JP2016055716A - 自動車用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数ならびに成形・溶接工程数がいずれも増加することなく簡便な手段により、接合部の疲労強度が大幅に向上したロアーアームを提供する。【解決手段】天板13,稜線14a,14bおよび縦壁15a,15bにより構成される略溝型の開口部11aを有する引張強度590MPa以上の高張力鋼製の本体11と、外面の少なくとも一部に凸曲面12aを有するとともに本体11の開口部11aにアーク溶接またはレーザ溶接される鋼製のカラー12とを備える自動車のサスペンションのロアーアーム10である。本体11の開口部11aに外向きフランジ16を有し、外向きフランジ16の端面16bは、カラー12の凸曲面12aに沿って凸曲面に重なり合うことができる曲面16aを有し、端面12aはカラー12の凸曲面12a前記凸曲面と重ね隅肉溶接される。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用部材に関し、具体的には、例えば、ロアーアームといった自動車のサスペンションアームや、クロスメンバーといった自動車のサブフレームの構成部材のような、自動車のサスペンション系部材に関する。
自動車のサスペンション(懸架装置)は、タイヤおよびホイールを介して路面から入力される衝撃を和らげて良好な乗り心地を維持するとともに、旋回時や加減速時のタイヤの接地性を確保することにより操縦安定性を高める装置である。サスペンションは、ボディに対して回動自在に装着されて、タイヤおよびホイールを支持するハブを上下動自在に支持するサスペンションアームと、タイヤおよびホイールへの路面からの衝撃を緩和するスプリングと、スプリングの振動を吸収するショックアブソーバーと、必要に応じて装着され左右のサスペンションアームの変位差を抑制することにより車体の横揺れを抑制するスタビライザー等により構成される。
サスペンションのこれらの構成要素のうちサスペンションアームには、マクファーソンストラット式やウィッシュボーン式といった型式に応じて、ロアーアームやアッパーアームが用いられる。
図7は、一般的なロアーアーム1を示す説明図であり、図7(a)は全体を示し、図7(b)はロアーアーム1のカラー取付け部1aを拡大して示す。図8(a)は、ロアーアーム1のアーム本体2を示す説明図であり、図8(b)は、アーム本体2のカラー取付け部2aを拡大して示す説明図である。さらに、図9は、アーム本体2とカラー3との溶接部を示す説明図である。
ロアーアーム1は、金属製(例えば鋼製)のプレス成形品からなるアーム本体(以下、単に「本体」ともいう)2と、本体2の所定の位置に形成された凸部であるカラー取付け部2aに突き当てられて隅肉溶接される(本明細書では「突合せ隅肉溶接」という)中空かつ円筒形状のカラー3とを有する
このため、図8(b)および図9に示すように、本体2とカラー3とは、カラー3の外周曲面3aに、カラー取付け部2aの先端開口部に形成された凹状の外形ライン2bを突き当てて、アーク溶接またはレーザ溶接により突合せ隅肉溶接部4を形成することによって、溶接される。
また、高い運動エネルギーを発生する車種や、静粛性が特に求められる車種では、サスペンションは、サブフレームを介してボディシェルに取り付けられることが一般的となりつつある。図10は、ボディシェル(図示しない)に装着されるサブフレーム5の一例を示す説明図である。
図10に示すように、サブフレーム5を構成するクロスメンバー6は、本体7の長手方向の端部7aに凹状の外形ライン7bを有しており、外形ライン7bを、サブフレーム5を構成する他の管部材8の外周曲面8aに突き当てて、アーク溶接またはレーザ溶接により突合せ隅肉溶接されて突合せ隅肉溶接部9を形成される。
ロアーアーム1やクロスメンバー6等のサスペンション系部材には、自動車の走行時の振動によって繰り返し荷重が負荷される。このため、サスペンション系部材は、疲労破壊することを抑制するために、十分な疲労強度を有することが要求される。サスペンション系部材の疲労強度は、本体2,7の特性,化学成分、溶接部4,9の溶接条件(熱履歴)、さらには本体2,7と溶接相手材3,8との継手構造等の影響を受ける。
これまで、サスペンション系部材の本体2,7の溶接部4,9には、上述の突合せ隅肉溶接により十分な疲労強度が与えられてきた。しかし、近年の自動車の軽量化の推進によりサスペンション系部材についてもその本体2,7の板厚低減が図られるようになってきたために突合せ隅肉溶接部の疲労強度が低下し、走行時の振動により高い値の応力がサスペンション系部材に繰り返し入力された場合に、突合せ隅肉溶接部4,9が疲労破壊することが懸念されるようになってきた。
また、本体2,7と溶接相手材3,8との接合精度を確保するため、溶接相手材3,8の外周曲面3a,8aと整合するように、上述の凹状の外形ライン2b,7bを高い寸法精度で成形する必要があるが、この寸法精度を確保できない場合には、凹状の外形ライン2b,7bと外周曲面3a,8aとの溶接性が低下し、疲労破壊が発生する要因となるおそれがある。凹状の外形ラインの寸法精度を確保するためには、プレス成形されたプレス成形品が複雑なトリム工程を経る必要を生じ、製造コストの増大が懸念される。
特許文献1には、凸部であるカラー取付け部をプレス成形品である本体とは別部品とし、本体のカラー取付け部は二部品をバーリングした後に取り付ける発明が開示されている。特許文献1により開示された発明によれば、本体のカラー取付け部がカラーの外周を囲うようにしてカラーを取り付けられる。
特許文献2には、カラーに穿設された穴に本体を差し込んだ後に溶接することにより構成されるリング部材が開示されている。
特許第5363065号明細書 実用新案登録第2582424号明細書
特許文献1により開示された発明では、カラー取付け部をプレス成形品である本体とは別部品とするため、部品点数ならびに成形・溶接工程数がいずれも増加し、製造コストの上昇は避けられない。
特許文献2により開示されたリング部材に係る発明は、サスペンションの構成部品として用いられるテンションロッドには適用可能であるものの、カラーよりも本体が相当程度大きいロアーアームやクロスメンバーには適用できない。
本発明は、従来の技術が有するこれらの課題に鑑みてなされたものであり、部品点数ならびに成形・溶接工程数がいずれも増加することなく簡便な手段により、接合部の疲労強度が大幅に向上した自動車用部材、例えば、ロアーアームといった自動車のサスペンションアームやクロスメンバーといった自動車のサブフレームの構成部材のような、自動車のサスペンション系部材を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る「自動車用部材」とは、上述の自動車のサスペンション系部材の他に、自動車車体の構成部材や自動車に搭載される各種部品のうちで、外面の少なくとも一部に凸曲面を有するとともに、略溝型の開口部を有する金属製(例えば鋼製)の第1の部材の開口部で第1の部材と溶接(例えばアーク溶接またはレーザ溶接)される金属製(例えば鋼製)の第2の部材を有する継手構造を備えるものを、包含する。例えば、このような継手構造として、略溝型の開口部を有する引張強度590MPa以上の例えば鋼製の第1の部材である自動車の構成部材の開口部で、この構成部材と例えばアーク溶接またはレーザ溶接される例えば引張強度590MPa以上の鋼製の第2の部材である閉じた横断面形状を有する自動車の構造部材を有する継手構造が例示される。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下に列記の知見A,Bを得ることができ、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
(A)従来のようにカラーの外周曲面に対してカラー取付け部の先端面に形成された凹状の外形ラインを突き当てて突合せ隅肉溶接によって本体とカラーとを溶接する継手構造ではなくて、本体のカラー取付け部に、カラー外周面に沿うことができる曲面を有するフランジを形成し、このフランジとカラー外周面とを重ね合わせてアーク溶接またはレーザ溶接により重ね隅肉溶接する(本明細書では「重ね隅肉溶接」という)継手構造を採用することにより、本体とカラーとの溶接部の疲労強度を大幅に高めることができ、これにより、サスペンションアームの疲労強度を高めることが可能になる。
(B)従来は細心の注意を払って製造していた、ロアーアーム取付け部の外形ラインの形状精度の影響を、量産時にも受けないため、このような観点からも、量産されるサスペンションアームの疲労強度を高めることが可能になる。
本発明は以下に列記の通りである。
(1)天板、該天板に連続する二つの稜線および該二つの稜線にそれぞれ連続する二つの縦壁により構成される略溝型の開口部を有する金属製の第1の部材と、外面の少なくとも一部に凸曲面を有するとともに前記第1の部材の前記開口部にアーク溶接またはレーザ溶接される金属製の第2の部材とを備える自動車用部材において、
前記第1の部材の前記開口部にフランジを有し、該フランジの端面は、前記第2の部材の前記凸曲面に沿って該凸曲面に重なり合うことができる曲面を有し、
該フランジの端面は、前記第2の部材の前記凸曲面と重ね隅肉溶接されること
を特徴とする自動車用部材。
(2)サスペンション系部材である(1)項に記載された自動車用部材。
(3)前記第1の部材は、前記開口部をカラー取付け部として所定の位置に有するサスペンションアーム本体であり、前記第2の部材は、前記カラー取付け部に重ね隅肉溶接されるカラーである請求項2に記載された自動車用部材。
(4)前記フランジは、前記縦壁、前記稜線および前記天板にかけて連続して形成される1項から3項までのいずれか1項に記載された自動車用部材。
(5)前記フランジは、前記開口部の外側へ向かう外向きフランジ、または前記開口部の内側へ向かう内向きフランジである1項から4項までのいずれか1項に記載された自動車用部材。
(6)前記外向きフランジの幅(Lf)は2mm以上20mm以下である請求項4に記載された自動車用部材。
(7)前記縦壁、前記稜線または前記天板に連続する部分における前記外向きフランジの曲率半径(R)は10mm以上100mm以下である4項から6項までのいずれか1項に記載された自動車用部材。
(8)前記第1の部材は、引張強度が590MPa以上の高張力鋼板のプレス成形品である(1)項から(7)項までのいずれか1項に記載された自動車用部材。
ここで、引張強度は、JIS Z 2241(2011)に記載の試験方法により得られる引張強度をいう。
(9)サスペンションアームである2項から8項までのいずれか1項に記載された自動車用部材。
すなわち、本発明は、具体的には、引張強度が590MPa以上の高張力鋼板のプレス成形品からなるとともに、天板、該天板に連続する二つの稜線および該二つの稜線にそれぞれ連続する二つの縦壁により構成される略溝型の開口部であるカラー取付け部を所定の位置に有するサスペンションアーム本体と、中空かつ外面の少なくとも一部に凸曲面形状を有するとともに前記カラー取付け部にアーク溶接またはレーザ溶接されるカラーを備えるサスペンションアームにおいて、前記カラーの外周面に沿って該外周面に重なり合うことができる曲面を有する外向きフランジが前記開口部に有するとともに、該フランジの端面は前記カラーの外周面と重ね隅肉溶接されることを特徴とするサスペンションアームである。
(10)サスペンションアームは、ロアーアームまたはアッパーアームである9項に記載された自動車用部材。
(11)自動車のサブフレームを構成するクロスメンバーである2項または4項から8項までのいずれか1項に記載された自動車用部材。
本発明により、部品点数ならびに成形・溶接工程数がいずれも増加することなく簡便な手段により、接合部の疲労強度が大幅に向上した自動車用部材、例えば、ロアーアームといった自動車のサスペンションアームやクロスメンバーといった自動車のサブフレームの構成部材のような、自動車のサスペンション系部材を提供できる。
図1(a)は、本発明に係るロアーアームの本体を示す説明図であり、図1(b)は、図1(b)は、本体におけるカラー取付け部を拡大して示す説明図である。 図2(a)は、本発明に係るロアーアームの本体の変形例を示す説明図であり、図2(b)は、本体におけるカラー取付け部を拡大して示す説明図であり、図2(c)は、本発明に係るロアーアームの本体の変形例の成形素材を示す説明図である。 図3は、第一工程〜第三工程を経る本体の製造法を経時的に示す説明図である。 図4(a)は第一工程で用いるダイおよびパンチを示す説明図、図4(b)は一工程での成形を示す説明図である。 図5(a)は第二工程で用いるカム構造を有するダイ、およびパンチを示す説明図、図5(b)は第二工程での成形を示す説明図である。 図6(a)は第三工程で用いる上型およびパンチを示す説明図、図6(b)は第三工程での成形を示す説明図である。 図7は、一般的なロアーアームを示す説明図であり、図7(a)は全体を示し、図7(b)はロアーアームのカラー取付け部を拡大して示す。 図8(a)は、ロアーアームのアーム本体を示す説明図であり、図8(b)は、アーム本体のカラー取付け部を拡大して示す説明図である。 図9は、アーム本体とカラーとの溶接部を示す説明図である。 図10はボディシェルに装着されるサブフレームの一例を示す説明図である。
添付図面を参照しながら、本発明を説明する。なお、以降の説明では、本発明に係る自動車用部材がサスペンション系部材であって、さらにサスペンション系部材がサスペンションアームの一つであるロアーアームである場合を例にとる。しかしながら、本発明はロアーアームに限定されるものではなく、アッパーアームや、サブフレームの構成要素であるクロスメンバー等のサスペンション系の自動車用部材、フロアクロスメンバーやフロントサイドメンバー等の自動車用部材、さらには、自動車車体の構成部材や自動車に搭載される各種部品のうちで、外面の少なくとも一部に凸曲面を有するとともに、略溝型の開口部を有する金属製(例えば鋼製)の第1の部材の開口部で第1の部材と溶接(例えばアーク溶接またはレーザ溶接)される金属製(例えば鋼製)の第2の部材を有する継手構造を備える自動車用部材にも同様に適用される。
1.ロアーアーム
図1(a)は、本発明に係るロアーアーム10の本体11を示す説明図であり、図1(b)は、図1(b)は、本体11におけるカラー取付け部11aを拡大して示す説明図である。
ロアーアーム10は、本体11とカラー12とを有する。
本体11は、引張強度が590MPa以上の高張力鋼板のプレス成形品である。本体11は、カラー取付け部11aを所定の位置に有する。カラー取付け部11aは、本体11に形成された突出した開口部である。カラー取付け部11aは、天板13と、天板13に連続する二つの稜線14a,14bと、二つの稜線14a,14bにそれぞれ連続する二つの縦壁15a,15bとにより構成される略溝型の断面形状を有する。
カラー12は、公知のカラーと同様に、所定の装着位置に回転自在に取り付けられるための中空の円筒形状を有するとともに、本体11のカラー取付け部11aにアーク溶接またはレーザ溶接されることにより、本体11に溶接される。
本体11のカラー取付け部11aである開口部には、開口部の外側へ向かう外向きフランジ16が形成されている。すなわち、本体11はカラー取付け部11aにおいてフランジアップ成形されている。
外向きフランジ16は、カラー12の外周面12aに沿って外周面12aに重なり合うことができる曲面16aを有する。外向きフランジ16の端面16bには、カラー12の外周面12aと重ね隅肉溶接されることによる重ね隅肉溶接部17が形成されている。
外向きフランジ16は、縦壁15a,15b、稜線14a,14bおよび天板13にかけて連続して形成されるが、必ずしも連続する必要はない。しかし、連続して形成されることにより、接合長を十分確保できることに加えて、本体11とカラー12との接合部の剛性を向上させることが可能になるので、重ね隅肉溶接部17における疲労強度をよりいっそう向上することができる。
外向きフランジ16の幅Lfは、アーク溶接またはレーザ溶接による重ね隅肉溶接代を確保するとともに、カラー12よりも小さい寸法とし、外向きフランジ16がカラー12よりはみ出さないようにする必要があることから、2mm以上20mm以下であることが望ましい。
縦壁15a,15b、稜線14a,14bおよび天板13に連続する部分における外向きフランジ16の曲率半径Rが小さい場合すなわち接合長が短い場合は、接合部に応力が集中し、外向きフランジ16の有無および接合方法によらず疲労破壊が生じやすい。そのため、外向きフランジ16の曲率半径Rは10mm以上であることが望ましい。一方、曲率半径Rが大きい場合すなわち接合長が長い場合は、外向きフランジ16の有無および接合方法によらず十分な疲労強度が確保できる。そのため、外向きフランジ16の曲率半径Rは100mm以下であることが望ましい。
図2(a)は、本発明に係るロアーアーム10の本体の変形例18を示す説明図であり、図2(b)は、本体18におけるカラー取付け部18aを拡大して示す説明図である。
変形例18においても、本体18に形成された突出した開口部であるカラー取付け部11aは、天板13と、天板13に連続する二つの稜線14a,14bと、二つの稜線14a,14bにそれぞれ連続する二つの縦壁15a,15bとにより構成される略溝型の断面形状を有する。
本体18のカラー取付け部18aである開口部には、開口部の内側へ向かう内向きフランジ19が形成されている。すなわち、本体18はカラー取付け部18aにおいてフランジダウン成形されている。
内向きフランジ19は、カラー12の外周面12aに沿って外周面12aに重なり合うことができる曲面19aを有する。内向きフランジ19の端面19bには、カラー12の外周面12aと重ね隅肉溶接されることによる重ね隅肉溶接部が形成される。
内向きフランジ19は、縦壁15a,15b、稜線14a,14bおよび天板13にかけて連続して形成されるが、必ずしも連続する必要はない。しかし、連続して形成されることにより、接合長を十分確保できることに加えて、本体18とカラー12との接合部の剛性を向上させることが可能になるので、重ね隅肉溶接部における疲労強度をよりいっそう向上することができる。
図1,2に示すように、本発明では、図9を参照しながら上述した従来の突合せ隅肉溶接による継手構造に替えて、ロアーアーム10の本体11,18におけるカラー取付け部11a,18aに外向きフランジ16,内向きフランジ19を形成し、これらのフランジ16,19を介してカラー12との重ね隅肉溶接による継手構造とすることにより、車両の走行時の振動によって入力される応力レベルを、従来よりも大幅に低下させることができ、これにより、ロアーアーム10の本体11,18とカラー12との溶接部の疲労強度を、従来よりも大幅に向上することができる。
また、本発明によれば、外向きフランジ16,内向きフランジ19の曲面16a,19aと、カラー12の外周面12aとが重ね合わされて面接触するため、カラー12の取付け精度が容易に確保される。このため、従来の外形ライン2b,7bに要求された高い寸法精度が緩和される。このため、製造工程数や製造コストを増大させることなく、本体11,18のカラー取付け部11a,18aにカラー12を高い寸法精度で取付けることが可能になるのでロアーアーム10の量産時における製造バラツキの影響を低減でき、量産されるロアーアーム10の本体11,18とカラー12との溶接部の疲労強度を向上することができる。
2.ロアーアーム10の本体11,18の製造法
ロアーアーム10の本体11,18の製造(プレス成形)、すなわち本体11のフランジアップ成形,本体18のフランジダウン成形は、特定の製造法に限定されるものではなく、如何なる製造法を用いてもよい。製造コスト等の観点から好適な製造法を簡単に説明する。
(1)本体11のプレス成形法
図3は、第一工程〜第三工程を経る本体11の製造法を経時的に示す説明図である。
図4(a)は第一工程で用いるダイおよびパンチを示す説明図、図4(b)は第一工程での成形を示す説明図である。図5(a)は第二工程で用いるカム構造を有するダイ、およびパンチを示す説明図、図5(b)は第二工程での成形を示す説明図である。図6(a)は第三工程で用いる上型およびパンチを示す説明図、図6(b)は第三工程での成形を示す説明図である。
[第一工程]
図3および図4(b)に示すブランク20に、図4(a)に示す内面形状を有するダイ21と、図4(a)に示す外面形状を有するパンチ22とを用いてプレス成形(フランジ予成形)を行うことにより、図3および図4(b)に示すフランジ予成形品23を製造する。
[第二工程]
図3および図5(b)に示すフランジ予成形品23に、図5(a)に示す内面形状を有するとともに矢印方向へ旋回自在に構成されたカム構造を有するダイ24と、図5(a)に示す外面形状を有するパンチ25とを用いてプレス成形(寄せ曲げ成形)を行うことにより、図3および図5(b)に示す寄せ曲げ成形品26を製造する。
[第三工程]
図3および図6(b)に示す寄せ曲げ成形品26に、図6(a)に示す外面形状を有する上型27と、図6(a)に示す外面形状を有するパンチ28とを用いてプレス成形(カラー取付け部決め押し成形)を行うことにより、図3および図6(b)に示す本体11を製造する。
(2)本体18のプレス成形法
図2(c)は、本発明に係るロアーアーム10の本体の変形例18の成形素材18bを示す説明図である。
本体18の成形素材として、一の方向(図2(c)における両矢印方向)に延びて存在する稜線18b−1,18b−1と、この稜線18b−1,18b−1の湾曲方向の両側に稜線とそれぞれ連続する天板18b−2および縦壁18b−3,18b−3とを有する断面形状の被加工材18bを用いる。この被加工材18bを断面内側から支持し、稜線18b−1,18b−1の一の方向の端部の一部を板厚方向に押圧してこの一部を断面内方向に折り曲げる曲げ成形(フランジダウン成形)を行うとともに、この一部を除く稜線18b−1,18b−1の長手方向の他の部分と、天板18b−2と縦壁18b−3,18b−3のそれぞれの長手方向の端部のそれぞれを板厚方向に対して交差する方向へ、この他の部分と天板18b−2と縦壁18b−3,18b−3のそれぞれの端部を押圧して、他の部分と天板18b−2と縦壁18b−3,18b−3のそれぞれの端部にフランジダウン成形を行うことにより、稜線18b−1,18b−1の長手方向の最端部に断面内向きに形成した稜線フランジと、天板18b−2,縦壁18b−3,18b−3の長手方向の最端部にそれぞれ断面内向きに形成した天板フランジ、縦壁フランジとが連続した内向きフランジを備える本体18を製造することができる。
これにより、曲げ成形に伴う縮みフランジに起因する稜線フランジの板厚の増加を抑制でき、その結果、稜線フランジのしわの発生を効果的に抑制することができる。この方法により、稜線フランジの板厚の増加が抑制されるが、これは、稜線フランジの変形状態を縮みフランジ変形場(ひずみ比β(ε2/ε1)<−1:増肉)からせん断変形場(ひずみ比β(ε2/ε1)≒−1:板厚変化なし)に変形要素を変化させたためであると考えられる。
この曲げ成形には、被加工材の長手方向の端部を除く領域を固定して支持する被加工材固定工具と、被加工材に対して被加工材固定工具とは反対側に可動可能な曲げ刃工具とを備える曲げ成形装置を用いる。この曲げ刃工具は、被加工材の稜線部の長手方向の端部の一の部分をその板厚方向に押圧することが可能な突起部を有する。突起部によって被加工材の稜線部の長手方向の端部の一の部分をその板厚方向に押圧することにより、先行して板厚方向に押圧される突起部とその他領域とで変形速度差を生じるため、よりせん断変形場の要素を高めることができる。
稜線の長手方向の端部の一の部分は、稜線の湾曲部における周方向への中央を中心としてその両側に略板厚の幅を有する領域内とすることが望ましく、一の部分は、稜線の湾曲方向の略中央とすることがさらに望ましい。
10 ロアーアーム
11 本体
11a カラー取付け部
12 カラー
12a 外周面
13 天板
14a,14b 稜線
15a,15b 縦壁
16 外向きフランジ
16a 曲面
16b 端面

Claims (11)

  1. 天板、該天板に連続する二つの稜線および該二つの稜線にそれぞれ連続する二つの縦壁により構成される略溝型の開口部を有する金属製の第1の部材と、外面の少なくとも一部に凸曲面を有するとともに前記第1の部材の前記開口部にアーク溶接またはレーザ溶接される金属製の第2の部材とを備える自動車用部材において、
    前記第1の部材の前記開口部にフランジを有し、該フランジの端面は、前記第2の部材の前記凸曲面に沿って該凸曲面に重なり合うことができる曲面を有し、
    該フランジの端面は、前記第2の部材の前記凸曲面と重ね隅肉溶接されること
    を特徴とする自動車用部材。
  2. サスペンション系部材である請求項1に記載された自動車用部材。
  3. 前記第1の部材は、前記開口部をカラー取付け部として所定の位置に有するサスペンションアーム本体であり、前記第2の部材は、前記カラー取付け部に重ね隅肉溶接されるカラーである請求項2に記載された自動車用部材。
  4. 前記フランジは、前記縦壁、前記稜線および前記天板にかけて連続して形成される請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された自動車用部材。
  5. 前記フランジは、前記開口部の外側へ向かう外向きフランジ、または前記開口部の内側へ向かう内向きフランジである請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された自動車用部材。
  6. 前記外向きフランジの幅は2mm以上20mm以下である請求項4に記載された自動車用部材。
  7. 前記縦壁、前記稜線または前記天板に連続する部分における前記外向きフランジの曲率半径は10mm以上100mm以下である請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載された自動車用部材。
  8. 前記第1の部材は、引張強度が590MPa以上の高張力鋼板のプレス成形品である請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された自動車用部材。
  9. サスペンションアームである請求項2から請求項8までのいずれか1項に記載された自動車用部材。
  10. サスペンションアームは、ロアーアームまたはアッパーアームである請求項9に記載された自動車用部材。
  11. 自動車のサブフレームを構成するクロスメンバーである請求項2または請求項4から請求項8までのいずれか1項に記載された自動車用部材。
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