図1には、本発明の実施形態に係る画像形成システムの一例が示されている。画像形成システムは、複数の画像形成装置(一例として、画像形成装置10A,10B,10C,10D)を含む。なお、画像形成装置10A,10B,10C,10Dを区別する必要が無い場合には、これらを「画像形成装置10」と称することとする。複数の画像形成装置10は、ネットワーク等の通信経路Nに接続されている。また、端末装置40が通信経路Nに接続されている。なお、図1に示す例では、4つの画像形成装置10が画像形成システムに含まれているが、これは一例に過ぎず、4つ以外の複数の画像形成装置10が画像形成システムに含まれていればよい。また、複数の端末装置40が通信経路Nに接続されていてもよい。
画像形成装置10は、例えば電子写真方式のプリンタである。端末装置40は、画像データを画像形成装置10に送信する機能を備えている。画像形成装置10は、端末装置40から送信された画像データを格納する機能を備えている。
図2には、画像形成装置10の構成が示されている。画像形成部12は、画像データに応じた画像を用紙等の記録媒体上に形成する。通信部14は、通信経路Nに接続される通信インターフェースである。通信部14は、他の装置からデータを受信する機能、及び、他の装置にデータを送信する機能を備えている。
記憶部16は、ハードディスク等の記憶装置である。記憶部16には、端末装置40から送信された画像データ、及び、ユーザを認証するための認証情報が記憶される。画像データには、関連情報が付帯されている。関連情報は、例えば画像データのメタ情報であり、一例として、画像データを識別するための画像識別情報(例えば画像データID)、画像データの作成日時を示す情報、画像データを格納したユーザを識別するためのユーザ識別情報(例えばユーザID)等を含む。その他、画像データの容量を示す情報やデータ形式を示す情報等が、関連情報に含まれてもよい。認証情報には、例えば、ユーザ識別情報と暗証情報とが含まれる。暗証情報は、ユーザが本人であることを確認するための情報であり、例えばパスワードである。
また、記憶部16には、デバイスリスト18、履歴情報20及び優先度情報22が記憶されている。デバイスリスト18は、画像形成システムに含まれるすべての画像形成装置10を示す情報である。デバイスリスト18には、各画像形成装置10を識別するためのデバイス識別情報が含まれている。履歴情報20は、格納履歴情報及び取得履歴情報のうちの少なくとも1つを含む。格納履歴情報は、自身の画像形成装置10に対する画像データの格納の履歴をユーザ毎に示す情報である。取得履歴情報は、画像データが取得された画像形成装置10の履歴をユーザ毎に示す情報である。優先度情報22は、後述する取得部30によってアクセスされる画像形成装置10の優先順位を示す情報である。その優先順位は、履歴情報20(格納履歴情報又は取得履歴情報)に基づいて決定される。優先順位は、ユーザや管理者によって決定されてもよい。デバイスリスト18、履歴情報20及び優先度情報22は、後で詳述する。
ユーザインターフェース部(UI部)24は、操作部と表示部とを含む。操作部は、操作パネル等の入力デバイスである。表示部は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。カード読取部26は、認証カード(例えばIC(Integrated Circuit)カード)に記憶されている情報を読み取る機能を備えている。認証カードには、例えば、認証情報に含まれるユーザ識別情報と暗証情報とが記憶されている。認証カードは、ユーザの認証を行うために予めユーザに渡される。なお、操作部を用いて、ユーザ識別情報及び暗証情報が入力されてもよい。
制御部28は、画像形成装置10の各部の動作を制御する。例えば、画像データ及びユーザ識別情報が端末装置40から送信されると、制御部28は、画像データとユーザ識別情報とを対応付けて記憶部16に記憶させる。
また、制御部28は、取得部30、表示制御部32及び履歴管理部34を含む。取得部30は、デバイスリスト18を参照し、デバイスリスト18に含まれる画像形成装置10にアクセスする。本実施形態では、取得部30は、優先度情報が示す優先順位に従って、優先順位の高い順に単位台数の画像形成装置10毎にアクセスする。単位台数は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。すなわち、取得部30は、優先順位が高い順に1台ずつ画像形成装置10にアクセスしてもよいし、優先順位が高い順に複数台ずつ画像形成装置10にアクセスしてもよい。単位台数は、管理者やユーザによって任意の数に変更されてもよい。ここで、単位台数が1台の場合、その1台が自機の場合も含まれる。そして、取得部30は、画像データに関する関連情報を、アクセス先の画像形成装置10から取得する。例えば、UI部24の操作部又はカード読取部26からユーザ識別情報が入力されると、取得部30は、そのユーザ識別情報に対応付けられている画像データの関連情報を、アクセス先の画像形成装置10から取得する。また、取得部30は、指定された画像データを画像形成装置10から取得する機能を備えている。アクセス先が自身の画像形成装置10の場合、取得部30は、自身の画像形成装置10の記憶部16にアクセスして関連情報や画像データを取得する。
表示制御部32は、各種の情報をUI部24の表示部に表示させる機能を備えている。本実施形態では、表示制御部32は、取得部30によって取得された関連情報を表示部に表示させる。例えば、表示制御部32は、予め決定された表示順序に従って関連情報を並べて表示部に表示させる。関連情報がユーザによって選択されると、取得部30は、ユーザによって選択された関連情報に対応する画像データを、その画像データが格納されている画像形成装置10から取得する。そして、画像形成部12は、取得された画像データに応じた画像を用紙に形成する。
履歴管理部34は、履歴情報20を作成する。すなわち、履歴管理部34は、格納履歴情報及び取得履歴情報のうちの少なくとも1つを作成する。
履歴情報20として格納履歴情報が採用された場合、履歴管理部34は、自身の画像形成装置10に対する画像データの格納の履歴をユーザ毎に管理し、格納履歴情報を作成する。履歴管理部34は、格納履歴情報を参照し、自身の画像形成装置10に対する画像データの格納回数をユーザ毎にカウントする。そして、履歴管理部34は、その格納回数に基づいて各画像形成装置10に対するアクセスの優先順位を決定し、その優先順位を示す優先度情報22を作成する。例えば、格納回数が多い画像形成装置10ほど、アクセスの優先順位が高く設定される。これは、格納回数が多い画像形成装置10ほど、格納回数が相対的に少ない画像形成装置10と比べて、画像データが格納されている可能性が高いと想定されるからである。
履歴情報20として取得履歴情報が採用された場合、履歴管理部34は、画像データが取得された画像形成装置10の履歴をユーザ毎に管理し、取得履歴情報を作成する。履歴管理部34は、取得履歴情報を参照し、各画像形成装置10について画像データが取得された取得回数をユーザ毎にカウントする。そして、履歴管理部34は、その取得回数に基づいて各画像形成装置10に対するアクセスの優先順位を決定し、その優先順位を示す優先度情報22を作成する。例えば、取得回数が多い画像形成装置10ほど、アクセスの優先順位が高く設定される。これは、取得回数が多い画像形成装置10ほど、取得回数が相対的に少ない画像形成装置10と比べて、画像データが格納されている可能性が高いと想定されるからである。
なお、画像形成装置10は、電子写真方式以外の方式で画像を形成するプリンタであってもよい。画像形成装置10は、コピー機能、スキャン機能及びファクシミリ機能のうちの少なくとも1つの機能を備えていてもよい。
図3には、端末装置40の構成が示されている。記憶部42は、ハードディスク等の記憶装置である。この記憶部42には、格納場所情報44が記憶されている。また、記憶部42には、プリンタドライバが記憶されている。プリンタドライバは、画像形成装置10を制御する機能を有するプログラムである。格納場所情報44は、端末装置40から送信された画像データを格納する画像形成装置10を示す情報である。図1に示す画像形成システムの例では、格納場所情報44は、画像形成装置10A,10B,10C,10Dのいずれかを示す情報である。格納場所情報44は、例えば、画像形成装置10のデバイス識別情報である。別の例として、格納場所情報44は、画像形成装置10に割り当てられたIP(Internet Protocol)アドレスであってもよい。一例として、格納場所情報44は、画像形成装置10Cのデバイス識別情報である。なお、格納場所情報44は、ユーザによって変更されてもよい。
通信部46は、通信経路Nに接続される通信インターフェースである。通信部46は、他の装置からデータを受信する機能、及び、他の装置にデータを送信する機能を備えている。例えば、通信部46は、ユーザによって指定された画像データと関連情報とを、格納場所情報44が示す画像形成装置10に送信する機能を備えている。
操作部48は、例えばキーボードやマウス等の入力デバイスである。表示部50は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。制御部52は、端末装置40の各部の動作を制御する。
(画像形成システムにおける処理の概略)
ここで、画像形成システムによる処理の概略について説明する。まず、ユーザは、端末装置40の操作部48を利用して、格納対象の画像データを指定し、画像データの格納を指示する。通信部46は、制御部52の制御の下、ユーザによって指定された画像データと関連情報とを、格納場所情報44が示す画像形成装置10に送信する。一例として、格納場所情報44は画像形成装置10Cを示しているため、画像データ及び関連情報は、画像形成装置10Cに送信される。
画像形成装置10Cの通信部14は、端末装置40から送信された画像データと関連情報とを受信する。そして、制御部28は、受信された画像データと関連情報とを記憶部16に記憶させる。
ユーザは、格納指示を与えた後、画像形成装置10A,10B,10C,10Dのいずれかに移動する。例えば、ユーザは、自分が普段使っている画像形成装置10に移動してもよいし、その画像形成装置10が使用中であれば、別の画像形成装置10に移動してもよい。または、利用者は、自分の場所から最も近い画像形成装置10に移動してもよい。ここでは、ユーザが、図1に示されている画像形成装置10Aに移動したものとする。
ユーザがユーザ識別情報及び暗証情報を画像形成装置10Aに入力すると、画像形成装置10Aの取得部30は、デバイスリスト18及び優先度情報22を参照し、デバイスリスト18に含まれる画像形成装置10に対して、優先順位に従って順番にアクセスする。そして、取得部30は、そのユーザ識別情報が対応付けられている画像データの関連情報を、アクセス先の画像形成装置10から取得する。画像形成装置10Aの表示制御部32は、取得部30によって取得された関連情報の一覧をUI部24の表示部に表示させる。その一覧からユーザによって画像データが選択されると、取得部30は、選択された画像データが格納されている画像形成装置10から、選択された画像データを取得する。例えば、画像形成装置10Cに格納されている画像データが選択された場合、取得部30は、選択された画像データを画像形成装置10Cから取得する。画像形成部12は、その画像データに応じた画像を用紙に形成する。
以上のように、画像形成装置10は、他の画像形成装置10に格納されている画像データを取得して画像を形成する機能を備えている。これにより、ユーザは、印刷を実際に実行する画像形成装置10に画像データを格納しておく必要がない。画像形成システムに含まれる複数の画像形成装置10のうちのいずれかに画像データを格納しておけば、いずれかの画像形成装置10にて印刷が実現されることになる。
(デバイスリスト18の具体例)
次に、図4を参照して、デバイスリスト18の具体例について説明する。デバイスリスト18は、各画像形成装置10の記憶部16に記憶されている。
デバイスリスト18には、画像形成システムに含まれるすべての画像形成装置10のデバイス識別情報が含まれている。例えば、「デバイスA」は画像形成装置10Aのデバイス識別情報である。「デバイスB」は画像形成装置10Bのデバイス識別情報である。「デバイスC」は画像形成装置10Cのデバイス識別情報である。「デバイスD」は画像形成装置10Dのデバイス識別情報である。デバイスリスト18は、例えば管理者によって作成される。なお、新たな画像形成装置10が通信経路Nに接続された場合、各画像形成装置10の制御部28は、新たに接続された画像形成装置10を検知してもよい。この場合、制御部28は、新たに接続された画像形成装置10のデバイス識別情報をデバイスリスト18に追加する。
(格納履歴情報の具体例)
次に、図5を参照して、格納履歴情報の具体例について説明する。図5に示されている格納履歴情報は、画像形成装置10Aの記憶部16に記憶されている格納履歴情報である。この格納履歴情報には、自身の画像形成装置10Aに格納された画像データの画像識別情報と、その画像データが自身の画像形成装置10Aに格納された日時を示す情報と、その画像データを自身の画像形成装置10Aに格納したユーザのユーザ識別情報(ユーザID)と、が含まれている。画像識別情報、日時及びユーザIDは対応付けられている。例えば、2014年7月14日10時00分に、ユーザIDが「user001」であるユーザによって、画像データD1が画像形成装置10Aに格納されている。格納履歴情報は、画像形成装置10Aの履歴管理部34によって作成される。端末装置40から画像形成装置10Aに画像データ及び関連情報が送信され、それらが記憶部16に格納されると、画像形成装置10Aの履歴管理部34は、その格納の履歴を管理する。
画像形成装置10B〜10Dのそれぞれの記憶部16にも、自身の画像形成装置10に格納された画像データの画像識別情報と、その画像データが自身の画像形成装置10に格納された日時を示す情報と、その画像データを自身の画像形成装置10に格納したユーザのユーザ識別情報と、を対応付けて示す格納履歴情報が記憶されている。個々の画像形成装置10の格納履歴情報は、個々の画像形成装置10の履歴管理部34によって作成される。
図6には、画像形成装置10Aにおける画像データの格納回数が示されている。この格納回数は、画像形成装置10Aに画像データが格納された回数であり、ユーザ毎の格納回数である。画像形成装置10Aの履歴管理部34は、図5に示されている格納履歴情報を参照して、ユーザ毎の格納回数をカウントする。例えば、ユーザID「user001」には格納回数「10」が対応付けられている。これは、ユーザIDが「user001」であるユーザによって、画像形成装置10Aに対して画像データが10回、格納されていることを示している。また、ユーザID「user002」には格納回数「8回」が対応付けられている。これは、ユーザIDが「user002」であるユーザによって、画像形成装置10Aに対して画像データが8回、格納されていることを示している。他の格納回数についても同様である。この格納回数を示す情報は画像形成装置10Aの記憶部16に記憶される。画像形成装置10B〜10Dのそれぞれにおいても、ユーザ毎の格納回数がカウントされ、その格納回数を示す情報が自身の記憶部16に記憶される。このように、各画像形成装置10の履歴管理部34は、自身の画像形成装置10に対する画像データの格納回数をユーザ毎にカウントしている。
なお、履歴管理部34は、図5に示されているような格納履歴情報を作成せずに、ユーザ毎の格納回数をカウントしてもよい。
各画像形成装置10におけるユーザ毎の格納回数を示す情報は、他の画像形成装置10よって共有される。例えば、各画像形成装置10の通信部14は、自身の画像形成装置10に対するユーザ毎の格納回数を示す情報を、他の画像形成装置10に送信する。そして、各画像形成装置10の履歴管理部34は、各画像形成装置10に対するユーザ毎の格納回数を示す情報を作成する。具体的には、画像形成装置10Aの通信部14は、画像形成装置10Aに対するユーザ毎の格納回数を示す情報を、画像形成装置10B〜10Dに送信する。画像形成装置10B〜10Dについても同様である。そして、画像形成装置10Aの履歴管理部34は、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれに対するユーザ毎の格納回数を示す情報を作成する。画像形成装置10B〜10Dについても同様である。履歴管理部34は、各画像形成装置10に対するユーザ毎の格納回数に基づいて、各画像形成装置10に対するユーザ毎のアクセスの優先順位を決定し、優先度情報22を作成する。
ここで、図7及び図8を参照して、格納回数の具体例について説明する。図7に示すように、端末装置40から画像形成装置10A〜10Dに画像データが送信されたものとする。ユーザIDは「user001」である。この例では、画像形成装置10Aへの格納回数は10回であり、画像形成装置10Bへの格納回数は8回であり、画像形成装置10Cへの格納回数は6回であり、画像形成装置10Dへの格納回数は4回である。
この場合、画像形成装置10Aの履歴管理部34によって、ユーザIDが「user001」であるユーザについての格納回数がカウントされる。その格納回数(10回)を示す情報は、ユーザID「user001」に対応付けられて画像形成装置10Aの記憶部16に記憶される。画像形成装置10B〜10Dについても同様である。画像形成装置10Bの履歴管理部34によって格納回数(8回)がカウントされ、格納回数(8回)を示す情報が、ユーザID「user001」に対応付けられて画像形成装置10Bの記憶部16に記憶される。また、画像形成装置10Cの履歴管理部34によって格納回数(6回)がカウントされ、格納回数(6回)を示す情報が、ユーザID「user001」に対応付けられて画像形成装置10Cの記憶部16に記憶される。また、画像形成装置10Dの履歴管理部34によって格納回数(4回)がカウントされ、格納回数(4回)を示す情報が、ユーザID「user001」に対応付けられて画像形成装置10Dの記憶部16に記憶される。
図8には、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれに対する格納回数が示されている。この格納回数は、ユーザIDが「user001」であるユーザによる格納の回数である。個別格納回数情報60Aは、画像形成装置10Aに対する格納回数を示している。個別格納回数情報60Bは、画像形成装置10Bに対する格納回数を示している。個別格納回数情報60Cは、画像形成装置10Cに対する格納回数を示している。個別格納回数情報60Dは、画像形成装置10Dに対する格納回数を示している。
個別格納回数情報60A〜60Dは、画像形成装置10A〜10Dによって共有される。例えば、画像形成装置10Aの通信部14は、個別格納回数情報60Aを画像形成装置10B〜10Dに送信する。画像形成装置10Bの通信部14は、個別格納回数情報60Bを画像形成装置10A,10C,10Dに送信する。画像形成装置10Cの通信部14は、個別格納回数情報60Cを画像形成装置10A,10B,10Dに送信する。画像形成装置10Dの通信部14は、個別格納回数情報60Dを画像形成装置10A〜10Cに送信する。そして、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれの履歴管理部34は、個別格納回数情報60A〜60Dを統合することにより、全体格納回数情報62を作成する。全体格納回数情報62は、ユーザIDが「user001」であるユーザによって、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれに対して画像データが格納された回数を示している。この全体格納回数情報62は、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれの記憶部16に記憶される。また、他のユーザについての全体格納回数情報も、全体格納回数情報62と同様に作成されて、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれの記憶部16に記憶される。これにより、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれの記憶部16には、ユーザ毎の全体格納回数情報が記憶されることになる。なお、画像形成装置10A〜10Dのいずれか1つが、個別格納回数情報60A〜60Dを統合することにより全体格納回数情報62を作成し、その全体格納回数情報62を他の画像形成装置10に送信してもよい。
履歴管理部34は、全体格納回数情報62に基づいて、ユーザIDが「user001」であるユーザについての優先順位を決定する。この優先順位を示す情報が、優先度情報22である。
図9には、格納回数に基づいて決定された優先順位が示されている。図9に示されている優先度情報22は、ユーザIDが「user001」であるユーザ用の優先度情報である。例えば、格納回数が多い画像形成装置10ほど、優先順位が高く設定されている。図9に示す例では、画像形成装置10Aの優先順位が1番であり、画像形成装置10Bの優先順位が2番であり、画像形成装置10Cの優先順位が3番であり、画像形成装置10Dの優先順位が4番である。この優先順位は、ユーザIDが「use001」であるユーザ用の優先順位であり、画像形成装置10A〜10Dにおいて共通の優先順位として使用される。画像データを取得する場合に、ユーザID「user001」が画像形成装置10に入力されると、取得部30は、この優先順位に従って順番に画像形成装置10にアクセスすることになる。
他のユーザについても、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれに対する格納回数がカウントされ、その格納回数に基づいて優先順位が決定されて優先度情報が作成される。各ユーザの優先度情報は、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれの記憶部16に記憶される。
各画像形成装置10の履歴管理部34は、画像データが格納される度に、格納履歴情報を更新し、格納回数をカウントし、そのカウントの結果に基づいて優先順位を更新する。
(取得履歴情報の具体例)
次に、図10を参照して、取得履歴情報の具体例について説明する。図10に示されている取得履歴情報は、画像形成装置10Aの記憶部16に記憶されている取得履歴情報である。この取得履歴情報には、画像形成装置10Aによって画像データが取得された画像形成装置10A〜10Dのデバイス識別情報と、その画像データが画像形成装置10Aによって取得された日時を示す情報と、画像形成装置10Aを利用して画像データを取得したユーザのユーザ識別情報(ユーザID)と、が含まれている。デバイス識別情報、日時及びユーザIDは対応付けられている。例えば、画像形成装置10Aにおいて、2014年7月14日10時00分に、ユーザIDが「user001」であるユーザによって、画像形成装置10Bから画像データが取得されている。取得履歴情報は、画像形成装置10Aの履歴管理部34によって作成される。画像形成装置10Aによって画像データが取得されると、画像形成装置10Aの履歴管理部34は、その取得の履歴を管理する。
画像形成装置10B〜10Dのそれぞれの記憶部16にも、自身の画像形成装置10によって画像データが取得された画像形成装置10のデバイス識別情報と、その画像データが自身の画像形成装置10によって取得された日時を示す情報と、自身の画像形成装置10を利用して画像データを取得したユーザのユーザ識別情報と、を対応付けて示す取得履歴情報が記憶されている。個々の画像形成装置10の取得履歴情報は、個々の画像形成装置10の履歴管理部34によって作成される。
ここで、図11を参照して、取得回数の具体例について説明する。図11に示すように、例えば、画像形成装置10Aが画像データを取得するものとする。ユーザIDは「user001」であるとする。この例では、自身の画像形成装置10Aからの取得回数が4回であり、画像形成装置10Bからの取得回数が6回であり、画像形成装置10Cからの取得回数が8回であり、画像形成装置10Dからの取得回数が10回である。
この場合、画像形成装置10Aの履歴管理部34によって、ユーザIDが「user001」であるユーザについての取得回数がカウントされる。画像形成装置10A〜10Dのそれぞれからの取得回数を示す情報は、ユーザID「user001」に対応付けられて画像形成装置10Aの記憶部16に記憶される。
図12には、画像形成装置10Aによる画像データの取得回数が示されている。この取得回数は、ユーザIDが「user001」であるユーザによる取得の回数である。画像形成装置10Aの履歴管理部34は、図10に示されている取得履歴情報を参照して、ユーザ毎の取得回数をカウントする。例えば、デバイスAには取得回数「4回」が対応付けられている。これは、画像形成装置10Aが、自身の画像形成装置10Aから画像データを4回、取得したことを示している。また、デバイスBには取得回数「6回」が対応付けられている。これは、画像形成装置10Aが、画像形成装置10Bから画像データを6回、取得したことを示している。他の取得回数についても同様である。この取得回数を示す情報は画像形成装置10Aの記憶部16に記憶される。他のユーザについての取得回数を示す情報も、画像形成装置10Aの記憶部16に記憶される。画像形成装置10B〜10Dのそれぞれにおいても、ユーザ毎の取得回数がカウントされ、その取得回数を示す情報が自身の記憶部16に記憶される。このように、各画像形成装置10の履歴管理部34は、自身の画像形成装置10による画像データの取得回数を、ユーザ毎にカウントしている。
なお、履歴管理部34は、図10に示されているような取得履歴情報を作成せずに、ユーザ毎の取得回数をカウントしてもよい。
履歴管理部34は、ユーザ毎の取得回数に基づいて、ユーザ毎の優先順位を決定する。この優先順位を示す情報が、優先度情報22である。
図13には、取得回数に基づいて決定された優先順位が示されている。図13に示されている優先度情報22は、画像形成装置10Aにおける優先度情報であって、ユーザIDが「user001」であるユーザ用の優先度情報である。例えば、取得回数が多い画像形成装置ほど、優先順位が高く設定されている。図13に示す例では、画像形成装置10Dの優先順位が1番であり、画像形成装置10Cの優先順位が2番であり、画像形成装置10Bの優先順位が3番であり、画像形成装置10Aの優先順位が4番である。この優先順位は、ユーザIDが「use001」であるユーザ用の優先順位であり、画像形成装置10A専用の優先順位として使用される。画像データを取得する場合に、ユーザID「user001」が画像形成装置10Aに入力されると、画像形成装置10Aの取得部30は、この優先順位に従って順番に画像形成装置10にアクセスすることになる。
他のユーザについても、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれからの取得回数がカウントされ、その取得回数に基づいて優先順位が決定されて優先度情報が作成される。各ユーザの優先度情報は、画像形成装置10Aの記憶部16に記憶される。
画像形成装置10B〜10Dについても画像形成装置10Aと同様である。画像形成装置10B〜10Dのそれぞれにおいて、ユーザ毎の取得回数がカウントされる。そして、画像形成装置10B〜10Dのそれぞれに対する専用の優先度情報がユーザ毎に作成され、自身の記憶部16に記憶される。
なお、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれにおけるユーザ毎の取得回数は、画像形成装置10A〜10Dによって共有されてもよい。図14を参照して、この処理について説明する。図14には、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれにおける取得回数が示されている。この取得回数は、ユーザIDが「user001」であるユーザによる取得の回数である。個別取得回数情報70Aは、画像形成装置10Aによる取得回数を示している。ここでは、個別取得回数情報70Aが示す取得回数は、図12に示されている取得回数と同じである。個別取得回数情報70Bは、画像形成装置10Bによる取得回数を示している。個別取得回数情報70Cは、画像形成装置10Cによる取得回数を示している。個別取得回数情報70Dは、画像形成装置10Dによる取得回数を示している。
個別取得回数情報70A〜70Dは、画像形成装置10A〜10Dによって共有される。例えば、画像形成装置10Aの通信部14は、個別取得回数情報70Aを画像形成装置10B〜10Dに送信する。画像形成装置10Bの通信部14は、個別取得回数情報70Bを画像形成装置10A,10C,10Dに送信する。画像形成装置10Cの通信部14は、個別取得回数情報70Cを画像形成装置10A,10B,10Dに送信する。画像形成装置10Dの通信部14は、個別取得回数情報70Dを画像形成装置10A〜10Cに送信する。そして、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれの履歴管理部34は、個別取得回数情報70A〜70Dを統合することにより、全体取得回数情報72を作成する。具体的には、履歴管理部34は、画像形成装置10毎に取得回数を合計する。全体取得回数情報72は、ユーザIDが「user001」であるユーザによって、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれから画像データが取得された総数(合計数)を示している。この全体取得回数情報72は、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれの記憶部16に記憶される。また、他のユーザについての全体取得回数情報も、全体取得回数情報72と同様に作成されて、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれの記憶部16に記憶される。これにより、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれの記憶部16には、ユーザ毎の全体取得回数情報が記憶されることになる。なお、画像形成装置10A〜10Dのいずれか1つが、個別取得回数情報70A〜70Dを統合することにより全体取得回数情報72を作成し、その全体取得回数情報72を他の画像形成装置10に送信してもよい。
履歴管理部34は、全体取得回数情報72に基づいて、ユーザIDが「user001」であるユーザについての優先順位を決定する。図14に示す例では、画像形成装置10Aからの取得総数が19回であり、画像形成装置10Bからの取得総数が14回であり、画像形成装置10Cからの取得総数が21回であり、画像形成装置10Dからの取得総数が27回である。従って、画像形成装置10Dの優先順位が1番であり、画像形成装置10Cの優先順位が2番であり、画像形成装置10Aの優先順位が3番であり、画像形成装置10Bの優先順位が4番である。全体取得回数情報72に基づいて決定された優先順位は、ユーザIDが「user001」であるユーザ用の優先順位であり、画像形成装置10A〜10Dにおいて共通の優先順位として使用される。画像データを取得する場合に、ユーザID「user001」が画像形成装置10に入力されると、取得部30は、その優先順位に従って順番に画像形成装置10にアクセスすることになる。
他のユーザについても同様である。全体取得回数情報はユーザ毎に作成され、その全体取得回数情報に基づく優先順位がユーザ毎に決定される。各ユーザの優先度情報は、画像形成装置10A〜10Dのそれぞれの記憶部16に記憶される。
各画像形成装置10の履歴管理部34は、画像データが取得される度に、取得履歴情報を更新し、取得回数をカウントし、そのカウントの結果に基づいて優先順位を更新する。
なお、本実施形態では、取得回数及び格納回数のうちの少なくとも一方がカウントされる。両方がカウントされた場合、取得回数に基づいて優先順位を決定してもよいし、格納回数に基づいて優先順位を決定してもよい。
次に、画像形成装置10の処理について、具体例を挙げて説明する。ここでは、既に、端末装置40から画像形成装置10に画像データが送信され、画像形成装置10に画像データが格納されているものとする。
図15には、各画像形成装置10に格納されている画像データの一覧が示されている。例えば、画像データを送信したユーザのユーザIDが「user001」であるとする。また、ユーザID「user001」が対応付けられた画像データD1〜D9が、画像形成装置10に格納されているものとする。例えば、画像形成装置10Aには画像データD5が格納されている。画像形成装置10Bには画像データD6,D7が格納されている。画像形成装置10Cには画像データD8,D9が格納されている。画像形成装置10Dには画像データD1〜D4が格納されている。
図16には、優先順位が示されている。この優先順位は、格納回数情報に基づいて決定された順位であってもよいし、取得回数情報に基づいて決定された順位であってもよい。もちろん、ユーザによって優先順位が決定されてもよい。一例として、この優先順位は、画像形成装置10Aを利用した場合の優先順位であり、ユーザIDが「user001」であるユーザ用の優先順位である。そのユーザが画像形成装置10Aを利用する場合に、この優先順位に従ったアクセスがなされる。
(実施例1)
図17に示されているフローチャートを参照して、実施例1について説明する。ここでは、ユーザが、画像形成装置10Aを利用して画像データを印刷するものとする。まず、ユーザ認証が実行される(S01)。そのために、ユーザは、UI部24の操作部又はカード読取部26を利用して、ユーザ識別情報及び暗証情報を画像形成装置10Aに入力する。これらの情報が入力されると、画像形成装置10Aでは、制御部28が、入力されたユーザ識別情報及び暗証情報と、記憶部16に記憶されている認証情報に含まれるユーザ識別情報及び暗証情報と、を照合する。それらの情報が一致すれば、認証が成功し、一致しなければ、認証は失敗である。認証が失敗すると、処理は終了する。認証が成功すると、処理はステップS02に移行する。なお、認証処理は、認証サーバによって実行されてもよい。この場合、認証情報は認証サーバに記憶される。画像形成装置10Aにおいてユーザ識別情報及び暗証情報が入力されると、それらの情報は認証サーバに送信される。認証サーバは、認証処理を行って認証結果を画像形成装置10Aに送信する。
認証が成功した後、ユーザは、目的のアプリケーションを起動させる(S02)。ここでは、画像形成装置10A〜10Dに格納されている画像データを印刷するためのアプリケーションが起動される。
そして、画像形成装置10Aの制御部28は、記憶部16に記憶されているデバイスリスト18を取得する(S03)。また、制御部28は、記憶部16に記憶されている優先度情報22を取得する(S04)。ここでは、図16に示されている優先度情報が取得されたものとする。制御部28は、その優先度情報が示す優先順位に従って、アクセスの順序を決定する(S05)。図16に示す例では、画像形成装置10Dの順序が1番であり、画像形成装置10Aの順序が2番であり、画像形成装置10Bの順序が3番であり、画像形成装置10Cの順序が4番である。
画像形成装置10Aの取得部30は、制御部28の制御の下、アクセスの順序(優先順位)に従って画像形成装置10にアクセスし、画像データの関連情報を取得する(S06)。取得部30によって関連情報が取得されると、画像形成装置10Aの表示制御部32は、取得された関連情報をUI部24の表示部に表示させる(S07)。なお、ユーザがUI部24の操作部を利用して取得指示を与えた後に、取得部30による取得が実行されてもよい。
ステップS06,S07の処理について具体例を挙げて説明する。画像形成装置10Dの順序が1番であるため、画像形成装置10Aの取得部30は、画像形成装置10Dにアクセスする。画像形成装置10Dに、ユーザID「user001」が対応付けられた画像データが格納されている場合、取得部30は、その画像データの関連情報を画像形成装置10Dから取得する(S06)。図15に示す例では、画像形成装置10Dに画像データD1〜D4が格納されているため、画像形成装置10Aの取得部30は、画像データD1〜D4のそれぞれの関連情報を取得する。そして、画像形成装置10Aの表示制御部32は、画像データD1〜D4のそれぞれの関連情報をUI部24の表示部に表示させる(S07)。このように、表示制御部32は、関連情報が検索されて取得され次第、その関連情報を表示部に表示させる。
図18には、その表示例が示されている。表示部の画面80には、画像データD1〜D4の関連情報が一覧(リスト)になって表示されている。具体的には、ユーザID、画像識別情報及び作成日時が表示されている。例えば、表示制御部32は、作成日時に従って時系列順に関連情報を表示部に表示させる。図18に示す例では、作成日時の新しい画像データの関連情報が、画面80の上部に表示され、作成日時の古い情報ほど画面80の下部に表示されている。表示の順序は、その逆であってもよい。
この段階で、ユーザが、UI部24の操作部を利用して、表示部に表示されている関連情報の一覧の中から印刷対象の画像データを選択すると(S09)、画像形成装置10Aの取得部30は、選択された画像データを取得する(S10)。例えば、図18に示されている一覧の中から画像データD1が選択された場合、取得部30は、画像形成装置10Dにアクセスし、画像形成装置10Dから画像データD1を取得する。そして、ユーザが印刷を指示すると、画像形成装置10Aの画像形成部12は、画像データD1に応じた画像を用紙に形成する(S11)。例えば、画面80にはプリントボタン82が設けられており、そのプリントボタン82がユーザによって押下されることにより、印刷指示がなされる。なお、プリントボタン82が押下された段階で、取得部30が画像データD1を取得して、続けて、画像形成部12が画像データD1に応じた画像を用紙に形成してもよい。
そして、取得部30が、全画像形成装置10(画像形成装置10A〜10D)に対してアクセスすると(S08,Yes)、関連情報の取得処理は完了し、処理はステップS09に移行する。この場合、上記のステップS09〜S11の処理がなされる。
一方、全画像形成装置10へのアクセスが終了していない場合(S08,No)、関連情報の取得処理は完了しておらず、処理はステップS06に戻る。この場合、取得部30は、次の順位の画像形成装置10にアクセスする。図16に示す例では、画像形成装置10Aの順序が2番目であるため、画像形成装置10Aの取得部30は、自身の画像形成装置10Aの記憶部16にアクセスする。その記憶部16に、ユーザID「user001」が対応付けられた画像データが格納されている場合、取得部30は、その画像データの関連情報を画像形成装置10Aの記憶部16から取得する(S06)。図15に示す例では、画像形成装置10Aには画像データD5が格納されているため、画像形成装置10Aの取得部30は、画像データD5の関連情報を取得する。そして、画像形成装置10Aの表示制御部32は、画像データD5の関連情報をUI部24の表示部に表示させる(S07)。
表示制御部32は、関連情報が新たに取得される度に、表示部に表示されている情報を更新する。具体的には、表示制御部32は、既に取得されている関連情報と新たに取得された関連情報とを統合し、統合された情報を、画像データの作成日時に従って時系列順に並び変えて表示部に表示させる。
図19には、更新後の表示例が示されている。表示部の画面80には、既に取得されている画像データD1〜D4の関連情報と新たに取得された画像データD5の関連情報とが、一覧になって表示されている。この場合において、画像データD1〜D5の関連情報は、画像データの作成日時に従って時系列順に表示される。ここで、画像データD5の作成日時が、画像データD2,D3の作成日時の間の日時であるとする。この場合、符号84で示すように、後から取得された画像データD5の関連情報が、画像データD2,D3の関連情報の間に表示されることになる。この段階で、印刷対象の画像データがユーザによって指定されると、取得部30は、選択された画像データを取得し、画像形成部12は、その画像データに応じた画像を用紙に形成する。
なお、関連情報は、取得部30によって取得された順番、画像データの名前の順番、又は、画像データの格納日時の順番で、表示部に表示されてもよい。また、ユーザがUI部24の操作部を利用することにより、関連情報の並び順を任意に変更してもよい。
全画像形成装置10へのアクセスが終了していない場合(S08,No)、処理はステップS06に戻る。この場合、取得部30は、優先順位に従って順番に画像形成装置10にアクセスする。図16に示す例では、取得部30は、画像形成装置10B,10Cの順番でアクセスする。そして、表示制御部32は、関連情報が新たに取得される度に、表示部に表示されている情報を更新する。
全画像形成装置10へのアクセスが終了すると(S08,Yes)、処理はステップS09に移行し、上記のステップS09〜S11の処理がなされる。
以上のように、実施例1では、取得部30は、優先順位に従って順番に画像形成装置10にアクセスして関連情報を取得する。優先順位に従って画像形成装置10にアクセスすることにより、画像データが格納されている可能性が相対的に高い画像形成装置10から順番にアクセスすることになる。これにより、画像データが格納されている可能性が相対的に高い画像形成装置10から優先的に関連情報が取得される。また、表示制御部32は、関連情報が取得され次第、その関連情報を表示部に表示させ、表示部に表示されている情報を更新する。従って、実施例1によると、画像形成装置10A〜10Dの全部にアクセスして関連情報を取得した後に、取得された関連情報を表示する場合と比べて、より早い段階で、目的の画像データ(例えば印刷対象の画像データ)の関連情報が取得されて表示されることになる。すなわち、アプリケーションを起動してから目的の画像データの関連情報が表示されるまでに要する時間、つまり、当該関連情報が表示されるまでの待ち時間が、短縮される。例えば、ユーザ毎の優先順位に従って画像形成装置10にアクセスすることにより、そのユーザが使用し得る画像データの関連情報が、より早い段階で取得されて表示される。なお、以下の説明では、画像形成装置10A〜10Dの全部にアクセスして関連情報を取得した後に、取得された関連情報を表示する処理のことを、「比較例に係る処理」と称することとする。
例えば、格納回数に基づく優先順位を用いる場合、過去において実際に画像データが格納された回数が多い画像形成装置10から優先的にアクセスされる。従って、画像データが格納されている可能性が相対的に高い画像形成装置10から優先的にアクセスされることになる。これにより、比較例に係る処理と比べて、より早い段階で、目的の画像データが検索され、その画像データの関連情報が取得されて表示される。
また、取得回数に基づく優先順位を用いる場合、過去において実際に画像データが取得された回数が多い画像形成装置10から優先的にアクセスされる。従って、画像データが格納されている可能性が相対的に高い画像形成装置10から優先的にアクセスされることになる。これにより、比較例に係る処理と比べて、より早い段階で、目的の画像データが検索され、その画像データの関連情報が取得されて表示される。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。上記の実施例1では、優先順位に従って自動的に画像形成装置10にアクセスし、新たな関連情報が見つかり次第、その関連情報が表示部に順次表示され、表示部に表示されている情報が自動的に更新される。すなわち、関連情報の取得及び表示の更新が、自動的に実行される。この場合、図19に示されているように、新たな関連情報が取得されると、画像データの作成日時によっては、その新たな関連情報が、既に取得されている複数の関連情報の間に表示されることがある。その結果、既に取得されている関連情報の並び順がずれることになる。これにより、以下に説明する状況が生じ得る。
例えば、図18に示されているように、画像形成装置10Dから取得された関連情報(画像データD1〜D4の関連情報)が表示されている段階で、ユーザが画像データ(例えば画像データD2)を選択しようとしている場面を想定する。この場合、その選択のタイミングと次の優先順位の画像形成装置10Aへのアクセスのタイミングとによっては、ユーザが画像データを選択する前に、画像形成装置10Aから関連情報が取得されることがある。この場合、図19に示されているように、表示内容が更新され、ユーザが選択しようとしている画像データD2の表示位置が下方にずれる。このように表示位置がずれるため、ユーザにとって画像データの選択がやり難くなる。例えば、UI部24の表示部がタッチパネルで構成されている場合には、タッチパネル上で押下する位置が変わるため、その選択がやり難くなる。また、選択の直前に表示が更新された場合、ユーザの意図しない画像データが誤って選択されることもあり得る。
上記の状況に対処するために、実施例2では、関連情報の取得及び表示の更新を自動的に実行せずに、ユーザの指示に応じて、関連情報の取得及び表示の更新を実行する。以下、図20に示されているフローチャートを参照して、実施例2の処理について説明する。
一例として、ユーザが、画像形成装置10Aを利用して画像データをプリントするものとする。ステップS20〜S25の処理は、上記のステップS01〜S06の処理と同じである。まず、ユーザ認証が実行される(S20)。認証が失敗すると、処理は終了する。認証が成功した場合、ユーザは、目的のアプリケーションを起動させる(S21)。ここでは、画像形成装置10A〜10Dに格納されている画像データを印刷するためのアプリケーションが起動される。そして、画像形成装置10Aの制御部28は、デバイスリスト18を取得し(S22)、優先度情報22を取得する(S23)。ここでは、図16に示されている優先度情報が取得されたものとする。制御部28は、この優先度情報が示す優先順位に従って、アクセスの順序を決定する(S24)。
画像形成装置10Aの取得部30は、制御部28の制御の下、アクセスの順序(優先順位)に従って画像形成装置10にアクセスし、画像データの関連情報を取得する(S25)。画像形成装置10Dの順序が1番であるため、画像形成装置10Aの取得部30は、画像形成装置10Dにアクセスする。画像形成装置10Dに、ユーザID「user001」が対応付けられた画像データが格納されている場合、取得部30は、その画像データの関連情報を画像形成装置10Dから取得する(S25)。図15に示す例では、画像形成装置10Dには画像データD1〜D4が格納されているため、画像形成装置10Aの取得部30は、画像データD1〜D4のそれぞれの関連情報を取得する。その取得処理が完了していない場合(S26,No)、画像データD1〜D4のそれぞれの関連情報の取得が完了するまで、ステップS25の処理が実行される。
そして、画像形成装置10Dからの関連情報の取得処理が完了すると(S26,Yes)、表示制御部32は、画像データD1〜D4のそれぞれの関連情報をUI部24の表示部に表示させる(S27)。図21には、その表示例が示されている。表示部の画面80には、画像データD1〜D4の関連情報が一覧(リスト)になって表示されている。例えば、表示制御部32は、作成日時に従って時系列順に関連情報を表示部に表示させる。図21に示す例では、作成日時が新しい画像データの関連情報が、画面80の上部に表示され、作成日時が古い情報ほど画面80の下部に表示されている。表示の順序は、その逆であってもよい。
この段階で、ユーザが、UI部24の操作部を利用して、印刷対象の画像データを選択すると(S29)、画像形成装置10Aの取得部30は、選択された画像データを取得し(S30)、画像形成装置10Aの画像形成部12は、取得された画像データに応じた画像を用紙に形成する。例えば、ユーザによってプリントボタン82が押下されることにより、印刷指示がなされる。
実施例2においては、関連情報の取得継続の指示がユーザによって与えられると、次の順位の画像形成装置10へのアクセスが実行される。例えば、図21に示すように、画面80には、取得継続を指示するためのボタン86(「更に検索」ボタン)が設けられている。このボタン86を押下することにより、関連情報の取得処理が継続される。
取得継続の指示がユーザによって与えられない場合(S28,No)、例えば、ボタン86がユーザによって押下されない場合、取得済みの関連情報の一覧が表示部に表示され、表示の更新はなされない。例えば、図21に示すように、優先順位が1番目の画像形成装置10Dから取得された関連情報が、継続して表示部の画面80に表示される。そして、ユーザによって印刷対象の画像データが選択されると、画像データが取得され、その画像データに応じた画像が用紙に形成される。
一方、取得継続の指示がユーザによって与えられた場合(S28,Yes)、例えば、ボタン86がユーザによって押下された場合、処理はステップS25に戻る。画像形成装置10Aの取得部30は、次の順位の画像形成装置10にアクセスする。図16に示す例では、画像形成装置10Aの順序が2番であるため、画像形成装置10Aの取得部30は、自身の画像形成装置10Aの記憶部16にアクセスする。その記憶部16に、ユーザID「user001」が対応付けられた画像データが格納されている場合、取得部30は、その画像データの関連情報を画像形成装置10Aの記憶部16から取得する(S25)。図15に示す例では、画像形成装置10Aには画像データD5が格納されているため、画像形成装置10Aの取得部30は、画像データD5の関連情報を取得する。
そして、画像形成装置10Aの記憶部16からの関連情報の取得処理が完了すると(S26,Yes)、表示制御部32は、画像データD5の関連情報をUI部24の表示部に表示させる(S27)。このとき、表示制御部32は、既に取得されている画像データD1〜D4のそれぞれの関連情報と新たに取得された画像データD5の関連情報とを統合し、統合された情報を、画像データの作成日時に従って時系列順に並び変えて表示部に表示させる。これにより、表示部に表示されている情報が更新される。
図22には、更新後の表示例が示されている。図19に示す例(実施例1)と同様に、符号84で示すように、後から取得された画像データD5の関連情報が、画像データD2,D3の関連情報の間に表示される。この段階で、印刷対象の画像データがユーザによって指定されると、取得部30は、選択された画像データを取得し、画像形成部12は、その画像データに応じた画像を用紙に形成する。
取得継続の指示がユーザによって与えられない場合(S28,No)、取得済みの関連情報の一覧が表示部に表示され、表示の更新はなされない。例えば、図22に示すように、優先順位が1番目の画像形成装置10D及び2番目の画像形成装置10Aから取得された関連情報が、継続して表示部の画面80に表示される。
取得継続の指示がユーザによって与えられた場合(S28,Yes)、例えば、ボタン86がユーザによって押下された場合、処理はステップS25に戻る。この場合、画像形成装置10Aの取得部30は、次の順位の画像形成装置10にアクセスする。図16に示す例では、取得部30は、画像形成装置10Bにアクセスする。画像形成装置10Bから関連情報が取得されると、表示部に表示されている情報が更新される。
以降についても同様であり、取得継続の指示がユーザによって与えられると、新たな関連情報が取得され、表示部に表示されている情報が更新される。
なお、実施例1と同様に、関連情報は、取得部30によって取得された順番、画像データの名前の順番、又は、画像データの格納日時の順番で、表示部に表示されてもよい。また、ユーザがUI部24の操作部を操作することにより、関連情報の並び順を任意に変更してもよい。
以上のように、実施例2では、取得継続の指示がユーザによって与えられた場合に、新たな関連情報が取得され、表示部に表示されている関連情報の一覧が更新される。つまり、取得継続の指示がユーザによって与えられない限り、関連情報の一覧は更新されず、関連情報の並び順のずれは発生しない。これにより、ユーザの意図しないところで発生する並び順のずれが防止される。
なお、上記の実施例2では、取得継続の指示がユーザによって与えられた場合に、取得部30が、優先順位に従って画像形成装置10にアクセスして関連情報を取得している。別の例として、取得継続の指示がユーザによって与えられていなくも、取得部30は、優先順位に従って画像形成装置10にアクセスして関連情報を取得してもよい。この場合、取得継続の指示がユーザによって与えられると、表示制御部32は、既に取得されている関連情報と新たに取得された関連情報とを統合し、総合された情報を表示部に表示させる。つまり、取得継続の指示がユーザによって与えられなくても、取得部30は、関連情報の取得処理をバックグラウンドで実行する。そして、取得継続の指示が与えられた段階で、表示制御部32は、表示部に表示されている関連情報の一覧を更新する。この場合であっても、ユーザの意図しないところで発生する並び順のずれが防止される。
上記の実施例1,2では、取得部30は、1台ずつ画像形成装置10にアクセスしているが、これは一例に過ぎない。取得部30は、優先順位に従って、複数台ずつ画像形成装置10にアクセスしてもよい。例えば、2台ずつアクセスする場合、取得部30は、優先順位が1番目の画像形成装置10と2番目の画像形成装置10とにアクセスし、2台の画像形成装置10から関連情報を取得する。表示制御部32は、2台分の関連情報を表示部に表示させる。次に、取得部30は、優先順位が3番目の画像形成装置10と4番目の画像形成装置10とにアクセスし、2台の画像形成装置10から関連情報を取得する。表示制御部32は、1番目〜4番目の画像形成装置10から取得された関連情報を統合し、統合された関連情報を表示部に表示させる。
なお、取得部30が他の画像形成装置10にアクセスした場合において、通信にタイムアウト等が生じることにより、そのアクセスが成功しないことがある。この場合、そのアクセスが成功しなかった他の画像形成装置10の優先順位を下げてもよい。例えば、取得部30が他の画像形成装置10にデータの要求を送った場合において、予め決定された時間が経過しても、当該画像形成装置10から応答が返ってこないときには、当該画像形成装置10の優先順位を下げる。このような画像形成装置10は、電源がオフになっている、通信障害が発生している、又は、通信経路Nから一時的に外されていること等が想定される。この場合、その画像形成装置10にアクセスしても、関連情報や画像データを取得し得ない。従って、各画像形成装置10の制御部28は、アクセスが成功しなかった他の画像形成装置10の優先順位を下げる。例えば、優先順位を1つ下げてもよいし、複数下げてもよい。
上記の実施形態では、取得部30は、関連情報を先行して取得し、その後、ユーザによって選択された画像データを取得している。これとは別の例として、取得部30は、関連情報の先行取得を行わずに画像データを取得してもよい。この場合、表示制御部32は、取得された画像データの関連情報をUI部24の表示部に表示させる。ユーザが画像データを選択すると、画像形成部12は、選択された画像データに応じた画像を用紙に形成する。なお、画像データ自体のデータ量は、関連情報のデータ量よりも大きいのが一般的である。従って、ユーザ選択の有無に関わらず画像データ自体を取得するよりも、関連情報を一旦取得した上で、ユーザの選択に従って画像データを取得した方が、データ転送に要する総時間が短くて済む。
なお、優先度情報22は、各画像形成装置10に記憶されずに、認証サーバ等のサーバに記憶されていてもよい。この場合、制御部28は、サーバに記憶されている優先度情報22を参照することにより、アクセスの順序を決定し、取得部30は、その順序に従って画像形成装置10にアクセスする。
上述した画像形成装置10は、一例としてハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、画像形成装置10は、図示しないCPU等のプロセッサを備えている。当該プロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、画像形成装置10の各部の機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記憶媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。または、画像形成装置10の各部は、例えばプロセッサや電子回路等のハードウェア資源により実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。
また、上述した端末装置40は、一例としてハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、端末装置40は、図示しないCPU等のプロセッサを備えている。当該プロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、端末装置40の各部の機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。または、端末装置40の各部は、例えばプロセッサや電子回路等のハードウェア資源により実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。