JP2016052819A - 壁面走行車 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両本体を効率的に壁面に密着させること。【解決手段】壁面走行車は、壁面上を走行する。壁面走行車は、車両本体と、車両本体に設けられ、壁面と反対方向に送風し、該送風の反力によって、車両本体を前記壁面に密着させる送風手段と、を備えている。送風手段は、斜め下方かつ壁面法線方向と重力方向のなす平面上の方向に送風を行う。さらに、壁面走行車は、車両本体の姿勢を検出する検出手段と、検出手段により検出された姿勢に応じて、送風手段の送風方向を変化させる可変手段と、を更に備えていてもよい。【選択図】図4
Description
本発明は、壁面上を走行する壁面走行車に関するものである。
近年、軍事・産業・エンターテインメントなど各種の分野で、壁面を走行する車両が求められている。これに対し、空気を水平方向かつ壁面と反対方向に送風してその反力で車両本体を壁面に密着させる壁面走行車が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記壁面走行車は、車両本体を壁面に密着させる送風量について十分に考慮されておらず、大量の空気を送風しており効率的とは言えない。
そこで、本発明は、車両本体と、前記車両本体に設けられ、壁面と反対方向に送風し、該送風の反力によって、前記車両本体を前記壁面に密着させる送風手段と、を備え、前記送風手段は、斜め下方かつ前記壁面の法線方向と重力方向のなす平面上の方向に送風を行う、ことを特徴とする壁面走行車を提供する。
本発明によれば、車両本体を効率的に壁面に密着させることができる壁面走行車を提供することができる。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る壁面走行車の概略的構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態1に係る壁面走行車の概略的なシステム構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る壁面走行車の概略的構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態1に係る壁面走行車の概略的なシステム構成を示すブロック図である。
本実施形態1に係る壁面走行車1は、例えば、路面に対して垂直に立てられた壁面A上を走行する。壁面走行車1は、車両本体2と、ファン装置3と、を備えている。車両本体2には、車両本体2を走行させる一対の左前輪4L及び右前輪4Rと、左右前輪4L、4Rに従動し後方を支持する1つの後輪5と、が設けられている。車両本体2は、左右前輪4L、4Rの回転速度差によって方向を変える。左前輪モータ6Lは、左前輪4Lに連結されており左前輪4Lを駆動する。右前輪モータ6Rは、右前輪4Rに連結されており右前輪4Rを駆動する。
右前輪モータ6Rには、右前輪ドライバ7Rが接続されている。右前輪ドライバ7Rは、CPU(Central Processing Unit)8からの制御信号に応じて右前輪モータ6Rを駆動する。左前輪モータ6Lには左前輪ドライバ7Lが接続されている。左前輪ドライバ7Lは、CPU8からの制御信号に応じて左前輪モータ6Lを駆動する。
ファン装置3は、送風手段の一具体例である。ファン装置3は、車両本体2上に設けられている。ファン装置3は、複数の翼で構成されたファン31と、ファン31を回転させるファンモータ32と、ファンモータ32を駆動するファンドライバ33と、を有している。ファンドライバ33は、CPU8からの制御信号に応じて、ファンモータ32を駆動する。
ファン装置3は、ファン31を回転させることで、周囲の空気を吸気口34から吸入する。そして、ファン装置3は、吸入した空気を気流加速部35を介して排気口36から高速に排出する。気流加速部35は、略円錐形状をなしており、先端方向に窄まる形状を有している。これにより、気流加速部35は、ファン31から空気を効率的に加速して排気口36から送出する。ファン装置3は、この空気を排出したときの反力を利用して、車両本体2の左右前輪4L、4R及び後輪5を壁面Aに密着させる。
車両本体2には、円形状の回転盤9が回転可能に設けられている。ファン装置3は、回転盤9に一対の支持部10を介して搖動可能に取り付けられている。一対の支持部10は、ファン装置3の両側を挟み込むようにして支持する。ファン装置3は、回転盤9と共に回転することで、送風方向を変化させる。
回転盤9には、水平加速度センサ11が設けられている。水平加速度センサ11は、ファン装置3の送風方向に対して右または左方向への重力加速度を検出することによって、水平方向に対する回転盤9の回転量を検出する。水平加速度センサ11は、検出手段の一具体例である。水平加速度センサ11は、検出した回転盤9の回転量をデジタル信号としてCPU8に出力する。
車両本体2には、回転盤9を回転させる回転盤モータ12が設けられている。回転盤モータ12には回転盤ドライバ13が接続されている。回転盤ドライバ13は、CPU8からの制御信号に応じて、回転盤モータ12を駆動する。CPU8は、例えば、水平加速度センサ11の値が水平値であるゼロに近くなるように回転盤ドライバ13をサーボ制御する。これにより、壁面走行車1が垂直な壁面A上を走行しているときに、CPU8は、ファン装置3の送風方向が斜め下方かつ壁面法線方向と重力方向のなす平面上になるように、回転盤ドライバ13を制御して回転盤9を回転できる。
このように、CPU8は、水平加速度センサ11により検出された車両本体2の回転盤9の回転量(姿勢)に応じて、ファン装置3の送風方向を変化させる。これにより、壁面走行車1が方向転換した場合等でも、ファン装置3の送風方向を斜め下方かつ壁面法線方向と重力方向のなす平面上の方向に向けることができる。
車両本体2には、カメラ14が設けられている。カメラ14は、例えば、壁面Aなどの車両本体2周囲を撮影する。カメラ14は、例えば、C-MOS(Complementary MOS)カメラやCCD(Charge Coupled Device)カメラである。カメラ14は、デジタル化した撮影画像を無線通信装置15などに出力する。
車両本体2には、検査棒16が壁面の垂線を軸に回転可能に設けられている。検査棒16は、その先端を壁面などの検査対象に接触させつつ回転させることで音を発生させる。検査棒16の先端には、マイク17が設けられている。マイク17は、検査棒16が発する音を取得する。マイク17は、取得した音情報をデジタル信号として無線通信装置15に出力する。
壁面走行車1は、例えば検査棒16の先端を壁面に擦り音を発生させる。このとき、マイク17は、その音を取得する。ユーザは、この取得した音を解析することで、壁面Aの亀裂、剥離などを検査することができる。検査棒16には、検査棒モータ18が連結されている。検査棒モータ18は、検査棒ドライバ19が接続されている。検査棒ドライバ19は、CPU8からの制御信号に応じて検査棒モータ18を駆動する。
車両本体2には、車両本体2の位置を検出する位置検出装置20が設けられている。位置検出装置20は、例えば、カメラ14からの撮影画像あるいはGPS(Global Positioning System)信号を用いて、車両本体2の現在位置を検出する。位置検出装置20は、検出した車両本体2の現在位置情報をCPU8に出力する。
車両本体2には、CPU基板21が設けられている。CPU基板21上にはCPU8が設けられている。CPU8は、可変手段の一具体例である。CPU8は、車両本体2の各部を制御する。CPU8は、例えば、左右前輪ドライバ7L、7R、ファンドライバ33、回転盤ドライバ13、検査棒ドライバ19を介して、左右前輪モータ6L、6R、ファンモータ32、回転盤モータ12、検査棒モータ18、を夫々制御する。
CPU基板21上には、フラッシュメモリ22が設けられている。フラッシュメモリ22は、例えば、CPU8を制御するためのソフトウェアを格納している。CPU基板21上には、メモリ23が設けられている。メモリ23は、例えば、CPU8が処理するデータおよびプログラムを一時的に格納している。
車両本体2には、電池24が設けられている。電池24は、CPU8、左右前輪ドライバ7L、7R、ファンドライバ33、回転盤ドライバ13、検査棒ドライバ19などに電力を供給する。電池24は、例えば、リチウムイオン電池などの充電式電池である。無線通信装置15は、通信ネットワークを介して外部と無線通信を行う。
なお、右前輪ドライバ7R、左前輪ドライバ7L、CPU8、水平加速度センサ11、回転盤ドライバ13、カメラ14、無線通信装置15、マイク17、検査棒ドライバ19、位置検出装置20、フラッシュメモリ22、メモリ23、および、ファンドライバ33は、通信バス25を介して相互に接続されている。これら各機器は、通信バス25を介して双方向の情報通信を行うことができる。
壁面走行車1の無線通信装置15は、例えば、コントローラ100およびサーバ101と双方向の無線通信を行う(図3)。無線通信装置15は、コントローラ100から送信される操作情報を受信する。無線通信装置15は、受信した操作情報を通信バス25を介してCPU8に出力する。
カメラ14は、撮影画像を通信バス25を介して無線通信装置15に出力する。無線通信装置15は、カメラ14からの撮影画像をサーバ101に送信する。マイク17は、音情報を通信バス25を介して無線通信装置15に出力する。無線通信装置15は、マイク17からの音情報をサーバ101に送信する。位置検出装置20は、車両本体2の位置情報を通信バス25を介して無線通信装置15に出力する。無線通信装置15は、位置検出装置20からの位置情報をサーバ101に送信する。サーバ101は、無線通信装置15から送信される撮影画像、音情報、位置情報を格納する。
上記のように、壁面走行車1は、コントローラ100、サーバ101、電源など地上の機器とケーブルによって接続されていない。このため、壁面走行車1は、壁面A上を制限なく自由に走行し上記検査等を行うことができる。
ところで、従来の壁面走行車は、空気を水平方向かつ壁面と反対方向に送風しその反力で車両本体を壁面に密着させている。このため、壁面走行車は、車両本体を壁面に密着させる送風量について十分に考慮されておらず、大量の空気を送風しており効率的とは言えない。
これに対し、本実施形態1に係る壁面走行車1において、ファン装置3は、斜め下方かつ壁面法線方向と重力方向のなす平面上の方向に送風を行う。これにより、壁面走行車1の重力を、ファン装置3による送風の反力(以下、送風反力と称す)の鉛直方向成分および車両本体2の前後輪4L、4R、5と壁面Aとの間に生じる摩擦力の鉛直方向成分とによってバランスよく壁面上に支持できる。したがって、大量の空気を送風する必要がなく、車両本体2を効率的に壁面に密着させることができる。
図4は、本実施形態1に係る壁面走行車を壁面上に支持するための方法を示す図である。ファン装置3の送風方向Lは、水平線L1に対して下方向に角度θ傾いている。これにより、ファン装置3の送風反力Pには鉛直方向成分P1が生じる。この送風反力Pの鉛直方向成分P1と前後輪4L、4R、5と壁面Aとの間の摩擦力Sによって、壁面走行車1に掛かる重力Gを支える。
ここで、前後輪4L、4R、5が壁面Aから受ける反力の合計をT、前後輪4L、4R、5と壁面Aとの間の摩擦力の合計をS、前後輪4L、4R、5と壁面Aとの静摩擦係数を1とする。送風反力Pが車両本体2の滑り落ちない最小力である場合、摩擦力の関係により下記式(1)が成り立つ。
S=T (1)
力のつり合いにより、下記式(2)、及び式(3)が成り立つ。
T=P・cosθ (2)
G=P・sinθ+S (3)
上記式(1)乃至式(3)からTとSを消去すると、下記式(4)が成り立つ。
P=G・sin(π/4)/sin(θ+π/4) (4)
力のつり合いにより、下記式(2)、及び式(3)が成り立つ。
T=P・cosθ (2)
G=P・sinθ+S (3)
上記式(1)乃至式(3)からTとSを消去すると、下記式(4)が成り立つ。
P=G・sin(π/4)/sin(θ+π/4) (4)
上記式(4)より、例えば、角度θ=45°のとき送風反力Pが最小となることが分かる。なお、実際は壁面Aは垂直とは限らず、静摩擦係数も1とは限らない。このため、角度θは、例えば、前後輪4L、4R、5と壁面Aとの静摩擦係数や壁面の角度に応じて決定するのが望ましい。
CPU8は、上記算出した最小の送風反力Pに基づいて、ファン装置3のファンドライバ33を駆動するための駆動値を算出する。CPU8は、算出したファンドライバ33の駆動値に応じた制御信号を生成し、ファンドライバ33に対して出力する。ファンドライバ33は、CPU8から出力される制御信号に応じてファンモータ32を駆動しファン31を回転させる。
以上のように、本実施形態1に係る壁面走行車1は、過剰な送風反力を発生させずに、車両本体2が壁面Aから滑り落ちないだけの必要最低限の送風反力Pを発生させる。そして、この送風反力Pの鉛直方向成分P1および車両本体2の前後輪4L、4R、5と壁面Aとの間に生じる摩擦力Sの鉛直方向成分とによって壁面走行車1の重力Gをバランスよく壁面A上に支持する。これにより、車両本体2を効率的に壁面Aに密着させることができる。
図5は、本実施形態1に係る壁面走行車の動作処理フローを示すフローチャートである。壁面走行車1の電源がオン状態になる(START)。無線通信装置15は、コントローラ100から送信される操作情報の受信を開始する(ステップS101)。無線通信装置15は、受信した操作情報を通信バス25を介してCPU8に出力する。
CPU8は、受信した操作情報がファン回転開始であると判断した場合(ステップS102のYES)、ファンドライバ33に制御信号を通信バス25を介して出力する。ファンドライバ33は、ファンモータ32を駆動し、ファン31を回転させる。同時にCPU8は、水平加速度センサの出力値をもとに、回転盤モータ12の制御を開始する(ステップS106)。
CPU8は、受信した操作情報が位置リセットであると判断した場合(ステップS103のYES)、現在位置情報を所定状態(建物の右下端を示す値など)に初期化する(ステップS107)。
CPU8は、受信した操作情報が測定開始であると判断した場合(ステップS104のYES)、壁面の測定を開始する(ステップS108)。
CPU8は、カメラ14、マイク17、検査棒ドライバ19、及び位置検出装置20に測定開始の制御信号を通信バス25を介して送信する。検査棒ドライバ19は、CPU8からの制御信号に応じて検査棒モータ18を駆動し検査棒16を反復動させる。マイク17は、CPU8からの制御信号に応じて検査棒16による音を取得する。マイク17は、取得した音情報を通信バス25を介して無線通信装置15に出力する。カメラ14は、CPU8からの制御信号に応じて撮影を行う。カメラ14は、撮影した撮影画像を通信バス25を介して無線通信装置15に出力する。位置検出装置20は、CPU8からの制御信号に応じて車両本体2の現在位置を検出する。位置検出装置20は、検出した現在位置情報を通信バス25を介して無線通信装置15に出力する。無線通信装置15は、マイク17からの音情報、カメラ14からの撮影画像、及び位置検出装置20から現在位置情報をサーバ101に継続的に送信する。
CPU8は、カメラ14、マイク17、検査棒ドライバ19、及び位置検出装置20に測定開始の制御信号を通信バス25を介して送信する。検査棒ドライバ19は、CPU8からの制御信号に応じて検査棒モータ18を駆動し検査棒16を反復動させる。マイク17は、CPU8からの制御信号に応じて検査棒16による音を取得する。マイク17は、取得した音情報を通信バス25を介して無線通信装置15に出力する。カメラ14は、CPU8からの制御信号に応じて撮影を行う。カメラ14は、撮影した撮影画像を通信バス25を介して無線通信装置15に出力する。位置検出装置20は、CPU8からの制御信号に応じて車両本体2の現在位置を検出する。位置検出装置20は、検出した現在位置情報を通信バス25を介して無線通信装置15に出力する。無線通信装置15は、マイク17からの音情報、カメラ14からの撮影画像、及び位置検出装置20から現在位置情報をサーバ101に継続的に送信する。
CPU8は、受信した操作情報が測定停止であると判断した場合(ステップS105のYES)、壁面の測定を停止する(ステップS109)。
CPU8は、カメラ14、マイク17、検査棒ドライバ19、及び位置検出装置20に測定停止の制御信号を通信バス25を介して送信する。検査棒ドライバ19は、CPU8からの制御信号に応じて検査棒モータ18の駆動を停止する。マイク17は、CPU8からの制御信号に応じて検査棒16による音の取得を停止する。カメラ14は、CPU8からの制御信号に応じて撮影を停止する。位置検出装置20は、CPU8からの制御信号に応じて車両本体2の現在位置の検出を停止する。
CPU8は、カメラ14、マイク17、検査棒ドライバ19、及び位置検出装置20に測定停止の制御信号を通信バス25を介して送信する。検査棒ドライバ19は、CPU8からの制御信号に応じて検査棒モータ18の駆動を停止する。マイク17は、CPU8からの制御信号に応じて検査棒16による音の取得を停止する。カメラ14は、CPU8からの制御信号に応じて撮影を停止する。位置検出装置20は、CPU8からの制御信号に応じて車両本体2の現在位置の検出を停止する。
サーバ101は、これまで無線通信装置15から送信されたデータを蓄積する。そして、サーバ101は、蓄積した音声情報を解析し、外壁の剥離を検出する。サーバ101は、音声情報の現在位置情報に対応させて、壁面の剥離の有無を蓄積する。
以上、本実施形態1に係る壁面走行車1において、ファン装置3は、斜め下方かつ壁面法線方向と重力方向のなす平面上の方向に送風を行う。これにより、壁面走行車1の重力を、ファン装置3の送風反力の鉛直方向成分および車両本体2の前後輪4L、4R、5と壁面Aとの間に生じる摩擦力の鉛直方向成分とによってバランスよく壁面上に支持できる。したがって、大量の空気を送風する必要がなく、車両本体2を効率的に壁面に密着させることができる。
実施形態2
図6は、本発明の実施形態2に係る壁面走行車の概略的構成を示す斜視図である。図7は、本発明の実施形態2に係る壁面走行車の概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施形態2に係る壁面走行車26は、傾斜角度が変化する壁面上を走行することを特徴とする。
図6は、本発明の実施形態2に係る壁面走行車の概略的構成を示す斜視図である。図7は、本発明の実施形態2に係る壁面走行車の概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施形態2に係る壁面走行車26は、傾斜角度が変化する壁面上を走行することを特徴とする。
本実施形態2に係る壁面走行車26は、上記実施形態1に係る壁面走行車1の構成に加えて、支持部モータ27と、支持部ドライバ28と、垂直加速度センサ29と、を更に備えている。
支持部モータ27は、ファン装置3を支持する支持部10に取り付けられている。支持部モータ27は、一対の支持部10を結ぶ軸線を中心にしてファン装置3を搖動させる。支持部モータ27には、支持部ドライバ28が接続されている。支持部ドライバ28は、CPU8からの制御信号に応じて、支持部モータ27を駆動する。
垂直加速度センサ29は、回転盤9に設けられている。垂直加速度センサ29は、検出手段の一具体例である。垂直加速度センサ29は、重力方向に対する回転盤9の傾きを検出する。垂直加速度センサ29は、検出した回転盤9の傾きをデジタル信号としてCPU8に出力する。
CPU8は、ファン装置3の送風方向L(図8)が斜め下方かつ壁面法線方向と重力方向のなす平面上の方向を向くように、水平加速度センサ11のセンサ値に基づいて、回転盤ドライバ13を制御して回転盤9を回転させる。同時にCPU8は、ファン装置3の送風方向Lが後述するもっとも必要風力の小さい方向を向くように、垂直加速度センサ29のセンサ値に基づいて、支持部ドライバ28を制御してファン装置3を搖動させる。このように、CPU8は、水平加速度センサ11により検出された車両本体2の回転盤9の回転量(姿勢)に応じて、回転盤9を回転させる。同時に、CPU8は、垂直加速度センサ29により検出された車両本体2の回転盤9の傾き(姿勢)に応じて、ファン装置3を搖動させる。これら回転盤9の回転及びファン装置3の搖動によって、ファン装置3の送風方向Lを変化させる。
これにより、壁面走行車1が傾斜角度が変化する壁面上を走行し方向転換した場合等でも、ファン装置3の送風方向Lを斜め下方かつ壁面法線方向と重力方向のなす平面上の、もっとも必要風力の小さい方向に向けることができる。
これにより、壁面走行車1が傾斜角度が変化する壁面上を走行し方向転換した場合等でも、ファン装置3の送風方向Lを斜め下方かつ壁面法線方向と重力方向のなす平面上の、もっとも必要風力の小さい方向に向けることができる。
なお、本実施形態2に係る壁面走行車において、上記実施形態1に係る壁面走行車と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図8は、本実施形態2に係る壁面走行車を壁面上に支持するための方法を示す図である。ファン装置3の送風方向Lは、壁面Aの垂直線L1に対して下方向に角度θ傾いている。これにより、ファン装置3の送風反力Pには鉛直方向成分P1が生じる。この送風反力Pの鉛直方向成分P1と前後輪4L、4R、5と壁面Aとの間の摩擦力Sの鉛直方向成分によって、壁面走行車1に掛かる重力Gを支える。CPU8は、回転盤ドライバ13及び支持部ドライバ28を制御して、壁面走行車1の重力Gを、ファン装置3の送風反力Pの鉛直方向成分P1および前後輪4L、4R、5と壁面Aとの間に生じる摩擦力Sの鉛直方向成分で支えるように、ファン装置3の送風方向Lを変化させる。
ここで、前後輪4L、4R、5が壁面Aから受ける反力の合計をT、前後輪4L、4R、5と壁面Aとの間の摩擦力の合計をS、前後輪4L、4R、5と壁面Aとの静摩擦係数を1、鉛直線L2に対する壁面Aの傾斜角度をφとする。
送風反力Pが車両本体2の滑り落ちない最小力であった場合、摩擦力の関係により下記式(5)が成り立つ。
送風反力Pが車両本体2の滑り落ちない最小力であった場合、摩擦力の関係により下記式(5)が成り立つ。
|S|≦T (5)
力の釣合いにより、下記式(6)、及び式(7)が成り立つ。
T=P・cos(θ−φ)−G・sinφ≧0 (6)
S=G・cosφ−P・sin(θ−φ) (7)
上記式(5)乃至式(7)からTとSを消去すると、下記式(8)、及び式(9)が成り立つ。
P/G≧sin(φ+π/4)/sin(θ−φ+π/4)(8)
P/G≧sinφ/cos(θ−φ) (9)
力の釣合いにより、下記式(6)、及び式(7)が成り立つ。
T=P・cos(θ−φ)−G・sinφ≧0 (6)
S=G・cosφ−P・sin(θ−φ) (7)
上記式(5)乃至式(7)からTとSを消去すると、下記式(8)、及び式(9)が成り立つ。
P/G≧sin(φ+π/4)/sin(θ−φ+π/4)(8)
P/G≧sinφ/cos(θ−φ) (9)
例えば、CPU8は、垂直加速度センサ29のセンサ値に基づいて壁面Aの傾斜角度φを算出する。CPU8は、算出した傾斜角度φ及び複数の角度候補θを夫々上記式(8)及び式(9)に代入し複数のP/Gを算出する。そして、CPU8は、算出した各P/Gの中から、上記式(8)および式(9)を満足しかつ、送風反力Pが最小となる角度θを算出する。なお、実際、静摩擦係数は1とは限らない。このため、角度θは、例えば、前後輪4L、4R、5と壁面Aとの静摩擦係数に応じて決定するのが望ましい。
CPU8は、ファン装置3の送風方向Lが、上記求めた角度θとなるように、支持部ドライバ28を制御してファン装置3を搖動させる。CPU8は、上記算出した最小の送風反力Pに基づいて、ファン装置3のファンドライバ33の駆動値を算出する。CPU8は、算出したファンドライバ33の駆動値に応じて制御信号を生成し、ファンドライバ33に対して出力する。
なお、CPU8は、省電力化のためにP/Gの大きさに応じて、ファンドライバ33の駆動値を変化させてもよい。さらに、CPU8は、角度θ及びファンドライバ33の駆動値を、検査棒16などのアプリケーション部分からの反発力や、周囲の風力によって動的に変更しても良い。
以上、本実施形態2に係る壁面走行車26は、傾斜角度が変化する壁面A上を走行する場合でも、過剰な送風反力を発生させずに、車両本体2が壁面Aから滑り落ちないだけの必要最低限の送風反力Pを発生させる。そして、この送風反力Pの鉛直方向成分P1および車両本体2の前後輪4L、4R、5と壁面Aとの間に生じる摩擦力Sの鉛直方向成分とによって壁面走行車26の重力Gをバランスよく壁面A上に支持する。これにより、車両本体2を効率的に壁面Aに密着させることができる。
以上、本実施形態2に係る壁面走行車26は、傾斜角度が変化する壁面A上を走行する場合でも、過剰な送風反力を発生させずに、車両本体2が壁面Aから滑り落ちないだけの必要最低限の送風反力Pを発生させる。そして、この送風反力Pの鉛直方向成分P1および車両本体2の前後輪4L、4R、5と壁面Aとの間に生じる摩擦力Sの鉛直方向成分とによって壁面走行車26の重力Gをバランスよく壁面A上に支持する。これにより、車両本体2を効率的に壁面Aに密着させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
上記実施形態において、壁面走行車1、26は、検査棒16を用いて壁面Aの検査を行う構成であるが、これに限定されない。壁面走行車1、26は、例えば、人や荷物を載せて運搬を行う構成であってもよく、掃除器を搭載し壁面Aを掃除する構成であってもよい。
上記実施形態において、壁面走行車1、26は、検査棒16を用いて壁面Aの検査を行う構成であるが、これに限定されない。壁面走行車1、26は、例えば、人や荷物を載せて運搬を行う構成であってもよく、掃除器を搭載し壁面Aを掃除する構成であってもよい。
上記実施形態において、壁面走行車1、26は、前後輪4L、4R、5を用いて壁面上を走行する構成であるがこれに限定されない。壁面走行車1、26は、例えば、多脚やキャタピラなどを用いて壁面上を走行する構成であってもよい。
上記実施形態において、壁面走行車1、26は、ファン装置3を用いて送風反力を発生させているが、これに限定されない。壁面走行車1、26は、例えば、燃料を燃焼させるジェットエンジンを用いて送風反力を発生させてもよい。
1 壁面走行車
2 車両本体
3 ファン装置
2 車両本体
3 ファン装置
Claims (4)
- 車両本体と、
前記車両本体に設けられ、壁面と反対方向に送風し、該送風の反力によって、前記車両本体を前記壁面に密着させる送風手段と、を備え、
前記送風手段は、斜め下方かつ前記壁面の法線方向と重力方向のなす平面上の方向に送風を行う、ことを特徴とする壁面走行車。 - 前記車両本体の姿勢を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された姿勢に応じて、前記送風手段の送風方向を変化させる可変手段と、を更に備える、
請求項1に記載の壁面走行車。 - 前記可変手段は、前記壁面走行車の重力を、前記送風手段による送風の反力の鉛直成分および前記車両本体の車輪と前記壁面との間に生じる摩擦力の鉛直方向成分で、支えるように前記送風手段の送風方向を変化させる、
請求項2に記載の壁面走行車。 - 前記可変手段は、前記壁面走行車の重力と、前記送風手段による送風の反力と前記車両本体の車輪と前記壁面との間に生じる摩擦力と、の釣合いの関係式に基づいて、前記送風手段による送風の反力が最小となる前記送風手段の送風方向を算出する、
請求項2又は3に記載の壁面走行車。
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JP2018095077A (ja) * | 2016-12-13 | 2018-06-21 | 株式会社iTest | 壁面移動ロボット |
CN113492936A (zh) * | 2021-08-02 | 2021-10-12 | 天津大学 | 一种带有喷气辅助动力机构的小车及其控制方法 |
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JP2018095077A (ja) * | 2016-12-13 | 2018-06-21 | 株式会社iTest | 壁面移動ロボット |
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