JP2016057243A - 音響特性測定装置 - Google Patents

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光春 渡邉
Mitsuharu Watanabe
光春 渡邉
学 笹島
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【課題】 音響管の内周面と被検体の外周面との隙間を容易、かつ適切に無段階で調整可能とした音響特性測定装置を提供すること。【解決手段】 測定対象の被検体を収容した音響管の一端に音源スピーカを設け、音源スピーカによって音響管内に平面波を励起し、2つの測定用マイクロホンによって音源スピーカと被検体との間の2点の長手方向位置間の複素音圧伝達関数測定を行い、この複素音圧伝達関数から音響特性を算出することが可能な音響特性測定装置であって、音響管は螺合手段により互いに分離、連結可能な第1、第2の管体からなり、第2の管体の開口部には、内側に被検体が収納される被検体保持部が設けられ、この被検体保持部は軸方向に摺動自在な押し込みリングを備え、この押し込みリングは第1の管体を第2の管体に締込み軸方向に摺動させることにより弾性変形し管中心方向に突出する弾性部材からなる薄リングを有し、この薄リングの内周面と被検体の外周面との隙間を調整可能としている。【選択図】図1

Description

本発明は音響管を用いて被検体の音響特性を測定する音響特性測定装置に関する。
従来、この種の音響特性測定装置は、例えば図5に示すように構成されている(特許文献1参照)。図5において、1’は定在波を発生させるための音響管で、この音響管1’内に測定対象の被検体(減衰材、吸音材等)10’が収容される。この音響管1’の一端側には音源としての音源スピーカ2’が設けられており、他端側には剛壁5’に接続されたピストン4’が設けられている。剛壁5’は、被検体10’との間に背後空気層を形成するためのもので、ピストン4’を音響管1’の長手方向に移動させ、被検体10’と剛壁5’は規定した距離に調整可能になっている。
上記音響管1’における音源スピーカ2’と被検体10’との間には、音響管1’内の音圧を測定するための第1、第2の測定用マイクロホン3A’、3B’が設けられている。これらの測定用マイクロホン3A’、3B’は、音響管1’の長手方向に離れた2カ所に設置されており、それぞれの位置での音圧の測定を行う。
そして、測定にあたっては、上記音源スピーカ2’から定常のランダム音波、例えばホワイトノイズ(入射波)を発生させ、音響管1’内を平面波として伝搬させて被検体10’に当てる。入射波は被検体10’を透過して剛壁5’で反射し、音響管1’内部に入射波(前進波)と反射波(後進波)の重ね合わせによって定在波干渉パターンが発生する。上記第1、第2の測定用マイクロホン3A’、3B’で音響管1’の2点の音圧を計測し、FFT(Fast Fourier Transform)アナライザに入力して複素音圧伝達関数を計算する。この伝達関数から2点マイク法による音響インピーダンスの式を用いて、被検体10’前面の音響インピーダンスを求める。また、被検体10’後面の音響インピーダンスも解析的に算出できる。これらにより、被検体10’の特性インピーダンスと伝播定数を算出する。
特開平08−233649号公報
ところで、音響管1’での測定において、音響管1’の管内径より被検体10’の外径が大きい場合は、板振動モードによる共振の影響がでるため、通常、被検体10’の外径は管内径より若干小さく切り出される。しかし、抜き型の径、管内壁接触面の被検体のふくらみ、軸傾きの影響等で適切な隙間量を設定することが難しい。そして、被検体10’の外周面と音響管1’の内周面との間に、図6に示すように、隙間gがあると、この隙間gから音が漏れたり、被検体10’(減衰材)が共振してしまうことなど隙間の状態が計測結果に影響を及ぼすことが分かっている。
音響管1’の管内径を一部広くして、そこに、管内径より若干大きくした外径を有する被検体10’を収納することにより漏れを少なくする方法も検討されている(上記特許文献1参照)。しかし、この方法では計算上想定されていない径方向への音の広がり、反射の影響があるため被検体本来の特性の正確な計測が難しい。
本発明は、上記のことに鑑み提案されたもので、その目的とするところは、音響管の内周面と被検体の外周面との隙間を容易、かつ適切に無段階で調整可能とした音響特性測定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明の音響特性測定装置において、測定対象の被検体10を収容した音響管1の一端に音源スピーカ2を設け、前記音源スピーカ2によって前記音響管1内に平面波を励起し、2つの測定用マイクロホン3A、3Bによって前記音源スピーカ2と前記被検体10との間の2点の長手方向位置間の複素音圧伝達関数測定を行い、この複素音圧伝達関数から音響特性を算出することが可能な音響特性測定装置であって、前記音響管1は螺合手段により互いに分離、連結可能な第1、第2の管体1A、1Bからなり、前記第2の管体1Bの開口部には、内側に被検体10が収納される被検体保持部Aが設けられ、この被検体保持部Aは軸方向に摺動自在な押し込みリング7を備え、この押し込みリング7は前記第1の管体1Aを前記第2の管体1Bに締込み軸方向に摺動させることにより弾性変形し管中心方向に突出する弾性部材からなる薄リング9を有し、この薄リング9の内周面と前記被検体10の外周面との隙間gを調整可能としたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の音響特性測定装置において、前記第2の管体1Bは内部が見える材質からなることを特徴とする。
請求項1記載の本発明では、第1の管体1Aを第2の管体1Bに締込んでいくと、第2の管体1B内の被検体保持部Aの変形可能な薄リング9が管中心側に突出するため、薄リング9の内側に収容された被検体10の外周面との隙間量を無段階で調整することができる。
請求項2記載の本発明によれば、第2の管体1Bは内部が見える材質からなるため、外部から目視により確認しながら隙間量を調整することができる。
本発明の一実施例に係る音響特性測定装置を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る音響特性測定装置において、締付前の隙間の状態を示す要部拡大断面図。 同上において締付けて隙間を狭めた状態の要部拡大断面図。 (a)、(b)は更に拡大して隙間の状態を示す動作説明図である。 従来の音響特性測定装置の概略断面図である。 従来の欠点を説明するための概略断面図である。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1において、音響管1はそれぞれ円筒状をなし、互いに連結・分離自在な第1、第2の管体1A、1Bの2分割構造をなす。第1の管体1Aの一端部側には音源スピーカ2が内蔵され、かつ第1の管体1Aの外端部1aは塞がれている。2aは外端部1aから外部に引き出された音源スピーカ用コードである。また、第1の管体1Aには互いに離間して第1、第2の測定用マイクロホン3A、3Bがほぼ筒状をなすマイクロホン取付部3a、3bを介して設けられている。
第2の管体1Bは内部が見える透明または半透明のアクリルのような樹脂製のものからなり、外端部1bは塞がれ、その外端部1bにはシリンダやハンドル等(図示せず)に連結された伸縮自在なシャフト4が貫設され、そのシャフト4の先端部には円板状の剛壁5が設けられている。この剛壁5の径は第2の管体1Bの内径と等しく形成され、かつこの剛壁5はシャフト4によって第2の管体1B内を摺動自在に構成されている。
第1、第2の管体1A、1Bの内径は等しく形成され、かつ第1、第2の管体1A、1Bの各内端部側の開口部はそれぞれ対向配置され、連結される。すなわち、第1の管体1Aの内端部の外周にネジ部1dが形成され、この第1の管体1Aの内端部の径より大径をなし、第1の管体1Aの開口部と対向配置される第2の管体1Bの開口部側の内端部の内周にも、第1の管体1Aのネジ部1dと螺合可能なネジ部1cが形成され、この螺着手段により、第1、第2の管体1A、1Bは連結・分離可能となっている。
第2の管体1Bの内端側の開口部には、詳しくは図2に示すように、凹状の段差からなる押し込みリング収納部6が形成され、そこに被検体保持部Aが設けられている。
被検体保持部Aは押し込みリング収納部6内に摺動自在に設けられた押し込みリング7を備えている。
押し込みリング7は第1の管体1Bの内端面側に位置する第1のリング部7aと、この第1のリング部7aと一体をなし、第2の管体1Bの押し込みリング収納部6内において軸方向に延び、外周面が押し込みリング収納部6の内周面と摺接する第2のリング部7cとを備えている。
第1のリング部7aの外面には凸部7bが形成され、この凸部7bは第1の管体1Aの内端面に形成された凹部1e内に嵌合され、位置決め固定される。
そして、押し込みリング7の内側には、厚みおよび内径が一定で変形しない第1の薄リング8と、圧縮により変形可能であって内径が可変な第2の薄リング9が配置され、これらによって被検体保持部Aが構成されている。
第1の薄リング8は間隔をあけて配置され、その間に第2の薄リング9がサンドイッチ状に配置されている。図示の例では、第1の薄リング8が4個、第2の薄リング9が3つ、配置されているがこれに限定されるものではない。また、第1、第2の薄リング8、9の配列パターンも図示例に限定されるものではない。
第2の薄リング9は通気性のない独立発泡のフォームリングで構成され、圧縮を受けない場合、図1および図2に示すように、第1の薄リング8と内径がほぼ同径をなし、これらの内径は第1、第2の管体1A、1Bの内径とほぼ等しく形成されている。
そして、第1、第2の薄リング8、9の内側には音響測定対象物である被検体10が配置される。
測定にあたっては、第2の管体1Bの内径よりも若干小さく切り出された被検体10を、第1、第2の薄リング8、9の内側に収容する。この際、第1、第2の薄リング8、9と被検体10との間に隙間gが存在していると、この隙間gにより音が漏れたり被検体10が共振してしまうなど、計測結果に影響が出る。
この場合、隙間gを調整するには、図3において矢印で示すように、第2の管体1B側へ第1の管体1Aを締込むと、押し込みリング7が図示の状態において右側に移動するため、それに伴って第1の薄リング8も移動し、押し込みリング7と第1の薄リング8によって、外周面および両側面が囲まれた第2の薄リング9が押圧されて弾性変形して管中心方向に突出するため、これによって隙間gを塞ぐか、狭めることができる。この隙間gの調整は、第1、第2の管体1A、1Bの締込み量を調整することにより、容易、かつ無段階に行うことができる。
そして、この隙間量は第2の管体1Bの材質を透明か半透明としておけば外部から容易に確認することができる。
隙間調整後は従来技術と同様にして音響特性測定を行えば良い。すなわち、音源スピーカ2から定常のランダム音波、例えばホワイトノイズ(入射波)を発生させ、音響管1内を平面波として伝搬させて被検体10に当てる。入射波は被検体10を透過して剛壁5で反射し、音響管1内部に入射波(前進波)と反射波(後進波)の重ね合わせによって定在波干渉パターンが発生する。測定用マイクロホン3A、3Bで音響管1の2点の音圧を計測し、FFT(Fast Fourier Transform)アナライザに入力して複素音圧伝達関数を計算する。この伝達関数から2点マイク法による音響インピーダンスの式を用いて、被検体10前面の音響インピーダンスを求める。また、被検体10後面の音響インピーダンスは解析的に算出できる。これらにより、被検体10の特性インピーダンスと伝播定数を算出する。
以上において、第2の薄リング9の内周面と被検体10の外周面との間の隙間gの量は適正に調整されているので、被検体10の振動が生じず、かつ、音漏れが少なく、被検体の形状に左右されない、精度の高い音響性能測定が可能である。
以上実施例を用いて本発明の説明を行ったが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
1 音響管
1c ネジ部
1d ネジ部
1e 凹部
1A 第1の管体
1B 第2の管体
2 音源スピーカ
3A 第1のマイクロホン
3a、3b マイクロホン取付部
3B 第2のマイクロホン
4 シャフト
5 剛壁
6 押し込みリング収納部
7 押し込みリング
7a 第1のリング部
7b 凸部
7c 第2のリング部
8 第1の薄リング
9 第2の薄リング
10 被検体
A 被検体保持部

Claims (2)

  1. 測定対象の被検体(10)を収容した音響管(1)の一端に音源スピーカ(2)を設け、前記音源スピーカ(2)によって前記音響管(1)内に平面波を励起し、2つの測定用マイクロホン(3A、3B)によって前記音源スピーカ(2)と前記被検体(10)との間の2点の長手方向位置間の複素音圧伝達関数測定を行い、この複素音圧伝達関数から音響特性を算出することが可能な音響特性測定装置であって、
    前記音響管(1)は螺合手段により互いに分離、連結可能な第1、第2の管体(1A)、(1B)からなり、前記第2の管体(1B)の開口部には、内側に被検体(10)が収納される被検体保持部(A)が設けられ、この被検体保持部(A)は軸方向に摺動自在な押し込みリング(7)を備え、この押し込みリング(7)は前記第1の管体(1A)を前記第2の管体(1B)に締込み軸方向に摺動させることにより弾性変形し管中心方向に突出する弾性部材からなる薄リング(9)を有し、この薄リング(9)の内周面と前記被検体(10)の外周面との隙間(g)を調整可能としたことを特徴とする音響特性測定装置。
  2. 請求項1記載の音響特性測定装置において、前記第2の管体(1B)は内部が見える材質からなることを特徴とする音響特性測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20230276650A1 (en) * 2016-12-05 2023-08-31 Innolux Corporation Substrate assembly and display device

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US20230276650A1 (en) * 2016-12-05 2023-08-31 Innolux Corporation Substrate assembly and display device

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