JP2016065682A - 燃料電池装置利用型空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池装置からの逆潮流を適切に防止しながらも、燃料電池装置にて発生した余剰電力を効果的に利用可能な燃料電池利用型空調システムを提供する。
【解決手段】制御装置90が、逆潮流の虞があると判定したときに、燃料電池装置10の発電電力にて圧縮機73を駆動しヒートポンプ装置70の運転を行いながら、デシカント装置80において少なくともロータ部82のデシカントロータ82aを回転駆動させると共に第2熱交換器81へ加熱装置60にて加熱された熱媒を供給する余剰電力空調運転を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力負荷に供給する電力を発電する燃料電池装置と、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒から放熱される凝縮器と、冷媒を膨張させる膨張弁と、冷媒に吸熱させる蒸発器と、前記圧縮機と前記凝縮器と前記膨張弁と前記蒸発器とに記載の順に冷媒を循環させる冷媒循環回路とを備えるヒートポンプ装置とを備え、前記燃料電池装置での発電電力を前記ヒートポンプ装置の前記圧縮機へ供給して前記ヒートポンプ装置を駆動可能に構成されている燃料電池装置利用型の空調システムに関する。
近年、発電効率と熱回収効率とを合わせた総合効率が90%を超える燃料電池装置が、家庭用として普及し始めている。
このような燃料電池装置による発電電力は、各家庭の電力負荷にて消費されることになるが、各家庭の需要電力は、一日のうちの時間帯や季節により大きく変動する。ここで、燃料電池装置の発電効率は、発電電力の低下と共に低下するため、燃料電池装置の定格電力(又は比較的高い発電出力)で運転することが好ましい。このように、燃料電池装置を定格電力で運転する場合、燃料電池装置の発電電力が、各家庭の電力負荷の需要電力を上回る状況となることがある。
現在では、燃料電池装置の発電電力は、系統への逆潮流が認められていないため、余剰の発電電力を有効に利用すべく、特許文献1に開示されるような技術が知られている。
当該特許文献1に開示の技術にあっては、冷媒を圧縮する圧縮機、冷媒から放熱される凝縮器、冷媒を膨張させる膨張弁、冷媒に吸熱させる蒸発器の順に冷媒を循環する冷媒循環回路を備えるヒートポンプ装置と、熱と電力とを発生する熱電併給装置として燃料電池装置とを備え、当該燃料電池装置にて発生した発電電力にてヒートポンプ装置の圧縮機の駆動電力として利用可能に構成されている。そして、燃料電池装置から商用電力系統へ逆潮流が発生する虞がある場合に、当該燃料電池装置の発電電力にてヒートポンプ装置の圧縮機を駆動させる制御を実行可能に構成されている。
特開2009−170189号公報
上記特許文献1に開示の技術にあっては、燃料電池装置から商用電力系統へ逆潮流が発生する虞がある場合に、燃料電池装置の発電電力をヒートポンプ装置の圧縮機へ供給し、ヒートポンプ装置を駆動させる構成を採用しているが、このような構成にあっては、ヒートポンプ装置の駆動により温熱又は冷熱を発生させることになり、当該温熱又は冷熱の有効な利用先がない場合、その温熱又は冷熱に係るエネルギーは無駄になる虞があった。
説明を追加すると、例えば、夏季で、燃料電池装置から商用電力系統へ逆潮流が発生する虞があるときに、燃料電池装置の発電電力をヒートポンプ装置の圧縮機へ供給してヒートポンプ装置を働かせ、ヒートポンプ装置の蒸発器にて冷却された空気を、室内空間へ供給するような構成を採用する場合、使用者側での設定に関係なく、室内空間へ低温の空調用空気が供給されるため、室内空間の温度を使用者側で設定した目標設定温度よりも大幅に低下させてしまう虞があった。このため、使用者の使用感を損なう虞があり、必ずしもエネルギーを有効に利用できているとは言えなかった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池装置からの逆潮流を適切に防止しながらも、燃料電池装置にて発生した余剰電力を効果的に利用可能な燃料電池装置利用型空調システムを提供することにある。
上記目的を達成するための燃料電池装置利用型空調システムは、
電力負荷に供給する電力を発電する燃料電池装置と、
冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒から放熱される凝縮器と、冷媒を膨張させる膨張弁と、冷媒に吸熱させる蒸発器と、前記圧縮機と前記凝縮器と前記膨張弁と前記蒸発器とに記載の順に冷媒を循環させる冷媒循環回路とを備えるヒートポンプ装置とを備え、
前記燃料電池装置での発電電力を前記ヒートポンプ装置の前記圧縮機へ供給して前記ヒートポンプ装置を駆動可能に構成されている燃料電池装置利用型空調システムであって、その特徴構成は、
第1空気圧送手段にて圧送される空気を通流する第1流路と、第2空気圧送手段にて圧送される第2流路と、前記第1流路に配置される吸湿部と前記第2流路に配置される再生部との間で通気性吸湿体から成るデシカントロータを回転駆動するロータ部と、前記第1流路を通流する空気のうち前記吸湿部を通過した後の空気と前記第2流路を通流する空気のうち前記再生部を通過する前の空気とを熱交換させる第1熱交換器と、前記第2流路を通流する空気で前記第1熱交換器を通過する前の空気に水を噴霧する水噴霧器と、前記第2流路で前記第1熱交換器を通過した後で前記再生部を通過する前の空気を加熱装置にて加熱された熱媒と熱交換させて昇温させる第2熱交換器とを有するデシカント装置を備え、
前記蒸発器が、前記第1流路にて前記吸湿部を通過する前の空気を通過するように設けられ、
前記燃料電池装置での発電電力が商用電力系統へ逆潮流する虞があるか否かを判定する制御装置を備え、
前記制御装置が、逆潮流の虞があると判定したときに、前記燃料電池装置の発電電力にて前記圧縮機を駆動し前記ヒートポンプ装置の運転を行いながら、前記デシカント装置において少なくとも前記ロータ部の前記デシカントロータを回転駆動させると共に前記第2熱交換器へ前記加熱装置にて加熱された熱媒を供給する余剰電力空調運転を実行する点にある。
上記特徴構成によれば、燃料電池装置での発電電力が商用電力系統へ逆潮流する虞がある場合に、燃料電池装置の発電電力にて圧縮機を駆動しヒートポンプ装置の運転を実行するから、燃料電池装置にて発生した電力が逆潮流することを効果的に防止できる。
更に、上記特徴構成によれば、蒸発器が、デシカント装置の第1流路で吸湿部を通過する前の空気を通過するように設けられる構成を採用すると共に、逆潮流する虞がある場合には、ヒートポンプ装置の運転を実行するのみならず、デシカント装置において少なくともロータ部のデシカントロータを回転駆動させると共に第2熱交換器へ加熱装置にて加熱された熱媒を供給する構成を採用しているから、例えば、夏季等で比較的湿度が高い場合にあっては、第1流路を通流する空気を、蒸発器にて降温させ、ロータ部の吸湿部にあるデシカントロータの吸湿作用により除湿し、当該除湿に伴い昇温した空気を第1熱交換器にて他の空気と熱交換する形態で降温させることができる。これにより、比較的快適な温度域に調整されると共に十分に除湿された空気を、室内空間へ導くことができるから、蒸発器を通過した直後の空気を、直接室内空間へ導く場合に比べ、空気を冷却し過ぎて使用者の使用感を損なうことを抑制しながらも、室内空間の湿度を十分に低下させることができる。
即ち、本発明によれば、燃料電池装置から商用電力系統への逆潮流を良好に防止しながらも、室内空間の温度の不必要な変化を抑制しつつ、燃料電池装置の余剰電力を、室内空間の空気質の変化(例えば、夏季の場合は湿度の低下、冬季の場合は湿度の上昇)として蓄えることができ、余剰電力を室内空間の空気質の変化という形態で、効果的に蓄えることができる。
本発明の燃料電池装置利用型空調システムの更なる特徴構成は、
前記蒸発器にて発生する凝縮水を貯留する凝縮水貯留部と、
当該凝縮水貯留部にて貯留された凝縮水を前記水噴霧器へ導く凝縮水通流路とを備え、
前記制御装置は、夏季に実行する前記余剰電力空調運転において、前記蒸発器にて凝縮水が発生するように前記圧縮機での圧縮仕事を設定すると共に、前記凝縮器にて発生した凝縮水を前記凝縮水通流路を介して前記水噴霧器へ導く凝縮水噴霧制御を実行する点にある。
上記特徴構成によれば、特に、室外空気の湿度が高く、当該室外空気を冷却するヒートポンプ装置の蒸発器において凝縮水が発生し易い夏季に、余剰電力空調運転において、蒸発器にて凝縮水が発生するように圧縮機での圧縮仕事を設定するから、当該蒸発器を通過した後の空気は、比較的絶対湿度並びに温度が低くなる。そして、デシカント装置においては、当該比較的絶対湿度並びに温度の低い空気を除湿すれば良くなるから、その除湿負荷が小さくなるとともに、ロータ部の吸湿部にてデシカントロータを通過した処理空気の温度が低くなるため、第1熱交換器に導入される再生空気の出口温度が比較的低温であり、そのため第2熱交換器へ再生熱を供給する熱媒の温度を低下させても十分に大きな再生熱負荷を与えることができ、ヒートポンプ装置で発生した温熱を有効利用することができる。
更に、凝縮器にて発生した凝縮水は、凝縮水貯留部に貯留した後、凝縮水通流路にてデシカント装置の水噴霧器へ供給するから、外部から水を供給することなく、水噴霧に関し水自立を実現することができる。尚、凝縮水が不足する場合には、外部からの給水を水噴霧器から供給する構成を採用しても構わない。
本発明の燃料電池装置利用型空調システムの更なる特徴構成は、
前記制御装置は、夏季に実行する前記余剰電力空調運転において、前記凝縮水噴霧制御を実行する場合、前記第2熱交換器へ導かれる熱媒を加熱する前記加熱装置から供給される熱媒の供給設定温度を低下側へ変更する点にある。
上記特徴構成によれば、制御装置は、夏季に実行する余剰電力空調運転において、凝縮水噴霧制御を実行する場合、第2熱交換器へ導かれる熱媒を加熱する加熱装置から供給される熱媒の供給設定温度を低下側へ変更する制御を実行するから、デシカントロータの除湿負荷が低いときに、第2熱交換器を通過した後の熱媒戻り温度を低下できる。結果、加熱装置として熱媒と燃料電池装置の冷却水とを熱交換させる熱交換器を用いる場合、当該加熱装置を通過した後の燃料電池装置の冷却水の温度を低下でき、燃料電池装置へ供給する冷却水の温度を、ラジエータでの放熱等の操作をすることなく(又は放熱量を低減して)、燃料電池装置の排ガスの露点以下に設定できる。結果、燃料電池装置での水自立を良好に実現できる。
本発明の燃料電池装置利用型空調システムの更なる特徴構成は、
前記デシカント装置は、気体の通流状態を切換自在な通流状態切換部を備え、
前記通流状態切換部は、室外空気を前記第1流路を通流させた後に室内空間へ供給すると共に、室内空気を前記第2流路を通流させた後に室外空間へ排気する第1切換状態と、室内空気を前記第1流路を通流させた後に室外空間へ排気すると共に、室外空気を前記第2流路を通流させた後に室内空間へ供給する第2切換状態とを切換自在に構成され、
制御装置は、夏季に実行する前記余剰電力空調運転において前記通流状態切換部を前記第1切換状態に切り換え制御すると共に、冬季に実行する前記余剰電力空調運転において前記通流状態切換部を前記第2切換状態に切り換え制御する点にある。
上記特徴構成によれば、夏季に実行する余剰電力空調運転では、室外空気を、第1流路へ導くことで、ヒートポンプ装置の蒸発器にて降温させ、ロータ部の吸湿部にて除湿し、第1熱交換器にて更に降温させた後に、比較的低温で低湿の空調用空気として室内空間へ供給できる。
一方、冬季に実行する余剰電力空調運転では、室外空気を、第2通路へ導くことで、水噴霧器での水噴霧により加湿し、第2熱交換器での熱媒との熱交換により昇温し、ロータ部の再生部にて加湿した後、比較的高温で高湿の空調用空気として室内空間へ供給できる。
本発明の燃料電池装置利用型空調システムにあっては、
前記制御装置は、前記燃料電池装置の発電電力が前記電力負荷での電力需要を上回る傾向にある場合に、前記燃料電池装置での発電電力が商用電力系統に逆潮流する虞があると判定することが好ましい。
ここで、燃料電池装置の発電電力が電力負荷での電力需要を上回る傾向にある場合とは、例えば、燃料電池装置の発電電力が予め決定された発電電力下限閾値を下回る場合や、燃料電池装置の発電電力が電力負荷での電力需要同程度となっており且つその後に電力負荷での電力需要が増加すると予測される場合等を意味する。
本発明の燃料電池装置利用型空調システムの概略構成図 除湿冷房運転で圧縮機駆動開始時における空気線図 除湿冷房運転で圧縮機停止直前における空気線図 除湿冷房運転で圧縮機停止時における空気線図 除湿冷房運転で圧縮機駆動時の室内空間の空気質(湿度)変化を示すグラフ図 除湿冷房運転で圧縮機停止時の室内空間の空気質(湿度)変化を示すグラフ図 加湿暖房運転で圧縮機駆動開始時における空気線図 加湿暖房運転で圧縮機停止直前における空気線図 加湿暖房運転で圧縮機停直後における空気線図 加湿暖房運転で圧縮機停止して所定時間経過した後における空気線図 加湿暖房運転で圧縮機駆動時の室内空間の空気質(湿度)変化を示すグラフ図 加湿暖房運転で圧縮機停止時の室内空間の空気質(湿度)変化を示すグラフ図
本発明の実施形態に係る燃料電池装置利用型空調システム100を、図1に基づいて説明する。
本発明の実施形態に係る燃料電池装置利用型空調システム100は、燃料電池装置10から商用電力系統(図示せず)への逆潮流を適切に防止しながらも、燃料電池装置10にて発生した余剰電力を効果的に利用可能に構成されており、燃料電池装置10と、当該燃料電池装置10の発電に伴い発生する熱を給湯利用箇所41や床暖房パネル61等の熱負荷端末等へ供給する熱回収及び熱供給に係る構成と、燃料電池装置10の発電電力により駆動可能なヒートポンプ装置70と、デシカント装置80と、それらを制御する制御装置90とを備えて構成されている。
当該制御装置90は、LSIにて構成されている演算装置と記憶部とから成るハードウェアと、複数のプログラムから成るソフトウェアとが協働可能に構成されたものである。
〔燃料電池装置に係る構成〕
電力負荷(図示せず)に供給する電力を発電する燃料電池装置10は、一般的に停止が困難とされている固体酸化物形燃料電池が採用されており、原燃料Gを改質して燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスと燃焼用空気A(空気)とを発電反応させて発電するように構成されており、当該発電反応により発生した排ガスと湯水とを熱交換する潜熱回収熱交換器11を備えている。
当該潜熱回収熱交換器11には、排ガスの露点以下(例えば、40℃以下)の温度の湯水が供給され、湯水が排ガスの潜熱を回収可能となっていると共に、潜熱回収熱交換器11にて排ガスの凝縮水を回収可能となっている。当該潜熱回収熱交換器11から回収された凝縮水は原燃料Gの改質に用いられる改質水として利用される。
尚、当該燃料電池装置10の構成は、公知であるためここでは詳細な説明を割愛する。
〔熱回収及び熱供給に係る構成〕
燃料電池装置10の潜熱回収熱交換器11にて湯水が回収した貯湯タンク30と、貯湯タンク30と潜熱回収熱交換器11との間で湯水を循環する湯水循環回路C5と、湯水循環回路C5の湯水を圧送する第3ポンプP3とが設けられている。
湯水循環回路C5は、潜熱回収熱交換器11にて熱回収した高温の湯水が、貯湯タンク30の上部から流入すると共に、貯湯タンク30の下部の比較的低温の湯水が潜熱回収熱交換器11へ導かれるように配設されており、貯湯タンク30の内部では、上方から下部にかけて徐々に温度が低下する成層貯湯状態が維持される。
湯水循環回路C5で貯湯タンク30の下部と潜熱回収熱交換器11とを接続する流路には、湯水の温度が燃料電池装置10の排ガスの露点を超えている場合に湯水を放熱させるラジエータ31が設けられている。
貯湯タンク30の下部には第4三方弁V4が設けられており、当該第4三方弁V4は、貯湯タンク30の下部からの湯水のうち、一部を湯水循環回路C5の側へ導くと共に、残部を補助加熱器20及び太陽熱温水器23の側へ導くように構成されている。さらに、第4三方弁V4から補助加熱器20及び太陽熱温水器23の側へ導かれた湯水の一部を補助加熱器20の側へ導き、残部を太陽熱温水器23の側へ導く第3三方弁V3が設けられている。
補助加熱器20は、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを燃焼させるバーナ22と、当該バーナ22の燃焼排ガスにて、その配管内部を通流する湯水を加熱する第7熱交換器21とを備えて構成されている。第7熱交換器21の出口配管は、燃料電池装置10の潜熱回収熱交換器11と貯湯タンク30の上部との間の湯水循環回路C5に接続されている。
太陽熱温水器23は、湯水を太陽熱により加熱可能に構成されており、その入口側の配管が第3三方弁V3に接続されていると共に、その出口側の配管が燃料電池装置10の潜熱回収熱交換器11と貯湯タンク30の上部との間の湯水循環回路C5に接続されている。
ここで、湯水循環回路C5のうち、燃料電池装置10の潜熱回収熱交換器11の出口、貯湯タンク30の上部、太陽熱温水器23の出口、及び補助加熱器20の出口に接続する回路部位を、高温側回路部位と呼ぶこととし、燃料電池装置10の潜熱回収熱交換器11の入口、貯湯タンク30の下部、太陽熱温水器23の入口、及び補助加熱器20の入口に接続する回路部位を、低温側回路部位と呼ぶこととする。
湯水循環回路C5の高温側回路部位と低温側回路部位とを接続する第6湯水流路L6には、当該第6湯水流路L6を通流する湯水と給水Wとを熱交換する形態で給水Wを給湯利用箇所41にて要求される目標給湯温度にまで昇温させる給湯用熱交換器40と、当該第6湯水流路L6を通流する湯水の流量を調整可能な流量調整弁V5とが設けられている。
制御装置90は、給湯利用箇所41に併設される給湯指令受付部(図示せず)が給湯指令を受けつけた場合、当該流量調整弁V5の開度を調整して給湯用熱交換器40を通流する湯水の流量を調整することで、給湯用熱交換器40での湯水と給水との熱交換量を制御し、給水を目標給湯温度にまで昇温させる。
湯水循環回路C5の高温側回路部位と低温側回路部位とを接続する第7湯水流路L7には、当該第7湯水流路L7を通流する湯水と浴槽水循環回路C4を循環する浴槽水とを熱交換する形態で浴槽水を浴槽51にて要求される目標追焚温度にまで昇温させる追焚用熱交換器50と、当該第7湯水流路L7を通流する湯水の流量を調整可能な流量調整弁V6とが設けられている。
制御装置90は、浴槽51に併設される風呂リモコン(図示せず)が追焚き指令を受けつけた場合、当該流量調整弁V5の開度を調整して追焚用熱交換器50を通流する湯水の流量を調整することで、追焚用熱交換器50での湯水と浴槽水との熱交換量を制御し、浴槽水を目標追焚温度にまで昇温させる。
湯水循環回路C5の高温側回路部位と低温側回路部位とを接続する第8湯水流路L8には、当該第8湯水流路L8を通流する湯水と第1熱媒循環回路C1及び第2熱媒循環回路C2のうち少なくとも何れか一方を通流する熱媒とを熱交換する形態で、熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器60(加熱装置の一例)と、当該第8湯水流路L8を通流する湯水の流量を調整可能な流量調整弁V7とが設けられている。
説明を追加すると、第1熱媒循環回路C1は、熱消費端末としての床暖房パネル61と熱媒加熱用熱交換器60との間で熱媒を循環するように配設されている。第2熱媒循環回路C2には、熱媒とデシカント装置80での再生用の空気とを熱交換する再生用熱交換器81(第2熱交換器の一例)が設けられており、当該再生用熱交換器81と熱媒加熱用熱交換器60との間で熱媒を循環するように配設されている。
第1熱媒循環回路C1と第2熱媒循環回路C2との共通流路部分には、熱媒循環ポンプP2が設けられていると共に、熱媒加熱用熱交換器60の出口近傍には、当該熱媒加熱用熱交換器60にて加熱された熱媒の一部を第1熱媒循環回路C1へ導くと共に、残部を第2熱媒循環回路C2へ導く熱媒用三方弁V8が設けられている。
制御装置90は、床暖房リモコン(図示せず)が床暖房指令を受けつけた場合、熱媒用三方弁V8の開弁状態を熱媒が第1熱媒循環回路C1を循環する状態とすると共に熱媒循環ポンプP2の回転数を調整して、熱媒加熱用熱交換器60での湯水と熱媒との熱交換量を制御し、床暖房パネル61へ導かれる熱媒温度を目標熱媒温度にまで昇温させる。
更に、制御装置90は、後述するデシカントロータ82aによる除湿あるいは加湿運転を実行する場合、熱媒用三方弁V8の開弁状態を熱媒が第2熱媒循環回路C2を循環する状態とすると共に熱媒循環ポンプP2の回転数を調整して、熱媒加熱用熱交換器60での湯水と熱媒との熱交換量を制御し、再生用熱交換器81へ導かれる熱媒温度を目標熱媒温度にまで昇温させる。
燃料電池装置10の潜熱回収熱交換器11の入口には、第2流量調整弁V2が設けられると共に、当該第2流量調整弁V2の入口と潜熱回収熱交換器11の出口の夫々に、潜熱回収熱交換器11をバイパスするバイパス流路L9の上流端と下流端とが記載の順に接続されている。
当該バイパス流路L9には、ヒートポンプ装置70の凝縮器74と、当該バイパス流路L9を通流する湯水の流量を調整する第1流量調整弁V1が設けられており、バイパス流路L9を通流する湯水がヒートポンプ装置70の凝縮器74を通流する冷媒の凝縮熱を回収可能に構成されている。
〔ヒートポンプ装置に係る構成〕
ヒートポンプ装置70は、冷媒を圧縮する圧縮機73と、冷媒から放熱する凝縮器74と、冷媒を膨張させる膨張弁71と、冷媒に吸熱させる蒸発器72と、当該圧縮機73と凝縮器74と膨張弁71と蒸発器72とに記載の順に冷媒を循環させる冷媒循環回路C3とを備えている。
ヒートポンプ装置70の蒸発器72には、当該蒸発器72にて発生した凝縮水を貯留する凝縮水貯留部(図示せず)が設けられ、凝縮水貯留部に貯留された凝縮水をデシカント装置80の水噴霧器87へ導く凝縮水通流路L10が接続されている。尚、凝縮水は滅菌処理された後に噴霧されることが好ましい。
尚、本発明の実施形態に係る燃料電池装置利用型空調システム100にあっては、制御装置90が燃料電池装置10の発電電力が商用電力系統へ逆潮流する虞があると判定したときに、燃料電池装置10の発電電力の一部が圧縮機73へ供給され、ヒートポンプ装置70の運転が実行され、余剰電力にて空調を行う余剰電力空調運転が実行される。
当該余剰電力空調運転において、ヒートポンプ装置70は、夏季においても冬季においても、冷媒が図1に示す一定方向に通流される。
〔デシカント装置に係る構成〕
デシカント装置80は、第1ブロア84(第1空気圧送手段の一例)にて圧送される空気を通流する第1流路L1と、第2ブロア83(第2空気圧送手段の一例)にて圧送される空気を通流する第2流路L2と、第1流路L1に配設される吸湿部82bと第2流路L2に配設される再生部82cとの間で通気性吸湿体から成るデシカントロータ82aを回転駆動するロータ部82と、第1流路L1を通流する空気のうち吸湿部82bを通過した後の空気と第2流路L2を通流する空気のうち再生部82cを通過する前の空気とを熱交換させる第1熱交換器88と、第2流路L2を通流する空気で前記第1熱交換器88を通過する前の空気に水を噴霧する水噴霧器87と、第2流路L2で前記第1熱交換器88を通過した後で前記再生部82cを通過する前の空気を熱媒加熱用熱交換器60にて加熱された熱媒と熱交換させて昇温させる再生用熱交換器81とを有する。
更に、デシカント装置80では、ヒートポンプ装置70の蒸発器72が、第1流路L1のうち、吸湿部82bを通過する前の空気を通過するように設けられている。
ロータ部82に設けられるデシカントロータ82aは、モータ等の駆動機構部Mにより、回転される回転軸に中心部が固定されて比較的低速の所定の回転速度で回転駆動し、吸湿部82b及び再生部82cを横断する姿勢で配設された円盤状又は円柱状の部材として構成されている。当該デシカントロータ82aは、回転軸に沿う方向に貫通する多数の通路が形成されたハニカム状に形成されており、吸湿部82b及び再生部82cにおいて空気がデシカントロータ82aを貫通する状態で通過する。当該デシカントロータ82aは、ゼオライト、シリカゲル、活性炭等の公知の吸着剤を担持して、通気性吸湿体とされている。
このようなデシカントロータ82aを備えたロータ部82は、吸湿部82b及び再生部82cのうち、吸湿部82bへ比較的低温の空気が通過することにより、当該空気がデシカントロータ82aの吸湿時の放熱作用による温度上昇に伴って除湿され、それによりデシカントロータ82aは空気の水分を吸着した状態となる。その水分を吸着したデシカントロータ82aの部分が、上記回転駆動により再生部82cへ移動することになる。
一方、再生部82cに比較的高温の空気が通過することで、その空気はデシカントロータ82aの放湿時の吸熱作用による温度低下を伴って加湿され、それによりデシカントロータ82aは、上記吸着した水分を脱着させて再生されることとなる。その再生されたデシカントロータ82aの部分が、上記回転駆動により吸湿部82bへ移動することとなる。
このようにして、ロータ部82は、吸湿部82bを通過する空気の除湿を行うことができると共に、再生部82cを通過する空気の冷却を行うことができるように構成されている。
更に、デシカント装置80は、気体の通流状態を切り換え自在な通流状態切換部として、第1四方弁85及び第2四方弁86を備えている。
第1四方弁85及び第2四方弁86は、室外空気OAを第1流路L1を通流させた後に室内空間(図示せず)へ供給すると共に、室内空気RAを第2流路L2を通流させた後に室外空間(図示せず)へ排気する第1切換状態(図1に示す状態)と、室内空気RAを第1流路L1を通流させた後に室外空間へ排気すると共に、室外空気OAを第2流路L2を通流させた後に室内空間へ供給する第2切換状態(図1に示す状態から第1四方弁85及び第2四方弁86を90°回転させた状態)とを切換自在に構成されている。
これまで説明したように、本発明の実施形態に係る燃料電池装置利用型空調システム100にあっては、燃料電池装置10として停止が困難な固体酸化物形燃料電池を採用している。このような燃料電池装置10にあっては、燃料電池装置10の停止が困難なことから、電力負荷での電力需要が低下した場合、燃料電池装置10の発電電力が電力負荷での電力需要を上回ることがある。しかしながら、現状では、燃料電池装置10の発電電力の逆潮流は認められていない。
そこで、制御装置90は、燃料電池装置10の発電電力が電力負荷での電力需要を上回る傾向にある場合に、燃料電池装置10での発電電力が商用電力系統に逆潮流する虞があると判定する。具体的には、制御装置90は、燃料電池装置10の発電電力が、当該燃料電池装置10の定格負荷における発電電力の半分以下となった場合に、逆潮流の恐れがあると判定する。
更に、制御装置90は、逆潮流の虞があると判定したときで、夏季の場合にあっては、燃料電池装置10の発電電力にて圧縮機73を駆動しヒートポンプ装置70の運転を行いながら、デシカント装置80においてロータ部82のデシカントロータ82aを回転駆動させ、再生用熱交換器81へ熱媒加熱用熱交換器60にて加熱された熱媒を供給し、水噴霧器87にて水を噴霧する余剰電力空調運転(夏季の場合は除湿冷房運転となる)を実行する。当該余剰電力空調運転により、燃料電池装置10の余剰電力は圧縮機73にて消費され、逆潮流が防止される。
更に、当該夏季に実行される余剰電力空調運転(除湿冷房運転)にあっては、制御装置90は、蒸発器72にて凝縮水が発生するように圧縮機73での圧縮仕事を設定すると共に、凝縮器74にて発生し凝縮水貯留部(図示せず)に貯留された凝縮水を、凝縮水通流路L10を介して水噴霧器87へ導く凝縮水噴霧制御を実行する。
これにより、第1流路L1を通流する室外空気OAは、蒸発器72にて凝縮水を回収される形態で除湿されると共に降温した後、吸湿部82bにてデシカントロータ82aの吸湿作用により除湿されると共に昇温し、水噴霧され降温した室内空気RAと第1熱交換器88にて熱交換する形態で降温して、比較的低温で低湿の空調用空気SAとなって、室内空間へ導かれる。当該構成にあっては、ヒートポンプ装置70の蒸発器72にて冷却された直後の比較的低温の空気を直接、室内空間へ供給するのではなく、デシカント装置80を介することで、若干昇温すると共に十分に除湿された空調用空気SAが、室内空間へ供給される。
結果、燃料電池装置10の余剰電力は、室内空間の空気質の変化(夏季にあっては湿度の低下)として、使用者の使用感を損なわない状態で、蓄えられることとなる。
尚、夏季に実行される余剰電力空調運転において、凝縮水噴霧制御を実行することで、室外空気OAが含む湿分の一部を、蒸発器72にて凝縮水として回収するから、デシカント装置80でのデシカントロータ82aの除湿負荷が低下する。
そこで、制御装置90は、夏季に実行される余剰電力空調運転において、凝縮水噴霧制御を実行する場合、更に、再生用熱交換器81へ導かれる熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器60から供給される熱媒の供給設定温度を低下側へ変更する制御を実行する。これにより、再生用熱交換器81を通過して熱媒加熱用熱交換器60へ戻る熱媒戻り温度を低下させ、ラジエータ31での放熱量を低減して、熱効率の向上を図っている。
〔夏季に実行される余剰電力空調運転の評価〕
夏季に実行される余剰電力空調運転のシミュレーションに基づく評価を、図2〜6のグラフ図に基づいて行う。
シミュレーションの条件は、夏季に実行される余剰電力空調運転の開始時(圧縮機73の駆動開始時)において、室外空気OAの温度35℃、相対湿度50%、流量223m3/hとし、室内空気RAの温度26℃、相対湿度65%、流量211m3/hとし、ヒートポンプ装置70の凝縮器74にて加熱された湯水温度が58℃で、回収熱量が2140Wとし、燃料電池装置10の潜熱回収熱交換器11にて加熱された湯水温度が70℃で、回収熱量が650Wとし、それらの合計熱量2790Wのうち、1515Wをデシカント装置80の再生用熱交換器81へ供給し、残りを貯湯タンク30に蓄えるものとし、貯湯タンク30の下部から排出された湯水及び熱媒加熱用熱交換器60を通過した湯水の双方は、ラジエータ31にて放熱することで40℃まで降温するものとし、デシカントロータ82aの除湿効率を60%とし、圧縮機73の効率を75%とし、ブロア83、84の効率を30%とし、第1熱交換器88の熱交換効率を200W/K、再生用熱交換器81の熱交換効率を140W/Kとする。
図2は、夏季における余剰電力空調運転の開始時(圧縮機駆動開始時)における空気線図であり、図3は、夏季における余剰電力空調運転の停止直前(圧縮機停止直前)における空気線図であり、図4は、夏季における余剰電力空調運転の停止時(圧縮機停止時)における空気線図である。
尚、図2〜4の空気線図におけるP1〜P6は、図1のデシカント装置80の第1流路L1及び第2流路L2を通流する空気のP1〜P6における温湿度状態に対応するものである。ここで、夏季における余剰電力空調運転の実行に伴って、その空気線図は、図2、図3、図4へと記載の順に変化する。
図2〜4の空気線図から判明するように、夏季における余剰電力空調運転の実行に伴って(図2→図3→図4)、徐々に室内空気RAの絶対湿度が低下し、それに合わせて空調用空気SAの絶対湿度も低下している。
一方で、ヒートポンプ装置70の蒸発器72を通過した後の空気を直接、室内空間へ供給せず、デシカント装置80を介して室内空間へ供給している関係で、空調用空気SAの大幅な低下は避けられていることがわかる。
図5は、夏季における余剰電力空調運転時(圧縮機駆動時)の室内空間の空気質(湿度)変化を示すグラフ図であり、図6は、夏季における余剰電力空調運転停止時(圧縮機停止時)の室内空間の空気質(湿度)変化を示すグラフ図である。
シミュレーション条件としては、2階建て延べ床面積120m2、天井高さ2.4m、換気風量を210m3/hとした。図5の場合、開始時の空気の温湿度を、室内空気RAの温度26℃、相対湿度65%、絶対湿度13.4g/kgDAとし、空調用空気SAの温度23.3℃、相対湿度66%、絶対湿度11.6g/kgDAとした。図6の場合、開始時の空気の温湿度を、室内空気RAの温度26℃、相対湿度45%、絶対湿度9.29g/kgDAとし、空調用空気SAの温度23.3℃、相対湿度60%、絶対湿度10.5g/kgDAとした。
図5から、室内空気RAの温度を一定とした場合、相対湿度及び絶対湿度が略一定の割合で徐々に減少しており、室内空気RAの相対湿度は、約65%から約50%まで低下するのに240分程度かかることがわかる。一方、図6から、室内空気RAの温度を一定とした場合、相対湿度及び絶対湿度が徐々に一定の割合で増加していることがわかる。室内空気RAの相対湿度は、約45%から約65%まで上昇するのに240分程度の余裕があることがわかる。
〔冬季に実行される余剰電力空調運転の評価〕
冬季に実行される余剰電力空調運転のシミュレーションに基づく評価を、図7〜12のグラフ図に基づいて行う。
シミュレーションの条件は、夏季に実行される余剰電力空調運転の開始時(圧縮機73の駆動開始時)において、圧縮機73の消費電力を493Wとし、室外空気OAの温度7℃、相対湿度75%、流量207m3/hとし、室内空気RAの温度22℃、相対湿度56%、流量220m3/hとし、ヒートポンプ装置70の凝縮器74にて加熱された湯水温度が50℃で、回収熱量が2342Wとし、燃料電池装置10の潜熱回収熱交換器11にて加熱された湯水温度が70℃で、回収熱量が650Wとし、それらの合計熱量2340Wのうち、1890Wをデシカント装置80の再生用熱交換器81へ供給し、残りを貯湯タンク30に蓄えるものとし、貯湯タンク30の下部から排出された湯水及び熱媒加熱用熱交換器60を通過した湯水の双方は、ラジエータ31にて放熱することで40℃まで降温するものとし、デシカントロータ82aの除湿効率を60%とし、圧縮機73の効率を75%とし、ブロア83、84の効率を30%とし、第1熱交換器88の熱交換効率を200W/K、再生用熱交換器81の熱交換効率を140W/Kとする。尚、冬季には、蒸発器72にて凝縮水が発生し難い関係で、当該シミュレーションにおいては、水噴霧器87での水噴霧は実行していない。
図7は、冬季における余剰電力空調運転の開始時(圧縮機駆動開始時)における空気線図であり、図8は、冬季における余剰電力空調運転の停止直前(圧縮機停止直前)における空気線図であり、図9は、冬季における余剰電力空調運転の停止直後(圧縮機停止直後)における空気線図であり、図10は、冬季における余剰電力空調運転を停止(圧縮機停止)してから所定時間経過した後における空気線図である。
尚、図7〜10の空気線図におけるP1〜P6は、図1のデシカント装置80の第1流路L1及び第2流路L2を通流する空気のP1〜P6における温湿度状態に対応するものである。ここで、冬季における余剰電力空調運転の実行に伴って、その空気線図は、図7、図8、図9、図10へと記載の順に変化する。
図7〜10の空気線図から判明するように、冬季における余剰電力空調運転の実行に伴って(図7→図8)、徐々に室内空気RAの絶対湿度が上昇し、それに合わせて空調用空気SAの絶対湿度も上昇している。
一方で、冬季における余剰電力空調運転を停止した後では(図9→図10)、徐々に室内空気RAの絶対湿度が低下し、それに合わせて空調用空気SAの絶対湿度も低下している。
図11は、冬季における余剰電力空調運転時(圧縮機駆動時)の室内空間の空気質(湿度)変化を示すグラフ図であり、図12は、冬季における余剰電力空調運転停止時(圧縮機停止時)の室内空間の空気質(湿度)変化を示すグラフ図である。
シミュレーション条件としては、2階建て延べ床面積120m2、天井高さ2.4m、換気風量を220m3/hとした。図11の場合、開始時の空気の温湿度を、室内空気RAの温度22℃、相対湿度45%、絶対湿度7.2g/kgDAとし、空調用空気SAの温度25.4℃、相対湿度42%、絶対湿度8.2g/kgDAとした。図12の場合、開始時の空気の温湿度を、室内空気RAの温度22℃、相対湿度56%、絶対湿度9.0g/kgDAとし、空調用空気SAの温度32.2℃、相対湿度27%、絶対湿度8.0g/kgDAとした。
図11から、室内空気RAの温度を一定とした場合、相対湿度及び絶対湿度が略一定の割合で徐々に増加しており、室内空気RAの相対湿度は、約45%から約52%まで増加するのに90分程度かかることがわかる。一方、図12から、室内空気RAの温度を一定とした場合、相対湿度及び絶対湿度が略一定の割合で徐々に低下しており、室内空気RAの相対湿度は、約56%から約44%まで低下するのに90分程度かかることがわかる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、停止が困難な固体酸化物形燃料電池を採用した実施形態を説明をしたが、停止が可能な固体高分子形燃料電池を採用した場合であっても、本発明を好適に実施することができる。
(2)上記実施形態では、制御装置90は、燃料電池装置10の発電電力が、当該燃料電池装置10の定格負荷における発電電力の半分以下となった場合に、逆潮流の恐れがあると判定する例を示した。
しかしながら、制御装置90は、燃料電池装置10の発電電力が電力負荷での電力需要を上回り逆潮流が発生する虞があるという判定に関し、制御装置90が、燃料電池装置10の発電電力と電力負荷の電力需要とを比較し、発電電力が電力需要と同程度となっており、且つその後に電力負荷での電力需要が増加すると予測される場合に、逆潮流が発生する虞があると判定しても構わない。
(3)上記実施形態にあっては、水噴霧器87で噴霧する水は、ヒートポンプ装置70の蒸発器72にて発生させる凝縮水にて賄う構成を例示したが、別に、外部から供給される水により賄う構成を採用しても構わないし、凝縮水と外部から供給される水とを併用する構成を採用しても構わない。
また、上記実施形態にあっては、冬季において、ヒートポンプ装置70の蒸発器72にて凝縮水が発生し難い関係上、水噴霧器87にて水噴霧を実行しない制御を例示した。しかしながら、室内空間へ供給する空調用空気SAの湿度を高める観点からは、冬季においても、水噴霧器87へ外部から水を導いて噴霧をする制御を実行することが好ましい。
(4)上記実施形態では、太陽熱温水器23を備える例を示したが、別に太陽熱温水器23を備えなくても構わない。
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明の燃料電池装置利用型空調システムは、燃料電池装置からの逆潮流を適切に防止しながらも、燃料電池装置にて発生した余剰電力を効果的に利用可能な燃料電池装置利用型空調システムとして、有効に利用可能である。
10 :燃料電池装置
30 :貯湯タンク
60 :熱媒加熱用熱交換器
70 :ヒートポンプ装置
71 :膨張弁
72 :蒸発器
73 :圧縮機
74 :凝縮器
80 :デシカント装置
81 :再生用熱交換器
82 :ロータ部
82a :デシカントロータ
82b :吸湿部
82c :再生部
83 :第2ブロア
84 :第1ブロア
85 :第1四方弁
86 :第2四方弁
87 :水噴霧器
88 :第1熱交換器
90 :制御装置
100 :燃料電池装置利用型空調システム
C3 :冷媒循環回路
L1 :第1流路
L10 :凝縮水通流路
L2 :第2流路
M :駆動機構部
RA :室内空気
SA :空調用空気

Claims (5)

  1. 電力負荷に供給する電力を発電する燃料電池装置と、
    冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒から放熱される凝縮器と、冷媒を膨張させる膨張弁と、冷媒に吸熱させる蒸発器と、前記圧縮機と前記凝縮器と前記膨張弁と前記蒸発器とに記載の順に冷媒を循環させる冷媒循環回路とを備えるヒートポンプ装置とを備え、
    前記燃料電池装置での発電電力を前記ヒートポンプ装置の前記圧縮機へ供給して前記ヒートポンプ装置を駆動可能に構成されている燃料電池装置利用型空調システムであって、
    第1空気圧送手段にて圧送される空気を通流する第1流路と、第2空気圧送手段にて圧送される第2流路と、前記第1流路に配置される吸湿部と前記第2流路に配置される再生部との間で通気性吸湿体から成るデシカントロータを回転駆動するロータ部と、前記第1流路を通流する空気のうち前記吸湿部を通過した後の空気と前記第2流路を通流する空気のうち前記再生部を通過する前の空気とを熱交換させる第1熱交換器と、前記第2流路を通流する空気で前記第1熱交換器を通過する前の空気に水を噴霧する水噴霧器と、前記第2流路で前記第1熱交換器を通過した後で前記再生部を通過する前の空気を加熱装置にて加熱された熱媒と熱交換させて昇温させる第2熱交換器とを有するデシカント装置を備え、
    前記蒸発器が、前記第1流路にて前記吸湿部を通過する前の空気を通過するように設けられ、
    前記燃料電池装置での発電電力が商用電力系統へ逆潮流する虞があるか否かを判定する制御装置を備え、
    前記制御装置が、逆潮流の虞があると判定したときに、前記燃料電池装置の発電電力にて前記圧縮機を駆動し前記ヒートポンプ装置の運転を行いながら、前記デシカント装置において少なくとも前記ロータ部の前記デシカントロータを回転駆動させると共に前記第2熱交換器へ前記加熱装置にて加熱された熱媒を供給する余剰電力空調運転を実行する燃料電池装置利用型空調システム。
  2. 前記蒸発器にて発生する凝縮水を貯留する凝縮水貯留部と、
    当該凝縮水貯留部にて貯留された凝縮水を前記水噴霧器へ導く凝縮水通流路とを備え、
    前記制御装置は、夏季に実行する前記余剰電力空調運転において、前記蒸発器にて凝縮水が発生するように前記圧縮機での圧縮仕事を設定すると共に、前記凝縮器にて発生した凝縮水を前記凝縮水通流路を介して前記水噴霧器へ導く凝縮水噴霧制御を実行する請求項1に記載の燃料電池装置利用型空調システム。
  3. 前記制御装置は、夏季に実行する前記余剰電力空調運転において、前記凝縮水噴霧制御を実行する場合、前記第2熱交換器へ導かれる熱媒を加熱する前記加熱装置から供給される熱媒の供給設定温度を低下側へ変更する請求項2に記載の燃料電池装置利用型空調システム。
  4. 前記デシカント装置は、気体の通流状態を切換自在な通流状態切換部を備え、
    前記通流状態切換部は、室外空気を前記第1流路を通流させた後に室内空間へ供給すると共に、室内空気を前記第2流路を通流させた後に室外空間へ排気する第1切換状態と、室内空気を前記第1流路を通流させた後に室外空間へ排気すると共に、室外空気を前記第2流路を通流させた後に室内空間へ供給する第2切換状態とを切換自在に構成され、
    制御装置は、夏季に実行する前記余剰電力空調運転において前記通流状態切換部を前記第1切換状態に切り換え制御すると共に、冬季に実行する前記余剰電力空調運転において前記通流状態切換部を前記第2切換状態に切り換え制御する請求項1〜3の何れか一項に記載の燃料電池装置利用型空調システム。
  5. 前記制御装置は、前記燃料電池装置の発電電力が前記電力負荷での電力需要を上回る傾向にある場合に、前記燃料電池装置での発電電力が商用電力系統に逆潮流する虞があると判定する請求項1〜4の何れか一項に記載の燃料電池装置利用型空調システム。
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