JP2016054045A - X線診断装置およびx線管球 - Google Patents

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祐希 戸塚
手塚 章夫
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章夫 手塚
坂田 充
Mitsuru Sakata
充 坂田
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Abstract

【課題】実焦点の大きさに依存せず実効焦点を変更可能なX線管球を備えたX線診断装置を提供する。【解決手段】本実施形態に係るX線診断装置は、実焦点の大きさに依存せず実効焦点の大きさを変更可能なターゲットと、フィラメントから放出された電子を電場で加速した電子線が前記ターゲットに衝突する位置を制御することで前記実効焦点の大きさを制御する実効焦点制御部と、を備えたことを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明の一態様としての実施形態は、X線診断装置およびX線管球に関する。
従来、非破壊検査等の工業分野や健康診断等の医療分野において、検査対象に放射線(代表的には、X線)を照射して、低侵襲に内部構造を診断することが可能なX線診断装置が幅広く利用されている。X線診断装置は、X線管球と呼ばれる装置からX線を放射し、検査対象を透過したX線の強度分布を検出することによって画像を生成する。このX線管球は、フィラメントから放出した電子を電場により加速させてターゲットに衝突させることでX線を放射する。
医療分野では単純X線装置、マンモグラフィ装置、X線CT(Computed Tomography)装置など、様々なX線診断装置があり、病気の診断や手術などに欠かせない装置となってきている。特に医療分野においては、体内の微小な異変を検出するために、X線診断装置によって取得される画像は解像度が高く、かつ、アーティファクトが少ない画像が求められる。そこで、X線CT装置においてマルチビームによるスキャンのアーティファクトを低減するようなX線管球が提供されている(たとえば、特許文献1等)。
また、ボケなどが少ない(すなわち、精細度の高い)画像が求められている。X線診断装置により取得される画像の精細度は、X線管球の実効焦点を小さくすることによって向上させることができる。実効焦点とは、実焦点を検査対象側から垂直に見上げた部分である。実焦点とは、電子線がターゲットに衝突した領域をターゲットに対して垂直な方向から観察した部分である。実効焦点が小さいとボケの原因である半影も小さくなり、精細度が向上する。このX線管球の実効焦点は、実焦点の大きさや、ターゲット角度などに依存する。
たとえば、実焦点の大きさを小さくすれば実効焦点は小さくなる。しかしながら、電子線がターゲットに衝突してX線を放出するときに、約99%が熱となる。そのため、実焦点を小さくするにはターゲットの熱による摩耗を回避するため、管電圧、および管電流を小さくしなければならない。管電圧の大きさとX線のエネルギーの大きさは比例し、管電圧が小さいと強いX線を放出することができない。X線は検査対象の厚さに応じて指数対数的に減弱されるため、検査対象の厚さによってはX線強度が不足することにより鮮明な画像を得ることができない場合がある。また、管電流が小さいと検出器に入射するX線量も減少し、十分な情報量を得られない場合がある。
一方、ターゲット角度を小さくすれば実効焦点を小さくすることができる。しかしながら、ターゲット角度が小さいほどターゲットに近い方のX線の減弱が、ターゲットから遠い方(すなわち、フィラメント側)の減弱に比べて大きくなる。このターゲット角度の大きさによりX線の分布に違いが発生することをヒール効果と呼ぶ。ヒール効果により、X線の強度はターゲット角の延長線と検出器の受像面が交わる部分でゼロとなる。そこで、X線管球を傾けることにより、従来のX線管球の構成を変えずに見かけの実効焦点を小さくできるX線管球(たとえば、特許文献2等)がある。
特開2012−130687号公報 特開2007−289550号公報
X線管球の内部にあるターゲットの熱による負荷を軽減するために、ターゲットを回転させる回転陽極とすることで、ターゲットの熱負荷を分散させるようなX線管球がある。しかしながら、特許文献2の発明ではターゲットを回転させて熱を分散させることができる回転陽極を持ったX線管球に適用できない。
上述のように、解像度が高く鮮明かつ精細な画像を得るためには、強いX線が照射可能である必要がある。そのためには実焦点を大きくし、実効焦点を小さくする必要がある。
そこで、実焦点の大きさに依存せず実効焦点を変更可能なX線管球を備えたX線診断装置が求められている。
本実施形態に係るX線診断装置は、実焦点の大きさに依存せず実効焦点の大きさを変更可能なターゲットと、フィラメントから放出された電子を電場で加速した電子線が前記ターゲットに衝突する位置を制御することで前記実効焦点の大きさを制御する実効焦点制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本実施形態に係るX線管球は、実焦点の大きさに依存せず実効焦点の大きさを変更可能なターゲットと、フィラメントから放出された電子が電場で加速された電子線を磁場または電場によって偏向する偏向部と、備えたことを特徴とする。
実施形態に係るX線診断装置の一例を示す概念的な構成図。 実施形態に係るX線診断装置の機能構成例を示す機能ブロック図。 従来のX線診断装置における実焦点と実効焦点を説明する図。 第1の実施形態に係るX線診断装置のターゲットの形状を説明する図。 第1の実施形態に係るX線診断装置の実焦点と実効焦点を説明する図。 第1の実施形態に係るX線診断装置の電子線の偏向方法を説明する図。 第2の実施形態に係るX線診断装置において撮像範囲を変更する動作の一例を示すフローチャート。 第2の実施形態に係るX線診断装置の撮像範囲の変更と実効焦点の変更とを説明する図。
以下、X線診断装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
(1)構成
図1は、実施形態に係るX線診断装置の一例を示す概念的な構成図である。図1が示すように、X線診断装置1は大きく撮像部10と操作制御部20から構成される。X線診断装置1の撮像部10は通常は検査室に設置され、被検体Pに関するX線の画像データを生成するよう構成される。操作制御部20は検査室に隣接する操作室に設置され、撮像条件の設定や、X線画像を生成と表示を行うよう構成される。なお、操作制御部20は撮像部10が設置される検査室に設置されてもよい。
撮像部10は、コントローラ100、撮像範囲制御部110、アーム駆動部120、寝台制御部130、絞り駆動部140、実効焦点制御部150、高圧電源160、X線管球170を有する。
X線管球170はX線管171および偏向部173を有する。X線管球170はX線管球保持部143に支持されている。X線管球保持部143は、X線管球170と絞り141を備えて構成される。
X線管171は、高圧電源160により電圧を印加されてX線を発生する。X線管171が発生するX線は、ファンビームX線やコーンビームX線として被検体Pに向かって照射される。
絞り141は、X線照射野絞りであり、X線管171のX線の出射側に設けられる。絞り141は、絞り駆動部140により制御されて、撮像範囲などに応じてX線管171から放射されるX線の照射範囲を調整する。絞り141は、複数枚の鉛羽で構成されてもよいし、X線管171の管軸に平行なシャッターの羽を持つコリメータにより構成されてもよい。
偏向部173は、X線管171のフィラメントから放出された電子を電場で加速した電子線を偏向する。偏向部173は、たとえば、電子線を偏向するための磁場を発生可能な磁場印加手段(たとえば、電磁石)や、電場を発生可能な電場印加手段(たとえば、電極)などで構成される。また電場や磁場の大きさや向きを調整することによって、電子線の偏向方向や角度を調整する。
X線管球保持部143とX線検出部111はアーム121の両端にお互いが対向するように位置し、寝台131に載置された被検体Pを挟むように設置されている。
X線検出部111は、イメージインテンシファイア、TVカメラなどを備え、X線検出部111の検出面に照射されたX線を検出し、この検出したX線に基づき、X線透視画像やX線撮像画像(以下、X線透視画像およびX線撮像画像をX線画像と総称する)の画像データを出力する。この画像データはコントローラ100を介して操作制御部20に与えられる。なお、X線検出部111は、平面検出器(FPD:Flat Panel Detector)を含むものであってもよい。また、X線検出部111は、従来のFPDを後段検出器として、より高解像度な検出能を有する前段検出器(たとえば、MAF:Micro Angiographic Fluoroscope)を備えていてもよい。前段検出器は、たとえば、狭い範囲を拡大して撮像する際に解像度の高い画像を取得するために後段検出器と切り替えて用いられる。
支持部材としてのアーム121は、一端にX線管球保持部143を保持し、他端にX線検出部111を保持する。アーム121がアーム駆動部120に制御されて駆動されることにより、X線管球保持部143およびX線検出部111は一体として被検体Pの周りを移動する。なお、図1にはアーム121がX線管球保持部143を寝台131の下方に位置するよう支持するアンダーチューブタイプの場合の一例について示したが、X線管球保持部143を寝台131の上方に位置するよう支持するオーバーチューブタイプであってもよい。また、アーム121は、X線管球保持部143とX線検出部111により定まる実効焦点と検出面間の距離(SID:Source Image receptor Distance)を変更可能なようにX線管球保持部143とX線検出部111を保持してもよい。
寝台131は、床面に設置され、被検体Pを載置する天板を支持する。寝台131は、寝台制御部130により制御されて、天板を水平方向、上下方向に移動させたり回転(ローリング)させたりする。
アーム駆動部120および寝台制御部130は、コントローラ100に制御されて、それぞれアーム121および寝台131を駆動する。
絞り駆動部140は、コントローラ100に制御されて、絞り141の開口を調整することにより、撮像範囲に応じてX線管球170から放射されるX線の照射範囲を調整する。
実効焦点制御部150は、コントローラ100に制御されて、実効焦点の大きさを制御する。実効焦点制御部150はX線管171のフィラメント177とターゲット175の相対位置の変更や、偏向部173を介してX線管171に発生する電子線の方向を制御する。
高圧電源160は、コントローラ100に制御されて、X線の照射に必要な電力をX線管171に供給する。
コントローラ100は、操作制御部20により制御されて、X線検出部111、アーム駆動部120、寝台制御部130、絞り駆動部140、実効焦点制御部150、高圧電源160を制御することにより、被検体PのX線画像の撮像を実行する。
一方、操作制御部20は、図1に示すように、通信制御装置210、記憶部220、主制御部230、入力部240、表示部250を有する。
通信制御装置210は、ネットワークの形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。通信制御装置210は、この各種プロトコルに従ってX線診断装置1と他の電気機器とを接続する。この接続には、電子ネットワークを介した電気的な接続などを適用することができる。ここで電子ネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、病院基幹LANなどの無線/有線LANやインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワークおよび衛星通信ネットワークなどを含む。
記憶部220は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、主制御部230のCPUにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有する。記憶部220はX線画像を記憶するほか、主制御部230のCPUで実行する各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。
入力部240は、たとえばキーボード、タッチパネル、テンキー、マウスなどの一般的な入力装置により構成され、ユーザの操作に対応した操作入力信号を主制御部230に出力する。
表示部250は、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成され、主制御部230の制御に従ってX線画像などを表示する。
図2は、実施形態に係るX線診断装置1の機能構成例を示す機能ブロック図である。図1と同様に、X線診断装置1は撮像部10と操作制御部20とを有する。図2に示すように、撮像部10はX線検出部111、撮像範囲制御部110、実効焦点制御部150、絞り駆動部140、絞り141、X線管球170を有する。X線管球170は、X線管171と、偏向部173を備え、さらに、X線管171はターゲット175とフィラメント177を有する。
X線管171が備えるフィラメント177は高圧電源160からの電圧供給により電子線を放出する。電子線はフィラメント177とターゲット175の間の電場により加速され、ターゲット175に衝突することによってX線が放射される。X線画像は、実効焦点が小さいほど、ボケの少ない精細度の高い画像が得られる。本実施形態に係るX線診断装置1のターゲット175は、実焦点の大きさに依存せず実効焦点の大きさを変更可能である。ターゲット175の形状については後述する。
実効焦点制御部150は、フィラメント177から放出された電子を電場で加速した電子線がターゲット175とフィラメント177の相対位置を変更する、あるいは、偏向部173を介して電子線がターゲットに衝突する位置を制御することで実効焦点の大きさを制御する。実効焦点の大きさを制御する方法は後述する。
撮像範囲制御部110は、被検体Pを撮像する範囲を制御する。被検体Pを撮像する範囲は、絞り駆動部140による絞り141の調整や、X線検出部111のX線検出器の検出範囲や検出範囲の大きさ、検出器の種類を変更することによって行われる。
(2)動作
以下、実施形態に係るX線診断装置1の動作について説明する。実効焦点を変更可能なX線診断装置1を第1の実施形態とし、第1の実施形態に加えて、撮像範囲の変更と実効焦点の大きさの変更とを同期して制御可能なX線診断装置1を第2の実施形態として、それぞれ説明する。
まず、従来のX線診断装置における実焦点と実効焦点について説明する。従来のX線診断装置は、2つ以上のフィラメントを備えることで実効焦点の大きさを変更していた。たとえば、X線強度を高くする場合はターゲットの負荷を減らすため実焦点を大きくする必要がある。そのため比較的大きなフィラメントを用いる。この場合、実効焦点も大きくなってしまうので、精細度に欠ける。一方、実焦点を小さくするために小さいフィラメントを用いる場合は、大きなフィラメントを用いる場合と比較して管電流を高くすることができない。そのためX線強度を高くすることができず、被検体Pの体厚によっては検出器で検出できるX線量が不十分となり、画像が暗くなりコントラストが悪い不鮮明な画像となってしまう。
図3は、従来のX線診断装置における実焦点と実効焦点を説明する図である。図3(a)は大きなフィラメント(L)でX線を照射する場合を、図3(b)は小さなフィラメント(S)でX線を照射する場合を例示している。図3(a)と図3(b)のターゲット角度は同じ場合を例示している。回転陽極を持ったX線管の場合、ターゲットの形状はフィラメント側を正面として観察したとき円盤状となる。図3はターゲットの一部を横から観察したものを例示している。
図3(a)および図3(b)に示すように、実焦点は、電子線がターゲットに衝突する範囲を、衝突面に対して垂直な方向から観察した部分である。また、実効焦点は、電子線がターゲットに衝突する範囲を検出面側から垂直に見上げた部分である。
図3(a)では、大きなフィラメント(L)を用いることで、フィラメントLから放出された電子線がターゲットに衝突する範囲が大きくなる。すなわち、実焦点が大きくなる。一方、図3(b)では小さいフィラメント(s)を用いることで、フィラメントSから放出された電子線がターゲットに衝突する範囲が小さくなり、実焦点が小さくなる。上述の通り、実焦点が小さい場合はフィラメントへの負荷を回避するために管電流を高くできず、また、ターゲットの熱による負荷を回避するため、管電圧を高くできない。そのため、図3(a)と比較して図3(b)の実効焦点は小さくできるが、X線強度が弱いため検出器で検出できる透過X線量が減少し、コントラストの高い鮮明な画像を得られない場合がある。
第1の実施形態に係るX線診断装置1は、実焦点の大きさに依存せず、実効焦点の大きさを変更できるターゲット175の形状を備えることにより、上記問題を解決するものである。以下、第1の実施形態に係る実効焦点を変更可能なX線診断装置1について説明する。
(第1の実施形態)
図4は、第1の実施形態に係るX線診断装置1のターゲット175の形状を説明する図である。図4はターゲット175が複数の異なるターゲット角度を有する例を示している。図4では図3と同様にターゲットの一部を横から観察したものを例示している。第1の実施形態に係るX線診断装置1のターゲット175は回転陽極の場合に限らず、固定陽極の場合にも適用可能である。
図4(a)は、ターゲット角度が離散的に異なるターゲット175の例を示している。図4(a)ではターゲット175の縁側のターゲット角度を比較的大きくし、中心に向かってターゲット角度を小さくした形状を例示している。このように、ターゲット175の先端の角度を大きくすることで、ヒール効果によるX線の減弱を抑制することができる。また、複数の角度を有することで、電子線を照射する位置を変えてターゲット角度を変更することができ、実効焦点を可変とすることができる。
図4(b)は、ターゲットの角度が連続的に異なるターゲット175の例を示している。図4(b)の例ではターゲット175の縁側から中心に向かって曲面を備えている。ターゲット175の形状を曲面とすることで、図4(a)と同様に電子線が衝突する位置のターゲット175の曲率の違いにより複数のターゲット角度をとることができる。
なお、図4で例示した形状に限らず、ターゲット175は2つ以上の角度を備えていれば形状は限定されない。たとえば、ターゲット175の中心に向かってよりなだらかに曲率が変化するような形状であってもよいし、また、ターゲット175の中心部分の角度が最大となるような山型の形状であってもよい。また、ターゲット175の曲率やターゲット角度も撮像条件や撮像範囲など種々の条件に応じて適切なものを選択可能である。
次に、図4に示した形状のターゲット175を用いることで実効焦点が変更可能であることを説明する。
図5は、第1の実施形態に係るX線診断装置1の実焦点と実効焦点を説明する図である。図5の例では、図4(b)に例示した曲面を備えたターゲット175に基づいて説明する。図5(a)はターゲット175の曲率が比較的大きい部分に電子線を照射する例を、図5(b)はターゲット175の曲率が図5(a)の例より小さい部分に電子線を照射する例を示している。
図5(a)と図5(b)では、同じサイズのフィラメント177から電子線が照射される例を示している。図5(a)と図5(b)を比較すると実焦点のサイズが変わらないのに対して、実効焦点の大きさは図5(b)の方が小さくなっている。このように、図5(a)と図5(b)とでは、同じ大きさのフィラメント177から電子線が照射されているが、電子線がターゲット175に衝突する位置が異なる。このように第1の実施形態では、電子線がターゲット175に衝突する位置を変えることで、実効焦点の大きさを自由に変更することができる。したがって、従来のX線管では難しかった、「実効焦点が小さくX線強度の高いX線」を照射することができる。
また、図5に示すように、第1の実施形態に係るX線診断装置1では、フィラメント177のサイズを変更する必要がない。すなわち、図3に示した従来例における大きなフィラメント(L)と小さなフィラメント(S)を使い分ける必要がない。たとえば、従来は実効焦点を小さくする場合、小さなフィラメント(S)に切り替えて撮像する必要があった。一方、第1の実施形態に係るX線診断装置1では、ターゲット175に対して電子線を照射する位置を変更することで、実効焦点を所望の大きさに変更することができる。
さらに、従来は、ターゲットの負荷を軽減するため、使用する管電流に応じてフィラメント177のサイズを使い分ける必要があった。しかしながら、第1の実施形態に係るX線診断装置1では、電子線がターゲット175に衝突する位置を変更することで、実効焦点サイズを変更することができるため、管電流の大きさにかかわらず(すなわち、実焦点に依存せず)同じサイズのフィラメント177を用いることが可能である。このように、従来のX線診断装置ではフィラメントを切り替えなければ出力できなかったX線強度を、同じフィラメントを用いて出力することができる。
このように、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、電子線がターゲット175に衝突する位置を変更することで実効焦点の大きさを変更できるため、管電流を変更するだけで所望のX線強度を持ったX線を照射することができる。電子線がターゲット175に衝突する位置は、たとえば、ターゲット175やフィラメント177の相対的位置を変更することによって変更することができる。たとえば、相対位置はターゲット175とフィラメント177を機械的に移動させることで変更することができる。また、照射される電子線は負の電荷を持っていることから、電子線の進路における電場の大きさを変更することにより電子線を所望の方向に曲げること(以下、偏向と呼ぶこととする)ができる。また、フレミングの左手の法則に基づいて、電子線の進路における磁場の大きさを変更することで、電子線を所望の方向に偏向することができる。
図6は、第1の実施形態に係るX線診断装置1の電子線の偏向方法を説明する図である。図6では図4(b)に示した曲面のターゲット175を例として説明する。
図6の破線および2点鎖線は、フィラメント177からターゲット175に向かって照射される電子線を示している。破線で示した電子線はターゲット175の上部(縁側)に衝突し、2点鎖線で示した電子線はターゲット175の下部(中心側)に衝突する例を示している。図6に示した実線矢印は電場の方向を示している。電場の方向を示す実線矢印は、破線で示した電子線と直交しており、検出面に垂直な方向に印加され、矢印の向きは電場の向きを示している。また、磁場の方向は紙面の奥から手前方向で、電子線と直交し検出面に平行な方向に印加されている。
電場または磁場をそれぞれの方向に印加することで、図6の破線で示した電子線が偏向して2点鎖線で示した電子線の方向に曲がる。このように電子線を偏向することによって、ターゲット175に衝突する位置を変更でき、実効焦点を変更することができる。図6では、破線で示した電子線では実効焦点Aが、2点鎖線で示した電子線では実効焦点Bができる例が示されている。実効焦点Bは実効焦点Aより小さい焦点である。電子線の偏向は電場や磁場の大きさや向きを変更することで調整可能である。第1の実施形態に係るX線診断装置1の偏向部173は、たとえば電磁石などにより構成され、電圧の大きさや電流の向きを制御することにより電子線を偏向することができる。また、偏向部173は電磁石に限らず、電場を作り出すための陰極と陽極を備えた装置でもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態に加えて、撮像範囲の変更と実効焦点の大きさの変更とを同期して制御可能なX線診断装置1に関する。第2の実施形態に係るX線診断装置1は、第1の実施形態に係るX線診断装置1と同じ構成である。以下、第2の実施形態の動作について説明する。
図7は、第2の実施形態に係るX線診断装置1において撮像範囲を変更する動作の一例を示すフローチャートである。図7の説明では、X線透視撮像のようにX線画像を連続して取得する場合を例として説明する。
ST101では、X線管球170からX線が照射され撮像が開始される。撮像開始時の撮像範囲は、予め設定されていてもよいし、撮像対象に応じて設定されてもよい。撮像範囲は多段階に調整可能であり、胸や心臓などの撮像対象となる臓器などに応じて決められていてもよいし、画像サイズや拡大率に応じて決められていてもよい。
ST103では、入力部240を介して撮像範囲制御部110に撮像範囲の変更が入力された否かが判断される。撮像範囲の変更が入力されなかった場合(ST103のNo)はそのまま撮像が継続する。一方、撮像範囲の変更が入力された場合(ST103のYes)は、撮像範囲制御部110による絞り141やX線検出部111の調整による撮像範囲の変更と、実効焦点制御部150による実効焦点の調整が実施される。
ST105では、撮像範囲制御部110が、絞り駆動部140を介して絞り141を調整したり、X線検出部111を制御して使用する前段検出器、後段検出器の設定を行ったりする。前段検出器は後段検出器よりも高精細な検出器であり、従来の検出器よりも解像度が高く、たとえば、狭い領域を拡大して詳細に撮像する場合に用いられる。前段検出器を備えたX線診断装置1の場合、後段検出器の撮像範囲対応する位置に前段検出器が重ねて用いられる。
ST107では、実効焦点制御部150が、撮像範囲に応じた実効焦点となるようにターゲット175、フィラメント177、偏向部173等を調整する。実効焦点は第1の実施形態で説明した方法で制御される。
ST109では、X線管球170からX線が照射され撮像が実行される。撮像により取得されたX線画像は表示部250に表示される。
図8は、第2の実施形態に係るX線診断装置1の撮像範囲の変更と実効焦点の変更とを説明する図である。図8にはそれぞれ撮像範囲を示す矩形枠と、対応する実効焦点の大きさが示されている。撮像範囲は実効焦点の大きさとSIDによって決定する。実効焦点が大きい場合ターゲット角度が大きくなる部分に電子線を照射することになり、撮像範囲は大きくなる。一方、小さな実効焦点の場合は、ターゲット角度が小さくなる部分に電子線が照射されるため撮像範囲は小さくなる。図8では、SIDを固定し実効焦点の大きさによって撮像範囲の大きさが変更する場合を例として説明する。
図8(a)は、被検体の胸部全体を撮像する場合の撮像範囲Aの例を示している。撮像範囲Aを撮像する場合、実効焦点制御部150は、図8(a)の下部に示す実効焦点Aの大きさになるように、ターゲット175に衝突する電子線の位置を調整する。撮像範囲Aは撮像範囲が大きいため、撮像範囲の大きさに応じてターゲット角度の大きい実効焦点Aを使用する必要がある。
同様に、図8(b)は、被検体の胸部の一部を撮像する場合の撮像範囲Bの例を示している。図8(b)下部には撮像範囲Bに対応する実効焦点Bが示されている。撮像範囲Bは撮像範囲Aより狭い範囲の撮像であるため、撮像範囲Aの場合と比較して撮像範囲Bを撮像するときは実効焦点の大きさを小さくできる。また、狭い範囲を撮像するときは、表示部250に撮像したX線画像を拡大して表示する。したがって、狭い範囲を撮像するときは、より精細な画像が要求されるためできるだけ小さな実効焦点で撮像する必要がある。
同様に図8(c)は図8(b)よりもさらに小さい領域を撮像する場合の撮像範囲Cの例を示している。図8(c)下部には撮像範囲Cに対応する実効焦点Cが示されている。撮像範囲Cは撮像範囲Bよりも撮像範囲が小さいため、さらに小さな実効焦点を使用することが可能である。
図8に示すように、第2の実施形態に係るX線診断装置1は、撮像範囲の大きさに同期させて実効焦点の大きさを変更することができる。撮像範囲に応じて実効焦点の大きさを変更することで、たとえば、管電流、管電圧を変えずに撮像範囲のみを調整することができる。また、表示部250に拡大して表示しても精細度を維持した状態で表示することができる。また、従来のX線診断装置では、実効焦点を小さくするとX線強度が不足し画像が暗くなってしまう場合があった。一方、第2の実施形態に係るX線診断装置1では、管電流、および管電圧が高い状態で実効焦点を小さくすることができるため、十分なX線強度を持ったX線を照射して精細な画像を取得することができる。
さらに、前段検出器により撮像範囲を変更する動作に、実効焦点の大きさの変更を同期させてもよい。たとえば、入力部240から前段検出器を利用した撮像が実行された場合は、設定された前段検出器の撮影範囲の大きさなどに応じて実効焦点の大きさが調整されるようにしてもよい。特に前段検出器を用いる場合は、撮像した範囲を拡大して詳細に観察したい場合である。このような場合、実効焦点をできるだけ小さくすることで、精細度および解像度が高い良質な画像を取得することができる。
なお、図8の説明ではSIDを固定する場合を例として説明したが、SIDと撮像範囲とに基づいて実効焦点の大きさを調整してもよい。SIDは実効焦点と検出面間の距離のことである。SIDは実効焦点と被検体の距離と、被検体と検出面の距離とによって定まる。たとえば、同じ実効焦点で撮影する場合、実効焦点と被検体の距離を小さくすると拡大率は大きくなる一方、撮像範囲は小さくなる。この場合半影によるボケの影響により精細度が低下する。逆に、被検体と検出面の距離が大きいと拡大率は小さいが撮像範囲は広く精細度が高くなる。第2の実施形態に係るX線診断装置1は実効焦点と被検体の距離と、被検体と検出面の距離とにより変化する被検体Pの拡大率と撮像範囲に基づいて精細度が最大となるように実効焦点の大きさを制御するようにしてもよい。すなわち、実効焦点と被検体の距離を小さくした場合、精細度を高くするために実効焦点を小さくし、逆に被検体と検出面の距離を大きくしたときは実効焦点を大きくするように制御してもよい。
また、図8ではターゲット175とフィラメント177の相対位置を変更することで、電子線がターゲット175に衝突する位置を変更する図で説明しているが、第1の実施形態と同様に、偏向部173により電子線を偏向することによって電子線がターゲット175に衝突する位置を変更してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 X線診断装置
10 撮像部
20 操作制御部
100 コントローラ
110 撮像範囲制御部
111 X線検出部
120 アーム駆動部
121 アーム
130 寝台制御部
131 寝台
140 駆動部
143 X線管球保持部
150 実効焦点制御部
160 高圧電源
170 X線管球
171 X線管
173 偏向部
175 ターゲット
177 フィラメント
210 通信制御装置
220 記憶部
230 主制御部
240 入力部
250 表示部

Claims (7)

  1. 実焦点の大きさに依存せず実効焦点の大きさを変更可能なターゲットと、
    フィラメントから放出された電子を電場で加速した電子線が前記ターゲットに衝突する位置を制御することで前記実効焦点の大きさを制御する実効焦点制御部と、
    を備えたことを特徴とするX線診断装置。
  2. 前記ターゲットは少なくとも2つ以上の異なるターゲット角度を有する形状とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
  3. 前記ターゲットは曲面を有する形状とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
  4. 前記実効焦点制御部は前記フィラメントと前記ターゲットの相対的な位置関係を変更する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  5. 前記実効焦点制御部の制御に基づいて前記電子線を偏向する偏向部をさらに備えた、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  6. 被検体を撮像する範囲を制御する撮像範囲制御部をさらに備え、
    前記実効焦点制御部は、前記範囲の大きさに応じて前記実効焦点の大きさを制御すること、
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  7. 実焦点の大きさに依存せず実効焦点の大きさを変更可能なターゲットと、
    フィラメントから放出された電子が電場で加速された電子線を磁場または電場によって偏向する偏向部と、
    を備えたことを特徴とするX線管球。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107874769A (zh) * 2016-09-30 2018-04-06 万睿视影像有限公司 具有碰撞检测的成像器
JP2019523876A (ja) * 2016-06-16 2019-08-29 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 対象物をx線イメージングするための装置
JP7086611B2 (ja) 2018-01-10 2022-06-20 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線診断装置

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