JP2016067318A - 核酸検査システム - Google Patents

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Yutaka Murano
豊 村野
岡田 純
Jun Okada
純 岡田
徹也 桑原
Tetsuya Kuwabara
徹也 桑原
真之 湯本
Masayuki Yumoto
真之 湯本
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Abstract

【課題】自己診断機能を備えた核酸検査システムを提供する。【解決手段】核酸検査システムは、検体サンプル中に含まれる核酸を検査する核酸検査装置と、核酸検査装置との間で情報の送受を行う情報処理装置と、を備え、情報処理装置は、当該核酸検査装置の電源起動時に自動的に自己診断を行う第1乃至第6診断部を有し、第1診断部は、制御部および電流検出部との通信確認を行い、第2診断部は、液体移動部の動作確認を行い、第3診断部は、加熱部および温度調整部の動作確認を行い、第4診断部は、換気部の動作確認を行い、第5診断部は、電流検出部の動作確認を行い、第6診断部は、温度測定器にて測定された温度に基づく筐体内の温度確認を行う。【選択図】図13

Description

本発明の実施形態は、核酸検査システムに関する。
核酸検査システムとしては、電流検出型DNAチップを使用するシステムが知られている。この電流検出型DNAチップは、基板上に設けられた複数の電極上に既知の塩基配列を有するDNAプローブを少なくとも1個配置し、このDNAプローブと検査対象に含まれるDNAとが結合した場合に流れる電流を検出して、検査対象に含まれるDNAの種類を特定するものである。
電流検出型DNAチップでは、電流を検出するに当たって、種々の試薬(例えば、複数の洗浄液や挿入剤など)を使用する。これらの試薬が適切なタイミングで、適切な量だけ、適切な温度で供給されなければ、精度の高い核酸検査を行うことはできない。
よって、電流検出型DNAチップを核酸検査装置にセッティングして、核酸検査を自動化するシステムを構築する場合、システムの各部が正常に動作しているか否かを確認する自己診断機能を設けるのが望ましい。ところが、今まで、電流検出型DNAチップを利用する核酸検査システムに自己診断機能を設けたものは存在しない。
特許第4729030号公報
本発明が解決しようとする課題は、自己診断機能を備えた核酸検査システムを提供することである。
本実施形態によれば、検体サンプル中に含まれる核酸を検査する核酸検査装置と、前記核酸検査装置との間で情報の送受を行う情報処理装置と、を備え、
前記核酸検査装置は、
少なくとも検体サンプルを含む液体を保存する保存部と、前記検体サンプル中に含まれる核酸を増幅する増幅部と、増幅した前記核酸を検査する検査部とを有する核酸検査デバイスを載置する載置部と、
前記保存部に保存された前記液体を、前記増幅部または前記検査部に移動させる液体移動部と、
前記増幅部を加熱する加熱部と、
前記検査部の温度調整を行う温度調整部と、
外気を筐体内に取込み、取込んだ外気を筐体内を循環させ、筐体外に排出する換気部と、
前記液体移動部、前記加熱部、前記温度調整部および前記換気部の駆動を制御する制御部と、
前記検査部に設けられた電極に流れる電流を検出する電流検出部と、
当該核酸検査装置の筐体内の温度を測定する温度測定部と、を有し、
前記情報処理装置は、当該核酸検査装置の電源起動時に自動的に自己診断を行う第1乃至第6診断部を有し、
前記第1診断部は、前記制御部および前記電流検出部との通信確認を行い、
前記第2診断部は、前記液体移動部の動作確認を行い、
前記第3診断部は、前記加熱部および前記温度調整部の動作確認を行い、
前記第4診断部は、前記換気部の動作確認を行い、
前記第5診断部は、前記電流検出部の動作確認を行い、
前記第6診断部は、前記温度測定器にて測定された温度に基づく前記筐体内の温度確認を行う核酸検査システムが提供される。
(a)は本実施形態による核酸検査装置110を備えた核酸検査システム100の外観図、(b)は核酸検査装置のユニット構成図、(c)は核酸検査装置に設けられるトレイの開閉を示す図。 情報処理装置150の表示画面に表示されるGUI画面の一例を示す図。 (a)、(b)、(c)は塩基配列の結合を説明する図。 電流検出による核酸検査手法を説明する図。 (a)と(b)は酸化電流の波形を示す図。 核酸検査カード700の外観図。 核酸検査カード700からキャップ、カバー740および上プレート730を外した状態を示す平面図。 DNAチップの詳細な構造を示す平面図。 核酸検査装置110の制御系のブロック図。 筐体内の排熱経路を示す図。 モータ群の配置を説明する平面図。 温度調整部の斜視図。 本実施形態による情報処理装置150の自己診断に関連する機能ブロック図。 自己診断結果の表示画面例を示す図。 ユーザが自己診断の項目を任意に選択する診断画面の表示例を示す図。 情報処理装置150が電源起動時に自動的に行う自己診断処理の一例を示すフローチャート。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。以下の実施形態では、核酸検査システム内の特徴的な構成および動作を中心に説明するが、核酸検査システムには以下の説明で省略した構成および動作が存在しうる。ただし、これらの省略した構成および動作も本実施形態の範囲に含まれるものである。
図1(a)は本実施形態による核酸検査装置110を備えた核酸検査システム100の外観図、図1(b)は核酸検査装置のユニット構成図、図1(c)は核酸検査装置に設けられるトレイ(載置部)の開閉を示す図である。図1(a)に示すように、核酸検査システム100は、核酸検査装置110と情報処理装置150とを備えている。核酸検査装置110は、後述するように、検体サンプルに含まれる核酸を検査するためのものである。情報処理装置150は、核酸検査装置110に対して検査条件や検査開始を指示したり、核酸検査装置110による検査結果の分析や表示を行うものである。
本実施形態による核酸検査装置110は、複数の検体サンプルを一度に検査できることを特徴としている。図1(b)の例では、4種類の検体サンプルを一度に検査できるように、4つの検査ユニット1〜4と、制御基板15と、を備えている。各検査ユニット1〜4は個別独立に制御基板15の制御に基づいて動作し、各検査ユニット1〜4ではそれぞれ別個の検体サンプルの核酸検査を別個のタイミングで行うことができる。
個々の検体サンプルは、後述するように、着脱可能な核酸検査カード(核酸検出デバイス)700に入れられた状態で、開閉口101〜104を介して核酸検査装置110から出し入れされる。出し入れを容易にするために、図1(c)に示すようなトレイ114(装着部)を検査ユニット1〜4ごとに設けており、これらのトレイ111〜114に核酸検査カード700をそれぞれ置くと、後は自動的に核酸増幅と核酸検査を行うことができる。
本実施形態による核酸検査装置110は、それ自体では、設定入力機能と表示機能を持たない。よって、核酸検査装置110の小型化と装置コストの削減を図ることができる。核酸検査装置110に対する設定入力と核酸検査結果の分析等は、核酸検査装置110に接続される情報処理装置150で行う。情報処理装置150は、市販のPCなどの汎用的なコンピュータで構成可能なため、安価なコストで導入可能であり、また保守費用もそれほどかからない。核酸検査装置110と情報処理装置150とは、例えばUSB(Universal Serial Bus)などの汎用的な通信インタフェースで各種情報の送受を行う。このように、核酸検査装置110と情報処理装置150とで核酸検査システム100を構築することで、核酸検査装置110の保守管理を容易にするとともに、核酸検査装置110への設定入力と検査結果の分析および表示とを行いやすくしている。
図2は情報処理装置150の表示画面に表示されるGUI画面の一例を示す図である。図2のGUI画面201〜204には、4つの検査ユニットの設定入力項目がそれぞれ表示されている。このGUI画面201〜204に従って、各検査ユニット1〜4ごとに、各検体サンプルに関する各種情報を入力することができる。入力した各種情報は、必要に応じて、情報処理装置150から核酸検査装置110に伝送されて、核酸検査装置110内に設定される。例えば、このGUI画面内201〜204には、各検査ユニット1〜4を使用して核酸検査を行うときに選択する選択ボタン211〜214と、検査開始を指示する検査開始ボタン221〜224と、核酸検査装置110での検査の進捗状況を表示する表示領域231〜234とが設けられている。情報処理装置150と核酸検査装置110は、有線または無線により、各種情報の送受を行っており、選択ボタン211〜214や検査開始ボタン221〜224を選択した情報は瞬時に核酸検査装置110に送信され、核酸検査装置110での検査進捗情報は定期的に核酸検査装置110から情報処理装置150に送信される。
情報処理装置150の表示画面に表示されるGUI画面201〜204は、ソフトウェアにより任意に変更可能である。よって、図2のGUI画面201〜204は、一例に過ぎない。ソフトウェアの更新により、ユーザにとって使いやすいGUI画面を提供できるとともに、新たな種類の核酸検査にも容易に対応可能となる。
(核酸検査の基本原理)
本実施形態による核酸検査装置110について詳細に説明する前に、本実施形態が採用する核酸検査の基本原理について説明する。
DNAは、A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4つの塩基の配列からなる鎖が2つ結合した二本鎖構造である。二本鎖構造では、塩基Aと塩基T、および塩基Gと塩基Cという特定の組み合わせで結合する。DNAの断片は簡単に合成できるので、DNAチップ500では、配列がわかっている一本鎖の塩基配列をプローブとして電極上に固定する。検体サンプルのDNAも一本鎖にし、電極上に固定されたDNAプローブと反応させる。検体サンプルのDNAの配列がDNAプローブの配列と相補的であれば、結合して二本鎖になる。例えば、図3(a)に示すようにDNAプローブがTAGACの順序で配列されているときに、検体サンプルのDNAがATCTGの順序で配列されていれば(図3(b))、配列は互いに相補的であるため、図3(c)に示すこれらの一本鎖のDNAが結合して二本鎖になる。このように、検体サンプルの塩基配列が、相補的なDNAプローブの塩基配列と結合して二本鎖になることをハイブリダイゼーションという。
図4(a)に示すように、DNAチップ500は、例えばガラスまたはシリコンからなる基板510上に複数の電極520を離間して配置し、各電極520上に異なる配列のDNAプローブ530を固定したものである。このDNAチップ500上に、核酸増幅した検体サンプルを流す。このとき、検体サンプル中の塩基配列と相補的な塩基配列を有するDNAプローブ530がDNAチップ500上に存在すれば、両者は結合してハイブリダイゼーションが生じ、二本鎖DNAが生成される(図4(b)、(c))。一方、検体サンプル中の塩基配列と相補的な塩基配列を有するDNAプローブが存在しない場合は、ハイブリダイゼーションは生じない。その後、DNAチップ500を洗浄し、挿入剤550を含む試薬(溶液)をDNAチップ500上に流す。すると、ハイブリダイゼーションが生じた二本鎖のDNAプローブ530に挿入剤550が結合する。この状態でDNAチップ500に電圧を印加すると、ハイブリダイゼーションが生じた二本鎖のDNAプローブ530が固定された電極520に、挿入剤550の酸化電流が流れる(図4(d))。
この酸化電流、すなわちハイブリダイゼーションが生じた電極からの信号の一例を図5(a)に示し、ハイブリダイゼーションが生じない電極からの信号の一例を図5(b)に示す。図5(a)からわかるように、DNAチップ500に印加する電圧を増加していくと、500mV程度の電圧で酸化電流が急に大きく上昇している。これに対して、ハイブリダイゼーションが生じない電極からの信号値は、DNAチップ500に印加する電圧が500mV程度になると若干上昇するが、図5(a)に示す場合に比べて上昇度は小さい。このように、どの電極から電流が検出されたかを判別することにより、検体サンプルのDNAの配列を把握できる。
本実施形態による核酸検査装置110は、上述した基本原理に従って、DNAチップ500上の電極に流れる酸化電流の有無を検出し、検体サンプルのDNAを検査する。
なお、本実施形態が対象とする検体サンプルの核酸検査は、必ずしもDNA(デオキシリボ核酸)だけには限定されない。RNA(リボ核酸)、その他のオリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドなどの種々の核酸の検査にも適用可能である。ただし、以下の説明では、検体サンプル中のDNAを検査する例を説明する。
(核酸検査カード)
本実施形態による核酸検査装置110では、着脱可能な核酸検査カード700の中に検体サンプルを入れて、核酸検査装置110で検査を行う。
図6は核酸検査カード700の外観図である。核酸検査カード700は、着脱可能な薄型の矩形体であり、キャップ750と、カバー740と、上プレート730と、パッキン720と、DNAチップ500と、下プレート710とで構成されている。このうち、キャップ750、カバー740、上プレート730および下プレート710は、PC(ポリカーボネート)等の硬質の樹脂部材で形成され、パッキン720はエラストマ等の弾力性のある樹脂部材で形成され、DNAチップ500はガラス等の透明基材で形成されている。
このように、わずか6部品で核酸検査カード700を構成できるため、材料費と組立工数を削減でき、核酸検査カード700を安価に提供できる。特に、本実施形態による核酸検査カード700は、使い捨てを前提としているため、低価格で提供できることは大きな利点である。
図7は核酸検査カード700からキャップ、カバー740および上プレート730を外した状態を示す平面図である。図7に示すように、矩形状の核酸検査カード700の長手方向片側に、短手方向に沿って4つのシリンジ(保存部)710C1、710C2、710C3、710C4が配置されている。左端のシリンジ710C1は検体サンプルを収納する。左端から2番目のシリンジ710C2は第1洗浄液を収納する。右端から2番目のシリンジ710C3は挿入剤を収納する。右端のシリンジ710C4は第2洗浄液を収納する。
各シリンジ710C1、710C2、710C3、710C4の脇には、各シリンジ内に液体を注入するための注入口710d1、710d2、710d3、710d4と、各シリンジ710C1、710C2、710C3、710C4内の空気を排気するための排気孔710e1、710e2、710e3、710e4とが設けられている。
核酸検査カード700の長手方向中央部には、検体サンプル内の核酸を増幅させるための増幅流路(増幅部)710fが設けられている。増幅流路710fと検体サンプルを収納するシリンジ(710C1)とは、流路(第1流路)で繋がっている。この流路は途中で分岐しており、分岐した流路(第3流路)には第1洗浄液を収納するシリンジ(710C2)が繋がっている。また、増幅流路710fとDNAチップ500内の検査流路(検査部)712とは流路(第2流路)でつながっている。よって、増幅流路710fで核酸増幅した検体サンプルを、第1洗浄液により押し出すことができ、複雑なバルブ制御なしで、検体サンプルをDNAチップ500上の検査流路712まで移動させることができる。
また、第2流路は途中で分岐しており、この分岐した流路(第4流路)には、第2洗浄液を収納するシリンジ(710C4)が繋がっている。また、この流路(第4流路)は途中で分岐しており、この分岐した流路(第5流路)には挿入剤を収納するシリンジ(710C3)が繋がっている。 よって、検査流路712に溜まっている第2洗浄液を、挿入剤によって押し出すことができる。
増幅流路710fの両端には、NOバルブ720a1、7120a2が設けられている。NOバルブ720a1、7120a2は、通常は開いており、増幅流路710fにつながる流路と増幅流路710fとの間を液体は自由に流れることができる。NOバルブ720a1、7120a2を閉じると、増幅流路710fと、それに繋がる流路とが遮断され、増幅流路710f内の液体が流路を通ってシリンジ710C1、710C2、710C3、710C4に逆流したり、DNAチップ500の検査流路712に流れるおそれがなくなる。本実施形態では、増幅流路710fで核酸増幅を行う最中は、NOバルブ720a1、720a2を閉じるようにしている。これにより、核酸増幅した検体サンプルが、シリンジ(710C1)内の検体サンプルと混じり合わなくなる。
図8はDNAチップの詳細な構造を示す平面図である。図8に示すDNAチップ500は、固相基板510上に、40組の作用電極群520〜52040と、カウンタ電極522a、522bと、参照電極524とを備えている。カウンタ電極522a、522bはそれぞれ図面上でCEと表示され、参照電極524はREと表示されている。固相基板510は、例えば、ガラス基板またはシリコン基板などである。
40組の作用電極群520〜52040は、第1乃至第4の部分に分けられて配列される。第1の部分は10組の作用電極群520〜52010からなり、図面上で左から右に向かって配列される。第2の部分は、10組の作用電極群52011〜52020からなり、図面上で第1の部分の下方に配置されるとともに図面上で右から左に向かって配列される。第3の部分は、10組の作用電極群52021〜52030からなり、図面上で第2の部分の下方に配置されるとともに図面上で左から右に向かって配列される。第4の部分は、10組の作用電極群52031〜52040からなり、図面上で第3の部分の下方に配置されるとともに図面上で右から左に向かって配列される。
各作用電極群520(i=1,・・・,40)は、離間して設けられる3つの作用電極を有しこれら作用電極には、同一のDNA配列を有するDNAプローブが固定される。各作用電極は例えば金から形成される。
カウンタ電極522aはU字形状を有しており、このU字形状の一端が第1の部分の作用電極群52010に近接して配置され、U字形状の他端が第2の部分の作用電極群52011に近接して配置される。カウンタ電極522bはU字形状を有しており、このU字形状の一端が第3の部分の作用電極群52030に近接して配置され、U字形状の他端が第4の部分の作用電極群52031に近接して配置される。
参照電極524は、U字形状を有しており、U字形状の一端が第2の部分の作用電極群52020に近接して配置され、U字形状の他端が第3の部分の作用電極群52021に近接して配置される。
また、基板510には、各作用電極群520(i=1,・・・,40)の作用電極にそれぞれ電気的に接続される端子Wが設けられている。これら端子Wには、電流プローブ186が接触される。
また、基板510には、C端子523a、523bと、R端子525a、525bと、X端子526と、Y端子528a、528bと、複数の導通検出端子58が更に設けられている。C端子523aはカウンタ電極522aに電気的に接続され、C端子523bはカウンタ電極522bに電気的に接続される。R端子525a、525bはそれぞれ参照電極524に接続される。X端子526a、526bはDNAチップ500の両端に設けられ、これらの端子526a、526b間に電圧を印加し、DNAチップ500が導通しているか否かを検出する端子である。また、同様にY端子528a、528bはDNAチップ500の両端に設けられ、これらの端子528a、528b間に電圧を印加し、DNAチップ500が導通しているか否かを検出する端子である。複数の導通検出端子580は、作用電極群520〜52040の作用電極に対応して設けられ、各導通検出端子580は、対応する作用電極に接続され、対応する作用電極に電気的に接続される端子Wとの間に電圧を印加することにより、上記対応する作用電極と上記端子Wとの間が導通するか否かを検出する。上記端子は、図6に示すように、作用電極群520(i=1,・・・,40)を挟むように、図面上で上下の組みに分かれて設けられる。
DNAチップ500は核酸検査カード700に着脱可能とされている。DNAチップ500が核酸検査カード700に装着された場合、作用電極群520から作用電極52010に向かって挿入剤を含む試薬が流れるように、第1の部分上に流路が形成される。また、カウンタ電極522a上にも、作用電極群52010から作用電極52011に向かって上記試薬が流れるように流路が形成される。作用電極群52011から作用電極52020に向かって上記試薬が流れるように、第2の部分上に流路が形成される。また、参照電極524上にも、作用電極群52020から作用電極52021に向かって上記試薬が流れるように流路が形成される。作用電極群52021から作用電極52030に向かって上記試薬が流れるように、第3の部分上に流路が形成される。また、カウンタ電極522b上にも、作用電極群52030から作用電極52031に向かって上記試薬が流れるように流路が形成される。作用電極群52031から作用電極52040に向かって上記試薬が流れるように、第4の部分上に流路が形成される。これらの流路は、DNAチップ500と、核酸検査カード700のパッキン720とによって形成される。
挿入剤を含む試薬は、第1の部分上の流路、カウンタ電極522a上の流路、第2の部分上の流路、参照電極524上の流路、第3の部分上の流路、カウンタ電極522b上の流路、および第4の部分上の流路をこの順序で通過する。
(核酸検査装置の構成および動作)
図9は核酸検査装置110の制御系のブロック図である。図9に示すように、核酸検査装置110の内部には、制御基板121と、通信インタフェース基板122と、プローブ基板123と、フォトセンサ基板124と、温調基板125と、電源基板127とが設けられている。なお、これらの基板に分割することは必ずしも必須ではなく、例えば複数の基板を一つの基板に統合してもよい。
制御基板121には、制御部151と電流検出部128とが実装されている。通信インタフェース基板122には、USB(Universal Serial Bus)ハブ機能を有する通信部152が実装されている。プローブ基板123には、複数の電流プローブ186と、電流プローブ186を流れる電流を伝送する配線パターンと、電流プローブ186の電流を増幅して電圧変換するプローブ制御部151と、が実装されている。フォトセンサ基板124には、モータ群(液体移動部)159内の各モータ181〜185の動作原点位置を検出するフォトセンサ160が実装されている。温調基板125には、ヒータ(加熱部)170およびペルチェ素子(温度調整部)171と、ヒータ170用の温度センサ(温度測定器)161aと、ペルチェ素子171用の温度センサ(温度測定器)161bと、筐体内の温度を測定する温度センサ(温度測定器)161cと、ヒータ170およびペルチェ素子171の温度調整を行う温度調整部162とが実装されている。電源基板127には、商用電源から複数の直流電源を生成する電源供給部163と電源ファン129とが実装されている。
制御部151は、トレイ有無センサ153、カード有無センサ154、フォトセンサ160、および温度センサ161a,161b,161cで検出された信号を受信する。より具体的には、制御部151は、トレイ有無センサ153により、核酸検査装置110のトレイ111〜114の開閉を検出する。トレイ111〜114の開閉の検出は、トレイ111〜114の開閉を機械的または光学的に行うセンサにて行うことが可能である。また、制御部151は、カード有無センサ154により、トレイ111〜114に核酸検査カードが置かれたか否かを検出する。また、制御部151は、フォトセンサ160により、モータ群159の各モータ181〜185の回転位置を検出する。また、制御部151は、温度センサ161a,161b,161cにより、筐体の内部の温度、ヒータ170の温度、およびペルチェ素子171の温度を測定する。
また、制御部151は、筐体ファン(換気部)155、ブザー156、LED157、およびモータ群159を制御する。
筐体ファン155は、例えば図10に示すように、設置面から鉛直(上下)方向に置かれた筐体の背面側に、上下方向に沿って2個設けられている。筐体ファン155は、外気を筐体内に取り込み、取り込んだ外気を筐体内で循環させ、筐体外に排気する。また、筐体の正面下側には、空気流入口が設けられている。筐体ファン155の回転/停止は、制御部151により制御される。制御部151が筐体ファン155を回すと、空気流入口から外気が筐体に取り込まれて、筐体内で循環された後、筐体ファン155から排気される。これにより、筐体の内部全体が冷却されるようにしている。なお、筐体ファン155の数や設置場所については、筐体のサイズや形状などにより、任意に変更すればよい。
ブザー156とLED157は、例えば核酸検査装置110内に何らかの異常が生じたときにオンする。異常の種類によって、ブザー156の鳴動状態やLED157の点灯形態を切り替えてもよい。ブザー156とLED157のオン/オフは、制御部151が行う。
プローブ制御部158は、DNAチップ500の複数の電極に接触される複数の電流プローブ186に流れる電流を検出する。各電流プローブ186に流れる電流はわずかであるため、プローブ制御部158は、各電流プローブ186に流れる電流を、ノイズを除去して増幅して電圧に変換する処理を行う。
モータ群159は、図11に示すように、5つのモータ181〜185を有する。図11は、5つのモータ181〜185とこれらモータにより駆動されるシリンジロッド20、NCVロッド23,NOVロッド24,温調支持体25,プローブ支持体26との配置場所を示す平面図である。図11は、核酸検査装置110の側面から見た平面図であり、図示の右側が正面、左側が背面である。
5つのモータ181〜185のうち、シリンジ軸モータ184は、各シリンジ内の液体を流路に移動させるシリンジロッド201〜204の駆動を制御する。NOV軸モータ181は、NOバルブ710a1、710a2の開閉を行うNOVロッド24の駆動を制御する。NCV軸モータ185は、NCバルブ(NVC)の開閉を行うNCロッド20の駆動を制御する。ヒータ・ペルチェ軸モータ183は、ヒータ170およびペルチェ素子171が載置された温調支持体25の駆動を制御する。プローブ軸モータ182は、電流プローブ186が取り付けられたプローブ支持体26の駆動を制御する。
図11に示すように、鉛直(上下)方向に延びる支持板180に、上から下に向かって順に、NOV軸モータ181、プローブ軸モータ182およびヒータ・ペルチェ軸モータ183が支持されている。また、正面側の上方には、シリンジ軸モータ184を支持する支持板191が鉛直方向に配置されている。さらに、正面側の下方には、NCV軸モータ185を支持する支持板192が鉛直方向に配置されている。これら5つのモータの回転軸はいずれも、水平方向に配置されている。これら回転軸のギアにはラックギアが噛み合っており、回転軸12cの回転が鉛直方向の直線運動に変換されて、各モータ181〜185に対応するロッドが鉛直方向に移動する。また、各モータ181〜185の回転軸の回転方向を切り替えることで、対応するロッドが上方または下方に移動する。
上述した5つのモータ181〜185の近傍には、それぞれフォトセンサ160が配置されている。各モータ181〜185に対応するフォトセンサ160は、各モータ181〜185の動作原点位置を光学的に検出して、各モータ181〜185を動作原点位置に復帰させる動作を行う。
図9に示す電流検出部128は、電流プローブ186を流れる電流を検出する。電流プローブ186を流れる電流は、プローブ基板123上で電圧に変換された後に電流検出部128に送られる。電流検出部128は、オフセット補正と回路ノイズを除去した状態で、電流プローブ186を流れる電流に応じた電圧を検出する。
温度調整部162は、図12に示すように、ヒータ170とペルチェ素子171の近傍にそれぞれ設けられた温度センサ161a,161bの温度検出結果に基づいて、ヒータ170とペルチェ素子171の温度をそれぞれ別個に調整する。また、これら温度センサ161a,161bとは別個に、筐体内の温度を測定する温度センサ161cも設けられており、温度調整部162は、筐体内の温度に基づいて、筐体ファン155の強弱やオン/オフを制御部151に対して指示する。
電源供給部163は、核酸検査装置110内の各部で使用する複数の直流電源電圧を生成して、各部に供給する。電源供給部163は、商用電源から複数の電源電圧を生成するAC/DCコンバータを有する。
図13は本実施形態による情報処理装置150の自己診断に関連する機能ブロック図である。図13の情報処理装置150は、第1〜第6診断部131〜136と、警告部137と、診断画面生成部138と、診断制御部139とを有する。第1〜第6診断部131〜136は、核酸検査装置110の電源起動時に自動的に自己診断を行う。また、第1〜第6診断部131〜136は、診断画面生成部138により任意に選択されて、任意のタイミングで自己診断を行うことも可能である。
第1診断部131は、核酸検査装置110内の制御部151および電流検出部128と通信確認を行う。より具体的には、第1診断部131は、情報処理装置150から制御部151および電流検出部128のそれぞれに所定の信号を送信し、この信号に対する応答信号が所定期間以内に制御部151および電流検出部128から送り返されたか否かで通信確認を行う。図9に示すように、情報処理装置150は、核酸検査装置110内の通信インタフェース基板122を介して、例えばUSBの規格に従って核酸検査装置110と情報の送受を行う。
第2診断部132は、複数のモータの動作確認を行う。第2診断部132は、各モータ181〜185の動作原点位置に設けたフォトセンサ160を用いて各モータ181〜185の動作確認を行う。すなわち、各モータ181〜185を、動作原点位置から正回転させた後に逆回転させて、元の動作原点位置に復帰したか否かをフォトセンサ160で確認し、復帰すれば正常と判断し、動作原点位置からずれていれば、異常と判断する。
第3診断部133は、ヒータ170およびペルチェ素子171の動作確認を行う。より具体的には、第3診断部133は、ヒータ170およびペルチェ素子171による加熱を所定時間ずつ行い、ヒータ170およびペルチェ素子171の近傍にそれぞれ配置された温度センサ161a,161bで温度上昇を測定し、単位時間当たりの温度上昇値が予め想定した範囲内であれば正常と判定し、想定した範囲から外れていれば異常と判断する。
第4診断部134は、ファンの動作確認を行う。核酸検査装置110の内部には、筐体ファン155と電源ファン129が設けられている。第4診断部134は、筐体ファン155と電源ファン129をそれぞれ回転させた状態で、これらファン155,129から出力される信号を検出する。ファン155,129が出力する信号は、ファン155,129が回転しているときに特定の論理になる信号である。第4診断部134は、上記信号が特定の論理になっていれば正常と判断し、別の論理であれば異常と判断する。
第5診断部135は、電流検出部128の動作確認を行う。電流検出部128は、オフセット調整をした上で、核酸検査カード700に装着されるDNAチップ500の検査流路712に検体サンプルを流し込まない状態で、検査流路712上の電極に流れる電流が0アンペアになるか否かを確認する。
第6診断部136は、核酸検査装置110の筐体内の温度が予め定めた温度範囲内であるか否かを確認する。第6診断部136は、筐体内の所定箇所(例えば、中継基板126上)に設けられる温度センサ161cで測定した温度を取得し、この温度が予め定めた温度範囲内であれば正常と判断し、温度範囲外であれば異常を判断する。
警告部137は、第1〜第6診断部131〜136の少なくとも一つで異常と判断された場合には、警告処理を行う。警告処理とは、例えば、情報処理装置150の表示画面に異常箇所を表示する。このとき、作業者の注意を喚起するために、目立ちやすい色で異常箇所を表示したり、異常箇所を点滅表示してもよい。あるいは、警告処理は、核酸検査装置110と情報処理装置150の少なくとも一方にて、警告音を音声出力してもよい。警告部137が行う警告処理の具体的な内容は任意に変更して構わない。例えば、核酸検査に影響がない異常であれば、そのまま核酸検査を継続して実施してもよいし、核酸検査に影響がある異常の場合には、ユーザに異常箇所を知らせて点検および修理を促し、核酸検査装置110の電源を強制的に遮断するなどして、信頼性の低い核酸検査が行われないようにしてもよい。
診断制御部139は、核酸検査システム100の電源を起動した際に、上述した第1〜第6診断部131〜136に対して自己診断を行うよう指示する。第1〜第6診断部131〜136による診断を行う順序は特に問わない。場合によっては、第1〜第6診断部131〜136による自己診断の少なくとも一部を並列的に実行させてもよい。
また、診断制御部139は、第1〜第6診断部131〜136のうち任意の診断部をユーザに選択させて、ユーザが選択した診断部による自己診断を任意のタイミングで実行させてもよい。
診断画面生成部138は、情報処理装置150の表示画面に表示される診断画面を生成する。診断画面には、電源起動時に自動的に行われた第1〜第6診断部131〜136による自己診断の結果が表示される。また、診断画面には、複数の自己診断項目の中から、ユーザが任意の自己診断項目を選択するボタンや、自己診断の開始を指示するボタンなどが設けられている。
図14は自己診断結果の表示画面例を示す図である。図に示すように、自己診断結果は、核酸検査装置110に設けられる4つの検査ユニット1〜4のそれぞれごとに表示される。図14は、検査ユニット1において、ペルチェ素子171の断線を検出した異常と、ペルチェ素子171用のファンが停止したままである異常とを検出して、その異常内容を表示する例を示している。なお、異常内容を表示する表示形態は、図14に示したものに限定されない。
一方、図15はユーザが自己診断の項目を任意に選択する診断画面の表示例を示している。図15の表示画面には、カード700の検出、トレイ111〜114の検出、上側の筐体ファン155(ケースファン1)の回転検出、下側の筐体ファン155(ケースファン2)の回転検出、および電源ファン129の回転検出を選択するチェックボタン群B1と、ペルチェ素子171の動作確認に関する詳細項目を選択するチェックボタン群B2と、ヒータ170の動作確認に関する詳細項目選択するチェックボタンB3とが表示されている。図15は診断画面の一例であり、診断画面は任意に変更しても構わない。
図16は情報処理装置150が電源起動時に自動的に行う自己診断処理の一例を示すフローチャートである。まず、情報処理装置150は、第1診断部131による自己診断を行う(ステップS1)。より具体的には、情報処理装置150内の診断制御部139は、核酸検査装置110内の制御部151および電流検出部128と通信確認を行う。上述したように、制御部151と電流検出部128はいずれも制御基板121上に実装されており、ステップS1では、情報処理装置150が核酸検査装置110に対して、通信インタフェース基板122を介して通信信号を送信し、この通信信号に対応する応答信号が所定時間内に、通信インタフェース基板122を介して情報処理装置150にて受信されたときに、通信確認が正常であると判断する(ステップS2のYES)。
情報処理装置150は、第2診断部132〜第6診断部136の診断結果も、通信インタフェース基板122を介して受け取るため、第1診断部131で正常でないと判断されると(ステップS2のNO)、第2診断部132〜第6診断部136による診断を行うことなく、警告処理を行う(ステップS3)。
第1診断部131による診断結果が正常であると判断された場合には、第2診断部132による自己診断を行う(ステップS4)。より具体的には、第2診断部132は、複数のモータの動作確認を行う。ここでは、上述したように、モータを動作原点位置から正回転させた後に逆回転させて、元の動作原点位置に復帰するか否かを確認する。ステップS4で正常でないと判断されたモータが存在する場合には(ステップS5でNO)、そのモータの情報を通信インタフェース基板122を介して情報処理装置150に伝送する(ステップS6)。
第2診断部132による診断結果が正常であると判断された場合(ステップS5でYES)、第3診断部133による自己診断を行う(ステップS7)。より具体的には、第3診断部133は、ヒータ170およびペルチェ素子171の動作確認を行う。ヒータ170およびペルチェ素子171の少なくとも一方が正常でないと判断された場合(ステップS8でNO)、その情報を通信インタフェース基板122を介して情報処理装置150に伝送する(ステップS9)。
第3診断部133による診断結果が正常であると判断された場合(ステップS8でYES)、第4診断部134による自己診断を行う(ステップS10)。より具体的には、ファンの動作確認を行う。ファンが回らないなどの異常があると判断された場合(ステップS11でNO)、その情報を通信インタフェース基板122を介して情報処理装置150に伝送する(ステップS12)。
第4診断部134による診断結果が正常であると判断された場合(ステップS11でYES)、第5診断部135による自己診断を行う(ステップS13)。より具体的には、電流検出部128の動作確認を行う。オフセット調整をし、かつ核酸検査カードに装着されるDNAチップの検査流路に検体サンプルを流し込まない状態で、検査流路上の電極に流れる電流が0アンペアにならないような異常があると判断された場合(ステップS14でNO)、その情報を通信インタフェース基板122を介して情報処理装置150に伝送する(ステップS15)。
第5診断部135による診断結果が正常であると判断された場合(ステップS14でYES)、第6診断部136による自己診断を行う(ステップS16)。より具体的には、核酸検査装置110の筐体内の温度が予め定めた温度範囲内であれば正常と判断し、温度範囲外であれば異常と判断する(ステップS17)。異常と判断された場合は、その情報を通信インタフェース基板122を介して情報処理装置150に伝送する(ステップS17)。
情報処理装置150は、図16のステップS3,S6,S9,S12,S15,S18の少なくとも一つにて異常情報を受信した場合には、その異常情報を表示画面に表示するなどの警告処理を行う。
このように、本実施形態による情報処理装置150は、核酸検査装置110の電源起動時に、第1〜第6診断部131〜136による自己診断を自動的に行うため、核酸検査装置110内に生じた何らかの異常をいち早く検出でき、異常のある状態で核酸検査を行うおそれを回避できる。また、異常と判断された場合には、情報処理装置150の表示画面に異常の内容をわかりやすく表示するため、異常箇所を迅速に特定できる。場合によっては、核酸検査装置110のブザー156やLED157を利用して、異常が生じたことをユーザに報知することも可能である。
さらに、本実施形態では、複数の自己診断機能のうち、任意の自己診断機能を、ユーザが任意に情報処理装置150の表示画面上で選択して、任意のタイミングで実行できるため、核酸検査装置110を最適な状態に維持した状態で、核酸検査を行うことができる。特に、本実施形態では、情報処理装置150の表示画面に表示されるGUI画面にて、自己診断項目を任意に選択できるため、自己診断項目の選択が容易になり、ユーザの利便性が向上する。
上述した実施形態で説明した核酸検査システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、核酸検査システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
また、核酸検査システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
110 核酸検査装置、111,112,113、114 トレイ、121 制御基板、122 通信インタフェース部、123 プローブ基板、124 フォトセンサ基板、125 温調基板、127 電源基板、128 電流検出部、129 電源ファン、131 第1診断部、132 第2診断部、133 第3診断部、134 第4診断部、135 第5診断部、136 第6診断部、137 警告部、138 診断画面生成部、139 診断制御部、150 情報処理装置、151 プローブ制御部、160 フォトセンサ、170 ヒータ、171 ペルチェ素子、181,182,183,184,185 モータ、186 電流プローブ、201,202,203,204 第1ロッド、221,222,223,224 第2ロッド、241,242,243 第3ロッド、500 DNAチップ、520 電極(作用電極)、700 核酸検査カード、710a1、710a2 シリンジ、710f 増幅流路、712 検査流路

Claims (9)

  1. 検体サンプル中に含まれる核酸を検査する核酸検査装置と、前記核酸検査装置との間で情報の送受を行う情報処理装置と、を備え、
    前記核酸検査装置は、
    少なくとも検体サンプルを含む液体を保存する保存部と、前記検体サンプル中に含まれる核酸を増幅する増幅部と、増幅した前記核酸を検査する検査部とを有する核酸検査デバイスを載置する載置部と、
    前記保存部に保存された前記液体を、前記増幅部または前記検査部に移動させる液体移動部と、
    前記増幅部を加熱する加熱部と、
    前記検査部の温度調整を行う温度調整部と、
    外気を筐体内に取込み、取込んだ外気を筐体内を循環させ、筐体外に排気する換気部と、
    前記液体移動部、前記加熱部、前記温度調整部および前記換気部の駆動を制御する制御部と、
    前記検査部に設けられた電極に流れる電流を検出する電流検出部と、
    筐体内の温度を測定する温度測定器と、を有し、
    前記情報処理装置は、当該核酸検査装置の電源起動時に自動的に自己診断を行う第1乃至第6診断部を有し、
    前記第1診断部は、前記制御部および前記電流検出部との通信確認を行い、
    前記第2診断部は、前記液体移動部の動作確認を行い、
    前記第3診断部は、前記加熱部および前記温度調整部の動作確認を行い、
    前記第4診断部は、前記換気部の動作確認を行い、
    前記第5診断部は、前記電流検出部の動作確認を行い、
    前記第6診断部は、前記温度測定器にて測定された温度に基づく前記筐体内の温度確認を行う核酸検査システム。
  2. 前記第1診断部は、前記情報処理装置から前記制御部および前記電流検出部のそれぞれに所定の信号を送信し、この信号に対する応答信号が所定期間以内に前記制御部および前記電流検出部から送り返されたか否かで通信確認を行う請求項1に記載の核酸検査システム。
  3. 前記第2診断部は、前記液体移動部を原点位置から動かして、再度原点位置に戻るか否かを確認する請求項1または2に記載の核酸検査システム。
  4. 前記第3診断部は、前記加熱部および前記温度調整部の単位時間当たりの温度上昇度合いによって、前記加熱部および前記温度調整部の動作確認を行う請求項1乃至3のいずれかに記載の核酸検査システム。
  5. 前記第4診断部は、前記換気部に対して駆動を指示した状態で、前記換気部から出力される信号の論理により、前記ファンの動作確認を行う請求項1乃至4のいずれかに記載の核酸検査システム。
  6. 前記第5診断部は、前記検査部に前記検体サンプルを流し込まない状態かつオフセット調整をした状態で、前記検査部に設けられた電極に流れる電流が0アンペアになるか否かを確認する請求項1乃至5のいずれかに記載の核酸検査システム。
  7. 前記第6診断部は、前記筐体内の温度が予め定めた温度範囲内であるか否かを確認する請求項1乃至6のいずれかに記載の核酸検査システム。
  8. 前記核酸検査装置および前記情報処理装置の少なくとも一方は、
    前記第1乃至第6診断部による確認を行った結果、異常があると判断した場合に、所定の警告処理を行う警告部を備える請求項1乃至7のいずれかに記載の核酸検査システム。
  9. 前記情報処理装置は、
    前記第1乃至第6診断部による診断内容および診断結果と、前記第1乃至第6診断部による診断内容の中から任意の診断内容を選択する選択ボタンと、を含む診断画面を生成する診断画面生成部を有し、
    前記核酸検査装置は、前記選択ボタンで選択された診断内容に基づく自己診断を、ユーザから指定されたタイミングで実行する請求項1乃至8のいずれかに記載の核酸検査システム。
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