前記光制御部材の前記第2主面12側に配置された第2ガラス基材30と、を有する。
光制御部材10の第1主面11と、第1ガラス基材20との間には、第1ガラス基材20と光制御部材10とを接合する第1接合層50が配置されている。また、光制御部材10の第2主面12と、第2ガラス基材30との間には、第2ガラス基材30と光制御部材10とを接合する第2接合層60が配置されている。第1接合層50、第2接合層60には、例えば、公知の接着剤、もしくは粘着剤を用いて形成することができる。
この例では、上記のように、光制御部材10は、第1ガラス基材20と第2ガラス基材30とに挟まれて封止されている。また、典型的には第1ガラス基材20側が室外に面し、第2ガラス基材30側が室内に面する。
第1ガラス基材20、第2ガラス基材30は、典型的にはガラスであるが、ガラスのみならずアクリル樹脂などの強化プラスチックといった一般的にガラスの如く用いられるものをも包含し、さらにこれらの単層、あるいはこれらが積層されたものを用いることができる。第1ガラス基材20、第2ガラス基材30は、一般的な窓材として用いられる程度の透過性を有していればよく、例えば、ヘーズメーター(スガ試験機(株)社製 蛍光分
光光度計 F−4500)で測定した全光線透過率が80%以上であるとよい。また、第
1ガラス基材20、第2ガラス基材30の厚みは、特に制限はないが、採光具100全体として窓材としての強度や取り扱い性を確保できる厚みであることが好ましく、例えば、1mm〜10mmであることが好ましい。
以下、これまで発明者が提案してきた上記した従来の採光具100の問題点を説明する。従来の採光具100では、天井部や床部の照射領域中に「虹ムラ」が生じるという課題があった。この虹ムラは、窓側から奥壁方向に沿って、赤色と青色の間で変化し、これが居室内にいる人に違和感を与える。
この虹ムラの原因は、主として光制御部材10の分散(波長による屈折率の分布)である。この「分散効果」は、光制御部材10を分光機能のあるゴニオメータ等で測定することで得られる。
図9は従来の採光具100の分散効果の測定方法を説明する図である。この例では、太陽高度30°(東京の冬至の南中)のときを模して、分散効果を測定している。
本測定においては、波長が450nm、550nm、650nmの光を、光制御部材10に入射させて、出射角度θを90°から−90°まで変えながら、受光器を角度移動させながら受光強度を測定することで、波長ごとの角度分布を測定する。測定されたピーク角度が波長により異なる場合がある。なお、角度θは、水平方向が0°で、鉛直上方方向
が+90°で、θは鉛直下方方向が−90°であるものと定義している。
波長450nmの光と波長650nmの光との差分角度を「分散角度幅」と定義し、Δθであらわす。一般に複数の光束が出射されるが、光束ごとに分散角度幅を求め、さらに入射角度を変えたときの一番大きな値を指標として採用する。
図10は従来の採光具100の分散効果の測定結果を示す図である。この結果では、太陽高度30°(東京の冬至の南中)のとき、下向き47°方向の光束(θ=―47°)が、最大の分散角度幅Δθ=2.5°を有していることが分かった。
分散角度幅がこの程度あると、照明領域に明確な虹ムラが発生し、居室内にいる人に違和感を与える。なお、光制御部材10の構造や太陽高度により、最大分散角度幅が(床側ではなく)天井側に向かう光束で与えられることもある。
以上、従来の採光具100においては、天井部や床部の照射領域中に「虹ムラ」が生じ、窓側から奥壁方向に沿って、赤色と青色の間で変化し、これが居室内にいる人に違和感を与える、という課題があった。
本発明は以上のような課題を解決するためのものであり、本発明に係る採光具は、
光が入射する第1主面と、前記第1主面に対向し光が出射する第2主面とを有し、前記第1主面から入射した光を前記第2主面に向けて偏向する光制御部材と、
2つの主面を有すると共に、一方の主面が平面であり、他方の主面が凹凸構造である分散抑制部材と、からなることを特徴とする。
また、本発明に係る採光具は、
前記凹凸構造の傾斜角度が、前記分散抑制部材の平面に対して−Δαから+Δαの範囲で
あるとき、
前記光制御部材から出射した光が、前記分散抑制部材に入射する角度θと、
(ただし、θは、分散抑制部材の法線に対する角度。また、θは、空気中換算値。)
前記分散抑制部材の屈折率nと、
450nmの光が前記光制御部材から出射する角度と、650nmの光が前記光制御部材から出射する角度との差分Δθと、の間に、
Figure 2016070941
の関係を有することを特徴とする。
なお、分散抑制部材が地面に対して鉛直に設けられている場合、θは、出射した光が水平方向の場合は0°で、鉛直上方方向の場合は+90°、鉛直下方方向の場合は−90°
となる。
また、本発明に係る採光具は、
前記凹凸構造の傾斜角度が、前記分散抑制部材の平面に対して−Δαから+Δαの範囲で
あるとき、
前記分散抑制部材から出射した光が、前記光制御部材に入射する角度θと、
(ただし、θは、光制御部材の法線方向に対する角度。また、θは、空気中換算値。)
前記分散抑制部材の屈折率nと、
450nmの光が前記分散抑制部材から出射する角度と、650nmの光が前記分散抑制部材から出射する角度との差分Δθと、の間に、
Figure 2016070941
の関係を有することを特徴とする。
厳密には、角度θや差分Δθは光制御部材の面内位置に応じて変化するが、(11)にはそれらの平均値を用いればよい。
また、本発明に係る採光具は、
前記光制御部材は、屈折率の異なる媒質同士の界面により光を偏向することを特徴とする。
また、本発明に係る採光具は、
前記光制御部材は、金属反射層により光を偏向することを特徴とする。
また、本発明に係る採光具は、
前記光制御部材は、鉛直上方側に光を偏向することを特徴とする。
また、本発明に係る採光具は、
前記光制御部材は、鉛直下方側に光を偏向することを特徴とする。
また、本発明に係る採光具は、
前記光制御部材が、プリズムを有することを特徴とする。
また、本発明に係る採光具は、
前記分散抑制部材から出射した光が、前記光制御部材に入射することを特徴とする。
また、本発明に係る採光具は、
前記光制御部材から出射した光が、前記分散抑制部材に入射することを特徴とする。
また、本発明に係る採光具は、
前記前記光制御部材から出射した光が、分散抑制部材に入射することを特徴とする。
また、本発明に係る採光具は、
前記分散抑制部材を2つ有し、
前記光制御部材の第1主面側と、前記光制御部材の第2主面側との双方に、前記分散抑制部材が配されることを特徴とする。
本発明に係る採光具によれば、光制御部材と共に、2つの主面を有すると共に、一方の主面が平面であり、他方の主面が凹凸構造である分散抑制部材と、を有しているので、照射領域中の「虹ムラ」を抑制することができ、居室内にいる人に違和感を与えることがな
い。
本発明の実施形態に係る採光具100の断面構造を模式的に説明する図である。 本発明の実施形態に係る採光具100の分散抑制部材70の凹凸構造73の微小領域を拡大した模式図である。 分散抑制部材70の凹凸構造73における傾斜角度αの定義を説明する図である。 分散角度幅Δθと、分散抑制部材70からの光の出射角φの出射角度幅Δφとの間の関係を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る採光具100の断面構造を模式的に説明する図である。 本発明の他の実施形態に係る採光具100の断面構造を模式的に説明する図である。 従来の採光具100の効果を説明する図である。 従来の採光具100の断面構造を模式的に説明する図である。 従来の採光具100の分散効果の測定方法を説明する図である。 従来の採光具100の分散効果の測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る採光具100の断面構造を模式的に説明する図である。図1は、図8と同様に、本発明の実施形態に係る採光具100をyz面で切ってみた断面図である。
本発明の実施形態に係る採光具100が、従来の採光具100と異なる点は、第2ガラス基材30に代えて、分散抑制部材70が配されている点である。分散抑制部材70は、2つの主面を有すると共に、一方の主面が平面71であり、他方の主面が凹凸構造73である。この分散抑制部材70の平面71側が、第2接合層60により、光制御部材10の第2主面12と接合している。
分散抑制部材70は、典型的にはガラスであるが、ガラスのみならずアクリル樹脂などの強化プラスチックといった一般的にガラスの如く用いられるものをも包含している。
本発明の実施形態に係る採光具100においては、光制御部材10は、第1ガラス基材20と分散抑制部材70とに挟まれて封止された構造であり、典型的には第1ガラス基材20側が室外に面し、分散抑制部材70側が室内に面するレイアウトである。
すなわち、採光具100においては、光制御部材10から出射した光が、分散抑制部材70に入射することが想定されているが、分散抑制部材70を光制御部材10の第1主面11側に配し、分散抑制部材70から出射した光が、光制御部材10に入射するレイアウトとすることもできる。さらには、分散抑制部材70を2つ設け、光制御部材10の第1主面11側と、光制御部材10の第2主面12側との双方に、分散抑制部材70を配するようにレイアウトしても良い。
次に、分散抑制部材70の凹凸構造73が、どの程度の凹凸を有すれば、光制御部材10の分散効果を抑制可能であるかについての解析を行う。図2は本発明の実施形態に係る採光具100の分散抑制部材70の凹凸構造73の微小領域を拡大した模式図である。ここで、光制御部材10と分散抑制部材70との間に空気層があるものと仮定している。
また、図3は分散抑制部材70の凹凸構造73における傾斜角度αの定義を説明する図である。 図3は凹凸構造73の最大振幅部を切り出してみた断面図である。凹凸構造73の傾斜角度を、分散抑制部材70の平面71に対する角度であるもの定義する。このとき、図3に示すように、凹凸構造73の傾斜角度αは、分散抑制部材70の平面71に対して−Δα[deg]から+Δα[deg]の範囲であるものとする。
また、図2において、
n:分散抑制部材70の屈折率
α:凹凸構造73の局所的傾斜角度
θ1:空気中から分散抑制部材70への光の入射側の進行角
θ2:光制御部材10中の光の進行角
θ3:光制御部材10中における凹凸構造73の傾斜面に対する入射角
θ4:空気中の光の凹凸構造73の傾斜面に対する出射角
θ5:空気中の光の分散抑制部材70の出射側の進行角
と定義すると、下式(1)乃至(4)を得ることができる。
Figure 2016070941
Figure 2016070941
Figure 2016070941
Figure 2016070941
ここで、凹凸構造73の傾斜角度αの振れ幅Δαと、分散抑制部材70からの光の出射角φの出射角度幅Δφの関係を求めることとする。ここで、θ5を改めて、φとして定義する。すなわち、式(2)乃至式(4)より、下式(5)を得る。
Figure 2016070941
また、式(5)を微分することで、下式(6)を得ることができる。
Figure 2016070941
傾斜角αは0°を中心に対称に分布すると考えα=0°とすると、式(7)を得る。
Figure 2016070941
ここで、式(7)に、関係式(1)を代入することで、下式(8)を得ることができる。
Figure 2016070941
以上より、凹凸構造73の傾斜角度αの振れ幅Δαと、分散抑制部材70からの光の出射角φの出射角度幅Δφとの関係式(9)を得ることができる。
Figure 2016070941
式(9)に基づき、傾斜角度幅Δαを変えた場合における出射角度幅Δφが変わる様子を表1に示す。
Figure 2016070941
表1から、分散抑制部材70への入射角θ1=47°において(すなわち光制御部材10からの出射角47°において)、傾斜角度幅Δα=±5°のとき出射角度幅Δφは±4.6°となることが分かる。
次に、所謂「虹ムラ」を低減するに必要な出射角度幅Δφを考える。
図4は、分散角度幅Δθと出射角度幅Δφの関係を模式的に示す。実際の波長分布は連続であるが、ここでは、波長450nmの光と波長650nmの光との差分角度である分散角度幅Δθを、抑制するのに必要な出射角φの出射角度幅Δφについて考察する。
出射角度幅Δφが0であれば、各単色光は異なる特定の角度に出射される。出射角度幅Δφが増えるに従い、各単色光の角度幅は拡大して他の単色光と重なりあい、白色に近くなる。その結果、天井や床での虹ムラは低減する。この効果が出始めるのは、出射角度幅Δφが分散角度幅Δθの2倍と同程度になったときからである。
図4は分散角度幅Δθと、分散抑制部材70からの光の出射角φの出射角度幅Δφとの間の関係を示す図であり、図4(A)はΔφ<2Δθの場合における波長450nmの光と波長650nmの光の重なりの様子を示しており、図4(B)はΔφ≧2Δθの場合における波長450nmの光と波長650nmの光の重なりの様子を示している。図4(B)からは、十分な虹ムラ低減、抑制効果を期待することができる。
以上より、虹ムラ低減、抑制効果のある範囲として、下式(10)が与えられる。
Figure 2016070941
式(10)に式(9)を代入して、下式(11)を得ることができる。なお、θ1については、改めてθに置き換えた。
Figure 2016070941
上記式(11)を満足する際に、虹ムラの低減、抑制効果を得ることが可能となる。
なお、θは、光制御部材10と分散抑制部材70の間に空気があると想定し、その空気領域での進行角度である。光制御部材10と分散抑制部材70を密着させることも可能であり、その場合はθとして空気中に換算した値を用いればよい。
以上、本発明に係る採光具100によれば、光制御部材10と共に、2つの主面を有すると共に、一方の主面が平面であり、他方の主面が凹凸構造である分散抑制部材70と、を有しているので、照射領域中の「虹ムラ」を抑制することができ、居室内にいる人に違和感を与えることがない。
[実施例]
光制御部材10は図1に示したものを採用した。光制御部材10からの出射角θ=−47°方向の光束は、分散角度幅Δθ=2.5°の分散を有し、これが床面の虹ムラを発生した。(図10参照。)
分散抑制部材70として、比較的凹凸があらいタイプの型板ガラスを用意した。凹凸単位の大きさは5mmで高さは0.2mm。この凹凸構造73の傾斜角度幅Δαは約±5°となる。したがって、出射角度幅Δφは式(9)から、9.2°(=±4.6°)である。
この組み合わせは式(11)を満たす。
Δφ ≧ 2Δθ
(9.2°>2×2.5°)
従ってこの型板ガラスの表面凹凸により、虹ムラが低減されることが期待される。
光制御部材10単体の場合、太陽高度30°で採光させたところ床面部に明確な虹ムラが生じた。
この光制御部材10の出射側に分散抑制部材70として型板ガラスを接着したところ、この虹ムラはほとんどみられなくなった。同時に、天井への採光は変わらなかった(すなわち採光効率は維持された)。これにより、本発明の効果が確認されるとともに、式(11)が有効であることを確認された。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図5は本発明の他の実施形態に係る採光具100の断面構造を模式的に説明する図である。
先の実施形態においては、光制御部材10は、屈折率の異なる媒質(高屈折率媒質部15、低屈折率媒質部16)同士の界面により光を偏向するようにしていたが、本実施形態においては、光制御部材10は、所定の媒質内に設けられた、複数の金属反射層17により光を偏向する構成としている。
このような光制御部材10が用いられた実施形態においても、分散抑制部材70を用いることで、先の実施形態と同様の効果を享受することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図6は本発明の他の実施形態に係る採
光具100の断面構造を模式的に説明する図である。光制御部材10として、プリズム部80を有するものが用いられている。この光制御部材10には、これまで説明した実施形態同様に分散抑制部材70が設けられている。
光制御部材10及び分散抑制部材70を通過した光は、内部が鏡面となっている鏡面導光部85を経て、開口部87へと導かれるようになっている。このような実施形態によっても、照射領域中の「虹ムラ」を抑制することができ、居室内にいる人に違和感を与えることがない、という効果を期待することができる。
なお、これまで説明した実施形態においては、光の進行方向からみて、光制御部材10の後に分散抑制部材70を設ける構造について説明したが、分散抑制部材70を光制御部材10の前に設ける構成についても同様の効果(虹ムラの抑制)が実現できる。その場合も式(11)の条件が同様に有効である。
10・・・光制御部材
11・・・第1主面
12・・・第2主面
15・・・高屈折率媒質部
16・・・低屈折率媒質部
17・・・金属反射層
20・・・第1ガラス基材
30・・・第2ガラス基材
50・・・第1接合層
60・・・第2接合層
70・・・分散抑制部材
71・・・平面
73・・・凹凸構造
80・・・プリズム部
85・・・鏡面導光部
87・・・開口部
100・・・採光具

Claims (11)

  1. 光が入射する第1主面と、前記第1主面に対向し光が出射する第2主面とを有し、前記第1主面から入射した光を前記第2主面に向けて偏向する光制御部材と、
    2つの主面を有すると共に、一方の主面が平面であり、他方の主面が凹凸構造である分散抑制部材と、からなることを特徴とする採光具。
  2. 前記凹凸構造の傾斜角度が、前記分散抑制部材の平面に対して−Δαから+Δαの範囲で
    あるとき、
    前記光制御部材から出射した光が、前記分散抑制部材に入射する角度θと、
    (ただし、θは、分散抑制部材の法線方向に対する角度。また、θは、空気中換算値。)前記分散抑制部材の屈折率nと、
    450nmの光が前記光制御部材から出射する角度と、650nmの光が前記光制御部材から出射する角度との差分Δθと、の間に、
    Figure 2016070941
    の関係を有することを特徴とする請求項1に記載の採光具。
  3. 前記凹凸構造の傾斜角度が、前記分散抑制部材の平面に対して−Δαから+Δαの範囲で
    あるとき、
    前記分散抑制部材から出射した光が、前記光制御部材に入射する角度θと、
    (ただし、θは、光制御部材の法線方向に対する角度。また、θは、空気中換算値。)
    前記分散抑制部材の屈折率nと、
    450nmの光が前記分散抑制部材から出射する角度と、650nmの光が前記分散抑制部材から出射する角度との差分Δθと、の間に、
    Figure 2016070941
    の関係を有することを特徴とする請求項1に記載の採光具。
  4. 前記光制御部材は、屈折率の異なる媒質同士の界面により光を偏向することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の採光具。
  5. 前記光制御部材は、金属反射層により光を偏向することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の採光具。
  6. 前記光制御部材は、鉛直上方側に光を偏向することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の採光具。
  7. 前記光制御部材は、鉛直下方側に光を偏向することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の採光具。
  8. 前記光制御部材が、プリズムを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の採
    光具。
  9. 前記光制御部材から出射した光が、前記分散抑制部材に入射することを特徴とする請求項1に記載の採光具。
  10. 前記分散抑制部材から出射した光が、前記光制御部材に入射することを特徴とする請求項1に記載の採光具。
  11. 前記分散抑制部材を2つ有し、
    前記光制御部材の第1主面側と、前記光制御部材の第2主面側との双方に、前記分散抑制部材が配されることを特徴とする請求項1に記載の採光具。
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