JP2016055655A - 予備タイヤ保持装置における自転規制安全ピン - Google Patents

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Abstract

【課題】 予備タイヤ保持装置において、自転規制安全ピンは、自転規制による磨耗で破損強度が低下せず、かつ、能率よく製作できるようにする。【解決手段】 予備タイヤを吊り索8で巻き上げる巻上装置1は、ケース2内に主軸3の回転で吊り索の巻上胴6を減速回転する遊星歯車機構を設けた。遊星歯車機構は、遊星歯車10と一体の自転規制板11がケース2の壁19に固定した自転規制安全ピン15に当たって遊星歯車10の自転を規制する構成にした。ケースの壁19は、ピン孔20を開けた。自転規制安全ピン15は、一端側を小径の固定部17にし、ピン孔20に嵌合してケースの壁19に固定し、他端側を大径の突出部16にし、ケース2内に突出して自転規制板11が当たって自転規制板11で擦られる位置に配置した。中間位置に小径部、周溝を設けなかった。小径の固定部17は、ピン孔20内端位置、壁19内面位置18を無摩擦の破損強度決定部にした。【選択図】 図1

Description

本発明は、予備タイヤを吊り索で巻き上げて自動車に保持する装置において、巻上装置に備えた遊星歯車機構の遊星歯車の自転を規制し、かつ、吊り索の切断を防止するピンに関する。
[自転規制ピン、安全ピン]
予備タイヤ保持装置は、特許文献1に開示されているように、予備タイヤを吊り索で巻き上げる巻上装置を備えている。巻上装置は、ケースの前後の壁に主軸を貫通して軸受している。主軸には、巻上胴を回転可能に嵌合している。巻上胴には、吊り索を巻き付けている。主軸の回転で巻上胴を減速回転する遊星歯車機構を備えている。
遊星歯車機構は、巻上胴の側面に太陽歯車の内歯歯車を同心状に設けている。主軸には、偏心カムを設けている。偏心カムには、遊星歯車の外歯歯車を回転可能に嵌合している。内歯歯車と外歯歯車は、偏心して並列し、内外に噛み合わせている。外歯歯車は、側面に自転規制板を並列して固定している。ケースは、片側の壁に自転規制ピンを自転規制板の回転中心軸と並列して固定している。自転規制ピンは、片持ち梁にし、ケースの壁に固定する固定部と、ケース内に突出する突出部からなる。主軸の回転時には、自転規制板が自転規制ピンの突出部に当たって外歯歯車の自転が規制される。一体の自転規制板と外歯歯車が公転し、一体の内歯歯車と巻上胴が減速回転する。遊星歯車機構は、減速比が大きい。
吊り索を引き出す力が加わると、自転規制板が自転規制ピンの突出部に当たって巻上胴の逆転、吊り索の繰り出しを止める。自転規制ピンは、突出部に自転規制板から横荷重を受け、吊り索に加わる力が通常使用時より大きいと破損する。自転規制ピンは、突出部の径、強度を予め設定して、安全ピンにしている。この自転規制安全ピンは、突出部が固定部から切り離されると、巻上胴が逆転し、吊り索が繰り出される。吊り索は、切断が防止される。
[自転規制安全ピンの摩耗]
自転規制安全ピンは、突出部の周面が主軸の回転時に公転中の自転規制板で擦られる。公転中の遊星歯車の自転を規制することによって磨耗する。主軸の正転と逆転が繰り返されると、突出部が遊星歯車の自転規制による磨耗で細くなり、強度が低下する。すると、吊り索に加わる力が予め設定した値より小さいときに、突出部が切り離されることになる。予期せぬ時に、巻上胴が逆転して吊り索が繰り出される。予備タイヤが落下して危険である。
自転規制安全ピンの突出部は、固定部側の根元が破損位置であって破損強度を決める破損強度決定部になっている。そこで、特許文献2に開示されているように、突出部は、根元を先端側の部分より細くすることにした。すると、小径の根元部は、自転規制板が接触せず、自転規制板で擦られない。自転規制による磨耗で細くならず、強度が低減しない。即ち、自転規制安全ピンは、突出部の根元部を小径にして無摩擦の破損強度決定部にする。
特許第3078799号公報 特開2012−106621号公報
[課 題]
上記のような自転規制安全ピンは、丸棒であって、固定部と突出部からなる。突出部は、小径の根元部の無摩擦部と大径の先端側の摩擦部からなる。ところが、このような形態のピンは、小径の根元部が存在するため、製作に多くの手間がかかる。
突出部に小径の根元部を設けることは、突出部の根元の周囲に幅の狭い溝を形成することである。自転規制安全ピンは、中間位置、突出部の根元位置に幅狭の周溝を形成することになる。このような形状は、塑性加工の鍛造では成形し難い。自転規制安全ピンは、中間位置に幅狭の周溝、小径部がない形状であると、鍛造で能率よく製作される。
そこで、自転規制安全ピンは、小径の根元部、幅狭の周溝がない形状に鍛造で成形し、その後、幅狭の周溝を切削加工の旋削で成形することになる。すると、製作には、鍛造加工と旋削加工を要する。製作の手間が多い。
また、自転規制安全ピンは、小径の根元部、幅狭の周溝がある形状に旋削で製作することができる。ところが、旋削は、冷間鍛造に比べ、能率が低い。量産には適していない。
結局、自転規制安全ピンは、突出部の摩擦部が自転規制による磨耗で細くなっても予め設定した破損強度が低下せず、かつ、能率よく製作できることが望まれる。旋削加工を要せず、冷間鍛造加工で製作できることが望まれる。
[着 想]
自転規制安全ピンは、一端側を小径にし、ケースの壁に開けたピン孔に嵌合してケースの壁に固定する。小径の固定部にする。他端側は、大径にし、ケース内に突出して自転規制板が当たる位置に配置する。大径の突出部にする。すると、小径の固定部は、自転規制板が接触しない無摩擦部になる。大径の突出部は、自転規制板が接触する摩擦部になる。破損位置は、自転規制によって摩耗する摩擦部の大径突出部ではなく、自転規制によって摩耗しない無摩擦部の小径固定部になる。詳細には、小径固定部のピン孔内端位置、ケースの壁内面位置になる。小径固定部のそのような位置が無摩擦の破損強度決定部になる。
このような形態の自転規制安全ピンは、一端側が小径の固定部で、他端側が大径の突出部である。中間位置には、幅狭の周溝がない。このような形状のピンは、素材の炭素鋼棒の冷間鍛造加工で能率よく製作することができる。旋削加工を要しない。量産に適している。
好ましい実施形態では、自転規制安全ピンは、小径の固定部と大径の突出部を同心状にしてそれぞれ均等径にする。2段径にする。2段径のピンは、炭素鋼のような素材の丸棒を冷間鍛造して製作する。製作し易い。量産の能率が高い。
ケースの壁のピン孔は、ケースの壁の素材の板、例えば炭素鋼板にポンチを貫通させてプレス加工の穴あけで製作する。製作し易い。量産の能率が高い。
自転規制安全ピンをケースの壁に固定するに当たり、自転規制安全ピンは、固定部をケース内からケースの壁のピン孔に貫通し、端をケースの壁の外側に突出する。そして、その突出端をケースの壁の外面に溶接で固定する。
1.予備タイヤを吊り索で巻き上げる巻上装置を備えた予備タイヤ保持装置において、
巻上装置は、ケースの壁に主軸を軸受し、主軸に巻上胴を回転可能に嵌合し、巻上胴に吊り索を巻き付け、主軸の回転で巻上胴を減速回転する遊星歯車機構を設け、
遊星歯車機構は、巻上胴の側面に太陽歯車の内歯歯車を同心状に設け、主軸に偏心カムを設け、偏心カムに遊星歯車の外歯歯車を回転可能に嵌合し、内歯歯車と外歯歯車を偏心して内外に噛み合わせ、外歯歯車の側面に自転規制板を設け、ケースの壁に自転規制安全ピンを固定し、自転規制安全ピンを自転規制板の回転中心軸と並列して片持ち梁状にし、主軸の回転時に、自転規制板が自転規制安全ピンに当たって外歯歯車の自転が規制され、一体の自転規制板と外歯歯車が公転し、一体の内歯歯車と巻上胴が減速回転する構成にし、吊り索を引き出す力が加わると、自転規制板が自転規制安全ピンに当たって巻上胴の逆転、吊り索の繰り出しを止める構成にし、
自転規制安全ピンは、吊り索に加わる巻き戻し力が通常の使用時より大きいと破損する強度に設定し、自転規制安全ピンが破損すると、巻上胴が逆転して吊り索が巻き戻され、吊り索の切断が防止される構成にしており、
ケースの壁は、ピン孔を開け、
自転規制安全ピンは、一端側を固定部にし、ケースの壁のピン孔に嵌合してケースの壁に固定し、他端側を突出部にし、ケース内に突出して自転規制板が当たって自転規制板で擦られる位置に配置しており、
自転規制安全ピンは、一端側の固定部を小径に、他端側の突出部を大径にし、中間位置に小径部、周溝を設けず、
小径の固定部は、ピン孔内端位置、ケースの壁内面位置を無摩擦の破損強度決定部にしたことを特徴とする予備タイヤ保持装置における自転規制安全ピン。
2.上記1の予備タイヤ保持装置における自転規制安全ピンにおいて、
自転規制安全ピンは、小径の固定部と大径の突出部を同心状にしてそれぞれ均等径にし、2段径にしたことを特徴とする。
3.上記1又は2の予備タイヤ保持装置における自転規制安全ピンにおいて、
自転規制安全ピンは、素材の丸棒を冷間鍛造して製作したことを特徴とする。
4.上記1、2又は3の予備タイヤ保持装置における自転規制安全ピンにおいて、
ケースの壁のピン孔は、ケースの壁の素材の板にポンチを貫通させてプレス加工の穴あけで製作したことを特徴とする。
5.上記1〜4のいずれかの予備タイヤ保持装置における自転規制安全ピンにおいて、
自転規制安全ピンの固定部は、ケース内からケースの壁のピン孔に貫通し、端をケースの壁の外側に突出し、その突出端をケースの壁の外面に溶接で固定したことを特徴とする。
自転規制安全ピンは、一端側を小径の固定部に、他端側を大径の突出部にした。中間位置に小径部、周溝がない。冷間鍛造で能率よく製作することができる。
また、自転規制安全ピンは、小径の固定部のピン孔内端位置、ケースの壁内面位置を無摩擦の破損強度決定部にした。大径の突出部が自転規制による磨耗で細くなっても予め設定した破損強度が低下しない。
本発明の実施形態の第1例における自転規制安全ピンを備えた予備タイヤ保持装置の左側面図であって、巻上装置を図2のA−Aで切断した図。 同予備タイヤ保持装置の正面図であって、巻上装置を図1のB−B線で切断した図。 図1中の自転規制安全ピン部分の拡大図。 同自転規制安全ピンの突出部が固定部から切り離された状態を示す図であって、図3と同様な図。 同自転規制安全ピンの固定部をケースの前側壁のピン孔に差し込む状態を示す図であって、図3と同様な図。 同自転規制安全ピンの斜視図。 同自転規制安全ピンの製作工程を示す図。 実施形態の第2例における予備タイヤ保持装置の自転規制安全ピン部分の図であって、図3と同様な図。 同自転規制安全ピンの突出部が固定部から切り離された状態を示す図であって、図3と同様な図。
[第1例(図1〜図7参照)]
本例の自転規制安全ピンを備えた予備タイヤ保持装置は、図1と図2に示すように、予備タイヤを載せるタイヤ載架具31と、タイヤ載架具31を吊り索8で巻き上げる巻上装置1を備えている。
巻上装置1は、門形縦断面形状のケース2を設けている。ケース2は、前側壁19と後側壁に円形断面の主軸3を前後方向に貫通して軸受している。主軸3は、前端部を大径の同心状の口金4に形成している。口金4は、後端部をケース2の前側壁19に貫通して軸受し、前端側の大部分をケース2の前側に突出している。主軸3の後端は、ケース2の後側に突出し、その突出端に抜け止めピン5を取り付けている。主軸3を回転するときは、口金4に、図示しない回転工具を連結し、回転工具を回転する。
主軸3は、ケース2内の部分にチェーンホイールの巻上胴6を同心状に回転可能に嵌合している。巻上胴6は、外周のチェーン溝にチェーンの吊り索8を掛けて巻き付けている。吊り索8は、右端をケース2に連結している。吊り索8の左端は、ケース2の下に垂れ下げ、下端にタイヤ載架具31の中央位置を連結している。
巻上装置1は、減速比の大きな遊星歯車機構を備えている。遊星歯車機構は、図1と図2に示すように、巻上胴6の前側面に太陽歯車の内歯歯車7を一体に同心状に形成している。主軸3は、巻上胴6の嵌合部分と口金4との間の部分を円形断面の偏心カム9に形成している。偏心カム9は、中心軸を主軸3の中心軸と並列して主軸3の中心軸から少し離している。偏心カム9の径は、主軸3の巻上胴6嵌合部分より大径で口金4より小径にしている。偏心カム9には、遊星歯車の外歯歯車10を同心状に回転可能に嵌合している。外歯歯車10は、内歯歯車7より歯数を少なくしている。内歯歯車7と外歯歯車10は、偏心して並列し、内外に噛み合わせている。
偏心カム9には、自転規制板11を回転可能に嵌合している。自転規制板11は、外歯歯車10の前側面に固定し、外歯歯車10と並列して一体にしている。この自転規制板11は、内歯歯車7の歯元円より大径にし、内歯歯車7とケース2の前側壁19との間に配置している。自転規制板11は、上右端の先端に溝12を形成している。溝12は、自転規制板11の先端周面から偏心カム9の中心に向かう方向に延ばし、均等幅にしている。自転規制板11の先端は、溝12の左上側と右下側を左側突出部13と右側突出部14にし、二股状にしている。
ケース2は、図1〜図3に示すように、前側壁19に円形断面の自転規制安全ピン15を前後方向に貫通して固定している。自転規制安全ピン15は、一端側を小径の固定部17にしてケース2の前側壁19に固定している。他端側を大径の突出部16にしてケース2内に突出している。自転規制安全ピン15の中心軸と自転規制板11の回転中心軸は、並列している。突出部16は、自転規制板11の溝12の幅より若干小径にし、溝12に挿入している。自転規制板11が図2において時計回りに回転、正転すると、溝12の左側面、左側突出部13が突出部16の周面に当たる。逆に、自転規制板11が反時計回りに回転、逆転すると、溝12の右側面、右側突出部14が突出ピン部16の周面に当たる。
自転規制安全ピン15の突出部16には、自転規制板11の溝12の左側面又は右側面、左側突出部13又は右側突出部14が当たって、自転規制板11と外歯歯車10の自転が規制される。主軸3の正転時にも、逆転時にも、自転規制板11と外歯歯車10が自転を規制されつつ内歯歯車7の中心軸の周りに公転し、内歯歯車7と巻上胴6が減速回転する。自転規制板11は、自転を規制されつつ公転する際、溝12の左側面又は右側面、左側突出部13又は右側突出部14が突出部16の周面を擦る。突出部16は、周面が自転規制板11と摩擦する。
予備タイヤ保持装置は、吊り索の切断防止機構を備えている。吊り索8の左端に下向きの繰り出し力が加わると、自転規制安全ピン15の突出部16に自転規制板11の溝12の右側面、右側突出部14が当たって巻上胴6の逆転、吊り索8の繰り出しを止める。自転規制安全ピン15は、突出部16にその径方向に自転規制板11から力を受ける。すると、小径の固定部17は、突出部16側の端18、ケース2の前側壁19内面位置18に大きな曲げモーメントとせん断力が作用する。自転規制安全ピン15は、吊り索8に加わる繰り出し力が通常使用時より大きいと、図4に示すように、固定部17の突出部16側の端18、ケース2の前側壁19内面位置18が破損する。突出部16が固定部17から切り離されると、巻上胴6が1回転以上逆転可能になる。巻上胴6は逆転し、吊り索8が繰り出される。吊り索8は、切断が防止される。
自転規制安全ピン15は、破損位置が、大径の突出部16ではなく、小径の固定部17になる。小径の固定部17の突出部16側の端18、ケース2の前側壁19内面位置18になる。固定部17の突出部側の端18、ケース2の前側壁19内面位置18は、太さ、強度を予め設定して、破損強度決定部にしている。この破損強度決定部は、自転規制板11で擦られることがなく、磨耗で細くならない。無摩擦部になっている。無摩擦の破損強度決定部18は、予め設定した破損強度が自転規制による磨耗で低下しない。予期せぬ時に、破損しない。
ケース2は、天板に取付け用のボルト孔21を左右位置に設けている。
タイヤ載架具31は、図1と図2に示すように、予備タイヤを載せる載架板32の中央部に吊り片33を取り付けている。吊り片33は、上端に巻上装置1の吊り索8の垂下した左端を連結している。
巻上装置1は、主軸3を正転すると、巻上胴6が主軸3と同じ方向に減速回転する。吊り索8の左端とタイヤ載架具31が上昇し、タイヤ載架具31に載せた予備タイヤが巻き上げられる。すると、吊り索8の左端には、タイヤ載架具31やその上の予備タイヤの自重などによって下向きの繰り出し力が作用する。一体の巻上胴6と内歯歯車7には、逆転モーメントが作用する。自転規制板11は、右側突出部14が自転規制安全ピン15に当たる。この状態では、巻上胴6と内歯歯車7は、主軸3を逆転しない限り、また、自転規制安全ピン15が破損しない限り、逆転しない。主軸3を逆転すると、巻上胴6が逆転し、吊り索8が繰り出されて、タイヤ載架具31とその上の予備タイヤが下降する。
巻上装置1は、ケース2のボルト孔21を利用して、自動車の車体下に取り付ける。タイヤ載架具31に載せた予備タイヤは、巻き上げて車体の下側に保持する。自動車の衝突などにより、タイヤ載架具31とその上の予備タイヤに大きな力が加わって、吊り索8に作用している繰り出し力が通常の使用時より大きい設定値以上になると、自転規制安全ピン15が固定部17の突出部側の端18、ケース2の前側壁19内面位置18で破損する。すると、巻上胴6が逆転する。吊り索8が繰り出される。吊り索8は、切断が防止される。
炭素鋼製の自転規制安全ピン15は、炭素鋼製のケース2の前側壁19に固定する際、図5(1)(2)に示すように、ケース2内から固定部17を、前側壁19に開けた円孔のピン孔20に貫通し、固定部17の端を前側壁19の前側、外側に突出する。そして、固定部17は、図3に示すように、ケース2外の突出端部の周面を前側壁19の外面に溶接で固定する。突出端部の周面と前側壁19の外面との間の入隅部は、突出端部の全周にわたって溶接金属22で埋める。隅肉溶接を行う。
自転規制安全ピン15は、図6に示すように、小径の固定部17と大径の突出部16を同心状にしてそれぞれ均等径にしている。中間位置に小径部、周溝がない。2段径にしている。
このような形状の自転規制安全ピン15は、素材の炭素鋼の丸棒を冷間鍛造して製作する。図7(1)〜(4)に製作の第1〜第4の工程を示す。炭素鋼の丸棒材を切断して所定長さの素材sを用意する。丸棒の素材sは、先ず、固定部17になる一端側を荒成形して径を縮小する。次に、中間加工品tは、荒成形した一端側を仕上げ成形して固定部17の所定径にする。また、中間加工品uは、突出部16になる他端側を荒成形して径を拡大する。最後に、荒成形した他端側を仕上げ成形して突出部16の所定径にする。
自転規制安全ピン15は、大径の突出部16と小径の固定部17の境の入隅部に隅肉23が形成される。
一方、ケース2において、前側壁19のピン孔20は、ポンチを用いてプレス加工で製作する。素材の炭素鋼板にポンチを貫通させる。プレスの孔開け加工を行う。そして、その炭素鋼板は、ポンチ進入側の面をケース2の前側壁19の内面にする。すると、ピン孔20は、図5(1)に示すように、ケース2内側の端、内端に、ポンチ進入によるだれ24が形成される。
自転規制安全ピン15は、図5(1)に示すように、固定部17をケース2内からピン孔20に貫通すると、図5(2)に示すように、隅肉23がピン孔20内端のだれ24に嵌り込む。突出部16は、固定部17側の端面がケース2の前側壁19の内面に接触して重なる。
自転規制安全ピン15の冷間鍛造加工とピン孔20のポンチプレス加工は、量産の能率が高い。
[第2例(図8、図9参照)]
本例は、第1例とは、自転規制安全ピン15をケース2の前側壁19に固定する仕方、構造を変更している。
自転規制安全ピン15において、図8に示すように、突出部16は、固定部17側の端面をケース2の前側壁19の内面から離隔している。
一方、ケース2において、図8に示すように、ピン孔20は、ポンチ進入によるだれ24を外端、ケースの前側壁19の外面に配置している。だれ24と固定部17の間の空間は、溶接金属22で埋めている。
自転規制安全ピン15は、吊り索8の繰り出し力が設定値以上になると、図9に示すように、固定部17の突出部16側の端18、ケース2の前側壁19内面位置18、ピン孔20内端位置18が破損し、突出部16が固定部17から切り離される。
その他の点は、第1例におけるのと同様である。第1例におけるのと同様な部分には、図中、第1例におけるのと同一の符号を付ける。
[変形例]
本発明は、上記の実施形態に限定されない。次のような変形が例示される。
1.上記の実施形態において、吊り索8と巻上胴6は、チェーン8とチェーンホイール6にしているが、ワイヤロープとワイヤロープの巻取りドラムにする。
2.上記の実施形態において、ケース2と自転規制安全ピン15は、素材を炭素鋼にしているが、その他の鋼又は非鉄金属にする。
1 巻上装置
2 ケース
3 主軸
4 口金
5 抜け止めピン
6 チェーンホイール、巻上胴
7 内歯歯車、遊星歯車機構の太陽歯車
8 チェーン、吊り索
9 偏心カム
10 外歯歯車、遊星歯車機構の遊星歯車
11 自転規制板
12 自転規制板の溝
13 自転規制板の左側突出部
14 自転規制板の右側突出部
15 自転規制安全ピン、自転規制ピン、安全ピン
16 自転規制安全ピンの突出部
17 自転規制安全ピンの固定部
18 固定部の突出部側の端、ケースの前側壁内面位置、ピン孔内端位置、破損強度決定部、無摩擦の破損強度決定部
19 ケースの前側壁
20 ピン孔
21 ボルト孔
22 溶接金属
23 自転規制安全ピンの隅肉
24 ピン孔のポンチ進入によるだれ
31 タイヤ載架具
32 載架板
33 吊り片
s 素材、炭素鋼の丸棒
t 中間加工品
u 中間加工品

Claims (5)

  1. 予備タイヤを吊り索で巻き上げる巻上装置を備えた予備タイヤ保持装置において、
    巻上装置は、ケースの壁に主軸を軸受し、主軸に巻上胴を回転可能に嵌合し、巻上胴に吊り索を巻き付け、主軸の回転で巻上胴を減速回転する遊星歯車機構を設け、
    遊星歯車機構は、巻上胴の側面に太陽歯車の内歯歯車を同心状に設け、主軸に偏心カムを設け、偏心カムに遊星歯車の外歯歯車を回転可能に嵌合し、内歯歯車と外歯歯車を偏心して内外に噛み合わせ、外歯歯車の側面に自転規制板を設け、ケースの壁に自転規制安全ピンを固定し、自転規制安全ピンを自転規制板の回転中心軸と並列して片持ち梁状にし、主軸の回転時に、自転規制板が自転規制安全ピンに当たって外歯歯車の自転が規制され、一体の自転規制板と外歯歯車が公転し、一体の内歯歯車と巻上胴が減速回転する構成にし、吊り索を引き出す力が加わると、自転規制板が自転規制安全ピンに当たって巻上胴の逆転、吊り索の繰り出しを止める構成にし、
    自転規制安全ピンは、吊り索に加わる巻き戻し力が通常の使用時より大きいと破損する強度に設定し、自転規制安全ピンが破損すると、巻上胴が逆転して吊り索が巻き戻され、吊り索の切断が防止される構成にしており、
    ケースの壁は、ピン孔を開け、
    自転規制安全ピンは、一端側を固定部にし、ケースの壁のピン孔に嵌合してケースの壁に固定し、他端側を突出部にし、ケース内に突出して自転規制板が当たって自転規制板で擦られる位置に配置しており、
    自転規制安全ピンは、一端側の固定部を小径に、他端側の突出部を大径にし、中間位置に小径部、周溝を設けず、
    小径の固定部は、ピン孔内端位置、ケースの壁内面位置を無摩擦の破損強度決定部にしたことを特徴とする予備タイヤ保持装置における自転規制安全ピン。
  2. 自転規制安全ピンは、小径の固定部と大径の突出部を同心状にしてそれぞれ均等径にし、2段径にしたことを特徴とする請求項1に記載の予備タイヤ保持装置における自転規制安全ピン。
  3. 自転規制安全ピンは、素材の丸棒を冷間鍛造して製作したことを特徴とする請求項1又は2に記載の予備タイヤ保持装置における自転規制安全ピン。
  4. ケースの壁のピン孔は、ケースの壁の素材の板にポンチを貫通させてプレス加工の穴あけで製作したことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の予備タイヤ保持装置における自転規制安全ピン。
  5. 自転規制安全ピンの固定部は、ケース内からケースの壁のピン孔に貫通し、端をケースの壁の外側に突出し、その突出端をケースの壁の外面に溶接で固定したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の予備タイヤ保持装置における自転規制安全ピン。
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