JP2016054074A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転操作性と防滴性能を確保しながら、タッチ検出感度の向上および外力、部品寸法による回転検出への影響を低減した回転、タッチ操作部材を有する電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、タッチ操作および回転操作が可能な操作部材300と、前記操作部材300を回動可能に保持して前記操作部材300との当接部を有する保持部材310と、前記操作部材300に固定されて一体的に回転する回転体330と、タッチ操作を検出するためのタッチ検出基板350と、回転操作を検出するための回転検出基板340と、前記保持部材310に固定され設置されたグランド部材320とを有する。前記タッチ検出基板350は、前記操作部材300の裏面に位置するように前記保持部材310に固定され、所定の間隔を以て前記操作部材300と対向する。前記回転検出基板340と前記グランド部材320は所定の距離を以て対向する。
【選択図】図3
【解決手段】電子機器は、タッチ操作および回転操作が可能な操作部材300と、前記操作部材300を回動可能に保持して前記操作部材300との当接部を有する保持部材310と、前記操作部材300に固定されて一体的に回転する回転体330と、タッチ操作を検出するためのタッチ検出基板350と、回転操作を検出するための回転検出基板340と、前記保持部材310に固定され設置されたグランド部材320とを有する。前記タッチ検出基板350は、前記操作部材300の裏面に位置するように前記保持部材310に固定され、所定の間隔を以て前記操作部材300と対向する。前記回転検出基板340と前記グランド部材320は所定の距離を以て対向する。
【選択図】図3
Description
本発明は、電子機器に関し、特に操作検出に静電容量検出方式を採用する電子機器に関する。
従来、静電容量検出方式の操作部材を持つ電子機器があり、その詳細な構成が開示されている。特許文献1では、基板に設けられた電極パターンに対して人体が近接することによる静電容量の変化や、基板に設けられた電極パターンと対向する位置でアースされた歯車が回転することによる静電容量の変化を検知し、ユーザーがダイヤル表面をタッチしたり、ダイヤルを回転させる動作を入力として利用する操作部材が開示されている。また、特許文献2では、2枚の基板の間に誘電体を配置し、基板間の静電容量を検出することで、誘電体が固定されたシャフトの回転を検知する操作部材が開示されている。
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、ダイヤル状の操作部材に対して、静電容量検出基板が筐体内部の奥まった位置に配置されているため、静電容量の検出結果に誤差が生じる恐れがある。また静電容量検出基板と対向する位置にある回転体が操作部材回転軸に固定されているため、操作時の荷重やガタツキなどによって静電容量検出基板と回転体の距離が変化し、操作部材の回転状態検知に影響が出る恐れがある。また、操作部材と静電容量検出基板の間に外部とつながった空間が存在するため、ここに水滴などが侵入した場合、静電容量の検出に影響を及ぼす恐れがある。
また、特許文献2に開示された従来技術では、電極の保持法について詳細が開示されていない。このため、固定方法によっては電極間距離が変化し、検出される静電容量に誤差が生じる恐れがある。
そこで、本発明の目的は、防滴性機能を確保しつつ、タッチ検出感度の向上およびガタツキによる誤検知を低減した回転、タッチ操作部材を有する電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、
タッチ操作および回転操作が可能な操作部材(300)と、
前記操作部材(300)を回動可能に保持し、前記操作部材(300)との当接部(310p)を有する保持部材(310)と、
前記操作部材(300)に固定され、一体的に回転する回転体(330)と、
前記タッチ操作を検出するためのタッチ検出基板(350)と、
前記回転操作を検出するための回転検出基板(340)と、
前記保持部材(310)に固定され設置されたグランド部材(320)とを有する電子機器(100)において、
前記タッチ検出基板(350)は、前記操作部材(300)の裏面に位置するように前記保持部材(310)に固定され、所定の間隔を以て前記操作部材(300)と対向し、
前記回転検出基板(340)と前記グランド部材(320)は少なくとも1つ以上の箇所で前記保持部材(310)の同じ場所に固定され、前記グランド部材(320)に設けられた取付部(320a、b、c)によって前記回転検出基板(340)と前記グランド部材(320)は所定の距離を以て対向し、
前記回転体(330)は、前記回転検出基板(340)と前記グランド部材(320)の間に配置されることを特徴とする。
タッチ操作および回転操作が可能な操作部材(300)と、
前記操作部材(300)を回動可能に保持し、前記操作部材(300)との当接部(310p)を有する保持部材(310)と、
前記操作部材(300)に固定され、一体的に回転する回転体(330)と、
前記タッチ操作を検出するためのタッチ検出基板(350)と、
前記回転操作を検出するための回転検出基板(340)と、
前記保持部材(310)に固定され設置されたグランド部材(320)とを有する電子機器(100)において、
前記タッチ検出基板(350)は、前記操作部材(300)の裏面に位置するように前記保持部材(310)に固定され、所定の間隔を以て前記操作部材(300)と対向し、
前記回転検出基板(340)と前記グランド部材(320)は少なくとも1つ以上の箇所で前記保持部材(310)の同じ場所に固定され、前記グランド部材(320)に設けられた取付部(320a、b、c)によって前記回転検出基板(340)と前記グランド部材(320)は所定の距離を以て対向し、
前記回転体(330)は、前記回転検出基板(340)と前記グランド部材(320)の間に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、構成部品がある程度ガタついた場合にも、正しく操作を検出することができる電子機器を提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかわる電子機器である。
以下、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施例による、電子機器について説明する。なお、図1、図2では、電子機器の例として、撮像装置に適用した場合を説明する。図1は、撮像装置100のシステムブロック図である。図2は、撮像装置100の外観図である。
101は、不揮発性メモリである。後述するCPU150が動作を行う際のプログラムを格納する。また、後述する静電容量センサIC120の基準値、閾値等を記憶するために使用する。本実施例では、Flash−ROMとして説明を行うが、これは一例であり、不揮発性メモリであれば、他のメモリを適用することも可能である。
102は、撮像装置100で撮影される画像バッファや画像処理された画像データを一時的に記憶するための記憶手段の機能と、後述するCPU150が動作を行う際のワークメモリとして使用するRAMである。本実施例では、これらの機能をRAMで行うようにしているが、アクセス速度が十分に問題ないレベルのメモリであれば、他のメモリを適用することも可能である。
103は、撮影した静止画像や動画像、ライブビュー、メニュー等の表示を行う表示部である。背面TFTやファインダーなどを含む。
105は、撮像装置100の電源部である。電源部105は電池やACアダプタ等で構成され、直接乃至は不図示のDC−DCコンバータ等を介して、撮像装置100の各ブロックに電源を供給する。
106は、撮像装置100の電源スイッチ(以下、電源SWと称する)である。本実施例では、図2に示すように、メカ的にオン/オフの位置を持つ構造で説明するが、これに限定する必要はなく、プッシュスイッチ、電気的スイッチ等で構成されてもよい。電源SW106がオフの状態では、撮像装置100に電池105が挿入されている状態でも撮像装置としては機能せず、消費電力の少ない状態を保持する。電源SW106がオンの状態で、電池105が挿入されると、撮像装置100は撮像装置として機能する。本実施例では、後述する静電容量検出方式の操作部140は電源SW106がオンの状態で機能する構成で説明を行うが、これに限定する必要はなく、電源SW106がオフの状態でも機能する構成であってもよい。
150は、撮像装置100を統括的に制御するCPUである。撮像装置としての基本機能である撮像機能を実現する。また、後述する静電容量検出方式の操作部140の検出結果に応じて、撮像装置100のモード切り替えや表示103の表示更新等を行う。
151は、任意の時間を測定可能なタイマ機能である。図1では、CPU150に内蔵される構成で説明を行うが、外付けされる構成であっても構わない。CPU150の指示に応じて、時間測定を開始し、CPU150の指示に応じて、時間測定を終了する機能を持つ。また、タイマを絶えず動作させ、所定時間間隔で定期的にCPU150に割り込みを発生させる機能も併せ持つ。
152は、後述する操作部140の操作回数をカウントするためのカウンタ機能である。図1では、CPU150に内蔵される構成で説明を行うが、外付けされる構成であっても構わない。また、図1では、操作部140の操作回数をカウントする構成で説明を行うが、任意の操作部の操作回数をカウントすることが可能である。
120は、後述する検出電極の静電容量値を検出することが可能な静電容量センサICである。図1では、CPU150に外付けされる構成で説明を行うが、CPU150に内蔵される構成であっても構わない。一般的に、静電容量センサICは対グランドを基準にした静電容量値を算出することができ、ユーザーなどのタッチ操作も検出可能である。本実施例では、図3で詳細説明を行うが、後述する操作部140と一体となって可動する回転体の動き及びユーザーのタッチを検出する構成となっている。
静電容量センサIC120は、CPU150によって任意の基準値と閾値を設定することができ、後述する検出電極で検出される静電容量値が、前記基準値を基準に、前記閾値を上回った場合、または、下回った場合に割り込みを発生することが可能である。また、CPU150の指示に応じて、任意のタイミングで任意の検出電極の静電容量値を読み出すことが可能である。
130は、静電容量センサIC120に接続される検出電極である。図1では、静電容量センサIC120に3つの検出電極130a、130b、130cが接続される構成で説明を行うが、検出電極の電極数は、これに限定するものではない。また、図1では、検出電極130a、130b、130cは複数ある構成となっているが、詳細は図4で説明する。静電容量センサIC120には3つの検出電極が接続されており、各検出電極はさらに複数の分岐形状を持ち、各検出電極が交互に配置される。
150は、130同様、静電容量センサIC120に接続される検出電極である。図1では、静電容量センサIC120に4つの検出電極150a、150b、150c、150dが接続される構成で説明を行うが、検出電極の電極数は、これに限定するものではない。検出電極150は後述する操作部140の裏面に配置され、ユーザーのタッチ入力を検出するための検出電極となる。検出電極150a、150b、150c、150dは、例えば、上方向、右方向、下方向、左方向のタッチ入力として、ユーザー操作入力を検出するために使用される。
140は、撮像装置100の操作部である。操作部140は、撮像装置100の背面カバー110に配置されており、モード操作や測距点選択、画像再生選択、メニュー操作等の様々な操作に適用される。操作部140は撮像装置100の光軸と平行な軸回りの回転動作と、操作部140表面への撮影者の接触動作を検出することが可能である。図3、4で詳細説明を行うが、操作部140と一体的に回動する誘電体の動きや、操作部140表面への人体の接触を静電容量センサIC120で検出する構成となっている。
以下、図3を用いて、操作部140の基本構成を説明する。図3は、回転ダイヤル140部の構造の一例を示した分解斜視図である。詳細な構成を説明するため異なる2方向から見た図を示す。
300は、操作部140のユーザー操作部であり、回転操作部材である。また後述するように、回転操作部材300の表面への接触による操作を行うことも可能である。
310はベース部材であり、回転操作部材300を回動可能に保持している。ベース部材310は撮像装置100の背面カバー110(図3では不図示)に3か所の固定部310a、b、cで固定される。
311は、310の内周部の凹凸形状310fに沿う形で可動するボール部材である。ボール部材311はばね部材312によって前記凹凸形状310fに付勢される。バネ部材311およびボール部材312は回転操作部材300内に組み込まれ、回転操作部材300と一体になって可動する。ボール部材311がベース部材310の内周部に設けられた凹凸形状310fに沿う形で可動することで、回転部300はクリック感を得ることができる。
320は、グランド電位の導体である。導体320は、3か所の取付部320a、b、cで、ベース部材310に固定される。導体320の取付部320a、b、cには後述する基板340のグランド電極が接触し、導体320は静電容量センサIC120のグランド電位と電気的に同電位となる。
330は、回転操作部材300と一体になって可動する回転体である。不図示のビスによって回転操作部材300に固定される。回転体330は誘電材料で形成されており、本実施例では樹脂にセラミックス粉末を混ぜ込み比誘電率を高めたものである。なお、回転体330の材質に関してはこれに限定されるものではなく、樹脂やセラミックスなどの誘電材料を単体で用いても良い。
340は、検出電極130を複数配置した基板である。基板340には3か所の取付部340a、b、cが設けられており、導体320の取付部320a、b、cおよびベース部材310の固定部310a、b、cと同一箇所に固定される。なおこれら3部材の固定はビス360a、b、cを、3部材を挟みながら背面カバー110に締結することによって行われる。基板340上には静電容量センサIC120が実装されており、検出電極130の静電容量を検出することができる。基板340の取付部340a、b、cにはグランド電極が配置されており、導体320の取付部320a、b、cと接触して固定されることで、静電容量センサIC120のグランド電位と導体320が同電位となる。
このような構成とすることで、検出電極130と導体320の間に回転体330が位置すると、回転体330の静電容量を検出することができる。図3で示されるように、回転体330は回転方向に対して、所定の間隔で切欠き部が設けられている。このため回転体330が回転すると、検出電極130で検出される静電容量は周期的に変化する。この変化を静電容量センサIC120で検出することにより、回転操作部材300の回転を検出することができる。
ここで、図4を用いて、操作部140の検出方法の詳細を説明する。図4(a)は、検出電極130を複数配置した基板340である。点線部は回転体330を表しており、回転体330と各検出電極130の重なり具合を表している。回転体330の突起部分は、ある1つの検出電極(図4(a)では130a)と対向する。検出電極130は電極130a、130b、130c(図中、それぞれa、b、cと省略している)が交互に配置される構成となっており、基板上で電気的に結線され、IC120に接続される。1つの検出電極を複数に分岐することで、1周のクリック数を増やすことができる。なお、検出電極130a、130b、130cはそれぞれ複数の電極形状に分岐しているが、IC120で検出される静電容量値は複数の電極で検出される静電容量の総和となり、高い検出感度が得られる構成となっている。ここでは、3電極を複数に分割し、配置する構成で説明したが、この電極数、分割数に限定する必要はない。図4(b)は、回転体330と基板340との重なり具合を表した図である。図4(c)は、回転体330を回転させたときの各検出電極130a、130b、130cの静電容量変化を表している。
はじめ、回転体330は電極130aと対向している状態を表しており、電極130aの静電容量値は基準値に対して、高い値を検出する。この状態から、操作部140を1クリック分回転すると、回転体330を1クリック分回転し、電極130aの静電容量値は基準値まで下がり、一方で電極130bの静電容量値は基準値に対して、高い値を検出する。同様に、回転することで、静電容量が減少した電極から増加した電極へと回転方向を検出することができる。
図3、4では、340は基板を用いた構成で説明を行うが、基板に限定する必要はなく、検出電極が配置できれば、いかなる構成であっても構わない。例えば、フレキ等を用いる構成であっても構わない。
350は検出電極150を複数配置したフレキシブル基板である。フレキシブル基板350はベース部材310に固定され、接続部350aによって、基板340上に実装された静電容量センサIC120と接続される。回転操作部材300の表面に人体が接触すると、フレキシブル基板350に設けられた電極を介して、静電容量センサIC120が静電容量を検出する。図5に示すように、検出電極150は150a、b、c、dの4つが設けられており、それぞれ上、右、下、左方向の入力に対応する。なお電極の数は4つに限定されるものではなく、静電容量センサIC120が許す限り数を増やして、撮影者が触った位置をより細かく検出する事も可能である。
351はダイヤルシーリング部材である。撥水性の高い材料で形成されており、回転操作部材300とベース部材310の隙間から水滴が侵入することを防止する、詳細な構成については後述する。
370は押しボタンである。回転操作部材300の操作と合わせて使用され、回転層部材300で操作メニューの選択、押しボタン370で決定といった使い方をされる。
以下、図6を用いて、操作部140の構造を説明する。図6は操作部140の断面図である。図6(a)は、ボール部材311の中心を通る面、図6(b)はフレキシブル基板350の接続部350aの中心を通る面での断面を表している。
前述したように、本発明では回転操作部材300の回転動作を検知するために、基板300と導体320の間に位置する回転体330の静電容量を検出する構成となっている。この構成において、検出される静電容量は、電極340と導体320の距離と、その間に位置する誘電体の体積および比誘電率によって決まる。
図7(a)、(b)に、グランド電位の導体320、回転体330、検出電極130を配置した基板340の断面図を表す。図7(a)は導体320、基板340の間に回転体330が存在するタイミングでの断面図であり、図7(b)は導体320、基板340の間に回転体330が存在しないタイミングでの断面図である。
図7(a)において、導体320と回転体330との距離をd1とし、回転体330と基板340との距離をd2、回転体330の厚さをd3とする。更に、検出電極130a、b、cの面積をSa、Sb、Scとすると、各検出電極で検出される静電容量値Ca、Cb、Ccは式1〜式3のようになる。
式1〜式3において、ε0は真空中の誘電率を表し、εr1は空気中の比誘電率、εr2は回転体330の比誘電率を表す。式1〜式3から、距離d1とd2は等しくなるように構成することで、静電容量値が最大となる。
一方、図7(b)の状態において、各検出電極で検出される静電容量値Ca´、Cb´、Cc´は式4〜式6のようになる。
操作部140は、図4で説明したように、図7(a)の状態と図7(b)の状態の静電容量変化によって、回転方向を検出する。そのため、図7(a)と図7(b)の静電容量変化量が大きいほど、検出感度が良いことになる。
図7(c)は、d1、d2を一定とした条件で、回転体330の厚さ(d3)を変化させた場合の静電容量変化を表している。図7(c)での静電容量変化は、図7(a)と図7(b)の状態の差分値が、d3の厚さによって、どう変化するかを表している。図7(c)での静電容量変化のカーブ形状は回転体330の比誘電率などで変わるが、極大値を持つことになる。そこで、d1、d2を決定し、回転体330の比誘電率を決定した後に、静電容量変化値が極大値となる付近のd3を選択することで、より検出感度の良い構成を実現することができる。
また、回転体330が基板340と導体320の間に位置する限り、多少回転軸方向に移動したとしても、検出される静電容量に変化はない。このため回転操作部材300を操作する際に、ガタツキによって回転体330の位置が変化したとしても、静電容量検出結果には影響がなく、安定して操作部材300の回転動作を検出することが可能となる。
また、上述したように、基板340の取付部340a、b、cと導体320の取付部320a、b、cはベース部材310の同一箇所(固定部310a、b、c)に固定される。このため、回転操作部材300に外力が加わった際は、ベース部材310を介した外力は基板340と導体320に同じ様に伝達され、基板340と外力320には同様の変形が生じる。つまり、外力が加わった際にも、基板340と導体320の距離変化を抑え、検出される静電容量を安定させることが可能となり、外力に対する回転動作検出の信頼性を向上させることができる。
さらに、図8に示すように導体320の取付部320a、b、cはリング状の基本面320gから所定の距離D1離れた位置に配置される。(図8(a)は導体320を回転操作部材300の回転軸方向から観察した図、図8(b)は図8(a)を紙面下方向から観察した図である。)すなわち、検出される静電容量に大きな影響を及ぼす基板340と導体320の距離はこの距離D1によって決定される。このため部品製造時においては、導体320の取付部320a、b、cの高さD1のみを管理すれば、個々の撮像装置間の静電容量ばらつきを抑えることが可能となる。また、導体320の取付部320a、b、cは回転操作部材300の回転軸に対して略均等に設けられている。これにより基本面320gと基板340の距離に対する取付部320a、b、cの高さ寸法D1の敏感度を同程度に揃えることが可能となり、部品製造時の難易度を低減させることが出来る。
導体320は、図3に示すように、基板340よりも、ユーザー操作部140側に配置する。基板340はIC120などの電気部品が搭載される基板であるため、静電気ノイズ等の影響を受けやすい。導体320は電気的にグランド電位となるため、図3のような構成とすることで、ユーザー操作の際に生じる静電気ノイズは導体320を経由し、筺体へと誘導することができる。図3の構成により、より静電気の影響を受けにくい構成をとることが可能となる。
図6(b)に示すように、フレキシブル基板350は回転操作部材300の裏面直下に配置される。このため、ユーザーが接触操作を行う回転操作部材300の表面とフレキシブル基板350の電極の距離を近づけることが可能となり、人体の静電容量を精度良く検出することが可能となる。なお、フレキシブル基板350の接続部350aは、ベース部材310に設けられた貫通孔310hを通して撮像装置100の内部に引き込まれ、基板340に接続される。
次に本実施例における操作部140の防滴構成に関して説明を行う。図6(a)に示す371は押しボタンシーリング部材、351はダイヤルシーリング部材、312はベースシーリング部材であり、それぞれ押しボタン370と回転操作部材300、回転操作部材300とベース部材310、ベース部材310と背面カバー110の間の防滴性を確保している。
以下、図9を用いて、ダイヤルシーリング部材351の詳細構成を説明する。図9(a)はダイヤルシーリング部材350付近の断面を拡大した図である。回転操作部材300には溝部300pが設けられており、この部分でベース部材310に設けられたリブ310pと当接する。この当接部には潤滑剤が塗布されており、回転操作部材300の滑らかな回転を妨げることはない。リブ310の内側(回転軸側)にはフレキシブル基板350が粘着剤によって固定される。
フレキシブル基板350の上面にはダイヤルシーリング部材351が粘着部材によって取り付けられる。回転操作部材300の裏面300qとダイヤルシーリング部材351の間は所定のクリアランスD2が確保される。このため、シーリング部材によって回転操作部材300の動きを阻害することはない。この状態ではリブ310pと溝部300pが密接することにより、外部からの水滴の侵入を防ぐことが出来る。
次に図9(b)に示すように、回転操作部材300が外力によって微小距離ΔDだけ傾いた場合を考える。ΔDは微小であるため、回転操作部材300の裏面300qとダイヤルシーリング部材351の距離D2にはほとんど変化がないとみなすことが出来るが、リブ310pと溝部300pが当接しなくなるため、当接部での止水は不可能となる。
ここで、ダイヤルシーリング部材351は水滴の接触角が90度以上となるように撥水性の高いPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を使用した部材であり、回転操作部材300の裏面300qも同様に水滴の接触角が90度以上となるようにグリスが塗布されている。このため、ΔDの隙間から侵入した水滴に対しては、図9(c)に示すように、水滴の表面張力Fが水滴自体を外部に押し出す方向に作用し、ダイヤルシーリング部材350より奥に水滴が侵入することを防止することが可能となる。
このような構成とすることで、回転操作部材300の回転動作を阻害せずに、操作時のガタツキなどにも対応した防滴性能を得ることが出来る。
なお、防滴構成に関しては、上述した構成に限定されるものではなく、回転操作部材300の裏面300qとダイヤルシーリング部材351に相当する箇所が、撥水性を持つようにすれば良い。例えば、両面にPTFEのシートを張り付けても良いし、両面にグリスを塗布しても良い。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
100 撮像装置、120 静電容量センサIC、130 検出電極、140 操作部、
150 CPU、300 回転操作部材、310 ベース部材、320 導体、
330 回転体、340 基板、350 フレキシブル基板
150 CPU、300 回転操作部材、310 ベース部材、320 導体、
330 回転体、340 基板、350 フレキシブル基板
Claims (10)
- タッチ操作および回転操作が可能な操作部材(300)と、
前記操作部材(300)を回動可能に保持し、前記操作部材(300)との当接部(310p)を有する保持部材(310)と、
前記操作部材(300)に固定され、一体的に回転する回転体(330)と、
前記タッチ操作を検出するためのタッチ検出基板(350)と、
前記回転操作を検出するための回転検出基板(340)と、
前記保持部材(310)に固定され設置されたグランド部材(320)とを有し、
前記タッチ検出基板(350)は、前記操作部材(300)の裏面に位置するように前記保持部材(310)に固定され、所定の間隔を以て前記操作部材(300)と対向し、
前記回転検出基板(340)と前記グランド部材(320)は少なくとも1つ以上の箇所で前記保持部材(310)の同じ場所に固定され、前記グランド部材(320)に設けられた取付部(320a、b、c)によって前記回転検出基板(340)と前記グランド部材(320)は所定の距離を以て対向し、
前記回転体(330)は、前記回転検出基板(340)と前記グランド部材(320)の間に配置されることを特徴とする電子機器(100)。 - 前記グランド部材に設けられた取付部(320a、b、c)は、前記操作部材(300)の回転軸に対して均等に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器(100)。
- 前記グランド部材(320)と前記回転検出基板(340)は、前記保持部材(310)に固定される箇所において導通していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器(100)。
- 前記タッチ検出基板(350)は、前記保持部材(310)の当接部(310p)より前記操作部材(300)の回転軸側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の電子機器(100)。
- 前記タッチ検出基板(350)と前記操作部材(300)のそれぞれ対向する2面は撥水性を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の電子機器(100)。
- 前記タッチ検出基板(350)と前記操作部材(300)のそれぞれ対向する2面は、水滴の接触角が90度以上となるような表面エネルギーを有することを特徴とする請求項5に記載の電子機器(100)。
- 前記タッチ検出基板(350)と前記操作部材(300)のそれぞれ対向する2面のうち少なくとも一方は、グリスが塗布されていることを特徴とする請求項5に記載の電子機器(100)。
- 前記タッチ検出基板(350)と前記操作部材(300)のそれぞれ対向する2面のうち少なくとも一方は、PTFE(351)で構成されていることを特徴とする請求項5に記載の電子機器(100)。
- 前記回転体(330)は空気よりも比誘電率の高い物質であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の電子機器(100)。
- 前記グランド部材(320)と前記回転体(330)との距離、および、前記回転体(330)と前記回転検出基板(340)との距離が等しいことを特徴とし、
前記グランド部材(320)と前記回転検出基板(340)との間に、前記回転体(330)がある場合と前記回転体(330)がない場合の静電容量値の差分が極大となるよう構成したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項9の何れか一項に記載の電子機器(100)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014179714A JP2016054074A (ja) | 2014-09-04 | 2014-09-04 | 電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014179714A JP2016054074A (ja) | 2014-09-04 | 2014-09-04 | 電子機器 |
Publications (1)
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JP2016054074A true JP2016054074A (ja) | 2016-04-14 |
Family
ID=55744323
Family Applications (1)
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JP2014179714A Pending JP2016054074A (ja) | 2014-09-04 | 2014-09-04 | 電子機器 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2016054074A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110582829A (zh) * | 2017-05-05 | 2019-12-17 | 天体电子学先进电子系统公司 | 用于电力应用的挥发性有机化合物控制的继电器 |
-
2014
- 2014-09-04 JP JP2014179714A patent/JP2016054074A/ja active Pending
Cited By (3)
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JP2020521273A (ja) * | 2017-05-05 | 2020-07-16 | アストロニクス アドバンスド エレクトロニック システムズ コーポレイション | 電力アプリケーション向けの揮発性有機化合物制御リレー |
US11177102B2 (en) | 2017-05-05 | 2021-11-16 | Astronics Advanced Electronic Systems Corp. | Volatile organic compound controlled relay for power applications |
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