JP5869044B2 - 遠心圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄液噴射装置を備えた遠心圧縮機に関する。
周知のように、各種プラント等に用いられる遠心圧縮機の一種として、流路に洗浄液を噴射するものがある。この種の遠心圧縮機では、洗浄液によって流路に付着・堆積した汚れや熱反応生成物を除去することができるため、前記の付着物・堆積物によって低下した性能を良好に回復できるようになっている。
このような洗浄液を噴射する遠心圧縮機では、従来、洗浄液を噴射するための噴射装置としてスプレー式のノズルが用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
ところで、このような噴射装置は、例えば流路中に配置されたリターンベーンの頂上部、すなわちリターンベーンの半径方向外方に設置され、流路に向けて洗浄液を微粒化して噴射するようになっている。
特開平5−141397号公報 特開平5−223099号公報 特開平6−33899号公報 特開平8−338397号公報
しかしながら、前記のような従来の技術では、リターンベーンの頂上部(リターンベーンの半径方向外方)に噴射装置を設置しているので、噴射口とリターンベーンとの間の距離が短く、したがって噴射された洗浄液がすぐにリターンベーンに衝突・付着してしまい、結果として流路全体を洗浄するのが難しく、流路を局部的にしか洗浄できないといった課題がある。
また、流路を流れる主流(気流)はその流速が非常に大きいため、噴射装置から微粒化して噴霧(噴射)された洗浄液はこの主流によって剪断力を受け、さらに微粒化される。
すると、この微粒化された洗浄液はその噴射方向へのベクトルが小さくなるため、噴射方向に広がることなく、主流に取り込まれてすぐにリターンベーンに衝突・付着してしまい、前述したように流路全体を洗浄するのが難しくなっている。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、洗浄液噴射装置で洗浄できる範囲を広くし、これによって流路を効率良く洗浄できるようにした、遠心圧縮機を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明の遠心圧縮機は、ケーシングと、このケーシング内に支持された回転軸と、この回転軸に設けられて回転して流体を圧縮するインペラと、このインペラと前記ケーシングとが形成する流路に洗浄液を噴射する洗浄液噴射装置と、を備える遠心圧縮機であって、前記洗浄液噴射装置は、前記インペラに形成された前記流路としての圧縮通路に径方向内方側が連通し、前記ケーシングに形成された前記流路としてのリターンベンド通路に径方向外方側が連通する前記流路中のディフューザを形成するディフューザ後壁に設けられ、かつディフューザ前壁に向かって前記洗浄液を前記回転軸方向に噴射するように配置されたノズルと、前記ディフューザ前壁に設けられ、かつ前記ディフューザ後壁に向かって前記洗浄液を前記回転軸方向に噴射するように配置されたノズルとを備え、前記洗浄液噴射装置は、前記回転軸と略平行に、前記洗浄液を噴射するように配置されていることを特徴としている。
この遠心圧縮機によれば、洗浄液噴射装置におけるノズルを、前記流路中のディフューザを形成するディフューザ前壁とディフューザ後壁とに設けるとともに、該ディフューザ前壁とディフューザ後壁とに向けて前記洗浄液を噴射するように、配置しているので、洗浄液噴射装置のノズルから流路内を流れる主流と交差するように噴射された洗浄液は、一旦対向するディフューザの他方側に向けて流れ、ディフューザ前壁とディフューザ後壁との間のスパン方向(回転軸方向)に広がる。また、同時に流路内を流れる主流の剪断力によって微粒化されて周方向にも広がるとともに主流に乗ってディフューザの下流側に流されるため、噴射された洗浄液は比較的長い距離を通って、リターンベーン側に到達するようになる。すると、洗浄液はディフューザ通路からリターン通路及びリターンベーンまでの広い範囲において衝突・付着するようになり、これによって流路全体を広い範囲に亘って洗浄することが可能になる。
また、前記遠心圧縮機において前記洗浄液噴射装置は、前記インペラの回転軸と略平行に、前記洗浄液を噴射するように配置されていることで、洗浄液噴射装置から噴射された洗浄液が、回転軸方向に沿って対向するディフューザの他方側に向けて良好に流れるようになり、したがって、ディフューザ前壁とディフューザ後壁との間のスパン方向(回転軸方向)により確実に広がり、ディフューザの両壁を洗浄しやすくなる。
ここで、前記洗浄液噴射装置では、前記ディフューザ後壁側に設けられた前記ノズルの周方向位置と、前記ディフューザ前壁側に設けられた前記ノズルの周方向位置とが、互いに異なっていてもよい。
また、前記遠心圧縮機において前記洗浄液噴射装置は、前記洗浄液を噴射する前記ノズルを、前記回転軸の周方向に沿って複数備えていてもよい。
このようにすれば、複数のノズルから洗浄液を噴射することで、洗浄液が回転軸の周方向に広く流れるようになり、したがって、流路全体を前記回転軸の周方向においても広く洗浄することが可能になる。
また、前記遠心圧縮機において前記洗浄液噴射装置は、前記洗浄液を噴射する複数の前記ノズルと、これらノズルのそれぞれに連通する少なくとも1つのチャンバーとを備えていてもよい。
このようにすれば、洗浄液の供給源からチャンバーに洗浄液を供給し、このチャンバーを介してノズルに一括して洗浄液を供給し、噴射させることができ、したがって洗浄液噴射装置の構造が簡易になる。
また、前記遠心圧縮機において前記チャンバーは、前記回転軸を囲繞して略環状に形成されていてもよい。
このようにすれば、この略環状に形成されたチャンバーに、前記回転軸の周方向に沿って複数のノズルを配置することにより、洗浄液を回転軸の周方向に広く流れるようにし、流路全体を前記回転軸の周方向において広く洗浄することが可能になる。
本願発明によれば、洗浄液をディフューザ前壁とディフューザ後壁との間のスパン方向(回転軸方向)に広がらせるようにしたので、ディフューザ通路からリターン通路及びリターンベーンまでの広い範囲において洗浄液を衝突・付着させることができ、これにより、流路全体を広い範囲に亘って効率良く洗浄することができる。
本発明の遠心圧縮機の第1参考例を示す概略構成断面図である。 図1の要部拡大図である。 図1のA−A線矢視断面図であって、軸の直角断面図である。 洗浄液が液柱状に流れる状態を示す模式図である。 (a)および(c)はノズルの概略構成を示す要部断面図、(b)は図5(a)のC−C線矢視断面図である。 (a)、(b)は洗浄液が流路内を流れる状態を示す模式図であって、図1のB−B線矢視断面の要部を示す図である。 洗浄液が流路内を流れる状態を示す模式図である。 本発明の遠心圧縮機の第2参考例を説明するための断面図である。 本発明の遠心圧縮機の第1実施形態を説明するための要部側断面図である。 本発明の遠心圧縮機の第3参考例を説明するための要部側断面図である。 第3参考例を説明するための軸の直角断面図である。 本発明の遠心圧縮機の第4参考例を説明するための要部側断面図である。 第4参考例を説明するための軸方向直角断面図である。 (a)はノズルの概略構成を示す要部断面図、(b)は図14(a)のC−C線矢視断面図である。 洗浄液が液柱状に流れる状態を示す模式図である。 洗浄液が流路内を流れる状態を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1参考例)
図1は、本発明の遠心圧縮機の第1参考例を示す概略構成断面図であり、図1中符号1は遠心圧縮機である。この遠心圧縮機1は、インペラを6つ備えた多段式の遠心圧縮機である。
この遠心圧縮機1は、軸線O回りに回転させられるシャフト(回転軸)2と、該シャフト2に取り付けられ、遠心力を利用してプロセスガス(気体)Gを圧縮するインペラ3と、シャフト2を回転可能に支持するとともにプロセスガスGを上流側から下流側に流す流路4が形成されたケーシング5と、を備え、さらに流路4に洗浄液Wを噴射する洗浄液噴射装置30を備えて構成されている。
ケーシング5は、略円柱状の外郭をなすように形成されたもので、中心を貫くようにシャフト2が配置されている。ケーシング5の両側には、それぞれジャーナル軸受5a及びスラスト軸受5bが設けられており、シャフト2を回転可能に支持している。つまり、シャフト2は、これらジャーナル軸受5a及びスラスト軸受5bを介してケーシング5に支持されている。
また、ケーシング5の一端側にはプロセスガスGが外部から流入する吸込口5cが設けられ、他端側にはプロセスガスGが外部に流出する排出口5dが設けられている。ケーシング5内には、これら吸込口5c及び排出口5dにそれぞれ連通し、縮径及び拡径を繰り返す内部空間が設けられている。この内部空間は、インペラ3を収容する空間として機能するとともに、前記流路4としても機能する。つまり、吸込口5cと排出口5dとは、インペラ3及び流路4を介して連通している。
インペラ3は、シャフト2の軸方向に間隔を開けて6つ設けられている。各インペラ3は、図1、及び図1の要部拡大図である図2に示すように、排出口5d側に進むにつれて漸次拡径した略円盤状のハブ3aと、ハブ3aに放射状に取り付けられ、周方向に並んだ複数の羽根3bと、これら複数の羽根3bの先端側を周方向に覆うように取り付けられたシュラウド3cと、で主に構成されている。
なお、図2は、一段目及び二段目のインペラ3周辺を示している。
流路4は、プロセスガスGが段階的に圧縮されるように各インペラ3間を繋ぐように形成されている。詳しくは、この流路4は吸込通路10と、圧縮通路11と、ディフューザ通路(ディフューザ)12と、リターンベンド通路(リターンベンド)13と、リターン通路14とで主に構成されている。
吸込通路10は、径方向外方から径方向内方に向かってプロセスガスGを流した後、このプロセスガスGの向きをインペラ3の直前でシャフト2の軸方向に変換させる通路である。具体的には、後述するリターン通路14を備えて構成されている。
圧縮通路11は、ハブ3aの羽根取付面とシュラウド3cの内壁面とで囲まれた通路であり、吸込通路10から送られてきたプロセスガスGをインペラ3内で圧縮させるための通路である。
ディフューザ通路(ディフューザ)12は、ケーシング5のディフューザ前壁12aと隔壁部材5eのディフューザ後壁12bとで囲まれた通路であり、径方向内方側が圧縮通路11に連通している。このディフューザ通路12は、インペラ3によって圧縮されたプロセスガスGを径方向外方に流している。そして、このディフューザ通路12のディフューザ後壁12bには、後述する洗浄液噴射装置30が設けられている。
なお、ディフューザ通路12の径方向外方側にはリターンベンド通路13を介してリターン通路14に連通しているが、六段目のインペラ3に繋がるディフューザ通路12に関しては排出口5dに連通するようになっている。
また、このディフューザ通路12には、周方向に並ぶように軸線Oを中心として放射状に配置される、複数のディフューザベーン(図示せず)が設けられていてもよい。
リターンベンド通路13は、ケーシング5の反転壁13aと隔壁部材5eの外周壁13bとで囲まれた湾曲してなる通路(流路)であり、一端側がディフューザ通路12に連通し、他端側がリターン通路14に連通している。このリターンベンド通路13は、ディフューザ通路12を通って径方向外方に流れてきたプロセスガスGの向きを、径方向内方に向くように反転させて、リターン通路14に送り出している。なお、ディフューザ通路12とリターンベンド通路13との境界は、図2中において直線状に延在している部分と湾曲している部分との境界とされ、したがって直線状に延在している部分がディフューザ通路12となり、湾曲している部分がリターンベンド通路13となっている。
リターン通路14は、前述したように吸込通路10の一部を構成するもので、ケーシング5に一体的に取り付けられた隔壁部材5eの下流側側壁20aと、ケーシング5に一体的に取り付けられ、径方向内方に延伸した延伸部5fの上流側側壁20bと、で囲まれた通路であり、径方向外方側にてリターンベンド通路13の他端側に連通したものである。
ただし、一段目のインペラ3にプロセスガスGを送り出す吸込通路10のリターン通路14は、径方向外方側が吸込口5cに連通するようになっている。
また、このリターン通路14には、周方向に並ぶように軸線Oを中心として放射状に配置された、複数のリターンベーン25が設けられている。なお、リターン通路14とリターンベンド通路13との境界は、図2中において直線状に延在している部分と湾曲している部分との境界とされ、したがって直線状に延在している部分がリターン通路14となり、湾曲している部分がリターンベンド通路13となっている。
このような構成のもとにプロセスガスGは、吸込口5cから流路4内に流入し、一段目のインペラ3の吸込通路10(リターン通路14を含む)、圧縮通路11、ディフューザ通路12、リターンベンド通路13の順に流れた後、二段目のインペラ3の吸込通路10(リターン通路14)、圧縮通路11…という順に流れていく。そして、六段目のインペラ3のディフューザ通路12まで流れたプロセスガスGは、排出口5dから外部に流出するようになっている。
そして、プロセスガスGは、前述した順で流れる途中、各インペラ3によって圧縮される。つまり、本参考例の遠心圧縮機1では、プロセスガスGを6つのインペラ3によって段階的に圧縮し、これによって大きな圧縮比を得るようになっている。
このような構成からなる遠心圧縮機1には、図1、図2に示したようにディフューザ通路12のディフューザ後壁12bに、洗浄液噴射装置30が設けられている。この洗浄液噴射装置30は、図2に示すように洗浄液を噴射する複数のノズル31と、これらノズル31のそれぞれに連通するチャンバー50と、このチャンバー50に配管51を介して洗浄液を供給する洗浄液供給源(図示せず)と、を備えて構成されたものである。
ノズル31は、図1のA−A線矢視断面図であり、軸の直角断面図である図3に示すように、インペラ3の周方向に沿って該インペラ3の外周と同心円状に、多数配置(配列)されている。なお、図3では、シャフト2の記載を省略している。これらノズル31は、インペラ3の周方向において等間隔に配置されたもので、その噴射口(ノズル口33)が、ディフューザ後壁12bの内壁面にほぼ面一となるように配置されたものである。ノズル31の数については、例えばリターンベーン25の翼の数と同数とされる。
このように、リターンベーン25の翼の数と同数のノズル31をインペラ3の周方向に沿って配列すれば、一つのノズル31では、リターンベーン25に対して、対応する位置にある隣り合う翼の間を洗浄すればよくなる。したがって、ノズル31から噴射した洗浄液Wの、流路内における周方向への広がりを、大きくする必要が少なくなり、その分、スパン方向への広がりを大きくすることが可能になる。
チャンバー50は、図3中破線で示すように、インペラ3とシャフト(回転軸)2とを囲繞して略円環状に形成された流路または管体からなるもので、図4に示すようにディフューザ後壁12bの内壁面に向けて、該内壁面と直交するようにしてノズル31を配置したものである。ノズル31は、例えば図5(a)に示すように前記洗浄液供給源(図示せず)に通じる内部孔32と、該内部孔32に連通して洗浄液Wを噴射するノズル口33とを有したもので、ディフューザ後壁12bからディフューザ前壁12aに向けて前記シャフト(回転軸)2と略平行となるようにして、洗浄液Wをディフューザ通路12内に噴射するように配置されている。
内部孔32は、ノズル31の先端面34に形成されたノズル口33を開口端として、該ノズル口33と同じ内径に形成された直線状の整流部35と、該整流部35に連通して該整流部35より内径が大きく形成された大径部36と、を備えて形成されている。
整流部35は、その流路長Lが、ノズル口33の内径dの3倍以上に形成されている。
具体的には、ノズル口33の内径dは0.1mm程度から10mm程度、好ましくは1mm以上5mm以下程度とされる。このように、ノズル口33の内径dに対して3倍以上の流路長を有する整流部35を設けることにより、ノズル31から噴射される洗浄液Wは、図4に示すように連続した液柱状に流れる。
すなわち、ノズル31の内部孔32を流れる洗浄液Wは、整流部35によって整流された状態でノズル口33から噴射されるので、噴射された洗浄液Wにはほとんど旋回ベクトルが与えられなくなる。したがって、噴射された洗浄液Wは、旋回ベクトルにより液の流れが寸断されて微粒化を起こすことなく、図4に示したように連続した液柱状で流れるようになる。ただし、洗浄液Wはこのようにして液柱状に噴射された後、主流の流れ(プロセスガスGの流れ)による剪断力を受けることにより、その一部は微粒化を起こし、少しずつ微粒化した液滴Uを生じる。
また、図5(a)に示したように大径部36には、整流板37が配置されているのが望ましい。この整流板37は、図5(a)のC−C線矢視断面図である図5(b)に示すように、多数の板が縦横に配置されて格子状に設けられたものである。なお、縦横に配置された板間に形成された正方形状の一辺の長さは、ノズル口33の内径dより大きくなっている。
このような整流板37を大径部36に設けることで、整流部35に流入する洗浄液Wには旋回ベクトルが与えられることなく、直進ベクトルのみが与えられるようになる。したがって、さらに整流部35を流れることで、ノズル31から噴射される洗浄液Wはより良好に連続し、図4に示したように液柱状になる。
このような構成によってノズル31は、ディフューザ後壁12bからディフューザ前壁12aに至るスパン方向において、洗浄液Wをより広い範囲に亘って噴射することができる。
なお、整流部35と大径部36により内部孔32を形成することに限定されることはなく、図5(c)に示すように、整流部35のみで形成される内部孔32をノズル31としてディフューザ後壁12bの内壁面に直接孔加工してもよい。この場合、図5(c)に示すように、ディフューザ後壁12bの内壁面とチャンバー50により区画される壁厚を流路長Lとして、この流路長Lをノズル口33の内径dの3倍以上に形成することにより、十分な整流効果を得ることができるので、ノズル31から噴射される洗浄液Wも良好に連続した液柱状となる。
また、チャンバー50は、図2に示すように本参考例ではケーシング5に一体的に取り付けられた隔壁部材5eに、埋設された状態で取り付けられている。また、このチャンバー50に接続する配管51は、図2および図1のB−B線矢視断面の要部である図6(a)に示すように、リターン通路14内に設けられたリターンベーン25、25間を貫通し、さらに延伸部5fを通ってケーシング5の外側に引き出され、洗浄液供給源(図示せず)に接続されている。あるいは、配管51はリターン通路14内ではなく、リターンベンド通路13内を貫通してもよい。
ただし、リターン通路14内に配管51を横断させるにあたっては、図6(a)に示したようにリターンベーン25、25間を貫通させることなく、図6(b)に示すように、リターンベーン25中を貫通させてもよい。このようにすれば、配管51による主流への影響を無くすことができる。また、その場合には、リターンベーン25中に形成する貫通孔を、この部分での配管51に代えて流路として用いてもよい。
このような構成からなる噴射装置30にあっては、図2に示したようにノズル31を、ディフューザ後壁12bに設けてディフューザ前壁12aに向けて洗浄液Wを噴射するように配置しているので、洗浄液Wが、一旦シャフト2の長さ方向(回転軸方向)に沿ってディフューザ通路12の反対側に向けて流れ、ディフューザ後壁12bとディフューザ前壁12aとの間のスパン方向(回転軸方向)に広がる。
また、ノズル口33から噴射された洗浄液Wは、図7中矢印で示すように一旦ディフューザ通路12のスパン方向に広がった後、ディフューザ通路12内を流れる主流(プロセスガスG)によってディフューザ通路12の下流側に流される。したがって、噴射された洗浄液Wは比較的長い距離を通って、リターン通路14側に到達するようになる。すると、洗浄液Wは、主流の流れ(プロセスガスGの流れ)による剪断力を受けて少しずつ微粒化して液滴Uとなり、ディフューザ通路12やリターンベンド通路13の内壁面に衝突・付着して洗浄するとともに、主流の流れに乗ってリターン通路14及びリターンベーン25側に到達した後、リターンベーン25の翼面やリターン通路14の内壁面に衝突・付着してここを洗浄するようになる。
したがって、ディフューザ通路12からリターン通路14及びリターンベーン25までの広い範囲において、そのスパン方向(回転軸方向)のほぼ全域を洗浄することができるようになる。
また、シャフト(回転軸)2と略平行に洗浄液Wを噴射するようにしているので、洗浄液Wが、シャフト2の長さ方向に沿ってディフューザの反対側に向けて良好に流れるようになり、したがって、洗浄液Wをディフューザ前壁12aとディフューザ後壁12bとの間のスパン方向に十分に広がらせることができる。
また、ノズル31をインペラ3の周方向に沿って多数(複数)備えているので、これら多数のノズル31から洗浄液Wを噴射することにより、洗浄液Wをインペラ3の周方向にも広く流すことができ、したがって、流路全体をインペラ3の周方向においても広く洗浄することができる。
また、多数(複数)のノズル31と、これらノズル31のそれぞれに連通するチャンバー50と、配管51とを備えて洗浄液噴射装置30を構成しているので、洗浄液の供給源からチャンバー50に洗浄液Wを供給し、このチャンバー50を介してノズル31に一括して洗浄液Wを供給し、噴射させることができ、したがって洗浄液噴射装置30の構造を簡易にすることができる。
また、チャンバー50を、インペラ3を囲繞して環状に形成しているので、この環状に形成されたチャンバー50にノズル31を多数配設することにより、洗浄液Wをインペラ3の周方向に広く流れるようにし、流路全体をインペラ3の周方向においても広く洗浄することができる。
したがって、このような構成の遠心圧縮機1にあっては、ディフューザ通路12からリターン通路14及びリターンベーン25までの広い範囲において洗浄液Wを衝突・付着させることができ、これにより、流路全体を広い範囲に亘って効率良く洗浄することができる。
(第2参考例)
図8は、本発明の遠心圧縮機の第2参考例を示す図であり、第1参考例における図2に対応する側断面図を簡略化した図である。第2参考例の遠心圧縮機が、第1参考例の遠心圧縮機1と異なるところは、第1参考例ではディフューザ後壁12bにノズル31(洗浄液噴射装置30)を配置したのに対し、第2参考例ではディフューザ前壁12aにノズル(洗浄液噴射装置30)31を配置した点である。
すなわち、この第2参考例では、延伸部5fのディフューザ前壁12a側に配管51、チャンバー50、ノズル31を配設するとともに、ノズル31の噴射口(ノズル口33)をディフューザ前壁12aの内壁面に配置し、これによって洗浄液Wをディフューザ後壁12bに向けて噴射するようにしている。なお、ノズル31の数や構成、さらにチャンバー50や配管51の構成については、第1参考例と同様である。
この第2参考例の遠心圧縮機にあっても、ディフューザ通路12からリターン通路14及びリターンベーン25までの広い範囲において洗浄液Wを衝突・付着させることができ、これにより、流路全体を広い範囲に亘って効率良く洗浄することができる。また、第1参考例に比べて、リターン通路14(リターンベーン25)内に配管51を貫通させる必要がないため、洗浄液噴射装置30の取り付けを容易にすることができるとともに、配管51が主流に影響を与えることがない。
(第1実施形態)
図9は、本発明の遠心圧縮機の第1実施形態を示す図であり、第1参考例における図2に対応する側断面図を簡略化した図である。第1実施形態の遠心圧縮機が、第1参考例の遠心圧縮機1と異なるところは、第1参考例ではディフューザ後壁12bにのみノズル31(洗浄液噴射装置30)を配置したのに対し、第1実施形態では、このディフューザ後壁12bに加えて、ディフューザ前壁12aにもノズル31(洗浄液噴射装置30)を配置した点である。
すなわち、この第1実施形態では、第1参考例と同様にして、ディフューザ後壁12bにノズル31(洗浄液噴射装置30)を設け、かつディフューザ前壁12aに向かって洗浄液Wを噴射するように配置し、さらに、第2参考例と同様にして、ディフューザ前壁12aにノズル31(洗浄液噴射装置30)を設け、かつディフューザ後壁12bに向かって洗浄液Wを噴射するように配置している。
なお、ディフューザ後壁12b側とディフューザ前壁12a側に設けられたノズル31の周方向位置は、互いの位相を同じにしてもよいし、異ならしめてもよい。例えば、半ピッチずつずれた位相に配置してもよい。
したがって、この第1実施形態の遠心圧縮機にあっては、ディフューザ通路12からリターン通路14及びリターンベーン25までの広い範囲において洗浄液Wを衝突・付着させることができ、これにより、流路全体を広い範囲に亘って効率良く洗浄することができる。また、主流の流速が速い場合には、ノズル31から噴射した洗浄液Wがスパン方向に十分に広がらないおそれがあるが、ディフューザ前壁12a及びディフューザ後壁12bの両方に、それぞれ他方の側に向けてノズル31を配置しているので、両方のノズル31からそれぞれに洗浄液Wを噴射させることにより、主流の流速が速い場合であっても、流路内にそのスパン方向の全長に亘って、洗浄液Wを確実に行き渡らせることができる。
(第3参考例)
図10は、本発明の遠心圧縮機の第3参考例を示す図であり、第1参考例における図2に対応する側断面図を簡略化した図である。第3参考例の遠心圧縮機が、第1参考例の遠心圧縮機1と異なるところは、第1参考例では多数のノズル31とチャンバー50と配管51とを備えた洗浄液噴射装置30を、一系統しか備えていないのに対し、第3参考例では、二系統備えている点である。
すなわち、この第3参考例では、第1参考例における図3に対応する図である図11に示すように、第1参考例の洗浄液噴射装置30と同じ構成からなる第1の洗浄液噴射装置30aと、この第1の洗浄液噴射装置30aとほぼ同じ構成からなる第2の洗浄液噴射装置30bとを備えて構成されている。
第1の洗浄液噴射装置30aは、図10に示したように、多数のノズル31aとチャンバー50aと配管51aとを備えて構成されており、第2の洗浄液噴射装置30bは、多数のノズル31bとチャンバー50bと配管51bとを備えて構成されている。これら二系統の各チャンバー50a、50bは、図11に示したようにいずれもインペラ3を囲繞して同心円状に配置されており、第1の洗浄液噴射装置30aにおけるチャンバー50aが外周側に、第2の洗浄液噴射装置30bにおけるチャンバー50bが内周側にそれぞれ配置されている。
したがって、第2の洗浄液噴射装置30bにおけるノズル31bは、インペラ3側に配置された内周側のノズル31bとなっており、第1の洗浄液噴射装置30aにおけるノズル31aは、該内周側ノズル31bより径方向外方側に配置された外周側のノズル31aとなっている。また、本参考例では、インペラ3の周方向に沿う位置が、内周側ノズル31bと外周側ノズル31aとで、半ピッチずつずれた状態に配置されている。したがって、両方のノズル31a、31bから洗浄液Wを噴射することにより、インペラ3の周方向にむらを生じることなく、流路内を均一に洗浄することができるようになっている。
さらに、本参考例では、内周側ノズル31bのノズル口(図示せず)の径が、外周側ノズル31aのノズル口(図示せず)の径より小さくなっている。
そして、これら第1の洗浄液噴射装置30a及び第2の洗浄液噴射装置30bは、図示しない制御装置によって制御されることにより、両方が同時に稼働して各ノズル31a、31bから同時に洗浄液Wが噴射させられ、あるいは一方のみが稼働して一方の系統のノズルのみから洗浄液Wが噴射させられるようになっている。
したがって、この第3参考例の遠心圧縮機にあっては、ディフューザ通路12からリターン通路14及びリターンベーン25までの広い範囲において洗浄液Wを衝突・付着させることができ、これにより、流路全体を広い範囲に亘って効率良く洗浄することができる。また、流路全体を、その径方向においても広い範囲に亘って洗浄することができる。
さらに、遠心圧縮機の運転条件から、洗浄液Wの注入量に制限がある場合などでは、二系統の洗浄液噴射装置のうちの一系統のみを稼働させるように制御することで、洗浄液Wの注入量を制限された量に抑えることができる。
なお、この第3参考例では、洗浄液噴射装置を二系統設置した例について説明したが、三系統以上の洗浄液噴射装置を設置してもよいのはもちろんである。また、各系統の単位時間あたりの流量を同じになるように調整したが、それぞれ異なる流量となるように調整してもよい。
さらに、この第3参考例では、洗浄液噴射装置30a、30bを共にディフューザ後壁12bに配置したが、第2参考例に示したように、二系統の洗浄液噴射装置30a、30bを共にディフューザ前壁12aに配置してもよく、第1実施形態に示したように、二系統の洗浄液噴射装置30a、30bをディフューザ後壁12bとディフューザ前壁12aとの両方に配置してもよい。
さらに、この第3参考例では、内周側ノズル31bのノズル口径を外周側ノズル31aのノズル口径よりも小さくしたが、同じ口径でもよいし、逆に外周側ノズル31aのノズル口径を内周側ノズル31bのノズル口径よりも小さくしてもよい。
また、内周側ノズル31bと外周側ノズル31aの数は同じでもよいし、異ならしめてもよい。
(第4参考例)
図12は、本発明の遠心圧縮機の第4参考例を示す図であり、第1参考例における図2に対応する側断面図を簡略化した図である。第4参考例の遠心圧縮機が、第1参考例の遠心圧縮機1と異なるところは、第1参考例では多数のノズル31とチャンバー50と配管51とを備えた洗浄液噴射装置30をディフューザ後壁12bに設けたのに対し、第4参考例では、この洗浄液噴射装置30に加えて別の洗浄液噴射装置40を設け、これら洗浄液噴射装置30と洗浄液噴射装置40とにより、本発明の洗浄液噴射装置を構成した点である。
洗浄液噴射装置40は、図12においてディフューザ後壁12b側からディフューザ前壁12aを見た流路全体を示す、軸方向直角断面図である図13に示すように、ノズル(第2のノズル)41と、このノズル41に配管(図示せず)等を介して洗浄液を供給する洗浄液供給源(図示せず)と、を備えて構成されたものである。なお、図13では、シャフト2の記載を省略している。
ノズル41は、図12に示すようにディフューザ通路12の半径方向内方に向けて、該ディフューザ通路12の半径方向外方に設けられたもので、例えばケーシング5を貫通した状態に設けられている。このノズル41は、ディフューザ前壁12aに沿って配置されたもので、本参考例では図13に示すように4台備えられており、これら4台のノズル41は、軸線Oを中心にして等間隔に環状配置されている。
これらノズル41は、図13中矢印Pで示す洗浄液Wの噴射方向が、矢印Qで示すインペラ3の回転方向と同じ方向になり、かつ、インペラ3にあたることなくその外側になるように、構成配置されている。また、矢印Pで示す洗浄液Wの噴射方向が、インペラ3の、ノズル41に対向する位置(最短距離となる位置)での、回転軸(軸線O)の直角断面内において前記流体の流れ方向(図13中矢印Rで示す方向)とほぼ直角に交差するように、ノズル41は構成配置されている。
ここで、ノズル41は、例えば図14(a)に示すように前記洗浄液供給源(図示せず)に通じる内部孔62と、該内部孔62に連通して洗浄液Wを噴射するノズル口63とを備えて構成されている。本参考例では、ノズル41の先端部に斜面(又は湾曲面)64が形成されており、この斜面64にノズル口63が形成されている。
内部孔62は、ノズル口63を開口端として該ノズル口63と同じ内径を有する直線状の整流部65と、該整流部65に連通して該整流部65より内径が大きく形成された大径部66とを備えて形成されている。なお、図14(a)に示した例では、先端部の斜面64に合わせて、大径部66の先端側にも斜面(又は湾曲面)が形成されており、この斜面に整流部65の一端側が開口している。
整流部65は、その流路長Lが、ノズル口63の内径dの3倍以上に形成されている。
具体的には、ノズル口63の内径dは0.1mm程度から10mm程度、好ましくは1mm以上5mm以下程度とされる。このように、ノズル口63の内径dに対して3倍以上の流路長を有する整流部65を設けることにより、ノズル61から噴射される洗浄液Wは、図15に示したように連続した液柱状に流れる。
すなわち、ノズル61の内部孔62を流れる洗浄液Wは、整流部65によって整流された状態でノズル口63から噴射されるので、噴射された洗浄液Wにはほとんど旋回ベクトルが与えられなくなる。したがって、噴射された洗浄液Wは、旋回ベクトルにより液の流れが寸断されて微粒化を起こすことなく、図15に示したように連続した液柱状で流れるようになる。ただし、洗浄液Wはこのようにして液柱状に噴射された後、主流の流れ(プロセスガスGの流れ)による剪断力を受けることにより、その一部は微粒化を起こし、少しずつ微粒化した液滴Uを生じる。
また、図14(a)に示したように大径部66には、整流板67が配置されているのが望ましい。この整流板67は、図14(a)のC−C線矢視断面図である図14(b)に示すように、多数の板が縦横に配置されて格子状に設けられたものである。なお、縦横に配置された板間に形成された正方形状の一辺は、ノズル口63の内径dより大きくなっている。
このような整流板67を大径部36に設けることで、整流部65に流入する洗浄液Wには旋回ベクトルが与えられることなく、直進ベクトルのみが与えられるようになる。したがって、さらに整流部65を流れることで、ノズル31から噴射される洗浄液はより良好に連続し、図15に示したように液柱状になる。
このような構成からなる洗浄液噴射装置40にあっては、図12に示したようにノズル41をディフューザ通路12の半径方向内方に向けて、該ディフューザ通路12の半径方向外方に設けているので、ノズル口33から噴射された洗浄液Wは、一旦ディフューザ通路12の半径方向内方に向けて流れた後、図7に示した場合と同様に主流によって押し戻され、ディフューザ通路12の下流側のリターンベンド通路13を通り、リターン通路14内のリターンベーン25側に流れる。
したがって、噴射された洗浄液Wは、洗浄液噴射装置30から噴射された洗浄液Wと同様に、比較的長い距離を通って比較的長い時間をかけて、リターンベーン25側に到達するようになる。そして、主流の流れ(プロセスガスGの流れ)による剪断力を受けて少しずつ微粒化した液滴Uは、ディフューザ通路12やリターンベンド通路13の内壁面に衝突・付着して洗浄するとともに、主流の流れに乗ってリターン通路14及びリターンベーン25側に到達した後、リターンベーン25やリターン通路14の内壁面に衝突・付着してここを洗浄するようになる。
また、前記洗浄液Wの噴射方向Pを、図13に示したようにインペラ3の回転方向Qと同じ方向で、かつ、回転軸の直角断面内において流体の流れ方向とほぼ直角に交差するようにしているので、洗浄液Wはインペラ3の回転方向に沿う主流の流れを受けてこれに乗る。すなわち、洗浄液Wは回転軸の直角断面内において流体の流れ方向とほぼ直角に交差することにより、主流に押されるようにして、これに乗るようになる。このように主流の流れに乗ると、洗浄液Wはその噴射方向Pより主流の流れ方向に近づくように、流れる方向が湾曲する。その結果、洗浄液Wはインペラ3の回転方向Qにおいて、より広い範囲を流れるようになる。
すると、洗浄液Wは、前記したように比較的長い距離を通って比較的長い時間をかけてリターンベーン25側に到達し、少しずつ微粒化した液滴Uがリターンベーン25やリターン通路14の内壁面に衝突・付着するので、図1のB−B線矢視断面の要部に対応する図16に示すように、洗浄液Wはリターンベーン25側の広い範囲Sに、衝突・付着するようになる。換言すれば、一つのノズル41の、インペラ3の周方向における洗浄可能範囲が、前記範囲Sに示したように比べ格段に広くなる。
したがって、このような構成の遠心圧縮機にあっては、洗浄液噴射装置30のノズル31(第1のノズル)により、前述したように洗浄液Wをディフューザ通路12からリターン通路14及びリターンベーン25までの広い範囲において衝突・付着させることができ、これによって流路全体を広い範囲に亘って洗浄することができる。
また、洗浄液噴射装置40のノズル41(第2のノズル)によっても、洗浄液Wをディフューザ通路12からリターン通路14及びリターンベーン25までの広い範囲において衝突・付着させることができ、これによって流路全体を広い範囲に亘って洗浄することができる。
さらに、洗浄液Wの噴射方向を、インペラ3の回転方向と同じ方向で、かつ、インペラ3の、洗浄液噴射装置に対向する位置でのシャフト(回転軸)2の直角断面内において前記流体の流れ方向とほぼ直角に交差するようにしているので、前述したように洗浄液Wがインペラ3の回転方向に沿う主流の流れを受けてこれに乗り、しかも前記したように比較的長い距離を通ってリターンベーン25側に到達する。これにより、前述したように洗浄液Wは、ディフューザ通路12からリターン通路14及びリターンベーン25までの広い範囲に衝突・付着するようになり、これによって流路全体を広い範囲に亘って洗浄することができる。
また、洗浄液噴射装置30のノズル31(第1のノズル)をディフューザ後壁12bに設けて、洗浄液Wをディフューザ前壁12aに向けて噴射するように配置し、洗浄液噴射装置40のノズル41(第2のノズル)をディフューザ前壁12aに沿って配置しているので、これらノズル31、41によってスパン方向及び周方向に効率良く洗浄液を噴射することができ、したがって流路全体をより広い範囲に亘って洗浄することができる。すなわち、インペラの出口近傍では、ディフューザ後壁12b側の方が主流の流速が速くなり、その分、ノズル31から噴射した洗浄液の微粒化が進み、スパン方向(回転軸方向)により広がり易くなる。一方、ディフューザ前壁12a側の方では主流の流速が相対的に遅くなる分、周方向へより広がり易くなるからである。
なお、本発明は前記実施形態及び参考例に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記洗浄液噴射装置30(30a、30b)では、洗浄液Wの噴射方向がインペラ3の回転軸(シャフト2)と略平行になるようにノズル31を配置したが、必要に応じて、洗浄液Wの噴射方向を主流の上流側又は下流側に傾けてもよく、あるいは、流路の半径方向内方又は半径方向外方に傾けてもよい。
また、前記第4参考例では、第1参考例の洗浄液噴射装置30に加えて前記洗浄液噴射装置40を配置したが、第3参考例の第1の洗浄液噴射装置30a及び第2の洗浄液噴射装置30bに加えて、前記洗浄液噴射装置40を配置してもよい。
さらに、前記第4参考例では、洗浄液噴射装置30のノズル31(第1のノズル)をディフューザ後壁12bに設け、洗浄液噴射装置40のノズル41(第2のノズル)をディフューザ前壁12aに沿って配置したが、逆に、洗浄液噴射装置30のノズル31(第1のノズル)をディフューザ前壁12aに設け、洗浄液噴射装置40のノズル41(第2のノズル)をディフューザ後壁12bに沿って配置してもよい。
また、第4参考例では、ノズル41を4台設置した例を示したが、ノズル41の設置台数については特に限定されることなく、3台以下であっても5台以上であってもよい。
また、ノズル41を等間隔に環状配置させたが、必ずしも等間隔でなくてもよい。
さらに、前記実施形態及び参考例では、ノズル31とチャンバー50と配管51とを備えて洗浄液噴射装置30を構成したが、本発明はこれに限定されることなく、例えばチャンバー50を備えることなく、配管51にノズル31を直接接続して、洗浄液噴射装置30を構成してもよい。
また、前記実施形態及び参考例では、チャンバー50(50a、50b)を全周に形成したが、これに限られるものではなく、周方向に複数に分割されたチャンバー50(50a、50b)を用いてもよい。
また、前記実施形態及び参考例では多段式の遠心圧縮機について説明したが、これに限られるものではなく、単段式の遠心圧縮機にも適用することができる。
1…遠心圧縮機、2…シャフト(回転軸)、3…インペラ、4…流路、5…ケーシング、12…ディフューザ通路(ディフューザ)、13…リターンベンド通路(リターンベンド)、14…リターン通路、25…リターンベーン、30、30a、30b…洗浄液噴射装置、31…ノズル、32…内部孔、33…ノズル口、35…整流部、36…大径部、37…整流板、50…チャンバー、51…配管、40…洗浄液噴射装置、41…ノズル、42…チャンバー、43…配管、G…プロセスガス、P…噴射方向、Q…インペラの回転方向、W…洗浄液

Claims (5)

  1. ケーシングと、このケーシング内に支持された回転軸と、この回転軸に設けられて回転して流体を圧縮するインペラと、このインペラと前記ケーシングとが形成する流路に洗浄液を噴射する洗浄液噴射装置と、を備える遠心圧縮機であって、
    前記洗浄液噴射装置は、前記インペラに形成された前記流路としての圧縮通路に径方向内方側が連通し、前記ケーシングに形成された前記流路としてのリターンベンド通路に径方向外方側が連通する前記流路中のディフューザを形成するディフューザ後壁に設けられ、かつディフューザ前壁に向かって前記洗浄液を前記回転軸方向に噴射するように配置されたノズルと、前記ディフューザ前壁に設けられ、かつ前記ディフューザ後壁に向かって前記洗浄液を前記回転軸方向に噴射するように配置されたノズルとを備え
    前記洗浄液噴射装置は、前記回転軸と略平行に、前記洗浄液を噴射するように配置されていることを特徴とする遠心圧縮機。
  2. 前記洗浄液噴射装置では、前記ディフューザ後壁側に設けられた前記ノズルの周方向位置と、前記ディフューザ前壁側に設けられた前記ノズルの周方向位置とが、互いに異なっていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
  3. 前記洗浄液噴射装置は、前記洗浄液を噴射する前記ノズルを、前記回転軸の周方向に沿って複数備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心圧縮機。
  4. 前記洗浄液噴射装置は、前記洗浄液を噴射する複数の前記ノズルと、これらノズルのそれぞれに連通する少なくとも1つのチャンバーとを備えていることを特徴とする請求項3に記載の遠心圧縮機。
  5. 前記チャンバーは、前記回転軸を囲繞して略環状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の遠心圧縮機。
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