JP2016069669A - 複合焼結機械部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】柱部を一体にした形状として内側部材成形体を形成するとともに、当該柱部とと嵌合する孔部を設けた形状として外側部材成形体を形成し、これらを一体に組み合わせて焼結を行うとともに拡散接合する複合焼結機械部品の製造方法において、外側部材及び内側部材間の空間の幅のバラツキを抑制して製造する方法の提供。【解決手段】内側部材成形体の柱部21に段部21Aを設け、柱部21を外側部材成形体の孔部12に嵌合するとともに、段部21Aを外側部材成形体に当接させて係止する。【選択図】図14

Description

本発明は、自動車の動力伝達装置である自動変速機(AT:Automatic Transmission)や連続可変変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)に組み込まれる遊星歯車機構に用いられる遊星キャリア等の機械部品を粉末冶金法によって製造する方法に係り、特に複数の柱部を有する成形体(内側部材成形体)と、この柱部に対応する孔部を有する成形体(外側部材成形体)とを嵌め合せて焼結し、一体化する複合焼結機械部品の製造方法に関するものである。
遊星歯車機構は、少ない段数で大きな減速比が得られること、大きなトルクが伝達できること、入力軸および出力軸を同軸上に配置できること、ならびに多段の遊星歯車に負荷を分散できるので、摩耗やギア欠けが比較的少ないこと等の特徴を有する。このため、自動変速機や、連続可変変速機の副変速機として用いられている。
遊星歯車ユニットは、太陽歯車(sun gear)、遊星歯車(planetary gear)、遊星歯車の公転運動を拾う遊星キャリア(planetary carrier)、内歯車(outer gear)の四点の部品から構成され、太陽歯車の回転、遊星歯車の公転(遊星キャリアの回転)、外輪歯車の回転の3つの要素の内、一つを固定、一つを入力、一つを出力に接続するが、このとき、それぞれどれを入力、出力、固定に割り当てるかによって、1つのユニットで複数の減速比や回転方向の切り替えが可能となる。
遊星歯車機構に用いられる遊星キャリアの一例を図1および図2に示す。キャリアは、2つの環状部材10、20(第1の環状部材10、第2の環状部材20)を柱部21で連結した構造を示す。なお、図1は、遊星キャリアの概略構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示す遊星キャリアのA−A線に沿った断面図である。
第1の環状部材10および第2の環状部材20の内側には変速機の軸が連結された太陽歯車が配置され、この太陽歯車と噛み合う遊星歯車が、第1の環状部材10および第2の環状部材20を連結する柱部21の隙間に回転自在に配置されるとともに、遊星歯車の外側には内歯車が配置されて、遊星歯車と噛み合いを行う。環状部材の一方である第1の環状部材10の外周には、回転力を伝達するための歯部11が形成されている。
このように遊星キャリアは極めて複雑な形状であるため、切削などの機械加工で量産するには多大の加工工数を要し、経済性や形状・寸法精度などに問題がある。ところで、粉末冶金法(押型法)は、原料粉末を金型に充填し、上下パンチにより原料粉末を圧縮して得られた成形体を焼結するもので、ニアネットシェイプに造形することができ、かつ大量生産に向くこと等の特徴から、自動車用機械部品や各種産業用の機械部品への適用が進んでいる。
粉末冶金法(押型法)においては、上下パンチで圧縮して製品形状を付与することから、上下パンチの圧縮方向の中途に凹部等のアンダーカット部(遊星キャリアの場合、第1の環状部材10および第2の環状部材20とで形成される空間)が存在すると直接形成することができないが、このような直接成形できない形状の製品については、直接成形することが可能ないくつかの形状に分割して個々に成形し、これを組み合わせて焼結することで一体となった複合焼結部品を製造することが可能である(特許文献1、2等)。
例えば、上記の遊星キャリアの場合、環状部材のうちいずれか一方と柱部とを一体にした形状として成形体を形成するとともに、一方の成形体に形成した柱部と嵌合する孔部を設けた形状としてもう一方の環状部材の成形体を圧粉成形し、これらを一体に組み合わせて焼結を行うとともに拡散接合することで製造できる(特許文献3,4等)。すなわち、焼結時に、各々の成形体は原料粉末どうしの表面で原子の移動が生じ、原料粉末同士が、拡散接合が進行して冶金的に結合(焼結)するとともに、これらの成形体の嵌合面でも原子の移動が生じて、成形体どうしの拡散接合が進行して冶金的に一体(拡散接合)となる。
図1及び図2に示す遊星キャリアは、例えば、図3および図4のように、歯部11を形成した第1の環状部材10に孔部12を形成した形状として圧粉成形して成形体(外側部材成形体)とし(図3は、第1の環状部材10の成形体10Xの斜視図であり、図4は、図3に示す成形体10XのB−B線に沿った断面図である)、第2の環状部材20を図5及び図6のように、柱部21を一体にした形状として圧粉成形して成形体(内側部材成形体)とし(図5は、第2の環状部材20の成形体20Xの斜視図であり、図6は、図5に示す成形体20XのC−C線に沿った断面図である)、これらを図7のように、第2の環状部材20の柱部21を第1の環状部材10の孔部12に嵌合させて、図8および図9のように組み合わせ、この状態で焼結することにより、各環状部材10,20の成形体10Xおよび20Xの焼結と、柱部21および孔部12の界面で拡散接合が進行して冶金的に一体(拡散接合)となった複合焼結機械部品を製造することができる(図8は、成形体10Xおよび成形体20Xの結合体の斜視図であり、図9は、図8に示す結合体のD−D線に沿った断面図である)。
特公昭62−035442号公報 特開2000−087113号公報 特開2003−013113号公報 特開2008−121055号公報
遊星キャリアにおいては、図1および図2に示す、環状部材10,20間の空間の幅Hの精度が重要であるが、第1の環状部材10の成形体10Xの孔部12に第2の環状部材20の成形体20Xの柱部21を圧入する際に、傾いて圧入されると嵌合面一部で応力が大きい状態となる。このとき第1の環状部材10の成形体10Xおよび第2の環状部材20の成形体20Xの空間の幅が一定であっても、焼結時に加熱されると応力が開放されるとともに環状部材のズレが生じ、このため、焼結後に環状部材10,20間の空間の幅Hにバラツキが生じることとなる。環状部材10,20は一旦傾いて拡散接合されると、矯正することが難しく、環状部材10,20間の空間の幅Hのバラツキが大きいものは廃棄するしかなく、歩留まり悪化の原因となっている。このことから、環状部材10,20間の空間の幅Hのバラツキを小さくして製造する方法が望まれている。
本発明は、柱部を一体にした形状として内側部材成形体を形成するとともに、当該柱部と嵌合する孔部を設けた形状として外側部材成形体を形成し、これらを一体に組み合わせて焼結を行うとともに拡散接合する複合焼結機械部品の製造方法において、外側部材および内側部材間の空間の幅のバラツキを抑制して製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
孔部を有する外側部材成形体と、
柱部を有する内側部材成形体とを有し、
前記外側部材成形体の前記孔部に、前記内側部材成形体の前記柱部を嵌合し、その後、焼結して前記外側部材成形体および前記内側部材成形体の焼結を行うとともに、前記内側部材成形体の前記孔部の内周面と前記外側部材成形体の前記柱部の外周面の拡散接合を行う複合焼結機械部品の製造方法において、
前記内側部材成形体の前記柱部に段部を設け、前記柱部を前記外側部材成形体の孔部に嵌合するとともに、前記段部を前記外側部材成形体に当接させて係止することを特徴とする複合焼結機械部品の製造方法に関する。
本発明者らは、複合焼結機械部品の一例としての遊星キャリアが、2つの環状部材の成形体の結合体を形成した時点における2つの環状部材間の空間の幅が一定であるにも拘わらず、焼結時に加熱されることに起因した応力開放によるこれら環状部材のズレが、特に2つの環状部材の上下方向(柱部(の外周面)および孔部(の内周面)の界面と平行な方向)において生じることを見出し、本発明を想到するに至った。
すなわち、本発明によれば、内側部材成形体の柱部に段部が形成されており、当該段部に外側部材成形体が当接し、当該段部によって係止されている。したがって、焼結後においても外側部材は内側部材の柱部の段部によって係止、すなわち、外側部材の孔部が内側部材の柱部の段部によって係止される。したがって、外側部材と内側部材との上下方向のずれ(柱部および孔部の界面と平行な方向におけるずれ)を抑制することができるので、外側部材および内側部材間の空間の幅の変動を抑制することができるようになる。
なお、上記“外側部材”は、例えば、従来技術および以下の発明の実施形態で説明する第1の環状部材に相当し、上記“内側部材”は、例えば、従来技術および以下の発明の実施形態で説明する第2の環状部材に相当する。
また、上記“外側部材成形体”は、例えば、従来技術および以下の発明の実施形態で説明する第1の環状部材の成形体に相当し、上記“内側部材成形体”は、例えば、従来技術および以下の発明の実施形態で説明する第2の環状部材の成形体に相当する。
以上説明したように、本発明によれば、柱部を一体にした形状として内側部材成形体を形成するとともに、当該柱部と嵌合する孔部を設けた形状として外側部材成形体を形成し、これらを一体に組み合わせて焼結を行うとともに拡散接合する複合焼結機械部品の製造方法において、外側部材および内側部材間の空間の幅のバラツキを抑制して製造する方法を提供することができる。
複合焼結機械部品の一例としての遊星キャリアを示す斜視図である。 図1に示す遊星キャリアのA−A線に沿った断面図である。 従来および実施形態の、図1および図2に示す遊星キャリアを構成する孔部が形成された第1の環状部材の第1の成形体の斜視図である。 図3に示す第1の環状部材の第1の成形体のB−B線に沿った断面図である。 従来の、図1および図2に示す遊星キャリアを構成する柱部が立設された第2の環状部材の第2の成形体の斜視図である。 図5に示す第2の環状部材の第2の成形体のC−C線に沿った断面図である。 従来の、孔部が形成された第1の環状部材の第1の成形体と柱部が立設された第2の環状部材の第2の成形体との結合方法を説明するための斜視図である。 従来の、孔部が形成された第1の環状部材の第1の成形体と柱部が立設された第2の環状部材の第2の成形体との結合体を示す斜視図である。 図9に示す結合体のD−D線に沿った断面図である。 実施形態の、図1および図2に示す遊星キャリアを構成する柱部が立設された第2の環状部材の第2の成形体の斜視図である。 図10に示す第2の環状部材の第2の成形体のE−E線に沿った断面図である。 実施形態の、孔部が形成された第1の環状部材の第1の成形体と柱部が立設された第2の環状部材の第2の成形体との結合方法を説明するための斜視図である。 実施形態の、孔部が形成された第1の環状部材の第1の成形体と柱部が立設された第2の環状部材の第2の成形体との結合体を示す斜視図である。 図13に示す結合体のD−D線に沿った断面図である。 実施形態における、柱部が立設された第2の環状部材の段部の形状パターンを示す図である。 実施形態における、柱部が立設された第2の環状部材の第2の成形体の形成方法を説明する図である。
図1〜図4および図10〜図16は、本発明の複合焼結機械部品の一例としての遊星キャリアの製造方法を説明するための図である。
最初に、従来技術と同様にして、図3および図4に示すように、外周面において歯部11が垂設され、中央部に形成された開口部14の周囲に脚部30が突設され、開口部14を中心とした半径方向において、孔部12が形成された第1の環状部材10の第1の成形体(外側部材成形体)10Xを圧粉成形して得る。なお、図3は、第1の環状部材10の第1の成形体の概略構成を示す斜視図であり、図4は、図3に示す第1の成形体のB−B線に沿って切った場合の断面図である。
次いで、図10および図11に示すように、第1の環状部材10に形成された孔部12と合致する位置に柱部21が立設された第2の環状部材20の第2の成形体(内側部材成形体)20Xを圧粉成形して得る。なお、柱部21には、第2の環状部材20の底部から高さhの位置において段部21Aが形成されている。
また、図10は、第2の環状部材20の第2の成形体の概略構成を示す斜視図であり、図11は、図10に示す第2の成形体のE−E線に沿って切った場合の断面図である。
次いで、図12に示すように、第1の環状部材10の第1の成形体10Xの孔部12に対して第2の環状部材20の第2の成形体20Xに柱部21を挿入させるとともに嵌合させるようにして組み合わせ、図13および図14に示すような第1の成形体10Xおよび第2の成形体20Xの結合体を得る。このとき、第2の環状部材20の第2の成形体20Xにおける柱部21に形成した段部21Aは第1の環状部材10の第1の成形体10Xの孔部12に当接し、当該第1の成形体10Xは、当該段部21Aで係止されるようになる。
したがって、柱部21に形成された段部21Aの、第2の環状部材20の底部からの高さhは、最終的に得る遊星キャリアの焼結体の、第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hと実質的に等しくなる。
なお、第1の環状部材10の第1の成形体10Xの孔部12に対して第2の環状部材20の第2の成形体20Xに柱部21を嵌合させる際には、孔部12と柱部21を密着させて後の拡散接合を促進するため、締め代0.01mm以下の締まり嵌めの状態で行うことが好ましい。
また、図13は、第1の成形体10Xおよび第2の成形体20Xの結合体の斜視図であり、図14は、図13に示す結合体のD−D線に沿って切った場合の断面図である。
次いで、図13および図14に示す結合体を所定温度で加熱して焼結する。すると第1の環状部材10の第1の成形体10Xの孔部12(の内周面)と第2の環状部材20の第2の成形体20Xの柱部21(の外周面)との界面で拡散接合が進行することにより、冶金的に一体化(拡散接合)してなる図1および図2に示すような遊星キャリアの焼結体1を得ることができる。
図13等に示すような第1の成形体10Xおよび第2の成形体20Xの結合体を形成する際に、第2の環状部材20の第2の成形体20Xにおける柱部21は、第1の環状部材10の第1の成形体10Xにおける孔部12に嵌合して圧入された状態であるので、例えば柱部21が孔部12内に傾いて圧入されると、柱部21および孔部12の界面の一部で応力が大きい状態となる。したがって、上述の焼結の過程においては、上記応力が加熱によって解放されるようになる。したがって柱部21および孔部12の界面を固定するような手段が設けられていないと、柱部21および孔部12の界面においてずれが生じ、第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hが比較的大きく変動するようになる。
しかしながら、本実施形態では、第2の環状部材20の柱部21に段部21Aが形成されており、成形体の段階で、当該段部21Aに第1の環状部材10の第1の成形体10Xが当接し、当該段部21Aによって係止されている。したがって、焼結後においても第1の環状部材10は第2の環状部材20の柱部21の段部21Aによって係止、すなわち、第1の環状部材10の孔部12が第2の環状部材20の柱部21の段部21Aによって係止される。したがって、柱部21および孔部12の界面におけるずれを抑制することができるので、第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hの変動を抑制することができるようになる。
なお、段部21Aの幅Wは100μm〜1000μmであることが好ましく、さらには200μm〜400μmであることが好ましい。段部21Aの幅Wが上述した下限値未満であると、段部21Aが上述したような作用効果を十分に奏することができない場合があり、段部21Aの幅Wが上述した上限値よりも大きいと、柱部21の太さが小さくなってしまい、当該柱部21の強度、すなわち遊星キャリアの焼結体1の強度が劣化してしまう場合がある。
また、上述したように、柱部21に形成された段部21Aの、第2の環状部材20の底部からの高さhは、遊星キャリアの焼結体1の、第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hと実質的に等しくなるので、柱部21における段部21Aの位置hは、第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hに合わせて適宜設定することができる。
図15には、第2の環状部材20の柱部21における段部21Aの形状パターンを示している。なお、図15では、第2の環状部材20の柱部21を上方から見た場合の平面図を示している。
図15(a)に示すように、段部21Aは、柱部21の外周面の全体に亘って幅Wが一定となるようにして形成することもできるし、図15(b)に示すように、柱部21の左右の側面にのみ幅Wが一定となるようにして形成することもできる。また、図15(c)に示すように、段部21Aは、柱部21の上下の側面にのみ幅Wが一定となるようにして形成することもできる。さらに、図15(d)に示すように、段部21Aは、柱部21のいずれかの側面(図では左側面)において、最大幅がWとなるようにして円弧状に形成することもできる。
図16では、柱部21を有する第2の環状部材20の第2の成形体20Xの形成方法について説明している。図16に示すように、本実施形態では、金型50、上パンチ60、下パンチ70およびコアロッド80を準備し、図16(a)に示すように、金型50、下パンチ70およびコアロッド80で形成された空間内に第2の環状部材20を構成する原料粉末を充填する。なお、下パンチ70は、第2の環状部材20の柱部21を形成するための下第1パンチ71および下第2パンチ72と、第2の環状部材20の柱部21を除く平坦部を形成するための下第3パンチ73とからなる。
下第2パンチ72は、その頂部からhの位置に段部71Aが形成された、いわゆる段付きダイとして構成されており、以下に説明する加圧成形による加工を経ることにより、第2の環状部材20(の第2の成形体20X)の柱部21に対して段部21Aを形成するように構成されている。したがって、段部71Aの幅は、第2の環状部材20の段部21Aの幅Wと等しく設定する。
次いで、図16(b)に示すように、上パンチ60を加工させ、当該上パンチ60と、金型50、下パンチ70およびコアロッド80とで充填された原料粉末を加圧して成形することにより、柱部21を有する第2の環状部材20の第2の成形体20Xを得る。
その後は、図13等に示すように、汎用の方法によって成形した第1の環状部材10の第1の成形体10Xと上述のようにして得た第2の環状部材20の第2の成形体20Xとの結合体を形成したのち、加熱焼結することにより、上述したような目的とする図1および図2に示すような遊星キャリアの焼結体1を得る。
また、第1の環状部材10は、上述のような第1の成形体10Xを用いることができるが、孔部12の大きさが比較的大きくなり、孔部12と第1の環状部材10の内径および/または外径との間の幅が小さくなると、第1の環状部材10の孔部12に第2の環状部材20の柱部21を圧入嵌合する際に、第1の環状部材10の孔部12から割れが発生する虞がある。このような場合には、当該成形体を適宜仮焼結することにより仮焼結体とすることもできる。例えば、第1の環状部材10として、構造用焼結材料として一般的な鉄系焼結材料(例えば、鉄−炭素系、鉄−銅−炭素系、鉄−ニッケル−炭素系、鉄−ニッケル−銅−炭素系、鉄−クロム−炭素系等)を用いる場合には、成形体を800〜1000℃の温度で仮焼結することにより、第1の環状部材10の機械的強さを増して、圧入嵌合時の割れを回避することができる。
(実施例1)
図3および図4に示すような、深さ20mm、ピッチ130mmの歯部11、幅11mm、長さ60mmの孔部12が形成された直径13cmの、(鉄−銅−炭素系)の材料からなる第1の環状部材10の第1の成形体10Xを形成するとともに、図10および図11に示すような、高さ26mmの柱部21を有する、(鉄−銅−炭素系)の材料からなる第2の環状部材20の第2の成形体20Xを形成した。
次いで、図13および図14に示すような、これら第1の成形体10Xおよび第2の成形体20Xの結合体を形成した後、還元雰囲気下、1130℃で0.5時間焼結を行い、図1および図2に示すような遊星キャリアの焼結体1を得た。
なお、第2の環状部材20の第2の成形体20Xにおける段部21Aは、高さhが20)mmであって、幅Wをそれぞれ50μm、100μmおよび300μmとした。また、段部21Aの形状は、図15(a)に示すような形状とした。
表1には、柱部21における段部21Aの幅Wが50μm、100μmおよび300μmの場合と、柱部21に段部を設けない場合とにおける第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hの変動幅を示す。
なお、変動幅は、遊星キャリアの焼結体1の第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hを当該空間の6箇所において測定し、当該空間の幅Hの最小値Hminと最大値Hmaxとの差(Hmax−Hmin)によって規定した。
Figure 2016069669
表1から明らかなように、第2の環状部材20の柱部21に段部21Aを形成した場合は、いずれも第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hの変動幅が300μm以下となっているのに対し、第2の環状部材20の柱部21に段部21Aを形成しない場合は、当該空間の幅Hの変動幅が0μm〜2000μmの範囲となっていることが分かる。したがって、第2の環状部材20の柱部21に段部21Aを形成することにより、第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hの変動幅が抑制されることが判明し、廃棄すべき遊星キャリアの焼結体1の数を低減できることが判明した。
(実施例2)
段部21Aの形状を、図15(b)に示すような形状とした以外は、実施例1と同様にして遊星キャリアの焼結体1を作製した。
表2には、柱部21における段部21Aの幅Wが50μm、100μmおよび300μmの場合と、柱部21に段部を設けない場合とにおける第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hの変動幅を示す。
なお、変動幅は、遊星キャリアの焼結体1の第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hを当該空間の6箇所において測定し、当該空間の幅Hの最小値Hminと最大値Hmaxとの差(Hmax−Hmin)によって規定した。
Figure 2016069669
表2から明らかなように、第2の環状部材20の柱部21に段部21Aを形成した場合は、いずれも第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hの変動幅が350μm以下となっているのに対し、第2の環状部材20の柱部21に段部21Aを形成しない場合は、当該空間の幅Hの変動幅が0μm〜2000μmの範囲となっていることが分かる。したがって、第2の環状部材20の柱部21に段部21Aを形成することにより、第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hの変動幅が抑制されることが判明し、廃棄すべき遊星キャリアの焼結体1の数を低減できることが判明した。
(実施例3)
段部21Aの形状を、図15(c)に示すような形状とした以外は、実施例1と同様にして遊星キャリアの焼結体1を作製した。
表3には、柱部21における段部21Aの幅Wが50μm、100μmおよび300μmの場合と、柱部21に段部を設けない場合とにおける第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hの変動幅を示す。
なお、変動幅は、遊星キャリアの焼結体1の第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hを当該空間の6箇所において測定し、当該空間の幅Hの最小値Hminと最大値Hmaxとの差(Hmax−Hmin)によって規定した。
Figure 2016069669
表3から明らかなように、第2の環状部材20の柱部21に段部21Aを形成した場合は、いずれも第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hの変動幅が400μm以下となっているのに対し、第2の環状部材20の柱部21に段部21Aを形成しない場合は、当該空間の幅Hの変動幅が0μm〜2000μmの範囲となっていることが分かる。したがって、第2の環状部材20の柱部21に段部21Aを形成することにより、第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hの変動幅が抑制されることが判明し、廃棄すべき遊星キャリアの焼結体1の数を低減できることが判明した。
(実施例4)
段部21Aの形状を、図15(d)に示すような形状とした以外は、実施例1と同様にして遊星キャリアの焼結体1を作製した。
表4には、柱部21における段部21Aの幅Wが50μm、100μmおよび300μmの場合と、柱部21に段部を設けない場合とにおける第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hの変動幅を示す。
なお、変動幅は、遊星キャリアの焼結体1の第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hを当該空間の6箇所において測定し、当該空間の幅Hの最小値Hminと最大値Hmaxとの差(Hmax−Hmin)によって規定した。
Figure 2016069669
表4から明らかなように、第2の環状部材20の柱部21に段部21Aを形成した場合は、いずれも第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hの変動幅が500μm以下となっているのに対し、第2の環状部材20の柱部21に段部21Aを形成しない場合は、当該空間の幅Hの変動幅が0μm〜2000μmの範囲となっていることが分かる。したがって、第2の環状部材20の柱部21に段部21Aを形成することにより、第1の環状部材10および第2の環状部材20間の空間の幅Hの変動幅が抑制されることが判明し、廃棄すべき遊星キャリアの焼結体1の数を低減できることが判明した。
圧縮方向の中途に凹部等のアンダーカット部を有する、自動車の連続可変トランスミッション(CVT:Continuously Variable Transmission)に組み込まれる遊星歯車機構に用いられる遊星キャリア等の複合焼結機械部品の製造において用いることができる。
1 遊星キャリアの焼結体
10 第1の環状部材
10X 第1の環状部材の第1の成形体
11 第1の環状部材の歯部
12 第1の環状部材に形成された孔部
20 第2の環状部材
20X 第2の環状部材の第2の成形体
21 第2の環状部材に立設された柱部
21A 第2の環状部材の柱部に形成された段部
30 脚部

Claims (5)

  1. 孔部を有する外側部材成形体と、
    柱部を有する内側部材成形体とを有し、
    前記外側部材成形体の前記孔部に、前記内側部材成形体の前記柱部を嵌合し、その後、焼結して前記外側部材成形体および前記内側部材成形体の焼結を行うとともに、前記内側部材成形体の前記孔部の内周面と前記外側部材成形体の前記柱部の外周面の拡散接合を行う複合焼結機械部品の製造方法において、
    前記内側部材成形体の前記柱部に段部を設け、前記柱部を前記外側部材成形体の孔部に嵌合するとともに、前記段部を前記外側部材成形体に当接させて係止することを特徴とする複合焼結機械部品の製造方法。
  2. 前記段部の幅が100μm〜1000μmであることを特徴とする請求項1に記載の複合焼結機械部品の製造方法。
  3. 前記柱部の前記段部が段付きダイにより形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の複合焼結機械部品の製造方法。
  4. 前記内側部材成形体の前記段部より先端側の柱部と、前記外側部材成形体の孔部への嵌合を、締め代0.01mm以下の締まり嵌めもしくは隙間嵌めの状態で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合焼結機械部品の製造方法。
  5. 前記外側部材成形体が、鉄系焼結材料からなり、800〜1000℃の温度で仮焼結を行った仮焼結体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合焼結機械部品の製造方法。
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