JP2016063324A - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 撮影装置に対する撮影角度に依存することなく、画像に含まれる付加情報を精度良く読み取る。【解決手段】 付加情報を埋め込むための複数の量子化条件を保持する。画像を複数の埋込領域に区分し、処理対象の埋込領域に対応する画像の情報と処理対象の埋込領域の位置に基づいて、複数の量子化条件から量子化に使用する条件を選択する。【選択図】 図8
Description
本発明は、画像に付加情報を埋め込む画像処理技術に関するものである。
近年では、電子透かし技術と称し、写真、絵画等の画像情報中に、その著作者名や使用許可の可否等の付加情報を視覚的に判別しづらい様に多重化する技術が標準化されつつある。また、他の応用分野としては、複写機、プリンタ等の画像出力装置の高画質化に伴い、紙幣、印紙、有価証券等の不正な偽造を防止する目的で、紙上に出力された画像から出力機器、及び、その機体番号を特定するために、画像中に付加情報を埋め込む技術がある。
一方で、デジタル写真をページ内にレイアウトし、複数ページを製本することによって作成されるフォトブックが普及してきている。例えば、フォトブックを開いた時にノド部がフラットになる製本方法を選択した場合、図1(a)に示すような上製本の背の種類としてフレキシブルバック101(あるいはホローバック)が使用される。この製本方法で作成したフォトブックは、その背の部分が柔らかい素材でできているため、ページを見開きいっぱいに開くことができ、フォトブックを開いた時にはノド部103がフラットになる。一方、より一般的な製本方法を選択した場合、図1(b)に示すようなタイトバック102が使用される。この製本方法で作成したフォトブックは、その背の部分が固い素材でできているため、ページの開き方が制限されてしまい、フォトブックを開いた時にはノド部103に谷ができる。
フォトブックに使用される写真に対して電子透かし技術を使用して付加情報を埋め込みフォトブックを作成する場合、印刷された付加情報を読み取る方法として撮像デバイス(以下、カメラ)を使用する方法がある。フレキシブルバック101のようなノド部103に谷ができずフラットになる製本方法を使用した場合、カメラで撮影した画像から付加情報を読み取ることが可能である。しかしながら、タイトバック102のようなノド部103に谷ができる製本方法を使用する場合、ノド部103に近づくに従いカメラの撮影方向に対してフォトブックの撮影面の撮影角度がカメラに対して垂直でなくなる。一般的な電子透かしの技術は、画像に対して高周波成分の付加情報を埋め込み特定のパターンを組み合わせることで情報を多重化している。写真に埋め込まれた付加情報を撮影角度が垂直でない状態で撮影する場合、その付加情報の高周波成分が更に高周波になり、付加情報が読み取りづらくなってしまう。特許文献1では、湾曲歪みの大きな二次元コードを読み取る方法が開示されている。
特許文献1は、二次元コードで一直線上に配置されている少なくとも3個の機能セルを結ぶ線が直線から所定範囲内に有るか否かにより湾曲歪みの有無を判定して、その判定結果に応じて、二次元コードをデコードする(画像を補正する)ものである。
しかしながら、このような画像の歪みを判定して、付加情報の読取を制御する場合には、依然として、以下のような課題がある。
即ち、図1(c)に示すように、例えば、カメラ付携帯端末105の撮影方向106と撮影面107の撮影角度が垂直に対して所定の範囲で収まっている場合には、撮影画像を補正することが可能である。これに対し、撮影方向106と撮影面108の関係のように、撮影角度が所定の範囲を超えると、撮影面108の画像を全く読み取れなくなってしまい、撮影画像を補正することができず、結果として、付加情報を読み取ることができない。ここで、撮影方向106と撮影面108の撮影角度を垂直に戻すために、ノド部103を押し開くこともできるが、強く押し開くことでフォトブックを破壊してしまう恐れがある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、撮影装置に対する撮影角度に依存することなく、画像に含まれる付加情報を精度良く読み取ることができる技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明による画像処理装置は以下の構成を備える。即ち、
画像に付加情報を埋め込む画像処理装置であって、
前記付加情報を埋め込むための複数の量子化条件を保持する保持手段と、
前記画像を複数の埋込領域に区分し、処理対象の埋込領域に対応する前記画像の情報と前記処理対象の埋込領域の位置に基づいて、前記複数の量子化条件から量子化に使用する条件を選択する選択手段と
を備える。
画像に付加情報を埋め込む画像処理装置であって、
前記付加情報を埋め込むための複数の量子化条件を保持する保持手段と、
前記画像を複数の埋込領域に区分し、処理対象の埋込領域に対応する前記画像の情報と前記処理対象の埋込領域の位置に基づいて、前記複数の量子化条件から量子化に使用する条件を選択する選択手段と
を備える。
本発明によれば、撮影装置に対する撮影角度に依存することなく、画像に含まれる付加情報を精度良く読み取ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
尚、以下の実施形態における画像処理装置は、フォトブック情報を作成する作成装置、付加情報を印刷物に埋め込む多重化装置、その付加情報を印刷物から読み取る分離装置がある。多重化装置及び作成装置は、コンピュータ内のプリンタドライバやアプリケーションソフトウエアとして実現することができるが、複写機、ファクシミリ、プリンタ本体等の画像形成装置に、ハードウェア及びソフトウエアとして実現することもできる。分離装置として、カメラ付携帯端末、カメラ付スマートフォンやタブレットPC等の撮影装置を備える機器が挙げられる。もしくは、分離装置は、デジタルスチルカメラで撮影した画像をコンピュータ内のアプリケーションソフトウエアで付加情報を分離する一連の装置でもよい。コンピュータは、デスクトップ型のデバイスに留まらず、ノートPC、スマートフォン、タブレットPC等のソフトウエアが動作可能なデバイスであれば、どのようなものでも良い。
<<実施形態1>>
<作成装置>
図2は画像処理システムの構成を示すブロック図である。
<作成装置>
図2は画像処理システムの構成を示すブロック図である。
201は注文情報であり、フォトブックを作成するための情報が含まれる。注文情報201には、フォトブックを作成するために必要な画像情報や、フォトブックを配送するために必要な氏名や住所等の個人情報も含まれる。202はフォトブック情報を作成する作成装置である。作成装置202は、注文情報201に従ってフォトブックの写真選択やレイアウト選択等、フォトブックを作成するために必要なフォトブック情報を作成する。
203、204、205、206は作成装置202から出力される情報であり、フォトブックを印刷し、製本するための情報である。203は多階調の画像情報である。204は画像をページ内のどの位置に配置するかを示すレイアウト情報である。206はフォトブックの製本タイプを示す製本情報である。205は付加情報であり、画像情報203とは別の情報、例えば、音声情報や動画情報、テキスト文書情報、画像情報203に関する著作権、撮影日時、撮影場所、撮影者等の諸情報、また、全く別の画像情報等、様々な応用が考えられる。
207は多重化装置であり、視覚的に判別しづらいように、画像情報203中に付加情報205を埋め込む(多重化する)装置である。この多重化装置207は、付加情報205の多重化(重畳)とともに、入力した多階調の画像情報203の量子化も行う。
208はプリンタであり、多重化装置207で作成した情報をプリンタエンジンにて出力する。プリンタ208は、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ等、疑似階調処理を用いることにより階調表現を実現するプリンタを想定する。また、プリンタ208は製本処理も含み、印刷物は製本情報206に従って製本される。例えば、フラットタイプで製本された場合は図1(a)のように製本され、非フラットタイプで製本された場合は図1(b)のように製本される。製本方法については、特に記載しないが、一般的な手法を用いた製本方法であればどのようなものでも良い。
製本された印刷物は、カメラ付携帯端末105の撮像センサ209を用いて印刷物上の情報を読み取り、カメラ付携帯端末105の分離装置210によって、印刷物中に埋め込まれた付加情報を分離し、付加情報211として出力する。取得した付加情報211は、例えば、音声情報であればカメラ付携帯端末105のスピーカへ出力され、画像情報であればカメラ付携帯端末105の表示部へ出力される。また、付加情報211の出力先は、外部デバイスへデータを出力するインタフェースでも構わない。更に、図2では、分離装置210が、カメラ付携帯端末105に内蔵される構成としているが、カメラ付携帯端末105とは別装置として実現されていても良い。
図3は図2の作成装置202のハードウェア構成と機能構成を示すブロック図である。
図3(a)の表示部301は、その表示画面に、例えば、編集中の文書、図形、画像、その他の編集情報、ウインドウ、アイコン、メッセージ、メニュー、その他のユーザインタフェース情報を表示する。VRAM302には、表示部301に表示するための画像が描画される。このVRAM302に生成された画像データは、所定の規定に従って表示部301に転送されることにより、表示部301に画像が表示される。外部メディアドライブ303は、CD又はDVDに代表される記憶メディアに対する記録再生動作を行う。キーボード304は、文字入力や種々の操作を行うための各種キーを有する。ポインティングデバイス305は、例えば、表示部301の表示画面に表示されたアイコン、メニュー、その他のオブジェクトを指示し、操作するために使用される。
CPU306は、ROM307、HDD(ハードディスクドライブ)309及び外部メディアドライブ303に格納されたアプリケーションを含む制御プログラムに基づいて、CPUバス312を介してCPU306に接続された各種構成要素を制御する。ROM307は、各種の制御プログラムやデータを保持する。RAM308は、CPU306のワーク領域、エラー処理時のデータの退避領域、制御プログラムのロード領域等の各種記憶領域を有する。HDD309は、オペレーションシステム(OS)やアプリケーションを含む各種制御プログラム及び各種データを格納する。
ローカル通信インタフェース(ローカル通信I/F)310は、ローカル通信媒体を介して外部機器からのデータを送受信する際の制御を行う。ネットワークインタフェース(I/F)311は、他の情報処理装置やプリンタ等の外部装置とネットワーク313を介して接続し、通信を行う。CPUバス312は、アドレスバス、データバス及びコントロールバスを含む。尚、CPU306に対する制御プログラムの提供は、ROM307、HDD309、ローカル通信I/F310、外部メディアドライブ303から行うこともでき、更に、ネットワーク313を介して他の情報処理装置から行うこともできる。
作成装置202にはフォトブックを作成するためのアプリケーションが動作しており、OSが実行可能なデータとしてHDD309上に格納されている。ポインティングデバイス305やキーボード304によるユーザ操作を受け付けることで、そのアプリケーションが実行可能なデータをOSがRAM308へマップし、CPU306を用いて実行する。アプリケーションは、OS提供のAPI関数をコールすることによりVRAM302へユーザインタフェースを表示するための画像情報を展開する。そのユーザインタフェースに対するポインティングデバイス305やキーボード304によるユーザ操作を受け付けて、OSがアプリケーションへイベントを伝え、イベントを解釈し、操作に応じた処理を実行する。
図3(b)は作成装置202で動作するアプリケーションが実現する機能構成を示す機能ブロック図である。
データ制御部314は、画像情報203、付加情報205、フォトブック構成データ319、表紙用コンテンツデータ320、及び内部ページコンテンツデータ321を管理する。GUI制御部315は、フォトブックを作成するためのGUIを制御し、ユーザの操作を受け付ける操作部や編集内容を表示する表示部を提供する。デザイン制御部316は、フォトブックに使用されるデザイン情報(レイアウト、テンプレートデータ等)を管理及び制御する。デザイン制御部316は、レイアウト情報204、画像割付テーブル322、及び製本情報206を管理する。通信制御部317は、商品構成データ318を管理する。
画像情報203は、フォトブックを作成する時の画像データ選択工程でユーザによって選択されたフォトブックに含まれる画像データ群である。この画像情報203から選択された画像をフォトブック作成時の編集及びプレビュー工程で、フォトブックの各ページに割り当てることによりフォトブックが作成される。付加情報205は、フォトブックに印刷される画像に埋め込む付加情報データである。フォトブック作成時の付加情報データ選択工程でフォトブックに印刷される画像と紐付けされる。
フォトブック構成データ319は、作成中のフォトブックの基本構成情報として、フォトブックの商材、構成ページ数、表紙用コンテンツデータ320へのリンク及び内部ページコンテンツデータ321へのリンクを保持する。表紙用コンテンツデータ320は、データ制御部314により管理されているフォトブックの表紙、裏表紙、及び背表紙に割り振られる画像データと、その描画位置、フォトブックのタイトル、及び台紙に対する付加描画に関するデータを保持する。内部ページコンテンツデータ321は、フォトブックの表紙及び裏表紙以外の内部を構成するページへ割り振られる画像データとその描画位置、画像データへのコメント、及び台紙部分への付加描画に関するデータ等のデータを保持する。
これら作成中のフォトブックの情報であるフォトブック構成データ319、表紙用コンテンツデータ320、及び内部ページコンテンツデータ321は、フォトブック作成時の編集及びプレビュー工程で生成される。
レイアウト情報204は、デザイン制御部316により管理されているレイアウトファイルで、各ページ見開きにおける画像や文字列の配置及び付加情報の配置を決定するための情報を記憶している。画像割付テーブル322は、デザイン制御部316により管理されており、各ページに割り付けられる画像データ数に関わる情報を記憶している。製本情報206は、フラットや非フラット等の製本方法の種類の情報を記憶している。製本情報206は、フォトブックを作成するときの商品選択工程でユーザによって選択される製本方法に基づいて生成される。商品構成データ318は、商品構成の選択肢に関する情報である。商品構成の選択肢毎に、フォトブックサイズ、ページ数、用紙種類、カバータイプ、レイアウト、製本タイプ等の情報を保持する。
通信制御部317は、通信先装置(プリントサイト等を提供するサーバ等)と適宜通信することにより、商品構成データ318を最新の状態に保持する。
図4は作成装置202が実行する処理を示すフローチャートである。また、図5は、図4のフローチャートの各工程のユーザインタフェース(UI)を示す図である。図4及び図5を使用して作成装置202でフォトブック情報を作成する各工程について説明する。尚、図4に示す処理は、作成装置202のCPU306が、HDD309に記憶されているアプリケーション(制御プログラム)を実行することにより実現される。また、図5に示すユーザインタフェース(UI)は、そのアプリケーションによって生成され表示部301に表示される。
図4において、S401で、作成装置202は、商品選択工程を実行する。S401では、作成装置202は、通信制御部317を用いてプリントサイトへ注文可能な商品構成に関する情報である商品構成データ318を取得する。作成装置202は、GUI制御部315を用いて、その商品構成データ318に基づいて図5(a)に示す商品を選択するための操作画面である商品選択UI500を表示部301へ表示する。以下、特に明記しない限り、UIへのすべての操作は、例えば、キーボード304やポインティングデバイス305によるユーザ操作によって行うことができ、このユーザ操作を受け付けることでGUI制御部315が応答して、ユーザ操作に応じた処理を実行する。
商品選択UI500は、アプリケーションによってウィザード形式で提示される一連のウインドウの1つである。商品選択UI500は、商品の選択肢である製本タイプ501、ページ数502、レイアウト503を有している。各選択肢はラジオボタンを排他的に選択することにより作成する商品が決定される。
製本タイプ501はフォトブックの製本タイプを表わしている。ここでは、選択肢として、ソフトカバー5011、ハードカバー5012及びハードカバー(フラット)5013が用意されている。
ソフトカバー5011はフォトブックを覆うカバーが柔らかい素材でできており、カバーの剛性が低いことから他の選択肢と比較してページが曲がる。製本方法はタイトバックを使用する。タイトバックは図1(b)に示すように本の背と中身が密着しているため丈夫ではあるがページが開きにくい。ハードカバー5012はフォトブックを覆うカバーが硬い素材でできており、カバーの剛性が高いことからページ自体も曲がりにくい。製本方法はソフトカバー5011と同様にタイトバックを使用する。ハードカバー(フラット)5013はフォトブックを覆うカバーがハードカバー5012と同様に硬い素材でできている。製本方法はフレキシブルバックを使用している。フレキシブルバックは図1(a)に示すように背と中身は密着しているが背の素材が柔らかいものを使用しているためページが開きやすく、フォトブックを開いた時にノド部をフラットにすることができる。
ページ数502はフォトブックを構成するページ数を表している。ここでは、選択肢として、12ページ、20ページ、及び30ページのいずれかを、それぞれに対応するラジオボタン5021、5022、及び5023で排他的に選択することができる。
レイアウト503はフォトブックのページ内の写真レイアウトを表している。ここでは、選択肢として、見開きページに対して、写真(大)2枚、写真(中)4枚、写真(小)12枚のいずれかを、それぞれに対応するラジオボタン5031、5032、及び5033で排他的に選択することができる。
商品選択UI500の下部にある、戻るボタン504、次へボタン505、及びキャンセルボタン506はそれぞれウィザード(ウインドウ)を制御するボタンである。商品選択UI500以外のウィザード(図5(b)〜図5(d))でも同様のボタン群が表示され、同様に機能する。戻るボタン504は、例えば、ポインティングデバイス305で押下(クリック)することで前のウィザードへ戻ることができる。尚、商品選択UI500は、フォトブック作成の最初のUI(初期画面)であるため、戻るボタン504は、有効になっていない。次へボタン505は、例えば、ポインティングデバイス305で押下(クリック)することで次のウィザードへ進むことができる。商品選択UI500では、次へボタン505を押下することで画像データ選択UI510(図5(b))へ移動することができる。キャンセルボタン506は、例えば、ポインティングデバイス305で押下することで、フォトブック作成をキャンセルして、商品選択UI500の表示を終了することができる。
尚、商品選択UI500の次へボタン505が押下された際には、商品選択UI500で選択されている各種選択肢を示す情報が、レイアウト情報204、製本情報206及び画像割付テーブル322としてRAM308に記憶される。
S402で、作成装置202は、画像データ選択工程を実行する。S402は、フォトブックに使用する画像を選択する工程であり、作成装置202は、GUI制御部315を用いて、図5(b)に示す画像データ選択UI510を表示部301に表示する。ユーザは、この画像データ選択UI510を介して、フォトブックに使用する対象となる画像を選択することができる。選択対象となる画像は、HDD309に記憶されている場合もあるし、外部メディアドライブ303に挿入されている外部メディアもある。また、ローカル通信I/F310やネットワークI/F311を介して外部の記憶装置に記憶されている場合も想定される。ここでは、選択対象となる画像は、HDD309に記憶されている場合を想定する。
画像データ選択UI510は、フォルダ表示領域511、フォルダ内画像表示領域512及び選択画像表示領域513を有している。
フォルダ表示領域511は、画像を記憶しているフォルダ(フォルダ名)の一覧を表示する。フォルダ表示領域511は、ルートフォルダを起点に下位フォルダが連なる階層構造で各フォルダを表示する。下位フォルダを選択する場合には、フォルダの先頭の+(プラス)ボタンを押下することで下位フォルダが表示され、+(プラス)ボタンが−(マイナス)ボタンに変化する。−(マイナス)ボタンを押下すると表示された下位フォルダが消える。下位フォルダが存在しない場合には+(プラス)、−(マイナス)ボタンは表示されない。
フォルダ内画像表示領域512は、フォルダ表示領域511で選択されているフォルダ内の画像を表示する。選択画像表示領域513は、フォルダ内画像表示領域512から選択された画像を表示する。
ユーザは、フォルダ表示領域511において、表示されているフォルダの一覧から画像が記憶されているフォルダを選択する。フォルダを選択することで、そのフォルダ内に記憶されている画像がフォルダ内画像表示領域512に表示される。フォルダ内画像表示領域512は垂直スクロールバー514を有している。フォルダ内画像表示領域512の表示領域にすべての画像を表示しきれない場合に、ポインティングデバイス305を介して、その垂直スクロールバー514を操作することでフォルダ内画像表示領域512に表示する画像を変更することができる。ユーザは、垂直スクロールバー514を、例えば、ポインティングデバイス305で押下したまま下にスライドさせることで下の画像を、また、上にスライドさせることで上の画像をフォルダ内画像表示領域512に表示することができる。
ユーザは、フォルダ内画像表示領域512内の画像の中でフォトブックに使用する画像を選択した状態で、追加/削除ボタン515をポインティングデバイス305で押下することで、その選択状態にある画像を選択画像表示領域513に追加することができる。同様の動作を繰り返し行うことで、選択画像表示領域513にフォトブックに使用する画像を選択、追加することができる。一方、選択された画像を削除する場合には、ユーザは、選択画像表示領域513の画像を選択した状態で、追加/削除ボタン515をポインティングデバイス305で押下することで、その選択状態にある画像を選択画像表示領域513から削除することができる。全ての画像を選択した後で、次へボタンを押下すると、次のウィザードへ移動する。
尚、画像データ選択UI510の次へボタンが押下された際には、画像データ選択UI510で選択されている画像データが画像情報203としてRAM308に記憶される。
S403で、作成装置202は、付加情報選択工程を実行する。S403は、S402で選択された画像に対して付加情報データを関連付ける工程であり、作成装置202は、GUI制御部315を用いて、図5(c)に示す付加情報データ選択UI520を表示部301に表示する。ユーザは、この付加情報データ選択UI520を介して、フォトブックに使用する選択された画像の付加情報を選択することができる。選択対象となる付加情報データは、HDD309に記憶されている場合もあるし、外部メディアドライブ303に挿入されている外部メディアもある。また、ローカル通信I/F310やネットワークI/F311を介して外部の記憶装置に記憶されている場合も想定される。ここでは、付加情報データは、HDD309に記憶されている場合を想定する。
付加情報データ選択UI520は、選択画像表示領域521、フォルダ表示領域522、及び付加情報データ表示領域523を有している。
選択画像表示領域521は、画像データ選択UI510の選択画像表示領域513で表示されている画像を表示する。フォルダ表示領域522は、付加情報データを記憶しているフォルダの一覧を表示する。フォルダの表示方法や選択方法は、画像データ選択UI510のフォルダ表示領域511と同様である。付加情報データ表示領域523は、フォルダ表示領域522で選択されているフォルダ内の付加情報データを表示する。
ユーザは、まず、付加情報データを関連付ける画像を選択画像表示領域521から選択する。選択された画像は、選択状態であることを示すためにその表示形態が変更される。図5(c)の選択画像表示領域521では、例えば、画像Fが選択状態にあり、他の非選択状態にある画像とは異なる表示形態(ハッチング表示)となっている。
次に、ユーザが、フォルダ表示領域522から付加情報データが記憶されているフォルダを選択することで、そのフォルダ内に記憶されている付加情報データが付加情報データ表示領域523に表示される。ユーザは、表示された付加情報データから関連付ける付加情報データを選択し、関連付けボタン525をポインティングデバイス305で押下することで、選択状態にある画像の画像データとその選択した付加情報データの関連付けが完了する。関連付けが完了している画像データは、そのことを示す指標である星マーク524がその画像の左上に表示される。関連付け終了後、次へボタンを押下すると、次のウィザードへ移動する。
尚、付加情報データ選択UI520の次へボタンが押下された際には、付加情報データ選択UI520で選択されている付加情報データが付加情報205としてRAM308に記憶される。
S404で、作成装置202は、編集&プレビュー工程を実行する。S404は、フォトブックの編集やその編集内容を確認するプレビューを行う工程であり、作成装置202は、GUI制御部315を用いて、図5(d)に示す編集&プレビューUI530を表示部301に表示する。ユーザは、この編集&プレビューUI530を介して、フォトブックのページ内の画像の配置を入れ替えたり、ページを跨いで画像を入れ替えたりすることができる。また、ユーザは、この編集&プレビューUI530を介して、フォトブックのページに文字や飾りを追加し、プレビュー画面で確認することができる。
編集&プレビューUI530は、サムネイルウインドウ531、プレビューウインドウ532及び入れ替え候補画像表示領域533を有している。
ユーザは、まず、サムネイルウインドウ531より編集するページを選択する。サムネイルウインドウ531は、見開きページがサムネイルの状態で複数ページ表示されており、ページの順番に並んで配置されている。サムネイルウインドウ531で、ページを選択するとプレビューウインドウ532に選択したページ内に配置されている画像が表示される。図5(d)のプレビューウインドウ532では、1つの見開きページの各ページに2つの画像が配置されている場合を示している。プレビューウインドウ532で1枚の画像を選択し、選択したまま他の画像に移動し選択を解除することでページ内の画像を入れ替えることができる。尚、プレビューウインドウ532で選択された画像は、選択状態であることを示すためにその表示形態が変更される。図5(d)のサムネイルウインドウ531では、左端のページが選択状態あり、他の非選択状態にあるページとは異なる表示形態となる。
一方、プレビューウインドウ532で1枚の画像を選択し、選択したまま入れ替え候補画像表示領域533上の任意の画像の位置で選択を解除することで、ページ内の画像と入れ替え候補画像表示領域533上の任意の画像とを入れ替える変更を行うことができる。プレビューウインドウ532に、ページを表示させたまま文字追加ボタン534を押下した上で、プレビューウインドウ532の文字を追加する場所を指示すると、その指示位置に任意の文字を追加することができる。飾り追加ボタン535を押下すると、画像に追加する飾り群を表示する別ウインドウが表示される。その別ウインドウで表示される飾り群から任意の飾りを選択した後、プレビューウインドウ532の飾りを追加する場所を指示すると、その位置に飾りを追加することができる。文字や飾りは、プレビューウインドウ532上で選択して自由に移動させることもできる。編集の終了後、次へボタンを押下すると、次のウィザードへ移動する。尚、S404の処理が完了すると、編集後の内容を反映したフォトブックデータが作成され、HDD309に記憶される。また、編集&プレビューUI530の次へボタンが押下された際には、編集&プレビューUI530の状態に関する情報が、フォトブック構成データ319、表紙用コンテンツデータ320及び内部ページコンテンツデータ321としてRAM308に記憶される。
S405で、作成装置202は、注文工程を実行する。まず、作成装置202は、S404で作成したフォトブックデータを、通信制御部317を使用してプリントサイトへアップロードする。アップロード終了後、プリントサイトは、そのアップロードに関連付けられたIDを作成装置202へ返信する。作成装置202は、受信したIDに関連したプリントサイトの注文ページの表示を表示部301に表示する。注文ページを用いて、フォトブックの決済方法や送付先の指定を行うことができる。これらの処理は、一般的なWebベースのフォトブックの注文サイトと同様なので、その詳細については省略する。
以上の処理によって、フォトブックの作成に関する情報を作成することができる。尚、フォトブックの作成方法は、上記の方法に限定されるものではなく、他の作成方法を用いることもできる。
<多重化装置>
次に、図2の多重化装置207を用いた付加情報多重化方法について説明する。ここでは、まず、一般的な付加情報を多重化する方法について説明し、本実施形態に係わる特徴的な付加情報多重化方法については後述する。即ち、まず、従来の単葉の用紙に対する付加情報を多重化する方法、もしくは印刷対象物であるフォトブックに対して図5(a)で選択される製本タイプがハードカバー(フラット)5013が選択された場合に使用される多重化方法について説明する。
次に、図2の多重化装置207を用いた付加情報多重化方法について説明する。ここでは、まず、一般的な付加情報を多重化する方法について説明し、本実施形態に係わる特徴的な付加情報多重化方法については後述する。即ち、まず、従来の単葉の用紙に対する付加情報を多重化する方法、もしくは印刷対象物であるフォトブックに対して図5(a)で選択される製本タイプがハードカバー(フラット)5013が選択された場合に使用される多重化方法について説明する。
図6は図2の多重化装置207のハードウェア構成を示すブロック図である。
600は誤差拡散処理部であり、入力端子より入力された画像情報203を誤差拡散法による疑似階調処理することによって、入力階調数よりも少ない量子化レベルに変換し、複数画素の量子化値によって面積的に階調性を表現する。誤差拡散処理についての詳細は後述する。
601はブロック化部であり、入力された画像情報203を所定領域単位(例えば、ブロック単位)に区分するブロック化を行う。このブロック化部601により行われるブロック化は矩形でも良いし、矩形以外の領域に区分しても良い。また、矩形の大きさが画像内で変更しても構わない。
602は量子化条件制御部であり、ブロック化部601にてブロック化した所定領域単位で量子化条件を変更、制御する。量子化条件制御部602は、入力端子より入力された付加情報205に基づき、ブロック単位で量子化条件を制御する。
610は、CPU611、ROM612、及びRAM613を有する制御部である。CPU611は、ROM612に保持された制御プログラムに従って、多重化装置207の各種構成要素の動作及び処理を制御する。RAM613は、CPU611の作業領域として使用される。
図7は誤差拡散処理部600の詳細構成を示すブロック図である。尚、一般的な誤差拡散処理は、例えば、文献R.Floyd&L.Steinberg: "An Adaptive Algorithm for SpatialGrayscale", SID Symposium Digest of Paper pp.36〜37 (1975)に、その詳細が記載されている。ここでは、量子化値が2値である誤差拡散処理を例に挙げて説明する。
700は加算器であり、入力された画像情報203の注目画素値と既に2値化された周辺画素の分配された量子化誤差を加算する。量子化条件制御部602からの量子化閾値と誤差の加算された加算結果とを比較部701にて比較し、加算結果が所定閾値よりも大きい場合には「1」を、それ以外では「0」を出力する。例えば、8ビットの精度で画素の階調を表現する場合には、最大値である「255」と最小値である「0」で表現するのが一般的である。ここでは、量子化値が「1」の時に、記録媒体上にドット(インク、トナー等)が印刷されるとする。702は減算器であり、量子化結果と加算器700による加算結果との誤差を算出し、誤差配分演算部703に基づいて、今後の量子化処理が施される周辺画素に誤差を配分する。
誤差の配分割合は、注目画素との相対的な距離に基づいて実験的に設定された誤差の配分テーブル704を予め保持しておき、配分テーブル704に設定されている配分割合に基づいて誤差を分配する。図7の配分テーブル704は、周囲4画素分の配分テーブルを示しているが、これに限定されるものではない。
次に、量子化条件制御部602を含む全体の基本動作手順について、図8(a)のフローチャートを用いて説明する。ここでは、量子化値は、2値である例について説明する。尚、図8に示す処理は、多重化装置207のCPU611が、ROM612に記憶されている制御プログラムを実行することにより実現される。
S801で、多重化装置207は、変数iを初期化する(i=0)。変数iは、処理対象の画像の垂直(縦)方向のアドレスをカウントする変数である。S802で、多重化装置207は、変数jを初期化する(j=0)。変数jは、処理対象の画像の水平(横)方向のアドレスをカウントする変数である。S803で、多重化装置207は、(i、j)のアドレス値による判定を実行する。具体的には、現在の処理アドレスである(i、j)の座標(処理対象となる注目画素)が多重化処理を実行すべき領域(多重化領域)内であるか否かを判定する。
多重化領域について図9(a)を用いて説明する。図9(a)は、水平画素数がWIDTH、垂直画素数がHEIGHTからなる、ひとつの画像を示している。いま、この画像中に付加情報を多重化すると仮定する。画像の左上を原点とし、横N画素、縦M画素のN×M画素単位でブロック化する。ここでは、原点(画像の左上角)を基準点としてブロック化を行うが、原点から離れた点を基準点として設定しても良い。この画像中に最大限の情報を多重化する場合に、N×Mのブロックを基準点から配置していく。即ち、水平方向に配置可能なブロック数をW、垂直方向に配置可能なブロック数をHとすると、以下の関係になる。
W = INT(WIDTH/N) (1)
H = INT(HEIGHT/M) (2)
但し、INT( )は( )内の整数部分を示す。
H = INT(HEIGHT/M) (2)
但し、INT( )は( )内の整数部分を示す。
(1)式、(2)式において割り切れない剰余画素数が、N×Mのブロックを複数配置した時の端部に相当し、その端部は多重化領域外となる。
S803で、注目画素が多重化領域内でない場合(S803でNO)、S804で、多重化装置207は、量子化条件Cを設定する。一方、注目画素が多重化領域内である場合(S804でYES)、S805で、多重化装置207は、多重化すべき付加情報を読み込む。ここでは、説明を容易にするために、付加情報をcode[ ]という配列を用いて、各1ビットずつ表現するものとする。例えば、付加情報を48ビット分の情報と仮定すると、配列code[ ]はcode[0]からcode[47]まで、各1ビットずつが格納されていることになる。
尚、S805において、変数bitは、以下のように、配列code[ ]内の情報を代入することで、付加情報を読み込む。
bit=code[INT(i/M)×W+INT(j/N)] (3)
S806で、多重化装置207は、代入した変数bitが「1」(bit=1)であるか否かを判定する。配列code[ ]内の情報は各1ビットずつ格納されているため、変数bitの値も「0」あるいは「1」の何れかを示すことになる。変数ビットbitが「0」である場合(S806でNO)、S807で、多重化装置207は、量子化条件Aを設定する。一方、変数ビットbitが「1」である場合(S806でYES)、S808で、多重化装置207は、量子化条件Bを設定する。
S806で、多重化装置207は、代入した変数bitが「1」(bit=1)であるか否かを判定する。配列code[ ]内の情報は各1ビットずつ格納されているため、変数bitの値も「0」あるいは「1」の何れかを示すことになる。変数ビットbitが「0」である場合(S806でNO)、S807で、多重化装置207は、量子化条件Aを設定する。一方、変数ビットbitが「1」である場合(S806でYES)、S808で、多重化装置207は、量子化条件Bを設定する。
S809で、多重化装置207は、設定された量子化条件に基づいて量子化処理を行う。この量子化処理は、図7で説明した誤差拡散法に相当する。S810で、多重化装置207は、水平方向変数jをカウントアップする(1インクリメントする)。S811で、多重化装置207は、処理画素数である水平方向変数jが画像の水平画素数であるWIDTH未満(j<WIDTH)であるか否かを判定する。処理画素数がWIDTH未満である場合(S811でYES)、S803に戻り、以降、処理画素数がWIDTH以上になるまで、S803〜S810の処理を繰り返す。
一方、処理画素数がWIDTH以上である場合(S811でNO)、S812で、多重化装置207は、垂直方向変数iをカウントアップする(1インクリメントする)。S813で、多重化装置207は、処理画素数である垂直方向変数iが画像の垂直画素数であるHEIGHT未満であるか否かを判定する。処理画素数がHEIGHT未満である場合(S813でYES)、S802に戻り、以降、処理画素数がHEIGHT以上になるまで、S802〜S812の処理を繰り返す。そして、処理画素数がHEIGHT以上である場合(S813でNO)、処理を終了する。
以上の動作手順により、N×M画素よりなるブロック単位で、量子化条件を変更することが可能になる。
量子化条件A、B、及びCの例について説明する。誤差拡散法における量子化条件は様々な因子があるが、ここででは、量子化条件は量子化閾値であるとする。量子化条件Cの使用は、多重化領域外であるために、量子化閾値は何でも良い。上述のように、1画素が8ビットによる階調表現で、量子化レベルが2値の場合には、最大値である「255」、及び、最小値である「0」が量子化代表値となるが、その中間値となる「128」を量子化閾値として設定することが多い。即ち、量子化条件Cでは、量子化閾値を「128」に固定とする条件にする。
量子化条件A及び量子化条件Bの使用は、多重化領域内のブロック(多重化ブロック)であるため、量子化条件の違いによる画質の違いを生じさせなければならない。但し、画質の違いは視覚的には判別しにくいように表現し、かつ、印刷物上から容易に識別できなくてはならない。
図10(a)及び図10(b)は、量子化条件A及び量子化条件Bの一例である。図10(a)は、量子化条件Aにおける量子化閾値の変化の周期を示している。図中、ひとつのマスを1画素分と想定し、白マスは固定閾値を設定し、網掛けマスは変動閾値を設定する。即ち、図10(a)の例では、横8画素、縦4画素のマトリクスを組み、網掛けマスの閾値のみ突出した値を閾値として設定する。尚、量子化条件は、量子化条件制御部602が参照できるメモリに保持されている。
図10(b)は、量子化条件Bにおける量子化閾値の変化の周期を示している。図10(b)の例では、図10(a)とは異なり、横4画素、縦8画素のマトリクスを組み、網掛けマスの閾値のみ突出した値を閾値として設定する。
ここで、1画素が8ビットの階調値の場合に、一例として、固定閾値として「128」、突出した閾値として「10」を設定する。量子化閾値が低くなると、注目画素の量子化値が「1」(量子化代表値「255」)になりやすくなる。即ち、図10(a)及び図10(b)ともに、図中の網掛けマスの並びで量子化値「1」が並びやすくなる。換言すれば、N×M画素のブロック毎に、図10(a)の網掛けマスの並びでドットが発生するブロックと、図10(b)の網掛けマスの並びでドットが発生するブロックとが混在することになる。
誤差拡散法における量子化閾値の多少の変更は、画質的には大きな影響を及ぼさない。組織的ディザ法においては、使用するディザパターンによって、階調表現の画質が大きく左右する。しかし、規則的に量子化閾値の変化を与えた誤差拡散法では、あくまでも画質を決定する階調表現は誤差拡散法であるため、ドットの並びが多少変化したり、テクスチャの発生が変化したり等、階調表現の画質にはほとんど影響を与えないことになる。それは、量子化閾値が変化した場合でも、あくまでも信号値と量子化値との差分となる誤差は周囲画素に拡散されるため、入力された信号値はマクロ的に保存される。即ち、誤差拡散法におけるドットの並び、テクスチャの発生に関しては冗長性が非常に大きいことになる。
ところで、上記の説明では、誤差拡散法の量子化閾値に符号を表す所定の周期性を重畳することにより多重化を実現しているが、以下の方式も考えられる。
・直接RGBの輝度情報に周期性を多重化る方式
・RGBの輝度情報を輝度−色差情報(例えば、Y,Cr,Cb信号やL*,b*,a*)に分離して周期性を多重化する方式
・RGBの輝度情報をインク色(例えば、CMYK信号)に分離して周期性を多重化する方式
・RGBの輝度情報を輝度−色差情報(例えば、Y,Cr,Cb信号やL*,b*,a*)に分離して周期性を多重化する方式
・RGBの輝度情報をインク色(例えば、CMYK信号)に分離して周期性を多重化する方式
ここでは、直接RGBの輝度情報に周期性を多重化する方式について、図2、図8(c)、及び図10を用いて説明する。RGBの輝度情報に周期性を多重化する方式は、RGBデータに対して適用可能である。即ち、RGBの輝度情報に周期性を多重化する方式は、図2の作成装置202の画像情報203、または多重化装置207でRGB方式以外に変換する前のデータ(例えば、インク色のCMYKに変換する前)であれば適用可能である。上記の説明では、誤差拡散法を用いて多重化の周期を実現させているが、ここではRGBに直接多重化の周期を付与する。図8(c)を用いてRGBデータに直接多重化の周期を付与する方法について説明する。図8(c)において、図8(a)と同一の処理については、同一のステップ番号を付加して、その詳細説明は省略する。
S803で、多重化装置207は、注目画素が多重化領域内であるか否かを判定した後、多重化領域内でない場合(S803でNO)、S824で、多重化装置207は、多重化しない。即ち、RGBデータに何も処理しないことを意味する。
一方、注目画素が多重化領域内である場合(S803でYES)、S805を経て、変数ビットbitが「0」である場合(S806でNO)、S825で、多重化装置207は、多重化周期Aを選択する。一方、変数ビットbitが「1」である場合(S806でYES)、S826で、多重化装置207は、多重化周期Bを選択する。
S827で、多重化装置207は、選択された多重化条件(「多重化周期A」、「多重化周期B」または「多重化しない」)に基づいて多重化処理を行う。RGBデータに周期性を多重化する方法について、図10を用いて説明する。上記説明では、図10(a)及び図10(b)は、それぞれ量子化条件A及び量子化条件Bとして説明しているが、ここでは、それぞれ多重化周期A及び多重化周期Bと読み替えて説明する。
S827において、多重化周期Aが選択されていた場合、多重化装置207は、M×Nの1多重化ブロックに対して図10(a)に示すフィルタによるフィルタ処理を実行する。例えば、8bitデータで±5の多重化周期を与える場合、図10(a)の白マスのブロックに対して、Rout=Rin+5、Gout=Gin+5、Bout=Bin+5とする。網掛けマスのブロックに対してはRout=Rin−5、Gout=Gin−5、Bout=Bin−5とする。但し、RGBデータが0未満もしくは255を超える場合はそれぞれ0、255に置き換える。この多重化周期Aを繰り返すことにより元画像のRGBデータに対して、図10(c)に示すような多重化周期を与えることができる。多重化周期Bが与えられた場合、図10(b)に示すフィルタを使用して同様の処理を行うことにより、図10(d)に示すような多重化周期を与えることができる。
<分離装置>
次に、図2の画像処理システムにおける分離装置210について説明する。
<分離装置>
次に、図2の画像処理システムにおける分離装置210について説明する。
図11は図2の分離装置210のハードウェア構成を示すブロック図である。説明を容易にするために、多重化装置207の例と同様、分割したブロック内に各1ビットずつの付加情報が多重化されている印刷物から、付加情報を分離する例について説明する。この場合、多重化装置207における1ブロックあたりの付加情報量と、分離装置210における1ブロックあたりの分離情報量は等しくなる。
1100は入力端子であり、カメラ付携帯端末105の撮像センサ209で読み込まれた画像情報を入力する。使用する撮像センサ209の解像度は、印刷物を作成するプリンタ208の解像度と同等以上とすることができる。尚、正確に印刷物のドットの点在情報を読み込むためには、サンプリング定理により、撮像センサ209はプリンタ208よりも2倍以上の解像度が必要になる。しかし、同等以上であれば、正確でなくとも、ある程度ドットが点在しているのを判別することは可能である。ここでは、説明を容易にするために、プリンタ208の解像度と撮像センサ209の解像度が同一解像度であると想定する。
1101はずれ検出部であり、カメラ付携帯端末105の撮像センサ209で撮影した画像の幾何学的ずれを検出する。入力端子1100から入力される画像情報は、プリンタ208での出力、カメラ付携帯端末105の撮影を経ているために、プリンタ208の出力以前の画像情報とは幾何学的に大きくずれている場合がある。そこで、ずれ検出部1101では、画像情報から印刷物と印刷物以外の境界線をエッジ検出にて検出する。
図12(a)は撮影画像の一例を示す図である。ここで、プリンタ208と撮像センサ209それぞれの解像度が同一である場合、プリンタ208による印刷時の記録媒体の斜行や撮像センサ209で印刷物に撮影する時のずれ等により、撮影画像の回転方向(傾き)が補正すべき大きな要因となる。そのため、この撮影画像から印刷物の境界線を検出することにより、どの程度回転方向でずれが生じているかが判断できる。
1102はブロック化部であり、横P画素、縦Q画素のPXQ画素単位でブロック化する。このブロックは、付加情報の重畳時でのブロック化におけるN×Mのブロックよりも小さくなければならない。即ち、
P≦N、かつ Q≦M (4)
の関係が成立する。
P≦N、かつ Q≦M (4)
の関係が成立する。
また、P×Q画素単位のブロック化は、ある一定間隔(一定画素数)毎スキップしてブロック化を行う。即ち、多重化時のN×M画素単位のブロックと想定される領域内に、P×Q画素単位のブロックがひとつ内包するようにブロック化する。スキップ画素数は、水平N画素分、垂直M画素分が基本となるが、ずれ検出部1101より検出したずれ量をブロック数で割り出し、1ブロックあたりのずれ量を演算して、スキップ画素数に加算して補正する必要がある。
図12(b)は印刷物に対してカメラが傾いている場合の撮影画像の一例を示す図である。この場合も、撮影画像から印刷物の境界線を用いて射影変換を実行することで空間的なずれを補正することができる。また、印刷物の境界線上にブロック毎に視覚的に見えにくいマークを印刷しておき、撮影画像からマークを解析し補正に利用することでより高速にブロック化することも可能である。
1103及び1104はそれぞれ特性の異なる空間フィルタA及びBである。1105a及び1105bはフィルタリング部であり、それぞれ空間フィルタA1103及び空間フィルタB1104を用いて周辺画素との積和を演算するディジタルフィルタリングを行う。この空間フィルタA1103及び空間フィルタB1104の各フィルタ係数は、多重化時の量子化条件の変動閾値の周期に適応して作成する。
ここでは、多重化装置207における量子化条件の変更を図10(a)及び図10(b)の2種類の周期性を用いることにより、付加情報を多重化していると仮定する。その時の分離装置210に使用する空間フィルタA1103及び空間フィルタB1104の例をそれぞれ図13(a)及び図13(b)に示す。図中、5×5画素の中央部が注目画素になり、それ以外の24画素分が周辺画素になる。図中、空白部の画素は、フィルタ係数が「0」であることを表している。図から明らかなように、図13(a)及び図13(b)はエッジ強調のフィルタになっている。しかも、その強調するエッジの方向性と多重化した時の変動閾値の方向性とが一致している。つまり、図13(a)は図10(a)の周期性に、また、図13(b)は図10(b)の周期性に一致するように作成している。
1106及び1107はそれぞれ間引き部A及び間引き部Bであり、P×Q画素のブロック内のフィルタリング後の信号(以下、変換値と称す)を、ある規則性に基づいて画素を間引く間引き処理を実行する。ここでは、この間引きの規則性を周期性と位相とに分離して処理する。即ち、間引き部A1106及び間引き部B1107では間引きの周期性が異なっていて、各々、位相を変化させた複数の間引き処理を実行する。間引き方法については後述する。
1108a及び1108bは変換値加算部であり、間引き部A1106及び間引き部B1107それぞれにて間引きした変換値を位相毎にそれぞれ加算する加算処理を実行する。この間引き処理、及び、変換値の加算処理は、空間フィルタA1103及び空間フィルタB1104それぞれで強調した所定周波数ベクトルの電力を抽出することに相当する。
1109a及び1108bは分散値算出部であり、位相毎に加算した複数の加算値の分散をそれぞれの周期性において算出する。1110は判定部であり、分散値算出部1109a及び1109bそれぞれで算出した周期性における分散値に基づいて、多重化された符号を判定する。
1120は、CPU1121、ROM1122、及びRAM1123を有する制御部である。CPU1121は、ROM1122に保持された制御プログラムに従って、分離装置210の各種構成要素の動作及び処理を制御する。RAM1123は、CPU1121の作業領域として使用される。
図14は付加情報の多重化領域(2次元の周波数領域)の周波数変換を説明するための図である。横軸は水平方向の周波数fx、縦軸は垂直方向の周波数fyを示している。中心となる原点は、直流成分を示し、原点から遠ざかるにつれて、高周波域となる。図中の円は、誤差拡散によるカットオフ周波数を示している。誤差拡散法のフィルタ特性は、低周波域がカットオフされたHPF(ハイパスフィルタ)の特性を示し、そのカットオフされる周波数は、対象画像の濃度に応じて変化する。
今回、量子化閾値の変更により、量子化後に発生する周波数特性が変化する。図10(a)による量子化閾値の変更では、図14の周波数ベクトルA上に大きなパワースペクトルが発生する。また、図10(b)による量子化閾値の変更では、図14の周波数ベクトルB上に大きなパワースペクトルが発生する。分離時には、この大きなパワースペクトルが発生する周波数ベクトルを検出することで、多重化信号を判定することが可能となる。そこで、各々の周波数ベクトルを個別に強調、抽出することが必要になる。
図13(a)及び図13(b)は、特定の周波数ベクトルの方向性を有するHPFに相当する。即ち、図13(a)の空間フィルタAでは、直線A上の周波数ベクトルを強調することが可能になる。また、図13(b)の空間フィルタBでは、直線B上の周波数ベクトルを強調することが可能になる。例えば、図10(a)による量子化条件の変更により、図14の周波数ベクトルA上に大きなパワースペクトルが発生したと仮定する。その時に、図13(a)の空間フィルタAではパワースペクトルの変化量が増幅するが、図13(b)の空間フィルタBでは、ほとんど増幅されない。即ち、複数の空間フィルタを並列にフィルタリングした場合には、周波数ベクトルが一致した空間フィルタ時のみ増幅し、それ以外のフィルタでは増幅がほとんど無いため、いかなる周波数ベクトル上に大きなパワースペクトルが発生しているかが容易にわかる。
図15は図11の分離装置210が実行する処理を示すフローチャートである。この処理では、分離装置210における、間引き部A1106及び間引き部B1107、変換値加算部1108a及び1108b、分散値算出部1109a及び1109b、判定部1110の動作が含まれる。尚、図15に示す処理は、分離装置210のCPU1121が、ROM1122に記憶されている制御プログラムを実行することにより実現される。
S1501で、分離装置210は、変数iを初期化する(i=0)。変数iは、周期性に関する変数である。S1502で、分離装置210は、変数jを初期化する(j=0)。変数jは、位相に関する変数である。S1503で、分離装置210は、間引き部A1106及び間引き部B1107による間引きの規則性の因子、即ち、「周期性」及び「位相」の2因子を決定する。この周期性及び位相の条件は、番号(N0.)により管理されていて、いま、周期性No.が「i」、位相No.が「j」である間引き方法の因子を設定する。
S1504で、分離装置210は、変換値加算部1108a及び1108bにより、ブロック内で変換値(間引き画素の画素値)を加算し、その加算した加算値を変数の配列TOTAL[i][j]として記憶する。S1505で、分離装置210は、変数jをカウントアップする(1インクリメントする)。S1506で、分離装置210は、変数jと固定値Jと比較し、変数jが固定値J未満であるか否かを判定する。ここで、固定値Jは、位相を変化させて間引き処理を実行する回数を示している。判定の結果、変数jが固定値J未満である場合(S1506でYES)、S1503に戻り、カウントアップ後の変数jによる新たな位相No.の条件を用いて、間引き処理及び変換値(間引き画素の画素値)の加算処理を実行する。
一方、変数jが固定値j以上である場合(S1506でNO)、つまり、位相をずらした間引き処理及び加算処理が設定回数(固定値Jが示す回数)終了した場合、S1507で、分離装置210は、分散値算出部1109a及び1109bにより、加算結果であるTOTAL[i][j]の分散値B[i]を算出する。即ち、各加算結果が、位相の差により、どの程度ばらついているかを評価する。ここでは、iの値を固定して、J個のTOTAL[i][j]の分散値B[i]を算出する。
S1508で、分離装置210は、変数iをカウントアップする(1インクリメントする)。S1509で、分離装置210は、変数iと固定値Iと比較し、変数iが固定値I未満であるか否かを判定する。ここで、固定値Iは、周期性を変化させて間引き処理を実行する回数を示している。判定の結果、変数iが固定値I未満である場合(S1509でYES)、S1502に戻り、カウントアップ後の変数iによる新たな周期性No.の条件を用いて、間引き処理及び変換値(間引き画素の画素値)の加算処理を実行する。
S1509で、変数iが固定値Iである場合(S1509でNO)、つまり、周期性をずらした間引き処理及び加算処理が設定回数(固定値Iが示す回数)終了した場合、分散値B[i]は、I個算出されることになる。S1510で、分離装置210は、I個の分散値B[i]の集合から、分散値の最大値を検出し、その時のiの値を変数imaxに代入する。S1511では、分離装置210は、判定部1110により、符号の判定として、周期性No.が変数imaxである符号を多重化された符号(付加情報)であると判定して終了する。
ここで、I=2、J=4である場合の分離装置210の処理例について説明する。図16(a)及び図16(b)は、ブロックサイズをP=Q=16とした時の間引き方法を、テーブル形式にて示している。図中、ブロック内のひとマスが1画素分を表している。図では、ブロック形状をP=Qの正方としているが、ブロック形状は正方には限定されるものではなく、矩形以外でも良い。
図16(a)は、周期性No.=0の時の間引き方法(図11の間引き部A1106に相当)、図16(b)は、周期性No.=1の時の間引き方法(図11の間引き部B1107に相当)を示している。図中、ブロック内の各画素に示している値は、位相No.であるjの間引き画素を示している。例えば、「0」と表示している画素は、j=0の時の間引き画素に対応する。即ち、図16(a)及び図16(b)ともに、位相は4種類であり、位相No.jが0〜3の時の間引き方法に相当する。
図16(a)及び図16(b)に示す周期性は、それぞれ図10(a)及び図10(b)の周期性に一致している。図10(a)及び図10(b)ともに、網掛けマスの並びで量子化値「1」(但し、「0」、「1」の2値の場合)が並びやすくなる。そのため、例えば、多重化時に量子化条件Aを使用するブロックの場合には、図16(a)の周期性で量子化値「1」が並びやすくなる。そして、適合した空間フィルタ時には更にその周波数成分が増幅され、図16(a)の周期性で、変換値(フィルタリング後の画素値)を加算すると、その加算結果の分散は大きくなる。
それに比べて、量子化条件Aを使用したブロックを、適合しない空間フィルタを用いてフィルタリングし、なおかつ、図16(b)の周期性により間引きをした場合には、変換値の加算結果の分散値は小さくなる。これは、量子化値の周期性と間引きの周期性が異なるため、間引きの位相の違いによる変換値の加算値は平均的になり、ばらつきは小さくなるからである。逆に、多重化時に量子化条件Bを使用するブロックでは、図16(a)の間引きでは、分散値は小さくなり、図16(b)の間引きでは分散値は大きくなる。
図8(a)のフローチャートの例では、bit=0を量子化条件Aに設定し、bit=1を量子化条件Bに設定しているため、周期性No.=0の分散値が大きい場合にはbit=0、逆に周期性No.=1の分散値が大きい場合にはbit=1と判定できる。
即ち、量子化条件、空間フィルタ特性、及び、間引き条件の周期性を関連付けることで、容易に多重化、及び、分離を実現できる。ここでは、周期性No.は「0」と「1」の2種類であり、ブロック内の多重化符号は1ビットであるが、多重化符号はこれ以上にすることもできる。ここで、量子化条件の種類と、空間フィルタの種類、間引き条件の周期性No.の種類(Iの値)とは一致する。
このように、直交変換による量子化条件の規則性に対応する周波数の電力値の比較をしなくても、容易に符号を分離できる。しかも、実空間領域の処理のため、非常に高速に分離処理が実現できる。
尚、量子化条件A及びB、空間フィルタA及びB、間引き部A及びBは一例であり、これに限定されるものではない。他の周期性を持たせても良いし、空間フィルタのタップ数、間引きのブロックサイズ等の値は、用途や目的に応じて、増減することができる。
また、図15の処理では、説明を容易に説明するために、周期性No.である変数i、及び、位相No.である変数jを用いる繰り返し(ループ)処理にて説明している。しかしながら、実際には、P×Q画素よりなるブロック内の画素アドレスによる繰り返し処理を実行するほうが容易である。即ち、図16(a)及び図16(b)に示すような、ブロック内の各画素アドレスに対して周期性No.及び位相No.の2種類の情報をテーブルとして予め格納しておき、対応した周期性No.及び位相No.の各々の変数に対して変換値を加算する方法である。この方法では、P×Q画素分を処理するだけで、並列に、周期性No.及び位相No.の各集合の加算値を算出することができる。
また、図15の処理では、空間フィルタによるフィルタリング後の画素値(変換値)の加算結果の分散を算出して、分散値の大小比較により、符号を判定しているが、これに限定されるものではない。分散値ではなく、評価関数の比較による方法を使用することもできる。変換値の加算結果の偏りは、位相をずらした際に、ひとつの位相の時だけ値が突出しやすいため、「ばらつき度合い」が評価できれば良い。
例えば、ばらつき度合いを評価するために、分散値以外に、以下に示すような評価関数を使用することができる。
1.変換値を加算した加算値の最大値と最小値の差分を算出する評価関数
2.変換値を加算した加算値の最大値と2番目に大きな値との差分、もしくは、最小値と2番目に小さな値との差分のどちらかを算出する評価関数
3.変換値を加算した加算値によるヒストグラムを作成した時の、前後の順番の差分の最大値を算出する評価関数
また、1〜3の評価関数は絶対的な差分値であるが、これらの差分値と変換値、もしくは画素値や変換値の総和等との相対的な比率も評価関数として使用することができる。また、量子化値は2値化を例にして説明しているが、これに限定されるものではない。
2.変換値を加算した加算値の最大値と2番目に大きな値との差分、もしくは、最小値と2番目に小さな値との差分のどちらかを算出する評価関数
3.変換値を加算した加算値によるヒストグラムを作成した時の、前後の順番の差分の最大値を算出する評価関数
また、1〜3の評価関数は絶対的な差分値であるが、これらの差分値と変換値、もしくは画素値や変換値の総和等との相対的な比率も評価関数として使用することができる。また、量子化値は2値化を例にして説明しているが、これに限定されるものではない。
次に、実施形態1における、作成装置202によって、図5に示す製本タイプ501の選択肢でハードカバー5012が選択された場合の付加情報の多重化及び分離方法について説明する。
非フラットタイプの製本タイプを選択した場合、図1(c)に示すように印刷対象物であるフォトブックの湾曲によりカメラ付携帯端末105に対して撮影面107及び108が一定角度にならない。つまり、従来の方法で、例えば、図17(a)に示す印刷物に付加情報を多重化した上で、その印刷物を非フラットタイプの製本タイプで製本すると図17(b)のようになる。
ここで、特に、図17(a)は撮像センサ209の解像度以上になるように印刷した印刷物であり、フォトブックのページに4枚の写真をレイアウトし、右上の写真に付加情報を埋め込んだ例を示している。また、わかりやすくするために、量子化条件Aと量子化条件Bで作成したブロックが縦横に交互に配置されている。
そして、図17(b)は図17(a)に示す印刷物を、非フラットタイプで製本したフォトブックである。この場合、付加情報を印刷する印刷対象物であるフォトブックの形状がフォトブックの中心(ノド部)と左右の紙端の間が山になるように湾曲する。この状態で正面からフォトブックを撮影すると、領域1701ではブロックの周波数は維持されているが、領域1702ではブロックの周波数は維持されていない。そのため、領域1702に分離装置210の空間フィルタA及びBを適用しても、適切にフィルタリングを行うことができない。
これに対して、図17(c)及び図17(d)は、実施形態1の処理を適用した場合の印刷物とフォトブックの状態を示している。図17(c)の領域1703と領域1704では多重化条件を変更している。即ち、領域1703と領域1704を比較すると領域1704は横方向にブロックを伸長している。このように、画像上の付加情報を埋め込む位置に応じて、その位置に属する領域の形状を他の領域の形状と異なるように変更する。また、図17(d)は、図17(c)に示す印刷物を非フラットタイプで製本したフォトブックである。図17(d)に示されるように、図17(b)のフォトブックの領域1702では維持されなかったブロックの周波数が領域1706では維持される。そのため、領域1706に分離装置210の空間フィルタA及びBを適用すると、適切にフィルタリングを行って、付加情報を分離することができる。
次に、図8(b)及び図9(b)を用いて、非フラットタイプで製本する場合の多重化装置207について説明する。尚、図8(b)において、図8(a)と同一の処理については、同一のステップ番号を付加して、その詳細説明は省略する。図9(b)に示すように、湾曲境界TJの画素を境界にブロックの横画素数はN’(N’>N)となる。つまり、境界に対して左側の埋込領域のサイズより、境界の反対側である右側の埋込領域のサイズが大きくなる。湾曲境界TJの画素位置は、図18(a)に示すように、製本タイプDBで管理される製本タイプ毎に切り替える。製本タイプDBで管理される湾曲境界位置は、指定されたサイズの印刷物に印刷する画像左端からの画素数を示している。ここで、製本タイプBは製本タイプAと比較して製本した際のノド部の谷が深いことを表わしている。ノド部の谷が深いことによりブロックの周波数が維持できない境界である湾曲境界位置が画像左に移動する。この製本タイプDBは、例えば、ROM612に記憶されている。また、画像に対する埋込領域の区分の方法も製本タイプごとに切り替える。例えば、製本タイプAが設定された場合の埋込領域は図9(a)となるように区分され、製本タイプBが設定された場合の埋込領域は図9(b)となるように区分される。
図8(b)のフローチャートでは、S801〜S803の処理を経て、S820で、多重化装置207は、湾曲判定を実行する。具体的には、多重化装置207は、製本タイプDBを参照して指定されている製本タイプに対応する湾曲境界位置TJが画素位置jより大きいか否か(TJ>j)を判定する。湾曲境界位置TJが画素位置jより大きい場合(S820でYES)、以後、図8(a)と同様に、S805以降の処理を実行する。一方、湾曲境界位置TJが画素位置j以下である場合(S820でNO(TJ≦j))、S821で、多重化装置207は、以下の処理を実行する。
bit=code[INT(i/M)×W
+INT((j−TJ)/N’)+INT(TJ/N)] (5)
このS821の処理により、湾曲境界位置TJが画素位置j以下である場合のcode[ ]内の情報が分かるため、S806aで、多重化装置207は、代入した変数bitが「1」(bit=1)であるか否かを判定する。このS806aは、S806に対応する。判定の結果、変数ビットbitが「0」である場合(S806aでNO)、S822、多重化装置207は、量子化条件A’を設定する。一方、変数ビットbitが「1」である場合(S806aでYES)、S823で、多重化装置207は、量子化条件B’を設定する。S822あるいはS823の処理では、ブロックの横画素がN’の場合の量子化を行う。量子化条件A及びBでは図10(a)及び図10(b)の量子化閾値の変化の周期を使用するのに対し、量子化条件A’及びB’では図10(c)及び図10(d)の量子化閾値の変化の周期を使用する。その後の処理は、図8(a)と同様に、S809以降の処理を実行する。
+INT((j−TJ)/N’)+INT(TJ/N)] (5)
このS821の処理により、湾曲境界位置TJが画素位置j以下である場合のcode[ ]内の情報が分かるため、S806aで、多重化装置207は、代入した変数bitが「1」(bit=1)であるか否かを判定する。このS806aは、S806に対応する。判定の結果、変数ビットbitが「0」である場合(S806aでNO)、S822、多重化装置207は、量子化条件A’を設定する。一方、変数ビットbitが「1」である場合(S806aでYES)、S823で、多重化装置207は、量子化条件B’を設定する。S822あるいはS823の処理では、ブロックの横画素がN’の場合の量子化を行う。量子化条件A及びBでは図10(a)及び図10(b)の量子化閾値の変化の周期を使用するのに対し、量子化条件A’及びB’では図10(c)及び図10(d)の量子化閾値の変化の周期を使用する。その後の処理は、図8(a)と同様に、S809以降の処理を実行する。
また、図8(c)で説明したような直接RGBの輝度情報に周期性を多重化する方式についても、量子化条件A’及び量子化条件B’を多重化周期A’及び多重化周期B’と読み替えて処理することによりRGBデータに対して多重化周期を与えることが可能となる。
図8(b)の処理を実行することで、図9(b)に示すように、湾曲境界位置TJの左右でブロックの横画素数を変更することができる。この処理によって得られた画像を用いて印刷物を作成し製本した非フラットタイプのフォトブックは図17(d)のようになり、従来と同様の分離装置210を使用することで付加情報を分離することができる。
以上説明したように、実施形態1によれば、カメラと被写体(写真)の角度に依存することなく、付加情報を読み取ることができる。その結果、フラット製本以外の製本方法、特に、ノド部に谷ができるような製本方法によって製本されたフォトブックでも、そのノド部の谷の影響を受けない、付加情報の生成及び分離が可能になる。
尚、上記実施形態では、製本タイプ毎に多重化条件を変更しているが、ページ数に応じても多重化条件を変更しても良い。即ち、フォトブックの湾曲はページ数によっても変わるため、ページ数に応じて湾曲境界位置TJが変わる。そこで、図18(b)に示すように、ページ数に応じて湾曲境界位置を設定するページ数DBを利用することもできる。このページ数DBは、製本タイプDBと同様に、例えば、ROM612に記憶されている。このページ数DBでは、ページ数と見開きの左右に従って湾曲境界位置の画素を設定している。フォトブックが左開きの場合、ページの始まりでは見開きの左側の湾曲が大きく、ページの終わりでは見開きの右側の湾曲が大きくなる。そこで、このような特徴を考慮しいて、ページ数DBにおいて、ページ数に応じた湾曲境界位置の画素数を設定しておき、ページ数に応じて湾曲判定を実行することができる。
また、上記実施形態では、湾曲境界位置を1つに設定しているが、これに限定されず、複数の湾曲境界位置を設定することもできる。また、湾曲境界位置を設定せずにノド部に近づくに従ってブロック横画素Nを変更することもできる。また、ブロック横画素Nだけでなくブロック縦画素Mを変更することもできる。
また、フォトブックは、実施形態1で作成した印刷物自体を製本することでフォトブックを作成することも可能である。あるいは、無地の印刷物を製本して作成されたフォトブックのページに、実施形態1で作成した印刷物を貼り付けてフォトブックを作成することも可能である。
<<実施形態2>>
実施形態2は、図19(a)で示すように、地球儀等の球体に付加情報を多重化する場合について説明する。球体に対して多重化ブロックの横画素Nと縦画素Mがすべて同じ画素のブロックを36個(縦6個×横6個)並べて印刷した場合、球体の1方向から撮影した画像は図19(b)のようになる。図19(b)を4ブロックずつA〜I領域に分けた場合、領域Eを基準に、領域Bと領域Hは縦方向に縮小し、領域Dと領域Fは横方向に縮小し、領域A、C、G及びIは縦方向と横方向に縮小して撮影する。
実施形態2は、図19(a)で示すように、地球儀等の球体に付加情報を多重化する場合について説明する。球体に対して多重化ブロックの横画素Nと縦画素Mがすべて同じ画素のブロックを36個(縦6個×横6個)並べて印刷した場合、球体の1方向から撮影した画像は図19(b)のようになる。図19(b)を4ブロックずつA〜I領域に分けた場合、領域Eを基準に、領域Bと領域Hは縦方向に縮小し、領域Dと領域Fは横方向に縮小し、領域A、C、G及びIは縦方向と横方向に縮小して撮影する。
図19(b)の撮影画像では、領域E以外は付加情報を分離できない。図19(b)の領域E以外の領域の付加情報を分離する場合、それぞれの方向(9方向)にカメラを傾けて撮影する必要がある。図19(c)はカメラを傾けて撮影した場合の撮影画像の一例を示す図である。図19(c)は、図19(b)の領域D、E及びFを結ぶ線で切断した断面図を表わしており、1902、1903、1904はカメラを示している。即ち、領域Eはカメラ1902で撮影し、領域Dと領域Fはそれぞれカメラ1901、カメラ1903のように、カメラの位置を傾けて撮影する必要がある。同様に、領域Bと領域H、領域Aと領域I、領域Cと領域Gの方向にも傾ける必要があるため、最大で9回の撮影が必要となる場合がある。
そこで、図8(b)における多重化処理を適用すると、図19(b)の傾きに合わせて、多重化ブロックである領域Bと領域Hは縦方向、領域Dと領域Fは横方向、多重化ブロックである領域A、C、G及びIは縦方向と横方向に伸長して印刷することができる。その結果、図19(d)に示すように、カメラ1904の1回の撮影で、A〜I領域それぞれの付加情報を分離することができる。
以上説明したように、実施形態2によれば、撮像装置と被写体(写真)の角度に依存することなく、球体等の立体に多重化されて印刷されている付加情報を効率よく読み取ることができ、1回の撮影で付加情報の分離が可能になる。
<<実施形態3>>
実施形態3では、図20で示すように、付加情報を分離するカメラ付携帯端末105が固定された台座に設置される場合について説明する。図20(a)ではカメラ付携帯端末105が支柱2002に固定された台座2001の上に載置されている。これは付加情報を分離する際にカメラ付携帯端末105の手ぶれ防止するために使用される。即ち、フォトブック2003より付加情報を分離する際にカメラ付携帯端末105を手で持ちながら撮影すると手ぶれが発生してしまう。手ぶれが発生することによりカメラ付携帯端末105で撮影された画像がボケてしまい付加情報を分離することができなくなってしまう。台座2001にカメラ付携帯端末105を固定することで手ぶれを防止する。さらに、台座2001にカメラ付携帯端末105を固定しながら操作するため、操作を容易にするために水平面(印刷物の印刷面)より傾けて固定している。
実施形態3では、図20で示すように、付加情報を分離するカメラ付携帯端末105が固定された台座に設置される場合について説明する。図20(a)ではカメラ付携帯端末105が支柱2002に固定された台座2001の上に載置されている。これは付加情報を分離する際にカメラ付携帯端末105の手ぶれ防止するために使用される。即ち、フォトブック2003より付加情報を分離する際にカメラ付携帯端末105を手で持ちながら撮影すると手ぶれが発生してしまう。手ぶれが発生することによりカメラ付携帯端末105で撮影された画像がボケてしまい付加情報を分離することができなくなってしまう。台座2001にカメラ付携帯端末105を固定することで手ぶれを防止する。さらに、台座2001にカメラ付携帯端末105を固定しながら操作するため、操作を容易にするために水平面(印刷物の印刷面)より傾けて固定している。
図20(b)は図20(a)のカメラ付携帯端末105とフォトブック2003を横から見た関係図である。今、フォトブック2003のページの全面に付加情報が多重化され印刷されているとすると、カメラ付携帯端末105とフォトブック2003の下部との距離2004よりカメラ付携帯端末105とフォトブック2003の上部との距離2005の方が長い。これはフォトブック2003に対してカメラ付携帯端末105を水平にして撮影した場合に比べて距離の差が大きい。従って、図20(b)の状態での撮影画像は図12(b)のようになっている。カメラ付携帯端末105からの距離が、距離2004より遠い距離2005付近の撮影画像は、距離2004付近の撮影画像より小さくなってしまう。つまり、距離2005付近の撮像領域では付加情報を分離できなくなってしまう。
そこで、図8(b)における多重化処理を適用すると、距離2005付近の撮影領域に対しては多重化ブロックの形状を縦方向及び横方向に伸長し、距離2004付近の撮影領域に対しては多重化ブロックの形状を変更しない。このように、従来、付加情報を分離できない距離2005付近の撮像領域においても付加情報を分離することができる。
尚、画像に対する埋込領域の区分の方法も撮像装置と被写体の距離に基づいて切り替える。例えば、ユーザにより入力された撮像装置と被写体の距離が図20(b)となる場合、埋込領域を図21(a)のように区分する。そして境界よりも下側の埋込領域には、例えば、量子化条件として図10(a)−(b)を使用し、境界よりも上側の埋込領域には図21(b)−(c)を使用する。
以上説明したように、実施形態3によれば、撮像装置と被写体(写真)に対する撮影角度を考慮して付加情報を多重化することで、撮像装置と被写体(写真)に対する撮影角度に依存することなく、被写体から付加情報を精度良くかつ効率的に分離することができる。
<<実施形態4>>
用途や目的に応じて、上記実施形態1〜3を任意に組み合わせた実施形態も可能である。例えば、付加情報を埋め込むための埋込条件を、任意に組み合わせて用いることができる。例えば、図18における製本タイプとページ数を指定して、その指定された製本タイプとページ数によって規定される、印刷物の画像を撮影する撮影面と撮影装置との撮影角度を埋込条件として使用できる。更には、製本タイプとページ数に加えて、付加情報を埋め込んだ画像を配置するページ内の位置を指定して、その指定された製本タイプ、ページ数、及び位置によって規定される、印刷物の画像を撮影する撮影面と撮影装置との撮影角度を埋込条件として使用できる。また、更には、これらの埋込条件を加えて、実施形態3のような、印刷物の印刷面に対する撮影装置の撮影角度あるいは撮影距離を加味した埋込条件を使用することもできる。
用途や目的に応じて、上記実施形態1〜3を任意に組み合わせた実施形態も可能である。例えば、付加情報を埋め込むための埋込条件を、任意に組み合わせて用いることができる。例えば、図18における製本タイプとページ数を指定して、その指定された製本タイプとページ数によって規定される、印刷物の画像を撮影する撮影面と撮影装置との撮影角度を埋込条件として使用できる。更には、製本タイプとページ数に加えて、付加情報を埋め込んだ画像を配置するページ内の位置を指定して、その指定された製本タイプ、ページ数、及び位置によって規定される、印刷物の画像を撮影する撮影面と撮影装置との撮影角度を埋込条件として使用できる。また、更には、これらの埋込条件を加えて、実施形態3のような、印刷物の印刷面に対する撮影装置の撮影角度あるいは撮影距離を加味した埋込条件を使用することもできる。
このように、上記実施形態は、埋込条件として、撮影装置に関する撮影条件(多重化条件)を入力して、その撮影条件に応じて、付加情報を埋め込む領域を複数の領域に区分して埋め込み、その付加情報を埋め込んだ画像を生成するものである。ここで、撮影条件は、付加情報を埋め込む領域の形状を規定する埋込条件ともいえる。
ここで、実施形態1の場合、撮影条件とは、製本タイプや製本時のページ数によって規定される撮影装置と撮影面との撮影角度に相当する。また、実施形態2の場合は、撮影条件とは、印刷物を張り付ける立体物の形状によって規定される撮影装置と撮影面との撮影角度に相当する。更に、実施形態3の場合は、撮影条件とは、撮影装置と撮影面との撮影角度あるいは撮影距離に相当する。
ここで、撮影面とは、撮影装置(撮像センサ)の解像度によって区分される、撮影対象の被写体の全体領域の部分領域に相当する。そして、多重化装置207は、この部分領域毎に撮影角度が所定範囲内であるか否かに応じて、付加情報を埋め込む領域(埋込領域)の形状(サイズ)を制御(決定)する。
より具体的には、撮影角度が所定範囲内となる撮影面に対応する埋込領域については、所定サイズの埋込領域に設定し、撮影角度が所定範囲内でない撮影面に対応する埋込領域については、その所定サイズの埋込領域よりも大きいサイズの埋込領域を設定する。特に、埋込領域の形状が矩形である場合には、撮影角度が所定範囲内でない撮影面に対応する埋込領域については、縦方向及び横方向の少なくとも一方を伸長する。
このように埋込領域の形状を制御することで、撮影装置と被写体に対する撮影面の角度に依存することなく、被写体に埋め込まれている付加情報を精度良く抽出(分離)することができる。
また、実施形態3では、付加情報が埋め込まれた画像を印刷した印刷物から付加情報を分離する構成としているが、これに限定されない。例えば、その画像を表示装置に表示する際に、実施形態3と同様に、表示装置の表示面に対して、撮影装置を傾けて付加情報を読み取る場合にも、付加情報を精度良く分離することが可能となる。
尚、以上の実施形態の機能は以下の構成によっても実現することができる。つまり、本実施形態の処理を行うためのプログラムコードをシステムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)がプログラムコードを実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することとなり、またそのプログラムコードを記憶した記憶媒体も本実施形態の機能を実現することになる。
また、本実施形態の機能を実現するためのプログラムコードを、1つのコンピュータ(CPU、MPU)で実行する場合であってもよいし、複数のコンピュータが協働することによって実行する場合であってもよい。さらに、プログラムコードをコンピュータが実行する場合であってもよいし、プログラムコードの機能を実現するための回路等のハードウェアを設けてもよい。またはプログラムコードの一部をハードウェアで実現し、残りの部分をコンピュータが実行する場合であってもよい。
202:作成装置、207:多重化装置、208:プリンタ、209:撮像センサ、210:分離装置、600:誤差拡散処理部、601:ブロック化部、602:量子化条件制御部、610:制御部、611:CPU、612:ROM、613:ROM
Claims (15)
- 画像に付加情報を埋め込む画像処理装置であって、
前記付加情報を埋め込むための複数の量子化条件を保持する保持手段と、
前記画像を複数の埋込領域に区分し、処理対象の埋込領域に対応する前記画像の情報と前記処理対象の埋込領域の位置に基づいて、前記複数の量子化条件から量子化に使用する条件を選択する選択手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 画像に付加情報を埋め込む画像処理装置であって、
前記付加情報を埋め込むための複数の多重化周期を保持する保持手段と、
前記画像を複数の埋め込み領域に区分し、処理対象の埋め込み領域に対応する前記画像の情報と前記処理対象の埋め込み領域の位置に基づいて、前記複数の多重化周期から画像に多重化する多重化周期を選択する選択手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記埋込領域は、矩形であり、
ユーザにより設定された印刷物の形状によって前記埋込領域のサイズを決定し、前記複数の埋込領域のサイズは、所定の境界位置を基準に異なる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - ユーザにより設定された印刷物の形状によって特定された印刷物の境界位置に対して所定の方向に配置される埋込領域のサイズよりも、前記所定の方向とは反対の方向に配置される埋込領域のサイズの方が大きい
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - ユーザにより設定された印刷物のページ数によって特定された印刷物の境界位置に対して所定の方向に配置される埋込領域のサイズよりも、前記所定の方向とは反対の方向に配置される埋込領域のサイズの方が大きい
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 画像に付加情報を埋め込む画像処理方法であって、
前記付加情報を埋め込むための複数の量子化条件を保持する保持工程と、
前記画像を複数の埋込領域に区分し、処理対象の埋込領域に対応する前記画像の情報と前記処理対象の埋込領域の位置に基づいて、前記複数の量子化条件から量子化に使用する条件を選択する選択工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。 - 画像に付加情報を埋め込む画像処理方法であって、
前記付加情報を埋め込むための複数の多重化周期を保持する保持工程と、
前記画像を複数の埋め込み領域に区分し、処理対象の埋め込み領域に対応する前記画像の情報と前記処理対象の埋め込み領域の位置に基づいて、前記複数の多重化周期から画像に多重化する多重化周期を選択する選択工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。 - 前記埋込領域は、矩形であり、
ユーザにより設定された印刷物の形状によって前記埋込領域のサイズを決定し、前記複数の埋込領域のサイズは、所定の境界位置を基準に異なる
ことを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理方法。 - ユーザにより設定された印刷物の形状によって特定された印刷物の境界位置に対して所定の方向に配置される埋込領域のサイズよりも、前記所定の方向とは反対の方向に配置される埋込領域のサイズの方が大きい
ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像処理方法。 - ユーザにより設定された印刷物のページ数によって特定された印刷物の境界位置に対して所定の方向に配置される埋込領域のサイズよりも、前記所定の方向とは反対の方向に配置される埋込領域のサイズの方が大きい
ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の画像処理方法。 - 画像に付加情報を埋め込む画像処理をコンピュータに機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記付加情報を埋め込むための複数の量子化条件を保持する保持手段と、
前記画像を複数の埋込領域に区分し、処理対象の埋込領域に対応する前記画像の情報と前記処理対象の埋込領域の位置に基づいて、前記複数の量子化条件から量子化に使用する条件を選択する選択手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。 - 画像に付加情報を埋め込む画像処理をコンピュータに機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記付加情報を埋め込むための複数の多重化周期を保持する保持手段と、
前記画像を複数の埋め込み領域に区分し、処理対象の埋め込み領域に対応する前記画像の情報と前記処理対象の埋め込み領域の位置に基づいて、前記複数の多重化周期から画像に多重化する多重化周期を選択する選択手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。 - 前記埋込領域は、矩形であり、
ユーザにより設定された印刷物の形状によって前記埋込領域のサイズを決定し、前記複数の埋込領域のサイズは、所定の境界位置を基準に異なる
ことを特徴とする請求項11または12に記載のプログラム。 - ユーザにより設定された印刷物の形状によって特定された印刷物の境界位置に対して所定の方向に配置される埋込領域のサイズよりも、前記所定の方向とは反対の方向に配置される埋込領域のサイズの方が大きい
ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載のプログラム。 - ユーザにより設定された印刷物のページ数によって特定された印刷物の境界位置に対して所定の方向に配置される埋込領域のサイズよりも、前記所定の方向とは反対の方向に配置される埋込領域のサイズの方が大きい
ことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載のプログラム。
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