JP2016064032A - クランプ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クランプ装置50は、チューブ12を着脱可能に配置するためのチューブ配置部60を有する本体部としてのアッパーブロック52と、チューブ配置部60を閉じることでチューブ12をチューブ配置部に固定する蓋53と、チューブ配置部60にチューブ12が配置された状態と、蓋53がチューブ配置部60を完全に閉じた状態の両方の条件が満たされた場合を検知する単一の状態検知センサの一例であるフォトセンサ80を備える。
【選択図】図6
Description
体外循環装置の送血チューブには、クランプ装置が用いられる。このクランプ装置は、送血チューブの途中部分を、必要に応じて制御部の指令により押圧して閉塞するようになっている。
これらのチューブ検知センサと蓋検知センサは、確実に動作させるために、血液やプライミング液等の液体が付着しないように防滴処理を施さなければならない。しかし、クランプ装置に対してチューブ検知センサと蓋検知センサの両方に対して防滴処理構造を設けるのは構造が複雑になり、クランプ装置が大型化する。このため、防滴を施しつつ、チューブを確実にクランプできるクランプ装置が求められていた。
そこで、本発明は、防滴がし易く、チューブを確実にクランプすることができるクランプ装置を提供することを目的とする。
なお、特許請求の範囲及び明細書に用いられている用語としての「クランプ」とは「チューブを挟んで閉塞する構造」を広く指し、特定のこの構造に限定する趣旨ではない。
上記構成によれば、1つの状態検知センサを用いるだけで、チューブ配置部を閉じることで前記チューブを前記チューブ配置部に固定する蓋と、前記チューブ配置部に前記チューブが配置された状態と、前記蓋が前記チューブ配置部を完全に閉じた状態の両方が完遂されたことを確認できる。これにより、単一の状態検知センサを用いるだけで済み、複数のセンサを設ける場合に比べて、1つの状態検知センサに対するクランプ装置における防滴処理がし易く、クランプ装置の大型化が防げる。しかも、チューブはチューブ配置部に配置して蓋を閉めるだけで済むので、チューブを確実にクランプすることができる。
上記構成によれば、状態検知センサとしてフォトセンサを用いる場合には、チューブ配置部にチューブが配置された状態と、蓋がチューブ配置部を完全に閉じた状態の両方の条件が満たされた場合にだけ、遮光板が発光部の光の遮断を止めて光を受光部に受光させることができる。このため、チューブ配置部にチューブが配置された状態と、蓋がチューブ配置部を完全に閉じた状態の両方が完遂されたことを確認できる。
上記構成によれば、チューブ配置部にチューブを配置し、かつ蓋を完全に閉めることで、発光部の光を受光部に到達できるので、チューブ配置部にチューブが配置された状態と、蓋がチューブ配置部を完全に閉じた状態の両方が完遂されたことを確認できる。
上記構成によれば、チューブ配置部にチューブが配置されておらず、かつ蓋がチューブ配置部を完全に閉じている状態、すなわちクランプ装置の保管状態あるいは未使用状態では、蓋の切欠き部が検知プレートの回転操作部の操作端部を収容できるので、蓋が完全に閉まらないということが無く、蓋を完全に閉めた状態で保管したり、未使用状態を維持したりすることができる。
上記構成によれば、防滴部が設けられているので、血液やプライミング液等の薬液等の液体が、状態検知センサ側に侵入するのを防ぐことができる。
上記構成によれば、医療従事者は、状態表示部が点灯することで、チューブ配置部にチューブが配置された状態と、蓋がチューブ配置部を完全に閉じた状態の両方が完遂されたことを、目視で確認することができる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明のクランプ装置の好ましい実施形態を備える体外循環装置の例を示している。
図1に示す体外循環装置1が行う「体外循環」には、「体外循環動作」と、「補助循環動作」を含む。体外循環装置1は、「体外循環動作」と「補助循環動作」のいずれも行うことができる。
図1に示す体外循環装置1は、血液を循環させる循環回路1Rを有している。循環回路1Rは、人工肺2と、遠心ポンプ3と、駆動手段であるドライブモータ4と、静脈側カテーテル(脱血側カテーテル)5と、動脈側カテーテル(送血側カテーテル)6と、制御部100を有するコントローラ10と、ファストクランプともいうクランプ装置50を有している。
脱血チューブ11は、血液を送る管路である。ドライブモータ4がコントローラ10の制御部100からの指令SGにより遠心ポンプ3を動作すると、遠心ポンプ3は、脱血チューブ11から脱血して人工肺2に通した後に、送血チューブ12を介して患者Pに血液を戻すことができる。
送血チューブ12は、人工肺2と動脈側カテーテル6を接続している管路である。脱血チューブ11と送血チューブ12は、例えば塩化ビニル樹脂やシリコーンゴム等の透明性の高い、可撓性を有する合成樹脂製の管路が使用できる。脱血チューブ11内では、血液はV方向に流れ、送血チューブ12内では、血液はW方向に流れる。
超音波気泡検出センサ20が、脱血チューブ11内に送られている血液中に気泡があるのを検出して、超音波気泡検出センサ20からの検出信号により、制御部100が脱血チューブ11内に気泡が存在していると判断した場合には、クランプ装置50は、制御部100の閉塞指示TAにより、血液が患者P側に送られるのを阻止するために、送血チューブ12を緊急に閉塞するようになっている。
また、超音波気泡検出センサ20からの血液の流量値の検出結果、制御部100が、脱血チューブ11内で血液が逆流していると判断した場合には、クランプ装置50は、制御部100の閉塞指示TAにより、送血チューブ12を緊急に閉塞するようになっている。
図2に示すように、クランプ装置50は、基部51と、アッパーブロック52と、蓋53と、手動操作レバー54を有している。アッパーブロック52は、クランプ装置50の本体部であり、蓋53はアッパーブロック52用のカバーともいう。この手動操作レバー54は、略U字型の部材であり、一対の取付け部54Aにより、基部51に回転可能に取り付けられている。
蓋53は、アッパーブロック52の上面56側を開閉可能にするために、ヒンジ部55を用いてアッパーブロック52に対して回転可能に連結されている。これにより、蓋53は、アッパーブロック52に対して、R1方向に開けたり、R2方向に閉じることができる。蓋53は、好ましくは透明なプラスチックにより作られており、医療従事者がクランプ装置50の使用状態をチェックする際に、蓋53を開けなくても蓋53を通じて、アッパーブロック52の上面56の様子を、目視で直接確認することができる。
図3に示すように、アッパーブロック52は、直方体形状のプラスチック製の部材であり、アッパーブロック52の上面56は、凹部52Nと、状態表示部であるLED表示部LDと、蓋53をラッチするためのラッチシャフ52Hと、チューブ配置部60と、そして状態検知装置70を有している。
これにより、医療従事者は、透明な蓋53を通して、緑色で発光するLED表示部LDを見ることで、送血チューブ12が確実にチューブ配置部60内に正常に装着され、かつ蓋53が完全に閉まっていることを、目視で確認できるようになっている。
図2に示すチューブ配置部60は、送血チューブ12をアッパーブロック52に着脱可能に配置するための凹部である。このチューブ配置部60は、アッパーブロック52の上面56の中央位置で左右方向(X方向)に沿って設けられている。チューブ配置部60は、LED表示部LDとラッチシャフ52Hとの間に設けられている。
図4(A)は、図3に示す状態検知装置70とその付近を拡大して示す斜視図であり、図4(B)と図4(C)は、状態検知装置70のフォトセンサ80の例を示す図である。
図4(A)に示すように、検知ピン72は、チューブ配置部60においてX方向に配置されており、検知プレート71は検知ピン72の端部に固定されている。図3と図2に示すように、検知プレート71は、ほぼL字型を有しており、送血チューブ12の受け部分78と回転操作部85を有している。送血チューブ12の受け部分78が送血チューブ12を受けると押されて、中心軸CLを中心にしてM方向に回転するようになっている。
図4(A)に示す遮光板79は、ほぼL字型を有する部材であり、取付け部分79Aと、遮光部分79Bを有している。取り付け部分79Aは、軸部77に対してネジ74により固定されているので、遮光板79と検知プレート71と検知ピン72と軸部77は、一体として回転するようになっている。
この位置復帰バネ73の付勢力が、軸部77と遮光板79を、M1方向に回転することで、遮光板79を初期位置、すなわちフォトセンサ80の間の位置に位置決めし、しかも軸部77と検知プレート71は初期回転位置に位置決めされる。そして、送血チューブ部12が、チューブ配置部60内にはめ込まれると、検知プレート71が位置復帰バネ73の付勢力に抗してM方向に回転されるようになっている。
図4(C)に示すように、発光ダイオード82が発生する光LTが、遮光板79の遮光部分79Bにより遮光されない場合には、フォトダイオード83はオン信号NSを制御部100に送る。また、図4(B)に示すように、発光ダイオード82が発生する光LTが、遮光板79の遮光部分79Bにより遮光される場合には、フォトダイオード83はオフ信号OSを制御部100に送る。
図5は、蓋53と状態検知装置70の構造を示し、送血チューブ12がチューブ配置部60内にはめ込まれていない状態を示す側面図である。図6(A)は、送血チューブ12がチューブ配置部60内にはめ込まれているが、蓋53が不完全に閉じた状態を示す側面図であり、図6(B)は、送血チューブ12がチューブ配置部60内にはめ込まれ、しかも蓋53が完全に閉じた状態を示す側面図である。
また、検知プレート71は、すでに説明したように、ほぼL字型を有しており、送血チューブ12の受け部分78と、回転操作部85を有している。この回転操作部85は、受け部78に対して直角になるように設けられており、受け部分78と回転操作部85の中間部分86は、検知ピン72に固定されている。
また、図5に示すように、蓋53の回転自由端部は、フック57を有している。蓋53のヒンジ部55の近傍であって蓋53の内側部分には、当接部材89が設けられている。この当接部材89には、切欠き部90が設けられている。この切欠き部90は、断面長方形状を有している。
図6(A)に示すように蓋53が不完全に閉じた状態では、遮光板79の遮光部分79Bは、発光ダイオード82とフォトダイオード83の間に位置されているので、図4(B)に示すように、発光ダイオード82が発生する光LTは、遮光板79の遮光部分79Bにより遮光されるので、光LTは、フォトダイオード83には受光されない。
これにより、チューブ配置部60と蓋53の間に位置決めされている送血チューブ12は、この押子9と、図3に示す蓋53の内面側に設けられた押圧部53Cとの間に挟まれるので、必要に応じて、送血チューブ12を弾性変形させてクランプすることで閉塞するようになっている。
図7に示すように、検知プレート71は、検知ピン72の端部110の細径部分111に固定されている。この検知ピン72の端部110は、支持部112の孔を通っており、この支持部112に対して回転可能に支持されている。支持部112の先端部には、円筒状の返し部分(凸部分)113が設けられており、この返し部分113は、端部110の周囲を覆っている。図7(B)と図7(A)に示すように、この返し部分113の外径寸法TVは、検知プレート71のサイズよりも小さい。
図7(B)に示す上述したロッドシールパッキン75とアッパーブロック52の支持部112の返し部分113は、検知プレート71と、アッパーブロック52の支持部112と、検知ピン72の端部110との間における、防滴部450を構成している。
図8は、クランプ装置50の使用例を示している。
図5に示すクランプ装置50の保管時には、送血チューブ12がチューブ配置部60に配置されておらず、蓋53がアッパーブロック52のチューブ配置部60を完全に閉じている状態では、検知プレート71の操作端部87は、蓋53の内側の当接部材89の切欠き部90にはまり込んでいるので、操作端部87に干渉されずに、蓋53はアッパーブロック52を完全に閉じることができる。
医療従事者がチューブ配置部60の収容空間SP内に送血チューブ12をはめ込むと、図8(A)に示すように、検知プレート71の受け部分78が送血チューブ12により押し下げられて、検知プレート71の受け部分78と操作端部87は角度θ1だけ回転する。従って、図6(A)に示すように、操作端部87は、蓋53の内側の当接部材89に突き当たることから、蓋53はアッパーブロック52から浮き上がっており、蓋53の閉まり方は不完全な状態である。
このように、蓋53が不完全に閉まった状態から完全に閉まった状態になると、図8(C)に示すように、遮光板79の遮光部分79Bは、検知プレート71の回転と一体になって角度αだけ回転する。
図5に示すように、送血チューブ12ははめ込まれておらず、しかも図5の一点鎖線で示すように、蓋53が開いている場合には、検知プレート71は回転動作しないので、発光ダイオード82が発生する光LTは、遮光されてフォトダイオード83に受光されない。
そして、図6(B)に示すように、送血チューブ12ははめ込まれており、かつ蓋53が完全に閉じている場合には、検知プレート71の操作端部87は、蓋53の当接部材89により押されて回転動作して、発光ダイオード82が発生する光LTは、遮光されずに、フォトダイオード83に受光される。従って、4つの場合の内の1つの場合だけは、制御部100は、オン信号NSを得ることで、制御部100は、クランプ装置50が送血チューブ12を正しくクランプしたことを認識して、図4(C)に示すように状態表示部LDを発光させる。このため、医療従事者は、この状態表示部LDの発行を確認することで、送血チューブ12がクランプ装置50に正しく装着されていることを確認できる。
もしも、この液体が、検知プレート71に付いて固着してしまうと、検知プレート71が回転動作しなくなり、クランプ装置50における検知が正確に行なえない恐れがある。
これにより、送血チューブ12をチューブ装着部60の収容空間SP内からZ1方向に引く抜く際に、送血チューブ12が検知プレート71の操作端部87と接触することで、検知プレート71を強制的にM1方向に回転させる。このため、送血チューブ12をチューブ配置部60から取り除く度に、検知プレート71の固着を機械的に外すことができる。
これにより、状態検知センサとしてフォトセンサを用いる場合には、チューブ配置部にチューブが配置された状態と、蓋がチューブ配置部を完全に閉じた状態の両方の条件が満たされた場合にだけ、遮光板が発光部の光の遮断を止めて光を受光部に受光させることができる。このため、チューブ配置部にチューブが配置された状態と、蓋がチューブ配置部を完全に閉じた状態の両方が完遂されたことを確認できる。
これにより、チューブ配置部にチューブを配置し、かつ蓋を完全に閉めることで、発光部の光を受光部に到達できるので、チューブ配置部にチューブが配置された状態と、蓋がチューブ配置部を完全に閉じた状態の両方が完遂されたことを確認できる。
これにより、チューブ配置部にチューブが配置されておらず、かつ蓋がチューブ配置部を完全に閉じている状態、すなわちクランプ装置の保管状態あるいは未使用状態では、蓋の切欠き部が検知プレートの回転操作部の操作端部を収容できるので、蓋が完全に閉まらないということが無く、蓋を完全に閉めた状態で保管したり、未使用状態を維持することができる。
これにより、防滴部が設けられているので、血液やプライミング液等の薬液等の液体が、状態検知センサ側に侵入するのを防ぐことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
状態検知センサとしては、光学式センサであるフォトセンサ50を用いているが、これに限らず、機械式のセンサを用いても良い。
Claims (6)
- 液体を移送するチューブを閉塞するためのクランプ装置であって、
前記チューブを着脱可能に配置するためのチューブ配置部を有する本体部と、
前記チューブ配置部を閉じることで前記チューブを前記チューブ配置部に固定する蓋と、
前記チューブ配置部に前記チューブが配置された状態と、前記蓋が前記チューブ配置部を完全に閉じた状態の両方の条件が満たされた場合を検知する単一の状態検知センサと
を備えることを特徴とするクランプ装置。 - 前記チューブは、前記血液を被術者の体外へ移送して循環させる体外循環装置に用いられ、
前記状態検知センサは、発光部と前記発光部の光を受けて信号を発生する受光部とを有するフォトセンサであり、
前記チューブ配置部に配置される前記チューブを受けて回転することで前記チューブの存在を検知する検知プレートと、
前記発光部の前記光を遮断し、前記チューブ配置部に前記チューブが配置された状態と、前記蓋が前記チューブ配置部を完全に閉じた状態の両方の条件が満たされた場合に、前記検知プレートの回転と一体になって回転することで、前記発光部の前記光を前記受光部に到達させるための遮光板と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のクランプ装置。 - 前記検知プレートと前記遮光板は、検知ピンを用いて連結されており、
前記検知プレートは、前記検知ピンの端部に固定され、
ほぼL字型の前記検知プレートは、前記チューブが前記チューブ配置部に配置されると前記チューブを受けて前記検知ピンを中心として前記検知プレートを回転させる受け部分と、前記蓋が前記チューブ配置部を不完全に閉じている状態から前記チューブ配置部を完全に閉じた状態になると押されて前記検知ピンを中心として前記検知プレートを回転させる回転操作部と
を有し、
前記受け部分が前記チューブを受けて回転し、かつ前記回転操作部が押されて前記検知プレートが回転されると、前記遮光板による前記光の遮断を解除して前記発光部の前記光を前記受光部に到達させる構成としたことを特徴とする請求項2に記載のクランプ装置。 - 前記蓋の内側には、切欠き部が設けられており、前記切欠き部は、前記チューブ配置部に前記チューブが配置されておらず、かつ前記蓋が前記チューブ配置部を完全に閉じている状態では、前記検知プレートの前記回転操作部の操作端部を収容可能であることを特徴とする請求項3に記載のクランプ装置。
- 前記本体部は、前記検知ピンを回転可能に支持ししかも前記検知プレートの面に突き当たっている支持部を有し、前記支持部と前記検知ピンと前記検知プレートとの間には、前記状態検知センサへの液体の侵入を防ぐための防滴部が、設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のクランプ装置。
- 前記状態検知センサが前記検知をすると、点灯表示する状態表示部を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のクランプ装置。
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