JP2016070818A - 試験体、ひずみ測定方法、収縮膨張ひずみ推定方法および有効プレストレス量推定方法 - Google Patents

試験体、ひずみ測定方法、収縮膨張ひずみ推定方法および有効プレストレス量推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実構造物と同じ環境条件下で、収縮膨張ひずみを測定することが可能であり、さらに、実構造物の長期の有効プレストレス量を正確に把握する。【解決手段】構造物の収縮膨張ひずみの推定に用いられる試験体であって、前記構造物と実質的に同一の鉄筋比となるように設けられた複数の鉄筋3と、各鉄筋3に支持されたひずみセンサ1と、ひずみセンサ1から取得した信号を出力するRFIDタグ9と、を備える。また、この試験体は、鉛直方向に対して平行に設けられた少なくとも3つの鉄筋により柱状に構成され、ひずみセンサ1が3つの鉄筋3に包囲されている。【選択図】図1B

Description

本発明は、構造物の収縮膨張ひずみの推定に用いられる試験体、ひずみ測定方法、収縮膨張ひずみ推定方法および有効プレストレス量推定方法に関する。
従来から、橋梁などの大規模構造物では、プレストレストコンクリートを用いて製造することが多い。このようなPC構造物は、所定のプレストレス量を導入することが極めて重要である。初期に与えたプレストレス量(導入プレストレス量)は、各種因子により応力が解放されるので、長期の有効プレストレス量は徐々に減少していく。各種因子のうち、主に影響するのは、セメント硬化体による収縮膨張ひずみ(例えば、乾燥・自己収縮)、加えられたプレストレス量によるクリープひずみ、PC鋼材のリラクセーションであり、これらを正確に求めることができれば、実コンクリート製品や構造物の長期の有効プレストレス量を正確に把握することができる。
ここで、クリープひずみ量やリラクセーション量については、従来から、応力との関係が明確に求められており、正確な値を算出することができる。
特開平10−102776号公報
しかしながら、収縮膨張ひずみは、コンクリートの配合、部材の寸法及び形状、環境条件、鉄筋の拘束など様々な要因が影響し、実構造物の収縮膨張を精緻に予測することは容易ではない。
これまでの収縮膨張ひずみを計測する方法では、測定部にチップや金属棒を用いるため、屋外では風雨により計測部が破損したり、腐食したりしてしまう。このため、正確な計測結果を得ることは困難であった。また、測定する機器も基準となる20℃以外では、校正がとれないため、屋外での正確な計測は困難であった。
上記のほか、実構造物自体にひずみセンサを埋設し、RFIDタグを用いて収縮膨張ひずみを計測する方法もある。しかし、埋設する際に、鉄筋間にセンサやタグの取り付け、ケーブル配線などの煩雑な作業が必要である。そして、実構造物自体にひずみセンサを埋設できたとしても、測定箇所が手の届かない橋梁の側面であったり、車が通行する車道など、測定が困難な場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、実構造物と同じ環境条件下で、収縮膨張ひずみを測定することが可能であり、さらに、実構造物の長期の有効プレストレス量を正確に把握することが可能な試験体、ひずみ測定方法、収縮膨張ひずみ推定方法および有効プレストレス量推定方法を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、構造物の収縮膨張ひずみの推定に用いられる試験体であって、前記構造物と実質的に同一の鉄筋比となるように設けられた複数の鉄筋と、いずれかの前記鉄筋に支持されたひずみセンサと、前記ひずみセンサから取得した信号を出力するRFIDタグと、から構成されることを特徴とする。
このように、構造物と実質的に同一の鉄筋比となるように設けられた複数の鉄筋と、いずれかの鉄筋に支持されたひずみセンサと、ひずみセンサから取得した信号を出力するRFIDタグと、から構成されるので、構造物と同一の構成をとるミニチュアとしての試験体を形成することが可能となる。これにより、実構造物の環境条件と同じ場所に試験体を設置し、試験体の収縮膨張ひずみを取得することができる。
(2)また、本発明の試験体は、鉛直方向に対して平行に設けられた少なくとも3つの鉄筋により柱状に構成され、前記ひずみセンサが前記3つの鉄筋に包囲されていることを特徴とする。このように、鉛直方向に対して平行に設けられた少なくとも3つの鉄筋により柱状に構成され、ひずみセンサが3つの鉄筋に包囲されているので、ひずみセンサをコンクリートに埋設するために必要な体積を小さくすることが可能となる。また、3つの鉄筋を鉛直方向に対して平行に設けるため、試験体を自立した状態で用いることができる。さらに、コンクリートを打設する際に、加工しやすく容易に用いることができる。
(3)また、本発明の試験体は、前記鉄筋および前記ひずみセンサを埋設するように、前記構造物と実質的に同一のコンクリートが打設されたことを特徴とする。このように、鉄筋およびひずみセンサを埋設するように、構造物と実質的に同一のコンクリートが打設されるので、構造物と同一の構成をとるミニチュアとしての試験体を形成することが可能となる。これにより、ひずみセンサの計測部が風雨などにより破損したり、または腐食したりすることなく、正確な収縮膨張ひずみを計測することができる。
(4)また、本発明の収縮膨張ひずみ測定方法は、RFIDタグを用いて、上記記載の試験体から収縮膨張ひずみデータを取得することを特徴とする。このように、RFIDタグを用いて、ひずみセンサからデータを取得することができるので、電源や配線が不要となり、測定の効率化を図ることが可能となる。
(5)また、本発明の収縮膨張ひずみ測定方法は、上記記載の試験体を、前記構造物と同一環境下に設置し、前記試験体からひずみデータを取得することを特徴とする。これにより、実構造物と同一環境条件下で、試験体の収縮膨張ひずみを測定することができる。
(6)また、本発明の収縮膨張ひずみ推定方法は、上記記載の試験体からひずみデータを取得するステップと、前記取得したひずみデータ、および前記構造物の有効部材厚もしくは前記構造物の体積比・表面積比を用いて、前記構造物の収縮膨張ひずみを推定するステップとを少なくとも含むことを特徴とする。これにより、実構造物と実質的に同一の試験体から収縮膨張ひずみを推定することができる。
(7)また、本発明の有効プレストレス量推定方法は、前記PC構造物の有効プレストレス量の推定は、PC構造物に対する導入プレストレス量から、上記記載の収縮膨張ひずみ推定方法により推定された収縮膨張ひずみ、算出されたクリープひずみ、およびリラクセーション量を減算し、最終的に応力として算出することを特徴とする。これにより、試験体から実構造物の長期の有効プレストレス量を推定し、緊張状態を把握することができる。
本発明によれば、実構造物と同一環境条件下で、収縮膨張ひずみを測定することが可能となる。また、RFIDひずみ計測システムを用いることにより、屋外においても正確な計測を行なうことが可能となる。そして、試験体で計測した収縮膨張ひずみから、実構造物の収縮膨張ひずみを推定することができ、実構造物の長期の有効プレストレス量を正確に把握することが可能となる。
RFIDひずみセンサを設置した試験体の概要を示した斜視図である。 RFIDひずみセンサを設置した試験体の概要を示した斜視図である。 本実施例に係る検証用PC構造物の概要を示した透視図である。 本実施例に係る乾燥材齢と収縮膨張ひずみの関係を示した図である。 本実施例の方法における緊張材齢と各ひずみの関係を示した図である。 従来法における緊張材齢と各ひずみの関係を示した図である。 従来法および本実施例の方法におけるPC鋼棒の応力変化を示した図である。
本発明者らは、実構造物自体の収縮膨張ひずみを計測することは難しいため、小型供試体に生じた収縮膨張ひずみを実構造物の収縮膨張ひずみに換算することで実構造物の収縮膨張ひずみを推定できる可能性に着目し、RFIDひずみ計測システムを用いた試験体から収縮膨張ひずみを計測し、その収縮膨張ひずみと特定の計算式を用いることで、実構造物の収縮膨張ひずみを推定することによって、実構造物の有効プレストレス量を推定することが可能となることを見出し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、構造物の収縮膨張ひずみの推定に用いられる試験体であって、前記構造物と実質的に同一の鉄筋比となるように設けられた複数の鉄筋と、いずれかの前記鉄筋に支持されたひずみセンサと、前記ひずみセンサから取得した信号を出力するRFIDタグと、から構成されることを特徴とする。
これにより、本発明者らは、実構造物の環境条件と同じ場所に試験体を設置し、試験体から取得された収縮膨張ひずみを用いて、実構造物の収縮膨張ひずみを推定することにより、実構造物の有効プレストレス量を推定することを可能とした。以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(RFID収縮試験体および検証用PC構造物の作製)
図1Aおよび図1Bは、RFIDひずみセンサ1を設置した試験体100、200の概要を示す図である。図1Aおよび図1Bは、コンクリートが打設されていない状態を示している。図1Aに示した試験体100は、少なくともRFIDひずみセンサ1、複数の鉄筋3(本実施形態では3本)、およびRFIDタグ9から構成される。RFIDひずみセンサ1は、各鉄筋3に包囲するように設けられ、各鉄筋3の中心に配置されるように第1の針金5で固定されている。そして、RFIDひずみセンサ1および各鉄筋3は、いずれも鉛直方向に対して平行に設けられ、各鉄筋3により柱状に構成されている。第2の針金7には、RFIDひずみセンサ1とケーブル11で繋がれたRFIDタグ9がRFIDタグ固定用ベルト10によって固定されている。第2の針金7は、固定用針金6によって各鉄筋3に固定されている。
図1Bに示すように、RFID収縮試験体200は、コンクリート用型枠13の中心に図1Aに図示した試験体100が配置されている。図1Aおよび図1Bに図示した試験体100、200は、3本の鉄筋3が鉛直方向に対して平行に設けられているため、自立することができる。試験体200で構造物の収縮膨張ひずみを測定する際には、図1Bに示すコンクリート用型枠13内にコンクリートを打設するだけでよいため、加工しやすく容易に用いることができる。
図2は、本実施例に係る検証用PC構造物300の概要を示した図である。検証用PC構造物300の中央部断面の中心部における長期のプレストレス量を推定し、本発明の正確性を検討する。
次に、検証用PC構造物300および試験体200の概要について説明する。なお、以下に記載する検証用PC構造物300およびRDIF収縮試験体200の構成は、本発明の正確性を検討するための一例であり、このような構成だけに本発明を限定するものではない。
検証用PC構造物300は、検証用PC構造物300の中央部断面の中心部にRFIDコンクリートひずみセンサ31が、かぶり付近の計測しやすい場所にRFIDタグ33が設けられており、RFIDコンクリートひずみセンサ31を用いて、検証用PC構造物300の収縮膨張ひずみを実測する。
検証用PC構造物300の中央部の外形断面(縦20cm×横40cm)には、異型鉄筋D13が6本(断面積計760mm)、D10が3本(断面積計214mm)入っており、シースなどを除く有効断面積は75774mm、鉄筋比は0.0128となる。
検証用PC構造物300は、材齢10日まで型枠のまま養生し、材齢35日にPC鋼材2本により緊張力導入を行なった。緊張は、センターホール型ジャッキを用い、緊張力の管理はセンターホール型ロードセルにより行なった。上段および下段のPC鋼棒37について、482.5kN(600N/mm)とした。これはPC鋼棒3000μに相当する。
一方、試験体200は、各鉄筋3は3本の異型鉄筋(D10)を用いて、検証用PC構造物300の鉄筋比とほぼ同じ(0.0126)になるように組み立てられている。コンクリート用型枠13(直径15cm×高さ30cm)内に、検証用PC構造物300と実質的に同一のコンクリート(水セメント比38%、砕石、砕砂)を打込んだ。以降、試験体200を検証用PC構造物300の近くに置き、検証用PC構造物300と同じ10日まで型枠のまま養生し、材齢10日後に脱型後、上面と下面をエポキシ樹脂でシールした。その後、試験体200を再度、検証用PC構造物300の近くに置き、検証用PC構造物300と同様の養生条件とした。
(PC構造物の収縮膨張ひずみの推定)
図3に、試験体200から取得した収縮膨張ひずみの実測値ならびに本実施例の方法および従来法による収縮膨張ひずみの推定値と、乾燥材齢との関係を示す。
本実施例では、検証用PC構造物300の近くに設置された、コンクリートの配合、環境条件、軸方向鉄筋比を検証用PC構造物300とほぼ同条件とした試験体200から取得した収縮膨張ひずみを用いて、検証用PC構造物300の収縮膨張ひずみを推定する。ただし、部材の寸法および形状だけは、検証用PC構造物300と同条件で試験体200を作製することが不可能であるため、その影響を考慮しなければならない。例えば、小型供試体と大型供試体とでは、乾燥の度合いが材齢によって異なる。そのため、乾燥ひずみも異なる挙動を示す。コンクリートの収縮膨張ひずみの最終値は、供試体の寸法によらずほぼ同一とみなすことが可能であり、収縮膨張ひずみの経時変化を表わす値は、供試体寸法の二乗に比例して大きくなる。
そこで、2012年コンクリート標準示方書設計編における有効部材厚を考慮した式(1)を用いて、検証用PC構造物300の収縮膨張ひずみを推定する。
Figure 2016070818
まずは、得られた試験体200の収縮膨張ひずみを部材の収縮ひずみとして、収縮ひずみの最終値ε’sh,infを算出する。試験体200の収縮ひずみの最終値ε’sh,infは、乾燥材齢11、24、49、88、115日に測定した試験体200の材齢、収縮膨張ひずみ、気象庁による日ごとの平均相対湿度の平均値および有効部材厚(150mm)を式(1)に代入し、最小二乗法により、351μと算出した。
次に、本発明である検証用PC構造物300の収縮膨張ひずみを、算出された収縮ひずみの最終値を用いて部材の収縮ひずみとして推定する。検証用PC構造物300の収縮膨張ひずみの推定は、有効部材厚を断面積の1/2乗(283mm)とし、収縮ひずみの最終値には、試験体200と同一の値を使用して、同様に式(1)を用いて算出した。
次に、従来法を用いて、PC構造物の収縮膨張ひずみを推定する。従来法では、式(1)のε’sh,infおよびβは、100×100×400mm供試体の水中養生7日後、温度20℃、相対湿度60%の環境下での収縮膨張ひずみの経時変化曲線である式(2)を用いて回帰する。
Figure 2016070818
この場合、実際の現場でPC構造物に打設されたコンクリートと同一のコンクリートで作製した100×100×400mm供試体を水中養生し、その後20℃、相対湿度60%の環境下で保存しながら収縮膨張ひずみの測定を行なわなければならない。100×100×400mm供試体の収縮膨張ひずみによらない場合は、ε’sh,infおよびβは、式(3)より求める。ここでの従来法は、式(3)より求めた。
Figure 2016070818
なお、土木学会標準示方書設計編p105では、従来法の収縮の試験値の推定値ε’shは、全国で実際に使用されている種々の骨材を用いたJIS A 1129にしたがった測定値の平均値であり、個々の試験値に対してばらつきが最大±50%程度であることが明らかとなっていることが記載されている。よって、従来法による試験値により、鉄筋が入った実構造物の収縮膨張ひずみを推定することは困難である。
図3に示す通り、本実施例の方法によるPC構造物の収縮膨張ひずみの推定値および従来法によるPC構造物の収縮膨張ひずみの推定値には、乖離があることがわかる。
(有効プレストレス量の推定)
次に、有効プレストレス量の推定方法について説明する。PC構造物の実現象として、緊張力導入後からコンクリートの収縮膨張ひずみ、クリープひずみ、PC鋼材のリラクセーションが徐々に生じるため、材齢の経過に伴い有効プレストレス量は減少していく。減少要因となっている収縮膨張ひずみ、クリープひずみおよびリラクセーションの算出にあたっては、厳密にはその材齢におけるプレストレス力がコンクリートに加わっており、プレストレス力は材齢とともに変化していくことを考慮する必要がある。
有効プレストレス量は、導入プレストレス量からコンクリートの収縮膨張ひずみ、クリープひずみおよびPC鋼材のリラクセーションを減算することにより、推定することができる。そして、クリープひずみおよびリラクセーションについては、計算式により算出することができることがすでにわかっている。
クリープひずみおよびリラクセーションの算出について、説明する。ここでは、1日ごとに、収縮膨張ひずみ、クリープひずみおよびリラクセーションを算出する。その材齢における有効プレストレス量をPC鋼棒のひずみ量に換算し、1日ステップごとに算出した。クリープひずみに関しては、コンクリート標準示方書の式にしたがって算出した。
Figure 2016070818
なお、コンクリートの圧縮強度およびヤング係数については、早強セメントを使用し、緊張材齢も35日とかなり経過していることから一定としたが、強度発現が遅く、早い材齢に緊張力を導入するのであれば、これらも時間の係数として変化させることも有効であると考えられる。
また、PC鋼棒のリラクセーション率(%)は、試験成績表により、
リラクセーション率(%)=0.3185log(t)+2.0122
ここに、t:期間(日)
で近似し、リラクセーションによる緊張力の減少を見掛け上、PC鋼棒のひずみ減少量(リラクセーション相当ひずみ量)として扱った。
なお、摩擦の影響は、今回は直接配置されたPC鋼棒で、グラウト充填していないことから、その影響はなく、さらに定着時の減少量もひずみの挙動でほとんど生じないことを確認した。
緊張力導入によるPC鋼棒のひずみ変化量(導入プレストレス量)は3000μ(=σpt/E)であり、そこから式(1)により推定した収縮膨張ひずみや、式(4)により算出したクリープひずみ、PC鋼棒のリラクセーションの影響により、コンクリートとともにPC鋼棒のひずみが減少していくこととした。
そこで、PC鋼棒のひずみの減少量は、収縮膨張ひずみの推定値、クリープひずみの推定値およびリラクセーション相当ひずみ量を合わせた値であると推定することができる。つまり、
PC鋼棒のひずみの減少量推定値
=収縮ひずみ推定値+クリープひずみ推定値+リラクセーション相当ひずみ量
が成り立つ。そして、有効プレストレス量は、導入プレストレス量からPC鋼棒のひずみの減少量を減算することにより求めることができる。つまり、
有効プレストレス量=導入プレストレス量−PC鋼棒のひずみの減少量
で推定することができる。
図4および図5に、以上説明した本実施例の方法および従来法で推定した緊張材齢と各ひずみの関係を示す。図4および図5の各図には、検証用PC構造物300に埋め込んだRFIDコンクリートひずみセンサ31から取得した収縮膨張ひずみの実測値も併せて図示した。
図4から、本実施例の方法で推定したPC鋼棒の減少量推定値と検証用PC構造物300のRFIDコンクリートひずみセンサ31から取得した実測値は、ほぼ一致した。一方、従来法により算出した収縮ひずみと検証用PC構造物300のRFIDコンクリートひずみセンサ31から取得した実測値には、乖離があることがわかる。したがって、本実施例の方法によって正確な収縮ひずみが推定できることがわかる。
図6は、本検討における緊張力導入時からのPC鋼棒の応力変化を示した図である。PC鋼材の有効プレストレス量は、510.7N/mmとなった。従来法の供試体を用いた場合は、503.6N/mmとなり、本発明の試験体とのひずみ量相違分に相当する分(7.1N/mm)の誤差が生じることがわかった(3000μが600N/mmなので、ひずみ減少450μは90N/mm分に相当)。
以上説明したように、本実施形態によれば、実構造物と同じ環境条件下で、収縮膨張ひずみを測定することができ、RFIDひずみ計測システムを用いることにより、屋外においても正確な計測を行なうことが可能となる。そして、試験体200で計測した収縮膨張ひずみから、実構造物の収縮膨張ひずみを推定することができ、実構造物の長期の有効プレストレス量を正確に把握することが可能となる。
1 RFIDひずみセンサ、ひずみセンサ
3 鉄筋
5 第1の針金
6 固定用針金
7 第2の針金
9 REIDタグ
10 RFIDタグ固定用ベルト
11 ケーブル
13 コンクリート用型枠
31 RFIDコンクリートひずみセンサ
33 RFIDタグ
35 ケーブル
37 PC鋼棒
100、200 RFID収縮試験体(試験体)
300 検証用PC構造体

Claims (7)

  1. 構造物の収縮膨張ひずみの推定に用いられる試験体であって、
    前記構造物と実質的に同一の鉄筋比となるように設けられた複数の鉄筋と、
    いずれかの前記鉄筋に支持されたひずみセンサと、
    前記ひずみセンサから取得した信号を出力するRFIDタグと、から構成されることを特徴とする試験体。
  2. 鉛直方向に対して平行に設けられた少なくとも3つの鉄筋により柱状に構成され、前記ひずみセンサが前記3つの鉄筋に包囲されていることを特徴とする請求項1記載の試験体。
  3. 前記鉄筋および前記ひずみセンサを埋設するように、前記構造物と実質的に同一のコンクリートが打設されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の試験体。
  4. RFIDタグを用いて、請求項3記載の試験体から収縮膨張ひずみデータを取得することを特徴とする収縮膨張ひずみ測定方法。
  5. 構造物の収縮膨張ひずみを推定する収縮膨張ひずみ測定方法であって、
    請求項3記載の試験体を、前記構造物と同一環境下に設置し、前記試験体からひずみデータを取得する収縮膨張ひずみ測定方法。
  6. 構造物の収縮膨張ひずみを推定する収縮膨張ひずみ推定方法であって、
    請求項3記載の試験体からひずみデータを取得するステップと、
    前記取得したひずみデータ、および前記構造物の有効部材厚もしくは前記構造物の体積比・表面積比を用いて、前記構造物の収縮膨張ひずみを推定するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする請求項5記載の収縮膨張ひずみ推定方法。
  7. PC構造物の有効プレストレス量を推定する有効プレストレス量推定方法であって、
    前記PC構造物の有効プレストレス量の推定は、PC構造物に対する導入プレストレス量から、請求項6記載の収縮膨張ひずみ推定方法により推定された収縮膨張ひずみ、算出されたクリープひずみ、およびリラクセーション量を減算し、最終的に応力として算出することを特徴とする有効プレストレス量推定方法。
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