JP2016061261A - 遠心圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる遠心圧縮機を提供する。
【解決手段】入口及び出口を有するメインケーシングと、前記メインケーシングの内部に回転可能に配置された少なくとも一つのインペラと、前記入口に接続され、前記入口から軸線方向に離隔した位置に吸込口を有する吸込ケーシングと、前記吸込ケーシングの内部における前記吸込口側に配置可能な洗浄液噴射装置と、前記洗浄液噴射装置に洗浄液を供給する洗浄液供給装置とを備え、前記洗浄液噴射装置は、前記吸込ケーシングの内部において、前記軸線方向と交差する面に沿って延在するように配置可能なパイプと、前記パイプに設けられた複数の噴射孔とを有する。
【選択図】 図1

Description

本開示は遠心圧縮機に関する。
特許文献1には、入口及び出口を有するメインケーシングと、メインケーシングの内部に回転可能に配置されたインペラと、を備えた遠心圧縮機が開示されている。かかる遠心圧縮機は、インペラを洗浄対象とし、洗浄液を供給する供給配管と、メインケーシングの入口側に設けられ、供給配管から供給された洗浄液をインペラ表面に噴射する洗浄液噴射ノズルと、を備えている。かかる遠心圧縮機によれば、インペラ表面に付着したダストが洗浄液によって洗い流されるものとされている。
特開平8−338397号公報
特許文献1が開示する遠心圧縮機では、メインケーシングの入口付近に設けられた一つの洗浄液噴射ノズルから洗浄液が噴射されている。この場合、洗浄液噴射ノズルが一つしかなく、且つ、洗浄液噴射ノズルからインペラまでの距離が短いため、洗浄液噴射ノズルから噴射された洗浄液がインペラに到達するまでに十分に広がらない。このため、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡らず、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができない虞がある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる遠心圧縮機を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る遠心圧縮機は、
入口及び出口を有するメインケーシングと、
前記メインケーシングの内部に回転可能に配置された少なくとも一つのインペラと、
前記入口に接続され、前記入口から軸線方向に離隔した位置に吸込口を有する吸込ケーシングと、
前記吸込ケーシングの内部における前記吸込口側に配置可能な洗浄液噴射装置と、
前記洗浄液噴射装置に洗浄液を供給する洗浄液供給装置と
を備え、
前記洗浄液噴射装置は、
前記吸込ケーシングの内部において、前記軸線方向と交差する面に沿って延在するように配置可能なパイプと、
前記パイプに設けられた複数の噴射孔と
を有する。
上記(1)の構成によれば、複数の噴射孔から洗浄液が噴射されることで、吸込ケーシング内で洗浄液を分散させることができる。そして、吸込ケーシング内で分散された洗浄液がインペラに到達するまでに十分に広がるので、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記パイプは、前記吸込ケーシングの内部の作動位置と前記吸込ケーシングの外部の待避位置との間を往復可能である。
上記(2)の構成によれば、インペラの洗浄時にパイプを作動位置に位置させ、通常時にパイプを待避位置に待避させることができるので、通常時にはインペラ洗浄時よりも吸込ケーシング内の流路抵抗を減少させることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記パイプは、平面視円環状の円環部を含み、
前記複数の噴射孔は、前記円環部の周方向に分布して前記円環部に設けられる。
上記(3)の構成によれば、円環部の周方向に分布して円環部に設けられた複数の噴射孔から洗浄液が噴射されるので、洗浄液を、吸込ケーシング内において、円環部の周方向に分散させることができる。そして、周方向に分散した洗浄液は、インペラに到達するまでに拡散することができる。この結果、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、
前記複数の噴射孔のうち少なくとも一部は、前記円環部の内周面に設けられる。
上記(4)の構成によれば、円環部の内周面に設けられた複数の噴射孔から円環部の中心に向けて洗浄液が噴射されることで、洗浄液を、円環部の内側にて、周方向に均一に分散させることができる。そして、洗浄液の噴射方向が流体の流れ方向に対し交差しているので、周方向に均一に分散した洗浄液が流体の流れにより拡散される。このため、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。また、円環部から径方向内側に向かって洗浄液が噴射されるので、吸込ケーシングの内壁面に洗浄液が付着するのを抑制できる。これにより、インペラの洗浄に用いられない洗浄液の無駄を少なくすることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、
前記複数の噴射孔のうち少なくとも一部は、前記円環部の上流側に設けられる。
上記(5)の構成によれば、円環部の上流側に設けられた複数の噴射孔から洗浄液が噴射されるので、吸込ケーシングの内部を流れる流体によって洗浄液が十分に拡散される。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(3)〜(5)の何れか一つの構成において、
前記パイプは、前記円環部よりも小径で且つ前記円環部と同心上に配置される平面視円環状の小径円環部を含み、
前記複数の噴射孔のうち少なくとも一部は、前記小径円環部の周方向に分布して前記小径円環部に設けられる。
上記(6)の構成によれば、小径円環部の周方向に分布して小径円環部に設けられた複数の噴射孔から洗浄液が噴射されるので、円環部から離れた吸込ケーシングの内部中央にも洗浄液を確実に供給することができる。そして、小径円環部に設けられた噴射孔から噴射された洗浄液は、吸込ケーシングの内部中央を流れる流体によって十分に拡散される。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(3)〜(5)の何れか一つの構成において、
前記パイプは、前記円環部の円周上の二点を結ぶ少なくとも一つの直線部を含み、
前記複数の噴射孔のうち少なくとも一部は、前記少なくとも一つの直線部の長手方向に分布して前記直線部に設けられる。
上記(7)の構成によれば、円環部のニ点を結ぶ直線部の長手方向に分布して設けられた複数の噴射孔から洗浄液が噴射されるので、円環部から離れた吸込ケーシングの内部中央にも洗浄液を確実に供給することができる。そして、直線部に設けられた噴射孔から噴射された洗浄液は、吸込ケーシングの内部中央を流れる流体によって十分に拡散される。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(3)〜(5)の何れか一つの構成において、
前記パイプは、前記円環部から径方向中心に向けて突出する少なくとも一つの突出部を含み、
前記噴射孔のうち少なくとも一部は、前記突出部に設けられる。
上記(8)の構成によれば、突出部に設けられた噴射孔から洗浄液が噴射されるので、円環部から離れた吸込ケーシングの内部中央にも洗浄液を確実に供給することができる。そして、突出部に設けられた噴射孔から噴射された洗浄液は、吸込ケーシングの内部中央を流れる流体によって十分に拡散される。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の何れか一つの構成において、
前記パイプは、少なくとも一つの直線状の直線部を含み、
前記複数の噴射孔は、前記少なくとも一つの直線部の長手方向に分布して前記少なくとも一つの直線部に設けられる。
上記(9)の構成によれば、直線部に分布して設けられる複数の噴射孔から洗浄液が噴射されるので、洗浄液を、吸込ケーシング内において、直線部の長手方向に分散させることができる。そして、長手方向に分散した洗浄液は、インペラに到達するまでに拡散することができる。この結果、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記複数の噴射孔は、前記少なくとも一つの直線部の上流側に設けられる。
上記(10)の構成によれば、少なくとも一つの直線部の上流側に設けられる複数の噴射孔から洗浄液が噴射されるので、吸込ケーシングの内部を流れる流体によって洗浄液が十分に拡散される。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(9)又は(10)の構成において、
前記複数の噴射孔は、前記少なくとも一つの直線部の幅方向にて両方の側に設けられる。
上記(11)の構成によれば、少なくとも一つの直線部の幅方向にて両方の側に設けられる複数の噴射孔から洗浄液が噴射されるので、洗浄液を、吸込ケーシング内において、直線部の長手方向に沿って均一に分散させることができる。そして、直線部の長手方向に沿って均一に分散された洗浄液が、インペラに到達するまでに拡散することができる。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラの表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
本発明の一実施形態に係る遠心圧縮機の構成を概略的に示す縦断面図である。 図1に示した洗浄液洗噴射装置を作動位置に進出させた状態を実線で示し、洗浄液噴射装置を待避位置に待避させた状態を仮想線で示した縦断面図である。 一実施形態に係る洗浄液噴射装置を概略的に示す平断面図である。 一実施形態に係る洗浄液噴射装置を概略的に示す平断面図である。 一実施形態に係る洗浄液噴射装置を概略的に示す平断面図である。 一実施形態に係る洗浄液噴射装置を概略的に示す平断面図である。 一実施形態に係る洗浄液噴射装置を概略的に示す横断面図である。 一実施形態に係る洗浄液噴射装置を概略的に示す平断面図である。 一実施形態に係る洗浄液噴射装置を概略的に示す横断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る遠心圧縮機1の構成を概略的に示す断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る遠心圧縮機1は、一軸多段式の遠心圧縮機であり、メインケーシング2、少なくとも一つのインペラ3、吸込ケーシング41,42、吐出ケーシング51,52、洗浄液噴射装置6、及び、洗浄液供給装置7を備えている。
メインケーシング2は入口21,22及び出口23,24を有する。本実施形態に係るメインケーシング2は、入口21,22及び出口23,24をそれぞれ二箇所ずつ有する。
一方、メインケーシング2を貫通して、回転軸37が回転可能に配置されている。具体的には、回転軸37はメインケーシング2の両側にそれぞれ設置されたジャーナルベアリング27A,27B及びスラストベアリング28A,28Bによって回転可能に支持されている。
入口21,22及び出口23,24は、回転軸37に沿って配列され、図1において、左側から順に、入口21、出口23、出口24及び入口22が配置されている。隣り合う入口21と出口23が対をなし、隣り合う入口22と出口24が対をなす。出口23と入口22が図示しない配管によって相互に接続される。
メインケーシング2の内部には、少なくとも一つのインペラ3として、インペラ31〜33及びインペラ34〜36が回転可能に配置されている。
インペラ31〜33及びインペラ34〜36の各々は、回転軸37に対し同心上に固定されている。具体的には、インペラ31〜33は、入口21と出口23との間を延びる回転軸37の部分に直列に固定され、インペラ34〜36は、入口22と出口24との間を延びる回転軸37の部分に直列に固定されている。
インペラ31〜33及びインペラ34〜36の各々は、メインケーシング2の内部に流路Rを形成している。メインケーシング2の内部には、インペラ31〜33及びインペラ34〜36の流路Rを直列に接続する静止流路として、ディフューザ25,26が設けられている。
吸込ケーシング41,42は、入口21,22に接続され、入口21,22から軸線M,N方向、例えば下方に離隔した位置に吸込口41A,42Aを有する。吸込ケーシング41,42は、吸込口41A,42Aから入口21,22に向けて徐々に縮径され、吸込口41A,42Aから入口21,22に向けて流路断面積が徐々に減少する。本実施形態では、吸込ケーシング41,42は、吸込口41A,42A側の流路断面形状が円形形状となり、入口21,22側の流路断面形状が矩形形状となるように、吸込口41A,42A側から入口21,22側に向けて吸込ケーシング41,42の流路断面形状が円形形状から矩形形状に徐々に変形する。
吐出ケーシング51,52は、出口23,24に接続され、出口23,24から軸線方向、例えば下方に離隔した位置に吐出口51A,52Aを有する。
遠心圧縮機1では、回転軸37を回転させることにより、圧縮対象の流体が吸込口41Aから吸込ケーシング41内に流入する。圧縮対象の流体は、入口21を経て、回転するインペラ31〜33の流路R及びディフューザ25を通過して圧縮される。この後、圧縮された流体は、出口23及び吐出ケーシング51を通過し、一旦メインケーシング2の外に吐出される。
吐出ケーシング51から吐出された流体は、例えば図示しない冷却装置により冷却された後、吸込口42Aから吸込ケーシング42内に流入する。流入した流体は、入口22を経て、回転するインペラ34〜36の流路R及びディフューザ26を通過して圧縮される。この後、圧縮された流体は、出口24及び吐出ケーシング52を通過して、メインケーシング2の外に吐出される。
洗浄液噴射装置6は、一方の吸込ケーシング41の内部における吸込口41A側に配置可能であり、洗浄液噴射装置6には洗浄液供給装置7から洗浄液が供給される。
洗浄液噴射装置6では、遠心圧縮機1を稼働した状態で間欠的に洗浄液供給装置7から洗浄液噴射装置6に洗浄液を供給する。洗浄液噴射装置6に供給された洗浄液は、流入した流体に噴射され、流入した流体に分散されて、流入した流体とともにインペラ31〜33の表面に到達する。インペラ31〜33の表面に到達した洗浄液は、インペラ31〜33の表面に付着したダストを洗い落として、インペラ31〜33の表面を洗浄する。
また、幾つかの実施形態では、吸込ケーシング41の内部において、軸線M方向と交差する面に沿って延在するように配置可能なパイプ61と、パイプ61に設けられた複数の噴射孔62(図3参照)とを有する。
この構成によれば、複数の噴射孔62から洗浄液が噴射されることで、吸込ケーシング41内で洗浄液を分散させることができる。そして、吸込ケーシング41内で分散された洗浄液がインペラ3に到達するまでに十分に広がるので、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
図2は、図1に示したパイプ61を吸込ケーシング41の内部の作動位置に位置させた状態を実線で示し、吸込ケーシング41の外部の待避位置に待避させた状態を仮想線(二点鎖線)で示した縦断面図である。
図2に示すように、幾つかの実施形態では、パイプ61は、吸込ケーシング41の内部の作動位置と吸込ケーシング41の外部の待避位置との間を往復可能である。
この構成によれば、インペラ洗浄時にパイプ61を作動位置に位置させ、通常時にパイプ61を待避位置に待避させることができる。これにより、通常時にはインペラ洗浄時よりも吸込ケーシング41内の流路抵抗を減少させることができる。
パイプ61の往復は、手動あるいは動力装置(図示せず)により行うことができ、例えば、手動による場合にはハンドル(図示せず)を回転操作することによりパイプ61を往復させることができ、動力装置の場合には動力装置を運転することによりパイプ61を往復させることができる。
図3〜図6は、一実施形態に係る洗浄液噴射装置を示す平断面図である。
図3〜図6に示すように、幾つかの実施形態では、パイプ61は、平面視円環状の円環部63を含み、複数の噴射孔62のうち少なくとも一部62Aは、円環部63の周方向に分布して円環部63に設けられている。
この構成によれば、円環部63の周方向に分布して円環部63に設けられた複数の噴射孔62Aから洗浄液が噴射されるので、洗浄液を、吸込ケーシング41内において、円環部63の周方向に分散させることができる。そして、周方向に分散した洗浄液は、インペラ31に到達するまでに拡散することができる。この結果、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
円環部63の径及び設置位置は、任意に設定できるが、例えば、吸込ケーシング41の内壁に沿うように大きな径としてもよいし、入口21に内接する大きさの径とし、流路中心に対し同心上に設置してもよい。吸込ケーシング41の内壁に沿うように大きな径とすれば、洗浄液が吸込ケーシング41の内壁に沿って流れることになり、洗浄液を流路幅の両側に行き渡らせることができる。一方、入口21に内接する大きさの径とし、流路中心(断面中心)に対し同心上に設置すれば、洗浄液が吸込ケーシング41の内壁に付着するのを抑制することができ、インペラ31〜33の洗浄に用いられない洗浄液の無駄を少なくできる。
図3に示すように、幾つかの実施形態では、複数の噴射孔62のうち少なくとも一部の噴射孔62Aは、円環部63の内周面に設けられている。
この構成によれば、円環部63の内周面に設けられた複数の噴射孔62Aから円環部63の中心に向けて洗浄液が噴射されることで、洗浄液を、円環部63の内側にて、周方向に均一に分散させることができる。そして、洗浄液の噴射方向が流体の流れ方向に対し交差しているので、周方向に均一に分散した洗浄液が流体の流れにより拡散される。このため、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。また、円環部63から径方向内側に向かって洗浄液が噴射されるので、吸込ケーシング41の内壁面に洗浄液が付着するのを抑制できる。これにより、インペラ31〜33の洗浄に用いられない洗浄液の無駄を少なくすることができる。
円環部63の内周面に設けられる複数の噴射孔62Aの周方向位置及び径は、任意に設定できるが、例えば、洗浄液が均一に噴射されるように、複数の噴射孔62Aの分布を、円環部63の周方向にて均一にし、複数の噴射孔62Aの径を同一にしてもよい。或いは、円環部63内での圧力低下を考慮して、複数の噴射孔62Aの分布を、洗浄液を供給する供給部64に近い領域で粗にし、供給部64から離れた領域で密としてもよい。このようにすれば、洗浄液が吸込ケーシング41内において均一に噴射されるので、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
図7は、一実施形態に係る洗浄液噴射装置を概略的に示す横断面図である。
図7に示すように、幾つかの実施形態では、複数の噴射孔62のうち少なくとも一部の噴射孔62Bは、円環部63の上流側に設けられ、斜め上流に向かって開口している。
この構成によれば、円環部63の上流側に設けられた複数の噴射孔62Bから洗浄液が斜め上流に向かって噴射されるので、吸込ケーシング41の内部を流れる流体Hによって洗浄液が十分に拡散される。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
円環部63の上流側に設けられる複数の噴射孔62Bの周方向位置及び径は、任意に設定できるが、例えば、洗浄液が均一に噴射されるように、複数の噴射孔62Bの分布を、円環部63にて均一にし、複数の噴射孔62Bの径を同一にしてもよい。或いは、円環部63内での圧力低下を考慮して、複数の噴射孔62Aの分布を、洗浄液を供給する供給部64に近い領域で粗とし供給部64から離れた領域で密としてもよい。このようにすれば、洗浄液が吸込ケーシング41内において均一に噴射されるので、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
図4に示すように、幾つかの実施形態では、パイプ61は、円環部63よりも小径で且つ円環部63と同心上に配置される平面視円環状の小径円環部65を含み、複数の噴射孔62のうち少なくとも一部の噴射孔62Cは、小径円環部65の周方向に分布して小径円環部65に設けられている。
この構成によれば、小径円環部65の周方向に分布して小径円環部65に設けられた複数の噴射孔62Cから洗浄液が噴射されるので、円環部63から離れた吸込ケーシング41の内部中央にも洗浄液を確実に供給することができる。そして、小径円環部65に設けられた噴射孔62Cから噴射された洗浄液は、吸込ケーシング41の内部中央を流れる流体によって十分に拡散される。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
小径円環部65の径は、円環部63よりも小径であれば任意に設定できる。したがって、例えば、円環部63を吸込ケーシング41の内壁に沿うように大きな径とし、小径円環部65を入口21に内接する大きさの径とし、流路中心に設置してもよい。また、小径円環部65は、円環部と同一平面である必要はなく、例えば、小径円環部65を円環部63の下流側に設置してもよい。
また、小径円環部65に設けられる複数の噴射孔62Cの周方向位置及び径は、任意に設定できるが、例えば、洗浄液が均一に噴射されるように、複数の噴射孔62Cの分布を、小径円環部65の周方向にて均一にし、複数の噴射孔62Cの径を同一にしてもよい。或いは、小径円環部65の圧力低下を考慮して、複数の噴射孔62Aの分布を、洗浄液を供給する供給部64に近い領域で粗にし、供給部64から離れた領域で密としてもよい。このようにすれば、洗浄液が吸込ケーシング41内において均一に噴射されるので、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
図5に示すように、幾つかの実施形態では、パイプ61は、円環部63の円周上の二点を結ぶ少なくとも一つの直線部66を含み、複数の噴射孔62のうち少なくとも一部の噴射孔62Dは、直線部66の長手方向に分布して直線部66に設けられている。
この構成によれば、円環部63の二点を結ぶ直線部66の長手方向に分布して設けられた複数の噴射孔62Dから洗浄液が噴射されるので、円環部63から離れた吸込ケーシング41の内部中央にも洗浄液を確実に供給することができる。そして、直線部66に設けられた噴射孔62Dから噴射された洗浄液は、吸込ケーシング41の内部中央を流れる流体によって十分に拡散される。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
直線部66に設けられる複数の噴射孔62Dの周方向位置及び径は、任意に設定できるが、例えば、洗浄液が均一に噴射するように、等間隔で設けてもよし、供給部64に近い領域で粗とし供給部から離れた領域で密となるように設けてもよい。この場合において、複数の噴射孔62Dの径は同一であり、各噴射孔62Dからは同一の流量の洗浄液が噴射される。このようにすれば、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
また、幾つかの形態では、パイプ61は、円環部の中心を通る第1直線部66Aと、第1直線部66Aの両側に第1直線部66Aと平行に設けられた第2直線部66Bと、を含んでいる。そして、複数の噴射孔62のうち少なくとも一部の噴射孔62Dは、第1直線部66A及び第2直線部66Bの長手方向に分布して第1直線部66A及び第2直線部66Bに設けられている。また、複数の噴射孔62Dは、少なくとも第1直線部66Aの幅方向にて両方の側に設けられる。このようにすれば、第1直線部66Aの長手方向に分布して設けられた複数の噴射孔62Dから洗浄液が噴射されるので、吸込ケーシング41の内部中央を流れる流体によって洗浄液が十分に拡散される。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
また、第1直線部66A及び第2直線部66Bの長手方向に設けられる噴射孔62Dの周方向位置及び径は、任意に設定できるが、例えば、洗浄液が均一に噴射するように、複数の噴射孔62Dを第1直線部66A及び第2直線部66Bの長手方向に分布して第1直線部66A及び第2直線部66Bに設けてもよい。この場合において、複数の噴射孔62Dの径は同一であり、各噴射孔62Dからは同一の流量の洗浄液が噴射される。このようにすれば、洗浄液が均一に噴射されるので、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
図6に示すように、幾つかの実施形態では、パイプ61は、円環部63から径方向中心に向けて突出する少なくとも一つの突出部67を含み、噴射孔62のうち少なくとも一部の噴射孔62Eは、突出部67に設けられている。
この構成によれば、突出部67に設けられた噴射孔62Eから洗浄液が噴射されるので、円環部63から離れた吸込ケーシング41の内部中央にも洗浄液を確実に供給することができる。そして、突出部67に設けられた噴射孔62Eから噴射された洗浄液は、吸込ケーシング41の内部中央を流れる流体によって十分に拡散される。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
具体的には、パイプ61は、円環部63を周方向に四等分する位置(円環部63)のそれぞれから径方向中心に向けて突出する四つの突出部67を含み、噴射孔62のうち少なくとも一部の噴射孔62Eは、突出部67に設けられている。より詳細には、噴射孔62のうち少なくとも一部の噴射孔62Eは、突出部67の先端と、突出部67の幅方向にて両方の側に設けられる。このようにすれば、突出部67に設けられた噴射孔62Eから洗浄液が噴射されるので、吸込ケーシング41の内部中央を流れる流体によって洗浄液が十分に拡散される。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
図8は、一実施形態に係る洗浄液噴射装置を概略的に示す平断面図である。
図8に示すように、幾つかの実施形態では、パイプ61は、少なくとも一つの直線状の直線部68を含み、複数の噴射孔62Eは、少なくとも一つの直線部68の長手方向に分布して少なくとも一つの直線部68に設けられている。
この構成によれば、直線部68に分布して設けられる複数の噴射孔62Eから洗浄液が噴射されるので、洗浄液を吸込ケーシング41内において、直線部の長手方向に分散させることができる。そして、長手方向に分散した洗浄液は、インペラ31〜33に到達するまでに拡散することができる。この結果、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
直線部68の設置位置は、任意に設定できるが、例えば、吸込ケーシング41の流路を横切るように設置してもよい。吸込ケーシング41の流路を横切るように設置すれば、洗浄液が吸込ケーシング41の流路中央にも均一に噴射されるので、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
図9は、一実施形態に係る洗浄噴射装置を概略的に示す横断面図である。
図9に示すように、幾つかの実施形態では、複数の噴射孔62Fは、少なくとも一つの直線部68の上流側に設けられ、斜め上流に向かって開口している。
この構成によれば、少なくとも一つの直線部68の上流側に設けられる複数の噴射孔62Fから洗浄液が斜め上流に向かって噴射されるので、吸込ケーシング41の内部を流れる流体Hによって洗浄液が十分に拡散される。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
直線部68の上流側に設けられる複数の噴射孔62Fの長手方向位置及び径は、任意に設定できるが、例えば、洗浄液が均一に噴射するように、複数の噴射孔62Fを等間隔に設けてもよい。また、中央領域で密としその両側となる両側領域で粗となるように設けてもよいし、中央領域で粗としその両側となる両側領域で密となるように設けてもよい。この場合において、複数の噴射孔62Fの径は同一であり、各噴射孔62Fからは同一の流量の洗浄液が噴射される。このようにすれば、洗浄液が均一に噴射されるので、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
図9に示すように、幾つかの実施形態では、複数の噴射孔62Fは、少なくとも一つの直線部68の幅方向にて両方の側に設けられる。
この構成によれば、少なくとも一つの直線部68の幅方向にて両方の側に設けられる複数の噴射孔62Fから洗浄液が噴射されるので、洗浄液を、吸込ケーシング41内において、直線部68の長手方向に沿って均一に分散させることができる。そして、直線部68の長手方向に沿って均一に分散された洗浄液が、インペラ31〜33に到達するまでに拡散することができる。これにより、洗浄液が流路幅の全域に渡って均一に行き渡り、インペラ31〜33の表面を全体的にむらなく十分に洗浄することができる。
上述したパイプ61、円環部63、小径円環部65、直線部66、第1直線部66A、第2直線部66B、突出部67、及び、直線部68の断面形状は、洗浄液の噴射に適した形状であれば任意に選択可能であり、例えば、円形状、楕円形状、長円形状、流線形状、又は、涙滴形状等が任意に選択可能である。
また、パイプ61、円環部63、小径円環部65、直線部66、第1直線部66A、第2直線部66B、突出部67、及び、直線部68の流路断面積は洗浄液の噴射に適した大きさであれば任意に設定可能であり、例えば、複数の噴射孔62、62A、62B、62C、62D、62Eから噴射される洗浄液の流量又は圧力が均一となる大きさに設定される。具体的には、パイプ61、円環部63、小径円環部65、直線部66、第1直線部66A、第2直線部66B、突出部67、及び、直線部68の断面形状を円形形状とした場合に、パイプ61、円環部63、小径円環部65、直線部66、第1直線部66A、第2直線部66B、突出部67、及び、直線部68の流路断面積を噴射孔62、62A、62B、62C、62D、62Eの断面積の10倍以上に設定される。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、パイプ61は、円環部63と直線部68とを含むものでもよく、例えば、軸線M方向に位置をずらして設置してもよい。この場合において、円環部63を入口21に設置し、直線部68を円環部と入口21との間に設置することが好ましい。
1 遠心圧縮機
2 メインケーシング
21,22 入口
23,24 出口
25,26 ディフューザ(静止流路)
27A,27B ジャーナルベアリング
28A,28B スラストベアリング
3,31〜36 インペラ
37 回転軸
6 洗浄液噴射装置
7 洗浄液供給装置
41,42 吸込ケーシング
41A,42A 吸込口
51,52 吐出ケーシング
51A,52A 吐出口
61 パイプ
62,62A,62B,62C,62D,62E,62F 噴射孔
63 円環部
64 供給部
65 小径円環部
66 直線部
66A 第1直線部
66B 第2直線部
67 突出部
68 直線部
R 流路
M 軸線
N 軸線

Claims (11)

  1. 入口及び出口を有するメインケーシングと、
    前記メインケーシングの内部に回転可能に配置された少なくとも一つのインペラと、
    前記入口に接続され、前記入口から軸線方向に離隔した位置に吸込口を有する吸込ケーシングと、
    前記吸込ケーシングの内部における前記吸込口側に配置可能な洗浄液噴射装置と、
    前記洗浄液噴射装置に洗浄液を供給する洗浄液供給装置と
    を備え、
    前記洗浄液噴射装置は、
    前記吸込ケーシングの内部において、前記軸線方向と交差する面に沿って延在するように配置可能なパイプと、
    前記パイプに設けられた複数の噴射孔と
    を有する
    こと特徴とする遠心圧縮機。
  2. 前記パイプは、前記吸込ケーシングの内部の作動位置と前記吸込ケーシングの外部の待避位置との間を往復可能であることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
  3. 前記パイプは、平面視円環状の円環部を含み、
    前記複数の噴射孔は、前記円環部の周方向に分布して前記円環部に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心圧縮機。
  4. 前記複数の噴射孔のうち少なくとも一部は、前記円環部の内周面に設けられることを特徴とする請求項3に記載の遠心圧縮機。
  5. 前記複数の噴射孔のうち少なくとも一部は、前記円環部の上流側に設けられることを特徴とする請求項3に記載の遠心圧縮機。
  6. 前記パイプは、前記円環部よりも小径で且つ前記円環部と同心上に配置される平面視円環状の小径円環部を含み、
    前記複数の噴射孔のうち少なくとも一部は、前記小径円環部の周方向に分布して前記小径円環部に設けられることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の遠心圧縮機。
  7. 前記パイプは、前記円環部の円周上の二点を結ぶ少なくとも一つの直線部を含み、
    前記複数の噴射孔のうち少なくとも一部は、前記少なくとも一つの直線部の長手方向に分布して前記直線部に設けられることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の遠心圧縮機。
  8. 前記パイプは、前記円環部から径方向中心に向けて突出する少なくとも一つの突出部を含み、
    前記噴射孔のうち少なくとも一部は、前記突出部に設けられることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の遠心圧縮機。
  9. 前記パイプは、少なくとも一つの直線状の直線部を含み、
    前記複数の噴射孔は、前記少なくとも一つの直線部の長手方向に分布して前記少なくとも一つの直線部に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心圧縮機。
  10. 前記複数の噴射孔は、前記少なくとも一つの直線部の上流側に設けられることを特徴とする請求項9に記載の遠心圧縮機。
  11. 前記複数の噴射孔は、前記少なくとも一つの直線部の幅方向にて両方の側に設けられることを特徴とする請求項9又は10に記載の遠心圧縮機。
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