JP6456699B2 - X線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置、スペクトル補正方法およびスペクトル補正プログラム - Google Patents

X線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置、スペクトル補正方法およびスペクトル補正プログラム Download PDF

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Description

本明細書で開示される実施形態は、一般に、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:以下、CTと呼ぶ)に関する。より詳細には、本明細書で開示される実施形態は、複数の光子計数検出器を有するCT装置と、このCT装置に関連する、光子計数検出器からの特性X線エスケープの現象を組み込んだスペクトル補正を実行するための方法およびプログラムに関する。
高エネルギー光子が検出器に衝突すると、検出器の原子からの内殻電子が、「光電子」として原子から放出される。この現象によって、原子は、内殻電子殻に空孔(孔)がある励起状態になる。次に、外殻電子が、その生成された孔に落ち込み、それによって、この2つの状態の間のエネルギー差に等しいエネルギーを持つ光子が放出される。各元素は、固有の一組のエネルギー準位を有する。各元素は、その元素の特徴的なパターンのX線を放出し、これは「特性X線」と呼ばれる。X線の強度は、対応する元素の濃度とともに増加する。
テルル化カドミウム(CdTe)またはテルル化カドミウム亜鉛(CZT)などの多くの材料では、特性X線は、主に、K殻(原子の核に最も近い殻)電子に関係する。特性X線が検出器から漏出(escape)した場合、検出器信号は不正確となり、生じたエネルギーの損失は、検出器の出力スペクトルの誤差(エラー)として現れる。したがって、測定されたスペクトル信号が歪められる(歪ませられる)可能性があり、再構成された画像においてアーチファクトを引き起こすことがある。
半導体検出器からの特性X線エスケープの現象および対応するスペクトル補正は、モンテカルロシミュレーションを使用してモデル化されてもよい。しかし、モンテカルロシミュレーションは、ヒューリスティックな手法で数値結果を得るためにランダムサンプリングに依拠しており、したがって計算集約的となる傾向がある。
米国特許出願公開第2014/0314211号公報
目的は、光子計数検出器における特性X線の複数のKエスケープに関する確率と、光子計数検出器の幾何学的位置関係と、入射スペクトルに対する測定スペクトルの応答関係とを用いて、検出されたスペクトルを補正可能なX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置、スペクトル補正方法およびスペクトル補正プログラムを提供することにある。
本実施形態に係るX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置は、X線管で発生されたX線光子を検出する光子計数検出器と、前記光子計数検出器からの出力に基づいて、前記X線光子に関して測定された測定スペクトルを生成するスペクトル生成部と、前記光子計数検出器における特性X線の複数のKエスケープに関する確率と、前記X線管に対する前記光子計数検出器の幾何学的位置関係と、前記光子計数検出器に入射した前記X線光子に対応する入射スペクトルに対する前記測定スペクトルの応答関係とを記憶する記憶部と、前記確率と前記幾何学的位置関係と前記応答関係とを用いて、前記測定スペクトルを補正する補正部と、を具備し、前記補正部は、前記応答関係を示す応答関数と前記確率と前記幾何学的位置関係とを用いて、前記測定スペクトルにおけるエネルギー成分において、前記Kエスケープに関するスペクトルを補正し、前記応答関数は、前記Kエスケープを除く確率に基づく第1エネルギー部分と、前記Kエスケープに関する確率に基づく第2エネルギー部分とを有し、前記第1エネルギー部分および前記第2エネルギー部分は、前記測定スペクトルに寄与する。
図1は、本実施形態に係り、光子計数検出器からの特性X線のエスケープの現象の一例を示す図である。 図2は、本実施形態に係り、特性X線のエスケープの現象および二次放出の一例を示す図である。 図3は、本実施形態に係り、1次Kエスケープ確率(primary escape probability)と2次Kエスケープ確率(secondary escape probability)との比較の一例を示すグラフである。 図4Aは、本実施形態に係り、2Dピクセル化された検出器の一例を示す図である。 図4Bは、本実施形態に係り、ピクセル間に不活性ゾーンを持つ検出器ピクセルの一例を示す図である。 図5は、本実施形態に係り、スペクトル補正で実行されるステップの一例を示すフローチャートである。 図6は、本実施形態に係るCTスキャナの一例を示す図である。 図7は、本実施形態に係るCTスキャナの一例を示す図である。 図8は、本実施形態に係るX線フォトンカウンティング断層撮影装置の構成の一例を示す構成図である。
本明細書で開示される実施形態は、スペクトル補正を実行するための装置および方法に関する。具体的には、本明細書で説明する実施形態は、パイルアップのない大型光子計数検出器の1次Kエスケープ確率と2次Kエスケープ確率とを決定するための方法および装置に関する。大型光子計数検出器では、検出器の側面から漏出するエネルギーの量に対する検出器の上面から漏出するエネルギーの比は大きい。そのような場合、本明細書で説明する解析モデルは、エスケープの確率を計算し、スペクトル補正を実行するために使用されることができる。より小型のサイズの検出器では、モンテカルロシミュレーションが、検出器の面からのエスケープの確率を決定するために使用されることができる。
一実施形態によれば、スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナのためのパイルアップなしのスペクトル補正を実行する方法であって、このスキャナは光子計数検出器を含む、方法は、光子計数検出器の1次Kエスケープ率(1次Kエスケープ確率)と2次Kエスケープ率(2次Kエスケープ確率)とを計算することと、この計算された1次Kエスケープ確率、計算された2次Kエスケープ確率、および光子計数検出器の幾何学的配置に基づいて、光子計数検出器のレスポンス関数(応答関数)を決定することと、被検体に関する測定された出力スペクトル(測定スペクトル)を取得することと、レスポンス関数と、測定された測定スペクトルとを使用して、光子計数検出器への入射スペクトルを決定することによって、測定スペクトルの補正(スペクトル補正)を実行するステップとを含む。
光計数検出器の幾何学的配置とは、例えば、X線管(またはX線の発生に関する焦点)に対する光計数検出器における複数の検出素子の位置関係である。なお、幾何学的配置は、X線管におけるX線放射窓の前面に設けられるウェッジフィルタ、付加フィルタなどの各種フィルタと検出素子との位置関係を有していてもよい。
別の実施形態によれば、スペクトル補正を実行するためのコンピュータ断層撮影(CT)装置であって、X線源から放出された入射X線光子を捕捉するように構成された光子計数検出器と、処理回路であって、光子計数検出器の1次Kエスケープ確率と2次Kエスケープ確率とを計算し、この計算された1次Kエスケープ確率、計算された2次Kエスケープ確率、および光子計数検出器の幾何学的配置に基づいて、光子計数検出器のレスポンス関数を決定し、被検体に関する測定された測定スペクトルに対応するCTデータを取得し、レスポンス関数と、測定された測定スペクトルとを使用して、光子計数検出器の入射スペクトルを決定することによって、スペクトル補正を実行するように構成された処理回路とを備える装置が提供される。
本開示の別の実施形態では、コンピュータによって実行されると、このコンピュータに方法を実行させるプログラムをその上に格納させた非一時的コンピュータ可読媒体が提供され、この方法は、光子計数検出器の1次Kエスケープ確率と2次Kエスケープ確率とを計算するステップと、この計算された1次Kエスケープ確率、計算された2次Kエスケープ確率、および光子計数検出器の幾何学的配置に基づいて、光子計数検出器のレスポンス関数を決定するステップと、被検体に関する測定された測定スペクトルを取得するステップと、レスポンス関数と、測定された測定スペクトルとを使用して、光子計数検出器の入射スペクトルを決定することによって、スペクトル補正を実行するステップとを含む。
図1を参照すると、単光子計数検出器からの特性X線のエスケープの現象が示されている。図1では、入射光子101が、βと表される入射角103で、検出器110の面に衝突する。入射角βは、入射ビーム101と検出器の面に対する法線107との間に形成される角度である。検出器110内で光電相互作用が発生すると、光子105が検出器から漏出する。具体的には、X線などの放射線の吸収時に検出器が電子を放出すると、光電効果が生じる。
光電効果が発生すると、各エネルギー準位で測定されるカウント(光子)の数は、光子カウントの入射数と同じではない。たとえば、100keV(キロ電子ボルト)における入射光子が検出器内での光電相互作用を有し、30keVの光子がプロセス中に漏出する場合、記録される光子エネルギーは70keVである。したがって、100keVで測定されるカウントの数は、100keVで発生する実際のカウントよりも少なく、70keVで測定されるカウントの数は、70keVで発生する実際のカウントよりも多い。
エスケープの確率は、入射角103が増加するにつれて増加する。というのは、検出器の面のより近くで光電相互作用が発生するからである。そのうえ、ピクセル化された検出器では、1つのピクセルから漏出する光子は、隣接するピクセルと相互作用し、それによって、両方のピクセルのスペクトルを歪ませることがある。したがって、本開示は、光子計数検出器の異なるKエスケープ確率を計算し、この計算された確率に基づいて、光子計数検出器の測定されたスペクトルをさらに補正する解析モデルを提供する。
一実施形態は、光子計数検出器における1次Kエスケープ確率の補正を提供する。本実施形態では、検出器から漏出する特性X線は隣接する検出器によって再吸収されないと仮定する。
2次吸収および2次放出が発生しない大型検出器の1次Kエスケープ確率Pp(E0,z0)は、例えば、
と定義される。ここで、E0は入射光子のエネルギー、z0は一次光子による相互作用(一次光電相互作用)の深さ(第1の深さ)、nは、すべてのK端について合計がとられ(すなわち、nは、各々が対応するエネルギー準位を有するさまざまなタイプのエスケープに対応する変数)、Pn(E0)は、光電相互作用が発生した場合にK端光子が放出される確率、φは放出されるK−端光子の方位角、θは放出されるK−端光子の極角、μnはK−端エネルギーにおける検出器の減衰係数である。
(1)式において、方位角φについて積分すると、1次Kエスケープ確率は、
と表される。
式(2)は、cosθ=u-1を定義することによって簡略化することが可能であり、これにより、以下の式
が得られる。
式(3)は、変数uについて積分すると、以下の式
が得られる。式(4)において、
は指数積分であり、Pは主値を示し、γ≒0.577はオイラーの定数である。
式(2)〜(4)に示されるように、1次Kエスケープ確率の値が推定されることにより、パイルアップ(光電効果に単光子を含む事象)なしで測定された成分スペクトルは、例えば、
とモデル化される。ここで、S0(E)はパイルアップなしで測定された測定スペクトルにおけるエネルギー成分Eの成分スペクトル、χ0は検出確率(パイルアップのない場合、パラメータχ0=1)、Nは入射X線束(入射フラックス)、τdは検出器の不感時間、z0は光電相互作用が発生する光子計数検出器内の深さ、E0は検出器の幾何学的配置および電子機器によって決定されるエネルギー条件を満たすエネルギー、Sinは入射スペクトル、P(E0、z0)はエスケープの全確率(すなわち、P(E0,z0)は1次Kエスケープ確率Pp(E0,z0)に等しい)、μCZTは減衰係数、βは入射光子角、nは異なるエネルギー準位を有する材料からの異なる方向のエスケープを合計するパラメータ、Δnはエスケープエネルギー、Pnは異なるKエスケープ確率である。
すなわち、上式(5)の左辺は、光子計数検出器により検出されたX線のカウント数に基づいて発生されたスペクトルを示している。上式(5)の右辺の第1項は、Kエスケープが無い場合のX線スペクトルを示している。上式(5)の右辺の第2項は、1次Kエスケープに関するX線スペクトルを示している。
Cdの1次Kエスケープ(n=1)確率は、以下の式のように決定される。
Teの1次Kエスケープ(n=2)確率は、以下の式のように決定される。
nについての合計は、CdのKα放出およびTeの放出のKαを含むことに留意されたい。式(5)を参照すると、測定された信号は、エネルギーを検出器に付与され、吸収された光子による寄与を部分的に含む。具体的には、付与されるエネルギーは検出器内に留まって、測定された信号に寄与し、エネルギーは検出器から漏出する(Kエスケープ)ことがある。式(5)の右辺の第1項は、Kエスケープがない場合に測定されたスペクトルへの寄与である。式(5)の右辺の第2項は、Kエスケープがある場合に測定された信号への寄与である。具体的には、Kエスケープがあるときですら、Kエスケープに関連するエネルギーのすべてが検出器を出るとは限らない。Kエスケープに関するエネルギーの一部は、測定された測定スペクトルに対して寄与する。
図2は、一実施形態により光子計数検出器内で発生する、特性X線に関するエスケープの現象および二次電子放出を示す。図2では、検出素子201および203は、隣接する端(隣接端)207を共有する検出器である。入射光子ビーム204は、206として表される入射角βで、検出素子201に衝突する。入射角βは、入射ビーム204と検出素子の面に対する法線209との間に形成される角度である。
本実施形態では、検出器201内で入射光子204の光電相互作用が発生すると、その結果生成される放射電磁波は、ビーム205によって示されるように、隣接端207を通って漏出し、隣接する検出器203に入る。したがって、この放射電磁波は隣接する検出器203によって吸収され、これによって、検出器203からの二次放出が引き起こされる。第1の放射に続く吸収および二次電子放出のプロセスは、
と表される。ここで、TeおよびCdは、K殻の孔が存在する場合のTe原子およびCd原子の励起状態を示す。
本実施形態では、測定された測定スペクトルは、
と表される。
式(8)は、式(5)に類似している。しかしながら、エスケープの全確率を表す項P(E0,z0)は、1次Kエスケープ確率と、2次Kエスケープ確率とを含む。具体的には、P(E0,z0)=Pp(E0,z0)+Ps(E0,z0)である。1次Kエスケープ確率Pp(E0,z0)は、式(1)〜(4)に記載されるように計算される。大型検出器の2次Kエスケープ確率Ps(E0,z0)は、以下の式のように計算される。
ここで、E0は入射光子のエネルギー、z0は一次光電相互作用が発生する検出器内の深さ、P1(E0)は、光電相互作用が入射光子エネルギーE0から発生した場合に、K端光子が、より高いエネルギーのK端で放出される確率、P21は光電相互作用が、より高いエネルギーのK端から発生した場合に、K端光子が、より低いエネルギーのK端から放出される確率、μnは各K−端エネルギーにおける検出器の減衰係数、φおよびφ’はそれぞれ、一次放出された光子の方位角および二次放出された光子の方位角、θおよびθ’は一次放出された光子および二次放出された光子の極角、zは二次光子による相互作用(二次光電相互作用)の深さ(第2の深さ)である。
変数φおよびφ’について相互作用動作を実行して、cosθ=u-1とcosθ’=v-1とを定義すると、2次Kエスケープ確率は、
と表される。ここで、
は指数積分であり、Pは主値を示し、γ≒0.577はオイラーの定数である。
前述の実施形態と同様に、Cdの1次Kエスケープ(n=1)確率は、
と表される。
Teの1次Kエスケープ(n=2)確率は、
と表される。
Te/Cdの2次Kエスケープ(n=3)確率は、
と定義される。P21は高エネルギーK端で生じた光電相互作用により与えられる低エネルギーK端でK端光子が放出される確率である。
上記の実施形態によって説明したように、ピクセル検出器(光子計数検出器)からの1次Kエスケープ確率と2次Kエスケープ確率とを計算すると、測定された測定スペクトルの成分スペクトルが、検出器の幾何学的配置に基づいてモデル化される。
図3は、光電相互作用が発生する検出器内のさまざまな深さの1次Kエスケープ確率と2次Kエスケープ確率の比較を表すグラフを示す。図3では、曲線310は1次Kエスケープ確率を表し、曲線320は2次Kエスケープ確率を表し、曲線330は1次Kエスケープ確率と2次Kエスケープ確率との和を表す。
Kエスケープ確率は、検出器の面の近傍で高く、検出器内の深さが増加するにつれて指数関数的に減少することが観察される。深さが浅いとき(すなわち、検出器の面では)、入ってくる光子の入射角は大きいことに留意されたい。さらに、図3から、1次Kエスケープ確率は、深さが浅いとき2次Kエスケープ確率よりもかなり大きいことが明らかである。光電相互作用が検出器の面の近くで発生するとき、放出された光子が、別の検出器によって再び再吸収されるよりもむしろ検出器から漏出する確率が高いということを、図3は示している。
上記の実施形態で説明したように、1次Kエスケープ確率および2次Kエスケープ確率を決定すると、測定された測定スペクトルは、特定の検出器構成に基づいてモデル化される。一実施形態によれば、入射光子が、隣接するピクセル(検出素子)によって吸収され、それによって二次電子放出を引き起こす図2の検出器構成を考えると、パイルアップのない成分スペクトルは、以下の式のように決定される。
ここで、エスケープの全確率P(E0、z0)は、所与のピクセルの全面について計算される。たとえば、ピクセルが立方体形状を有すると考えられる場合、エスケープの全確率は、立方体の6つの面すべてについて計算される。そのうえ、エスケープの全確率は、異なるエネルギー準位(すなわち、n=1、2など)を有する物質からのエスケープの異なる方向すべてについて計算される。具体的には、式(15)におけるエスケープの全確率は、
と定義される。
式(15)における右辺の第2項および第3項における
は、光子エネルギーE0+Δnにおける原子状態nの光電確率である。上式右辺の項
は、面mを通って漏出する位置z0で生成されるエネルギーΔnを持つ光子のエスケープの確率である。式(16)における変数F(all)は、ピクセルの6つの面すべてを示す。式(15)における変数F(neighbor)は、所与のピクセルに対する隣接する面を示す。式(15)の変数kは、現在の検出器のすべての隣接する検出器要素について合計される。
式(15)では、右辺の第1項(エスケープがないときに測定された成分スペクトル)は、式(5)および(8)の第1項に類似している。式(15)の右辺の第2項は、ピクセル検出器(検出素子)の側面から漏出して検出器要素(検出素子)から失われるエネルギーに相当する。式(15)の右辺の第3項は、所与の検出器(検出素子)から漏出して隣接する検出器(検出素子)に入るエネルギーに相当する。式(15)の右辺の第2項および第3項は、ピクセル化された検出器(検出素子)の所与の面から漏出するエネルギーに相当しうることに留意されたい。しかしながら、エネルギーの一部は、エネルギーの別の一部が隣接するピクセル検出器(検出素子)に入る間に、検出器(検出素子)から失われることがある。
別の実施形態によれば、測定された成分スペクトルは、図4Aに示される2D検出器アレイ400に対して決定される。この検出器アレイは、上面401と、空気側面(air side surface)404および405と、不活性ゾーン402と、隣接する端(隣接端)403とを有する。
パイルアップのない成分スペクトルは、
と表される。上式において、
とにおける
は、光子エネルギーE0+Δnにおける原子状態nの光電確率、
は、面mを通って漏出する位置z0で生成されるエネルギーΔnを持つ光子のエスケープの確率である。パラメータF(all)は所与の検出器要素の6つの面すべてを示し、変数F(neighbor)は所与の検出器の隣接する面(側面)を示す。
パラメータ(1次Kエスケープ確率および2次Kエスケープ確率)の値が求められると、パイルアップなしのモデルが、計算された確率および光子計数検出器の幾何学的配置に基づいて定式化される。具体的には、測定された成分スペクトルは、光子計数検出器の幾何学的配置に基づいて、式(15)または(17)に示されるように、定式化されることができる。
参照により本明細書に組み込まれる先行する米国特許出願第13/866,695号に記載されているように、スペクトル補正のCTモデルを適用するために、モデルのパラメータは、上記の実施形態で説明したように解析的に導出され(すなわち、理論的に導出され)てもよいし、実験的校正技法を使用して較正されてもよい。そのうえ、理論的導出と較正の組み合わせは、システム全体にかかる計算負荷を軽減するために使用されることができる。
さらに、パイルアップなしモデルのレスポンス関数(応答関数)は、1次Kエスケープ確率および2次Kエスケープ確率に基づいて決定される。レスポンス関数を決定すると、いくつかのアルゴリズムがスペクトル補正に使用されることができる。具体的には、レスポンス関数に関する費用関数を最小にするための勾配に基づく方法、費用関数を最小にするように所定の探索ドメイン内で入射スペクトルを見つけるための探索に基づく方法、レスポンス関数に基づく反復的方法などのアルゴリズムは、モデルを使用したスペクトル補正のために用いられてもよい。すなわち、これらのアルゴリズムは、測定された測定スペクトルに基づいて入射スペクトルを求めてもよい。
図5は、スペクトル補正で実行されるステップを示す流れ図である。プロセスはステップS500で開始し、ステップS510に進む。
ステップS510では、1次Kエスケープ確率および2次Kエスケープ確率は、光電現象の発生時の光子計数検出器からの光子の全エスケープ確率を決定するために計算される。1次Kエスケープ確率および2次Kエスケープ確率は、式(2)および(9)に示されるように計算される。
ステップS520では、パイルアップのない光子計数検出器のレスポンス関数は、計算された1次Kエスケープ確率、計算された2次Kエスケープ確率、および光子計数検出器の幾何学的配置(構成)に基づいて、解析的に定式化される。たとえば、式(15)に示されるように、成分スペクトルは、検出器の面から漏出するエネルギーと、隣接する検出器によって吸収されるエネルギーの量とを考慮に入れることによって、定式化される。
ステップS530では、ある被検体の測定された測定スペクトルが取得される。
ステップS540では、スペクトル補正が、(解析的に導出された)レスポンス関数および測定された測定スペクトルに基づいて入射スペクトルを決定することによって実行される。スペクトル補正を実行した後、プロセスはステップS550で終了する。
本明細書で説明する実施形態は、ピクセル化された検出器(検出素子)の特定の幾何学的配置に決して限定されない。むしろ、スペクトル補正は、どの検出器幾何学的配置に対しても実行されることが可能である。たとえば、スペクトル補正は、図4Bに示されるような構成を有する検出器に対しても実行されることができる。図4Bでは、2つの検出器411および412は、検出器411と412の間に不活性ゾーン430を有する。そのような構成では、(入射ビーム410に対する)隣接する側面のKエスケープは、不活性ゾーン内の再吸収(420と表される)とともに発生することに留意されたい。この場合、Kエスケープによって引き起こされるピクセル(検出素子)間の歪みはない。
検出器の側面から漏出するエネルギーに対する検出器の上面から漏出する光子エネルギーの比が低いより小型の検出器では、モンテカルロシミュレーションが、検出器要素の上面および側面からのエスケープの確率を決定するために使用されてもよい。
具体的には、図2に示されるような構成を有する小型検出器を考えると、漏出して隣接する検出器要素(検出素子)に入るエネルギーおよび再吸収確率は、検出器(検出素子)間のスペクトル効果を判断するために、モンテカルロシミュレーションを使用して計算されてもよい。さらに、図4Bに示されるように検出器(検出素子)間に不活性ゾーン430を有するより小型の検出器では、モンテカルロシミュレーションは、検出器の面および側面からのエスケープの確率を判断するために使用されてもよい。そのような構成を有する検出器では、再吸収現象が不活性ゾーンで発生し、再吸収現象による隣接する検出器内のスペクトルへの影響はないことに留意されたい。そのうえ、モンテカルロシミュレーションは、図4Aに示されるような小型2Dピクセル化検出器のKエスケープの確率を決定するために使用されてもよい。
図6は、本明細書で説明する検出器を含むCT装置の基本構造を示す。図6のCT装置は、X線管1と、フィルタおよびコリメータ2と、検出器3とを含む。このCT装置は、たとえば、希薄な(sparse)固定型エネルギー識別(たとえば、光子計数)検出器も含み、これらの検出器は、図7に示されるように、第3世代検出器の半径とは異なる半径で配置されることができる。図7に示される検出器構成では、光子計数検出器は、検出器ファン角の範囲を通過する一次ビームを集める。CT装置は、回転フレームの回転を制御し、X線源を制御し、患者の寝台を制御する制御器4および回転ユニットなどの付加的な機械的構成要素と電気的構成要素とを有する。CT装置は、データ収集システムによって収集された投影データに基づいてCT画像を生成するために、データ収集システム5と、プロセッサ6とを有する。このプロセッサおよびデータ収集システムは記憶部7を利用し、記憶部7は、たとえば、検出器から取得されたデータと、再構築画像とを記憶するように構成される。
プロセッサ6は、離散論理ゲートとして、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他の複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)としてとして実施できるCPUを含むことができる。FPGAまたはCPLDの実装は、任意のハードウェア記述言語でコーディングされてよく、そのコードは、FPGAまたはCPLD内の電子メモリに直接格納されてもよいし、別の電子メモリとして格納されてもよい。さらに、メモリは、ROM、EPROM、EEPROM、またはフラッシュメモリなど、不揮発性であってよい。メモリは、スタティックRAMまたはダイナミックRAMなど、揮発性とすることができ、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサなどのプロセッサは、電子メモリならびにFPGAまたはCPLDとメモリの間の相互作用を管理するために設けられてもよい。
あるいは、再構成プロセッサ内のCPUは、本明細書で説明する機能を行う一組のコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムを実行することができ、このプログラムは、上述の一時的でない電子メモリのいずれかおよび/またはハードディスクドライブ、CD、DVD、フラッシュドライブ、もしくは他の任意の知られている記憶媒体に格納される。さらに、コンピュータ可読命令は、プロセッサ、およびオペレーティングシステムとともに実行する、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、またはオペレーティングシステムの構成要素、またはそれらの組み合わせとして提供されてもよい。
プロセッサは、新しいデータからCT画像を生成するように構成された再構成プロセッサを含む。この画像は、メモリに記憶され、かつ/またはディスプレイに表示される。当業者には理解されるように、メモリは、ハードディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、フラッシュドライブ、RAM、ROM、または当技術分野で知られている他の任意の電子記憶装置とすることができる。ディスプレイは、LCDディスプレイ、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLED、LED、または当技術分野で知られている他の任意のディスプレイとして実装されることができる。したがって、本明細書で提供されるメモリおよびディスプレイの記述は例示にすぎず、本進歩の範囲を決して限定するものではない。
特定の実施形態について説明してきたが、これらの実施形態は、例として提示したにすぎず、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。実際、本明細書で説明する新規な方法およびシステムはさまざまな他の形態で具現化することができる。そのうえ、本明細書で説明する方法およびシステムの形態における種々の省略、置き換え、および変更は、本発明の趣旨から逸脱することなく行うことができる。添付の特許請求の範囲およびその等価物は、本発明の範囲および趣旨に含まれるこのような形態または変形例を包含することを意図するものである。
以下、本X線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置について、図8を用いて、より詳細に説明する。図8は、X線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置10の構成の一例を示す構成図である。X線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置10は、図8に示すように、電流調整器11と、高電圧発生器12と、ガントリ100と、スペクトル生成部111と、記憶部7と、補正部115と、再構成デバイス117と、表示デバイス119と、入力デバイスと121、制御器4とを有する。図6のプロセッサ6は、図8において、例えば、スペクトル生成部111、補正部115、再構成デバイス117に相当する。
電流調整器11は、制御器4による制御のもとで、高電圧発生器12に供給する電流を調整する。高電圧発生器12は、制御器4による制御のもとで、電流調整器11から供給された電流により、高電圧を発生する。高電圧発生器12は、スリップリング108を介して、発生した高電圧をX線管1に印加する。なお、電流調整器11と高電圧発生器12とのうち少なくとも一方は、回転フレーム102に搭載されてもよい。このとき、電流調整器11は、調整した電流を、スリップリング108を介して高電圧発生器12に供給する。
ガントリ100は、X線管1と、コリメータ2と、光子計数検出器3と、回転フレーム102と、データ収集システム5と、回転ユニット104と、非接触データ伝送器106とを有する。回転フレーム102は、X線管1と光子計数検出器3とを互いに対向させて搭載する。回転フレーム102は、データ収集システム5を搭載する。回転ユニット104は、制御器4による制御のもとで、回転フレーム102を回転させる。
X線管1は、スリップリング108を介した高電圧発生器12からの出力に基づいて、X線を発生する。光子計数検出器3は、複数の検出素子を有する。光子計数検出器3は、X線管1で発生されたX線光子(X線フォトン)を検出し、検出したX線フォトン数(計数)に応じた出力信号をデータ収集システム5に出力する。
データ収集システム5は、各々のチャネルに関して、光子計数検出器3からの信号出力を電圧信号に変換し、それを増幅し、更にそれをデジタル信号へ変換する。データ収集システム5は、デジタル信号を、非接触データ伝送器106を介して、スペクトル生成部111等に出力する。
スペクトル生成部111は、データ収集システム5等を介した光子計数検出器3からの出力に基づいて、検出されたX線光子に関して測定されたスペクトル(以下、測定スペクトルと呼ぶ)を生成する。スペクトル生成部111は、発生した測定スペクトルを、補正部115に出力する。
記憶部7は、再構成デバイス117で再構成された医用画像、複数の測定スペクトル、複数の入射スペクトルなどを記憶する。記憶部7は、入力デバイス121により入力された操作者の指示、画像処理の条件、撮影条件などの情報を記憶する。記憶部7は、X線コンピュータ断層撮影のために、ガントリ100、図示していない寝台などを制御する制御プログラムを記憶する。
記憶部7は、光子計数検出器3における特性X線の複数のKエスケープに関する確率と、X線管1に対する光子計数検出器3の幾何学的位置関係と、光子計数検出器3に入射したX線光子に対応する入射スペクトルに対する測定スペクトルの応答関係とを記憶する。複数のKエスケープは、1次Kエスケープと2次Kエスケープとを有する。本実施形態において、複数のK−エスケープを2次エスケープまでとすることで、計算量の低減すなわち計算に対する負荷の低減、および計算に対する応答性の向上等を実現させることができる。なお、複数のKエスケープは、高次のKエスケープを有していてもよい。
1次Kエスケープ確率は、例えば、式(1)乃至(4)で表される。また、カドミウム(Cd)の1次Kエスケープ確率は、例えば、式(6)、式(12)で表される。また、テルル(Te)の1次エスケープ確率は、例えば、式(7)、式(13)で表される。
2次Kエスケープ確率は、例えば、式(9)乃至(11)で表される。例えば、テルル(Te)とカドミウム(Cd)とに関する2次Kエスケープ確率は、例えば式(14)で表される。
上記応答関係は、例えば、式(5)、(8)、(15)、(17)で表される関数(応答関数)に対応する。これらの式において、エネルギー成分Eに対応する測定スペクトルの成分(以下、成分スペクトルと呼ぶ)はS(E)に対応する。また、入射スペクトルは、Sin(E)に対応する。応答関数は、Kエスケープを除く確率に基づく第1エネルギー部分と、Kエスケープに関する確率に基づく第2エネルギー部分とを有する。
第1エネルギー部分および第2エネルギー部分は、測定スペクトルにおけるエネルギーEの成分スペクトルに寄与する。第1エネルギー部分は、式(5)、(8)、(15)、(17)においては、右辺第1項に対応する。第2エネルギー部分は、例えば、応答関数を示す式(5)、(8)、(17)において、右辺第2項に対応する。式(15)における第2エネルギー部分は、右辺第2項と第3項とに対応する。
なお、第2エネルギー部分は、検出素子各々における複数の面からエスケープする光子に関する第3エネルギー部分と、検出素子各々に隣接する前記検出素子から流入する光子に関する第4エネルギー部分とを有していてもよい。第3エネルギー部分は、式(15)において、右辺第2項に対応する。第4エネルギー部分は、式(15)において、右辺第3項に対応する。
1次Kエスケープ確率および2次Kエスケープ確率は、光電相互作用が発生する光子計数検出器3内の深さによって決定される。すなわち、1次Kエスケープ確率を示す式(1)乃至(4)、(6)、(7)は、1次の光電相互作用が発生する深さZを、引数として有する。2次Kエスケープ確率を示す式(9)乃至(14)は、2次の光電相互作用が発生する深さZを、引数として有する。
光電相互作用が発生する深さZおよびZは、光子計数検出器3に入射するX線光子の飛跡と光子計数検出器3の検出面に対する法線との間の角度を示す入射角βに依存する。なお、同一深さにおける1次Kエスケープ確率は、2次Kエスケープ確率より大きい。
1次Kエスケープ確率と2次Kエスケープ確率とは、深さが増大するにつれて指数関数的に減少する。また、1次Kエスケープ確率は、入射角が増大するにつれて増加する。
応答関数(式(5)、(8)、(15)、(17))において、Kエスケープに関する全確率P(E、z)は、1次Kエスケープ確率と2次Kエスケープ確率との和である。全確率P(E、z)は、例えば式(16)により定義される。
なお、記憶部7は、スペクトル補正プログラムを記憶してもよい。スペクトル補正プログラムとは、Kエスケープに関する確率と幾何学的位置関係と応答関係とを用いて、測定スペクトルを補正する補正処理に関するプログラムである。スペクトル補正プログラムは、制御器4により記憶部7から読み出される。
補正部115は、Kエスケープに関する確率と幾何学的位置関係と応答関係とを用いて、測定スペクトルを補正する。具体的には、補正部115は、幾何学的位置関係と応答関係とを記憶部7から読み出す。また、補正部115は、測定スペクトルの補正で用いられるKエスケープに関する確率を、記憶部7から読み出す。測定スペクトルの補正で用いられるKエスケープに関する確率は、入力デバイス121を介して選択されてもよい。
補正部115は、スペクトル生成部111から出力された測定スペクトルと、選択されたKエスケープに関する確率と、幾何学的位置関係とを、応答関係を示す応答関数に入力することにより、測定スペクトルを補正する。補正部115は、測定スペクトルに対する補正結果として、入射スペクトルを計算する。すなわち、補正された測定スペクトルに関する成分スペクトルは、応答関数(式(5)、(8)、(15)、(17))における入射スペクトルSin(E)に対応する。補正部115は、補正した測定スペクトルに対応する入射スペクトルを、再構成デバイス117に出力する。
以下、応答関数として式(5)を用いて、より詳細に説明する。なお、式(8)、(15)、(17)については、後ほど説明する。補正部115は、式(5)の応答関数を、記憶部7から読み出す。このとき、式(5)において予め設定された定数は、幾何学的位置関係(例えば、光子計数検出器における複数の検出素子各々の位置)により定まる入射光子角βおよび入射X線束(入射フラックス)Nと、検出素子の不感時間τdと、検出確率χ0とである。これらの定数は、予め記憶部7に記憶される。
また、式(5)において、予め設定されている関数は、減弱計数μCZTと、全確率Pと、異なる材料に関する1次Kエスケープ確率Pnとである。減弱計数μCZTは、エネルギーE0または(E0+Δn)に依存する。ここで、Δnは、エスケープエネルギーである。なお、nは、異なるエネルギー準位を有する材料からの異なる方向のエスケープを示す添え字である。全確率Pおよび異なる材料に関する1次Kエスケープ確率Pnは、エネルギーE0または(E0+Δn)と、一次光電相互作用の発生位置(深さ)z0とに依存する。これらの関数は、例えば、数値的な対応表として、予め記憶部7に記憶される。
補正部115は、記憶部7からの応答関数の読み出しとともに、上記定数および上記対応表を、記憶部7から読み出す。例えば、応答関数におけるエスケープの確率として、光子計数検出器3における材質に関する1次Kエスケープ確率が選択されると、補正部115は、1次Kエスケープ確率に関する対応表を記憶部7から読み出す。
補正部115は、読み出した定数及び対応表を応答関数に適用し、さらに測定スペクトルにおけるエネルギーEの成分スペクトルS0(E)を応答関数に入力することで、成分スペクトルS0(E)を補正する。すなわち、補正部115は、成分スペクトルS0(E)を1次Kエスケープに関して補正することにより、入射スペクトルSin(E0)を発生する。
例えば、補正部115は、応答関数に関する費用関数を最小にするための勾配に基づく方法、費用関数を最小にするように所定の探索ドメイン内で入射スペクトルを見つけるための探索に基づく方法、またはレスポンス関数に基づく反復的方法などのアルゴリズムを用いて、成分スペクトルS0(E)を補正して、入射スペクトルSin(E0)を発生してもよい。
応答関数として式(8)を用いた場合、全確率Pは、1次Kエスケープ確率Pp(式(12)および(13))と2次Kエスケープ確率P(式(9)乃至(11)、(14))との和(P(E0,z0)=Pp(E0,z0)+Ps(E0,z0))により計算される。また、式(8)において、式(5)とは異なる予め設定されている関数は、全確率Pにおける2次Kエスケープ確率PとPnにおける2次Kエスケープ確率である。2次Kエスケープ確率は、1次Kエスケープ確率と同様に、エネルギーE0または(E0+Δn)と、一次光電相互作用の発生位置(深さ)z0とに依存する。2次Kエスケープ確率を示す関数は、これらの関数は、例えば、数値的な対応表として、予め記憶部7に記憶される。
応答関数におけるエスケープの確率として、2次Kエスケープ確率が選択されると、補正部115は、1次Kエスケープ確率および2次Kエスケープ確率各々に対応する対応表を、記憶部7から読み出す。補正部115は、読み出した定数及び対応表を応答関数に適用し、さらに測定スペクトルにおけるエネルギーEの成分スペクトルS0(E)を応答関数に入力することで、成分スペクトルS0(E)を補正する。すなわち、補正部115は、成分スペクトルS0(E)を1次Kエスケープおよび2次Kエスケープに関して補正することにより、入射スペクトルSin(E0)を発生する。
応答関数として式(15)、式(17)を用いた場合、全確率Pは、異なるエネルギー準位を有する検出器内の物質からのエスケープが異なる全ての方向について和を取ること、すなわち式(16)により計算される。式(15)と式(17)との違いは、以下の通りである。式(15)は、図2に示すように、1次元的に配列された検出素子のうち隣り合う2つの検出素子に関して、1次または2次Kエスケープに関する放射電磁波の流入出に関するエネルギーのスペクトルを有している。式(17)は、図4に示すように、2次元的に配列された検出素子のうち隣接する複数の検出素子に関して、1次または2次Kエスケープによる放射電磁波の流入出に関するエネルギーのスペクトルを有している。
補正部115は、光子計数検出器3のアレイのタイプ(1次元配列または2次元配列)に応じて、式(15)または式(17)に対応する応答関数を、記憶部7から読み出す。補正部115は、1次Kエスケープ確率および2次Kエスケープ確率各々に対応する対応表を、記憶部7から読み出す。
補正部115は、読み出した定数及び対応表を応答関数に適用し、さらに測定スペクトルにおけるエネルギーEの成分スペクトルS0(E)を応答関数に入力することで、成分スペクトルS0(E)を補正する。すなわち、補正部115は、成分スペクトルS0(E)を1次および2次Kエスケープと、隣接する複数の検出素子からの放射電磁波の流入出に関して補正することにより、入射スペクトルSin(E0)を発生する。
再構成デバイス117は、補正された測定スペクトル(入射スペクトルSin(E))を用いて、ボリュームデータを再構成する。再構成デバイス117は、入力デバイス121を介して操作者により入力された断面位置、レンダリング条件等に従って、ボリュームデータに基づいて医用画像を発生する。再構成デバイス117は、発生した医用画像を表示デバイス119に出力する。
表示デバイス119は、モニタを有する。表示デバイス119は、再構成デバイス117において発生された各種医用画像を表示する。なお、表示デバイス119は、X線コンピュータ断層撮影のために設定されるスキャン条件、および補正処理に関する補正条件(Kエスケープの次数の選択等)などを入力するための入力画面などを表示する。
入力デバイス121は、操作者からの各種指示・命令・情報・選択・設定を本X線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置10に取り込む。取り込まれた各種指示・命令・情報・選択・設定は、制御器4などに出力される。入力デバイス121は、図示しないが、関心領域(ROI)の設定などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等を有する。入力デバイス121は、表示画面上に表示されるカーソルの座標を検出し、検出した座標を制御器4に出力する。なお、入力デバイス121は、表示画面を覆うように設けられたタッチパネルでもよい。この場合、入力デバイス121は、電磁誘導式、電磁歪式、感圧式等の座標読み取り原理で、操作者によりタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を制御器4に出力する。
図示していない寝台は、天板と、天板を天板の長軸方向および短軸方向に沿って移動可能に支持する図示していない支持フレームと、天板および寝台を駆動する図示していない駆動部とを有する。駆動部は、操作者の指示による入力に応じて、寝台を上下動させる。駆動部は、入力デバイス121により入力された撮影プランに応じて、天板を長軸方向に沿って移動させる。
制御器4は、本X線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置10の中枢として機能する。制御器4は、図示しないCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)とメモリとを備える。制御器4は、図示していないメモリに記憶された装置制御プログラムに従って、被検体に対するX線コンピュータ断層撮影のために、電流調整器11、高電圧発生器12、およびガントリ100などを制御する。制御器4は、スペクトル補正プログラムを記憶部7から読み出す。制御器4は、読み出したスペクトル補正プログラムに従って、測定されたスペクトルを補正するために、補正部115を制御する。
具体的には、制御器4は、入力デバイス121などから送られてくる操作者の指示などを、一時的に図示していないメモリに記憶する。制御器4は、メモリに一時的に記憶された情報に基づいて、電流調整器11、高電圧発生器12、およびガントリ100などを制御する。制御器4は、所定の画像発生・表示等を実行するための制御プログラムを、記憶部7から読み出して自身が有するメモリ上に展開し、各種処理(例えば、再構成処理、補正処理など)に関する演算・処理等を実行する。
以上に述べた構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態に係るX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置10によれば、光子計数検出器3における特性X線の複数のKエスケープに関する確率と、X線管1に対する光子計数検出器3の幾何学的位置関係と、光子計数検出器3に入射したX線光子に対応する入射スペクトルに対する測定スペクトルの応答関係とを用いて、測定スペクトルを補正することができる。すなわち、光子計数検出器3の幾何学的位置関係(Geometry)、1次Kエスケープ確率、および2次Kエスケープ確率等を有する応答関数を用いて、測定スペクトルを補正することができる。
例えば、応答関数は、測定スペクトルの補正前に、1次または2次Kエスケープ確率により決定することができる。この補正により、本実施形態に係るX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置10は、補正された測定スペクトルに対応する入射スペクトルを決定することができる。次いで、本X線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置10は、補正された測定スペクトル、すなわち入射スペクトルを用いて、ボリュームデータを再構成することができる。
以上のことから、本実施形態に係るX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置10は、長い稼働時間を有するモンテカルロシミュレーションなどを用いることなく、式(5)、(8)、(15)、(17)などの解析解をリアルタイムに計算することで、1次Kエスケープ確率および2次Kエスケープ確率を用いて、測定スペクトルを補正することができる。さらに、測定スペクトルの信号の歪みを低減させ、アーチファクトの少ない再構成画像を発生することができる。本実施形態において、複数のK−エスケープを2次エスケープまでとすることで、計算量の低減すなわち計算に対する負荷の低減、および計算に対する応答性の向上等を実現させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…X線管、2…フィルタおよびコリメータ、3…(光子計数)検出器、4…制御器、5…データ収集システム、6…プロセッサ、7…メモリ(記憶部)、10…X線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置、11…電流調整器、12…高電圧発生器、100…ガントリ、101…入射光子、102…回転フレーム、103…入射角β、104…回転ユニット、105…光子、106…非接触データ伝送器、107…検出器の面に対する法線、108…スリップリング、110…検出器、111…スペクトル生成部、115…補正部、117…再構成デバイス、119…表示デバイス、121…入力デバイス、201…検出素子、203…検出素子、206…入射確β、207…隣接端、209…検出素子の面に対する法線、400…2D検出器アレイ、401…上面、402…不活性ゾーン、403…隣接端、404…空気側面(air side surface)、405…空気側面、410…入射ビーム、411…検出器、412…検出器、420…再吸収、430…不活性ゾーン。

Claims (17)

  1. X線管で発生されたX線光子を検出する光子計数検出器と、
    前記光子計数検出器からの出力に基づいて、前記X線光子に関して測定された測定スペクトルを生成するスペクトル生成部と、
    前記光子計数検出器における特性X線の複数のKエスケープに関する確率と、前記X線管に対する前記光子計数検出器の幾何学的位置関係と、前記光子計数検出器に入射した前記X線光子に対応する入射スペクトルに対する前記測定スペクトルの応答関係とを記憶する記憶部と、
    前記確率と前記幾何学的位置関係と前記応答関係とを用いて、前記測定スペクトルを補正する補正部と、
    を具備し、
    前記補正部は、
    前記応答関係を示す応答関数と前記確率と前記幾何学的位置関係とを用いて、前記測定スペクトルにおけるエネルギー成分において、前記Kエスケープに関するスペクトルを補正し、
    前記応答関数は、
    前記Kエスケープを除く確率に基づく第1エネルギー部分と、前記Kエスケープに関する確率に基づく第2エネルギー部分とを有し、
    前記第1エネルギー部分および前記第2エネルギー部分は、
    前記測定スペクトルに寄与すること、
    を特徴とするX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置。
  2. 前記Kエスケープは、1次Kエスケープと2次Kエスケープとを有すること、
    を特徴とする請求項に記載のX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置。
  3. 前記光子計数検出器は、複数の検出素子を有し、
    前記第2エネルギー部分は、
    前記検出素子各々における複数の面からエスケープする光子に関する第3エネルギー部分と、
    前記検出素子各々に隣接する前記検出素子から流入する光子に関する第4エネルギー部分とを有すること、
    を特徴とする請求項1または2に記載のX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置。
  4. 前記1次Kエスケープおよび前記2次Kエスケープに関する確率は、光電相互作用が発生する前記光子計数検出器内の深さによって決定されること、
    を特徴とする請求項に記載のX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置。
  5. X線管で発生されたX線光子を検出する光子計数検出器と、
    前記光子計数検出器からの出力に基づいて、前記X線光子に関して測定された測定スペクトルを生成するスペクトル生成部と、
    前記光子計数検出器における特性X線の複数のKエスケープに関する確率と、前記X線管に対する前記光子計数検出器の幾何学的位置関係と、前記光子計数検出器に入射した前記X線光子に対応する入射スペクトルに対する前記測定スペクトルの応答関係とを記憶する記憶部と、
    前記確率と前記幾何学的位置関係と前記応答関係とを用いて、前記測定スペクトルを補正する補正部と、
    を具備し、
    前記補正部は、
    前記応答関係を示す応答関数と前記確率と前記幾何学的位置関係とを用いて、前記測定スペクトルにおけるエネルギー成分において、前記Kエスケープに関するスペクトルを補正し、
    前記Kエスケープは、1次Kエスケープと2次Kエスケープとを有し、
    前記1次Kエスケープおよび前記2次Kエスケープに関する確率は、光電相互作用が発生する前記光子計数検出器内の深さによって決定されること、
    を特徴とするX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置。
  6. 前記深さは、前記光子計数検出器に入射する前記X線光子の飛跡と前記光子計数検出器の検出面に対する法線との間の角度を示す入射角に依存すること、
    を特徴とする請求項4または5に記載のX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置。
  7. 前記測定スペクトルの成分S(E)は、前記応答関数における前記入射スペクトルの成分Sin(E)に関連して、以下の式
    により与えられ、
    ここで、χは前記X線光子の検出確率、Nは入射X線束、τは前記光子計数検出器の不感時間、zは前記深さ、Eは前記幾何学的位置関係により決定されるエネルギー条件を満たすエネルギー、Sinは前記入射スペクトル、P(E、z)は前記Kエスケープに関する全確率、μCZTは減衰係数、βは前記入射角、nは異なるエネルギー準位を有する前記Kエスケープに対して和を取るためのパラメータ、Δは、前記Kエスケープに関するエネルギー、Pは、前記Kエスケープに対応するエスケープの確率であること、
    を特徴とする請求項に記載のX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置。
  8. 前記全確率は、
    前記1次Kエスケープに関する確率と前記2次Kエスケープに関する確率との和であること、
    を特徴とする請求項に記載のX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置。
  9. 前記1次Kエスケープの確率P(E、z)は、
    により計算され、
    (E)は前記光電相互作用が発生した場合にK端光子が放出される確率、μは前記光子計数検出器における減衰係数、φは前記放出されるK端光子の方位角、θは前記放出されるK端光子の極角であること、
    を特徴とする請求項またはに記載のX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置。
  10. 前記2次Kエスケープの確率P(E、z)は、
    により計算され、
    は一次光電相互作用が発生する第1の深さ、zは二次光電相互作用が発生する第2の深さ、μは各K−端エネルギーにおける前記光子計数検出器の減衰係数、φおよびφ’はそれぞれ前記1次Kエスケープにより放出された光子の方位角および前記2次Kエスケープにより放出された光子の方位角、θおよびθ’は前記1次Kエスケープにより放出された光子の極角および前記2次Kエスケープにより放出された光子の極角、P(E)は、前記入射したX線光子のエネルギーEにより生じた前記光電相互作用により与えられる高エネルギーK端でK端光子が放出される確率、P21は前記高エネルギーK端で生じた前記光電相互作用により与えられる低エネルギーK端でK端光子が放出される確率であること、
    を特徴とする請求項乃至のうちいずれか一項に記載のX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置。
  11. 前記深さにおける前記1次Kエスケープに関する確率は、前記2次Kエスケープに関する確率より大きいこと、
    を特徴とする請求項4または5に記載のX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置。
  12. 前記1次Kエスケープに関する確率と前記2次Kエスケープに関する確率とは、前記深さが増大するにつれて指数関数的に減少すること、
    を特徴とする請求項4または5に記載のX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置。
  13. 前記1次Kエスケープに関する確率は、前記入射角が増大するにつれて増加すること、 を特徴とする請求項に記載のX線フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影装置。
  14. X線光子を検出し、
    前記検出されたX線光子に関して測定された測定スペクトルを発生し、
    光子計数検出器における特性X線の複数のKエスケープに関する確率と、X線管に対する前記光子計数検出器の幾何学的位置関係と、前記光子計数検出器に入射した前記X線光子に対応する入射スペクトルに対する前記測定スペクトルの応答関係とを記憶し、
    前記確率と前記幾何学的位置関係と前記応答関係とを用いて、前記測定スペクトルを補正すること、
    を具備し、
    前記測定スペクトルを補正することは、前記応答関係を示す応答関数と前記確率と前記幾何学的位置関係とを用いて、前記測定スペクトルにおけるエネルギー成分において、前記Kエスケープに関するスペクトルを補正することであって、
    前記応答関数は、前記Kエスケープを除く確率に基づく第1エネルギー部分と、前記Kエスケープに関する確率に基づく第2エネルギー部分とを有し、
    前記第1エネルギー部分および前記第2エネルギー部分は、前記測定スペクトルに寄与すること、
    を特徴とするスペクトル補正方法。
  15. X線光子を検出し、
    前記検出されたX線光子に関して測定された測定スペクトルを発生し、
    光子計数検出器における特性X線の複数のKエスケープに関する確率と、X線管に対する前記光子計数検出器の幾何学的位置関係と、前記光子計数検出器に入射した前記X線光子に対応する入射スペクトルに対する前記測定スペクトルの応答関係とを記憶し、
    前記確率と前記幾何学的位置関係と前記応答関係とを用いて、前記測定スペクトルを補正すること、
    を具備し、
    前記測定スペクトルを補正することは、前記応答関係を示す応答関数と前記確率と前記幾何学的位置関係とを用いて、前記測定スペクトルにおけるエネルギー成分において、前記Kエスケープに関するスペクトルを補正することであって、
    前記Kエスケープは、1次Kエスケープと2次Kエスケープとを有し、
    前記1次Kエスケープおよび前記2次Kエスケープに関する確率は、光電相互作用が発生する前記光子計数検出器内の深さによって決定されること、
    を特徴とするスペクトル補正方法。
  16. コンピュータに、
    検出されたX線光子に関する関して測定された測定スペクトルを生成する機能と、
    光子計数検出器における特性X線の複数のKエスケープに関する確率と、X線管に対する前記光子計数検出器の幾何学的位置関係と、前記光子計数検出器に入射した前記X線光子に対応する入射スペクトルに対する前記測定スペクトルの応答関係とを記憶する機能と、
    前記確率と前記幾何学的位置関係と前記応答関係とを用いて、前記測定スペクトルを補正する機能と、
    を実現させ
    前記測定スペクトルを補正する機能は、前記応答関係を示す応答関数と前記確率と前記幾何学的位置関係とを用いて、前記測定スペクトルにおけるエネルギー成分において、前記Kエスケープに関するスペクトルを補正する機能であって、
    前記応答関数は、前記Kエスケープを除く確率に基づく第1エネルギー部分と、前記Kエスケープに関する確率に基づく第2エネルギー部分とを有し、
    前記第1エネルギー部分および前記第2エネルギー部分は、前記測定スペクトルに寄与すること、
    を特徴とするスペクトル補正プログラム。
  17. コンピュータに、
    検出されたX線光子に関する関して測定された測定スペクトルを生成する機能と、
    光子計数検出器における特性X線の複数のKエスケープに関する確率と、X線管に対する前記光子計数検出器の幾何学的位置関係と、前記光子計数検出器に入射した前記X線光子に対応する入射スペクトルに対する前記測定スペクトルの応答関係とを記憶する機能と、
    前記確率と前記幾何学的位置関係と前記応答関係とを用いて、前記測定スペクトルを補正する機能と、
    を実現させ、
    前記測定スペクトルを補正する機能は、前記応答関係を示す応答関数と前記確率と前記幾何学的位置関係とを用いて、前記測定スペクトルにおけるエネルギー成分において、前記Kエスケープに関するスペクトルを補正する機能であって、
    前記Kエスケープは、1次Kエスケープと2次Kエスケープとを有し、
    前記1次Kエスケープおよび前記2次Kエスケープに関する確率は、光電相互作用が発生する前記光子計数検出器内の深さによって決定されること、
    を特徴とするスペクトル補正プログラム。
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