JP2016053590A - 試料を予熱し、脂肪または水分の含量を測定するための方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、U.S. provisional applications Serial No. 61/622,497, 2012年4月10日出願、および61/635,342, 2012年4月19日出願;およびU.S. non-provisional application Serial No. 13/858,991, 2013年4月9日出願に基づく優先権を主張する。
体的には実質的に乾燥している(すなわち、それらが水を含有する場合、それの大部分は結合水である)食品および関連試料について時間領域(time-domain)核磁気共鳴測定を実
施するための方法に関する。
は動物飼料中の特定の成分の量を決定するために使用できる。たとえば、そのような食品の脂肪(および油)含量の測定は、加工食品の製造業者にとって特に重要である可能性がある。製造過程での脂肪および油の含量の変動は製品の品質にとって障害となるか、あるいは産業経済に不都合な影響を及ぼす可能性がある。試料の脂肪含量は、食品についてテキスチャー、耐熱性、口当たり、およびフレーバー放出など有用な情報も提供する。さらに、多くの食品がそれらに含まれる脂肪および油に関して種々の規則および規制により表示および含量についての要求を受ける。脂肪および油の含量についての情報は、種々の加工法を管理する際にしばしば有用または必要である。
当業者に知られている。したがって、用語“脂肪”と“油”は本明細書中で互換性をもって使用できる。
たとえば、乾燥食品の貯蔵寿命を延長するためには、製品の水分含量を一般に最小限に抑えるべきである。したがって、水分含量についての情報も食品加工法を管理する際に有用または必要である。
ーブン乾燥および溶媒ベースの抽出を含む。したがって、製造プロセス管理の目的で伝統的方法を用いるのは非効率的であり、多くの場合、実用的でない。たとえば、大量製造プラントにおける多くの食品検査適用は、次の加工段階へ移動する前に製品を検査できるように迅速な分析を必要とする。したがって、時間がかかる伝統的方法は一般に受け入れられない。さらに、多くの方法が高価でしばしば有害な溶媒を必要とし、廃棄問題を提起する。したがって、科学者は試料の脂肪および油の含量を決定するための代替法を追及してきた。
使用を提唱した。NMR分析は本質的に、ある原子の核を第1の静磁場に置き、次いで第2の振動電磁場に曝露した際に起きる現象を測定する分光法である。NMR分析の理論および操作法は当技術分野で十分に理解されており、本明細書中では本発明を記載するのに必要なもの以外は詳細に考察しない。しかし、ある程度簡単に述べると、NMR分析に際してある物質を磁場に置くと、磁場は元素のある同位体の原子核の“スピン”に影響を及ぼす。その核は磁場に応答して特定の様式で自然配向する。第2の高周波(RF)磁場が
この核上を通過すれば、RF磁場が特定の周波数に達した時、その核のプロトンは再配向するであろう。RF磁場が切断されると、核は緩和し、再び自然に再配向してエネルギーを放出し、それがその物質の分子構造に関するデータを提供する。
理論的に、概念的状況ではすべてのプロトンが同じ周波数で共鳴し、あるいは同じ期間にわたって緩和するはずである。しかし、周囲の電子がそのプロトンに作用している磁場と干渉し、したがって各プロトンは、それを囲む電子密度に応じてわずかに異なる周波数で共鳴し、あるいは異なる期間にわたって緩和するであろう。その結果、異なる化合物(および化合物内の異なる官能基)は異なる共鳴周波数および異なる緩和時間をもつ。
出および一般的な過剰乾燥の代替法として長年にわたって有望であった。しかし、これに関してNMRを効率的に利用するのは困難であることが証明された。この困難さは、食品試料の水分、脂肪および油の含量の測定において特に支配的である。
ウインドウのNMR共鳴を利用して容易に液体を固体から区別できる。伝統的な脂肪および油の分析は、NMR分析の前に試料中のすべての脂肪および油を融解することによりこれを利用する。多くの食品は比較的高い水分含量をもち、高い水分含量は通常はNMR分析を実施不可能にするので、食品試料は一般にNMR分析の前に十分に乾燥させなければならない。
され、これはNMR分析の前に一連の加熱用高周波パルスを試料に印加することを含む。そのようなRF加熱法は、金属コートした試料管にRFエネルギーを付与して試料管を伝導加熱し、それが次いで試料を伝導加熱によって加熱することを伴なう。RF加熱法はかなり経費および時間がかかる可能性があり、かつRF加熱パラメーターは試料タイプ依存性が高い。
するために温度補正係数を適用する方法が開示されている。この補正係数は試料タイプ依存性であり、かなり複雑な計算を伴ない、このためこの開示された方法は信頼性が低くなり、この場合も試料タイプ依存性になる。
わち、有意量の自由水を含む試料)の脂肪および水の含量を測定するための、勾配磁場を用いる時間領域NMR法が開示されている。勾配磁場は、脂肪と水を同時に測定できるように、水からの信号関与を抑制するために用いられる。NMR測定に際してそのような勾配磁場を印加すると、その方法、その方法を採用するのに必要な機器、および得られたデータの解析の複雑さが増大する。
する他の時間領域NMR法が開示されている。まずRFパルスシーケンスを用いて試料の磁化を飽和させ、そして信号振幅を測定しながら追加のRFパルスシーケンスを試料に印加する。この方法におけるRFパルスの時間パラメーターおよび数は、試料に合わせて調整される。したがって、このNMR法は試料タイプ依存性である。さらに、必要な飽和および測定用のシーケンス数は、開示された方法をより時間がかかる複雑なものにする。
[0020] 他の代表的態様において、ヒーター温度は、(i)加熱期間内に試料をマグネット温度とほぼ等しい温度にまで加熱するのに十分なほど高く、かつ(ii)加熱期間内に試料を蒸煮するのを避けるのに十分なほど低い。
[0022] さらに他の代表的態様において、加熱期間は、(i)試料をヒーター温度でマグネット温度とほぼ等しい温度にまで加熱するのに十分なほど長く、かつ(ii)ヒーター温度で試料を蒸煮するのを避けるのに十分なほど短い。
[0024] さらに他の代表的態様において、マグネット温度は約40℃である。
[0025] さらに他の代表的態様において、マグネット期間は、加熱試料の温度がマグネット温度とほぼ等しくなるのに十分なほど長い。
[0027] さらに他の代表的態様において、試料は脂肪を含む。
[0028] さらに他の代表的態様において、試料は乾燥している(すなわち、試料は約12重量%未満の水、たとえば約10重量%未満の水を含み、その水の大部分は結合水である)。
[0030] さらに他の代表的態様において、本方法は、第2試料をヒーター温度で加熱期間、加熱し、その後、第2試料を、マグネット温度と等しい内部温度を有するNMR計器内にマグネット期間、配置し、そしてその後、NMR計器を用いてNMR測定を実施することを含む。
[0033] 他の代表的態様において、少なくとも1シーケンスの高周波パルスを試料に印加する工程は、2以上のシーケンス(たとえば、16以下のシーケンス)の高周波パルスを試料に印加することを含む。この代表的態様において、測定した第1信号の振幅の平均値を用いてFID値を決定し、そして測定した第2信号の振幅の平均値を用いてスピンエコー値を決定する。
[0036] さらに他の代表的態様において、FID値から減算したスピンエコー値のフラ
クションは約1/24である。
[0038] さらに他の代表的態様において、試料は乾燥している(すなわち、試料は約12重量%未満の水、たとえば約10重量%未満の水を含み、その水の大部分は結合水である)。
[0040] さらに他の代表的態様において、本方法は試料を秤量することを含む。
的態様のフローチャートを示す。図示するように、本方法は、試料を秤量する初期工程11を含む。もちろん、試料の重量が分かっていれば本方法においてこの工程11を実施しなくてよい。
るもの)の方がNMR分析用としてそのままで適している。とは言うものの、比較的低い量の自由水を含む湿潤試料ではあるが、湿潤試料について本発明方法を実施するのは本発明の範囲に含まれる。あるいは、本発明方法は、NMR分析を実施する前に試料を乾燥させる初期工程または中間工程を含むことができる。
信号が発生する(図3を参照)。減衰信号の振幅を測定することができ、それは一般に自由誘導減衰(Free Induction Decay)またはFIDと呼ばれる。
間隔は、FID信号が完全に減衰するのに要するであろう時間より短い。言い換えると、πパルスはFID信号が完全に減衰する前に印加される。初期π/2パルスと後続πパルスのこの間隔は、一般に試料の結合水の核のスピンがもはや正味磁気モーメントをもたなくなるのに十分なほど長い。
IDおよびスピンエコーは、個別および組合わせたものの両方が、試料の化学組成(たとえば、それの脂肪含量および/または水分含量)に関する情報を提供する。
できる。NMR計器は内部磁場をもつ。一般に、内部磁場は一定である(すなわち、静止している)が、勾配磁場であってもよい。
3/22である可能性がある(たとえば、粉末乳製品および他の粉末の試料について)。代表的態様において、FID値から減算したスピンエコー値のフラクションは、約1/24である可能性がある(たとえば、より大きな粒度の試料、たとえばチップについて)。
(すなわち、FID補正−S.E.=水分補正)。
期間、加熱する。その後、加熱試料をNMR計器内に配置する工程42を実施し、そのNMR計器はマグネット温度と実質的に等しい内部温度を有する。試料をNMR計器内に、あるマグネット期間、配置した後、あるシーケンスの高周波パルスを試料に印加する工程43を開始する。
Claims (33)
- NMR計器でNMR応答を測定する方法であって、
試料を、NMR計器のマグネットの温度より高いヒーター温度で、ある加熱期間、加熱し;
その後、加熱試料を、マグネット温度と実質的に等しい内部温度を有するNMR計器内に、あるマグネット期間、配置し;そして
その後、NMR計器を用いて加熱試料のNMR応答を測定する
ことを含む方法。 - 試料をヒーター温度で加熱する工程が、伝導加熱を用いて試料を加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
- ヒーター温度が、(i)加熱期間内に試料をマグネット温度とほぼ等しい温度にまで加熱するのに十分なほど高く、かつ(ii)加熱期間内に試料を蒸煮するのを避けるのに十分なほど低い、請求項1に記載の方法。
- ヒーター温度が約60℃〜80℃である、請求項1に記載の方法。
- 加熱期間が、(i)試料をヒーター温度でマグネット温度とほぼ等しい温度にまで加熱するのに十分なほど長く、かつ(ii)ヒーター温度で試料を蒸煮するのを避けるのに十分なほど短い、請求項1に記載の方法。
- 加熱期間が約30秒〜60秒である、請求項1に記載の方法。
- マグネット温度が約40℃である、請求項1に記載の方法。
- マグネット期間は、加熱試料の温度がマグネット温度とほぼ等しくなるのに十分なほど長い、請求項1に記載の方法。
- マグネット期間が約60秒以下である、請求項1に記載の方法。
- 試料が脂肪を含む、請求項1に記載の方法。
- 試料が乾燥している、請求項1に記載の方法。
- 試料をヒーター温度で加熱する工程の前に、試料を秤量する、請求項1に記載の方法。
- 第2試料をヒーター温度で、加熱期間、加熱し;
その後、第2試料を、マグネット温度と等しい内部温度を有するNMR計器内に、マグネット期間、配置し;そして
その後、NMR計器を用いてNMR測定を実施する
ことを含む、請求項1に記載の方法。 - 試料の少なくとも1種類の成分の量を決定する方法であって、
内部磁場を有するNMR計器内に試料を配置し;
NMR計器を用いて少なくとも1シーケンスの第1および第2高周波パルスを試料に印加し;
それぞれの第1高周波パルスを印加することにより発生するそれぞれの第1信号の振幅を測定してFID値を決定し;
それぞれの第2高周波パルスを印加することにより発生するそれぞれの第2信号の振幅を測定してスピンエコー値を決定し;そして
スピンエコー値およびスピンエコー値のフラクションをFID値から減算することにより、試料の少なくとも1種類の成分の量を決定する
ことを含む方法。 - 第1高周波パルスが単一π/2パルスであり;
第2高周波パルスが単一πパルスである、
請求項14に記載の方法。 - 少なくとも1シーケンスの高周波パルスを試料に印加する工程が、2以上のシーケンスの高周波パルスを試料に印加することを含み;
測定した第1信号の振幅の平均値を用いてFID値を決定し;そして
測定した第2信号の振幅の平均値を用いてスピンエコー値を決定する
ことを含む、請求項14に記載の方法。 - 16以下のシーケンスの高周波パルスを試料に印加する、請求項16に記載の方法。
- 試料を配置する工程、試料に高周波パルスを印加する工程、ならびに複数試料について第1および第2信号それぞれの振幅を測定する工程を実施し;
各試料のスピンエコー値をそれのFID値から減算して、各試料の信号損失を確定し;そして
確定した信号損失に基づいて、FID値から減算したスピンエコー値のフラクションを決定する
ことを含む、請求項14に記載の方法。 - FID値から減算したスピンエコー値のフラクションが約3/22である、請求項14に記載の方法。
- 試料が脂肪を含む、請求項14に記載の方法。
- 試料が乾燥している、請求項14に記載の方法。
- 内部磁場が一定である、請求項14に記載の方法。
- 試料を秤量することを含む、請求項14に記載の方法。
- 試料をNMR計器内に配置する前に、試料をNMR計器のマグネットの温度より高いヒーター温度で、ある加熱期間、加熱し;
その後、加熱試料をNMR計器内に配置し、そのNMR計器はマグネット温度と実質的に等しい内部温度を有し;そして
試料をNMR計器内に、あるマグネット期間、配置した後に、少なくとも1シーケンスの高周波パルスを印加する工程を開始する;
ことを含む、請求項14に記載の方法。 - 試料をヒーター温度で加熱する工程が、伝導加熱を用いて試料を加熱することを含む、請求項24に記載の方法。
- ヒーター温度が、(i)加熱期間内に試料をマグネット温度とほぼ等しい温度にまで加熱するのに十分なほど高く、かつ(ii)加熱期間内に試料を蒸煮するのを避けるのに十
分なほど低い、請求項24に記載の方法。 - ヒーター温度が約60℃〜80℃である、請求項24に記載の方法。
- 加熱期間が、(i)試料をヒーター温度でマグネット温度とほぼ等しい温度にまで加熱するのに十分なほど長く、かつ(ii)ヒーター温度で試料を蒸煮するのを避けるのに十分なほど短い、請求項24に記載の方法。
- 加熱期間が約30秒〜60秒である、請求項24に記載の方法。
- マグネット温度が約40℃である、請求項24に記載の方法。
- マグネット期間は、加熱試料の温度がマグネット温度と等しくなるのに十分なほど長い、請求項24に記載の方法。
- マグネット期間が約60秒以下である、請求項24に記載の方法。
- 試料をヒーター温度で加熱する工程の前に、試料を秤量する、請求項24に記載の方法。
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