JP2016054254A - 熱電変換素子 - Google Patents

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裕美 湯浅
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Abstract

【課題】フレキシブル性と高い発電効率を兼ね備えた熱電変換素子の提供。【解決手段】基板10と、基板10上に設けられ、磁化が一方向に固定された絶縁性の強磁性層20と、強磁性層20上に設けられた非磁性の金属層30と、を備える熱電変換素子。基板20は、熱伝導率が0.15W/Km以上1.5W/Km以下、ヤング率が0.2Gpa以上7Gpa以下、且つ膜厚が100μm以下の有機系材料からなることを特徴とする。本構成によれば、フレキシブル性と高い発電効率を兼ね備えた熱電変換素子を提供することができる。【選択図】図2

Description

本明細書に記載の実施形態は、熱電変換素子に関する。
スピンゼーベック効果を利用して、熱を電圧に変換する熱電変換素子が知られている。熱電変換素子の一般的な構成としては、基板上に絶縁性の強磁性層及び非磁性の金属層を順に積層した構成が知られている。強磁性層に温度勾配ΔTを付与すると、アップスピン流とダウンスピン流の差であるスピン圧が生じる。これをスピンゼーベック効果という。
強磁性層において発生するスピン圧は、アップスピン流とダウンスピン流の差の流れであり、スピン流Jspinとして与えられる。スピン流Jspinが流れると、逆スピンホール効果によって、スピン流Jspin及び強磁性層の磁化と直交する方向に起電力Eが生じ、電流が流れる。これにより熱電変換による発電が行われる。
従来、熱電変換素子の基板としては、シリコンやガラス等を用いたリジッド型の基板と、ポリイミドを用いたフレキシブル型の基板が知られていた。しかし、リジッド型の基板はフレキシブル性に欠け、ウェアラブルデバイスを始めとする多様な形状の機器への応用が難しいという課題があった。一方、ポリイミド基板は、フレキシブル性という点では問題ないものの、発電効率が低いという課題があった。
特開2009−130070号公報 特開2011−249746号公報 特開2012−109367号公報 特開2012−253178号公報
本明細書に記載された実施形態は、フレキシブル性と高い発電効率を兼ね備えた熱電変換素子を提供することを目的とする。
本明細書に記載の実施形態は、基板と、前記基板上に設けられ、磁化が一方向に固定された絶縁性の強磁性層と、前記強磁性層上に設けられた非磁性の金属層と、を備えた熱電変換素子である。前記基板は、熱伝導率が0.15W/Km以上1.5W/Km以下、ヤング率が0.2Gpa以上7Gpa以下、且つ膜厚が100μm以下の有機系材料からなることを特徴とする。
第1の実施形態に係る熱電変換素子の構成を示すブロック図である。 熱電変換素子の発電効率に関する原理を説明するための模式図である。 熱電変換素子の基板材料を示す表である。 基板材料と強磁性層にかかる温度差との関係を示すグラフである。 基板材料と発電効率との関係を示すグラフである。 基板の膜厚と強磁性層にかかる温度差との関係を示すグラフである。 基板の膜厚と発電量との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る熱電変換素子について説明する。
[第1の実施形態]
最初に、第1の実施形態に係る熱電変換素子の基本構成及び動作原理について、図1を参照して説明する。熱電変換素子は、基板10上に絶縁性の強磁性層20及び非磁性の金属層30が積層されて構成されている。以下、当該積層方向(基板10の表面に関し法線方向)をZ方向と称する。強磁性層20は、例えばZ方向と交差する方向(図1ではY方向)に沿った磁化Mを与えられている。金属層30上には、電圧を取り出すための端子(不図示)が設けられている。
強磁性層20及び金属層30は、基板10に対する表面洗浄を行った後、スパッタ法、蒸着法、CVD法などの乾式プロセス、電解めっき法や無電解めっき法などの湿式プロセス、または塗布法などを用いて成膜することができる。基板10、強磁性層20、及び金属層30は、互いに直接接していてもよいが、各層の間にバッファ膜や接着膜などを挟む構成としてもよい。
強磁性層20の材料としては、ガーネットフェライト、スピネルフェライト、六方晶フェライト等のフェライト材料、またはそれらの積層体を用いることができる。金属層30の材料としては、白金(Pt)、金(Au)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、タングステン(W、)、又はクロム(Cr)、またはこれらの合金を用いることができる。基板10の材料については、後段で詳述する。
次に、熱電変換素子の動作原理について説明する。素子の積層方向であるZ方向に沿って温度差ΔTが与えられると、強磁性層20におけるアップスピン電子とダウンスピン電子の分布に差が生じる(図1右上のグラフ参照)。この現象をスピンゼーベック効果といい、このとき生じるアップスピン電子の分布とダウンスピン電子の分布の差はスピン圧と呼ばれる。強磁性層20ないで生じたスピン圧は、スピン流Jspinとして金属層30に伝搬する。スピン流Jspinは、アップスピン電子の分布とアップスピン電子の分布との差によって生じる流れであり、電荷の流れではない。
スピン流Jspinが金属層30内に伝搬すると、逆スピンホール効果によって、スピン流Jspin及び強磁性層20の磁化Mと直交する方向(図1ではX方向)に、電荷の流れである電流が流れ、起電力Eが生じる。この起電力Eにより、熱電変換素子は発電し、電気エネルギー源として機能する。
次に、図2を参照して、熱電変換素子における温度差ΔTのかかり方について説明する。図2(a)に示すように、ある環境に熱電変換素子を置いた場合、環境によってかかる温度差ΔT1は、熱電変換素子の上面と下面の温度差に等しい。このうち、発電に寄与する温度差は、スピンゼーベック効果を発現する強磁性層20の上面と下面の温度差ΔT2のみとなっている。従って、ΔT1のうちできるだけ多くの温度差を、ΔT2に配分することで、同一の環境下における発電効率を高めることができる。
ここで、ΔT1が環境により固定されている場合、ΔT2を含む温度差の配分は、基板10、強磁性層20、金属層30の各層における熱伝導率kと厚さtによって決まる。図2(a)における膜厚の配分イメージにて示すように、金属層30の厚み(例えば、10nm)は、基板10の厚み(例えば、10μm)及び強磁性層20の厚み(例えば、100nm)に比べて小さい。更に、金属層30の熱伝導率は基板10及び強磁性層20に比べて大きいことを考慮すると、金属層30に配分される温度差は極めて小さく、計算上無視することができる。そこで、ΔT2は、

[数1]

ΔT2/ΔT1=(t(強磁性層)/k(強磁性層))/(t(基板)/k(基板))…式1

と表すことができる。このため、基板10の熱伝導率kが大きく、基板10の厚みtが小さい程(より正確には、基板10の強磁性層20に対する膜厚比が小さい程)、強磁性層20に配分される温度差ΔT2は大きくなることが分かる。
図2(b)〜図2(d)は、基板10、強磁性層20、金属層30の膜厚比を一定にして、基板10と強磁性層20の熱伝導率kの関係を変化させた場合の、熱電変換素子内の位置と温度との関係を示したグラフである。ここでは、金属層30側が高温、基板10側が低温となっている。図2(b)〜図2(d)に示すように、 基板10の熱伝導率が大きいほど、強磁性層20の両端にかかる実効的な温度差ΔT2は大きくなることが分かる。
次に、式1で算出された温度差ΔT2に基づき、発電効率を計算する。まず、強磁性層20における熱起電力Vが次の式で与えられる。

[数2]

V=S×ΔT2…式2

ここで、Sは物質固有のスピンゼーベック係数である。
更に、単位面積当たりの発電効率Pは、次の式で与えられる。

[数3]

P=0.25×(R×V)/(L×w)…式3

ここで、Rは金属層30の内部抵抗、L×wは熱電変換素子の断面積(幅Lと奥行wの積)である。式2及び式3から、強磁性層20にかかる温度差ΔT2が大きいほど、発電効率Pが増大することが分かる。
従来、熱電変換素子の発電効率を向上させるための研究開発では、スピンゼーベック効果を発現する強磁性層20における、材料選択や形状の改良等が主流であり、基板10の材料や形状等については、それほど注目がされてこなかった。これに対し、本出願に係る発明者らは、上述したように基板10の熱伝導率k及び厚みtが、熱電変換素子の発電効率に対し大きく寄与することを発見した。当該知見は、本出願に係る発明者らにより、初めて得られた知見である。以下、上記知見を利用した基板10の構成について、更に詳細に説明する。
図3は、基板10に使用することのできる材料と、各材料の熱伝導率k及びヤング率を示した表である。各材料は、比較例(G0)、有機系(G1)、ガラス系(G2)、金属系(G3)、炭素系(G4)のそれぞれにグループ分けされている。熱伝導率kの単位は[W/(Km)]、ヤング率の単位は[GPa]となっている。
図4は、環境温度差(図2のΔT1)を1Kとした場合に、強磁性層20にかかる温度差ΔT2のシミュレーション結果を、図3の各材料に対応する形で示したグラフである(式1〜式2参照)。また、図5は、環境温度差ΔT1を1Kとした場合における、発電効率のシミュレーション結果を、図3の各材料に対応する形で示したグラフである(式1〜式3参照)。
シミュレーションの条件として、スピンゼーベック係数Sを100[μV/Km]、金属層30の内部抵抗Rを270Ω(白金(Pt)を使用)とした。また、サンプルである熱電変換素子の断面積については、熱起電力が発生するX方向の長さLを0.6mm、強磁性層20における磁化が働くY方向の長さwを0.2mmとした。また、基板10の膜厚は10μm、強磁性層20の膜厚は100nmとした。
本実施形態に係る熱電変換素子は、フレキシブル性と高い発電効率を兼ね備えた熱電変換素子を提供することを目的とするが、図2(a)〜(d)にて説明した上記の理由から、熱伝導率kが高い材料ほど、高い発電効率を実現することが容易である。ただし、熱伝導率kが低い材料であっても、式1〜式3で説明したように、基板10の膜厚を薄くすることによって、強磁性層20にかかる温度差ΔT2を増加させ、発電効率を向上させることが可能である。
一方、フレキシブル性については、ヤング率が低い材料ほど柔らかく、フレキシブル性が高いデバイスを容易に実現することができる。ただし、ヤング率が高い材料であっても、基板10の膜厚を薄くすることにより、フレキシブル性を高めることが可能である。以下、比較例に係る基板材料について説明した上で、各グループの材料特性と、フレキシブル性及び高い発電効率を両立させるための適切な膜厚とについてそれぞれ説明する。
比較例に係るグループG0は、従来から知られているリジッド基板の材料であるフェライト(熱伝導率k=1[W/(Km)]、ヤング率=150[GPa])と、従来から知られているフレキシブル基板の材料であるポリイミド(熱伝導率k=0.1[W/(Km)]、ヤング率=5[GPa])を示すものである。リジッド基板は、ポリイミド基板に比べると高い熱伝導率kを有するが、ヤング率が大きくフレキシブル性が悪いという課題がある。一方、ポリイミド基板は、リジッド基板に比べてフレキシブル性には優れるものの、熱伝導率が極めて小さく、発電効率が悪いという課題がある。このように、比較例に係る基板材料では、フレキシブル性及び高い発電効率を両立させることが難しい。
本実施形態のグループG1は、熱伝導率k[W/(Km)]が0.15以上1.5以下、ヤング率[GPa]が0.2以上7以下の範囲にある有機系材料である。第1グループG1に含まれる材料のうち、上段に示すポリイミド系の3種の材料(ポリイミドブレンド膜、ポリイミドブレンド/銀ナノ粒子ハイブリッド膜、ポリイミドブレンド/ZnOナノ構造体ハイブリッド膜)は、ポリイミドに所定の材料を加えることにより、従来のポリイミド基板(グループG0参照)に比べ、熱伝導率を高めた点を特徴とする。
ここで、ポリイミドブレンド膜とは、単一ポリイミドに何らかの粒子(例えば、金属元素を含む単体または化合物)が混合された材料である。混合される材料としては、例えばZnOやAgなどが挙げられる。例えば、ZnOがブレンドされたZnOポリイミドブレンドは、含硫黄ポリイミドとしてのsBPDA−SDA(SD)及び含フッ素ポリイミドとしてのsBPDA−TFDB(TF)に、フィラーとして針状ZnO粒子を合成して得られる。より詳細には、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸(PAA)溶液にZnO粒子を分散した後、Si基板上にスピンコート塗布して乾燥させ、窒素気流下で約350℃に加熱して熱イミド化する。これにより、単一ポリイミド薄膜およびポリイミドブレンド薄膜が作成される(高分子学会予稿集、57巻1号(2008年)、第648頁参照)。さらに、上記のポリイミドブレンド膜に対し、例えば銀ナノ粒子やZnOナノ構造体を重ねることで、更に熱伝導率を高めたハイブリッド膜を得ることができる(竹澤由高監修、「高熱伝導性コンポジット材料」、シーエムシー出版、2011年1月発行)。
また、グループG1には、上記のポリイミド系材料の他に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:polytetrafluoroethylene)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエステルが含まれる。
グループG1に示す基板材料は、全体的にヤング率が低く、フレキシブル性に優れている点が特徴である。一方、熱伝導率κについても、比較例の従来ポリイミド基板(κ=0.1)に比べて高い値(κ≧0.15)を備えている。このため、比較例に比べて強磁性層20にかかる温度差ΔT2が増大し(図4参照)、発電効率も2桁以上向上している(図5参照)。その結果、フレキシブル性及び高い発電効率を両立させることが可能となっている。ただし、より高い発電効率を実現するためには、以下に述べるように基板10の膜厚ないし強磁性層20との膜厚比を小さくして、強磁性層20にかかる温度差ΔT2を増加させることが好ましい。
図6は、基板10の膜厚を1mm、100μm、10μm、と変化させた場合に、強磁性層20にかかる温度差ΔT2を示すグラフである。図7は、図6と同様の方法で基板10の膜厚を変化させた場合の、発電効率を示すグラフである。図6及び図7において、強磁性層20の膜厚は100nmとして計算した。
図6及び図7に示すように、基板10の膜厚が厚くなるにつれ、強磁性層20にかかる温度差ΔT2が減少し、その結果として発電量も減少する。特に、熱伝導率の低いグループG1の基板材料においては、発電量の減少量は極めて大きい。このため、グループG1の基板材料を用いる場合、少なくとも10−6(μW/cm)以上の発電量を確保するために、基板10の膜厚は100μm以下であることが好ましく、10μm以下であれば更に好ましい。換言すれば、強磁性層20に対する基板10の膜厚比は、1,000以下であることが好ましく、100以下であれば更に好ましい。
次に、本実施形態のグループG2は、熱伝導率κ[W/(Km)]が0.6以上160以下、ヤング率[GPa]が72以上470以下の範囲にあるガラス系材料である。グループG2には、石英ガラス、ガラス、水晶、サファイア、酸化マグネシウム(MgO)、シリコン(Si)が含まれる。
グループG2に示す基板材料は、グループG1に比べて高い熱伝導率を有する(κ≧0.6)。このため、グループ1に比べて強磁性層20にかかる温度差ΔT2が更に増大し(図4参照)、発電効率も更に向上している(図5参照)。一方、ヤング率については比較的大きな値となっているため、フレキシブル性との両立を図るために、基板10の膜厚を一定以下にすることが好ましい。具体的には、基板10の膜厚は1mm以下であることが好ましく、100μm以下であれば更に好ましい。
また、図6及び図7に示すように、基板10の膜厚増大に伴う温度差ΔT2及び発電量の減少量は、依然として大きい。従って、少なくとも10−6(μW/cm)以上の発電量を確保するために、基板10の膜厚は500μm以下であることが好ましく、50μm以下であれば更に好ましい。換言すれば、強磁性層20に対する基板10の膜厚比は、5,000以下であることが好ましく、500以下であれば更に好ましい。
次に、本実施形態のグループG3は、熱伝導率κ[W/(Km)]が16.7以上420以下、ヤング率[GPa]が76以上211以下の範囲にある金属系材料である。グループG3には、ステンレス鋼、白金(Pt)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、黄銅(真鍮)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)が含まれる。
グループG3に示す基板材料は、グループG2に比べて更に高い熱伝導率を有する(κ≧16.7)。このため、グループ1及びグループ2に比べて強磁性層20にかかる温度差ΔT2が更に増大し(図4参照)、発電効率も更に向上している(図5参照)。一方、ヤング率については比較的大きな値となっているため、フレキシブル性との両立を図るために、基板10の膜厚を一定以下にすることが好ましい。具体的には、基板10の膜厚は100μm以下であることが好ましく、10μm以下であれば更に好ましい。
また、図6及び図7に示すように、基板10の膜厚増大に伴う温度差ΔT2及び発電量の減少量は、グループG1及びG2に比べると抑制されている。従って、少なくとも10−6(μW/cm)以上の発電量を確保するためには、基板10の膜厚は1mm以下であることが好ましく、100μm以下であれば更に好ましい。換言すれば、強磁性層20に対する基板10の膜厚比は、10,000以下であることが好ましく、1,000以下であれば更に好ましい。
次に、本実施形態のグループG4は、熱伝導率κ[W/(Km)]が130以上5500以下、ヤング率[GPa]が10以上1200以下の範囲にある炭素系材料である。グループG4には、グラファイト、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、グラフェンが含まれる。
グループG4に示す基板材料は、全てのグループの中で最も高い熱伝導率を有する(κ≧130)。このため、グループ1〜グループ3に比べて強磁性層20にかかる温度差ΔT2が更に増大し(図4参照)、発電効率も更に向上している(図5参照)。一方、ヤング率についても全てのグループの中で最も大きな値となっており、フレキシブル性との両立を図るために、基板10の膜厚を一定以下にすることが好ましい。具体的には、基板10の膜厚は100μm以下であることが好ましく、10μm以下であれば更に好ましい。
また、図6及び図7に示すように、基板10の膜厚増大に伴う温度差ΔT2及び発電量の減少量は、グループG1〜G3に比べて大幅に抑制されている。従って、上述したフレキシブル性の観点から好ましい膜厚(100μm以下)の範囲であれば、十分な発電量を確保することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…基板、20…強磁性層、30…金属層

Claims (18)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられ、磁化が一方向に固定された絶縁性の強磁性層と、
    前記強磁性層上に設けられた非磁性の金属層と、を備え、
    前記基板は、熱伝導率が0.15W/Km以上1.5W/Km以下、ヤング率が0.2Gpa以上7Gpa以下、且つ膜厚が100μm以下の有機系材料からなる熱電変換素子。
  2. 前記基板の膜厚が10μm以下である請求項1記載の熱電変換素子。
  3. 前記基板の前記強磁性層に対する膜厚比が1,000以下である請求項1記載の熱電変換素子。
  4. 前記基板の前記強磁性層に対する膜厚比が100以下である請求項1記載の熱電変換素子。
  5. 前記有機系材料は、金属元素の単体または化合物を含むポリイミドブレンド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエステルのいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
  6. 基板と、
    前記基板上に設けられ、磁化が一方向に固定された絶縁性の強磁性層と、
    前記強磁性層上に設けられた非磁性の金属層と、を備え、
    前記基板は、熱伝導率が0.6W/Km以上160W/Km以下、ヤング率が72Gpa以上470Gpa以下、且つ膜厚が500μm以下のガラス系材料からなることを特徴とする熱電変換素子。
  7. 前記基板の膜厚が50μm以下である請求項6記載の熱電変換素子。
  8. 前記基板の前記強磁性層に対する膜厚比が5,000以下である請求項6記載の熱電変換素子。
  9. 前記基板の前記強磁性層に対する膜厚比が500以下である請求項6記載の熱電変換素子。
  10. 前記ガラス系材料は、石英ガラス、ガラス、水晶、サファイア、酸化マグネシウム、シリコンのいずれかを含むことを特徴とする請求項6に記載の熱電変換素子。
  11. 基板と、
    前記基板上に設けられ、磁化が一方向に固定された絶縁性の強磁性層と、
    前記強磁性層上に設けられた非磁性の金属層と、を備え、
    前記基板は、熱伝導率が16.7W/Km以上420W/Km以下、ヤング率が76Gpa以上211Gpa以下、且つ膜厚が1mm以下の金属系材料からなることを特徴とする熱電変換素子。
  12. 前記基板の膜厚が100μm以下である請求項11記載の熱電変換素子。
  13. 前記基板の前記強磁性層に対する膜厚比が10,000以下である請求項11記載の熱電変換素子。
  14. 前記基板の前記強磁性層に対する膜厚比が1,000以下である請求項11記載の熱電変換素子。
  15. 前記金属系材料は、ステンレス鋼、白金、鉄、コバルト、ニッケル、黄銅、アルミニウム、金、銀、銅のいずれかを含むことを特徴とする請求項11に記載の熱電変換素子。
  16. 基板と、
    前記基板上に設けられ、磁化が一方向に固定された絶縁性の強磁性層と、
    前記強磁性層上に設けられた非磁性金属層と、を備え、
    前記基板は、熱伝導率が130W/Km以上5500W/Km以下、ヤング率が10Gpa以上1200Gpa以下、且つ膜厚が100μm以下の炭素系材料からなることを特徴とする熱電変換素子。
  17. 前記基板の膜厚が10μm以下である請求項16記載の熱電変換素子。
  18. 前記炭素系材料は、グラファイト、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、グラフェンのいずれかを含むことを特徴とする請求項16に記載の熱電変換素子。
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