JP2016070146A - エアクリーナーおよびエンジンの吸気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの運転時間の長期化に伴う断熱効果の低下を好適に抑えることができるエアクリーナーおよびエンジンの吸気装置を提供する。【解決手段】エアクリーナーにあって、内部に濾材を収容したハウジング20の外面に、その外壁面20aとその外壁面20aに接合されたカバー24の内壁面24aとの間に壁間空間25が介在した二重壁構造の断熱部22を設ける。さらに、断熱部22の壁間空間25とハウジング20の内部とを連通する連通孔27と、同壁間空間25に連通される配管23を接続するための配管接続部28とを設けるとともに、配管23を吸気通路のサージタンクに接続することで、エンジン運転中の吸気負圧を利用して壁間空間25を通過する空気の流れを形成するようにした。【選択図】図2

Description

本発明は、エアクリーナーおよびエンジンの吸気装置に関する。
従来、特許文献1には、エンジンの吸気装置に設けられるエアクリーナーとして、濾材を内部に収容したハウジングの外面におけるエンジンに対向する部分に、ハウジングの外壁面に形成されたリブとそのリブを覆う遮熱板とにより構成された二重壁構造の断熱部を設けたものが知られている。そして同文献には、断熱部の壁間空間に空気を密封したり、断熱部材を挿入したりすることが開示されている。
特開2002−276485号公報
こうしたエアクリーナーでは、断熱部の壁間空間に存在する空気や断熱部材の断熱効果により、エアクリーナーを通過する吸気がエンジンの熱を受けて高温化することを抑制している。ところが、エアクリーナーがエンジンの放熱に曝され続けると、やがては断熱部内の空気や断熱部材の温度が上昇して、その断熱効果が低下してしまう。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、エンジンの運転時間の長期化に伴う断熱効果の低下を好適に抑えることができるエアクリーナーおよびエンジンの吸気装置を提供することにある。
上記課題を解決するエアクリーナーは、内部に濾材を収容したハウジングを備える。ハウジングの外面には、空気層または通気性を有した断熱部材層が二壁間に介在した二重壁構造の断熱部が設けられる。そして、同エアクリーナーは、上記断熱部の壁間空間とハウジングの内部とを連通する連通孔と、同断熱部の壁間空間に連通される配管を接続するための配管接続部と、を備えている。
こうしたエアクリーナーでは、断熱部の壁間空間が、連通孔を介してハウジングの内部に連通している。また、配管接続部に接続される配管を介して、断熱部の壁間空間を外部に連通可能となってもいる。そのため、連通孔、壁間空間、配管を通じた空気の流れを形成して、壁間空間内の空気を順次入れ替えることが可能となる。したがって、エンジンの熱による壁間空間内の温度上昇を抑えることが、ひいてはその温度上昇に伴う断熱部の断熱効果の低下が抑えられる。
こうしたエアクリーナーにあって、上記連通孔は、ハウジングの内部における濾材の吸気流れ方向下流側の部分に開口されていることが望ましい。こうした場合、連通孔を通って壁間空間に流入するハウジング内部の空気が濾材により濾過されているため、壁間空間への異物の混入が抑えられる。
ちなみに、こうしたエアクリーナーにあって、断熱部の壁間空間は、例えばハウジングの外壁面とその外壁面に接合されたカバーの内壁面との間に形成することができる。
上記課題を解決するエンジンの吸気装置は、ハウジングの内部に濾材を収容したエアクリーナーが配設された吸気通路と、その吸気通路における前記エアクリーナーの吸気流れ方向下流側の部分に設けられたスロットルバルブと、を備える。そして、同エンジンの吸気装置は、空気層または通気性を有した断熱部材層が二壁間に介在した二重壁構造の断熱部がハウジングの外面に設けられるとともに、その断熱部の壁間空間とハウジングの内部とを連通する連通孔と、吸気通路におけるスロットルバルブの下流側の部分と断熱部の壁間空間とを連通する配管と、を備えている。
こうしたエンジンの吸気装置では、断熱部の壁間空間が連通孔を介してエアクリーナーのハウジングの内部に、配管を通じて吸気通路におけるスロットルバルブの下流側の部分にそれぞれ連通している。エンジンの運転中には、吸気通路におけるスロットルバルブの下流側の部分では、スロットルバルブの絞りによって負圧が生じて、エアクリーナーのハウジングの内部との間に気圧差が発生する。そして、その気圧差により、エアクリーナーのハウジングの内部から、連通孔、断熱部の壁間空間、配管を通って吸気通路におけるスロットルバルブの下流側の部分に至る空気の流れが形成される。そのため、壁間空間内の空気の入れ替えが行われるようになり、エンジンの熱による壁間空間内の温度上昇を抑えることが、ひいてはその温度上昇に伴う断熱部の断熱効果の低下が抑えられる。
こうしたエンジンの吸気装置にあって、上記連通孔は、ハウジングの内部における濾材の吸気流れ方向下流側の部分に開口されていることが望ましい。こうした場合、濾材により濾過された空気が、断熱部の壁間空間を通って吸気通路のスロットルバルブの下流側の部分に流入するため、エンジンのシリンダーに流入する吸気に異物が混入することが抑えられる。
ちなみに、こうしたエンジンの吸気装置にあって、上記断熱部の壁間空間は、例えばハウジングの外壁面とその外壁面に接合されたカバーの内壁面との間に形成することができる。
本発明によれば、断熱部の壁間空間内の空気を入れ替えてその温度上昇を抑えることで、エンジンの運転時間の長期化に伴う断熱効果の低下を好適に抑えることができる。
エンジンの吸気装置の構成を模式的に示す略図。 同吸気装置のエアクリーナーのハウジング外壁に設けられた断熱部の断面図。
以下、本発明のエアクリーナーおよびエンジンの吸気装置を具体化した一実施の形態を、図1および図2を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかるエンジンの吸気装置は、エンジンに吸入される空気を濾過するエアクリーナー11を備える。エアクリーナー11は、箱状のハウジング20とその内部に収容された濾材21とを備える。ハウジング20の内部は、濾材21により2つの空間に区画されている。なお、以下では、ハウジング20の内部における濾材21の吸気流れ方向上流側をダーティーサイドと記載する。また、ハウジング20の内部における濾材21の吸気流れ方向下流側をクリーンサイドと記載する。
ハウジング20のダーティーサイドには、吸気取り入れ口であるエアインテーク10が取り付けられている。そして、ハウジング20のダーティーサイドは、このエアインテーク10を介して外気に開放されている。一方、ハウジング20のクリーンサイドには、吸気管12が接続されている。吸気管12は、スロットルバルブ13を内蔵したスロットルボディー14を介して、吸気の脈動を抑制するための容積部であるサージタンク15に接続されている。さらにサージタンク15は、エンジンの気筒ごとに吸気の流れを分岐させる分岐管である吸気マニホールド16を介してエンジン本体17に接続されている。なお、このエンジンの吸気装置では、これらエアインテーク10、エアクリーナー11、吸気管12、スロットルボディー14、サージタンク15および吸気マニホールド16により吸気通路が構成されている。
本実施形態では、エアクリーナー11は、そのハウジング20の外面におけるエンジン本体17に対向する部分に断熱部22を備えている。断熱部22には、配管23の一端が接続されており、その配管23の他端は、サージタンク15に接続されている。なお、この配管23の管径は、吸気管12の管径に比して小さいものとなっている。
図2に示すように、ハウジング20の外壁面20aには、カバー24が取り付けられている。カバー24は、その周縁部分において、例えば振動溶着によりハウジング20の外壁面20aに接合されている。そして、断熱部22は、ハウジング20の外壁面20aとカバー24の内壁面24aと間に壁間空間25が介在した二重壁構造となっている。壁間空間25には、発泡樹脂材や不織布などからなる断熱部材26が、接着などによりハウジング20の外壁面20aに取り付けられた状態で収容されている。そして、壁間空間25における断熱部材26の周囲の部分には、空気層が介在している。
ハウジング20の外壁面20aには、同ハウジング20の内部と壁間空間25とを連通する連通孔27が形成されている。連通孔27は、ハウジング20のクリーンサイド、すなわちハウジング20の内部における濾材21の吸気流れ方向下流側の部分に開口している。
さらにカバー24には、円管形状の配管接続部28が外部に突き出すように設けられている。そして、この配管接続部28に上述の配管23が接続されるようになっている。
続いて、以上のように構成された本実施形態のエアクリーナーおよびエンジンの吸気装置の作用を説明する。
上記のような断熱部22を備えるエアクリーナー11では、壁間空間25に存在する空気層および断熱部材26の断熱効果によって、エアクリーナー11の内部を流れる吸気へのエンジンの放熱の伝達が抑えられる。その結果、エンジンの放熱による吸気温度の上昇が抑えられ、シリンダーへの吸気の充填効率が高まるため、エンジンの出力性能や燃費性能が向上するようになる。
一方、エンジンの運転中には、スロットルバルブ13の絞りにより発生する負圧のため、エアクリーナー11のハウジング20の内部とサージタンク15との間に気圧差が生じる。そして、その気圧差により、連通孔27、壁間空間25および配管23を通って、ハウジング20の内部からサージタンク15へと空気が流れる。その結果、壁間空間25内の空気の入れ替えが行われ、エンジンの熱による壁間空間25内の空気層や断熱部材26の温度上昇が、ひいてはその温度上昇に伴うそれらの断熱効果の低下が抑えられるようになる。なお、図2には、このときの断熱部22での空気の流れが点線矢印で示されている。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、断熱部22の壁間空間25が連通孔27を介してハウジング20の内部に連通されるとともに、配管23を介してサージタンク15に連通されており、エンジン運転中に壁間空間25を通過する空気の流れが形成されるようになっている。そのため、エンジン運転中に壁間空間25内の空気が入れ替えられて、エンジンの放熱による同壁間空間25内の空気層および断熱部材26の温度上昇が、ひいてはその温度上昇に伴う断熱効果の低下が抑えられる。したがって、エンジンの運転時間の長期化に伴う断熱部22の断熱効果の低下を好適に抑えることができる。
(2)本実施形態では、サージタンク15内に発生する吸気負圧を利用して壁間空間25を通じた空気の流れを形成しているため、ポンプやブロワーなどにより空気を流す場合に比して構成を簡易とすることができる。
(3)本実施形態では、ハウジング20の内部における濾材21の吸気流れ方向下流側の部分に連通孔27が開口しているため、濾材21により濾過されたクリーンな空気を壁間空間25に流すことができる。そのため、壁間空間25や配管23への異物の侵入を抑えることが可能となる。また、壁間空間25の通過後に吸気中に流入する空気がクリーンなものとなるため、エンジンのシリンダーに流入する吸気への異物の混入が抑えられることにもなる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、ハウジング20の外壁面20aにおけるエンジンに対向する部分に二重壁構造の断熱部22を設けるようにしていたが、ハウジング20の外壁面20aにおけるそれ以外の部分も含むように断熱部22を形成してもよい。
・上記実施形態では、ハウジング20の外壁面20aにカバー24を接合することで、二重壁構造の断熱部22を形成していたが、ハウジング20の内壁面にカバーを接合したり、ハウジングを内外二重の容器で構成したりするなど、他の方法で二重壁構造の断熱部を形成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、壁間空間25内に断熱部材26を配設するようにしていたが、空気層のみで十分な断熱効果が得られるのであれば、断熱部材26を省略してもよい。
・上記実施形態では、壁間空間25に空気層が介在するように断熱部22が構成されていたが、通気性を有する断熱材料を壁間空間25に充填した構成としてもよい。そうした場合にも、壁間空間25に充填された断熱材料が十分な通気性を有していれば、壁間空間25を通じた空気の流れを形成することができ、その空気の流れにより壁間空間25内の温度上昇を抑えられる。
・上記実施形態では、配管23をサージタンク15に接続していたが、吸気通路におけるスロットルバルブ13の下流側の部分であれば、それ以外の部分(例えば吸気マニホールド16)に配管23を接続するようにしても、吸気負圧による壁間空間25内の空気の入れ替えを行うことが可能である。
・上記実施形態では、吸気通路におけるスロットルバルブ13の下流側の部分に配管23を接続して吸気負圧により壁間空間25内の空気の入れ替えを行うようにしていたが、配管23をポンプやブロワーなどに接続してそれらにより空気の入れ替えを行うようにしてもよい。なお、そうした場合、配管23側から空気を送り込み、壁間空間25および連通孔27を通ってハウジング20の内部へと空気を流すようにすることも可能である。
・上記実施形態では、ハウジング20の内部における濾材21の吸気流れ方向下流側の部分に連通孔27が開口されていたが、ハウジング20の内部における濾材21の吸気流れ方向上流側の部分に連通孔27を開口させるようにしてもよい。壁間空間25内を通過した空気を外気に放出する場合や、配管23側から壁間空間25内に空気を送り込む場合などには、そうした場合にも、吸気への異物の混入が生じることはない。
10…エアインテーク(吸気通路)、11…エアクリーナー(吸気通路)、12…吸気管(吸気通路)、13…スロットルバルブ、14…スロットルボディー(吸気通路)、15…サージタンク(吸気通路)、16…吸気マニホールド(吸気通路)、17…エンジン本体、20…ハウジング(20a…外壁面)、21…濾材、22…断熱部、23…配管、24…カバー(24a…内壁面)、25…壁間空間、26…断熱部材、27…連通孔、28…配管接続部。

Claims (6)

  1. 内部に濾材を収容したハウジングを備えるエアクリーナーにおいて、
    二壁間に壁間空間が介在した二重壁構造の断熱部が前記ハウジングの外面に設けられるとともに、
    前記断熱部の壁間空間と前記ハウジングの内部とを連通する連通孔と、
    前記断熱部の壁間空間に連通される配管を接続するための配管接続部と、
    を備えることを特徴とするエアクリーナー。
  2. 前記連通孔は、前記ハウジングの内部における前記濾材の吸気流れ方向下流側の部分に開口されている請求項1に記載のエアクリーナー。
  3. 前記断熱部の壁間空間は、前記ハウジングの外壁面と、その外壁面に接合されたカバーの内壁面との間に形成されている請求項1または2に記載のエアクリーナー。
  4. ハウジングの内部に濾材を収容したエアクリーナーが配設された吸気通路と、その吸気通路における前記エアクリーナーの吸気流れ方向下流側の部分に設けられたスロットルバルブと、を備えるエンジンの吸気装置において、
    二壁間に壁間空間が介在した二重壁構造の断熱部が前記ハウジングの外面に設けられるとともに、
    前記断熱部の壁間空間と前記ハウジングの内部とを連通する連通孔と、
    前記吸気通路における前記スロットルバルブの下流側の部分と前記断熱部の壁間空間とを連通する配管と、
    を備えることを特徴とするエンジンの吸気装置。
  5. 前記連通孔は、前記ハウジングの内部における前記濾材の吸気流れ方向下流側の部分に開口されている請求項4に記載のエンジンの吸気装置。
  6. 前記断熱部の壁間空間は、前記ハウジングの外壁面と、その外壁面に接合されたカバーの内壁面との間に形成されている請求項4または5に記載のエンジンの吸気装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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