JP2016059024A - 光通信装置および光通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】受信側のチャープ補正の回路規模を削減しつつ伝送性能の向上を図ること。
【解決手段】光通信装置100は、光伝送路を介して光信号を他の光通信装置へ送信する。チャープ補正用信号生成部102は、光伝送路の特性に応じたパラメータに基づいて、他の光通信装置における光信号の自己位相変調効果による歪みを打ち消す電気信号を生成する。半導体レーザ103は、チャープ補正用信号生成部102によって生成された電気信号に応じた強度の光信号を光伝送路へ送信する。
【選択図】図1B

Description

本発明は、光通信装置および光通信システムに関する。
従来、光ファイバ中で生じる自己位相変調効果によるチャープと反対向きとなるようにデータ変調部で搬送波にプリチャープを付与する技術が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。また、振幅変調(AM:Amplitude Modulation)のRF(Radio Frequency:高周波)信号によって生じるレーザの周波数暴走によって誘発されるチャープを抑制する技術が知られている(たとえば、下記特許文献2参照。)。
特開2002−23121号公報 特表2010−526482号公報
しかしながら、上述した従来技術では、たとえば光伝送路の特性によって異なるチャープを抑えることができないため、受信側におけるチャープが大きくなり、伝送性能が低くなるという問題がある。これに対して、受信側にチャープ補正の回路を設けることが考えられるが、受信側の回路規模が大きくなるという問題がある。
1つの側面では、本発明は、受信側のチャープ補正の回路規模を削減しつつ伝送性能の向上を図ることができる光通信装置および光通信システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、入力された電気信号に応じた強度の光信号を、光伝送路を介して他の光通信装置へ送信するレーザ装置を備え、前記他の光通信装置における前記光信号の自己位相変調効果による歪みを打ち消す前記電気信号を前記光伝送路の特性に応じたパラメータに基づいて生成し、生成した前記電気信号を前記レーザ装置へ入力する光通信装置および光通信システムが提案される。
本発明の一側面によれば、受信側のチャープ補正の回路規模を削減しつつ伝送性能の向上を図ることができるという効果を奏する。
図1Aは、実施の形態1にかかる光通信装置の一例を示す図である。 図1Bは、図1Aに示した光通信装置における信号の流れの一例を示す図である。 図1Cは、図1Aに示した光通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図2Aは、実施の形態1にかかる光通信システムの一例を示す図である。 図2Bは、図2Aに示した光通信システムにおける信号の流れの一例を示す図である。 図3Aは、送信側の光通信装置が送信する光信号のパルス波形の一例を示す図である。 図3Bは、送信側の光通信装置が送信する光信号の瞬時周波数の変化の一例を示す図である。 図4Aは、チャープ補正を行わないと仮定した場合のチャープ特性の一例を示す参考図である。 図4Bは、チャープ補正を行う場合のチャープ特性の一例を示す図である。 図4Cは、ビットレートが大きい場合にチャープ補正を行う場合のチャープ特性の一例を示す図である。 図5Aは、チャープ補正を行わないと仮定した場合の瞬時周波数の一例を示す参考図である。 図5Bは、チャープ補正を行う場合の瞬時周波数の一例を示す図である。 図6Aは、チャープ補正用信号生成部の一例を示す図である。 図6Bは、図6Aに示したチャープ補正用信号生成部における信号の流れの一例を示す図である。 図7Aは、実施の形態2にかかる光通信システムの一例を示す図である。 図7Bは、図7Aに示した光通信システムにおける信号の流れの一例を示す図である。 図8Aは、制御装置によるパラメータの選択の一例を示す図(その1)である。 図8Bは、制御装置によるパラメータの選択の一例を示す図(その2)である。 図8Cは、制御装置によるパラメータの選択の一例を示す図(その3)である。 図9は、制御装置による処理の一例を示すフローチャートである。 図10Aは、実施の形態2にかかる送信側の光通信装置の一例を示す図である。 図10Bは、図10Aに示した送信側の光通信装置における信号の流れの一例を示す図である。 図10Cは、図10Aに示した送信側の光通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図11Aは、実施の形態2にかかる受信側の光通信装置の一例を示す図である。 図11Bは、図11Aに示した受信側の光通信装置における信号の流れの一例を示す図である。 図11Cは、図11Aに示した受信側の光通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図12は、制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図13は、光通信システムを一部に適用した無線通信システムの一例を示す図である。 図14は、チャープ補正による伝送距離の延長の一例を示す図である。 図15Aは、チャープ補正用信号生成部の一例を示す図である。 図15Bは、図15Aに示したチャープ補正用信号生成部における信号の流れの一例を示す図である。
以下に図面を参照して、本発明にかかる光通信装置および光通信システムの実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(実施の形態1にかかる光通信装置)
図1Aは、実施の形態1にかかる光通信装置の一例を示す図である。図1Bは、図1Aに示した光通信装置における信号の流れの一例を示す図である。図1A,図1Bに示すように、実施の形態1にかかる光通信装置100は、送信制御部101と、チャープ補正用信号生成部102と、半導体レーザ103と、を備える。また、光通信装置100は、たとえば、変調した電気信号を半導体レーザ103に直接入力して発振させることで光信号を生成する直接変調方式の光通信装置である。
送信制御部101は、変調信号I(t)と、キャリア周波数ωと、パラメータAと、に基づく情報をチャープ補正用信号生成部102へ出力する。変調信号I(t)は、光通信装置100が送信する光信号による送信対象の情報に応じた変調信号である。tは時間である。キャリア周波数ωは、半導体レーザ103が送信する光信号のキャリア周波数である。キャリア周波数ωは、たとえば半導体レーザ103に固有の値である。
パラメータAは、光通信装置100が光信号の送信に用いる光伝送路の特性に応じたパラメータである。たとえば、パラメータAは、光伝送路の屈折率および距離の少なくとも一方に応じて変化するパラメータである。また、たとえば、パラメータAは、光通信装置100の設置時に、光通信装置100に接続される光伝送路の特性に応じて光通信装置100に設定される。
図1A,図1Bに示す例では、送信制御部101は、変調信号I(t)と、キャリア周波数ωと、パラメータAと、に基づくAωI(t)、ωtおよびI(t)をチャープ補正用信号生成部102へ出力する。
チャープ補正用信号生成部102は、パラメータAを含む送信制御部101から出力された各情報に基づいて送信信号I(ω”,t)を生成する。ω”については後述する。送信信号I(ω”,t)は、半導体レーザ103へ入力するための電気信号である。また、チャープ補正用信号生成部102は、光通信装置100が送信した光信号を受信する他の光通信装置における、光通信装置100が送信した光信号の自己位相変調効果による歪み(チャープ)を打ち消すように送信信号I(ω”,t)を生成する。ただし、チャープ補正用信号生成部102が生成する送信信号I(ω”,t)は、受信側のチャープを完全に打ち消す信号でなくてもよく、受信側のチャープの少なくとも一部を打ち消す信号であればよい。
チャープ補正用信号生成部102は、生成した送信信号I(ω”,t)を半導体レーザ103へ入力する。これにより、半導体レーザ103から送信される光信号を、受信側の光通信装置における光信号の自己位相変調効果による歪み(チャープ)を打ち消すように補正するチャープ補正を行うことができる。
半導体レーザ103は、チャープ補正用信号生成部102から入力された送信信号I(ω”,t)に応じた強度の光信号を送信するレーザ装置である。半導体レーザ103から送信された光信号は、光ファイバなどの光伝送路を介して他の光通信装置によって受信される(たとえば図2A,図2B参照)。
半導体レーザ103には、たとえばVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:垂直共振器面発光レーザ)などの、直接変調が可能な各種のレーザ装置を用いることができる。
図1Cは、図1Aに示した光通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図1Cにおいて、図1Aに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図1Cに示すように、送信制御部101およびチャープ補正用信号生成部102は、たとえばDSP131(Digital Signal Processor)により実現することができる。
ただし、送信制御部101およびチャープ補正用信号生成部102は、DSPに限らず、たとえばFPGA(Field Programmable Gate Array)などの各種のデジタル回路によって実現することができる。また、送信制御部101およびチャープ補正用信号生成部102はそれぞれ別の回路により実現されてもよい。
また、DSP131と半導体レーザ103との間にはDAC132(Digital/Analog Converter:デジタル/アナログ変換器)が設けられる。DAC132は、チャープ補正用信号生成部102から出力される送信信号I(ω”,t)をデジタル信号からアナログ信号に変換し、変換した送信信号I(ω”,t)を半導体レーザ103へ出力する。
また、たとえば半導体レーザ103がデジタル信号により駆動可能な場合は、DAC132を設けずに、チャープ補正用信号生成部102から出力されるデジタル信号の送信信号I(ω”,t)を直接、半導体レーザ103へ出力する構成としてもよい。
(実施の形態1にかかる光通信システム)
図2Aは、実施の形態1にかかる光通信システムの一例を示す図である。図2Bは、図2Aに示した光通信システムにおける信号の流れの一例を示す図である。図2A,図2Bに示すように、実施の形態1にかかる光通信システム200は、図1A〜図1Cに示した送信側の光通信装置100と、受信側の光通信装置201と、を含む。
光伝送路202は、光通信装置100と光通信装置201との間の光伝送路である。光伝送路202は、たとえば、屈折率の非線形効果により光信号に自己位相変調(SPM:Self Phase Modulation)を生じさせる光ファイバが含まれる。また、光伝送路202には、光アンプや光挿入分岐器などが設けられていてもよい。
送信側の光通信装置100は、光伝送路202を介して光信号を送信する。受信側の光通信装置201は、光伝送路202を介して送信側の光通信装置100から送信された光信号を受信する。
本実施の形態においては、光通信装置100から光通信装置201へ光信号を送信する構成について説明するが、光通信装置100および光通信装置201は、光通信装置201から光通信装置100へ光信号を送信する構成をさらに備えていてもよい。
(非線形屈折率効果によるチャープ)
送信側の光通信装置100から光パルスとして送信される光信号は、パルス幅が狭くなるとピーク値が高くなる。その結果、光伝送路202における屈折率が光強度に比例して変化する非線形屈折率効果が顕著になる。光伝送路202における屈折率をn、光強度をIとすると、下記(1)式が成り立つ。
n=n0+n2*I …(1)
上記(1)式において、n0は、光強度に対して線形に変化する線形屈折率を示している。n2*Iは、光強度に対して非線形に変化する非線形屈折率を示している。光伝送路202における屈折率の非線形効果により、光信号の自己位相変調が生じる。
そして、自己位相変調によって光信号の瞬時周波数が変化する。このような光信号の周波数の変化はチャープと呼ばれる。光信号の瞬時周波数をω’とすると、瞬時周波数ω’は下記(2)式によって表すことができる。
ω’=ω−ωn2z/c*d/dt*I(ω,t−z/vg)
=ω−ωn2z/c*dI(ω,t)/dt …(2)
上記(2)式において、ωは、半導体レーザ103が送信する光信号のキャリア周波数を示す。zは光信号の伝送距離、すなわち光伝送路202の距離を示す。cは光速を示す。d/dtは時間微分を示す。tは時間を示す。I(ω,t−z/vg)は光信号の強度を示す。vgは光信号の群速度を示す。ただし、z/vgの変数は時間微分には影響しないため、上記(2)式においてはz/vgの変数を省略する変形を行っている。
(送信側の光通信装置が送信する光信号のパルス波形)
図3Aは、送信側の光通信装置が送信する光信号のパルス波形の一例を示す図である。図3Aにおいて、横軸は時間(t)を示し、縦軸は光強度(I)を示す。パルス波形310は、送信側の光通信装置100が送信する光信号のパルス波形である。
(送信側の光通信装置が送信する光信号の瞬時周波数の変化)
図3Bは、送信側の光通信装置が送信する光信号の瞬時周波数の変化の一例を示す図である。図3Bにおいて、横軸は時間(t)を示し、縦軸は光強度の瞬時周波数(ω’)を示す。瞬時周波数変化320は、送信側の光通信装置100が送信する光信号の瞬時周波数の時間変化を示す。
図3Bに示す瞬時周波数変化320は、図3Aに示したパルス波形310において非線形屈折率n2>0である場合、すなわち非線形屈折率効果がある場合の瞬時周波数となっている。図3A,図3Bに示すように、光信号の瞬時周波数は、光信号のキャリア周波数ωから、光信号の強度の傾きに対応して変化する。
(チャープ特性)
図4Aは、チャープ補正を行わないと仮定した場合のチャープ特性の一例を示す参考図である。図4Bは、チャープ補正を行う場合のチャープ特性の一例を示す図である。図4A,図4Bに示す光強度変化401は、送信側の光通信装置100が送信する光信号の強度の時間変化を示す。
図4A,図4Bに示すチャープ特性402は、送信側の光通信装置100が送信する光信号のチャープを示す。図4A,図4Bに示すチャープ特性403は、光通信装置201が受信する光信号のチャープを示す。
送信側の光通信装置100においてチャープ補正を行わないと仮定した場合は、図4Aのチャープ特性402に示すように、送信側の光通信装置100が送信する光信号にはチャープが発生していない。一方、図4Aのチャープ特性403に示すように、光伝送路202を介して光通信装置201が受信した光信号にはチャープが発生している。このため、受信側の光通信装置201における光信号の受信品質が低下する。または、受信側の光通信装置201においてチャープの補正処理を要する。または、光信号の受信品質を所定の品質とすることができる光伝送路202の距離が短くなる。
送信側の光通信装置100においてチャープ補正を行う場合は、図4Bのチャープ特性402に示すように、送信側の光通信装置100が送信する光信号にはチャープが発生している。このチャープは、受信側の光通信装置201における光信号のチャープを打ち消すチャープである。このため、図4Bのチャープ特性403に示すように、光伝送路202を介して光通信装置201が受信した光信号にはチャープが発生していない。
図4Cは、ビットレートが大きい場合にチャープ補正を行う場合のチャープ特性の一例を示す図である。図4Cにおいて、図4A,図4Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図4Cに示す光強度変化401およびチャープ特性402,403は、図4A,図4Bに示した例よりもビットレートが大きい光信号の強度の時間変化および各チャープ特性を示す。
図4Cに示すチャープ特性402は、送信側の光通信装置100が送信する光信号のチャープを示す。図4Cに示すチャープ特性403は、光通信装置201が受信する光信号のチャープを示す。
図4A,図4Bに示した例よりもビットレートが大きい光信号を送信する場合は、図4Cの光強度変化401に示すように光信号のパルス幅が狭くなり、光信号の強度の傾きが大きくなる。このため、上述したように、非線形屈折率効果が顕著になり、光伝送路202において発生するチャープが大きくなる。
これに対して、送信側の光通信装置100は、図4Cに示すチャープ特性402に示すように、図4A,図4Bに示した例よりも大きなチャープを与えた光信号を送信する。これにより、図4Cのチャープ特性403に示すように、光伝送路202を介して光通信装置201が受信した光信号にチャープが発生しないようにすることができる。
(瞬時周波数)
図5Aは、チャープ補正を行わないと仮定した場合の瞬時周波数の一例を示す参考図である。図5Bは、チャープ補正を行う場合の瞬時周波数の一例を示す図である。図5A,図5Bに示す光信号501は、送信側の光通信装置100から光伝送路202へ入力される光信号である。図5A,図5Bに示す光信号502は、光伝送路202を通過して光通信装置201に受信される光信号である。
送信側の光通信装置100においてチャープ補正を行わないと仮定した場合は、図5Aに示すように、光伝送路202へ入力される光信号501の瞬時周波数はωとなり、光通信装置201に受信される光信号502の瞬時周波数はチャープによりω’となる。
送信側の光通信装置100においてチャープ補正を行う場合は、図5Bに示すように、光伝送路202へ入力される光信号501の瞬時周波数はω”となり、光通信装置201に受信される光信号502の瞬時周波数はωとなる。ω”は、光信号502の瞬時周波数がωとなるように送信側の光通信装置100において調整された瞬時周波数である。
(チャープの許容範囲)
図4A〜図4Cや図5A,図5Bに示した例では、受信側の光通信装置201においてチャープがなくなるようにチャープ補正(送信信号の生成)を行う場合について説明した。ただし、受信側の光通信装置201における許容範囲であれば、完全にチャープがなくなるようにしなくてもよい。すなわち、光通信装置100は、たとえば図4Aのチャープ特性403に示す例よりもチャープを抑えるようにチャープ補正を行えばよい。また、光伝送路202における特性が経年劣化などにより変化し、光伝送路202において発生するチャープが変化したとしても、受信側の光通信装置201における許容範囲に抑えられていればよい。
(送信信号の生成)
チャープ補正用信号生成部102によるチャープ補正用の送信信号I(ω”,t)の生成について説明する。上記(2)式を図5Bに示した例に当てはめ、ωの式に変形すると、下記(3)式のようになる。
ω=ω”−ω”n2z/c*dI(ω,t)/dt …(3)
上記(3)式は下記(4)式のように変形することができる。
ω”=ω/[1−n2z/c*dI(ω,t)/dt] …(4)
また、下記(5)式を満たすとすると、下記(6)式が成り立つ。下記(5)式において、I(t)は時間tにおける変調信号である。
I(ω,t)=[|E|exp(iωt)]2
=I(t)*exp(2iωt) …(5)
dI(ω,t)/dt=dI(t)/dt*exp(2iωt)
+I(t)*2iω*exp(2iωt) …(6)
I(t)の変化であるdI(t)/dtは、exp(2iωt)の変化に比べると十分に小さいため、dI(t)/dt≒0と近似すると、下記(7)式が成り立つ。
dI(ω,t)/dt≒2iωI(ω,t) …(7)
このため、上記(4)式は、下記(8)式のようになる。ただし下記(9)式を満たすとする。下記(9)式のように、Aは、非線形屈折率n2、伝送距離z、光速cに応じたパラメータである。
ω”≒ω/[1−n2z/c*2iωI(ω,t)]
=ω(1+2iωn2z/c*I(ω,t))
/[1+(2ωn2z/c*I(ω,t))2
=ω(1+iAωI(ω,t))/[1+(AωI(ω,t))2]…(8)
A=2*n2*z/c …(9)
また、ω”はωに小さな変化を加えたものであるため、ω”=ω+Δωのように表すことができる。Δωはωに対する変化分を示す。このため、下記(10)式が成り立つ。
I(ω”,t)=I(ω+Δω,t)
=I(t)*exp[2i(ω+Δω)t] …(10)
Δω/ω<<1とし、上記(10)式をテーラー展開すると、Δωの二次以上の項は十分に小さいため省略することができる。このため、下記(11)式が成り立つ。
I(ω”,t)≒I(ω,t)(1+2iΔωt) …(11)
また、Δωは、下記(12)式のように表すことができる。
Δω=ω”−ω
=(−AωI(ω,t)+i)(AωI(ω,t))ω
/[1+(AωI(ω,t))2] …(12)
上記(12)式より上記(11)式は下記(13)式のように変形することができる。
I(ω”,t)=I(ω,t)[1+(AωI(ω,t))2
−2iωt(AωI(ω,t))2
+iω(AωI(ω,t))]/[1+(AωI(ω,t))2
=I(t)exp(2iωt)
*[1+(AωI(t))exp(4iωt)
−2iωt*AωIexp(4iωt)
+2iωt*i*AωIexp(2iωt)]
/[1+(AωI(t))2exp(4iωt)]
=I(t)[exp(2iωt)
−2ωt(AωI(t))exp(4iωt)
+{(AωI(t))
−2iωt*AωI(t)}exp(6iωt)]
/[1+(AωI(t))2exp(4iωt)] …(13)
上記(13)式の分母を実数化すると下記(14)式が成り立つ。
I(ω”,t)=I(t)[−2ωt(AωI(t))3
+{1+(AωI(t))3(1−2iωt)}
*exp(2iωt)
−2ωt(AωI(t))exp(4iωt)
+{(AωI(t))
−(2iωt)(AωI(t))}exp(6iωt)
+(AωI(t))2exp(−2iωt)]
/[1+(AωI(t))2cos(4ωt)
+(AωI(t))4] …(14)
上記(14)式の実数部を抽出すると下記(15)式が成り立つ。ただしΔω/ω=(ω”−ω)/ω<<1とする。
ReI(ω”,t)=I(t)[−2ωt(AωI(t))3
+{1+(AωI(t))3}cos(2ωt)
+2ωt(AωI(t))3sin(2ωt)
−2ωt(AωI(t))sin(4ωt)
+(AωI(t))cos(6ωt)
+2ωt(AωI(t))sin(6ωt)
+(AωI(t))2cos(2ωt)]
/[1+(AωI(t))2cos(4ωt)
+(AωI(t))4
=I(t)[−2ωt(AωI(t))3
+{1+(AωI(t))2+(AωI(t))3
*cos(2ωt)
+2ωt(AωI(t))3sin(2ωt)
−2ωt(AωI(t))sin(4ωt)
+(AωI(t))cos(6ωt)
+2ωt(AωI(t))sin(6ωt)]
/[1+(AωI(t))2cos(4ωt)
+(AωI(t))4] …(15)
したがって、受信側の光通信装置201におけるチャープを打ち消すためには、チャープ補正用信号生成部102は、送信信号I(ω”,t)を上記(15)式のReI(ω”,t)のように生成すればよい。つぎに、上記(15)式のReI(ω”,t)を得るためのチャープ補正用信号生成部102の構成について説明する。
(チャープ補正用信号生成部)
図6Aは、チャープ補正用信号生成部の一例を示す図である。図6Bは、図6Aに示したチャープ補正用信号生成部における信号の流れの一例を示す図である。図6A,図6Bに示すように、チャープ補正用信号生成部102は、累乗部601〜603と、コサイン算出部604と、乗算部605と、加算部606と、累乗部607と、乗算部608と、累乗部609〜611と、加算部612と、を備える。また、チャープ補正用信号生成部102は、コサイン算出部613と、乗算部614と、累乗部615と、サイン算出部616と、乗算部617と、サイン算出部618と、乗算部619と、を備える。
また、チャープ補正用信号生成部102は、コサイン算出部620と、乗算部621と、サイン算出部622と、乗算部623と、加算部624と、乗算部625と、除算部626と、を備える。チャープ補正用信号生成部102のこれらの演算部は、たとえば図1Cに示したDSP131により実現することができる。図1Bに示したように、チャープ補正用信号生成部102には、送信制御部101からAωI(t)、ωtおよびI(t)が入力される。
AωI(t)は、累乗部601〜603,607,609〜611,615、乗算部619,621,623へ入力される。ωtは、コサイン算出部604、乗算部608、コサイン算出部613、サイン算出部616、乗算部617、サイン算出部618、乗算部619、コサイン算出部620、サイン算出部622および乗算部623へ入力される。I(t)は、乗算部625へ入力される。
累乗部601〜603は、それぞれ入力されたAωI(t)の0乗、4乗および2乗を算出する。コサイン算出部604は、入力されたωtに基づくcos(4ωt)を算出する。乗算部605は、累乗部603およびコサイン算出部604による各算出結果を乗算する。加算部606は、累乗部601,602および乗算部605による各算出結果を加算する。累乗部607は、入力されたAωI(t)の3乗を算出する。乗算部608は、累乗部607による算出結果と、入力されたωtと、を乗算する。
累乗部609〜611は、それぞれ入力されたAωI(t)の3乗、2乗および0乗を算出する。加算部612は、累乗部609〜611による各算出結果を加算する。コサイン算出部613は、入力されたωtに基づくcos(2ωt)を算出する。乗算部614は、加算部612およびコサイン算出部613による各算出結果を乗算する。累乗部615は、入力されたAωI(t)の3乗を算出する。サイン算出部616は、入力されたωtに基づくsin(2ωt)を算出する。乗算部617は、累乗部615およびサイン算出部616による各算出結果と2ωtを乗算する。
サイン算出部618は、入力されたωtに基づくsin(4ωt)を算出する。乗算部619は、入力されたAωI(t)と、サイン算出部618による算出結果と、−2ωtと、を乗算する。コサイン算出部620は、入力されたωtに基づくcos(6ωt)を算出する。乗算部621は、入力されたAωI(t)と、コサイン算出部620による算出結果と、を乗算する。サイン算出部622は、入力されたωtに基づくsin(6ωt)を算出する。乗算部623は、入力されたAωI(t)と、サイン算出部622による算出結果と、2ωtと、を乗算する。
加算部624は、乗算部608,614,617,619,621,623の各算出結果を加算する。乗算部625は、I(t)と、加算部624による算出結果と、を乗算する。除算部626は、加算部606および乗算部625の各算出結果に基づく除算を行う。除算部626は、算出結果を送信信号I(ω”,t)として半導体レーザ103へ出力する。これにより、上記(15)式のReI(ω”,t)を送信信号I(ω”,t)として半導体レーザ103へ出力し、受信側の光通信装置201における光信号のチャープを抑えることができる。
また、ReI(ω”,t)は、時間tの一次関数を含むため、チャープ補正用信号生成部102は、ReI(ω”,t)に窓関数W(t)を乗じた信号を送信信号I(ω”,t)として半導体レーザ103へ出力してもよい。窓関数W(t)は、tの所定の有限区間以外で0となる関数である。これにより、送信信号I(ω”,t)の発散を抑制することができる。
このように、実施の形態1によれば、直接変調方式の光通信装置100が、光伝送路202の特性に応じたパラメータを用いて、受信側の光通信装置201におけるチャープを打ち消すように光信号を生成して送信することができる。これにより、受信側の光通信装置201におけるチャープ補正の回路規模を削減しつつ、光伝送路202の特性によって異なるチャープを抑制し、伝送性能の向上を図ることができる。
このため、たとえば、受信側の光通信装置201におけるチャープ補正の回路を小規模にし、または省くことができる。また、たとえば、光通信装置201における受信品質を維持しつつ光伝送路202の距離を長くすることができる。また、たとえば、光通信装置201における受信品質を向上させることができる。
また、送信対象の情報に応じた変調信号Iや光信号のキャリア周波数ωを用いて、受信側の光通信装置201におけるチャープを打ち消すように光信号を生成して送信することができる。これにより、変調信号Iやキャリア周波数ωに応じて変化する受信側のチャープに対して光信号を追従して変化させ、受信側のチャープを抑制することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2について、実施の形態1と異なる部分について説明する。たとえば光ファイバなどの光伝送路202の経年変化が発生すると、送信側の光通信装置100が送信する光信号のキャリア周波数ω”に対して、受信側の光通信装置201が受信した光信号のキャリア周波数ωの応答が変化する場合がある。実施の形態2においては、光伝送路202の経年変化に対するパラメータ補正を行う構成について説明する。
(実施の形態2にかかる光通信システム)
図7Aは、実施の形態2にかかる光通信システムの一例を示す図である。図7Bは、図7Aに示した光通信システムにおける信号の流れの一例を示す図である。図7A,図7Bにおいて、図2A,図2Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図7A,図7Bに示すように、実施の形態2にかかる光通信システム200は、図2A,図2Bに示した構成に加えて制御装置701を備える。
制御装置701は、光通信装置100による光信号の送信の制御と、光通信装置201からのチャープの測定結果の受信と、を行うことにより、光通信装置100におけるパラメータAを選択する。パラメータAは、たとえば図1Bに示したように送信制御部101からチャープ補正用信号生成部102へ送信される情報に含まれるパラメータAである。制御装置701は、選択したパラメータAを光通信装置100に設定させる制御を行う。
本実施の形態においては、制御装置701が光通信装置100および光通信装置201と異なる装置である場合について説明するが、制御装置701は光通信装置100および光通信装置201のいずれかと同一の装置であってもよい。
光伝送路202の経年変化としては、たとえば、光ファイバの化学的な変化による非線形屈折率n2の変化や、光ファイバの変形による伝送距離zの変化などが考えられる。非線形屈折率n2や伝送距離zが変化すると、上記(9)式からわかるように、受信側の光通信装置201におけるチャープを打ち消すためのパラメータAが変化する。
これに対して、制御装置701は、たとえばチャープ補正用信号生成部102が送信信号I(ω”,t)の生成に用いる上記(15)式におけるパラメータAを調整する。これにより、光伝送路202の経年変化による影響を補正し、受信側の光通信装置201におけるチャープを抑えることができる。
(制御装置によるパラメータの選択)
図8A〜図8Cは、制御装置によるパラメータの選択の一例を示す図である。図8A〜図8Cに示すチャープ特性801は、送信側の光通信装置100が送信する光信号の瞬時周波数(ω”)の時間変化を示す。図8A〜図8Cに示すチャープ特性802は、受信側の光通信装置201が受信する光信号の瞬時周波数(ω)の時間変化を示す。
まず、図8Aに示すように、制御装置701は、送信側の光通信装置100を制御して、パラメータAをA0に設定(A=A0)して光信号を送信させる。これに対して、受信側の光通信装置201は、受信した光信号のチャープの振幅a0を測定する。そして、光通信装置201は、振幅a0の測定結果を制御装置701へ送信する。
なお、受信した光信号のチャープの振幅の測定は、たとえば受信した光信号の瞬時周波数の測定によって行うことができる。瞬時周波数の測定には、一例としてはタイムインターバルアナライザなどを用いることができる。ただし、瞬時周波数の測定には、タイムインターバルアナライザを用いる方法に限らず、各種の測定方法を用いることができる。
つぎに、図8Bに示すように、制御装置701は、送信側の光通信装置100を制御して、パラメータAをA1に設定(A=A1)して光信号を送信させる。A1はA0と異なる値である。これに対して、受信側の光通信装置201は、受信した光信号のチャープの振幅a1を測定し、振幅a1の測定結果を制御装置701へ送信する。
つぎに、図8Cに示すように、制御装置701は、送信側の光通信装置100を制御して、パラメータAをA2に設定(A=A2)して光信号を送信させる。A2はA0,A1と異なる値である。これに対して、受信側の光通信装置201は、受信した光信号のチャープの振幅a2を測定し、振幅a2の測定結果を制御装置701へ送信する。
これにより、制御装置701は、送信側のパラメータA0〜A2に対応する受信側の光信号のチャープの振幅a0〜a2の測定結果を取得することができる。そして、制御装置701は、取得した振幅a0〜a2のうちの最小の振幅を特定する。図8A〜図8Cに示した例では、振幅a0〜a2のうちの振幅a1が最小の振幅として特定される。
制御装置701は、送信側の光通信装置100を制御して、特定した最小の振幅a1に対応するパラメータA1を設定して光信号を送信させる。これにより、パラメータA0〜A2のうちの、受信側の光通信装置201における光信号のチャープの振幅が最小となるパラメータAによって送信側の光通信装置100に光信号を送信させることができる。
これにより、たとえば光伝送路202における光ファイバの非線形屈折率n2や伝送距離zなどが経年変化によって初期の値から変化しても、パラメータAを更新することで、受信側の光通信装置201における光信号のチャープを抑えることができる。
図8A〜図8Cに示した例では、3つのパラメータA0〜A2をパラメータAの候補として設定してチャープの振幅a0〜a2を取得する場合について説明したが、パラメータAの候補は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。パラメータAの候補が多いほど、受信側の光通信装置201における光信号のチャープがより精度よく抑えられるパラメータAを設定することができる。
(制御装置による処理)
図9は、制御装置による処理の一例を示すフローチャートである。制御装置701は、パラメータ更新処理として、たとえば図9に示す各ステップを実行する。まず、制御装置701は、インデックスiを初期化(i=0)する(ステップS901)。インデックスiは、パラメータAの候補のインデックスである。図8A〜図8Cに示した例では、インデックスiは0〜2の値となる。
つぎに、制御装置701は、送信側の光通信装置100に、現在のインデックスiに対応するパラメータAiで光信号を送信させる(ステップS902)。ステップS902の処理は、たとえばパラメータAiを仮設定することを要求する制御信号を送信側の光通信装置100へ送信することによって行うことができる。
つぎに、制御装置701は、受信側の光通信装置201から、ステップS902において光通信装置201が受信した光信号のチャープの振幅aiの測定結果を受信する(ステップS903)。ステップS903の処理は、たとえば測定結果の送信を要求する制御信号を光通信装置201へ送信することにより行うことができる。または、光通信装置201が測定結果を自動的に制御装置701へ送信するようにしてもよい。
つぎに、制御装置701は、現在のインデックスiがインデックスiの最大値であるか否かを判断する(ステップS904)。図8A〜図8Cに示した例では、インデックスiの最大値は2である。インデックスiが最大値でない場合(ステップS904:No)は、制御装置701は、インデックスiをインクリメント(i=i+1)し(ステップS905)、ステップS902へ戻る。
ステップS904において、インデックスiが最大値である場合(ステップS904:Yes)は、制御装置701は、ステップS903によって受信した測定結果に基づいて、振幅aiが最小のインデックスiを特定する(ステップS906)。図8A〜図8Cに示した例では、ステップS906においてインデックスi=1が特定される。
つぎに、制御装置701は、ステップS906によって特定したインデックスiに対応するパラメータAiを、送信側の光通信装置100に設定させ(ステップS907)、一連のパラメータ更新処理を終了する。ステップS907の処理は、たとえばパラメータAにパラメータAiを設定することを要求する制御信号を送信側の光通信装置100へ送信することによって行うことができる。
図9に示したパラメータ更新処理は、たとえば、光通信システム200の非運用時に、管理者が制御装置701を操作することにより開始される。この場合は、ステップS902によって送信させる光信号は、たとえば特定のパターンの測定用の光信号とすることができる。また、この場合は、ステップS907の後に、光通信システム200の運用が自動的に開始されるようにしてもよい。すなわち、ステップS907によって送信側の光通信装置100のパラメータAiが設定されると、送信側の光通信装置100は、光通信装置201への運用データの光信号の送信を開始するようにしてもよい。
また、図9に示したパラメータ更新処理は、たとえば光通信システム200の運用時に行われてもよい。この場合に、図9に示したパラメータ更新処理は、管理者が制御装置701を操作することによって開始されてもよいし、定期的かつ自動的に開始されてもよい。また、この場合は、ステップS902によって送信側の光通信装置100に送信させる光信号は、運用データの光信号となる。
(実施の形態2にかかる送信側の光通信装置)
図10Aは、実施の形態2にかかる送信側の光通信装置の一例を示す図である。図10Bは、図10Aに示した送信側の光通信装置における信号の流れの一例を示す図である。図10A,図10Bにおいて、図1A,図1Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図10A,図10Bに示すように、実施の形態2にかかる送信側の光通信装置100は、図1A,図1Bに示した構成に加えて通信部1001を備える。通信部1001は、制御装置701から送信された制御信号を受信する。制御信号は、たとえばパラメータAを設定することを要求する制御信号である。
通信部1001は、受信した制御信号を送信制御部101へ出力する。送信制御部101は、通信部1001から出力された制御信号に基づいてパラメータAを設定する。たとえば、送信制御部101は、チャープ補正用信号生成部102へ出力するAωIを算出するためのパラメータAを設定する。
図10Cは、図10Aに示した送信側の光通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図10Cにおいて、図1Cまたは図10Aに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図10Cに示すように、通信部1001は、通信I/F1031により実現することができる。
通信I/F1031は、制御装置701との間で通信を行う通信インタフェースである。通信I/F1031による通信には、電気信号による通信、光信号による通信、無線信号による通信など各種の通信を適用することができる。
(実施の形態2にかかる受信側の光通信装置)
図11Aは、実施の形態2にかかる受信側の光通信装置の一例を示す図である。図11Bは、図11Aに示した受信側の光通信装置における信号の流れの一例を示す図である。図11A,図11Bに示すように、実施の形態2にかかる受信側の光通信装置201は、受光器1101と、受信処理部1102と、チャープ振幅測定部1103と、通信部1104と、を備える。
受光器1101は、送信側の光通信装置100から光伝送路202を介して送信された光信号を受光し、光信号を電気信号に変換する。受光器1101は、電気信号に変換した信号を受信処理部1102およびチャープ振幅測定部1103へ出力する。受光器1101は、たとえばPD(Photo Diode:フォトダイオード)などにより実現することができる。
受信処理部1102は、受光器1101から出力された信号の受信処理を行う。受信処理部1102による受信処理には、たとえば復調や復号が含まれる。受信処理部1102は、受信処理により得られたデータを出力する。
チャープ振幅測定部1103は、受光器1101から出力された信号のチャープの振幅を測定することにより、光通信装置201が受信した光信号のチャープの振幅を測定する。そして、チャープ振幅測定部1103は、チャープの測定結果を通信部1104へ出力する。
通信部1104は、チャープ振幅測定部1103から出力された測定結果を制御装置701へ送信する。また、通信部1104は、測定結果の要求信号などの、制御装置701からの制御信号を受信する機能を有していてもよい。この場合に、通信部1104は、受信した制御信号をチャープ振幅測定部1103へ出力する。これに対して、チャープ振幅測定部1103は、チャープの測定を行い、測定結果を通信部1104へ出力する。
なお、実施の形態1における光通信装置201(たとえば図2A,図2B参照)は、たとえば図11A,図11Bに示した構成とすることができる。また、実施の形態1における光通信装置201は、たとえば図11A,図11Bに示した構成においてチャープ振幅測定部1103および通信部1104を省いた構成としてもよい。
図11Cは、図11Aに示した受信側の光通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図11Cにおいて、図11Aに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図11Cに示すように、受信処理部1102およびチャープ振幅測定部1103は、DSP1131により実現することができる。
この場合に、受光器1101とDSP1131との間にはADC1132(Analog/Digital Converter:アナログ/デジタル変換器)が設けられる。ADC1132は、受光器1101から出力された信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、変換した信号をDSP1131へ出力する。
通信部1104は、たとえば通信I/F1133により実現することができる。通信I/F1133は、制御装置701との間で通信を行う通信インタフェースである。通信I/F1133による通信には、電気信号による通信、光信号による通信、無線信号による通信など各種の通信を適用することができる。
また、チャープ振幅測定部1103は、DSP1131とは別の回路によって実現されてもよい。たとえば、チャープ振幅測定部1103は、タイムインターバルアナライザなどの測定器により実現されてもよい。
(制御装置のハードウェア構成)
図12は、制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。制御装置701は、たとえば図12に示すコンピュータ1200により実現することができる。コンピュータ1200は、CPU1201と、メモリ1202と、ユーザインタフェース1203と、通信インタフェース1204と、を備える。CPU1201、メモリ1202、ユーザインタフェース1203および通信インタフェース1204は、バス1209によって接続される。
CPU1201(Central Processing Unit)は、コンピュータ1200の全体の制御を司る。メモリ1202には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、CPU1201のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、コンピュータ1200を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU1201によって実行される。
ユーザインタフェース1203は、たとえば、制御装置701のユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどによって実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどによって実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース1203は、CPU1201によって制御される。たとえば、図9に示したパラメータ更新処理は、制御装置701のユーザである管理者がユーザインタフェース1203を操作することによって実行される。
通信インタフェース1204は、無線によってコンピュータ1200の外部との間で通信を行う通信インタフェースである。通信インタフェース1204は、CPU1201によって制御される。制御装置701は、通信インタフェース1204を用いて送信側の光通信装置100および受信側の光通信装置201との間で通信を行うことができる。
たとえば、上述した制御装置701から光通信装置100や光通信装置201への制御信号の送信は、CPU1201が通信インタフェース1204を制御することによって行うことができる。また、上述した光通信装置201からの測定結果の受信は、CPU1201が通信インタフェース1204を制御することによって行うことができる。
このように、実施の形態2によれば、光通信装置201における光信号のチャープの測定結果に基づいて、光通信装置100におけるパラメータAを制御することができる。これにより、たとえば光ファイバなどの光伝送路202の特性が経年変化しても、受信側の光通信装置201におけるチャープを打ち消すようにパラメータAを制御し、受信側におけるチャープを抑制することができる。このため、伝送性能の向上を図ることができる。
(光通信システムを一部に適用した無線通信システム)
図13は、光通信システムを一部に適用した無線通信システムの一例を示す図である。図13に示す無線通信システム1300は、BBU1310(Base Band Unit:ベースバンド部)と、RRH1321,1322(Remote Radio Head:無線部)と、UE1331〜1333(User Equipment:ユーザ端末)と、を含む。
無線通信システム1300は、たとえばLTE(Long Term Evolution)の無線通信システムであり、BBU1310およびRRH1321,1322によって、基地局であるeNB(evolved Node B)が実現される。
BBU1310は、デジタルベースバンド信号処理、コアネットワークとの接続に接続されるS1回線の終端処理、隣接eNBとの接続に使用されるX2回線の終端処理などを行う。また、BBU1310は、呼処理や各種の監視制御処理を行う。
たとえば、BBU1310は、コアネットワークから受信したIPパケットをデジタルベースバンド信号に変調してRRH1321,1322へ送信する。また、BBU1310は、RRH1321,1322から受信したデジタルベースバンド信号を復調し、復調により得られたIPパケットをコアネットワークへ送信する。
RRH1321,1322は、無線信号の送受信を行う装置である。たとえば、RRH1321は、BBU1310から送信されたデジタルベースバンド信号をRF信号に変換し、変換したRF信号を増幅してUE1331へ無線送信する。また、RRH1321は、UE1331から受信したRF信号を増幅してデジタルベースバンド信号に変換し、変換したデジタルベースバンド信号をBBU1310へ送信する。
RRH1322は、BBU1310から送信されたデジタルベースバンド信号をRF信号に変換し、変換したRF信号を増幅してUE1332,1333へ無線送信する。また、RRH1322は、UE1332,1333から受信したRF信号を増幅してデジタルベースバンド信号に変換し、変換したデジタルベースバンド信号をBBU1310へ送信する。
BBU1310とRRH1321,1322との間の回線1301,1302には、たとえばCPRI(Common Public Radio Interface)などの光インタフェースが用いられる。上述した各実施の形態における光通信システム200は、たとえば回線1301や回線1302に適用することができる。
これにより、BBU1310とRRH1321,1322との間における伝送性能を向上させることができる。このため、たとえば、無線通信システム1300におけるスループットの向上を図ることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3について、実施の形態1,2と異なる部分について説明する。
図14は、チャープ補正による伝送距離の延長の一例を示す図である。図14において、図5A,図5Bと同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図14に示す伝送例1401は、図5Aに示したように、チャープ補正を行わないと仮定した場合の光伝送路202および瞬時周波数を示している。図14に示す伝送例1402は、チャープ補正を行う場合の光伝送路202および瞬時周波数を示している。
上述した実施の形態1,2においては、図5Bに示したように、光通信装置201に受信される光信号502の瞬時周波数がωとなるようにチャープ補正を行う構成について説明した。これに対して、実施の形態3においては、伝送例1402に示すように、チャープ補正により、光伝送路202の距離を長くしつつ、光通信装置201に受信される光信号502の瞬時周波数をω’に抑える構成について説明する。
(送信信号の生成)
実施の形態3にかかるチャープ補正用信号生成部102によるチャープ補正用の送信信号I(ω”,t)の生成について説明する。
図14に示した伝送例1401において、送信側で歪のない瞬時周波数ωで送信し、受信側で瞬時周波数ω’の歪が生じるとすると、下記(16)式が成り立つ。
ω’=ω−ωn2z/c*dI(ω,t)/dt …(16)
これに対して、図14に示した伝送例1402において、送信側で歪を補正する瞬時周波数ω”=ω+Δω”の信号で送信し、受信側でω’=ω+Δωの歪で受信できるとすると、下記(17)式が成り立つ。
ω’=ω”−ω”n2z/c*dI(ω”,t)/dt …(17)
また、ω”はωに小さな変化を加えたものであるため、ω”=ω+Δω”のように表すことができる。また、ω’はωに小さな変化を加えたものであるため、ω’=ω+Δω’のように表すことができる。
I(ω,t)は下記(18)式のように表すことができる。
I(ω,t)={E(t)cos(ωt)}2
=Re[E(t){cos(ωt)+i*sin(ωt)}2
=Re[E(t)exp(iωt)]2
=Re[I(t)exp(2iωt)] …(18)
ここで、計算を簡略化するため上記(18)式を複素数に拡張すると、I(ω,t)は下記(19)式のように表すことができる。
I(ω,t)=I(t)exp(2iωt) …(19)
また、上記(17)式のdI(ω”,t)/dtは下記(20)式のように表すことができる。
dI(ω”,t)/dt=I(t)exp(2iω”t)
=dI(t)/dt* exp(2iω”t)
+I(t)*(2iω”)exp(2iω”t)…(20)
ここで、dI(t)/dtはexp(2iω”t)の変化に対して十分になだらかなので、dI(t)/dt≒0と近似する。これにより、上記(20)式は下記(21)式のようになる。
dI(ω”,t)/dt≒2iω”I(t)exp(2iω”t)
=2iω”I(ω”,t) …(21)
送信信号I(ω”,t)は下記(22)式のように表すことができる。
I(ω”,t)=I(t)exp(2iω”t)
=I(t)exp{2i(ω+Δω”)t}
=I(t)exp(2iωt)exp(2iΔω”t) …(22)
ここで、Δω”/ω<<1としてテーラー展開するとΔω”/ωの二次以上の項は省略できる。このため、上記(22)式は下記(23)式のようになる。
I(ω”,t)≒I(ω,t)[1+2iΔω”t] …(23)
また、上記(17)式より、ω’は下記(24)式のように表すことができる。
ω’≒ω”−ω”n2z/c*2iω”I(ω”,t)
≒(ω+Δω”)−(ω+Δω”)2Ai*I(ω,t)[1+2iΔω”t]
=ω−ωiAωI(ω,t)+Δω”
+(2ωΔω”t−2iΔω”)AωI(ω,t) …(24)
また、Δω”は下記(25)式のように表すことができる。
Δω”=ω[iAωI(ω,t)+Δω’/ω]
/[1+2ωtAωI(ω,t)−2iωAI(ω,t)] …(25)
分母を実数化すると、Δω”の分母は下記(26)式のようになる。
Δω”の分母=(1+2ωtAωI(ω,t))2
+4(AωI(ω,t))2
=1+4ωtAωI(ω,t)
+{4(ωt)2+4}(AωI(ω,t))2 …(26)
また、Δω”の分子は下記(27)式のようになる。
Δω”の分子=ω[iAωI(ω,t)+Δω’/ω]
*[1+2ωtAωI(ω,t)+2iωAI(ω,t)]
=ω[Δω’/ω+(2Δω’t+2iΔω’+i)AωI(ω,t)
+(2iωt−2)(AωI(ω,t))2] …(27)
このため、I(ω”,t)は下記(28)式のように表すことができる。
I(ω”,t)≒I(ω,t)[1+2iΔω”t]
=I(ω,t)
*[1+{2iΔω’t
+(4iωtΔω’t−4Δω’t−2ωt)AωI(ω,t)
+(−4(ωt)2−4iωt)(AωI(ω,t))2
/{1+4ωtAωI(ω,t)+{4(ωt)2+4}
*(AωI(ω,t))2}]
=I(t)
*[exp(2iωt)+{2iΔω’texp(2iωt)
+(4iωtΔωt−4Δωt−2ωt)
*AωI(t)exp(4iωt)
−4ωt(ωt+i)(Aωt)2exp(6iωt)}
/{1+4ωtAωI(t)exp(2iωt)
+{4(ωt)2+4}
*(AωI(t))2exp(4iωt)}] …(28)
上記(28)式の実数部を抽出すると下記(29)式が成り立つ。ただしΔω”/ω<<1とする。なお、Aは上記(9)式に示したパラメータAである。
Re[I(ω”,t)]=I(t)[cos(2ωt)
+{−2Δω’t*sin(2ωt)
+(−4ωtΔω’t*sin(4ωt)
+(−4Δω’t−2ωt)cos(4ωt))
*AωI(t)−4ωt(ωtcos(6ωt)
−sin(6ωt))(AωI(t))2
/{1+4ωtAωI(t)cos(2ωt)
+{4(ωt)2+4}
*(AωI(t))2cos(4ωt)}] …(29)
したがって、受信側の光通信装置201における光信号の瞬時周波数をω’に抑えるためには、チャープ補正用信号生成部102は、送信信号I(ω”,t)を上記(29)式のRe[I(ω”,t)]のように生成すればよい。つぎに、上記(29)式のRe[I(ω”,t)]を得るためのチャープ補正用信号生成部102の構成について説明する。
(チャープ補正用信号生成部)
図15Aは、チャープ補正用信号生成部の一例を示す図である。図15Bは、図15Aに示したチャープ補正用信号生成部における信号の流れの一例を示す図である。図15A,図15Bに示すように、実施の形態3にかかるチャープ補正用信号生成部102は、コサイン算出部1501と、乗算部1502と、を備える。また、チャープ補正用信号生成部102は、コサイン算出部1503と、乗算部1504と、累乗部1505と、乗算加算部1506と、乗算部1507と、を備える。
また、チャープ補正用信号生成部102は、コサイン算出部1508と、乗算部1509と、加算部1510と、乗算部1511と、サイン算出部1512と、乗算部1513と、乗算加算部1514と、コサイン算出部1515と、乗算部1516と、を備える。
また、チャープ補正用信号生成部102は、加算部1517と、乗算部1518と、コサイン算出部1519と、乗算部1520と、サイン算出部1521と、加算部1522と、乗算部1523と、累乗部1524と、乗算部1525と、を備える。また、チャープ補正用信号生成部102は、サイン算出部1526と、乗算部1527と、加算部1528と、除算部1529と、加算部1530と、乗算部1531と、を備える。
チャープ補正用信号生成部102のこれらの演算部は、たとえば図1Cに示したDSP131により実現することができる。チャープ補正用信号生成部102には、送信制御部101から、AωI(t)、ωt、I(t)およびΔω’tが入力される。たとえば、送信制御部101は、受信側の光信号の瞬時周波数の目標値であるω’およびωに基づいてΔω’を算出する(Δω’=ω’−ω)。そして、送信制御部101は、算出したΔω’に基づくΔω’tをチャープ補正用信号生成部102へ出力する。
AωI(t)は、乗算部1502、累乗部1505、乗算部1518および累乗部1524へ入力される。ωtは、コサイン算出部1501、乗算部1502、コサイン算出部1503、乗算加算部1506、コサイン算出部1508、乗算部1511、サイン算出部1512、乗算加算部1514およびコサイン算出部1515へ入力される。また、ωtは、コサイン算出部1519、乗算部1520、サイン算出部1521、乗算部1523およびサイン算出部1526へ入力される。Δω’tは、乗算部1511、乗算加算部1514および乗算部1527へ入力される。I(t)は乗算部1531へ入力される。
コサイン算出部1501は、入力されたωtに基づくcos(2ωt)を算出する。乗算部1502は、入力されたAωI(t)、ωtおよび4を乗算する。コサイン算出部1503は、入力されたωtに基づくcos(2ωt)を算出する。乗算部1504は、乗算部1502およびコサイン算出部1503による各算出結果を乗算する。
累乗部1505は、入力されたAωI(t)の2乗を算出する。乗算加算部1506は、入力されたωtおよび4による乗算および加算に基づく4(ωt)2+4を算出する。乗算部1507は、累乗部1505および乗算加算部1506による各算出結果を乗算する。コサイン算出部1508は、入力されたωtに基づくcos(4ωt)を算出する。乗算部1509は、乗算部1507およびコサイン算出部1508による各算出結果を乗算する。加算部1510は、乗算部1504および乗算部1509の各算出結果と1とを加算する。
乗算部1511は、入力されたΔω’t、ωtおよび−4を乗算する。サイン算出部1512は、入力されたωtに基づくsin(4ωt)を算出する。乗算部1513は、乗算部1511およびサイン算出部1512による各算出結果を乗算する。乗算加算部1514は、入力されたΔω’t、−2、−4に基づく−4Δω’t−2ωtを算出する。コサイン算出部1515は、入力されたωtに基づくcos(4ωt)を算出する。
乗算部1516は、乗算加算部1514およびコサイン算出部1515による各算出結果を乗算する。加算部1517は、乗算部1513および乗算部1516による各算出結果を加算する。乗算部1518は、入力されたAωI(t)と加算部1517による算出結果とを乗算する。
コサイン算出部1519は、入力されたωtに基づくcos(6ωt)を算出する。乗算部1520は、入力されたωtとコサイン算出部1519による算出結果とを乗算する。サイン算出部1521は、入力されたωtに基づく−sin(6ωt)を算出する。加算部1522は、乗算部1520およびサイン算出部1521による各算出結果を加算する。乗算部1523は、入力されたωt、加算部1522による算出結果および−4を乗算する。累乗部1524は、入力されたAωI(t)の2乗を算出する。乗算部1525は、乗算部1523および累乗部1524の各算出結果を乗算する。
サイン算出部1526は、入力されたωtに基づくsin(2ωt)を算出する。乗算部1527は、入力されたΔω’t、サイン算出部1526による算出結果および−2を乗算する。加算部1528は、乗算部1518、乗算部1525および乗算部1527による各算出結果を加算する。除算部1529は、加算部1528による算出結果を、加算部1510による算出結果により除算する。
加算部1530は、コサイン算出部1501および除算部1529による各算出結果を加算する。乗算部1531は、入力されたI(t)と加算部1530による算出結果とを乗算する。乗算部1531は、算出結果を送信信号I(ω”,t)として半導体レーザ103へ出力する。これにより、上記(29)式のRe[I(ω”,t)]を送信信号I(ω”,t)として半導体レーザ103へ出力し、受信側の光通信装置201における光信号の瞬時周波数をω’に抑えることができる。
また、Re[I(ω”,t)]は、時間tの一次関数を含むため、チャープ補正用信号生成部102は、Re[I(ω”,t)]に窓関数W(t)を乗じた信号を送信信号I(ω”,t)として半導体レーザ103へ出力してもよい。窓関数W(t)は、tの所定の有限区間以外で0となる関数である。これにより、送信信号I(ω”,t)の発散を抑制することができる。
このように、実施の形態3によれば、直接変調方式の光通信装置100が、光伝送路202の特性に応じたパラメータを用いて、光伝送路202の距離を長くしつつ、受信側の光通信装置201における光信号の瞬時周波数をω’に抑えることができる。実施の形態3における光通信システム200は、たとえば図13に示した回線1301や回線1302に適用することができる。
以上説明したように、光通信装置および光通信システムによれば、受信側のチャープ補正の回路規模を削減しつつ伝送性能の向上を図ることができる。
たとえば、半導体レーザダイオードの駆動電流をオン/オフして光を点滅する直接変調方式においては、高速変調を行う場合にレーザ光の波長の変動が大きく、外部変調方式と比べて自己位相変調効果によるチャープが大きくなる。
また、外部変調方式においては、生成された光信号の透過を電気信号により制御するため、直接変調方式とはチャープの発生原理が異なる。このため、外部変調方式においてチャープを抑制する技術を直接変調方式において適用することは困難である。
これに対して、上述した各実施の形態によれば、直接変調方式の送信側において、光伝送路の特性に応じたパラメータを用いて光信号を生成することで、受信側のチャープを抑制することができる。
上述した各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)入力された電気信号に応じた強度の光信号を、光伝送路を介して他の光通信装置へ送信するレーザ装置と、
前記他の光通信装置における前記光信号の自己位相変調効果による歪みを打ち消す前記電気信号を前記光伝送路の特性に応じたパラメータに基づいて生成し、生成した前記電気信号を前記レーザ装置へ入力する生成部と、
を備えることを特徴とする光通信装置。
(付記2)前記生成部は、前記光信号による送信対象の情報に応じた変調信号と、前記光信号のキャリア周波数と、前記パラメータと、に基づいて前記電気信号を生成することを特徴とする付記1に記載の光通信装置。
(付記3)前記生成部は、時間をt、送信対象の情報に応じた変調信号をI、前記光信号のキャリア周波数をω、前記パラメータをAとした場合に下記の式に基づく前記電気信号を生成することを特徴とする付記1または2に記載の光通信装置。
I(ω”,t)=
I[−2ωt(AωI)3
+{1+(AωI)2+(AωI)3}cos
+2ωt(AωI)3sin
−2ωt(AωI)sin
+(AωI)cos
+2ωt(AωI)sin]
/[1+(AωI)2cos
+(AωI)4
ただし(ω”−ω)/ω<<1とする。
(付記4)前記生成部は、時間をt、送信対象の情報に応じた変調信号をI、前記光信号のキャリア周波数をω、前記パラメータをA、前記光信号の受信側における瞬時周波数ω’とωとの差分をΔω’とした場合に下記の式に基づく前記電気信号を生成することを特徴とする付記1または2に記載の光通信装置。
I(ω”,t)=
I[cos
+{−2Δω’t*sin
+(−4ωtΔω’t*sin
+(−4Δω’t−2ωt)cos)
*AωI−4ωt(ωtcos
−sin)(AωI)2
/{1+4ωtAωIcos
+{42+4}
*(AωI)2cos}]
ただしΔω”/ω<<1とする。
(付記5)前記生成部は、前記式に基づく電気信号に所定の窓関数を乗じた前記電気信号を生成することを特徴とする付記3または4に記載の光通信装置。
(付記6)入力された電気信号に応じた強度の光信号を、光伝送路を介して第2光通信装置へ送信するレーザ装置を備え、前記第2光通信装置における前記光信号の自己位相変調効果による歪みを打ち消す前記電気信号を前記光伝送路の特性に応じたパラメータに基づいて生成し、生成した前記電気信号を前記レーザ装置へ入力する第1光通信装置と、
前記第1光通信装置から前記光伝送路を介して送信された前記光信号を受信する前記第2光通信装置と、
を含むことを特徴とする光通信システム。
(付記7)前記歪みの前記第2光通信装置による測定結果に基づいて、前記第1光通信装置における前記パラメータを制御する制御装置を含むことを特徴とする付記6に記載の光通信システム。
(付記8)前記制御装置は、前記第1光通信装置における前記パラメータを所定の複数通りの値に変化させ、前記複数通りの値についての前記測定結果に基づいて前記パラメータを制御することを特徴とする付記7に記載の光通信システム。
100,201 光通信装置
101 送信制御部
102 チャープ補正用信号生成部
103 半導体レーザ
131,1131 DSP
132 DAC
200 光通信システム
202 光伝送路
310 パルス波形
320 瞬時周波数変化
401 光強度変化
402,403,801,802 チャープ特性
501,502 光信号
601〜603,607,609〜611,615,1505,1524 累乗部
604,613,620,1501,1503,1508,1515,1519 コサイン算出部
605,608,614,617,619,621,623,625,1502,1504,1507,1509,1511,1513,1516,1518,1520,1523,1525,1527,1531 乗算部
606,612,624,1510,1517,1522,1528,1530 加算部
616,618,622,1512,1521,1526 サイン算出部
626,1529 除算部
701 制御装置
1001,1104 通信部
1031,1133 通信I/F
1101 受光器
1102 受信処理部
1103 チャープ振幅測定部
1132 ADC
1200 コンピュータ
1201 CPU
1202 メモリ
1203 ユーザインタフェース
1204 通信インタフェース
1209 バス
1300 無線通信システム
1301,1302 回線
1310 BBU
1321,1322 RRH
1331〜1333 UE
1506,1514 乗算加算部

Claims (3)

  1. 入力された電気信号に応じた強度の光信号を、光伝送路を介して他の光通信装置へ送信するレーザ装置と、
    前記他の光通信装置における前記光信号の自己位相変調効果による歪みを打ち消す前記電気信号を前記光伝送路の特性に応じたパラメータに基づいて生成し、生成した前記電気信号を前記レーザ装置へ入力する生成部と、
    を備えることを特徴とする光通信装置。
  2. 入力された電気信号に応じた強度の光信号を、光伝送路を介して第2光通信装置へ送信するレーザ装置を備え、前記第2光通信装置における前記光信号の自己位相変調効果による歪みを打ち消す前記電気信号を前記光伝送路の特性に応じたパラメータに基づいて生成し、生成した前記電気信号を前記レーザ装置へ入力する第1光通信装置と、
    前記第1光通信装置から前記光伝送路を介して送信された前記光信号を受信する前記第2光通信装置と、
    を含むことを特徴とする光通信システム。
  3. 前記歪みの前記第2光通信装置による測定結果に基づいて、前記第1光通信装置における前記パラメータを制御する制御装置を含むことを特徴とする請求項2に記載の光通信システム。
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