JP2016066478A - 電気コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】更なる空間の有効利用が可能な電気コネクタを提供する。【解決手段】電気コネクタ10は、底部と側部と天部50,80とで形成された貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第1の信号端子、および、前記貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の第2の信号端子に当接可能な導電性の部材であり、その一端が貫通孔内に配置され、その他端が貫通孔の一方側の底部から外部に向かって延びた、底部に接続された第1のコンタクトを備える。また、電気コネクタ10は、前記貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第2の信号端子、および、前記貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の第1の信号端子に当接可能な導電性の部材であり、その一端が貫通孔内に配置され、その他端が貫通孔の他方側の底部から外部に向かって延びた、底部に接続された第2のコンタクトを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、電気コネクタに関する。
一方向からの基板の挿入に加えて、他方向からの基板の挿入を実現するコネクタとして、例えば、特許文献1に記載の電気コネクタが知られている。
この電気コネクタには、ハウジングの前方側から基板を挿入できる孔に加えて、ハウジングの後方側から基板を挿入できる孔が、形成されている。そして、この電気コネクタは、ハウジングの前方側から孔に挿入された基板と電気コネクタが実装された例えば基板との電気的接続を実現することに加え、ハウジングの後方側から孔に挿入された基板と電気コネクタが実装された例えば基板との電気的接続も実現する。
このように、別々の方向から基板を挿入できるので、この電気コネクタによれば、汎用性が高い。
特許文献1に記載されている電気コネクタでは、孔の奥側に、一方の孔と他方の孔とを隔てる壁が介在している。このため、この電気コネクタは、この壁の厚み分、基板の挿入方向に長くなる。
よって、特許文献1に記載されている電気コネクタでは、空間の有効利用が十分ではないという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、更なる空間の有効利用が可能な電気コネクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明に係る電気コネクタは、
絶縁性の平板状の底部と、
底部の両端に、底部の幅広面に対して突出して配置された絶縁性の平板状の側部と、
平板状の部材であり、その幅広面が底部の幅広面に対向するようにして、その端部が側部に接続された天部と、
底部と側部と天部とで形成された貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第1の信号端子群、および、貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の第2の信号端子群に当接可能な導電性の部材であり、その一端が貫通孔内に配置され、その他端が貫通孔の一方側の底部から外部に向かって延びた、底部に接続された第1のコンタクトと、
貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第2の信号端子群、および、貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の第1の信号端子群に当接可能な導電性の部材であり、その一端が貫通孔内に配置され、その他端が貫通孔の他方側の底部から外部に向かって延びた、底部に接続された第2のコンタクトと、
を備えることを特徴とする。
絶縁性の平板状の底部と、
底部の両端に、底部の幅広面に対して突出して配置された絶縁性の平板状の側部と、
平板状の部材であり、その幅広面が底部の幅広面に対向するようにして、その端部が側部に接続された天部と、
底部と側部と天部とで形成された貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第1の信号端子群、および、貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の第2の信号端子群に当接可能な導電性の部材であり、その一端が貫通孔内に配置され、その他端が貫通孔の一方側の底部から外部に向かって延びた、底部に接続された第1のコンタクトと、
貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第2の信号端子群、および、貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の第1の信号端子群に当接可能な導電性の部材であり、その一端が貫通孔内に配置され、その他端が貫通孔の他方側の底部から外部に向かって延びた、底部に接続された第2のコンタクトと、
を備えることを特徴とする。
また第1のコンタクトは、貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第1の信号端子群、および、貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の、第1の信号端子群とは異なる位置に配置された第2の信号端子群に当接可能であり、
第2のコンタクトは、貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第2の信号端子群、および、貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の、第2の信号端子群とは異なる位置に配置された第1の信号端子群に当接可能である、
ものでもよい。
第2のコンタクトは、貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第2の信号端子群、および、貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の、第2の信号端子群とは異なる位置に配置された第1の信号端子群に当接可能である、
ものでもよい。
また、天部は、貫通孔の一方側から信号伝達部材が挿入された際に貫通孔内に位置する、信号伝達部材の両端に設けられている切り欠き部分、または、貫通孔の他方側から信号伝達部材が挿入された際に貫通孔内に位置する、信号伝達部材の両端に設けられている切り欠き部分に係止可能な、底部に向かって延びた、一対の鉤状の係止部を備える、
ものでもよい。
ものでもよい。
また、一対の係止部は、貫通孔に同時に挿入可能な信号伝達部材の数に応じて設けられている、
ものでもよい。
ものでもよい。
また、底部は、信号伝達部材が貫通孔に挿入された際に貫通孔内に位置する、信号伝達部材の一方端に設けられている切り欠き部分に当接して、その信号伝達部材が挿入方向へ移動することを規制する、底部の幅広面に対して突出して配置された仕切部を備える、
ものでもよい。
ものでもよい。
また、仕切部は、貫通孔に同時に挿入可能な信号伝達部材の数に応じて、複数設けられている、
ものでもよい。
ものでもよい。
また、第1のコンタクトと第2のコンタクトとは、交互に、信号伝達部材の挿入方向に対して垂直に、底部に配置されており、
貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第1の信号端子群、および、貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の第2の信号端子群に、第1のコンタクトが当接する箇所は、貫通孔の一方側よりも貫通孔の他方側の近くに位置し、
貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第2の信号端子群、および、貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の第1の信号端子群に、第2のコンタクトが当接する箇所は、貫通孔の他方側よりも貫通孔の一方側の近くに位置する、
ものでもよい。
貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第1の信号端子群、および、貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の第2の信号端子群に、第1のコンタクトが当接する箇所は、貫通孔の一方側よりも貫通孔の他方側の近くに位置し、
貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第2の信号端子群、および、貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の第1の信号端子群に、第2のコンタクトが当接する箇所は、貫通孔の他方側よりも貫通孔の一方側の近くに位置する、
ものでもよい。
また、第1のコンタクトと第2のコンタクトとは、貫通孔に挿入された信号伝達部材を弾性力で天部に押し当てるために、天部に向かって凸状に屈曲している、
ものでもよい。
ものでもよい。
また、天部は、
貫通孔の一方側から信号伝達部材が挿入された際に貫通孔内に位置する、信号伝達部材の両端に設けられている切り欠き部分、または、貫通孔の他方側から信号伝達部材が挿入された際に貫通孔内に位置する、信号伝達部材の両端に設けられている切り欠き部分に係止可能な、底部に向かって延びた一対の鉤状の係止部を有し、且つ、他の部材と係止可能に構成されたロック部を両端に有する、平板状のロック天部と、
信号伝達部材が貫通孔に挿入された際に信号伝達部材が押し当てられる平板状の部材であり、その両端には、外側部分がロック部に係止可能であり、且つ、内側部分が側部に接続可能であるロック被部を有し、そのロック被部の外側部分にロック部が係止された際に係止部を挿通するための孔が設けられているカバー天部と、を備える、
ものでもよい。
貫通孔の一方側から信号伝達部材が挿入された際に貫通孔内に位置する、信号伝達部材の両端に設けられている切り欠き部分、または、貫通孔の他方側から信号伝達部材が挿入された際に貫通孔内に位置する、信号伝達部材の両端に設けられている切り欠き部分に係止可能な、底部に向かって延びた一対の鉤状の係止部を有し、且つ、他の部材と係止可能に構成されたロック部を両端に有する、平板状のロック天部と、
信号伝達部材が貫通孔に挿入された際に信号伝達部材が押し当てられる平板状の部材であり、その両端には、外側部分がロック部に係止可能であり、且つ、内側部分が側部に接続可能であるロック被部を有し、そのロック被部の外側部分にロック部が係止された際に係止部を挿通するための孔が設けられているカバー天部と、を備える、
ものでもよい。
また、天部は、
金属製であり、
信号伝達部材が貫通孔に挿入された際、天部に押し当てられた信号伝達部材の接地端子に当接する突起状の接地部と、
接地部に接続されており、且つ、電気コネクタが実装された実装部材の接地端子に接続される接続部と、を備える、
ものでもよい。
金属製であり、
信号伝達部材が貫通孔に挿入された際、天部に押し当てられた信号伝達部材の接地端子に当接する突起状の接地部と、
接地部に接続されており、且つ、電気コネクタが実装された実装部材の接地端子に接続される接続部と、を備える、
ものでもよい。
本発明の電気コネクタでは、貫通孔の一方側から信号伝達部材を挿入できることに加え、貫通孔の他方側から信号伝達部材を挿入できる。ここで、本発明の電気コネクタでは、貫通孔を仕切る壁(貫通孔を隔てる壁)がない。よって、信号伝達部材の挿入方向における電気コネクタの長さを短縮できる。従って、本発明によれば、電気コネクタの小型化が可能であり、結果、更なる空間の有効利用が可能である。
以下、本発明の実施の形態に係る電気コネクタ10を、図面を参照して説明する。なお、各図において、電気コネクタ10の短手方向をx軸方向、長手方向をy軸方向、高さ方向をz軸方向とする直交座標系を設定し、適宜参照する。また、各軸の矢印方向を+(プラス)で示し、その反対方向を−(マイナス)で示す。
電気コネクタ10は、図1(a)に示すように、電気コネクタ10に形成された貫通孔の幅と略同一の幅の大型の基板Bk(FPC(Flexible Printed Circuits)、或いはFFC(Flexible Flat Cable))を、第一の方向(+x方向)に挿入可能である。言い換えれば、電気コネクタ10は、貫通孔の一方側から、大型の基板Bkを挿入可能である。
また、電気コネクタ10は、図1(b)に示すように、大型の基板Bkを、第一の方向(+x方向)に対して反対の第二の方向(−x方向)にも、挿入可能である。言い換えれば、電気コネクタ10は、貫通孔の他方側からも、大型の基板Bkを挿入可能である。
更に、電気コネクタ10は、図1(c)に示すように、貫通孔の幅の約半分の幅の小型の基板Sk(FPC、或いはFFC)を、電気コネクタ10に形成された貫通孔の一方側で、且つ、後述する仕切部25(図2(a)参照)を境界として、yの値が大きい方の開口部分から挿入した状態で、更に、貫通孔の他方側で、且つ、仕切部25を境界として、yの値が小さい方の開口部分から、小型の基板Skを挿入可能である。
電気コネクタ10は、図2(a)に示すように、ベース部20とカバー天部50とロック天部80とを備える。ベース部20とカバー天部50とロック天部80とは、基板を挿入するための貫通孔を形成する。
ベース部20には、図2(b)に示すように、カバー天部50が係止される。カバー天部50には、ロック天部80が係止される。
ベース部20は、図3(a),(b),(c)に示すように、平板状の底部21と、その底部21の両端に設けられた側部22とを備える。
また、ベース部20は、底部21の一方側から一端が外部に露出した第1のコンタクト23と、底部21の他方側から一端が外部に露出した第2のコンタクト24とを備える。そして、ベース部20は、底部21の幅広面Saに配置された仕切部25と、を備える。
底部21は、絶縁性の壁部(例えば、プラスチック製の壁部)から構成される。底部21には、仕切部25を挟んだ2つの開口が設けられている。それぞれの開口から、第1のコンタクト23の一部と第2のコンタクト24の一部とが突出している。この突出部分が、貫通孔に挿入された基板Bk,Skの信号端子Ka,Kb(図1参照)に当接する。
側部22は、絶縁性の平板(例えば、プラスチック製の平板)である。側部22は、底部21の幅広面Saに対して突出して、底部21の両端に配置されている。側部22には、カバー天部50が係止される。
第1のコンタクト23と第2のコンタクト24とは、導電性の部材(例えば、導線等)である。第1のコンタクト23と第2のコンタクト24とは、底部21において、基板Bk,Skの幅方向に、交互に配置されている。第1のコンタクト23と第2のコンタクト24とは、例えば、インサート成形によって、底部21に固定されている。
第1のコンタクト23は、その一部が、底部21の一方側に接続されている。そして、第1のコンタクト23は、その一端側が貫通孔内に配置され、その他端側が貫通孔の一方側の底部21から外部に向かって延びている。
第1のコンタクト23は、貫通孔の一方側から挿入された基板Bk,Skの信号端子Ka,Kb(図1参照)のうち、基板Bk,Skの一端側に設けられた第1の信号端子Kaに当接可能である。第1の信号端子Kaの全てからなる集合は、特許請求の範囲に記載の、第1の信号端子群の例示である。
また、第1のコンタクト23は、貫通孔の他方側から挿入された基板Bk,Skの信号端子Ka,Kb(図1参照)のうち、基板Bk,Skの一端側から離れて設けられた第2の信号端子Kbに当接可能である。
上述のように、第2の信号端子Kbは、基板Bk,Skの一端側から離れて設けられている。一方、第1の信号端子Kaは、基板Bk,Skの一端側に設けられている。このため、第2の信号端子Kbの全てからなる集合は、第1の信号端子Kaの全てからなる集合とは異なる位置に配置されている。この第2の信号端子Kbの全てからなる集合は、特許請求の範囲に記載の、第2の信号端子群の例示である。
第2のコンタクト24は、その一部が、底部21の他方側に接続されている。そして、第2のコンタクト24は、その一端側が貫通孔内に配置され、その他端側が貫通孔の他方側の底部21から外部に向かって延びている。
第2のコンタクト24は、貫通孔の他方側から挿入された基板Bk,Skの信号端子Ka,Kb(図1参照)のうち、基板Bk,Skの一端側に設けられた第1の信号端子Kaに当接可能である。
また、第2のコンタクト24は、貫通孔の一方側から挿入された基板Bk,Skの信号端子Ka,Kb(図1参照)のうち、基板Bk,Skの一端側から離れて設けられた第2の信号端子Kbに当接可能である。
第1のコンタクト23は、図4に示すように、他端側から一端側に向かうに連れて(+x方向に進むに連れて)、+z方向に傾斜する。この傾斜は、電気コネクタ10が組み立てられた際、カバー天部50に近づく傾斜を形成する。なお、第2のコンタクト24も、第1のコンタクト23と同じ形状である。
このため、第1のコンタクト23および第2のコンタクト24は、貫通孔に挿入された基板Bk,Skを弾性力でカバー天部50に押し当てることができる。
また、第1のコンタクト23および第2のコンタクト24は、その一端側が、+z方向に向かって凸状に屈曲している。この凸状部分が、電気コネクタ10が組み立てられた際、底部21の開口から突出し、カバー天部50を向く。
このため、第1のコンタクト23および第2のコンタクト24は、貫通孔に挿入された基板Bk,Skの信号端子Ka,Kbに、凸状部分を当接させることができる。
このように、第1のコンタクト23および第2のコンタクト24は、貫通孔に挿入された基板Bk,Skを弾性力でカバー天部50に押し当てることができ、更には、貫通孔に挿入された基板Bk,Skの信号端子Ka,Kbに凸状部分を当接させることができる。
よって、第1のコンタクト23および第2のコンタクト24は、挿入された基板Bk,Skの移動を規制できる上に、その基板Bk,Skの信号端子Ka,Kbとの電気的な接続を確実に実現できる。
また、底部21の幅広面Saの略中央部分(底部21の長手方向の略中央部分)には、幅広面Saに対して突出し、x軸方向に伸びるように配置された仕切部25が設けられている。この仕切部25は、絶縁性の壁部(例えば、プラスチック製の壁部)で形成されている。仕切部25は、基板Bk,Skが貫通孔に挿入された際、基板Bk,Skに当接する。
詳細には、仕切部25は、基板Bk,Skが貫通孔に挿入された際、その基板Bk,Skの一方端(貫通孔内に位置する一方端)に設けられている切り欠き部分(図1のHa部分)に当接する。この当接により、仕切部25は、基板Bk,Skが挿入方向へ、更に移動することを規制する。
この仕切部25は、貫通孔に同時に挿入可能な小型の基板Skの数に応じて、複数設けられている。本実施の形態の電気コネクタ10では、貫通孔に同時に挿入可能な小型の基板Skの数は2である。このため、仕切部25は、2つの小型の基板Skの挿入方向への移動を規制できる数、即ち、1つ、底部21に設けられている。
また、仕切部25には、例えば図7(a)に示すように、爪状の部材を引っ掛けて、その爪状の部材を係止可能な係止壁25aが設けられている。この係止壁25aには、電気コネクタ10が組み立てられた際、後述する、カバー天部50の爪部51が係止される。
カバー天部50は、貫通孔に基板Bk,Skが挿入された際、その基板Bk,Skが押し当てられる平板状の部材である。カバー天部50は、例えば金属板で形成されている。カバー天部50は、図5(a),(b),(c)に示すように、その中央部分に、係止壁25aに係止可能に構成された爪部51が設けられている。爪部51は、金属板が折り曲げられて形成されている。爪部51の、+y方向および−y方向から視た側面は、略L字状である(図7(a)参照)。
また、カバー天部50の両端には、外側部分がロック天部80に係止可能であり、且つ、内側部分が側部22に接続可能であるロック被部52が設けられている。ロック被部52は、金属板が折り曲げられて形成されている。ロック被部52の、+x方向および−x方向から視た側面は、略J字状である(図5(b)参照)。
この略J字状の部分(ロック被部52の内側部分)が、側部22を掴むようにして、側部22に接続され、更には、爪部51が係止壁25aに係止すると、カバー天部50とベース部20との係止が完了する。このとき、カバー天部50の幅広面Sbは、底部21の幅広面Saに対向する。
ロック被部52には、図5(a),(c)に示すように、ロック被部52の外側部分にロック天部80が取り付けられた際、そのロック天部80に設けられている突起と係止するための係止孔52aが設けられている。
また、図5(a)に示すように、ロック被部52の外側部分にロック天部80が取り付けられた際に、そのロック天部80に設けられた係止部(挿入された基板Bk,Skを係止するための機構)を挿通できるよう、挿通孔53が、カバー天部50の幅広面Sbに設けられている。
ロック被部52の外側部分に取り付けられるロック天部80は、貫通孔内に挿入された基板Bk,Skを係止するための部材である。ロック天部80は、例えば金属板で形成されている。ロック天部80は、図6(a),(b),(c)に示すように、係止部81を有する。係止部81は、一対である。
一対の係止部81は、ロック被部52の外側部分にロック天部80が取り付けられ、更には、ロック被部52の内側部分に側部22が接続された際、底部21に向かって延びた形状になるよう、ロック天部80に設けられている。
一対の係止部81は、弾性金属板が折り曲げられて形成されている。係止部81の、+x方向および−x方向から視た側面は、略J字状である。つまり、係止部81は、鉤状である(図6(b)参照)。
一対の係止部81は、前述の通り、弾性金属板で形成されている。よって、係止部81は、+z方向および−z方向に揺動可能である。
一対の係止部81は、貫通孔の一方側から基板Bk,Skが挿入された場合、その貫通孔内に位置する、基板Bk,Skの両端に設けられている切り欠き部分(図1のHb部分)あるいは、透孔に係止可能である。
また、一対の係止部81は、貫通孔の他方側から基板Bk,Skが挿入された場合、その貫通孔内に位置する、基板Bk,Skの両端に設けられている切り欠き部分(図1のHb部分)あるいは、透孔に係止可能である。
即ち、一対の係止部81は、基板Bk,Skが貫通孔の一方側から挿入されても、或いは、基板Bk,Skが貫通孔の他方側から挿入されても、基板Bk,Skを係止可能である。
この一対の係止部81は、貫通孔に同時に挿入可能な小型の基板Skの数に応じて設けられている。本実施の形態の電気コネクタ10では、貫通孔に同時に挿入可能な小型の基板Skの数は2であるので、一対の係止部81が2組、ロック天部80に設けられている。
また、ロック天部80の両端には、ロック被部52の外側部分にロック天部80を係止可能にするロック部82が設けられている。ロック部82は、ロック天部80の幅広面Scに対して突出して配置された平板状の部材である。
ロック部82は、図6(a),(b),(c)に示すように、金属片が内部に折り曲げられて形成された突起82aを有する。この突起82aが、カバー天部50の係止孔52aに係止すると、ロック天部80とカバー天部50との係止が完了する。
上述したベース部20とカバー天部50とロック天部80との係止が完了し、完成状態になった電気コネクタ10の正面図を、図7(a)に示す。
完成状態の電気コネクタ10では、図7(b)(図7(a)のA−A線における断面図)に示すように、カバー天部50の爪部51が、ベース部20の係止壁25aに係止されている。また、図7(a)に示すように、ロック被部52の内側部分が、ベース部20の側部22に接続されている。このため、ベース部20とカバー天部50とは強固に係止される。
ここで、図7(c)(図7(a)のB−B線における断面図)に示すように、第1のコンタクト23が、貫通孔の一方側から挿入された小型の基板Skの第1の信号端子Kaに当接する箇所は、貫通孔の一方側よりも貫通孔の他方側の近くに位置している。
一方、第2のコンタクト24が、貫通孔の他方側から挿入された小型の基板Skの第1の信号端子Kaに当接する箇所は、貫通孔の他方側よりも貫通孔の一方側の近くに位置している。
即ち、貫通孔の一方側から挿入された小型の基板Skの第1の信号端子Kaに、第1のコンタクト23が当接する箇所と、貫通孔の他方側から挿入された小型の基板Skの第1の信号端子Kaに、第2のコンタクト24が当接する箇所とは、共に、小型の基板Skの挿入方向の奥側になる。
このため、電気コネクタ10によれば、貫通孔の一方側に加えて、貫通孔の他方側からも小型の基板Skが挿入された場合において、貫通孔内の小型の基板Sk同士を、小型の基板Skの挿入方向上で(x軸上で)、重ならせることができる。
この重なりは、貫通孔を仕切る壁(貫通孔を隔てる壁)が、電気コネクタ10に無いことで実現可能になる。よって、電気コネクタ10によれば、電気コネクタ10のx軸方向の長さを短縮化でき、結果、電気コネクタ10の小型化が可能である。
なお、貫通孔の一方側から小型の基板Skが挿入された場合、その小型の基板Skの第1の信号端子Kaと第1のコンタクト23とが接続し、その小型の基板Skの第2の信号端子Kbと第2のコンタクト24とが接続することで、貫通孔の一方側から挿入された小型の基板Skと電気コネクタ10とが電気的に接続される。
また、貫通孔の他方側から小型の基板Skが挿入された場合、その小型の基板Skの第1の信号端子Kaと第2のコンタクト24とが接続し、その小型の基板Skの第2の信号端子Kbと第1のコンタクト23とが接続することで、貫通孔の他方側から挿入された小型の基板Skと電気コネクタ10とが電気的に接続される。
次に、大型の基板Bkを、貫通孔の例えば一方側から電気コネクタ10に挿入した場合を、図8(a)〜(d)に示す。図8(a)に示すように、貫通孔の一方側から大型の基板Bkが挿入されると、挿入された大型の基板Bkの切り欠き部分(図1のHa部分)が仕切部25に当接する。
このとき、図8(b)(図8(a)のC−C線における断面図)に示すように、基板の切り欠き部分(図1のHb部分)に係止部81が係止する。
このとき、図8(c)(図8(a)のD−D線における断面図)に示すように、第1のコンタクト23が大型の基板Bkの挿入方向の奥側(貫通孔の他方側)にある第1の信号端子Kaに接続される。また、図8(d)(図8(a)のE−E線における断面図)に示すように、第2のコンタクト24が大型の基板Bkの挿入方向の手前側(貫通孔の一方側)にある第2の信号端子Kbに接続される。このようにして、電気コネクタ10と挿入された大型の基板Bkとが電気的に接続される。
なお、電気コネクタ10から大型の基板Bkを抜去する際、ユーザは、挿入方向とは逆方向に、大型の基板Bkを移動させればよい。これにより、基板の切り欠き部分と係止部81との係止が解除され、電気コネクタ10から大型の基板Bkを抜去することができる。
次に、大型の基板Bkを、貫通孔の例えば他方側から電気コネクタ10に挿入した場合を、図9(a)〜(d)に示す。図9(a)に示すように、貫通孔の他方側から大型の基板Bkが挿入されると、挿入された大型の基板Bkの切り欠き部分(図1のHa部分)が仕切部25に当接する。
このとき、図9(b)(図9(a)のF−F線における断面図)に示すように、大型の基板Bkの切り欠き部分(Hb部分)に係止部81が係止する。このとき、図9(c)(図9(a)のG−G線における断面図)に示すように、第2のコンタクト24が大型の基板Bkの挿入方向の奥側(貫通孔の一方側)にある第1の信号端子Kaに接続される。また、図9(d)(図9(a)のH−H線における断面図)に示すように、第1のコンタクト23が大型の基板Bkの挿入方向の手前側(貫通孔の他方側)にある第2の信号端子Kbに接続される。
ここで、前述の通り、貫通孔の一方側から大型の基板Bkが挿入された場合には、第1のコンタクト23が大型の基板Bkの挿入方向の奥側(貫通孔の他方側)にある第1の信号端子Kaに当接する。一方、貫通孔の他方側から大型の基板Bkが挿入された場合には、第2のコンタクト24が大型の基板Bkの挿入方向の奥側(貫通孔の一方側)にある第1の信号端子Kaに当接する。
よって、貫通孔の他方側から挿入された場合における大型の基板Bkの位置と、貫通孔の一方側から挿入された場合における大型の基板Bkの位置とが、大型の基板Bkの挿入方向上で(x軸上で)、重なっている。
この重なりは、貫通孔を仕切る壁(貫通孔を隔てる壁)が、電気コネクタ10に無いことで実現可能になる。よって、電気コネクタ10のx軸方向の長さを短縮化でき、結果、電気コネクタ10の小型化が可能である。
以上、上述した通り、本実施の形態の電気コネクタ10では、小型の基板Skが挿入された際、貫通孔の一方側から挿入された小型の基板Skと貫通孔の他方側から挿入された小型の基板Skとを、小型の基板Skの挿入方向上で(x軸上で)、重ならせることができる。
また、本実施の形態の電気コネクタ10では、大型の基板Bkが挿入された際、貫通孔の一方側から挿入された場合における大型の基板Bkの位置と、貫通孔の他方側から挿入された場合における大型の基板Bkの位置とを、大型の基板Bkの挿入方向上で(x軸上で)、重ねることができる。
よって、本実施の形態の電気コネクタ10によれば、電気コネクタ10の小型化を可能にし、結果、空間の有効利用が可能である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、この発明は上述の実施の形態に限定されず、種々の変形および応用が可能である。
上述したカバー天部50に代えて、図10(a),(b)に示すカバー天部90を、電気コネクタ10に適用してもよい。
カバー天部90は、金属製である。カバー天部90は、カバー天部50の構成に加えて、次の構成を有する。即ち、カバー天部90は、基板Bk,Skが貫通孔に挿入された際、カバー天部90に押し当てられた基板Bk,Skの接地端子(信号端子Ka,Kbが設けられた面とは逆の面に設けられたグランド端子)に当接する突起状の接地部54を有する。
また、カバー天部90は、接地部54に接続されており、且つ、電気コネクタ10が実装された基板の接地端子(グランド端子)に接続される接続部55を有する。接続部55は、断面が略L字状の部材であり、その一端がロック被部52の端部に連結されている。この接続部55の他端側は、接地端子に例えばハンダ付けされる。
接続部55が接地端子に接続され、基板Bk,Skが貫通孔に挿入されると、基板Bk,Skの接地端子と電気コネクタ10が実装された基板の接地端子とを、接地部54を介して、電気的に接続することができる。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、上述した実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
10 電気コネクタ、20 ベース部、21 底部、22 側部、23 第1のコンタクト、24 第2のコンタクト、25 仕切部、25a 係止壁、50,90 カバー天部、51 爪部、52 ロック被部、52a 係止孔、53 挿通孔、54 接地部、55 接続部、80 ロック天部、81 係止部、82 ロック部、82a 突起、Bk 大型の基板、Ka 第1の信号端子、Kb 第2の信号端子、Sa,Sb,Sc 幅広面、Sk 小型の基板。
Claims (10)
- 絶縁性の平板状の底部と、
前記底部の両端に、前記底部の幅広面に対して突出して配置された絶縁性の平板状の側部と、
平板状の部材であり、その幅広面が前記底部の幅広面に対向するようにして、その端部が前記側部に接続された天部と、
前記底部と前記側部と前記天部とで形成された貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の第1の信号端子群、および、前記貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の第2の信号端子群に当接可能な導電性の部材であり、その一端が前記貫通孔内に配置され、その他端が前記貫通孔の一方側の前記底部から外部に向かって延びた、前記底部に接続された第1のコンタクトと、
前記貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の前記第2の信号端子群、および、前記貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の前記第1の信号端子群に当接可能な導電性の部材であり、その一端が前記貫通孔内に配置され、その他端が前記貫通孔の他方側の前記底部から外部に向かって延びた、前記底部に接続された第2のコンタクトと、
を備えることを特徴とする電気コネクタ。 - 前記第1のコンタクトは、前記貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の前記第1の信号端子群、および、前記貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の、前記第1の信号端子群とは異なる位置に配置された第2の信号端子群に当接可能であり、
前記第2のコンタクトは、前記貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の前記第2の信号端子群、および、前記貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の、前記第2の信号端子群とは異なる位置に配置された前記第1の信号端子群に当接可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。 - 前記天部は、前記貫通孔の一方側から信号伝達部材が挿入された際に前記貫通孔内に位置する、信号伝達部材の両端に設けられている切り欠き部分、または、前記貫通孔の他方側から信号伝達部材が挿入された際に前記貫通孔内に位置する、信号伝達部材の両端に設けられている切り欠き部分に係止可能な、前記底部に向かって延びた、一対の鉤状の係止部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。 - 前記一対の係止部は、前記貫通孔に同時に挿入可能な信号伝達部材の数に応じて設けられている、
ことを特徴とする請求項3に記載の電気コネクタ。 - 前記底部は、信号伝達部材が前記貫通孔に挿入された際に前記貫通孔内に位置する、信号伝達部材の一方端に設けられている切り欠き部分に当接して、その信号伝達部材が挿入方向へ移動することを規制する、前記底部の幅広面に対して突出して配置された仕切部を備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の電気コネクタ。 - 前記仕切部は、前記貫通孔に同時に挿入可能な信号伝達部材の数に応じて、複数設けられている、
ことを特徴とする請求項5に記載の電気コネクタ。 - 前記第1のコンタクトと前記第2のコンタクトとは、交互に、信号伝達部材の挿入方向に対して垂直に、前記底部に配置されており、
貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の前記第1の信号端子群、および、前記貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の前記第2の信号端子群に、前記第1のコンタクトが当接する箇所は、前記貫通孔の一方側よりも前記貫通孔の他方側の近くに位置し、
前記貫通孔の一方側から挿入された信号伝達部材の前記第2の信号端子群、および、前記貫通孔の他方側から挿入された信号伝達部材の前記第1の信号端子群に、前記第2のコンタクトが当接する箇所は、前記貫通孔の他方側よりも前記貫通孔の一方側の近くに位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。 - 前記第1のコンタクトと前記第2のコンタクトとは、前記貫通孔に挿入された信号伝達部材を弾性力で前記天部に押し当てるために、前記天部に向かって凸状に屈曲している、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。 - 前記天部は、
前記貫通孔の一方側から信号伝達部材が挿入された際に前記貫通孔内に位置する、信号伝達部材の両端に設けられている切り欠き部分、または、前記貫通孔の他方側から信号伝達部材が挿入された際に前記貫通孔内に位置する、信号伝達部材の両端に設けられている切り欠き部分に係止可能な、前記底部に向かって延びた一対の鉤状の係止部を有し、且つ、他の部材と係止可能に構成されたロック部を両端に有する、平板状のロック天部と、
信号伝達部材が前記貫通孔に挿入された際に信号伝達部材が押し当てられる平板状の部材であり、その両端には、外側部分が前記ロック部に係止可能であり、且つ、内側部分が前記側部に接続可能であるロック被部を有し、そのロック被部の外側部分に前記ロック部が係止された際に前記係止部を挿通するための孔が設けられているカバー天部と、を備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の電気コネクタ。 - 前記天部は、
金属製であり、
信号伝達部材が前記貫通孔に挿入された際、前記天部に押し当てられた信号伝達部材の接地端子に当接する突起状の接地部と、
前記接地部に接続されており、且つ、前記電気コネクタが実装された実装部材の接地端子に接続される接続部と、を備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の電気コネクタ。
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2014
- 2014-09-24 JP JP2014194173A patent/JP2016066478A/ja active Pending
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