JP2016061584A - 放射線計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シンチレータ等のアレイ型放射線検出器を有するガンマ線カメラ等で、入射放射線がコンプトン散乱を起こした場合、複数のピクセルで信号が検知され、その場合、最初に入射したピクセルの決定精度が低下することがある。【解決手段】放射線計測装置は、放射線検出器201と、検出器より得られるピクセル毎の検出エネルギーと放射線が入射したピクセルの情報を取得する算出部202を有する。算出部は、ピクセルの検出信号をエネルギーに変換する変換部203と、算出部205と、判定部206と、判定部の判定より、放射線が最初に入射したピクセルの情報を取得する決定部207を有する。算出部205は、ピクセルの検出エネルギーから、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかどうかを判定するコンプトン散乱判定値を求める。判定部206は、コンプトン散乱判定値から、ピクセルでコンプトン散乱が発生したかを判定する。【選択図】図2
Description
本発明は、複数ピクセルから成るアレイ型ガンマ線検出器などの放射線検出器におけるガンマ線等の放射線の入射位置情報を取得して放射線の情報を取得する放射線計測方法及びその装置に関するものである。
複数ピクセルから成るアレイ型のガンマ線検出器では、ガンマ線が入射したピクセル内部でコンプトン散乱を起こした場合、隣接ピクセルへガンマ線が到達することにより複数ピクセルで信号が検出されることがある。その場合、外部からガンマ線が入射した位置(ピクセル)がどちらかを判別することが困難となる。ガンマ線の入射位置(ピクセル)はこれまで様々な方法により決定されている。例えば、検出されたガンマ線の全エネルギーが511keV以下の場合、コンプトン散乱が一回発生したピクセルで検出されるエネルギーの最大値は入射ガンマ線の2分の1以下になる。このことから、信号が検出されたピクセルが2つある場合、検出エネルギーの低い方、すなわちコンプトン散乱を起こしたピクセルをガンマ線が入射したピクセルと判定する(特許文献1参照)。
しかしながら、入射するガンマ線のエネルギーによっては、コンプトン散乱を起こしたピクセルの検出エネルギーの方が、光電吸収が発生したピクセルの検出エネルギーよりも大きくなる場合がある。また、複数回コンプトン散乱が生じた場合には3つ以上のピクセルで信号が検出されることになる。
そこで、本発明は、次の仕方で、放射線が最初に入射したピクセルの情報を取得して放射線の情報を取得する方法及び装置を提供することを目的とする。すなわち、複数ピクセルから信号が検出された場合には、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかどうかを判定するためのコンプトン散乱判定値を導入する。そして、コンプトン散乱が発生したと判定されたピクセルの情報から放射線が最初に入射した入射位置の情報を取得する。
上述した課題に鑑み、複数のピクセルから成るアレイ型放射線検出器と、前記放射線検出器より得られるピクセル毎の検出エネルギーと放射線が入射したピクセルの情報を取得する放射線情報算出部を有する本発明の放射線計測装置は次の特徴を有する。すなわち、前記放射線情報算出部は、前記各ピクセルにおいて、検出した信号が所定の閾値以上であるピクセルについて前記検出信号をエネルギーに変換するエネルギー変換部と、前記各ピクセルの検出エネルギーから、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかどうかを判定するためのコンプトン散乱判定値を求めるコンプトン散乱判定値算出部と、前記コンプトン散乱判定値から、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかを判定するコンプトン散乱判定部と、前記コンプトン散乱判定部の判定より、放射線が最初に入射したピクセルの情報を取得する放射線入射ピクセル決定部と、を有する。
本発明に依れば、アレイ型放射線検出器を構成する複数ピクセルの内、放射線が最初に入射した入射位置の情報の決定精度が向上することで、結果として放射線の到来方向の決定精度が向上する。
本発明では、各ピクセルの検出エネルギーから、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかどうかを判定するためのコンプトン散乱判定値を求め、コンプトン散乱判定値から、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかを判定する。そして、該判定より、放射線が最初に入射したピクセルの情報を取得する。シンチレータ等のアレイ型の放射線検出器を有するガンマ線カメラなどにおいて、入射した放射線がコンプトン散乱を起こした場合、複数のピクセルで信号が検知されることがある。その場合、最初に入射したピクセルの決定精度が低下することになりやすいが、本発明では、各ピクセルの検出エネルギーからコンプトン散乱判定値を求め確率的にコンプトン散乱が発生したのかを判定し、放射線が最初に入射したピクセルの情報を取得する。
以下の実施形態及び実施例を説明する。この説明では、放射線はガンマ線であるとして説明するが、コンプトン散乱を起こすのに充分なエネルギーを持つその他の放射線であっても計測原理は同じである。
(実施形態1)
図1〜図3を使用して本発明の実施形態1について説明する。図1は本発明のガンマ線入射ピクセルの決定方法のフローチャートである。また、図2は、実施形態1の放射線情報算出部であるガンマ線情報算出部202を有するシステム構成例である。図3はガンマ線が或るピクセルに入射しコンプトン散乱が発生したことにより、複数のピクセルで信号が検出される事象の例を模式的に示したものである。
図1〜図3を使用して本発明の実施形態1について説明する。図1は本発明のガンマ線入射ピクセルの決定方法のフローチャートである。また、図2は、実施形態1の放射線情報算出部であるガンマ線情報算出部202を有するシステム構成例である。図3はガンマ線が或るピクセルに入射しコンプトン散乱が発生したことにより、複数のピクセルで信号が検出される事象の例を模式的に示したものである。
図1の工程101は、図2のガンマ線検出器201の各ピクセルにおけるコンプトン散乱や光電吸収などの事象発生に伴う信号を検出する工程である。複数ピクセルで信号が検出される事象の例を図3に示す。この例では、ガンマ線が或るピクセル301に入射し、ピクセル内部でコンプトン散乱を起こした場合、コンプトン散乱点では反跳電子と散乱ガンマ線が発生する。反跳電子は、ガンマ線が入射したピクセル内で吸収される。一方、散乱ガンマ線は入射したピクセルとは異なるピクセル302まで到達し、光電吸収によってエネルギーを全て失う。この事象の場合、2つのピクセルで信号が検出される。
続いて、図1の工程102は、信号が検出された前記ピクセルからの信号が或る閾値を超えたピクセルについて、信号値をエネルギーに換算し記憶する工程である。図3の事象の場合、2つのピクセルの信号値が或る閾値を超えていれば2つのピクセルの検出信号を図2の203のエネルギー変換部でエネルギーに換算し、図2の204の記憶装置部で記憶する。信号値とは、例えば前記ガンマ線検出器がシンチレータ及び光電子増倍管から構成されている場合、波高値(即ち、信号の最大値の情報)である。
図1の工程103は前記検出エネルギーからコンプトン散乱判定値を求める工程である。前記記憶装置部にあるピクセルのエネルギーから、図2の205のコンプトン散乱判定値算出部にてコンプトン散乱判定値CSVを次式の式1で求める。
ここで、公式dσ/dΩはクライン-仁科の公式である。ガンマ線検出器201に入射したガンマ線の入射エネルギーE0は、全ピクセルの総エネルギーから求めることが出来る。Eγは、ある1つのピクセルでの検出エネルギーとする。mc2は、電子の静止エネルギーmc2である。dσ/dΩ(Eγ)は、Eγのエネルギーを持ったガンマ線についての微分散乱断面積であり、dσ/dΩ(E0-Eγ)は、残りのエネルギーを持ったガンマ線と仮定した時の微分散乱断面積である。このように仮定する根拠は、はじめは、どのピクセルでコンプトン散乱が発生したかは不明なので、取りあえずガンマ線のコンプトン散乱と仮定することにある。この仮定は、その後の検証で、効果ありと確認される。
図4に、入射ガンマ線のエネルギーE0が662keVの時のdσ/dΩ(Eγ)とdσ/dΩ(E0−Eγ)の関係を示す。検出エネルギーEγを散乱ガンマ線のエネルギーと仮定すると、E0-Eγは反跳電子のエネルギーに相当するが、本実施形態におけるコンプトン散乱判定値としては、上述した様に、ガンマ線に対する微分散乱断面積(クライン−仁科公式)を適用する。
図1の工程104は、前記コンプトン散乱判定値から、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかどうかを判定する工程であり、図2の206のコンプトン散乱判定部にてコンプトン散乱の発生有無を判定する。例えば、前記の式1のCSVは0から1までの間の値を取る。よって、CSVが0.5以上の時、すなわちdσ/dΩ(E0−Eγ)がdσ/dΩ(Eγ)よりも大きい時、該ピクセルでは反跳電子由来の散乱確率の方が大きいと判断し、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したと判定する。つまり、コンプトン散乱判定部では、コンプトン散乱判定値が取りうる値の平均より大きい場合に該ピクセルでコンプトン散乱が発生したと判定する。本実施形態の場合、検出エネルギーが入射エネルギーの2分の1以下のピクセルではdσ/dΩ(E0−Eγ)の方が大きい、つまりコンプトン散乱が発生したと判定される。図4は、このことを示しており、検出エネルギーがほぼ331keV以下の場合、dσ/dΩ(E0−Eγ)がdσ/dΩ(Eγ)より大きい。
図1の工程105は、ガンマ線が入射したピクセルを決定する工程である。ここでは、検出したエネルギーが所定の閾値以上であるピクセルのうち、コンプトン散乱判定部においてコンプトン散乱が発生したと判定されたピクセルが1つの場合、該ピクセルを放射線が入射したピクセルと決定する。しかし、コンプトン散乱が発生したと判定されたピクセルが複数ある場合、それらピクセルからガンマ線が入射したピクセルを決定する。ここでは、図2の207の放射線入射ピクセル決定部であるガンマ線入射ピクセル決定部にて、コンプトン散乱が発生したと判定されたピクセルの内、アレイの表面中心に最も近いピクセルをガンマ線が入射したピクセルと決定する。これは、線源に対してガンマ線検出器を配置する際、線源ができるだけアレイ表面中心から表面に垂直な軸上に沿った位置に配置することを想定している。その場合、前記ガンマ線検出器へのガンマ線総入射本数に対して中央に位置するピクセルの方が周辺に位置するピクセルよりも入射本数が多くなる。
一方、コンプトン散乱が発生したと判定されたピクセルが1つも無い場合は、判定に用いたピクセルの内、検出エネルギーが最も小さいピクセルをガンマ線が入射したピクセルと判定する。これは、図4から検出エネルギーが小さい方が反跳電子のエネルギー由来である確率が高く、該ピクセルでコンプトン散乱が発生した可能性が他の該当ピクセルよりも高いという考えからである。このことは、ガンマ線が進むにつれて、後の方のピクセルの検出エネルギーが大きくなることを示す阻止能に対する理論式によっても保証される。
あるいは、図1の工程105において1つのピクセルをガンマ線が入射したピクセルであると決定せず、前記各ピクセルのコンプトン散乱判定値の大きさの比を、該ピクセルが入射ピクセルである確率の大きさの比であるとしてもよい。このようにした場合、ガンマ線の到来方向の推定結果にも、確率的な重みを付加してもよい。
以上の結果に基づき、例えば、画像再構成装置で各入射ガンマ線の入射方向ベクトルなどから放射線源の分布を画像データ化し、表示装置によって、この画像データに基づく強度分布を濃淡や色の違いによって表示することができる。
(実施形態2)
次に、図5を用いて本発明の実施形態2について説明する。実施形態1と異なる箇所は、図1の工程104のコンプトン散乱判定値からコンプトン散乱が発生したかを判定する工程である。前記コンプトン散乱判定値CSVは0から1までの間の値になるので、図5の506の乱数発生部にて、0から1までの間で実数の乱数を発生させる。そして、図5の507のコンプトン散乱判定部にて、前記乱数値がCSVより小さければコンプトン散乱が発生したと判定する。すなわち、コンプトン散乱判定値と共に、コンプトン散乱を判定するためにコンプトン散乱判定値が取りうる値の最小値から最大値の間にある任意の実数を発生させる。そして、コンプトン散乱判定部では、コンプトン散乱判定値と任意の実数から、コンプトン散乱判定値が前記実数より小さい場合に該ピクセルでコンプトン散乱が発生したと判定する。なお、図5において、501はガンマ線検出器、502はガンマ線情報算出部、503はエネルギー変換部、504は記憶装置部、505はコンプトン散乱判定値算出部、508はガンマ線入射ピクセル決定部である。
次に、図5を用いて本発明の実施形態2について説明する。実施形態1と異なる箇所は、図1の工程104のコンプトン散乱判定値からコンプトン散乱が発生したかを判定する工程である。前記コンプトン散乱判定値CSVは0から1までの間の値になるので、図5の506の乱数発生部にて、0から1までの間で実数の乱数を発生させる。そして、図5の507のコンプトン散乱判定部にて、前記乱数値がCSVより小さければコンプトン散乱が発生したと判定する。すなわち、コンプトン散乱判定値と共に、コンプトン散乱を判定するためにコンプトン散乱判定値が取りうる値の最小値から最大値の間にある任意の実数を発生させる。そして、コンプトン散乱判定部では、コンプトン散乱判定値と任意の実数から、コンプトン散乱判定値が前記実数より小さい場合に該ピクセルでコンプトン散乱が発生したと判定する。なお、図5において、501はガンマ線検出器、502はガンマ線情報算出部、503はエネルギー変換部、504は記憶装置部、505はコンプトン散乱判定値算出部、508はガンマ線入射ピクセル決定部である。
(実施形態3)
続いて、図6及び図7を用いて本発明の実施形態3について説明する。実施形態1と異なる箇所は、検出エネルギーからコンプトン散乱判定値を求める工程103である。記憶装置部604に記憶されているピクセル毎のエネルギーをもとにコンプトン散乱判定値算出部606にてコンプトン散乱判定値CSVを次の式2で求める。
続いて、図6及び図7を用いて本発明の実施形態3について説明する。実施形態1と異なる箇所は、検出エネルギーからコンプトン散乱判定値を求める工程103である。記憶装置部604に記憶されているピクセル毎のエネルギーをもとにコンプトン散乱判定値算出部606にてコンプトン散乱判定値CSVを次の式2で求める。
ここで、確率Pcomp、確率Pphotは、平均自由行程をmi、質量密度をρi、質量吸収係数をκi、ピクセル代表深さ(ピクセルアレイの放射線入射面に垂直な方向のピクセルの高さ)をtとした時のコンプトン散乱、光電吸収が発生する確率である。iは、各ピクセルにて発生する事象の種類である。両者の相互作用発生確率の大きさの比をコンプトン散乱判定値とし、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかどうかを判定する。その際、前記相互作用確率は、ガンマ線検出器の種類や形状によって異なる質量密度や代表深さだけでなく、ガンマ線のエネルギーにも依存する。そのため前記相互作用確率は、予め図7に示す相互作用発生確率のデータとして相互作用確率記憶装置部605に収めておく。その際、各ピクセルの検出エネルギーに応じて質量吸収係数κを変更し、前記式2を用いて相互作用発生確率を算出する。このように、本実施形態では、検出エネルギーと光電吸収、コンプトン散乱など光子と物質との相互作用が発生する確率の関係を記憶した記憶装置部を備える。なお、図6において、601はガンマ線検出器、602はガンマ線情報算出部、603はエネルギー変換部、607はコンプトン散乱判定部、608はガンマ線入射ピクセル決定部である。
最後に、図8を用いて本発明の実施形態4について説明する。実施形態3と異なる箇所は、コンプトン散乱判定値からコンプトン散乱が発生したかを判定する工程104である。前記式2のコンプトン散乱判定値CSVは0から1までの間の値になるので、乱数発生部807にて0から1までの間で実数の乱数を発生させ、コンプトン散乱判定部808でその乱数値がCSVより小さければコンプトン散乱が発生したと判定する。なお、図8において、801はガンマ線検出器、802はガンマ線情報算出部、803はエネルギー変換部、804は記憶装置部、805は相互作用確率記憶装置部、806はコンプトン散乱判定値算出部、808はガンマ線入射ピクセル決定部である。
(実施例1)
以下に本発明の実施例を示す。図9は、検証用のシミュレーションモデルである。8×8のピクセルから成るアレイ型シンチレータの表面の中央直上に点線源を置き、シンチレータ表面に到達する範囲内でランダムな方向に662keVのガンマ線を10万本入射した時のモンテカルロシミュレーションを実施した。ここで、シンチレータはGSOを想定し代表深さは13mmとした。また、検出エネルギーの下限となる閾値は50keVとした。10万本入射のシミュレーション結果の内、シンチレータ内部でコンプトン散乱と光電吸収が生じたイベントのみを抽出する。そして、検出ピクセルの位置番号(i,j)と検出エネルギーEγを昇順に並び変えた。ここでは、シンチレータが8×8のピクセルから成るので、事象毎にピクセル(i,j)の情報(位置番号と検出エネルギー)を(i*8+j)行目に記述した。
以下に本発明の実施例を示す。図9は、検証用のシミュレーションモデルである。8×8のピクセルから成るアレイ型シンチレータの表面の中央直上に点線源を置き、シンチレータ表面に到達する範囲内でランダムな方向に662keVのガンマ線を10万本入射した時のモンテカルロシミュレーションを実施した。ここで、シンチレータはGSOを想定し代表深さは13mmとした。また、検出エネルギーの下限となる閾値は50keVとした。10万本入射のシミュレーション結果の内、シンチレータ内部でコンプトン散乱と光電吸収が生じたイベントのみを抽出する。そして、検出ピクセルの位置番号(i,j)と検出エネルギーEγを昇順に並び変えた。ここでは、シンチレータが8×8のピクセルから成るので、事象毎にピクセル(i,j)の情報(位置番号と検出エネルギー)を(i*8+j)行目に記述した。
その上で、前記ガンマ線入射ピクセル決定方法により決定したピクセルと、シミュレーションの結果から、前記各実施形態の決定精度を評価した。シミュレーション結果では、コンプトン散乱と光電吸収が共に生じたイベント数は11198であった。その内、同一ピクセル内でコンプトン散乱が複数回発生することにより、該ピクセルでの吸収エネルギー合計が大きくなっているイベントも多くある。従って、コンプトン散乱が同一ピクセル内で複数回生じた場合にはコンプトン散乱判定値の確度が低下すると考えられ、前記各実施形態による決定方法での下記の正答数は、上記イベント数よりも小さい値であると推測される。
本発明の実施形態1による決定方法での正答数は3915であり、一方、最も検出エネルギーが小さいピクセルをガンマ線入射ピクセルと決定する特許文献1とほぼ同じ判定条件での正答数は3779であった。よって、ガンマ線入射ピクセルの決定精度の向上が確認できた。なお、上述した様に、不正解のイベントは、例えば同一ピクセル内でコンプトン散乱が複数回発生することなどにより、該ピクセルの吸収エネルギーが大きくなり、コンプトン散乱判定値が小さくなったと考えられる。
本発明の実施形態2による決定方法での正答数は、4448であった。本発明の実施形態3による決定方法での正答数は、6845であった。本発明の実施形態4による決定方法での正答数は、5265であった。これらについても、ガンマ線入射ピクセルの決定精度の向上が確認できた。
(他の実施形態)
本発明の目的は、以下の放射線計測方法の実施形態によって達成することもできる。即ち、前述した実施形態の機能(ガンマ線情報算出部などの機能)を実現するソフトウェアのプログラムコードを格納した記憶媒体を、放射線計測装置やガンマカメラなどに供給する。ネットを介してソフトウェアのプログラムコードを供給することもできる。そして、ガンマ線情報算出部のコンピュータ(またはCPU、MPUなど)がプログラムコードを読み出し前記機能を実行する。この場合、プログラムコード自体が前記実施形態の機能を実現することになり、放射線計測を行うためのプログラムやこれを格納した記憶媒体は、本発明を構成することになる。詳細には、複数のピクセルから成るアレイ型放射線検出器より得られるピクセル毎の検出エネルギーと放射線が入射したピクセルの情報を取得する本実施形態の放射線計測方法は少なくとも次のステップを有する。前記各ピクセルにおいて、検出した信号が所定の閾値以上であるピクセルについて前記検出信号をエネルギーに変換する工程。前記各ピクセルの検出エネルギーから、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかどうかを判定するためのコンプトン散乱判定値を求める工程。前記コンプトン散乱判定値から、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかを判定する工程。前記コンプトン散乱判定の工程の判定より、放射線が最初に入射したピクセルの情報を取得する工程。
本発明の目的は、以下の放射線計測方法の実施形態によって達成することもできる。即ち、前述した実施形態の機能(ガンマ線情報算出部などの機能)を実現するソフトウェアのプログラムコードを格納した記憶媒体を、放射線計測装置やガンマカメラなどに供給する。ネットを介してソフトウェアのプログラムコードを供給することもできる。そして、ガンマ線情報算出部のコンピュータ(またはCPU、MPUなど)がプログラムコードを読み出し前記機能を実行する。この場合、プログラムコード自体が前記実施形態の機能を実現することになり、放射線計測を行うためのプログラムやこれを格納した記憶媒体は、本発明を構成することになる。詳細には、複数のピクセルから成るアレイ型放射線検出器より得られるピクセル毎の検出エネルギーと放射線が入射したピクセルの情報を取得する本実施形態の放射線計測方法は少なくとも次のステップを有する。前記各ピクセルにおいて、検出した信号が所定の閾値以上であるピクセルについて前記検出信号をエネルギーに変換する工程。前記各ピクセルの検出エネルギーから、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかどうかを判定するためのコンプトン散乱判定値を求める工程。前記コンプトン散乱判定値から、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかを判定する工程。前記コンプトン散乱判定の工程の判定より、放射線が最初に入射したピクセルの情報を取得する工程。
本発明による放射線計測の技術は、環境放射線計測や核医学診断等を行うガンマカメラなどに用いることができる。また、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
201・・アレイ型放射線検出器(ガンマ線検出器)、202・・放射線情報算出部(ガンマ線情報算出部)、203・・エネルギー変換部、204・・記憶装置部、205・・コンプトン散乱判定値算出部、206・・コンプトン散乱判定部、207・・放射線入射ピクセル決定部(ガンマ線入射ピクセル決定部)、901・・ピクセル
Claims (11)
- 複数のピクセルから成るアレイ型放射線検出器と、前記放射線検出器より得られるピクセル毎の検出エネルギーと放射線が入射したピクセルの情報を取得する放射線情報算出部を有する放射線計測装置であって、
前記放射線情報算出部は、
前記各ピクセルにおいて、検出した信号が所定の閾値以上であるピクセルについて前記検出信号をエネルギーに変換するエネルギー変換部と、
前記各ピクセルの検出エネルギーから、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかどうかを判定するためのコンプトン散乱判定値を求めるコンプトン散乱判定値算出部と、
前記コンプトン散乱判定値から、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかを判定するコンプトン散乱判定部と、
前記コンプトン散乱判定部の判定より、放射線が最初に入射したピクセルの情報を取得する放射線入射ピクセル決定部と、
を有することを特徴とする放射線計測装置。 - 請求項1に記載の放射線計測装置において、更に前記ピクセル毎の検出エネルギーを記憶する記憶装置部を有することを特徴とする放射線計測装置。
- 請求項1または2に記載の放射線計測装置において、前記検出エネルギーと光電吸収及びコンプトン散乱の、光子と物質との相互作用が発生する確率の関係を記憶した記憶装置部を有することを特徴とする放射線計測装置。
- 請求項1から5の何れか1項に記載の放射線計測装置において、前記コンプトン散乱判定部では、前記コンプトン散乱判定値が取りうる値の平均より大きい場合に該ピクセルでコンプトン散乱が発生したと判定することを特徴とする放射線計測装置。
- 請求項1から5の何れか1項に記載の放射線計測装置において、前記コンプトン散乱判定値と共に、コンプトン散乱を判定するためにコンプトン散乱判定値が取りうる値の最小値から最大値の間にある任意の実数を発生させる乱数発生部を有し、前記コンプトン散乱判定部では、前記コンプトン散乱判定値と前記任意の実数から、コンプトン散乱判定値が前記実数より小さい場合に該ピクセルでコンプトン散乱が発生したと判定することを特徴とする放射線計測装置。
- 請求項1または2に記載の放射線計測装置において、前記放射線入射ピクセル決定部では、検出したエネルギーが所定の閾値以上であるピクセルのうち、前記コンプトン散乱判定部においてコンプトン散乱が発生したと判定されたピクセルが1つの場合、該ピクセルを放射線が入射したピクセルと決定し、前記コンプトン散乱判定部においてコンプトン散乱が発生したと判定されたピクセルが複数ある場合、前記アレイ型放射線検出器の表面中心に最も近いピクセルを放射線が入射したピクセルと決定し、前記コンプトン散乱判定部においてコンプトン散乱が発生したと判定されたピクセルが1つも無い場合、判定に用いたピクセルの内、検出エネルギーが最も小さいピクセルを放射線が入射したピクセルと決定することを特徴とする放射線計測装置。
- 請求項1または2に記載の放射線計測装置において、前記放射線入射ピクセル決定部では、検出したエネルギーが所定の閾値以上であるピクセルにおいて、前記コンプトン散乱判定値算出部にて求められた該ピクセルの間のコンプトン散乱判定値の大きさの比を、放射線が入射したピクセルである確率の大きさの比とすることを特徴とする放射線計測装置。
- 請求項1から9の何れか1項に記載の放射線計測装置において、前記放射線はガンマ線であることを特徴とする放射線計測装置。
- 複数のピクセルから成るアレイ型放射線検出器より得られるピクセル毎の検出エネルギーと放射線が入射したピクセルの情報を取得する放射線計測方法であって、
前記各ピクセルにおいて、検出した信号が所定の閾値以上であるピクセルについて前記検出信号をエネルギーに変換する工程と、
前記各ピクセルの検出エネルギーから、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかどうかを判定するためのコンプトン散乱判定値を求める工程と、
前記コンプトン散乱判定値から、該ピクセルでコンプトン散乱が発生したかを判定する工程と、
前記コンプトン散乱判定の工程の判定より、放射線が最初に入射したピクセルの情報を取得する工程と、
を有することを特徴とする放射線計測方法。
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