JP2016070225A - 蒸気タービン設備 - Google Patents

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Hiroshi Tamaya
寛 玉谷
寿枝 岩崎
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寿枝 岩崎
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Abstract

【課題】グランド部での腐食を抑制することができ、蒸気タービンの出力減少を抑制することができるようにすること。【解決手段】蒸気タービン設備(1)は、地熱流体を蒸気と熱水とに分離する第1フラッシャ(3)と、第1フラッシャを経て供給される熱水から、蒸気と熱水とに分離する第2フラッシャ(4)と、第1フラッシャから供給される蒸気によって駆動する蒸気タービン(6)と、蒸気タービンの回転軸(17)とタービン車室との間をシールするグランド部(20)に軸封蒸気を供給する軸封蒸気供給系統(22)とを備えている。軸封蒸気供給系統は、第2フラッシャで分離された蒸気を軸封蒸気としてグランド部に供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、蒸気タービン設備に関し、特に、回転軸が貫通するグランド部に軸封蒸気を供給してシールする蒸気タービン設備に関する。
従来、熱水と高圧蒸気とが混合した地熱流体を用いて発電を行う地熱タービンプラントとして、特許文献1の図5や図1に示される構成が知られている。
特許文献1の図5の構成(以下、従来構成1と称する)では、セパレータ(気水分離器)によって地熱流体が熱水と蒸気とに分離される。そして、この蒸気が主蒸気として主蒸気ラインにより蒸気タービンに供給されてタービンの回転軸が回転される。回転軸とタービン車室とはシールされ、このシールを行う構成がグランド部とされる。主蒸気ラインは、主蒸気分岐ラインに分岐され、主蒸気分岐ラインへ流れた蒸気は、軸封蒸気(グランド蒸気)としてグランド部へ導かれてグランドシールに用いられる。
特許文献1の図1の構成(以下、従来構成2と称する)では、従来構成1に対し、軸封蒸気を変えている。従来構成2の軸封蒸気は、地熱蒸気より腐食性物質を除去した清浄復水を、セパレータで分離された蒸気によって加熱蒸気化することで生成される。
特許第5030931号公報
しかしながら、従来構成1において、軸封蒸気は、蒸気タービンに供給される蒸気と同じ、つまり、地熱流体を1基のセパレータによって土砂、水等を分離した蒸気となる。従って、軸封蒸気中には、硫化水素(HS)、二酸化炭素(CO)などの腐食性ガスや、塩化ナトリウムなどの腐食性物質が含まれている。
一方、従来構成1では、蒸気タービンのグランド部は軸封蒸気よりも低温となるので、軸封蒸気を供給するとその一部が結露しドレンとなる。多量のドレンが発生すると、軸封蒸気中のHS、COなどの腐食性ガスがドレン中に溶け込み、グランド部に孔食などの腐食を発生させる、という問題がある。
また、従来構成1及び2では、セパレータで分離された蒸気の一部が軸封蒸気としてグランド部でのグランドシールに、もしくはグランドシール蒸気を加熱するために用いられるので、その分、蒸気タービンに供給される主蒸気が少なくなる。このため、蒸気タービンでの出力が減少して運転効率が低下する、という問題もある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、グランド部での腐食を抑制することができ、蒸気タービンの出力減少を抑制することができる蒸気タービン設備を提供することを目的とする。
本発明に係る蒸気タービン設備は、生産井から採取した地熱流体を、蒸気と熱水とに分離する第1気水分離器と、前記第1気水分離器を経て供給される熱水から、当該熱水より相対的に低温となる熱水と蒸気とに分離する少なくとも1基の第2気水分離器と、前記第1気水分離器から供給される蒸気によって駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転軸とタービン車室との間をシールするグランド部に軸封蒸気を供給する軸封蒸気供給系統とを備えた蒸気タービン設備において、前記軸封蒸気供給系統は、前記第2気水分離器で分離された蒸気を前記軸封蒸気として前記グランド部に供給することを特徴とする。
上記蒸気タービン設備において、軸封蒸気となる第2気水分離器で分離された蒸気は、第1気水分離器を経た熱水から抽出されるので、第1気水分離器で分離抽出された蒸気に比べ、蒸気中に含まれる腐食性ガスや腐食性物質の含有量(含有率)を大幅に削減することができる。これにより、グランド部での腐食を防止でき、グランド部によるシール性の阻害や減肉などを抑制することができる。また、第1気水分離器で分離抽出された蒸気は、軸封蒸気の利用によって減少しなくなり、軸封蒸気に起因して蒸気タービンの出力が減少することを抑制することができる。
本発明に係る蒸気タービン設備は、生産井から採取した地熱流体を、蒸気と熱水とに分離する気水分離器と、前記気水分離器から供給される蒸気によって駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転軸とタービン車室との間をシールするグランド部に軸封蒸気を供給する軸封蒸気供給系統とを備えた蒸気タービン設備において、前記軸封蒸気供給系統における前記グランド部の上流側には軸封蒸気加減弁が設けられ、前記蒸気タービンは、蒸気出口の圧力が大気圧力以上となる背圧タービンからなり、前記軸封蒸気加減弁によって、前記軸封蒸気の圧力が前記蒸気出口の圧力より高圧に設定されることを特徴とする。
本発明に係る蒸気タービン設備は、生産井から採取した地熱流体を、蒸気と熱水とに分離する気水分離器と、前記気水分離器から供給される蒸気によって駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転軸とタービン車室との間をシールするグランド部に軸封蒸気を供給する軸封蒸気供給系統とを備えた蒸気タービン設備において、前記蒸気タービンは複数設けられ、これら蒸気タービンは供給される蒸気の圧力が異なり、前記軸封蒸気供給系統は、分岐して複数の前記蒸気タービンにおけるグランド部に接続され、各グランド部の上流側それぞれに軸封蒸気加減弁が設けられ、複数の前記軸封蒸気加減弁によって、複数の前記蒸気タービンそれぞれに供給される前記軸封蒸気の圧力が相違して設定されることを特徴とする。
本発明に係る蒸気タービン設備は、生産井から採取した地熱流体を、蒸気と熱水とに分離する気水分離器と、前記気水分離器から供給される蒸気によって駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転軸とタービン車室との間をシールするグランド部に軸封蒸気を供給する軸封蒸気供給系統とを備えた蒸気タービン設備において、前記蒸気タービンは、蒸気出口の圧力が大気圧力以上となる背圧タービンと、蒸気出口が所定系統を介して復水器に接続された復水タービンとからなり、前記軸封蒸気供給系統は、分岐して前記背圧タービン及び前記復水タービンの各グランド部に接続され、各グランド部の上流側それぞれに軸封蒸気加減弁が設けられ、複数の前記軸封蒸気加減弁によって、前記背圧タービンに供給される軸封蒸気の圧力が背圧タービンにおける蒸気出口の蒸気より高圧に設定され、且つ、前記復水タービンに供給される軸封蒸気の圧力が大気圧より高圧に設定されることを特徴とする。
本発明に係る蒸気タービン設備は、生産井から採取した地熱流体を、蒸気と熱水とに分離する気水分離器と、前記気水分離器から供給される蒸気によって駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転軸とタービン車室との間をシールするグランド部に軸封蒸気を供給する軸封蒸気供給系統とを備えた蒸気タービン設備において、前記蒸気タービンは、蒸気出口の圧力が大気圧力以上となる背圧タービン部と、蒸気出口が所定系統を介して復水器に接続された復水タービン部とを1体のタービン車室に備え、前記軸封蒸気供給系統は、分岐して前記背圧タービン部側のグランド部と前記復水タービン部側のグランド部とに接続され、各グランド部の上流側それぞれに軸封蒸気加減弁が設けられ、複数の前記軸封蒸気加減弁によって、前記背圧タービン部側のグランド部に供給される軸封蒸気の圧力が背圧タービン部における蒸気出口の蒸気より高圧に設定され、且つ、前記復水タービン部側のグランド部に供給される軸封蒸気の圧力が大気圧より高圧に設定されることを特徴とする。
本発明によれば、グランド部での腐食を抑制することができ、蒸気タービンの出力減少を抑制することができる。
第1の実施の形態に係る蒸気タービン設備の概略構成図である。 第2の実施の形態に係る蒸気タービン設備の概略構成図である。 第3の実施の形態に係る蒸気タービン設備の概略構成図である。 第4の実施の形態に係る蒸気タービン設備の概略構成図である。 第5の実施の形態に係る蒸気タービン設備の概略構成図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、第1の実施の形態に係る蒸気タービン設備の概略構成図である。また、以下において、大まかに分けて圧力が異なる3種類の蒸気に関し、相対的に高い圧力から低い圧力について順に、「高圧」、「中圧」、「低圧」として説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、第1フラッシャ(第1気水分離器)3、第2フラッシャ(第2気水分離器)4、第3フラッシャ(第2気水分離器)5、蒸気タービン6、発電機8及び復水器9を備えている。蒸気タービン設備1は、フラッシャを3基有するトリプルフラッシュ方式の地熱タービン設備とされ、地熱発電プラントに適用される。
第1フラッシャ3は、生産井12から採取した地熱流体を、熱水と高圧蒸気とに分離する気水分離器(セパレータ)によって構成される。第1フラッシャ3で分離された高圧蒸気は、高圧蒸気供給管13を介して蒸気タービン6に供給される。第1フラッシャ3で分離された熱水は、第2フラッシャ4に供給される。
第2フラッシャ4は、第1フラッシャ3を経て供給される熱水から、当該熱水より相対的に低温となる熱水と、高圧蒸気より圧力が低い中圧蒸気とに分離する気水分離器(セパレータ)によって構成される。第2フラッシャ4で分離された中圧蒸気は、中圧蒸気供給管14を介して蒸気タービン6に供給される。第2フラッシャ4で分離された熱水は、第3フラッシャ5に供給される。
第3フラッシャ5は、第1フラッシャ3、第2フラッシャ4を経て供給される熱水から、当該熱水より相対的に低温となる熱水と、中圧蒸気より圧力が低い低圧蒸気とに分離する気水分離器(セパレータ)によって構成される。第3フラッシャ5で分離された低圧蒸気は、低圧蒸気供給管15を介して蒸気タービン6に供給される。第3フラッシャ4で分離生成された熱水は、還元井(不図示)等に排出される。
ここで、第2フラッシャ4及び第3フラッシャ5は、第1フラッシャ3を経た熱水から、熱水と蒸気とに分離するので、両方とも第2気水分離器とされる。第2フラッシャ4には、第1フラッシャ3で分離された熱水が気水分離されずに供給される。第3フラッシャ5には、第1フラッシャ3で分離された熱水が、第2フラッシャ4で1回気水分離されてから供給される。
蒸気タービン6は、各蒸気供給管13〜15を介して供給される高圧蒸気、中圧蒸気及び低圧蒸気(以下、これらの蒸気を総称して「主蒸気」とする場合がある)によって駆動される。蒸気タービン6は、タービン車室の内部に設置されたタービンロータを有し、タービンロータは、回転軸17に固定された複数のタービン羽根を備えて回転可能に支持されている。回転軸17は、発電機8に接続されている。蒸気タービン6のタービン車室には、各蒸気供給管13〜15が接続され、それらの接続位置が蒸気入口とされる。また、蒸気タービン6は、蒸気出口が回転軸17の延在方向両側に設けられる。従って、蒸気タービン6は、それら蒸気出口の間に蒸気入口が設けられ、主蒸気が2方向に流れる双流タービンとされる。蒸気タービン6では、タービン車室に供給された主蒸気が仕事を行ってタービンロータを回転させ、仕事を行った主蒸気は、排出系統18を介して復水器9へ排出される。
蒸気タービン6は、タービン車室と回転軸17との間をシールするラビリンスシールを備えたグランド部20を有している。このシールによって、グランド部20は、回転する回転軸17とタービン車室との隙間から、タービン車室内に供給した主蒸気が漏洩することを規制し、且つ、タービン車室内に空気が流入することを規制する。本実施の形態では、グランド部20は、タービン車室における回転軸17の延在方向両側に設けられる。
各グランド部20は、軸封蒸気供給系統22に接続されて軸封蒸気が供給される供給ポート20aと、軸封蒸気回収系統23に接続される吸込ポート20bとをそれぞれ備えている。供給ポート20aは、吸込ポート20bより蒸気タービン6の内側寄りに設けられている。各グランド部20では、供給ポート20aから軸封蒸気が供給され、当該軸封蒸気と外気の空気とが吸込ポート20bで吸引される。
軸封蒸気供給系統22は、中圧蒸気供給管14から分岐される分岐管22aと、分岐管22aから二手に分かれて各供給ポート20aに接続される軸封蒸気供給管22bとを備えている。分岐管22aには、第2フラッシャ4から中圧蒸気供給管14に流れる中圧蒸気の一部が軸封蒸気として導入される。グランド部20より上流側となる分岐管22aの中途には、軸封蒸気加減弁24が設けられる。軸封蒸気加減弁24は、分岐管22aから軸封蒸気供給管22bに導入される軸封蒸気の流量を加減調整するためのものである。
軸封蒸気回収系統23は、各吸込ポート20bに接続される軸封蒸気回収管23aと、これら軸封蒸気回収管23aと復水器9とを接続する軸封蒸気排出管23bとを備えている。軸封蒸気回収系統23は、復水器9と連通することによって大気圧より負圧にする等、減圧された状態に調整される。
高圧蒸気供給管13には、高圧蒸気止弁31及び高圧蒸気加減弁32が設けられている。中圧蒸気供給管14には、中圧蒸気止弁33及び中圧蒸気加減弁34が設けられている。低圧蒸気供給管15には、低圧蒸気止弁35及び低圧蒸気加減弁36が設けられている。各蒸気止弁31,33,35は、蒸気タービン6に導入される蒸気を遮断するためのものである。各蒸気加減弁32,34,36は、蒸気タービン6に導入される蒸気の流量を加減調整するためのものである。
復水器9は、排出系統18を介して蒸気タービン6から排出された蒸気を冷却することによって、その蒸気を凝縮する。また、復水器9には、軸封蒸気回収系統23で回収された軸封蒸気等が排出される。なお、軸封蒸気回収系統23は、復水器9とは別のグランド復水器等(不図示)に接続してもよい。
次いで、本実施の形態に係る蒸気タービン6のグランド部20におけるシールについて説明する。
蒸気タービン6の通常運転において、各フラッシャ3〜5で熱水と蒸気とに分離する気水分離が行われ、各蒸気供給管13〜15を介して主蒸気が蒸気タービン6に供給される。このとき、中圧蒸気供給管14から分岐された軸封蒸気供給系統22の分岐管22aには、中圧蒸気の一部が軸封蒸気として導入される。分岐管22aに導入された軸封蒸気は、軸封蒸気加減弁24で流量調整されてから、軸封蒸気供給管22bを経てグランド部20の供給ポート20aに供給される。軸封蒸気加減弁24の流量調整によって、供給ポート20aに供給される軸封蒸気の圧力は大気圧力より正圧に調整される。
一方、グランド部20の吸込ポート20bは、軸封蒸気回収系統23を介して復水器9と連通されるので、吸込ポート20bから軸封蒸気と外気の空気が吸引される。これにより、軸封蒸気がグランド部20を通過することの抵抗によってグランド部20と回転する回転軸17との間をシールしている。
続いて、本実施の形態に係る蒸気タービン設備1での、軸封蒸気における腐食性ガスの削減効果について説明する。
ここで、本実施の形態に係る蒸気タービン設備1では、地熱流体から蒸気を分離抽出しているので、高圧蒸気、中圧蒸気、低圧蒸気それぞれに対し、腐食性ガス(HS、COなど)が含まれる。但し、高圧蒸気に含まれる腐食性ガスに対し、中圧蒸気、低圧蒸気に含まれる腐食性ガスは大きく低下する。その理由としては、中圧蒸気中に含まれる腐食性ガスは、第1フラッシャ3の熱水に溶解している腐食性ガスと、第2フラッシャ4の熱水に溶解している腐食性ガスとの差分であるが、通常、第1フラッシャ3の熱水に溶解している腐食性ガス量が小さくなる点が例として挙げられる。下記の表1の地熱プラント1及び地熱プラント2において、実際の地熱プラントの例を示す。表1中、ガス率は、蒸気と腐食性ガスの単位時間あたりの重量流量全体に対する腐食性ガスの重量流量の割合を百分率で示したものである。重量流量の単位を例示すると、t/h、kg/sなどになる。
Figure 2016070225
上記表1から理解できるように、地熱プラントにあっては、高圧蒸気に比べ、軸封蒸気として利用される中圧蒸気の方が腐食性ガスの含有量が大幅に低下している。このため、腐食性ガス量の小さい中圧蒸気を軸封蒸気に使用することで、腐食性ガスによってグランド部20に孔食などの腐食が生じることを抑制することができる。
更に、軸封蒸気供給系統22によって、第2フラッシュ4で分離された中圧蒸気を軸封蒸気として使用するので、軸封蒸気の使用によって、第1フラッシュ3で分離された高圧蒸気が減少しないようにすることができ、かつ、高圧蒸気より熱エネルギーが小さい中圧蒸気を使用することができる。これにより、高圧蒸気から軸封蒸気を供給する従来構造1及び2に比べ、蒸気タービン設備1での発電効率の改善を図ることができる。
ここで、低圧蒸気の圧力が、軸封蒸気として必要な圧力条件を満足する場合には、図1の点線で示すように、軸封蒸気供給系統22の分岐管22dを低圧蒸気供給管15から分岐させた構成に替えてもよい。この構成では、中圧蒸気より更に腐食性ガスの含有量が低い低圧蒸気を軸封蒸気として使用することができ、グランド部20の腐食をより良く抑制することができる。
また、分岐管22dにも軸封蒸気加減弁(不図示)を設け、分岐管22dの下流端を分岐管22aにおける軸封蒸気加減弁24の下流側に接続する構成としてもよい。この構成では、軸封蒸気として中圧蒸気及び低圧蒸気を選択して使用でき、蒸気タービン6の諸条件等に応じて軸封蒸気の温度や圧力を変更することができる。
また、第1の実施の形態の変形例として、第3フラッシュ5、低圧蒸気供給管15、低圧蒸気止弁35及び低圧蒸気加減弁36を省略し、蒸気タービン設備1をダブルフラッシュ方式の地熱タービン設備としてもよい。この場合、実際の地熱プラントの例として、上記表1の地熱プラント3を挙げることができる。この地熱プラント3においても、高圧蒸気に比べ、軸封蒸気として利用される中圧蒸気の方が腐食性ガスの含有量が大幅に低下し、腐食性ガスに起因するグランド部20の腐食を抑制することができる。
次に、本発明の前記以外の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、説明する実施の形態より前に記載された実施の形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いる場合があり、説明を省略若しくは簡略にする場合がある。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態に係る蒸気タービン設備を示す概略構成図である。図2に示すように、第2の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、フラッシャ(第1気水分離器)3A、軸封蒸気供給専用フラッシャ(第2気水分離器)4A、蒸気タービン6、発電機8及び復水器9を備えている。蒸気タービン設備1は、蒸気タービン6に蒸気を供給するフラッシャを1基有するシングルフラッシュ方式の地熱タービン設備とされ、地熱発電プラントに適用される。
フラッシャ3Aは、生産井12から採取した地熱流体を、熱水と高圧蒸気(主蒸気)とに分離する気水分離器(セパレータ)によって構成される。フラッシャ3Aで分離された高圧蒸気は、高圧蒸気供給管13を介して蒸気タービン6に供給される。フラッシャ3Aで分離された熱水の一部は、軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aに供給され、他の一部は、還元井(不図示)等に排出される。高圧蒸気供給管13には、高圧蒸気止弁31及び高圧蒸気加減弁32が設けられている。
軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aは、フラッシャ3Aを経て供給される熱水から、当該熱水より相対的に低温となる熱水と、高圧蒸気より圧力が低い軸封蒸気(中圧蒸気)とに分離する気水分離器(セパレータ)によって構成される。軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aの蒸気出口には、軸封蒸気供給系統22の軸封蒸気連通管22eが接続されて軸封蒸気供給系統22に軸封蒸気が供給される。軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aで分離された熱水は、還元井(不図示)等に排出される。なお、軸封蒸気供給系統22の軸封蒸気連通管22eから軸封蒸気供給管22bが二手に分かれ、蒸気タービン6のグランド部20に供給される。従って、軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aは、蒸気タービン6に軸封蒸気だけを供給することとなる。
蒸気タービン6には、高圧蒸気供給管13が接続され、当該高圧蒸気供給管13を介して供給される主蒸気によって駆動される。グランド部20を含む蒸気タービン6のその他の構成は、第1の実施の形態と同様とされる。
第2の実施の形態においても、高圧蒸気(主蒸気)をフラッシュさせることで得られる蒸気を軸封蒸気として使用しており、第1の実施の形態と同様に、軸封蒸気における腐食性ガスの含有量を少なくしてグランド部20の腐食を抑制することができる。また、シングルフラッシュ方式の地熱タービン設備では、これまで有効に使用されていなかったセパレータ3Aで分離された熱水から、軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aで軸封蒸気を生成して使用でき、蒸気タービン設備1での発電効率改善に貢献することができる。
[第3の実施の形態]
図3は、第3の実施の形態に係る蒸気タービン設備を示す概略構成図である。図3に示すように、第3の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、フラッシャ(第1気水分離器)3A、軸封蒸気供給専用フラッシャ(第2気水分離器)4A、蒸気タービン6A、発電機8、復水器9及びグランド復水器等10を備えている。蒸気タービン設備1は、蒸気タービン6Aに蒸気を供給するフラッシャを1基有するシングルフラッシュ方式の地熱タービン設備とされ、地熱発電プラントに適用される。なお、第3の実施の形態に係る蒸気タービン設備1の各構成を以下に説明する。
フラッシャ3Aは、生産井12から採取した地熱流体を、熱水と高圧蒸気(主蒸気)とに分離する気水分離器(セパレータ)によって構成される。フラッシャ3Aで分離された高圧蒸気は、高圧蒸気供給管13を介して蒸気タービン6Aに供給される。フラッシャ3Aで分離された熱水の一部は、軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aに供給され、他の一部は、還元井(不図示)等に排出される。
軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aは、フラッシャ3Aを経て供給される熱水から、当該熱水より相対的に低温となる熱水と、高圧蒸気より圧力が低い軸封蒸気(中圧蒸気)とに分離する気水分離器(セパレータ)によって構成される。軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aの蒸気出口には、後述する軸封蒸気供給系統22の軸封蒸気連通管22eが接続され、軸封蒸気供給系統22に軸封蒸気が供給される。軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aで分離された熱水は、還元井(不図示)等に排出される。
蒸気タービン6Aは、蒸気出口の圧力(以下、「出口圧」とする)が大気圧力以上となる背圧タービンとされる。蒸気タービン6Aは、高圧蒸気供給管13を介して供給される高圧蒸気(主蒸気)によって駆動される。蒸気タービン6Aは、タービン車室の内部に設置されたタービンロータを有し、タービンロータは、回転軸17に固定された複数のタービン羽根を備えて回転可能に支持されている。回転軸17は、発電機8に接続されている。蒸気タービン6Aは、蒸気入口が回転軸17の延在方向一側、蒸気出口が回転軸17の延在方向他側に設けられ、高圧蒸気が1方向に流れる片流タービンとされる。蒸気タービン6Aでは、タービン車室に供給された主蒸気が仕事を行ってタービンロータを回転させ、仕事を行った主蒸気は、蒸気出口に接続された排出系統18を介して復水器9へ排出される。
蒸気タービン6Aは、タービン車室と回転軸17との間をシールするラビリンスシールを備えたグランド部20を有している。このシールによって、グランド部20は、回転する回転軸17とタービン車室との隙間から、タービン車室内に供給した主蒸気が漏洩することを規制し、且つ、タービン車室内に空気が流入することを規制する。本実施の形態では、グランド部20は、タービン車室における回転軸17の延在方向両側に設けられる。
各グランド部20は、軸封蒸気供給系統22に接続されて軸封蒸気が供給される供給ポート20aと、軸封蒸気回収系統23に接続される吸込ポート20bとをそれぞれ備えている。供給ポート20aは、吸込ポート20bより蒸気タービン6Aの内側寄りに設けられている。各グランド部20では、供給ポート20aから軸封蒸気が供給され、当該軸封蒸気と外気の空気とが吸込ポート20bで吸引される。
軸封蒸気供給系統22は、軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aの蒸気出口に接続される軸封蒸気連通管22eと、軸封蒸気連通管22eから二手に分かれて各供給ポート20aに接続される軸封蒸気供給管22bとを備えている。軸封蒸気連通管22eには、軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aで分離抽出される全ての蒸気が軸封蒸気として供給される。従って、軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aは、蒸気タービン6Aに軸封蒸気だけを供給する。グランド部20より上流側となる軸封蒸気連通管22eの中途には、軸封蒸気加減弁24が設けられる。軸封蒸気加減弁24は、軸封蒸気連通管22eから軸封蒸気供給管22bに導入される軸封蒸気の流量を加減調整するためのものである。
軸封蒸気回収系統23は、各吸込ポート20bに接続される軸封蒸気回収管23aと、これら軸封蒸気回収管23aとグランド復水器等10とを接続する軸封蒸気排出管23bとを備えている。軸封蒸気回収系統23は、グランド復水器等10と連通することによって大気圧より負圧にする等、減圧された状態に調整される。
高圧蒸気供給管13には、蒸気タービン6Aに導入される蒸気を遮断するための高圧蒸気止弁31が設けられている。また、高圧蒸気供給管13には、蒸気タービン6Aに導入される蒸気の流量を加減調整するための高圧蒸気加減弁32が設けられている。
復水器9は、排出系統18を介して蒸気タービン6Aから排出された蒸気を冷却することによって、その蒸気を凝縮する。
次いで、本実施の形態に係る蒸気タービン6Aのグランド部20におけるシールについて説明する。
蒸気タービン6Aの通常運転において、フラッシャ3Aで地熱流体から熱水と蒸気とに分離する気水分離が行われ、高圧蒸気供給管13を介して高圧蒸気(主蒸気)が蒸気タービン6Aに供給される。これと同時に、フラッシャ3Aから供給された熱水が軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aで熱水と軸封蒸気とに分離され、この軸封蒸気が軸封蒸気連通管22eに導入される。
軸封蒸気連通管22eに導入された軸封蒸気は、軸封蒸気加減弁24で流量調整されてから、軸封蒸気供給管22bを経てグランド部20の供給ポート20aに供給される。このとき、軸封蒸気加減弁24によって、供給ポート20aに供給される軸封蒸気の圧力が蒸気タービン6Aの出口圧より若干高圧に設定される。例えば、蒸気タービン6Aの出口圧を大気圧力以上となる1.1baraとした場合、軸封蒸気加減弁24の流量調整によって、供給ポート20aに供給される軸封蒸気の圧力が蒸気タービン6Aの出口圧より高圧となる1.3baraに設定される。これにより、供給ポート20aでの軸封蒸気によって蒸気タービン6Aの内部よりグランド部20に蒸気が漏出することを規制することができる。
一方、グランド部20の吸込ポート20bは、軸封蒸気回収系統23を介してグランド復水器等10と連通されるので、吸込ポート20bから軸封蒸気と外気の空気が吸引されてグランド復水器等10に回収される。具体的には、例えば、上記のように蒸気タービン6Aの出口圧を1.1baraとし、大気圧を1.013baraとした場合、吸込ポート20bの圧力は、グランド復水器等10との連通によって大気圧力より低圧となる1.01baraに設定される。これにより、軸封蒸気がグランド部20を通過することの抵抗によってグランド部20と回転する回転軸17との間のシール作用が得られる。
以上のように、第3の実施の形態によれば、蒸気タービン6Aの内部の蒸気がグランド部20に漏出することを軸封蒸気によって規制でき、主蒸気に含まれる腐食性ガスによってグランド部20に孔食などの腐食が生じることを抑制することができる。また、シングルフラッシュ方式の地熱タービン設備では、これまで有効に使用されていなかったセパレータ3Aで分離された熱水から、軸封蒸気供給専用フラッシャ4Aで軸封蒸気を生成して使用でき、蒸気タービン設備1での発電効率改善に貢献することができる。
[第4の実施の形態]
図4は、第4の実施の形態に係る蒸気タービン設備を示す概略構成図である。図4に示すように、第4の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、第1フラッシャ(第1気水分離器)3、第2フラッシャ(第2気水分離器)4、背圧タービン(蒸気タービン)6B、復水タービン(蒸気タービン)6C、発電機8及び復水器9B、9Cを備えている。蒸気タービン設備1は、各タービン6B,6Cに蒸気を供給するフラッシャを2基備えたダブルフラッシュ方式の地熱タービン設備とされ、地熱発電プラントに適用される。
第1フラッシャ3は、生産井12から採取した地熱流体を、熱水と高圧蒸気とに分離する気水分離器(セパレータ)によって構成される。第1フラッシャ3で分離された高圧蒸気は、高圧蒸気供給管13を介して背圧タービン6Bに供給される。第1フラッシャ3で分離された熱水は、第2フラッシャ4に供給される。
第2フラッシャ4は、第1フラッシャ3を経て供給される熱水から、当該熱水より相対的に低温となる熱水と、高圧蒸気より圧力が低い中圧蒸気とに分離する気水分離器(セパレータ)によって構成される。第2フラッシャ4で分離された中圧蒸気は、中圧蒸気供給管14を介して復水タービン6Cに供給される。第2フラッシャ4で分離生成された熱水は、還元井(不図示)等に排出される。
背圧タービン6Bは、蒸気出口の圧力(以下、「出口圧」とする)が大気圧力以上に設定される。背圧タービン6Bは、高圧蒸気供給管13を介して供給される高圧蒸気(主蒸気)によって駆動される。背圧タービン6Bは、タービン車室の内部に設置されたタービンロータを有し、タービンロータは、回転軸17Bに固定された複数のタービン羽根を備えて回転可能に支持されている。背圧タービン6Bは、蒸気入口が回転軸17Bの延在方向一側、蒸気出口が回転軸17Bの延在方向他側に設けられ、高圧蒸気が1方向に流れる片流タービンとされる。背圧タービン6Bでは、タービン車室に供給された高圧蒸気が仕事を行ってタービンロータを回転させ、仕事を行った高圧蒸気は、蒸気出口に接続された排出系統18Bを介して復水器9Bへ排出される。
復水タービン6Cは、中圧蒸気供給管14を介して供給される中圧蒸気(主蒸気)によって駆動される。復水タービン6Cは、タービン車室の内部に設置されたタービンロータを有し、タービンロータは、回転軸17Cに固定された複数のタービン羽根を備えて回転可能に支持されている。復水タービン6Cにおける回転軸17Cの一端側は、背圧タービン6Bの回転軸17Bと連結され、それらは同時に同方向に同回転数で回転される。従って、復水タービン6Cと背圧タービン6Bとは、直列接続された関係となる。復水タービン6Cにおける回転軸17Cの他端側は、発電機8に接続されている。復水タービン6Cのタービン車室には、蒸気出口が回転軸17Cの延在方向両側に設けられ、中圧蒸気供給管14の接続位置となる蒸気入口が蒸気出口の間に設けられる。従って、復水タービン6Cは、中圧蒸気が蒸気入口から蒸気出口に向かって2方向に流れる双流タービンとされる。復水タービン6Cでは、タービン車室に供給された中圧蒸気が仕事を行ってタービンロータを回転させ、仕事を行った中圧蒸気は、排出系統18Cを介して復水器9Cへ排出される。
各タービン6B,6Cは、タービン車室と回転軸17B,17Cとの間をシールするラビリンスシールを備えたグランド部20をそれぞれ有している。このシールによって、グランド部20は、回転する回転軸17B,17Cとタービン車室との隙間から、タービン車室内に供給した主蒸気が漏洩することを規制し、且つ、タービン車室内に空気が流入することを規制する。本実施の形態では、グランド部20は、タービン車室における回転軸17B,17Cの延在方向両側に設けられる。
各グランド部20は、軸封蒸気供給系統22に接続されて軸封蒸気が供給される供給ポート20aと、軸封蒸気回収系統23に接続される吸込ポート20bとをそれぞれ備えている。供給ポート20aは、吸込ポート20bより各タービン6B,6Cの内側寄りに設けられている。各グランド部20では、供給ポート20aから軸封蒸気が供給され、当該軸封蒸気と外気の空気とが吸込ポート20bで吸引される。
軸封蒸気供給系統22は、中圧蒸気供給管14から分岐され、下流側で更に2系統に分岐される分岐管22gと、分岐管22gの一方の系統から二手に分かれて背圧タービン6Bの各供給ポート20aに接続される第1軸封蒸気供給管22hと、分岐管22gの他方の系統から二手に分かれて復水タービン6Cの各供給ポート20aに接続される第2軸封蒸気供給管22iとを備えている。分岐管22gには、第2フラッシャ4から中圧蒸気供給管14に流れる中圧蒸気の一部が軸封蒸気として導入される。下流側で第1軸封蒸気供給管22hに接続される分岐管22gの中途には、第1軸封蒸気加減弁24Aが設けられる。下流側で第2軸封蒸気供給管22iに接続される分岐管22gの中途には、第2軸封蒸気加減弁24Bが設けられる。第1及び第2軸封蒸気加減弁24A,24Bは、グランド部20の上流側にそれぞれ設けられる。第1及び第2軸封蒸気加減弁24A,24Bは、分岐管22gから各軸封蒸気供給管22h,22iに導入される軸封蒸気の流量を加減調整する。従って、軸封蒸気供給系統22では、第1及び第2軸封蒸気加減弁24A,24Bを独立して制御することによって、背圧タービン6Bと復水タービン6Cとで軸封蒸気の供給系統を分離して構成することができる。
軸封蒸気回収系統23は、背圧タービン6Bの各吸込ポート20bに接続される第1軸封蒸気回収管23dと、復水タービン6Cの各吸込ポート20bに接続される第2軸封蒸気回収管23eと、これら軸封蒸気回収管23d,23eと復水器9Cとを接続する軸封蒸気排出管23fとを備えている。軸封蒸気回収系統23は、復水器9Cと連通することによって大気圧より負圧にする等、減圧された状態に調整される。
高圧蒸気供給管13には、高圧蒸気止弁31及び高圧蒸気加減弁32が設けられている。中圧蒸気供給管14には、中圧蒸気止弁33及び中圧蒸気加減弁34が設けられている。各蒸気止弁31,33は、各タービン6B,6Cに導入される蒸気を遮断するためのものである。各蒸気加減弁32,34は、各タービン6B,6Cに導入される蒸気の流量を加減調整するためのものである。
排出系統18Bを介して背圧タービン6Bに接続される復水器9Bは、復水器圧力が大気圧以上に設定され、排出系統18Cを介して復水タービン6Cに接続される復水器9Cは、復水器圧力がほぼ真空に設定される。復水器9B、9Cは、排出系統18B,18Cを介して各タービン6B,6Cから排出された蒸気を冷却することによって、その蒸気を凝縮する。また、復水器9Cには、軸封蒸気回収系統23で回収された軸封蒸気等が排出される。なお、軸封蒸気回収系統23は、復水器9Cとは別のグランド復水器等(不図示)に接続してもよい。
次いで、本実施の形態に係る背圧タービン6B及び復水タービン6Cのグランド部20におけるシールについて説明する。
背圧タービン6B及び復水タービン6Cの通常運転において、各フラッシャ3,4で熱水と蒸気とに分離する気水分離が行われる。これにより、高圧蒸気供給管13を介して背圧タービン6Bに高圧蒸気(主蒸気)が供給され、中圧蒸気供給管14を介して復水タービン6Cに中圧蒸気(主蒸気)が供給される。このとき、中圧蒸気供給管14から分岐された軸封蒸気供給系統22の分岐管22gには、中圧蒸気の一部が軸封蒸気として導入される。分岐管22gに導入された軸封蒸気は、第1及び第2軸封蒸気加減弁24A,24Bで流量調整されてから、第1及び第2軸封蒸気供給管22h,22iに導入される。そして、第1及び第2軸封蒸気供給管22h,22iを経て各タービン6B,6Cにおけるグランド部20の供給ポート20aに軸封蒸気が供給される。
この供給において、第1軸封蒸気加減弁24Aによって、背圧タービン6Bの供給ポート20aに供給される軸封蒸気の圧力が背圧タービン6Bの出口圧より若干高圧に設定される。例えば、背圧タービン6Bの出口圧を大気圧力以上となる1.1baraとした場合、第1軸封蒸気加減弁24Aの流量調整によって、背圧タービン6Bの供給ポート20aに供給される軸封蒸気の圧力が背圧タービン6Bの出口圧より高圧となる1.3baraに設定される。これにより、背圧タービン6Bの供給ポート20aでの軸封蒸気によって背圧タービン6Bの内部よりグランド部20に蒸気が漏出することを規制することができる。
また、第2軸封蒸気加減弁24Bによって、復水タービン6Cの供給ポート20aに供給される軸封蒸気の圧力が大気圧より若干高圧に設定される。例えば、大気圧を1.013baraとした場合、第2軸封蒸気加減弁24Bの流量調整によって、復水タービン6Cの供給ポート20aに供給される軸封蒸気の圧力が大気圧より高圧となる1.08baraに設定される。
一方、各タービン6B,6Cにおける吸込ポート20bは、軸封蒸気回収系統23を介して復水器9Cと連通されるので、吸込ポート20bから軸封蒸気と外気の空気が吸引される。具体的には、例えば、上記のように背圧タービン6Bの出口圧を1.1bara、復水タービン6Cの出口圧をほぼ真空とした場合、吸込ポート20bの圧力は、復水器9Cとの連通によって大気圧力より低圧となる1.01baraに設定される。これにより、軸封蒸気がグランド部20を通過することの抵抗によってグランド部20と回転する回転軸17B,17Cとの間のシール作用が得られる。
以上のように、第4の実施の形態によれば、背圧タービン6B及び復水タービン6Cの内部の蒸気がグランド部20に漏出することを軸封蒸気によって規制でき、主蒸気に含まれる腐食性ガスによってグランド部20に孔食などの腐食が生じることを抑制することができる。
また、第1及び第2軸封蒸気加減弁24A,24Bによって、背圧タービン6B及び復水タービン6Cの軸封蒸気の圧力を分離して制御することができる。この制御によって、各タービン6B,6C内部の主蒸気が漏出することを規制可能としつつ、各タービン6B,6Cの出口圧と軸封蒸気の圧力との差圧が大きくなり過ぎないよう、各タービン6B,6Cの軸封蒸気の圧力を相違した値に設定することができる。これにより、グランド部20を漏洩する軸封蒸気量が増加することを抑制でき、発電効率が低下することを回避することができる。
更に、軸封蒸気供給系統22によって、第2フラッシュ4で分離された中圧蒸気を軸封蒸気として使用するので、軸封蒸気の使用によって、第1フラッシュ3で分離された高圧蒸気が減少しないようにすることができ、かつ、高圧蒸気より熱エネルギーが小さい中圧蒸気を使用することができる。これにより、高圧蒸気から軸封蒸気を供給する従来構造1及び2に比べ、蒸気タービン設備1での発電効率の改善を図ることができる。
[第5の実施の形態]
図5は、第5の実施の形態に係る蒸気タービン設備を示す概略構成図である。図5に示すように、第5の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、第1フラッシャ(第1気水分離器)3、第2フラッシャ(第2気水分離器)4、蒸気タービン7、発電機8及び復水器9a、9bを備えている。蒸気タービン設備1は、蒸気タービン7に蒸気を供給するフラッシャを2基備えたダブルフラッシュ方式の地熱タービン設備とされ、地熱発電プラントに適用される。
第1フラッシャ3は、生産井12から採取した地熱流体を、熱水と高圧蒸気とに分離する気水分離器(セパレータ)によって構成される。第1フラッシャ3で分離された高圧蒸気は、高圧蒸気供給管13を介して蒸気タービン7に供給される。第1フラッシャ3で分離された熱水は、第2フラッシャ4に供給される。
第2フラッシャ4は、第1フラッシャ3を経て供給される熱水から、当該熱水より相対的に低温となる熱水と、高圧蒸気より圧力が低い中圧蒸気とに分離する気水分離器(セパレータ)によって構成される。第2フラッシャ4で分離された中圧蒸気は、中圧蒸気供給管14を介して蒸気タービン7に供給される。第2フラッシャ4で分離生成された熱水は、還元井(不図示)等に排出される。
蒸気タービン7は、背圧タービン部7a(図5中左側)と、復水タービン部7b(図5中右側)と、それらの中間に位置するラビリンスシールからなるシール部7cとを1体のタービン車室内に備えて構成される。蒸気タービン7は、タービン車室の内部に設置されたタービンロータを有し、タービンロータは、回転軸17に固定された複数のタービン羽根を備えて回転可能に支持されている。
背圧タービン7aは、高圧蒸気供給管13を介して供給される高圧蒸気(主蒸気)によって駆動される。背圧タービン7aは、蒸気出口の圧力(以下、「出口圧」とする)が大気圧力以上に設定される。背圧タービン部7aでは、タービン車室に供給された高圧蒸気が仕事を行ってタービンロータを回転させ、仕事を行った高圧蒸気は、蒸気出口に接続された排出系統18aを介して復水器9aへ排出される。
復水タービン部7bは、中圧蒸気供給管14を介して供給される中圧蒸気(主蒸気)によって駆動される。復水タービン部7bでは、タービン車室に供給された中圧蒸気が仕事を行ってタービンロータを回転させ、仕事を行った中圧蒸気は、排出系統18bを介して復水器9bへ排出される。
蒸気タービン7は、タービン車室と回転軸17との間をシールするラビリンスシールを備えたグランド部20を有している。このシールによって、グランド部20は、回転する回転軸17とタービン車室との隙間から、タービン車室内に供給した主蒸気が漏洩することを規制し、且つ、タービン車室内に空気が流入することを規制する。本実施の形態では、グランド部20は、タービン車室における回転軸17の延在方向両側に設けられる。
各グランド部20は、軸封蒸気供給系統22に接続されて軸封蒸気が供給される供給ポート20aと、軸封蒸気回収系統23に接続される吸込ポート20bとをそれぞれ備えている。供給ポート20aは、吸込ポート20bより蒸気タービン7の内側寄りに設けられている。各グランド部20では、供給ポート20aから軸封蒸気が供給され、当該軸封蒸気と外気の空気とが吸込ポート20bで吸引される。
軸封蒸気供給系統22は、中圧蒸気供給管14から分岐され、下流側で更に2系統に分岐される分岐管22gと、分岐管22gの一方の系統から第1軸封蒸気加減弁24Aを介して背圧タービン部7a側の供給ポート20aに接続される第1軸封蒸気供給管22jと、分岐管22gの他方の系統から第2軸封蒸気加減弁24Bを介して復水タービン部7b側の供給ポート20aに接続される第2軸封蒸気供給管22kとを備えている。分岐管22gには、第2フラッシャ4から中圧蒸気供給管14に流れる中圧蒸気の一部が軸封蒸気として導入される。第1及び第2軸封蒸気加減弁24A,24Bは、グランド部20の上流側にそれぞれ設けられる。第1及び第2軸封蒸気加減弁24A,24Bは、分岐管22gから各軸封蒸気供給管22j,22kに導入される軸封蒸気の流量を加減調整する。従って、軸封蒸気供給系統22では、第1及び第2軸封蒸気加減弁24A,24Bを独立して制御することによって、背圧タービン部7aと復水タービン部7bとで軸封蒸気の供給系統を分離して構成することができる。
軸封蒸気回収系統23は、背圧タービン部7a側の吸込ポート20bに接続される第1軸封蒸気回収管23gと、復水タービン部7b側の吸込ポート20bに接続される第2軸封蒸気回収管23hと、これら軸封蒸気回収管23g,23hと復水器9bとを接続する軸封蒸気排出管23iとを備えている。軸封蒸気回収系統23は、復水器9bと連通することによって大気圧より負圧にする等、減圧された状態に調整される。
高圧蒸気供給管13には、高圧蒸気止弁31及び高圧蒸気加減弁32が設けられている。中圧蒸気供給管14には、中圧蒸気止弁33及び中圧蒸気加減弁34が設けられている。各蒸気止弁31,33は、蒸気タービン7に導入される蒸気を遮断するためのものである。各蒸気加減弁32,34は、蒸気タービン7に導入される蒸気の流量を加減調整するためのものである。
排出系統18aを介して背圧タービン部7aに接続される復水器9aは、復水器圧力が大気圧以上に設定され、排出系統18bを介して復水タービン部7bに接続される復水器9bは、復水器圧力がほぼ真空に設定される。復水器9a,9bは、排出系統18a,18bを介して蒸気タービン7から排出された蒸気を冷却することによって、その蒸気を凝縮する。また、復水器9bには、軸封蒸気回収系統23で回収された軸封蒸気等が排出される。なお、軸封蒸気回収系統23は、復水器9bとは別のグランド復水器等(不図示)に接続してもよい。
次いで、本実施の形態に係る蒸気タービン7のグランド部20におけるシールについて説明する。
蒸気タービン7の通常運転において、各フラッシャ3,4で熱水と蒸気とに分離する気水分離が行われる。これにより、高圧蒸気供給管13を介して背圧タービン部7aに高圧蒸気(主蒸気)が供給され、中圧蒸気供給管14を介して復水タービン部7bに中圧蒸気(主蒸気)が供給される。このとき、中圧蒸気供給管14から分岐された軸封蒸気供給系統22の分岐管22gには、中圧蒸気の一部が軸封蒸気として導入される。分岐管22gに導入された軸封蒸気は、第1及び第2軸封蒸気加減弁24A,24Bで流量調整されてから、第1及び第2軸封蒸気供給管22j,22kに導入される。そして、第1及び第2軸封蒸気供給管22j,22kを経て蒸気タービン7におけるグランド部20の供給ポート20aに軸封蒸気が供給される。
この供給において、第1軸封蒸気加減弁24Aによって、背圧タービン部7a側の供給ポート20aに供給される軸封蒸気の圧力が背圧タービン部7aの出口圧より若干高圧に設定される。例えば、背圧タービン部7aの出口圧を大気圧力以上となる1.1baraとした場合、背圧タービン部7a側の供給ポート20aに供給される軸封蒸気の圧力が背圧タービン部7aの出口圧より高圧となる1.3baraに設定される。これにより、背圧タービン部7a側の供給ポート20aでの軸封蒸気によって背圧タービン部7aの内部よりグランド部20に蒸気が漏出することを規制することができる。
また、第2軸封蒸気加減弁24Bによって、復水タービン部7b側の供給ポート20aに供給される軸封蒸気の圧力が大気圧より若干高圧に設定される。例えば、大気圧を1.013baraとした場合、復水タービン部7b側の供給ポート20aに供給される軸封蒸気の圧力が大気圧より高圧となる1.08baraに設定される。
一方、各グランド部20の吸込ポート20bは、軸封蒸気回収系統23を介して復水器9bと連通されるので、吸込ポート20bから軸封蒸気と外気の空気が吸引される。具体的には、例えば、上記のように背圧タービン部7aの出口圧を1.1bara、復水タービン部7bの出口圧をほぼ真空とした場合、吸込ポート20bの圧力は、復水器9bとの連通によって大気圧力より低圧となる1.01baraに設定される。これにより、軸封蒸気がグランド部20を通過することの抵抗によってグランド部20と回転する回転軸17との間のシール作用が得られる。
以上のように、第5の実施の形態によれば、背圧タービン部7a及び復水タービン部7bの内部の蒸気がグランド部20に漏出することを軸封蒸気によって規制でき、主蒸気に含まれる腐食性ガスによってグランド部20に孔食などの腐食が生じることを抑制することができる。
また、第1及び第2軸封蒸気加減弁24A,24Bによって、背圧タービン部7a側の軸封蒸気の圧力と、復水タービン部7b側の軸封蒸気の圧力とを分離して制御することができる。この制御によって、各タービン部7a,7b内部の主蒸気が漏出することを規制可能としつつ、各タービン部7a,7bの出口圧と軸封蒸気の圧力との差圧が大きくなり過ぎないよう、それぞれの軸封蒸気の圧力を相違した値に設定することができる。これにより、グランド部20を漏洩する軸封蒸気量が増加することを抑制でき、発電効率が低下することを回避することができる。
更に、軸封蒸気供給系統22によって、第2フラッシュ4で分離された中圧蒸気を軸封蒸気として使用するので、軸封蒸気の使用によって、第1フラッシュ3で分離された高圧蒸気が減少しないようにすることができ、かつ、高圧蒸気より熱エネルギーが小さい中圧蒸気を使用することができる。これにより、高圧蒸気から軸封蒸気を供給する従来構造1及び2に比べ、蒸気タービン設備1での発電効率の改善を図ることができる。
ここで、第3〜第5の実施の形態においても、少なくとも2回フラッシュされた蒸気を軸封蒸気として使用するので、第1の実施の形態と同様に、軸封蒸気における腐食性ガスの含有量を少なくしてグランド部20の腐食を抑制することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、方向などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。
例えば、蒸気タービンの設置数は、1基又は2基に限られるものでなく、それ以上設置してもよい。また、第2気水分離器を構成するフラッシャ等も増設してもよい。
また、上記の各タービン6,6A,6B,6C,7に接続される負荷は、上記各実施の形態では発電機8としたが、これに限定されるものでなく、コンプレッサや、送風機等の任意の負荷を接続してもよい。
また、上記各実施の形態における各タービン6,6A,6B,6Cは、片流タービンを採用したものについては双流タービンに変更してもよく、その逆に双流タービンを採用したものについては片流タービンに変更してもよい。
また、第4及び第5の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成となる第3フラッシャ5及び低圧蒸気供給管15を増設してもよい。この場合、低圧蒸気供給管15は、何れかのタービン6B,6C、または、何れかのタービン部7a,7bに接続される。更に、軸封蒸気供給系統22の分岐管22gを低圧蒸気供給管15から分岐させてもよい。
また、軸封蒸気供給系統22を介して供給される軸封蒸気は、上述のように、腐食性ガスが削減されたものであれば、第2気水分離器以外の設備から供給するようにしてもよい。
1 蒸気タービン設備
3 第1フラッシャ(第1気水分離器)
3A フラッシャ(第1気水分離器)
4 第2フラッシャ(第2気水分離器)
4A 軸封蒸気供給専用フラッシャ(第2気水分離器)
5 第3フラッシャ(第2気水分離器)
6 蒸気タービン
6A 蒸気タービン(背圧タービン)
6B 背圧タービン(蒸気タービン)
6C 復水タービン(蒸気タービン)
7 蒸気タービン
7a 背圧タービン部
7b 復水タービン部
9,9B,9C,9a,9b 復水器
12 生産井
13 高圧蒸気供給管(蒸気供給管)
14 中圧蒸気供給管(蒸気供給管)
15 低圧蒸気供給管(蒸気供給管)
17,17B,17C 回転軸
18,18B,18C,18a,18b 排出系統
20 グランド部
22 軸封蒸気供給系統
24 軸封蒸気加減弁
24A 第1軸封蒸気加減弁(軸封蒸気加減弁)
24B 第2軸封蒸気加減弁(軸封蒸気加減弁)

Claims (12)

  1. 生産井から採取した地熱流体を、蒸気と熱水とに分離する第1気水分離器と、前記第1気水分離器を経て供給される熱水から、当該熱水より相対的に低温となる熱水と蒸気とに分離する少なくとも1基の第2気水分離器と、前記第1気水分離器から供給される蒸気によって駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転軸とタービン車室との間をシールするグランド部に軸封蒸気を供給する軸封蒸気供給系統とを備えた蒸気タービン設備において、
    前記軸封蒸気供給系統は、前記第2気水分離器で分離された蒸気を前記軸封蒸気として前記グランド部に供給することを特徴とする蒸気タービン設備。
  2. 前記第2気水分離器で分離された蒸気は、蒸気供給管を介して前記蒸気タービンに供給され、
    前記蒸気供給管から前記軸封蒸気供給系統が分岐されていることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン設備。
  3. 前記軸封蒸気供給系統に軸封蒸気を供給する第2気水分離器は、前記蒸気タービンに軸封蒸気だけを供給することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン設備。
  4. 前記第2気水分離器は複数台設けられ、複数台のうちの1台は、前記第1気水分離器で分離された熱水が気水分離されずに供給され、
    複数台のうちの他の1台は、前記第1気水分離器で分離された熱水が少なくとも1回気水分離されてから供給され、
    前記軸封蒸気供給系統は、前記他の1台となる第2気水分離器で分離された蒸気を軸封蒸気として前記グランド部に供給することを特徴とする請求項1または請求項2記載の蒸気タービン設備。
  5. 前記軸封蒸気供給系統における前記グランド部の上流側には軸封蒸気加減弁が設けられ、
    前記蒸気タービンは、蒸気出口の圧力が大気圧力以上となる背圧タービンからなり、
    前記軸封蒸気加減弁によって、前記軸封蒸気の圧力が前記蒸気出口の圧力より高圧に設定されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の蒸気タービン設備。
  6. 前記蒸気タービンは複数設けられ、これら蒸気タービンは供給される蒸気の圧力が異なり、
    前記軸封蒸気供給系統は、分岐して複数の前記蒸気タービンにおけるグランド部に接続され、各グランド部の上流側それぞれに軸封蒸気加減弁が設けられ、
    複数の前記軸封蒸気加減弁によって、複数の前記蒸気タービンそれぞれに供給される前記軸封蒸気の圧力が相違して設定されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の蒸気タービン設備。
  7. 前記蒸気タービンは、蒸気出口の圧力が大気圧力以上となる背圧タービンと、蒸気出口が所定系統を介して復水器に接続された復水タービンとからなり、
    前記軸封蒸気供給系統は、分岐して前記背圧タービン及び前記復水タービンの各グランド部に接続され、各グランド部の上流側それぞれに軸封蒸気加減弁が設けられ、
    複数の前記軸封蒸気加減弁によって、前記背圧タービンに供給される軸封蒸気の圧力が背圧タービンにおける蒸気出口の蒸気より高圧に設定され、且つ、前記復水タービンに供給される軸封蒸気の圧力が大気圧より高圧に設定されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の蒸気タービン設備。
  8. 前記蒸気タービンは、蒸気出口の圧力が大気圧力以上となる背圧タービン部と、蒸気出口が所定系統を介して復水器に接続された復水タービン部とを1体のタービン車室に備え、
    前記軸封蒸気供給系統は、分岐して前記背圧タービン部側のグランド部と前記復水タービン部側のグランド部とに接続され、各グランド部の上流側それぞれに軸封蒸気加減弁が設けられ、
    複数の前記軸封蒸気加減弁によって、前記背圧タービン部側のグランド部に供給される軸封蒸気の圧力が背圧タービン部における蒸気出口の蒸気より高圧に設定され、且つ、前記復水タービン部側のグランド部に供給される軸封蒸気の圧力が大気圧より高圧に設定されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の蒸気タービン設備。
  9. 生産井から採取した地熱流体を、蒸気と熱水とに分離する気水分離器と、前記気水分離器から供給される蒸気によって駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転軸とタービン車室との間をシールするグランド部に軸封蒸気を供給する軸封蒸気供給系統とを備えた蒸気タービン設備において、
    前記軸封蒸気供給系統における前記グランド部の上流側には軸封蒸気加減弁が設けられ、
    前記蒸気タービンは、蒸気出口の圧力が大気圧力以上となる背圧タービンからなり、
    前記軸封蒸気加減弁によって、前記軸封蒸気の圧力が前記蒸気出口の圧力より高圧に設定されることを特徴とする蒸気タービン設備。
  10. 生産井から採取した地熱流体を、蒸気と熱水とに分離する気水分離器と、前記気水分離器から供給される蒸気によって駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転軸とタービン車室との間をシールするグランド部に軸封蒸気を供給する軸封蒸気供給系統とを備えた蒸気タービン設備において、
    前記蒸気タービンは複数設けられ、これら蒸気タービンは供給される蒸気の圧力が異なり、
    前記軸封蒸気供給系統は、分岐して複数の前記蒸気タービンにおけるグランド部に接続され、各グランド部の上流側それぞれに軸封蒸気加減弁が設けられ、
    複数の前記軸封蒸気加減弁によって、複数の前記蒸気タービンそれぞれに供給される前記軸封蒸気の圧力が相違して設定されることを特徴とする蒸気タービン設備。
  11. 生産井から採取した地熱流体を、蒸気と熱水とに分離する気水分離器と、前記気水分離器から供給される蒸気によって駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転軸とタービン車室との間をシールするグランド部に軸封蒸気を供給する軸封蒸気供給系統とを備えた蒸気タービン設備において、
    前記蒸気タービンは、蒸気出口の圧力が大気圧力以上となる背圧タービンと、蒸気出口が所定系統を介して復水器に接続された復水タービンとからなり、
    前記軸封蒸気供給系統は、分岐して前記背圧タービン及び前記復水タービンの各グランド部に接続され、各グランド部の上流側それぞれに軸封蒸気加減弁が設けられ、
    複数の前記軸封蒸気加減弁によって、前記背圧タービンに供給される軸封蒸気の圧力が背圧タービンにおける蒸気出口の蒸気より高圧に設定され、且つ、前記復水タービンに供給される軸封蒸気の圧力が大気圧より高圧に設定されることを特徴とする蒸気タービン設備。
  12. 生産井から採取した地熱流体を、蒸気と熱水とに分離する気水分離器と、前記気水分離器から供給される蒸気によって駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転軸とタービン車室との間をシールするグランド部に軸封蒸気を供給する軸封蒸気供給系統とを備えた蒸気タービン設備において、
    前記蒸気タービンは、蒸気出口の圧力が大気圧力以上となる背圧タービン部と、蒸気出口が所定系統を介して復水器に接続された復水タービン部とを1体のタービン車室に備え、
    前記軸封蒸気供給系統は、分岐して前記背圧タービン部側のグランド部と前記復水タービン部側のグランド部とに接続され、各グランド部の上流側それぞれに軸封蒸気加減弁が設けられ、
    複数の前記軸封蒸気加減弁によって、前記背圧タービン部側のグランド部に供給される軸封蒸気の圧力が背圧タービン部における蒸気出口の蒸気より高圧に設定され、且つ、前記復水タービン部側のグランド部に供給される軸封蒸気の圧力が大気圧より高圧に設定されることを特徴とする蒸気タービン設備。
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