JP2016055278A - 共結晶を分割する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】共結晶の分割は、一般的に、撹拌槽での回分方式、または、多数の連結した撹拌槽による連続回分式にて行おうとする場合の非常に煩雑で、定常的に正確に行うは難しい操作を回避した連続的に行う共結晶の分割方法及びその分割装置の提供。
【解決手段】共結晶の分割を、選択した溶媒を用い、カラム(塔型装置)方式で、内部に連続した、ある接触長さにわたって、結晶と母液を向流接触させる事により、この単位操作を行えるようにする方法。つまり、共結晶分割カラム(塔型装置)を用いて、共結晶を分割し、構成成分の一つである目的成分の結晶を、連続的に高純度で得ることができる共結晶の分割方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、共結晶(コクリスタル)、または、分子付加体結晶(アダクト結晶)を分割し、その構成成分である高機能化学品成分、または、活性医薬品成分(APIとも呼ばれる)を単一成分とする結晶に変換した製品として製造する化学プロセス、または、医薬プロセスに関するものである。
共結晶化の技術、および、その工程は、高機能性化学品や活性医薬品の製造時に応用されている。それは、共結晶化することにより、元の化学品、医薬品の機能、効能を要求にそって上げることができるからである。
共結晶という事象は、比較的新しい言葉であり、その定義は、異なる二つ以上の混合化学成分が、共有結合などの強い結合とは異なり、水素結合などの非常に弱い結合により、分子が合体して結晶をなしたものとされる。この結晶は、決まった一つの化学量論比になっており、決まった一つの結晶格子を構成しているものである。従って、分子付加体結晶(アダクト結晶)や、非常に弱い電離による塩の結晶をも含むとされる。ここでは、これらを含んで“共結晶(コクリスタル)”と呼ぶ。この定義に対する議論は、例えば、非特許文献1に示される。
この共結晶化技術の利用には、大きく二つの局面がある。
一つは、薬理活性医薬品(API)の製造において、共結晶形成剤(コフォーマーと呼ばれる)を付加して、共結晶体とした製品が元の単一成分の結晶製品に比べて、高い効能や、薬理活性を示す事がある場合に応用される。例えば、共結晶体とすることにより、体内でその活性医薬品の溶解度を上げたり、溶解速度を上げたりして、生体への有効な受容能(バイオアベイラビリティ)を上げる機能を示す事がある。これは、医薬品の製造において、高い効能や、高い生理活性を発現させるために、逆に、医薬品の体液内での溶解度を著しく下げたり、溶解速度を遅くしたりしている為に、薬理活性の有効な受容能(バイオアベイラビリティ)を下げる事になっていることに対する、有効な一つの改善方法である。
第二の局面は、
高機能化学品や、活性医薬品の製造においては、その分子量が大きくなって、分子構造が複雑になって来ている。これらの製造工程においては、複雑な分子構造や多くの官能基のために、合成反応液から、または、醗酵ブロスなどから、目的成分を分離精製のために結晶化させたとき、非常に細かな結晶粒径の製品しか得られなかったり、結晶形が非常に細長い針状となったり、樹枝状となったりして、晶析工程とそれに続く結晶の分離や精製工程において、非常な困難を伴う事となっている。例えば、醗酵原料からの製品の分離精製のように、醗酵ブロス内には高分子の蛋白質、糖類、ガム質などが含まれ、液の粘度が高くなっている為、晶析法による分離精製工程で非常な困難を伴うことになる。これらに対する改良技術として、反応後すぐの目的成分を、共結晶構成剤(コフォーマー)とともに共結晶化して分離精製する方法が有効となっている。共結晶化する事により、結晶化の晶癖を著しく改善し、結晶面(ファセット)を持つ比較的大きな粒径の塊状の結晶を得ることができるようになる。この事により、続く分離精製工程が著しく容易になると共に、高純度の共結晶が得られるようになる。この場合、得られた共結晶を分割し、目的成分を単一成分とする結晶に変換して最終製品とする必要がある。この例に限るものではないが、本発明の分割と変換方法は、このような工程で用いられる。
現在使われている代表的な共結晶形成物質は、コハク酸、グルタル酸に代表されるジカルボン酸、光学異性体が存在するマンデル酸、酒石酸も重要である。他にも、ヒドロキシベンズアミドやニコチンアミドに代表されるアミド類、ピリジン環をもつピリジン類、カフェイン、テオフィリン、サッカリンなどがある。また、用いる溶媒の選択範囲は、ほとんどすべての有機溶媒に広がっている。また、水は、多くの場合、共結晶を発現しない共晶系を構成するために非常に、ここでは重要な溶媒である。
プロセスプラント内において、共結晶の分割を行う場合、代表的には、撹拌槽を用いた回分方式で行われる。これは選択した溶媒で、実質的に純品である溶媒を、または、精製した回収溶媒を、あるいは、純品の溶媒の混合溶媒を、または、精製した回収混合溶媒を、撹拌槽中に仕込み、共結晶を供給して分割する方法である。この溶媒(以下、混合溶媒をも含むものとする)は、共結晶を徐々に溶解し、単一成分の結晶に変換すること、そして、共結晶構成剤は溶解されて母液となって存在するようにできる溶媒である。このような適切な種類の溶媒を選択することが必要である。
溶媒を選択するには、次のような機能を示すかで選択される。このシステムに関わる物質は、共結晶(これは目的成分と共結晶構成剤とを含んでいる)と、前段の共結晶化工程からのある量の溶媒と不純物と、選択した溶媒(前段の共結晶化工程で使われた同じ溶媒でも可能な場合がある)である。つまり、目的成分(1)と、共結晶構成材(2)と、溶媒(3)との、不純物などを除いた、3成分系の操作と作用に集約、簡約化できる。目的成分が2成分以上存在し、従って、4成分系以上の場合もあるが、操作と作用を説明する為に3成分に整理されるものとして説明する。この3成分系における固液平衡関係の平衡相図が物理化学的作用の原理を示し、操作の基本となる。
これらの系では、次の3種類が基本となる。
(1)溶媒に対して共結晶発現部分が調和溶解システム(コングルエントな固液平衡相図をもつ系) (平衡相図を 図 1−1に示す)
(2)溶媒に対して共結晶発現部分が非調和溶解システム(ノンコングルエントな固液平衡相図をもつ系) (平衡相図を 図 1−2に示す)
(3)溶媒に対して共結晶を発現する部分の無い共晶システム(ユーテクテックな固液平衡相図をもつ系) (平衡相図を 図 2に示す)
とがある。さらに、固溶体を含む系や、溶媒和結晶や、水和結晶を含む系があるが、先のように、これらは一つの成分にまとめて簡略化して、上記3成分系において説明できるものとする。

この3種のシステムの中で、共結晶を分割できるのは、その溶媒中で、その共結晶に対して非調和溶解システム(ノンコングルエントな固液平衡相図をもつ系)であるか、共晶システム(ユーテクテックな固液平衡相図をもつ系)である必要がある。
この分割反応は、次のような事象で進んでいくと考えられている。まず、溶媒に、徐々に共結晶が溶解して行く。槽内の溶液が目的成分の見かけの飽和溶解度(この時、共結晶形成剤は、溶解度がもっと大きい)に達すると溶解が一旦止まるが、非調和溶解システム下や共晶システム下では、ここから共結晶の分割、変換反応が進んでゆく。これを、図 3の平衡相図中に、この進行を矢印で示す。この原理は、非調和溶解システムや共晶システムのもとでは、自らが溶解した溶液中においても、物理化学的には、この共結晶は存在し得ない為である。従って、見かけの飽和溶解度線上において、ゆらぎによりわずかな量の共結晶が溶けて、結果、溶液中では過剰になった目的成分が、今度は相図が示すとおりの固相となって再晶析してくる事象と説明される。このように、共結晶自らが溶媒に溶解した溶液内でも、その共結晶が固体相として存在し得ない系があり、これは、非調和溶解システムと呼ばれている。同様に、共晶システムにおいても、平衡上は共結晶が存在し得ない。
こうして分割、変換反応は進んでゆくが、撹拌槽による回分方式の操作の最大の欠点は、分割反応が進むと共に、目的成分は晶析が進み、溶液中には一定の濃度以上には蓄積されないが、分割された共結晶形成剤が母液内にそのまま蓄積し、濃度が増し、目的成分の結晶と共結晶とが存在する共晶点に達すると進行が止まる事である。

この事は、一つの撹拌槽で回分式にて行おうとする場合、一旦分割反応した結晶懸濁液から母液を分離し、新しい溶媒に入れ替える事により更なる分画反応を進める事である。この煩雑な操作を何度か行わなければならない。また、多数の槽を並べて連結し、連続的に行おうとする場合も、同様に、一段反応した結晶懸濁スラリーを槽から次の槽に移す場合に、結晶懸濁スラリーから母液の分離を行い、そこに新しい溶媒を供給してこの反応を進めなければならない。この事により、操作は非常に煩雑となり、安定した運転を妨げる。これに対し、本発明の結晶分割カラムを用いる方法は、カラム内で分割、変換反応が結晶群の移動とともに進行し、母液中に溶解してきた共結晶形成物質を、他端より供給した溶媒により向流置換、洗浄し、他端に押し流してしまう為、この分割、変換反応が連続的に進められる事にある。
分割カラムの内部の構成はいろいろあり、先行技術特許文献の1−2に代表例が示されている。一つは、結晶を比較的密に充填し、これを移動床として他端に向けて移動するもの。この時、結晶群を移動させるには、自然沈降によるもの、ピストンなどの機械的駆動によるもの、または、母液を流す事による流動抵抗により移動させるものなどがある。また、抽出塔のように、カラムの中心軸に撹拌機を設け、多段に構成した区分領域で、結晶を懸濁した撹拌流動状態とし、しかし、結晶と母液を実質的には向流的に移動させて行くものなどがある。また、これらカラムの中には、上下倒置した構成も可能である。
特表2005−509009公表特許公報発明の名称;結晶を母液中の結晶の懸濁液から精製分離する方法 再表2005/033058再公表特許公報発明の名称;高純度テレフタル酸の製造方法 特表2007−507554公表特許公報発明の名称;薬物の共結晶医薬組成物
Gautam R. Desiraju その他 著 "Polymorphs, Salts, and Cocrystals: What’s in a Name?" Crystal Growth & Design, 2012, 12 (5), pp 2147-2152 Shuo Zhang and Ake C. Rasmuson 著 "Thermodynamics and Crystallization of the Theophylline-Glutaric Acid Cocrystal" Crystal Growth & Design, 2013, 13 (3), pp 1153-1161
本発明は、機能化学品や活性医薬品を製造するに当たり、反応液から、または、醗酵ブロスなどからの目的成分の分離精製を、簡潔的にかつ高効率に行い、高純度の最終製品を得る為のものである。そのプロセスは、目的成分の共結晶を晶析する共結晶化工程と、この共結晶を分割して目的成分の結晶を得る分割工程からなる場合に適用される。
本特許の実施によって解決しようとする課題は、一般的には、撹拌槽での回分方式、または、多数の連結した撹拌槽による連続回分式にて共結晶の分割を行おうとする場合に、多数回の懸濁スラリーの濃縮や結晶分離、多数回の溶媒の定量的な供給などを行う必要があり、非常に煩雑で、定常的に正確に行うには難しい操作を必要とされる事にある。これに対し、結晶分割カラムを用いることによって、煩雑で不安定なこれら回分式や連続回分式操作を、完全に連続操作にて行えるようにし、定常的で安定的に、高品質の製品を得られるようにするものである。
化学プロセス設備において、多くの発展を、槽方式から、カラム(塔型装置)方式で、内部に連続した、ある接触長さにわたって向流接触させる事により単位操作を行う事に変更する事により達成してきた。本発明は、目的成分の結晶化と分離精製を高効率で且つ経済的に行うため、共結晶化技術を用い、目的成分を共結晶形成剤と共に共結晶化し、その共結晶を分割して目的成分の結晶を製造する工程で、このカラム方式を採用する事で成し遂げている。
本発明の、共結晶分割カラムを用いる設備は、煩雑で不安定的な回分式や、連続回分式操作を止めて、完全に連続操作にて行えるようにし、簡潔な構成と操作の為、共結晶化という技術を分離精製プロセス内に、比較的容易に持ち込めるようにした。また、大量生産などの場合に、この工程が、連続運転により行えるために、運転管理上や、安全上で非常に有利となる。
図1は、代表的な3成分系溶解度三角相図を示す。図1−1は、その溶媒が共結晶に対し、調和溶解系(コングルエントな固液平衡をもつ系)を示す相図を示した。図1−2は、その溶媒が共結晶に対し、非調和溶解系(ノンコングルエントな固液平衡をもつ系)を示す相図を示した。(実施例1) 図2は、その溶媒が共結晶を発現する領域がなく、共晶系(ユーテクテックな固液平衡をもつ系)を示す相図を示した。 図3は、撹拌槽方式での共結晶の回分式分割操作において、その反応の進行を矢印にて示した。 図4は、本発明の共結晶分割カラムを用いたフローシートを示した。
本発明を実施する装置は、機能性化学製品、または、活性医薬製品を製造する化学プラント内に設置される。それは、共結晶を分割するプロセス設備として、共結晶分割カラム以外にも、多くのポンプや、貯槽、その他、蒸留塔などの化学機器によって構成される。さらに、その目的成分が、共結晶を発現する領域において、非調和溶解性を示す溶媒、または、共結晶を発現しない共晶系を示す適当な溶媒が発見できた場合に実施できる。
実施例として、エタノール溶媒中で、常温付近で、当量比1:1の共結晶を作る、カルバマゼピン(CBZ)−イソニコチンアミド(INC)系を選んだ。カルバマゼピン(CBZ)は向精神薬の原末の一種である。CBZは、窒素を含むピリジン環と、ヒドロキシル基を有し、サッカリンなどの多くの物質と共結晶を作る典型物質とされている。イソニコチンアミド(INC)はアミド類であり、エタノール溶媒中では、CBZに比べて5−8倍の溶解度を持っている。この系は、エタノール溶媒に対して非調和溶解システムとなっている。実験は、内径20mmで長さ700mmのガラス管を用いた。管には、下端に三方栓(三方コック)を付け、上端近くに枝管を設け、液が溢流するようにした。下端三方コックの一方にチューブを繋ぎ、定量供給ポンプによりエタノールを定量に供給できるようにした。
初めに、共結晶を作った、この三成分系では、非調和溶解システムの為、CBZの添加量に比べ2倍当量のINCをエタノール溶媒に添加して溶解し原液を調製した。この原液を、溶媒蒸発法により、共結晶を析出させた。液量が1/4になるまで析出させた時点で、結晶を濾過し、ウェットケーキを得た。分析により、この結晶が、1:1共結晶である事を確認した。この結晶ウェットケーキを500g得るまで行った後、この内の160gを初期充填として、ガラス管に充填し実験を開始した。無水エタノールを、40ml/hrで供給を開始した。このエタノールの還流により、下部に充填された結晶が一部解けたので、ガラス管自体をタッピングして振動を与え、結晶が底部に十分充填しているようにした。また、結晶が溶けた分だけ上端より共結晶ケーキを供給した。管の温度が30℃ぐらいになるように温風により少し加熱した。この還流操作を12時間続けた。約1時間おきに、底部三方コックより液と共にスラリーを抜き出し、結晶を分析した。この結果、実質的に純粋なCBZ結晶を取り出せることを確認した。

第二の実施例は、エタノール溶媒中で、当量比1:1の共結晶を作り、調和溶解システムとなるカルバマゼピン(CBZ)−ニコチンアミド(NCT)系を選んだ。この系は、溶媒を違えた、純水溶媒中では、CBZが、ほとんど溶解しない系となる。これに比べて、ニコチンアミド(NCT)は水によく溶解する、非調和溶解システムとなる。実験装置は、実施例1と同じものを使った。予めエタノール溶媒により1:1の当量比から調製した共結晶ウエットケーキを、160gを管内に充填した後、定量ポンプより、純水を40ml/hrで30℃に調製して供給した。また、第一例と同じように、結晶が十分充填するようにタッピングを開始した。また、結晶が溶けた分だけ上端より共結晶ケーキを供給した。この運転を12時間続けて下端よりサンプルを得た。サンプルの分析により、実質的に純品のカルバマゼピン(CBZ)結晶を得た。
広く化学工業における製造プロセスの中にあって、複雑で煩雑な目的物質の分離精製において、共結晶化のプロセスを用いる事は有益で、重要である。そして、共結晶を分割するにおいて、安定した簡潔的な運転ができるプロセス技術が必要である。多くの固液分離工程が必要な、煩雑で経済的ではない連続回分式操作を、完全に連続操作にて行えるプロセスとし、設備と操作を簡略化し、安定した高品質の製品を製造できる。

Claims (4)

  1. 共結晶(コクリスタル)、または、分子付加体結晶(アダクト結晶)(以下では単に共結晶と記す)を、その構成成分(活性医薬品や高機能化学品と共結晶形成剤(コフォーマー))に分割するに当たり、その共結晶を充填した結晶分割カラム(塔型装置)を用いて、カラム上部より共結晶(分離結晶ケーキの状態でも、濃厚縣濁スラリーの状態でも、粉体結晶でも良い)を供給し、底部より、その共結晶に対してその溶媒が非調和溶解系(ノンコングルエントな溶解系)を示す選択した溶媒、または、構成成分に対して共結晶を作らない共晶系となる選択した溶媒を供給し、カラム内で、連続的に、ある接触長さにわたって向流接触させる事により、共結晶を分割し、塔底部より単成分の結晶となった目的成分を製品結晶として取出し、逆に、液中に溶解した共結晶形成成分と、一部溶解している目的成分を含む母液(混合溶液)を押し出し流れとして、塔頂より溢流させて取り出す事を特徴とする共結晶の分割方法。
  2. 上記請求項1に記す方法により、共結晶を分割カラムにて連続的に分割し、塔頂から取り出した、分割カラムに供給された実質的に全量である共結晶形成剤を含む母液(混合溶液)を、溶媒を分離後、または、溶媒を分離せず、共結晶を製造する前段の共結晶化工程へリサイクルする方法。
  3. 上記請求項1に記す方法により、共結晶を分割カラムにて連続的に分割するに当たり、塔底部に、共結晶の分割と一部溶解により使われた熱を供給するための加熱器を設けること。
  4. 上記請求項1に記す方法により、共結晶を分割カラムにて連続的に分割するに当たり、その共結晶に対して非調和溶解系(ノンコングルエントな溶解系)を示す溶媒を選択し、共結晶化工程で使用すると共に、同じ溶媒を本分割工程でも使用すること。
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