JP2016056289A - 固形燃料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
成形性及び保形性に優れ、燃焼時の臭気、発煙、型崩れが効果的に抑制され、さらに、火力及び火持ちに優れた、植物の炭化物を用いた固形燃料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンとを含む組成物の成形体からなる、固形燃料。
【選択図】なし
成形性及び保形性に優れ、燃焼時の臭気、発煙、型崩れが効果的に抑制され、さらに、火力及び火持ちに優れた、植物の炭化物を用いた固形燃料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンとを含む組成物の成形体からなる、固形燃料。
【選択図】なし
Description
本発明は、植物の炭化物を用いた固形燃料及びその製造方法に関する。
従来、木炭、石炭、コークス等の炭素質燃料の粉粒体に接着剤を添加して成形した固体燃料が知られている。これらの固形燃料の原材料としては、資源として豊富な石炭が広く用いられていた。例えば、石炭の粉粒体を粘結剤とともに練り合わせて練炭、豆炭等の固形燃料が得られる。しかしながら、石炭を用いた固形燃料は、燃焼時に有害ガス、不快臭などを発するため、食品の調理用の燃料としては不向きである。
食品の調理用の固形燃料としては、木炭を用いた固形燃料が広く使用されている。例えば、備長炭などの天然の木炭は、揮発分が少なく燃焼中にススが発生しないため、特に優れた固形燃料として使用されている。しかしながら、備長炭などの天然の木炭の製造には熟練した技術が必要であり、生産者の高齢化、後継者不足の問題がある。また、備長炭は、高価である。
備長炭などの天然の木炭をそのまま使用しない固形燃料としては、古くから、炭団などが知られている。炭団は、木炭などの粉粒体を、布海苔や澱粉などで固めたものであり、固形燃料として古くから使用されてきた。また、おが屑を固めて棒状に成形したオガライトなども知られている。
さらに、例えば、特許文献1には、植物の炭化物からなる燃料本体に着火層を付設した固形燃料であって、着火層を、植物の炭化物からなる粉末に硝石からなる着火剤を混合した固形燃料が開示されている。当該固形燃料においては、植物の炭化物の結合剤として、カルボキシメチルセルロース・ナトリウムを用いて固形燃料を形成している。
このような植物の炭化物を用いた固形燃料は、燃焼時に不快臭が発生しにくく、食品の調理用などとして好適であるという利点を有する。しかしながら、従来の炭団や、特許文献1に開示されたような固形燃料では、植物の炭化物と接着剤とが均一に混ざりにくい、または、混合物が固まりにくいため、固形燃料を製造する際の成形性、固形燃料としての保形性などが十分でないという問題点がある。
さらに、接着剤として布海苔などを用いた従来の炭団には、大量の接着剤が使用されているため、固形燃料に占める接着剤の割合が多く、火持ちや火力が弱いという問題がある。また、オガライトなどは、着火性には優れるものの、備長炭などと比べると、火力及び火持ちが悪いという問題を有している。
本発明は、成形性及び保形性に優れ、燃焼時の臭気、発煙、型崩れが効果的に抑制され、さらに、火力及び火持ちに優れた、植物の炭化物を用いた固形燃料及びその製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンとを含む組成物の成形体からなる固形燃料は、成形性及び保形性に優れ、燃焼時の臭気、発煙、型崩れが効果的に抑制され、さらに火力及び火持ちに優れることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンとを含む組成物の成形体からなる、固形燃料。
項2. 前記植物の炭化物からなる粉粒体と前記カラギーナンとの質量比が、99:1〜50:50の範囲にある、項1に記載の固形燃料。
項3. 前記植物の炭化物が、木炭である、項1または2に記載の固形燃料。
項4. 前記木炭が、白炭及び黒炭の少なくとも一方を含む、項3に記載の固形燃料。
項5. 比重が0.5〜1.2の範囲にある、項1〜4のいずれかに記載の固形燃料。
項6. 前記固形燃料が、炭団である、項1〜5のいずれかに記載の固形燃料。
項7. 植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンと、水とを混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた組成物を成形する成形工程と、
前記成形工程で得られた成形体を乾燥させる乾燥工程と、
を備える、固形燃料の製造方法。
項1. 植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンとを含む組成物の成形体からなる、固形燃料。
項2. 前記植物の炭化物からなる粉粒体と前記カラギーナンとの質量比が、99:1〜50:50の範囲にある、項1に記載の固形燃料。
項3. 前記植物の炭化物が、木炭である、項1または2に記載の固形燃料。
項4. 前記木炭が、白炭及び黒炭の少なくとも一方を含む、項3に記載の固形燃料。
項5. 比重が0.5〜1.2の範囲にある、項1〜4のいずれかに記載の固形燃料。
項6. 前記固形燃料が、炭団である、項1〜5のいずれかに記載の固形燃料。
項7. 植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンと、水とを混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた組成物を成形する成形工程と、
前記成形工程で得られた成形体を乾燥させる乾燥工程と、
を備える、固形燃料の製造方法。
本発明によれば、成形性及び保形性に優れ、燃焼時の臭気、発煙、型崩れが効果的に抑制され、さらに、火力及び火持ちに優れた、植物の炭化物を用いた固形燃料及びその製造方法を提供することができる。
本発明の固形燃料は、植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンとを含む組成物の成形体からなることを特徴とする。以下、本発明の固形燃料及びその製造方法について、詳述する。
本発明において、植物の炭化物としては、特に制限されず、例えば、木炭、麻、蓮、葦、すすき、トウモロコシなどの草木の炭、ヤシがら炭などが挙げられ、これらの中でも、好ましくは木炭が挙げられる。
木炭の原料となる原木としては、スギ、松、桧、栂、米松などに代表される針葉樹;ぶな、カシ、ナラ、マカンバ、シイノ木、ラワン、アピトン、ウバメガシなどに代表される広葉樹が挙げられる。木炭としては、原木を750〜1000℃で焼き、350〜520℃で炭化させることにより得られる白炭、原木を400〜750℃で焼き、250〜450℃で炭化させることにより得られる黒炭のいずれも好ましく用いることができる。白炭の具体例としては、例えば、ウバメガシを原木とし、1000℃前後で焼かれた備長炭など、ブナ科ナラ属に属するカシ類やナラ類を原木とした炭や、イネ科に属する竹を用いた炭、スギ、ヒノキ、アカマツ、クロマツなどの針葉樹を原木とした炭を挙げることができる。また、黒炭の具体例としては、例えば、クヌギ、コナラなどを原木とした炭を挙げることができる。木炭は、以上のような原木を焼成して得られたものであってよいし、間伐材、剪定枝、樹皮、おが屑、ファイバーボード、パーティクルボード、合板などを焼成したものであってもよい。
本発明において、植物の炭化物からなる粉粒体は、1種類単独で使用してもよいし、
2種類以上を組み合わせて使用してもよい。植物の炭化物からなる粉粒体として木炭を用いる場合、白炭と黒炭のいずれを使用してもよいが、火力及び火持ちの観点からは、木炭としては、白炭と黒炭を含むことが好ましい。木炭が白炭と黒炭を含む場合、白炭と黒炭の質量比(白炭:黒炭)としては、好ましくは1:1〜1:10程度が挙げられる。
2種類以上を組み合わせて使用してもよい。植物の炭化物からなる粉粒体として木炭を用いる場合、白炭と黒炭のいずれを使用してもよいが、火力及び火持ちの観点からは、木炭としては、白炭と黒炭を含むことが好ましい。木炭が白炭と黒炭を含む場合、白炭と黒炭の質量比(白炭:黒炭)としては、好ましくは1:1〜1:10程度が挙げられる。
本発明において、植物の炭化物からなる粉粒体は、植物の炭化物の塊を粉砕したものであってもよいし、おが屑のように先に粉粒体とした植物を炭化させたものであってもよい。なお、本発明において、「粉粒体」とは、粉体または粒体を意味する。
植物の炭化物からなる粉粒体の粒子径としては、特に制限されないが、固形燃料の成形性及び保形性をより向上させ、燃焼時の臭気、発煙、型崩れなどを効果的に抑制し、さらには火力及び火持ちを向上させる観点からは、好ましくは5mm以下程度が挙げられる。
本発明の固形燃料は、植物の炭化物からなる粉粒体をつなぎとめる役割を果たす接着剤として、カラギーナンを含むことを特徴としている。前述の通り、従来、例えば炭団などにおいて、木炭などをつなぎ止める接着剤としては、布海苔やでんぷんなどが使用されてきた。しかしながら、例えば、接着剤として布海苔などを用いる場合、成形に適した粘性組成物を得るためには、多くの布海苔が必要である。このため、固形燃料に占める接着剤の割合が大きくなり、火持ちや火力が弱くなるという問題がある。また、火力や火持ちを考慮して、木炭の割合を増加させると、成形性が悪くなり、成形に適した粘性組成物が得られないという問題を有する。また、オガライトなどは、着火性には優れるものの、備長炭などと比べると、火力及び火持ちが悪いという問題を有している。
これに対して、本発明の固体燃料は、植物の炭化物からなる粉粒体をつなぎとめる役割を果たす接着剤として、カラギーナンを含むため、例えば木炭とカラギーナンとの質量比を99:1〜50:50程度、さらには95:5〜70:30程度に設定した場合にも、成形性、保形性に優れ、燃焼時の臭気、発煙、型崩れが効果的に抑制され、さらには火力及び火持ちも優れているため、後述の通り、例えば食品の調理用の固形燃料として、特に好適に使用することができる。
カラギーナンとしては、特に制限されず、例えば市販品を使用することができる。カラギーナンとしては、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナンが挙げられ、好ましくはκ−カラギーナンが挙げられる。また、カラギーナンは、ナトリウム、カリウムなどの塩であってもよい。カラギーナンは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の固形燃料において、植物の炭化物からなる粉粒体とカラギーナンとの質量比としては、特に制限されないが、固形燃料の火力及び火持ちを向上させつつ、成形性及び保形性に優れ、燃焼時の臭気、発煙、型崩れなどを抑制する観点からは、好ましくは99:1〜50:50程度、より好ましくはさらには95:5〜70:30程度が挙げられる。
本発明の固形燃料において、接着剤としては、カラギーナンを含んでいればよく、他の接着剤を含んでいてもよい。ただし、本発明の固形燃料においては、ポリビニルアルコールなどの合成高分子からなる接着剤など、燃焼時の臭気、発煙などの原因となる原料を実質的に含まないことが好ましい。
本発明の固形燃料の形状としては、用途に応じて適宜設定すればよく、例えば、円柱状、球状、板状などが挙げられる。また、本発明の固形燃料のサイズについても用途に応じて適宜設定すればよい。例えば、円柱状であれば、直径20〜30mm程度、高さ100〜200mm程度とすることができる。
本発明の固形燃料は、後述の通り、植物の炭化物からなる粉粒体、カラギーナン、水を含む組成物を成形後、乾燥させることにより製造される。本発明の固形燃料の比重としては、固形燃料の用途などに応じて適宜設定すればよいが、好ましくは0.5〜1.2程度が挙げられる。
本発明の固形燃料は、成形性、保形性に優れ、燃焼時の臭気、発煙、型崩れが効果的に抑制されており、さらには火力及び火持ちも優れているため、例えば食品の調理用、暖房用の固形燃料などとして、好適に使用することができる。また、本発明の固形燃料は、炭団などの形態で使用することができる。
本発明の固形燃料は、次の工程を含む製造方法によって好適に製造することができる。
植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンと、水とを混合する混合工程;
前記水添加工程で得られた組成物を成形する成形工程;
前記成形工程で得られた成形体を乾燥させる乾燥工程;
以下、各工程について、詳述する。
植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンと、水とを混合する混合工程;
前記水添加工程で得られた組成物を成形する成形工程;
前記成形工程で得られた成形体を乾燥させる乾燥工程;
以下、各工程について、詳述する。
本発明の固形燃料の製造方法においては、まず、植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンと、水とを混合する混合工程を行う。混合工程に供する植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンは、上記のとおりである。
植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンとの混合割合としては、本発明の固形燃料における上記の質量比となるように設定すればよい。また、水の量は、成形に適した粘性組成物となるように、適宜設定すればよい。植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンとの混合方法としては、特に制限されず、例えば市販のミキサーなどの攪拌機を用いて行うことができる。また、少量であれば、手で攪拌してもよい。
次に、混合工程で得られた組成物を成形する成形工程を行う。成型工程においては、固形燃料の用途などに応じて、上記で例示したような形状に成形すればよい。成形は、上記の組成物を手で成形してもよいし、所望の形状に成形するための金型などに組成物を入れて、加圧して成形してもよい。加圧する場合の圧力としては、好ましくは100〜500MPa程度が挙げられる。
次に、成形工程で得られた成形体を乾燥させる乾燥工程を行う。成形体の乾燥は、自然乾燥であってもよいし、加熱乾燥であってもよい。成形体を乾燥させる期間としては、自然乾燥の場合であれば、気温などによって異なるが、通常1〜10日程度とすればよい。また、加熱乾燥の場合、加熱温度によって異なるが、通常、40〜60℃の間で1〜3日間程度とすればよい。
以下に、試験例、実施例、及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
試験例1〜15
<成形性評価>
表1に記載の木炭(ウバメガシを原料とする白炭と、黒炭の混合物(白炭と黒炭の質量比=1〜5:9〜5)、粒子径5mm以下)と、各種接着剤を用いて、固形燃料の製造時の成形性を評価した。まず、表1に記載の質量比となるようにして、木炭と、各種接着剤と、水とを均一に混合した。水の量は、均一な組成物が得られるよう、接着剤の種類に応じて適宜調整した。得られた組成物を表1に記載の方法で成形して、成形性を評価した。表1に記載の成形方法の詳細は以下の通りである。
(成形方法)
・手で成形:120gの組成物を直径80〜90mmの球状に手で丸めて成形した。
・加圧1:直径35mm×深さ250mmの円柱状の金型に、組成物を120g入れて、圧力20MPaをかけて成形した。
・加圧2:直径20mm×深さ60mmの円柱状の金型に、組成物を7g入れて、圧力250MPaをかけて成形した。
なお、成形性の評価は、成形に適した粘度を有する組成物の作りやすさ(原料の混ざりやすさ)と、成形体の固まりやすさに基づき総合的に評価した。結果を表1に示す。
<成形性評価>
表1に記載の木炭(ウバメガシを原料とする白炭と、黒炭の混合物(白炭と黒炭の質量比=1〜5:9〜5)、粒子径5mm以下)と、各種接着剤を用いて、固形燃料の製造時の成形性を評価した。まず、表1に記載の質量比となるようにして、木炭と、各種接着剤と、水とを均一に混合した。水の量は、均一な組成物が得られるよう、接着剤の種類に応じて適宜調整した。得られた組成物を表1に記載の方法で成形して、成形性を評価した。表1に記載の成形方法の詳細は以下の通りである。
(成形方法)
・手で成形:120gの組成物を直径80〜90mmの球状に手で丸めて成形した。
・加圧1:直径35mm×深さ250mmの円柱状の金型に、組成物を120g入れて、圧力20MPaをかけて成形した。
・加圧2:直径20mm×深さ60mmの円柱状の金型に、組成物を7g入れて、圧力250MPaをかけて成形した。
なお、成形性の評価は、成形に適した粘度を有する組成物の作りやすさ(原料の混ざりやすさ)と、成形体の固まりやすさに基づき総合的に評価した。結果を表1に示す。
表1に示されるように、固形燃料の接着剤としてカラギーナンを用いた場合には、木炭とカラギーナンと水とが均一に混ざりやすく、成形に適した粘度の組成物を容易に作製することができた。また、得られた組成物は固まりやすく、成形性に優れていた。一方、古くから炭団の接着剤として使用されている布海苔を用いた場合、木炭と布海苔が混ざりにくく、固まるのにも時間がかかり、成形性は良くなかった。その他、天草、タピオカでんぷん、カルボキシメチルセルロース・ナトリウムなど、木炭の接着剤として機能すると考えた各種の接着剤を用いて固形燃料の製造を試みたが、表1に記載の通り、均一に混合しにくかったり、固まりにくいなど、いずれも成形性に劣ることが確認された。
実施例1〜2及び比較例1〜4
<固形燃料の作製>
上記の木炭30質量部と、表1に記載の接着剤3質量部と、水67質量部とを混合し、粘性組成物を得た。得られた組成物120gを、直径35mm×深さ250mmの円柱状の金型に入れて、圧力20MPaをかけて成形した。得られた成形体を7日間、十分に自然乾燥させて、固形燃料を得た。なお、得られた固形燃料の大きさと重量から比重を算出した。結果を表2に示す。
<固形燃料の作製>
上記の木炭30質量部と、表1に記載の接着剤3質量部と、水67質量部とを混合し、粘性組成物を得た。得られた組成物120gを、直径35mm×深さ250mmの円柱状の金型に入れて、圧力20MPaをかけて成形した。得られた成形体を7日間、十分に自然乾燥させて、固形燃料を得た。なお、得られた固形燃料の大きさと重量から比重を算出した。結果を表2に示す。
<成形性評価>
上記で得られた固形燃料について、木炭、接着剤、及び水の混ざりやすさの観点から、成形性を評価した。成形性の評価基準は以下の通りである。結果を表2に示す。
○:短時間で均一に混ざり、成形に適した粘性組成物が容易に得られる
△:長時間が必要であるが、成形に適した粘性組成物が得られる
×:均一に混ざらず、成形に適した粘性組成物が得られない
上記で得られた固形燃料について、木炭、接着剤、及び水の混ざりやすさの観点から、成形性を評価した。成形性の評価基準は以下の通りである。結果を表2に示す。
○:短時間で均一に混ざり、成形に適した粘性組成物が容易に得られる
△:長時間が必要であるが、成形に適した粘性組成物が得られる
×:均一に混ざらず、成形に適した粘性組成物が得られない
<保形性評価>
上記で得られた固形燃料を、1mの高さから落下させて、破断の有無を確認した。保形性の評価基準は、以下の通りである。結果を表2に示す。
○:ヒビや割れが生じなかった
△:ヒビが生じたが、割れはなかった
×:割れが生じた
上記で得られた固形燃料を、1mの高さから落下させて、破断の有無を確認した。保形性の評価基準は、以下の通りである。結果を表2に示す。
○:ヒビや割れが生じなかった
△:ヒビが生じたが、割れはなかった
×:割れが生じた
<燃焼時の臭気及び発煙の評価>
上記で得られた固形燃料を燃焼させて、燃焼時の臭気及び発煙を確認した。燃焼時の臭気及び発煙の評価基準は、以下の通りである。
○:燃焼時の臭気及び発煙がほとんど無かった
△:燃焼時の臭気または発煙が少しあった
×:燃焼時の臭気または発煙が多かった
上記で得られた固形燃料を燃焼させて、燃焼時の臭気及び発煙を確認した。燃焼時の臭気及び発煙の評価基準は、以下の通りである。
○:燃焼時の臭気及び発煙がほとんど無かった
△:燃焼時の臭気または発煙が少しあった
×:燃焼時の臭気または発煙が多かった
<燃焼時の型崩れの評価>
上記で得られた固形燃料を燃焼させて、燃焼時の型崩れを確認した。燃焼時の型崩れの評価基準は、以下の通りである。
○:長時間にわたって型崩れが生じず、均質に燃焼した
△:やや短時間で型崩れが生じ、やや均質に燃焼しにくかった
×:短時間で型崩れが生じ、均質に燃焼しにくかった
上記で得られた固形燃料を燃焼させて、燃焼時の型崩れを確認した。燃焼時の型崩れの評価基準は、以下の通りである。
○:長時間にわたって型崩れが生じず、均質に燃焼した
△:やや短時間で型崩れが生じ、やや均質に燃焼しにくかった
×:短時間で型崩れが生じ、均質に燃焼しにくかった
表2に示されるように、カラギーナンを接着剤として用いた実施例1及び2の固形燃料では、成形性に優れ、燃焼時の臭気・発煙もほとんど無く、型崩れもしにくく、特に食品の調理用の固形燃料として優れていた。
<火力及び火持ちの評価>
上記の実施例1で得られた固形燃料、備長炭、及びオガライトの火力及び火持ちを、JIS M 8812:2004の規定に準拠した方法を用いて評価した。具体的には、これらの試料12gをそれぞれ耐火煉瓦(寸法:縦約90mm×横約110mm×厚さ約28mm)の上に並べておき、電気炉(株式会社タナカテック製のMRK−6)で800℃10分加熱して着火させ、0分から90分まで熱画像計測装置(AGEMA製のCPA−570(W))により撮影を行った。着火0分後、10分後、20分後、30分後、60分後、90分後の写真を、それぞれ図1〜6に示す。なお、写真において、左から順に、実施例1で得られた固形燃料、備長炭、及びオガライトである。
上記の実施例1で得られた固形燃料、備長炭、及びオガライトの火力及び火持ちを、JIS M 8812:2004の規定に準拠した方法を用いて評価した。具体的には、これらの試料12gをそれぞれ耐火煉瓦(寸法:縦約90mm×横約110mm×厚さ約28mm)の上に並べておき、電気炉(株式会社タナカテック製のMRK−6)で800℃10分加熱して着火させ、0分から90分まで熱画像計測装置(AGEMA製のCPA−570(W))により撮影を行った。着火0分後、10分後、20分後、30分後、60分後、90分後の写真を、それぞれ図1〜6に示す。なお、写真において、左から順に、実施例1で得られた固形燃料、備長炭、及びオガライトである。
図1〜6に示される写真から明らかな通り、着火後30分後には、オガライトは火が消え、火持ちが悪いことが確認された。また、実施例1で得られた固形燃料は、90分後にも、燃焼しており、備長炭よりはやや火力が衰えているものの、火力及び火持ちに優れていることが分かる。
Claims (7)
- 植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンとを含む組成物の成形体からなる、固形燃料。
- 前記植物の炭化物からなる粉粒体と前記カラギーナンとの質量比が、99:1〜50:50の範囲にある、請求項1に記載の固形燃料。
- 前記植物の炭化物が、木炭である、請求項1または2に記載の固形燃料。
- 前記木炭が、白炭及び黒炭の少なくとも一方を含む、請求項3に記載の固形燃料。
- 比重が0.5〜1.2の範囲にある、請求項1〜4のいずれかに記載の固形燃料。
- 前記固形燃料が、炭団である、請求項1〜5のいずれかに記載の固形燃料。
- 植物の炭化物からなる粉粒体と、カラギーナンと、水とを混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた組成物を成形する成形工程と、
前記成形工程で得られた成形体を乾燥させる乾燥工程と、
を備える、固形燃料の製造方法。
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