JP2016063708A - 超電導コイル冷却装置 - Google Patents

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峻 昆布
行正 久光
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行正 久光
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Abstract

【課題】冷媒を用いずに、一般的な(回転可能な特殊な冷凍機でない)超電導コイルを冷却するための能力を有する冷凍機を外部に固定した状態で、ロータの超電導コイルを冷却する、超電導コイル冷却装置を提供する。【解決手段】超電導コイル冷却装置は、各超電導コイル4を内包し、内部を真空状態とする第1真空容器11と、回転機の外部に固定された第2真空容器12と、第2真空容器12内部に固定されたコールドヘッド15に取付板16を介して取り付けられたコネクタ17と、回転自在の状態で、第2真空容器12内部に一部が挿入され、端面がコネクタ17と接する継シャフト13と、継シャフト13の内径側に嵌合された伝熱シャフトと、伝熱シャフト13と各超電導コイル4とに介設される冷却用伝熱部18とを備え、取付板16、コネクタ17、伝熱シャフト13、及び、冷却用伝熱部18は、熱伝導体で構成されるものとする。【選択図】図1

Description

本発明は、ロータに超電導コイルを用いた界磁超電導回転機に関する。
界磁超電導回転機の実現に必要な低温を得る方法として、
(1)回転機全体を液体窒素などの寒剤(冷媒)に漬ける(下記特許文献1)。
(2)回転子の軸の内部に冷媒の通路を設け、ポンプで加圧して送り込む(下記特許文献2)。
(3)冷凍機で冷媒を凝固するまで冷却する(下記特許文献3)。
などの方法が開示されている。
しかしながら、上記(1)〜(3)のそれぞれの方法に課題があり、寒剤(冷媒)を使用した冷却方法では、回転子を簡便に、効率よく、高い信頼性を持って冷却することができなかった(詳細は下記特許文献4の[0005],[0007]参照)。
そのため、下記特許文献4,5では、ロータと共通の中心軸を有する冷凍機を備え、この中心軸を中心にロータと一体で冷凍機を回転させる界磁超電導回転機が提案されている。
下記特許文献4,5で提案されている界磁超電導回転機では、熱伝導により効率よく冷却されるため、回転機の内部に冷媒を使用する必要がなく、効率よく、信頼性の高い冷却が可能となり、また、冷凍機の性能に応じて液体窒素の温度よりも低温での冷却が可能となる。
特開平6−165478号公報 特開2005−224022号公報 特開2005−237060号公報 特開2010−93886号公報 特許3515118号公報
上記特許文献1,2で提案されている界磁超電導回転機では、冷凍機ロータと一体で回転させているが、一般的に、極低温冷凍機は対称な回転軸を有さず、回転する環境での動作に適していないため、上記特許文献2に示されるように、回転可能な特殊な冷凍機(線形モータアセンブリによって往復運動をするピストン/熱交換器によって、低温ヘッドが冷却される構造)を用いなければならない。
そこで本発明では、冷媒を用いずに、一般的な(回転可能な特殊な冷凍機でない)超電導コイルを冷却するための能力を有する冷凍機を外部に固定した状態で、界磁超電導回転機のロータに配設された超電導コイルを冷却することができる、超電導コイル冷却装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る超電導コイル冷却装置は、
界磁超電導回転機のロータに配設された複数の超電導コイルを冷却する冷却装置であって、
各前記超電導コイルを内包し、内部を真空状態とする第1真空容器と、
前記回転機の外部に固定された第2真空容器と、
前記第2真空容器内部に固定されたコールドヘッドに取付板を介して取り付けられたコネクタと、
回転自在の状態で、前記第2真空容器内部に一部が挿入され、端面が前記コネクタと接する前記回転機のシャフトに連結された継シャフトと、
前記継シャフトの内径側に嵌合された伝熱シャフトと、
前記伝熱シャフトと各前記超電導コイルとに介設される冷却用伝熱部とを備え、
前記取付板、前記コネクタ、前記伝熱シャフト、及び、前記冷却用伝熱部は、熱伝導体で構成されることを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る超電導コイル冷却装置は、
上記第1の発明に係る超電導コイル冷却装置において、
さらに、
前記第2真空容器内部における前記継シャフトの挿入部分に対応する位置に配設され、前記第2真空容器内部を真空状態に保つようにシールする、非接触式の回転シールと、
前記継シャフトの端部に配設された継シャフト延長ディスクの前記コールドヘッド側端面全体に、配設された案内板とを備え、
前記案内板は、非熱伝導体で構成されることを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係る超電導コイル冷却装置は、
上記第1又は2の発明に係る超電導コイル冷却装置において、
複数の前記冷凍機が並列に配設されることを特徴とする。
本発明に係る超電導コイル冷却装置によれば、冷媒を用いずに、一般的な(回転可能な特殊な冷凍機でない)超電導コイルを冷却するための能力を有する冷凍機を固定した状態で、界磁超電導回転機のロータに配設された超電導コイルを冷却することができる。
本発明の実施例1に係る超電導コイル冷却装置を備える界磁超電導回転機の断面図である。 図1のA部分の拡大図である。
本発明に係る超電導コイル冷却装置は、界磁超電導回転機のロータに配設された複数の超電導コイルを冷却する冷却装置である。以下、本発明に係る超電導コイル冷却装置を、実施例により図面を用いて説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1に係る超電導コイル冷却装置の構成について、図1,2を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係る超電導コイル冷却装置を備える界磁超電導回転機の断面図である(ただし、一部断面視でない部分もある)。また、図2は、図1のA部分の拡大図である。
まず、図1に示す界磁超電導回転機は、従来の、ロータコア1、シャフト2、ブラケット3a,3b、及び、複数の超電導コイル4に加えて、本発明の実施例1に係る超電導コイル冷却装置を備えている。
本発明の実施例1に係る超電導コイル冷却装置は、第1真空容器11、第2真空容器12、伝熱シャフト13、継シャフト13b、回転シール14、コールドヘッド15、取付板16、コネクタ17、冷却用伝熱部18、及び、案内板19を備えている。
第1真空容器11は、界磁超電導回転機のロータに配設された各超電導コイル4を内包し、内部が真空状態となっている。また、第1真空容器11は、熱伝導率の低いステンレス(非熱伝導体)で構成される。
第2真空容器12は、界磁超電導回転機の軸方向外側、すなわちブラケット3aの軸方向外側端面に固定され、内部が真空状態となっている。また、第2真空容器12は、継シャフト延長ディスク13aを内包している。さらに、第2真空容器12は、熱伝導率の低いステンレスで構成される。
伝熱シャフト13は、ブラケット3aを貫通するように、軸方向一端がシャフト2と同軸上に連結されており、回転自在の状態で、第2真空容器12の内部に一部が挿入され、軸方向他端の端面が後述するコネクタ17と接する。また、継シャフト13bは、その内周側に伝熱シャフト13を嵌合するように配置されており、熱伝導率を低くするために真空断熱した鉄で構成され、回転シール14との間の寒冷を断熱している。
そして、伝熱シャフト13のコネクタ17側先端部は、円盤状に拡径された継シャフト延長ディスク13aが配設されている。なお、伝熱シャフト13及び継シャフト延長ディスク13aは、熱伝導率の高いアルミニウム又は銅(熱伝導体)で構成される(重量を考慮するとアルミニウムの方が好ましい)。
回転シール14は、第2真空容器12の内部における継シャフト13bの挿入部分に対応する位置に配設され、第2真空容器12の内部を真空状態に保つようにシールする。
すなわち、回転シール14は、固定される第2真空容器12に対し継シャフト13bを回転自在に接続する、真空用のシールであり、磁性流体シールなどの非接触式のシールが好ましい。
コールドヘッド15は、冷凍機(図示せず)で得られた低温を熱伝導する部分で、第2真空容器12の内部に固定されており、コネクタ17及び取付板16によって伝熱シャフト13の端部と連結している。また、超電導コイル4を冷却する能力に合わせて冷凍機を複数台に併設(設置)することもできる。
取付板16は、コールドヘッド15にコネクタ17を取り付けるために、コールドヘッド15の先端に固定されており、熱伝導率の高い銅で構成される。
コネクタ17は、伝熱シャフト13と取付板16との間に配置され、回転機の回転部分と固定部分とを接続する役割を担っている。すなわち、コネクタ17は、取付板16を介してコールドヘッド15に取り付けられ、回転する伝熱シャフト13(継シャフト延長ディスク13a)に押し当てられて、その接点から熱伝導される。
また、コネクタ17は、円盤形状であり、構成材料には、摩擦係数の少ないものとして、例えばカーボン(熱伝導体)がよく、さらに、熱伝導率の高いグレードのカーボンが好適である。
冷却用伝熱部18は、伝熱シャフト13と各超電導コイル4とに介設されており、熱伝導率の高い銅又はアルミで構成される。なお、各超電導コイル4との連結部分近傍は、第2真空容器12の内部に挿入されている状態としてもよい(図1参照)。
本発明の実施例1に係る超電導コイル冷却装置は、上述のように、コールドヘッド15と各超電導コイル4との間を熱伝導率の高い材料で構成し、さらに、超電導コイル4などの極低温に冷やされる部材は真空容器11,12の内部に格納され、コールドヘッド15から超電導コイル4までが熱的に接続され、超電導コイル4を効率的に冷却することができ、超電導コイル4に大電流を流すことが可能となる。
また、真空容器11,12の内部に、コールドヘッド15から超電導コイル4までの極低温部を格納する構造としている。この真空容器11,12によって、極低温部がロータコア1及びシャフト2などの常温部から熱的に隔離される。
さらに、案内板19は、熱伝導率の低い、薄いステンレス板であり、継シャフト13より拡径された継シャフト延長ディスク13aのコールドヘッド側端面全体に配設されている。これにより、図2中の白抜き矢印で示すように、寒冷の流れが曲がる構造となり、寒冷に弱い回転シール14と極低温部となるコネクタ17や継シャフト13bとの距離を延長することができ、熱勾配を得られやすい構造としている。
上述のように、本発明の実施例1に係る超電導コイル冷却装置では、継シャフト延長ディスク13aに案内板19を配設し、寒冷の流れを曲げる構造によって熱勾配を設けることで、寒冷に弱い部材(回転シール14)の信頼性を向上することができる。
以上、本発明の実施例1に係る超電導コイル冷却装置について説明したが、本発明の実施例1に係る超電導コイル冷却装置は、上記構成とすることで、冷媒を必要とせず、冷凍機からの寒冷を熱伝導のみでロータの超電導コイルを冷却することができ、また、冷凍機を固定してロータの超電導コイルを冷却することができ、さらに、特殊な冷凍機を用いる必要がなく、一般的な(回転可能な特殊な冷凍機でない)超電導コイルを冷却するための能力を有する冷凍機を使うことができる。
また、本発明の実施例1に係る超電導コイル冷却装置は、冷凍機を軸対称に設置するなどの制約がないので、冷凍機を複数台並べることで、簡単に冷凍能力を上げることができる。また、複数台の冷凍機を並列に設置することで、界磁超電導回転機の動作を停止させずに、冷凍機のメンテナンスが可能となる。
本発明は、界磁超電導回転機の超電導コイル冷却装置として好適である。
1 ロータコア
2 シャフト
3a,3b ブラケット
4 超電導コイル
11 第1真空容器
12 第2真空容器
13 伝熱シャフト
13a 継シャフト延長ディスク
13b 継シャフト
14 回転シール
15 冷凍機
16 取付板
17 コネクタ
18 冷却用伝熱部

Claims (3)

  1. 界磁超電導回転機のロータに配設された複数の超電導コイルを冷却する冷却装置であって、
    各前記超電導コイルを内包し、内部を真空状態とする第1真空容器と、
    前記回転機の外部に固定された第2真空容器と、
    前記第2真空容器内部に固定されたコールドヘッドに取付板を介して取り付けられたコネクタと、
    回転自在の状態で、前記第2真空容器内部に一部が挿入され、端面が前記コネクタと接する前記回転機のシャフトに連結された継シャフトと、
    前記継シャフトの内径側に嵌合された伝熱シャフトと、
    前記伝熱シャフトと各前記超電導コイルとに介設される冷却用伝熱部とを備え、
    前記取付板、前記コネクタ、前記伝熱シャフト、及び、前記冷却用伝熱部は、熱伝導体で構成されることを特徴とする、超電導コイル冷却装置。
  2. さらに、
    前記第2真空容器内部における前記継シャフトの挿入部分に対応する位置に配設され、前記第2真空容器内部を真空状態に保つようにシールする、非接触式の回転シールと、
    前記継シャフトの端部に配設された継シャフト延長ディスクの前記コールドヘッド側端面全体に、配設された案内板とを備え、
    前記案内板は、非熱伝導体で構成されることを特徴とする、請求項1に記載の超電導コイル冷却装置。
  3. 複数の前記冷凍機が並列に配設されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の超電導コイル冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113541405A (zh) * 2021-07-28 2021-10-22 珠海格力电器股份有限公司 编码器组件及具有其的电机

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