JP2016066382A - 無線タグシステムおよび無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リーダから無線タグへの起動信号を電磁誘導方式で確実に伝送する。
【解決手段】地下施設に設置される無線タグと、地下施設の近傍を通過する車両に設置されるリーダとにより構成され、リーダから所定の周期で起動信号を送信し、当該起動信号を受信した無線タグから応答信号を送信し、当該応答信号をリーダが受信する無線タグシステムにおいて、車両の走行方向に対して直交する上下方向をz軸方向とし、リーダは、起動信号を電磁誘導方式で送信する電磁誘導用アンテナのコイルが車両の屋根の上に該コイルの開口面がz軸に平行となるように設置される構成であり、無線タグは、起動信号を電磁誘導方式で受信する電磁誘導用アンテナ設置され、該コイルの開口面をリーダの電磁誘導用アンテナから送出された磁力線の一部が通過し、起動信号を受信する構成である。
【選択図】図4

Description

本発明は、少なくとも一方が移動するリーダと無線タグとの間で情報交換を行う無線タグシステムおよび無線通信方法に関する。
例えば、マンホール内の保守監視情報を収集蓄積する無線タグと、マンホールのある道路上を通過する車両に搭載したリーダとにより構成され、マンホールの上または近傍を通過する車両のリーダに対して、無線タグが収集蓄積したマンホールの保守監視情報を送信する無線タグシステムおよび無線通信方法に関する。
図10は、従来の無線タグシステムの構成例を示す(非特許文献1)。図10(1) は全体的な構成例を示し、図10(2) はリーダおよび無線タグの構成例を示す。
図10(1) において、車両1に搭載されるリーダ10には、電磁誘導方式による起動信号の送信に用いる電磁誘導用アンテナ11および電波方式による応答信号の受信に用いる受信アンテナ12が接続される。車両1が走行する道路の下(地中)にマンホール5があり、マンホール5内に設置される無線タグ20には、起動信号の受信に用いる電磁誘導用アンテナ21および応答信号の送信に用いる送信アンテナ22が接続される。
リーダ10は、電磁誘導用アンテナ11から所定の周期で起動信号を送信している。リーダ10に接続される電磁誘導用アンテナ11と、無線タグ20に接続される電磁誘導用アンテナ21が正対したときに、電磁誘導用アンテナ11から下向きに出ている磁力線(図10(2) に破線で示す)を電磁誘導用アンテナ21が捕捉することにより、リーダ10から無線タグ20に起動信号が伝送される。無線タグ20は起動信号の受信を契機として、無線タグ20の送信アンテナ22から応答信号を送信し、当該応答信号がリーダ10の受信アンテナ12に受信される。
図10(2) おいて、リーダ10は、起動信号を生成して電磁誘導用アンテナ11から送信する送信部13と、受信アンテナ12に受信した応答信号の受信・復号処理を行い、受信データの表示、蓄積、読み出しを行う受信部14を備える。
無線タグ20は、電磁誘導用アンテナ21を介して受信する信号の復号処理を行い、それがリーダ10から送信された起動信号であれば、無線タグ20を構成する他の部分の動作を開始させる受信部23、受信部23から入力する起動信号の情報に応じた応答信号を生成する制御部24、制御部24から応答信号を入力して送信アンテナ22から無線信号として送信する送信部25を備える。なお、無線タグ20が送信する応答信号には、無線タグ20に接続されたセンサ等の情報生成機器から取得した情報が含まれる。
ここで、マンホール5に設置される無線タグ20は、リーダ10が送信する特定の起動信号を受信した場合にのみ動作し、通常は無線タグ内部の構成の大部分は動作を停止しており、消費電力をほとんど必要としない。
無線タグ20は起動信号を受信するとリーダ10に応答信号を送信(返信)するが、無線タグ20が起動信号受信から応答信号送信までには多少の時間を要することから、その間に車両1は既にマンホール5を通過していることになる。したがって、リーダ10は無線タグ20からの応答信号を車両1の後方から受信することになるので、電波方式の応答信号を受信する受信アンテナ12を車両1の進行方向後方に設置することによって高速移動をしながらの通信を実現する。
坪井秀幸,吉岡弘貴,安藤篤也,中村宏之、"地下埋設設備の情報を走行車両にて取得する無線技術の一検討"、電子情報通信学会2012年総合大会講演論文集、B-5-39、2012年3月
ところで、一般的に電磁誘導方式は通信エリアが限られ、リーダと無線タグの双方の電磁誘導用アンテナが正対しているときに、リーダが送信する起動信号を無線タグが受信することができる。また、通信距離も数mと短いため、車両が無線タグに十分近づいた状態でないと起動信号の伝送が困難である。よって、電磁誘導方式を用いて高速移動時に起動信号を伝送するためには、電磁誘導用アンテナの設置方法に工夫が必要であった。
図10に示す例は、車両1に搭載される電磁誘導用アンテナ11と、マンホール5内に設置される電磁誘導用アンテナ21として、それぞれループ状のコイルを開口部が正対するように配置し、一方の電磁誘導用アンテナ11で発生させた磁力線が他方の電磁誘導用アンテナ21で捕捉されることを示している。このとき、電磁誘導用アンテナ11を車両1の内部に取り付ける場合には、発生する磁力線が車両1(車体の鉄部)の影響を受けて弱まることを考慮する必要がある。また、電磁誘導用アンテナ11を車両1の外部に取り付ける場合には、道路交通法の規制を考慮する必要がある。特に、車両1の床下に取り付ける場合には、電磁誘導用アンテナ11と地面との間隔を既定値以上に確保する必要があることから、車高の高い車両が必要になって汎用性が狭まる。
一方、マンホール5内に設置される電磁誘導用アンテナ21については、車両1に搭載される電磁誘導用アンテナ11で発生する磁力線を効率よく捕捉するとともにマンホール5の蓋の影響を回避する設置位置や、設置スペースの関係からできるだけ小さい形状のものが要求される。
本発明は、リーダから無線タグへの起動信号を電磁誘導方式で伝送する無線タグシステムにおいて、リーダと無線タグとの間で確実に起動信号を伝送することができる無線タグシステムおよび無線通信方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、地下施設に設置される無線タグと、地下施設の近傍を通過する車両に設置されるリーダとにより構成され、リーダから所定の周期で起動信号を送信し、当該起動信号を受信した無線タグから応答信号を送信し、当該応答信号をリーダが受信する無線タグシステムにおいて、車両の走行方向をx軸方向とし、走行方向に対して直交する左右方向をy軸方向とし、走行方向に対して直交する上下方向をz軸方向とし、リーダは、起動信号を電磁誘導方式で送信する電磁誘導用アンテナのコイルが車両の屋根の上に該コイルの開口面がz軸に平行となるように設置される構成であり、無線タグは、起動信号を電磁誘導方式で受信する電磁誘導用アンテナコイルが設置され、該コイルの開口面をリーダの電磁誘導用アンテナから送出された磁力線の一部が通過し、起動信号を受信する構成である。
第2の発明は、地下施設に設置される無線タグと、地下施設の近傍を通過する車両に設置されるリーダとを用い、リーダから所定の周期で起動信号を送信し、当該起動信号を受信した無線タグから応答信号を送信し、当該応答信号をリーダが受信する無線通信方法において、車両の走行方向をx軸方向とし、走行方向に対して直交する左右方向をy軸方向とし、走行方向に対して直交する上下方向をz軸方向とし、リーダは、起動信号を電磁誘導方式で送信する電磁誘導用アンテナのコイルが車両の屋根の上に該コイルの開口面がz軸に平行となるように設置され、無線タグは、起動信号を電磁誘導方式で受信する電磁誘導用アンテナコイルが設置され、該コイルの開口面をリーダの電磁誘導用アンテナから送出された磁力線の一部が通過し、起動信号を受信する。
本発明は、車両に設置されるリーダの電磁誘導用アンテナの開口面を車両の進行方向(x軸方向)に向けて、あるいは進行方向に対して直交方向(y軸方向またはz軸方向)に向けて、あるいは斜め方向に向けて取り付け、地下施設に設置される無線タグの電磁誘導用アンテナの開口面が同方向に設置することにより、リーダの電磁誘導用アンテナから送出された磁力線の一部を無線タグの電磁誘導用アンテナで効率よく捕捉し、起動信号を確実に受信させることができる。
本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例1を示す図である。 本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例2を示す図である。 本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例3を示す図である。 本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例4を示す図である。 本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例5を示す図である。 本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例6を示す図である。 本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例7を示す図である。 本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例8を示す図である。 本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例9を示す図である。 従来の無線タグシステムの構成例を示す図である。
図1は、本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例1を示す。なお、以下に示す実施例1〜実施例9では、車両1の走行方向をx軸方向とし、走行方向に対して直交する左右方向をy軸方向とし、走行方向に対して直交する上下方向をz軸として説明する。
図1において、車両1に搭載される電磁誘導用アンテナ11は、車両1の内部(後部または中間部)に、コイルの開口面がx軸方向に向けて取り付けられる。破線は、起動信号によって電磁誘導用アンテナ11に発生する磁力線を示す。なお、電磁誘導用アンテナ11に接続されるリーダ10は省略している。一方、マンホール5内の電磁誘導用アンテナ21は、開口面が電磁誘導用アンテナ11の開口面と同方向であり、x軸方向に向けて設置される。電磁誘導用アンテナ11から送出された磁力線は、地上を走行する車両1の内部から地中のマンホール5内へ到達し、その一部がマンホール5内の電磁誘導用アンテナ21を通過し、起動信号を受信できるようになっている。なお、電磁誘導用アンテナ21に接続される無線タグ20は省略している。
ここでは、車両1に搭載される電磁誘導用アンテナ11は、電線を方形ループ状に4回巻いたコイルを例示しており、開口面(y・z面)と直交方向(x軸方向)に磁力線が発生する。マンホール5内に設置される電磁誘導用アンテナ21は、電線を数十〜百数十回巻いた円柱状の微小なコイルを例示しており、開口面を通過する磁力線によって起電力が生じる。
なお、マンホール5内の電磁誘導用アンテナ21として、図1に示す微小コイルを3軸(x軸,y軸,z軸)方向にそれぞれ配置し、3軸方向からの磁力線に対応し、すべての方向からの起動信号を受信できるようにしてもよい。
また、磁力線の方向は、周囲の環境に透磁率が異なる物質が存在すると影響を受ける。車体の大部分は鉄部であり、鉄自体は透磁率が高く(μFe =5000μ0 [N/A2]、μ0 は真空の透磁率を表し、4π×10-7[N/A2]である)、空中(μair ≒1×μ0 [N/A2])あるいは地中(μsoil =1×μ0 [N/A2])等と比較すると、車体は磁力線を通過しやすいと云える。したがって、電磁誘導用アンテナ11から発生する磁力線は、車体(鉄部)により遮蔽される(磁力線が車内から車外へ送出されにくい)ことが想定される。しかし、車体は鉄部だけでできているわけではなく、鉄に比べて透磁率が低い窓ガラスやプラスチック部材も多く使用されている。電磁誘導用アンテナ11から発生する磁力線はこれらを透過して車外へ送出され、さらにマンホール5内に設置される電磁誘導用アンテナ21に到達することができる。
また、車両1が背面扉をもつ場合(例えばハッチバック式)には、当該背面扉を鉄製からアルミニウム製や樹脂製のものに交換することにより、電磁誘導用アンテナ11から車両後方へ送出される磁力線を増大させることができる。特に、電磁誘導用アンテナ11を車両1の後部に設置する場合に有効である。
図2は、本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例2を示す。
図2において、車両1に搭載される電磁誘導用アンテナ11は、車両1の後部車外に、コイルの開口面がx軸方向に向けて、車体との間に所定の隙間を設けて取り付けられる。なお、電磁誘導用アンテナ11に接続されるリーダ10は省略している。一方、マンホール5内の電磁誘導用アンテナ21は、開口面が電磁誘導用アンテナ11の開口面と同方向であり、x軸方向に向けて設置される。電磁誘導用アンテナ11から送出された磁力線(破線で示す)は、地上を走行する車両1の後部車外から地中のマンホール5内へ到達し、その一部がマンホール5内の電磁誘導用アンテナ21を通過し、起動信号を受信できるようになっている。なお、電磁誘導用アンテナ21に接続される無線タグ20は省略している。
ここで、電磁誘導用アンテナ11と車体との間に所定の隙間を設けることにより、電磁誘導用アンテナ11で発生させた磁力線が車体によって遮蔽される影響を小さくしている。
図3は、本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例3を示す。ここでは、車両1を側面と背面から見た状態を示す。
図3において、車両1に搭載される電磁誘導用アンテナ11は、車両1の内部(側面部または中間部)に、コイルの開口面がy軸方向に向けて取り付けられる。なお、電磁誘導用アンテナ11に接続されるリーダ10は省略している。一方、マンホール5内の電磁誘導用アンテナ21は、開口面が電磁誘導用アンテナ11の開口面と同方向であり、y軸方向に向けて設置される。電磁誘導用アンテナ11から送出された磁力線(破線で示す)は、地上を走行する車両1の内部から地中のマンホール5内へ到達し、その一部がマンホール5内の電磁誘導用アンテナ21を通過し、起動信号を受信できるようになっている。なお、電磁誘導用アンテナ21に接続される無線タグ20は省略している。
本実施例においても、電磁誘導用アンテナ11から発生する磁力線は、車体側面の窓ガラスやプラスチック部材を透過して車外へ送出され、さらにマンホール5内に設置される電磁誘導用アンテナ21に到達することができる。
また、本実施例の構成では、電磁誘導用アンテナ11の開口面(x・z面)が車両1の走行方向(x軸方向)に対して長さを有するので、車両1の走行中にマンホール5内の電磁誘導用アンテナ21が磁力線を受けている時間が長くなり、良好な受信特性が期待できる。
図4は、本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例4を示す。ここでは、車両1を側面と背面から見た状態を示す。
本実施例は、実施例3の車両1の内部に搭載される電磁誘導用アンテナ11を、車両1の屋根の上に垂直方向に設置したものであり、その他の位置関係および特徴は実施例3と同様である。さらに、本実施例における磁力線は車両1を回り込むため、車体(鉄部)により遮られることはない。
図5は、本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例5を示す。ここでは、車両1を側面と背面から見た状態を示す。
本実施例は、実施例4の車両1の屋根の上に直交方向に設置される電磁誘導用アンテナ11を、開口面を対向させて2つ設置したものであり、その他の位置関係および特徴は実施例3,4と同様である。さらに、本実施例における磁力線は実施例3,4に比べて強力になり、また車両1を回り込むため、車体(鉄部)により遮られることはない。
図6は、本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例6を示す。ここでは、車両1を側面と背面から見た状態を示す。
図6において、車両1に搭載される電磁誘導用アンテナ11は、車両1の内部(後部または中間部)に、コイルの開口面がz軸方向に向けて取り付けられる。なお、電磁誘導用アンテナ11に接続されるリーダ10は省略している。一方、マンホール5内の電磁誘導用アンテナ21は、開口面が電磁誘導用アンテナ11の開口面と同方向であり、z軸方向に向けて設置される。電磁誘導用アンテナ11から送出された磁力線(破線で示す)は、地上を走行する車両1の内部から地中のマンホール5内へ到達し、その一部がマンホール5内の電磁誘導用アンテナ21を通過し、起動信号を受信できるようになっている。なお、電磁誘導用アンテナ21に接続される無線タグ20は省略している。
本実施例では、電磁誘導用アンテナ11から発生する磁力線は車両1の床面(x・y面)に直交する方向(z軸方向)になるので、電磁誘導用アンテナ11の下側の床部がアルミニウム製や樹脂製の部材を用いる。これにより、磁力線は床面に直交方向に当該部材を介して車外へ送出され、さらにマンホール5内に設置される電磁誘導用アンテナ21に到達することができる。
また、本実施例の構成では、電磁誘導用アンテナ11の開口面(x・y面)が車両1の走行方向(x軸方向)に対して長さを有するので、車両1の走行中にマンホール5内の電磁誘導用アンテナ21が磁力線を受けている時間が長くなり、良好な受信特性が期待できる。
図7は、本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例7を示す。ここでは、車両1を側面と背面から見た状態を示す。
本実施例は、実施例6の車両1の内部に搭載される電磁誘導用アンテナ11を、車両1の屋根の上に水平に設置したものであり、その他の位置関係および特徴は実施例6と同様である。なお、本実施例の場合は、磁力線が車両1の屋根と床の両方を通過するので、当該通過部分にアルミニウム製や樹脂製の部材を用いる。
図8は、本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例8を示す。
図8において、車両1に搭載される電磁誘導用アンテナ11は、車両1の内部(後部または中間部)に、コイルの開口面がx軸とz軸との間の斜め方向に向けて取り付けられる。なお、電磁誘導用アンテナ11に接続されるリーダ10は省略している。一方、マンホール5内の電磁誘導用アンテナ21は、開口面が電磁誘導用アンテナ11の開口面に対して同方向であり、x軸とz軸との間の斜め方向に向けて設置される。電磁誘導用アンテナ11から送出された磁力線(破線で示す)は、地上を走行する車両1の内部から地中のマンホール5内へ到達し、その一部がマンホール5内の電磁誘導用アンテナ21を通過し、起動信号を受信できるようになっている。なお、電磁誘導用アンテナ21に接続される無線タグ20は省略している。
本実施例では、電磁誘導用アンテナ11から発生する磁力線は斜め方向に車外へ送出され、さらにマンホール5内に設置される電磁誘導用アンテナ21に到達することができる。特に、図8(b) に示すように電磁誘導用アンテナ11の開口面と直交する方向(車両1の後方斜め下方向)へは複数の磁力線が集まっているので、電磁誘導用アンテナ11から発生する磁力線は比較的遠くへ到達できる。また、図8(a) に示すように、車両1がマンホール5を通過する時から磁力線が電磁誘導用アンテナ21に到達していれば、図8(b) に示す通過後まで、マンホール5内の電磁誘導用アンテナ21が磁力線を受けている時間が長くなり、良好な受信特性が期待できる。また、実施例6と同様に、電磁誘導用アンテナ11の開口面は斜め方向であるもののx軸方向の成分を有し、車両1の走行方向(x軸方向)に対して長さを有するので、車両1の走行中にマンホール5内の電磁誘導用アンテナ21が磁力線を受けている時間が長くなり、良好な受信特性が期待できる。
図9は、本発明の無線タグシステムにおける電磁誘導用アンテナの実施例9を示す。
図9において、車両1に搭載される電磁誘導用アンテナ11は、車両1の内部(側面部または中間部)に、コイルの開口面がy軸とz軸との間の斜め方向に向けて取り付けられる。なお、電磁誘導用アンテナ11に接続されるリーダ10は省略している。一方、マンホール5内の電磁誘導用アンテナ21は、開口面が電磁誘導用アンテナ11の開口面に対して同方向であり、y軸とz軸との間の斜め方向に向けて設置される。電磁誘導用アンテナ11から送出された磁力線(破線で示す)は、地上を走行する車両1の内部から地中のマンホール5内へ到達し、その一部がマンホール5内の電磁誘導用アンテナ21を通過し、起動信号を受信できるようになっている。なお、電磁誘導用アンテナ21に接続される無線タグ20は省略している。
本実施例では、電磁誘導用アンテナ11から発生する磁力線は斜め方向に車外へ送出され、さらにマンホール5内に設置される電磁誘導用アンテナ21に到達することができる。特に、図9(b) に示すように電磁誘導用アンテナ11の開口面と直交する方向(車両1の右斜め下方向)へは複数の磁力線が集まっているので、電磁誘導用アンテナ11から発生する磁力線は比較的遠くへ到達できる。したがって、図9(a) に示すように車両1がマンホール5の右側を通過することより、図9(b) に示すように車両1がマンホール5の左側を通過する(電磁誘導用アンテナ11を傾けた方向にマンホール5を見て通過する)方が、車両1がマンホール5から多少離れていても良好な受信特性が期待できる。電磁誘導用アンテナ11の傾け方を逆にすれば、マンホール5に対する車両1の左右関係も逆になる。
また、本実施例においても、実施例6,8と同様に、電磁誘導用アンテナ11の開口面は斜め方向であるもののx軸方向の成分を有し、車両1の走行方向(x軸方向)に対して長さを有するので、車両1の走行中にマンホール5内の電磁誘導用アンテナ21が磁力線を受けている時間が長くなり、良好な受信特性が期待できる。
1 車両
5 マンホール
10 リーダ
11 電磁誘導用アンテナ
12 受信アンテナ
13 送信部
14 受信部
20 無線タグ
21 電磁誘導用アンテナ
22 送信アンテナ
23 受信部
24 制御部
25 送信部

Claims (2)

  1. 地下施設に設置される無線タグと、前記地下施設の近傍を通過する車両に設置されるリーダとにより構成され、前記リーダから所定の周期で起動信号を送信し、当該起動信号を受信した前記無線タグから応答信号を送信し、当該応答信号を前記リーダが受信する無線タグシステムにおいて、
    前記車両の走行方向をx軸方向とし、走行方向に対して直交する左右方向をy軸方向とし、走行方向に対して直交する上下方向をz軸方向とし、
    前記リーダは、前記起動信号を電磁誘導方式で送信する電磁誘導用アンテナのコイルが前記車両の屋根の上に該コイルの開口面が前記z軸に平行となるように設置される構成であり、
    前記無線タグは、前記起動信号を電磁誘導方式で受信する電磁誘導用アンテナのコイル設置され、該コイルの開口面を前記リーダの電磁誘導用アンテナから送出された磁力線の一部が通過し、前記起動信号を受信する構成である
    ことを特徴とする無線タグシステム。
  2. 地下施設に設置される無線タグと、前記地下施設の近傍を通過する車両に設置されるリーダとを用い、前記リーダから所定の周期で起動信号を送信し、当該起動信号を受信した前記無線タグから応答信号を送信し、当該応答信号を前記リーダが受信する無線通信方法において、
    前記車両の走行方向をx軸方向とし、走行方向に対して直交する左右方向をy軸方向とし、走行方向に対して直交する上下方向をz軸方向とし、
    前記リーダは、前記起動信号を電磁誘導方式で送信する電磁誘導用アンテナのコイルが前記車両の屋根の上に該コイルの開口面が前記z軸に平行となるように設置され、
    前記無線タグは、前記起動信号を電磁誘導方式で受信する電磁誘導用アンテナのコイル設置され、該コイルの開口面を前記リーダの電磁誘導用アンテナから送出された磁力線の一部が通過し、前記起動信号を受信する
    ことを特徴とする無線通信方法。
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