以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態の水処理装置を説明する。
以下、各実施の形態において、同一の参照符号が付されている構成は、同一の機能を果たすものとする。同一参照符号が付された部分に関して、前述の実施の形態において説明された機能と同一の機能は、後述される実施の形態において繰り返して説明されない。後述の実施の形態においては、前述の実施の形態との相違点が主に説明される。
(実施の形態1)
(水処理装置の全体構成)
実施の形態の水処理装置8は、公共の水道本管または井戸100から住宅等の水栓400に水を供給する水供給システムの経路の途中に設置される。公共の水道本管または井戸100の原水は、ポンプPinによって水処理装置8に供給される。また、水処理装置8によって処理された水は、ポンプPoutによって住宅等の水栓400まで供給される。本実施の形態においては、ポンプPinおよびPoutならびにその周辺の導入流路11および導出流路12等は、水処理装置8の一部ではないのとする。ただし、ポンプPinおよびPoutならびにその周辺の導入流路11および導出流路12等が、水処理装置8の一部として形成されていてもよい。
図1に示されるように、本実施の形態の水処理装置8は、貯留槽1、濾過処理流路2、導入流路11、タップ機構54、および導出流路12を備えている。水処理装置8は、一辺が30cm〜40cm程度のおおむね直方体形状を有する小型の装置である。本実施の形態の水処理装置8は、住宅に設置されることを前提として設計されているため、このような大きさを有しているが、本発明の水処理装置8の大きさは特に限定されない。
(貯留槽)
貯留槽1は、実質的に密閉空間を形成する箱体である。貯留槽1は、濾過済みの水を一時的に貯留している。貯留槽1は、導入流路11に接続された濾過処理流路2を内包している。貯留槽1は、導出流路12に接続されている。
導入流路11は、未濾過の水を貯留槽1の外部から濾過処理流路2へ導入する。導入流路11には、ポンプPinおよび開閉弁が接続さている。そのため、開閉弁が開かれた状態でポンプPinが駆動すると、未濾過の水が、導入流路11を経由して、公共の水道本管または井戸100から貯留槽1へ送り込まれる。
導出流路12は、貯留槽1から住宅等の水栓400まで、処理済みの水を導出するためものである。導出流路12は、貯留槽1内の濾過済みの水の水面WSよりも低い位置、特に、貯留槽1の最下部に設けられている。導出流路12には、ポンプPoutおよび開閉弁が接続さている。そのため、開閉弁が開かれた状態でポンプPoutが駆動すると、処理済みの水が、導出流路12を経由して、貯留槽1から住宅の水栓400へ送り出される。
本実施の形態の水処理装置8の全体構成は上述のようなものであるが、貯留槽1の内部および外部の少なくともいずれか一方に、さらなる水質向上のために、紫外線殺菌装置または薬剤塩素注入機が設けられていてもよい。同様の理由のために、貯留槽1の内部および外部の少なくともいずれか一方に、逆浸透膜、限外濾過部、または精密濾過部等が設けられていてもよい。
(濾過処理流路)
図1に示されるように、濾過処理流路2は、貯留槽1の内側に独立して設けられている。そのため、本実施の形態の水処理装置8によれば、複数のユニットが直列に接続されたワンパス式の水処理装置に比較して、その占有面積を小さくすることができる。本実施の形態においては、濾過処理流路2は、U字形状を有している。そのため、U字形状の流路内においては、水は、その一方の縦方向流路部において、上方から下方へ流れた後、最下部を流れ、その後、その他方の縦方向流路部において、下方から上方へ流れる。
本発明の濾過処理流路の形状は、U字状に限定されない。本発明の濾過処理流路は、水処理装置の外部から内部へ直線状に延びる流路であってもよい。また、本発明の濾過処理流路は、水処理装置の上向流のみが生じる流路であってもよい。本発明の濾過処理流路は、導入された未濾過の水を濾過処理することができる形状であれば、いかなる形状を有していてもよい。
また、本実施の形態においては、貯留槽1内の濾過済みの水の水面WSの高さが上昇すると、濾過処理流路2は、濾過済みの水の中に徐々に沈んでいくように構成されている。濾過処理流路2は、流入側端部Fin、流出側端部Fout、および濾過部22を含んでいる。流入側端部Finは、流出側端部Foutよりも距離hだけ高い位置に設けられている。言い換えると、流出側端部Foutは、流入側端部Finよりも距離hだけ低い位置に設けられている。したがって、水が濾過処理流路2から導入流路11へ逆流することが抑制されている。また、濾過処理流路2内の未濾過の水に接触しないように、濾過処理流路2の流入側端部Finに排オゾン用活性炭21を設けることができる。
未濾過の水は、導入流路11から流入側端部Finを経由して濾過処理流路2へ流れ込む。濾過部22は、流入側端部Finから流出側端部Foutまでの間に設けられ、未濾過の水を濾過処理する。より具体的には、濾過部22は、U字形状の流路の他方の縦方向流路部、すなわち、上昇流が生じる流路に設けられている。濾過済みの水は、濾過処理流路2の流出側端部Foutの開放口から貯留槽1へ流出する。
(タップ機構)
図1に示されるように、タップ機構54の一部が濾過処理流路2の流入側端部Fin内には設けられている。タップ機構54は、未濾過の水が導入流路11から流入側端部Finを経由して濾過処理流路2へ導入されるか否かを切り替える。
タップ機構54は、本実施の形態においては、一般的に使用されている、いわゆるボールタップである。貯留槽1内の濾過済みの水の水面WSの高さが、ある程度まで低下した場合に、ボールタップは、未濾過の水が導入流路11から濾過処理流路2へ導入されることを許容する。これにより、未濾過の水は、濾過処理流路2内の濾過部22を通過する。その結果、濾過済みの水が、濾過処理流路2の流出側端部Foutの開放口から貯留槽1へ自動的にかつ電気等の動力なしに流出する。
タップ機構54は、濾過済みの水の水面WSの高さが流出側端部Foutの高さよりも低い所定の高さ以下である場合に、未濾過の水が導入流路11から濾過処理流路2へ導入される状態へ変化する。タップ機構54が前述のように構成されている理由は、貯留槽1内の濾過済みの水の水面WSの高さが流出側端部Foutよりも高くなることによって、濾過済みの水が流出側端部Foutから濾過処理流路2へ逆流することを防止するためである。
図2に示されるように、タップ機構54は、水面に浮く空気入りのボール54fと、ボール54fに接続された伝達棒54eと、伝達棒54eの先端に取り付けられた閉塞部54dとを備えている。また、タップ機構54は、濾過処理流路2内に設けられ、導入流路11に接続された流入管54bを備えている。流入管54bは、導入流路11から流れ込んできた未濾過の水を濾過処理流路2へ流入させる流入口54cを有している。
閉塞部54dは、水面WSに浮かぶボールの上下方向の移動に応じて、流入口54cを閉じたり、開いたりする。閉塞部54dが流入口54cを塞いだ状態から閉塞部54dが流入口54cを開放した状態に変化すると、流入口54cから濾過処理流路2内へ未濾過の水が流れ込む。
ただし、タップ機構54は、貯留槽1内の濾過済みの水の水面WSの高さに応じて、濾過処理流路2へ未濾過の水を流入させたり、流入させなかったりするものであれば、いかなる構造を有していてもよい。また、濾過処理流路2への未濾過の水の導入のために、タップ機構54と電気的に動作する電磁弁等とが併用されてもよい。
濾過処理流路2においては、流出側端部Fout側の下上向流が生じる流路の面積S2が流入側端部Fin側の下向流が生じる流路の面積S1よりも大きい。つまり、濾過に寄与しない下向流が生じる流路の平断面の面積が相対的に小さく、かつ、濾過に寄与する上向流が生じる流路の平断面の面積が相対的に大きい。そのため、濾過処理流路2の平面視における占有面積を小さくしながら、単位時間あたりの濾過部22の水の通過量を大きくすることができる。つまり、小型化を図りながらも、濾過処理能力を向上させることができる。
(濾過部)
濾過部22は、濾過処理流路2の流入側端部Finと流出側端部Foutとの間に設けられている。濾過部22は、U字形状を有する濾過処理流路2内のいずれの位置に設けられていてもよい。ただし、濾過部22は、U字形状を有する濾過処理流路2においては、流入側端部Finよりも流出側端部Foutに近い位置に設けられていることが好ましい。つまり、濾過処理流路2は、未濾過の水が濾過部22を下側から上側へ向かって通過するように構成されていることが好ましい。これによれば、未濾過の水が濾過部22を上側から下側へ向かって通過する場合に比較して、濾過処理時間を長くすることができる。
濾過部22内に設置される濾材としては、砂または活性炭等が例示されるが、濾過機能を有する濾材であれば、他のいかなるものであってもよい。砂としては、マンガン砂または酸化鉄で被覆された濾材等、金属イオンを除去する能力に優れたものが用いられることが望ましい。さらに、濾材の一部または全部に活性炭を用いる場合には、オゾンから変化した酸素が供給される効果を利用して、生物活性炭が形成される。そのため、濾過部22に有機物除去等の機能を発揮させることができる。
未濾過の水の中に有機物が多く混ざっている場合には、濾過部22に、砂とともに、活性炭を入れることが望ましい。活性炭は、そのものの吸着効果およびそれに付着した微生物による浄化効果の双方を発揮することができるためである。また、未濾過の水の中にマンガンが多く混ざっている場合には、マンガン砂を使用することによって、マンガンを除去することが望ましい。
(酸化部等の殺菌処理のための機構)
濾過処理流路2は、未濾過の水にオゾンを混入させる酸化部23を含んでいる。酸化部23は、オゾン曝気機能を有している。したがって、住宅の水栓400には、オゾンを含む高い質の水を供給することができる。上流の酸化部23においては、未濾過の水に溶解している鉄等のイオン性の物質が、酸化されることによって固体に変化する。下流の濾過部22においては、その固体が未濾過の水の濁り成分とともに未濾過の水から除去される。その結果、濾過済みの水においては、未濾過の水に溶解していた鉄等のイオン性の物質が低減されている。
濾過処理流路2内では、オゾンの微細気泡が酸素に変化するため、濾過部22において、水の浄化に寄与する微生物が繁殖し易くなっている。濾過部22は、酸化部23の下流側の位置に配置されている。そのため、酸化部23は、未濾過の水に殺菌処理を施すことができる。酸化部23は、U字形状を有する濾過処理流路2の最下部に設けられている。したがって、曝気されたオゾンは、U字形状を有する流路の一方の縦方向流路部および他方法の縦方向流路部のそれぞれを上昇する。したがって、濾過処理流路2内の水全体の殺菌処理が効率的に実現される。
ポンプPairは、水処理装置8の使用時には常に駆動されている。そのため、ポンプPairが送り出す空気がオゾン生成部300を通過し、オゾン生成部300でオゾンが生成される。そのオゾンは、配管31と配管31から分岐した配管32および配管33のそれぞれを通過し、酸化部23および酸化部13に至る。その結果、酸化部23は濾過処理流路2内の未濾過の水にオゾン曝気を施す。また、酸化部13は貯留槽1内の濾過済みの水にオゾン曝気を施す。それにより、濾過処理流路2内の未濾過の水および貯留槽1内の濾過済みの水のそれぞれに殺菌処理が施される。
ただし、オゾン曝気の代わりに紫外線照射による殺菌処理が施されてもよい。また、酸化部13および酸化部23は、それぞれ、濾過処理流路2および貯留槽1内に設けられていることは必須ではない。濾過処理流路2および貯留槽1のいずれもが殺菌処理を施す機能を有しておらず、殺菌機能を発揮する水槽が水処理装置8の外部に別の水槽として設けられていてもよい。つまり、水処理装置8は、濾過処理流路2が濾過機能のみを有し、貯留槽1が水を貯留する機能のみを有するものであってもよい。
酸化部23および酸化部13は、溶存金属を酸化させる能力を有しているのであれば、特に限定されないが、オゾンまたは固形の塩素剤を水中に放出できる機能を有しているものであることが望ましい。ただし、取扱の容易さの観点からは、酸化部23および酸化部13は、オゾンを水中に放出できるものであることが最も望ましい。
濾過処理流路2内に導入された未濾過の水は、U字形状の最下部において曝気されたオゾンと衝突する。したがって、オゾンは、未濾過の水に混入し易く、かつ、酸素に変化し易くなっている。酸素に変化せず、未濾過の水の中に残存するオゾンは、濾過処理流路2の流入側端部Finおよび貯留槽1側の端部に至る。濾過処理流路2の流入側端部Finおよび貯留槽1側の端部には排オゾン用活性炭21が設けられている。そのため、オゾンは、排オゾン用活性炭21によって無害化された状態で、外部および貯留槽1内の空間へ放出される。
本実施の形態においては、未濾過の水には、オゾンによる殺菌、砂による濾過、および微生物による水の浄化の3つの処理が施される。そのため、濾過みの水は、かなり良好に浄化された状態で、貯留槽1内に貯留される。U字形状の流出側端部Foutから溢れ出た濾過済みの水が貯留槽1内の余剰スペースに貯留される。貯留槽1内の濾過済みの水に対して、オゾンによる殺菌処理が施されているため、貯留槽1内での細菌汚染等の問題の発生は抑制されている。貯留槽1内の濾過済みの水からオゾンを除去するための排オゾン対策は、たとえば、濾過済みの水が導出流路12に設けられた活性炭を通過するように構成されることにより実現されている。
(逆流洗浄のための機構)
水処理装置8は、洗浄水流路52、洗浄弁53、排出流路4、および排出弁5を備えている。
洗浄水流路52は、導入流路11から分岐したものである。未濾過の水は洗浄水流路52を流れる。それらのことが、図1においては、模式的に描かれている。洗浄水流路52は、流出側端部Foutから濾過処理流路2内へ未濾過の水を洗浄水として導入するときに使用される。
洗浄水流路52には、洗浄弁53が設けられている。洗浄弁53は、操作者の操作により開閉され、それにより、洗浄水流路52を開閉する。つまり、洗浄弁53は、洗浄水が洗浄水流路52から流出側端部Foutへ導入されるか否かを切り替える。したがって、操作者は、洗浄弁53を操作し、洗浄水流路52を開状態にするだけで、濾過部22の逆流洗浄を実施することができる。
濾過部22に逆流洗浄を施すと、濾過部22内において、砂等の濾材の粒径は、下側ほど大きく、上側ほど小さくなる。本実施の形態の濾過部22は、上向流式の砂濾過部である。上向流式の砂濾過部においては、粒度の大きいすなわち粗い砂からなる下層から、粒度の小さいすなわち細かい砂からなる上層へ向って水が流れる。したがって、濁度の大きな水の中の大きな異物は、粒度の高い下層で補足され、濁度の小さい水の中の小さな異物は、粒度の小さい上層で捕捉される。このため、濾過部22の全層が効率的に機能する。一般的には、上向流式の砂濾過部は、下向流式の砂濾過部に比較して、損失水頭の上昇度合いが緩やかであるため、濾過時間を長くすることができる。したがって、濾過部22の洗浄の頻度を小さくすることができる。また、上向流式の砂濾過部は、目詰まりが非常に起こり難いという利点を有している。
排出流路4は、濾過処理流路2の最下部から貯留槽1の貫通孔を経由して外部の汚泥収集槽200まで至るように設けられている。したがって、排出流路4は、濾過部22を通過した洗浄水とともに、濾過処理流路2の内部から貯留槽1の外部の汚泥収集槽200へスカムを導く。排出流路4には、排出弁5が設けられている。排出弁5は、操作者の操作により排出流路4を開閉する。つまり、排出弁5は、スカムが排出されるか否かを切り替える。したがって、操作者は、排出弁5を操作するだけで、濾過処理流路2内のスカムの排出を行うことができる。
洗浄水流路52は、本実施の形態においては、導入流路11から分岐した分岐流路であり、洗浄水は、導入流路11を流れる未濾過の水である。しかしながら、洗浄水流路52は、導入流路11とは別に設けられた独立流路であり、洗浄水は、未濾過の水とは別の水であってもよい。
上記の構成によれば、濾過処理流路2が貯留槽1内に設けられているため、複数のユニットが直列に接続される場合に比較して、ワンパス式の水処理装置の占有面積を小さくすることができる。
(実施の形態2)
図3を用いて、実施の形態2の水処理装置8を説明する。
本実施の形態の水処理装置8は、酸化部13が紫外線照射部14に置き換えられている点において、実施の形態1の水処理装置8と相違する。本実施の形態の水処理装置8は、オゾン生成部300で生成されたオゾンは配管31を経由して酸化部23へのみ導かれる点において、実施の形態1の水処理装置8と相違する。これらの点以外においては、本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態1の水処理装置8と同一の構成を有している。この同一の構成の説明は繰り返さない。
図3に示されるように、本実施の形態の水処理装置8は、貯留槽1は濾過済みの水に紫外線を照射する紫外線照射部14を含んでいる。これによっても、濾過済みの水を殺菌することができる。本実施の形態の紫外線照射部14は、いわゆる紫外線ランプであるが、紫外線ランプ等の殺菌機器は、ポンプPoutより下流に設けられてもよい。
上記の構成によっても、複数のユニットが直列に接続される場合に比較して、ワンパス式の水処理装置の占有面積を小さくすることができる。
(実施の形態3)
図4および図5を用いて、実施の形態4の水処理装置8を説明する。
本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態1のタップ機構54の代わりに、水位検出部60、開閉弁56、および制御部40が設けられている点において、実施の形態1の水処理装置8と相違する。この点以外においては、本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態1の水処理装置8と同一の構成を有している。この同一の構成の説明は繰り返さない。以下、本実施の形態の水処理装置8と実施の形態1の水処理装置8との相違点を主として説明する。
具体的には、図2に示されるボール54f、伝達棒54e、および閉塞部54dからなる構造が、電磁弁からなる開閉弁56に置き換えられている。流入管54bおよび流入口54cの構造は、図2に示される構造と同様の構造を有している。開閉弁56は、図2に示される流入管54bに設けられており、流入口54cを開いたり閉じたりする。本実施の形態においても、洗浄水流路52は、流入管54bまたは導入流路11から分岐したものである。
図4に示されるように、水処理装置8は、水位検出部60、開閉弁56、および制御部40を備えている。水位検出部60は、貯留槽1内の濾過済みの水の水面の高さを検出する。水位検出部60は、水位を検出するための電極棒71,72,73を有している。したがって、水面WSの高さを3つの状態に分けることができる。3つの状態は、水面WSが電極棒73の下端(上限値)以上の状態、水面WSが電極棒73の下端(上限値)より低くかつ電極棒72の下端(下限値)以上の状態、および水面が電極棒72の下端(下限値)より低い状態である。
開閉弁56は、未濾過の水が導入流路11から濾過処理流路2へ導入されるか否かを切り替える。制御部40は、水位検出部60から受け取った濾過済みの水の水面WSの高さの情報に基づいて、開閉弁56を開いたり閉じたりする。
具体的には、制御部40は、濾過済みの水の水面WSの高さが流出側端部Foutの高さよりも低い所定の高さ以下である場合に、未濾過の水が導入流路11から流入側端部Finを経由して濾過処理流路2へ導入される状態へ開閉弁56を変化させる。
具体的には、制御部40は、貯留槽1内の濾過済みの水の水面WSの高さが上限値を下回った場合、すなわち、電極棒73の下端よりも低くなった場合に、開閉弁56を開く。それにより、未濾過の水が流出側端部Foutから濾過処理流路2内へ流れ込む。また、濾過済みの水が濾過処理流路2の流出側端部Foutから貯留槽1内へ流れ出る。貯留槽1内の濾過済みの水の水面の高さWSが、上限値以上の場合、すなわち、電極棒73の下端と同一の高さになるかまたは電極棒73の下端よりも高くなった場合に、制御部40は開閉弁56を閉じる。それにより、濾過処理流路2の流出側端部Foutの開放口から貯留槽1内へ濾過済みの水が流れ出なくなる。その結果、未濾過の水が流出側端部Foutの開放口から濾過処理流路2内へ流れ込む、いわゆる逆流が防止される。
本実施の形態のように、水位検出部60を用いる場合、貯留槽1内の水面WSの高さの下限値も設定することが可能になる。したがって、貯留槽1内の水面WSの高さが、下限値を下回った場合、つまり、電極棒72の下端よりも低くなった場合、音や光により警告信号を発することができる。さらに、酸化部13および酸化部23からのオゾンの曝気を停止するように、ポンプPairを停止することもできる。
本実施の形態の水処理装置8によっても、複数のユニットが直列に接続される場合に比較して、ワンパス式の水処理装置8の占有面積を小さくすることができる。
さらに、制御部40は、洗浄水が洗浄水流路52から流出側端部Foutへ導入されるように洗浄弁53を制御する場合には、スカムが排出されるように排出弁5を制御する。この構成によっても、濾過部22の洗浄および濾過処理流路2内のスカムの排出を行うことができる。
図5に示されるフローチャートを用いて、本実施の形態の水処理装置8の制御部40による水処理を説明する。
ステップS1において、制御部40は、水位検出部60から貯留槽1内の濾過済みの水の水位の情報を取得する。次に、ステップS2において、制御部40は、貯留槽1内の濾過済みの水の水面WSの高さが所定値以下であるか否かを判別する。所定値は、流出側端部Foutの開放口の高さよりも低い所定の高さである。所定値がこのような値に設定されている理由は、貯留槽1内の濾過済みの水が、流出側端部Foutの開放口から濾過処理流路2へ逆流することを防止するためである。
ステップS2において、制御部40は、貯留槽1内の濾過済みの水の水面WSの高さ、すなわち水位が所定値以下であると判定した場合には、ステップS3において、開閉弁56を開く。それにより、導入流路11から流入側端部Finへの未濾過の水が導入される。その結果、流入側端部Finから濾過処理流路2へ未濾過の水が流入する。その後、濾過部22において未濾過の水に濾過処理が施される。さらに、濾過済みの水が流出側端部Foutから貯留槽1内へ流出する。それにより、貯留槽1内において濾過済みの水の水位が上昇する。なお、ステップS3においては、開閉弁56が既に開かれていれば、その状態が維持される。
一方、ステップS2において、制御部40は、貯留槽1内の濾過済みの水の水面WSの高さ、すなわち水位が所定値よりも大きいと判定した場合には、ステップS4において、開閉弁56を閉じる。それにより、導入流路11から濾過処理流路2への未濾過の水の導入が停止される。その結果、貯留槽1内の濾過済みの水の水位が流出側端部Foutの開放口よりも高くなることはない。したがって、貯留槽1内の濾過済みの水が流出側端部Foutから濾過処理流路2へ流れ込む、いわゆる逆流が防止される。なお、ステップS4においては、開閉弁56が既に閉じられていれば、その状態が維持される。
ステップS5において、制御部40は、操作者によって逆流洗浄スイッチがONされたか否かを判別する。ステップS5において、制御部40が操作者によって逆流洗浄スイッチがONされていない判定する場合がある。この場合には、制御部40は、ステップS6において、酸化部23からオゾンを濾過処理流路2内へ供給し、かつ、酸化部13からオゾンを貯留槽1内へ供給するように、ポンプPairを制御する。それにより、ポンプPairが送り出す空気がオゾン生成部300を通過するときに、オゾンが生成される。そのオゾンは、配管31から配管32および配管33をそれぞれ経由して酸化部23および酸化部13に至る。なお、ステップS6においては、ポンプPairが既にONされていれば、その状態が維持される。
その結果、酸化部23は濾過処理流路2内の未濾過の水にオゾン曝気を施す。また、酸化部13は貯留槽1内の濾過済みの水にオゾン曝気を施す。それにより、濾過処理流路2内の未濾過の水および貯留槽1内の濾過済みの水に殺菌処理が施される。ただし、オゾン曝気の代わりに紫外線照射部14による殺菌処理が施されてもよい。
ステップS5において、制御部40は、操作者によって逆流洗浄スイッチがONされたと判定した場合には、ステップS7において、ポンプPairを停止する。それにより、酸化部13から貯留槽1内へオゾンの供給が停止される。酸化部23および酸化部13は、いずれも、オゾン曝気を停止する。なお、オゾン曝気の代わりに紫外線照射部14による殺菌処理が停止されてもよい。なお、ステップS7においては、ポンプPairが既にOFFされていれば、その状態が維持される。
次に、ステップS8において、制御部40は、開閉弁56を閉じるか、または、開閉弁56が閉じられていた状態を維持する。いずれの場合も、導入流路11から濾過処理流路2への未濾過の水の導入が停止されている。その後、制御部40は、ステップS9において、排出弁5を開き、かつ、ステップS10において、洗浄弁53を開く。それにより、洗浄水流路52を通過した洗浄水が流出側端部Foutの開放口から濾過処理流路2内へ供給される。洗浄水は、流出側端部Foutの開放口から濾過部22を通過して最下部まで濾過処理流路2を逆流する。このとき、濾過処理流路2内のスカムは、洗浄水とともに排出流路4から外部へ排出される。なお。ステップS9において、排出弁5が既に開かれており、かつ、ステップS10において、洗浄弁53が開かれている場合、それぞれに状態が維持される。
ステップS10において、制御部40は、逆流洗浄スイッチがOFFされたか否かを判別する。ステップS10において、制御部40は、逆流洗浄スイッチがOFFされていないと判定した場合には、ステップS7〜ステップS11まで逆流洗浄処理を繰り返す。一方、ステップS10において、制御部40は、逆流洗浄スイッチがOFFされたと判定した場合には、次に逆流洗浄スイッチがONされたと判定されるまで、ステップS1〜ステップ6までの処理を繰り返す。
上記の構成によっても、濾過処理流路2が貯留槽1内に設けられているため、複数のユニットが直列に接続される場合に比較して、ワンパス式の水処理装置の占有面積を小さくすることができる。
(実施の形態4)
図6を用いて、実施の形態4の水処理装置8を説明する。
本実施の形態の水処理装置8は、濾過処理流路2が断面視において互いに直列に接続された複数のU字状流路2a,2bを含んでいる点において、実施の形態1の水処理装置8と相違する。
また、本実施の形態の水処理装置8は、洗浄弁53がU字状流路2aにおいて洗浄水を逆流させる洗浄弁53aとU字状流路2bにおいて洗浄水を逆流させる洗浄弁53bとを含む点において、実施の形態1の水処理装置8と相違する。
また、本実施の形態の水処理装置8は、酸化部23がU字状流路2aの最下部に設けられた酸化部23aとU字状流路2bの最下部に設けられた酸化部23bとを含む点において、実施の形態1の水処理装置8と相違する。本実施の形態においては、オゾン生成部300で生成されたオゾンは、配管31から配管32aおよび配管32bをそれぞれ経由して酸化部23aおよび酸化部23bに至る。
上記の点以外においては、本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態1の水処理装置8と同一の構成を有している。この同一の構成の説明は繰り返さない。以下、本実施の形態の水処理装置8と実施の形態1の水処理装置8との相違点を主として説明する。
図6に示されるように、複数のU字状流路2a,2bは、上流側のU字状流路2a内の水の水面が下流側のU字状流路2b内の水の水面よりも高く位置付けられるように接続されている。
本実施の形態においては、未濾過の水が導入流路11から流入側端部Fin1を経由してU字状流路2aへ流入する。U字状流路2a内で濾過部22aを通過した水は、流出側端部Fout1からU字状流路2bの流入側端部Fin2へ流れ出る。U字状流路2b内で濾過部22bを通過した水は、流出側端部Fout2の開放口から貯留槽1内へ流れ出る。
U字状流路2a内の水は、酸化部23aによってオゾン曝気される。U字状流路2b内の水は、酸化部23bによってオゾン曝気される。
濾過処理流路2においては、流出側端部Fout1側の上向流が流れる流路の面積S2が流入側端部Fin1側の下向流が流れる流路の面積S1よりも大きい。また、濾過処理流路2においては、流出側端部Fout2側の上向流が流れる流路の面積S2が流入側端部Fin2側の下向流が流れる流路の面積S1よりも大きい。したがって、濾過処理流路2の平面視における占有面積を小さくしながら、単位時間あたりの濾過部22aおよび濾過部22bのそれぞれの水の通過量を大きくすることができる。
上記の構成によっても、濾過処理流路2が貯留槽1内に設けられているため、複数のユニットが直列に接続される場合に比較して、ワンパス式の水処理装置の占有面積を小さくすることができる。また、上記の構成によれば、貯留槽1内に設けられた濾過処理流路2において、水が濾過部22aおよび22bからなる2つの濾過部を通過するため、濾過処理能力を向上させることができる。
(実施の形態4の変形例)
図7を用いて、実施の形態4の水処理装置8の変形例を説明する。
実施の形態4の変形例の水処理装置8は、濾過処理流路2が、3つのU字状流路2a,2b,2cを含んでいる点において、実施の形態4の水処理装置8と相違する。この点以外においては、本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態4の水処理装置8と同一の構成を有している。この同一の構成の説明は繰り返さない。以下、本実施の形態4の変形例の水処理装置8と実施の形態4の水処理装置8との相違点を主として説明する。
図7に示されるように、実施の形態4の変形例の濾過処理流路2は、3つのU字状流路2a,2b,2cを含んでいる。水は、上流側のU字状流路2aから下流側のU字状流路2bへ流れ込む。具体的には、水は、流出側端部Fout1から流入側端部Fin2へ流れ込む。流出側端部Fout1と流入側端部Fin2との間の流路の上端部61が、流入側端部Fin1よりも低く位置付けられている。また、水が、上流側のU字状流路2bから下流側のU字状流路2cへ流れ込む。具体的には、水は、流出側端部Fout2から流入側端部Fin3へ流れ込む。流出側端部Fout2と流入側端部Fin3との間の流路の上端部62が、上端部61よも低く位置付けられている。水は、流出側端部Fout3から貯留槽1内へ流れ出る。流出側端部Fout3は、上端部62よりも低く位置付けられている。
つまり、図7に示されるように、U字状流路2a,2bにおいては、上流側のU字状流路2a内の水の水面の高さH1が下流側のU字状流路2b内の水の水面の高さH2よりも高くなっている。U字状流路2b,2cにおいては、上流側のU字状流路2b内の水の水面の高さH2が下流側のU字状流路2c内の水の水面の高さH3よりも高くなっている。この構成によれば、実施の形態4の水処理装置8との比較において、濾過処理能力をさらに向上させることができる。
(実施の形態5)
図8を用いて、実施の形態5の水処理装置8を説明する。
本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態4の水処理装置8の濾過処理流路2の代わりに、貯留槽1内において貯留槽1の一部と一体的に設けられた濾過処理流路2を備えている点において、実施の形態4の水処理装置8と相違する。本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態1のタップ機構54の代わりに、水位検出部60、開閉弁56、および制御部40が設けられている点において、実施の形態4の水処理装置8と相違する。これらの相違点以外においては、本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態4の水処理装置8と同一の構成を有している。この同一の構成の説明は繰り返さない。
以下、本実施の形態の水処理装置8と実施の形態4の水処理装置8との相違点を主として説明する。
図8に示されるように、本実施の形態の水処理装置8においては、貯留槽1と濾過処理流路2とが、樹脂成形により一体的に形成された構造を有している。貯留槽1の底面の一部と濾過処理流路2の底面とが共通の部材により構成されている。貯留槽1の側面の一部と濾過処理流路2の側面の一部とが共通の部材により構成されている。
上記の構成によっても、濾過処理流路2が貯留槽1内に設けられているため、複数のユニットを直列に接続する場合に比較してワンパス式の水処理装置の占有面積を小さくすることができる。
(実施の形態5の変形例)
図9を用いて、実施の形態5の水処理装置8の変形例を説明する。
実施の形態5の変形例の水処理装置8は、濾過処理流路2が、複数のU字状流路2a,2b,2cを含んでいる点において、実施の形態5の水処理装置8と相違する。この点以外においては、本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態5の水処理装置8と同一の構成を有している。この同一の構成の説明は繰り返さない。以下、本変形例の水処理装置8と実施の形態5の水処理装置8との相違点を主として説明する。
図9に示されるように、実施の形態5の変形例の濾過処理流路2は、3つのU字状流路2a,2b,2cを含んでいる。水は、上流側のU字状流路2aから下流側のU字状流路2bへ流れ込む。具体的には、水は、流出側端部Fout1から流入側端部Fin2へ流れ込む。流出側端部Fout1と流入側端部Fin2との間の流路の上端部61が、流入側端部Fin1よりも低く位置付けられている。また、水が、上流側のU字状流路2bから下流側のU字状流路2cへ流れ込む。具体的には、水は、流出側端部Fout2から流入側端部Fin3へ流れ込む。流出側端部Fout2と流入側端部Fin3との間の流路の上端部62が、上端部61よも低く位置付けられている。水は、流出側端部Fout3から貯留槽1内へ流れ出る。流出側端部Fout3は、上端部62よりも低く位置付けられている。
つまり、図9に示されるように、U字状流路2a,2bにおいては、上流側のU字状流路2a内の水の水面の高さH1が下流側のU字状流路2b内の水の水面の高さH2よりも高くなっている。U字状流路2b,2cにおいては、上流側のU字状流路2b内の水の水面の高さH2が下流側のU字状流路2c内の水の水面の高さH3よりも高くなっている。この構成によっても、濾過処理能力をさらに向上させることができる。
(実施の形態6)
図10を用いて、実施の形態6の水処理装置8を説明する。
本実施の形態の水処理装置8は、濾過処理流路2が導入流路11に接続された斜め下方向に延びる管路である点において、実施の形態1の水処理装置8と相違する。本実施の形態の水処理装置8は、オゾン生成部300で生成されたオゾンは配管31を経由して酸化部13へのみ導かれる点において、実施の形態1の水処理装置8と相違する。これらの点以外においては、本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態1の水処理装置8と同一の構成を有している。この同一の構成の説明は繰り返さない。以下、本実施の形態の水処理装置8と実施の形態1の水処理装置8との相違点を主として説明する。
本実施の形態においては、濾過処理流路2は導入流路11に接続された斜め下方向に延びる管路である。そのため、濾過処理流路2の構造が極めて単純化されている。この濾過処理流路2への未濾過の水が導入されるか否かは、タップ機構54によって切り替えられる。タップ機構54は、実施の形態1において図2を参照しながら説明されたものとほぼ同様の構造を有している、いわゆる、ボールタップと呼ばれる機構である。
上記の構成によっても、濾過処理流路2が貯留槽1内に設けられているため、複数のユニットを直列に接続する場合に比較してワンパス式の水処理装置の占有面積を小さくすることができる。また、濾過処理流路2の構造を極めて簡略化することができる。
(実施の形態7)
図11を用いて、実施の形態7の水処理装置8を説明する。
本実施の形態の水処理装置8は、濾過処理流路2が上向流が生じる流路のみを有する点において、実施の形態1の水処理装置8と相違する。本実施の形態の水処理装置8は、オゾン生成部300で生成されたオゾンは配管31を経由して酸化部13へのみ導かれる点において、実施の形態1の水処理装置8と相違する。これらの点以外においては、本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態1の水処理装置8と同一の構成を有している。この同一の構成の説明は繰り返さない。以下、本実施の形態の水処理装置8と実施の形態1の水処理装置8との相違点を主として説明する。
本実施の形態においては、濾過処理流路2は導入流路11に接続されたL字型の管路である。そのため、濾過処理流路2の構造がかなり単純化されている。この濾過処理流路2への未濾過の水が導入されるか否かは、前述されたタップ機構54によって切り替えられる。本実施の形態においても、タップ機構54は、実施の形態1において図2を参照しながら説明されたものとほぼ同様の構造を有している、いわゆる、ボールタップと呼ばれる機構である。
上記の構成によっても、濾過処理流路2が貯留槽1内に設けられているため、複数のユニットを直列に接続する場合に比較してワンパス式の水処理装置の占有面積を小さくすることができる。
(実施の形態7の変形例)
図示されていないが、本実施の形態の濾過処理流路2の上向流が生じる部分が、貯留槽1の底面から濾過済みの水の中を上方へ延び、水面WSから突出するように構成されていてもよい。これによれば、図11に示される実施の形態7の濾過処理流路2に比較して、濾過処理流路2の上向流が生じる部分を長くすることができる。その結果、濾過処理能力を向上させることが可能になる。ただし、導入流路11から濾過処理流路2への未処理の水が導入されるか否かは、実施の形態3において説明されたように電磁式の開閉弁56によって切り替えられることが好ましい。この開閉弁は、貯留槽1の外側に設けられており、水位検出部60から濾過処理済みの水の水面の高さの情報に基づいて、制御部40によって開閉されることが望ましい。
(実施の形態8)
図12〜図14を用いて、実施の形態8の水処理装置8を説明する。
本実施の形態の水処理装置8は、導入流路11の端部に微細気泡発生部90およびシャワーヘッド部99が設けられている点において、実施の形態1の水処理装置8と相違する。この点以外においては、本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態1の水処理装置8と同一の構成を有している。この同一の構成の説明は繰り返さない。以下、本実施の形態の水処理装置8と実施の形態1の水処理装置8との相違点を主として説明する。
本実施の形態の水処理装置8においては、図12および図13に示されるように、微細気泡発生部90が濾過処理流路2内の空間900内に位置する導入流路11の端部に設けられている。微細気泡発生部90は、図14に示されるように、いわゆるベンチュリ管である。ベンチュリ管においては、相対的に大きな径を有する円筒部91、先細り管部92、相対的に小さな径を有する円筒部98、先太り管部93、相対的に大きな径を有する円筒部94が、この順番で接続されている。また、相対的に小さな径を有する円筒部98には、空間900に滞留するオゾンを吸い込む吸込口90Aを有する吸込管97が接続されている。
本実施の形態においては、上記の実施の形態の水処理装置8と同様に、酸化部23は、オゾンが未濾過の水において流入側端部Finに向かって導かれる位置に設けられている。オゾンは、濾過処理流路2内において未濾過の水から上方の空間900へ放出される。未濾過の水は、微細気泡発生部90の相対的に小さな径を有する円筒部98を通過するときに、空間900から吸込口90Aを経由してベンチュリ管内へ吸い込まれたオゾンを内包する微細気泡を生成する。その後、未濾過の水は、微細気泡を含んだ状態で、微細気泡発生部90から濾過処理流路2へ導入される。そのため、微細気泡発生部90から導入された未濾過の水が、空間900に滞留している高い濃度のオゾンを含んだ状態で、濾過処理流路2内に導入される。その結果、本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態1の水処理装置8に比較して、殺菌効果をさらに向上させることができる。
また、本実施の形態の水処理装置8は、シャワーヘッド部99が微細気泡発生部90の下端に取り付けられている。シャワーヘッド部99は、未濾過の水を分散して空間900へ噴出することによって濾過処理流路2へ未濾過の水を導入する。シャワーヘッド部99は、網またはパンリングメタル95とそれを微細気泡発生部90の先端に固定する円筒状縁部96とを備えている。そのため、シャワーヘッド部99を通過した未濾過の水は、網またはパンリングメタル95によって分散された状態で、空間900に吹き出される。その結果、分散された未濾過の水は、空間900に滞留している高い濃度のオゾンを内包しながら、濾過処理流路2に落下する。微細気泡発生部90から未濾過の水を分散して噴出させるだけでも、空気による未濾過の水の酸化が促進されるが、高濃度のオゾンを含有した空気の場合、さらに効率的に未濾過の水の酸化が促進される。したがって、未濾過の水を除菌する効果がさらに向上する。
以上のように、本実施の形態の水処理装置8によれば、一旦未濾過の水から放出された排オゾンを再利用して、未濾過の水の殺菌効果を向上させることができる。
排オゾン処理用の活性炭の消耗が少なくなる。
(実施の形態9)
図15を用いて、実施の形態9の水処理装置8を説明する。
本実施の形態の水処理装置8は、導入流路11の端部に微細気泡発生部90およびシャワーヘッド部99が設けられている点において、実施の形態3の水処理装置8と相違する。この点以外においては、本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態1の水処理装置8と同一の構成を有している。この同一の構成の説明は繰り返さない。以下、本実施の形態の水処理装置8と実施の形態1の水処理装置8との相違点を主として説明する。
実施の形態においては、実施の形態3で説明した開閉弁56の下流側に微細気泡発生部90およびシャワーヘッド部99が設けられている。この微細気泡発生部90およびシャワーヘッド部99の構成および機能は、実施の形態8において説明した構成および機能と同一である。したがって、本実施の形態の水処理装置8は、実施の形態3の水処理装置8に比較して、オゾン殺菌効果を向上させることができる。
以下、実施の形態の水処理装置8の特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。
(1) 実施の形態の水処理装置8は、濾過済みの水を一時的に貯留する貯留槽1を備えている。水処理装置8は、貯留槽1の内側に独立して設けられるか、または、貯留槽1内において貯留槽1の一部と一体的に設けられ、未濾過の水を濾過処理する濾過処理流路2を備えている。水処理装置8は、濾過済みの水から受ける力を利用して、濾過済みの水の水面WSの高さに応じて、未濾過の水が流入側端部Finから濾過処理流路2へ導入されるか否かを切り替えるタップ機構54を備えている。
濾過処理流路2は、未処理の水が導入される流入側端部Finを含んでいる。濾過処理流路2は、濾過済みの水が貯留槽1内へ流出する流出側端部Foutを含んでいる。濾過処理流路2は、流入側端部Finから流出側端部Foutへ至るまでの間に設けられた濾過部22を含んでいる。タップ機構54は、濾過済みの水の水面WSの高さが流出側端部Foutの開放口の高さよりも低い所定の高さ以下である場合に、未濾過の水が流入側端部Finから濾過処理流路2へ導入される状態に変化する。
上記の構成においては、濾過処理流路2が、貯留槽1の内側に独立して設けられるか、または、貯留槽1内において貯留槽1の一部と一体的に設けられている。そのため、複数のユニットを直列に接続する場合に比較してワンパス式の水処理装置8の占有面積を小さくすることができる。
(2) 実施の形態の水処理装置8は、濾過済みの水を一時的に貯留する貯留槽1を備えている。水処理装置8は、貯留槽1の内側に独立して設けられるか、または、貯留槽1内において貯留槽1の一部と一体的に設けられ、未濾過の水を濾過処理する濾過処理流路2を備えている。水処理装置8は、貯留槽1内の濾過済みの水の水面WSの高さを検出する水位検出部60を備えている。水処理装置8は、水位検出部60によって検出された濾過済みの水の水面WSの高さに応じて、未濾過の水が濾過処理流路2に導入されるか否かを切り替える開閉弁56を備えている。水処理装置8は、水位検出部60から受け取った濾過済みの水の水面WSの高さの情報に基づいて、開閉弁56を制御する制御部40を備えている。
濾過処理流路2は、未濾過の水が流入する流入側端部Finを含んでいる。濾過処理流路2は、濾過済みの水が貯留槽1内へ流出する流出側端部Foutを含んでいる。濾過処理流路2は、流入側端部Finから流出側端部Foutへ至るまでの間に設けられた濾過部22を含んでいる。制御部40は、濾過済みの水の水面WSの高さが流出側端部Foutの開放口の高さよりも低い所定の高さ以下である場合に、未濾過の水が流入側端部Finから濾過処理流路2へ導入されるように開閉弁56を開く。
上記の構成においても、濾過処理流路2が、貯留槽1の内側に独立して設けられるか、または、貯留槽1内において貯留槽1の一部と一体的に設けられている。そのため、複数のユニットを直列に接続する場合に比較してワンパス式の水処理装置8の占有面積を小さくすることができる。
貯留槽1は、濾過済みの水にオゾン混入させる酸化部および濾過済みの水に紫外線を照射する紫外線照射部の少なくもいずれか一方を備えていてもよい。また、濾過部22は、活性炭を含んでいてもよい。
(3) 水処理装置8は、流出側端部Foutから濾過処理流路2へ洗浄水を導入するように構成された洗浄水流路52を備えていることが好ましい。水処理装置8は、洗浄水流路52を開閉する洗浄弁53を備えていることが好ましい。水処理装置8は、濾過部22を通過した洗浄水とともに、濾過処理流路2の内部から貯留槽1の外部へスカムを排出する排出流路4を備えていることが好ましい。水処理装置8は、排出流路4を開閉する排出弁5を備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、濾過部22の洗浄および濾過処理流路2内のスカムの排出を行うことができる。
この場合、制御部40が、洗浄水流路52を開く場合に排出流路4を開くように、洗浄弁53および排出弁5を制御してもよい。ただし、洗浄弁53および排出弁5は、いずれも、操作者の操作により開閉される手動開閉式の構造を有していてもよい。
洗浄水流路52は、導入流路11から分岐した分岐流路であり、洗浄水は、導入流路11を流れる未濾過の水であってもよい。また、洗浄水流路52は、導入流路11とは別に設けられた独立流路であり、洗浄水は、未濾過の水とは別の水源から送られてきた水であってもよい。
(4) 濾過処理流路2は、上向流が生じる流路を含んでいることが好ましい。濾過部22は、上向流が生じる位置に設けられていることが好ましい。この構成によれば、未濾過の水が濾過部22を上側から下側へ向かって通過する場合に比較して、濾過処理時間を長くすることができる。
(5) 濾過処理流路2は、下向流が生じる流路を含んでいることが好ましい。下向流が生じる位置の断面の断面積S1が、上向流が生じる位置の断面積S2よりも小さい。この構成によれば、濾過部22を通過する水の量を多くしながら、濾過処理流路2の占有面積を小さくすることができる。
(6) 濾過処理流路2は、未濾過の水にオゾンを混入させる酸化部23を含み、濾過部22は、酸化部23の下流側の位置に配置されていることが好ましい。この構成によれば、未濾過の水を殺菌することができる。また、オゾンから形成された酸素が濾過部22に存在するため、濾過部22において微生物を繁殖させることができる。その結果、濾過部22において、微生物による水の浄化がなされる。
(7) 酸化部23は、オゾンが未濾過の水において流入側端部Finに向かって導かれる位置に設けられており、オゾンが濾過処理流路2内において未濾過の水から上方の空間900へ放出されてもよい。この場合、空間900には、微細気泡発生部90が設けられていることが好ましい。それにより、未濾過の水は、微細気泡発生部90を経由して濾過処理流路2へ導入される。微細気泡発生部90は、空間900に存在するオゾンを吸い込むための吸込口90Aを有している。未濾過の水は、微細気泡発生部90を通過するときに、吸込口90Aから吸い込まれたオゾンを含み、オゾンを含んだ状態で微細気泡発生部90から濾過処理流路2へ導入される。
上記の構成によれば、微細気泡発生部90から導入された未濾過の水が、空間900に滞留しているオゾンを含んだ状態で、濾過処理流路2を流れる。そのため、オゾンによる殺菌効果が向上する。
(8) 酸化部23は、オゾンが未濾過の水において流入側端部Finに向かって導かれる位置に設けられており、オゾンは、濾過処理流路2内において未濾過の水から上方の空間900へ放出されてもよい。空間900には、未濾過の水を分散して空間900へ噴出するシャワーヘッド部99が設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、シャワーヘッド部99から噴出される分散された未濾過の水が、空間900に滞留しているオゾンを含んだ状態で、濾過処理流路2を流れる。そのため、オゾンによる殺菌効果が向上する。
(9) 流入側端部Finの開放口は、流出側端部Foutの開放口より高い位置に設けられていてもよい。流入側端部Finの開放口に活性炭が設けられていてもよい。これによれば、濾過処理流路2内の水は、流入側端部Finの開放口から外部へ流出されることなく、流出側端部Foutの開放口から貯留槽1内へ流出する。また、流入側端部Finの開放口へ流れてきたオゾンは、活性炭により活性炭によって無害化された後、流入側端部Finの開放口から濾過処理流路2の外部へ放出される。
(10) 濾過処理流路2は、断面視において、互いに直列に接続された複数のU字状流路2a,2bを含むことが好ましい。複数のU字状流路2a,2bは、縦断面視において、上流側のU字状流路2a内のU字状の水の水面が下流側のU字状流路2b内のU字状の水の水面よりも高く位置付けられるように構成されていることが好ましい。この構成によれば、平面視における占有面積を極力小さくしながら、濾過処理流路2の長さを長くすることができる。
複数のU字状流路2a,2b,2cの数が3以上である場合がある。この場合には、上流側のU字状流路2aまたは2bから下流側のU字状流路2bまたは2cへ流れ込む位置の流路の上端部61または62が、上流側から下流側へ向かうにしたがって低く位置付けられていることが好ましい。
(11) 濾過部22が砂濾材に加えて活性炭を含むことが好ましい。この構成によれば、濾過部22において、水中に残存するオゾンを活性炭により無害化することができる。
(12) 貯留槽1は、濾過済みの水にオゾンを混入させる酸化部13および濾過済みの水に紫外線を照射する紫外線照射部14の少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。この構成によれば、濾過済みの水を殺菌することができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。