以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っても適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
さらに、実施の形態で用いる図面においては、構造物を区別するために付したハッチング(網掛け)を図面に応じて省略する場合もある。
また、以下の実施の形態において、A〜Bとして範囲を示す場合には、特に明示した場合を除き、A以上B以下を示すものとする。
(実施の形態1)
初めに、実施の形態1として、入力装置としてのタッチパネルを備えた表示装置を、インセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用した例について説明する。なお、本願明細書では、入力装置とは、少なくとも電極に対して近接または接触する物体の容量に応じて変化する静電容量を検出する入力装置である。ここで、静電容量を検出する方式としては、2つの電極の間の静電容量を検出する相互容量方式のみならず、1つの電極の静電容量を検出する自己容量方式も含まれる。また、タッチ検出機能付き液晶表示装置とは、表示部を形成する第1基板および第2基板のいずれか一方にタッチ検出用の検出電極が設けられた液晶表示装置である。また、本実施の形態1においては、さらに、駆動電極が、表示部の駆動電極として動作し、かつ、入力装置の駆動電極として動作するように、設けられている、という特徴を持つインセルタイプのタッチ検出機能付き液晶装置について述べる。
<全体構成>
初めに、図1を参照し、実施の形態1の表示装置の全体構成について説明する。図1は、実施の形態1の表示装置の一構成例を示すブロック図である。
表示装置1は、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、駆動電極ドライバ14と、タッチ検出部40とを備えている。
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示デバイス20と、タッチ検出デバイス30とを有する。表示デバイス20は、本実施の形態1では、表示素子として液晶表示素子を用いた表示デバイスとする。したがって、以下では、表示デバイス20を、液晶表示デバイス20と称する場合がある。タッチ検出デバイス30は、静電容量方式のタッチ検出デバイス、すなわち静電容量型のタッチ検出デバイスである。そのため、表示装置1は、タッチ検出機能を有する入力装置を備えた表示装置である。また、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、液晶表示デバイス20と、タッチ検出デバイス30とを一体化した表示デバイスであり、タッチ検出機能を内蔵した表示デバイス、すなわちインセルタイプのタッチ検出機能付き表示デバイスである。
なお、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示デバイス20の上に、タッチ検出デバイス30を装着した表示デバイスであってもよい。また、表示デバイス20は、液晶表示素子を用いた表示デバイスに代え、例えば、有機EL(Electroluminescence)表示デバイスであってもよい。
表示デバイス20は、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、表示領域において、1水平ラインずつ順次走査を行うことにより表示を行う。タッチ検出デバイス30は、後述するように、静電容量型タッチ検出の原理に基づいて動作し、検出信号Vdetを出力する。
制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14およびタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して動作するように制御する回路である。
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有する。
ソースドライバ13は、制御部11から供給される画像信号Vsigの制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10に含まれた副画素SPix(後述する図7参照)に、画素信号Vpixを供給する回路である。
駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10に含まれた駆動電極COML(後述する図5または図6参照)に、駆動信号Vcomを供給する回路である。
タッチ検出部40は、制御部11から供給される制御信号と、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス30から供給された検出信号Vdetに基づいて、タッチ検出デバイス30に対する指やタッチペンなどの入力具のタッチ、すなわち後述する接触または近接の状態、の有無を検出する回路である。そして、タッチ検出部40は、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標、すなわち入力位置などを求める回路である。タッチ検出部40は、タッチ検出信号増幅部42と、A/D(Analog/Digital)変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とを備えている。
タッチ検出信号増幅部42は、タッチ検出デバイス30から供給される検出信号Vdetを増幅する。タッチ検出信号増幅部42は、検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分、すなわちノイズ成分を除去し、タッチ成分を取り出してそれぞれ出力する低域通過アナログフィルタを備えていてもよい。
<静電容量型タッチ検出の原理>
次に、図1〜図4を参照し、本実施の形態1の表示装置1におけるタッチ検出の原理について説明する。図2は、タッチ検出デバイスに指が接触または近接した状態を表す説明図である。図3は、タッチ検出デバイスに指が接触または近接した状態の等価回路の例を示す説明図である。図4は、駆動信号および検出信号の波形の一例を示す図である。
図2に示すように、静電容量型タッチ検出においては、タッチパネルあるいはタッチセンサと呼ばれる入力装置は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された駆動電極E1および検出電極E2を有する。これらの駆動電極E1および検出電極E2により容量素子C1が形成されている。図3に示すように、容量素子C1の一端は、駆動信号源である交流信号源Sに接続され、容量素子C1の他端は、タッチ検出部である電圧検出器DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば図1に示すタッチ検出信号増幅部42に含まれる積分回路からなる。
交流信号源Sから容量素子C1の一端、すなわち駆動電極E1に、例えば数kHz〜数百kHz程度の周波数を有する交流矩形波Sgが印加されると、容量素子C1の他端、すなわち検出電極E2側に接続された電圧検出器DETを介して、出力波形である検出信号Vdetが発生する。なお、この交流矩形波Sgは、例えば図4に示す駆動信号Vcomに相当するものである。
指が接触および近接していない状態、すなわち非接触状態では、図3に示すように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I1が流れる。電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I1の変動を、電圧の変動に変換する。この電圧の変動は、図4において、実線の波形V0で示されている。
一方、指が接触または近接した状態、すなわち接触状態では、指によって形成される静電容量C2の影響を受け、駆動電極E1および検出電極E2により形成される容量素子C1の容量値が小さくなる。そのため、図3に示す容量素子C1に流れる電流I1が変動する。電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I1の変動を電圧の変動に変換する。この電圧の変動は、図4において、破線の波形V1で示されている。この場合、波形V1は、上述した波形V0と比べて振幅が小さくなる。これにより、波形V0と波形V1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、指などの外部から近接する物体の影響に応じて変化することになる。なお、電圧検出器DETは、波形V0と波形V1との電圧差分の絶対値|ΔV|を精度よく検出するため、回路内のスイッチングにより、交流矩形波Sgの周波数に合わせて、コンデンサの充放電をリセットする期間Resetを設けた動作とすることが好ましい。
図1に示す例では、タッチ検出デバイス30は、駆動電極ドライバ14から供給される駆動信号Vcomに従って、1つまたは複数の駆動電極COML(後述する図5または図6参照)に対応した1つの検出ブロックごとにタッチ検出を行う。すなわち、タッチ検出デバイス30は、1つまたは複数の駆動電極COMLの各々に対応した1つの検出ブロックごとに、図3に示す電圧検出器DETを介して、検出信号Vdetを出力し、出力した検出信号Vdetを、タッチ検出部40のタッチ検出信号増幅部42に供給する。
A/D変換部43は、駆動信号Vcomに同期したタイミングで、タッチ検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する回路である。
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に含まれる、駆動信号Vcomをサンプリングした周波数以外の周波数成分、すなわちノイズ成分を低減するデジタルフィルタを備えている。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理部44は、指による差分の電圧のみを取り出す処理を行う。この指による差分の電圧は、上述した波形V0と波形V1との差分の絶対値|ΔV|である。信号処理部44は、1つの検出ブロック当たりの絶対値|ΔV|を平均化する演算を行い、絶対値|ΔV|の平均値を求めてもよい。これにより、信号処理部44は、ノイズによる影響を低減できる。信号処理部44は、検出した指による差分の電圧を所定のしきい値電圧と比較し、このしきい値電圧以上であれば、外部から近接する外部近接物体の接触状態と判断し、しきい値電圧未満であれば、外部近接物体の非接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出部40によるタッチ検出が行われる。
座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチが検出されたときに、タッチが検出された位置の座標、すなわちタッチパネルにおける入力位置を求める論理回路である。検出タイミング制御部46は、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。座標抽出部45は、タッチパネル座標を信号出力Voutとして出力する。
<モジュール>
図5は、実施の形態1の表示装置を実装したモジュールの一例を示す平面図である。なお、図5では、保護膜33の部分P31、P32およびP33、ならびに、配線基板WS1を二点鎖線により示している。
図5に示すように、本実施の形態1におけるタッチ検出機能付き表示デバイス10は、基板21と、基板31と、複数の駆動電極COMLと、複数の検出電極TDLと、を有する。基板31は、一方の主面としての上面と、上面と反対側の他方の主面としての下面と、を有する。ここで、基板31の上面内または基板31の下面内で、互いに交差、好適には直交する2つの方向を、X軸方向およびY軸方向とする。このとき、複数の駆動電極COMLは、平面視において、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に配列されている。また、複数の検出電極TDLは、平面視において、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列されている。
図7を用いて後述するように、複数の駆動電極COMLの各々は、平面視において、X軸方向に配列された複数の副画素SPixと重なるように設けられている。すなわち、1つの駆動電極COMLは、複数の副画素SPixに対して共通な電極として設けられている。
なお、本願明細書では、「平面視において」とは、基板31または基板21の主面としての上面に垂直な方向から視た場合を意味する。
図5に示す例では、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、平面視において、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、互いに対向する2つの辺と、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、互いに対向する2つの辺とを備え、矩形形状を有する。Y軸方向におけるタッチ検出機能付き表示デバイス10の一方の側には、電極端子ET1が設けられている。電極端子ET1と検出電極TDLとの間は、それぞれ引き回し配線WRTにより電気的に接続されている。電極端子ET1は、配線基板WS1と電気的に接続されており、配線基板WS1は、このモジュールの外部に実装されたタッチ検出部40(図1参照)と接続されている。したがって、検出電極TDLは、引き回し配線WRT、電極端子ET1および配線基板WS1を介して、タッチ検出部40と接続されている。
引き回し配線WRTと、電極端子ET1とにより、電極としての配線部WTPが形成されている。すなわち、電極としての配線部WTPは、引き回し配線WRTと、電極端子ET1と、を有する。
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、COG19を有する。COG19は、基板21に実装されたチップであり、図1に示した制御部11、ゲートドライバ12、ソースドライバ13など、表示動作に必要な各回路を内蔵したものである。また、COG19は、駆動電極ドライバ14を内蔵してもよい。COG19と複数の駆動電極COMLの各々との間は、詳細な図示は省略するが、それぞれ引き回し配線WRCにより電気的に接続されている。
なお、基板21および基板31として、例えばガラス基板、または、例えば樹脂からなるフィルムなど、各種の、可視光に対して透明な基板を用いることができる。また、本願明細書では、「可視光に対して透明」とは、可視光に対する透過率が例えば90%以上であることを意味し、可視光に対する透過率とは、例えば380〜780nmの波長を有する光に対する透過率の平均値を意味する。また、透過率とは、タッチ検出機能付き表示デバイス10(後述する図6参照)の裏面に照射された光のうち、表示領域Adにおいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の裏面と反対側の表面まで透過した光の割合を意味する。
<タッチ検出機能付き表示デバイス>
次に、図5〜図8を参照し、タッチ検出機能付き表示デバイス10の構成例を詳細に説明する。図6は、実施の形態1の表示装置のタッチ検出機能付き表示デバイスを示す断面図である。図7は、実施の形態1の表示装置のタッチ検出機能付き表示デバイスを示す回路図である。図8は、実施の形態1の表示装置の駆動電極および検出電極の一構成例を示す斜視図である。図6は、図5のA−A線に沿った断面図である。
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、アレイ基板2と、対向基板3と、偏光板4と、偏光板5と、液晶層6と、封止部7と、を有する。対向基板3は、アレイ基板2の主面としての上面と、対向基板3の主面としての下面とが対向するように、アレイ基板2と対向配置されている。偏光板4は、アレイ基板2を挟んで対向基板3と反対側に、設けられている。偏光板5は、対向基板3を挟んでアレイ基板2と反対側に、設けられている。液晶層6は、アレイ基板2と対向基板3との間に設けられている。すなわち、液晶層6は、基板21の上面と基板31の下面との間に挟まれている。アレイ基板2の外周部と対向基板3の外周部との間には、封止部7が設けられており、アレイ基板2と対向基板3との間の空間は、その空間の外周部を封止部7により封止されている。そして、外周部が封止部7により封止された空間には、液晶層6が封入されている。
アレイ基板2は、基板21を有する。また、対向基板3は、基板31を有する。基板31は、一方の主面としての上面と、上面と反対側の他方の主面としての下面と、を有し、基板21の主面としての上面と、基板31の主面としての下面とが対向するように、基板21と対向配置されている。基板31は、基板31の上面の領域として、表示領域Adおよび周辺領域Asを有する。周辺領域Asは、表示領域Adよりも基板31の外周側に位置する領域である。または、表示領域Adおよび周辺領域Asは、基板31の他方の主面としての下面に含まれてもよい。
あるいは、表示領域Adおよび周辺領域Asは、基板21の一方の主面としての上面に含まれてもよい。このとき、基板21は、基板21の上面の領域として、表示領域Adおよび周辺領域Asを有する。周辺領域Asは、表示領域Adよりも基板21の外周側に位置する領域である。
図7に示すように、表示領域Adで、基板21には、複数の走査線GCL、複数の信号線SGL、および、複数の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)であるTFT素子Trが形成されている。なお、図6では、走査線GCL、信号線SGLおよびTFT素子Trの図示は、省略する。また、走査線は、ゲート配線を意味し、信号線は、ソース配線を意味する。
図7に示すように、複数の走査線GCLは、表示領域Adで、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に配列されている。複数の信号線SGLは、表示領域Adで、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列されている。したがって、複数の信号線SGLの各々は、平面視において、複数の走査線GCLと交差する。このように、平面視において、互いに交差する複数の走査線GCLと複数の信号線SGLとの交点に、副画素SPixが配置され、複数の異なる色の副画素SPixにより1つの画素Pixが形成される。すなわち、複数の副画素SPixは、基板21の上面に設けられ、平面視において、表示領域Ad内に配置されており、X軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列されている。
平面視において、複数の走査線GCLの各々と複数の信号線SGLの各々とが交差する交差部には、TFT素子Trが形成されている。したがって、表示領域Adで、基板21上には、複数のTFT素子Trが形成されており、これらの複数のTFT素子Trは、X軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列されている。すなわち、複数の副画素SPixの各々には、TFT素子Trが設けられている。また、複数の副画素SPixの各々には、TFT素子Trに加え、液晶素子LCが設けられている。
TFT素子Trは、例えばnチャネル型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)としての薄膜トランジスタからなる。TFT素子Trのゲート電極は、走査線GCLに接続されている。TFT素子Trのソース電極またはドレイン電極の一方は、信号線SGLに接続されている。TFT素子Trのソース電極またはドレイン電極の他方は、液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、例えば、一端がTFT素子Trのソース電極またはドレイン電極に接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
図6に示すように、アレイ基板2は、基板21と、複数の駆動電極COMLと、絶縁膜24と、複数の画素電極22とを有する。複数の駆動電極COMLは、平面視において、表示領域Adの内部で、基板21の一方の主面としての上面に設けられている。複数の駆動電極COMLの各々の表面を含めて基板21の上面上には、絶縁膜24が形成されている。表示領域Adで、絶縁膜24上には、複数の画素電極22が形成されている。したがって、絶縁膜24は、駆動電極COMLと画素電極22とを、電気的に絶縁する。
図7に示すように、複数の画素電極22は、平面視において、表示領域Adの内部で、X軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列された複数の副画素SPixの各々の内部にそれぞれ形成されている。したがって、複数の画素電極22は、X軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列されている。
図6に示す例では、複数の駆動電極COMLの各々は、基板21と画素電極22との間に形成されている。また、図7で模式的に示すように、複数の駆動電極COMLの各々は、平面視において、複数の画素電極22と重なるように設けられている。そして、複数の画素電極22の各々と複数の駆動電極COMLの各々との間に電圧が印加され、複数の画素電極22の各々と複数の駆動電極COMLの各々との間、すなわち複数の副画素SPixの各々に設けられた液晶素子LCに、電界が形成されることにより、表示領域Adに画像が表示される。この際に駆動電極COMLと画素電極22との間には容量Capが形成され、容量Capは保持容量として機能する。
液晶素子LCと、複数の画素電極22と、駆動電極COMLと、複数の走査線GCLと、複数の信号線SGLとにより、画像の表示を制御する表示制御部としての液晶表示デバイス20が形成される。表示制御部としての液晶表示デバイス20は、複数の画素電極22の各々と複数の駆動電極COMLの各々との間に印加される電圧を制御することにより、表示領域Adにおける画像の表示を制御する。表示制御部としての液晶表示デバイス20は、基板21と基板31との間に設けられている。
なお、複数の駆動電極COMLの各々は、画素電極22を挟んで基板21と反対側に形成されていてもよい。また、図6に示す例では、駆動電極COMLと画素電極22との配置が、駆動電極COMLと画素電極22とが平面視で重なる、横電界モードとしてのFFS(Fringe Field Switching)モードにおける配置となっている。しかし、駆動電極COMLと画素電極22との配置は、駆動電極COMLと画素電極22とが平面視で重ならない、横電界モードとしてのIPS(In Plane Switching)モードにおける配置でもよい。あるいは、駆動電極COMLと画素電極22との配置は、縦電界モードとしてのTN(Twisted Nematic)モードまたはVA(Vertical Alignment)モード等における配置でもよい。
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、前述のFFSモード、または、IPSモード等の横電界モードに対応した液晶層が用いられる。すなわち、液晶表示デバイス20として、FFSモードまたはIPSモード等の横電界モードによる液晶表示デバイスが用いられる。あるいは、前述したように、TNモードまたはVAモード等の縦電界モードによる液晶表示デバイスが用いられてもよい。なお、図6に示す液晶層6とアレイ基板2との間、および、液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が設けられていてもよい。
図7に示すように、X軸方向に配列された複数の副画素SPix、すなわち液晶表示デバイス20の同一の行に属する複数の副画素SPixは、走査線GCLにより互いに接続されている。走査線GCLは、ゲートドライバ12(図1参照)と接続され、ゲートドライバ12により走査信号Vscan(図1参照)が供給される。また、Y軸方向に配列された複数の副画素SPix、すなわち液晶表示デバイス20の同一の列に属する複数の副画素SPixは、信号線SGLにより互いに接続されている。信号線SGLは、ソースドライバ13(図1参照)と接続され、ソースドライバ13により画素信号Vpix(図1参照)が供給される。さらに、X軸方向に配列された複数の副画素SPix、すなわち液晶表示デバイス20の同一の行に属する複数の副画素SPixは、駆動電極COMLにより互いに接続されている。
駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14(図5参照)と接続され、駆動電極ドライバ14により駆動信号Vcom(図1参照)が供給される。つまり、図7に示す例では、同一の行に属する複数の副画素SPixが1つの駆動電極COMLを共有するようになっている。複数の駆動電極COMLは、表示領域Adで、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に配列されている。前述したように、複数の走査線GCLは、表示領域Adで、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に配列されているため、複数の駆動電極COMLの各々が延在する方向は、複数の走査線GCLの各々が延在する方向と平行である。ただし、複数の駆動電極COMLの各々が延在する方向は限定されず、例えば、複数の駆動電極COMLの各々が延在する方向は、複数の信号線SGLの各々が延在する方向と平行な方向であってもよい。
図1に示すゲートドライバ12は、走査信号Vscanを、図7に示す走査線GCLを介して、各副画素SPixのTFT素子Trのゲート電極に印加することにより、液晶表示デバイス20においてマトリクス状に形成された副画素SPixのうちの1行、すなわち1水平ラインを表示駆動の対象として順次選択する。図1に示すソースドライバ13は、画素信号Vpixを、図7に示す信号線SGLを介して、ゲートドライバ12により順次選択される1水平ラインを構成する複数の副画素SPixにそれぞれ供給する。そして、1水平ラインを構成する複数の副画素SPixにおいて、供給される画素信号Vpixに応じた表示が行われる。
図1に示す駆動電極ドライバ14は、駆動信号Vcomを印加し、1つまたは複数の駆動電極COMLに対応した1つの検出ブロックごとに駆動電極COMLを駆動する。
液晶表示デバイス20においては、ゲートドライバ12が走査線GCLを時分割的に順次走査するように駆動することにより、副画素SPixが、1水平ラインずつ順次選択される。また、液晶表示デバイス20においては、1水平ラインに属する副画素SPixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われる。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14は、その1水平ラインに対応した駆動電極COMLを含む検出ブロックに対して、駆動信号Vcomを印加する。
本実施の形態1の表示装置1における駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20の駆動電極として動作し、かつ、タッチ検出デバイス30の駆動電極として動作する。図8は、実施の形態1の表示装置の駆動電極および検出電極の一構成例を示す斜視図である。
タッチ検出デバイス30は、アレイ基板2に設けられた複数の駆動電極COMLと、対向基板3に設けられた複数の検出電極TDLとを有する。複数の検出電極TDLは、平面視において、複数の駆動電極COMLの各々が延在する方向と交差する方向にそれぞれ延在する。言い換えれば、複数の検出電極TDLは、平面視において複数の駆動電極COMLとそれぞれ交差するように、互いに間隔を空けて配列されている。そして、複数の検出電極TDLの各々は、アレイ基板2に含まれる基板21の上面に垂直な方向において、複数の駆動電極COMLの各々と対向している。言い換えれば、複数の駆動電極COMLの各々は、平面視において、複数の検出電極TDLの各々と重なるように設けられている。そして、複数の検出電極TDLの各々は、タッチ検出部40のタッチ検出信号増幅部42(図1参照)にそれぞれ接続されている。
複数の駆動電極COMLの各々と複数の検出電極TDLの各々との平面視における交差部には、静電容量が発生する。そして、複数の駆動電極COMLの各々と複数の検出電極TDLの各々との間の静電容量に基づいて、入力位置が検出される。すなわち、検出電極TDLが形成された基板31(図6参照)のような電極基板と、駆動電極COMLとにより、入力位置を検出する検出部、すなわち入力装置が形成される。
このような構成により、タッチ検出デバイス30では、タッチ検出動作を行う際、駆動電極ドライバ14により、スキャン方向Scanに1つまたは複数の駆動電極COMLに対応した1つの検出ブロックが順次選択される。そして、選択された検出ブロックにおいて、駆動電極COMLには、駆動電極COMLと検出電極TDLとの間の静電容量を測定するための駆動信号Vcomが入力され、検出電極TDLから、入力位置を検出するための検出信号Vdetが出力される。このようにタッチ検出デバイス30では、1検出ブロックごとにタッチ検出が行われるようになっている。つまり、1つの検出ブロックは、前述したタッチ検出の原理における駆動電極E1に対応し、検出電極TDLは、検出電極E2に対応している。
なお、表示動作の際の検出ブロックの範囲と、タッチ検出動作の際の検出ブロックの範囲とは、共通であってもよく、異なっていてもよい。
図8に示すように、平面視において、互いに交差した複数の駆動電極COMLと複数の検出電極TDLは、マトリクス状に配列された静電容量式タッチセンサを形成する。よって、タッチ検出デバイス30のタッチ検出面全体を走査することにより、指などが接触または近接した位置を検出することが可能である。
なお、タッチ検出デバイス30として、駆動電極と、検出電極とが設けられた相互容量方式のタッチ検出デバイス30には限定されない。例えば、後述する図33および図34を用いて説明するように、タッチ検出デバイス30として、検出電極のみが設けられた、自己容量方式のタッチ検出デバイス30を適用することができる。この自己容量方式では、検出電極TDLが、検出回路と切り離され、電源と電気的に接続された時に、検出電極TDLに電荷量が蓄積される。次に、検出電極TDLが電源から切り離され、検出回路と電気的に接続された時に、検出回路に流れ出る電荷量を検出する。すなわち、検出部は、複数の検出電極TDLの各々の静電容量に基づいて、入力位置を検出する。
ここで、検出電極TDLに指が接触または近接した場合、指による容量により、検出電極TDLの静電容量が変化し、検出電極TDLが検出回路と接続された時に、検出回路に流れ出る電荷量が変化する。したがって、流れ出る電荷量を検出回路により測定して検出電極TDLの静電容量の変化を検出することにより、検出電極TDLに指が接触または近接したか否かを判定することができる。
図5および図6に示すように、対向基板3は、基板31と、カラーフィルタ32と、導体パターンCB1と、保護膜33と、を有する。
基板31は、前述したように、主面としての上面と、上面と反対側の主面としての下面とを有する。カラーフィルタ32は、基板31の下面に形成されている。
導体パターンCB1は、基板31の上面に形成されている。導体パターンCB1は、複数の検出電極TDLと、複数の配線部WTPと、を含む。複数の検出電極TDLは、タッチ検出デバイス30の検出電極であり、基板31の上面に形成されている。複数の配線部WTPの各々は、引き回し配線WRTと、電極端子ET1と、を含む。引き回し配線WRTおよび電極端子ET1は、基板31の上面に形成されている。保護膜33は、基板31の上面上に、導体パターンCB1を覆うように形成されている。なお、導体パターンCB1および保護膜33の形状については、後述する。
カラーフィルタ32として、例えば赤(R)、緑(G)および青(B)の3色に着色されたカラーフィルタがX軸方向に配列される。これにより、図7に示すように、R、GおよびBの3色の色領域32R、32Gおよび32Bの各々にそれぞれ対応した複数の副画素SPixが形成され、1組の色領域32R、32Gおよび32Bの各々にそれぞれ対応した複数の副画素SPixにより1つの画素Pixが形成される。画素Pixは、走査線GCLが延在する方向(X軸方向)、および、信号線SGLが延在する方向(Y軸方向)に沿って、マトリクス状に配列されている。また、画素Pixがマトリクス状に配列された領域が、例えば前述した表示領域Adである。なお、表示領域Adの周辺に、ダミー画素が設けられたダミー領域が設けられていてもよい。
カラーフィルタ32の色の組み合わせとして、R、GおよびB以外の他の色を含む複数の色の組み合わせでもよい。また、カラーフィルタ32は、設けられていなくてもよい。あるいは、1つの画素Pixが、カラーフィルタ32が設けられていない副画素SPix、すなわち白色の副画素SPixを含んでもよい。また、COA(Color filter On Array)技術により、カラーフィルタがアレイ基板2に設けられていてもよい。
<電極基板の構成>
次に、図5、図6、図9および図10を参照し、電極基板の構成について説明する。なお、本実施の形態1では、電極基板として、入力装置付き表示装置において検出電極が形成される対向基板として用いられる電極基板を例示して説明する。
図9は、実施の形態1の電極基板を示す平面図である。図10は、実施の形態1の電極基板を示す断面図である。図10は、図9のA−A線に沿った断面図である。なお、図9では、配線基板WS1および異方性導電フィルムCF1を除去して透視した状態を示しており、配線基板WS1および異方性導電フィルムCF1の外周を二点鎖線で示している。
対向基板3としての電極基板ESは、基板31と、導体パターンCB1と、保護膜33と、を有する。基板31は、基板31の上面の領域として、表示領域Adおよび周辺領域As(図5参照)を有する。周辺領域Asは、表示領域Adよりも基板31の外周側の領域である。周辺領域Asは、基板31の上面の領域AR1、基板31の上面の領域AR2、および、基板31の上面の領域AR3を含む。領域AR2は、領域AR1よりも基板31の外周側の領域であり、領域AR3は、領域AR2よりも基板31の外周側の領域である。以下では、基板31の主面としての上面内で、互いに交差、好適には直交する2つの方向を、X軸方向およびY軸方向とする。
なお、前述したように、本願明細書では、「平面視において」とは、基板21(図6参照)または基板31の主面としての上面に垂直な方向から視た場合を意味する。
また、基板31として、例えば透明性のあるガラス基板、または、例えば樹脂からなるフィルムなど、各種の基板を用いることができる。
導体パターンCB1は、複数の検出電極TDLと、複数の配線部WTPと、を含む。導体パターンCB1は、導電膜からなる。
複数の検出電極TDLの各々は、タッチ検出デバイス30の検出電極である。複数の検出電極TDLの各々は、表示領域Adで、基板31の上面に形成されている。複数の検出電極TDLの各々は、導電膜からなる。導体パターンCB1のうち、複数の検出電極TDLからなる導体パターンを、導体パターンCB11とする。
複数の検出電極TDLの各々は、X軸方向に配列された複数の導電線を含んでもよい。このとき、複数の導電線の各々は、平面視において、交互に逆方向に屈曲しながら全体としてY軸方向に延在するジグザグ形状を有してもよい。あるいは、複数の検出電極TDLの各々は、平面視において、複数の導電線により形成されたメッシュ形状を有してもよい。
複数の配線部WTPは、複数の検出電極TDLの各々にそれぞれ対応して形成された電極であり、複数の検出電極TDLの各々にそれぞれ電気的に接続された電極である。複数の配線部WTPの各々は、周辺領域Asで、基板31の上面に形成されている。複数の配線部WTPの各々は、導電膜からなる。複数の配線部WTPの各々は、平面視において、基板31の上面の領域AR1から、基板31の上面の領域AR2を経て、基板31の上面の領域AR3にかけて、基板31の上面に、連続的に形成されている。
好適には、領域AR1、領域AR2および領域AR3は、Y軸方向に順に配置されている。そして、複数の配線部WTPは、平面視において、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列されている。
複数の配線部WTPの各々は、引き回し配線WRTと、電極端子ET1と、を含む。したがって、引き回し配線WRTおよび電極端子ET1は、基板31の上面に形成されている。
配線部WTPのうち領域AR1に形成された部分を部分PR1とする。部分PR1は、引き回し配線WRTの一部である。また、配線部WTPのうち領域AR2に形成された部分を部分PR2とする。部分PR2は、引き回し配線WRTの他の部分と、電極端子ET1の一部と、を含む。さらに、配線部WTPのうち領域AR3に形成された部分を部分PR3とする。部分PR3は、電極端子ET1の他の部分であり、配線基板WS1と電気的に接続される。導体パターンCB1のうち、部分PR1からなる導体パターンを導体パターンCB12とし、部分PR2からなる導体パターンを導体パターンCB13とし、部分PR3からなる導体パターンを導体パターンCB14とする。
好適には、検出電極TDLおよび配線部WTPは、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)およびタングステン(W)からなる群から選ばれた1種以上の金属からなる金属層または合金層や酸化膜や窒化膜を含む導電膜の単層または複数層の膜からなる。これにより、検出電極TDLおよび配線部WTPの導電性を向上させることができるので、検出電極TDLによる検出感度または検出速度を向上させることができる。また酸化膜や窒化膜を設けることで表面を黒色化することもできる。黒化層としてはカラーフィルター材料などのブラック樹脂を用いてもよい。
なお、図9に示す例では、電極端子ET1の平面形状は、矩形形状であるが、電極端子ET1の平面形状は、例えば円形形状など、各種の形状であってもよい。
保護膜33は、表示領域Ad、ならびに、領域AR1および領域AR2で、複数の検出電極TDLおよび複数の配線部WTPからなる導体パターンCB1を覆うように形成されている。保護膜33のうち、表示領域Adに形成された部分を、部分P31とし、領域AR1に形成された部分を、部分P32とし、領域AR2に形成された部分を、部分P33とする。
保護膜33は、検出電極TDLおよび配線部WTPに例えば空気中の水分や酸性の有機物などが接触しないようにすることにより、導電膜からなる検出電極TDLおよび配線部WTPが腐食しないように保護する。保護膜33として、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂またはポリイミド樹脂などの、紫外線(Ultraviolet;UV)硬化性樹脂もしくは熱硬化性樹脂またはその両方を含む樹脂からなる樹脂膜を用いることができる。なお、保護膜33は、検出電極TDLおよび配線部WTPが形成された基板31の上面を平坦化する機能も有する。
配線部WTPのうち、領域AR1および領域AR2に形成された部分PR1および部分PR2は、保護膜33により覆われている。しかし、配線部WTPのうち、領域AR3に形成された部分PR3は、保護膜33から露出している。したがって、領域AR3で、配線部WTPの部分PR3の側面、および、配線部WTPの部分PR3のうち領域AR1側と反対側の端部は、保護膜33から露出している。すなわち、領域AR3に形成された部分の配線部WTPの側面は、保護膜33から露出している。
このとき、保護膜33の部分P33の平均膜厚AT2は、保護膜33の部分P32の平均膜厚AT1よりも薄い。すなわち、保護膜33の部分P33のうち、配線部WTPの部分PR2上に形成された部分の膜厚TH2は、保護膜33の部分P32のうち、配線部WTPの部分PR1上に形成された部分の膜厚TH1よりも薄い。
このような場合、保護膜33の部分P33の平均膜厚AT2が、保護膜33の部分P32の平均膜厚AT1と等しい場合に比べ、保護膜33の領域AR3側の端部EG1における段差部STP1の高さが低くなる。そのため、段差部STP1を跨ぐように配置された配線基板WS1を、異方性導電フィルムCF1を介して基板31に押し付ける際に、異方性導電フィルムCF1内の複数の金属粒子MP1が、異方性導電フィルムCF1の厚さ方向につぶれて接触する程度が、異方性導電フィルムCF1の面内で略均一になる。したがって、配線部WTPの部分PR3すなわち電極端子ET1と、電極端子ET2とを、電気的に安定して接続することができる。
なお、本願明細書では、保護膜33のうち領域AR1に形成された部分P32の平均膜厚AT1とは、領域AR1における導体パターンCB1、すなわち導体パターンCB12の上面の平均高さ位置と、保護膜33の部分P32の上面の平均高さ位置と、の差を意味する。また、保護膜33のうち領域AR2に形成された部分P33の平均膜厚AT2とは、領域AR2における導体パターンCB1、すなわち導体パターンCB13の上面の平均高さ位置と、保護膜33の部分P33の上面の平均高さ位置と、の差を意味する。
保護膜33の部分P31の平均膜厚、および、保護膜33の部分P32の平均膜厚AT1を、導体パターンCB1の膜厚よりも厚くすることができる。例えば、導体パターンCB1の膜厚を、10〜2000nmとし、保護膜33の部分P31の平均膜厚、および、保護膜33の部分P32の平均膜厚AT1を、500〜10000nmとすることができる。
ここで、X軸方向とY軸方向とは互いに直交するものとし、部分PR1、すなわち引き回し配線WRTのX軸方向における幅を幅WD1とし、部分PR3、すなわち電極端子ET1のX軸方向における幅を幅WD2とする。このとき、好適には、幅WD2は、幅WD1よりも大きい。これにより、電極端子ET1のX軸方向における幅を、引き回し配線WRTのX軸方向における幅よりも大きくすることができる。そのため、電極端子ET1と電極端子ET2とが接触する部分の面積を増加させることができる。
X軸方向における電極端子ET1の幅WD2は、例えば50〜1500μm、好適には75〜1000μmである。また、X軸方向における電極端子ET1の配列ピッチDS1は、例えば100〜2000μmであり、好適には150〜1500μmであって、かつ、幅WD2よりも大きい。配列ピッチDS1がこのような範囲内にあることにより、互いに隣り合う2つの電極端子ET1が、後述する異方性導電フィルムCF1により短絡されることを、防止または抑制することができる。
例えばインクジェット法または電界ジェット法などの、原料液を液滴として吐出して塗布する方法によるパターニングの形状精度は、例えばフォトリソグラフィおよびエッチングにより絶縁膜をパターニングする方法によるパターニングの形状精度よりも低い。そのため、原料液を液滴として吐出して塗布する場合、配線部WTPの部分PR3のうち中央部が、保護膜33から露出し、かつ、配線部WTPの部分PR3のうち周辺部が、保護膜33により覆われるように、保護膜33をパターニングできないという欠点がある。しかし、上記したように、配列ピッチDS1が、100〜2000μmである場合、原料液を液滴として吐出して塗布することにより、保護膜33の部分P33の平均膜厚AT2を、保護膜33の部分P32の平均膜厚AT1よりも容易に薄くできるという利点が、パターニングの形状精度が低いという欠点を、大きく上回る。したがって、配列ピッチDS1が100μm未満の場合、または、配列ピッチDS1が2000μmを超える場合に比べ、電極端子ET1と、電極端子ET2とを、電気的に安定して接続することができる効果が、より大きくなる。
また、対向基板3としての電極基板ESは、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)CF1と、配線基板WS1と、を有してもよい。異方性導電フィルムCF1は、領域AR2および領域AR3で、配線部WTPを覆うように配置されている。配線基板WS1は、異方性導電フィルムCF1上に配置されている。配線基板WS1として、例えばフレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuits;FPC)とも称されるフレキシブルプリント配線板を用いることができる。以下では、配線基板WS1としてFPCを用いた例について説明する。
配線基板WS1は、基体WB1と、複数の電極端子ET2とを、含む。複数の電極端子ET2は、基体WB1の主面としての下面に、形成されている。複数の電極端子ET2は、複数の配線部WTPの各々の部分PR3にそれぞれ対応して設けられている。複数の電極端子ET2の各々は、複数の配線部WTPの各々の部分PR3と、異方性導電フィルムCF1を介して対向している。
X軸方向における電極端子ET2の幅WD3は、例えば50〜1500μm、好適には75〜1000μmである。また、X軸方向における電極端子ET2の配列ピッチDS2は、例えば100〜2000μm、好適には150〜1500μmであって、かつ、幅WD3よりも大きい。配列ピッチDS2がこのような範囲内にあることにより、互いに隣り合う2つの電極端子ET2が、異方性導電フィルムCF1により短絡されることを、防止または抑制することができる。なお、複数の電極端子ET1のうち一部の複数の電極端子ET1、または、複数の電極端子ET2のうち一部の複数の電極端子ET2が、ダミー電極端子として配置されてもよい。そして、複数の電極端子ET2の配列ピッチDS2が、複数の電極端子ET1の配列ピッチDS1に対して、1/2倍など整数分の1倍、1倍、または、2倍など整数倍、になるように、複数の電極端子ET1、および、複数の電極端子ET2が、配置されてもよい。
異方性導電フィルムCF1は、熱硬化性樹脂に導電性を持つ微細な金属粒子MP1を混ぜ合わせたものを、膜状に成型したフィルムである。配線部WTPの部分PR3すなわち電極端子ET1と、電極端子ET2と、の間に異方性導電フィルムCF1を挟んだ状態で、例えば熱処理しながら配線基板WS1を基板31に押し付ける。これにより、異方性導電フィルムCF1内の金属粒子MP1が異方性導電フィルムCF1の厚さ方向に接触して、異方性導電フィルムCF1の厚さ方向に導電経路が形成される。そして、互いに対向した配線部WTPの部分PR3すなわち電極端子ET1と、電極端子ET2とは、異方性導電フィルムCF1を介して電気的に接続される。
なお、図10では、理解を簡単にするために、金属粒子MP1の直径が、異方性導電フィルムCF1の膜厚と略等しい場合を例示している。しかし、金属粒子MP1の直径が、異方性導電フィルムCF1の膜厚に比べて小さくてもよく、このような場合、複数の金属粒子MP1が異方性導電フィルムCF1の厚さ方向に接触して、異方性導電フィルムCF1の厚さ方向に導電経路が形成される。
また、好適には、互いに隣り合う2つの電極端子ET1の互いに対向する側面同士の距離DS3は、異方性導電フィルムCF1に含まれる金属粒子MP1の直径の平均値、すなわち平均粒子径の5倍以上である。これにより、互いに隣り合う2つの電極端子ET1が、異方性導電フィルムCF1により短絡されることを、防止または抑制することができる。
あるいは、好適には、互いに隣り合う2つの電極端子ET2の互いに対向する側面同士の距離DS4は、異方性導電フィルムCF1に含まれる金属粒子MP1の直径の平均値、すなわち平均粒子径の5倍以上である。これにより、互いに隣り合う2つの電極端子ET2が、異方性導電フィルムCF1により短絡されることを、防止または抑制することができる。
好適には、異方性導電フィルムCF1の領域AR1側の端部EG2、および、配線基板WS1の領域AR1側の端部EG3は、保護膜33上に配置されている。これにより、配線部WTPの部分PR2のいずれの部分も、保護膜33または異方性導電フィルムCF1のいずれかにより覆われることになり、配線部WTPの部分PR2のいずれの部分にも空気中の水分が接触しないようにすることができるので、導電膜からなる配線部WTPが腐食しないように確実に保護することができる。
さらに好適には、配線基板WS1の領域AR1側の端部EG3は、保護膜33の部分P33上に、異方性導電フィルムCF1を介して配置されている。これにより、配線基板WS1が、保護膜33のうち、部分P33の平均膜厚AT2よりも厚い平均膜厚AT1を有する部分P32とは、平面視において重ならなくなる。そのため、段差部STP1を跨ぐように配置された配線基板WS1を、異方性導電フィルムCF1を介して基板31に押し付ける際に、異方性導電フィルムCF1内の複数の金属粒子MP1が、異方性導電フィルムCF1の厚さ方向につぶれて接触する接触しやすさが、異方性導電フィルムCF1の面内で略均一になる。したがって、電極端子ET1と、電極端子ET2とを、電気的に安定して接続することができる。
<電極基板の製造方法>
次に、図11〜図20を参照し、電極基板の製造方法について説明する。
図11〜図13および図20は、実施の形態1の電極基板の製造工程中の断面図である。図14は、実施の形態1の電極基板の製造工程中の斜視図である。図15〜図18は、液滴が着弾して形成されたドットの配置を示す図である。図19は、上面に凹凸を有する保護膜の一例を示す断面図である。
まず、図11に示すように、基板31を準備する。基板31は、基板31の主面としての上面の領域として、表示領域Adおよび周辺領域As(図5参照)を有する。周辺領域Asは、表示領域Adよりも基板31の外周側の領域である。周辺領域Asは、基板31の上面の領域AR1、基板31の上面の領域AR2、および、基板31の上面の領域AR3を含む。領域AR2は、領域AR1よりも基板31の外周側の領域であり、領域AR3は、領域AR2よりも基板31の外周側の領域である。好適には、図9に示したように、領域AR1、領域AR2および領域AR3は、平面視において、Y軸方向に順に配置されている。
なお、前述したように、基板31として、例えば透明性のあるガラス基板、または、例えば樹脂からなるフィルムなど、各種の基板を用いることができる。
次に、図12に示すように、導体パターンCB1を形成する。この導体パターンCB1を形成する工程では、表示領域Ad(図5参照)、ならびに、領域AR1、領域AR2および領域AR3で、基板31の上面に、複数の検出電極TDLおよび複数の配線部WTPからなる導体パターンCB1を形成する。
この導体パターンCB1を形成する工程では、まず、基板31の上面全面に、導電膜CF2を成膜する。この導電膜CF2を成膜する工程では、例えば金属膜からなる導電膜を、例えばスパッタリング法または化学気相成長(Chemical Vapor Deposition;CVD)法により成膜することができる。好適には、導電膜CF2として、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)およびタングステン(W)からなる群から選ばれた1種以上の金属からなる金属層または合金層を含む導電膜であって、単層または複数層の膜からなる導電膜を成膜することができる。
なお、導電膜CF2を成膜する工程を行った後、後述するパターニングを行う前に、導電膜CF2が成膜された基板31に対して表面処理を行ってもよい。これにより、導電膜CF2の上面における表面張力と、基板31の上面における表面張力と、を略等しくすることができ、液滴として吐出して塗布する方法により塗布される原料液の濡れ性を均一にすることができる。このような表面処理として、UV光による表面処理、大気圧(Atmospheric Pressure;AP)プラズマによる表面処理、または、ヘキサメチルジシロキサン(Hexamethyldisiloxane;HMDS)による表面処理などを行うことができる。
次に、導電膜CF2をパターニングする。この導電膜CF2をパターニングする工程では、例えばフォトリソグラフィおよびエッチングを用いて導電膜CF2をパターニングすることができる。これにより、表示領域Adで、導電膜CF2からなる複数の検出電極TDLを形成する(図6参照)。また、図12に示すように、領域AR1、領域AR2および領域AR3で、導電膜CF2からなる複数の配線部WTPを形成する。これにより、複数の検出電極TDLおよび複数の配線部WTPからなる導体パターンCB1を形成する。
複数の検出電極TDLの各々は、表示領域Adで、基板31の上面に形成される。複数の検出電極TDLは、例えば、平面視において、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列される(図5参照)。一方、複数の配線部WTPの各々は、領域AR1から、領域AR2を経て、領域AR3にかけて、基板31の上面に、連続的に形成される。好適には、複数の配線部WTPは、平面視において、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列される(図9参照)。
配線部WTPのうち領域AR1に形成された部分を部分PR1とする。部分PR1は、引き回し配線WRTの一部である。また、配線部WTPのうち領域AR2に形成された部分を部分PR2とする。部分PR2は、引き回し配線WRTの他の部分と、電極端子ET1の一部と、を含む。さらに、配線部WTPのうち領域AR3に形成された部分を部分PR3とする。部分PR3は、電極端子ET1の他の部分であり、配線基板WS1と電気的に接続される。導体パターンCB1のうち、部分PR1からなる導体パターンを導体パターンCB12とし、部分PR2からなる導体パターンを導体パターンCB13とし、部分PR3からなる導体パターンを導体パターンCB14とする。
次に、図13に示すように、保護膜33を形成する。この保護膜33を形成する工程では、表示領域Ad、ならびに、領域AR1および領域AR2で、基板31の上面に、保護膜形成用の原料液を液滴として吐出して塗布することにより、複数の検出電極TDLおよび複数の配線部WTPからなる導体パターンCB1を覆うように、保護膜33を形成する。一方、領域AR3では、保護膜形成用の原料液は塗布しないので、複数の配線部WTPの各々の側面を、保護膜33から露出させる。
このような保護膜形成用の原料液を液滴として吐出して塗布する方法として、例えばインクジェット法または電界ジェット法などを用いることができる。また、以下では、保護膜形成用の原料液を、インクジェット法により塗布する場合を例示して説明する。
保護膜33として、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂またはポリイミド樹脂などの、UV硬化性樹脂または熱硬化性樹脂からなる樹脂膜を形成することができる。したがって、保護膜形成用の原料液として、上記したUV硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含有した原料液を用いることができる。
例えばインクジェット法により原料液を塗布する場合、図14に示すように、基板31に対して相対移動可能に設けられたノズルヘッド51を、基板31に対してある方向に相対移動させながら、ノズルヘッド51に設けられたノズルから基板31の上面に向けて、原料液52からなる液滴を吐出する。これにより、表示領域Adで、複数の検出電極TDLを覆うように、原料液52を塗布して塗布膜を形成する(図示は省略)。また、図13に示すように、領域AR1および領域AR2で、複数の配線部WTPを覆うように、原料液52を塗布して塗布膜を形成する。具体的には、表示領域Ad、ならびに、領域AR1および領域AR2で、ノズルから吐出された液滴が基板31の上面に着弾して形成された複数のドットからなる塗布膜が、塗布される。
その後、塗布された塗布膜を硬化させることにより、保護膜33を形成する。原料液52としてUV硬化性樹脂を含有した原料液を用いた場合、塗布された塗布膜にUVからなる光、すなわちUV光を照射することにより、塗布膜を硬化させる。あるいは、原料液52として熱硬化性樹脂を含有した原料液を用いた場合、塗布された塗布膜を熱処理することにより、塗布膜を硬化させる。これにより、ノズルから吐出された液滴が基板31の上面に着弾して形成された複数のドットからなる保護膜33が、形成される。
なお、図14に示すように、ある方向に配列された複数のノズルを有するノズルヘッド51を用いて、同時に複数のノズルから原料液52を吐出することにより、原料液52を塗布する工程に要する時間を短縮することができる。
保護膜形成用の原料液を液滴として吐出する方法を用いて原料液を塗布する場合、パターニングのためにフォトリソグラフィおよびエッチングを行う必要がないので、製造工程数を増加させることなく、所望のパターンを有する保護膜を形成することができる。また、保護膜形成用の原料液を液滴として吐出する方法を用いて原料液を塗布する場合、パターニングのためのフォトマスクを用意する必要がないので、製造コストを低減することができる。また、保護膜形成用の原料液を液滴として吐出する方法を用いて原料液を塗布する場合、原料液を効率よく利用することができるため、製造コストを低減することができる。さらには、保護膜形成用の原料液を液滴として吐出する方法を用いて原料液を塗布する場合、大気圧下での成膜が可能であり、真空チャンバを備えた成膜装置を用いる必要がないので、成膜装置を小型化することができる。
本実施の形態1では、領域AR2における基板31の上面の単位面積当たりの原料液の塗布量を、領域AR1における基板31の上面の単位面積当たりの原料液の塗布量よりも少なくする。これにより、保護膜33のうち、領域AR2に形成される部分P33の平均膜厚AT2を、保護膜33のうち、領域AR1に形成される部分P32の平均膜厚AT1よりも薄くする。このとき、保護膜33の部分P33のうち、配線部WTPの部分PR2上に形成された部分の膜厚TH2が、保護膜33の部分P33のうち、配線部WTPの部分PR1上に形成された部分の膜厚TH1よりも薄い。
すなわち、領域AR2における基板31の上面の単位面積当たりの原料液の塗布量を、領域AR1における基板31の上面の単位面積当たりの原料液の塗布量よりも少なくする。これにより、配線部WTPの部分PR2上に形成された部分の保護膜33の膜厚TH2を、配線部WTPの部分PR1上に形成された部分の保護膜33の膜厚TH1よりも薄くする。
ここで、図15〜図18を参照し、原料液を液滴として吐出して塗布する方法により保護膜33を形成する際に、保護膜33を連続的に形成することができる好適な条件について、説明する。以下では、保護膜33を形成する工程に含まれる工程のうち、原料液からなる液滴を、平面視においてある方向にピッチPT1で複数吐出する工程について、説明する。このとき、ピッチPT1で吐出される複数の液滴の各々の体積は、同一ではない。すなわち、ピッチPT1で吐出される複数の液滴のうちいずれか2つの液滴の各々の体積は、互いに異なる。
このような場合、複数の液滴の各々の体積のうち最大の体積を有する液滴が、基板31の上面に着弾して形成されたドットDTを、ドットDT1とし、複数の液滴の各々の体積のうち最小の体積を有する液滴が、基板31の上面に着弾して形成されたドットDTを、ドットDT2とする。また、ドットDT1の直径を、直径DM1とし、ドットDT2の直径を、直径DM2とする。直径DM1は、複数のドットDTの各々の直径の最大値であり、直径DM2は、複数のドットDTの各々の直径の最小値である。
なお、ピッチPT1とは、隣り合う2つの液滴がそれぞれ着弾する着弾位置同士の間隔であり、隣り合う2つの液滴がそれぞれ着弾して形成された2つのドットDTの中心同士の間隔である。
図15に示すように、ピッチPT1が、ドットDT1の直径DM1以上の場合、Y軸方向で隣り合う2つのドットDT1が平面視において重ならないおそれがある。一方、図16に示すように、ピッチPT1が、ドットDT1の直径DM1未満の場合、Y軸方向で隣り合う2つのドットDT1が平面視において互いに重なり合う。そのため、領域AR1および領域AR2で、基板31の上面に吐出された液滴が着弾して形成された複数のドットDT1により、保護膜33を連続的に形成することができる。
また、図17に示すように、ピッチPT1が、ドットDT1の直径DM1未満であっても、ドットDT2の直径DM2以上の場合、Y軸方向で隣り合う2つのドットDT2が平面視において重ならないおそれがある。一方、図18に示すように、ピッチPT1が、ドットDT2の直径DM2未満の場合、Y軸方向で隣り合う2つのドットDT2が平面視において互いに重なり合う。そのため、領域AR1および領域AR2で、基板31の上面に吐出された液滴が着弾して形成された複数のドットDTにより、保護膜33を確実に連続的に形成することができる。
好適には、導体パターンCB1の上面における表面張力と、基板31の上面における表面張力との差が、基板31の上面における表面張力に対して10%以内である。これにより、導体パターンCB1の上面における表面張力と、基板31の上面における表面張力と、が略等しくなる。これにより、導体パターンCB1の上面と、基板31の上面との間で、着弾した液滴の広がり幅を均一にすることができる。したがって、互いに等しい体積を有する2つの液滴のうち、一方の液滴が導体パターンCB1の上面に着弾して形成されたドットの直径を、他方の液滴が基板31の上面に着弾して形成されたドットの直径と、略等しくすることができる。
なお、原料液からなる液滴を、平面視においてある方向に一定のピッチで複数吐出する際に、吐出される液滴の体積を調整することにより、液滴が着弾して形成されたドットの直径を、直径DM1と直径DM2との間で制御することができる。
あるいは、図19に一例を示すように、原料液からなる液滴を、平面視において、例えばX軸方向およびY軸方向にそれぞれ一定のピッチで複数吐出する際に、吐出される液滴の体積を、最大の体積と最小の体積との間で周期的に変動させるように調整することにより、上面に凹凸を有する保護膜33を形成することもできる。
次に、配線基板WS1(図10参照)を電極端子ET1と電気的に接続する。この配線基板WS1を電極端子ET1と電気的に接続する工程では、配線部WTPを覆うように、異方性導電フィルム(ACF)CF1(図10参照)を介して配線基板WS1を配置する。以下では、配線部WTPを覆うように異方性導電フィルムCF1を配置した後、異方性導電フィルムCF1上に配線基板WS1を配置する方法を説明する。しかし、配線部WTPを覆うように、異方性導電フィルムCF1および配線基板WS1を同一工程により配置してもよい。
まず、図20に示すように、領域AR2および領域AR3で、配線部WTPを覆うように異方性導電フィルムCF1を配置する。前述したように、異方性導電フィルムCF1は、熱硬化性樹脂に導電性を持つ微細な金属粒子MP1を混ぜ合わせたものを、膜状に成型したフィルムである。
次に、図10に示したように、異方性導電フィルムCF1上に、配線基板WS1を配置する。
前述したように、配線基板WS1として、例えばフレキシブルプリント回路基板(FPC)とも称されるフレキシブルプリント配線板を用いることができる。配線基板WS1は、基体WB1と、複数の電極端子ET2とを、含む。複数の電極端子ET2は、基体WB1の主面としての下面に、形成されている。複数の電極端子ET2は、複数の配線部WTPの各々の部分PR3にそれぞれ対応して配置されている。
このように、配線部WTPの部分PR3すなわち電極端子ET1と、電極端子ET2と、の間に異方性導電フィルムCF1を挟んだ状態で、例えば熱処理しながら配線基板WS1を基板31に押し付ける。この際に、異方性導電フィルムCF1内の複数の金属粒子MP1が異方性導電フィルムCF1の厚さ方向につぶれて接触することにより、異方性導電フィルムCF1の厚さ方向に導電経路が形成される。そして、互いに対向した電極端子ET1と、電極端子ET2とは、異方性導電フィルムCF1を介して電気的に接続される。
好適には、配線基板WS1を配置する工程で、配線基板WS1の電極端子ET2が、配線部WTPの部分PR3と、異方性導電フィルムCF1を介して対向した状態、かつ、異方性導電フィルムCF1の領域AR1側の端部EG2、および、配線基板WS1の領域AR1側の端部EG3が、保護膜33上に配置された状態にする。そして、このような状態で、配線部WTPの部分PR3と、電極端子ET2とを、異方性導電フィルムCF1を介して電気的に接続する。これにより、配線部WTPの部分PR2のいずれの部分も、保護膜33または異方性導電フィルムCF1のいずれかにより覆われることになり、配線部WTPの部分PR2のいずれの部分にも空気中の水分が接触しないようにすることができるので、導電膜からなる検出電極TDLが腐食しないように確実に保護することができる。
さらに好適には、配線基板WS1を配置する工程で、配線基板WS1の領域AR1側の端部EG3が、保護膜33の部分P33上に、異方性導電フィルムCF1を介して配置された状態で、配線部WTPの部分PR3と、電極端子ET2とを、異方性導電フィルムCF1を介して電気的に接続する。これにより、配線基板WS1が、保護膜33のうち、部分P33の平均膜厚AT2よりも厚い平均膜厚AT1を有する部分P32とは、平面視において重ならなくなる。そのため、段差部STP1を跨ぐように配置された配線基板WS1を、異方性導電フィルムCF1を介して基板31に押し付ける際に、異方性導電フィルムCF1内の複数の金属粒子MP1が、異方性導電フィルムCF1の厚さ方向につぶれて接触する接触しやすさが、異方性導電フィルムCF1の面内で略均一になる。したがって、電極端子ET1と、電極端子ET2とを、電気的に安定して接続することができる。
<電極基板と配線基板との電気的な接続の安定性について>
次に、電極基板と配線基板との電気的な接続の安定性について、比較例1の電極基板と対比しながら説明する。
図21は、比較例1の電極基板を示す平面図である。図22は、比較例1の電極基板を示す断面図である。図23は、比較例1の電極基板の製造工程中の断面図である。
比較例1では、対向基板103としての電極基板ES100は、基板31と、導体パターンCB1と、保護膜133と、を有する。比較例1でも、基板31は、実施の形態1と同様に、基板31の上面の領域として、基板31の上面の領域AR1、基板31の上面の領域AR2、および、基板31の上面の領域AR3を含む。
比較例1でも、導体パターンCB1は、実施の形態1と同様に、複数の配線部WTPを含む。複数の配線部WTPの各々は、平面視において、基板31の上面の領域AR1から、基板31の上面の領域AR2を経て、基板31の上面の領域AR3にかけて、基板31の上面に、連続的に形成されている。複数の配線部WTPは、平面視において、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列されている。
また、比較例1でも、実施の形態1と同様に、複数の配線部WTPの各々は、引き回し配線WRTと、電極端子ET1と、を含む。また、配線部WTPのうち領域AR1に形成された部分を部分PR1とし、配線部WTPのうち領域AR2に形成された部分を部分PR2とし、配線部WTPのうち領域AR3に形成された部分を部分PR3とする。
保護膜133は、領域AR1および領域AR2で、複数の検出電極TDLおよび複数の配線部WTPからなる導体パターンCB1を覆うように形成されている。保護膜133のうち、領域AR1に形成された部分を、部分P132とし、領域AR2に形成された部分を、部分P133とする。
配線部WTPのうち、領域AR1および領域AR2に形成された部分PR1および部分PR2は、保護膜133により覆われている。比較例1では、保護膜133は、例えばインクジェット法または電界ジェット法などの、原料液を液滴として吐出して塗布する方法により形成されたものではない。比較例1では、保護膜133は、例えば基板31の上面全面に保護膜133となる絶縁膜を形成した後、例えばフォトリソグラフィおよびエッチングで絶縁膜をパターニングする方法により、形成されたものである。
比較例1では、保護膜133の部分P133の平均膜厚AT2は、保護膜133の部分P132の平均膜厚AT1と等しい。すなわち、保護膜133の部分P133のうち、配線部WTPの部分PR2上に形成された部分の膜厚TH2は、保護膜133の部分P132のうち、配線部WTPの部分PR1上に形成された部分の膜厚TH1と等しい。
このような比較例1の電極基板の製造工程では、図11および図12を用いて説明した工程と同様の工程を行って、複数の検出電極TDLおよび複数の配線部WTPからなる導体パターンCB1を形成した後、図23に示すように、導体パターンCB1を覆うように、保護膜133を形成する。次に、図23に示すように、領域AR2および領域AR3で、基板31上に、配線部WTPを覆うように異方性導電フィルムCF1を配置する。その後、領域AR2および領域AR3で、異方性導電フィルムCF1上に、配線基板WS1を配置することにより、図22に示すように、配線部WTPの部分PR3すなわち電極端子ET1と、電極端子ET2とを、異方性導電フィルムCF1を介して電気的に接続する。
比較例1では、保護膜133の部分P133の平均膜厚AT2が、保護膜133の部分P132の平均膜厚AT1と等しいため、保護膜133の領域AR3側の端部EG1における段差部STP1の高さが高くなる。そのため、段差部STP1を跨ぐように配置された配線基板WS1を、異方性導電フィルムCF1を介して基板31に押し付ける際に、異方性導電フィルムCF1内の複数の金属粒子MP1が、異方性導電フィルムCF1の厚さ方向につぶれて接触する接触しやすさが、異方性導電フィルムCF1の面内で均一にならない。したがって、電極端子ET1と、電極端子ET2とを、電気的に安定して接続することは困難である。
比較例1では、保護膜133は、原料液を液滴として吐出して塗布することにより形成されたものではない。そのため、保護膜133の部分P133の平均膜厚AT2を、保護膜133の部分P132の平均膜厚AT1よりも薄くするために、以下のような方法が考えられる。すなわち、例えば、基板31の上面全面に第1絶縁膜を形成し、形成された第1絶縁膜をパターニングして領域AR2における第1絶縁膜を除去した後、再び基板31の上面全面に第2絶縁膜を形成し、形成された第2絶縁膜をパターニングする方法が考えられる。しかし、このような方法では、保護膜133を形成する工程の工程数が増加する。
上記特許文献1に記載された技術では、感光性有機樹脂膜である有機平坦化膜をスピンコート法などにより塗布形成した後、ハーフトーン露光技術による露光を行い、現像することにより、厚み方向に段差構造を有する有機膜パターンを形成する。しかし、上記特許文献1に記載された技術では、厚み方向に段差構造を有する有機膜パターンを形成する際に、例えばハーフトーンマスクなどの特殊なフォトマスクを用いたハーフトーン露光を行う必要がある。そのため、電極基板を形成する工程の工程数が増加し、電極基板の製造コストが増大する。
このように、比較例1では、電極基板ES100に含まれる基板31の上面の2つの領域の間、すなわち領域AR1と領域AR2との間で、保護膜133の膜厚が異なるように、保護膜133の膜厚を容易に調整することは、困難である。そのため、保護膜133の端部EG1における段差部を跨ぐように配置された電極端子ET2と、電極端子ET1と、を電気的に安定して接続することができず、表示装置の電気特性が劣化する。
なお、前述したように、比較例1では、保護膜133は、原料液を液滴として吐出して塗布することにより形成されたものではない。そのため、保護膜133を例えばフォトリソグラフィおよびエッチングでパターニングすることにより、配線部WTPの部分PR3の周辺部を保護膜133により覆うことができる。したがって、領域AR3で、配線部WTPの部分PR3の側面、および、配線部WTPの部分PR3のうち領域AR1側と反対側の端部は、保護膜133により覆われている。
<本実施の形態の主要な特徴と効果>
本実施の形態1では、保護膜33のうち領域AR2に形成された部分P33の平均膜厚AT2は、保護膜33のうち領域AR1に形成された部分P32の平均膜厚AT1よりも薄い。すなわち、保護膜33の部分P33のうち、配線部WTPの部分PR2上に形成された部分の膜厚TH2は、保護膜33の部分P32のうち、配線部WTPの部分PR1上に形成された部分の膜厚TH1よりも薄い。
このような場合、比較例1に比べ、保護膜33の領域AR3側の端部EG1における段差部STP1の高さが低くなる。そのため、段差部STP1を跨ぐように配置された配線基板WS1を、異方性導電フィルムCF1を介して基板31に押し付ける際に、異方性導電フィルムCF1内の複数の金属粒子MP1が、異方性導電フィルムCF1の厚さ方向につぶれて接触する接触しやすさが、異方性導電フィルムCF1の面内で略均一になる。したがって、配線部WTPの部分PR3すなわち電極端子ET1と、電極端子ET2とを、電気的に安定して接続することができる。
すなわち、本実施の形態1では、電極基板ESに含まれる基板31の上面の2つの領域の間、すなわち領域AR1と領域AR2との間で、保護膜33の膜厚が異なるように、保護膜33の膜厚を容易に調整することができる。そのため、保護膜33の端部EG1における段差部を跨ぐように配置された電極端子ET2と、電極端子ET1と、を電気的に安定して接続することができる。したがって、表示装置の電気特性を向上させることができる。
また、本実施の形態1では、保護膜33は、保護膜形成用の原料液を液滴として吐出して塗布することにより形成されたものである。そのため、保護膜33の部分P33の平均膜厚AT2を、保護膜33の部分P32の平均膜厚AT1よりも薄くするために、以下のような方法を行う必要がない。すなわち、例えば、基板31の上面全面に第1絶縁膜を形成し、形成された第1絶縁膜をパターニングして領域AR2における第1絶縁膜を除去した後、再び基板31の上面全面に第2絶縁膜を形成し、形成された第2絶縁膜をパターニングする方法を行う必要がない。したがって、保護膜33を形成する工程の工程数を削減することができる。
さらに、本実施の形態1では、保護膜33の部分P33の平均膜厚AT2を、保護膜33の部分P32の平均膜厚AT1よりも薄くするために、例えばハーフトーンマスクなどのフォトマスクを準備する必要がない。したがって、電極基板の製造コストを低減することができ、保護膜33を形成する工程の工程数を削減することができる。
なお、例えばインクジェット法または電界ジェット法などの、原料液を液滴として吐出して塗布する方法によるパターニングの形状精度は、例えばフォトリソグラフィおよびエッチングにより絶縁膜をパターニングする方法によるパターニングの形状精度よりも低い。具体的には、図16および図18を用いて説明した複数のドットのピッチPT1の最小値は、70μm程度であるが、X軸方向における電極端子ET1の配列ピッチDS1は、100μm程度であり、ピッチPT1の最小値と同じオーダーにある。そのため、原料液を液滴として吐出して塗布することにより保護膜33を形成する方法では、領域AR3で、配線部WTPの部分PR3の中央部が、保護膜33により露出し、かつ、配線部WTPの部分PR3の周辺部が、保護膜33により覆われるように、保護膜33をパターニングすることはできない。したがって、領域AR3で、配線部WTPの部分PR3の側面、および、配線部WTPの部分PR3のうち領域AR1側と反対側の端部は、保護膜33から露出している。すなわち、領域AR3に形成された部分の配線部WTPの側面は、保護膜33から露出している。
好適には、X軸方向における電極端子ET1の配列ピッチDS1は、100〜2000μmである。このような配列ピッチDS1の範囲では、原料液を液滴として吐出して塗布することにより、保護膜33の部分P33の平均膜厚AT2を、保護膜33の部分P32の平均膜厚AT1よりも容易に薄くできるという利点が、パターニングの形状精度が低いという欠点を、大きく上回る。したがって、配列ピッチDS1が100μm未満の場合、または、配列ピッチDS1が2000μmを超える場合に比べ、電極端子ET1と、電極端子ET2とを、電気的に安定して接続することができる効果が、より大きくなる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、入力装置としてのタッチパネルを備えた表示装置を、対向基板に含まれる基板の上面に、入力装置の検出電極が設けられたタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用した例について説明した。それに対して、実施の形態2では、入力装置としてのタッチパネルを備えた表示装置を、対向基板に含まれる基板の上面に、入力装置の検出電極および駆動電極が設けられたタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用した例について説明する。
本実施の形態2の表示装置のうち、対向基板3以外の各部分については、実施の形態1の表示装置のうち、対向基板3以外の各部分と同様であるため、それらの説明を省略する。
また、本実施の形態2では、駆動電極COML(図6参照)は、液晶表示デバイス20(図1参照)の駆動電極としては動作するが、タッチ検出デバイス30(図1参照)の駆動電極としては動作しない。したがって、実施の形態1と異なり、駆動電極COMLとして、複数の駆動電極が設けられていなくてもよく、例えば実施の形態1の複数の駆動電極COMLが結合して一体化した1つの駆動電極が設けられていてもよい。
<電極基板の構成>
図24は、実施の形態2の電極基板を示す平面図である。図25および図26は、実施の形態2の電極基板を示す断面図である。図25は、図24のC−C線に沿った断面図である。図26は、図10の断面の一部に対応した断面図である。
本実施の形態2における対向基板3としての電極基板ESは、基板31と、導体パターンCB1と、保護膜33と、複数のブリッジ電極BE1と、を有する。本実施の形態2における基板31については、実施の形態1における基板31と同様にすることができる。
導体パターンCB1は、複数の検出電極TDLと、複数の電極部群EP2Gと、複数の配線部WTPと、を含む。本実施の形態2における配線部WTPについては、実施の形態1における配線部WTPと同様にすることができる。すなわち、複数の配線部WTPの各々は、平面視において、基板31の上面の領域AR1から、基板31の上面の領域AR2を経て、基板31の上面の領域AR3にかけて、基板31の上面に、連続的に形成されている。複数の配線部WTPの各々は、引き回し配線WRTと、電極端子ET1と、を含む。導体パターンCB1のうち、表示領域Adで、複数の検出電極TDLおよび複数の電極部群EP2Gからなる導体パターンを、導体パターンCB11とする。
配線部WTPのうち領域AR1に形成された部分PR1は、引き回し配線WRTの一部であり、配線部WTPのうち領域AR2に形成された部分PR2は、引き回し配線WRTの他の部分と、電極端子ET1の一部と、を含み、配線部WTPのうち領域AR3に形成された部分PR3は、電極端子ET1の他の部分である。導体パターンCB1のうち、部分PR1からなる導体パターンを導体パターンCB12とし、部分PR2からなる導体パターンを導体パターンCB13とし、部分PR3からなる導体パターンを導体パターンCB14とする。
複数の検出電極TDLの各々は、タッチ検出デバイス30の検出電極である。複数の検出電極TDLの各々は、表示領域Adで、基板31の上面に形成されている。表示領域Adは、領域AR1を挟んで領域AR2と反対側の領域である。複数の検出電極TDLは、表示領域Adで、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列されている。複数の検出電極TDLの各々は、複数の電極部EP1と、複数の接続部CN1と、を含む。複数の電極部EP1の各々、および、複数の接続部CN1の各々は、表示領域Adで、基板31の上面に設けられている。複数の電極部EP1は、平面視において、Y軸方向に配列されている。また、Y軸方向で隣り合う2つの電極部EP1は、接続部CN1により、電気的に接続されている。図24に示すように、複数の電極部EP1の各々は、平面視において、複数の導電線により形成されたメッシュ形状を有してもよく、複数の接続部CN1の各々は、平面視において、複数の導電線により形成されたメッシュ形状を有してもよい。
複数の電極部群EP2Gの各々は、表示領域Adで、基板31の上面に形成されている。複数の電極部群EP2Gは、表示領域Adで、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に配列されている。複数の電極部群EP2Gの各々は、複数の電極部EP2を含む。複数の電極部EP2の各々は、表示領域Adで、基板31の上面に設けられている。複数の電極部EP2は、平面視において、X軸方向に配列されている。図24に示すように、複数の電極部EP2は、平面視において、複数の導電線により形成されたメッシュ形状を有してもよい。また、X軸方向で隣り合う2つの電極部EP2は、ブリッジ電極BE1により、電気的に接続されている。
保護膜33は、表示領域Ad、ならびに、領域AR1および領域AR2で、複数の検出電極TDL、複数の電極部群EP2Gおよび複数の配線部WTPからなる導体パターンCB1を覆うように形成されている。保護膜33のうち、表示領域Adに形成された部分を、部分P31とし、領域AR1に形成された部分を、部分P32とし、領域AR2に形成された部分を、部分P33とする。本実施の形態2における部分P32および部分P33については、実施の形態1における部分P32および部分P33と同様にすることができる。
保護膜33のうち領域AR2に形成される部分P33の平均膜厚AT2は、保護膜33のうち表示領域Adに形成される部分P31の平均膜厚AT3よりも薄い。すなわち、保護膜33の部分P33のうち、配線部WTPの部分PR2上に形成された部分の膜厚TH2は、保護膜33の部分P31のうち、検出電極TDL上ブリッジ電極BE1下に形成される部分の膜厚TH3よりも薄い。
なお、保護膜33のうち表示領域Adに形成される部分P31の平均膜厚AT3は、保護膜33のうち領域AR1に形成される部分P32の平均膜厚AT1と等しくてもよく、等しくなくてもよい。すなわち、保護膜33の部分P31のうち、検出電極TDL上ブリッジ電極BE1下に形成される部分の膜厚TH3は、保護膜33の部分P32のうち、配線部WTPの部分PR1上に形成された部分の膜厚TH1と等しくてもよく、等しくなくてもよい。
表示領域Adでは、保護膜33の部分P31の上面には、部分P31を貫通して、電極部EP2のX軸方向における第1の側(図25中右側)の端部EG21に達する開口部OP1が形成されている。また、表示領域Adでは、保護膜33の部分P31の上面には、部分P31を貫通して、電極部EP2のX軸方向における第1の側と反対側(図25中左側)の端部EG22に達する開口部OP2が形成されている。開口部OP1と開口部OP2との間に位置する部分の保護膜33は、検出電極TDLに含まれる接続部CN1を覆うように、形成されている。
開口部OP1の底部に露出した端部EG21上、開口部OP2の底部に露出した端部EG22上、開口部OP1の内壁、開口部OP2の内壁、および、開口部OP1と開口部OP2との間に位置する部分の保護膜33上には、ブリッジ電極BE1が連続的に形成されている。すなわち、ブリッジ電極BE1は、表示領域Adで、検出電極TDLを跨ぐように形成されている。
ある電極部EP2を、電極部EP21とし、電極部EP21のX軸方向における第1の側(図25中右側)に配置された電極部EP2であって、電極部EP21と隣り合う電極部EP2を、電極部EP22とする。このとき、電極部EP21のX軸方向における第1の側の端部EG21は、開口部OP1の底部に露出し、開口部OP1の底部に露出した端部EG21は、ブリッジ電極BE1と電気的に接続されている。また、電極部EP22の、X軸方向における第1の側と反対側(図25中左側)の端部EG22は、開口部OP2の底部に露出し、開口部OP2の底部に露出した端部EG22は、ブリッジ電極BE1と電気的に接続されている。したがって、電極部EP21の端部EG21と、電極部EP22の端部EG22とは、ブリッジ電極BE1により電気的に接続されている。
このようにして、X軸方向で隣り合う2つの電極部EP2同士は、ブリッジ電極BE1により電気的に接続されている。そして、X軸方向で隣り合う2つの電極部EP2同士がそれぞれブリッジ電極BE1により電気的に接続された複数の電極部EP2からなる電極部群EP2Gにより、駆動電極DRVLが形成されている。複数の駆動電極DRVLの各々は、タッチ検出デバイス30の駆動電極である。複数の駆動電極DRVLは、表示領域Adで、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に配列されている。したがって、複数の検出電極TDLは、平面視において、複数の駆動電極DRVLと交差する。
<電極基板の製造方法>
本実施の形態2の電極基板の製造工程では、図11を用いて説明した工程を行って基板31を準備した後、図12を用いて説明した工程を行って複数の配線部WTPを形成する。その際に、表示領域Adで、基板31の上面に、複数の配線部WTPの各々とそれぞれ電気的に接続された複数の検出電極TDL、および、複数の電極部群EP2Gを形成する。表示領域Adは、領域AR1を挟んで領域AR2と反対側の領域である。
次に、図13を用いて説明した工程を行って保護膜33を形成する。その際に、実施の形態1で前述したように、領域AR1、領域AR2および表示領域Adで、基板31の上面に、原料液を液滴として吐出して塗布することにより、複数の配線部WTP、複数の検出電極TDLおよび複数の電極部群EP2Gを覆うように、保護膜33を形成する。
本実施の形態2では、領域AR2における基板31の上面の単位面積当たりの原料液の塗布量を、表示領域Adにおける基板31の上面の単位面積当たりの原料液の塗布量よりも少なくする。これにより、図26に示すように、保護膜33のうち領域AR2に形成される部分P33の平均膜厚AT2を、保護膜33のうち表示領域Adに形成される部分P31の平均膜厚AT3よりも薄くする。このとき、保護膜33の部分P33のうち、配線部WTPの部分PR2上に形成された部分の膜厚TH2が、保護膜33の部分P31のうち、検出電極TDL上ブリッジ電極BE1下に形成される部分の膜厚TH3よりも薄い。
すなわち、領域AR2における基板31の上面の単位面積当たりの原料液の塗布量を、表示領域Adにおける基板31の上面の単位面積当たりの原料液の塗布量よりも少なくする。これにより、配線部WTPの部分PR2上に形成される部分の保護膜33の膜厚TH2を、検出電極TDL上ブリッジ電極BE1下に形成される部分の保護膜33の膜厚TH3よりも薄くする。
次に、図25に示すように、保護膜33のうち、表示領域Adに形成された部分P31に、部分P31を貫通して電極部EP21の端部EG21に達する開口部OP1、および、部分P31を貫通して電極部EP22の端部EG22に達する開口部OP2を形成する。
次に、図25に示すように、開口部OP1の底部に露出した端部EG21上、開口部OP2の底部に露出した端部EG22上、開口部OP1の内壁、開口部OP2の内壁、および、開口部OP1と開口部OP2との間に位置する部分の保護膜33上に、ブリッジ電極BE1を、連続的に形成する。ブリッジ電極BE1は、表示領域Adで、検出電極TDLを跨ぐように形成される。
その後、図20および図10を用いて説明した工程を行って、配線基板WS1を電極端子ET1と電気的に接続する。
<本実施の形態の主要な特徴と効果>
本実施の形態2では、実施の形態1と同様に、保護膜33のうち領域AR2に形成された部分P33の平均膜厚AT2は、保護膜33のうち領域AR1に形成された部分P32の平均膜厚AT1よりも薄い。すなわち、保護膜33の部分P33のうち、配線部WTPの部分PR2上に形成された部分の膜厚TH2は、保護膜33の部分P31のうち、配線部WTPの部分PR1上に形成された部分の膜厚TH1よりも薄い。
これにより、実施の形態1と同様に、配線部WTPの部分PR3すなわち電極端子ET1と、電極端子ET2とを、電気的に安定して接続することができる。
さらに、本実施の形態2では、保護膜33のうち領域AR2に形成された部分P33の平均膜厚AT2は、保護膜33のうち表示領域Adに形成された部分P31の平均膜厚AT3よりも薄い。すなわち、保護膜33の部分P33のうち、配線部WTPの部分PR2上に形成された部分の膜厚TH2は、保護膜33の部分P31のうち、検出電極TDL上に形成された部分の膜厚TH3よりも薄い。
これにより、平面視において、駆動電極DRVLと検出電極TDLとが交差する交差領域で、ブリッジ電極BE1と検出電極TDLとの間の容量CP1を低減することができるので、駆動電極DRVLと検出電極TDLとの間の容量を低減することができる。あるいは、駆動電極DRVLと検出電極TDLとが交差する交差領域で、駆動電極DRVLと検出電極TDLとが短絡することを防止することができる。
(実施の形態3)
実施の形態1では、検出電極に接続された配線部を覆うように形成された保護膜のうち、基板の外周部側に位置する部分の膜厚が、基板の中央部側に位置する部分の膜厚よりも薄い例について説明した。それに対して、実施の形態3では、検出電極に接続された配線部を覆うように形成された部分の保護膜の膜厚が、検出電極を覆うように形成された部分の保護膜の膜厚よりも薄い例について説明する。
本実施の形態3の表示装置における全体構成は、実施の形態1の表示装置における全体構成と同様にすることができ、その説明を省略する。
<モジュールおよびタッチ検出機能付き表示デバイス>
図27は、実施の形態3の表示装置を実装したモジュールの一例を示す平面図である。図28は、実施の形態3の表示装置におけるタッチ検出機能付き表示デバイスを示す断面図である。図28は、図27のA−A線に沿った断面の一部を示す断面図である。なお、図27では、保護膜33の部分P31、部分P32および部分P33、ならびに、配線基板WS1を二点鎖線により示している。
図27に示すように、本実施の形態3におけるタッチ検出機能付き表示デバイス10は、実施の形態1におけるタッチ検出機能付き表示デバイス10と同様に、基板21と、基板31と、複数の駆動電極COMLと、複数の検出電極TDLとを有する。
本実施の形態3は、複数の駆動電極COMLが、平面視において、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列されている点で、実施の形態1と異なる。また、本実施の形態3は、複数の検出電極TDLが、平面視において、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に配列されている点で、実施の形態1と異なる。したがって、以下では、図27および図28を参照し、実施の形態1で図5および図6を用いて説明した部分と異なる部分を、主として説明する。
また、図示は省略するが、本実施の形態3では、実施の形態1と異なり、複数の駆動電極COMLの各々は、平面視において、Y軸方向に配列された複数の副画素SPixと重なるように設けられている。
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、アレイ基板2と、対向基板3と、偏光板4と、偏光板5と、液晶層6と、封止部7と、を有する。対向基板3は、アレイ基板2の主面としての上面と、対向基板3の主面としての下面とが対向するように、アレイ基板2と対向配置されている。液晶層6は、アレイ基板2と対向基板3との間に設けられている。
本実施の形態3における偏光板4、偏光板5、液晶層6および封止部7については、実施の形態1における偏光板4、偏光板5、液晶層6および封止部7と同様にすることができる。
図28に示すように、アレイ基板2は、基板21と、複数の駆動電極COMLと、絶縁膜24と、複数の画素電極22とを有する。本実施の形態3における基板21、複数の駆動電極COML、絶縁膜24および複数の画素電極22については、複数の駆動電極COMLが、平面視において、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列されている点を除き、実施の形態1と同様にすることができる。
一方、本実施の形態3では、実施の形態1と異なり、同一の列に属する複数の副画素SPixが1つの駆動電極COMLを共有するようになっている。前述したように、複数の信号線SGLは、表示領域Adで、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列されている(図7参照)。そのため、複数の駆動電極COMLの各々が延在する方向は、複数の信号線SGLの各々が延在する方向と平行である。
本実施の形態3の表示装置の液晶表示デバイス20におけるゲートドライバ12、ソースドライバ13および駆動電極ドライバ14を用いた表示動作を、実施の形態1の表示装置の液晶表示デバイス20における表示動作と同様に行うことができる。
本実施の形態3の表示装置1における駆動電極COMLは、実施の形態1の表示装置1における駆動電極COMLと同様に、液晶表示デバイス20の駆動電極として動作し、かつ、タッチ検出デバイス30の駆動電極として動作する。
本実施の形態3でも、実施の形態1と同様に、複数の駆動電極COMLの各々と複数の検出電極TDLの各々との平面視における交差部には、静電容量が発生する。そして、複数の駆動電極COMLの各々と複数の検出電極TDLの各々との間の静電容量に基づいて、入力位置が検出される。すなわち、検出電極TDLが形成された基板31(図28参照)のような電極基板と、駆動電極COMLとにより、入力位置を検出する検出部、すなわち入力装置が形成される。
本実施の形態3の表示装置のタッチ検出デバイス30におけるタッチ検出動作も、実施の形態1の表示装置のタッチ検出デバイス30におけるタッチ検出動作と同様にすることができる。
実施の形態1で図8を用いて説明したように、平面視において、互いに交差した複数の駆動電極COMLと複数の検出電極TDLは、マトリクス状に配列された静電容量式タッチセンサを形成する。よって、タッチ検出デバイス30のタッチ検出面全体を走査することにより、指などが接触または近接した位置を検出することが可能である。
また、本実施の形態3のタッチ検出デバイス30として、実施の形態1のタッチ検出デバイス30と同様に、自己容量方式のタッチ検出デバイス30を適用することができる。
図27および図28に示すように、対向基板3は、基板31と、カラーフィルタ32と、導体パターンCB1と、保護膜33と、を有する。本実施の形態3における基板31およびカラーフィルタ32については、実施の形態1における基板31およびカラーフィルタ32と同様にすることができる。
導体パターンCB1は、基板31の上面に形成されている。導体パターンCB1は、複数の検出電極TDLと、複数の配線部WTPと、を含む。複数の検出電極TDLは、タッチ検出デバイス30の検出電極であり、基板31の上面に形成されている。複数の配線部WTPの各々は、引き回し配線WRTと、電極端子ET1と、を含む。引き回し配線WRTおよび電極端子ET1は、基板31の上面に形成されている。保護膜33は、基板31の上面上に、導体パターンCB1を覆うように形成されている。なお、導体パターンCB1および保護膜33の形状については、後述する。
<電極基板の構成>
次に、図27〜図30を参照し、電極基板の構成について、比較例2の電極基板の構成と対比しながら説明する。なお、本実施の形態3では、電極基板として、入力装置付き表示装置において検出電極が形成される対向基板として用いられる電極基板を例示して説明する。
図29は、実施の形態3の電極基板を示す断面図である。図30は、比較例2の電極基板を示す断面図である。図29は、図27のD−D線に沿った断面図の一部を示す。図30は、図29の断面に対応した断面図である。
本実施の形態3における対向基板3としての電極基板ESは、基板31と、導体パターンCB1と、保護膜33と、を有する。前述したように、本実施の形態3における基板31は、実施の形態1における基板31と同様にすることができる。
導体パターンCB1は、複数の検出電極TDLと、複数の配線部WTPと、を含む。複数の検出電極TDLの各々は、タッチ検出デバイス30の検出電極である。複数の検出電極TDLの各々は、表示領域Adで、基板31の上面に形成されている。導体パターンCB1のうち、表示領域Adで、複数の検出電極TDLからなる導体パターンを、導体パターンCB11とする。
本実施の形態3における複数の検出電極TDLは、複数の検出電極TDLが、平面視において、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に配列されている点を除き、実施の形態1における複数の検出電極TDLと同様にすることができる。
また、本実施の形態3における配線部WTPについては、図9および図10に示した、実施の形態1における配線部WTPと同様にすることができる。すなわち、複数の配線部WTPの各々は、平面視において、基板31の上面の領域AR1から、基板31の上面の領域AR2を経て、基板31の上面の領域AR3にかけて、基板31の上面に、連続的に形成されている。複数の配線部WTPの各々は、引き回し配線WRTと、電極端子ET1と、を含む。
配線部WTPのうち領域AR1に形成された部分PR1は、引き回し配線WRTの一部であり、配線部WTPのうち領域AR2に形成された部分PR2は、引き回し配線WRTの他の部分と、電極端子ET1の一部と、を含み、配線部WTPのうち領域AR3に形成された部分PR3は、電極端子ET1の他の部分である。導体パターンCB1のうち、部分PR1からなる導体パターンを導体パターンCB12とし、部分PR2からなる導体パターンを導体パターンCB13とし、部分PR3からなる導体パターンを導体パターンCB14とする。
一方、図29に示すように、本実施の形態3では、実施の形態1と異なり、領域AR1の面積に対する、複数の引き回し配線WRTの面積の総和の比が、表示領域Adの面積に対する、複数の検出電極TDLの面積の総和の比よりも大きい。すなわち、領域AR1における複数の引き回し配線WRTの面積率が、表示領域Adにおける複数の検出電極TDLの面積率よりも大きい。このとき、導体パターンCB12の上面の平均高さ位置AH2は、導体パターンCB11の上面の平均高さ位置AH1よりも高い。
本実施の形態3でも、実施の形態1と同様に、保護膜33は、表示領域Ad、ならびに、領域AR1および領域AR2で、複数の検出電極TDLおよび複数の配線部WTPからなる導体パターンCB1を覆うように形成されている。保護膜33のうち、表示領域Adに形成された部分を、部分P31とし、領域AR1に形成された部分を、部分P32とし、領域AR2に形成された部分を、部分P33とする。
本実施の形態3では、保護膜33のうち領域AR1に形成された部分P32の平均膜厚AT1は、保護膜33のうち表示領域Adに形成された部分の保護膜33の平均膜厚AT3よりも薄い。
なお、保護膜33のうち表示領域Adに形成された部分P31の平均膜厚AT3とは、表示領域Adにおける導体パターンCB1、すなわち導体パターンCB11の上面の平均高さ位置AH1と、保護膜33の部分P31の上面の平均高さ位置HT1と、の差を意味する。また、保護膜33のうち領域AR1に形成された部分P32の平均膜厚AT1とは、領域AR1における導体パターンCB1、すなわち導体パターンCB12の上面の平均高さ位置AH2と、保護膜33の部分P32の上面の平均高さ位置HT2と、の差を意味する。
このような本実施の形態3とは異なり、図30に示すように、保護膜133のうち領域AR1に形成された部分P132の平均膜厚AT1が、保護膜133のうち表示領域Adに形成された部分P131の平均膜厚AT3と等しい例を、比較例2とする。この比較例2では、保護膜133は、例えば基板31の上面全面に保護膜133となる絶縁膜を形成した後、例えばフォトリソグラフィおよびエッチングで絶縁膜をパターニングする方法により、形成されたものである。また、比較例2では、保護膜133の部分P132の上面の平均高さ位置HT2は、保護膜133の部分P131の上面の平均高さ位置HT1よりも高い。
比較例2では、保護膜133の部分P132の上面と、保護膜133の部分P131の上面との間の段差部STP2の高さが高くなる。段差部STP2の高さが高くなると、表示領域Adのうち領域AR1と隣り合う部分において、段差部STP2のうち表示領域Adに形成された部分が保護膜133のムラとして視認されるため、表示領域Adで表示される画像の視認性が低下する。
すなわち、比較例2では、電極基板に含まれる基板31の上面の2つの領域の間、すなわち表示領域Adと領域AR1との間で、保護膜133の膜厚が異なるように、保護膜133の膜厚を容易に調整することは、困難である。そのため、保護膜133の部分P131の上面と、保護膜133の部分P132の上面との間の段差部STP2が保護膜133のムラとして視認され、表示領域Adで表示される画像の視認性が低下し、表示装置の光学特性が劣化する。
一方、本実施の形態3では、保護膜33は、例えばインクジェット法または電界ジェット法などの、原料液を液滴として吐出して塗布する方法により形成されたものである。また、領域AR1における基板31の上面の単位面積当たりの原料液の塗布量を、表示領域Adにおける基板31の上面の単位面積当たりの原料液の塗布量よりも少なくする。これにより、保護膜33のうち領域AR1に形成される部分P32の平均膜厚AT1を、保護膜33のうち表示領域Adに形成される部分の保護膜33の平均膜厚AT3よりも薄くする。したがって、保護膜33の部分P32の上面の平均高さ位置HT2と、保護膜33の部分P31の上面の平均高さ位置HT1との差が、比較例2に比べ、小さくなる。
本実施の形態3では、比較例2に比べ、保護膜33の部分P32の上面と、保護膜33の部分P31の上面との間の段差部STP2(図30参照)の高さを低くすることができる。したがって、段差部STP2の高さを低くすることにより、表示領域Adのうち領域AR1と隣り合う部分において、段差部STP2のうち表示領域Adに形成された部分が保護膜33のムラとして視認されにくくなり、表示領域Adで表示される画像の視認性を向上させることができる。
すなわち、本実施の形態3では、電極基板ESに含まれる基板31の上面の2つの領域の間、すなわち表示領域Adと領域AR1との間で、保護膜33の膜厚が異なるように、保護膜33の膜厚を容易に調整することができる。そのため、保護膜33の部分P32の上面と、保護膜33の部分P31の上面との間の段差部が保護膜33のムラとして視認されることを防止または抑制することができる。したがって、表示領域Adで表示される画像の視認性を向上させることができるので、表示装置の光学特性を向上させることができる。
好適には、領域AR1における基板31の上面の単位面積当たりの原料液の塗布量をさらに調整することにより、保護膜33の部分P32の上面と、保護膜33の部分P31の上面の間に段差部が形成されないようにすることができる。すなわち、保護膜33の部分P32の上面の平均高さ位置HT2を、保護膜33の部分P31の上面の平均高さ位置HT1と等しくすることができる。したがって、表示領域Adのうち領域AR1と隣り合う部分において、保護膜33のムラが全く視認されなくなり、表示領域Adで表示される画像の視認性をさらに向上させることができる。
<電極基板の製造方法>
本実施の形態3の電極基板の製造工程では、図11を用いて説明した工程を行って基板31を準備した後、図12を用いて説明した工程を行って複数の配線部WTPを形成する。その際に、表示領域Adで、基板31の上面に、複数の検出電極TDLを形成し、領域AR1で、基板31の上面に、複数の引き回し配線WRTを形成することにより、複数の検出電極TDLおよび複数の引き回し配線WRTからなる導体パターンCB1を形成する。領域AR1の面積に対する、複数の引き回し配線WRTの面積の総和の比は、表示領域Adの面積に対する、複数の検出電極TDLの面積の総和の比よりも大きい。
次に、図13を用いて説明した工程を行って保護膜33を形成する際に、実施の形態1で前述したように、表示領域Adおよび領域AR1で、基板31の上面に、原料液を液滴として吐出して塗布することにより、複数の検出電極TDLおよび複数の引き回し配線WRTを覆うように、保護膜33を形成する。
本実施の形態3では、領域AR1における基板31の上面の単位面積当たりの原料液の塗布量を、表示領域Adにおける基板31の上面の単位面積当たりの原料液の塗布量よりも少なくする。これにより、図29に示すように、保護膜33のうち領域AR1に形成される部分P32の平均膜厚AT1を、保護膜33のうち表示領域Adに形成される部分P31の平均膜厚AT3よりも薄くする。
その後、図20および図10を用いて説明した工程を行って、配線基板WS1を電極端子ET1と電気的に接続する。
<本実施の形態の主要な特徴と効果>
本実施の形態3では、領域AR1の面積に対する、複数の引き回し配線WRTの面積の総和の比が、表示領域Adの面積に対する、複数の検出電極TDLの面積の総和の比よりも大きい。そして、保護膜33のうち領域AR1に形成された部分P32の平均膜厚AT1は、保護膜33のうち表示領域Adに形成された部分P31の平均膜厚AT3よりも薄い。
これにより、保護膜33の部分P32の上面と、保護膜33の部分P31の上面との間の段差部STP2(図30参照)の高さを低くすることができる。したがって、段差部STP2の高さを低くすることにより、表示領域Adのうち領域AR1と隣り合う部分において、段差部STP2のうち表示領域Adに形成された部分が保護膜33のムラとして視認されにくくなり、表示領域Adで表示される画像の視認性を向上させることができる。
なお、本実施の形態3では、保護膜33の部分P32の平均膜厚AT1を、保護膜33の部分P31の平均膜厚AT3よりも薄くすることに加え、実施の形態1と同様に、図10に示したように、保護膜33のうち領域AR2に形成された部分P33の平均膜厚AT2を、保護膜33の部分P32の平均膜厚AT1よりも薄くしてもよい。すなわち、保護膜33の部分P33のうち、配線部WTPの部分PR2上に形成された部分の膜厚TH2を、保護膜33の部分P31のうち、配線部WTPの部分PR1上に形成された部分の膜厚TH1よりも薄くしてもよい。
これにより、実施の形態1と同様に、保護膜33の領域AR3側の端部EG1における段差部STP1の高さが低くなる。そのため、段差部STP1を跨ぐように配置された配線基板WS1を、異方性導電フィルムCF1を介して基板31に押し付ける際に、異方性導電フィルムCF1内の複数の金属粒子MP1が、異方性導電フィルムCF1の厚さ方向につぶれて接触する接触しやすさが、異方性導電フィルムCF1の面内で略均一になる。したがって、配線部WTPの部分PR3すなわち電極端子ET1と、電極端子ET2とを、電気的に安定して接続することができる。
あるいは、本実施の形態3では、実施の形態1と異なり、保護膜33のうち領域AR2に形成された部分P33の平均膜厚AT2を、保護膜33の部分P32の平均膜厚AT1よりも薄くしなくてもよい。
(実施の形態4)
実施の形態1では、入力装置としてのタッチパネルを備えた表示装置を、表示装置の駆動電極COMLが入力装置の駆動電極を兼ねた、インセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用した例について説明した。それに対して、実施の形態4では、入力装置としてのタッチパネルを備えた表示装置を、表示装置の駆動電極COMLと入力装置の駆動電極とが別々に形成された、インセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用した例について説明する。
なお、本実施の形態4の表示装置は、液晶表示装置を始めとして、有機EL表示装置などの各種の表示装置に一体として入力装置が備えられたインセルタイプの表示装置に適用することができる。
<タッチ検出機能付き表示デバイス>
図31は、実施の形態4の表示装置におけるタッチ検出機能付き表示デバイスを示す断面図である。
本実施の形態4の表示装置のうち、対向基板3以外の各部分については、実施の形態1の表示装置のうち、対向基板3以外の各部分と同様であるため、それらの説明を省略する。したがって、以下では、図31を参照し、実施の形態1で図5、図6、図9および図10を用いて説明した部分と異なる部分を、主として説明する。
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、アレイ基板2と、対向基板3と、偏光板4と、偏光板5と、液晶層6と、封止部7と、を有する。対向基板3は、アレイ基板2の主面としての上面と、対向基板3の主面としての下面とが対向するように、アレイ基板2と対向配置されている。
本実施の形態4における偏光板4、偏光板5、液晶層6および封止部7については、実施の形態1における偏光板4、偏光板5、液晶層6および封止部7と同様にすることができる。
本実施の形態4では、アレイ基板2は、駆動電極COMLを有する。駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20(図1参照)の駆動電極としては動作するが、タッチ検出デバイス30(図1参照)の駆動電極としては動作しない。したがって、実施の形態1と異なり、駆動電極COMLとして、複数の駆動電極が設けられていなくてもよく、例えば実施の形態1の駆動電極COMLが結合して一体化した1つの駆動電極が設けられていてもよい。
本実施の形態4におけるアレイ基板2のうち駆動電極COML以外の部分については、実施の形態1におけるアレイ基板2の各部分と同様であり、それらの説明を省略する。
本実施の形態4では、対向基板3は、基板31と、カラーフィルタ32と、駆動電極DRVLと、絶縁膜34と、導体パターンCB1と、保護膜33とを有する。基板31は、主面としての上面と、上面と反対側の主面としての下面とを有する。カラーフィルタ32は、基板31の下面に形成されている。駆動電極DRVLは、タッチ検出デバイス30の駆動電極であり、基板31の上面に形成されている。絶縁膜34は、基板31の上面上に、駆動電極DRVLを覆うように形成されている。
導体パターンCB1は、複数の検出電極TDLと、複数の配線部WTPと、を含む(図5参照)。複数の検出電極TDLの各々は、タッチ検出デバイス30の検出電極である。複数の検出電極TDLの各々、および、複数の配線部WTPの各々は、表示領域Adで、絶縁膜34上に形成されている。本実施の形態4における導体パターンCB1については、導体パターンCB1が、基板31の上面に、駆動電極DRVLおよび絶縁膜34を介して形成されている点を除き、実施の形態1における導体パターンCB1と同様にすることができる。
保護膜33は、絶縁膜34上に、複数の検出電極TDLおよび複数の配線部WTP(図5参照)からなる導体パターンCB1を覆うように形成されている。本実施の形態4における保護膜33については、保護膜33が、基板31の上面に、駆動電極DRVLおよび絶縁膜34を介して形成されている点を除き、実施の形態1における保護膜33と同様にすることができる。
本実施の形態4では、駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20の駆動電極として動作するが、タッチ検出デバイス30の駆動電極としては動作しない。駆動電極DRVLは、タッチ検出デバイス30の駆動電極として動作するが、液晶表示デバイス20の駆動電極としては動作しない。このため、駆動電極COMLによる表示動作と、駆動電極DRVLによるタッチ検出動作とを、独立に並行して行うことができる。
<本実施の形態の主要な特徴と効果>
本実施の形態4でも、実施の形態1と同様に、図10に示したように、保護膜33のうち領域AR2に形成された部分P33の平均膜厚AT2は、保護膜33のうち領域AR1に形成された部分P32の平均膜厚AT1よりも薄い。すなわち、保護膜33の部分P33のうち、配線部WTPの部分PR2上に形成された部分の膜厚TH2は、保護膜33の部分P31のうち、配線部WTPの部分PR1上に形成された部分の膜厚TH1よりも薄い。
これにより、実施の形態1と同様に、配線部WTPの部分PR3すなわち電極端子ET1と、電極端子ET2とを、電気的に安定して接続することができる。
さらに、本実施の形態4では、表示装置の駆動電極COMLと入力装置の駆動電極DRVLとが別々に形成されている。これにより、駆動電極COMLにより表示動作を行う表示期間と、駆動電極DRVLによりタッチ検出動作を行うタッチ検出期間とを分割する必要がなくなるので、見かけ上タッチ検出の検出速度を向上させることができるなど、タッチ検出の検出性能を向上させることができる。
なお、実施の形態1および実施の形態4では、入力装置としてのタッチパネルを備えた表示装置を、インセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用した例について説明した。しかし、入力装置としてのタッチパネルを備えた表示装置を、オンセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用することもできる。オンセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置とは、タッチパネルに含まれる駆動電極および検出電極のいずれもが、液晶表示装置に内蔵されていないタッチ検出機能付き液晶表示装置を意味する。
<入力装置>
図32は、実施の形態4の第1変形例としての入力装置を示す断面図である。図32に示す例では、入力装置は、図31に示したタッチ検出機能付き表示デバイスのうち、基板31、および、基板31よりも上方に位置する部分と略同様の構成を有する。
図32に示すように、本第1変形例としての入力装置は、基板31と、駆動電極DRVLと、絶縁膜34と、導体パターンCB1と、保護膜33とを有する。また、図32では、図31に示す偏光板5に代え、カバーガラスからなる基板5aが設けられている。
導体パターンCB1は、複数の検出電極TDLと、複数の配線部WTP(図10参照)と、を含む。また、図32では図示は省略するが、複数の検出電極TDLは、複数の配線部WTPを介して、例えば図1に示すタッチ検出部40に接続されている。したがって、本第1変形例としての入力装置は、基板31と、駆動電極DRVLと、複数の検出電極TDLと、例えば図1に示すタッチ検出部40のような検出回路と、保護膜33と、を有する。
このような入力装置でも、図10に示したように、保護膜33のうち領域AR2に形成された部分P33の平均膜厚AT2を、保護膜33のうち領域AR1に形成された部分P32の平均膜厚AT1よりも薄くすることができるので、実施の形態1の表示装置が有する効果と同様の効果を有する。
<自己容量方式のタッチ検出機能>
実施の形態1〜実施の形態4、および、実施の形態4の第1変形例では、タッチパネルとして、駆動電極と検出電極とが設けられた、相互容量方式のタッチパネルを適用した例について説明した。しかし、タッチパネルとして、検出電極のみが設けられた、自己容量方式のタッチパネルを適用することもできる。
図33および図34は、自己容量方式における検出電極の電気的な接続状態を表す説明図である。
自己容量方式におけるタッチパネルでは、図33に示すように、静電容量Cxを有する検出電極TDLが、静電容量Cr1を有する検出回路SC1から切り離され、電源Vddと電気的に接続された時に、静電容量Cxを有する検出電極TDLに電荷量Q1が蓄積される。次に、図34に示すように、静電容量Cxを有する検出電極TDLが電源Vddから切り離され、静電容量Cr1を有する検出回路SC1と電気的に接続された時に、検出回路SC1に流れ出る電荷量Q2を検出する。
ここで、検出電極TDLに指が接触または近接した場合、指による容量により、検出電極TDLの静電容量Cxが変化し、検出電極TDLが検出回路SC1と接続された時に、検出回路SC1に流れ出る電荷量Q2も変化する。したがって、流れ出る電荷量Q2を検出回路SC1により測定して検出電極TDLの静電容量Cxの変化を検出することにより、検出電極TDLに指が接触または近接したか否かを判定することができる。
図32を用いて説明した入力装置が、自己容量方式のタッチ検出機能を備えた入力装置である場合、駆動電極DRVLに代え、検出電極TDLが設けられる。このような自己容量方式のタッチ検出機能を備えた入力装置を、実施の形態4の第2変形例の入力装置とすると、本第2変形例の入力装置は、基板31と、複数の検出電極TDLと、例えば図1に示すタッチ検出部40のような検出回路と、保護膜33と、を有する。また、本第2変形例の入力装置では、X軸方向(図5参照)にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向(図5参照)に間隔を空けて配列された複数の検出電極TDLと、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に間隔を空けて配列された複数の検出電極TDLとを有してもよい。このような場合、各方向に延在する複数の検出電極TDLの静電容量Cxの変化を検出することにより、入力位置を二次元的に検出することができる。
また、このような入力装置でも、図10に示したように、保護膜33のうち領域AR2に形成された部分P33の平均膜厚AT2を、保護膜33のうち領域AR1に形成された部分P32の平均膜厚AT1よりも薄くすることができるので、実施の形態1の表示装置が有する効果と同様の効果を有する。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
また、前記実施の形態においては、開示例として液晶表示装置の場合を例示したが、その他の適用例として、有機EL表示装置、その他の自発光型表示装置、あるいは電気泳動素子等を有する電子ペーパー型表示装置等、あらゆるフラットパネル型の表示装置が挙げられる。また、中小型から大型まで、特に限定することなく適用が可能であることはいうまでもない。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。